(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】バルブ装置、このバルブ装置を用いた流量制御方法、流体制御装置、半導体製造方法、および半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
F16K 37/00 20060101AFI20231122BHJP
F16K 1/52 20060101ALI20231122BHJP
F16K 7/17 20060101ALI20231122BHJP
F16K 31/02 20060101ALI20231122BHJP
F16K 31/122 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
F16K37/00 D
F16K1/52 E
F16K7/17 Z
F16K31/02 A
F16K31/122
(21)【出願番号】P 2020569510
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 JP2020001534
(87)【国際公開番号】W WO2020158459
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2019015592
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】390033857
【氏名又は名称】株式会社フジキン
(74)【代理人】
【識別番号】110002893
【氏名又は名称】弁理士法人KEN知財総合事務所
(72)【発明者】
【氏名】土口 大飛
(72)【発明者】
【氏名】吉田 俊英
(72)【発明者】
【氏名】丹野 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 裕也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 研太
(72)【発明者】
【氏名】中田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】篠原 努
(72)【発明者】
【氏名】滝本 昌彦
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/088326(WO,A1)
【文献】特開2018-085365(JP,A)
【文献】特開2007-064333(JP,A)
【文献】国際公開第2020/158512(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 37/00
F16K 1/52
F16K 7/16
F16K 7/17
F16K 31/02
F16K 31/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が流通する流路と、当該流路の途中で外部に開口する開口部とを画定するバルブボディと、
前記バルブボディの前記開口部の周囲に設けられたバルブシート
と、
前記開口部を覆いつつ流路と外部とを隔て、かつ、前記バルブシートに当接および離隔することで流路を開閉する弁体としてのダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムに流路を閉鎖させる閉位置と前記ダイヤフラムに流路を開放させる開位置との間で移動可能に設けられた前記ダイヤフラムを操作する操作部材と、
供給される駆動流体の圧力を受けて、前記操作部材を前記開位置又は閉位置に移動させる主アクチュエータと、
与えられた入力信号に応じて伸縮する受動要素を利用し、かつ、前記開位置に位置付けられた前記操作部材の位置を調整するための調整用アクチュエータと、
前記バルブボディに対する前記操作部材の位置を検出するための位置検出機構と、
前記ダイヤフラムが前記バルブシートに当接する弁閉状態を利用して前記位置検出機構の原点位置を決定する原点位置決定部と、を有するバルブ装置。
【請求項2】
前記原点位置決定部は、弁閉毎に原点位置を決定し、更新する、請求項1に記載のバルブ装置。
【請求項3】
前記原点位置決定部は、前記位置検出機構の検出信号をサンプリングし、弁閉状態から弁開状態に移行する際のサンプリングデータに基づいて、原点位置を決定する、請求項1又は2に記載のバルブ装置。
【請求項4】
弁開度が目標開度になるように、前記調整用アクチュエータを駆動して
前記原点位置決定部の決定した原点位置から前記操作部材を目標位置に制御する制御部をさらに有する、請求項1ないし3のいずれかに記載のバルブ装置。
【請求項5】
前記調整用アクチュエータは、基端部と先端部とを有するケーシングと、当該ケーシング内に収容され前記基端部と前記先端部との間で積層された圧電素子と、を有し、前記圧電素子の伸縮を利用して当該ケーシングの前記基端部と前記先端部との間の全長を伸縮させる、請求項1ないし4のいずれかに記載のバルブ装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のバルブ装置を用いて、流体の流量を調整する流量制御方法。
【請求項7】
複数の流体機器が配列された流体制御装置であって、
前記複数の流体機器は、請求項1ないし5のいずれかに記載のバルブ装置を含む、流体制御装置。
【請求項8】
密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの流量制御に請求項1ないし5のいずれかに記載のバルブ装置を用いた半導体製造方法。
【請求項9】
密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの流量制御に請求項1ないし5
のいずれかに記載のバルブ装置を用いた半導体製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルブ装置、このバルブ装置を用いた流量制御方法および流体制御装置、半導体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスにおいては、正確に計量した処理ガスを処理チャンバに供給するために、開閉バルブ、レギュレータ、マスフローコントローラ等の各種の流体制御機器を集積化した流体制御装置が用いられている。
通常、上記の流体制御装置から出力される処理ガスを処理チャンバに直接供給するが、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition 法)により基板に膜を堆積させる処理プロセスにおいては、処理ガスを安定的に供給するために流体制御装置から供給される処理ガスをバッファとしてのタンクに一時的に貯留し、処理チャンバの直近に設けられたバルブを高頻度で開閉させてタンクからの処理ガスを真空雰囲気の処理チャンバへ供給することが行われている。なお、処理チャンバの直近に設けられるバルブとしては、例えば、特許文献1を参照。
ALD法は、化学気相成長法の1つであり、温度や時間等の成膜条件の下で、2種類以上の処理ガスを1種類ずつ基板表面上に交互に流し、基板表面上原子と反応させて単層ずつ膜を堆積させる方法であり、単原子層ずつ制御が可能である為、均一な膜厚を形成させることができ、膜質としても非常に緻密に膜を成長させることができる。
ALD法による半導体製造プロセスでは、処理ガスの流量を精密に調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-64333号公報
【文献】国際公開WO2018/088326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エア駆動式のダイヤフラムバルブにおいては、樹脂製のバルブシートが経時的に潰れていく、熱変化で樹脂製のバルブシートが膨張又は収縮する等の原因で、流量が経時的に変化してしまう。
このため、処理ガスの流量をより精密にコントロールするには、流量の経時変化に応じて流量調整の必要がある。
本出願人は、供給される駆動流体の圧力を受けて作動する主アクチュエータに加えて、ダイヤフラムを操作する操作部材の位置を調整するための調整用アクチュエータを設け、自動で流量を精密に調整可能なバルブ装置を特許文献2において提案している。
従来においては、特許文献2に開示されたバルブ装置に対しては、弁体としてのダイヤフラムの開度を検出して、さらに精密な流量制御に対する要請があった。
【0005】
本発明の一の目的は、流量を精密に調整可能なバルブ装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記のバルブ装置を用いた流量制御方法、流体制御装置、半導体製造方法および半導体製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るバルブ装置は、流体が流通する流路と、当該流路の途中で外部に開口する開口部とを画定するバルブボディと、
前記バルブボディの前記開口部の周囲に設けられたバルブシート
前記開口部を覆いつつ流路と外部とを隔て、かつ、前記バルブシートに当接および離隔することで流路を開閉する弁体としてのダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムに流路を閉鎖させる閉位置と前記ダイヤフラムに流路を開放させる開位置との間で移動可能に設けられた前記ダイヤフラムを操作する操作部材と、
供給される駆動流体の圧力を受けて、前記操作部材を前記開位置又は閉位置に移動させる主アクチュエータと、
与えられた入力信号に応じて伸縮する受動要素を利用し、かつ、前記開位置に位置付けられた前記操作部材の位置を調整するための調整用アクチュエータと、
前記バルブボディに対する前記操作部材の位置を検出するための位置検出機構と、
前記ダイヤフラムが前記バルブシートに当接する弁閉状態を利用して前記位置検出機構の原点位置を決定する原点位置決定部と、を有する。
【0007】
好ましくは、前記原点位置決定部は、弁閉毎に原点位置を決定し、更新する。
【0008】
さらに好ましくは、弁開度が目標開度になるように、前記調整用アクチュエータを駆動して前記原点決定部の決定した原点位置から前記操作部材を目標位置に制御する制御部をさらに有する。
【0009】
本発明の流量制御方法は、上記構成のバルブ装置を用いて、流体の流量を調整する流量制御方法である。
【0010】
本発明の流体制御装置は、複数の流体機器が配列された流体制御装置であって、
前記複数の流体機器は、上記構成のバルブ装置を含む。
【0011】
本発明の半導体製造方法は、密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの流量制御に上記構成のバルブ装置を用いる。
【0012】
本発明の半導体製造装置は、密閉されたチャンバ内においてプロセスガスによる処理工程を要する半導体装置の製造プロセスにおいて、前記プロセスガスの流量制御に上記構成のバルブ装置を用いている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ダイヤフラムがバルブシートに接触することを利用して位置検出機構の原点位置を決定するので、バルブ開度をより精密に検出でき、精度の高い流量制御が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】本発明の一実施形態に係るバルブ装置の縦断面図であって、
図1Bの1A-1A線に沿った断面図。
【
図1C】
図1Aのバルブ装置のアクチュエータ部の拡大断面図。
【
図1D】
図1Bの1D-1D線に沿ったアクチュエータ部の拡大断面図。
【
図3】半導体製造装置のプロセスガス制御系への本発明の一実施形態に係るバルブ装置の適用例を示す概略図。
【
図5】
図1Aのバルブ装置の全開状態を説明するための要部の拡大断面図。
【
図6】
図1Aのバルブ装置の全閉状態を説明するための要部の拡大断面図。
【
図7】流量の経時変化の発生の主原因を説明するための図。
【
図8A】
図1Aのバルブ装置の流量調整時(流量減少時)の状態を説明するための要部の拡大断面図。
【
図8B】
図1Bのバルブ装置の流量調整時(流量増加時)の状態を説明するための要部の拡大断面図。
【
図10】圧電アクチュエータへの印加電圧と偏差との関係の一例を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aは、本発明の一実施形態に係るバルブ装置1の構成を示す断面図であって、バルブが全閉時の状態を示している。
図1Bはバルブ装置1の上面図、
図1Cはバルブ装置1のアクチュエータ部の拡大縦断面図、
図1Dは
図1Cと90度異なる方向のアクチュエータ部の拡大縦断面図、
図1Eは
図1Aの円A内の拡大断面図である。なお、以下の説明において
図1AのA1を上方向、A2を下方向とする。
バルブ装置1は、支持プレート302上に設けられた収容ボックス301と、収容ボックス301内に設置されたバルブ本体2と、収容ボックス301の天井部に設置された圧力レギュレータ200とを有する。
図1A~
図1Eにおいて、10はバルブボディ、15はバルブシート、20はダイヤフラム、25は押えアダプタ、27はアクチュエータ受け、30はボンネット、40は操作部材、48はダイヤフラム押え、50はケーシング、60は主アクチュエータ、70は調整ボディ、80はアクチュエータ押え、85は位置検出機構、86は磁気センサ、87は磁石、90はコイルばね、100は調整用アクチュエータとしての圧電アクチュエータ、120は皿ばね、130は隔壁部材、150は供給管、160はリミットスイッチ、ORはシール部材としてのOリング、Gは駆動流体としての圧縮エアを示す。なお、駆動流体は、圧縮エアに限定されるわけではなく他の流体を用いることも可能である。
【0016】
バルブボディ10は、ステンレス鋼等の金属により形成されており、流路12,13を画定している。流路12は、一端にバルブボディ10の一側面で開口する開口部12aを有し、開口部12aに管継手501が溶接により接続されている。流路12は、他端12bがバルブボディ10の上下方向A1,A2に延びる流路12cと接続されており。流路12cの上端部は、バルブボディ10の上面側で開口し、上端部は、バルブボディ10の上面側に形成された凹部11の底面で開口し、下端部はバルブボディ10の下面側で開口している。流路12cの下端側の開口には、圧力センサ400が設けられ、流路12cの下端側の開口を閉塞している。
流路12cの上端部の開口の周囲にバルブシート15が設けられている。バルブシート15は、合成樹脂(PFA、PA、PI、PCTFE等)製であり、流路12cの上端側の開口周縁に設けられた装着溝に嵌合固定されている。なお、本実施形態では、かしめ加工によりバルブシート15が装着溝内に固定されている。
流路13は、一端がバルブボディ10の凹部11の底面で開口し、かつ、他端にバルブボディ10の流路12とは反対側の他側面で開口する開口部13aを有し、開口部13aに管継手502が溶接により接続されている。
【0017】
ダイヤフラム20は、バルブシート15の上方に配設されており、流路12cと流路13とを連通する流路を画定すると共に、その中央部が上下動してバルブシート15に当離座することにより、流路12,13を開閉する。本実施形態では、ダイヤフラム20は、特殊ステンレス鋼等の金属製薄板及びニッケル・コバルト合金薄板の中央部を上方へ膨出させることにより、上に凸の円弧状が自然状態の球殻状とされている。この特殊ステンレス鋼薄板3枚とニッケル・コバルト合金薄板1枚とが積層されてダイヤフラム20が構成されている。
ダイヤフラム20は、その外周縁部がバルブボディ10の凹部11の底部に形成された突出部上に載置され、凹部11内へ挿入したボンネット30の下端部をバルブボディ10のねじ部へねじ込むことにより、ステンレス合金製の押えアダプタ25を介してバルブボディ10の前記突出部側へ押圧され、気密状態で挾持固定されている。尚、ニッケル・コバルト合金薄膜は、接ガス側に配置されているダイヤフラムとしては、他の構成のものも使用可能である。
【0018】
操作部材40は、ダイヤフラム20に流路12と流路13との間を開閉させるようにダイヤフラム20を操作するための部材であり、略円筒状に形成され、上端側が開口している。操作部材40は、ボンネット30の内周面にOリングORを介して嵌合し(
図1C,1D参照)、上下方向A1,A2に移動自在に支持されている。
操作部材40の下端面にはダイヤフラム20の中央部上面に当接するポリイミド等の合成樹脂製の押え部を有したダイヤフラム押え48が装着されている。
ダイヤフラム押え48の外周部に形成された鍔部48aの上面と、ボンネット30の天井面との間には、コイルばね90が設けられ、操作部材40はコイルばね90により下方向A2に向けて常時付勢されている。このため、主アクチュエータ60が作動していない状態では、ダイヤフラム20はバルブシート15に押し付けられ、流路12と流路13の間は閉じられた状態となる。
【0019】
アクチュエータ受け27の下面とダイヤフラム押え48の上面との間には、弾性部材としての皿ばね120が設けられている。
ケーシング50は、上側ケーシング部材51と下側ケーシング部材52からなり、下側ケーシング部材52の下端部内周のねじがボンネット30の上端部外周のねじに螺合している。また、下側ケーシング部材52の上端部外周のねじに上側ケーシング部材51の下端部内周のねじが螺合している。
下側ケーシング部材52の上端部とこれに対向する上側ケーシング部材51の対向面51fとの間には、環状のバルクヘッド65が固定されている。バルクヘッド65の内周面と操作部材40の外周面との間およびバルクヘッド65の外周面と上側ケーシング部材51の内周面との間は、OリングORによりそれぞれシールされている。
【0020】
主アクチュエータ60は、環状の第1~第3のピストン61,62,63を有する。第1~第3のピストン61,62,63は、操作部材40の外周面に嵌合しており、操作部材40とともに上下方向A1,A2に移動可能となっている。第1~第3のピストン61,62,63の内周面と操作部材40の外周面との間、および、第1~第3のピストン61,62,63の外周面と上側ケーシング部材51,下側ケーシング部材52,ボンネット30の内周面との間は複数のOリングORでシールされている。
図1Cおよび1Dに示すように、操作部材40の内周面には、円筒状の隔壁部材130が当該操作部材40の内周面との間に間隙GP1を持つように固定されている。間隙GP1は、隔壁部材130の上端側および下端側の外周面と操作部材40の内周面との間に設けられた複数のOリングOR1~OR3によりシールされ、駆動流体としての圧縮エアGの流通路となっている。この間隙GP1で形成される流通路は、圧電アクチュエータ100と同心状に配置されている。後述する圧電アクチュエータ100のケーシング101と隔壁部材130との間には、間隙GP2が形成されている。
【0021】
図1Dに示すように、第1~第3のピストン61,62,63の下面側には、それぞれ圧力室C1~C3が形成されている。
操作部材40には、圧力室C1,C2,C3に連通する位置において半径方向に貫通する流通路40h1,40h2,40h3が形成されている。流通路40h1,40h2,40h3は、操作部材40の周方向に等間隔に複数形成されている。流通路40h1,40h2,40h3は、上記した間隙GP1で形成される流通路とそれぞれ接続されている。
ケーシング50の上側ケーシング部材51には、上面で開口し上下方向A1,A2に延びかつ圧力室C1に連通する流通路51hが形成されている。流通路51hの開口部には、管継手152を介して供給管150が接続されている。これにより、供給管150から供給される圧縮エアGは、上記した各流通路を通じて圧力室C1,C2,C3に供給される。
ケーシング50内の第1のピストン61の上方の空間SPは、調整ボディ70の貫通孔70aを通じて大気につながっている。
【0022】
図1Cに示すように、リミットスイッチ160は、ケーシング50上に設置され可動ピン161がケーシング50を貫通して第1のピストン61の上面に接触している。リミットスイッチ160は、可動ピン161の移動に応じて、第1のピストン61(操作部材40)の上下方向A1,A2の移動量を検出する。
位置検出機構
図1Eに示すように、位置検出機構85は、ボンネット30と操作部材40とに設けられており、ボンネット30の半径方向に沿って埋め込まれた磁気センサ86と、この磁気センサ86に対向するように操作部材40の周方向の一部に埋め込まれた磁石87とを含む。
磁気センサ86は、配線86aがボンネット30の外部に導出されており、配線86aは給電線と信号線からなり、信号線は後述する制御部300に電気的に接続される。磁気センサ86としては、例えば、ホール素子を利用したもの、コイルを利用したもの、磁界の強さや向きによって抵抗値が変化するAMR素子を利用したもの等が挙げられ、磁石との組み合わせにより、位置検知を非接触にできる。
磁石87は、上下方向A1,A2に着磁されていてもよいし、半径方向に着磁されていてもよい。また、磁石87はリング状に形成されていてもよい。
なお、本実施形態では、磁気センサ86をボンネット30に設け、磁石87を操作部材40に設けたが、これに限定されるわけではなく、適宜変更できる。例えば、押えアダプタ25に磁気センサ86を設け、ダイヤフラム押え48の外周部に形成された鍔部48aの対向する位置に磁石87を設けることも可能である。バルブボディ10に対して移動する側に磁石87を設置し、バルブボディ10又はバルブボディ10に対して移動しない側に磁気センサ86を設置することが好ましい。
【0023】
ここで、
図2を参照して圧電アクチュエータ100の動作について説明する。
圧電アクチュエータ100は、
図2に示す円筒状のケーシング101に図示しない積層された圧電素子を内蔵している。ケーシング101は、ステンレス合金等の金属製で、半球状の先端部102側の端面および基端部103側の端面が閉塞している。積層された圧電素子に入力信号としての電圧を印加して伸長させることで、ケーシング101の先端部102側の端面が弾性変形し、半球状の先端部102が長手方向において変位する。積層された圧電素子の最大ストロークを2dとすると、圧電アクチュエータ100の伸びがdとなる所定電圧V0を予めかけておくことで、圧電アクチュエータ100の全長はL0となる。そして、所定電圧V0よりも高い電圧をかけると、圧電アクチュエータ100の全長は最大でL0+dとなり、所定電圧V0よりも低い電圧(無電圧を含む)をかけると、圧電アクチュエータ100の全長は最小でL0-dとなる。したがって、上下方向A1,A2において先端部102から基端部103までの全長を伸縮させることができる。なお、本実施形態では、圧電アクチュエータ100の先端部102を半球状としたが、これに限定されるわけではなく、先端部が平坦面であってもよい。
図1Aや
図1Cに示すように、圧電アクチュエータ100への給電は、配線105により行われる。配線105は、調整ボディ70の貫通孔70aを通じて外部に導出されている。
【0024】
圧電アクチュエータ100の基端部103の上下方向の位置は、
図1Cや
図1Dに示すように、アクチュエータ押え80を介して調整ボディ70の下端面により規定されている。調整ボディ70は、ケーシング50の上部に形成されたねじ孔に調整ボディ70の外周面に設けられたねじ部が螺合されており、調整ボディ70の上下方向A1,A2の位置を調整することで、圧電アクチュエータ100の上下方向A1,A2の位置を調整できる。
圧電アクチュエータ100の先端部102は、
図1に示すように円盤状のアクチュエータ受け27の上面に形成された円錐面状の受け面に当接している。アクチュエータ受け27は、上下方向A1,A2に移動可能となっている。
【0025】
圧力レギュレータ200は、一次側に管継手201を介して供給管203が接続され、二次側には供給管150の先端部に設けられた管継手151が接続されている。
圧力レギュレータ200は、周知のポペットバルブ式の圧力レギュレータであり、詳細説明を省略するが、供給管203を通じて供給される高圧の圧縮エアGを所望の圧力へ下げて二次側の圧力が予め設定された調節された圧力になるように制御される。供給管203を通じて供給される圧縮エアGの圧力に脈動や外乱による変動が存在する場合に、この変動を抑制して二次側へ出力する。
【0026】
図3に、半導体製造装置のプロセスガス制御系へ本実施形態に係るバルブ装置1を適用した例を示す。
図3の半導体製造装置1000は、例えば、ALD法による半導体製造プロセスを実行するための装置であり、800は圧縮エアGの供給源、810はプロセスガスPGの供給源、900A~900Cは流体制御装置、VA~VCは開閉バルブ、1A~1Cは本実施形態に係るバルブ装置、CHA~CHCは処理チャンバである。
ALD法による半導体製造プロセスでは、プロセスガスの流量を精密に調整する必要があるとともに、基板の大口径化により、処理ガスの流量を確保する必要もある。
流体制御装置900A~900Cは、正確に計量したプロセスガスPGを処理チャンバCHA~CHCにそれぞれ供給するために、開閉バルブ、レギュレータ、マスフローコントローラ等の各種の流体機器を集積化した集積化ガスシステムである。
バルブ装置1A~1Cは、上記したダイヤフラム20の開閉により、流体制御装置900A~900CからのプロセスガスPGの流量を精密に制御して処理チャンバCHA~CHCにそれぞれ供給する。
開閉バルブVA~VCは、バルブ装置1A~1Cに開閉動作させるために、制御指令に応じて圧縮エアGの供給遮断を実行する。
【0027】
上記のような半導体製造装置1000では、共通の供給源800から圧縮エアが供給されるが、開閉バルブVA~VCはそれぞれ独立に駆動される。
共通の供給源800からは、ほぼ一定の圧力の圧縮エアGが常時出力されるが、開閉バルブVA~VCがそれぞれ独立に開閉されると、バルブ開閉時の圧力損失等の影響を受けてバルブ装置1A~1Cにそれぞれ供給される圧縮エアGの圧力が変動を起こし、一定ではなくなる。
バルブ装置1A~1Cに供給される圧縮エアGの圧力が変動すると、上記した圧電アクチュエータ100による流量調整量が変動してしまう可能性がある。この問題を解決するために、上記した圧力レギュレータ200が設けられている。
【0028】
次に、本実施形態に係るバルブ装置1の制御部について
図4を参照して説明する。
図4に示すように、制御部300は、磁気センサ86の検出信号が入力され、圧電アクチュエータ100を駆動制御するようになっている。制御部300は、例えば、図示しない、プロセッサ、メモリ等のハードウエアおよび所要のソフトウエアと圧電アクチュエータ100を駆動するドライバとを含む。制御部300による圧電アクチュエータ100の制御の具体例については後述する。
【0029】
次に、
図5および
図6を参照して、本実施形態に係るバルブ装置1の基本動作について説明する。
図5はバルブ装置1のバルブ全開状態を示し、
図6はバルブ装置1のバルブ全閉状態を示している。
図6に示す状態では、圧縮エアGは供給されていない。この状態において、皿ばね120は既にある程度圧縮されて弾性変形しており、この皿ばね120の復元力により、アクチュエータ受け27は上方向A1に向けて常時付勢されている。これにより、圧電アクチュエータ100も上方向A1に向けて常時付勢され、基端部103の上面がアクチュエータ押え80に押し付けられた状態となっている。これにより、圧電アクチュエータ100は、上下方向A1,A2の圧縮力を受け、バルブボディ10に対して所定の位置に配置される。圧電アクチュエータ100は、いずれの部材にも連結されていないので、操作部材40に対して上下方向A1,A2において相対的に移動可能である。
皿ばね120の個数や向きは条件に応じて適宜変更できる。また、皿ばね120以外にもコイルばね、板ばね等の他の弾性部材を使用できるが、皿ばねを使用すると、ばね剛性やストローク等を調整しやすいという利点がある。
【0030】
図6に示すように、ダイヤフラム20がバルブシート15に当接してバルブが閉じた状態では、アクチュエータ受け27の下面側の規制面27bと、操作部材40に装着されたダイヤフラム押え48の上面側の当接面48tとの間には隙間が形成されている。規制面27bの上下方向A1,A2の位置が、開度調整していない状態での開位置OPとなる。全閉状態における規制面27bと当接面48tとの隙間の距離が
図5に示すダイヤフラム20のリフト量Lfに相当する。リフト量Lfは、バルブの開度、すなわち、流量を規定する。リフト量Lfが、上記した調整ボディ70の上下方向A1,A2の位置を調整することで変更できる。
図5に示す状態のダイヤフラム押え48(操作部材40)は、当接面48tを基準にすると、閉位置CPに位置する。この当接面48tが、アクチュエータ受け27の規制面27bに当接する位置、すなわち、開位置OPに移動すると、ダイヤフラム20がバルブシート15からリフト量Lf分だけ離れる。
【0031】
供給管150を通じて圧縮エアGをバルブ装置1内に供給すると、操作部材40を上方向A1に押し上げる推力が主アクチュエータ60に発生する。圧縮エアGの圧力は、操作部材40にコイルばね90および皿ばね120から作用する下方向A2の付勢力に抗して操作部材40を上方向A1に移動させるのに十分な値に設定されている。このような圧縮エアGが供給されると、操作部材40は皿ばね120をさらに圧縮しつつ上方向A1に移動し、アクチュエータ受け27の規制面27bにダイヤフラム押え48の当接面48tが当接し、アクチュエータ受け27は操作部材40から上方向A1へ向かう力を受ける。この力は、圧電アクチュエータ100の先端部102を通じて、圧電アクチュエータ100を上下方向A1,A2に圧縮する力として作用する。したがって、操作部材40に作用する上方向A1の力は、圧電アクチュエータ100の先端部102で受け止められ、操作部材40のA1方向の移動は、開位置OPにおいて規制される。この状態において、ダイヤフラム20は、バルブシート15から上記したリフト量Lfだけ離隔する。
【0032】
次に、バルブ装置1の流量調整の一例について
図7,
図8A,
図8Bおよび
図9のフローチャートを参照して説明する。
先ず、上記した位置検出機構85は、
図5および
図6に示す状態におけるバルブボディ10と磁気センサ86との相対変位を検出している。位置検出機構85の検出する信号を所定のサンプリング時間でサンプリングしたサンプリングデータを用いて、
図9に示すように、バルブ開度VOPを算出する(ステップS1)。バルブ開度VOPは、位置検出機構85の検出出力から換算された変位Pと原点位置P0の差で定義され、基本的には、バルブシート15にダイヤフラム20が接触した位置での磁気センサ86の出力と、ダイヤフラム20がバルブシート15から離れた状態の磁気センサ86との差を変位量に換算することで求めることができる。
原点位置P0は、ダイヤフラム20がバルブシート15に接触した状態の磁気センサ86の検出出力から決定され、初期の原点位置P0は、
図7の(a)に示した状態のバルブシート15にダイヤフラム20が当接した状態である。しかし、バルブシート15にダイヤフラム20が当接した状態であっても、バルブシート15が樹脂であるため
図7の(b)や
図7の(c)のように変形することや外乱の影響で、磁気センサ86の出力が一定にはならない。このため、後述するように、原点位置P0をサンプリングした磁気センサ86の出力から決定する必要がある。なお、初期の原点位置P0は製品出荷時に決定することができる。また、別途温度センサを設けて、変位Pの値、および原点位置P0の値に温度補正を行っても良い。
【0033】
バルブ開度VOPが算出されると、バルブ開度VOPとリフト量Lfとの偏差eを算出する(ステップS2)。
図7で説明したように、ダイヤフラム20に変形が生じると、開状態において、バルブ開度VOPとリフト量Lfとの間に偏差が生じる。
図7の(b)の場合、偏差eは-αであり、
図7の(c)の場合、偏差eはβである。
次いで、偏差eが所定の閾値-eth(ethは正の値)よりも小さいかを判断する(ステップS3)。これは、バルブ装置1がバルブ閉状態にある場合には開度調整が不要であるため、開度調整が不要かどうかを判断する。すなわち、バルブ開度VOPが所定開度を下回ったかを判断する。
バルブ開度VOPが所定開度よりも大きいと判断される場合(ステップS3:Y)には、圧電アクチュエータ100に偏差eの大きさに応じた電圧が印加される。すなわち、フィードバック制御が行われる。なお、本実施形態では、偏差eをゲイン要素Kpのみで補償したが、PID補償してもよい。
バルブ開度VOPが所定開度を下回ったと判断される場合(ステップS3:N)には、圧電アクチュエータ100に0[V]が印加される。
図10に示すように、偏差eが-eth以上の場合にのみ圧電アクチュエータ100に電圧が印加され(ステップS4)、それ以外は0[V]が印加される(ステップS5)。これにより、バルブの開度調整が不要の場合には、圧電アクチュエータ100は作動しない(伸長しない)ので、その分、圧電アクチュエータ100の寿命を延ばすことができる。
なお、バルブ閉状態では、変位Pは原点位置P0の値の近傍となり、ステップS1の算出結果であるバルブ開度VOPの値は極端に小さくなる。次いで、ステップS2で当該バルブ閉状態でのバルブ開度VOPからリフト量Lfを減算すると、偏差eは必ず負の値になる。偏差eが負の場合はリフト量Lfよりバルブ開度VOPが少ないことを意味し、この状態でステップS4が行われると、圧電アクチュエータ100への印加電圧は必ず負の値になる。この結果、圧電アクチュエータ100への印加電圧は負の値となり、実質的に0[V]となる。従って、バルブ開度VOPが所定開度を下回ったと判断する必要がないため、上述のステップS3、ステップ5は省略が可能であり、省略した場合、ステップ数の減少によって、処理速度の高速化が期待できる。
【0034】
原点位置決定
制御部300では、磁気センサ86の出力からバルブ閉状態かを判断する(ステップS6)。バルブ閉状態にあると判断される場合には、原点位置を検出する(ステップS7)。制御部300は原点位置決定部を兼ねている(ステップS6:Y)。
原点位置の検出は、例えば、以下のような方法により行われる。
(1)磁気センサの出力値をサンプルし、弁閉状態から弁開状態になった時点(センサ出力値が閾値を超えた時点)から所定時間T0だけさかのぼった時点のセンサ出力値を原点位置として採用し更新する(ステップS8)。
(2)磁気センサの出力値をサンプルし、弁閉状態から弁開状態になる時点まで(センサ出力値が閾値を超える時点まで)、センサ出力値の移動平均をt時間毎に算出し、原点位置として更新する。
(3)磁気センサの出力値をサンプルし、弁閉状態から弁開状態になる時点(センサ出力値が閾値を超えた時点)までのセンサ出力値の中で最も低い出力値を原点位置として採用し更新する。
【0035】
ここで、
図8Aおよび
図8Bの中心線Ctの左側は、
図5に示す状態を示しており、中心線Ctの右側は操作部材40の上下方向A1,A2の位置を調整した後の状態を示している。
流体の流量を減少させる方向に調整する場合には、
図8Aに示すように、圧電アクチュエータ100を伸長させて、操作部材40を下方向A2に移動させる。これにより、ダイヤフラム20とバルブシート15との距離である調整後のリフト量Lf-は、調整前のリフト量Lfよりも小さくなる。圧電アクチュエータ100の伸長量は位置検出機構85で検出したバルブシート15の変形量としてもよい。
流体の流量を増加させる方向に調整する場合には、
図8Bに示すように、圧電アクチュエータ100を短縮させて、操作部材40を上方向A1に移動させる。これにより、ダイヤフラム20とバルブシート15との距離である調整後のリフト量Lf+は、調整前のリフト量Lfよりも大きくなる。圧電アクチュエータ100の縮小量は位置検出機構85で検出したバルブシート15の変形量としてもよい。
【0036】
本実施形態では、ダイヤフラム20のリフト量Lfの最大値は100~200μm程度で、圧電アクチュエータ100による調整量は±20μm程度である。
すなわち、圧電アクチュエータ100のストロークでは、ダイヤフラム20のリフト量をカバーすることができないが、圧縮エアGで動作する主アクチュエータ60と圧電アクチュエータ100を併用することで、相対的にストロークの長い主アクチュエータ60でバルブ装置1の供給する流量を確保しつつ、相対的にストロークの短い圧電アクチュエータ100で精密に流量調整することができ、調整ボディ70等により手動で流量調整をする必要がなくなるので、流量調整工数が大幅に削減される。
本実施形態によれば、圧電アクチュエータ100に印加する電圧を変化させるだけで精密な流量調整が可能であるので、流量調整を即座に実行できるとともに、リアルタイムに流量制御をすることも可能となる。
【0037】
上記実施形態では、与えられた入力信号に応じて伸縮する受動要素を利用した調整用アクチュエータとして、圧電アクチュエータ100を用いたが、これに限定されるわけではない。たとえば、電界の変化に応じて変形する化合物からなる電気駆動材料をアクチュエータとして用いることができる。電流又は電圧により電気駆動材料の形状や大きさを変化させ、規定される操作部材40の開位置を変化させることができる。このような電気駆動材料は、圧電材料であってもよいし、圧電材料以外の電気駆動材料であってもよい。圧電材料以外の電気駆動材料とする場合には電気駆動型高分子材料とすることができる。
電気駆動型高分子材料は、電気活性高分子材料(Electro Active Polymer:EAP)ともよばれ、例えば外部電場やクーロン力により駆動する電気性EAP、およびポリマーを膨潤させている溶媒を電場により流動させて変形させる非イオン性EAP、電場によるイオンや分子の移動により駆動するイオン性EAP等があり、これらのいずれか又は組合せを用いることができる。
【0038】
上記実施形態では、いわゆるノーマリクローズタイプのバルブを例に挙げたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、ノーマリオープンタイプのバルブにも適用可能である。
【0039】
上記適用例では、バルブ装置1をALD法による半導体製造プロセスに用いる場合について例示したが、これに限定されるわけではなく、本発明は、例えば原子層エッチング法(ALE:Atomic Layer Etching 法)等、精密な流量調整が必要なあらゆる対象に適用可能である。
【0040】
上記実施形態では、主アクチュエータとして、ガス圧で作動するシリンダ室に内蔵されたピストンを用いたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、制御対象に応じて最適なアクチュエータを種々選択可能である。
【0041】
上記実施形態では、位置検出機構として磁気センサおよび磁石を含むものを例示したが、これに限定されるわけではなく、光学式の位置検出センサ等の非接触式位置センサを採用可能である。
【0042】
図11を参照して、本発明のバルブ装置が適用される流体制御装置の一例を説明する。
図11に示す流体制御装置には、幅方向W1,W2に沿って配列され長手方向G1,G2に延びる金属製のベースプレートBSが設けられている。なお、W1は正面側、W2は背面側,G1は上流側、G2は下流側の方向を示している。ベースプレートBSには、複数の流路ブロック992を介して各種流体機器991A~991Eが設置され、複数の流路ブロック992によって、上流側G1から下流側G2に向かって流体が流通する図示しない流路がそれぞれ形成されている。
【0043】
ここで、「流体機器」とは、流体の流れを制御する流体制御装置に使用される機器であって、流体流路を画定するボディを備え、このボディの表面で開口する少なくとも2つの流路口を有する機器である。具体的には、開閉弁(2方弁)991A、レギュレータ991B、プレッシャーゲージ991C、開閉弁(3方弁)991D、マスフローコントローラ991E等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。なお、導入管993は、上記した図示しない流路の上流側の流路口に接続されている。
【0044】
本発明は、上記した開閉弁991A、991D、レギュレータ991B等の種々のバルブ装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1,1A,1B,1C :バルブ装置
2 :バルブ本体
10 :バルブボディ
11 :凹部
12 :流路
12a :開口部
12b :他端
12c,13 :流路
15 :バルブシート
20 :ダイヤフラム
25 :押えアダプタ
27 :アクチュエータ受け
27b :規制面
30 :ボンネット
40 :操作部材
40h1-40h3 :流通路
48 :ダイヤフラム押え
48a :鍔部
48t :当接面
50 :ケーシング
51 :上側ケーシング部材
51f :対向面
51h :流通路
52 :下側ケーシング部材
60 :主アクチュエータ
61 :第1のピストン
62 :第2のピストン
63 :第3のピストン
65 :バルクヘッド
70 :調整ボディ
70a :貫通孔
80 :アクチュエータ押え
85 :位置検出機構
86 :磁気センサ
86a :配線
87 :磁石
90 :コイルばね
100 :圧電アクチュエータ(調整用アクチュエータ)
101 :ケーシング
102 :先端部
103 :基端部
105 :配線
120 :皿ばね
130 :隔壁部材
150 :供給管
151,152 :管継手
160 :リミットスイッチ
161 :可動ピン
200 :圧力レギュレータ
201 :管継手
203 :供給管
300 :制御部
301 :収容ボックス
302 :支持プレート
400 :圧力センサ
501,502 :管継手
800,810:供給源
900A-900C :流体制御装置
1000 :半導体製造装置
A :円
A1 :上方向
A2 :下方向
C1-C3 :圧力室
CHA,CHB,CHC:処理チャンバ
CP :閉位置
Ct :中心線
G :圧縮エア(駆動流体)
GP1,GP2:間隙
Lf :リフト量
OP :開位置
OR-OR3 :Oリング
PG :プロセスガス
P :変位
P0 :原点位置
SP :空間
V0 :所定電圧
VA-VC :開閉バルブ
VOP :開位置
991A-991E :流体機器
992 :流路ブロック
993 :導入管