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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】導電性シート
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20231122BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
G06F3/041
G06F3/044 120
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020050257
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021149693
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池松 香
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0069908(US,A1)
【文献】特開2019-061683(JP,A)
【文献】特開2015-099514(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108985019(CN,A)
【文献】特開2016-110666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、当該第1の面に対向する第2の面とを有する基材であって、前記第2の面は、タッチパネルに接触する第1の領域と、当該タッチパネルの外側の領域に対応する第2の領域とを有する、基材と、
キーボードの複数のキーにそれぞれ対応する複数の操作部であって、各操作部が、前記第1の面に形成された導電体であり、前記複数のキーは、複数の文字キー及び複数の特殊キーを含む、複数の操作部と、
キー入力に対応するタッチ入力を発生させるための複数の入力部であって、各入力部は、前記第2の面の前記第1の領域に形成された導電体である、複数の入力部と、
前記第2の面の前記第2の領域に形成され、かつ、前記複数の操作部にそれぞれ対応する複数の導電体であって、それぞれの導電体は、対応する前記操作部に、前記基材を介して重なる、複数の導電体と、
前記第2の面に形成された複数の配線であって、前記複数の入力部を、前記操作部にそれぞれ対応する前記複数の導電体に接続する複数の配線
を備える導電性シート。
【請求項2】
前記操作部にそれぞれ対応する前記複数の導電体は、それぞれの導電体が対応する前記操作部と静電結合するように、前記基材を誘電体として使用する複数のコンデンサを、前記複数の操作部とともに形成する
請求項1に記載の導電性シート。
【請求項3】
前記基材は、紙又はプラスチックフィルムである
請求項1又は2に記載の導電性シート。
【請求項4】
前記複数の操作部は、導電性インクによって前記第1の面に印刷されており、
前記複数の入力部、前記操作部にそれぞれ対応する前記複数の導電体及び前記複数の配線は、導電性インクによって前記第2の面に印刷されている
請求項1~3のうちいずれか1つに記載の導電性シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、導電性シートに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット等の、タッチスクリーンを備えたタッチスクリーンデバイスが、今日普及している。タッチスクリーンデバイスの普及により、タッチスクリーンの入力様式(入力モダリティ)を拡張するための様々な技術が、提案されている。例えば、タッチ操作を媒介する物理オブジェクトをタッチスクリーン上に置くことによって、タッチスクリーンを物理的に拡張することが提案されている。
【0003】
物理オブジェクトの例は、タッチスクリーン上でマルチタッチを発生させるためのカード状のインタフェース等を含む(非特許文献1、非特許文献2)。カード状のインタフェースは、例えば、タッチ入力を発生させるための電極パターンを導電性インクで印刷用紙に印刷することによって作成される。このようなカード状のインタフェースは、人手で発生させるのが難しいマルチタッチイベント等の、多彩なタッチ入力を可能にする。
【0004】
一技術では、タッチスクリーンにタッチ操作を伝達するための導電体が、1枚のカードの表面に形成される。タッチ操作を伝達するための導電体は、指接触用の導電部と、導線部とを含む。さらに、タッチスクリーン上でタッチ入力を発生させるための複数の電極が、1枚のカードの裏面に形成される。導電体および複数の電極は、例えば、導電性インクを使用することによって、電極パターンとして、1枚のカードに印刷される(特許文献1)。この技術では、スルーホールが、カードに設けられている。導電体は、スルーホールを介して複数の電極と導通する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-61683号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】加藤邦拓、宮下芳明、“導電性インク複合機を用いたマルチタッチパターン生成手法”[online]、[2020年3月19日検索]、インターネット(https://research.miyashita.com/papers/D140/paper.pdf)
【文献】加藤邦拓、宮下芳明、“紙窓:カード内領域を独立したタッチパネルディスプレイのように扱うインタフェース”[online]、[2020年3月19日検索]、インターネット(https://research.miyashita.com/papers/J16/paper.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の従来技術には、改善の余地がある。例えば、上記の従来技術では、指接触用の導電部および導線部の両方が、カードの表面に形成されている。したがって、指接触用の導電部をタッチしようとする際に、ユーザは、導線部の一部を誤ってタッチする場合があり、その結果、ユーザが意図しないタッチ入力が、タッチスクリーン上で発生する場合がある。
【0008】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、意図しないタッチ入力を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の実施形態に係る導電性シートは、第1の面と、当該第1の面に対向する第2の面とを有する基材と、前記第1の面に設けられた、タッチ操作を受け付ける操作部と、前記第2の面に設けられた、タッチ入力装置上で前記タッチ操作に応じたタッチ入力を発生させる入力部と、前記第2の面に設けられた、前記操作部と前記入力部とを電気的に接続する接続部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、意図しないタッチ入力を防止することできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A図1Aは、第1の実施形態に係るインタフェースの平面図である。
図1B図1Bは、第1の実施形態に係るインタフェースの底面図である。
図1C図1Cは、第1の実施形態に係るインタフェースの斜視図である。
図1D図1Dは、第1の実施形態に係るインタフェースの使用例を示す図である。
図1E図1Eは、第1の実施形態に係るインタフェースの使用例を示す図である。
図2A図2Aは、第2の実施形態に係るインタフェースの平面図である。
図2B図2Bは、第2の実施形態に係るインタフェースの底面図である。
図2C図2Cは、第2の実施形態に係るインタフェースの使用例を示す図である。
図3A図3Aは、第3の実施形態に係るインタフェースの平面図である。
図3B図3Bは、第3の実施形態に係るインタフェースの底面図である。
図3C図3Cは、第3の実施形態に係るインタフェースの使用例を示す図である。
図4A図4Aは、第4の実施形態に係るインタフェースの平面図である。
図4B図4Bは、第4の実施形態に係るインタフェースの底面図である。
図4C図4Cは、第4の実施形態に係るインタフェースの使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態に係る導電性シート]
ユーザがスマートフォン等のモバイル装置を使用してオンライン決済の認証を店舗で容易に行うことができるようにする技術に対するニーズが存在する。そこで、出願人は、導電性シートを使用した認証方式を提案した(例えば、特願2019-169841)。例えば、出願人は、ユーザのモバイル装置においてタッチイベントを発生させるための第1の導電性パターンと、店舗の装置においてタッチイベントを発生させるための第2の導電性パターンと、この第1の導電性パターンとこの第2の導電性パターンとを接続する複数の接続線とを、紙等の媒体の一面に導電性インクで印刷することを提案した。ユーザがオンライン決済を店舗で行う際に、上述の認証方式に係る導電性シートは、ユーザのモバイル装置および店舗の装置の両方の上に置かれる。ユーザは、接続線の密集箇所をなぞるだけで、オンライン決済の認証を行うことができる。
【0013】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。1つまたは複数の実施形態の詳細は、以下の説明および図面に記載される。また、1つまたは複数の実施形態の各々は、機能または構造が矛盾しない範囲で、適宜組み合わせることが可能である。以下の1つまたは複数の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。説明を分かりやすくするために、各図は、z軸の正方向が上方であり、z軸の負方向が下方である3次元直交座標系(x,y,z)を図示する。
【0014】
〔1.第1の実施形態〕
ここで、実施形態に係る導電性シートの詳細な説明にうつる。発明者は、上述の認証方式に係る導電性シートの構成をさらに改善することによって、より複雑な認証を実現することが可能であることを見出した。そこで、以下では、より複雑な認証を実現可能な導電性シートおよびこの導電性シートを使用した認証方法について説明する。
【0015】
まず、図1A図1B図1C図1Dおよび図1Eを参照して、第1の実施形態に係るインタフェースについて説明する。第1の実施形態に係るインタフェースの説明は、本開示の実施形態に係るインタフェースの配線機構に関する。
【0016】
本開示の実施形態に係るインタフェースは、例えば、導電性シート等の、ハードウェアインタフェースまたはユーザインタフェース(例えば、フィジカルインタフェース、タンジブルインタフェース)である。導電性シートは、例えば、導電性パターンが設けられたシートである。この点に関し、「インタフェース」および「導電性シート」は、本明細書では、同義的に使用され得る。
【0017】
〔1-1.インタフェースの配線機構〕
ところで、従来、インクジェットプリンタ等の複合機と、銀ナノ粒子インク等の導電性インクとを使用して、静電容量式タッチパネル等のタッチパネルで使用可能なインタフェースを作成することが提案されている。タッチパネルは、タッチスクリーンや、タッチサーフェス等と呼ばれることがある。タッチパネルで使用可能なインタフェースは、紙、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルム等の印刷用紙に導電性パターンを印刷することによって、作成される。例えば、導電性パターンが印刷された紙は、タッチパネルを拡張する紙製のインタフェースとして使用される。
【0018】
印刷された導電性パターンは、典型的には、タッチ操作を受け付けるための複数の操作部(操作部分)と、タッチイベントを発生させるための複数の導電部(導電性部分)と、複数の操作部を複数の導電部に接続する配線部(配線部分)とを有する。ユーザが紙製のインタフェースを使用する際に、印刷面が上方を向くように、紙製のインタフェースは、タッチパネル上に置かれる。例えば、ユーザが複数の操作部のいずれかをタッチした場合に、タッチイベントが、複数の導電部において発生する。この場合、導電性パターンが印刷された紙は、タッチ入力が複数の導電部において検出されるような厚さを有する。なお、タッチイベントが配線部において発生しないように、配線部の太さは、調整され得る。
【0019】
上述の紙製のインタフェースの使用例の1つは、認証インタフェースである。例えば、紙製のインタフェースは、スマートフォン等のタッチスクリーンモバイルデバイス向けのOS(Operating System)のパターン認証に使用され得る。パターン認証は、一般的に、ユーザによって予め登録されたパターンを使用する。この点に関し、紙製のインタフェースは、絵を描くような方法で、登録されたパターンを入力することができる。例えば、スマートフォンのタッチ入力面が3×3のグリッドに分割されている場合に、3×3グリッド上のパターン認証が、印刷された導電性パターンの上で実行される。
【0020】
しかしながら、複数の操作部をタッチしようとする際に、ユーザが、配線部を誤ってタッチする可能性がある。例えば、登録されたパターンを3×3グリッド上で入力するために、ユーザは、複数の操作部上で指をスライドさせる場合がある。このような場合、配線部が、指をスライドさせる過程でタッチされることがあり、その結果、ユーザが意図しないタッチ入力が、タッチ入力面上で発生することがある。
【0021】
そこで、第1の実施形態に係るインタフェースにおいては、導電性パターンが、導電性インクで印刷用紙に両面印刷される。両面印刷を使用することによって、配線部の層が、タッチ操作を受け付けるための操作部の層から分離される。これにより、配線部は、指からの干渉を避けることができる。
【0022】
図1Aは、第1の実施形態に係るインタフェース100の平面図である。図1Aの例に示されるように、インタフェース100は、基材110と、操作部120とを有する。また、図1Aに示されていないが、インタフェース100は、入力部130と、接続部140とをさらに有する。入力部130および接続部140は、図1Bを参照して以下で詳述される。
【0023】
少なくとも1つの実施形態に係るインタフェースは、第1の面と、この第1の面に対向する第2の面とを有する基材と、第1の面に設けられた、タッチ操作を受け付ける操作部と、第2の面に設けられた、タッチ入力装置上でタッチ操作に応じたタッチ入力を発生させる入力部と、第2の面に設けられた、操作部と入力部とを電気的に接続する接続部とを備える。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、操作部は、第1の面に形成された第1の導電体である。また、少なくとも1つの実施形態では、基材は、紙またはプラスチックフィルムである。また、少なくとも1つの実施形態では、操作部は、導電性インクによって第1の面に印刷されている。
【0025】
図1Aの例では、基材110は、例えば、紙、PETフィルム等の印刷用紙である。基材110は、第1の面と第2の面とを有する。本明細書では、第1の面は、表面(おもてめん)と呼ばれる場合がある。また、第2の面は、裏面(うらめん)と呼ばれる場合がある。図1Aの例では、基材110の表面が、上方(z軸の正方向)を向いている。
【0026】
図1Aの例では、操作部120は、基材110の表面に設けられている。例えば、両面印刷を使用することによって、操作部120は、基材110(例えば、1枚の印刷用紙)の表面に導電性インクで印刷されている。操作部120は、ユーザのタッチ操作をタッチパネルに伝えるための導電体である。操作部120の領域は、ユーザによってタッチされるように意図されている。操作部120は、円形の導電体として示されている。操作部120は、様々な形状の導電体(例えば、矩形の導電体)であってもよい。
【0027】
図1Bは、第1の実施形態に係るインタフェース100の底面図である。図1Bの例に示されるように、インタフェース100は、入力部130と、接続部140とを有する。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では、入力部は、第2の面に形成された第2の導電体である。また、少なくとも1つの実施形態では、入力部および接続部は、導電性インクによって第2の面に印刷されている。
【0029】
図1Bの例では、入力部130は、基材110の裏面に設けられている。操作部120の場合と同様に、例えば、入力部130は、両面印刷を使用することによって、基材110(例えば、1枚の印刷用紙)の裏面に導電性インクで印刷されている。操作部120の場合と同様に、入力部130は、円形の導電体として示されている。入力部130は、様々な形状の導電体(例えば、矩形の導電体)であってもよい。入力部130は、ユーザのタッチ操作に応じたタッチ入力を発生させるための導電体である。ユーザがインタフェース100を使用する際に、入力部130の領域が、タッチパネルに接触する。
【0030】
図1Bの例では、接続部140は、基材110の裏面に設けられている。操作部120および入力部130の場合と同様に、例えば、接続部140は、両面印刷を使用することによって、基材110の裏面に導電性インクで印刷されている。図1Bの例に示されるように、接続部140は、導電体141と、配線142とを有する。
【0031】
少なくとも1つの実施形態では、接続部は、第2の面に形成された導電体であり、第1の導電体に対応する位置に形成された第3の導電体と、この第3の導電体と第2の導電体とを接続する配線とを有する。少なくとも1つの実施形態では、第3の導電体は、第1の導電体に基材を介して重なる。
【0032】
図1Bの例では、導電体141の位置が操作部120の位置に対応するように、導電性パターンが、基材110に両面印刷されている。操作部120および導電体141は、基材110を介して重ね合わせられる。例えば、操作部120の領域を表す座標x,yは、導電体141の領域を表す座標x,yと同一であってもよい。例えば、導電体141は、操作部120の領域を表すx,yを変えずに、基材110の裏面に印刷されてもよい。
【0033】
図1Bの例では、配線142は、導電体141を入力部130に接続する。なお、タッチパネルと導電体との接触面積が指の面積程度である場合に、タッチパネルは、この導電体に反応する。配線142の太さは、配線142がタッチ入力を発生させないように、調整され得る。したがって、配線142がタッチパネルに接触する場合であっても、タッチ入力は、配線142において発生しない。
【0034】
図1Cは、第1の実施形態に係るインタフェース100の斜視図である。図1Cの例に示されるように、操作部120は、ユーザのタッチ操作を受け付ける。
【0035】
少なくとも1つの実施形態では、第3の導電体は、第3の導電体が第1の導電体と静電結合するように、基材を誘電体として使用するコンデンサを、第1の導電体とともに形成する。
【0036】
図1Cの例では、基材110は、操作部120と導電体141との間に挟まれる。したがって、コンデンサが、操作部120および導電体141によって形成される。その結果、操作部120は、導電体141と静電結合することができる。
【0037】
より具体的には、コンデンサが、基材110を挟む導電体141および操作部120によって形成される。静電容量式タッチパネル等のタッチパネルで使用される電流は、交流である。タッチパネルは、一般的に、送信電極群と、受信電極群とを有する。高周波信号が、送信電極群に印加され、そして、受信電極群は、この高周波信号を受信する。高周波信号(すなわち、交流)は、コンデンサを流れることができるため、タッチパネルで使用される電流は、コンデンサを介して人体(ユーザ)へと流れることができる。その結果、ユーザが操作部120をタッチした場合に、高周波信号の一部が、形成されたコンデンサおよび人体(ユーザ)を介して、グランド(GND)に流出する。このため、配線142が基材110の裏面に印刷されている場合でも、基材110の表面から配線142にタッチ操作を伝達することが可能である。
【0038】
図1Dは、第1の実施形態に係るインタフェース100の使用例を示す図である。図1Dの例に示されるように、ユーザが操作部120をタッチした場合に、タッチイベントTI1が、入力部130において発生する。なぜなら、操作部120および導電体141によって形成されたコンデンサが、タッチ操作(すなわち、高周波信号の一部)を媒介することができるからである。
【0039】
図1Eは、第1の実施形態に係るインタフェース100の使用例を示す図である。図1Eの例に示されるように、ユーザが基材110の表面上の配線142に対応する位置(破線で示されている配線142に対応する領域)をタッチした場合でも、タッチ入力は、入力部130において発生しない。すなわち、ユーザが基材110の表面側から配線142に対応する領域をタッチした場合でも、基材110(例えば、印刷用紙)が絶縁体であるため、タッチ入力は、入力部130において発生しない。
【0040】
〔1-2.第1の実施形態の効果〕
上述のように、第1の実施形態に係るインタフェース100においては、配線142が指と干渉しないように、配線142が、基材110の裏面に印刷されている。一方、ユーザのタッチ操作を受け付ける操作部120は、基材110の表面に印刷されている。第1の実施形態に係るインタフェース100においては、導電体141が、基材110の裏面に印刷されている。裏面の導電体141は、表面の操作部120とともに、コンデンサを形成する。形成されたコンデンサは、表面の操作部120と裏面の配線142とを電気的に接続する。
【0041】
これにより、インタフェース100は、指からの配線への干渉を防止しつつ、狙った箇所にタッチ入力を発生させることができる。図1Dおよび図1Eを参照して上述したように、例えば、インタフェース100は、タッチパネルの入力領域を、タッチパネルの外側の領域に拡張することができる。このように、インタフェース100は、ユーザが意図しないタッチ入力を防止しつつ、タッチ入力の拡張を実現することができる。
【0042】
〔2.第2の実施形態〕
次に、図2A図2Bおよび図2Cを参照して、第2の実施形態に係るインタフェースについて説明する。第2の実施形態に係るインタフェースの説明は、図1A図1B図1C図1Dおよび図1Eを参照して上述した配線機構を使用した複雑なタッチパターンに関する。第2の実施形態に係るインタフェースは、第1の実施形態に係るインタフェースと同様の機能または構造を有し得る。ここでは、重複する説明は、省略される。
【0043】
〔2-1.複雑なタッチパターン〕
図2Aは、第2の実施形態に係るインタフェース200の平面図である。図2Aの例に示されるように、インタフェース200は、基材210と、操作部220aと、操作部220bと、操作部220cと、操作部220dとを有する。
【0044】
基材210は、表面(すなわち、第1の面)と裏面(すなわち、第2の面)とを有する。図2Aの例では、基材210の表面が、上方(z軸の正方向)を向いている。
【0045】
また、インタフェース200は、入力部230aと、入力部230bと、入力部230cと、入力部230dと、入力部230eとを有する。また、図2Aに示されていないが、インタフェース200は、接続部240をさらに有する。後述されるように、接続部240は、配線242を有する。図2Aの例では、操作部220a、操作部220b、操作部220cおよび操作部220dは、基材210の表面に設けられている。
【0046】
なお、基材210が透明でない場合に、破線の円で示されている、入力部330aおよび入力部330bは、基材210の表面から視認されない。この場合、破線で示されている、配線242も、基材210の表面から視認されない。
【0047】
図2Bは、第2の実施形態に係るインタフェース200の底面図である。図2Bの例に示されるように、インタフェース200は、接続部240を有する。上述のように、接続部240は、配線242を有する。また、接続部240は、導電体241aと、導電体241bと、導電体241cと、導電体241dとを有する。図2Bの例では、入力部230a、入力部230b、入力部230c、入力部230d、入力部230eおよび接続部240は、基材210の裏面に設けられている。配線242は、導電体を入力部に接続することができる。図2Bの例では、例えば、配線242は、導電体241aを入力部230eに接続する。また、例えば、配線242は、導電体241aを入力部230bに接続する。
【0048】
第1の実施形態に係るインタフェース100の場合と同様に、コンデンサが、操作部および導電体によって形成される。図2Bの例では、例えば、第1のコンデンサが、操作部220aおよび導電体241aによって形成される。また、例えば、第2のコンデンサが、操作部220bおよび導電体241bによって形成される。
【0049】
図2Bの例では、絶縁層が、配線242の交差部CP1(すなわち、交差部分)および配線242の交差部CP2に形成されていてもよい。例えば、特殊変性エポキシ樹脂およびポリイミド樹脂を使用することによって、絶縁層が、交差部CP1および交差部CP2に、マスクとして形成されていてもよい。
【0050】
図2Cは、第2の実施形態に係るインタフェース200の使用例を示す図である。ユーザが複数の操作部のいずれかをタッチした場合に、複雑なタッチパターンが、複数の入力部または複数の導電体によって生成される。説明のための一例として、絶縁層が、配線242の交差部CP1および配線242の交差部CP2に形成されていると仮定する。この例では、例えば、ユーザが操作部220aをタッチした場合に、タッチ入力が、入力部230a、入力部230b、入力部230c、入力部230dおよび入力部230eにおいて発生する。また、例えば、ユーザが操作部220bをタッチした場合に、タッチ入力が、導電体241cおよび導電体241dにおいて発生する。
【0051】
〔2-2.第2の実施形態の効果〕
上述のように、第2の実施形態に係るインタフェース200は、複数の箇所を同時にタッチするような複雑なタッチパターンを生成することができる。一例として、インタフェース200は、スマートフォンのアプリケーションの特定の機能(例えば、パターンロックの解除等のパターン認証)を実行することができる。例えば、インタフェース200は、スマートフォンのアプリケーションのメニューを、このような複雑なタッチパターンを使用して起動することができる。複雑なタッチパターンは、例えば、ユーザが一気にタッチできないタッチパターンである。別の例として、インタフェース200は、タッチパネル式のデジタルドアロックを、このような複雑なタッチパターンを使用して解除することができる。
【0052】
第2の実施形態に係るインタフェース200においては、複雑なタッチパターンに対応する複雑な配線が、基材210の裏面に形成されている。このため、たとえ複雑な配線(例えば、入り乱れた配線)が複雑なタッチパターンの形成に必要であるとしても、インタフェース200は、複雑な配線が誤ってタッチされるのを防止することができる。
【0053】
〔3.第3の実施形態〕
次に、図3A図3Bおよび図3Cを参照して、第3の実施形態に係るインタフェースについて説明する。第3の実施形態に係るインタフェースの説明は、図1A図1B図1C図1Dおよび図1Eを参照して上述した配線機構を使用したタッチジェスチャの起動に関する。第3の実施形態に係るインタフェースは、第1または第2の実施形態に係るインタフェースと同様の機能または構造を有し得る。ここでは、重複する説明は、省略される。
【0054】
〔3-1.タッチジェスチャの起動〕
図3Aは、第3の実施形態に係るインタフェース300の平面図である。図3Aの例に示されるように、インタフェース300は、基材310と、操作部320aと、操作部320bを有する。
【0055】
基材310は、表面(すなわち、第1の面)と裏面(すなわち、第2の面)とを有する。図3Aの例では、基材310の表面が、上方(z軸の正方向)を向いている。
【0056】
また、インタフェース300は、入力部330aと、入力部330bとを有する。また、図3Aに示されていないが、インタフェース300は、接続部340を有する。後述されるように、接続部340は、配線342を有する。図3Aの例では、操作部320aおよび操作部320bは、基材310の表面に設けられている。
【0057】
基材310が透明でない場合に、破線の円で示されている、入力部330aおよび入力部330bは、基材310の表面から視認されない。この場合、破線で示されている配線342も、基材310の表面から視認されない。
【0058】
図3Aの例では、操作部320aは、複数の導電体を含む。図3Aの例に示されるように、複数の導電体の各々は、2つの半円形の導電体に分離されている。
【0059】
図3Bは、第3の実施形態に係るインタフェース300の底面図である。図3Bの例に示されるように、インタフェース300は、接続部340を有する。上述のように、接続部340は、配線342を有する。また、接続部340は、導電体341aと、導電体341bとを有する。図3Bの例では、入力部330a、入力部330bおよび接続部340は、基材310の裏面に設けられている。
【0060】
図3Bの例では、導電体341aは、複数の導電体を含む。操作部320aの場合と同様に、導電体341aに含まれる複数の導電体の各々は、2つの半円形の導電体に分離されている。
【0061】
配線342は、導電体を入力部に接続することができる。例えば、配線342は、導電体341aの一部(すなわち、一部の半円形の導電体)を入力部330aに接続する。また、例えば、配線342は、導電体341aの他の一部(すなわち、他の一部の半円形の導電体)を入力部330bに接続する。
【0062】
第1の実施形態に係るインタフェース100の場合と同様に、コンデンサが、操作部および導電体によって形成される。例えば、複数のコンデンサが、操作部320aに含まれる複数の導電体および導電体341aに含まれる複数の導電体によって形成される。また、例えば、複数のコンデンサが、操作部320bに含まれる複数の導電体および導電体341bに含まれる複数の導電体によって形成される。
【0063】
図3Cは、第3の実施形態に係るインタフェース300の使用例を示す図である。ユーザが操作部320a上でx軸の正方向に指をスライドさせた場合に、インタフェース300は、ピンチインジェスチャを起動することができる。一方、ユーザが操作部320a上でx軸の負方向に指をスライドさせた場合に、インタフェース300は、ピンチアウトジェスチャを起動することができる。このように、複数の半円形の導電体は、ユーザが2本の指で行われるタッチジェスチャ(例えば、ピンチイン、ピンチアウト)を1本の指で行うことを可能にする。ユーザが操作部320b上でy軸の正方向に指をスライドさせた場合に、インタフェース300は、スクロールジェスチャを起動することができる。
【0064】
〔3-2.第3の実施形態の効果〕
上述のように、第3の実施形態に係るインタフェース300は、ピンチイン、ピンチアウト、スクロール等の様々なタッチジェスチャを発生させることができる。第3の実施形態に係るインタフェース300においては、様々なタッチジェスチャに対応する配線が、基材310の表面ではなく、基材310の裏面に形成されている。このため、インタフェース300は、ユーザが操作部上で指をスライドさせる場合にユーザが配線にタッチすることを防止することができる。
【0065】
〔4.第4の実施形態〕
次に、図4A図4Bおよび図4Cを参照して、第4の実施形態に係るインタフェースについて説明する。第4の実施形態に係るインタフェースの説明は、図1A図1B図1C図1Dおよび図1Eを参照して上述した配線機構を使用した2台のタッチパネル用のインタフェースに関する。第4の実施形態に係るインタフェースは、第1、第2または第3の実施形態に係るインタフェースと同様の機能または構造を有し得る。ここでは、重複する説明は、省略される。
【0066】
〔4-1.2台のタッチパネル用のインタフェース〕
図4Aは、第4の実施形態に係るインタフェースの平面図である。図4Aの例に示されるように、インタフェース400は、基材410と、操作部420とを有する。
【0067】
基材410は、表面(すなわち、第1の面)と裏面(すなわち、第2の面)とを有する。図4Aの例では、基材410の表面が、上方(z軸の正方向)を向いている。
【0068】
また、インタフェース400は、入力部430aと、入力部430bとを有する。また、図4Aに示されていないが、インタフェース400は、接続部440を有する。後述されるように、接続部440は、配線442を有する。図4Aの例では、操作部420は、基材410の表面に設けられている。
【0069】
少なくとも1つの実施形態では、入力部は、第2の面に設けられた、第1のタッチ入力装置または第2のタッチ入力装置上でタッチ入力を発生させる複数の入力部のうちの1つであり、複数の入力部のうちの少なくとも1つは、第1のタッチ入力装置に対応する位置に設けられ、複数の入力部のうちの他の少なくとも1つは、第2のタッチ入力装置に対応する位置に設けられる。
【0070】
図4Aの例では、操作部420は、複数の導電体を含む。図4Aの例に示されるように、複数の導電体の各々は、2つの半円形の導電体に分離されている。
【0071】
図4Aの例では、入力部430aは、複数の導電体を含む。また、入力部430bは、複数の導電体を含む。図4Aの例では、入力部430aに含まれる複数の導電体の一部は、基材410の表面に設けられている。また、入力部430bに含まれる複数の導電体の一部は、基材410の表面に設けられている。一方、入力部430aに含まれる複数の導電体の他の一部は、基材410の裏面に設けられている。入力部430bに含まれる複数の導電体の他の一部は、基材410の裏面に設けられている。
【0072】
図4Aの例では、黒丸で示されている導電体は、基材410の表面に設けられている。一方、破線の円で示されている導電体は、基材410の裏面に設けられている。基材410が透明でない場合に、破線の円で示されている導電体は、基材410の表面から視認されない。この場合、破線で示されている配線442も、基材410の表面から視認されない。
【0073】
図4Bは、第4の実施形態に係るインタフェース400の底面図である。図4Bの例に示されるように、インタフェース400は、接続部440を有する。上述のように、接続部440は、配線442を有する。また、接続部440は、導電体441を有する。図4Bの例では、接続部440は、基材410の裏面に設けられている。また、上述のように、入力部430aに含まれる複数の導電体の他の一部が、基材410の裏面に設けられている。また、入力部430bに含まれる複数の導電体の他の一部が、基材410の裏面に設けられている。図4Bの例では、黒丸で示されている導電体は、基材410の裏面に設けられている。
【0074】
図4Bの例では、導電体441は、複数の導電体を含む。操作部420の場合と同様に、導電体441に含まれる複数の導電体の各々は、2つの半円形の導電体に分離されている。
【0075】
配線442は、導電体を入力部に接続することができる。例えば、配線442は、導電体441の一部(すなわち、一部の半円形の導電体)を入力部430aに接続する。また、例えば、配線442は、導電体441の他の一部(すなわち、他の一部の半円形の導電体)を入力部430bに接続する。
【0076】
第1の実施形態に係るインタフェース100の場合と同様に、コンデンサが、操作部および導電体によって形成される。例えば、複数のコンデンサが、操作部420に含まれる複数の導電体および導電体441に含まれる複数の導電体によって形成される。
【0077】
第2の実施形態に係る配線242の場合と同様に、絶縁層が、配線442の交差部に形成されていてもよい。例えば、絶縁層が、配線442の各交差部に、マスクとして形成されていてもよい。
【0078】
図4Cは、第4の実施形態に係るインタフェース400の使用例を示す図である。インタフェース400は、決済システムで使用され得る。例えば、インタフェース400は、オンライン決済の認証に使用され得る。
【0079】
説明のための一例として、インタフェース400が、スマートフォンの決済アプリケーションに使用されると仮定する。この例では、インタフェース400は、店舗の店員によって予め用意されている。
【0080】
ユーザがスマートフォンの決済を店舗で行う際に、インタフェース400が、2台のスマートフォンの上に置かれる。図4Cの例に示されるように、入力部430aの領域が、1台のスマートフォンに接触し、入力部430bの領域が、もう一台のスマートフォンに接触する。例えば、1台のスマートフォンは、ユーザのスマートフォンであり、もう一台のスマートフォンは、店舗の店員のスマートフォンである。
【0081】
なお、操作部420に含まれる複数の導電体の各々は、2つの半円形の導電体に分離されているため、インタフェース400が2台のスマートフォンの上に置かれた場合でも、タッチ入力は、入力部430aおよび入力部430bにおいて発生しない。しかしながら、操作部420とは異なり、操作部420に含まれる複数の導電体の各々が1つの導電体である場合には、タッチ入力が、入力部430aおよび入力部430bにおいて発生してしまう。なぜなら、1台のスマートフォンが、もう一台のスマートフォンのグランド(GND)になってしまうからである。この場合、導電性パターンが1台のスマートフォンともう一台のスマートフォンとを電気的に接続するため、操作部420がタッチされない場合でも、タッチ入力が、2台のスマートフォンで発生する。この点に関し、操作部420は、ユーザが導電体をタッチする際に、2つの半円形の導電体の両方がタッチされるようにデザインされている。操作部420のこのようなデザインは、インタフェース400が2台のスマートフォンの上に置かれた際のタッチ入力の発生を回避することができる。
【0082】
ユーザが操作部420をタッチした場合に、タッチイベントが、入力部430aおよび入力部430bにおいて発生する。説明のための一例として、絶縁層が、配線442の各交差部に形成されていると仮定する。この例では、例えば、ユーザが操作部420上でy軸の負方向に3本の指をスライドさせた場合に、インタフェース400は、2台のスマートフォンで複雑なタッチ入力を同時に発生させることができる。このような複雑なタッチ入力を人手で同時に発生させることは、非常に困難である。したがって、各スマートフォンで発生したタッチ入力は、ユーザがスマートフォンの決済を実際に店舗で行ったことを示すことができる。各スマートフォンで発生したタッチ入力に関するデータは、各スマートフォンから決済サービスに送信される。送信されたデータがタッチ入力の時刻および位置に関する条件を満たす場合に、決済サービスは、スマートフォンの決済がユーザによって店舗で行われたことを認証する。
【0083】
少なくとも1つの実施形態では、操作部が、第1のタッチ入力装置または第2のタッチ入力装置のいずれかに対応する位置に設けられてもよい。
【0084】
図4Cの例では、例えば、基材410の剛性が低い場合に、操作部420の領域がたわむことが考えられる。このような場合、操作部420は、2台のスマートフォンのうちの1つに対応する位置に設けられてもよい。
【0085】
〔4-2.第4の実施形態の効果〕
上述のように、第4の実施形態に係るインタフェース400は、オンライン決済の認証に使用される複雑なタッチ入力を発生させることができる。第4の実施形態に係るインタフェース400においては、両面印刷を使用することによって、2台のタッチパネルを電気的に接続するための複雑な配線が、基材410の裏面に形成されている。このため、インタフェース400は、ユーザが複雑な配線を誤ってタッチすることを防止することができる。
【0086】
〔5.その他の実施形態〕
上述の実施形態に係るインタフェースは、上述の実施形態以外にも、種々の異なる形態で実施されてよい。そこで、以下では、上記のインタフェースのその他の実施形態について説明する。
【0087】
〔5-1.インタフェースの基材〕
上述の実施形態に係る基材は、例えば、紙、PETフィルム等の印刷用紙であるが、これに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、基材は、シート状の絶縁体であってもよい。例えば、基材は、コピー用紙、光沢紙、導電性インク専用紙(例えば、銀ナノインク専用紙)、光沢フィルム等のシートであってもよい。
【0088】
〔5-2.ダミープリンティング〕
上述の実施形態に係る配線は、ダミープリンティングとして、非導電性の配線を含んでもよい。例えば、第4の実施形態に係る配線442の一部は、非導電性のインク(例えば、銀色のインク)によって基材410の裏面に印刷されていてもよい。いくつかの実施形態では、ダミーの配線が、基材の裏面に非導電性のインクによって印刷されていてもよい。第4の実施形態に係るインタフェース400においては、基材410の表面に印刷されたダミーの配線が、入力部430aと、入力部430bとを接続してもよい。図4Aの例では、黒丸で示されている領域は、非導電性のパターンであってもよい。これにより、第4の実施形態に係るインタフェース400は、導電性パターンが第3者によって盗み見られた場合でも、第3者がオンライン決済の認証に使用される導電性パターンを特定することを防止することができる。
【0089】
〔5-3.プリンテッドキーボード〕
図1A図1B図1C図1Dおよび図1Eを参照して上述した配線機構は、スマートフォン等のタッチスクリーンデバイス向けのプリンテッドキーボードを作成するのに使用されてもよい。いくつかの実施形態に係るインタフェースにおいては、操作部は、キーボードの各種キーに対応してもよい。また、入力部は、キー入力に対応するタッチ入力をタッチスクリーンデバイスで発生させための導電体であってもよい。また、配線の構造は、キー配列に対応してもよい。プリンテッドキーボードは、導電性インクの両面印刷を実行することによって、導電性インク製のキーボードとして作成されてもよい。導電性インク製のキーボードは、本開示の実施形態に係るインタフェースの一例である。
【0090】
導電性インク製のキーボードが導電性インクの片面印刷を実行することによって作成された場合には、複数の操作部および配線の両方が、基材の一面に配置される。しかしながら、各種キーにそれぞれ対応する多数の操作部のために、複数の操作部と複数の入力部とを配線を介して接続することが困難である場合がある。このような場合、片面印刷のキーボードは、複数のキーの同時押し(例えば、Ctrl+C)を検出できないことがある。加えて、配線の一部と配線の他の一部との間の電気的なカップリングのために、誤動作が、発生する場合がある。
【0091】
上述の配線機構は、キー配列に対応する配線が基材の裏面に配置されることを可能にする。導電性インク製のキーボードが導電性インクの両面印刷を実行することによって作成された場合には、複数の操作部(例えば、Ctrl、C)と複数の入力部とを、基材の裏面に配置された配線を介して接続することが可能である。これにより、両面印刷のキーボードは、複数のキーの同時押し(例えば、Ctrl+C)を検出することができる。加えて、両面印刷のキーボードは、配線の一部と配線の他の一部との間の電気的なカップリングを防止することができる。
【0092】
〔5-4.他の使用例〕
図1A図1B図1C図1Dおよび図1Eを参照して上述した配線機構は、電話番号を入力するためのカード状のインタフェースを作成するのに使用されてもよい。一例として、導電性パターンは、名刺の裏面に印刷されていてもよい。例えば、ある人物と名刺を交換したユーザは、スマートフォンの上に置かれた名刺に印刷された操作部上で指をスライドさせることによって、この人物に電話をかけることができる。このように、上述の配線機構は、名刺のデザインを損ねることなく、名刺に新たな機能を付加することができる。
【0093】
また、上述した配線機構は、ワンタイムパスワードを入力するためのカード状のインタフェースを作成するのに使用されてもよい。例えば、カード状のインタフェースの基材が紙である場合に、ユーザは、ワンタイムパスワードの使用後に、カード状のインタフェースを容易に廃棄できる。
【0094】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0095】
100 インタフェース、110 基材、120 操作部、130 入力部、140 接続部、141 導電体、142 配線、200 インタフェース、210 基材、220a 操作部、220b 操作部、220c 操作部、220d 操作部、230a 入力部、230b 入力部、230c 入力部、230d 入力部、230e 入力部、240 接続部、241a 導電体、241b 導電体、241c 導電体、241d 導電体、242 配線、300 インタフェース、310 基材、320a 操作部、320b 操作部、330a 入力部、330b 入力部、340 接続部、341a 導電体、341b 導電体、342 配線、400 インタフェース、410 基材、420 操作部、430a 入力部、430b 入力部、440 接続部、442 配線
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C