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  • 特許-樹脂部材およびシステムキッチン 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】樹脂部材およびシステムキッチン
(51)【国際特許分類】
   C04B 26/02 20060101AFI20231122BHJP
   A47B 96/18 20060101ALI20231122BHJP
   A47B 77/06 20060101ALI20231122BHJP
   E03C 1/18 20060101ALI20231122BHJP
   C04B 14/02 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
C04B26/02 Z
A47B96/18 H
A47B77/06
E03C1/18
C04B14/02 A
C04B26/02 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019061847
(22)【出願日】2019-03-27
(65)【公開番号】P2020158370
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-02-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000104973
【氏名又は名称】クリナップ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高木 あずさ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 駿也
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 結衣子
(72)【発明者】
【氏名】中尾 敏也
(72)【発明者】
【氏名】小幡 一敏
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-027363(JP,A)
【文献】特開平05-031733(JP,A)
【文献】特開2016-182166(JP,A)
【文献】特開昭63-297006(JP,A)
【文献】特開平07-188505(JP,A)
【文献】特開平02-120340(JP,A)
【文献】特開平07-329172(JP,A)
【文献】特開2003-063882(JP,A)
【文献】特開2002-284559(JP,A)
【文献】特開平05-050444(JP,A)
【文献】特開2000-079617(JP,A)
【文献】特開平06-157102(JP,A)
【文献】実開昭52-028641(JP,U)
【文献】特開平04-300943(JP,A)
【文献】米国特許第06147149(US,A)
【文献】特開平03-164457(JP,A)
【文献】特表2008-523200(JP,A)
【文献】特開平08-012402(JP,A)
【文献】特開平07-137175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00 - 32/02
A47B 77/06
A47B 96/18
E03C 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂の母材に骨材を分散させた樹脂部材であって、
表面に凹凸形状が形成されていて、
前記骨材は前記樹脂部材より硬質であり、
前記骨材の内部まで前記母材と色に着色されていることを特徴とする樹脂部材。
【請求項2】
前記骨材の粒径は平均300μmであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂部材。
【請求項3】
前記骨材同士の間隔は140μm以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂部材。
【請求項4】
前記凹凸形状は、形状が不規則な岩肌調であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂部材。
【請求項5】
前記骨材は、前記樹脂部材の全体に均一に分散されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の樹脂部材。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂部材を天板もしくはシンク、またはその両方に備えたシステムキッチン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システムキッチンの天板等に用いられる樹脂部材、およびこれを天板もしくはシンク、またはその両方に備えたシステムキッチンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のキッチンは、一枚の天板からなるワークトップの下に複数の収納庫(キャビネット)を備えたシステムキッチンが主流となっている。キッチン全体の上面を覆う天板(ワークトップ)には、組み込み式のコンロやシンク、主に調理を行うのに利用される平坦なテーブル面である調理スペースが設けられる。
【0003】
ワークトップの天板には、人工大理石等の合成樹脂やステンレス等の金属板が用いられる。例えば特許文献1のキッチンカウンターでは、合成樹脂をベースとした人工大理石の表面層が設けられている。特許文献1のキッチンカウンターでは、表面層の裏面に、熱伝導率が表面層より高く且つ線膨張係数が表面層に近似する補助層が貼着されている。特許文献1によれば、レンジの高温によっても変色、変形が起こりにくく、かつクラックまたは層間剥離などの不具合が発生しにくくなるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-10053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような人工大理石製のキッチンカウンターは、高い美観を有し、デザイン性に優れるという利点を有する。しかしながら、人工大理石製のキッチンカウンター(天板)は、調理器具や食器との接触による傷が生じやすい。このため、傷が目立ちやすく、使用する期間が長くなるにしたがって美観が失われやすいという欠点があった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、人工大理石のような樹脂製の部材における傷の目立ちを防ぎ、高い美観を長期間維持することが可能な樹脂部材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる樹脂部材の代表的な構成は、樹脂の母材に骨材を分散させた樹脂部材であって、表面に凹凸処理が施されていて、骨材が母材と近似した色に着色されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、樹脂部材の表面に凹凸処理が施されていることにより、調理器具や食器(以下、調理器具等と称する)との接触によって生じた傷を目立ちにくくすることができる。これにより、樹脂部材において高い美観を長期間維持することが可能となる。また樹脂よりも硬質な骨材が分散されていることにより、母材となっている樹脂が調理器具等との接触によって削れても、骨材が露出することにより樹脂の更なる削れを防ぐことができる。このとき、骨材が母材と近似した色(同系色)に着色されていることにより、露出した骨材が目立つことがない。このため、樹脂部材の美観を好適に維持することが可能となる。
【0009】
上記骨材の粒径は平均300μmであるとよい。さらには150μm~500μmの範囲内であるとよい。上記のような粒径としたことにより、傷が生成されるときに骨材が樹脂から剥落することを防止することができ、また天板の成型不良を防止することができる。また骨材同士の間隔は140μm以内であることが好ましい。
【0010】
上記凹凸処理は、形状が不規則な岩肌調であるとよい。これにより、調理器具等との接触によって生じた傷をより好適に目立ちにくくすることができ、上述した効果を高めることが可能となる。
【0011】
上記骨材は、樹脂部材の全体に均一に分散されているとよい。骨材を樹脂に分散した樹脂部材を成型する際、樹脂は収縮するが、骨材は収縮することはない。このため、樹脂部材の一部分、例えば表面部分にのみ骨材を含有する場合、表面部分では収縮が小さく、それ以外の部分において大きな収縮が生じる。すると、キッチンカウンターの天板のように大型の部材を樹脂部材によって成型する際に反りが生じてしまう。これに対し、骨材を樹脂部材の全体に均一に分散させることにより、大型の部材を樹脂部材によって成型する際の反りを好適に防止することが可能となる。
【0012】
また本発明にかかるシステムキッチンの代表的な構成は、上記の樹脂部材を天板もしくはシンク、またはその両方に備えていることを特徴とする。これにより傷の目立ちを防ぎ、高い美観を長期間維持することが可能なシステムキッチンを提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、人工大理石のような樹脂製の部材における傷の目立ちを防ぎ、高い美観を長期間維持することが可能な樹脂部材およびシステムキッチンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】システムキッチンを説明する図である。
図2】本実施形態の天板の模式的な断面図である。
図3】天板の表面性状の例を示す図である。
図4】骨材の粒径の小径側の範囲を説明する図である。
図5】骨材の粒径の大径側の範囲を説明する図である。
図6】実施例および比較例の性能評価結果を説明する図である。
図7】耐傷性の詳細を説明する図である。
図8】高熱鍋耐性の詳細を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0016】
(システムキッチン(キッチン100))
図1は、本実施形態にかかるシステムキッチン(以下、キッチン100と称する)を説明する図である。図1に示すように、本実施形態のキッチン100は一枚の天板110(ワークトップ)の下に複数の収納庫(キャビネット)を備えた、いわゆるシステムキッチンである。天板110はステンレス製であり、キッチン100の全体の上面を覆っている。また天板110には、組み込み式に取り付けられたコンロ112、平坦なテーブル面であり主に調理を行うのに利用されるキッチンカウンターである調理スペース114、シンク116が設けられる。
【0017】
天板110の下は、コンロ112本体が設置されているコンロキャビネット120と、調理スペース114に対応したベースキャビネット130と、シンク116が設置されているシンクキャビネット140といった各収納庫で構成される。各収納庫は収納スペースとして機能し、収納庫内の空きスペースには、コンロ112への配線や、シンク116および水栓への給排水管なども収容されている。
【0018】
(天板110(樹脂部材))
図2は、本実施形態の天板110の模式的な断面図である。本実施形態の天板110は、樹脂部材150によって構成されている。図2(a)に示すように、天板110を構成する樹脂部材150は、表面150aに凹凸処理が施されている。これにより、調理器具や食器(以下、調理器102と称する)との接触によって生じた傷を目立ちにくくすることができる。したがって、樹脂部材150からなる天板10において高い美観を長期間維持することが可能となる。
【0019】
図3は天板110の表面性状の例を示す図である。特に本実施形態では、図3に示すように、岩肌調の凹凸処理を施している。岩肌調とは、不規則な曲面で構成されており、不規則とは山谷の高さ、間隔、曲率が不規則であることを意味している。これにより、調理器102との接触によって生じた傷をより好適に目立ちにくくすることができ、上述した効果を高めることが可能となる。仮に規則的な凹凸形状であると、キズや高温鍋の痕が目立ってしまうためである。ただし、凹凸処理は岩肌調に限定されず、他の処理や模様とすることも当然にして可能である。
【0020】
再度、図2(a)を参照する。図2(a)に示すように、天板110は、母材である樹脂部材150に大径の骨材154と小径のフィラー156が分散されている。骨材154とフィラー156の材質は、硬質であれば任意のものを使用することができるが、例えばいずれもシリカで形成することができる。骨材154とフィラー156の主な相違点は粒径であり、骨材154はフィラー156よりも大径である。
【0021】
図4は骨材の粒径の小径側の範囲を説明する図である。図4(a)は表面に包丁先端で傷を入れた場合のマイクロスコープ写真、図4(b)は同様の場合のSEM断面写真である。キッチンの天板に傷をつけるものには、フォークなどの食器や椀底、鍋底などさまざまなものがあるが、最も深く傷をつけるものとして包丁の傷を選択した。包丁によって図4(a)に示すような傷が形成されるが、3本の傷をつけた後にその幅を測定すると、平均142.4μmであった。ここで図4(b)に示すように、傷の幅よりも骨材154の粒径が小さいと、骨材154がえぐられて剥落してしまうおそれがある。したがって、天板110の耐久性の担保のためには、骨材154の粒径は150μm以上であることが好ましいことがわかる。
【0022】
また、天板110の硬さ(樹脂部材150の硬さ)を担保するためには、骨材154を小さくするほど、骨材154の量を多くする必要がある。すると成形時の樹脂の流動性が失われるため、金型への注入時に詰まってしまったり、金型に傷がつくなどの不具合が発生する。したがって、骨材154の粒径は製造条件の担保のためには、ある程度粒径を大きくして、流動性を低下させないことが好ましい。ただし、骨材154の粒径を大きくしすぎた場合も、樹脂の流動性が失われてしまう。
【0023】
図5は骨材の粒径の大径側の範囲を説明する図である。図5(a)に示す粒径の骨材154を使用した場合には、支障なく天板110を成型することができた。このときの粒径は180μm~400μmであり、平均は約300μm、標準偏差は50.5であった。一方、図5(b)に示す粒径の骨材154を使用した場合には、樹脂が金型内に行き渡らず隙間やボイドが形成されていた。また硬化後の天板が反ってしまったため、骨材154が一方に沈降して偏在してしまっていた(分散不良)と考えられる。このときの粒径は540μm~1550μmであり、平均は約900μm、標準偏差は253.3であった。したがって粒径が500μm以下であれば成型不良は防止できると考えられる。
【0024】
以上のことから、骨材154の粒径は、平均300μmであることが好ましく、さらには150μm~500μmの範囲内であるとよいことがわかる。平均粒径300μmの骨材154は、従来から人工大理石に添加されているフィラー156とは明確に区別可能な大径の粒である。
【0025】
また骨材154同士の間隔は、140μm以内であることが好ましい。上記したように、包丁の傷は平均142.4μmであった。したがって包丁が樹脂に深く入り込まないためには、骨材同士の間隔が包丁の傷の幅よりも狭いことが必要である。したがって骨材154同士の間隔は140μm以内であることが好ましく、換言すれば骨材154の密度をそのような間隔になるように設定することが好ましい。
【0026】
なお、図4(b)に示すSEM断面写真では、142.4μmよりも間隔が広い箇所も散見される。しかしこれは図4(b)が一断面を映しているにすぎないからであって、間隔が広い箇所も奥行き方向に他の骨材154が存在している。そして三次元方向において、骨材154同士の間隔は140μm以内となっている。
【0027】
大径の骨材154が分散されていることにより、母材となっている樹脂部材150が調理器102(図1参照)との接触によって削れても、樹脂部材150よりも硬質な骨材154が露出することにより樹脂部材150の更なる削れを防ぐことができる。
【0028】
特に本実施形態では、骨材154を母材の樹脂部材150と近似した色(同系色)に着色する。これにより、樹脂部材150から露出した骨材154が目立たなくなる。したがって、樹脂部材からなる天板110の美観を好適に維持することが可能となる。
【0029】
上述したように骨材154は樹脂部材150と近似した色に着色されるが、粒径が大きすぎると骨材154の芯まで着色が浸透せず、骨材154が削れた際に無着色部分が露出してしまうことが考えられる。しかしながら、骨材154の粒径を500μm以下とすることにより、骨材154を内部まで十分に着色することができる。したがって、骨材154を芯まで確実に着色することができ、無着色部分の露出を好適に防ぐことが可能となる。
【0030】
また本実施形態では、図2(a)に示すように骨材154は樹脂部材150の全体に均一に分散されている。骨材154を分散した樹脂部材150を成型する際、樹脂部材150は収縮するが、骨材154は収縮しない。このため、樹脂部材150の一部分、例えば表面部分に偏って骨材を含有する場合、表面部分では収縮が小さく、それ以外の部分において大きな収縮が生じる。すると、天板の110のように大型の部材を樹脂部材150によって成型する際に反りが生じてしまう。これに対し、骨材154を樹脂部材150の全体に均一に分散させることにより、天板110のような大型の部材を樹脂部材150によって成型する際の反りを好適に防止することが可能となる。
【0031】
図2(b)は、従来の人工大理石の構成を説明する図である。樹脂部材150の表面150bは平坦であり、光沢のないマット仕上げになっている。樹脂部材の中には骨材は含有しておらず、小径のフィラー156のみが樹脂部材150の全体に分散されている。
【0032】
図6は、実施例および比較例の性能評価結果を説明する図である。実施例としては、図2(a)に示したように、表面に不規則な凹凸処理が施されていて樹脂部材150に骨材154が分散された樹脂部材150によって成型された天板110を用いた。比較例としては、図2(b)に示したように、表面をマット処理されていて骨材が分散されていない人工大理石からなる天板を用いた。
【0033】
図6に示すように、実施例の天板110は、比較例の天板に比して、高い鉛筆硬さおよびモース硬度を有する。これは、実施例の天板110には、樹脂部材150の母材に、大径の骨材154が分散されているためと考えられる。このように実施例の天板110では高い硬度を有するため、調理器102との接触による削れを好適に防ぐことが可能である。
【0034】
図7は、耐傷性の詳細を説明する図である。図7(a)~(c)は、実施例の天板110の表面を観察した図であり、図7(d)~(f)は、比較例の天板の表面を観察した図である。図7(a)に示す実施例の天板110は骨材154が全体に分散され且つ表面に凹凸加工が施されている。図7(d)に示す比較例の天板は表面がマット処理されている。
【0035】
図6に示したように、実施例の天板110は、比較例の天板に比して高い耐傷性を有する。そして図7(b)に示すように、実施例の天板110では、表面の傷が目立たないが、図7(e)に示すように、比較例の天板では、表面に明らかな傷が生じている。このことから、実施例のように表面に凹凸加工を施すことにより、調理器102との接触面積を低減することで傷付きを防ぎ、且つ骨材154によって天板110の硬度が高められることで調理器102との接触による傷を低減可能であることが理解できる。さらに図7(c)に示すように、骨材154を樹脂部材150と近似した色に着色することにより、図7(f)に示すような傷を目立たないようにできることがわかる。
【0036】
図8は、高熱鍋耐性の詳細を説明する図である。図8(a)~(b)は、実施例の天板110の表面を観察した図であり、図8(c)~(d)は、比較例の天板の表面を観察した図である。図8(a)に示す実施例の天板110は骨材154が全体に分散され且つ表面に凹凸加工が施されている。図8(c)に示す比較例の天板は表面がマット処理されている。
【0037】
図8(a)に示すように、実施例の天板110では、高温の鍋を載置した際の鍋跡が確認できないが、図8(c)に示すように、比較例の天板では、高温の載置した際の鍋跡が明らかに観察できる。このことから、実施例のように表面に凹凸加工を施すことにより、高温の調理器102との接触面積を低減し、鍋跡を生じにくくすること可能出ることが理解できる。
【0038】
なお上記実施形態においてはキッチン100の天板110に骨材154を分散させた例を示した。しかしながら本発明はこれに限定するものではなく、シンク116に適用したり、天板110とシンク116の両方に適用してもよい。さらには、各キャビネットの引出の前板に適用してもよい。
【0039】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、システムキッチンの天板等に用いられる樹脂部材、およびこれを天板に備えたシステムキッチンに利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
100…キッチン、102…調理器、110…天板、112…コンロ、114…調理スペース、116…シンク、120…コンロキャビネット、130…ベースキャビネット、140…シンクキャビネット、150…樹脂部材、150a…表面、154…骨材、156…フィラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8