(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】水処理装置、および水処理方法
(51)【国際特許分類】
B01D 21/30 20060101AFI20231122BHJP
C02F 1/00 20230101ALI20231122BHJP
C02F 1/52 20230101ALI20231122BHJP
G01N 21/49 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B01D21/30 A
C02F1/00 V
C02F1/52 Z
G01N21/49 B
(21)【出願番号】P 2019105858
(22)【出願日】2019-06-06
【審査請求日】2022-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 佳介
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-141773(JP,A)
【文献】特開2017-121601(JP,A)
【文献】特開2017-026438(JP,A)
【文献】特開2005-214652(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0253236(US,A1)
【文献】特開2018-128295(JP,A)
【文献】特開昭56-002559(JP,A)
【文献】特開2010-181150(JP,A)
【文献】特開2012-035152(JP,A)
【文献】特開2012-035241(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0090625(US,A1)
【文献】米国特許第04950908(US,A)
【文献】特開昭60-253951(JP,A)
【文献】特開昭61-017938(JP,A)
【文献】米国特許第05426054(US,A)
【文献】特開2014-174034(JP,A)
【文献】国際公開第2014/192912(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 21/00 - 21/34
C02F 1/52 - 1/56
1/00
G01N 21/00 - 21/01
21/17 - 21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水に凝集剤を注入して懸濁物質を凝集してフロックを形成するための反応槽を有する凝集反応装置と、
前記フロックを含む被処理水に光を照射する光照射手段と
、前記被処理水および前記フロックに反射した反射光の特徴量を算出する受光センサを有する反射光測定手段と、
前記反応槽内の前記光が照射される位置に設置された反射板と、
を備える凝集センサと、
を備え、
前記受光センサが、反射光の赤、緑、青の各色の比率を出力するRGB素子を有し、
前記反射板は、前記フロックとRGB比率が異なる色を有することを特徴とする
水処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の
水処理装置であって、
前記光は、白色光であることを特徴とする
水処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の
水処理装置であって、
前記光照射手段は、
前記光を発生する光源と、
前記光源から発せられた光が入射したときに、前記反射板と前記受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズと、
をさらに備えることを特徴とする
水処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の
水処理装置であって、
前記光照射手段は、
前記光を発生する光源と、
前記光源から発せられた光を導く光ファイバと、
前記光ファイバの先端に取り付けられ、前記光源から発せられた光が入射したときに、前記反射板と前記受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズと、
をさらに備えることを特徴とする
水処理装置。
【請求項5】
反応槽において被処理水に凝集剤を注入して懸濁物質を凝集してフロックを形成するための凝集反応工程と、
前記フロックを含む被処理水に光を照射する光照射工程と、
前記被処理水および前記フロックに反射した反射光の特徴量を算出する受光センサと
前記反応槽内の前記光が照射される位置に設置された反射板とを用いて反射光を測定する反射光測定工程と、
を含み、
前記受光センサが、反射光の赤、緑、青の各色の比率を出力するRGB素子を有し、
前記反射板は、前記フロックとRGB比率が異なる色を有することを特徴とする水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝集センサ、凝集センシング方法、水処理装置、および水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
用水処理や排水処理等の水処理において、例えば、処理対象とする被処理水に無機系または有機系の凝集剤を注入して、被処理水に含まれる懸濁物質や溶解物等を凝集させてフロックを形成し、固液分離する凝集処理が行われる。
【0003】
凝集処理において、被処理水の水質が変動することがある。被処理水の水質の変動によって凝集剤の最適な注入条件が変動するが、一般的には、被処理水の水質の変動に対応できるように凝集剤を過剰に注入する傾向にある。
【0004】
そこで、例えば被処理水の水質が変動しても凝集剤の注入を最適な条件で行うために、フロックの凝集状態をセンシング、モニタリングし、凝集剤の注入条件にフィードバックする方法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。フロックの凝集状態のセンシング方法としては、フロックの凝集状態をレーザ光の散乱光によって測定する方法(例えば、特許文献2参照)や、流動電流やゼータ電位を測定する方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【0005】
特許文献2の方法のようなレーザ光の散乱光によってフロックの凝集状態を測定する方法では、粒子の大きさを測定することができるが、粒子の色や液体部分の状態等については測定することができないため、測定の精度が不十分である。特許文献3の方法のような流動電流やゼータ電位を測定する方法は、装置が非常に高価であり、水処理の現場等への導入は困難である。
【0006】
これらの状況から、安価で、フロックの凝集状態を精度良く測定することができるセンシング方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-193204号公報
【文献】特開2005-214652号公報
【文献】特開2008-194559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、安価で、フロックの凝集状態を精度良く測定することができる凝集センサ、凝集センシング方法、その凝集センサを用いた水処理装置、および水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、被処理水に凝集剤を注入して懸濁物質を凝集してフロックを形成するための反応槽を有する凝集反応装置と;前記フロックを含む被処理水に光を照射する光照射手段と、前記被処理水および前記フロックに反射した反射光の特徴量を算出する受光センサを有する反射光測定手段と、前記反応槽内の前記光が照射される位置に設置された反射板と、を備える凝集センサと;を備え、前記受光センサが、反射光の赤、緑、青の各色の比率を出力するRGB素子を有し、前記反射板は、前記フロックとRGB比率が異なる色を有する、水処理装置である。
【0010】
前記凝集センサにおいて、前記光は、白色光であることが好ましい。
【0012】
前記凝集センサにおいて、前記光照射手段は、前記光を発生する光源と、前記光源から発せられた光が入射したときに、前記反射板と前記受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズと、をさらに備えることが好ましい。
【0013】
前記凝集センサにおいて、前記光照射手段は、前記光を発生する光源と、前記光源から発せられた光を導く光ファイバと、前記光ファイバの先端に取り付けられ、前記光源から発せられた光が入射したときに、前記反射板と前記受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズと、をさらに備えることが好ましい。
【0015】
本発明は、反応槽において被処理水に凝集剤を注入して懸濁物質を凝集してフロックを形成するための凝集反応工程と;前記フロックを含む被処理水に光を照射する光照射工程と、前記被処理水および前記フロックに反射した反射光の特徴量を算出する受光センサと前記反応槽内の前記光が照射される位置に設置された反射板とを用いて反射光を測定する反射光測定工程と、を含み、前記受光センサが、反射光の赤、緑、青の各色の比率を出力するRGB素子を有し、前記反射板は、前記フロックとRGB比率が異なる色を有する、水処理方法である。
【0016】
前記水処理方法において、前記光は、白色光であることが好ましい。
【0018】
前記水処理方法における前記光照射工程において、前記光を発生する光源と、前記光源から発せられた光が入射したときに、前記反射板と前記受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズと、を用いることが好ましい。
【0019】
前記水処理方法における前記光照射工程において、前記光を発生する光源と、前記光源から発せられた光を導く光ファイバと、前記光ファイバの先端に取り付けられ、前記光源から発せられた光が入射したときに、前記反射板と前記受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズと、を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によって、安価で、フロックの凝集状態を精度良く測定することができる凝集センサ、凝集センシング方法、水処理装置、および水処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る水処理装置における凝集センサの実施形態1の一例を示す概略構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る水処理装置における凝集センサの実施形態2の一例を示す概略構成図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る水処理装置における凝集センサの実施形態3の一例を示す概略構成図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る水処理装置における凝集センサの実施形態4の一例を示す概略構成図である。
【
図5】実施例および比較例における処理時間に対する赤色(R)の受光比率の推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
【0026】
以下、本発明の実施形態に係る凝集センサおよび凝集センシング方法を用いた水処理装置および水処理装置の例を説明する。
【0027】
<実施形態1>
実施形態1は、例えば、光照射部および受光センサを収納した凝集センサの本体部を、凝集反応を行う水処理装置の反応槽の上部に設置して水面に光を照射して測定する方式である。
【0028】
図1に示す水処理装置1は、被処理水に凝集剤を注入して懸濁物質を凝集してフロックを形成するための凝集反応装置10と;フロックを含む被処理水に光を照射する光照射手段として光照射部と、被処理水およびフロックに反射した反射光の特徴量を算出する受光センサを有する反射光測定手段として反射光測定部と、を備える凝集センサ22と;を備える。凝集反応装置10は、例えば、反応槽12を備える。
【0029】
図1の水処理装置1において、凝集反応装置10の反応槽12の被処理水入口には、被処理水配管14が接続されている。反応槽12の凝集処理水出口には凝集処理水配管16が接続されている。反応槽12には、凝集剤を注入するための凝集剤注入手段として凝集剤注入配管18が接続されている。反応槽12には、モータ等の回転駆動手段および撹拌羽根等を有する撹拌手段である撹拌装置20が設置されている。
【0030】
凝集反応装置10の反応槽12の例えば上方には、光照射部と、受光センサを有する反射光測定部と、を備える凝集センサ22の本体部24が設置されている。
【0031】
図1の水処理装置1において、被処理水は、被処理水配管14を通して凝集反応装置10の反応槽12へ送液される。反応槽12において被処理水に凝集剤が凝集剤注入配管18を通して注入され、撹拌装置20により撹拌されて、被処理水に含まれる懸濁物質等が凝集されてフロックが形成される(凝集反応工程)。フロックを含む凝集処理水は、反応槽12から凝集処理水配管16を通して排出される。
【0032】
ここで、フロックを含む被処理水に凝集センサ22の光照射部から白色光等の光が照射され(光照射工程)、被処理水およびフロックに反射された反射光の特徴量を算出する受光センサによって反射光が測定される(反射光測定工程)。
【0033】
本構成によって、凝集剤が添加された被処理水のフロックの状態をセンシングすることができ、安価で、フロックの凝集状態を精度良く測定することができる。また、フロックの凝集状態を選択的に測定することができる。
【0034】
受光センサとしては、被処理水およびフロックに反射した反射光の特徴量を算出することができるものであればよく、特に制限はないが、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、すなわちRGB等の各色の比率を出力するRGB素子を有するセンサを用いることができる。
【0035】
<実施形態2>
実施形態2は、例えば、光照射部および受光センサを収納した凝集センサの本体部を、凝集反応を行う水処理装置の反応槽の上部に設置し、反射板を光が照射される位置、例えば被処理水内の水面近傍に設置し、光を照射して測定する方式である。このような実施形態の一例を
図2に示す。
【0036】
凝集反応装置10の反応槽12の例えば上方には、光照射部と、受光センサを有する反射光測定部と、を備える凝集センサ22の本体部24が設置されている。光が照射される位置、例えば被処理水内の水面近傍には、反射板26が設置されている。
【0037】
被処理水に凝集剤が注入され、水面と反射板26との間を形成されたフロックが通過する。フロックを含む被処理水に凝集センサ22の光照射部から白色光等の光が照射され(光照射工程)、被処理水およびフロックに反射された反射光の特徴量を算出する受光センサによって反射光が測定される(反射光測定工程)。反射板を用いることにより、より精度良く反射光を測定することができる。
【0038】
水面と反射板26の反射面との距離は、被処理水の懸濁物質等の濃度によって最適な距離は変わってくるが、例えば、被処理水の濁度が100度程度であれば、5~10mm程度、被処理水の濁度が1000度程度であれば、2~5mm程度が好ましい。
【0039】
反射板26の色は、被処理水中の懸濁物質等とのRGB比率が異なる色であることが好ましく、例えば茶色系のフロックに対しては、Gの比率が100に近い反射板を用いることによって、フロックと液体部分との差を評価しやすくなる。被処理水の色およびフロックの色に応じて、適した反射板26を適宜付け替えてもよい。
【0040】
被処理水の濁度等の水質が変化した場合に対応できるように、複数枚の反射板を被処理水内に設置してもよい。
【0041】
光照射部は、光源から発せられた光が入射したときに、反射板26と受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズを備えることが好ましい。これにより、より精度良く反射光を測定することができる。
【0042】
<実施形態3>
実施形態3は、例えば、光照射部および受光センサを収納した凝集センサの本体部を、凝集反応を行う水処理装置の透明な反応槽12の外側に設置し、反射板を光が照射される位置、例えば反応槽12の内側面近傍に設置し、外壁面の外側から光を照射して測定する方式である。このような実施形態の一例を
図3に示す。
【0043】
凝集反応装置10の反応槽12の例えば外側方には、光照射部と、受光センサを有する反射光測定部と、を備える凝集センサ22の本体部24が設置されている。光が照射される位置、例えば被処理水内の反応槽12の内側面近傍には、反射板26が設置されている。
【0044】
被処理水に凝集剤が注入され、反応槽12の内側面と反射板26との間を形成されたフロックが通過する。フロックを含む被処理水に凝集センサ22の光照射部から白色光等の光が照射され(光照射工程)、被処理水およびフロックに反射された反射光の特徴量を算出する受光センサによって反射光が測定される(反射光測定工程)。この方法により、水面のゆれ等の影響がほとんどなくフロックの状態を測定することができる。
【0045】
反応槽12の内側面と反射板26の反射面との距離は、被処理水の懸濁物質等の濃度によって最適な距離は変わってくるが、例えば、被処理水の濁度が100度程度であれば、5~10mm程度、被処理水の濁度が1000度程度であれば、2~5mm程度が好ましい。
【0046】
<実施形態4>
実施形態4は、例えば、光照射部および受光センサを例えば防水のプローブ内に収納し、反射板をプローブの先端部に設けて、被処理水中にプローブの先端部を浸漬して測定する方式である。このような実施形態の一例を
図4に示す。
【0047】
凝集反応装置10の反応槽12には、光照射部と受光センサを有する反射光測定部とを有する光照射・反射光測定部28を備える、凝集センサ22の本体部24が設置されている。凝集センサ22は、本体部24から所定の距離を置いた先端部に反射板30を備える。反射板30は、光が照射される位置に設置され、被処理水内に浸漬されている。
【0048】
被処理水に凝集剤が注入され、本体部24と反射板30との間を形成されたフロックが通過する。光照射・反射光測定部28の光照射部からフロックを含む被処理水に白色光等の光が照射され(光照射工程)、被処理水およびフロックに反射された反射光の特徴量を算出する、光照射・反射光測定部28の受光センサによって反射光が測定される(反射光測定工程)。この方法により、水面のゆれ等の影響がほとんどなくフロックの状態を測定することができる。
【0049】
光照射手段は、光を発生する光源と、光源から発せられた光を導く光ファイバと、光ファイバの先端に取り付けられ、光源から発せられた光が入射したときに、反射板と受光センサとの間に焦点距離を有する集光レンズと、を備えるものであってもよい。この構成により、センサーの設置スペースや透明な窓がなくても、比較的自由にセンサーを取り付けることができる。
【0050】
上記実施形態の他に、例えば、光照射部および受光センサを収納した凝集センサの本体部を、凝集反応を行う水処理装置の反応槽の上部に設置して水面に光が斜め方向から入射するように光を照射して、反応槽の内壁面に反射させて測定する方式であってもよい。この方法により、反射板を用いなくても反射光を効率的に測定することができるという利点がある。
【0051】
反応槽12内には、凝集センサ22による測定を阻害しないように、反応槽12内の流れを阻害する阻流板を設置してもよい。
【0052】
上記実施形態では、反応槽12内の被処理水の凝集状態を測定しているが、被処理水を別の容器等にサンプリングして、測定してもよい。
【実施例】
【0053】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
<実施例1>
図3に示す、凝集センサを備える水処理装置を用いて凝集状態の測定を行った。被処理水として、濁度100度の水を用い、凝集剤としてポリ塩化アルミニウム(PAC)を2分毎に20mg/Lずつ増加する注入率で被処理水に注入した。光照射部および受光センサを収納した凝集センサの本体部を透明な反応槽の外側方に設置し、反射板を被処理水内の反応槽の内壁面から反射板の反射面が5mmとなる位置に、反応槽の内壁面にほぼ平行になるように設置し、反応槽の外壁面の外側から白色光を照射して測定を行った。凝集センサとしては、キーエンス製LR-W型を用いた。反射板は、赤色の反射板を用いた。処理時間に対する赤色(R)の受光比率の推移を
図5に示す。
【0055】
<実施例2>
反射板を取り除いて実施例1と同様にして測定を行った。結果を
図5に示す。
【0056】
実施例1では、フロックが形成されてくる300秒以降、反射板の色である赤の比率が増えてきていることがわかる。フロックの色(茶色)と反射板との色が異なるため、測定範囲にフロックがないときには、R比率が高く、フロックがあるときにはR比率が低くなり、フロック有無の差が明確になった。よって、フロックの凝集状態を精度良く測定することができた。
【0057】
一方、実施例2では反射板を用いずに、フロックを直接観察している。フロックが形成され始める300秒付近から、センサの挙動に変化があるものの、実施例1と比較すると、その後の変化を明確に捉えることができておらず、感度がやや悪いことがわかる。しかし、フロックの凝集状態を精度良く測定することができた。
【0058】
このように、実施例の凝集センサにより、安価で、フロックの凝集状態を精度良く測定することができた。
【符号の説明】
【0059】
1,3,5,7 水処理装置、10 凝集反応装置、12 反応槽、14 被処理水配管、16 凝集処理水配管、18 凝集剤注入配管、20 撹拌装置、22 凝集センサ、24 本体部、26,30 反射板、28 光照射・反射光測定部。