(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料の香味を向上させる方法
(51)【国際特許分類】
C12C 1/18 20060101AFI20231122BHJP
C12G 3/02 20190101ALI20231122BHJP
【FI】
C12C1/18
C12G3/02
(21)【出願番号】P 2019160944
(22)【出願日】2019-09-04
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】303040183
【氏名又は名称】サッポロビール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七森 理仁
(72)【発明者】
【氏名】飯牟礼 隆
【審査官】手島 理
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第004428978(DE,A1)
【文献】特開2018-201366(JP,A)
【文献】Florian Hubner,Influence of germination time and temperature on the properties of rye malt and rye malt based worts,Journal of Cereal Science,2010年,Vol.52,p.72-79
【文献】福嶋 禎久,大麦・麦芽(2),日本醸造協会誌,2000年,第95巻、第7号,p.485-493
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12C
C12G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
麦類原料を使用してビールテイスト飲料を製造する方法であって、
前記麦類原料は、
45℃以上、
65℃以下の焙燥温度、及び18時間以上の焙燥時間
、且つ、前記焙燥温度(℃)に前記焙燥時間(時間)を乗じて算出される焙燥条件値が1000以上、1600以下となる条件で焙燥を行って、
65℃を超える温度で加熱されることなく調製された麦芽である低温焙燥麦芽を
、前記麦類原料の全重量に対して16.0重量%以上、40.0重量%以下の範囲内の割合で含む、
ビールテイスト飲料の製造方法。
【請求項2】
前記麦類原料は、70℃を超える焙燥温度での焙燥を行って調製された麦芽である非低温煤燥麦芽をさらに含み、
前記麦類原料において、前記麦類原料の全重量に対する前記非低温焙燥麦芽の重量の割合に対する、前記麦類原料の全重量に対する前記低温焙燥麦芽の重量の割合の比が、0.5以上、8.0以下である、
請求項1に記載のビールテイスト飲料の製造方法。
【請求項3】
麦類原料を使用するビールテイスト飲料の製造において、
45℃以上、
65℃以下の焙燥温度、及び18時間以上の焙燥温度
、且つ、前記焙燥温度(℃)に前記焙燥時間(時間)を乗じて算出される焙燥条件値が1000以上、1600以下となる条件で焙燥を行って、
65℃を超える温度で加熱されることなく調製された麦芽である低温焙燥麦芽を
、前記麦類原料の全重量に対して16.0重量%以上、40.0重量%以下の範囲内の割合で含む前記麦類原料を使用することにより、前記ビールテイスト飲料の香味を向上させる、方法。
【請求項4】
前記麦類原料は、70℃を超える焙燥温度での焙燥を行って調製された麦芽である非低温煤燥麦芽をさらに含み、
前記麦類原料において、前記麦類原料の全重量に対する前記非低温焙燥麦芽の重量の割合に対する、前記麦類原料の全重量に対する前記低温焙燥麦芽の重量の割合の比が、0.5以上、8.0以下である、
請求項3に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料の香味を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、麦芽の焙燥(kilning)において、焙焦(curing)は75℃から110℃の温度で行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Scientific Principles of Malting and Brewing, Charles W. Bamforth, American Society of Brewing Chemists, 2006, p.39-41
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、本発明の発明者らは、麦芽を使用して製造されるビールテイスト飲料の香味を向上させるという課題を解決する技術的手段について鋭意検討を行った。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、香味が効果的に向上したビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料の香味を効果的に向上させる方法を提供することをその目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、麦類原料を使用してビールテイスト飲料を製造する方法であって、前記麦類原料は、35℃以上、70℃以下の焙燥温度、及び18時間以上の焙燥時間で焙燥を行って、70℃を超える温度で加熱されることなく調製された麦芽である低温焙燥麦芽を含む。本発明によれば、香味が効果的に向上したビールテイスト飲料の製造方法が提供される。
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係るビールテイスト飲料の香味を向上させる方法は、麦類原料を使用するビールテイスト飲料の製造において、35℃以上、70℃以下の焙燥温度、及び18時間以上の焙燥温度で焙燥を行って、70℃を超える温度で加熱されることなく調製された麦芽である低温焙燥麦芽を含む前記麦類原料を使用することにより、前記ビールテイスト飲料の香味を向上させる。本発明によれば、ビールテイスト飲料の香味を効果的に向上させる方法が提供される。
【0008】
前記方法において、前記麦類原料は、前記低温焙燥麦芽を、前記麦類原料の全重量に対して3.0重量%以上、50.0重量%以下の範囲内の割合で含むこととしてもよい。また、前記低温焙燥麦芽は、前記焙燥温度(℃)に前記焙燥時間(時間)を乗じて算出される焙燥条件値が630以上、2000以下となる条件で焙燥を行って調製された麦芽であることとしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、香味が効果的に向上したビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料の香味を効果的に向上させる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る実施例において、ビールテイスト飲料の香味を評価した結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
【0012】
本方法の一側面は、麦類原料を使用してビールテイスト飲料を製造する方法であって、当該麦類原料は、35℃以上、70℃以下の焙燥温度、及び18時間以上の焙燥時間で焙燥を行って、70℃を超える温度で加熱されることなく調製された麦芽である低温焙燥麦芽を含む、ビールテイスト飲料の製造方法である。
【0013】
本発明の発明者は、麦芽を使用して製造されるビールテイスト飲料の香味を向上させる技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、意外にも、特定の条件で焙燥を行って調製された麦芽を使用することにより、ビールテイスト飲料の香味が効果的に向上することを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
したがって、本方法は、他の側面として、麦類原料を使用するビールテイスト飲料の製造において、35℃以上、70℃以下の焙燥温度、及び18時間以上の焙燥温度で焙燥を行って、70℃を超える温度で加熱されることなく調製された麦芽である低温焙燥麦芽を含む当該麦類原料を使用することにより、当該ビールテイスト飲料の香味を向上させる、方法を含む。
【0015】
本方法に係るビールテイスト飲料の製造においては、その原料の少なくとも一部として麦類原料を使用する。麦類原料は、麦芽を含む。麦芽は、発芽した麦類であれば特に限られないが、例えば、大麦麦芽、小麦麦芽、燕麦麦芽及びライ麦麦芽からなる群より選択される1以上であることが好ましく、大麦麦芽及び小麦麦芽からなる群より選択される1以上であることがより好ましく、大麦麦芽であることが特に好ましい。
【0016】
麦類原料は、未発芽麦類を含んでもよい。未発芽麦類は、発芽していない麦類であれば特に限られないが、例えば、未発芽大麦、未発芽小麦、未発芽燕麦及び未発芽ライ麦(以下、それぞれ単に「大麦」、「小麦」、「燕麦」及び「ライ麦」という。)からなる群より選択される1以上であることが好ましく、大麦及び小麦からなる群より選択される1以上であることがより好ましく、大麦であることが特に好ましい。
【0017】
そして、本方法において特徴的なことの一つは、ビールテイスト飲料の製造に使用される麦類原料が、35℃以上、70℃以下の焙燥温度、及び18時間以上の焙燥時間で焙燥を行って、70℃を超える温度で加熱されることなく調製された低温焙燥麦芽(以下、「L麦芽」という。)を含む点である。
【0018】
すなわち、本方法においては、麦類原料に含まれる麦芽の少なくとも一部(すなわち、当該麦芽の一部又は全部)として、L麦芽を使用する。ここで、焙燥工程においては、発芽し、且つ未だ焙燥が施されていない麦芽(一般に「緑麦芽」と呼ばれる。)を加熱して、当該麦芽の乾燥及び焙焦を行う。従来、この焙燥工程における加熱(特に、焙焦における加熱)は、上述のとおり、75℃以上の温度で行われていた。すなわち、従来、麦芽は、75℃以上の温度で加熱されて調製されていた。
【0019】
これに対し、本方法で使用するL麦芽は、35℃以上、70℃以下という特定の範囲内の焙燥温度で焙燥を行って調製される。すなわち、L麦芽は、上記特定範囲の上限温度である70℃を超える温度で加熱されることなく調製される。なお、焙燥は、加熱された空気を麦芽に吹き付けることにより行う。すなわち、例えば、35℃以上、70℃以下の焙燥温度での焙燥は、35℃以上、70℃以下の温度の空気を麦芽に吹き付けることにより行う。
【0020】
L麦芽の調製における焙燥温度は、例えば、40℃以上、70℃以下であることが好ましく、42℃以上、68℃以下であることがより好ましく、45℃以上、65℃以下であることがより一層好ましく、47℃以上、63℃以下であることがさらにより一層好ましく、50℃以上、60℃以下であることが特に好ましい。上記各特定の範囲内の焙燥温度で焙燥を行う場合、L麦芽は、当該各範囲の上限温度を超える温度で加熱されることなく調製される。
【0021】
なお、上記各特定の範囲内の焙燥温度で焙燥を行う場合、焙燥温度は、焙燥中に当該範囲内で経時的に変化してもよいし、焙燥工程を通じて当該範囲内の一定の温度に維持されてもよい。
【0022】
L麦芽は、焙燥を経て調製されるため、その水分は、未だ焙燥が施されていない麦芽のそれに比べて低減されている。L麦芽の水分は、例えば、14%以下であってもよく、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、7%以下であることがより一層好ましく、6%以下であることが特に好ましい。麦芽の水分(%)は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「4.2 水分」に記載の方法により測定される。
【0023】
L麦芽の調製における焙燥条件は、上記特定の範囲内の焙燥温度に加えて、18時間以上という特定の焙燥時間を含む。ここで、焙燥時間は、麦芽に対して上記特定の範囲内の焙燥温度に加熱された空気の吹き付けを開始した時点から、当該麦芽に対する当該加熱された空気の吹き付けを停止した時点までの時間である。
【0024】
L麦芽の調製における焙燥時間は、例えば、20時間以上であることが好ましく、21時間以上であることがより好ましく、22時間以上であることがより一層好ましく、23時間以上であることが特に好ましい。
【0025】
また、焙燥時間は、例えば、50時間以下であることが好ましく、45時間以下であることがより好ましく、40時間以下であることがより一層好ましく、35時間以下であることが特に好ましい。焙燥時間は、上記下限値のいずれか一つと、上記上限値のいずれか一つとを任意に組み合わせて特定してもよい。
【0026】
L麦芽の調製における焙燥は、上記いずれかの特定範囲内の焙燥温度と、上記いずれかの特定範囲内の焙燥時間とを任意に組み合わせて特定してもよい。具体的に、L麦芽の調製における焙燥は、例えば、40℃以上、70℃以下の焙燥温度、及び18時間以上、20時間以上、21時間以上、22時間以上又は23時間以上の焙燥時間で行うことが好ましく、42℃以上、68℃以下の焙燥温度、及び18時間以上、20時間以上、21時間以上、22時間以上又は23時間以上の焙燥時間で行うことがより好ましく、45℃以上、65℃以下の焙燥温度、及び18時間以上、20時間以上、21時間以上、22時間以上又は23時間以上の焙燥時間で行うことがより一層好ましく、47℃以上、63℃以下の焙燥温度、及び18時間以上、20時間以上、21時間以上、22時間以上又は23時間以上の焙燥時間で行うことが特に好ましい。
【0027】
L麦芽は、焙燥温度(℃)に焙燥時間(時間)を乗じて算出される焙燥条件値が630以上、2000以下となる条件で焙燥を行って調製された麦芽であることとしてもよい。焙燥条件値は、焙燥温度(℃)に焙燥時間(時間)を乗じて算出される。すなわち、例えば、35℃の焙燥温度、及び18時間の焙燥時間で焙燥を行った場合、当該焙燥の焙燥条件値は、630(=35(℃)×18(時間))と算出される。
【0028】
また、例えば、L麦芽の調製のための焙燥において、まず、第一の焙燥温度、及び第一の焙燥時間で第一の焙燥を行い、次いで、当該第一の焙燥温度より高い第二の焙燥温度、及び第二の焙燥時間で第二の焙燥を行った場合、当該焙燥の焙燥条件値は、当該第一の焙燥温度(℃)に当該第一の焙燥時間(時間)を乗じて算出される第一の焙燥条件値と、当該第二の焙燥温度(℃)に当該第二の焙燥時間(時間)を乗じて算出される第二の焙燥条件値との和として算出される。
【0029】
また、例えば、L麦芽の調製のための焙燥において、まず、第一の焙燥温度、及び第一の焙燥時間で第一の焙燥を行い、次いで、所定の昇温速度(℃/時間)で当該第一の焙燥温度から、より高い第二の焙燥温度まで温度を上昇させながら所定の昇温時間、焙燥を継続し、その後、当該第二の焙燥温度、及び第二の焙燥時間で第二の焙燥を行った場合、当該焙燥の焙燥条件値は、当該第一の焙燥温度(℃)に当該第一の焙燥時間(時間)を乗じて算出される第一の焙燥条件値と、当該昇温速度で上昇する焙燥温度の当該昇温時間についての積分値と、当該第二の焙燥温度(℃)に当該第二の焙燥時間(時間)を乗じて算出される第二の焙燥条件値との和として算出される。
【0030】
L麦芽の調製における焙燥条件値は、例えば、750以上、2000以下であることが好ましく、850以上、2000以下であることがより好ましく、950以上、1900以下であることがより一層好ましく、1000以上、1600以下であることが特に好ましい。
【0031】
焙燥において麦芽に吹き付ける空気の相対湿度(%)は、焙燥に適した範囲内であれば特に限られないが、例えば、40%以下であることとしてもよく、30%以下であることが好ましく、20%以下であることが特に好ましい。
【0032】
本方法において、麦類原料は、L麦芽を、当該麦類原料の全重量に対して3.0重量%以上、50.0重量%以下の範囲内の割合で含むこととしてもよい。すなわち、この場合、麦類原料の全重量に対する、当該麦類原料に含まれるL麦芽の重量の割合(以下、「L麦芽重量割合」という。)が、3.0重量%以上、50.0重量%以下となる。
【0033】
L麦芽重量割合は、例えば、5.0重量%以上、45.0重量%以下であることが好ましく、10.0重量%以上、42.0重量%以下であることがより好ましく、15.0重量%以上、42.0重量%以下であることがより一層好ましく、16.0重量%以上、40.0重量%以下であることが特に好ましい。
【0034】
麦類原料は、70℃を超える焙燥温度での焙燥を行って調製された麦芽(以下、「非L麦芽」という。)をさらに含んでもよい。非L麦芽は、例えば、75℃以上の焙燥温度での焙燥を行って調製された麦芽であってもよい。
【0035】
麦類原料の全重量に対する当該麦類原料に含まれる非L麦芽の重量の割合(以下、「非L麦芽重量割合」という。)(%)に対する、L麦芽重量割合(%)の比(以下、「L麦芽/非L麦芽比」という。)は、例えば、0.05以上、15.0以下であってもよく、0.2以上、15.0以下であることが好ましく、0.2以上、12.0以下であることがより好ましく、0.2以上、8.0以下であることがより一層好ましく、0.5以上、8.0以下であることが特に好ましい。
【0036】
麦類原料の全重量(例えば、麦類原料が麦芽及び未発芽麦類を含む場合、当該麦芽の重量と当該未発芽麦類の重量との合計)に対する、当該麦類原料に含まれる麦芽の全重量(例えば、麦類原料が麦芽としてL麦芽及び非L麦芽を含む場合、当該L麦芽の重量と当該非L麦芽の重量との合計)の割合(以下、「全麦芽重量割合」という。)は、例えば、1重量%以上、100重量%以下であってもよく、5重量%以上、90重量%以下であることが好ましく、10重量%以上、80重量%以下であることがより好ましく、20重量%以上、70重量%以下であることがより一層好ましく、30重量%以上、60重量%以下であることが特に好ましい。
【0037】
本方法は、上述のようにしてL麦芽を調製することを含んでもよいし、L麦芽を調製することを含まないこととしてもよい。すなわち、本方法がL麦芽を調製することを含まない場合、本方法においては、予め調製したL麦芽を用意し(例えば、他者が調製したL麦芽を購入し)、当該用意したL麦芽を使用してビールテイスト飲料を製造する。
【0038】
本方法においては、上述した麦類原料を使用して、ビールテイスト飲料を製造する。すなわち、ビールテイスト飲料の原料の少なくとも一部として、麦類原料を使用する。具体的に、本方法は、原料と水とを混合して原料液を調製すること、及び、当該原料液を使用してビールテイスト飲料を製造することを含む。
【0039】
原料における麦類原料の重量割合(原料の全重量に対する、当該原料に含まれる麦類原料の重量の割合)は、本発明による効果が得られる範囲であれば特に限られないが、例えば、10重量%以上であってもよく、30重量%以上であることが好ましく、50重量%以上であることがより好ましく、80重量%以上であることがより一層好ましく、90重量%以上であることが特に好ましい。
【0040】
原料は、例えば、ホップ原料をさらに含むこととしてもよい。ホップ原料は、例えば、ホップパウダー、ホップペレット、プレスホップ、生ホップ、ホップエキス、イソ化ホップ、ローホップ、テトラホップ及びヘキサホップからなる群より選択される1以上であることが好ましい。
【0041】
ホップ原料を使用する場合、本方法は、原料液にホップ原料を添加して煮沸することを含み、当該煮沸後の原料液を使用してビールテイスト飲料を製造することとしてもよい。
【0042】
本方法は、原料液の糖化を行うことを含み、当該糖化後の原料液を使用してビールテイスト飲料を製造することとしてもよい。糖化は、原料液を多糖類分解酵素で処理することにより行う。多糖類分解酵素は、麦芽に含まれる酵素、及び、外的に添加される酵素(例えば、微生物由来の酵素)からなる群より選択される1以上であってもよい。糖化は、多糖類分解酵素が働く温度で行う。
【0043】
ホップ原料を使用する場合、まず原料液の糖化を行い、次いで、糖化後の原料液に当該ホップ原料を添加して煮沸を行い、その後、当該煮沸後の原料液を使用してビールテイスト飲料を製造することとしてもよい。
【0044】
本方法は、原料液(例えば、糖化を行う場合には当該糖化後の原料液であってもよく、糖化及び煮沸を行う場合には当該煮沸後の原料液であってもよい。)に酵母を添加してアルコール発酵を行うことを含んでもよい。
【0045】
具体的に、まず冷却された原料液に酵母を添加して発酵液を調製し、次いで、当該発酵液を、所定の発酵温度で所定時間維持することにより、アルコール発酵を行う。アルコール発酵開始時の発酵液中の酵母の密度は、特に限られないが、例えば、1×106個/mL以上、3×109個/mL以下であることが好ましい。酵母は、アルコール発酵を行う酵母であれば特に限られないが、例えば、ビール酵母、ワイン酵母、焼酎酵母及び清酒酵母からなる群より選択される1以上であることが好ましい。アルコール発酵は、例えば、酵母を含む発酵液を、0℃以上、40℃以下の温度で、1日以上、14日以下の時間維持することにより行う。
【0046】
本方法は、アルコール発酵後に、熟成を行うことを含んでもよい。ここで、本実施形態において、アルコール発酵は、ビールや発泡酒の製造における主発酵又は前発酵に相当し、熟成は、当該ビールや発泡酒の製造における貯酒又は後発酵に相当する。
【0047】
本方法においては、アルコール発酵を行うことなく、ビールテイスト飲料を製造することとしてもよい。この場合、例えば、原料液(例えば、糖化を行う場合には当該糖化後の原料液であってもよく、糖化及び煮沸を行う場合には当該煮沸後の原料液であってもよい。)と、他の成分と混合して、ビールテイスト飲料を得る。原料液と混合する他の成分としては、例えば、糖類、食物繊維、色素、香料、酸味料及び甘味料からなる群より選択される1以上が好ましく使用される。
【0048】
本方法により製造されるビールテイスト飲料は、ビール様の香味を有する飲料である。ビールテイスト飲料は、その製造時の条件(例えば、ホップの使用の有無や、アルコール発酵の有無)に関わらず、ビール様の香味を有する飲料であれば特に限られない。
【0049】
ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であることとしてもよい。アルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の飲料である。アルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1体積%以上、20体積%以下であることとしてもよい。なお、本方法において、アルコール発酵を行わない場合、例えば、原料液にエタノール、スピリッツ、発酵液等のアルコール含有組成物を添加することにより、アルコール飲料を得ることができる。
【0050】
ビールテイスト飲料は、ノンアルコール飲料であることとしてもよい。ノンアルコール飲料は、アルコール含有量が1体積%未満の飲料である。ノンアルコール飲料のアルコール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であってもよく、0.05体積%未満であってもよく、0.005体積%未満であってもよい。なお、本方法において、アルコール発酵を行う場合、例えば、当該アルコール発酵後の原料液に、アルコール含有量を低減する処理を施すことにより、ノンアルコール飲料を得ることができる。
【0051】
ビールテイスト飲料は、発泡性飲料であることとしてもよい。発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料であることが好ましい。なお、本方法において、アルコール発酵を行うことなく発泡性飲料を製造する場合、例えば、炭酸ガスの吹き込み及び炭酸水の使用からなる群より選択される1以上により、発泡性を付与することができる。
【0052】
発泡性飲料は、そのNIBEM値が50秒以上であってもよく、80秒以上であることが好ましく、150秒以上であることがより好ましく、200秒以上であることが特に好ましい。発泡性飲料のNIBEM値は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.29 泡-NIBEM-Tを用いた泡持ち測定法-」に記載の方法により測定される。
【0053】
発泡性飲料は、その炭酸ガス圧が1.0kg/cm2以上であってもよく、2.0kg/cm2以上であることとしてもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧の上限値は、特に限られないが、当該炭酸ガス圧は、3.0kg/cm2以下であってもよい。発泡性飲料の炭酸ガス圧は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.21 ガス圧」に記載の方法により測定される。
【0054】
ビールテイスト飲料は、発泡性アルコール飲料であってもよい。この場合、ビールテイスト飲料は、ビール、発泡酒、及び、発泡酒と他のアルコール成分(例えば、焼酎、ウォッカ、ウイスキー、ブランデー、その他のスピリッツ、清酒、果実酒、甘味果実酒、雑酒及び粉末酒からなる群より選択される1以上)とを含有する発泡性アルコール飲料、からなる群より選択される発泡性アルコール飲料であってもよい。
【0055】
ビールテイスト飲料は、苦味を有する飲料であることとしてもよい。すなわち、ビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、5以上であることとしてもよく、10以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、20以上であることが特に好ましい。ビールテイスト飲料のBUの上限値は特に限られないが、当該BUは、例えば、50以下であることとしてもよく、40以下であることが好ましく、30以下であることが特に好ましい。ビールテイスト飲料のBUは、上記下限値のいずれか一つと、上記上限値のいずれか一つとを任意に組み合わせて特定してもよい。なお、ビールテイスト飲料のBUは、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.15 苦味価(IM)」に記載の方法により測定される。
【0056】
ビールテイスト飲料の色度は、特に限られないが、例えば、3.0EBC単位以上であってもよく、4.0EBC単位以上であることが好ましく、5.0EBC単位以上であることが特に好ましい。また、ビールテイスト飲料の色度は、例えば、30.0EBC単位以下であってもよく、20.0EBC単位以下であることが好ましく、15.0EBC単位以下であることがより好ましく、10.0EBC単位以下であることが特に好ましい。ビールテイスト飲料の色度は、上記下限値のいずれか一つと、上記上限値のいずれか一つとを任意に組み合わせて特定してもよい。なお、ビールテイスト飲料の苦味価は、文献「改訂 BCOJビール分析法 2013年増補改訂(編集:ビール酒造組合 国際技術委員会(分析委員会)、発行所:公益財団法人日本醸造協会)」の「8.8 色度」の「8.8.2 吸光度法(IM)」に記載の方法により測定される。
【0057】
本方法で製造されるビールテイスト飲料は、L麦芽に代えて、70℃を超える焙燥温度又は75℃以上の焙燥温度で焙燥を行って調製された麦芽を使用した以外は同一の条件で製造されたビールテイスト飲料(以下、「対照ビールテイスト飲料」という。)の色度に対する比が、0.50以上(0.50以上、1.00未満)、好ましくは0.60以上、より好ましくは0.70以上、特に好ましくは0.80以上の色度を有することとしてもよい。
【0058】
本方法によれば、香味が効果的に向上したビールテイスト飲料を提供することができる。すなわち、本方法においては、比較的低い焙燥温度を含む特定の焙燥条件で調製されたL麦芽を使用することにより、当該L麦芽に代えて当該特定の焙燥条件以外の焙燥条件で調製された麦芽を使用する以外は同一の条件で製造する場合に比べて、ビールテイスト飲料の香味を効果的に向上させることができる。また、本方法においては、例えば、L麦芽を特定の重量割合で使用することにより、当該L麦芽を当該特定の重量割合以外の重量割合で使用する以外は同一の条件で製造する場合に比べて、ビールテイスト飲料の香味を効果的に向上させることができる。
【0059】
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0060】
[例1]
L麦芽を含まない麦類原料を使用してビールテイスト飲料を製造した。すなわち、非L麦芽を48.0重量%、大麦を52.0重量%含む麦類原料を使用した。L麦芽を使用しなかったため、L麦芽/非L麦芽比は0.0であった。
【0061】
非L麦芽は、焙燥温度を55℃、65℃、75℃、及び83.5℃と段階的に変化させながら、焙燥時間29時間、焙燥条件値1859の条件で大麦麦芽(緑麦芽)を焙燥して調製した。
【0062】
ビールテイスト飲料の製造においては、まず非L麦芽及び大麦を湯と混合し、原料液を調製した。次いで、原料液の糖化を行った。さらに、糖化後の原料液にホップを添加し、煮沸を行った。その後、冷却した原料液にビール酵母を添加してアルコール発酵を行った。アルコール発酵後、熟成を行った。熟成後にろ過を行い、ビールテイスト飲料を得た。このビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.70体積%、色度が5.9EBC、BUが22.9の発泡性アルコール飲料であった。
【0063】
[例2]
L麦芽を含む麦類原料を使用してビールテイスト飲料を製造した。すなわち、L麦芽を24.0重量%、非L麦芽を24.0重量%、大麦を52.0重量%含む麦類原料を使用した。L麦芽/非L麦芽比は1.0であった。
【0064】
L麦芽は、40℃の焙燥温度、及び24時間の焙燥時間で、すなわち焙燥条件値960の条件で、40℃を超える温度で加熱されることなく大麦麦芽(緑麦芽)を焙燥して調製した。
【0065】
ビールテイスト飲料の製造においては、まずL麦芽、非L麦芽及び大麦を湯と混合し、原料液を調製した。次いで、原料液の糖化を行った。さらに、糖化後の原料液にホップを添加し、煮沸を行った。その後、冷却した原料液にビール酵母を添加してアルコール発酵を行った。アルコール発酵後、熟成を行った。熟成後にろ過を行い、ビールテイスト飲料を得た。このビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.72体積%。色度が5.2EBC、BUが24.3の発泡性アルコール飲料であった。
【0066】
[例3]
50℃の焙燥温度で、すなわち焙燥条件値1200の条件で焙燥を行ってL麦芽を調製したこと以外は上記例2と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.71体積%、色度が5.1EBC、BUが22.5の発泡性アルコール飲料であった。
【0067】
[例4]
60℃の焙燥温度で、すなわち焙燥条件値1440の条件で焙燥を行ってL麦芽を調製したこと以外は上記例2と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.72体積%、色度が5.4EBC、BUが23.8の発泡性アルコール飲料であった。
【0068】
[例5]
70℃の焙燥温度で、すなわち焙燥条件値1680の条件で焙燥を行ってL麦芽を調製したこと以外は上記例2と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.79体積%、色度が5.5EBC、BUが22.1の発泡性アルコール飲料であった。
【0069】
[例6]
45℃の焙燥温度、及び20時間の焙燥時間で、すなわち焙燥条件値900の条件で焙燥を行ってL麦芽を調製したこと以外は上記例2と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.77体積%、色度が5.5EBC、BUが24.3の発泡性アルコール飲料であった。
【0070】
[例7]
65℃の焙燥温度、及び30時間の焙燥時間で、すなわち焙燥条件値1950の条件で焙燥を行ってL麦芽を調製したこと以外は上記例2と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.76体積%、色度が5.5EBC、BUが24.6の発泡性アルコール飲料であった。
【0071】
[例8]
L麦芽を4.8重量%、及び非L麦芽を43.2重量%使用し、L麦芽/非L麦芽比が0.1であったこと以外は上記例3と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.71体積%、色度が5.6EBC、BUが24.7の発泡性アルコール飲料であった。
【0072】
[例9]
L麦芽を14.4重量%、及び非L麦芽を33.6重量%使用し、L麦芽/非L麦芽比が0.4であったこと以外は上記例3と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.77体積%、色度が5.2EBC、BUが23.1の発泡性アルコール飲料であった。
【0073】
[例10]
L麦芽を33.6重量%、及び非L麦芽を14.4重量%使用し、L麦芽/非L麦芽比が2.3であったこと以外は上記例3と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.77体積%、色度が5.2EBC、BUが24.1の発泡性アルコール飲料であった。
【0074】
[例11]
L麦芽を43.2重量%、及び非L麦芽を4.8重量%使用し、L麦芽/非L麦芽比が9.0であったこと以外は上記例3と同一の条件で、ビールテイスト飲料を製造した。得られたビールテイスト飲料は、アルコール含有量が5.77体積%、色度が5.0EBC、BUが22.9の発泡性アルコール飲料であった。
【0075】
[官能検査]
上記の例1~例11で製造されたビールテイスト飲料の各々について、5人のパネリストによる官能検査を行った。官能検査においては、「柔らかさ」、「とげとげしさ」及び「スッキリ感」の3項目の各々について、1.0点から5.0点まで、0.5点刻みで点数が付与された。
【0076】
「柔らかさ」及び「スッキリ感」については、香味が好ましいほど大きな点数が付与され、「とげとげしさ」については、香味が好ましいほど小さな点数が付与された。また、「柔らかさ」及び「スッキリ感」については、例1で得られたビールテイスト飲料の評価が「1.0点」となるように、他の例2~例11で得られたビールテイスト飲料を評価した。また、「とげとげしさ」については、例1で得られたビールテイスト飲料の評価が「5.0点」となるように、他の例2~例11で得られたビールテイスト飲料を評価した。そして、各項目について、各パネリストから付与された点数の合計を、パネリストの人数で除して得られた算術平均値を、最終的に付与された点数として評価した。
【0077】
[結果]
図1には、例1~例11のそれぞれについて、麦芽の使用条件、焙燥条件、飲料の特性、及び官能検査の評価結果を示す。
図1の官能検査結果に示すように、例2~例11で製造されたビールテイスト飲料は、例1で製造されたビールテイスト飲料に比べて、「柔らかさ」及び「スッキリ感」に優れ、「とげとげしさ」は低減されて、好ましい香味を有していると評価された。
【0078】
また、焙燥温度40℃(焙燥条件値960)及び70℃(焙燥条件値1680)で調製されたL麦芽を使用した例2及び例5に比べて、焙燥温度50℃(焙燥条件値1200)及び60℃(焙燥条件値1440)で調製されたL麦芽を使用した例3及び例4において、ビールテイスト飲料の香味が優れていると評価された。
【0079】
また、焙燥条件値1950(焙燥温度65℃、焙燥時間30時間)の焙燥を行って調製されたL麦芽を使用した例7に比べて、より小さな焙燥条件値の焙燥を行って調製されたL麦芽を使用した例2~例6において、ビールテイスト飲料の香味が優れていると評価された。
【0080】
また、焙燥条件値900(焙燥温度45℃、焙燥時間20時間)の焙燥を行って調製されたL麦芽を使用した例6に比べて、より大きな焙燥条件値の焙燥を行って調製されたL麦芽を使用した例2~例5において、ビールテイスト飲料の香味が優れていると評価された。
【0081】
また、L麦芽を4.8重量%使用した(L麦芽/非L麦芽比0.1)例8に比べて、より多くのL麦芽を使用した(L麦芽/非L麦芽比0.4~9.0)例9~例11において、ビールテイスト飲料の香味が優れていると評価された。
【0082】
また、L麦芽を43.2重量%使用した(L麦芽/非L麦芽比9.0)例11に比べて、より少ないL麦芽を使用した例9及び例10(L麦芽/非L麦芽比0.4~2.3)において、ビールテイスト飲料の香味が優れていると評価された。特に、L麦芽を33.6重量%使用した(L麦芽/非L麦芽比2.3)例10においては、例9に比べても、ビールテイスト飲料の香味が優れていると評価された。
【0083】
また、例1に比べて、例2~例11においては、アルコール含有量が大きなビールテイスト飲料が得られた。また、例1に比べて、例2~例11においては、色度が小さいビールテイスト飲料が得られた。ただし、例1で得られたビールテイスト飲料の色度に対する、例2~例11で得られたビールテイスト飲料の色度の比は、約0.85以上(約0.85~約0.95)であった。また、L麦芽を使用しなかった例1と、L麦芽を使用した例2~例11とで、ビールテイスト飲料のBUに大きな差はなかった。