(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】加工装置及び加工装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/157 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
B23Q3/157 A
B23Q3/157 J
(21)【出願番号】P 2019196125
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】317009525
【氏名又は名称】DGSHAPE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須山 晃裕
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-042895(JP,A)
【文献】特開2017-094436(JP,A)
【文献】特開平08-174364(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104128831(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/155-3/157
B24B 41/00-51/00
B27C 1/00-9/04
A61C 8/00-13/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のストッカーが設けられたマガジンと、
前記複数のストッカーの各々に収容された加工ツールと、
前記加工ツールのうちの1つを把持するスピンドルと、
前記スピンドルを制御する制御部と、
を備え、
前記複数のストッカーは、第1のストッカー及び第2のストッカーを含み、
前記加工ツールは、
仕上げ加工に比べれば高い精度が要求されない、粗加工のための第1の加工ツール
、及び
仕上げ加工等の、比較的高い加工精度が要求される第2の加工ツールを含み、
前記第1のストッカー及び前記第2のストッカーは、それぞれ前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールを収容し、
前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールには、それぞれ
、刃部がその下面側に露出し、柄部がその上面側に露出するように、第1のツールホルダー及び第2のツールホルダーが装着され、
前記制御部は、
前記スピンドルが、前記第1の加工ツールを把持する場合、前記スピンドルが、前記第1のツールホルダーと接触した第1の状態で前記第1の加工ツールを把持するように前記スピンドルを制御し、
前記スピンドルが、前記第2の加工ツールを把持する場合、前記スピンドルが、前記第2のツールホルダーと離れた第2の状態で前記第2の加工ツールを把持するように前記スピンドルを制御する
ことを特徴とする加工装置。
【請求項2】
前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーは、互いに平行な上面と下面を有し、且つ前記上面と前記下面に垂直な方向にそれぞれ第1の厚さ及び前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有し、
前記第1のストッカー及び前記第2のストッカーは、それぞれ第1の支持面と第2の支持面を有し、前記第1の支持面と前記第2の支持面がそれぞれ前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーの前記下面を支持することによって、それぞれ前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールを支持し、
前記第1の状態は、前記スピンドルが、前記第1の支持面から前記第1の厚さと同じ長さだけ離れた第1の高さに位置し、前記第1の加工ツールに装着された第1のツールホルダーの前記上面と接触した状態であり、
前記第2の状態は、前記スピンドルが、前記第2の支持面から前記第1の高さに位置し、前記第2の加工ツールに装着された第2のツールホルダーの前記上面と離れた状態である
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーは、互いに平行な上面と下面を有し、且つ前記上面と前記下面に垂直な方向に第1の厚さを有し、
前記第1のストッカー及び前記第2のストッカーは、それぞれ第1の支持面と第2の支持面を有し、前記第1の支持面と前記第2の支持面がそれぞれ前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーの前記下面を支持することによって、それぞれ前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールを支持し、
前記第1の状態は、前記スピンドルが、前記第1の支持面から第1の厚さと同じ長さだけ離れた第1の高さに位置し、前記第1の加工ツールに装着された第1のツールホルダーの前記上面と接触した状態であり、
前記第2の状態は、前記スピンドルが、前記第2の支持面から前記第1の高さよりも高い第2の高さに位置し、前記第2の加工ツールに装着された第2のツールホルダーの前記上面と離れた状態である
ことを特徴とする請求項1に記載の加工装置。
【請求項4】
複数のストッカーが設けられたマガジンと、
前記複数のストッカーの各々に収容された加工ツールと、
前記加工ツールのうちの1つを把持するスピンドルと、
を備え、
前記複数のストッカーは、第1のストッカー及び第2のストッカーを含み、
前記加工ツールは、
仕上げ加工に比べれば高い精度が要求されない、粗加工のための第1の加工ツール
、及び
仕上げ加工等の、比較的高い加工精度が要求される第2の加工ツールを含み、
前記第1のストッカー及び前記第2のストッカーは、それぞれ前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールを収容し、
前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールには、それぞれ
、刃部がその下面側に露出し、柄部がその上面側に露出するように、第1のツールホルダー及び第2のツールホルダーが装着された、加工装置の駆動方法であって、
前記スピンドルに第1の加工ツールを把持させる第1の把持工程と、
前記第1の把持工程より後に実行され、前記スピンドルに第2の加工ツールを把持させる第2の把持工程と、
を含み、
前記第1の把持工程において、前記スピンドルは、前記第1の加工ツールに装着された前記第1のツールホルダーと接触した第1の状態で前記第1の加工ツールを把持し、
前記第2の把持工程において、前記スピンドルは、前記第2の加工ツールに装着された前記第2のツールホルダーと離れた第2の状態で前記第2の加工ツールを把持することを特徴とする駆動方法。
【請求項5】
前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーは、互いに平行な上面と下面を有し、且つ前記上面と前記下面に垂直な方向にそれぞれ第1の厚さ及び前記第1の厚さよりも薄い第2の厚さを有し、
前記第1のストッカー及び前記第2のストッカーは、それぞれ第1の支持面と第2の支持面を有し、前記第1の支持面と前記第2の支持面がそれぞれ前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーの前記下面を支持することによって、それぞれ前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールを支持し、
前記第1の状態は、前記スピンドルが、前記第1の支持面から第1の厚さと同じ長さだけ離れた第1の高さに位置し、前記第1のツールホルダーの前記上面と接触した状態であり、
前記第2の状態は、前記スピンドルが、前記第2の支持面から前記第1の高さに位置し、前記第2のツールホルダーの前記上面と離れた状態である
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動方法。
【請求項6】
前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーは、互いに平行な上面と下面を有し、且つ前記上面と前記下面に垂直な方向に第1の厚さを有し、
前記第1のストッカー及び前記第2のストッカーは、それぞれ第1の支持面と第2の支持面を有し、前記第1の支持面と前記第2の支持面が前記第1のツールホルダー及び前記第2のツールホルダーの前記下面を支持することによって、それぞれ前記第1の加工ツール及び前記第2の加工ツールを支持し、
前記第1の状態は、前記スピンドルが、前記第1の支持面から第1の厚さと同じ長さだけ離れた第1の高さに位置し、前記第1の加工ツールに装着された第1のツールホルダーの前記上面と接触した状態であり、
前記第2の状態は、前記スピンドルが、前記第2の支持面から前記第1の高さよりも高い第2の高さに位置し、前記第2の加工ツールに装着された第2のツールホルダーの前記上面と離れた状態である
ことを特徴とする請求項4に記載の駆動方法。
【請求項7】
前記第1の把持工程の後で、前記第2の把持工程の前に、前記第1の加工ツールを用い
て切削を実行させる第1の切削工程と、
前記第2の把持工程の後に、前記第2の加工ツールを用いて切削を実行させる第2の切削工程と
を更に含む請求項4から6のいずれか一に記載の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置及び加工装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加工ツールを用いて被加工物を切削し、所定の表面形状を有する造形物を形成する加工
装置が知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数の異なる加工ツールを自動で交換できるオートツールチェンジャー(ATC)を備えた加工装置が開示されている。このような加工装置は、加工ツールを把持すると共に、被加工物に対する3次元方向への相対的な移動が可能なスピンドルと、複数の加工ツールが収容されるマガジンを備えている。
【0004】
特許文献1に記載された加工装置において、マガジンには、一の加工ツールを収容するためのストッカーが複数設けられている。加工ツールには、ツールホルダーとしてフランジが設けられている。ストッカーへの収容時は、このフランジが穴状のストッカーに嵌め込まれることによって加工ツールが収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1には、被加工物の加工時に、スピンドルが、チャックと締め付け部によって、加工ツールのフランジと接触せずに、フランジの上方に伸びるフランジより細い上端部で加工ツールを把持する態様が示されている。
【0007】
このような場合、加工ツールに対する負荷が大きい切削工程であるほど、切削工程中に上端部がスピンドルに入り込み、加工ツールがスピンドル側へずれやすくなる。このような加工ツールのスピンドル側へのずれが発生すると、本来切削されるべき個所が切削されず、加工精度が劣化してしまう。
【0008】
そこで、スピンドルがフランジと接触した状態で加工ツールを把持すれば、加工ツールのスピンドル側へのずれを抑えることができる。
【0009】
しかしながらこのような場合、スピンドルに対するフランジの接触面が、スピンドルの回転方向について一様でないと、スピンドルの回転軸に対し、加工ツールの回転軸がずれやすくなる。このような加工ツールの回転軸のずれが発生すると、本来切削されるべきでない個所が切削されてしまい、加工精度が劣化してしまう。
【0010】
本発明の目的は、スピンドルに対する加工ツールのずれの影響を軽減し、ずれによる加工精度の劣化を抑えることができる加工装置及び加工装置の駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための一の発明は、複数のストッカーが設けられたマガジンと、複数のストッカーの各々に収容された加工ツールと、加工ツールのうちの1つを把持するスピンドルと、スピンドルを制御する制御部と、を備え、複数のストッカーは、第1のストッカー及び第2のストッカーを含み、加工ツールは、第1の加工ツール及び第2の加工ツールを含み、第1のストッカー及び第2のストッカーは、それぞれ第1の加工ツール及び第2の加工ツールを収容し、第1の加工ツール及び第2の加工ツールには、それぞれ第1のツールホルダー及び第2のツールホルダーが装着され、制御部は、スピンドルが、第1の加工ツールを把持する場合、スピンドルが、第1のツールホルダーと接触した第1の状態で第1の加工ツールを把持するようにスピンドルを制御し、スピンドルが、第2の加工ツールを把持する場合、スピンドルが、第2のツールホルダーと離れた第2の状態で第2の加工ツールを把持するようにスピンドルを制御することを特徴とする加工装置である。本発明の他の特徴については、本明細書の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、スピンドルに対する加工ツールのずれの影響を軽減し、ずれによる加工精度の劣化を抑えることができる加工装置及び加工装置の駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の加工システムを説明する図である。
【
図4】第1実施形態のツールホルダーを表す図である。
【
図6】第1実施形態の加工ツールを収容したマガジンの断面図である。
【
図7A】第1実施形態のスピンドルを表す断面図である。
【
図7B】第1実施形態のスピンドルを表す断面図である。
【
図7C】第1実施形態のスピンドルを表す断面図である。
【
図9】第1実施形態の駆動方法を表すフロー図である。
【
図10A】第1実施形態において、スピンドルが第1の加工ツールを把持した状態を表す図である。
【
図10B】第1実施形態において、スピンドルが第2の加工ツールを把持した状態を表す図である。
【
図11】第2実施形態の加工ツールを表す図である。
【
図12A】第2実施形態において、スピンドルが第1の加工ツールを把持した状態を表す図である。
【
図12B】第2実施形態において、スピンドルが第2の加工ツールを把持した状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る加工システムを説明する模式図である。加工システム1は、データ作成装置2と、加工装置3と、を備える。
【0015】
==データ作成装置==
データ作成装置2は、被加工物を切削加工することによって形成される所望の造形物の加工表面の形状を表すデータ(以下、「形状データ」)を作成する。造形物としては特に限定されないが、例えば、産業用機械や医療用機械等の部品、歯科医療用の人口歯や補綴物、又は工芸品等を挙げることができる。そして、データ作成装置2は、加工装置3を駆動して当該造形物を形成させるための命令であるコマンド群を、形状データに基づいて作成する。データ作成装置2は、作成したコマンド群を加工装置3に出力する。
【0016】
形状データは、造形物の3次元データに基づいて作成される。造形物の3次元データは、STLデータや3次元CADで使用されるソリッドデータ或いは3Dプリンタで使用される3MFやAMF等のデータである。例えば、歯科医療用の補綴物を製造する場合、先ず、CCDカメラやX線CTにより患者の口腔内をスキャンして3次元データを得る。作業者は、データ作成装置2を用いて、得られた3次元データを元に、患者に適した形状の補綴物を設計する。データ作成装置2は、設計された補綴物に対応する形状データを作成する。
【0017】
また、データ作成装置2は、作成した形状データに基づいて、加工装置3を駆動して造形物を形成させるための命令であるコマンド群(詳細は後述)を作成する。データ作成装置2は、作成したコマンド群を加工装置3に出力する。
【0018】
==加工装置==
図2は、本実施形態の加工装置3を表す図である。なお、本発明に直接関係しない部分の構成については、記載を省略している。
【0019】
加工装置3は、被加工物Wを切削加工することによって、所望の造形物を形成するための装置である。被加工物Wの材質としては、例えばセラミック材料、樹脂材料、ガラス材料、金属材料、木材等を用いることができる。被加工物Wの形状は特に限定されないが、本実施形態では、ディスク状の被加工物Wが用いられる。
【0020】
加工装置3は、加工ツール31と、ツールホルダー32と、マガジン33と、スピンドル34と、保持部35と、駆動部36と、記憶部37と、制御部38とを備える。
【0021】
以下、本明細書では、
図2に示すXYZ軸からなる直交座標系を用いて説明を行う。この直交座標系において、X軸は、重力の方向に直交する一方向の軸である。Y軸は、重力の方向に直交し、且つX軸に直交する軸である。Z軸は、重力の方向に平行な軸である。また、XY平面に平行な平面を、水平面と呼ぶ。また、Z軸方向において、物体が重力によって落下する方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。
【0022】
(加工ツール)
図3は、本実施形態の加工ツール31を表す図である。本実施形態では、加工ツール31として、第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bが使用され、それぞれに対し、ツールホルダー32として、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bが装着される。
図3では、第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bが、それぞれ第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bを装着した状態で示されている。
【0023】
以下、本実施形態の説明では、加工ツール31は、第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bの両方を包括して意味するものとし、ツールホルダー32は、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bの両方を包括して意味するものとする。
【0024】
加工ツール31は、回転することによって被加工物Wを切削するための工具である。加工ツール31は、回転する際の中心となる長軸313を有する長尺の工具である。本実施形態の加工ツール31は、略円柱状の工具である。
【0025】
加工ツール31は、その一端側に刃部311、及び他端側に柄部312が設けられている。刃部311は、被加工物Wと接触して切削を行う部分である。柄部312は、加工ツール31が加工装置3に搭載される際に、スピンドル34に把持される部分である。
【0026】
尚、加工ツール31の形状は略円柱状に限定されない。例えば、刃部311の径と、柄部312の径が異なっていてもよい。
【0027】
本実施形態では、第1の加工ツール31aは粗加工のための加工ツール31であり、第2の加工ツール31bは仕上げ加工のための加工ツール31である。
【0028】
粗加工は、被加工物Wを切削して、不要部分の一部を除去する加工である。不要部分は、被加工物W内において、所望の造形物が占める領域を除く領域である。被加工物W内とは、被加工物Wの内部及びその表面を含む領域を意味する。仕上げ加工は、粗加工が施された被加工物Wを更に切削して、所望の造形物を形成する加工である。
【0029】
第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bは、それぞれの用途に応じた刃部311の形状、径、長さ等を有している。
【0030】
(ツールホルダー)
図4は、本実施形態のツールホルダー32を表す図である。
【0031】
ツールホルダー32は、マガジン33のストッカー332において、加工ツール31が所定の配置及び向きで支持されるように、加工ツール31に装着される部材である。
【0032】
ツールホルダー32は、上面321及び下面322を有する。ツールホルダー32は、上面321と下面322に垂直な方向に所定の厚さを有する。本実施形態では、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bは、上面321と下面322に垂直な方向にそれぞれ第1の厚さT1及び第1の厚さT1よりも薄い第2の厚さT2を有する。ツールホルダー32には、上面321と下面322に垂直な方向に貫通する挿通孔323が設けられている。本実施形態では、ツールホルダー32は円筒形状であるが、壁に厚みのある筒状であればよく、その形状は円筒形状に限定されない。
【0033】
尚、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bはそれぞれ、複数の部材から形成されていてもよい。例えば、第2の厚さT2を有するツールホルダー32と、任意の厚さを有する別のツールホルダー32とを積み重ねることによって、第1の厚さT1を有する第1のツールホルダー32aとしてもよい。
【0034】
ツールホルダー32を加工ツール31に装着する場合、加工ツール31を挿通孔323に挿通する。このとき、加工ツール31は、刃部311がツールホルダー32の下面322側に露出し、柄部312がツールホルダー32の上面321側に露出する向きで挿通される。
【0035】
(マガジン)
図5は、本実施形態のマガジン33の上面図である。
図6は、加工ツール31を収容したマガジン33の断面図である。
【0036】
マガジン33は、複数の加工ツール31を収容する。マガジン33には、複数のストッカー332が設けられている。複数のストッカー332の各々は、マガジン33の上面331に開口を有する凹状に設けられている。本実施形態では、マガジン33の上面331は、水平面に平行に設けられている。
【0037】
複数のストッカー332は、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bに分類される。第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを収容するためのストッカーである。以下、本実施形態の説明では、ストッカー332は、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bの両方を包括して意味するものとする。
【0038】
本実施形態のマガジン33は、10個のストッカー332が設けられている。
図5に示すように、10個のストッカー332の各々には、1~10のストッカー番号が割り当てられている。本実施形態では、ストッカー番号が1~5であるストッカー332を第1のストッカー332aとし、ストッカー番号が6~10であるストッカー332を第2のストッカー332bとする。
【0039】
図6に示すように、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の支持面333a及び第2の支持面333bを有している。更に、第1の支持面333a及び第2の支持面333bにはそれぞれ、加工ツール31の刃部311を挿入可能な凹部334a及び凹部334bが設けられている。
【0040】
第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の支持面333aと第2の支持面333bがそれぞれ第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bの下面322を支持することによって、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを支持する。加工ツール31がストッカー332に支持された状態では、柄部312がマガジン33の上面331から突出している。
【0041】
本実施形態では、第1の支持面333a及び第2の支持面333bは、マガジン33の上面331から下方に同じ長さだけ離れた位置に設けられている。また、ストッカー332の形状は、ツールホルダー32と嵌合するように形成されている。これによって、加工ツール31は、所定の位置及び向きで支持される。
【0042】
尚、本実施形態では、マガジン33の上面331は水平面に平行となるように設けられる態様を示したが、これに限定されるものではない。上面331は、例えば、水平面に対して傾いていてもよい。この場合、上面331は、水平面に対して垂直であってもよい
【0043】
(スピンドル)
図7Aは、本実施形態のスピンドル34の先端近傍を表す断面図である。
【0044】
スピンドル34は、加工ツール31を把持し、加工ツール31を長軸313周りに回転させるための軸である(なお、
図7Aでは、スピンドル34が加工ツール31を把持していない状態を示している)。スピンドル34は、回転中心343が、加工ツール31の長軸313と一致するように加工ツール31を把持する。
【0045】
本実施形態では、スピンドル34は、略円柱形状の部材であり、回転中心343がZ軸に平行となるように、加工装置3内に配置される。スピンドル34は、駆動部36から動力を受けて、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれの方向に平行移動することができる。また、スピンドル34は、駆動部36から回転運動に必要な動力を受けて回転することができる。
【0046】
スピンドル34が加工ツール31を把持するための機構は特に限定されないが、本実施形態では、スピンドル34は、コレット341と、締め付け部342とを有する。
【0047】
コレット341は、加工ツール31の柄部312を直接把持する部材である。コレット341は、略円筒形状の部材である。以下では、コレット341の一端及び他端を、それぞれ先端3411及び基端(図示せず)と呼ぶ。また、コレット341の円筒の外側の面を外面3412、内側の面を内面3413と呼ぶ。
【0048】
コレット341の先端3411側には、先端3411から基端側へ延びる複数の切れ込み3414が設けられている。複数の切れ込み3414の各々は、等間隔に設けられている。
【0049】
コレット341の先端3411近傍は、基端側から先端3411側に向かうにつれて、次第にコレット341の厚さが厚くなるように形成されている。ここで、コレット341の厚さとは、両側から圧力をかけて切れ込み3414の幅を略なくした状態で測定した時の内面3413と外面3412との径方向の距離を意味する。
【0050】
締め付け部342は、コレット341による加工ツール31の把持を強固にするための部材であり、本実施形態では、略円筒状である。以下では、締め付け部342の一端及び他端を、それぞれ先端3421及び基端(図示せず)と呼ぶ。締め付け部342には、先端3421に向けて太くなる円柱状の中空部3422が設けられている。中空部3422の径は、コレット341の先端3411の径よりも小さく形成されている。
【0051】
中空部3422には、コレット341が配置される。コレット341は、先端3411部近傍が締め付け部342の外部に露出するように配置される。締め付け部342及びコレット341は、スピンドル34の回転中心343方向に互いに摺動可能である。
【0052】
ここで、スピンドル34が加工ツール31を把持する方法について、
図7A~7C参照して説明する。
図7B及び
図7Cは、本実施形態のスピンドル34を表す断面図である。
図7Bは、
図7Aのスピンドル34の状態に対して、加工ツール31の柄部312をコレット341に挿入した状態の図である。
図7Cは、スピンドル34が加工ツール31を把持した状態の図である。
【0053】
スピンドル34が加工ツール31を把持する工程において、先ず、コレット341の先端3411側に、加工ツール31の柄部312が挿入される(
図7B)。このとき、加工ツール31はストッカー332に収容された状態である。スピンドル34は、ストッカー332に収容された把持対象の加工ツール31の上方へ移動した後に、下方へ移動することによってコレット341の先端3411から、加工ツール31の柄部312を挿入する。
【0054】
次いで、コレット341に加工ツール31の柄部312が挿入された状態で、締め付け部342を、コレット341に対してコレット341の先端3411側へ移動させる。これによって、コレット341の先端3411近傍が締め付け部342に接触して内側への力を受けることよって締め付けられ、切れ込み3414の幅が狭くなる。その結果、コレット341の内面3413が、加工ツール31の柄部312に対して作用する力が強くなり、スピンドル34が、加工ツール31の柄部312を把持した状態となる(
図7C)。
【0055】
尚、スピンドル34が加工ツール31の把持を解除するには、スピンドル34が加工ツール31を把持した状態(
図7C)で、締め付け部342をコレット341に対してコレット341の基端側へ移動させる。これによって、コレット341の先端3411側の締め付けが緩和され、切れ込み3414の幅が広くなる。その結果、コレット341の内面3413と、加工ツール31の柄部312とが離れ、スピンドル34が、加工ツール31の把持を解除した状態となる(
図7B)。
【0056】
(保持部)
保持部35は、切削加工において切削が施される被加工物Wを保持する。被加工物Wを保持する方法は特に限定されるものではないが、本実施形態では、ディスク状の被加工物Wをクランプで挟み込んで保持する方法が用いられる。また、本実施形態では、保持部35は、X軸回り及びY軸回りに回転可能に、加工装置3内に配置されている。
【0057】
(駆動部)
駆動部36は、複数の駆動用モーターを有している。駆動部36は、複数の駆動用モーターにより、スピンドル34(加工ツール31)及び/又は保持部35(被加工物W)が、それらの位置関係が変わるように駆動することができる。本実施形態の駆動部36は、5軸(X軸、Y軸、Z軸、X軸回りの回転軸、Y軸回りの回転軸)の駆動軸を有する。具体的には、駆動部36は、不図示の駆動用モーターにより、スピンドル34が、X軸、Y軸及びZ軸のそれぞれの方向に平行移動するよう駆動する。更に、駆動部36は、不図示の駆動用モーターにより、保持部35が、X軸回りの回転軸に対して回転するよう駆動する。また、駆動部36は、駆動用モーター361により、保持部35が、Y軸回りの回転軸に対して回転するよう駆動する。
【0058】
駆動部36は、更に、不図示の駆動用モーターにより、締め付け部342が、コレット341に対して移動することによって、スピンドル34に加工ツール31を把持したり、加工ツール31の把持を解除したりするよう駆動する。
【0059】
(記憶部)
記憶部37は、加工装置3を駆動させるためのコマンド群を記憶する。
図8は、コマンド群を説明するための図である。本実施形態では、コマンド群は、把持コマンドと、切削コマンドと、返却コマンドとを含む。以下、それぞれのコマンドについて説明する。
【0060】
切削コマンドには、加工経路IDが紐付けられている。切削コマンドは、加工経路IDに対応する加工経路に沿った切削をスピンドル34に実行させる命令である。
【0061】
把持コマンドには、ストッカー番号が紐付けられている。把持コマンドは、スピンドル34に対し、その把持コマンドに紐付けられたストッカー番号のストッカー332に収容された加工ツール31を把持させる命令である。
【0062】
返却コマンドには、ストッカー番号が紐付けられている。返却コマンドは、スピンドル34に対し、スピンドル34が把持している加工ツール31を、その返却コマンドに紐付けられたストッカー番号のストッカー332に返却させる命令である。
【0063】
(制御部)
制御部38は、スピンドル34及び保持部35を制御する。具体的には、制御部38は、記憶部37に記憶されたコマンドを読み込み、そのコマンドに応じて、駆動部36を介してスピンドル34及び保持部35を制御する。以下、それぞれのコマンドに応じた制御部38による制御について説明する。
【0064】
制御部38は、把持コマンドに応じて、先ず、把持コマンドに紐付けられたストッカー番号のストッカー332の上方へスピンドル34を移動させる。そして制御部38は、そのストッカー332に収容された加工ツール31を、スピンドル34に把持させる。
【0065】
本実施形態では、把持コマンドに紐付けられたストッカー番号のストッカー332が、第1のストッカー332aであるか、又は第2のストッカー332bであるかによって、スピンドル34が加工ツール31を把持したときの状態が異なる。前者を第1の状態、後者を第2の状態と呼ぶ。
【0066】
図8の例では、No.1の把持コマンドに紐付けられたストッカー番号は1であり、このストッカー332は第1のストッカー332aである。第1のストッカー332aには、第1の加工ツール31aが収容されている。また、No.4の把持コマンドに紐付けられたストッカー番号は6であり、このストッカー332は第2のストッカー332bである。第2のストッカー332bには、第2の加工ツール31bが収容されている。以下、第1の状態及び第2の状態について説明する。
【0067】
先ず、第1の状態について説明する。
図9Aは、スピンドル34が第1の加工ツール31aを把持した第1の状態を表している。尚、本実施形態では、第1の支持面333aは、マガジン33の上面331から下方に第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた位置に設けられる。制御部38は、第1の状態を実現するために、スピンドル34が第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態で第1の加工ツール31aを把持するようにスピンドル34を制御する。
【0068】
具体的には、コレット341の先端3411が、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置するように制御する。それによって、コレット341の先端3411が第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態になる。
【0069】
尚、「高さ」とは、基準となる位置からの重力の方向の距離である。上記の例では、第1の支持面333aから、マガジン33の上面331までのZ軸方向の距離を意味する。以下でも同様である。また、上記の例において、スピンドル34の位置する高さとはスピンドル34の最も低い部分をいう。例えば
図9Aでは、コレット341の先端3411の位置がスピンドル34の位置する高さとなる。
【0070】
次いで、第2の状態について説明する。
図9Bは、スピンドル34が第2の加工ツール31bを把持した第2の状態を表している。制御部38は、第2の状態を実現するために、スピンドル34が、第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態で第2の加工ツール31bを把持するようにスピンドル34を制御する。
【0071】
具体的には、コレット341の先端3411が、第2の支持面333bから第1の高さH1に位置するように制御する。
【0072】
つまり、第2の状態での第2の支持面333bからコレット341の先端3411の高さは、第1の状態での第1の支持面333aからコレット341の先端3411の高さと同じである。
【0073】
一方、第1の状態と、第2の状態では、ツールホルダー32の厚さが異なる。第2のツールホルダー32bの厚さ(第2の厚さT2)は、第1のツールホルダー32aの厚さ(第1の厚さT1)よりも薄い(
図3、
図4)。
【0074】
そのため、第1の状態では、コレット341の先端3411が、第1のツールホルダー32aの上面321aと接触しているのに対し、第2の状態では、コレット341の先端3411が、第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態になる。
【0075】
制御部38は、切削コマンドに応じて、加工経路IDに対応する加工経路に沿った切削をスピンドル34に実行させる。本実施形態では、切削コマンドは把持コマンドに後続する。そのため、制御部38がスピンドル34に切削を実行させるときには、スピンドル34は加工ツール31を把持している。
【0076】
制御部38は、データ作成装置2から加工データを受け取り、被加工物Wの不要部分を切削するよう、駆動部36を制御して、スピンドル34及び/又は保持部35を移動させる。それによって、スピンドル34と保持部35とが、適正な相対的な位置関係を保った状態で配置される。すなわち、加工ツール31と被加工物Wとが、適正な相対的な位置関係を保った状態で配置される。
【0077】
制御部38は、返却コマンドに応じて、スピンドル34が把持している加工ツール31を、返却コマンドに紐付けられたストッカー番号のストッカー332に返却する。
【0078】
==加工装置の駆動方法==
本実施形態の加工装置3は、
図8に示したコマンド群に基づいて駆動される。加工装置3を駆動する前に、作業者は、ストッカー番号が1である第1のストッカー332a及びストッカー番号が6である第2のストッカー332bに、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを収容しておく。本実施形態では、第1の加工ツール31aは粗加工のための加工ツール31であり、第2の加工ツール31bは仕上げ加工のための加工ツール31である。
【0079】
図9は、本実施形態の駆動方法を表すフロー図である。本実施形態では、加工装置3の駆動方法は、第1の把持工程S1と、第1の切削工程S2と、第1の返却工程S3と、第2の把持工程S4と、第2の切削工程S5と、第2の返却工程S6とを含む。
【0080】
第1の把持工程S1は、
図8に示すNo.1の把持コマンドに応じて、加工装置3によって実行される。この工程では、スピンドル34は、
図10Aに示す第1の状態で、ストッカー番号が1のストッカー332に収容された第1の加工ツール31aを把持する。つまり、スピンドル34は、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置し、第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態で第1の加工ツール31aを把持する。
【0081】
第1の切削工程S2は、
図8に示すNo.2の切削コマンドに応じて、加工装置3によって実行される。第1の切削工程S2は、粗加工のための工程である。この工程においては、スピンドル34が第1のツールホルダー32aと接触して第1の加工ツール31aを把持した状態で、粗加工が実行される。
【0082】
第1の返却工程S3は、
図8に示すNo.3の返却コマンドに応じて、加工装置3によって実行される。この工程では、スピンドル34が把持している第1の加工ツール31aを、初めに収容されていたストッカー番号が1のストッカー332へ返却する。
【0083】
第2の把持工程S4は、
図8に示すNo.4の把持コマンドに応じて、加工装置3によって実行される。この工程では、スピンドル34は、
図10Bに示す第2の状態で、ストッカー番号が6のストッカー332に収容された第2の加工ツール31bを把持する。つまり、スピンドル34は、第2の支持面333bから第1の高さH1に位置し、第2のツールホルダー32bの上面321aと離れた状態で第2の加工ツール31bを把持する。
図10Bでも、コレット341の先端3411の位置がスピンドル34の位置する高さとなる。
【0084】
第2の切削工程S5は、
図8に示すNo.5の切削コマンドに応じて、加工装置3によって実行される。第2の切削工程S5は、仕上げ加工のための工程である。この工程において、スピンドル34は、第2のツールホルダー32bと離れて第2の加工ツール31bを把持した状態で、仕上げ加工が実行される。
【0085】
第2の返却工程S6は、
図8に示すNo.6の返却コマンドに応じて、加工装置3によって実行される。この工程では、スピンドル34が把持している第2の加工ツール31bを、初めに収容されていたストッカー番号が6のストッカー332へ返却する。以上の工程により、加工装置3の駆動方法が完了する。
【0086】
尚、本実施形態では、粗加工のための工程(第1の切削工程S2)及び、仕上げ加工のための工程(第2の切削工程S5)の2つの切削工程を含む態様を示したが、他の切削工程を更に含んでもよい。
【0087】
例えば、粗加工のための工程と、仕上げ加工のための工程との間に、中仕上げ加工のための工程を含んでもよい。中仕上げ加工は、粗加工が施された被加工物Wを更に切削して、不要部分の一部を除去する加工である。この場合、中仕上げ加工のための工程で、スピンドル34がツールホルダー32を第1の状態(
図10A)で把持するか、又は第2の状態(
図10B)で把持するかについては限定されない。中仕上げ加工のための工程で要求される加工精度、加工ツール31に対する負荷等に応じて、第1の状態又は第2の状態を選択すればよい。
【0088】
本発明にかかる一実施形態の加工装置3は、複数のストッカー332が設けられたマガジン33と、複数のストッカー332の各々に収容された加工ツール31と、加工ツール31のうちの1つを把持するスピンドル34と、スピンドル34を制御する制御部38と、を備え、複数のストッカー332は、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bを含み、加工ツール31は、第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを含み、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを収容し、第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bには、それぞれ第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bが装着され、制御部38は、スピンドル34が、第1の加工ツール31aを把持する場合、スピンドル34が、第1のツールホルダー32aと接触した第1の状態で第1の加工ツール31aを把持するようにスピンドル34を制御し、スピンドル34が、第2の加工ツール31bを把持する場合、スピンドル34が、第2のツールホルダー32bと離れた第2の状態で第2の加工ツール31bを把持するようにスピンドル34を制御することを特徴とする加工装置3である。
【0089】
前段落の実施形態によれば、スピンドル34が第1の状態で第1の加工ツール31aを把持しながら、例えば粗加工等の、加工ツール31に対する負荷が比較的大きい切削工程を実行することができる。この場合、スピンドル34が第1のツールホルダー32aと接触して加工ツール31を把持する状態で切削工程が実行されるため、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれを抑えることができる。これによって、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれに起因する加工精度の劣化を抑えることができる。
【0090】
尚、スピンドル34が第1のツールホルダー32aと接触することによって、スピンドル34の回転中心343に対し、第1の加工ツール31aの長軸313aがずれることが考えられる。しかし、このような第1の加工ツール31aの長軸313aのずれに起因する加工精度の劣化は、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれに起因する加工精度の劣化に比べれば微小である。粗加工では、仕上げ加工に比べれば高い精度が要求されないため、第1の加工ツール31aの長軸313aのずれに起因する加工精度の劣化は許容範囲である。
【0091】
更に、段落[0089]の実施形態によればスピンドル34が第2の状態で第2の加工ツール31bを把持しながら、例えば仕上げ加工等の、比較的高い加工精度が要求される切削工程を実行することができる。この場合、スピンドル34が第2のツールホルダー32bと離れて第2の加工ツール31bを把持した状態で切削工程が実行されるため、スピンドル34の回転中心343に対する第2の加工ツール31bの長軸313bのずれを抑えることができる。これによって、第2の加工ツール31bの長軸313bのずれに起因する加工精度の劣化を抑えることができる。
【0092】
尚、スピンドル34が第2のツールホルダー32bと離れていることによって、第2の加工ツール31bが、スピンドル34側へずれることが考えられる。しかし、仕上げ加工のような、加工ツール31に対する負荷が粗加工に比べて小さい切削工程では、加工ツール31のスピンドル34側へずれは生じにくい。
【0093】
また、本実施形態の加工装置3は、上記の一実施形態において、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bが、互いに平行な上面321と下面322を有し、且つ上面321と下面322に垂直な方向にそれぞれ第1の厚さT1及び第1の厚さT1よりも薄い第2の厚さT2を有し、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bが、それぞれ第1の支持面333aと第2の支持面333bを有し、第1の支持面333aと第2の支持面333bがそれぞれ第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bの下面322を支持することによって、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを支持し、第1の状態は、スピンドル34が、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置し、第1の加工ツール31aに装着された第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態であり、第2の状態は、スピンドル34が、第2の支持面333bから第1の高さH1に位置し、第2の加工ツール31bに装着された第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態であることを特徴とする。
【0094】
前段落の実施形態は、従来の加工装置に対し、ツールホルダー32を、第1の厚さT1を有するツールホルダー32及び第2の厚さT2を有するツールホルダー32に変更するのみで、大きな変更を加える必要がない。これによって、低コストで、スピンドル34に対する加工ツール31のずれの影響を軽減し、加工精度の劣化を抑えることができる加工装置3を提供することができる。
【0095】
また、上記一実施形態の加工装置3の駆動方法は、複数のストッカー332が設けられたマガジン33と、複数のストッカー332の各々に収容された加工ツール31と、加工ツール31のうちの1つを把持するスピンドル34と、を備え、複数のストッカー332は、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bを含み、加工ツール31は、第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを含み、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを収容し、第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bには、それぞれ第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bが装着された、加工装置3の駆動方法であって、スピンドル34に第1の加工ツール31aを把持させる第1の把持工程と、第1の把持工程より後に実行され、スピンドル34に第2の加工ツール31bを把持させる第2の把持工程と、を含み、第1の把持工程において、スピンドル34は、第1の加工ツール31aに装着された第1のツールホルダー32aと接触した第1の状態で第1の加工ツール31aを把持し、第2の把持工程において、スピンドル34は、第2の加工ツール31bに装着された第2のツールホルダー32bと離れた第2の状態で第2の加工ツール31bを把持することを特徴とする。
【0096】
前段落のような駆動方法によれば、スピンドル34が第1の状態で第1の加工ツール31aを把持しながら、例えば粗加工等の、加工ツール31に対する負荷が比較的大きい切削工程を実行することができる。この場合、スピンドル34が第1のツールホルダー32aと接触して加工ツール31を把持する状態で切削工程が実行されるため、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれを抑えることができる。これによって、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれに起因する加工精度の劣化を抑えることができる。
【0097】
尚、スピンドル34が第1のツールホルダー32aと接触することによって、スピンドル34の回転中心343に対し、第1の加工ツール31aの長軸313aがずれることが考えられる。しかし、このような第1の加工ツール31aの長軸313aのずれに起因する加工精度の劣化は、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれに起因する加工精度の劣化に比べれば微小である。粗加工では、仕上げ加工に比べれば高い精度が要求されないため、第1の加工ツール31aの長軸313aのずれに起因する加工精度の劣化は許容範囲である。
【0098】
更に、本駆動方法によれば、スピンドル34が第2の状態で第2の加工ツール31bを把持しながら、例えば仕上げ加工等の、比較的高い加工精度が要求される切削工程を実行することができる。この場合、スピンドル34が第2のツールホルダー32bと離れて第2の加工ツール31bを把持した状態で切削工程が実行されるため、スピンドル34の回転中心343に対する第2の加工ツール31bの長軸313bのずれを抑えることができる。これによって、第2の加工ツール31bの長軸313bのずれに起因する加工精度の劣化を抑えることができる。
【0099】
尚、スピンドル34が第2のツールホルダー32bと離れていることによって、第2の加工ツール31bが、スピンドル34側へずれることが考えられる。しかし、仕上げ加工のような、加工ツール31に対する負荷が粗加工に比べて小さい切削工程では、加工ツール31のスピンドル34側へずれは生じにくい。
【0100】
また、上記一実施形態の加工装置3の駆動方法は、上記の駆動方法において、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bは、互いに平行な上面321と下面322を有し、且つ上面321と下面322に垂直な方向にそれぞれ第1の厚さT1及び第1の厚さT1よりも薄い第2の厚さT2を有し、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の支持面333aと第2の支持面333bを有し、第1の支持面333aと第2の支持面333bがそれぞれ第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bの下面322を支持することによって、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを支持し、第1の状態は、スピンドル34が、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置し、第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態であり、第2の状態は、スピンドル34が、第2の支持面333bから第1の高さH1に位置し、第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態であることを特徴とする駆動方法である。
【0101】
前段落の駆動方法は、従来の駆動方法に対し、ツールホルダー32を、第1の厚さT1を有するツールホルダー32及び第2の厚さT2を有するツールホルダー32に変更するのみで、大きな変更を加える必要がない。これによって、低コストで、スピンドル34に対する加工ツール31のずれの影響を軽減し、加工精度の劣化を抑えることができる駆動方法を提供することができる。
【0102】
また、上記一実施形態の加工装置3の駆動方法は、上記の駆動方法において、第1の把持工程の後で、第2の把持工程の前に、第1の加工ツール31aを用いて切削を実行させる第1の切削工程と、第2の把持工程の後に、第2の加工ツール31bを用いて切削を実行させる第2の切削工程とを更に含む。
【0103】
前段落の駆動方法によれば、スピンドル34が第1のツールホルダー32aと接触して加工ツール31を把持する状態で切削工程が実行されるため、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれを抑えることができる。これによって、第1の加工ツール31aのスピンドル34側へのずれに起因する加工精度の劣化を抑えることができる。
【0104】
更に、段落[0103]の駆動方法によれば、スピンドル34が第2のツールホルダー32bと離れて第2の加工ツール31bを把持した状態で切削工程が実行されるため、スピンドル34の回転中心343に対する第2の加工ツール31bの長軸313bのずれを抑えることができる。これによって、第2の加工ツール31bの長軸313bのずれに起因する加工精度の劣化を抑えることができる。
【0105】
<第2実施形態>
==加工装置==
本実施形態の加工装置について説明する。尚、第1実施形態の加工装置3と共通する点は説明を省略し、異なる点を中心に説明する。本実施形態の加工装置は、ツールホルダー32と、制御部38に関して、第1実施形態の加工装置3と異なる。
【0106】
本実施形態のツールホルダー32について、
図11を参照して説明する。
図11は、加工ツール31を収容したマガジン33の側面図である。
【0107】
図11に示すように、本実施形態の第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bは、第1の厚さT1を有する。つまり、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bの厚さは同じである。
【0108】
制御部38は、スピンドル34が、第1の加工ツール31aを把持する場合、スピンドル34が、第1のツールホルダー32aと接触した第1の状態で第1の加工ツール31aを把持するようにスピンドル34を制御する。
【0109】
また、制御部38は、スピンドル34が、第2の加工ツール31bを把持する場合、スピンドル34が、第2のツールホルダー32bと離れた第2の状態で第2の加工ツール31bを把持するようにスピンドル34を制御する。
【0110】
本実施形態では、第2の状態が、第1実施形態のそれとは異なる。以下、第1の状態及び第2の状態について説明する。
【0111】
先ず、
図12A、を参照して第1の状態について説明する。
図12Aは、スピンドル34が第1の加工ツール31aを把持した状態を表す図である。
【0112】
本実施形態での第1の状態は、スピンドル34が、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置した状態である。
【0113】
第1の状態において、スピンドル34は、第1の加工ツール31aに装着された第1のツールホルダー32aの上面321aと接触している。具体的には、第1の状態は、コレット341の先端3411が、第1の支持面333aから第1の高さH1に位置し、第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態である。
【0114】
つまり、把持コマンドに紐付けられたストッカー番号が、第1のストッカー332aに対応する場合、制御部は、スピンドル34を、当該第1のストッカー332aの上方であり、第1の支持面333aから第1の高さH1に移動させるよう制御する。
【0115】
次いで、
図12B、を参照して第2の状態について説明する。
図12Bは、スピンドル34が第2の加工ツール31bを把持した状態を表す図である。
【0116】
本実施形態での第2の状態は、スピンドル34が、第2の支持面333bから第1の高さH1よりも高い第2の高さH2に位置した状態である。
【0117】
つまり、把持コマンドに紐付けられたストッカー番号が、第2のストッカー332bに対応する場合、制御部は、スピンドル34を、当該第2のストッカー332bの上方であり、第2の支持面333bから第2の高さH2に移動させるよう制御する。
【0118】
第2の状態での第2の支持面333bからコレット341の先端3411の高さ(第2の高さH2)は、第1の状態での第1の支持面333aからコレット341の先端3411の高さ(第1の高さH1)よりも高い(
図12A、
図12B)。
【0119】
一方、第1の状態と、第2の状態では、ツールホルダー32の厚さがいずれも第1の厚さT1同じである(
図11)。
【0120】
そのため、第1の状態では、コレット341の先端3411が、第1のツールホルダー32aの上面321aと接触しているのに対し、第2の状態では、コレット341の先端3411が、第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態になる。
【0121】
コレット341の先端3411と、第2のツールホルダー32bの上面321bとの間隔は、作業者によって予め設定されている。データ作成装置2は、予め設定された当該間隔を考慮して、加工経路を設定する。
【0122】
尚、当該間隔が長いほど、柄部312のうち、コレット341に把持される部分は短くなる。柄部312のうち、コレット341に把持される部分の長さが一定以下になると、スピンドル34が第2の加工ツール31bを安定的に把持することができなくなる。従って、当該間隔は、スピンドル34が第2の加工ツール31bを安定的に把持できる範囲内であればよい。当該間隔について他には特に制約はない。
【0123】
尚、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、第1の支持面333a及び第2の支持面333bは、マガジン33の上面331から下方に同じ長さだけ離れた位置に設けられる態様を示したが、これに限られない。つまり、第1の支持面333a及び第2の支持面333bは、マガジン33の上面331から下方に異なる長さだけ離れた位置に設けられていてもよい。
【0124】
また、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、第1の支持面333a及び第2の支持面333bは、マガジン33の上面331から下方に第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた位置に設けられる態様を示したが、これに限られない。
【0125】
第1の支持面333a及び第2の支持面333bの上面331からの距離は、それぞれ第1の状態及び第2の状態を実現することができれば、他には特に制約はない。つまり、当該距離は、コレット341のZ軸方向の可動範囲、ツールホルダー32の厚さ等を考慮して決定されればよい。
【0126】
==加工装置の駆動方法==
本実施形態の加工装置も、第1実施形態と同様に、
図8に示したコマンド群に基づいて駆動される。本実施形態においても、加工装置の駆動方法は、第1の把持工程と、第1の切削工程と、第1の返却工程と、第2の把持工程と、第2の切削工程と、第2の返却工程とを含む。
【0127】
本実施形態の加工装置の駆動方法は、第1実施形態の加工装置3の駆動方法と比べると、第1の把持工程と、第2の把持工程とが異なっている。それぞれについて説明する。
【0128】
第1の把持工程では、スピンドル34は、
図11Aに示す第1の状態で、ストッカー番号が1のストッカー332に収容された第1の加工ツール31aを把持する。つまり、スピンドル34は、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置し、第1の加工ツール31aに装着された第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態で第1の加工ツール31aを把持する。
【0129】
第2の把持工程では、スピンドル34は、
図12Bに示す第2の状態で、ストッカー番号が6のストッカー332に収容された第2の加工ツール31bを把持する。つまり、スピンドル34は、第2の支持面333bから第1の高さH1よりも高い第2の高さH2に位置し、第2の加工ツール31bに装着された第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態で第2の加工ツール31bを把持する。
【0130】
==まとめ==
本発明の一実施形態の加工装置は、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bは、互いに平行な上面321と下面322を有し、且つ上面321と下面322に垂直な方向に第1の厚さT1を有し、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の支持面333aと第2の支持面333bを有し、第1の支持面333aと第2の支持面333bがそれぞれ第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bの下面322を支持することによって、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを支持し、第1の状態は、スピンドル34が、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置し、第1の加工ツール31aに装着された第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態であり、第2の状態は、スピンドル34が、第2の支持面333bから第1の高さH1よりも高い第2の高さH2に位置し、第2の加工ツール31bに装着された第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態であることを特徴とする。
【0131】
前段落の実施形態は、従来の加工装置に対し、制御装置にインストールされる制御プログラムを変更するのみで、大きな変更を加える必要がない。これによって、低コストで、スピンドル34に対する加工ツール31のずれの影響を軽減し、加工精度の劣化を抑えることができる加工装置を提供することができる。
【0132】
また、本実施形態の駆動方法は、段落[0096]の駆動方法において、第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bは、互いに平行な上面321と下面322を有し、且つ上面321と下面322に垂直な方向に第1の厚さT1を有し、第1のストッカー332a及び第2のストッカー332bは、それぞれ第1の支持面333aと第2の支持面333bを有し、第1の支持面333aと第2の支持面333bが第1のツールホルダー32a及び第2のツールホルダー32bの下面322を支持することによって、それぞれ第1の加工ツール31a及び第2の加工ツール31bを支持し、第1の状態は、スピンドル34が、第1の支持面333aから第1の厚さT1と同じ長さだけ離れた第1の高さH1に位置し、第1の加工ツール31aに装着された第1のツールホルダー32aの上面321aと接触した状態であり、第2の状態は、スピンドル34が、第2の支持面333bから第1の高さH1よりも高い第2の高さH2に位置し、第2の加工ツール31bに装着された第2のツールホルダー32bの上面321bと離れた状態であることを特徴とする。
【0133】
前段落の駆動方法は、従来の駆動方法に対し、スピンドル34が加工ツール31を把持するときのスピンドル34の位置を変更するのみで、大きな変更を加える必要がない。これによって、低コストで、スピンドル34に対する加工ツール31のずれの影響を軽減し、加工精度の劣化を抑えることができる駆動方法を提供することができる。
【0134】
==その他==
上記実施形態の加工プログラムが記憶された非一時的なコンピューター可読媒体(nontransitory computer readable medium with an executable program thereon)を用いて、コンピューターにプログラムを供給することも可能である。なお、非一時的なコンピューターの可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、CD-ROM(Read Only Memory)等がある。
【0135】
上記実施形態は、発明の例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものでは
ない。上記の構成は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行
うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特
許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0136】
1:加工システム
2:データ作成装置
3:加工装置
31:加工ツール
31a:第1の加工ツール
31b:第2の加工ツール
311:刃部
312:柄部
32:ツールホルダー
32a:第1のツールホルダー
32b:第2のツールホルダー
321:上面
322:下面
323:挿通孔
33:マガジン
331上面
332:ストッカー
333:支持面
34:スピンドル
341:コレット
3411:先端
3414:切れ込み
342:締め付け部
3421:先端
3422:中空部
35:保持部
36:駆動部
37:記憶部
38:制御部