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  • 特許-車両用灯具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/20 20180101AFI20231122BHJP
   F21S 41/50 20180101ALI20231122BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20231122BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20231122BHJP
   F21S 43/239 20180101ALI20231122BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20231122BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20231122BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20231122BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20231122BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231122BHJP
【FI】
F21S41/20
F21S41/50
F21S41/143
F21S43/14
F21S43/239
F21S43/249
F21W102:00
F21W103:10
F21W103:55
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019219333
(22)【出願日】2019-12-04
(65)【公開番号】P2021089837
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】藤井 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 創太
(72)【発明者】
【氏名】仲野 裕次
(72)【発明者】
【氏名】手塚 伸孝
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-216164(JP,A)
【文献】特開2010-118241(JP,A)
【文献】特開2019-036529(JP,A)
【文献】特開2015-088375(JP,A)
【文献】国際公開第2019/167569(WO,A1)
【文献】特開2016-122511(JP,A)
【文献】特開2007-035467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
B60Q 1/00- 1/56
F21W 102/00
F21W 103/10
F21W 103/55
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光源と、前記第1光源から出射された光の配光を制御する第1光学部材とを備える前照灯ユニットと、
第2光源と、前記第2光源から出射された光の配光を制御する第2光学部材とを備える標識灯ユニットと、
を備え、
前記第1光学部材と前記第2光学部材とが一体成形され
前記第1光学部材は、前記第1光源から出射された光の配光を制御するレンズ部と、前記レンズ部の縁部から延在する延在部とを含み、
前記第2光学部材は、前記延在部の裏面に設けられることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記第2光学部材は、光拡散材を含有することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第1光学部材と前記第2光学部材は、二色成形により一体成形されることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記延在部は、前記第2光学部材が裏面に設けられた前記延在部の部分と、前記レンズ部の縁部との間に、ダミーレンズ部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に二輪車に用いられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二輪車用の前照灯およびターンシグナルランプ等の標識灯として、特許文献1に開示されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-152857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、二輪車用の灯具は、四輪車用の灯具と比較してコンパクトな灯具が求められる。
【0005】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、コンパクトな車両用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用灯具は、第1光源と、第1光源から出射された光の配光を制御する第1光学部材とを備える前照灯ユニットと、第2光源と、第2光源から出射された光の配光を制御する第2光学部材とを備える標識灯ユニットと、を備える。第1光学部材と第2光学部材とは一体成形される。
【0007】
第2光学部材は、光拡散材を含有してもよい。第1光学部材と第2光学部材は、二色成形により一体成形されてもよい。
【0008】
第1光学部材は、第1光源から出射された光の配光を制御するレンズ部と、レンズ部の縁部から延在する延在部とを含んでもよい。第2光学部材は、延在部の裏面に設けられてもよい。
【0009】
延在部は、第2光学部材が裏面に設けられた延在部の部分と、レンズ部の縁部との間に、ダミーレンズ部を有してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンパクトな車両用灯具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る二輪車用灯具を備える二輪車の斜視図である。
図2】二輪車の正面図である。
図3図2に示す二輪車用灯具のA-A水平断面図である。
図4図2に示す二輪車用灯具のB-B垂直断面図である。
図5】前照灯ユニットおよびクリアランスランプの拡大水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、本明細書において「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」等の方向を表す用語が用いられる場合、それらは灯具が車両に装着されたときの姿勢における方向を意味する。
【0013】
本発明の実施形態に係る車両用灯具は、二輪車に用いられる二輪車用灯具である。図1は、本発明の実施形態に係る二輪車用灯具10を備える二輪車100の斜視図である。図2は、二輪車100の正面図である。
【0014】
本実施形態に係る二輪車用灯具10は、二輪車100の前方に配置される。二輪車用灯具10は、ハイビームおよびロービームを照射可能な前照灯ユニット12と、クリアランスランプ14とを備える。また、二輪車100のサイドカウル102には、ターンシグナルランプ16が配置されている。
【0015】
二輪車100のボディ106の下部には、路面描画用ランプ20が配置されている。路面描画用ランプ20は、二輪車前方の路面上に路面描画パターンを投影(照射)するための構成を備えている。路面描画用ランプ20としては、例えば、プロジェクタが挙げられる。路面描画用ランプ20は、二輪車の周囲から視認されにくい位置に配置されていることが好ましい。
【0016】
二輪車100の車幅方向の中央には、二輪車100の前端部から運転者席側まで延在するようにコミュニケーションランプ18が配置されている。コミュニケーションランプ18としては、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイなどの薄型ディスプレイを好適に用いることができる。あるいは、コミュニケーションランプ18は、個別に点消灯が可能な複数のLEDがアレイ状に配置されたものであってもよい。
【0017】
コミュニケーションランプ18は、二輪車100の前方から視認可能であり、二輪車100の状態情報を他車や歩行者に伝えるための灯具である。コミュニケーションランプ18は、他のランプとは異なり、歩行者や他車の運転者に眩しさを与えない程度の光度で発光することが好ましい。コミュニケーションランプ18は、例えばターンシグナルランプ16と連動して、二輪車100の進行方向を矢印など用いて表示してもよい。コミュニケーションランプ18は、例えば横断歩道で二輪車100が停止しているときに、歩行者に横断を促すための表示(例えば横向きの矢印など)を行ってもよい。
【0018】
図3は、図2に示す二輪車用灯具10のA-A水平断面図である。図4は、図2に示す二輪車用灯具10のB-B垂直断面図である。図3および図4を参照して、前照灯ユニット12およびクリアランスランプ14の構成を説明する。
【0019】
前照灯ユニット12は、正面視で二輪車用灯具10の左右に配置される。二輪車用灯具10は、光源としての第1LED22と、第1LED22からの熱を放熱するためのヒートシンク24と、第1LED22から出射された光の配光を制御する第1光学部材26とを備える。
【0020】
クリアランスランプ14は、左右の前照灯ユニット12の下方および側方を囲むように配置および構成される。クリアランスランプ14は、デイタイムランニングランプとしても機能する。クリアランスランプ14は、光源としての第2LED28と、第2LED28から出射された光の配光を制御する第2光学部材30とを備える。
【0021】
図5は、前照灯ユニット12およびクリアランスランプ14の拡大水平断面図である。本実施形態に係る二輪車用灯具10においては、前照灯ユニット12の第1光学部材26と、クリアランスランプ14の第2光学部材30とが一体成形される。これにより、第1光学部材26と第2光学部材30とを別体とした場合と比較して、二輪車用灯具10をよりコンパクトにできる。
【0022】
第1光学部材26は、第1LED22から出射された光の配光を制御するレンズ部26aと、レンズ部26aの縁部26bから延在する延在部26cとを含む。レンズ部26aは、第1LED22からの光を受ける入射面26dと、光を灯具前方に出射する出射面26eとを有する。
【0023】
第2光学部材30は、第2LED28からの光を端部の入射面30aから内部に入射して導光し、発光面30bから出射する導光体として構成されている。本実施形態において、第2光学部材30は、延在部26cの裏面26fに設けられている。より詳細には、延在部26cの裏面26fの一部と、第2光学部材30の発光面30bの一部とが当接した状態となっている。
【0024】
第2光学部材30は、内部に光拡散材を含有する。光拡散材としては、金属酸化物粒子、例えば二酸化チタン粒子を挙げることができる。二酸化チタン粒子の平均粒径は、例えば150~500nm、好ましくは160~450nm、より好ましくは170~450nm、さらに好ましくは200~400nm、特に好ましくは220~400nmであってよい。光拡散材の含有量は、第2光学部材30の質量全体に対して例えば0.1~100質量ppm、好ましくは0.1~50質量ppm、より好ましくは0.1~10質量ppmであってよい。二酸化チタン粒子は、ルチル変態の割合が例えば50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であってよい。第2光学部材30には、用いられる樹脂の主要モノマーと共重合可能な他のモノマーや、帯電防止剤、酸化防止剤、離型剤、難燃剤、潤滑剤、流動性改善剤、充填剤、光安定剤等の一般的な添加剤が含有されてもよい。
【0025】
本実施形態において、第1光学部材26は透明な樹脂を用いて形成され、第2光学部材30は光拡散材を含有する樹脂を用いて形成される。異なる材質の樹脂を一体に成形するために、第1光学部材26と第2光学部材30は二色成形により一体成形されてよい。
【0026】
本実施形態において、延在部26cは、第2光学部材30が裏面26fに設けられた延在部26cの部分と、レンズ部26aの縁部26bとの間に、ダミーレンズ部26gを有する。「ダミーレンズ」とは、外観はレンズのように見えるが、レンズとしての光を制御する機能は有していないという意味である。このようなダミーレンズ部26gを設けることにより、前照灯ユニット12とクリアランスランプ14の境界を明確にすることができる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態に係る二輪車用灯具10では、異なる2つの灯具ユニットの光学部材、すなわち前照灯ユニット12の第1光学部材26とクリアランスランプ14の第2光学部材30を一体成形した。これにより、第1光学部材26と第2光学部材30とを別体とした場合と比較して、二輪車用灯具10をよりコンパクトにできる。
【0028】
また、本実施形態に係る二輪車用灯具10によれば、第1光学部材26と第2光学部材30を一体成形したことにより、部品点数が減るので、組み立て工数を削減することができる。
【0029】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0030】
上述の実施形態では、二輪車用の二輪車用灯具を例として本発明を説明したが、本発明に係る車両用灯具は、二輪車用に限定されず、四輪車にも適用可能である。
【符号の説明】
【0031】
10 二輪車用灯具、 12 前照灯ユニット、 14 クリアランスランプ、 16 ターンシグナルランプ、 18 コミュニケーションランプ、 20 路面描画用ランプ、 22 第1LED、 24 ヒートシンク、 26 第1光学部材、 28 第2LED、 30 第2光学部材、100 二輪車、 102 サイドカウル、 106 ボディ。
図1
図2
図3
図4
図5