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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】スイッチング電源装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20231122BHJP
   H02M 7/12 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
H02M3/28 W
H02M3/28 Q
H02M7/12 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019232311
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021100363
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082876
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 一幸
(74)【代理人】
【氏名又は名称】柿本 恭成
(74)【代理人】
【識別番号】100178906
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 充和
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 公喜
(72)【発明者】
【氏名】江崎 貴範
(72)【発明者】
【氏名】箱田 康徳
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0288539(US,A1)
【文献】国際公開第2013/093963(WO,A1)
【文献】特開2000-316281(JP,A)
【文献】特表2020-502967(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0003431(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104578816(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03076539(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00 - 3/44
H02M 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される3相交流電力をスイッチング回路によりスイッチングした後に整流平滑して、第1端子及び中間端子から、力率が改善された第1直流電圧を出力すると共に、前記中間端子及び第2端子から、力率が改善された第2直流電圧を出力する3相力率改善回路と、
前記第1端子及び前記中間端子から出力された前記第1直流電圧をフルブリッジ回路と変圧器により電圧変換して、第1出力端子及び第2出力端子から出力する第1コンバータと、
前記中間端子及び前記第2端子から出力された前記第2直流電圧をフルブリッジ回路と変圧器により電圧変換して、前記第1出力端子及び第2出力端子から出力する第2コンバータと、
前記3相力率改善回路と前記第1コンバータと前記第2コンバータとを制御する制御部と、
を備え、
前記第2コンバータは、前記第1コンバータと同一の特性を有し、該第2コンバータの出力側が前記第1出力端子及び前記第2出力端子に対して並列又は直列に接続され
前記制御部は、
前記3相力率改善回路のスイッチング回路を、前記第1直流電圧と第2直流電圧の和でなる出力電圧が定電圧となるように、パルス幅変調のデューティ制御によりスイッチング制御し、
前記第1コンバータの前記フルブリッジ回路及び前記第2コンバータの前記フルブリッジ回路を、同期したパルス周波数変調制御によりスイッチング制御することを特徴とするスイッチング電源装置。
【請求項2】
前記スイッチング電源装置の制御部において、
前記出力電圧の計測値が目標電圧値と比較され、比較結果が減少するように、前記3相力率改善回路のスイッチング回路がフィードバック制御される、ことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
【請求項3】
前記3相力率改善回路は、
前記3相交流電力を入力する3相入力端子と、
前記3相入力端子に接続される3相インダクタと、
前記3相インダクタに直列に、一端側が接続されたスイッチング回路と、
前記3相インダクタと前記スイッチング回路との接続点と、
前記スイッチング回路の他端に接続される前記中間端子と、
前記第1直流電圧を出力する前記第1端子及び前記中間端子と、
前記第2直流電圧を出力する前記中間端子及び前記第2端子と
前記接続点と前記第1端子及び前記第2端子との間に接続された整流回路と、
前記第1端子及び前記中間端子間に接続された第1平滑回路と、
前記中間端子及び前記第2端子間に接続された第2平滑回路と、
を有することを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
【請求項4】
前記第1コンバータは、
第1入力側が前記第1端子及び前記中間端子に接続され、第1出力側が前記第1出力端子及び前記第2出力端子に接続され、前記第1入力側から入力される前記第1直流電圧を電圧変換して、前記第1出力側へ出力し、
前記第2コンバータは、
第2入力側が前記中間端子及び前記第2端子に接続され、第2出力側が前記第1出力端子及び前記第2出力端子に対して並列又は直列に接続され、前記第2入力側から入力される前記第2直流電圧を電圧変換して、前記第2出力側へ出力する、
ことを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
【請求項5】
前記3相インダクタ間には、
高周波成分除去用の線間コンデンサが接続されている、
ことを特徴とする請求項記載のスイッチング電源装置。
【請求項6】
前記3相インダクタは、昇圧用の3相インダクタであり、
前記スイッチング回路は、複数のスイッチング素子により構成され、
前記整流回路は、全波整流回路により構成され、
前記第1平滑回路及び前記第2平滑回路は、それぞれ、コンデンサにより構成されている、
ことを特徴とする請求項記載のスイッチング電源装置。
【請求項7】
前記第1コンバータ及び前記第2コンバータは、それぞれ、
共振型コンバータを含むDC/DCコンバータにより構成されている、
ことを特徴とする請求項記載のスイッチング電源装置。
【請求項8】
前記共振型コンバータは、
複数のスイッチング素子により直流電圧をスイッチングするブリッジ回路と、
前記ブリッジ回路の出力電圧により共振する共振回路と、
前記共振回路の出力電圧の電圧レベルを変換する変圧器と、
前記変圧器の出力電圧を整流及び平滑する整流平滑回路と、
を有することを特徴とする請求項項記載のスイッチング電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3相力率改善回路(以下「3相PFC」という。)と、この出力側に接続されて直流(DC)電力を所定レベルの直流(DC)電力に変換する2つのDC/DCコンバータと、を有する2ステージ方式のスイッチング電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リアクトル電流不連続モード制御の高効率コンバータの一つであるビエナ(vienna)方式の3相PFCが開示されている。更に、ビエナ方式の3相PFCの後段側に、2つのDC/DCコンバータを接続し、前段の3相PFCと後段のDC/DCコンバータを独立して制御する2ステージ方式のスイッチング電源装置も知られている。このような2ステージ方式のスイッチング電源装置では、前段と後段の回路動作が干渉することなく、広い入力電圧範囲及び負荷条件でも高い精度が期待できる。
【0003】
図4は、従来の2ステージ方式のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図である。
【0004】
この2ステージ方式のスイッチング電源装置は、3相交流電源1に接続された前段の3相PFC10と、この出力側に並列に接続された後段の2つの第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2と、を備えている。前段の3相PFC10は、3相交流電源1に接続された3相入力端子11a,11b,11cを有し、この3相入力端子11a,11b,11c間に、高周波成分除去用の線間コンデンサ12a,12b,12cが接続されている。更に、3相入力端子11a,11b,11cには、3つのインダクタ13a,13b,13cからなる昇圧用の3相インダクタ13、3つの接続点N1,N2,N3、及び、スイッチング回路14が直列に接続されている。
【0005】
スイッチング回路14は、3つの双方向スイッチング素子14a,14b,14cにより構成されている。接続点N1,N2,N3には、6つのダイオード15a,15b,15c,15d,15e,15fがブリッジ接続された全波整流回路15が接続されている。全波整流回路15には、直列接続された2つの平滑コンデンサ16a,16bが並列に接続されている。2つの平滑コンデンサ16a,16bの両電極には、出力用の第1端子17aと第2端子17bとが接続されている。
【0006】
第1端子17a及び第2端子17bには、2つの第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2の入力側が並列に接続されている。第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2は、同一特性のDC/DCコンバータ(例えば、LLCコンバータ)により構成されている。第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2の出力側は、第1出力端子20a及び第2出力端子20bに対して並列に接続されている。第1出力端子20a及び第2出力端子20b間には、平滑用の出力コンデンサ19が接続されている。
【0007】
このような2ステージ方式のスイッチング電源装置では、3相交流電源1から出力された3相交流電力が、3相入力端子11a,11b,11cに入力され、線間コンデンサ12a,12b,12cにより高周波成分が除去される。高周波成分が除去された3相交流電力は、昇圧用の3相インダクタ13を介して、スイッチング回路14中のオン状態の双方向スイッチング素子14a,14b,14cに入力され、その3相インダクタ13に、入力電力が蓄積される。次に、スイッチング回路14中の双方向スイッチング素子14a,14b,14cがオフ状態に切り換えられ、入力電力と3相インダクタ13に蓄積された電力との合算電力が、全波整流回路15により全波整流される。全波整流された合算電力は、平滑コンデンサ16a,16bにより平滑されて、直流電圧Vmが第1端子17a及び第2端子17bから出力される。
【0008】
第1端子17a及び第2端子17bから出力された直流電圧Vmは、第1スイッチング周波数でスイッチング制御される第1コンバータ18-1によって所定レベルの直流電圧に変換されると共に、第2スイッチング周波数でスイッチング制御される第2コンバータ18-2によって所定レベルの直流電圧に変換され、出力コンデンサ19により平滑される。平滑された出力電圧Voは、第1出力端子20a及び第2出力端子20bから出力され、図示しない負荷へ供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】中国特許公開第CN104811061A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の図4に示すスイッチング電源装置では、同一特性の第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2とを使用する。ところが、第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2との主要部品間に、ばらつきがあり、第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2を同期制御すると、第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2との出力電力特性が変わり、出力電力が不平衡(アンバランス)になるので、第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2間で個別に電力バランス制御が必要になる。通常、第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2との出力電力の平衡(バランス)がとれるように、第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2の出力電流等をそれぞれ監視して、電力バランス制御でバランスを保つようにしている。
【0011】
しかし、第1スイッチング周波数でスイッチング制御される第1コンバータ18-1と、第2スイッチング周波数でスイッチング制御される第2コンバータ18-2と、を個別に制御すると、その第1スイッチング周波数と第2スイッチング周波数との差分により、第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2の入出力に、ビート電圧(つまり、2つの近似した周波数の電圧波形の干渉によって生じる低周波のうなり電圧)が発生する。そのビート電圧を抑制する方法としては、例えば、第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2とを同期運転し、不要な周波数成分をフィルタで除去することが考えられる。ところが、2つの第1、第スイッチング周波数が必要な回路構成では、制御信号の本数の増加、ドライブ回路の増加、更に、第1、第2コンバータ18-1,18-2をスイッチング制御するための例えばデジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)の処理負荷が重くなる等の問題が生じる。
【0012】
そのため、電力バランス制御の必要のない、回路構成が簡単な2ステージ方式のスイッチング電源装置を実現することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のスイッチング電源装置は、入力される3相交流電力をスイッチング回路によりスイッチングした後に整流平滑して、第1端子及び中間端子から、力率が改善された第1直流電圧を出力すると共に、前記中間端子及び第2端子から、力率が改善された第2直流電圧を出力する3相PFCと、前記第1端子及び前記中間端子から出力された前記第1直流電圧をフルブリッジ回路と変圧器により電圧変換して、第1出力端子及び第2出力端子から出力する第1コンバータと、前記中間端子及び前記第2端子から出力された前記第2直流電圧をフルブリッジ回路と変圧器により電圧変換して、前記第1出力端子及び第2出力端子から出力する第2コンバータと、前記3相PFCと前記第1コンバータと前記第2コンバータとを制御する制御部と、を備え、前記第2コンバータは、前記第1コンバータと同一の特性を有し、該第2コンバータの出力側が前記第1出力端子及び前記第2出力端子に対して並列又は直列に接続され、前記制御部は、前記3相PFCのスイッチング回路を、前記第1直流電圧と第2直流電圧の和でなる出力電圧が定電圧となるように、パルス幅変調のデューティ制御によりスイッチング制御し、前記第1コンバータの前記フルブリッジ回路及び前記第2コンバータの前記フルブリッジ回路を、同期したパルス周波数変調制御によりスイッチング制御する
【0014】
ここで、例えば、前記3相PFCは、前記3相交流電力を入力する3相入力端子と、前記3相入力端子に接続される3相インダクタと、前記3相インダクタに直列に、一端側が接続されたスイッチング回路と、前記3相インダクタと前記スイッチング回路との接続点と、前記スイッチング回路の他端に接続される前記中間端子と、前記第1直流電圧を出力する前記第1端子及び前記中間端子と、前記第2直流電圧を出力する前記中間端子及び前記第2端子と前記接続点と前記第1端子及び前記第2端子との間に接続された整流回路と、前記第1端子及び前記中間端子間に接続された第1平滑回路と、前記中間端子及び前記第2端子間に接続された第2平滑回路と、を有している。
【0015】
又、前記第1コンバータは、第1入力側が前記第1端子及び前記中間端子に接続され、第1出力側が前記第1出力端子及び前記第2出力端子に接続され、前記第1入力側から入力される前記第1直流電圧を電圧変換して、前記第1出力側へ出力し、前記第2コンバータは、第2入力側が前記中間端子及び前記第2端子に接続され、第2出力側が前記第1出力端子及び前記第2出力端子に対して並列又は直列に接続され、前記第2入力側から入力される前記第2直流電圧を電圧変換して、前記第2出力側へ出力する、構成になっている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、3相PFCの出力側に設けられた第1端子、中間端子及び第2端子のうち、第1端子及び中間端子に、第1コンバータを接続し、中間端子及び第2端子に、第1コンバータと同一特性の第2コンバータを接続し、3相PFCの中間端子を使用した構成になっている。そのため、第1コンバータ及び第2コンバータの主要部品間のばらつきに起因して、第1コンバータ及び第2コンバータ間の電力がアンバランスになると、電力量の大きいコンバータの入力電圧が下がり、電力量の小さいコンバータの入力電圧が上がる。第1端子及び第2端子間の電圧は定電圧制御されているので、定電圧を維持しながら、第1直流電圧と第2直流電圧が変化して、第1コンバータ及び第2コンバータ間の電力バランスがとられる。これにより、第1コンバータ及び第2コンバータ側において電力バランス制御を行う必要がないので、回路構成が簡単なスイッチング電源装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例1におけるスイッチング電源装置の構成を示す回路図
図2】本発明の実施例2におけるスイッチング電源装置の構成を示す回路図
図3】本発明の実施例3におけるスイッチング電源装置の構成を示す回路図
図4】従来のスイッチング電源装置の構成例を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0019】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1における2ステージ方式のスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。
【0020】
2ステージ方式のスイッチング電源装置は、3相交流電源21に接続された前段のビエナ方式の3相PFC30と、この出力側に接続された後段の2つの第1コンバータ40及び第2コンバータ50と、を備えている。
【0021】
前段の3相PFC30は、3相交流電源21に接続された3相入力端子31a,31b,31cを有し、この3相入力端子31a,31b,31c間に、高周波成分除去用の線間コンデンサ32a,32b,32cが接続されている。更に、3相入力端子31a,31b,31cには、3つのインダクタ33a,33b,33cからなる昇圧用の3相インダクタ33と、3つの接続点N11,N12,N13と、スイッチング回路34と、出力側の第1端子37a及び第2端子37b間の中点の中間端子37cと、が直列に接続されている。
【0022】
スイッチング回路34は、3つの接続点N11,N12,N13と中間端子37cとの間にそれぞれ接続された3つの双方向スイッチング素子34a,34b,34cにより構成されている。各双方向スイッチング素子34a,34b,34cは、例えば、直列に接続された極性の異なる2つのMOS型電界効果トランジスタ(以下「MOSFET」という。)により構成されている。各MOSFETには、寄生ダイオードが逆並列に接続されている。なお、各双方向スイッチング素子34a,34b,34cは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下「IGBT」という。)等の他のパワー半導体素子により構成しても良い。
【0023】
接続点N11,N12,N13には、整流回路(例えば、全波整流回路)35が接続されている。全波整流回路35は、6つのダイオード35a,35b,35c,35d,35e,35fがブリッジ接続されて構成されている。全波整流回路35には、直列接続された2つの第1平滑回路(例えば、平滑コンデンサ)36a及び第2平滑回路(例えば、平滑コンデンサ)36bが、並列に接続されている。2つの平滑コンデンサ36a,36bの両電極には、第1端子37aと第2端子37bとが接続されている。
【0024】
第1端子37a及び中間端子37cには、第1コンバータ40の入力側が接続され、更に、中間端子37c及び第2端子37bにも、第2コンバータ50の入力側が接続されている。第1コンバータ40及び第2コンバータ50の出力側は、並列に接続され、平滑用の出力コンデンサ59を介して第1出力端子60a及び第2出力端子60bが接続されている。
【0025】
第1コンバータ40及び第2コンバータ50は、同一特性(つまり、同一構成)のDC/DCコンバータ(例えば、LLCコンバータ)により構成されている。
【0026】
第1コンバータ40は、第1端子37a及び中間端子37cに対して並列に接続された平滑用の入力コンデンサ41を有し、この入力コンデンサ41と並列に、ブリッジ回路(例えば、フルブリッジ回路)42が接続されている。フルブリッジ回路42は、第1端子37a及び中間端子37c間に生じる第1直流電圧V1をスイッチングする回路であり、4つのスイッチング素子42a,42b,42c,42dがブリッジ接続されて構成されている。各スイッチング素子42a~42dは、MOSFETにより構成され、それらの各MOSFETに、寄生ダイオードが逆並列に接続されている。なお、各スイッチング素子42a~42dは、IGBT等の他のパワー半導体素子により構成しても良い。
【0027】
スイッチング素子42a及び42bの接続点と、スイッチング素子42c及び42dの接続点とには、共振回路が接続されている。共振回路は、フルブリッジ回路42の出力電圧により共振する回路であり、共振コンデンサ43、共振チョークコイル44、及び励磁チョークコイル45a1の直列回路により、構成されている。励磁チョークコイル45a1は、例えば、変圧器45の励磁インピーダンスにより構成されている。変圧器45は、前記共振回路の出力電圧の電圧レベルを変換するものであり、1次巻線45a及び2次巻線45bを有している。
【0028】
2次巻線45bには、整流平滑回路が接続されている。整流平滑回路は、2次巻線45bの出力電圧を整流及び平滑するものであり、全波整流回路46、平滑用のチョークコイル47、及び平滑コンデンサ48により構成されている。平滑コンデンサ48の両電極には、直流の出力電圧Voを出力する第1出力端子60a及び第2出力端子60bが接続されている。
【0029】
第2コンバータ50は、第2直流電圧V2が生じる中間端子37c及び第2端子37bに対して並列に接続された平滑用の入力コンデンサ51を有している。入力コンデンサ51には、第1コンバータ40と同様に、4つのスイッチング素子52a,52b,52c,52dを有するブリッジ回路(例えば、フルブリッジ回路)52と、共振コンデンサ53、共振チョークコイル54及び励磁チョークコイル55a1を有する共振回路と、1次巻線55a及び2次巻線55bを有する変圧器55と、が接続されている。更に、2次巻線55bの出力側には、4つのダイオード56a,56b,56c,56dからなる全波整流回路56と、平滑用のチョークコイル57及び平滑コンデンサ58を有する平滑回路と、が接続されている。平滑コンデンサ58の両電極は、第1コンバータ40の平滑コンデンサ48に対して並列に、第1出力端子60a及び第2出力端子60bに接続されている。
【0030】
3相PFC30内のスイッチング回路34、第1コンバータ40内のフルブリッジ回路42、及び第2コンバータ50内のフルブリッジ回路52は、図示しない制御部により、スイッチング制御される。例えば、スイッチング回路34は、パルス幅変調(以下「PWM」という。)のデューティ制御により、スイッチング制御され、フルブリッジ回路42及び52は、同期したパルス周波数変調(以下「PFM」という。)制御により、スイッチング制御される構成になっている。
【0031】
(実施例1の動作)
図1のスイッチング電源装置において、3相交流電源21から出力された3相交流電力が、3相PFC30内の3相入力端子31a,31b,31cに入力される。図示しない制御部により、スイッチング回路34内の双方向スイッチング素子34a,34b,34cがオン状態になると、入力された3相交流電力が、3相インダクタ33及びオン状態の双方向スイッチング素子34a,34b,34cを介して、中間端子37cへ流れ、入力された3相交流電力が3相インダクタ33に蓄積される。図示しない制御部により、双方向スイッチング素子34a,34b,34cがオフ状態に切り換えられると、入力された3相交流電力と、3相インダクタ33に蓄積された3相交流電力とが合算され、この合算電力が全波整流回路35で全波整流され、平滑コンデンサ36a,36bにより平滑される。すると、第1端子37a及び中間端子37cから第1直流電圧V1が出力されると共に、中間端子37c及び第2端子37bから第2直流電圧V2が出力される。出力された第1直流電圧V1は、第1コンバータ40へ供給されると共に、出力された第2直流電圧V2は、第2コンバータ50へ供給される。
【0032】
ここで、第1端子37a及び第2端子37b間の出力電圧(=第1直流電圧V1+第2直流電圧V2)は、図示しない電圧センサで計測され、この電圧計測値が、図示しない制御部において、目標電圧値と比較され、その比較結果が減少するようにフィードバック制御(例えば、比例積分(以下「PI」という。)制御、比例積分微分(以下「PID」という。)制御等)され、PWMのデューティ制御によって駆動パルスが生成される。生成された駆動パルスにより、双方向スイッチング素子34a,34b,34cがオン/オフ動作し、出力電圧(V1+V2)が低下すれば、駆動パルスのオンデューティが大きくなって、出力電圧(V1+V2)が上昇し、出力電圧(V1+V2)が上昇すれば、駆動パルスのオンデューティが小さくなって、出力電圧(V1+V2)が低下する。このような制御部の定電圧制御により、3相PFC30の出力電圧(V1+V2)は、目標電圧に維持される。
【0033】
第1直流電圧V1が供給される第1コンバータ40では、その第1直流電圧V1が、入力コンデンサ41で平滑され、フルブリッジ回路42にて導通/遮断される。例えば、フルブリッジ回路42内のスイッチング素子42a,42dがオン状態、スイッチング素子42b、42cがオフ状態になると、入力コンデンサ41の正極側→スイッチング素子42a→共振コンデンサ43→共振チョークコイル44→励磁チョークコイル45a1及び変圧器45の1次巻線45a→スイッチング素子42d→入力コンデンサ41の負極側へ、電流が流れる。
【0034】
次に、スイッチング素子42a,42dがオフ状態、スイッチング素子42b,42cがオン状態に切り換えられると、共振コンデンサ43に蓄積された電荷が放電し、共振コンデンサ43の正極側→スイッチング素子42b→スイッチング素子42dの寄生ダイオード→励磁チョークコイル45a1及び変圧器45の1次巻線45a→共振チョークコイル44→共振コンデンサ43の負極側へ、電流が流れる。これにより、共振回路が共振し、変圧器45の2次巻線45bに交流電圧が誘起される。誘起された交流電圧は、全波整流回路46で整流され、チョークコイル47及び平滑コンデンサ48により平滑される。平滑された直流電圧は、出力コンデンサ59を介して第1、第2出力端子60a,60bへ出力される。
【0035】
又、第2直流電圧V2が供給される第2コンバータ50も、第1コンバータ40と同様の動作を行う。即ち、第2直流電圧V2が、入力コンデンサ51で平滑され、フルブリッジ回路52にて導通/遮断される。すると、共振コンデンサ53、共振チョークコイル54及び励磁チョークコイル55a1からなる共振回路が共振し、変圧器55の2次巻線55bに交流電圧が誘起される。誘起された交流電圧は、全波整流回路56で整流され、チョークコイル57及び平滑コンデンサ58により平滑される。平滑された直流電圧は、出力コンデンサ59を介して第1、第2出力端子60a,60bへ出力される。これにより、第1出力端子60a及び第2出力端子60b間の直流の出力電圧Voが、図示しない負荷へ供給される。
【0036】
ここで、出力電圧Voは、図示しない電圧センサで計測され、この電圧計測値が、図示しない制御部において、目標電圧値と比較され、その比較結果が減少するようにフィードバック制御(例えば、PI制御、PID制御等)され、PFM制御によってスイッチング周波数を有する駆動パルスが生成される。生成された駆動パルスにより、スイッチング素子42a~42d,52a~52dがオン/オフ動作し、出力電圧Voが低下すれば、駆動パルスのスイッチング周波数が小さくなって、出力電圧Voが上昇し、出力電圧Voが上昇すれば、駆動パルスのスイッチング周波数が大きくなって、出力電圧Voが低下する。このような制御部の定電圧制御により、出力される出力電圧Voは、目標電圧に維持される。
【0037】
(従来と実施例1の動作の比較)
従来の図4のスイッチング電源装置では、第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2との主要部品(共振コンデンサのキャパシタンス値、共振チョークコイルのインダクタンス値、及び励磁チョークコイルのインダクタンス値)間に、ばらつきがあると、第1コンバータ18-1と第2コンバータ18-2との出力電力特性が変わり、出力電力がアンバランスになるので、第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2間で個別に電力バランス制御が必要になる。そのため、回路構成が複雑になる、といった課題があった。
【0038】
このような課題を解決するために、本実施例1では、図1に示す前段の3相PFC30の出力側に設けられた第1端子37a、中間端子37c及び第2端子37bのうち、第1端子37a及び中間端子37cに、第1コンバータ40を接続し、中間端子37c及び第2端子37bに、第1コンバータ40と同一特性の第2コンバータ50を接続し、3相PFC30の中間端子37cを使用している。
【0039】
第1コンバータ40及び第2コンバータ50の主要部品間のばらつきに起因して、第1コンバータ40及び第2コンバータ50間の出力電力がアンバランスになると、3相PFC30の出力電圧(V1+V2)は、目標電圧を維持しながら、変化する。
【0040】
例えば、(第1コンバータ40の出力電力>第2コンバータ50の出力電力)になったとする。この時、(第1コンバータ40の出力電圧>第2コンバータ50の出力電圧)の関係になる。この状態から、第1直流電圧V1が下がり、第2直流電圧V2が上がることで、(第1コンバータ40の出力電圧≒第2コンバータ50の出力電圧)になり、第1コンバータ40及び第2コンバータ50間で出力電力のバランスがとれる(つまり、セルフバランスする)。負荷急変等の過渡時の動作も同じように、セルフバランスでき、従来のような図4の第1コンバータ18-1及び第2コンバータ18-2側の電力バランス制御が不要になる。
【0041】
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、図1に示す3相PFC30の中間端子37cを使用した構成になっている。そのため、同一特性を有する第1コンバータ40及び第2コンバータ50の主要部品間のばらつきに起因して、第1コンバータ40及び第2コンバータ50間の出力電力がアンバランスになると、電力量の大きいコンバータの入力電圧が下がり、電力量の小さいコンバータの入力電圧が上がる。3相PFC30の出力電圧(V1+V2)は定電圧制御されているので、定電圧を維持しながら、出力電圧(V1+V2)が変化して、第1コンバータ40及び第2コンバータ50間の出力電力がセルフバランスする。これにより、従来のように、第1コンバータ40及び第2コンバータ50側において電力バランス制御を行う必要がないので、回路構成が簡単なスイッチング電源装置を実現できる。
【実施例2】
【0042】
(実施例2の構成)
図2は、本発明の実施例2における2ステージ方式のスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。この図2において、図1中の要素と共通の要素には、共通の符号が付されている。
【0043】
本実施例2の2ステージ方式のスイッチング電源装置は、実施例1と同様の前段のビエナ方式の3相PFC30と、この出力側に接続された後段の、実施例1とは異なる構成の2つの第1コンバータ40A及び第2コンバータ50Aと、を備えている。
【0044】
本実施例2では、実施例1と異なり、第1コンバータ40Aの出力側と第2コンバータ50Aの出力側とが、直列に接続されて第1出力端子60a及び第2出力端子60bに接続されている。
【0045】
第1コンバータ40A及び第2コンバータ50Aは、実施例1と同様に、同一特性(つまり、同一構成)のDC/DCコンバータ(例えば、LLCコンバータ)により構成されている。
【0046】
第1コンバータ40Aは、実施例1と同様に、第1端子37a及び中間端子37cに対して並列に接続された平滑用の入力コンデンサ41を有し、この入力コンデンサ41と並列に、ブリッジ回路(例えば、フルブリッジ回路)42が接続されている。フルブリッジ回路42は、実施例1と同様に、4つのスイッチング素子42a,42b,42c,42dがブリッジ接続されて構成されている。スイッチング素子42a及び42bの接続点と、スイッチング素子42c及び42dの接続点とには、実施例1と同様に、共振コンデンサ43、共振チョークコイル44、及び励磁チョークコイル45a1の直列回路からなる共振回路が接続されている。変圧器45は、実施例1と同様に、1次巻線45a及び2次巻線45bを有している。
【0047】
第2コンバータ50Aは、実施例1と同様に、中間端子37c及び第2端子37bに対して並列に接続された平滑用の入力コンデンサ51を有している。入力コンデンサ51には、実施例1と同様に、4つのスイッチング素子52a,52b,52c,52dを有するブリッジ回路(例えば、フルブリッジ回路)52と、共振コンデンサ53、共振チョークコイル54及び励磁チョークコイル55a1を有する共振回路と、1次巻線55a及び2次巻線55bを有する変圧器55と、が接続されている。
【0048】
実施例1と異なり、第1コンバータ40Aの2次巻線45bと第2コンバータ50Aの2次巻線55bとは、直列に接続されている。直列に接続された2次巻線45b,55bの出力側には、4つのダイオード46a,56b,46c,56dからなる全波整流回路46A、平滑用のチョークコイル47及び平滑用の出力コンデンサ59を有する整流平滑回路が、接続されている。出力コンデンサ59の両電極は、第1出力端子60a及び第2出力端子60bに接続されている。
【0049】
3相PFC30内のスイッチング回路34、第1コンバータ40A内のフルブリッジ回路42、及び第2コンバータ50A内のフルブリッジ回路52は、実施例1と同様に、図示しない制御部により、スイッチング制御される。例えば、スイッチング回路34は、PWMのデューティ制御により、スイッチング制御され、フルブリッジ回路42及び52は、同期したPFM制御により、スイッチング制御される構成になっている。
【0050】
(実施例2の動作)
図2のスイッチング電源装置において、3相交流電源21から出力された3相交流電力が、3相PFC30内の3相入力端子31a,31b,31cに入力されると、実施例1と同様に、3相PFC30が動作し、第1端子37a及び中間端子37cから第1直流電圧V1が出力されると共に、中間端子37c及び第2端子37bから第2直流電圧V2が出力される。出力された第1直流電圧V1は、第1コンバータ40Aへ供給されると共に、出力された第2直流電圧V2は、第2コンバータ50Aへ供給される。
【0051】
第1直流電圧V1が供給される第1コンバータ40Aでは、その第1直流電圧V1が、実施例1と同様に、入力コンデンサ41で平滑され、フルブリッジ回路42にて導通/遮断されて共振回路が共振する。更に、第2直流電圧V2が供給される第2コンバータ50Aでは、その第2直流電圧V2が、実施例1と同様に、入力コンデンサ51で平滑され、フルブリッジ回路52にて導通/遮断されて共振回路が共振する。
【0052】
第1コンバータ40Aの共振回路が共振すると、変圧器45の2次巻線45bに交流電圧が誘起される。更に、第2コンバータ50Aの共振回路が共振すると、変圧器55の2次巻線55bに交流電圧が誘起される。2次巻線45b及び55bに誘起された交流電圧は、全波整流回路46Aで整流され、チョークコイル47及び出力コンデンサ59により平滑される。平滑された直流の出力電圧2Vo(=実施例1の出力電圧Voの2倍の電圧)は、第1、第2出力端子60a,60bから出力され、図示しない負荷へ供給される。
【0053】
ここで、出力電圧2Voは、実施例1と同様に、図示しない電圧センサで計測され、この電圧計測値が、図示しない制御部において、目標電圧値と比較され、その比較結果が減少するようにフィードバック制御され、PFM制御によってスイッチング周波数を有する駆動パルスが生成される。生成された駆動パルスにより、スイッチング素子42a~42d,52a~52dがオン/オフ動作し、制御部の定電圧制御により、第1出力端子60a及び第2出力端子60bから出力される出力電圧2Voが、目標電圧に維持される。
【0054】
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、実施例1と同様に、図2に示す3相PFC30の中間端子37cを使用した構成になっているので、従来のように、第1コンバータ40A及び第2コンバータ50A側において電力バランス制御を行う必要がない。そのため、回路構成が簡単なスイッチング電源装置を実現できる。
【実施例3】
【0055】
(実施例3の構成)
図3は、本発明の実施例3における2ステージ方式のスイッチング電源装置の構成を示す回路図である。この図3において、図1中の要素と共通の要素には、共通の符号が付されている。
【0056】
本実施例3の2ステージ方式のスイッチング電源装置は、実施例1と同様の前段のビエナ方式の3相PFC30と、この出力側に接続された後段の、実施例1とは異なる構成の2つの第1コンバータ40B及び第2コンバータ50Bと、を備えている。
【0057】
本実施例3の第1コンバータ40B及び第2コンバータ50Bは、実施例1の第1コンバータ40及び第2コンバータ50の構成とそれぞれ同一であるが、第1コンバータ40Bの出力側の平滑コンデンサ48と第2コンバータ50Bの出力側の平滑コンデンサ58とが、直列に接続されている点が、実施例1と異なる。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0058】
(実施例3の動作)
本実施例3のスイッチング電源装置は、全体の動作が、実施例1と略同様である。実施例1と異なる点は、第1コンバータ40Bの出力側の平滑コンデンサ48に蓄積された電荷と、第2コンバータ50Bの出力側の平滑コンデンサ58に蓄積された電荷と、が加算されて出力コンデンサ59に蓄積される。そのため、実施例2と同様に、出力端子60a,60bから、実施例1の出力電圧Voの2倍の出力電圧2Voが出力される。
【0059】
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、実施例1と同様に、図3に示す3相PFC30の中間端子37cを使用した構成になっている。そのため、実施例1と同様に、同一特性を有する第1コンバータ40B及び第2コンバータ50Bの主要部品間のばらつきに起因して、第1コンバータ40B及び第2コンバータ50B間の出力電力がアンバランスになると、電力量の大きいコンバータの入力電圧が下がり、電力量の小さいコンバータの入力電圧が上がる。3相PFC30の出力電圧(V1+V2)は定電圧制御されているので、定電圧を維持しながら、出力電圧(V1+V2)が変化して、第1コンバータ40B及び第2コンバータ50B間の出力電力がセルフバランスする。これにより、従来のように、第1コンバータ40B及び第2コンバータ50B側において電力バランス制御を行う必要がないので、回路構成が簡単なスイッチング電源装置を実現できる。
【0060】
(実施例1~3の変形例)
本発明は、上記実施例1~3に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)、(b)のようなものがある。
【0061】
(a) 前段の3相PFC30は、図示以外の構成に変更しても良い。例えば、線間コンデンサ32a~32cと共に、或いは、線間コンデンサ32a~32cに代えて、各3相入力端子31a,31b,31cと中間端子37cとの間にコンデンサをそれぞれ接続し、高周波成分を除去する構成にしても良い。
【0062】
(b) 後段の第1コンバータ40,40A,40B及び第2コンバータ50,50A,50Bは、図示以外の構成に変更しても良い。例えば、フルブリッジ回路42,52をハーブブリッジ回路等に変更しても良い。チョークコイル47,57を省略しても良い。又、PFM制御のLLCコンバータに代えて、PWMによりデューティ制御されるDC/DCコンバータ(例えば、降圧コンバータ、昇圧コンバータ、昇降圧コンバータ等)を用いても良い。このような構成に変更しても、実施例1~3と略同様の効果が期待できる。
【符号の説明】
【0063】
30 3相PFC
21 3相交流電力
31a,31b,31c 3相入力端子
32a,32b,32c 線間コンデンサ
33 3相インダクタ
34 スイッチング回路
35 全波整流回路
36a,36b,48,58 平滑コンデンサ
37a,37b 第1、第2端子
37c 中間端子
40,40A,40B 第1コンバータ
41,51 入力コンデンサ
42,52 フルブリッジ回路
43,53 共振コンデンサ
44,54 共振チョークコイル
45a1,55a1 励磁チョークコイル
45,55 変圧器
46,46A,56 全波整流回路
48,58 平滑コンデンサ
50,50A,50B 第2コンバータ
59 出力コンデンサ
60a,60b 第1、第2出力端子
図1
図2
図3
図4