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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】プログラム、端末装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20231122BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20231122BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20231122BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/35
A63F13/798
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019232591
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021100462
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馬場 功淳
(72)【発明者】
【氏名】福塚 翼
【審査官】比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-215716(JP,A)
【文献】特開2019-084403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末装置のプロセッサに実行させるプログラムであって、
前記プロセッサを、
前記ユーザによる操作を検出する検出手段と、
前記ユーザによる操作に対応する第1操作情報を他の端末装置宛に送信する送信手段と、
前記他の端末装置における他のユーザの操作に対応した第2操作情報を受信する受信手段と、
前記ユーザによる操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザにより操作される第1キャラクタと前記他のユーザにより操作される第1状態の第2キャラクタとの対戦を進行させる進行手段と、して実行させ、
前記進行手段は、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者とされる場合であっても、前記端末装置において前記第1状態の第2キャラクタを、前記他のユーザにより操作されずに第2状態で動作する第2キャラクタに切り替え、前記第1キャラクタを前記第1状態の第2キャラクタに対する敗者とせずに、前記第2状態の第2キャラクタと前記第1キャラクタとを対戦させ、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者としない、
プログラム。
【請求項2】
前記第1の条件は、前記他のユーザが前記ユーザに勝利する条件を満たすことである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記第1の条件は、前記他のユーザが前記ユーザに勝利することが推定されることである、
請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記進行手段は、前記第1の条件が成立した後に、さらに第2の条件が成立した場合に、前記ユーザを前記他のユーザに対する勝者とする、
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記進行手段は、前記第1の条件が成立するまでは、前記端末装置及び前記他の端末装置のそれぞれに表示されるキャラクタの動作を同期させ、前記第1の条件が成立した後は、前記端末装置及び前記他の端末装置のそれぞれに表示されるキャラクタの動作を同期させない、
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第1の条件には、前記ユーザの強さの指標となるレーティングが所定値以下であることが含まれる、
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記進行手段は、前記ユーザの強さの指標となるレーティングが低いほど前記第1の条件が成立する確率を高くする、
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1の条件が成立した場合に、
前記進行手段は、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者としないことを示す所定の情報が受信された場合に、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者としないこととする、
請求項1からのいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
ユーザが使用する端末装置であって、
前記ユーザの操作を検出する検出手段と、
前記検出された操作に対応する第1操作情報を他の端末装置宛に送信する送信手段と、
前記他の端末装置における他のユーザの操作に対応した第2操作情報を受信する受信手段と、
前記検出された操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザにより操作される第1キャラクタと前記他のユーザにより操作される第1状態の第2キャラクタとの対戦を進行させる進行手段と、
を備え、
前記進行手段は、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者とされる場合であっても、前記第1状態の第2キャラクタを、前記他のユーザにより操作されずに第2状態で動作する第2キャラクタに切り替え、前記第1キャラクタを前記第1状態の第2キャラクタに対する敗者とせずに、前記第2状態の第2キャラクタと前記第1キャラクタとを対戦させ、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者としない、
端末装置。
【請求項10】
第1ユーザが使用する第1端末装置と、第2ユーザが使用する第2端末装置とを含むシステムであって、
前記第1端末装置が、
前記第1ユーザの操作に対応する第1操作情報を第2端末装置宛に送信する第1送信手段と、
前記第2端末装置における前記第2ユーザの操作に対応する第2操作情報を受信する第1受信手段と、
前記第1操作情報及び前記受信した前記第2操作情報に基づいて、前記第1ユーザにより操作される第1キャラクタと前記第2ユーザにより操作される第1状態の第2キャラクタとの対戦進行させる第1進行手段と、
を備え、
前記第2端末装置が、
前記第2操作情報を第1端末装置宛に送信する第2送信手段と、
前記第1操作情報を受信する第2受信手段と、
前記第2操作情報及び受信した前記第1操作情報に基づいて、前記第1ユーザにより操作される第1状態の第1キャラクタと前記第2ユーザにより操作される第2キャラクタとの対戦を進行させる第2進行手段と、
を備え、
第1の条件が成立した場合に、
前記第1進行手段は、前記第1ユーザを前記第2ユーザに対する勝者とする一方、前記第2進行手段は、前記第1状態の第1キャラクタを、前記第1ユーザにより操作されずに第2状態で動作する第1キャラクタに切り替え、前記第2キャラクタを前記第1状態の第1キャラクタに対する敗者とせずに、前記第2状態の第1キャラクタと前記第2キャラクタとを対戦させ、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する敗者としない、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、端末装置、ゲーム方法、ゲームプログラム及びゲームサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲーム空間内でプレイヤ同士が対戦する対戦型ゲームが、様々な事業者により提供されている。この対戦型ゲームにおいて、プレイヤが、対戦相手となるプレイヤとゲーム空間内で勝負をし、その勝負に勝つことで、プレイを進行させるゲームが人気を集めいている(例えば、下記非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】NetEase Games、“スマホ版バトロワ!|荒野行動 公式サイト”、[online]、[令和1年11月26日検索]、インターネット<URL:https://www.knivesout.jp/index.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対戦型ゲームでは、プレイヤが対戦相手との勝負に敗れると、ストレスが溜まりやすくなる。したがって、負けが込むと、ゲームに対するモチベーションが低下し、ゲームを継続する意欲が低下する要因にもなる。特に初心者等のように技量が低いプレイヤは、対戦相手との勝負に負けが重なりやすくなることも考えられ、対戦型ゲーム本来の楽しさを十分に味わえない可能性がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、対戦型ゲーム本来の楽しさを味うことができるゲームシステム、端末装置、ゲーム方法、ゲームプログラム及びゲームサーバを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様であるゲームシステムは、第1ユーザが使用する第1端末装置と、第2ユーザが使用する第2端末装置とを含むゲームシステムであって、前記第1端末装置が、前記第1ユーザにより入力される操作に対応する第1操作情報を第2ゲーム端末宛に送信する第1送信部と、前記第2端末装置において前記第2ユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信する第1受信部と、前記第1操作情報及び前記第1受信部により受信される前記第2操作情報に基づいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを対戦させるゲームを進行する第1ゲーム進行部と、を備え、前記第2端末装置が、前記第2操作情報を第1端末装置宛に送信する第2送信部と、前記第1操作情報を受信する第2受信部と、前記第2操作情報及び前記第2受信部により受信される前記第1操作情報に基づいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを対戦させるゲームを進行する第2ゲーム進行部と、を備え、第1の条件が成立した場合に、前記第1ゲーム進行部は、前記第1ユーザを前記第2ユーザに対する勝者に確定する一方、前記第2ゲーム進行部は、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する敗者に確定しない。
【0007】
本発明の他の態様である端末装置は、ユーザが使用する端末装置であって、前記ユーザにより入力される操作を検出する検出部と、前記検出された操作に対応する第1操作情報を他の端末装置宛に送信する送信部と、前記他の端末装置において他のユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信する受信部と、前記検出された操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームを進行するゲーム進行部と、を備え、前記他の端末装置においては、前記第1操作情報及び前記他のユーザにより入力される操作に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームが進行され、前記ゲーム進行部は、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者に確定される場合であっても、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者に確定しない。
【0008】
本発明の他の態様であるゲーム方法は、ユーザが使用する端末装置のプロセッサが実行するゲーム方法であって、前記プロセッサが、前記ユーザにより入力される操作を検出するステップと、前記検出された操作に対応する第1操作情報を他の端末装置宛に送信するステップと、前記他の端末装置において他のユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信するステップと、前記検出された操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームを進行するステップと、を実行し、前記他の端末装置においては、前記第1操作情報及び前記他のユーザにより入力される操作に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームが進行され、前記ゲームを進行するステップは、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者に確定される場合であっても、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者に確定しない。
【0009】
本発明の他の態様であるゲームプログラムは、ユーザが使用する端末装置のプロセッサに実行させるゲームプログラムであって、前記プロセッサに、前記ユーザにより入力される操作を検出するステップと、前記検出された操作に対応する第1操作情報を他の端末装置宛に送信するステップと、前記他の端末装置において他のユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信するステップと、前記検出された操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームを進行するステップと、を実行させ、前記他の端末装置においては、前記第1操作情報及び前記他のユーザにより入力される操作に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームが進行され、前記ゲームを進行するステップは、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者に確定される場合であっても、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者に確定しない
【0010】
本発明の他の態様であるゲームサーバは、第1ユーザが使用する第1端末装置及び第2ユーザが使用する第2端末装置とそれぞれ通信可能なゲームサーバであって、前記第1端末装置において前記第1ユーザにより入力される操作に対応する第1操作情報、及び前記第2端末装置において前記第2ユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を、それぞれ受信する受信部と、前記第1操作情報及び前記第2操作情報に基づいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを対戦させるゲームを進行するゲーム進行部と、前記ゲーム進行部により進行されるゲームの内容に関するゲーム進行情報を、前記第1端末装置及び前記第2端末装置にそれぞれ送信する送信部と、を備え、前記ゲーム進行部は、第1の条件が成立した場合に、前記第1端末装置に対しては、前記第1ユーザを前記第2ユーザに対する勝者に確定させるための前記ゲーム進行情報を送信させる一方、前記第2端末装置に対しては、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する敗者に確定せずに前記ゲームを進行させるための前記ゲーム進行情報を送信させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、対戦型ゲーム本来の楽しさを味うことができるゲームシステム、端末装置、ゲーム方法、ゲームプログラム及びゲームサーバを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る端末装置を含むゲームシステムの構成を例示する図である。
図2図1に示すサーバの機能構成を例示する図である。
図3図1に示す端末装置の機能構成を例示する図である。
図4】実施形態に係るゲームシステムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
図5A】敗者不確定機能の仕組みを勝者側の視点から説明するための模式図である。
図5B】敗者不確定機能の仕組みを敗者側の視点から説明するための模式図である。
図6A】敗者不確定処理を実行しない場合の勝率を説明するための概念図である。
図6B】敗者不確定処理を実行する場合の勝率を説明するための概念図である。
図7】実施形態に係るゲームシステムの動作の一例を説明するためのシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
[ゲームシステムのシステム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る端末装置10を含むゲームシステム1の概略構成図である。同図に示すように、本実施形態におけるゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備える。
【0015】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワークNを介して接続する。ネットワークNは、例えば、インターネット、移動体通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0016】
[サーバのハードウェア構成]
サーバ20は、例えば、ワークステーション、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータが該当し得る。図1に示すように、サーバ20は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25とを備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0017】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及びGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、例えば、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0018】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出した各種プログラム及びデータを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0019】
なお、本実施形態におけるプログラムは、例えば、複数の端末装置10とサーバ20との協働によりゲームを実現するゲームプログラムである。また、各種データには、例えば、ゲーム情報等のゲームに関するデータ、ユーザ情報、及び端末装置10とサーバ20との間で送受信する指示や通知が含まれる。
【0020】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0021】
通信IF24は、サーバ20における各種データの送受信を制御する。
【0022】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含むことができる。
【0023】
[端末装置のハードウェア構成]
端末装置10は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ等の携帯端末が該当し得る。端末装置10は、ユーザがコンピュータゲームを実行する際にプレイヤとして使用可能な可搬型の端末であることが望ましい。
【0024】
図1に示すように、端末装置10は、物理的な構成として、例えば、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、タッチスクリーン16とを備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0025】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPU及びGPU等を含み得る。プロセッサ11は、例えば、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開し、展開したプログラムを実行する。
【0026】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROM、及びRAM等の揮発性記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラム及び各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0027】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等の不揮発性記憶装置により構成される。ストレージ13には、例えば、ゲームに関する各種データが格納される。
【0028】
通信IF14は、各種データの送受信を制御する。通信IF14は、例えば、無線LAN(Local Area Network)又は携帯電話回線網等を介した通信、及び近距離無線通信等を用いた通信を制御する。
【0029】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、例えば、端末装置10が備える物理ボタンやカメラ、マイク、スピーカ等を含むことができる。
【0030】
タッチスクリーン16は、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品である。入力部17は、例えばタッチパッドによって構成される。表示部18は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって構成される。
【0031】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作等)により、入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を備える。入力部17は、例えば、タッチセンシング部を含むことができる。タッチセンシング部は、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0032】
[サーバの機能構成]
図2は、サーバ20の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データ及びプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、及び、複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0033】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザ及び端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10又はパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に従って、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成及び保存することができる。
【0034】
図2に示すように、サーバ20は、機能的な構成として、例えば、制御部210と記憶部220とを有する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222及びユーザ情報223がある。
【0035】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222及びユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0036】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0037】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザが操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」ともいう。)のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。また、ゲーム情報222は、例えば、ノンプレイヤキャラクタの各種パラメータの設定値や、クエストに関する情報を含む。クエストは、達成条件が設定されたゲーム内のイベントである。このクエストには、達成条件に加え失敗条件が設定されていてもよい。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0038】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタに関する情報、保有資産に関する情報、及びゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。
【0039】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213及び同期処理部214を有する。
【0040】
送受信部211は、各種データを送信又は受信する。例示的に、送受信部211は、各種データ及びプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0041】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20及び端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0042】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。例示的に、サーバ処理部212は、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードの追加、更新、又は削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0043】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。例示的に、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222又はユーザ情報223のレコードを、追加、更新、又は削除する。
【0044】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。例えば、同期処理部214は、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0045】
[端末装置の機能構成]
図3は、端末装置10の機能構成を例示するブロック図である。本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、及び、ゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0046】
図3に示すように、端末装置10は、機能的な構成として、例えば、制御部110と記憶部120とを有する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122及びユーザ情報123がある。
【0047】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122及びユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0048】
ゲーム情報122は、上述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含むため、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0049】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、上述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0050】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113及び表示制御部114を有する。
【0051】
操作受付部111は、タッチスクリーン16の入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的に、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作を受け付けた場合に、入力位置の座標及び入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作及びフリック操作が挙げられる。入力操作は、タッチスクリーン16に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。操作受付部111は、例えば、連続して検知されていた入力操作が途切れたことを検出した場合に、入力部17に対する入力操作が解除されたものと検知する。
【0052】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてユーザに入力された操作についても、上記入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0053】
送受信部112は、各種データを送信又は受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0054】
送受信部112は、ゲーム情報122又はユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、及びマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータ及びそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0055】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた操作に関する操作情報(以下、「第1操作情報」ともいう。)を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報(以下、「第2操作情報」ともいう。)を、サーバ20から受信する。
【0056】
ゲーム進行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0057】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的に、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0058】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置及び向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域及びこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0059】
仮想カメラの位置及び向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離及び角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121及び221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
【0060】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標及び入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加又は削除する。
【0061】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0062】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(user interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0063】
[対戦ゲームで負けたユーザを敗者に確定しない機能]
本実施形態におけるゲームシステム1は、上述した各構成において、2人のユーザがゲーム空間内で対戦するゲーム(以下、「対戦ゲーム」ともいう。)をプレイする際に、対戦に負けたユーザを敗者に確定しない機能(以下、「敗者不確定機能」ともいう。)をさらに有することに特徴がある。この敗者不確定機能について、以下に詳細に説明する。
【0064】
この説明では、例示的に、一方のユーザ(以下、「第1ユーザ」ともいう。)により操作される操作キャラクタ(以下、「第1キャラクタ」ともいう。)と、他方のユーザ(以下、「第2ユーザ」ともいう。)により操作される操作キャラクタ(以下、「第2キャラクタ」ともいう。)とをゲーム空間内で対戦させるゲームを進行する場合について説明する。説明の便宜のため、第1ユーザが使用する端末装置10を「第1端末装置10」とし、第2ユーザが使用する端末装置10を「第2端末装置10」とする。
【0065】
対戦ゲームとして、例えば、バトルロワイヤルゲーム、ゴルフゲーム、アーチェリーゲーム、ダーツゲーム、カードゲーム等のように、各ユーザに一定の順序でターンが訪れるターン制のゲーム全般を適用することができる。
【0066】
[ゲーム進行時の基本的な処理]
図3に示す第1端末装置10のゲーム進行部113は、操作受付部111により受け付けられた第1ユーザの操作に関する操作情報である第1操作情報と、第2端末装置10において第2ユーザにより入力された操作に関する操作情報である第2操作情報とに基づいて、対戦ゲームを進行する。
【0067】
他方、第2端末装置10のゲーム進行部113は、操作受付部111により受け付けられた第2ユーザの操作に関する操作情報である第2操作情報と、第1端末装置10において第1ユーザにより入力された操作に関する操作情報である第1操作情報とに基づいて、対戦ゲームを進行する。
【0068】
第1操作情報及び第2操作情報には、例えば、以下のような情報を含むことができる。
【0069】
対戦ゲームが、バトルロワイヤルゲームである場合には、例えば、操作されたオブジェクトの動き(操作キャラクタの移動や動作等)に関する情報、選択されたアイテム(操作キャラクタが使用する武器や防具、乗り物等)に関する情報、発動された戦闘内容(アイテムを使用した攻撃や防御等の内容)に関する情報が含まれる。
【0070】
対戦ゲームが、ゴルフゲームである場合には、例えば、操作されたオブジェクトの動き(操作キャラクタの移動や動作等)に関する情報、選択されたアイテム(操作キャラクタが使用するクラブやボール等)に関する情報、選定された落下地点(ショットする方向や目標距離等)に関する情報、操作されたショット(スイングの開始、パワー、ショットのタイミング、ボールの打点等)に関する情報が含まれる。
【0071】
なお、対戦ゲームには、ゲーム空間内に操作キャラクタが存在するゲームと、ゲーム空間内に操作キャラクタが存在しないゲームとが存在するが、どちらの対戦ゲームにも本発明を適用することができる。
【0072】
ここで、図4を参照して、第1端末装置10と第2端末装置10との間で同期を取りながら対戦ゲームを進める際の基本的な処理手順について説明する。本実施形態において、上記同期は、例示的に、ゲーム画像を表示する際のフレーム単位に取ることとする。したがって、同図に示すステップS101からステップS106までの各処理は、フレームごとに繰り返し実行されることになる。
【0073】
最初に、第1端末装置10の操作受付部111は、第1ユーザにより入力される操作を受け付ける(ステップS101)と、第1端末装置10の送受信部112は、受け付けられた操作に関する第1操作情報を、サーバ20に送信する(ステップS102)。ここで、一つのフレームにおいて複数の操作が受け付けられた場合には、複数の第1操作情報をサーバ20に送信する。
【0074】
同様に、第2端末装置10の操作受付部111は、第2ユーザにより入力される操作を受け付ける(ステップS103)と、第2端末装置10の送受信部112は、受け付けられた操作に関する第2操作情報を、サーバ20に送信する(ステップS104)。同様に、一つのフレームにおいて複数の操作が受け付けられた場合には、複数の第2操作情報をサーバ20に送信する。
【0075】
続いて、サーバ20のサーバ処理部212は、フレームごとの同期タイミングにおいて、第1操作情報を第2端末装置10に送信し、それと同時に、第2操作情報を第1端末装置10に送信する(ステップS105)。
【0076】
続いて、第1端末装置10のゲーム進行部113は、上記ステップS101で受け付けた第1ユーザにより入力された操作、及び上記ステップS105により受信した第2操作情報に基づいて、ゲームの画像を生成し、対戦ゲームを進行する(ステップS106a)。
【0077】
上記ステップS106aと並行して、第2端末装置10のゲーム進行部113は、上記ステップS103で受け付けた第2ユーザにより入力された操作、及び上記ステップS105で受信した第1操作情報に基づいて、ゲームの画像を生成し、対戦ゲームを進行する(ステップS106b)。
【0078】
[敗者不確定機能に特有な処理]
図3に示す第1端末装置10のゲーム進行部113は、第1ユーザが第2ユーザに勝利する条件(以下、「第1の条件」ともいう。)を満たした場合に、第1キャラクタを第2キャラクタに対する勝者に確定する。
【0079】
図5Aを参照して、具体的に説明する。同図は、第1端末装置10を操作する第1ユーザの視点から見た、第1キャラクタAと第2キャラクタBとの間の対戦(戦闘)の様子を模式的に表した図である。第1キャラクタAが第2キャラクタBに対してKILLを成功させたことで、第1の条件が満たされたと判定し、第1キャラクタA(第1ユーザ)を、第2キャラクタB(第2ユーザ)に対する勝者に確定する。
【0080】
他方、第2端末装置10のゲーム進行部113は、第1の条件を満たした場合に、第1ユーザにより操作される第1キャラクタ(第1状態の第1キャラクタ)を、第1ユーザにより操作されないノンプレイヤキャラクタ(第2状態の第1キャラクタ)に切り替える。これに加え、第2端末装置10のゲーム進行部113は、敗者に確定しない処理(以下、「敗者不確定処理」ともいう。)として、第2キャラクタを第1キャラクタに対する敗者に確定することなく、ノンプレイヤキャラクタと第2キャラクタとを対戦させるゲームを進行する。そして、第2端末装置10のゲーム進行部113は、第2キャラクタがノンプレイヤキャラクタに勝利するようにゲームを進行し、第2ユーザを第1ユーザに対する勝者に確定する。
【0081】
図5Bを参照して、具体的に説明する。同図は、第2端末装置10を操作する第2ユーザの視点から見た、第1キャラクタAと第2キャラクタBとの間の対戦(戦闘)の様子を模式的に表した図である。第1キャラクタAが第2キャラクタBに対してKILLを成功させたものの、KILLは発生せずに、第1キャラクタAがノンプレイヤキャラクタAnに切り替えられる。その後、第2キャラクタBはノンプレイヤキャラクタAnに対してKILLを成功させ、第2キャラクタB(第2ユーザ)を、ノンプレイヤキャラクタAn(第1ユーザ)に対する勝者に確定する。
【0082】
上記の第1の条件を満たす場合として、例えば、第1ユーザが第2ユーザとの対戦に勝利することが挙げられる。この要件には、勝利が確定することに限られず、勝利を推定できることも含まれる。第1ユーザが第2ユーザに勝利することを推定できる場合の具体例を、以下に説明する。
【0083】
対戦ゲームが、バトルロワイヤルゲームである場合には、例えば、第1キャラクタが第2キャラクタを狙撃したときに、狙撃した瞬間の銃口の向きや銃の種類、第2キャラクタの位置や防具の種類等に基づいて、第2キャラクタに与えるダメージ等を算出することができる。この算出したダメージ等に基づいて、第1ユーザが第2ユーザに勝利するかどうかを推定することができる。これにより、狙撃した直後、かつ狙撃により第2キャラクタが倒れる前に、第1ユーザが第2ユーザに勝利するかどうかを推定することができる。
【0084】
対戦ゲームが、ゴルフゲームである場合には、例えば、第1キャラクタがグリーン上でパットしたときに、パットしたときの強さや方向、グリーン上の傾斜や芝目等に基づいて、ボールの軌道及び到達距離等を算出することができる。この算出したボールの軌道及び到達距離等に基づいて、第1ユーザが第2ユーザに勝利するかどうかを推定することができる。これにより、パットした直後、かつボールがカップインする前に、第1ユーザが第2ユーザに勝利するかどうかを推定することができる。
【0085】
ここで、第1の条件に、第2ユーザのレーティングが所定値以下であることをさらに含めることとしてもよい。レーティングとは、ユーザ又は操作キャラクタの強さの指標となる値である。例えば、対戦ゲームでの勝率が上がるほど、レーティングが高くなるように、レーティングを設定することができる。これにより、レーティングが所定値以下であるユーザが負けた場合に、そのユーザを敗者に確定しないように救済することが可能となる。したがって、初心者等の技量が低いプレイヤを優先して救済することが可能となる。
【0086】
また、第1の条件に、第2ユーザに対する敗者不確定処理を発動させるための確率をさらに含めることとしてもよい。例えば、第2ユーザのレーティングが低い(弱い)ほど、確率が高くなるように、確率を設定することができる。これにより、レーティングが低いユーザが負けた場合に、そのユーザに対する敗者不確定処理の実行頻度を高めることができる。したがって、初心者等の技量が低いプレイヤほど救済する頻度を高めることが可能となる。
【0087】
図6を参照し、レーティングに応じて敗者不確定処理の実行有無やその発動確率を設定する概念について説明する。図6Aは、敗者不確定処理を実行しない場合の勝率を説明するための概念図である。この場合には、レーティングの高低に関わらず、勝ち負けの確率はそれぞれ50%位になる。
【0088】
図6Bは、レーティングに応じて敗者不確定処理の実行有無やその発動確率を設定した場合の勝率を説明するための概念図である。この場合、レーティングが所定値よりも高い場合には、上記の図6Aと同様に、レーティングの高低に関わらず、勝ち負けの確率はそれぞれ50%位になる。他方、レーティングが所定値よりも低い場合には、レーティングが低いほど、敗者不確定処理の発動確率が高くなる。同図では、例示的に、最も低いレーティング帯では、敗者不確定処理が80%の確率で発動し、その次に低いレーティング帯では、敗者不確定処理が75%の確率で発動し、その次に低いレーティング帯では、敗者不確定処理が60%の確率で発動することを表す。
【0089】
また、第1の条件を満たす場合として、第1ユーザと第2ユーザとが引き分けることをさらに加えることとしてもよい。
【0090】
なお、第1の条件を満たすかどうかの判定は、第1端末装置10のゲーム進行部113及び第2端末装置10のゲーム進行部113のうちいずれが実行してもよい。それぞれの場合について、以下に説明する。
【0091】
第1端末装置10のゲーム進行部113が、第1の条件を満たすかどうかを判定する場合には、第1端末装置10のゲーム進行部113が、第1の条件を満たしたと判定したことに伴い、第1ユーザを第2ユーザに対する勝者に確定する一方、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことを示す所定の情報を、第2端末装置10宛に送信させる処理を実行する。この場合、第2端末装置10のゲーム進行部113は、所定の情報が受信された場合に、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しない処理を実行する。
【0092】
第2端末装置10のゲーム進行部113が、第1の条件を満たすかどうかを判定する場合には、第2端末装置10のゲーム進行部113が、第1の条件を満たしたと判定したことに伴い、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しない処理を実行する。
【0093】
また、上記の第2ユーザを敗者に確定しない処理において、第2キャラクタがノンプレイヤキャラクタに勝利する条件(以下、「第2の条件」ともいう。)を満たした場合に、第2ユーザを第1ユーザに対する勝者に確定することとしてもよい。この場合、第2端末装置10のゲーム進行部113は、第2の条件を満たした場合に、第2ユーザを第1ユーザに対する勝者に確定する一方、第2の条件を満たさない場合に、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定することができる。
【0094】
第2の条件を満たす場合として、例えば、第2キャラクタを操作する第2ユーザがノンプレイヤキャラクタとの対戦に勝利することが挙げられる。この要件には、上述した第1の条件を満たす場合と同様に、勝利が確定することに限られず、勝利を推定できることも含まれる。第1ユーザが第2ユーザに勝利することを推定できる場合の具体例は、上述した第1の条件を満たす場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0095】
図7を参照して、第1ユーザが第2ユーザに勝利する場合の処理手順の一例について説明する。
【0096】
最初に、第1端末装置10の操作受付部111は、第1ユーザにより入力される操作を受け付ける(ステップS201)と、第1端末装置10のゲーム進行部113は、第1ユーザが第2ユーザとの対戦に勝利したかどうかを判定する(ステップS202)。この判定がNOである場合(ステップS202;NO)には、上述した図4のステップS102に処理を移行する。
【0097】
上記ステップS202の判定で第1ユーザが第2ユーザとの対戦に勝利したと判定された場合(ステップS202;YES)に、第1端末装置10のゲーム進行部113は、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことを示す所定の情報をサーバ20に送信する(ステップS203)。
【0098】
続いて、第1端末装置10のゲーム進行部113は、第1ユーザを第2ユーザに対する勝者に確定し(ステップS204)、第2ユーザとの対戦を終了する(ステップS205)。
【0099】
他方、第2端末装置10のゲーム進行部113は、サーバ20から所定の情報を受信した場合(ステップS206)に、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定せずに(ステップS207)、第1キャラクタをノンプレイヤキャラクタに切り替え、そのノンプレイヤキャラクタと第2キャラクタとを対戦させるゲームを進行する(ステップS208)。
【0100】
続いて、第2端末装置10のゲーム進行部113は、第2ユーザがノンプレイヤキャラクタに勝利するようにゲームを進行し、第2ユーザを第1ユーザに対する勝者に確定する(ステップS209)。そして、第1ユーザとの対戦を終了する(ステップS210)。
【0101】
本実施形態に係るゲームシステム1において、第1端末装置10のゲーム進行部113及び第2端末装置10のゲーム進行部113は、第1の条件が成立するまでは、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれに表示される第1キャラクタ及び第2キャラクタの動作を同期させながら対戦ゲームを進行する。そして第1の条件が成立すると、第1端末装置10のゲーム進行部113及び第2端末装置10のゲーム進行部113は、第1端末装置及び第2端末装置のそれぞれに表示される第1キャラクタ及び第2キャラクタの動作を同期させずに対戦ゲームを進行することになる。
【0102】
上述したように、実施形態に係るゲームシステム1によれば、第1ユーザにより使用される第1端末装置10及び第2ユーザにより使用される第2端末装置10において、第1ユーザと第2ユーザとを対戦させるゲームを進行し、例えば第1ユーザが第2ユーザとの対戦に勝利した場合に、第1端末装置10では、第1ユーザを第2ユーザに対する勝者に確定する一方、第2端末装置10では、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定せず、第2ユーザがノンプレイヤキャラクタに勝利するようにゲームを進行することができる。
【0103】
これにより、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けた場合であっても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定せずに、第2ユーザがノンプレイヤキャラクタに勝利するようにゲームを進行させることが可能となる。
【0104】
それゆえ、実施形態に係るゲームシステム1によれば、対戦型ゲーム本来の楽しさを味うことが可能となる。
【0105】
ここで、例えば、カーレースの対戦ゲームにおいて、優勝したキャラクタがゴールした後に、その他のキャラクタがまだ走行中であるにもかかわらず、優勝したキャラクタのウィニングランの映像が流れる機能(以下、「第1比較機能」という。)がある。この第1比較機能では、対戦に勝ったユーザは、勝者に確定し、ノンプレイヤキャラクタによる映像を鑑賞しているかの状況になる。他方、対戦に負けたユーザは、勝者が確定した後もレースゲームを続行することになる。しかしながら、第1比較機能では、対戦に負けたユーザは、負けが確定したままレースゲームを続行することになる。
【0106】
これに対し、実施形態に係るゲームシステム1の敗者不確定機能は、対戦に負けたユーザは、第1ユーザに対する敗者に確定されないことに加え、第1ユーザのキャラクタから切り替えられたノンプレイヤキャラクタと対戦し、勝利することができる。したがって、敗者不確定機能は、第1比較機能とは異なる。
【0107】
また、例えば、対戦ゲームで敗戦した後に、コンティニューによりプレイを再開する機能(以下、「第2比較機能」という。)がある。この第2比較機能では、対戦に負けたユーザは、敗者に確定せずに、プレイを再開することになる。しかしながら、第2比較機能では、コンティニューの前後で対戦相手が切り替わることはなく、ノンプレイヤキャラクタと対戦していた場合には、同じノンプレイヤキャラクタとの対戦を再開し、他のユーザが操作する操作キャラクタと対戦していた場合には、同じ操作キャラクタとの対戦を再開することになる。
【0108】
これに対し、実施形態に係るゲームシステム1の敗者不確定機能は、対戦に負けたユーザは、第1ユーザのキャラクタから切り替えられたノンプレイヤキャラクタと対戦し、そのノンプレイヤキャラクタに勝利することになる。したがって、敗者不確定機能は、第2比較機能とも異なる。
【0109】
[ソフトウェアによる実現例]
制御部110及び制御部210の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0110】
後者の場合、制御部110及び制御部210は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラム及び各種データがコンピュータ(又はCPU)で読み取り可能に記録されたROM又は記憶装置(これらを「記録媒体」という。)、上記プログラムを展開するRAM等を備える。そして、コンピュータ(又はCPU)が、上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的を達成することができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路等を用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0111】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、又は並列に実行することができる。
【0112】
また、上述した敗者不確定機能は、ゲームのモードに応じて発動させるかどうかを設定することとしてもよい。例えば、初心者用の試用モードで発動させ、本番モードでは発動させないこととしてもよい。
【0113】
また、上述した実施形態に係るゲームシステム1は、端末装置10が備える機能のうち少なくとも一部をサーバ20が備えるように構成されていてもよいし、サーバ20が備える機能のうち少なくとも一部を端末装置10が備えるように構成されていてもよい。さらに、端末装置10及びサーバ20以外の他の装置をゲームシステム1の構成要素とし、他の装置にゲームシステム1における処理の少なくとも一部を実行させてもよい。すなわち、本実施形態においてゲームプログラム121及び221を実行するコンピュータは、端末装置10、サーバ20、及び他の装置のいずれであってもよい。
【0114】
また、本発明の実施形態は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0115】
[付記1]
第1ユーザが使用する第1端末装置(10)と、第2ユーザが使用する第2端末装置(10)とを含むゲームシステム(1)であって、前記第1端末装置(10)が、前記第1ユーザにより入力される操作に対応する第1操作情報を前記第2ゲーム端末(10)宛に送信する第1送信部(112)と、前記第2端末装置(10)において前記第2ユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信する第1受信部(112)と、前記第1操作情報及び前記第1受信部(112)により受信される前記第2操作情報に基づいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを対戦させるゲームを進行する第1ゲーム進行部(113)と、を備え、前記第2端末装置(10)が、前記第2操作情報を前記第1端末装置(10)宛に送信する第2送信部(112)と、前記第1操作情報を受信する第2受信部(112)と、前記第2操作情報及び前記第2受信部(112)により受信される前記第1操作情報に基づいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを対戦させるゲームを進行する第2ゲーム進行部(113)と、を備え、第1の条件が成立した場合に、前記第1ゲーム進行部(113)は、前記第1ユーザを前記第2ユーザに対する勝者に確定する一方、前記第2ゲーム進行部(113)は、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する敗者に確定しない、ゲームシステム(1)。
【0116】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になったとしても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことが可能となる。
【0117】
[付記2]
前記第1ゲーム進行部(113)及び前記第2ゲーム進行部(113)において、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを対戦させることは、前記第1ユーザにより操作される第1状態の第1キャラクタと前記第2ユーザにより操作される第2キャラクタとを対戦させることであり、前記第1の条件が成立した場合に、前記第1ゲーム進行部(113)は、前記第1状態の第1キャラクタを前記第2キャラクタに対する勝者に確定する一方、前記第2ゲーム進行部(113)は、前記第1状態の第1キャラクタを、前記第1ユーザにより操作されない第2状態の第1キャラクタに切り替え、前記第2キャラクタを前記第1状態の第1キャラクタに対する敗者に確定せずに、前記第2状態の第1キャラクタと前記第2キャラクタとを対戦させるゲームを進行する、付記1記載のゲームシステム(1)。
【0118】
これにより、例えば、第2キャラクタが第1キャラクタに負けるか引き分ける状況になったとしても、第2キャラクタを第1キャラクタに対する敗者に確定せずに、第2キャラクタが例えばノンプレイヤキャラクタに勝利するようにゲームを進行させることが可能となる。
【0119】
[付記3]
前記第1の条件は、前記第1ユーザが前記第2ユーザに勝利する条件を満たすことである、付記1又は2記載のゲームシステム(1)。
【0120】
これにより、第1ユーザが第2ユーザに勝利する条件を満たし、第2ユーザが第1ユーザに負ける状況になったとしても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことができる。
【0121】
[付記4]
前記第1の条件は、前記第1ユーザが前記第2ユーザに勝利することが推定されることである、付記1又は2記載のゲームシステム(1)。
【0122】
これにより、第1ユーザが第2ユーザに勝利することが推定され、第2ユーザが第1ユーザに負ける状況になったとしても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことができる。
【0123】
[付記5]
前記第2ゲーム進行部(113)は、前記第1の条件が成立した後に、さらに第2の条件が成立した場合に、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する勝者に確定する、付記1から4のいずれか一に記載のゲームシステム(1)。
【0124】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になったとしても、その後第2の条件を成立させることで、第2ユーザを第1ユーザに対する勝者に確定することが可能となる。
【0125】
[付記6]
前記第1ゲーム進行部(113)及び前記第2ゲーム進行部(113)は、前記第1の条件が成立するまでは、前記第1端末装置(10)及び前記第2端末装置(10)のそれぞれに表示されるキャラクタの動作を同期させ、前記第1の条件が成立した後は、前記第1端末装置(10)及び前記第2端末装置(10)のそれぞれに表示されるキャラクタの動作を同期させない、付記1から5のいずれか一に記載のゲームシステム(1)。
【0126】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になるまでは、双方のキャラクタの動作を同期させることができ、その後第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になった後は、双方のキャラクタの動作を同期させずに、ゲームを進行させることが可能となる。
【0127】
[付記7]
前記第1の条件には、前記第2ユーザの強さの指標となるレーティングが所定値以下であることが含まれる、請求項1から6のいずれか一に記載のゲームシステム(1)。
【0128】
これにより、例えば、レーティングが所定値以下の第2ユーザが、第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になった場合に、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことができるため、初心者等の技量が低いプレイヤを優先して救済することが可能となる。
【0129】
[付記8]
前記第1ゲーム進行部(113)は、前記第2ユーザの強さの指標となるレーティングが低いほど前記第1の条件が成立する確率を高くする、付記1から7のいずれか一に記載のゲームシステム(1)。
【0130】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になった場合に、第2ユーザのレーティングが低いほど第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しない頻度を高めることができるため、初心者等の技量が低いプレイヤほど救済する頻度を高めることが可能となる。
【0131】
[付記9]
前記第1の条件が成立した場合に、前記第1ゲーム進行部(113)は、前記第1ユーザを前記第2ユーザに対する勝者に確定する一方、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する敗者に確定しないことを示す所定の情報を前記第2端末装置(10)宛に送信させ、前記第2ゲーム進行部(113)は、前記所定の情報が受信された場合に、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する敗者に確定しないこととする、付記1から8のいずれか一に記載のゲームシステム(1)。
【0132】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になった場合に、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことを示す所定の情報を第1端末装置から第2端末装置に送信させ、第2端末装置において、所定の情報に基づいて第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しない処理を実行させることが可能となる。
【0133】
[付記10]
ユーザが使用する端末装置(10)であって、前記ユーザにより入力される操作を検出する検出部(111)と、前記検出された操作に対応する第1操作情報を他の端末装置(10)宛に送信する送信部(112)と、前記他の端末装置(10)において他のユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信する受信部(112)と、前記検出された操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームを進行するゲーム進行部(113)と、を備え、前記他の端末装置(10)においては、前記第1操作情報及び前記他のユーザにより入力される操作に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームが進行され、前記ゲーム進行部(113)は、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置(10)において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者に確定される場合であっても、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者に確定しない、端末装置(10)。
【0134】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になったとしても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことが可能となる。
【0135】
[付記11]
ユーザが使用する端末装置(10)のプロセッサ(11)が実行するゲーム方法であって、前記プロセッサ(11)が、前記ユーザにより入力される操作を検出するステップと、前記検出された操作に対応する第1操作情報を他の端末装置(10)宛に送信するステップと、前記他の端末装置(10)において他のユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信するステップと、前記検出された操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームを進行するステップと、を実行し、前記他の端末装置(10)においては、前記第1操作情報及び前記他のユーザにより入力される操作に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームが進行され、前記ゲームを進行するステップは、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置(10)において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者に確定される場合であっても、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者に確定しない、ゲーム方法。
【0136】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になったとしても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことが可能となる。
【0137】
[付記12]
ユーザが使用する端末装置(10)のプロセッサ(11)に実行させるゲームプログラム(121)であって、前記プロセッサ(11)に、前記ユーザにより入力される操作を検出するステップと、前記検出された操作に対応する第1操作情報を他の端末装置(10)宛に送信するステップと、前記他の端末装置(10)において他のユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を受信するステップと、前記検出された操作及び前記第2操作情報に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームを進行するステップと、を実行させ前記他の端末装置(10)においては、前記第1操作情報及び前記他のユーザにより入力される操作に基づいて、前記ユーザと前記他のユーザとを対戦させるゲームが進行され、前記ゲームを進行するステップは、第1の条件が成立することに伴い、前記他の端末装置(10)において前記他のユーザが前記ユーザに対する勝者に確定される場合であっても、前記ユーザを前記他のユーザに対する敗者に確定しない、ゲームプログラム(121)。
【0138】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になったとしても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定しないことが可能となる。
【0139】
[付記13]
第1ユーザが使用する第1端末装置(10)及び第2ユーザが使用する第2端末装置(10)とそれぞれ通信可能なゲームサーバ(20)であって、前記第1端末装置(10)において前記第1ユーザにより入力される操作に対応する第1操作情報、及び前記第2端末装置(10)において前記第2ユーザにより入力される操作に対応する第2操作情報を、それぞれ受信する受信部(211)と、前記第1操作情報及び前記第2操作情報に基づいて、前記第1ユーザと前記第2ユーザとを対戦させるゲームを進行するゲーム進行部(212)と、前記ゲーム進行部(212)により進行されるゲームの内容に関するゲーム進行情報を、前記第1端末装置(10)及び前記第2端末装置(10)にそれぞれ送信する送信部(211)と、を備え、前記ゲーム進行部(212)は、第1の条件が成立した場合に、前記第1端末装置(10)に対しては、前記第1ユーザを前記第2ユーザに対する勝者に確定させるための前記ゲーム進行情報を送信させる一方、前記第2端末装置(10)に対しては、前記第2ユーザを前記第1ユーザに対する敗者に確定せずに前記ゲームを進行させるための前記ゲーム進行情報を送信させる、ゲームサーバ(20)。
【0140】
これにより、例えば、第2ユーザが第1ユーザとの対戦に負けるか引き分ける状況になったとしても、第2ユーザを第1ユーザに対する敗者に確定せずにゲームを進行させることが可能となる。
【符号の説明】
【0141】
1…ゲームシステム、10…端末装置、11…プロセッサ、12…メモリ、13…ストレージ、14…通信IF、15…入出力IF、16…タッチスクリーン、17…入力部、18…表示部、20…サーバ、21…プロセッサ、22…メモリ、23…ストレージ、24…通信IF、25…入出力IF、110…制御部、111…操作受付部、112…送受信部、113…ゲーム進行部、114…表示制御部、120…記憶部、121…ゲームプログラム、122…ゲーム情報、123…ユーザ情報、210…制御部、211…送受信部、212…サーバ処理部、213…データ管理部、214…同期処理部、220…記憶部、221…ゲームプログラム、222…ゲーム情報、223…ユーザ情報、N…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7