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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】内容物終了機構
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
A61M5/315 550X
A61M5/315 550P
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019554880
(86)(22)【出願日】2018-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 EP2018058916
(87)【国際公開番号】W WO2018185317
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-04-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】17165541.8
(32)【優先日】2017-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596113096
【氏名又は名称】ノボ・ノルデイスク・エー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヤコブセン, ニコライ オイゼービウス
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】井上 哲男
【審判官】栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-540555(JP,A)
【文献】特表2011-519600(JP,A)
【文献】特表2014-520613(JP,A)
【文献】国際公開第1990/09202(WO,A1)
【文献】特表2012-512675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤の複数回用量を送達するための注射装置(1)であって、
・主軸に沿って延びるハウジング(2)と、
・第一の位置から第二の位置まで前記ハウジング(2)に対して移動して薬剤の用量の放出を引き起こすように構成されたピストンロッド(60)を含む用量放出機構であって、前記ピストンロッド(60)は、近位ピストンロッド端と遠位ピストンロッド端との間に延び、投与トラック(63)を含み、前記ピストンロッド(60)はさらに、前記ハウジング(2)に対して初期の使用前位置から最終端停止位置まで移動可能であり、所定の総用量の蓄積された薬剤の放出を引き起こす、用量放出機構と、
・前記ハウジング(2)に対して固定され、用量放出中に前記投与トラック(63)を走行するように適合された投与トラック追従体(17)と、
・前記用量放出機構によって放出される前記用量を設定するように動作可能な用量設定機構と、
・放出された用量の用量サイズを登録するための電子手段(82、90、91、92、95)と、
・現在の設定用量のサイズを示すように適合された表示器(81)であって、前記電子手段(82、90、91、92、95)が、前記用量設定機構の用量変更動作に応答して前記表示器(81)の第一のタイプの表示の更新を提供するように構成される、表示器と、を含み、
前記用量設定機構は、前記用量設定機構の用量増加動作の間に、現在の残りの用量を超えた動作が可能であり、
前記ピストンロッド(60)に設けられた前記最終端停止位置が、前記近位ピストンロッド端と前記遠位ピストンロッド端との間の前記投与トラック(63)のトラック端によって画定され、
前記電子手段(82、90、91、92、95)が、
・前記登録された放出された用量の用量サイズから現在の累積用量を計算し、それによって放出された薬剤の総量の更新された値を提供し、
・前記現在の累積用量と前記所定の総用量を比較することによって、現在の残りの用量を決定し、
・前記用量設定機構の用量増加動作の間に、前記現在の設定用量が前記現在の残りの用量を超えるとき、前記第一のタイプの表示の更新とは異なる前記表示器(81)の第二のタイプの表示の更新を提供する、注射装置。
【請求項2】
前記用量設定機構が、ユーザが動作可能な用量設定操作部(50)と、前記用量設定操作部(50)に対して回転方向にロックされ、前記用量設定操作部(50)の動作と相関関係にある前記ハウジング(2)に対し螺旋動作を受けるように適合された用量設定要素(30)と、を備える、請求項1に記載の注射装置。
【請求項3】
前記ピストンロッド(60)が、前記主軸に沿って延び、用量設定螺旋状トラック(62)をさらに備え、前記用量設定要素(30)が、前記用量設定操作部(50)の動作に対応する前記用量設定螺旋状トラック(62)を走行するように適合された用量設定トラック追従体(32)を備える、請求項2に記載の注射装置。
【請求項4】
前記投与トラック(63)が螺旋状であり、前記用量設定螺旋状トラック(62)および前記投与トラック(63)が逆巻され、かつ少なくとも部分的に重ね合わされる、請求項3に記載の注射装置。
【請求項5】
前記用量設定螺旋状トラック(62)が、第一のピッチを有する第一の非戻り止めねじであり、前記投与トラック(63)が、第二のピッチを有する第二の非戻り止めねじであり、
前記第一のピッチが前記第二のピッチと等しい、請求項4に記載の注射装置。
【請求項6】
前記用量放出機構が、
・前記ピストンロッド(60)に回転方向にロックされ、クラッチ部材(20)が前記ハウジング(2)に対して回転方向にロックされた近位クラッチ位置と、前記クラッチ部材(20)が前記ハウジング(2)に対して自由に回転する遠位クラッチ位置との間で、前記ハウジング(2)に対して軸方向に移動可能なクラッチ部材(20)と、
薬剤放出アクションの間に用量設定位置にある近位ボタン位置と、前記薬剤放出アクションの間に投与終了位置にある遠位ボタン位置との間で前記ハウジング(2)に対して軸方向に移動可能であり、a)前記近位ボタン位置から前記遠位ボタン位置への注入ボタン(53)の移動が、前記近位クラッチ位置から前記遠位クラッチ位置への前記クラッチ部材(20)の移動を引き起こし、b)前記遠位ボタン位置から前記近位ボタン位置への前記注入ボタン(53)の移動が、前記遠位クラッチ位置から前記近位クラッチ位置への前記クラッチ部材(20)の移動を引き起こすように、前記クラッチ部材(20)に対して軸方向にロックされる注入ボタン(53)と、
・前記注入ボタン(53)の内部表面と前記用量設定要素(30)との間で作用するように配置された圧縮ばね(40)と、をさらに含み、
前記用量設定機構が、前記圧縮ばね(40)の力に反して前記用量設定操作部(50)の回転方向における位置を保持できる操作部保持機構をさらに備え、請求項5に記載の注射装置。
【請求項7】
前記第二のタイプの表示の更新が、前記現在の設定用量のサイズの表示のフリーズを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の注射装置。
【請求項8】
前記第二のタイプの表示の更新が、前記現在の設定用量のサイズの以前に表示された表示に対し、前記現在の設定用量のサイズの表示の形態、位置および/または色の変化を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の注射装置。
【請求項9】
前記第二のタイプの表示の更新が、前記表示器(81)上に無効な記号を表示させることを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の注射装置。
【請求項10】
前記第二のタイプの表示の更新が、表示と非表示とに交互に切り換わるインジケータを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の注射装置。
【請求項11】
前記電子手段(82、90、91、92、95)が、前記用量設定機構の用量減少動作の間に、前記現在の設定用量が、前記現在の残りの用量未満であるとき、前記表示(81)の前記第一のタイプの表示の更新を提供するようにさらに構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の注射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、対象に医薬品を投与するための装置、より具体的には、薬剤リザーバからの一回または複数の薬剤の投与を設定しおよび放出することができる注射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病ケアにおいて、従来型バイアルおよびシリンジシステムを使用して実施されるセグメント非経口薬剤投与は、ペン式注射装置を使用した投与によってますます置き換えられている。ペン式注射装置は、特定の用量を一つのリザーバ(バイアル)から別のリザーバ(シリンジ)へ手動で移動する必要なしに、ユーザが事前に充填された薬剤リザーバから用量の注射を実施できるという点で特に都合が良い。
【0003】
主に、二種類のペン式注射装置が利用できる。耐久性のある注射装置は、使用前に装置に装填し、使い果たした後に交換できる、予め充填された薬剤カートリッジから一用量以上の薬剤を送達できる。使い捨て注射装置は、事前に充填された非交換式の薬剤カートリッジから薬剤の一回または複数の用量を送達することができる。これらのタイプのペン式注射装置のそれぞれは、例えば、以下のような様々なサブタイプで実現されるか、または原則として実現され得る。薬剤カートリッジから一回の投与のみを送達するように適合されたシングルショット装置、薬剤カートリッジから複数の用量を送達できるマルチショット装置、ユーザが注射に必要な力を提供する手動装置、注入の機会に解放可能な組み込みエネルギー源を有する自動装置、所定の用量の薬剤を送達するように適合された固定用量装置、ユーザが設定可能なさまざまな用量の薬剤の送達を提供する可変用量装置などである。
【0004】
ラベルは、耐久性のある注射装置が、複数の薬剤カートリッジが使い果たされおよび交換される相当な期間にわたって使用することを意図しており、一方で、使い捨て注射装置が、その専用薬剤カートリッジが使い果たされるまで使用することが意図されており、その後、注射装置全体が廃棄されることを提案する。
【0005】
マルチショット装置は、固定用量タイプまたは可変用量タイプであり得、そのような装置の薬剤放出機構は機械的であり、すなわち、手動装置またはばね駆動装置のように、ピストンロッドの動きが機械的に制御される、または電気的であり、すなわち、電気モーター駆動装置のように、ピストンロッドの動きが電子的に制御される。
【0006】
特定のマルチショット装置の価値ある機能は、いわゆる内容物終了機構であり、これは薬剤カートリッジ内に残留する薬剤の量を超えるサイズの用量をユーザが設定することを防止する。それにより、ユーザは偶発的に不十分な用量となることが防止され、結果として潜在的に危険な状況に陥ることが防止される。
【0007】
国際公開第01/19434号(Novo Nordisk A/S)は、異なるタイプの注射装置に対する内容物終了機構のそれぞれの実施例を開示しており、ここでトラック追従形状は用量設定中のトラックに従うように適合され、トラックの長さが使用薬剤カートリッジから放出される薬剤の総量と相関している。用量設定は、ハウジングに対する用量設定部材の回転によって実施され、また用量設定部材とトラック追従形状の間の機械的連結は、用量設定部材の回転の程度がトラックに沿ったトラック追従形状の走行と相関することを確実にする。トラック追従形状がトラックの末端に達すると、用量設定部材は停止し、触覚的なフィードバックが生成され、用量設定限界に達することをユーザに示す。
【0008】
このような解決策の一つの潜在的問題は、ユーザが用量設定部材のさらなる回転の抵抗が、内容物終了機構によるものであることを理解しない場合、ユーザは障害物を克服する期待のもと、用量設定部材のトルクを増加させることができ、装置内の一つ以上の構成要素の破損を引き起こしうることである。これを防止するために、装置は、十分に堅牢に作られているおよび/またはオーバートルク保護機構(例えば、スリップ結合の形態)を設ける必要がある。前者は装置のサイズに不可欠に追加される一方、後者は追加的な機械的構造を必要とし、これは製造費用を追加する。
【0009】
本明細書において、装置のサイズおよび/または製造コストに大きく追加しない注射装置用の内容物終了機構を考案することが望ましい。
【発明の概要】
【0010】
従来の技術の少なくとも一つの欠点を除去または減少させること、または従来技術の解決に有用な代替案を提供することが、本発明の目的である。
【0011】
特に、本発明の目的は、大量の用量設定トルクに抵抗またはそれを管理する必要のない、内容物終了機構を有する注射装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、スリムな装置設計を可能にする内容物終了機構を有する注射装置を提供することである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、少数の機械的構成要素を使用することによって実現されうる内容物終了機構を有する注射装置を提供することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、設定されおよび注入用量の電気的検出を提供するコスト効果の高い注射装置のための内容物終了機構を提供することである。
【0015】
本発明の開示では、上記の一つまたは複数の目的に対処する、および/または、以下の文章から明らかである目的に対処する態様および実施形態が記載される。
【0016】
したがって、第一の態様では、本発明は請求項1に記載の薬剤注射装置を提供する。
【0017】
それによって、設定用量を電子的に登録し、かつ本薬剤カートリッジから用量を放出することができるタイプの注射装置が提供される。注射装置は、主軸に沿って伸びるハウジングと、放出される用量を設定するように動作可能な用量設定機構と、現在の設定用量のサイズを示す表示器と、ハウジングに対して第一の位置から第二の位置まで移動して選択された用量の放出を引き起こすように構成されたピストンロッドを含む用量放出機構とを含む。ピストンロッドは、ハウジングに対して、初期の使用前位置から最終端停止位置まで可動であり、所定の総用量の累積放出を引き起こす。すなわち、最初の薬剤放出アクション中、ピストンロッドは、ハウジングに対して初期の使用前位置から、最初の放出される用量のサイズによって決定される用量送達位置まで移動する。二回目の薬剤放出アクション中、ピストンロッドは、二回目の設定用量のサイズに応じて、ハウジングに対してさらに移動する。最後の薬剤放出アクション中、ピストンロッドは最終端停止位置に到達し、ピストンロッドが薬剤放出方向にさらに移動することを物理的に防止する。これらの複数の薬剤放出アクションの原因で、初期の使用前位置から最終端停止位置までのピストンロッドの事前定義された累積運動と関連する、蓄積された薬剤の量は、本薬剤カートリッジから送達される。初期の使用前位置は、ピストンロッドがハウジング内に配置されている時に製造中に予め決められる。
【0018】
注射装置はさらに、例えば処理手段とメモリ手段を含む、電子手段をさらに含む。電子手段は、以下を実施するよう構成される。a)用量設定機構の用量変更動作に応じて、現在の設定用量のサイズの表示に第一のタイプの更新を提供するように表示器に促す。b)登録された放出された用量から現在の累積用量を計算し、それにより、注射装置から放出された薬剤の総量の更新された値を提供する。c)現在の累積用量と所定の総用量を比較することにより、現在の残りの用量を決定する。d)用量設定機構の用量増加動作中に現在の設定用量が現在の残りの用量を超える場合、現在の設定用量のサイズの表示に第二のタイプの更新を提供するよう表示器を促す。ここで、第二のタイプの更新は第一のタイプの更新とは異なる。
【0019】
ピストンロッドは、近位ピストンロッド端と遠位ピストンロッド端との間に伸張し、投与トラックを備え、注射装置はさらに、ハウジングに対して固定され、投与トラックを用量放出中に走行するよう適合された投与トラック追従体を備える。投与トラック追従体は、例えば、ハウジングの一部を形成するか、またはハウジングに対して軸方向および回転的に固定された要素の一部を形成しうる。
【0020】
最終端停止位置は、近位ピストンロッド端と遠位ピストンロッド端との間の投与トラックの、終端などの、トラック端構成によって画定される。それによって、ピストンロッドは、投与トラック追従体が投与トラックのトラック端構成に達した時に、ハウジングに対してさらなる軸方向移動することから物理的に防止される。トラック端構成は、ピストンロッドに沿った特定の位置に配置され、投与トラック内またはその上の所定の使用前位置から、トラック端構成までの投与トラック追従体の蓄積された移動を、所定の総用量の放出と相関させる。
【0021】
注射装置は、製造元から供給された時の薬剤カートリッジを含んでもよく、または例えば、ユーザによって提供される薬剤カートリッジを受けるための手段を含んでもよい。薬剤カートリッジは、ピストンによって一端で、かつ貫通可能な隔壁によって他方の端で閉じられている円筒形のカートリッジ本体を含みうる。
【0022】
用量放出機構は、電気モーターベースの用量放出機構よりも安価な解決を提供するよう機械的でありうる。さらに、電子手段および表示器は、プリント電子機器の形態で提供されてもよく、これは比較的安価な方法で実現および適用されて、費用対効果の高い端末製品を可能にしうる。
【0023】
上記のタイプの注射装置で、登録された放出用量から現在の累積用量を計算することにより、処理手段は、薬剤カートリッジから放出された薬剤の総量を追跡する。現在の累積用量と事前にプログラムされた目標用量である所定の総用量に基づいて、現在の残りの用量を繰り返し決定することにより、電子手段は、用量設定アクション中に、ユーザが、現在の残りの用量を超える用量を設定するように用量設定機構を操作するとすぐに応答することができる。
【0024】
こうした注射装置は、用量設定機構の機械的停止インターフェースに依存する必要なしに、ユーザに用量設定限界を警告することができる。表示器には、残りの用量を超える用量が設定されているという情報が表示される。ユーザがこの情報を無視して、とにかく薬剤放出アクションを実行することを選択しても実際に放出される薬剤の用量は、薬剤カートリッジから送達可能な所定の総用量と相関する用量放出機構内の組み込まれた機械的停止のため、表示器に示される用量を超えない。
【0025】
従って、電子的な内容物終了表示のみに依存することにより、大きなトルクを取り扱うことができる用量設定機構の要件が余分なものとされ、ポケット、小さなハンドバッグ、または同様なものにフィットするほっそりした魅力的装置のデザインおよび/または少ない機械的部品を有する端末製品を可能にする。
【0026】
第一のタイプの更新は、用量設定機構の用量変更動作が用量増加または用量減少動作であるかどうかに応じて、現在の設定用量のサイズの増加または減少を含みうる。例えば、第一のタイプの更新には、以下の場合に、現在表示されている番号を一単位高い最初の新しい番号に置き換えることが含まれる。用量設定機構を動作して、現在の設定用量を一単位増やし、現在表示されている数値を一単位低い二番目の新しい数値に置き換える場合、現在の設定用量を一単位減少させるために用量設定機構を動作する場合。
【0027】
第二のタイプの更新は、現在の設定用量のサイズの表示のフリーズ、すなわち、現在の設定用量のサイズの表示の表示器の更新の欠如を含みうる。例えば、表示器が現在の設定用量のサイズを数値として示す場合、現在の設定用量が現在の残りの用量を超える限り、この数値は表示器上に残る。次に、ユーザは投与増加用量設定操作が表示された用量の変化につながらなくなると、気づき、したがって、凍結された数値が残りの放出量を表す事を知る。
【0028】
別の方法として、または追加的に、第二のタイプの更新は、現在の設定用量のサイズの以前に表示された表示に対する現在の設定用量のサイズの形態、位置および/または色の変化を含みうる。以前の表示の更新からのこのような突然の逸脱のいずれかは、用量設定限界を超えたという事実についてユーザに警告する。
【0029】
別の方法として、または追加的に、第二のタイプの更新は、表示器上の通常無効な記号の有効化、すなわち記号が表示器上に突然の現れることを含みうる。
【0030】
別の方法として、または追加的に、第二のタイプの更新は、表示と非表示とに交互に切り換わるインジケータを含む。
【0031】
電子手段は、現在の残りの用量を超える現在の設定用量に応答して触覚、例えば振動、および/または音声信号を提供する手段をさらに含んでもよく、それによって注射装置からの応答を高める。
【0032】
重要なことに、処理手段は、用量設定限界を超えているかどうかにかかわらず、用量設定機構の任意の用量変更動作を検出しうる。したがって、用量設定機構の用量減少動作の間に、現在の設定用量が現在の残りの用量以下であるとき、第一のタイプの更新を提供するよう表示器を促すために、処理手段はさらに構成されうる。
【0033】
それにより、表示器は、現在の設定用量が処理手段によって決定された現在の残りの用量のレベルを下回るや否や、以前と同じ方法で現在の設定用量の減少を示し、ユーザは、最後の薬剤放出アクションの前の任意の時点で現在の残りの用量を確認し、現在の残りの用量を超えない選択可能な用量を設定および放出できる。
【0034】
電子手段は、放出された用量およびそれぞれの以前に登録された用量サイズの最も近く登録された用量サイズを追加することによって、または最も最近計算された蓄積用量に放出用量の最も最近登録された用量サイズを追加することによって、現在の累積用量を計算しうる。
【0035】
電子手段は、所定の総用量から現在の累積用量を減算することによって、現在の残りの用量を決定しうる。これにより、現在の設定用量の値と結果的に直接比較できる値が提供され、ユーザが大きすぎる用量を設定しているかどうかを判断することができる。別の方法として、電子手段は、例えば、現在の累積用量と現在の設定用量との現在の合計を示す値またはレベルと所定の総用量を表す値またはレベルとを比較することにより、実際に現在の残りの用量の値を計算することなく、現在の残りの用量を決定しうる。
【0036】
用量設定機構は、ユーザが動作できる用量設定ボタンおよび、用量設定ボタンに対して回転方向にロックされ、用量設定ボタンの動作と相関するハウジングに対する螺旋動作を受けるように適合された用量設定要素を備えうる。これにより、安価な機械用量設定配置を提供する。
【0037】
ピストンロッドは、主軸に沿って伸張してもよく、用量設定螺旋状トラックをさらに備えてもよく、用量設定要素は、用量設定ボタンの動作に対応する用量設定螺旋状トラックを移動するよう適合された用量設定トラック追従体を備えてもよい。それにより、ピストンロッドに対する用量設定要素の位置は、後続の薬剤放出アクションの間にハウジングに対するピストンロッドの軸方向の移動を画定するために使用されうる。
【0038】
投与トラックは螺旋状であってもよく、用量設定螺旋状トラックおよび投与トラックは逆巻され、および少なくとも部分的に重ね合わされていてもよい。したがって、ピストンロッドは二重ねじであってもよく、薬剤放出アクションを実施するために必要な力を減少させる機械的利点を提供する。
【0039】
用量設定螺旋状トラックは、第一のピッチを有する第一の非戻り止めねじであってもよく、投与トラックは第二のピッチを有する第二の非戻り止めねじであってもよい。本発明の特定の実施形態では、第一のピッチは第二のピッチに等しい。
【0040】
用量設定螺旋状トラックは、近位螺旋状トラック端と遠位螺旋状トラック端との間にピストンロッドの周りに伸張し、投与トラックのトラック端構成は近位螺旋状トラック端の遠位に位置付けられうる。これにより、投与トラック追従体がトラック端構成にある時でも、用量設定螺旋状トラックに沿って用量設定要素の近位移動が許容される。
【0041】
用量放出機構が、ピストンロッドに回転方向にロックされ、クラッチ部材がハウジングに対して回転方向にロックされた近位クラッチ位置と、クラッチ部材がハウジングに対して自由に回転する遠位クラッチ位置との間で、ハウジングに対して、軸方向に移動可能なクラッチ部材と、近位ボタン位置と遠位ボタン位置の間でハウジングに対して軸方向に移動可能であり、a)近位ボタン位置から遠位ボタン位置への注入ボタンの移動は、近位クラッチ位置から遠位クラッチ位置へのクラッチ部材の移動を引き起こし、b)遠位ボタン位置から近位ボタン位置への注入ボタンの移動は、遠位クラッチ位置から近位クラッチ位置へのクラッチ部材の移動を引き起こすように、クラッチ部材に対して軸方向にロックされる注入ボタンと、注入ボタンの内部表面と用量設定要素との間に作用するように配置された圧縮ばねとをさらに含んでもよい。
【0042】
用量設定機構が、用量設定ボタンが閾値レベル未満のトルクに晒された時に、用量設定ボタンをハウジングに対して複数の角度位置の一つに保持できるボタン保持機構をさらに備えてもよい。圧縮ばねが、用量設定ボタンのトルクが閾値レベル未満であることを引き起こす用量設定要素に力を加えるよう寸法づけされてもよい。
【0043】
ダブルねじピストンロッドの使用により達成される機械的利点により、注入ボタンが遠位ボタン位置に移動し、それに応じてクラッチ部材が遠位クラッチ位置に移動したとき、薬剤放出アクションにハウジングに対して用量設定要素を遠位方向に強制するために、単一の比較的弱い圧縮ばねの使用が可能になる。圧縮ばねは、用量設定要素とピストンロッドとの間の第一の非戻り止め式のトレッド接続と、ピストンロッドとクラッチ部材との間の回転ロックにより、ピストンロッドとクラッチ部材が回転するように生じさせる、用量設定要素の並進移動を生じさせる。ピストンロッドは、クラッチ部材に対して軸方向に移動可能であり、ピストンロッドの誘導された回転は、ピストンロッドとハウジングの間の第二の非戻り止めねじ接続によってハウジングに対して螺旋状の前進に変換される。
【0044】
用量設定部材は、薬剤放出アクションの間に、用量設定位置から投与終了位置まで軸方向に移動する。投与終了位置は、例えば、ハウジング内のまたはそれに接続された専用停止表面によって画定されてもよい。また、圧縮ばねは、ユーザが、薬剤放出アクションに続き、用量送達を開始するために注入ボタンにかけられた力を取り除く時、遠位ボタン位置から近位ボタン位置へ注入ボタンを移動させる役割も果たす。したがって、注入ボタンのための別個の戻りばねは必要なく、注射装置の製造コストをさらに低減する。
【0045】
ねじればねの代わりに圧縮ばねを使用してピストンロッドを前進させることができるという事実は、従来のねじればねは、必要なエンドフックのために製造コストが高く、エンドフックは接続する必要のあるそれぞれの構成要素の専用形状と正確に位置合わせする必要があるため、アセンブリプロセスでの取り扱いが面倒なので、注射装置の製造コストをさらに削減する。
【0046】
用量設定ボタンの投与増加用量設定動作の間、用量設定要素は用量設定螺旋状トラックに沿って近位に移動し、それによって圧縮ばねが圧縮される。従って、圧縮ばねは、クラッチ部材が近位クラッチ位置にある時に、ピストンロッドがハウジングに対して回転しないように阻止されるという事実によって、用量設定要素を用量設定螺旋状トラックに沿って遠位に回転させようとする、用量設定要素に対向する力を加える。用量設定要素が用量設定ボタンに関して回転的にロックされるため、用量設定ボタンは、ボタン保持機構が抵抗するのに役立つトルクを経験する。したがって、用量設定ボタンは、例えば、用量設定ボタンの一回転によって設定可能な単位数に対応するハウジングに対して複数の角度位置に安定して位置付けられうる。圧縮ばねによって用量設定要素に加えられる力およびそれによって用量設定ボタンが経験するトルクは、ばねの設計および特性によって影響を受ける。
【0047】
本発明の第二の態様では、薬剤リザーバから所定量の薬剤を送達するための注射装置が提供される。注射装置は、薬剤リザーバまたは薬剤リザーバを受容するための手段と、内部ガイド部材、例えばナット部材を担持するハウジングと、薬剤リザーバまたは受容された薬剤リザーバから薬剤を放出させる、ハウジングに対して変位するように適合されたピストンロッドを含む薬剤放出機構とを含む。トラックを担持するピストンロッドと、トラック追従体を有する内部ガイド部材は、トラックと摺動係合するように構成さる。トラック追従体は、ハウジングに対するピストンロッドの変位中に、トラックを、所定の使用前位置からトラック端構成まで走行することができ、所定の使用前位置からトラック端構成への走行は、所定量の薬剤の送達に対応する。
【0048】
従って、薬剤リザーバから送達される薬剤の総量がピストンロッドとハウジングとの間の単純な機械的係合によって予め画定される、注射装置が提供され、安価で高精度用量送達装置を可能にするる。
【0049】
注射装置は、所定量の薬剤を複数の用量にわたって送達するように適合されてもよく、その場合、トラック追従体は、複数の用量に対応する多数のステップで、所定の使用前位置からトラック端構成までトラックを走行するように適合される。
【0050】
注射装置は、用量放出機構によって放出される用量を設定するために操作可能な、用量設定機構と、用量設定動作、つまり、放出される投与の用量サイズ、を登録するための電子手段と、用量設定機構の動作に応答する現在の設定用量のサイズを示すために適合される表示器をさらに備えてもよい。電子手段は、A)登録された放出された用量の用量サイズから現在の累積用量を決定し、それにより、リザーバまたは受け取ったリザーバから放出された薬剤の総量の更新値を提供し、B)現在の累積用量と薬剤の所定量を比較することにより、現在の残りの用量を決定し、C)用量設定機構の用量増加動作中に、現在の設定用量が現在の残りの用量を超えると、表示器を介してユーザに警告するように、構成されてもよい。
【0051】
電子手段は、現在の設定用量が現在の残りの用量に等しい時点で表示器を凍結することにより、ユーザに警告するように構成されてもよい。例えば、ユーザが、現在の設定用量を現在の残りの用量より低くする用量設定機構の用量減少動作を実行するまで、現在の残りの用量が表示器に表示される。別の方法として、電子手段は、表示装置を点滅させることによって、その上に追加の記号を提供することによって、あるいは類似の方法によって、ユーザに警告するように構成されうる。
【0052】
従って、注射装置は、大きな力またはトークに耐えることができる用量設定機構の機械的停止インターフェースに依存する必要なく、ユーザが薬剤リザーバ内に残された薬剤の量を超える用量を設定していることを、ユーザに安全かつ注意深く知らせることができる。
【0053】
本発明の特定の実施形態では、カートリッジから所定量の薬剤を送達するための注射装置が提供される。注射装置は、カートリッジまたはカートリッジを受け入れるための手段と、突出構造を有する内部ガイド部材を担持するハウジングと、ハウジング内に少なくとも部分的に収容され、カートリッジからまたは受け取ったカートリッジから、薬剤を放出させるために、薬剤放出中にハウジングに対して変位するように適合されたピストンロッドを含む薬剤放出機構とを含む。ピストンロッドは、突出構造と摺動係合するための溝を有する。溝は、制限を構成するブロックされた近位端を含む。突出構造は、ハウジングに対するピストンロッドの変位中に、遠位端部分からブロックされた近位端まで溝を走行するように適合され、走行は所定量の薬剤の送達に対応する。
【0054】
本明細書において、特定の態様または特定の実施形態(例えば、「態様」、「第一の態様」、「一実施形態」、「例示的な実施形態」など)への言及は、それぞれの態様または実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または、特性が、少なくとも本発明のその一態様または実施形態に含まれるか、または固有のものであるが、必ずしも本発明のすべての態様または実施形態であるわけでもそれらに含まれるわけでもないことを、表明する。しかし、本発明に関連して説明した様々な特徴、構造および/または特性の任意の組み合わせが、本明細書に明示的に記載されていない限り、または明確に文脈によって矛盾しない限り、本発明に包含されることが強調される。
【0055】
本明細書で設けられるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えばなど)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにするためのものであり、特にクレームされていない限り、本発明の範囲を制限するものではない。本明細書中のいずれの語句も、特許請求しない任意の要素を本発明の実施に必須であると示すとは解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
以下において、本発明を、図面を参照しながらさらに説明する。
図1図1は、本発明の例示的な実施形態による注射装置の分解図である。
図2図2は、図1の注射装置の斜視図である。
図3図3aおよび3bは、注射装置の一部分の長軸方向の断面図であり、特に注入ボタンの解放前に、送達される最初の用量を設定する直前および最初の用量の送達の直後に状態における注射装置を示す。
図4図4aおよび4bは、別の断面平面の注射装置の一部分の長軸方向の断面図である。
図5図5は、注射装置ハウジングの近位部分の斜視図であり、用量送達検出機構を示す。
図6図6は、注射装置ハウジングの近位部分の近位斜視図である。
図7図7は、注射装置の断面図であり、用量設定検出機構を示す。
図8図8は、注射装置で使用されるピストンロッドの側面図である。
図9図9は、薬剤の放出可能容量全体が薬剤カートリッジから送達された状態における注射装置の一部の長軸方向の断面図である。
【0057】
図面において、同様の構造物は、主として同様の参照番号で識別される。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下の相対的な表現において、“時計回り”および“反時計回り”、“左”および“右”などの相対的な表現が使用される場合、これらは添付した図を参照し、必ずしも使用の実際の状況を参照しない。図示された図は、概略表現であり、そのため、異なる構造の構成と相対的寸法が例示的な目的のみを果たすことを目的としている。
【0059】
図1は、本発明の例示的な実施形態によるペン式注射装置1の分解図である。ペン式注射装置1は、わずかに湾曲した情報表示表面3およびより従来通りに湾曲した対向表面4を有する円筒形ハウジング2を備える。ハウジング2は、その遠位端で開口部5を通して挿入された薬剤を収容するカートリッジ10を含む。カートリッジ10は、その遠位端で貫通可能な自己密閉隔壁11によって、および近位端でスライド可能なピストン15によって(図9参照)、閉じられ、カートリッジホルダ12によりハウジング2内に保持され、一対のスナップアーム14によってハウジング2の近位内部表面にスナップ止めされる。カートリッジホルダ12はさらに針マウント13を有し、それによって注射針単位(図示せず)のための取り付けインターフェースとして機能する。
【0060】
ハウジング2には、カートリッジ内容物の点検のための長軸方向のウィンドウ6が設けられ、用量設定機構および注射機構の両方をさらに収容する。カートリッジ10内の摺動可能なピストン15は、ハウジング2の部分を形成するナット部材17(図3aを参照)を通して螺旋状に前進するように配置された非円形断面の細長い二重ねじピストンロッド60によって変位されるように適合される。ピストンロッド60は、下記にさらに説明するように、設定ナット30によって作動される結果としてピストンワッシャ61を介して摺動可能なピストン15上に圧力を加える。
【0061】
設定ナット30は、外側環状壁31およびピストンロッド60を受ける円形の開口部33を有する内側ナット構造32を有する。内側ナット構造32は、対向する一対のスペーサ脚35によって外側環状壁31から半径方向に分離される。クラッチ20は、設定ナット30の遠位に配置され、かつピストンロッド60と嵌合するための非円形の構成の歯状リム21および中央開口部22を有し、二つの回転インターロックを提供する。クラッチ20は、ハウジング2に回転方向にロックされている、近位用量設定位置とハウジング2について自由に回転する、遠位用量放出位置の間で、ハウジング2内で軸方向に移動可能である。
【0062】
用量ダイヤルノブ50は、ハウジング2内にその近位端から延びる。用量ダイヤルノブ50は、端部ボタン53の操作によってハウジング2の長軸方向軸の周りに回転可能な円筒形の本体51を備える。波型カラー52は、端部ボタン53のすぐ遠位に本体51に設けられている。端部ボタン53は、ハウジング2に対する用量ダイヤルノブ50の遠位移動を制限する役割を果たす本体51よりも大きな直径を有する。いくつかのフック状フィンガー54が、クラッチ20上のフック状スタブ23(図3aを参照)と係合するために本体51の遠位端に設けられ、用量ダイヤルノブ50とクラッチ20との間に軸方向に嵌合する接続を提供する。一対の対向するスロット55は、波型カラー52からフック状フィンガー54へ長軸方向に延びる。各スロット55は、スペーサ脚35のうちの一つを受け取るように適合され、用量ダイヤルノブ50と設定ナット30との間に回転方向にロックされるが、軸方向に自由な接続を提供する。
【0063】
圧縮ばね40は、端部ボタン53の内部表面と設定ナット30の近位表面との間に作用するように配置される。
【0064】
情報表示表面3の中央領域8のハウジング2に関して、いくつかの壁材料が除去され、半径方向に偏向可能な中央のカンチレバーアーム8.1を提供する。情報表示表面3の近位領域9において、より多くの壁材料が除去されて、フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1と、バックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2を提供する。
【0065】
可撓性のラベル80は、情報表示表面3に接着される。ラベル80は、表示器81の形態でプリント電子機器、プロセッサおよびメモリーモジュールを含むチップ82、中央圧電センサ90、第一の近位圧電センサ91、第二の近位圧電センサ92、電池95、およびチップ82を他の電子構成要素と電気的に接続する様々なリード線85を担持する。ラベル80は、中央圧電センサ90が中央のカンチレバーアーム8.1に配置され、第一の近位圧電センサ91が、フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1上に配置され、第二の近位圧電センサ92が、バックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2上に配置されるように、情報表示表面3に取り付けられている。
【0066】
図2は、情報表示表面3に接着されたラベル80を詳述する組み立てた状態のペン式注射装置1を示す。表示器81は、2セグメントの百の桁81.1および二つの7セグメントの十の桁、それぞれ単位桁81.2および81.3を含む16セグメント通電変色性表示器である。表示器81は、チップ82によって制御される範囲[0単位;199単位]の用量数を示すことができる。中央圧電センサ90は、中央のカンチレバーアーム8.1の半径方向の偏向の間に曲げられ、チップ82によって検出される短いピーク信号を結果的に放射する。同様に、第一の近位圧電センサ91は、フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1の半径方向に偏向中に曲げられ、第二の近位圧電センサ92は、バックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2の半径方向に偏向中に曲げられ、各近位圧電センサ91、92は、曲げられたことに応答してチップ82に信号を発する。圧電センサのいずれかからの電圧出力は、チップ82内でプロセッサを目覚めさせるのに十分である。
【0067】
図3aおよび3bは、最初の用量を設定する直前の、および最初の用量の完了した放出の直後の、ペン式注射装置1の(およそ)近位半分の長軸方向の断面図である。図4aは、図3aに示す状態のペン式注射装置1の一部の別の断面平面での長軸方向の断面図であり、および図4bは、図3bに示す状態のペン式注射装置1の一部の別の断面平面での長軸方向の断面図である。
【0068】
したがって、図3aおよび4aは、ペン式注射装置1の用量設定状態の様々な構成要素の相互関係位置を示す。具体的には、用量設定状態では、端部ボタン53が圧縮ばね40によってハウジング2の近位端から軸方向に離間し、フック状フィンガー54とフック状スタブ23との間の境界面が、それに応じてクラッチ20を近位用量設定位置に維持することを、図3aから見ることができる。この位置で、クラッチ20は、歯状リム21とハウジング内に形成されたいくつかの長軸方向のスプライン18(図4aを参照)との間の係合に起因して、ハウジング2に対して回転方向にロックされる。クラッチ20は、ハウジング2の停止表面16によって、この位置を超えてさらなる近位変位から防止される。
【0069】
一方で、図3bおよび4bは、ペン式注射装置1の薬剤放出状態における様々な構成要素の相互関連位置を示し、より具体的には、薬剤放出機構によって実施される薬剤放出アクションの終了での状態で、端部ボタン53はハウジング2に対して押下される(図3bを参照)。用量ダイヤルノブ50のこうした押圧状態では、フック状フィンガー54はクラッチ20を遠位用量放出位置に押し込むことになり、歯状リム21はスプライン18から解放される(図4b参照)ことがわかる。また、薬剤放出アクションの終了時に、設定ナット30の外側環状壁31が、スプライン18のそれぞれの近位端表面によって構成される(図4b参照)ハウジング2の投与終了停止部19に対して置かれる。
【0070】
図5は、薬剤放出アクションの間にクラッチ20と中央のカンチレバーアーム8.1との間の相互作用を図示するための斜視図である。クラッチ20が用量放出位置で回転する時、歯状リム21はハウジング2の内側壁表面に沿って移動し、歯状リム21上の歯が、中央のカンチレバーアーム8.1上の内向きの突起部8.2が通過するとき、中央のカンチレバーアーム8.1が、半径方向外向きに偏向し、クリックを生成する。クラッチ20の角変位は、クラッチ20とピストンロッド60との間の回転のインターロック関係により、放出される薬剤の量と相関し、この実施形態では、中央のカンチレバーアーム8.1のこのようなモドロに偏向が、放出された薬剤の一つの増分単位に対応する。
【0071】
図6は、近位カンチレバーアーム9.1、9.2の内壁部分を示す、ハウジング2の近位端部分の斜視図である。フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1が内向きの突起部9.3を設け、バックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2が別の内向きの突起部9.4を設けていることがわかる。
【0072】
図7は、近位端部分を通るペン式注射装置1の断面図であり、用量設定アクション中に波型カラー52と近位カンチレバーアーム9.1、9.2との間の相互作用を示す。波型カラー52が用量ダイヤルノブ50の一部を形成すると、端部ボタン53の回転によって、波型カラー52の対応する回転が生じる。図7に示された波型カラー52とハウジング2の相対位置では、中央隆起部52.0が内向きの突起部9.3、9.4の間に配置される。一方、中央隆起部52.0のすぐ左にある第一の左隆起部52.1は、内向きの突起部9.3の左側面に隣接して配置され、中央隆起部52.0のすぐ右にある第一の右隆起部52.2は、内向きの突起部9.4の右側面に隣接して配置される。
【0073】
この位置から端部ボタン53を時計回りに回転させると、最初に第一の左隆起部52.1が内向きの突起部9.3を通過し始める。それにより、フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1を偏向させ、その直後に、中央隆起部52.0が内向きの突起部9.4の通過を開始し、それにより、バックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2を偏向させる。
【0074】
逆に、示された位置から端部ボタン53を反時計回りに回転させると、最初に第一の右隆起部52.2が内向きの突起部9.4を通過し始める。それにより、バックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2を偏向させ、その直後に、中央隆起部52.0が内向きの突起部9.3の通過を開始し、それにより、フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1を偏向させる。波型カラー52上の隆起が内向きの突起部9.3、9.4のうちの一つを通過するたびに、クリックが生成される。
【0075】
用量ダイヤルノブ50の角変位は、それぞれのスペーサ脚35とスロット55との間の係合およびナット構造32とピストンロッド60との間のねじ接続により、設定ナット30の軸方向変位と相関しており、それによって送達用の用量セットを決定する。この実施形態で、内向きの突起部9.3、9.4を連続して過ぎる波型カラー52上の二つの隣接する隆起によって引き起こされる近位カンチレバーアーム9.1、9.2の固有の一対の偏位は、一つの増分単位による設定用量の変化に対応する。
【0076】
言い換えれば、例えば、端部ボタン53が図7に示す位置から時計回りに回転した場合第一の左隆起部52.1が内向きの突起部9.3を通過し、続いて、中央隆起部52.0が、内向きの突起部9.4を通過するとき、一単位の用量の変化が起こる。これら二つの隆起部の角度変位は、近位カンチレバーアーム9.1、9.2の第一のフォワード指示の固有の一対の偏位を生成した。端部ボタン53をさらに時計回りに回転させると、第一の左隆起部52.1のすぐ左にある第二の左隆起部52.3が内向きの突起部9.3を通過し、第一の左隆起部52.1が、その後、内向きの突起部9.4を通過したときに、一単位だけ用量の別の変化が生じる。これらの二つの突起の角変位は、近位カンチレバーアーム9.1、9.2などの第二のフォワード指示の固有の一対の偏位を生成した。
【0077】
一方、端部ボタン53が図7に示す位置から反時計回りに回転した場合第一の右隆起部52.2が内向きの突起部9.4を通過し、続いて、中央隆起部52.0が、内向きの突起部9.3を通過するとき、一単位の用量の変化が起こる。これら二つの隆起部の角度変位は、近位カンチレバーアーム9.1、9.2の第一のバックワード指示の固有の一対の偏位を生成した。端部ボタン53をさらに反時計回りに回転させると、第一の右隆起部52.2のすぐ左にある第二の右隆起部52.4が内向きの突起部9.4を通過し、第一の右隆起部52.2が、その後、内向きの突起部9.3を通過したときに、一単位だけ用量の別の変化が生じる。これらの二つの突起の角変位は、近位カンチレバーアーム9.1、9.2などの第二のバックワード指示の固有の一対の偏位を生成した。
【0078】
具体的には、それぞれのフォワード指示の固有の一対の偏位は、一単位だけ設定用量の増加を引き起こし、それぞれのバックワード指示の固有の一対の偏位は、一単位だけ設定用量の減少を引き起こす。
【0079】
図8は、その外部表面上の螺旋状のトラックの構成を詳述するピストンロッド60の側面図である。ピストンロッド60は、ナット部材17内のねじと嵌合する非戻り止め投与ねじ63と、ナット構造32内のねじと嵌合する重なり合う逆巻の非戻り止め用量設定ねじ62を備え、2:1の機械的利点を提供する。
【0080】
非戻り止め用量設定ねじ62は、遠位端部分68から近位端部分69へのピストンロッドの全長にわたって延在する一方、非戻り止め投与ねじ63は、遠位端部分68でのねじ入り口65から、遠位端部分68と近位端部分69との間のねじ端部67まで延在する。したがって、ナット部材17を通るピストンロッド60の螺旋動作は、非戻り止め投与ねじ63の長さによって制限され、およびハウジング2に対するピストンロッド60の実現可能軸方向変位、それによってカートリッジ10内のピストン15の実現可能な軸方向変位が適宜に定義される。
【0081】
図9は、長軸方向の断面図では、カートリッジ10からの非常に最終の薬剤用量の送達後のペン式注射装置1の一部分を示す。ナット部材17内のねじが複数の薬剤放出アクションの後にねじ端部67に達したとき、ピストンロッド60はカートリッジ10に対して完全に進められる。ピストンロッド60はさらに回転することができず、カートリッジ10内のピストン15のさらなる進行を防止する。したがって、これはペン式注射装置1の内容物終了状態を表す。
【0082】
以下では、発明を、本実施形態によるペン式注射装置1の使用に関連して説明する。
【0083】
図2では、ペン式注射装置1は、用量設定状態にあり、端部ボタン53はハウジング2から軸方向に離間している。この状態では、カートリッジ10から送達される用量は、ユーザが端部ボタン53を長軸方向軸の周りを回転させることによって設定される。
【0084】
設定ナット30と用量ダイヤルノブ50の間の回転方向のインターロック関係によりナット構造体32は、ダイヤルアップアクションで端部ボタン53が(ペン式注射装置1の近位端から見て)時計回りに回転すると、ピストンロッド60の非戻り止め用量設定ねじ山62に沿って近位に走行する。用量設定位置のクラッチ20は、ピストンロッド60がハウジング2に対して回転するのを防ぐ。設定ナット30の近位変位は、それによってエネルギーを貯蔵する圧縮ばね40を圧縮する。
【0085】
用量ダイヤルノブ50は、圧縮ばね40が最大使用時圧縮を経験するときであっても、波型カラー52とそれぞれの内向きの突起部9.3、9.4との間の係合によって、ユーザが誘導するトルクが端部ボタン53に対して非存在下で回転することが防止される。早期に伸びる圧縮ばね40によって生じる設定ナット30の意図しない遠位戻り変位がそれによって防止される。したがって、クラッチ20が、ピストンロッド60の回転が防止されているその用量設定位置にある限り、設定ナット30は、ハウジング2に対して並進運動を行うことができず、ユーザがダイヤルダウンアクションで端部ボタン53を反時計回りに回転させた場合、非戻り止め用量設定ねじ山62に沿って螺旋状の遠位運動のみを行うことができる。したがって、圧縮ばね40は、ユーザが用量設定アクションを完了した時に圧縮されたままである。
【0086】
ピストンロッド60の非戻り止め用量設定ねじ山62に沿って移動する設定ナット30に従って、上述のように、波型カラー52の隆起部はそれぞれの内向きの突起部9.3、9.4を通過し、フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1およびバックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2の偏向を引き起こす。フォワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.1の各々の偏向で、第一の近位圧電センサ91が第一のセンサ信号を放射し、バックワード指示の半径方向に偏向可能な近位カンチレバーアーム9.2の各々の偏向で、第二の近位圧電センサ92が第二のセンサ信号を放射する。
【0087】
上記の記載にしたがい、それぞれのフォワード指示の固有の一対の偏向が、第二のセンサ信号が続く第一のセンサ信号からなる、フォワード指示の固有の信号対、SPを促進する。チップ82は、このような前方を表示する固有の信号ペアを登録してすぐ、現在表示される番号に追加される単位の形態の増加によって、表示器81を更新するよう構成されている。
【0088】
それに対応して、上記にしたがい、それぞれのバックワード指示の固有の偏向ペアが、第一のセンサ信号が続く第二のセンサ信号からなる、バックワード指示の固有の信号ペアSPを促し、チップ82は、このようなバックワード指示の固有の信号ペアを登録してすぐ、現在表示される番号から減算される単位の形態の減少によって、表示器81を更新するよう構成されている。したがって、表示器81は、設定用量のリアルタイム電子的表示を提供する。
【0089】
設定用量(図3bを参照)を放出するため、ハウジング2に対する端部ボタン53の押すことによって、フック状フィンガー54がその用量放出位置に遠位にクラッチ20を付勢し、それによって歯状リム21をスプライン18から解放し(図4bを参照)、圧縮ばね40を解放する。そこから保存されたエネルギーは設定ナット30を遠位に押し、ナット構造32の結果的な並進運動が、ピストンロッド60およびクラッチ20を回転させる。したがって、ピストンロッド60は、ピストンワッシャ61がカートリッジ10内でピストン15を進展させるようにする、ナット部材17を通って螺旋状に前進し、それによって、取り付けられた注射針(図示せず)を通して薬剤の設定用量を放出する。
【0090】
薬剤の放出は、外側環状壁31が投与終了停止部19に、ピストンロッド60およびそれによってクラッチ20も回転を停止する地点で、当接するまで続く。薬剤放出アクションの間のクラッチ20の角変位にしたがい、歯状リム21の歯は、内向きの突起部8.2を通過し、上述の通り、中央のカンチレバーアーム8.1の偏位を引き起こす。中央のカンチレバーアーム8.1の各偏位で、中央圧電センサは中央センサ信号S、を放射し、およびチップ82は、そのような中央センサ信号の登録時に現在表示されている数から減算される単位の形態の減少によって、表示器81を更新するよう構成されている。従って、表示器81は、放出される薬剤の用量のリアルタイム電子視覚的表示も提供する。
【0091】
通常進行中の用量送達中に、外側環状壁31が投与終了停止部19に達し、「0」または薬剤放出アクションが終了したことを示すその他の表示が表示される地点で、クラッチ20が回転を停止するまで、表示器81は、投与のカウントダウンを示す。ただし、チップ82は、受信した中央センサ信号の数が、「- -」のように、登録されたフォワード指示の特有の信号ペアの数からバックワード指示の固有の信号ペアを差し引いた数値と等しくない場合、すなわち、ΣS≠ΣSP-ΣSPである場合、表示器81を更新してエラー表示を表示するようにさらに構成される。
【0092】
正常に進行する用量送達(ここで、ΣS=ΣSP-ΣSP))の場合、チップ82は、送達される用量のサイズおよび対応する送達時間を表す値を保存するように構成されている。保存されたデータは、例えば、無線通信リンク(図示せず)を介して外部装置(図示せず)に転送されてもよく、または要求されてもよい。
【0093】
各薬剤放出アクション中に上記から明らかであるように、ピストンロッド60は、送達される用量のサイズに従ってハウジング2に対して螺旋状に移動し、ナット部材17内のねじは、それによって非戻り止め投与ねじ63に一定の距離を走行させる。そのため、複数の薬剤放出アクションの後、ピストンロッド60は、送達された用量の合計と相関するハウジング2に対して蓄積された変位を受ける。それに従って、ナット部材17のねじは、ねじ端部67にますます近づく。
【0094】
チップ82は、各薬剤放出アクションの後、蓄積された用量サイズの合計として現在の累積用量を計算するように構成され、それによってカートリッジ10から送達される薬剤の総量を追跡する。さらに、チップ82は、使用前にカートリッジ10から入手可能な薬剤の総量の情報で予めプログラムされており、使用可能な薬剤の総量からの現在の累積用量の減算として現在の残りの用量を計算するように構成されている。言い換えれば、チップ82は、ペン式注射装置1の寿命中にカートリッジ10内に残された薬剤の量を繰り返し決定し、保存する。
【0095】
カートリッジ10が空に近い状態であり、ユーザが用量ダイヤルノブ50を操作して用量を設定すると、チップ82は表示器81を促して上述のように計数を更新する。しかしながら、用量ダイヤルノブ50の用量増大動作中に、設定用量が突然カートリッジ10内に残る薬剤の量を超えると、チップ82によって決定され、保存されるとき、チップ82は表示器81の更新を停止する。用量ダイヤルノブ50のさらなる用量増加操作は結果として表示器81の変化をもたらさず、送達される残っている薬剤の量の視覚的表示を提供する状態で凍結される。しかしながら、重要なことに、波型カラー52のその後の角変位に起因する近位カンチレバーアーム9.1、9.2の偏位が、視覚的な更新が提供されなくても、登録されることである。したがって、ユーザが設定用量を減少することを決定した場合、チップ82は、設定用量のサイズがカートリッジ10内に残された薬剤の量より低くなると検出し、その結果として再び表示器81を更新する。
【0096】
用量設定動作中、設定ナット30は、本体51の角変位と相関関係して、非戻り止め用量設定ねじ62を走行する。しかしながら、設定ナット30は、設定用量がカートリッジ10内に残された薬剤の量に等しいときは、物理的停止表面を満たさないため、ユーザは、より大きなトルクを用量ダイヤルノブ50に適用することによって、ペン式注射装置1の内部構成要素の破損を引き起こすことができない。内容物終了ユーザインターフェースは、チップ82が情報リレーを完全に管理するので、機械的ではなく電子的である。チップ82は、カートリッジ10から放出されるのにどれだけの量の残留物が残っているかを制御し、こうしてペン式注射装置1は、触覚的停止ではなく、用量設定中に、用量の限度に達したという事実の視覚的表示を提供する。
【0097】
最終的に、ペン式注射装置1の内容物終了状態を最終決定するのは、ピストンロッド60に対する設定ナット30の位置ではなく、ナット部材17に対するピストンロッド60の位置である。したがって、たとえユーザが、表示器81上の投与カウントが停止した後に、用量増加方向に、用量ダイヤルノブ50を回すことにより、カートリッジ10に残っている薬剤の量よりも多い用量を原則的に設定しても、後続の薬剤放出アクション中に送達されるのはカートリッジ10に残っている薬剤の量である。なぜなら、その量がナット部材17のねじ山のねじ端部67への残りの走行と相関しているためである。特に、チップ82は表示器81を用量制限で凍結するので、実際に送達された薬剤量は、表示器81上に示される用量に対応する。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
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図8
図9