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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】棚板支持構造体、什器、什器ユニット
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/02 20060101AFI20231122BHJP
   A47B 87/00 20060101ALI20231122BHJP
   F16B 12/12 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
A47B47/02 B
A47B47/02 C
A47B87/00
F16B12/12 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020010972
(22)【出願日】2020-01-27
(65)【公開番号】P2021115272
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】望月 康晴
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-093172(JP,A)
【文献】特開平08-238131(JP,A)
【文献】特開2007-301216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0134842(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 43/00-45/00
A47B 47/00-47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棚板の側端部を支持可能な棚板支持部と、
前記棚板支持部の底部を支持し、荷重を受ける荷重支持部と、
前記荷重支持部に連結され、前記棚板支持部の奥行方向の両側に立設する一対の支柱部と、
前記棚板支持部の上方において、前記一対の支柱部を連結する支柱連結部と、
前記支柱連結部に前記棚板支持部の頂部を係合させ、前記一対の支柱部の間からの前記棚板支持部の幅方向の倒伏を規制する倒伏規制部と、を備える棚板支持構造体、を備える什器であって、
前記棚板支持構造体として、第1棚板支持構造体と、第2棚板支持構造体と、を前記幅方向に間隔をあけて備えており、
前記荷重支持部は、前記第1棚板支持構造体の前記一対の支柱部と、前記第2棚板支持構造体の前記一対の支柱部との間に架設されており、
前記棚板支持部は、前記什器の前記幅方向の側板であり、前記棚板に対向する側の板面に、前記棚板の側端部を支持するための取付孔が形成されている、ことを特徴とする什器
【請求項2】
前記倒伏規制部は、前記支柱連結部の下面に形成された溝部であり、
前記棚板支持部の頂部には、前記溝部に挿し込み可能な突部が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の什器
【請求項3】
前記倒伏規制部は、前記棚板支持部の頂部に設けられた係合片であり、
前記係合片が、前記支柱連結部に係合している、ことを特徴とする請求項1に記載の什器
【請求項4】
前記第1棚板支持構造体の前記一対の支柱部と、前記第2棚板支持構造体の前記一対の支柱部とを連結する第2支柱連結部を備える、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の什器。
【請求項5】
前記荷重支持部は、前記第1棚板支持構造体の前記一対の支柱部と、前記第2棚板支持構造体の前記一対の支柱部との間に架設された底部枠体を備える、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の什器。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の什器を複数備え、
前記複数の什器の隣り合う什器の間に棚板が架設されている、ことを特徴とする什器ユニット。
【請求項7】
さらに、前記棚板支持構造体を備え、
前記複数の什器の少なくとも1つと前記棚板支持構造体との間に棚板が架設されている、ことを特徴とする請求項6に記載の什器ユニット。
【請求項8】
棚板の側端部を支持可能な棚板支持部と、
前記棚板支持部の底部を支持し、荷重を受ける荷重支持部と、
前記荷重支持部に連結され、前記棚板支持部の奥行方向の両側に立設する一対の支柱部と、
前記棚板支持部の上方において、前記一対の支柱部を連結する支柱連結部と、
前記支柱連結部に前記棚板支持部の頂部を係合させ、前記一対の支柱部の間からの前記棚板支持部の幅方向の倒伏を規制する倒伏規制部と、を備え、
前記倒伏規制部は、前記棚板支持部の頂部に設けられた係合片であり、
前記係合片が、前記支柱連結部に係合している、ことを特徴とする棚板支持構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚板支持構造体、什器、什器ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野に属するものとして、例えば、下記特許文献1に開示される棚枠が公知である。
特許文献1に開示される棚枠は、一対の柱体を連結片で連結固定した複数の支枠を複数並列に配置し、その複数の支枠の間に棚板を横架している。一対の柱体には、高さ方向に複数の取付孔が形成されている。取付孔には、棚板の側端部を支持する取付金具が嵌入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭51-9456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の構成では、棚板を支持するために、柱体に複数の取付孔が形成されているので、柱体自体の強度が低下する。また、柱体は、外観から視認し易く、棚板が配置されない領域の取付孔は、外観体裁を損なわせるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、棚板支持構造体の支柱部に対して棚板を支持する構造の加工を最小限とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る棚板支持構造体は、棚板の側端部を支持可能な棚板支持部と、前記棚板支持部の底部を支持し、荷重を受ける荷重支持部と、前記荷重支持部に連結され、前記棚板支持部の奥行方向の両側に立設する一対の支柱部と、前記棚板支持部の上方において、前記一対の支柱部を連結する支柱連結部と、前記支柱連結部に前記棚板支持部の頂部を係合させ、前記一対の支柱部の間からの前記棚板支持部の幅方向の倒伏を規制する倒伏規制部と、を備える。
【0007】
この構成によれば、棚板の側端部を支持可能な棚板支持部が、その底部において荷重支持部に支持され、その頂部において一対の支柱部を連結する支柱連結部に係合することによって倒伏を規制されるので、棚板支持構造体を構成する支柱部に対して、棚板を支持するための構造(取付孔等)を形成する必要がなくなる。したがって、支柱部の強度を確保し、外観体裁を保つことができる。
【0008】
また、上記棚板支持構造体において、前記倒伏規制部は、前記支柱連結部の下面に形成された溝部であり、前記棚板支持部の頂部には、前記溝部に挿し込み可能な突部が形成されていてもよい。
【0009】
この構成によれば、棚板支持部の頂部に形成された突部が、支柱連結部の下面に形成された溝部に挿し込まれることで棚板支持部の倒伏が規制されるので、別部品を追加することなく、棚板支持部の倒伏を規制することができる。これにより、外観体裁がより良好になる。また、棚板支持部の後付けや、交換も簡便になる。
【0010】
また、上記棚板支持構造体において、前記倒伏規制部は、前記棚板支持部の頂部に設けられた係合片であり、前記係合片が、前記支柱連結部に係合していてもよい。
【0011】
この構成によれば、棚板支持部の頂部に係合片を追加するだけで、棚板支持部や支柱連結部に対して、棚板支持部の倒伏を規制するための構造(突部や溝部等)の加工をすることなく、棚板支持部の倒伏を規制することができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る什器は、先に記載の棚板支持構造体を備える。
【0013】
この構成によれば、支柱部に対して棚板を支持する構造の加工を最小限とすることができるため、支柱部の強度を確保し、外観体裁も良好な什器が得られる。
【0014】
また、上記什器において、前記棚板支持構造体として、第1棚板支持構造体と、第2棚板支持構造体と、を備えており、前記第1棚板支持構造体の前記一対の支柱部と、前記第2棚板支持構造体の前記一対の支柱部とを連結する第2支柱連結部を備えてもよい。
【0015】
この構成によれば、什器が備える2つの棚板支持構造体の一対の支柱部同士が第2支柱連結部を介して連結されているので、上述した一対の支柱部個々の支柱連結部(第1支柱連結部)と、この第2支柱連結部によって枠状の構成となり、剛性が増す。したがって、棚板支持部をより堅牢に支持することができる。
【0016】
また、上記什器において、前記棚板支持構造体として、第1棚板支持構造体と、第2棚板支持構造体と、を備えており、前記第1棚板支持構造体の前記一対の支柱部と、前記第2棚板支持構造体の前記一対の支柱部との間に架設された底部枠体を備え、前記第1棚板支持構造体の前記荷重支持部と、前記第2棚板支持構造体の前記荷重支持部が、前記底部枠体の一部を形成していてもよい。
【0017】
この構成によれば、荷重を受ける荷重支持部が、什器の底部において4本の支柱部の間に架設される底部枠体(ベース部材)となるので、底部枠体により連結された什器の剛性が増す。したがって、棚板支持部をより堅牢に支持することができる。
【0018】
また、本発明の一態様に係る什器ユニットは、先に記載の什器を複数備え、前記複数の什器の隣り合う什器の間に棚板が架設されている。
【0019】
この構成によれば、棚板支持構造体を備える什器が複数並び、その間に棚板が架設される。換言すれば、2つの棚板によって1つの什器が共有されている。したがって、什器の設置台数を増やさずに複数の棚板を架設できるというメリットがある。
【0020】
また、上記什器ユニットにおいて、さらに、先に記載の棚板支持構造体を備え、前記複数の什器の少なくとも1つと前記棚板支持構造体との間に棚板が架設されていてもよい。
【0021】
この構成によれば、什器ユニットのエンドプレート等として単体の棚板支持構造体を使用することにより、什器ユニットのエンドに上述した什器を設置する必要がなくなる。したがって、什器の設置台数を増やさずに、さらに棚板を架設できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、棚板支持構造体の支柱部に対して棚板を支持する構造の加工を最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態における什器ユニットの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態における什器ユニットの右端側の分解斜視図である。
図3図2における矢視I-I断面図である。
図4】本発明の一実施形態における底部枠体の斜視図である。
図5】本発明の一実施形態における底部枠体の部分破断平面図である。
図6】本発明の一実施形態における棚板支持構造体の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態における什器ユニット1の斜視図である。
図1に示すように、什器ユニット1は、単体の棚板支持構造体2と、2つの棚板支持構造体2(第1棚板支持構造体2A及び第2棚板支持構造体2B)を備える複数の什器3(基礎什器)と、棚板支持構造体2と什器3との間、及び什器3同士の間に架設された複数の棚板4と、を備えている。
【0025】
以下の説明においては、什器ユニット1が設置された床面の法線方向を上下方向(矢印UPが上方)とし、上下方向に直交する方向をそれぞれ前後方向(矢印FRが前方)及び左右方向(矢印LHが左側)とする。つまり、什器ユニット1の奥行き方向は前後方向とし、幅方向は左右方向とし、高さ方向は上下方向とする。
【0026】
複数の什器3は、左右方向に間隔をあけて並んでいる。単体の棚板支持構造体2は、左右方向に並ぶ複数の什器3の右端(エンド)に同ピッチで配置されている。すなわち、図1に示す什器ユニット1においては、右端が単体の棚板支持構造体2によって形成され、左端(もう一つのエンド)が什器3によって形成されている。なお、什器ユニット1の左右両端を什器3若しくは単体の棚板支持構造体2によって形成しても構わない。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態における什器ユニット1の右端側の分解斜視図である。図3は、図2における矢視I-I断面図である。
図2に示すように、棚板4は、複数の棚板構成部材から形成されている。図2に示す例では、棚板構成部材は、下から順に、下部連結フレーム41、L字板42、中間連結フレーム43、固定棚44、可動棚45、上部連結フレーム46、及び、天板47を備えている。これら棚板構成部材は、例えば、木、ガラス又は金属等の材料で形成されている。
【0028】
下部連結フレーム41は、棚板支持構造体2と什器3の下部を連結する。L字板42は、下部連結フレーム41に支持されている。中間連結フレーム43は、L字板42の頂部に接続されると共に、棚板支持構造体2と什器3の中間部を連結する。固定棚44は、中間連結フレーム43に支持されている。
【0029】
可動棚45は、固定棚44より上方において、棚板支持構造体2と什器3に支持されている。具体的には、後述する棚板支持部5に設けられた取付孔51に、選択的に挿し込まれた図示しない小片(所謂ダボ)に支持されている。上部連結フレーム46は、棚板支持構造体2と什器3の上部を連結する。天板47は、上部連結フレーム46に支持されている。
【0030】
棚板支持構造体2は、上述した棚板4の側端部を支持可能な棚板支持部5と、棚板支持部5を支持し、荷重を受ける荷重支持部6と、荷重支持部6に連結され、棚板支持部5の前後方向の両側に立設する一対の支柱部7と、棚板支持部5の上方において、一対の支柱部7を連結する支柱連結部8と、を備えている。
【0031】
棚板支持部5は、長手方向を上下方向とする矩形の側板である。なお、棚板支持部5(側板)の短手方向は前後方向であり、厚み方向は左右方向である。棚板支持部5の左右方向を向く板面のうち、棚板4に対向する側の板面には、棚板4の左右方向の側端部を支持するための取付孔51が複数形成されている。
【0032】
荷重支持部6は、図3に示すように、断面視コの字(あるいは横向きのUの字)状に形成されている強度部材であり、前後方向に延び、棚板支持部5の底部5aを支持している。荷重支持部6は、例えば、金属等の材料で形成されている。棚板支持部5の底部5aを支持する荷重支持部6の上面には、貫通孔6aが形成されている。貫通孔6aには、下方から固定ボルト6bが挿通される。固定ボルト6bは、棚板支持部5の底部5aに形成された孔部53に螺合し、棚板支持部5の底部5aと荷重支持部6の上面とを固定する。
【0033】
図2に戻り、一対の支柱部7は、前後方向に間隔をあけて配置され、荷重支持部6の前後方向の両端に連結されている。一対の支柱部7は、上下方向に平行に延び、棚板支持部5の前後方向の両側に立設している。換言すると、一対の支柱部7は、棚板支持部5の長手方向に延びる両側端に沿って配置されている。一対の支柱部7は、平断面視四角形の角パイプ状に形成されている。一対の支柱部7は、例えば、金属等の材料で形成されている。
【0034】
支柱連結部8は、前後方向に延び、一対の支柱部7の頂部同士を連結している。支柱連結部8も、図3に示すように、断面視四角形の角パイプ状に形成されている。支柱連結部8も、例えば、金属等の材料で形成されている。支柱連結部8の下面には、前後方向に延びる溝部8aが形成されている。溝部8aは、上方に窪む凹形状を有する。この溝部8aには、棚板支持部5の頂部5bに設けられた突部52が挿し込まれる。突部52は、上方に突出する凸形状を有する。
【0035】
溝部8aは、支柱連結部8に棚板支持部5の頂部5bを係合させ、一対の支柱部7の間からの棚板支持部5の左右方向の倒伏を規制する(倒伏規制部)。溝部8aは、棚板支持部5に棚板4等から荷重がかかったとしても、突部52の左右方向の移動(抜け)を規制する。これにより、棚板支持部5の左右方向(什器3側(什器ユニット1の内側)、什器3と反対側(什器ユニット1の外側))への倒伏が規制される。
【0036】
図2に示すように、什器3は、上述した棚板支持構造体2を左右両側に備えている。什器3の右側に配置された第1棚板支持構造体2Aと、什器3の左側に配置された第2棚板支持構造体2Bは、什器3の底部と頂部で連結されている。什器3の底部には、底部枠体60が設けられている。底部枠体60は、底板9を支持している。第1棚板支持構造体2Aの荷重支持部6と、第2棚板支持構造体2Bの荷重支持部6は、底部枠体60の一部を形成している。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態における底部枠体60の斜視図である。図5は、本発明の一実施形態における底部枠体60の部分破断平面図である。なお、図4及び図5において、視認性の向上のため、底板9は取り外している。
底部枠体60は、4本の支柱部7の下端に設けられ、4本の支柱部7を連結する。底部枠体60は、左右方向に延びる一対の第1フレーム61と、前後方向に延びる一対の第2フレーム62(荷重支持部6)と、補強部材63と、を備える。一対の第1フレーム61は前後方向で互いに対向する位置に配置され、一対の第2フレーム62は左右方向で互いに対向する位置に配置されている。底部枠体60は、金属等の材料で形成されている。
【0038】
第1フレーム61は、図4に示すように、第1接続部61cと、第1支持部61sと、第1補強部材接続部61bと、を備える。第1フレーム61は、支柱部7の軸方向(上下方向)を含む面内で支柱に加わる捻じれに対して支柱部を支持する。
【0039】
第1支持部61sは、第1接続部61cを介して支柱部7に接続され、支柱部7を支持する。第1支持部61sは、板状の形状を有し、内面61Iと、内面61Iと反対側の外面61Oと、を有する。内面61Iは、支柱部7と第1フレーム61と第2フレーム62とで囲まれた空間Aに対向し、内側を向いている。
【0040】
第1支持部61sは、長手方向が支柱部7の軸方向と直交する第1方向D1に延び、短手方向が支柱部7の軸方向と平行となるように設けられる。本実施形態では、第1方向D1は左右方向に平行である。なお、第1支持部61sは、短手方向が支柱部7の軸方向と直交する第1方向D1に延び、長手方向が支柱部7の軸方向と平行であってもよい。
【0041】
第1接続部61cは、支柱部7と接続されることにより、支柱部7と第1フレーム61とを接続する。第1接続部61cは、板状の形状を有しており、第1支持部61sの内面61I側に突出している。第1接続部61cは、長手方向が支柱部7の軸方向と平行になるように支柱部7に接続される。第1接続部61cは、その板面が左右方向に並んだ支柱部7の向い合う側面と対向するように支柱部7に接続される。
【0042】
第1補強部材接続部61bは、第1支持部61sの下端に設けられ、内面61Iから空間Aに向けて突出している。第1補強部材接続部61bは、板状の形状を有しており、厚み方向同士が直交し、長手方向同士が平行となるように第1支持部61sに接続される。
第1補強部材接続部61bは、支柱部7よりも内側に突出する突出部61pを有する。
【0043】
第2フレーム62は、第2接続部62cと、第2支持部62sと、第2補強部材接続部62bと、を備える。第2フレーム62は、支柱部7の軸方向を含む面内で支柱に加わる捻じれに対して支柱を支持する。
【0044】
第2支持部62sは、第2接続部62cを介して支柱部7に接続され、支柱部7を支持する。第2支持部62sは、板状の形状を有し、内面62Iと、内面62Iと反対側の外面62Oと、を有する。内面62Iは、支柱部7と第1フレーム61と第2フレーム62とで囲まれた空間Aに対向し、内側を向いている。
【0045】
第2支持部62sは、長手方向が支柱部7の軸方向と直交し第1方向D1と異なる第2方向D2に延び、短手方向が支柱部7の軸方向と平行となるように設けられる。本実施形態では、第2方向D2は前後方向に平行である。なお、第2支持部62sは、短手方向が支柱部7の軸方向と直交する第2方向D2に延び、長手方向が支柱部7の軸方向と平行であってもよい。
【0046】
第2接続部62cは、支柱部7と接続されることにより、支柱部7と第2フレーム62とを接続する。第2接続部62cは、板状の形状を有しており、第2支持部62sの内面62I側に突出している。第2接続部62cは、長手方向が支柱部7の軸方向と平行になるように支柱部7に接続される。第2接続部62cは、その板面が前後方向に並んだ支柱部7の向い合う側面と対向するように支柱部7に接続される。
【0047】
第2補強部材接続部62bは、第2支持部62sの下端に設けられ、内面62Iから空間Aに向けて突出している。第2補強部材接続部62bは、板状の形状を有しており、厚み方向同士が直交し、長手方向同士が平行となるように第2支持部62sに接続される。
【0048】
第1補強部材接続部61bの突出部61pと第2補強部材接続部62bとは互いに対向するように設けられる。第1補強部材接続部61bと第2補強部材接続部62bとは同程度の厚みに形成される。
【0049】
補強部材63は、第1フレーム61と第2フレーム62とを接続して一体化させ、支柱部7に加わる支柱部7の軸まわりの捻じれに対して支柱部7を支持する。補強部材63は、第1補強部材接続部61bと、第2補強部材接続部62bとに接続される。補強部材63は、L字型の板状の形状を有している。
【0050】
補強部材63は、図5に示すように、横部63aと、縦部63bと、を有する。横部63aは、支柱部7の近傍で、第1補強部材接続部61bの突出部61pの上面に、左右方向に沿って設けられる。縦部63bは、支柱部7の近傍で、第2補強部材接続部62bの上面に、前後方向に沿って設けられる。そのため、補強部材63の接続面63cに第1補強部材接続部61bと第2補強部材接続部62bとが接続される。
【0051】
本実施形態では、什器3の設置現場での組立て作業の効率化のため、横部63aは第1補強部材接続部61bに溶接されている。縦部63bは、例えばビス等で第2補強部材接続部62bに接続されている。
【0052】
本実施形態における什器3は、第1フレーム61と第2フレーム62とにより、支柱部7が軸方向と直交する第1方向D1と第2方向D2との2つの方向に対して支持されることで、支柱部7の軸方向を含む面内で支柱部7に加わる捻じれに対して支柱部7が支持され補強される。また、補強部材63により、第1フレーム61と第2フレーム62とが連結されることで、互いの相対位置が維持され一体化し、支柱部7に加わる支柱部7の軸まわりの捻じれに対して支柱部7が第1フレーム61と第2フレーム62とにより支持され補強される。さらに、第1接続部61c、第2接続部62c及び補強部材63が第1支持部61sの内面61I側及び第2支持部62sの内面62I側に配置されるため、什器3の美観が損なわれない。
【0053】
図2に戻り、什器3の頂部には、頂部枠体80が設けられている。頂部枠体80の内側には、プランターボックスなどの箱体10が支持されている。また、箱体10の前側(及び後側)には、幕板11が架設されている。第1棚板支持構造体2Aの支柱連結部8と、第2棚板支持構造体2Bの支柱連結部8は、頂部枠体80の一部を形成している。
【0054】
頂部枠体80は、前後方向に延びる2本の支柱連結部8(第1支柱連結部ともいう)と、左右方向に延びる2本の第2支柱連結部81によって形成されている。第2支柱連結部81は、第1棚板支持構造体2Aの一対の支柱部7と、第2棚板支持構造体2Bの一対の支柱部7とを左右方向で連結している。第2支柱連結部81は、支柱連結部8と同様の断面視四角形の角パイプ状に形成されている。第2支柱連結部81も、例えば、金属等の材料で形成されている。
【0055】
上記構成の棚板支持構造体2によれば、図3に示すように、棚板4の側端部を支持可能な棚板支持部5が、その底部5aにおいて荷重支持部6に支持され、その頂部5bにおいて一対の支柱部7を連結する支柱連結部8に係合することによって倒伏を規制されるので、棚板支持構造体2を構成する支柱部7に対して、棚板4を支持するための構造(取付孔等)を形成する必要がなくなる。したがって、支柱部7の強度を確保し、外観体裁を保つことができる(図1参照)。
【0056】
このように、上述した本実施形態によれば、棚板4の側端部を支持可能な棚板支持部5と、棚板支持部5の底部5aを支持し、荷重を受ける荷重支持部6と、荷重支持部6に連結され、棚板支持部5の前後方向(奥行き方向)の両側に立設する一対の支柱部7と、棚板支持部5の上方において、一対の支柱部7を連結する支柱連結部8と、支柱連結部8に棚板支持部5の頂部5bを係合させ、一対の支柱部7の間からの棚板支持部5の左右方向(幅方向)の倒伏を規制する倒伏規制部(溝部8a)と、を備える、という構成を採用することによって、棚板支持構造体2の支柱部7に対して棚板4を支持する構造の加工を最小限とすることができる。
【0057】
また、本実施形態の倒伏規制部は、図3に示すように、支柱連結部8の下面に形成された溝部8aであり、棚板支持部5の頂部5bには、溝部8aに挿し込み可能な突部52が形成されている。この構成によれば、棚板支持部5の頂部5bに形成された突部52が、支柱連結部8の下面に形成された溝部8aに挿し込まれることで棚板支持部5の倒伏が規制されるので、別部品を追加することなく、棚板支持部5の倒伏を規制することができる。これにより、外観体裁がより良好になる。また、棚板支持部5の後付けや、交換も簡便になる。
【0058】
また、本実施形態の棚板支持構造体2を備える什器3は、支柱部7に対して棚板4を支持する構造の加工を最小限とすることができるため、支柱部7の強度を確保し、外観体裁も良好になる。
【0059】
また、本実施形態の什器3は、図2に示すように、棚板支持構造体2として、第1棚板支持構造体2Aと、第2棚板支持構造体2Bと、を備えており、第1棚板支持構造体2Aの一対の支柱部7と、第2棚板支持構造体2Bの一対の支柱部7とを連結する第2支柱連結部81を備えている。この構成によれば、什器3が備える2つの棚板支持構造体2の一対の支柱部7同士が第2支柱連結部81を介して連結されているので、一対の支柱部7の個々の支柱連結部8(第1支柱連結部)と、この第2支柱連結部81によって枠状の構成となり、剛性が増す。したがって、棚板支持部5をより堅牢に支持することができる。
【0060】
また、本実施形態の什器3は、第1棚板支持構造体2Aの一対の支柱部7と、第2棚板支持構造体2Bの一対の支柱部7との間に架設された底部枠体60を備え、第1棚板支持構造体2Aの荷重支持部6と、第2棚板支持構造体2Bの荷重支持部6が、底部枠体60の一部(第2フレーム62)を形成している。この構成によれば、荷重を受ける荷重支持部6が、什器3の底部において4本の支柱部7の間に架設される底部枠体60(ベース部材)となるので、底部枠体60により連結された什器3の剛性が増す。したがって、棚板支持部5をより堅牢に支持することができる。
【0061】
また、本実施形態に係る什器ユニット1は、図1に示すように、上記什器3を複数備え、複数の什器3の隣り合う什器3の間に棚板4が架設されている。この構成によれば、棚板支持構造体2を備える什器3が複数並び、その間に棚板4が架設される。換言すれば、2つの棚板4によって1つの什器3が共有されている。したがって、什器3の設置台数を増やさずに複数の棚板4を架設できるというメリットがある。
【0062】
また、本実施形態の什器ユニット1は、さらに、単体の棚板支持構造体2を備え、複数の什器3の少なくとも1つと棚板支持構造体2との間に棚板4が架設されている。この構成によれば、什器ユニット1のエンドプレートとして単体の棚板支持構造体2を使用することにより、什器ユニット1のエンドに上記什器3を設置する必要がなくなる。したがって、什器3の設置台数を増やさずに、さらに棚板4を架設できる。
【0063】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0064】
図6は、本発明の一実施形態における棚板支持構造体2の変形例を示す断面図である。
例えば、図6に示すように、棚板支持部5の頂部5bに係合片57が設けられ、この係合片57が、支柱連結部8に係合していてもよい。つまり、係合片57が、支柱連結部8に棚板支持部5の頂部5bを係合させ、一対の支柱部7の間からの棚板支持部5の倒伏を規制する倒伏規制部となっていても構わない。
【0065】
図6に示す係合片57は、L字に屈曲した金属片であり、皿ネジ56を介して、棚板支持部5の頂部5bに固定されている。棚板支持部5の頂部5bには、皿ネジ56が螺合する孔部55が形成されている。係合片57には、皿ネジ56のヘッド部を配置する座ぐり57aが形成されている。これにより、係合片57と支柱連結部8との隙間を小さくし、外観体裁を良好にすることができる。
【0066】
係合片57は、支柱連結部8の左右方向の一方の側面と対向している。これにより、棚板支持部5の左右方向の一方側への倒伏が規制される。係合片57が棚板支持部5の倒伏を規制する側は、少なくとも什器ユニット1の外側であるとよい。すなわち、什器ユニット1の内側には、棚板4及び什器3などが配置され、これらが什器ユニット1の内側への倒伏を規制するためである。
【0067】
上記構成によれば、棚板支持部5の頂部5bに係合片57を追加するだけで、棚板支持部5や支柱連結部8に対して、棚板支持部5の倒伏を規制するための構造(上述した図3に示す突部52や溝部8a等)の加工をすることなく、棚板支持部5の倒伏を規制することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…什器ユニット、2…棚板支持構造体、2A…第1棚板支持構造体、2B…第2棚板支持構造体、3…什器、4…棚板、5…棚板支持部、5a…底部、5b…頂部、6…荷重支持部、7…支柱部、8…支柱連結部、8a…溝部(倒伏規制部)、52…突部、57…係合片(倒伏規制部)、60…底部枠体、81…第2支柱連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6