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特許7389669繊維用集束剤、繊維束、繊維製品、樹脂組成物及び成形体
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  • 特許-繊維用集束剤、繊維束、繊維製品、樹脂組成物及び成形体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】繊維用集束剤、繊維束、繊維製品、樹脂組成物及び成形体
(51)【国際特許分類】
   D06M 15/41 20060101AFI20231122BHJP
   D06M 15/53 20060101ALI20231122BHJP
   B29B 11/16 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
D06M15/41
D06M15/53
B29B11/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020017531
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2020139259
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】P 2019032846
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阪口 幸矢佳
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-209872(JP,A)
【文献】特開平05-033263(JP,A)
【文献】特開2018-040075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M 13/00-15/715
B29B 11/16
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノボラック型フェノール系樹脂(a)のアルキレンオキサイド(b)の付加物(A)を含有する繊維用集束剤であって、前記樹脂(a)がフェノール、m-クレゾール及びp-クレゾールからなる群から選ばれる少なくとも1種のフェノール類とホルムアルデヒドとの縮合物であって、前記付加物(A)におけるノボラック型フェノール系樹脂(a)とアルキレンオキサイド(b)との重量比(a)/(b)が10/90~50/50であり、付加物(A)におけるアルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が4~100であり、付加物(A)が有するポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量がポリアルキレンオキシ基の合計重量に基づいて50~100重量%である繊維用集束剤(B)。
【請求項2】
さらに、水及び/又は有機溶媒を含有する請求項1に記載の繊維用集束剤。
【請求項3】
炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維を、請求項1又は2に記載の繊維用集束剤で処理してなる繊維束。
【請求項4】
請求項3に記載の繊維束からなる繊維製品。
【請求項5】
請求項3に記載の繊維束及び/又は請求項4に記載の繊維製品とマトリックス樹脂とを含む樹脂組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は繊維用集束剤、繊維束、繊維製品、樹脂組成物及び成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの各種繊維と不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂及びエポキシ樹脂等のマトリックス樹脂との複合材料が、建築材料、スポーツ用具、レジャー用品及び航空機等の分野で広く利用されている。これらの繊維は加工工程において毛羽立ちや糸切れを防止するために、通常、集束剤が付与されている。
【0003】
この目的で使用される集束剤としては、例えば、特定のポリエステル樹脂を含有する集束剤(特許文献1)が知られている。
ところで、複合材料の物性向上には、毛羽の観点から繊維束の集束性と、マトリックス樹脂の含浸の観点から繊維束の開繊性とが重要であるため、繊維の取扱い性が良好となる集束性が高く、広い繊維束を形成できる開繊性の高い集束剤が望まれている。しかし、一般にこの集束性と開繊性とは相反する傾向にあることが知られている。
この点で、特許文献1で提案された集束剤は、集束性と開繊性を両立するものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-1954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は繊維束の集束性が高く、かつ開繊性も高い繊維用集束剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、ノボラック型フェノール系樹脂(a)のアルキレンオキサイド(b)の付加物(A)を含有する繊維用集束剤であって、前記付加物(A)におけるノボラック型フェノール系樹脂(a)とアルキレンオキサイド(b)との重量比(a)/(b)が10/90~50/50であり、付加物(A)中のアルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が4~100であり、付加物(A)が有するポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量がポリアルキレンオキシ基の合計重量に基づいて50~100重量%である繊維用集束剤(B);炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維を前記繊維用集束剤で処理してなる繊維束;前記繊維束からなる繊維製品;前記繊維束及び/又は前記繊維製品とマトリックス樹脂とを含む樹脂組成物:前記樹脂組成物を成形してなる成形体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の繊維用集束剤は、繊維束に良好な集束性を付与しながら、開繊工程で広い繊維束を形成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】開繊性の評価における炭素繊維束の配置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の繊維用集束剤(B)は、ノボラック型フェノール系樹脂(a)のアルキレンオキサイド(b)の付加物(A)を含有する繊維用集束剤であって、前記付加物(A)におけるノボラック型フェノール系樹脂(a)とアルキレンオキサイド(b)の重量比(a)/(b)が10/90~50/50であり、付加物(A)中のアルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が4~100であり、付加物(A)が有するポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量がポリアルキレンオキシ基の合計重量に基づいて50~100重量%である。
【0010】
本発明において、ノボラック型フェノール系樹脂(a)は、フェノール類とホルムアルデヒドとの酸触媒下で縮合物である。以下において、フェノール類のノボラック樹脂と表現することがある。
【0011】
フェノール類としては、1価フェノール類[フェノール、炭素数1~12のアルキル基を有する1価フェノール(例えばo-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、キシレノール、p-t-ブチルフェノール、p-t-アミルフェノール、p-t-ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール及びドデシルフェノール等)、及びフェニルフェノール類(例えばo-フェニルフェノール、m-フェニルフェノール及びp-フェニルフェノール等)等]及び2~4価の多価フェノール類(例えばレゾルシン、カテコール及びハイドロキノン等)等が挙げられる。
これらのうち好ましいのは1価フェノール類であり、更に好ましいのはフェノール、m-クレゾール及びp-クレゾールである。
【0012】
ホルムアルデヒドとしては、パラホルムアルデヒド及びホルムアルデヒド水溶液等が挙げられるが、好ましいのはパラホルムアルデヒドである。
【0013】
本発明におけるノボラック型フェノール系樹脂(a)は、例えば前記フェノール類及びホルムアルデヒドを反応容器に仕込み、酸触媒の存在下に反応温度120~160℃で、重縮合反応で生成する水(以下、生成水と略記する。)を反応系外に徐去させながら、又は密閉下で反応させることにより得ることができる。
反応時間は、好ましくは3~20時間である。重縮合反応時の圧力は、生成水を反応系外に除去させながら反応を行う場合は0MPa以下が好ましく、密閉下で反応を行う場合は0.5MPa以下が好ましい。
フェノール類とホルムアルデヒドとの反応モル比(フェノール類:ホルムアルデヒド)は、好ましいのは2:1~6:5であり、更に好ましいのは3:2~4:3である。
酸触媒としては、無機酸(例えば塩酸、硫酸及びリン酸等)、有機酸(例えばシュウ酸、ギ酸、酢酸及びp-トルエンスルホン酸等)の有機酸が挙げられる。酸触媒の添加量は、フェノール化合物の重量に基づき、好ましいのは0.01~1重量%である。
また、金属製反応容器を使用する場合は、反応容器の腐食を抑制するために、次亜リン酸塩(例えば次亜リン酸リチウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸セシウム等)を添加してもよい。次亜リン酸塩の添加量は、酸触媒の重量に基づき、好ましいのは1~75重量%である。
重縮合反応終了後は触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
【0014】
ノボラック型フェノール系樹脂(a)の数平均分子量(以下、Mnと略記する。)は、集束性と開繊性の両立の観点から好ましいのは、200~2,000であり、更に好ましいのは300~1,000である。このようなノボラック型フェノール系樹脂は市販されており、例えば、アイカ工業株式会社製のBRG-556、BRG-557等のBRGシリーズ等が挙げられる。
本発明において、Mnは、ポリスチレンを標準としたゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した値である。
【0015】
本発明において付加物(A)は、上記ノボラック型フェノール系樹脂(a)のアルキレンオキサイド(b)の付加物である。
アルキレンオキサイド(b)としてはエチレンオキサイド(以下、EOと略記することがある)が必須であり、その他にプロピレンオキサイド(以下、POと略記することがある)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記することがある)を併用してもよい。
アルキレンオキサイド(b)の付加形式としては、集束性と開繊性の両立の観点から、好ましくはEO単独、EO/POランダム付加及びEO/POブロック付加である。
【0016】
付加物(A)におけるノボラック型フェノール系樹脂(a)とアルキレンオキサイド(b)の重量比(a)/(b)は、集束性と開繊性の観点から10/90~50/50であり、好ましくは15/85~50/50、さらに好ましくは20/80~50/50である。
重量比(a)/(b)が10/90未満であると開繊性が悪くなり、重量比(a)/(b)が50/50を超えると集束性が悪化する。
【0017】
付加物(A)におけるアルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数は、4~100であり、集束性と開繊性の観点から、好ましくは5~90、さらに好ましくは6~80である。アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が4未満であると集束性が低くなり、100を超えると開繊性が低くなる。
【0018】
付加物(A)において、ノボラック型フェノール系樹脂(a)が有する水酸基1つ当たりのアルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数((b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数)は、集束性の観点から、1.7~17が好ましく、更に好ましくは2.5~12である。
【0019】
付加物(A)におけるポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量がポリアルキレンオキシ基の合計重量に基づいて50~100重量%であり、好ましくは60~100重量%である。エチレンオキシ基の含量が50重量%未満であると、開繊性が低くなる。
【0020】
ノボラック型フェノール系樹脂(a)にアルキレンオキサイド(b)を付加する方法としては、例えば、ノボラック型フェノール系樹脂(a)にアルカリ触媒を加え、減圧下(例えば-0.1~-0.08MPa)、100~180℃で脱水を行い、反応系内の水分を0.1重量%以下とし、不活性気体(窒素等)で反応系内を置換後、アルキレンオキサイド(b)を付加反応させる方法等が挙げられる。
反応温度は100~180℃が好ましく、反応圧力は0.5MPa以下であることが好ましい。反応時間は2~15時間が好ましく、さらに好ましいのは5~12時間である。
アルカリ触媒としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム及び水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;トリメチルアミン及びトリエチルアミン等のアミン類等が挙げられる。これらのうち好ましいのは、アルカリ金属水酸化物であり、更に好ましいのは水酸化カリウムである。
アルカリ触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、重縮合反応時に使用する酸触媒を中和するのに必要な量及びアルキレンオキサイド(b)を付加反応させることができる量を必要とし、(a)及びアルキレンオキサイド(b)の合計重量に基づき、好ましいのは0.01~0.5重量%であり、更に好ましいのは0.05~0.3重量%である。
付加反応終了後は、アルカリ触媒を酸(例えば酢酸、乳酸及びリン酸等)で中和してもよいし、吸着剤{例えばKW-600[協和化学工業(株)製]等}を用いて吸着処理後ろ過してもよい。
【0021】
付加物(A)の具体例としては、1価フェノール類のノボラック樹脂のアルキレンオキサイド(b)4~100モル付加物[例えば、フェノールノボラック樹脂EO4モル付加物、フェノールノボラック樹脂EO10モル付加物、フェノールノボラック樹脂EO15モル付加物、フェノールノボラック樹脂EO30モル付加物、フェノールノボラック樹脂EO50モル付加物、o-クレゾールノボラック樹脂EO20モル付加物、o-クレゾールノボラック樹脂(EO60モル/PO15モル)ランダム付加物、m-クレゾールノボラック樹脂EO15モル付加物、m-クレゾールノボラック樹脂EO30モル付加物、m-クレゾールノボラック樹脂(EO70モル/PO25モル)付加物、p-クレゾールノボラック樹脂EO20モル付加物、キシレノールノボラック樹脂EO25モル付加物、p-t-ブチルフェノールノボラック樹脂EO20モル付加物、p-t-アミルフェノールノボラック樹脂EO20モル付加物、p-t-ヘキシルフェノールノボラック樹脂EO40モル付加物、オクチルフェノールノボラック樹脂EO60モル付加物、ノニルフェノールノボラック樹脂(EO70モル/PO25モル)付加物、ドデシルフェノールノボラック樹脂EO30モル付加物、o-フェニルフェノールノボラック樹脂EO30モル付加物、m-フェニルフェノールノボラック樹脂EO30モル付加物、及びp-フェニルフェノールノボラック樹脂EO30モル付加物等];2~4価の多価フェノール類のノボラック樹脂のアルキレンオキサイド(b)4~100モル付加物(例えば、レゾルシンノボラック樹脂EO4モル付加物、レゾルシンノボラック樹脂EO20モル付加物、レゾルシンノボラック樹脂EO40モル付加物、レゾルシンノボラック樹脂(EO60モル/PO15モル)ランダム付加物、カテコールノボラック樹脂EO10モル付加物、カテコールノボラック樹脂EO20モル付加物及びハイドロキノンノボラック樹脂EO20モル付加物等)等が挙げられる。
なお、(A)としてこれらのうちの2種以上を併用してもよい。
【0022】
本発明の繊維用集束剤は、付加物(A)以外に、溶媒として水及び/又は有機溶媒を含有してもよい。
有機溶媒としては、例えば、炭素数1~4の低級アルコール(メタノール、エタノール及びイソプロパノール等)、炭素数3~6のケトン(アセトン、エチルメチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、炭素数2~6のグリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコール等)、そのモノ低級アルキルエーテル、ジメチルホルムアミド、芳香族炭化水素(トルエン、キシレン)、炭素数3~5の酢酸アルキルエステル(酢酸メチル及び酢酸エチル等)等が挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。
上記溶媒のうち、火気などの安全性等の観点から好ましいのは、水及び水混和性有機溶媒と水との混合溶媒であり、更に好ましいのは水である。
なお、水混和性とは、25℃の水100gに100g以上溶解する性質を意味する。上記のうち、水混和性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0023】
本発明の繊維用集束剤は、コスト等の観点から、流通時は高濃度であって、繊維束の製造時は低濃度であることが好ましい。すなわち、高濃度で流通することで輸送コスト及び保管コスト等を低下させ、低濃度で繊維をサイジング処理することで、優れた集束性と開繊性とを両立した繊維束を製造することができる。
流通時の濃度(溶媒以外の成分の含有割合)は、保存安定性等の観点から、好ましくは30~100重量%であり、更に好ましくは40~100重量%である。
サイジング処理時の濃度(溶媒以外の成分の含有割合)は、繊維束の製造時に繊維用集束剤の付着量を適量にすることができるという観点等から、好ましくは0.5~15重量%であり、更に好ましくは1~10重量%である。
【0024】
水及び/又は有機溶媒を含有した繊維用集束剤の製造方法に特に制限はないが、例えば、上記の方法で得られた本発明の繊維用集束剤に水及び/又は有機溶媒を投入して、溶解又は乳化分散させる方法が挙げられる。
繊維用集束剤を溶媒中に溶解又は乳化分散する際の温度は、混合し易さの観点から、好ましくは20~90℃である。
【0025】
本発明の繊維用集束剤を適用できる繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維等が挙げられ、成形体強度の観点から炭素繊維が好ましい。
【0026】
本発明の繊維束は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維及びスラッグ繊維からなる群より選ばれる少なくとも1種の繊維を、上記の繊維用集束剤で処理してなるものである。
本発明の繊維束は、3,000~50,000本程度の繊維が束ねられたものであることが好ましい。
【0027】
繊維の処理方法としては、スプレー法又は浸漬法等が挙げられる。
繊維上への繊維用集束剤の付着量(繊維用集束剤が含有する固形分の繊維への付着量)は、繊維の重量に基づいて、好ましくは0.05~5重量%であり、更に好ましくは0.2~2.5重量%である。繊維用集束剤の付着量がこの範囲であると、集束性に優れる。
ここで、固形分とは、試料1gを130℃45分間循風乾燥機で加熱乾燥した後の残渣である。
【0028】
本発明の繊維製品は、前記本発明の繊維束からなるものであり、前記繊維束を加工して繊維製品としたものが含まれ、織物、編み物、不織布(フェルト、マット及びペーパー等)、チョップドファイバー及びミルドファイバー等が含まれる。
【0029】
本発明の樹脂組成物は、前期本発明の繊維束及び/又は前期本発明の繊維製品とマトリックス樹脂とを含む。本発明の樹脂組成物は、必要により、触媒を含有してもよい。
【0030】
マトリックス樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、PPSU(ポリフェニルスルホン)、PSU(ポリスルホン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PES(ポリエーテルスルホン)、PAI(ポリアミドイミド)等の熱可塑性樹脂及びエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0031】
エポキシ樹脂用の触媒としては、公知(特開2005-213337号公報に記載のもの等)のエポキシ樹脂用硬化剤及び硬化促進剤等が挙げられる。また、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂用の触媒としては、過酸化物(ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーベンゾエイト、t-ブチルクミルパーオキサイド等、メチルエチルケトンパーオキサイド、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等)及びアゾ系化合物(アゾビスイソバレロニトリル等)が挙げられる。
【0032】
本発明の樹脂組成物において、マトリックス樹脂と繊維束及び繊維製品との重量比(マトリックス樹脂/繊維束及び繊維製品)は、成形体強度等の観点から、好ましくは10/90~90/10であり、更に好ましくは20/80~70/30であり、特に好ましくは30/70~60/40である。樹脂組成物が触媒を含有する場合、触媒の含有率は、成形体強度等の観点から、マトリックス樹脂に対して好ましくは0.01~10重量%であり、更に好ましくは0.1~5重量%であり、特に好ましくは1~3重量%である。
【0033】
本発明の樹脂組成物は、熱溶融(溶融温度:60~350℃)したマトリックス樹脂、又は溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン及び酢酸エチル等)で希釈したマトリックス樹脂を、繊維束に含浸させることで製造できる。溶剤を使用した場合、プリプレグを乾燥させて溶剤を除去することが好ましい。
【0034】
本発明の樹脂組成物を成形することによって、本発明の成形体(繊維強化複合材料)が得られる。マトリックス樹脂が熱可塑性樹脂である場合、樹脂組成物(プリプレグ)を加熱成形し、常温で固化することで成形体とすることができる。マトリックス樹脂が熱硬化性樹脂である場合、樹脂組成物(プリプレグ)を加熱成形し、硬化することで成形体とすることができる。硬化は完結している必要はないが、成形体が形状を維持できる程度に硬化していることが好ましい。成形後、更に加熱して完全に硬化させてもよい。加熱成形の方法は特に限定されず、例えばフィラメントワインディング成形法(回転するマンドレルに張力をかけながら巻き付け、加熱成形する方法)、プレス成形法(プリプレグシートを積層して加熱成形する方法)、オートクレーブ法(プリプレグシートを型に圧力をかけ押しつけて加熱成形する方法)及びチョップドファイバー若しくはミルドファイバーをマトリックス樹脂と混合して射出成形する方法等が挙げられる。
【実施例
【0035】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、実施例7は参考例1である。
【0036】
製造例1 <フェノールノボラック樹脂EO17モル付加物(A-1)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、ノボラック型フェノール系樹脂(a)としてフェノールノボラック樹脂(a-1)(「ショウノールBRG-556」[アイカ工業(株)製]、核体数:約5.6個、Mn:544.66)544.66重量部(1モル部)、水酸化カリウム2重量部を投入し、圧力を-0.1MPa、130℃で1時間脱水を行った後、160℃に温度を上げてEO748重量部(17モル部)を圧力が0.5MPa以下になるように調整しながら6時間かけて滴下した後、160℃で2時間熟成した。熟成後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業製]30重量部を投入し、100℃で1時間撹拌して処理し、フェノールノボラック樹脂EO17モル付加物(A-1)を得た。[(A-1)は、重量比(a)/(b)が42/58、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が17、(b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数=3、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]
【0037】
製造例2 <フェノールノボラック樹脂EO56モル付加物(A-2)の製造>
製造例1において、EO748重量部(17モル部)を2464重量部(56モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、フェノールノボラック樹脂EO56モル付加物(A-2)を得た[(A-2)は、重量比(a)/(b)が18/82、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が56、(b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数=10、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]。
【0038】
製造例3 <フェノールノボラック樹脂EO60/PO30モルのランダム付加物(A-3)の製造>
製造例1において、EO748重量部(17モル部)をEO2640重量部(60モル部)とPO1740重量部(30モル部)の混合物に変更した以外は製造例1と同様にして、フェノールノボラック樹脂EO60/PO30モルのランダム付加物(A-3)を得た[(A-3)は、重量比(a)/(b)が11/89、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が90、(b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数=16.1、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が60.3重量%である化合物]。
【0039】
製造例4 <クレゾールノボラック樹脂EO17モル付加物(A-4)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、m-クレゾール及びp-クレゾールの混合物(重量比=60:40)648重量部(6モル部)、92重量%パラホルムアルデヒド163重量部(5モル部)、p-トルエンスルホン酸0.35重量部及び次亜リン酸ナトリウム0.15重量部を仕込み、反応容器を密閉した後窒素置換を行い、撹拌下140℃まで昇温した。140℃で4時間重縮合反応を行い(圧力0.26MPa)、ノボラック型フェノール系樹脂(a)であるクレゾールノボラック樹脂(a-2)(核体数:約6個、Mn:708)を708重量部得た。次に、85℃まで冷却し圧力を0.01MPa以下とした後、水酸化カリウム0.85重量部を加え、減圧下(-0.1MPa)130℃で1時間脱水し、160℃、圧力0.5MPa以下でEO748重量部(17モル部)を約4時間かけて滴下した後、160℃で2時間熟成した。熟成後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]30重量部を投入し、100℃で1時間撹拌して処理し、フェノールノボラック樹脂EO17モル付加物(A-4)を得た。[(A-4)は、重量比(a)/(b)が49/51、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が17、(b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数=2.8、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]
【0040】
製造例5<フェノールノボラック樹脂EO5モル付加物(A-5)の製造>
撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、フェノール565重量部(6モル部)、92重量%パラホルムアルデヒド131重量部(3モル部)、p-トルエンスルホン酸0.35重量部及び次亜リン酸ナトリウム0.15重量部を仕込み、反応容器を密閉した後窒素置換を行い、撹拌下140℃まで昇温した。140℃で4時間重縮合反応を行い(圧力0.26MPa)、ノボラック型フェノール系樹脂(a)であるフェノールノボラック樹脂(a-3)(核体数:約2個、Mn:200)を588重量部得た。次に、撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、脱水したレゾルシンノボラック樹脂(a-3)200重量部(1モル部)、水酸化カリウム0.85重量部を加え、160℃、圧力0.5MPa以下でEO220重量部(5モル部)を約4時間かけて滴下した後、160℃で2時間熟成した。熟成後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]30重量部を投入し、100℃で1時間撹拌して処理し、フェノールノボラック樹脂EO5モル付加物(A-5)を得た[(A-5)は、重量比(a)/(b)が48/52、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が5、(b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数=2.5、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]。
【0041】
製造例6 <フェノールノボラック樹脂EO40/PO30モルのランダム付加物(A-6)の製造>
製造例1において、EO748重量部(17モル部)をEO1760重量部(40モル部)とPO1740重量部(30モル部)の混合物に変更した以外は製造例1と同様にして、フェノールノボラック樹脂EO40/PO30モルのランダム付加物(A-6)を得た[(A-6)は、重量比(a)/(b)が13/87、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が70、(b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数=12.5、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が50.3重量%である化合物]。
【0042】
製造例7<レゾルシノールノボラック樹脂EO20モル付加物(A-7)の製造>
三ツ口フラスコに水1574重量部、レゾルシン661重量部(6モル部)を入れ、50℃で溶解させた後、35重量%塩酸8.4gを反応槽に入れた。反応系を50℃に維持しながら、37重量%ホルマリン406重量部を5時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間撹拌して反応を進行させた。水相を廃棄した後、水4196重量部で洗浄した。洗浄液を除去した後、減圧乾燥し、メチルエチルケトン2518重量部で溶解し、不溶分をろ別した後に再度減圧下乾燥させ、ノボラック型フェノール系樹脂(a)であるレゾルシンノボラック樹脂(a-4)(核体数:約6個、Mn:721)721重量部を得た。次に、撹拌機、加熱冷却装置及び滴下ボンベを備えた耐圧反応容器に、レゾルシンノボラック樹脂(a-4)721重量部(1モル部)、水酸化カリウム0.85重量部を加え、減圧下(-0.1MPa)130℃で1時間脱水し、160℃、圧力0.5MPa以下でEO881重量部(20モル部)を約4時間かけて滴下した後、160℃で2時間熟成した。熟成後、吸着処理剤「キョーワード600」[協和化学工業(株)製]30重量部を投入し、100℃で1時間撹拌して処理し、レゾルシンノボラック樹脂EO20モル付加物(A-7)を得た。[(A-7)は、重量比(a)/(b)が45/55、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が20、(b)の平均付加モル数/(a)の水酸基の数=1.7、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]
【0043】
比較製造例1 <フェノールノボラック樹脂EO120モル付加物(A’-1)の製造>
製造例1において、EO748重量部(17モル部)を5280重量部(120モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、フェノールノボラック樹脂EO120モル付加物(A’-1)を得た[(A’-1)は、重量比(a)/(b)が9/91、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が120、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]。
【0044】
比較製造例2 <フェノールノボラック樹脂EO3モル付加物(A’-2)の製造>
製造例1において、EO748重量部(17モル部)を132重量部(3モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、フェノールノボラック樹脂EO3モル付加物(A’-2)を得た[(A’-2)は、重量比(a)/(b)が80/20、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が3、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]。
【0045】
比較製造例3 <フェノールノボラック樹脂EO30/PO60モルのランダム付加物(A’-3)の製造>
製造例1において、EO748重量部(17モル部)をEO1320重量部(30モル部)とPO3480重量部(60モル部)の混合物に変更した以外は製造例1と同様にして、フェノールノボラック樹脂EO30/PO60モルのランダム付加物(A’-3)を得た[(A’-3)は、重量比(a)/(b)が10/90、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が90、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が27.5重量%である化合物]。
【0046】
比較製造例4 <フェノールEO10モル付加物(A’-5)の製造>
製造例1において、フェノールノボラック樹脂「ショウノールBRG-556」[アイカ工業(株)製]544.66重量部(1モル部)をフェノール94重量部(1モル部)、EO748重量部(17モル部)をEO440重量部(10モル部)に変更した以外は製造例1と同様にして、フェノールEO10モル付加物(A’-5)を得た[(A’-5)は、重量比(a)/(b)が18/82、アルキレンオキサイド(b)の平均付加モル数が10、ポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が100重量%である化合物]。
【0047】
実施例1~4および比較例1~5
表1に記載の重量部のアルキレンオキサイド付加物(A-1)~(A-7)又は(A’-1)~(A’-5)と水とを混合して、繊維用集束剤(B-1)~(B-7)及び(B’-1)~(B’-5)を作成し、これを用いて以下の方法で炭素繊維束をサイジング処理した。
なお、表1中、各成分は下記の通りである。
(A-1):製造例1で得たフェノールノボラック樹脂EO17モル付加物
(A-2):製造例2で得たフェノールノボラック樹脂EO56モル付加物
(A-3):製造例3で得たフェノールノボラック樹脂EO60/PO30モルのランダム付加物
(A-4):製造例4で得たクレゾールノボラック樹脂EO17モル付加物
(A-5):製造例5で得たフェノールノボラック樹脂EO5モル付加物
(A-6):製造例6で得たフェノールノボラック樹脂EO40/PO30モルのランダム付加物
(A-7):製造例7で得たレゾルシノールノボラック樹脂EO20モル付加物
(A’-1):比較製造例1で得たフェノールノボラック樹脂EO120モル付加物
(A’-2):比較製造例2で得たフェノールノボラック樹脂EO3モル付加物
(A’-3):比較製造例3で得たフェノールノボラック樹脂EO30/PO60モルのランダム付加物
(A’-4):ビスフェノールAEO10モル付加物「ニューポールBPE-100」[三洋化成工業(株)製]
(A’-5):比較製造例4で得たフェノールEO10モル付加物
【0048】
【表1】
【0049】
<炭素繊維束のサイジング処理>
固形分濃度1重量%の繊維用集束剤に、未処理炭素繊維(繊度800tex、フィラメント数12,000本)を浸漬して集束剤を含浸させ、180℃で3分間熱風乾燥させて、固形分として1重量%の繊維用集束剤が付着した炭素繊維束を作製した。
【0050】
得られた炭素繊維束を以下の評価方法で、炭素繊維束の集束性、開繊性を評価した。
<集束性の評価>
サイジング処理して得られた炭素繊維束の集束性を、JIS L1096-1999 8.19.1 A法(45°カンチレバー法)に準じて評価した。
数値が大きいほど、集束性が優れていることを示し、この評価条件では一般に16cm以上が好ましい。
<開繊性の評価>
表面が平滑な直径10mmのステンレス棒5本を50mm間隔でそれぞれ平行にかつ炭素繊維束が120度の角度で接触しながら通過するようにジグザグに配置した(図1)。このステンレス棒間に炭素繊維束をジグザグにかけ、巻取ロールと巻出ロールとの間の張力1000g、速度3m/分で炭素繊維束を巻出ロールから巻取ロールへ巻き取り、5本のステンレス棒を通過した後の、炭素繊維束の拡がり幅(mm)を測定した(浅野機械製作所製、糸走行試験装置を使用した)。
数値が大きいほど、開繊性が優れていることを示し、この評価条件では一般に10mm以上が好ましい。
【0051】
表1の結果から明らかなように、本発明の実施例1~7の集束剤で処理した炭素繊維束は、集束性、開繊性のいずれの評価でも良好な結果を示した。
一方、ノボラック型フェノール系樹脂(a)とポリアルキレンオキシ基(b)の重量比(a)/(b)が10/90未満で、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が100を超える(A’-1)を用いた比較例1は開繊性が低いことがわかる。また、ノボラック型フェノール系樹脂(a)とポリアルキレンオキシ基(b)の重量比(a)/(b)が50/50を超え、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が4未満の(A’-2)を用いた比較例2は集束性と開繊性の両方が低いことがわかる。また、(A)が有するポリアルキレンオキシ基中のエチレンオキシ基の含量が50重量%未満の(A’-3)を用いた比較例3は集束性が低いことがわかる。さらに、比較例4、5のようにノボラック型フェノール系樹脂(a)のアルキレンオキサイド付加物(A)ではない(A’-4)及び(A’-5)を用いた比較例4及び5は開繊性が低いことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の繊維用集束剤は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維、鉱物繊維、岩石繊維又はスラッグ繊維用の集束剤として利用できる。
また、本発明の繊維用集束剤で処理して得られた繊維束又は繊維製品を強化繊維とし、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂をマトリックスとして複合材料を得ることができる。
【符号の説明】
【0053】
1.ステンレス棒
2.巻出ロール
3.巻取ロール
4.炭素繊維束
5.開繊性の測定位置
図1