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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】マルチパック包装材及び缶集合包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 71/14 20060101AFI20231122BHJP
   B65D 5/04 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B65D71/14
B65D5/04
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020035019
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021138378
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】311007202
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598177119
【氏名又は名称】レンゴー・リバーウッド・パッケージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】中島 宏章
(72)【発明者】
【氏名】中谷 康志
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-193347(JP,A)
【文献】特開平02-019282(JP,A)
【文献】特開2015-042558(JP,A)
【文献】特表平10-513424(JP,A)
【文献】国際公開第2020/041131(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 71/00-71/20
B65D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板(1)の両側に稜線(a)を介して側板(2)が連設され、前記両側の側板(2)にそれぞれ稜線(b)を介して底板(3)が連設され、両端の開口面に臨むガセット(6)を有し、
前記天板(1)と両側の側板(2)及び底板(3)が集積された缶(C)を包囲するように前記稜線(a,b)に沿ってスリーブ状に折り曲げられ、前記ガセット(6)の折り曲げにより両端の開口面から缶(C)が抜け止めされるマルチパック包装材において、
前記天板(1)と両側の側板(2)の稜線(a)は、両端の開口面間にわたる長さ方向に3本以上直列配置された缶(C)のうち、中央側の缶(C)に対応する中間部(a1)が、両端側の缶(C)に対応する端側部(a2)から張り出すように曲げられており、
前記天板(1)は、両側の稜線(a)の中間部(a1)の間隔である幅寸法(W1)よりも、両側の稜線(a)の端側部(a2)の間隔である幅寸法(W2)が小さく設定され、端側部(a2)に沿う部分で両端側の缶(C)の頂部外周を締め付けることを特徴とするマルチパック包装材。
【請求項2】
前記天板(1)と両側の側板(2)の稜線(a)は、中央側の缶(C)に対応する中間部(a1)がV字状をなすように、両端側の缶(C)に対応する端側部(a2)に対して相反する方向に傾斜した直線から成ることを特徴とする請求項1に記載のマルチパック包装材。
【請求項3】
前記天板(1)と両側の側板(2)の稜線(a)は、中央側の缶(C)に対応する中間部(a1)が両端側の缶(C)に対応する端側部(a2)に対して弧状に張り出した曲線になっていることを特徴とする請求項1に記載のマルチパック包装材。
【請求項4】
前記天板(1)と両側の側板(2)の稜線(a)は、中央側の缶(C)に対応する中間部(a1)が台形状をなすように、両端側の缶(C)に対応する端側部(a2)に対して相反する方向に傾斜した直線と、その間に挟まれて端側部(a2)に平行する直線とから成ることを特徴とする請求項1に記載のマルチパック包装材。
【請求項5】
前記天板(1)と両側の側板(2)の稜線(a)は、全体としてV字状をなすように、中央側の缶(C)に対応する1点の中間部(a1)を挟んで、両端側の缶(C)に対応する端側部(a2)が相反する方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のマルチパック包装材。
【請求項6】
前記天板(1)と両側の側板(2)の稜線(a)の中間部(a1)には、中央側の缶(C)の頂部外周が当接する部分に、落下時の変形を吸収する切込(11)が入れられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のマルチパック包装材。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のマルチパック包装材を使用して缶(C)を包装した缶集合包装体であって、前記マルチパック包装材の天板(1)と両側の側板(2)及び底板(3)により、6本の缶(C)が3本ずつ2列に並んだ状態で包囲され、天板(1)と両側の側板(2)の稜線(a)の中間部(a1)が各列の中央の缶(C)に対応し、端側部(a2)が各列の両端側の缶(C)に対応しており、端側部(a2)に沿う部分で両端側の缶(C)の頂部外周が締め付けられていることを特徴とする缶集合包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数本の缶を纏めて持ち運べるように包装する板紙製のマルチパック包装材及びこれを使用した缶集合包装体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マルチパック包装材の先行事例として、下記特許文献1(段落[0025]-[0028]、図4)には、図8に示すように、6本の缶Cを3本ずつ2列に並んだ状態で集合包装する板紙製のものが記載されている。このマルチパック包装材は、天板51の両側に稜線mを介して側板52が連設され、それぞれの側板52に稜線nを介して底板53が連設された構成となっている。
【0003】
天板51及び両側の側板52及び底板53は、稜線m,nに沿ってスリーブ状に折り曲げられ、両端の開口面間にわたる方向を長さ方向として缶Cが包囲される。一方の底板53には差込片54及び係合片54aが、他方の底板53には差込穴55及び係合穴55aがそれぞれ設けられ、係合片54aを係合穴55aに係合させ、差込片54を差込穴55に差し込んで、底板53同士が連結される。
【0004】
両端の開口面に臨む部分の上部にはガセット56が設けられ、底板53には、それぞれの缶Cの底面に対応して、底板53から切り起こされる底固定片57が形成されている。ガセット56は、内側へ折り曲げられて、開口面に臨む両端の缶Cの上部外周に沿い、底固定片57は、基部及び中間部で折り曲げられて、缶Cの底面凹所に係合する。
【0005】
天板51と側板52の境界部分には抜穴58が、側板52と底板53の境界部分には抜穴59がそれぞれ缶Cに対応して形成され、抜穴58に缶Cの頂部外周が嵌合し、抜穴59に缶Cの底部外周が嵌合して、缶Cが所定の位置に保持される。
【0006】
天板51には、押し込んで運搬用の指入穴を形成するため、一対の指押片60が半円状の切込を入れて形成されると共に、開封時に切断して缶Cを取り出すため、両端間に及ぶ2本の切目列61が設けられている。
【0007】
上記マルチパック包装材において、図9に模式的に示すように、天板51の両側の稜線mの間隔である幅寸法Wは、天板51と側板52の境界の稜線mに沿った部分が缶Cの頂部外周を締め付けるように、小さく設定されている。詳述すれば、幅寸法Wは、2列の缶Cの頂部外径と肩部の張出量の和よりも小さく設定されている。
【0008】
このように構成すると、缶Cの保持力は強いが、運搬時に不意に落下した場合、天板51と側板52の境界の稜線mに沿った部分が抜穴58の近傍で破れやすく、また、抜穴58の存在により、印刷パターン等のデザインが制約を受けることとなる。
【0009】
一方、下記特許文献2には、図10に示すように、上記のものと同様、6本の缶Cを3本ずつ2列に並んだ状態で集合包装するマルチパック包装材が記載されているが、このマルチパック包装材では、上記マルチパック包装材の天板51と側板52の境界部分に形成された抜穴58に相当するもの存在しない。
【0010】
そして、図11に模式的に示すように、天板51の幅寸法Wは、2列に並んだ缶Cの頂部外周が両側の稜線mに沿うように、上記マルチパック包装材の天板51の幅寸法Wよりも大きく設定されている。
【0011】
このように構成すると、天板51と側板52の境界部分に抜穴が存在しないため、運搬時に不意に落下しても稜線mに沿った部分で破れにくく、デザインも制約されないものとなるが、缶Cの保持力が弱いため、運搬時に撓みが生じて内部で缶Cが動きやすくなり、落下等の衝撃で大きく変形したとき、開口面から缶Cが飛び出しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】特開2017-193347号公報
【文献】特開2018-52520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のように、従来のマルチパック包装材では、缶の保持力を高めると、落下時の破断強度が弱くなるほか、デザインが制約されるので、陳列時の訴求力が低下し、落下時の破断強度を高めると、デザインの自由度は確保されるものの、缶の保持力が弱くなるという問題がある。このため、飲料の流通や販売の側面から、これらの相反する諸機能を満足する包装材料が要望されている。
【0014】
そこで、この発明は、集積された缶を強く締め付けてしっかりと保持でき、かつ落下時に破れにくく、印刷パターン等のデザインの制約を受けることがないマルチパック包装材及びこれを使用した缶集合包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような課題を解決するため、この発明は、天板の両側に稜線を介して側板が連設され、前記両側の側板にそれぞれ稜線を介して底板が連設され、両端の開口面に臨むガセットを有し、
前記天板と両側の側板及び底板が集積された缶を包囲するように前記稜線に沿ってスリーブ状に折り曲げられ、前記ガセットの折り曲げにより両端の開口面から缶が抜け止めされるマルチパック包装材において、
前記天板と両側の側板の稜線は、両端の開口面間にわたる長さ方向に3本以上直列配置された缶のうち、中央側の缶に対応する中間部が、両端側の缶に対応する端側部から張り出すように曲げられており、
前記天板は、両側の稜線の中間部の間隔である幅寸法よりも、両側の稜線の端側部の間隔である幅寸法が小さく設定され、端側部に沿う部分で両端側の缶の頂部外周を締め付けるものとしたのである。
【0016】
また、前記天板と両側の側板の稜線は、中央側の缶に対応する中間部がV字状をなすように、両端側の缶に対応する端側部に対して相反する方向に傾斜した直線から成るものとしたのである。
【0017】
或いは、前記天板と両側の側板の稜線は、中央側の缶に対応する中間部が両端側の缶に対応する端側部に対して弧状に張り出した曲線になっているものとしたのである。
【0018】
また、前記天板と両側の側板の稜線は、中央側の缶に対応する中間部が台形状をなすように、両端側の缶に対応する端側部に対して相反する方向に傾斜した直線と、その間に挟まれて端側部に平行する直線とから成るものとしたのである。
【0019】
また、前記天板と両側の側板の稜線は、全体としてV字状をなすように、中央側の缶に対応する1点の中間部を挟んで、両端側の缶に対応する端側部が相反する方向に傾斜しているものとしたのである。
【0020】
さらに、前記天板と両側の側板の稜線の中央部には、中央側の缶の頂部外周が当接する部分に、落下時の変形を吸収する切込が入れられているものとしたのである。
【0021】
また、このようなマルチパック包装材を使用して缶を包装した缶集合包装体であって、前記マルチパック包装材の天板と両側の側板及び底板により、6本の缶が3本ずつ2列に並んだ状態で包囲され、天板と両側の側板の稜線の中間部が各列の中央の缶に対応し、端側部が各列の両端側の缶に対応しており、端側部に沿う部分で両端側の缶の頂部外周が締め付けられているものを提供することとしたのである。
【発明の効果】
【0022】
この発明に係るマルチパック包装材では、天板の両側の稜線の中間部が曲げられて、この稜線の端側部に沿う部分で両端側の缶の頂部外周が締め付けられ、また、側板の高さが稜線の中間部に対応して低くなり、中央側の缶が天板と底板により上下から締め付けられるので、缶の保持力が強化される。
【0023】
このため、包装状態での内部における缶の動きや、落下時の変形に伴う両端の開口面からの缶の飛び出しが防止される。
【0024】
また、天板と側板の境界部分に缶を嵌合させるための抜穴がないので、落下時に破れにくく、印刷パターン等のデザインが制約されることもない。
【0025】
そして、このようなマルチパック包装材を使用して、6本の缶を3本ずつ2列に並んだ状態で集合包装し、天板と両側の側板の稜線の端側部に沿う部分で両端側の缶の頂部外周が締め付けられるようにすると、運搬時に撓みがほとんど生じないので、6本の缶が内部で動きにくく、落下時の破れに伴う開口面からの缶の飛び出しが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】この発明の実施形態に係るマルチパック包装材の包装状態を示す斜視図
図2】同上のブランクを示す図
図3】同上の包装状態における天板部分の平面図
図4】同上の天板の両側の稜線と缶の関係を示す模式平面図
図5】同上の稜線の他の形態を示す模式平面図
図6】同上の稜線の他の形態を示す模式平面図
図7】同上の稜線の他の形態を示す模式平面図
図8】特許文献1に記載のマルチパック包装材の包装状態を示す斜視図
図9】同上の天板の両側の稜線と缶の関係を示す模式平面図
図10】特許文献2に記載のマルチパック包装材の包装状態を示す斜視図
図11】同上の天板の両側の稜線と缶の関係を示す模式平面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0028】
図1に示すマルチパック包装材は、ビール等の飲料入りの缶Cを6本纏めて持ち運べるように、両端の開口面間にわたる方向を長さ方向として、3本ずつ2列に並んだ状態で集合包装するものであり、図2に示すような耐水性板紙のブランクから形成される。
【0029】
このブランクでは、天板1の両側に稜線aを介して側板2が連設され、両側の側板2にそれぞれ稜線bを介して底板3が連設されている。
【0030】
一方の底板3に差込片4及び係合片4aが、他方の底板3に差込穴5及び係合穴5aがそれぞれ設けられている。差込穴5はスリット状であり、差込穴5に臨んで押込片5bが切込により形成されている。また、他方の底板3には、缶Cの底面に印字された賞味期限や製造番号等を確認するための確認窓5cが設けられている。
【0031】
天板1の各コーナー部の斜辺をなす折目線と、側板2の天板1寄りの両端辺をなす折目線とは、ガセット6を介して繋がれている。ガセット6には、包装時に谷折りされる斜め方向の折目線が入れられている。
【0032】
底板3から側板2の下部となる部分にかけては、それぞれの缶Cの底面に対応して、底固定片7が切込により3個ずつ形成されている。底固定片7は、包装時に基部及び中間部の折目線に沿った折り曲げに伴い起こされて、その抜出跡に抜穴8が形成される。
【0033】
天板1には、運搬用の指入穴を形成する一対の指押片9が切込により形成され、開封時に切断して缶Cを取り出すため、一方の端縁から他方の端縁へかけて、鉤状の切目が断続するジッパ型の切目列10が2本設けられている。
【0034】
また、稜線aの中間部aには、落下時に変形を吸収してガセット6の破れを防止するため、中央側の缶Cの頂部外周が当接する位置に切込11が入れられている。
【0035】
そして、図3及び図4に示すように、缶Cを集積して包装したとき、天板1と両側の側板2の稜線aは、長さ方向に3本直列配置された缶Cのうち、中央側の缶Cに対応する中間部aが、両端側の缶Cに対応する端側部aから張り出すように曲げられている。
【0036】
この例における稜線aの中間部aは、V字状をなすように、両端側の端側部aに対して相反する方向に傾斜した直線から成るものとされている。
【0037】
このように、稜線aの中間部aが曲がっていることから、天板1は、両側の稜線aの中間部aの間隔である幅寸法Wよりも、両側の稜線aの端側部aの間隔である幅寸法Wが小さくなっている。
【0038】
詳述すれば、幅寸法Wは、最大となる点で2列の缶Cの頂部外径dと肩部の張出量sの和とほぼ等しく設定され、幅寸法Wは、2列の缶Cの頂部外径dと肩部の張出量sの和よりも小さく設定されている。
【0039】
上記ブランクから成るマルチパック包装材を使用して、図1に示すように、6本の缶Cを集合包装するには、3本ずつ2列に並べた缶Cの上面に天板1を被せ、両側の側板2を下方へ折り曲げ、底板3を内側へ折り曲げる。そして、係合片4aと係合穴5aを係合させ、差込片4を差込穴5へ差し込んで、底板3同士を連結し、スリーブ状に保形する。
【0040】
また、ガセット6を内側へ折り曲げて、開口面に臨む缶Cの上部外周に沿わせ、底固定片7を基部及び中間部の折目線で折り曲げて、底固定片7の先端を缶Cの底面の凹所周縁に係合させる。さらに、缶Cの底部外周を抜穴8に嵌合させて、缶Cの下部を保持することにより、両端の開口面から缶Cを抜け止めする。
【0041】
このように包装すると、稜線aの端側部aに沿う部分で両端側の缶Cの頂部外周が締め付けられ、また、側板2の高さが稜線aの中間部aに対応して低くなり、中央側の缶Cが天板1と底板3により上下から締め付けられ、底固定片7が確実に所定の方向へ折れ曲がって缶Cの底面の凹所に係合するので、缶Cの保持力が強化される。
【0042】
このため、包装状態での内部における缶Cの動きや、落下時の変形に伴う両端の開口面からの缶Cの飛び出しが防止される。
【0043】
また、天板1と側板2の境界部分に缶Cを嵌合させるための抜穴がないので、落下時に破れにくく、印刷パターン等のデザインが制約されることもない。
【0044】
なお、上記実施形態では、稜線aの中間部aがV字状をなすものを例示したが、図5に示すように、稜線aの中間部aは、両端側の缶Cに対応する端側部aに対して弧状に張り出した曲線になっているものとしてもよい。
【0045】
また、図6に示すように、稜線aの中間部aは、台形状をなすように、端側部aに対して相反する方向に傾斜した直線と、その間に挟まれて端側部aに平行する直線とから成るものとしてもよい。
【0046】
そのほか、図7に示すように、稜線aは、全体としてV字状をなすように、中央側の缶Cに対応する1点の中間部aを挟んで、両端側の缶Cに対応する端側部aが相反する方向に傾斜しているものとしてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、缶Cの上部がガセット6で保持され、缶Cの下部が底固定片7で保持されるものを例示したが、缶Cの上部と下部とが天板1及び底板3に連なるガセット6で保持される形式のマルチパック包装材にも、稜線aの形状と天板1の幅に関する上記構成を適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 天板
2 側板
3 底板
4 差込片
4a 係合片
5 差込穴
5a 係合穴
5b 押込片
5c 確認窓
6 ガセット
7 底固定片
8 抜穴
9 指押片
10 切目列
11 切込
C 缶
a 稜線
中間部
端側部
b 稜線
,W 幅寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11