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  • 特許-手押し運搬車 図1
  • 特許-手押し運搬車 図2
  • 特許-手押し運搬車 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】手押し運搬車
(51)【国際特許分類】
   B62B 1/18 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
B62B1/18
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020076403
(22)【出願日】2020-04-23
(65)【公開番号】P2021172180
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520144336
【氏名又は名称】有限会社松井工業
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 準人
【審査官】大宮 功次
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3045875(JP,U)
【文献】特開平09-328059(JP,A)
【文献】特開平08-058596(JP,A)
【文献】実開昭54-141653(JP,U)
【文献】実開昭63-115870(JP,U)
【文献】特開2007-145215(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108515993(CN,A)
【文献】中国実用新案第212579872(CN,U)
【文献】中国実用新案第218055306(CN,U)
【文献】中国実用新案第218505881(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
狭小な場所でも安定した走行ができるようにした手押し運搬車であって、前半部が上側に曲成された側面形状でかつ平面U字状をなす主フレーム(11)と、該主フレーム(11)に搭載固定された荷台(12)と、上記主フレーム(11)の前半部下側に設けられ、平面U字状をなし、該U字状の両側辺の間に一輪車のタイヤ幅2本分の間隔があけられ、回転軸が車幅方向に延びて設けられたタイヤフレーム(13)と、該タイヤフレーム(13)の上記回転軸に隣接して軸支され、相互に同一方向及び逆方向への回転が可能である2本のタイヤ(18)と、上記主フレーム(11)の後半部下側に設けられた補助脚(15)と、上記主フレーム(11)から後方に延びるハンドル(16)と、を備え、
上記タイヤ(18)の間に泥落とし用のアーム(20)が上記回転軸に揺動可能に設けられ、該泥落とし用アーム(20)の先端側段部が上記タイヤフレーム(13)に当接されていることを特徴とする手押し運搬車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手押し運搬車に関し、特に道板などの狭小な場所も走行させることができ、しかも重い荷物を積載しても姿勢が安定してふらつきにくい運搬車に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物や土砂の運搬には手押し一輪車がよく用いられている。手押し一輪車はフレームの下側中央にて回転軸に車輪を回動可能に軸支し、フレーム後方に左右のハンドルを延設する一方、フレームの下側後部に左右の補助脚を設け、停止時に補助脚を接地させる構造が採用されている(特許文献1)。しかし、手押し一輪車は重い荷物を積載すると、姿勢を安定させ難く、特に上り坂や下り坂では姿勢がフラフラして安定させにくく、荷物が落下してしまうことがある。
【0003】
他方、手押し一輪車以外に手押し二輪車も知られている。従来の手押し二輪車ではフレームの下側に回転軸を車幅方向に延設し、回転軸に2つの車輪を相互に間隔をあけて回動可能に軸支する構造が採用されている(特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3187515号公報
【文献】特開2004-168246号公報
【文献】特開2006-240326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の手押し二輪車では2つの車輪の間隔が広いので、狭小な場所、例えば工事現場における25cm幅程度の道板上を走行させることができない。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑み、道板などの狭小な場所も走行させることができ、しかも重い荷物を積載しても姿勢が安定してふらつきにくい手押し運搬車を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る手押し運搬車は、狭小な場所でも安定した走行ができるようにした手押し運搬車であって、前半部が斜め上方に曲成された側面形状でかつ平面U字状をなす主フレームと、該主フレームに搭載固定された荷台と、上記主フレームの前半部下側に設けられ、平面U字状をなし、該U字状の両側辺の間に一輪車のタイヤ幅2本分の間隔があけられ、回転軸が車幅方向に延びて設けられたタイヤフレームと、該タイヤフレームの上記回転軸に隣接して軸支され、相互に同一方向及び逆方向への回転が可能である2本のタイヤと、上記主フレームの後半部下側に設けられた補助脚と、上記主フレームから後方に延びるハンドルと、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の特徴の1つは2本のタイヤを相互に隣接して軸支し、相互に同一方向及び逆方向への回転を可能となした点にある。
【0009】
これにより、タイヤの接地点が一輪車は1点であるが、本発明は2点になるため、重い荷物を積載してもふらつき難く、力の弱い女性や老人であっても安定に走行させることができ、又ぬかるみで使用しても沈みこみ難く、安定して走行させることができる。
【0010】
さらに、重い荷物を積載したときに上り坂や下り坂での使用時に安定感があり、又荷物を移すときにタイヤの接地点が2点になるため、正面に対し安定して荷物を移すことができ、さらに2つのタイヤが相互に逆方向に回転できるので、その場で運搬車を旋回させることができ、使い勝手がよい。
【0011】
また、従来の一輪車と比較して狭小な場所、例えば25cm程度の道板の上を安定して走行させることができる。
【0012】
タイヤを隣接して設けると、タイヤの間に土砂が詰まりやすくなる。そこで、タイヤの間に泥落とし用のアームを回転軸に揺動可能に設けるのがよい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る手押し運搬車の好ましい実施形態を示す概略斜視図である。
図2】上記実施形態を示す底面図である。
図3】第2の実施形態を示す要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係る手押し運搬車の好ましい実施形態を示す。図において、手押し運搬車10は金属パイプ製の主フレーム11 を備え、主フレーム11は前半部11Aが上側に曲成された側面形状をなすとともに、平面U字状に製作され、主フレーム11には荷台12が搭載されて固定されている。なお、荷台12は浅い形状のものを例示しているが、深い形状のものであってもよい。
【0015】
また、主フレーム11の前半部下側には金属パイプ製のタイヤフレーム13が設けられるとともに、補強パイプ13Aによって相互に連結されている。このタイヤフレーム13は平面U字状に製作され、U字状の両側辺部分13Bの間は一輪車のタイヤ幅2本分の間隔が形成され、両側辺部分13Bにはブラケットによって軸受17が設けられ、軸受17の間には回転軸14が車幅方向に延びて挿通され、ナット14Aによって取付けられている。
【0016】
回転軸14には一輪車の2本のタイヤ18が隣接して軸支され、2本のタイヤ18は相互に同一方向及び逆方向への回転が可能となっている。
【0017】
また、主フレーム11の後半部下側には左右一対の補助脚15が取付けられ、更に主フレーム11の後端には金属パイプ製のハンドル16が後方に延びて設けられている。
【0018】
以上のように、2本のタイヤ18を相互に隣接して軸支し、相互に同一方向及び逆方向への回転を可能に構成したので、タイヤ18の接地点が一輪車は1点であるが、本例の手押し運搬車では2点になるため、重い荷物を積載してもふらつき難く、力の弱い女性や老人であっも安定に走行させることができ、又ぬかるみで使用しても沈みこみ難く、安定して走行させることができる。
【0019】
さらに、重い荷物を積載したときに上り坂や下り坂での使用時に安定感があり、又荷物を移すときにタイヤ18の接地点が2点になるため、正面に対し安定して荷物を移すことができ、さらに2つのタイヤ18が相互に逆方向に回転できるので、その場で運搬車を旋回させることができ、使い勝手がよい。
【0020】
また、従来の一輪車と比較して狭小な場所、例えば25cm程度の道板の上を安定して走行させることができる。
【0021】
2本のタイヤ18を隣接して設けると、タイヤ18の間に土砂が詰まりやすくなる。そこで、タイヤの間に泥落とし用のアーム20を回転軸に揺動可能に設けるのがよい。
【符号の説明】
【0022】
10 手押し運搬車
11 主フレーム
12 荷台
13 タイヤフレーム
14 回転軸
15 補助脚
16 ハンドル
18 タイヤ
20 アーム
図1
図2
図3