IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社オービックの特許一覧

特許7389721債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム
<>
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図1
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図2
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図3
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図4
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図5
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図6
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図7
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図8
  • 特許-債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20231122BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020129324
(22)【出願日】2020-07-30
(65)【公開番号】P2022026048
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-074985(JP,A)
【文献】特開2019-109756(JP,A)
【文献】特開2011-002941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた債権補正装置であって、
前記記憶部は、
債権の未収利息額および口数を含む特定期間における締データを記憶する債権記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした補正画面を表示させる補正画面表示手段と、
前記補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、前記補正未収利息額および/または前記補正口数を含む補正データを取得する補正取得手段と、
を備えたことを特徴とする債権補正装置。
【請求項2】
前記補正画面表示手段は、
前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、前記締データ全体を補正対象として選択可能とし、且つ、前記未収利息額を一括で補正可能とした前記補正画面を表示させ、
前記補正取得手段は、
前記補正画面にて前記締データ全体が選択され、一括補正未収利息額が入力された場合、前記一括補正未収利息額を含む前記補正データを取得することを特徴とする請求項1に記載の債権補正装置。
【請求項3】
前記補正画面表示手段は、
前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、前記締データ全体を前記補正対象として選択可能とするためのボタンを設定し、且つ、前記未収利息額を一括で補正可能とした前記補正画面を表示させ、
前記補正取得手段は、
前記補正画面にて前記ボタンが押下され、前記一括補正未収利息額が入力された場合、前記一括補正未収利息額を含む前記補正データを取得することを特徴とする請求項2に記載の債権補正装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記補正対象の締データと、前記補正データと、を比較可能に表示させる比較表示手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の債権補正装置。
【請求項5】
前記補正取得手段は、
更に、前記補正データに基づいて、監督官庁のオフサイトモニタリング用の帳票データを作成することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の債権補正装置。
【請求項6】
前記補正画面は、
更に、貸出残高が補正可能とされ、
前記補正取得手段は、
更に、前記補正画面にて前記補正対象締データが選択され、補正貸出残高が入力された場合、前記補正貸出残高を含む前記補正データを取得することを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の債権補正装置。
【請求項7】
前記補正画面表示手段は、
前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、査定基準日を選択可能とした前記補正画面を表示させ、選択査定基準日が選択された場合、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記選択査定基準日に対応する前記特定期間における前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした前記補正画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載の債権補正装置。
【請求項8】
前記補正画面表示手段は、
前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、直近の査定基準日に対応する前記特定期間における前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした前記補正画面を表示させることを特徴とする請求項1に記載の債権補正装置。
【請求項9】
前記貸出金の評価に影響を与える事象は、
決算後における利息の引き直しであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の債権補正装置。
【請求項10】
前記特定期間は、
年度、半期、または、四半期であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の債権補正装置。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた債権補正装置に実行させるための債権補正方法であって、
前記記憶部は、
債権の未収利息額および口数を含む特定期間における締データを記憶する債権記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした補正画面を表示させる補正画面表示ステップと、
前記補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、前記補正未収利息額および/または前記補正口数を含む補正データを取得する補正取得ステップと、
を含むことを特徴とする債権補正方法。
【請求項12】
記憶部と制御部とを備えた債権補正装置に実行させるための債権補正プログラムであって、
前記記憶部は、
債権の未収利息額および口数を含む特定期間における締データを記憶する債権記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした補正画面を表示させる補正画面表示ステップと、
前記補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、前記補正未収利息額および/または前記補正口数を含む補正データを取得する補正取得ステップと、
を実行させるための債権補正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の業務システムで管理されている金融庁検査、日銀考査、オフバランス残高管理等を含む金融業務の作業の進捗をオペレータの選択に応じて画面表示させることで、複数の業務システム全体を対象とした残作業の一括管理を実現する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-164715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、監督官庁によるオフサイトモニタリング時に、締データを保持したまま、決算後の変動を反映させた補正用データを提供できないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、締データの確定した状態を保持したまま、オフサイトモニタリング用のデータを複製し、且つ、決算時の貸出金の評価について、決算後の急な変動要素についても反映できるため、当局によるモニタリング時により精緻で最新の状態で評価を受けることができる債権補正装置、債権補正方法、および、債権補正プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る債権補正装置は、記憶部と制御部とを備えた債権補正装置であって、前記記憶部は、債権の未収利息額および口数を含む特定期間における締データを記憶する債権記憶手段、を備え、前記制御部は、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした補正画面を表示させる補正画面表示手段と、前記補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、前記補正未収利息額および/または前記補正口数を含む補正データを取得する補正取得手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記補正画面表示手段は、前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、前記締データ全体を補正対象として選択可能とし、且つ、前記未収利息額を一括で補正可能とした前記補正画面を表示させ、前記補正取得手段は、前記補正画面にて前記締データ全体が選択され、一括補正未収利息額が入力された場合、前記一括補正未収利息額を含む前記補正データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記補正画面表示手段は、前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、前記締データ全体を前記補正対象として選択可能とするためのボタンを設定し、且つ、前記未収利息額を一括で補正可能とした前記補正画面を表示させ、前記補正取得手段は、前記補正画面にて前記ボタンが押下され、前記一括補正未収利息額が入力された場合、前記一括補正未収利息額を含む前記補正データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記制御部は、前記補正対象の締データと、前記補正データと、を比較可能に表示させる比較表示手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記補正取得手段は、更に、前記補正データに基づいて、監督官庁のオフサイトモニタリング用の帳票データを作成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記補正画面は、更に、貸出残高が補正可能とされ、前記補正取得手段は、更に、前記補正画面にて前記補正対象締データが選択され、補正貸出残高が入力された場合、前記補正貸出残高を含む前記補正データを取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記補正画面表示手段は、前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、査定基準日を選択可能とした前記補正画面を表示させ、選択査定基準日が選択された場合、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記選択査定基準日に対応する前記特定期間における前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした前記補正画面を表示させることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記補正画面表示手段は、前記貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、直近の査定基準日に対応する前記特定期間における前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした前記補正画面を表示させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記貸出金の評価に影響を与える事象は、決算後における利息の引き直しであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る債権補正装置において、前記特定期間は、年度、半期、または、四半期であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る債権補正方法は、記憶部と制御部とを備えた債権補正装置に実行させるための債権補正方法であって、前記記憶部は、債権の未収利息額および口数を含む特定期間における締データを記憶する債権記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした補正画面を表示させる補正画面表示ステップと、前記補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、前記補正未収利息額および/または前記補正口数を含む補正データを取得する補正取得ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る債権補正プログラムは、記憶部と制御部とを備えた債権補正装置に実行させるための債権補正プログラムであって、前記記憶部は、債権の未収利息額および口数を含む特定期間における締データを記憶する債権記憶手段、を備え、前記制御部において、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の前記締データを選択可能とし、且つ、前記未収利息額および/または前記口数を補正可能とした補正画面を表示させる補正画面表示ステップと、前記補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、前記補正未収利息額および/または前記補正口数を含む補正データを取得する補正取得ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各債権の未収利息額を保持したまま、補正対象のみ集計対象として補正用のレコードを作成するこれにより、元の金額データを確認したまま、計数データには補正後の内容が反映されることでデータが分かりやすくなるという効果を奏する。また、本発明によれば、金融庁の定期的なオフサイトモニタリング用の基礎データとして活用できるため、特に口数のデータは最新の状態を把握した時点で入力しておくことで、定期的なモニタリングの際に余計な手間が省けるという効果を奏する。また、本発明によれば、オフサイトモニタリング用の帳票は既に確定した締め日時点のデータとモニタリング実施時点のデータとを並べ比較可能な状態で作成するため、補正前後のデータがあることで、帳票へのデータセットが容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態における債権補正装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における債権補正装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態における補正画面の一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における査定基準日選択画面の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における補正画面の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における債権データの一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における補正画面の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態におけるオフサイトモニタリング帳票データの一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態におけるオフサイトモニタリング帳票データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0021】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0022】
決算に対する定期的な当局(金融庁)のオフサイトモニタリングに対して、通常、月末時点の締めデータを基に貸出金の評価を実施するが、顧客または債権によっては決算後に利息の引き直し等をしているケースがあり、従来は、オフサイトモニタリング時に変動した内容を把握し、締データを一旦退避させ、専用のデータを作成し、データ出力後に締データを戻すという手間のかかるオペレーションを必要としていた。
【0023】
そこで、本実施形態においては、定期的な当局のオフサイトモニタリングに対し、より精緻な形で貸出金の評価を行うために、補正前の金額を保持したまま債権の補正(最新の状態に更新)を実施することができる仕組みを提供している。また、本実施形態においては、定期的な当局のオフサイトモニタリングに対し、債権の内訳を口数で保持している場合、最新の状況を把握した時点で事前入力しておくことでスムーズな資料提出を可能とする仕組みを提供している。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る債権補正装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における債権補正装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、債権補正装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、債権補正装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
債権補正装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。債権補正装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、債権補正装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、債権補正装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、債権データベース106aを備えている。
【0029】
債権データベース106aは、債権の債権データを記憶する。ここで、債権データベース106aは、債権の未収利息額および口数を含む特定期間における締データを記憶していてもよい。ここで、特定期間は、(事業)年度、半期、または、四半期等であってもよい。また、債権データ(例えば、締データ等)は、査定基準日(締日時)、債権の貸出残高、債権の未収利息額、債権の口数、オンオフ識別子(例えば、オンバランスまたはオフバランスを示すオンオフ区分等)、店舗識別子(例えば、店番等)、債権識別子(例えば、債権番号)、貸出識別子(例えば、貸出番号等)、貸出科目、および/または、顧客識別子(例えば、顧客番号および/または顧客名等)が設定されて(を含んで)いてもよい。
【0030】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0031】
制御部102は、債権補正装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、補正画面表示部102aと補正取得部102bと比較表示部102cとを備えている。
【0032】
補正画面表示部102aは、補正画面を表示させる。ここで、補正画面表示部102aは、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の締データを選択可能とし、且つ、未収利息額および/または口数を補正可能とした補正画面を表示させてもよい。また、補正画面表示部102aは、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、締データ全体を補正対象として選択可能とし、且つ、未収利息額を一括で補正可能とした補正画面を表示させてもよい。また、補正画面表示部102aは、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、締データ全体を補正対象として選択可能とするためのボタンを設定し、且つ、未収利息額を一括で補正可能とした補正画面を表示させてもよい。また、補正画面は、貸出残高が補正可能とされていてもよい。また、補正画面表示部102aは、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、査定基準日を選択可能とした補正画面を表示させ、選択査定基準日が選択された場合、補正対象の締データを選択可能とし、且つ、選択査定基準日に対応する特定期間における未収利息額および/または口数を補正可能とした補正画面を表示させてもよい。また、補正画面表示部102aは、貸出金の評価に影響を与える事象が生じた際に、補正対象の締データを選択可能とし、且つ、直近の査定基準日に対応する特定期間における未収利息額および/または口数を補正可能とした補正画面を表示させてもよい。また、貸出金の評価に影響を与える事象は、決算後における利息の引き直しであってもよい。また、補正画面表示部102aは、査定基準日選択画面を表示させてもよい。
【0033】
ここで、補正画面(例えば、未収利息一括補正画面等)は、選択されたレコード(明細)の編集(補正)項目を表示させる表示ボタン、画面に表示されたレコード(明細)ではなく新規のレコード(明細)の編集(補正)項目を表示させる新規ボタン、編集されたデータを更新させる登録ボタン、編集されたデータをレコード(明細)単位で削除させる削除ボタン、編集されたデータを更新させず、再び明細選択の状態に戻す再選択ボタン、前の画面に戻させる戻るボタン、および/または、補正対象の査定基準日(例えば、締め時点等)を選択可能とする基準日ボタン等が設定されていてもよい。また、補正画面は、査定基準日、補正を実施した補正件数、債権毎の貸出金の残高の合計である貸出残高、債権毎の未収利息額の残高の合計である未収利息額、および/または、債権毎の単位で管理されている口数等の表示領域が設定されていてもよい。また、補正画面は、レコード(明細)識別のために連番が振られたレコード番号(例えば、No.等)、(顧客番号とセットで一意のキー項目となる)債権を識別するための貸出番号、債権の性質を現した貸出科目、債務者を識別するための顧客番号、債務者の名称である顧客名、および/または、債権の現在の状態(例えば、オンバランス債権、または、オフバランス債権等)を示すオンオフ区分等の表示領域が設定されていてもよい。
【0034】
補正取得部102bは、補正データを取得する。ここで、補正取得部102bは、補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、補正未収利息額および/または補正口数を含む補正データを取得してもよい。また、補正取得部102bは、補正画面にて締データ全体が選択され、一括補正未収利息額が入力された場合、一括補正未収利息額を含む補正データを取得してもよい。また、補正取得部102bは、補正画面にてボタンが押下され、一括補正未収利息額が入力された場合、一括補正未収利息額を含む補正データを取得してもよい。また、補正取得部102bは、補正データおよび/または締データに基づいて、監督官庁のオフサイトモニタリング用の帳票データを作成してもよい。また、補正取得部102bは、補正画面にて補正対象締データが選択され、補正貸出残高が入力された場合、補正貸出残高を含む補正データを取得してもよい。
【0035】
比較表示部102cは、補正対象の締データと、補正データと、を比較可能に表示させる。ここで、比較表示部102cは、債権データを表示させてもよい。また、比較表示部102cは、監督官庁のオフサイトモニタリング用の帳票データを表示させてもよい。
【0036】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2から図10を参照して説明する。
【0037】
[債権補正処理]
ここで、図2を参照して、本実施形態における債権補正処理の一例について説明する。図2は、本実施形態における債権補正装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2に示すように、補正画面表示部102aは、決算後における利息の引き直しが生じた際に、査定基準日を選択可能とした補正画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-1)。
【0039】
そして、補正画面表示部102aは、ユーザにより入力装置112を介して補正画面にて選択査定基準日が選択された場合、補正対象の締データを選択可能とし、且つ、当該選択査定基準日に対応する事業年度における未収利息額および/または口数を補正可能とした補正画面を出力装置114に表示させる(ステップSA-2)。
【0040】
そして、補正取得部102bは、ユーザにより入力装置112を介して補正画面にて補正対象締データが選択され、補正未収利息額および/または補正口数が入力された場合、補正未収利息額および/または補正口数を含む補正データを取得する(ステップSA-3)。
【0041】
そして、比較表示部102cは、補正対象の締データと、補正データと、を比較可能に出力装置114に表示させる(ステップSA-4)。
【0042】
そして、補正取得部102bは、補正データに基づいて、金融庁のオフサイトモニタリング用の帳票データを作成し(ステップSA-5)、処理を終了する。
【0043】
ここで、図3から図9を参照して、本実施形態における債権補正処理の一例について説明する。図3図5および図7は、本実施形態における補正画面の一例を示す図である。図4は、本実施形態における査定基準日選択画面の一例を示す図である。図6は、本実施形態における債権データの一例を示す図である。図8および図9は、本実施形態におけるオフサイトモニタリング帳票データの一例を示す図である。
【0044】
図3に示すように、本実施形態においては、ユーザにより未収利息一括補正画面の起動指示が入力された場合、直近の査定基準日(2020/3/31)に対応する昨年度における未収利息額および口数を補正可能とした補正画面が表示される。なお、本実施形態においては、図3に示すように、ユーザにより基準日ボタンが押下された場合、図4に示すように、査定基準日を選択可能な査定基準日選択画面が表示されるため、半期締め(例えば、3月および9月)等を採用する企業であっても、基準日毎の補正データ作成が可能となっている。
【0045】
そして、本実施形態においては、図3に示すように、ユーザにより未収利息の一括補正を指示する新規ボタンが押下された場合、図5に示すように、画面の下部に補正データを入力するために入力エリアが表示される。なお、本実施形態においては、図3に示すように、補正対象のレコード(補正明細)が選択され、表示ボタンが押下された場合、画面の下部に選択レコードに対する補正データを入力するために入力エリアが表示される。
【0046】
そして、本実施形態においては、図5に示すように、入力エリアに一括補正未収利息額を含む補正データが入力され、登録ボタンが押下された場合、図6に示すように、債権データが更新される。
【0047】
そして、図7に示すように、本実施形態においては、査定基準日(2020/3/31)に対応する昨年度における締データと、一括補正未収利息額を含む補正データと、が比較可能に表示される。なお、本実施形態においては、補正が必要なデータについて、これらの手順をユーザが繰り返すことで、補正が実施される。
【0048】
そして、図8に示すように、本実施形態においては、一括補正未収利息額を含む補正データに基づいて、金融庁のオフサイトモニタリング用の帳票データが作成される。
【0049】
更に、図9に示すように、本実施形態においては、補正データおよび締データに基づいて、金融庁のオフサイトモニタリング用の帳票データが作成されてもよい。ここで、図9に示すように、本実施形態においては、年金福祉基金の口数が17,002口であり、年金福祉基金以外の顧客が120先あり、当該各顧客の口数が1口であるため、与信先リスクウェイト区分:N99における与信口数が17,122口となっている。
【0050】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0051】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0052】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0053】
また、債権補正装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0054】
例えば、債権補正装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて債権補正装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0055】
また、このコンピュータプログラムは、債権補正装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0056】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0057】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0058】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0059】
また、債権補正装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、債権補正装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0060】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、融資業務等を行う金融業界において有用である。
【符号の説明】
【0062】
100 債権補正装置
102 制御部
102a 補正画面表示部
102b 補正取得部
102c 比較表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 債権データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9