(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】双子用授乳クッション
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20231122BHJP
A47D 7/00 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
A47C27/00 K
A47D7/00 Z
(21)【出願番号】P 2020204080
(22)【出願日】2020-12-09
【審査請求日】2022-07-22
(73)【特許権者】
【識別番号】503061197
【氏名又は名称】大杉 千里
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】大杉 千里
【審査官】齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0175192(US,A1)
【文献】米国特許第05664828(US,A)
【文献】特開2004-121800(JP,A)
【文献】特開2007-125215(JP,A)
【文献】登録実用新案第3179142(JP,U)
【文献】実開平07-042628(JP,U)
【文献】韓国公開実用新案第20-2013-0004943(KR,U)
【文献】意匠登録第1473790(JP,S)
【文献】特開2016-28685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 7/00-03
A47D 15/00-02
A47C 27/00
A47G 9/10
A61G 1/00-12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双子の乳児に対して同時に授乳姿勢に保持できるようにした双子用授乳クッションであって、
左右に二分割されるとともに前部が相互に結合され、
ソファー又は床への着座姿勢の使用者(32)の胴回りに装着可能な形態をなし、左右の半部(10A、10B)が双子の乳児(30、31)を寝かせることのできる大きさのベッド面を
有し、左右の半部(10A、10B)のベッド面と底面は縦60cm~80cm、横20cm~40cmの範囲の大きさの長方形状、側面は10cm~35cmの範囲内の幅の帯状を有する形態に形成され、双子の乳児の顔が着座姿勢の使用者(32)の乳房の近くにくる姿勢で双子の乳児を着座姿勢の使用者(32)の両脇に抱え込んで双子の乳児に同時に授乳することができるクッション(10)と、
相互に結合された主ベルト(21)と副ベルト(22)とからなり、上記主ベルト(21)は上記クッション(10)の半部(10A、10B)に抱きつかせることが可能であり、上記副ベルト(22)は上記クッション
(10)の半部(10A、10B)のベッド面に載せられた乳児(30、31)の胴部に抱きつかせることによって乳児(30、31)を
上記クッション
(10)の半部(10A、10B)に保持する一対の乳児保持ベルト(20)と、
上記クッション(10)
の半部(10A、10B)の開放端を締着することによって上記クッション(10)を着座姿勢の使用者(32)の胴回りに装着した状態に保持する締着手段(40)と、
を備えたことを特徴とする双子用授乳クッション。
【請求項2】
上記クッション(10)は、二分割された左右
の半部(10A、10B)の間をファスナー(10C)によって締着可能な形態をなし、上記ファスナー(10C)を途中まで開くことによって着座姿勢の使用者(32)の太股の上に載せることができるようになっている請求項1記載の双子用授乳クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は双子用授乳クッションに関し、特に双子の乳児を同時に授乳姿勢に保持できるようにした授乳クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
授乳時に乳児を安定な状態に保つとともに、乳児に対する授乳の負担を軽くするために、様々な授乳クッションが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-245920号公報
【文献】特開2013-179974号公報
【文献】特許第6061168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1~3記載の授乳クッションでは例えば双子の乳児に授乳する場合には1人ずつ別々に授乳する必要があり、授乳に時間がかかっていた。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑み、双子の乳児を同時に授乳姿勢に保持できるようにした双子用授乳クッションを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る双子用授乳クッションは、双子の乳児に対して同時に授乳姿勢に保持できるようにした双子用授乳クッションであって、左右に二分割されるとともに前部が相互に結合され、着座姿勢の使用者の胴回りに装着可能な形態をなし、左右の半部が双子の乳児を寝かせることのできる大きさのベッド面を有するクッションと、相互に結合された主ベルトと副ベルトとからなり、上記主ベルトは上記クッションの半部に抱きつかせることが可能であり、上記副ベルトは上記クッション半部のベッド面に載せられた乳児の胴部に抱きつかせることによって乳児をクッション半部に保持する一対の乳児保持ベルトと、上記クッションの左右の半部の開放端を締着することによって上記クッションを着座姿勢の使用者の胴回りに装着した状態に保持する締着手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明の特徴の1つは二分割可能なクッションと一対の乳児保持ベルトを用い、クッションを着座姿勢の使用者の胴回りに装着し、乳児保持ベルトの主ベルトをクッション半部に抱きつかせ、このクッション半部に乳児を寝かせて副ベルトを乳児の胴部に抱きつかせ、双子の乳児をクッションに並べて保持できるようにした点にある。
【0008】
これにより、従来は双子の乳児に対して別々に授乳する必要があったが、本発明によれば双子の乳児をクッションに並べて保持して同時に授乳できる結果、双子の乳児に対する授乳を短時間で行うことができ、授乳の作業が非常に容易になる。
【0009】
クッションは左右に二分割されるとともに前部が相互に結合されていればよく、例えば二分割された左右のクッション半部の間をファスナーによって締着可能な形態となし、ファスナーを途中まで開くことによって着座姿勢の使用者の太股の上に載せることができるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る双子用授乳クッションの好ましい実施形態の使用状態を示す概略斜視図である。
【
図2】上記実施形態の他の使用状態を示す概略斜視図である。
【
図4】上記実施形態における保持ベルトを示す概略斜視図である。
【
図5】上記実施形態における使用状態を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を添付図面に示す具体例に基づいて説明する。
図1ないし
図5は本発明に係る双子用授乳クッションの好ましい実施形態を示す。図において、本例の双子用授乳クッションはクッション10と一対の乳児保持ベルト20から構成されている。
【0012】
クョション10は左右一対の半部10A、10Bの間をファスナー10Cによって相互に締着可能な形態に構成され、クッション半部10A、10Bの後端側(開放端)にはバックル(面ファスナーでもよい)によって締結・離脱可能となった締着ベルト(締着手段)40が設けられ、又クッション半部10A、10Bはカバー内部に発泡ビーズを内蔵して構成されている。なお、発泡ビーズは直接内蔵するようにしているが、内袋に入れてからカバーに内蔵するようにしてもよい。
【0013】
カバーは上面に乳児を載せることのできる大きさのベッド面を有し、左右一対の半部10A、10Bのベッド面と底面は縦60cm~80cm、横20cm~40cm程度の長方形状に形成され、側面は10cm~35cmの範囲内の幅の帯状に形成されている。
【0014】
カバーには綿糸70%、ポリエステル糸25%、ポリウレタン糸5%を用いてパイル編みで編成した伸縮性のあるパイル編み生地が用いられている。
【0015】
また、側面には綿糸を用いて平編みで編成した生地が用いられ、側面の生地はベッド面及び底面に比較して少し硬くなっているが、ベッド面と同じ編み組織とし、同程度の硬さとすることもできる。
【0016】
発泡ビーズには例えばポリエチレンやポリスチレンなどの合成樹脂材料を発泡させた平均粒径1mm(粒度分布0. 5mm~6mm)の大きさの真球状の発泡ビーズが用いられている。なお、発泡ビーズは適度な丸みがあればよいので、横長球状としてもよく、あるいは真球状と横長球状の組合せとしてもよい。
【0017】
また、発泡ビーズはカバー内の内容積に対して90容量%の量が内蔵されているが、40容量%以上~130容量%の範囲から選ばれた量であればよい。
【0018】
一対の乳児保持ベルト20は相互に結合された主ベルト21と副ベルト22とからなり、主ベルト21及び副ベルト22は雌雄の面ファスナーによっ環状に締着できるようになっている。
【0019】
主ベルト21はクッション10の半部10A、10Bに抱きつかせることが可能であり、副ベルト22はクッション半部10A、10Bのベッド面に載せられた乳児30、31の胴部に抱きつかせることによって乳児30、31をクッション半部10A、10Bに保持できるようになっている。
【0020】
双子の乳児30、31に授乳する場合、母親(使用者)32はクッション10の前部を残してファスナー10Cを開き、左右の半部10A、10Bを形成し、クッション10A、10Bの間に母親32の胴を入れ、開放端の締着ベルト40を締着してクッション10を母親32の胴回りに取付け保持する。
【0021】
また、クッション半部10A、10Bの各々には乳児保持ベルト20の主ベルト21を回して抱きつかせ、面ファスナーで締結する。この乳児保持ベルト20の主ベルト21は
図3に示されるように、予めクッション半部10A、10Bの各々に取付けておくことができる。
【0022】
次に、
図1に示されるようにソファーに着座し、あるいは母親32が
図2に示されるように床に着座し、クッション半部10A、10Bを太股の上に載せ、乳児30、31をクッション半部10A、10Bのベッド面の上に載せ、乳児保持ベルト20の副ベルト22を乳児30、31の胴部に回して抱きつかせ、面ファスナーで締結する。
【0023】
この状態では
図1、
図2に示されるように、双子の乳児30、31の顔が母親32の両方の乳房の近くになり、双子の乳児30、31をクッション10に並べて授乳姿勢に保持して同時に授乳できる結果、双子の乳児30、31に対する授乳を短時間で行うことができ、授乳の作業が非常に容易になる。
【符号の説明】
【0024】
10 クッション
10A 10B クッション半部
20 乳児保持ベルト
21 主ベルト
22 保持ベルト
30、31 乳児
32 母親(使用者)
40 締着ベルト(締着手段)