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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】ウルトラキャパシタ用の電極アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01G 11/70 20130101AFI20231122BHJP
   H01G 11/68 20130101ALI20231122BHJP
   H01G 11/42 20130101ALI20231122BHJP
   H01G 11/52 20130101ALI20231122BHJP
   H01G 11/62 20130101ALI20231122BHJP
   H01G 11/60 20130101ALI20231122BHJP
   H01G 11/78 20130101ALI20231122BHJP
【FI】
H01G11/70
H01G11/68
H01G11/42
H01G11/52
H01G11/62
H01G11/60
H01G11/78
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020500135
(86)(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 US2018040252
(87)【国際公開番号】W WO2019006276
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】62/527,278
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン,ショーン
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-063630(JP,A)
【文献】特開2003-031450(JP,A)
【文献】特開2007-258413(JP,A)
【文献】国際公開第2004/084246(WO,A1)
【文献】特開2012-209482(JP,A)
【文献】特開2011-176140(JP,A)
【文献】特開2004-186246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 11/70
H01G 11/68
H01G 11/42
H01G 11/52
H01G 11/62
H01G 11/60
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極アセンブリ、並びに第1の電極及び第2の電極とイオン接触している非水電解質を含むウルトラキャパシタであって、
前記電極アセンブリは、対向する第1の長手方向縁部と第2の長手方向縁部との間の長さを画定し、
前記電極アセンブリは、
第1の炭素質被覆に電気的に結合された第1の集電体を含む第1の電極であって、前記第1の集電体の少なくとも一部は前記第1の長手方向縁部を越えて突出して第1の突出部分を画定しており、前記第1の突出部分のオフセット比は0.02~0.1である上記第1の電極;
第2の炭素質被覆に電気的に結合された第2の集電体を含む第2の電極;及び
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されたセパレータ;
を含み、
前記電極アセンブリの長さが5~25ミリメートルであり、
前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記セパレータは、中空コアを有するジェリーロール構造内に設けられており、
前記ウルトラキャパシタが基部及び開放端を有する容器を含むハウジングを含み、蓋が前記開放端に隣接して配置されており、更に、前記電極アセンブリが、前記第1の突出部分が前記基部又は前記蓋と電気的に接触する位置となるように前記ハウジング内に配置されており、
前記容器が金属から形成される、ウルトラキャパシタ
【請求項2】
前記第2の集電体の少なくとも一部が前記第2の長手方向縁部を越えて突出して第2の突出部分を画定しており、前記第2の突出部分のオフセット比が0.02~0.3である、請求項1に記載のウルトラキャパシタ
【請求項3】
前記第1の突出部分、前記第2の突出部分、又は両方の長さが、1~20ミリメートルである、請求項1又は2に記載のウルトラキャパシタ
【請求項4】
前記第1の集電体及び前記第2の集電体が、それぞれ導電性金属を含む基材を含む、請求項1に記載のウルトラキャパシタ
【請求項5】
前記導電性金属がアルミニウム又はその合金である、請求項に記載のウルトラキャパシタ
【請求項6】
前記第1の炭素質被覆、前記第2の炭素質被覆、又は両方が活性炭粒子を含む、請求項1に記載のウルトラキャパシタ
【請求項7】
前記セパレータがセルロース繊維材料を含む、請求項1に記載のウルトラキャパシタ
【請求項8】
前記非水電解質が非水溶媒中に溶解しているイオン液体を含み、前記イオン液体はカチオン種及び対イオンを含む、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項9】
前記非水溶媒が、炭酸プロピレン、ニトリル、又はそれらの組み合わせを含む、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項10】
前記カチオン種が有機第4級アンモニウム化合物を含む、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項11】
前記有機第4級アンモニウム化合物が、次の構造:
【化1】
(式中、m及びnは、独立して3~7の数である)
を有する、請求項10に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項12】
前記イオン液体が1.0M以上の濃度で存在する、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項13】
前記ウルトラキャパシタが、100kHzの周波数及び25℃の温度で求めて100ミリオーム以下のESRを示す、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項14】
前記ウルトラキャパシタが、120Hzの周波数及び25℃の温度で求めて6ファラド/平方センチメートル以上のキャパシタンス値を示す、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項15】
前記第2の集電体の少なくとも一部が前記第2の長手方向縁部を越えて突出して第2の突出部分を画定しており、前記第2の突出部分のオフセット比が0.02~0.3である、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項16】
前記第1の突出部分が前記基部と電気的に接触しており、前記第2の突出部分が前記蓋と電気的に接触している、請求項15に記載のウルトラキャパシタ。
【請求項17】
前記容器が円筒形状を有する、請求項に記載のウルトラキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2017年6月30日の出願日を有する米国仮特許出願第62/527,278号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の出願の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
電気エネルギー貯蔵セルは、電子デバイス、電気機械デバイス、電気化学デバイス、及び他の有用なデバイスに電力を供給するために広く使用されている。例えば、電気二重層ウルトラキャパシタは、一般に電解液を含浸した炭素粒子(例えば活性炭)を含む一対の分極性電極を使用する。粒子の有効表面積及び電極間の小さな間隔により、大きなキャパシタンス値を達成することができる。しかしながら問題が残っている。例えば、多くの従来のウルトラキャパシタは高温に対して感受性であり、これにより増加した等価直列抵抗(ESR)をもたらす可能性がある。したがって、改良された電気特性を有するウルトラキャパシタに対する必要性が現在存在する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施形態によれば、対向する第1の長手方向縁部と第2の長手方向縁部との間の長さを画定するウルトラキャパシタ用の電極アセンブリが開示される。電極アセンブリは、第1の炭素質被覆に電気的に結合された第1の集電体を含む第1の電極、第2の炭素質被覆に電気的に結合された第2の集電体を含む第2の電極、及び第1の電極と第2の電極との間に配置されたセパレータを含む。第1の集電体の少なくとも一部は、第1の長手方向縁部を越えて突出して第1の突出部分を画定する。第1の突出部分のオフセット比は、約0.02~約0.3である。
【0004】
下記において本発明の他の特徴及び態様をより詳細に示す。
当業者に向けられた、本発明のベストモードを含む本発明の完全かつ実施可能な開示を、添付の図面を参照する本明細書の残りでより詳しく示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本発明の電極アセンブリの一実施形態の断面分解図である。
図2図2は、図1の電極アセンブリの上面図である。
図3図3は、本発明にしたがって形成することができるウルトラキャパシタの一実施形態の、蓋で封止する前の概要図である。
図4図4は、本発明にしたがって形成することができるウルトラキャパシタの一実施形態の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書及び図面における参照符号の繰り返しの使用は、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
当業者であれば、この議論は、例示的な実施形態の説明にすぎず、本発明のより広い態様を限定することを意図するものではなく、そのより広い態様は例示的な構成において具現化されることを理解されたい。
【0007】
一般的に言えば、本発明は、ウルトラキャパシタにおいて使用するための電極アセンブリに関する。電極アセンブリは、第1の集電体に電気的に結合された第1の炭素質被覆(例えば活性炭粒子)を含む第1の電極、及び第2の集電体に電気的に結合された第2の炭素質被覆(例えば活性炭粒子)を含む第2の電極を含む。また、セパレータが第1の電極と第2の電極との間に配置される。電極アセンブリは、電極とセパレータとを、例えば積層すること、螺旋状に巻回することなどにより一緒に組み合わせることによって形成される。
【0008】
使用される技術にかかわらず、集電体(第1及び/又は第2の集電体)の少なくとも1つは、電極アセンブリの長手方向縁部を越えて突出する。集電体の突出部分は、ハウジング内の端子と接触させるための増加した表面積を与えることができ、これによりESRを低減することができる。例えば、得られるウルトラキャパシタは、100kHzの周波数及び25℃の温度において印加電圧なしで求めて約100ミリオーム以下、幾つかの実施形態においては約80ミリオーム未満、幾つかの実施形態においては約0.01~約50ミリオーム、幾つかの実施形態においては約0.05~約20ミリオームのESRを示すことができる。ESRはまた、種々の異なる温度において安定に維持することができる。例えば、ウルトラキャパシタは,約80℃以上、幾つかの実施形態においては約100℃~約150℃、幾つかの実施形態においては約105℃~約130℃(例えば85℃又は105℃)の温度を有する雰囲気と接触させて配置することができる。かかる高い温度においても、ESRは、一般に約100時間以上、幾つかの実施形態においては約300時間~約5000時間、及び幾つかの実施形態においては約600時間~約4500時間(例えば、168、336、504、672、840、1008、1512、2040、3024、又は4032時間)のような相当な時間、上記の範囲内に維持することができる。例えば一実施形態においては、高温雰囲気(例えば85℃又は105℃)に1008時間曝露された後のウルトラキャパシタのESRの、最初に高温雰囲気に曝露された時点のウルトラキャパシタのESRに対する比は、約1.3以下、幾つかの実施形態においては約1.2以下、幾つかの実施形態においては約0.2~約1である。
【0009】
かかる低いESR値は、上述したように、高い電圧を印加された場合及び/又は高湿雰囲気中などのような種々の極端な条件下においても維持することができる。例えば、高温雰囲気(例えば85℃又は105℃)及び印加電圧に曝露された後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気に曝露されたが電圧が印加される前のウルトラキャパシタの初期ESRに対する比は、約1.8以下、幾つかの実施形態においては約1.7以下、幾つかの実施形態においては約0.2~約1.6であり得る。電圧は、例えば約1ボルト以上、幾つかの実施形態においては約1.5ボルト以上、幾つかの実施形態においては約2~約10ボルト(例えば2.1ボルト)であり得る。例えば一実施形態においては、上記の比を1008時間以上維持することができる。ウルトラキャパシタはまた、高い湿度レベルに曝露された際にも上述のESR値を維持することができる。例えば、高温雰囲気(例えば85℃又は105℃)及び高湿度(例えば85%)に曝露された後のウルトラキャパシタのESRの、高温雰囲気に曝露されているが高湿度雰囲気に曝露される前のウルトラキャパシタの初期キャパシタンス値に対する比は、約1.5以下、幾つかの実施形態においては約1.4以下、幾つかの実施形態においては約0.2~約1.2であり得る。例えば一実施形態においては、この比を1008時間以上維持することができる。
【0010】
集電体の突出部分の長さを電極アセンブリの長さで割ることによって求められる突出している集電体の「オフセット比」は、一般に約0.02~約0.3、幾つかの実施形態においては約0.04~約0.2、幾つかの実施形態においては約0.05~約0.1の範囲内に制御される。例えば、集電体の突出部分の長さは、約1~約20ミリメートル、幾つかの実施形態においては約2~約16ミリメートル、幾つかの実施形態においては約5~約15ミリメートルにすることができる。また、電極アセンブリの長さは、約5~約100ミリメートル、幾つかの実施形態においては約8~約60ミリメートル、幾つかの実施形態においては約10~約25ミリメートルにすることができる。本発明者らは、突出部分と電極アセンブリの電極オフセット比及び相対長さを選択的に制御することによって、得られるウルトラキャパシタが低減されたESRを達成するだけでなく、高いキャパシタンス値も達成することができることを見出した。ウルトラキャパシタは、例えば、120Hzの周波数及び25℃の温度において印加電圧なしで測定して約6ファラッド/平方センチメートル(F/cm)以上、幾つかの実施形態においては約8F/cm以上、幾つかの実施形態においては約9~約100F/cm、及び幾つかの実施形態においては約10~約80F/cmのキャパシタンス値を示すことができる。
【0011】
キャパシタンスはまた、約100時間以上、幾つかの実施形態においては約300時間~約5000時間、幾つかの実施形態においては約600時間~約4500時間(例えば、168、336、504、672、840、1008、1512、2040、3024、又は4032時間)のような相当な時間、上記の高温において安定して維持することもできる。例えば一実施形態においては、高温雰囲気(例えば85℃又は105℃)に1008時間曝露された後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、高温雰囲気に最初に曝露された時点のウルトラキャパシタのキャパシタンス値に対する比は、約0.75以上、幾つかの実施形態においては約0.8~1.0、幾つかの実施形態においては約0.85~1.0である。また、高いキャパシタンス値は、電圧を印加した際、及び/又は高湿雰囲気中においても維持することができる。例えば、高温雰囲気(例えば85℃又は105℃)及び印加電圧に曝露された後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値と、高温雰囲気に曝露されたが電圧が印加される前のウルトラキャパシタの初期キャパシタンス値に対する比は、約0.60以上、幾つかの実施形態においては約0.65~1.0、幾つかの実施形態においては約0.7~1.0であり得る。電圧は、例えば約1ボルト以上、幾つかの実施形態においては約1.5ボルト以上、幾つかの実施形態においては約2~約10ボルト(例えば2.1ボルト)であり得る。例えば一実施形態においては、上記の比を1008時間以上維持することができる。ウルトラキャパシタはまた、約40%以上、幾つかの実施形態においては約45%以上、幾つかの実施形態においては約50%以上、幾つかの実施形態においては約70%以上(例えば約85%~100%)の相対湿度を有する雰囲気と接触させて配置した場合のような高い湿度レベルに曝露した際にも、上述のキャパシタンス値を維持することができる。相対湿度は、例えばASTM-E337-02,方法A(2007)にしたがって求めることができる。例えば、高温雰囲気(例えば85℃又は105℃)及び高湿度(例えば85%)に曝露された後のウルトラキャパシタのキャパシタンス値の、高温雰囲気に曝露されたが、高湿度に曝露される前のウルトラキャパシタの初期キャパシタンス値に対する比は、約0.7以上、幾つかの実施形態においては約0.75~1.0、幾つかの実施形態においては約0.80~1.0であり得る。例えば一実施形態においては、この比を1008時間以上維持することができる。
【0012】
ここで本発明の種々の実施形態をより詳細に説明する。
I.電極アセンブリ:
A.電極:
上記に示したように、電極アセンブリは第1及び第2の電極を含んでおり、これはそれぞれ第1及び第2の集電体を含む。所望の場合、特にウルトラキャパシタが複数のエネルギー蓄積セルを含む場合には、追加の集電体を使用することもできることを理解すべきである。集電体は、同じか又は異なる材料から形成することができる。しかしながら、それぞれの集電体は、通常は、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、銀、パラジウム等のような導電性金属、並びにそれらの合金を含む基材から形成される。アルミニウム及びアルミニウム合金は、本発明において用いるのに特に適している。基材は、箔、シート、プレート、メッシュ等の形態であってよい。基材はまた、約200マイクロメートル以下、幾つかの実施形態においては約1~約100マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約5~約80マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約10~約50マイクロメートルのような比較的小さい厚さを有していてもよい。決して必須ではないが、基材の表面は、場合によっては洗浄、エッチング、ブラスト処理などによって粗面化することができる。
【0013】
第1及び第2の炭素質被覆も、それぞれ第1及び第2の集電体に電気的に結合される。それらは同じか又は異なるタイプの材料から形成することができ、1つ又は複数の層を含んでいてよいが、炭素質被覆のそれぞれは一般に、活性化粒子を含む少なくとも1つの層を含む。例えば幾つかの実施形態においては、活性炭層を集電体の上に直接配置することができ、場合によってこれが炭素質被覆の唯一の層であってよい。好適な活性炭粒子の例としては、例えば、ココナッツ殻系活性炭、石油コークス系活性炭、ピッチ系活性炭、ポリ塩化ビニリデン系活性炭、フェノール樹脂系活性炭、ポリアクリロニトリル系活性炭、及び石炭、木炭、又は他の天然有機源のような天然源からの活性炭を挙げることができる。
【0014】
幾つかの実施形態においては、活性炭粒子の幾つかの特徴、例えば、それらの粒径分布、表面積、及び細孔径分布を選択的に制御して、1回以上の充放電サイクルにかけた後の幾つかのタイプの電解質に関するイオン移動度を改善するのを助けることが望ましい場合がある。例えば、粒子の少なくとも50体積%は、約0.01~約30マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約0.1~約20マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約0.5~約10マイクロメートルの範囲の寸法(D50径)を有していてよい。また、粒子の少なくとも90体積%は、約2~約40マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約5~約30マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約6~約15マイクロメートルの範囲の寸法(D90径)を有していてよい。また、BET表面積は、約900m/g~約3,000m/g、幾つかの実施形態においては約1,000m/g~約2,500m/g、幾つかの実施形態においては約1,100m/g~約1,800m/gであってよい。
【0015】
特定の寸法及び表面積を有することに加えて、活性炭粒子はまた、特定の径分布を有する細孔を含んでいてよい。例えば、径が約2ナノメートル未満の細孔(即ちミクロ細孔)の量は、全細孔容積の約50容積%以下、幾つかの実施形態においては約30容積%以下、幾つかの実施形態においては0.1容積%~15容積%の細孔容積を与えることができる。また、径が約2ナノメートル~約50ナノメートルの間の細孔(即ちメソ細孔)の量は、約20容積%~約80容積%、幾つかの実施形態においては約25容積%~約75容積%、幾つかの実施形態においては約35容積%~約65容積%であってよい。最後に、径が約50ナノメートルより大きい細孔(即ちマクロ細孔)の量は、約1容積%~約50容積%、幾つかの実施形態においては約5容積%~約40容積%、幾つかの実施形態においては約10容積%~約35容積%であってよい。炭素粒子の全細孔容積は、約0.2cm/g~約1.5cm/g、幾つかの実施形態においては約0.4cm/g~約1.0cm/gの範囲であってよく、メジアン細孔幅は、約8ナノメートル以下、幾つかの実施形態においては約1ナノメートル~約5ナノメートル、幾つかの実施形態においては約2~約4ナノメートルであってよい。細孔径及び全細孔容積は、窒素吸着を用いて測定することができ、当該技術において周知なようにBarrett-Joyner-Halenda(BJH)法によって解析することができる。
【0016】
所望の場合には、第1及び/又は第2の炭素質被覆中の炭素100部当たり約60部以下、幾つかの実施形態においては40部以下、幾つかの実施形態においては約1~約25部の量のバインダーを存在させることができる。バインダーは、例えば、炭素質被覆の全重量の約15重量%以下、幾つかの実施形態においては約10重量%以下、幾つかの実施形態においては約0.5重量%~約5重量%を構成することができる。任意の種々の好適なバインダーを電極において使用することができる。例えば、幾つかの実施形態においては、スチレン-ブタジエンコポリマー、ポリ酢酸ビニルホモポリマー、酢酸ビニルエチレンコポリマー、酢酸ビニルアクリルコポリマー、エチレン-塩化ビニルコポリマー、エチレン-塩化ビニル-酢酸ビニルターポリマー、アクリルポリ塩化ビニルポリマー、アクリルポリマー、ニトリルポリマー、ポリテトラフルオロエチレン又はポリフッ化ビニリデンのようなフルオロポリマー、ポリオレフィンなど、並びにそれらの混合物のような水不溶性有機バインダーを使用することができる。また、多糖類及びその誘導体のような水溶性有機バインダーも使用することができる。1つの特定の実施形態において、多糖類は、アルキルセルロースエーテル(例えば、メチルセルロース及びエチルセルロース);ヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルヒドロキシブチルセルロースなど);アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテル(例えば、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース、及びメチルエチルヒドロキシプロピルセルロース);カルボキシアルキルセルロースエーテル(例えばカルボキシメチルセルロース);などのような非イオンセルロースエーテル、並びにナトリウムカルボキシメチルセルロースのような上記のいずれかのプロトン化塩であってよい。
【0017】
第1及び/又は第2の炭素質被覆の活性炭層内、及び/又は第1及び/又は第2の炭素質被覆の他の層内において、他の材料を使用することもできる。例えば、幾つかの実施形態においては、導電性促進剤を使用して導電性を更に増大させることができる。代表的な導電性促進剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト(天然又は人工)、グラファイト、カーボンナノチューブ、ナノワイヤ又はナノチューブ、金属繊維、グラフェンなど、並びにそれらの混合物を挙げることができる。カーボンブラックが特に好適である。使用する場合、導電性促進剤は、通常は、炭素質被覆中の活性炭粒子100部当たり約60部以下、幾つかの実施形態においては40部以下、幾つかの実施形態においては約1~約25部を構成する。導電性促進剤は、例えば、炭素質被覆の全重量の約15重量%以下、幾つかの実施形態においては約10重量%以下、幾つかの実施形態においては約0.5重量%~約5重量%を構成することができる。また、活性炭粒子は、通常は、炭素質被覆の85重量%以上、幾つかの実施形態においては約90重量%以上、幾つかの実施形態においては約95重量%~約99.5重量%を構成する。
【0018】
炭素質被覆を集電体に施す特定の方法は、印刷(例えば、輪転グラビア)、スプレー、スロットダイコート、ドロップコート、ディップコート等のように、当業者に周知なように変化させることができる。それを施す方法にかかわらず、得られる電極は、通常は、被覆から水分を除去するために、約100℃以上、幾つかの実施形態においては約200℃以上、幾つかの実施形態においては約300℃~約500℃のような温度において乾燥する。電極はまた、ウルトラキャパシタの体積効率を最適にするために圧縮(例えば、カレンダー加工)することもできる。任意の随意的な圧縮の後、それぞれの炭素質被覆の厚さは、一般に、ウルトラキャパシタの所望の電気的性能及び運転範囲に基づいて変化させることができる。しかし、通常は、被覆の厚さは、約20~約200マイクロメートル、30~約150マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約40~約100マイクロメートルである。被覆は、集電体の1つの面又は両面の上に存在させることができる。しかしながら、電極全体(随意的な圧縮の後の集電体及び炭素質被覆を含む)の厚さは、通常は、約20~約350マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約30~約300マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約50~約250マイクロメートルの範囲内である。
【0019】
B.セパレータ:
また、第1の電極と第2の電極との間にセパレータも配置される。所望の場合には、他のセパレータを電極アセンブリにおいて用いることもできる。例えば、1つ以上のセパレータを、第1の電極、第2の電極、又は両方の上に配置することができる。セパレータは、一方の電極を他方から電気的に絶縁して電気的短絡を阻止するのを助けるが、未だなお2つの電極間のイオンの輸送を可能にしている。例えば幾つかの実施形態においては、セルロース繊維材料(例えば、エアレイド紙ウエブ、ウェットレイド紙ウエブなど)、不織繊維材料(例えばポリオレフィン不織ウエブ)、織布、フィルム(例えばポリオレフィンフィルム)などを含むセパレータを使用することができる。天然繊維、合成繊維などを含むもののようなセルロース繊維材料は、ウルトラキャパシタにおいて用いるのに特に適している。セパレータにおいて用いるのに好適なセルロース繊維の具体例としては、例えば、硬木パルプ繊維、軟木パルプ繊維、レーヨン繊維、再生セルロース繊維などを挙げることができる。使用される特定の材料にかかわらず、セパレータは、通常は約5~約150マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約10~約100マイクロメートル、幾つかの実施形態においては約20~約80マイクロメートルの厚さを有する。
【0020】
電極アセンブリの部品を組み立てる方法は、当該技術において公知なように変化させることができる。例えば、電極及びセパレータは、最初に折り畳むか、巻回するか、又は他の方法で一緒に接触させて、電極アセンブリを形成することができる。1つの特定の実施形態においては、電極、セパレータ、及び場合により電解質を巻回して「ジェリーロール」構造を有する電極アセンブリにすることができる。例えば、図1~2を参照すると、第1の電極12、第2の電極14、及び電極12と14との間に配置されたセパレータ60を含む電極アセンブリ10の一実施形態が示されている。この特定の実施形態においては、電極アセンブリ10はまた、第2の電極14の上に配置された別のセパレータ70も含む。このようにして、電極の2つの被覆表面のそれぞれをセパレータによって分離し、それによって単位体積当たりの表面積及びキャパシタンスを最大にする。第1の電極12は第1の集電体20の対向する表面上に配置された炭素質被覆22及び24を含み、一方、第2の電極14は、第2の集電体40の対向する表面上に配置された炭素質被覆42及び44を含む。もちろん、集電体の両方の表面が炭素質被覆を含む必要はないことを理解すべきである。
【0021】
図2に示すように、電極12及び14並びにセパレータ60及び70は、アセンブリ10が長手方向縁部41と21との間で長手方向に伸長して長さ「L」を画定するように一緒に巻回される。例えば、図示の実施形態においては、セパレータ60及び70は、値が同等で、炭素質被覆の対応する長さよりも大きな長さを有するものとして示されている。したがって、この実施形態におけるアセンブリ10の長さ「L」は、事実上、セパレータの最外縁部の間の距離である。例えば、長さ「L」は、約5~約100ミリメートル、幾つかの実施形態においては約8~約60ミリメートル、幾つかの実施形態においては約10~約25ミリメートルであってよい。第1の集電体20は、アセンブリ10の長手方向縁部21を越えて突出する第1の突出部分64を有するように配置される。同様に、第2の集電体40は、アセンブリ10の長手方向縁部41を越えて突出する第2の突出部分62を有するように配置される。例えば、第1の突出部分64の長さ「L」、第2の突出部分62の長さ「L」、又は両方は、約1~約20ミリメートル、幾つかの実施形態においては約2~約16ミリメートル、幾つかの実施形態においては約5~約15ミリメートルであってよい。図示の実施形態においては、集電体の突出は、対応する炭素質被覆よりも大きな長さを有する集電体を使用することによって達成される。しかしながら、或いは、集電体の突出は、集電体をアセンブリの他の部品に対して単に偏位させることによっても達成することができる。
【0022】
II.非水電解質:
ウルトラキャパシタを形成するために、電極及びセパレータを組み立てて電極アセンブリを形成する前、その間、及び/又はその後に、電解質を、第1の電極及び第2の電極とイオン接触させて配置する。電解質は一般に非水性であり、したがって少なくとも1種類の非水溶媒を含む。ウルトラキャパシタの使用温度範囲を拡張するのを助けるために、通常は、非水溶媒は、約150℃以上、幾つかの実施形態においては約200℃以上、幾つかの実施形態においては約220℃~約300℃のような比較的高い沸点を有することが望ましい。特に好適な高沸点溶媒としては、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレンなどのような環状カーボネート溶媒を挙げることができる。もちろん、他の非水溶媒を、単独か又は環状カーボネート溶媒と組み合わせて使用することもできる。このような溶媒の例としては、例えば、開鎖カーボネート(例えば、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等)、脂肪族モノカルボキシレート(例えば、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等)、ラクトン溶媒(例えば、ブチロラクトン、バレロラクトン等)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3-メトキシプロピオニトリル等)、アミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン)、アルカン(例えば、ニトロメタン、ニトロエタン等)、イオウ化合物(例えば、スルホラン、ジメチルスルホキシド等)などを挙げることができる。
【0023】
電解質にはまた、非水溶媒中に溶解している少なくとも1種類のイオン液体を含ませることもできる。イオン液体の濃度は変化させることができるが、通常は、イオン液体は比較的高い濃度で存在させることが望ましい。例えば、イオン液体は、電解質1リットル当たり約0.8モル(M)以上、幾つかの実施形態においては約1.0M以上、幾つかの実施形態においては約1.2M以上、幾つかの実施形態においては約1.3~約1.8Mの量で存在させることができる。
【0024】
イオン液体は、一般に、約400℃以下、幾つかの実施形態においては約350℃以下、幾つかの実施形態においては約1℃~約100℃、幾つかの実施形態においては約5℃~約50℃のような比較的低い融点を有する塩である。塩は、カチオン種及び対イオンを含む。カチオン種は、「カチオン中心」として少なくとも1つのヘテロ原子(例えば窒素又はリン)を有する化合物を含む このようなヘテロ原子化合物の例としては、例えば、アンモニウム(例えば、トリメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等)、ピリジニウム、ピリダジニウム、ピラミジニウム、ピラジニウム、イミダゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、トリアゾリウム、チアゾリウム、キノリニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、第4級アンモニウムスピロ化合物(2以上の環がスピロ原子(例えば、炭素、ヘテロ原子等)によって一緒に結合されている)、第4級アンモニウム縮合環構造体(例えば、キノリニウム、イソキノリニウム等)などのような非置換又は置換の有機第4級アンモニウム化合物が挙げられる。例えば1つの特定の実施形態においては、カチオン種は、環式環を有する対称又は非対称のN-スピロ二環式化合物のようなN-スピロ二環式化合物であってよい。このような化合物の一例は、以下の構造:
【0025】
【化1】
【0026】
(式中、m及びnは、独立して、3~7、幾つかの実施形態においては4~5の数である)
を有する(例えば、ピロリジニウム又はピペリジニウム)。
【0027】
また、カチオン種に対する好適な対イオンとしては、ハロゲン(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物等);スルフェート又はスルホネート(例えば、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸ブチル、硫酸ヘキシル、硫酸オクチル、ハイドロジェンスルフェート、メタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ドデシルスルフェート、トリフルオロメタンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、ナトリウムドデシルエトキシスルフェート等);スルホスクシネート;アミド(例えばジシアンアミド);イミド(例えば、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメチル)イミド等);ボレート(例えば、テトラフルオロボレート、テトラシアノボレート、ビス[オキサラト]ボレート、ビス[サリチラト]ボレート等);ホスフェート又はホスフィネート(例えば、ヘキサフルオロホスフェート、ジエチルホスフェート、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィネート、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート、トリス(ノナフルオロブチル)トリフルオロホスフェート等;アンチモネート(例えばヘキサフルオロアンチモネート);アルミネート(例えばテトラクロロアルミネート);脂肪酸カルボキシレート(例えば、オレエート、イソステアレート、ペンタデカフルオロオクタノエート等);シアネート、アセテートなど、並びに上述のいずれかの組み合わせを挙げることができる。
【0028】
好適なイオン液体の幾つかの例としては、例えば、スピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、スピロ-(1,1’)-ビピロリジニウムヨージド、トリエチルメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムヨージド、メチルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート等を挙げることができる。
【0029】
III.ハウジング:
ウルトラキャパシタにはまた、電極アセンブリ及び電解質がその中に保持され、場合によって気密封止されるハウジングも含ませることができる。ハウジングの性質は、所望に応じて変化させることができる。例えば一実施形態においては、ハウジングには、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鋼(例えば、ステンレス)、それらの合金、それらの複合体(例えば導電性酸化物で被覆された金属)などから形成されるもののような金属容器(缶)を含ませることができる。アルミニウムは、本発明において用いるのに特に適している。金属容器は、円筒形、D字形等のような任意の種々の異なる形状を有していてよい。円筒形状の容器が特に好適である。
【0030】
図3図4を参照すると、ウルトラキャパシタにおいて使用することができるハウジングの一実施形態がより詳細に示されている。この特定の実施形態においては、ハウジングは、基部3000及び開放端3200を画定する金属容器2122(例えば、円筒形の缶)を含む。蓋2118が開放端3200の上に配置され、容器2122に取り付けられて(例えば溶接されて)、ハウジングを密封している。1つの特定の実施形態においては、図4に示されるように、蓋2118には、ディスク形状の部分2134、スタッド部分2136、及び締着具2138(例えばねじ)を含む第1の集電体ディスク2114を含ませることができる。集電体ディスク2114を、電極アセンブリ10の中心に形成されている中空コア2160の第1の端部と位置合わせし、次にスタッド部分2136を、第1の集電体ディスク2114(例えば、ディスク形状部分2134及び/又はスタッド部分2136)が第2の集電体40の第2の突出部分62に接触するように、コアの開口部の中に挿入する。このようにして、第2の集電体40を、蓋2118と電気的に接触させて配置する。締着具2138はまた、第1の端子2116に結合(例えばねじ結合)させてもよい。また、金属容器2122に、ディスク形状部分2142、スタッド部分2140、及び第2の端子2144を含む第2の集電体ディスク2120を含ませることができる。第2の集電体ディスク2120を、中空コア2160の第2の端部と位置合わせし、次にスタッド部分2140を、第2の集電体ディスク2120(例えば、ディスク形状部分2142及び/又はスタッド部分2140)が第1の集電体20の第1の突出部分64に接触するように、コアの開口部の中に挿入する。このようにして、第1の集電体20を、基部3000と電気的に接触させて配置する。図3~4には具体的に示されていないが、突出部分62及び/又は64の長さは、集電体ディスクに接触させる際に折り畳むか又は他の形態で変形することができる。
【0031】
試験方法:
等価直列抵抗(ESR):
等価直列抵抗は、Keithley 3330 Precision LCZ計を使用して、0.0ボルト、1.1ボルト、又は2.1ボルト(0.5ボルトのピーク・ツー・ピーク正弦波信号)のDCバイアスを用いて測定することができる。動作周波数は100kHzである。種々の温度及び相対湿度レベルを試験することができる。例えば、温度は25℃、85℃、又は105℃であってよく、相対湿度は25%又は85%であってよい。
【0032】
キャパシタンス:
キャパシタンスは、Keithley 3330 Precision LCZ計を使用して、0.0ボルト、1.1ボルト、又は2.1ボルト(0.5ボルトのピーク・ツー・ピーク正弦波信号)のDCバイアスを用いて測定することができる。動作周波数は120Hzである。種々の温度及び相対湿度レベルを試験することができる。例えば、温度は25℃、85℃、又は105℃であってよく、相対湿度は25%又は85%であってよい。
【0033】
本発明のこれら及び他の修正及び変形は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。更に、種々の実施形態の複数の態様を、全体的に又は部分的に交換することができることを理解すべきである。更に、当業者であれば、上記の説明は単に例としてであり、添付の特許請求の範囲に更に記載される本発明を限定することを意図しないことを理解するであろう。
本発明は以下の実施態様を含む。
[1]対向する第1の長手方向縁部と第2の長手方向縁部との間の長さを画定するウルトラキャパシタ用の電極アセンブリであって、前記電極アセンブリは、
第1の炭素質被覆に電気的に結合された第1の集電体を含む第1の電極であって、前記第1の集電体の少なくとも一部は前記第1の長手方向縁部を越えて突出して第1の突出部分を画定しており、前記第1の突出部分のオフセット比は約0.02~約0.3である上記第1の電極;
第2の炭素質被覆に電気的に結合された第2の集電体を含む第2の電極;及び
前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されたセパレータ;
を含む上記電極アセンブリ。
[2]前記第2の集電体の少なくとも一部が前記第2の長手方向縁部を越えて突出して第2の突出部分を画定しており、前記第2の突出部分のオフセット比が約0.02~約0.3である、[1]に記載の電極アセンブリ。
[3]前記第1の突出部分、前記第2の突出部分、又は両方の長さが、約1~約20ミリメートルである、[1]又は[2]に記載の電極アセンブリ。
[4]前記電極アセンブリの長さが約5~約100ミリメートルである、[1]に記載の電極アセンブリ。
[5]前記電極アセンブリがジェリーロール構造を有する、[1]に記載の電極アセンブリ。
[6]前記第1の集電体及び前記第2の集電体が、それぞれ導電性金属を含む基材を含む、[1]に記載の電極アセンブリ。
[7]前記導電性金属がアルミニウム又はその合金である、[6]に記載の電極アセンブリ。
[8]前記第1の炭素質被覆、前記第2の炭素質被覆、又は両方が活性炭粒子を含む、[1]に記載の電極アセンブリ。
[9]前記セパレータがセルロース繊維材料を含む、[1]に記載の電極アセンブリ。
[10][1]~[9]のいずれかに記載の電極アセンブリ、並びに前記第1の電極及び前記第2の電極とイオン接触している非水電解質を含むウルトラキャパシタ。
[11]前記非水電解質が非水溶媒中に溶解しているイオン液体を含み、前記イオン液体はカチオン種及び対イオンを含む、[10]に記載のウルトラキャパシタ。
[12]前記非水溶媒が、炭酸プロピレン、ニトリル、又はそれらの組み合わせを含む、[11]に記載のウルトラキャパシタ。
[13]前記カチオン種が有機第4級アンモニウム化合物を含む、[11]に記載のウルトラキャパシタ。
[14]前記有機第4級アンモニウム化合物が、次の構造:
【化2】
(式中、m及びnは、独立して3~7の数である)
を有する、[13]に記載のウルトラキャパシタ。
[15]前記イオン液体が約1.0M以上の濃度で存在する、[11]に記載のウルトラキャパシタ。
[16]前記ウルトラキャパシタが、100kHzの周波数及び25℃の温度で求めて約100ミリオーム以下のESRを示す、[10]に記載のウルトラキャパシタ。
[17]前記ウルトラキャパシタが、120Hzの周波数及び25℃の温度で求めて約6ファラド/平方センチメートル以上のキャパシタンス値を示す、[10]に記載のウルトラキャパシタ。
[18]前記ウルトラキャパシタが基部及び開放端を有する容器を含むハウジングを含み、蓋が前記開放端に隣接して配置されており、更に、前記電極アセンブリが、前記第1の突出部分が前記基部又は前記蓋と電気的に接触する位置となるように前記ハウジング内に配置されている、[10]に記載のウルトラキャパシタ。
[19]前記第2の集電体の少なくとも一部が前記第2の長手方向縁部を越えて突出して第2の突出部分を画定しており、前記第2の突出部分のオフセット比が約0.02~約0.3である、[18]に記載のウルトラキャパシタ。
[20]前記第1の突出部分が前記基部と電気的に接触しており、前記第2の突出部分が前記蓋と電気的に接触している、[19]に記載のウルトラキャパシタ。
[21]前記容器が金属から形成される、[18]に記載のウルトラキャパシタ。
[22]前記容器が円筒形状を有する、[18]に記載のウルトラキャパシタ。
図1
図2
図3
図4