(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】縦置型単一動力源車両駆動アセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60K 17/06 20060101AFI20231122BHJP
F16H 3/091 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B60K17/06 E
B60K17/06 J
F16H3/091
(21)【出願番号】P 2020531627
(86)(22)【出願日】2019-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2019071580
(87)【国際公開番号】W WO2019141145
(87)【国際公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-06-09
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】201820099656.7
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511268454
【氏名又は名称】ジン-ジン エレクトリック テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ユー,ピン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ジエンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ティン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,リャン
【合議体】
【審判長】小川 恭司
【審判官】平城 俊雅
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104930137(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/06
F16H 3/091
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の伝動軸又はアクスルハーフシャフトに連結される縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリであって、
自動変速機が設けられており、前記自動変速機には、入力軸が含まれ、前記入力軸に動力源が連結され、出力軸が前記入力軸と同軸方向に設けられ、中間軸が前記入力軸と平行に設けられ、前記入力軸及び中間軸を介して一段目の減速ギア列が取り付けられ、前記中間軸及び出力軸を介してN段目の減速ギア列が取り付けられ、かつ、N≧2であり、各段の減速ギア列のいずれにも、伝達比の異なる一対のギアが含まれており、
前記動力源の出力軸と前記自動変速機の入力軸とが一体に形成され、前記動力源の後カバーと前記自動変速機の前ハウジングとが一体に統合されており、前記車両前部に配置され、該車両の後輪を駆動し、
縦置とは、前記動力源の前記出力軸の軸方向、前記自動変速機の前記入力軸、前記中間軸、前記出力軸の軸方向のいずれも、車両の長手方向に沿って配置されていることを指し、
前記一段目の減速ギア列には、上ギアと下ギアとが含まれ、前記上ギアがキーによって前記自動変速機の入力軸に固定的に連結され、前記下ギアがキーによって前記自動変速機の中間軸に固定的に連結され、前記上ギアと前記自動変速機の
出力軸との間にシフトクラッチが設けられており、
前記シフトクラッチが、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、可動ギアプレートと、動力巻線とを含み、前記固定ギアプレートが前記上ギアと一体に統合され、前記可動ギアプレートがキーによって前記自動変速機の出力軸に固定的に連結されており、前記動力巻線に通電されると、前記可動ギアプレートが前記自動変速機の出力軸に沿って軸方向移動して前記固定ギアプレートと噛み合い、
前記動力巻線が扇形巻線、半円形巻線又は環状巻線である、
ことを特徴とする縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリ。
【請求項2】
前記N段目の減速ギア列には、上ギアと下ギアとが含まれ、前記上ギアがキーによって前記自動変速機の出力軸に固定的に連結され、前記下ギアが前記自動変速機
の中間軸に遊嵌され、前記下ギアと前記自動変速機の中間軸との間にシフトクラッチが設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリ。
【請求項3】
前記シフトクラッチが、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、可動ギアプレートと、動力巻線とを含み、前記固定ギアプレートが前記下ギアと一体に統合され、前記可動ギアプレートがキーによって前記自動変速機の中間軸に固定的に連結されており、前記動力巻線に通電されると、前記可動ギアプレートが前記自動変速機の中間軸に沿って軸方向移動して前記固定ギアプレートと噛み合う、
ことを特徴とする請求項2に記載の縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリ。
【請求項4】
前記N段目の減速ギア列には、上ギアと下ギアとが含まれ、前記上ギアが前記自動変速機の出力軸に遊嵌され、前記下ギアがキーによって前記自動変速機の中間軸に固定的に連結され、前記上ギアと前記自動変速機の出力軸との間にシフトクラッチが設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリ。
【請求項5】
前記シフトクラッチが、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、可動ギアプレートと、動力巻線とを含み、前記固定ギアプレートが前記上ギアと一体に統合され、前記可動ギアプレートがキーによって前記自動変速機の出力軸に固定的に連結されており、前記動力巻線に通電されると、前記可動ギアプレートが前記自動変速機の出力軸に沿って軸方向移動して前記固定ギアプレートと噛み合う、
ことを特徴とする請求項4に記載の縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリ。
【請求項6】
前記固定ギアプレートの歯又は歯溝の断面、前記可動ギアプレートの歯溝又は歯の断面は、いずれも矩形である、
ことを特徴とする請求項1、3又は5のいずれか一項に記載の縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の伝動軸又はアクスルハーフシャフトに連結され、車両を駆動するための縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車の駆動アセンブリは、一体化、軽量化、電動化の方向に向けて徐々に発展している。従来の自動車駆動アセンブリにおいて、動力源と自動変速機とは、通常別々に設けられ、車両の多くのスペースを占有しており、これは、駆動アセンブリの小型化及び軽量化の発展の要件に有利ではない。
【0003】
また、動力源の出力軸と自動変速機の入力軸とはカップリングで連結されており、両者間の衝撃が大きく、伝動性能が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術における上記問題について、本発明は、動力源の後カバーと自動変速機の前ハウジングとを一体に統合することにより駆動アセンブリの体積を減少し、動力源の出力軸と自動変速機の入力軸とを一体に形成することにより伝動性能を改善した縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的に達するように、本発明の技術案は、下記のように実現される。
【0006】
本発明による縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリは、車両の伝動軸又はアクスルハーフシャフトに連結されるものであって、自動変速機が設けられており、前記自動変速機には、入力軸が含まれ、前記入力軸に動力源が連結され、出力軸が前記入力軸と同軸方向に設けられ、中間軸が前記入力軸と平行に設けられ、前記入力軸及び中間軸を介して一段目の減速ギア列が取り付けられ、前記中間軸及び出力軸を介してN段目の減速ギア列が取り付けられ、かつ、N≧2であり、各段の減速ギア列のいずれにも、伝達比の異なる一対のギアが含まれており、前記動力源の出力軸と前記自動変速機の入力軸とが一体に形成され、前記動力源の後カバーと前記自動変速機の前ハウジングとが一体に統合されており、前記駆動アセンブリが、前記車両前部に配置され、該車両の後輪を駆動し、縦置とは、前記動力源の前記出力軸の軸方向、前記自動変速機の前記入力軸、前記中間軸、前記出力軸の軸方向のいずれも、車両の長手方向に沿って配置されていることを指し、前記一段目の減速ギア列には、上ギアと下ギアとが含まれ、前記上ギアがキーによって前記自動変速機の入力軸に固定的に連結され、前記下ギアがキーによって前記自動変速機の中間軸に固定的に連結され、前記上ギアと前記自動変速機の出力軸との間にシフトクラッチが設けられており、前記シフトクラッチが、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、可動ギアプレートと、動力巻線とを含み、前記固定ギアプレートが前記上ギアと一体に統合され、前記可動ギアプレートがキーによって前記自動変速機の出力軸に固定的に連結されており、前記動力巻線に通電されると、前記可動ギアプレートが前記自動変速機の出力軸に沿って軸方向移動して前記固定ギアプレートと噛み合い、前記動力巻線が扇形巻線、半円形巻線又は環状巻線である。
【0009】
好ましくは、前記N段目の減速ギア列には、上ギアと下ギアとが含まれ、前記上ギアがキーによって前記自動変速機の出力軸に固定的に連結され、前記下ギアが前記自動変速機の中間軸に遊嵌され、前記下ギアと前記自動変速機の中間軸との間にシフトクラッチが設けられている。
【0010】
好ましくは、前記シフトクラッチが、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、可動ギアプレートと、動力巻線とを含み、前記固定ギアプレートが前記下ギアと一体に統合され、前記可動ギアプレートがキーによって前記自動変速機の中間軸に固定的に連結されており、前記動力巻線に通電されると、前記可動ギアプレートが前記自動変速機の中間軸に沿って軸方向移動して前記固定ギアプレートと噛み合う。
【0011】
好ましくは、前記N段目の減速ギア列には、上ギアと下ギアとが含まれ、前記上ギアが前記自動変速機の出力軸に遊嵌され、前記下ギアがキーによって前記自動変速機の中間軸に固定的に連結され、前記上ギアと前記自動変速機の出力軸との間にシフトクラッチが設けられている。
【0012】
好ましくは、前記シフトクラッチが、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、可動ギアプレートと、動力巻線とを含み、前記固定ギアプレートが前記上ギアと一体に統合され、前記可動ギアプレートがキーによって前記自動変速機の出力軸に固定的に連結されており、前記動力巻線に通電されると、前記可動ギアプレートが前記自動変速機の出力軸に沿って軸方向移動して前記固定ギアプレートと噛み合う。
【0013】
好ましくは、前記固定ギアプレートの歯又は歯溝、前記可動ギアプレートの歯溝又は歯は、いずれも矩形である。
【発明の効果】
【0015】
上記構造を用いて設けられた駆動アセンブリは、以下の利点を有する。
本発明は、動力源の後カバーと自動変速機の前ハウジングとを一体に統合することにより、駆動アセンブリの体積を減少しており、自動車の体積をより小さく設計することができる。また、本発明は、動力源の出力軸と自動変速機の入力軸とを一体に形成することにより、伝動性能を改善し、自動車の駆動効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、技術案及び利点が更に明白になるように、以下、図面を参照して、本発明の実施形態について更に詳しく説明する。
【0018】
[実施例1]
図1には、本発明の実施例1が示されており、この実施例による縦置型単一動力源車両用駆動アセンブリは、車両の伝動軸又はアクスルハーフシャフトに連結されるものであって、自動変速機が設けられており、自動変速機には、入力軸2が含まれ、入力軸2に動力源1が連結され、出力軸10が入力軸2と同軸方向に設けられ、中間軸9が入力軸2と平行に設けられている。
【0019】
縦置とは、動力源1の出力軸の軸方向、自動変速機の入力軸2、中間軸9、出力軸10の軸方向のいずれも、車両の長手方向(前後方向)に沿って配置されていることを指す。
【0020】
動力源1としては、内燃機関またはモータを用いてもよく、好ましくはモータを用いる。
【0021】
入力軸2及び中間軸9を介して一段目の減速ギア列が取り付けられ、中間軸9及び出力軸10を介して二段目の減速ギア列が取り付けられており、各段の減速ギア列のいずれにも、伝達比の異なる一対のギアが含まれている。
【0022】
動力源1の出力軸と自動変速機の入力軸2とが一体に形成され、動力源1の後カバー(動力源1の出力軸が伸び出す側)と自動変速機の前ハウジング(入力軸2が伸び出す側)とが一体に統合されており、当該駆動アセンブリが車両前部に配置されて、車両の後輪を駆動するため、アクスルハーフシャフトに連結されるのは、リアアクスルに連結されることを指す。
【0023】
駆動アセンブリが車両の伝動軸に連結され、車両の伝動軸がメイン減速機に連結され、メイン減速機がアクスルハーフシャフトに連結され、メイン減速機に差動装置が設けられていてもよい。駆動アセンブリがアクスルハーフシャフトに直接連結されてもよい。
【0024】
図1に示すように、一段目の減速ギア列には、第一のギア3と第二のギア4とが含まれ、第一のギア3がキーによって自動変速機の入力軸2に固定的に連結され、第二のギア4がキーによって自動変速機の中間軸9に固定的に連結され、第一のギア3と自動変速機の入力軸2との間に第一のシフトクラッチが設けられている。上記キーのタイプとしては、スプライン、フラットキー等を用いてもよい。
【0025】
第一のシフトクラッチは、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、第一の可動ギアプレート5と、第一の動力巻線11とを含み、固定ギアプレートが第一のギア3と一体に統合され、第一の可動ギアプレート5がキーによって自動変速機の出力軸10に固定的に連結されており、第一の動力巻線11に通電されると、第一の可動ギアプレート5が自動変速機の出力軸10に沿って軸方向移動して固定ギアプレートと噛み合う。
【0026】
図1に示すように、二段目の減速ギア列には、第三のギア6と第四のギア7とが含まれ、第三のギア6がキーによって自動変速機の出力軸10に固定的に連結され、第四のギア7が自動変速機の中間軸9に遊嵌され、第四のギア7と自動変速機の中間軸9との間に第二のシフトクラッチが設けられている。
【0027】
第二のシフトクラッチは、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、第二の可動ギアプレート8と、第二の動力巻線12とを含み、固定ギアプレートが第四のギア7と一体に統合され、第二の可動ギアプレート8がキーによって自動変速機の中間軸9に固定的に連結され、第二の可動ギアプレート8及び第二の動力巻線12が、いずれも第四のギア7の右側に位置する。
【0028】
第二の動力巻線12に通電されると、第二の可動ギアプレート8が自動変速機の中間軸9に沿って軸方向移動して固定ギアプレートと噛み合う。
【0029】
本実施例において、固定ギアプレートに端面歯が設けられており、それに応じて、可動ギアプレートに端面歯溝が設けられており、また、固定ギアプレートに端面歯溝が設けられており、それに応じて、可動ギアプレートに端面歯が設けられていてもよく、これらの互いに噛み合う歯及び歯溝の断面は、いずれも矩形である。
【0030】
本実施例において、第一の動力巻線11、第二の動力巻線12のいずれにも、環状巻線が用いられている。
【0031】
上記駆動アセンブリの動力伝動方式は、次の通りである。
【0032】
第一のシフトクラッチが噛み合い、第二のシフトクラッチが切断されている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第一の可動ギアプレート5、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第一の伝動状態である。
【0033】
第一のシフトクラッチが切断され、第二のシフトクラッチが噛み合っている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第二のギア4、中間軸9、第二の可動ギアプレート8、第四のギア7、第三のギア6、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第二の伝動状態である。
【0034】
第一のシフトクラッチ、第二のシフトクラッチが共に切断されている場合、動力源1の動力が完全に切断される。これが、第三の伝動状態である。
【0035】
[実施例2]
図2には、本発明の実施例2が示されており、この実施例は、実施例1に基づいて改善を行ったものである。実施例1とは異なり、第四のギア7と自動変速機の中間軸9との間に設けられたシフトクラッチは、固定ギアプレートと、第二の可動ギアプレート8と、第二の動力巻線12とを含み、固定ギアプレートが第四のギア7と一体に統合され、第二の可動ギアプレート8がキーによって自動変速機の中間軸9に固定的に連結され、第二の可動ギアプレート8及び第二の動力巻線12が、いずれも第四のギア7の左側に位置する。
【0036】
第二の動力巻線12に通電されると、第二の可動ギアプレート8が自動変速機の中間軸9に沿って軸方向移動して固定ギアプレートと噛み合う。
【0037】
本実施例において、第一の動力巻線11に環状巻線が用いられ、第二の動力巻線12に扇形巻線又は半円形巻線が用いられていてもよい。
【0038】
本実施例に記載の駆動アセンブリは、他の構造が実施例1と同じであり、ここで繰り返して説明しない。
【0039】
[実施例3]
図3には、本発明の実施例3が示されており、この実施例は、実施例2に基づいて改善を行ったものである。実施例2とは異なり、自動変速機に三段目の減速ギア列が追加されている。
【0040】
図3に示すように、三段目の減速ギア列には、第五のギア13と第六のギア14とが含まれ、第五のギア13が自動変速機の出力軸10に遊嵌され、第六のギア14がキーによって自動変速機の中間軸9に固定的に連結され、第五のギア13と自動変速機の出力軸10との間に第三のシフトクラッチが設けられている。
【0041】
第三のシフトクラッチは、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、第三の可動ギアプレート16と、第三の動力巻線15とを含み、固定ギアプレートが第五のギア13と一体に統合され、第三の可動ギアプレート16がキーによって自動変速機の出力軸10に固定的に連結されており、第三の動力巻線15に通電されると、第三の可動ギアプレート16が自動変速機の出力軸10に沿って軸方向移動して固定ギアプレートと噛み合う。
【0042】
上記駆動アセンブリの動力伝動方式は、次の通りである。
【0043】
第一のシフトクラッチが噛み合い、第二、第三のシフトクラッチが共に切断されている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第一の可動ギアプレート5、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第一の伝動状態である。
【0044】
第一のシフトクラッチが切断され、第二のシフトクラッチが噛み合い、第三のシフトクラッチが切断されている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第二のギア4、中間軸9、第二の可動ギアプレート8、第四のギア7、第三のギア6、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第二の伝動状態である。
【0045】
第一、第二のシフトクラッチが共に切断され、第三のシフトクラッチが噛み合っている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第二のギア4、中間軸9、第六のギア14、第五のギア13、第三の可動ギアプレート16、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第三の伝動状態である。
【0046】
第一、第二、第三のシフトクラッチがいずれも切断されている場合、動力源1の動力が完全に切断される。これが、第四の伝動状態である。
【0047】
本実施例に記載の駆動アセンブリは、他の構造が実施例2と同じであり、ここで繰り返して説明しない。
【0048】
[実施例4]
図4には、本発明の実施例4が示されており、この実施例は、実施例3に基づいて改善を行ったものである。実施例3とは異なり、自動変速機に四段目の減速ギア列が追加されている。
【0049】
図4に示すように、四段目の減速ギア列には、第七のギア17と第八のギア18とが含まれ、第七のギア17がキーによって自動変速機の出力軸10に固定的に連結され、第八のギア18が自動変速機の中間軸9に遊嵌され、第八のギア18と自動変速機の中間軸9との間に第四のシフトクラッチが設けられている。
【0050】
第四のシフトクラッチは、電磁駆動式であり、固定ギアプレートと、第四の可動ギアプレート20と、第四の動力巻線19とを含み、固定ギアプレートが第八のギア18と一体に統合され、第二の可動ギアプレート8がキーによって自動変速機の中間軸9に固定的に連結され、第四の可動ギアプレート20及び第四の動力巻線19が、いずれも第八のギア18の右側に位置する。
【0051】
第四の動力巻線19に通電されると、第四の可動ギアプレート20が自動変速機の中間軸9に沿って軸方向移動して固定ギアプレートと噛み合う。
【0052】
上記駆動アセンブリの動力伝動方式は、次の通りである。
【0053】
第一のシフトクラッチが噛み合い、第二、第三、第四のシフトクラッチがいずれも切断されている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第一の可動ギアプレート5、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第一の伝動状態である。
【0054】
第一のシフトクラッチが切断され、第二のシフトクラッチが噛み合い、第三、第四のシフトクラッチが切断されている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第二のギア4、中間軸9、第二の可動ギアプレート8、第四のギア7、第三のギア6、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第二の伝動状態である。
【0055】
第一、第二のシフトクラッチが共に切断され、第三のシフトクラッチが噛み合い、第四のシフトクラッチが切断されている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第二のギア4、中間軸9、第六のギア14、第五のギア13、第三の可動ギアプレート16、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第三の伝動状態である。
【0056】
第一、第二、第三のシフトクラッチがいずれも切断され、第四のシフトクラッチが噛み合っている場合、動力源1が、入力軸2、第一のギア3、第二のギア4、中間軸9、第四の可動ギアプレート20、第八のギア18、第七のギア17、出力軸10を順次介して、動力を車両の伝動軸に伝達する。これが、第四の伝動状態である。
【0057】
第一、第二、第三、第四のシフトクラッチがいずれも切断されている場合、動力源1の動力が完全に切断される。これが、第五の伝動状態である。
【0058】
本実施例に記載の駆動アセンブリは、他の構造が実施例3と同じであり、ここで繰り返して説明しない。
【0059】
上記の実施例では、自動変速機に二段の減速ギア列、三段の減速ギア列、四段の減速ギア列が設けられている場合について列挙したが、本発明は、さらに多段の減速ギア列に拡張することもできる。具体的な構造は、上記実施例を参照して設けられるものであり、ここでは、個別に列挙することはしない。
【0060】
以上は、あくまでも本発明の具体的な実施形態であり、本発明の上記教示の下で、当業者は、上記実施例に基づいて他の改良又は変形を行うことができる。当業者であれば、上記の具体的な記載は本発明の目的をより良く解釈するためのものであり、本発明の保護範囲が特許請求の範囲の保護範囲に基づくものであることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0061】
1…動力源、2…入力軸、3…第一のギア、4…第二のギア、5…第一の可動ギアプレート、6…第三のギア、7…第四のギア、8…第二の可動ギアプレート、9…中間軸、10…出力軸、11…第一の動力巻線、12…第二の動力巻線、13…第五のギア、14…第六のギア、15…第三の動力巻線、16…第三の可動ギアプレート、17…第七のギア、18…第八のギア、19…第四の動力巻線、20…第四の可動ギアプレート。