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特許7389758放射線塞栓術処置計画のため線量測定および球体選択をカスタマイズするための線量測定アプリケーションソフトウェアツールの使用のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】放射線塞栓術処置計画のため線量測定および球体選択をカスタマイズするための線量測定アプリケーションソフトウェアツールの使用のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
A61N5/10 P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020564537
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 US2019032955
(87)【国際公開番号】W WO2019222681
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】62/673,628
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/673,632
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521442637
【氏名又は名称】バード・ペリフェラル・バスキュラー・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート,ケイシー・タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ライト,マーク・ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】プサテリ,リー
(72)【発明者】
【氏名】バシャーノ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】バラスブラマニアン,シバラマクリシュナン
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-501045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置計画のための放射線塞栓術処置における使用のための放射性化合物の線量測定レベルおよび球体量を選択するためのシステムであって、
線量測定ポータルおよびグラフィカルユーザインターフェースを含む線量測定選択ツールと、
前記線量測定選択ツールおよび非一時的なコンピュータ記憶媒体に通信可能に結合されたプロセッサとを備え、前記非一時的なコンピュータ記憶媒体は、前記プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、
前記線量測定選択ツールの前記線量測定ポータルへの放射能パラメータ情報の入力を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、
カスタマイズされた放射能を、前記プロセッサによって、前記放射能パラメータ情報と、1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムとに基づいて決定させ、
1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とを、前記プロセッサによって、前記カスタマイズされた放射能と、1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムとに基づいて生成させ、
前記1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とのうちの1つの選択を、選択された球体量および投用推奨値として、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、
前記放射線塞栓術処置のための放射性化合物発注を、前記プロセッサによって、前記カスタマイズされた放射能と、前記選択された球体量および投用推奨値とに基づいて生成させる、命令を格納する、システム。
【請求項2】
前記プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、処理および発注履行のために、前記放射性化合物発注を、放射性化合物製造業者へ送信させる命令をさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、前記放射性化合物発注を、割り当てられた担当者によるレビューのために割り当てさせ、前記放射性化合物発注が、前記割り当てられた担当者による承認後に、処理および発注履行のために、放射性化合物製造業者に送信されるようにする命令をさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムは、MIRD線量測定計算アルゴリズム、BSA線量測定計算アルゴリズム、または分割線量測定計算アルゴリズムのうちの少なくとも1つを備える、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
1つまたは複数の球体量推奨値を生成するための前記1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムは、球体毎の放射能アルゴリズム、または放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズムのうちの少なくとも1つを備える、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサによって実行された場合、前記プロセッサに対して、前記選択された球体量と、投用推奨値との、複数のバイアルにわたるパーセント分配を、前記グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせる命令をさらに備える、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
[0001]本出願は、2018年5月18日に出願され、「DUAL-STAGE SYRINGES WITH LOCKING MECHANISM(ロック機構を備えた二段階注射器)」と題された米国仮特許出願第62/673,628号と、2018年5月18日に出願され、「RADIOEMBOLIZATION DELIVERY DEVICE(放射線塞栓術送込デバイス)」と題された米国仮特許出願第62/673,632号との利益を主張し、これら全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0001]本明細書は、一般に、癌を治療するための医療デバイスを利用する処置計画、さらに詳しくは、肝動脈放射線塞栓術(radioembolization)のような処置における患者の体内の治療領域へ放射性化合物を送り込むように構成された、操作可能な医療デバイスを利用する処置計画と、そのような放射線塞栓術送込デバイスにおける使用のための放射性化合物の、カスタマイズされた線量測定および球体選択の決定とに関する。
【背景技術】
【0003】
[0002]放射線療法を含む癌治療において、放射性治療薬からの放射線への不注意によるまたは過剰な被ばくは、患者または医療担当者にとって有害であり、潜在的に致命的となる可能性がある。したがって、放射線治療用の医療機器は、放射線への不必要な被ばくから他の人を遮蔽しながら、放射性物質の送り込みを、患者の体の特定の領域へ局所化するように構成される必要がある。
【0004】
[0003]肝動脈放射線塞栓術は、画像下治療によって実行される経カテーテル動脈内処置であり、悪性腫瘍の治療のために一般的に使用されている。この医療処置中に、マイクロカテーテルが患者の肝臓にナビゲートされ、イットリウム-90(90Y)などの放射性化合物が装荷された放射線塞栓術微小球体が、目標腫瘍に送り込まれる。微小球体は、腫瘍に供給する血管を塞栓すると同時に、腫瘍細胞を破壊するための放射線を送り込む。
【0005】
[0004]一般に、放射線塞栓術処置を実行するための医療デバイスは、複数の注射器、外部チューブ、放射性化合物を含むバイアル、および放射性バイアルを収容および遮蔽するためのかさばる遮蔽アセンブリを必要とする。そのようなデバイスは通常、時間と労力を要する設定手順を伴う。複雑なデバイスは、一般に、固定されているため、手術室での医師の移動を、デバイスの特定の近接範囲内に制限する。
【0006】
[0005]放射線塞栓術処置中、放射性物質を貯蔵する製品容器の日常的な操作は、一般に、鉗子(forceps)またはピンセット(tweezers)で物質を取り扱う核医学技術者(nuclear medicine technician)を必要とする。このプロセスは、放射能に対するさらなる医療担当者の被ばく、および手術室の汚染の可能性をさらに含む。放射性化合物を、投与液として手動で投与する(administer)ための注射器は、一貫性のない流量および圧力になりがちである。注入速度が不十分な場合、ビードの分散が減少し、治療の有効性に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0006]したがって、放射線塞栓術を実行するように構成および操作可能な簡素化された医療デバイスによって、患者に投与する放射性化合物の効果的な量を決定するためのツールが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0007]1つの実施形態では、処置計画のための放射線塞栓術処置における使用のための放射性化合物の線量測定レベル(dosimetry level)および球体量(sphere amount)の選択のためにコンピュータで実施される方法は、線量測定選択ツールの線量測定ポータルに放射能パラメータ(activity parameter)情報を入力することと、カスタマイズされた放射能を、プロセッサによって、放射能パラメータ情報と、1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムとに基づいて決定することと、カスタマイズされた放射能と、1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムとに基づいて、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値(dosage recommendation)とを生成することとを含み得る。この方法はさらに、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とのうちの1つを、選択された球体量および投用推奨値として選択することと、放射線塞栓術処置のための放射性化合物発注(radioactive compound order)を、プロセッサによって、カスタマイズされた放射能と、選択された球体量および投用推奨値とに基づいて生成することとを含み得る。
【0009】
[0008]別の実施形態では、処置計画のための放射線塞栓術処置における使用のための放射性化合物の線量測定レベルおよび球体量の選択のためのシステムは、線量測定ポータルおよびグラフィカルユーザインターフェースを含む線量測定選択ツールと、線量測定選択ツールおよび非一時的なコンピュータ記憶媒体に通信可能に結合されたプロセッサとを含み得る。非一時的なコンピュータ記憶媒体は、プロセッサによって実行された場合、プロセッサに対して、線量測定選択ツールの線量測定ポータルへの放射能パラメータ情報の入力を、グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、カスタマイズされた放射能を、プロセッサによって、放射能パラメータ情報と、1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムとに基づいて決定させ、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とを、プロセッサによって、カスタマイズされた放射能と、1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムとに基づいて生成させる命令を格納し得る。命令は、プロセッサによって実行された場合、プロセッサに対してさらに、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とのうちの1つの選択を、選択された球体量および投用推奨値として、グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、放射線塞栓術処置のための放射性化合物発注を、プロセッサによって、カスタマイズされた放射能と、選択された球体量および投用推奨値とに基づいて生成させ得る。
【0010】
[0009]本明細書に記載された実施形態によって提供されるこれらおよび追加の特徴は、図面と併せて、以下の詳細説明を考慮してより完全に理解されるであろう。
[0010]図面に記載された実施形態は、本質的に例示的かつ典型的であり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することは意図されていない。例示的な実施形態の以下の詳細説明は、同様の構成が同様の参照番号で示される以下の図面と併せて読むと理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態による、放射線塞栓術処置計画のための線量測定選択ツールの線量測定ポータルのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)のホームページ画面図である。
図2】[0012]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態にしたがって、1つまたは複数の線量測定入力を発行し、線量測定と、球体推奨値とに基づいて発注の詳細を選択する図1の線量測定ポータルの発注ページ画面図である。
図3】[0013]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態による、図1の線量測定ポータルのレビュー発注ページ画面図である。
図4】[0014]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態にしたがって、処置および出荷情報(shipping information)を入力するための図1の線量測定ポータルの確認発注ページ画面図である。
図5】[0015]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態にしたがって、出荷情報入力を、適切なレビュー関係者に割り当てるための図1の線量測定ポータルの確認発注ページ画面図である。
図6】[0016]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態にしたがって、1つまたは複数の線量測定入力を発行し、1つの放射能カスタマイズアルゴリズムを含む基本画面上で、線量測定と、球体推奨値とに基づいて発注詳細を選択するための図1の線量測定ポータルの別の基本発注ページ画面図である。
図7】[0017]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態にしたがって、1つまたは複数の線量測定入力を発行し、3つの異なる放射能カスタマイズアルゴリズムを含む発注詳細を、拡張画面上で、線量測定と、球体推奨値とに基づいて選択するための図1の線量測定ポータルの別の拡張発注ページ画面図の第1の部分である。
図8】[0018]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態にしたがって、治療、線量、および球体選択情報を示すための図7の拡張発注ページ画面図の第2の部分である。
図9】[0019]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態による、図1の線量測定ポータルの発注フォーム画面図である。
図10】[0020]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態による、図1の線量測定ポータルの承認発注画面図である。
図11】[0021]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態による、図1の線量測定ポータルの発注履歴画面図である。
図12】[0022]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態による、図1図11の線量測定ポータル画面を利用するプロセスのフローチャートである。
図13】[0023]本明細書において図示および記載される1つまたは複数の実施形態にしたがって、図1の線量測定ポータルを用いて図12のプロセスを適用するためのコンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実施するためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0024]一般に図面を参照して示すように、本開示の実施形態は、本明細書に記載されるような処置計画のための放射線塞栓術処置における使用のための放射性化合物の線量測定レベルおよび球体量の選択のためのシステムおよび方法に関する。そのようなシステムおよび方法の様々な実施形態が、本明細書に詳細に記載されている。
【0013】
[0025]本開示は、イットリウム-90(Y90)放射線塞栓術処置のために発注する放射能および球体数を決定するために、ウェブベースからモバイルアプリケーションなどのプラットフォーム全体で利用されるソフトウェアアプリケーションツールとしての集中型ポータルに関する。放射線塞栓術を計画されている患者は、通常、位置、サイズ、形状、血管分布(vascularity)、腫瘍の取り込み、および/または、粒子(たとえば、球体など)を他の臓器へシャントすることを決定するために、数回の画像撮影を受ける。決定された情報は、その後、治療時に必要な放射線量を計算するために使用される。現在の線量測定モデルには、MIRD、体表面積(BSA:Body Surface Area)モデル、分割モデル、またはこの決定を行うための変更バージョンを含み得、これらは、モバイルアプリケーション、オンラインアプリケーション、および/またはモデル評価用のスプレッドシートを通じて使用され得る。しかしながら、これは、モデルプラットフォームから分散された追加の医師のステップが必要な、ばらばらのプロセスを作成し、決定された必要な放射線量に基づく発注に関して病院の調整ロジスティクスを多少面倒にする。さらに、市場供給者は、球体毎に事前設定された放射能に基づいて投用量を制御する傾向がある。現在の線量測定モデルでは、モデルのステップは個別に個々に実行され、結果は、制御された投用量と比較するために手動で照合される。これは、患者毎に投用量の選択を変え、処置計画における遅延を低減する本開示の1つまたは複数のモデルの1つまたは複数の技術的効果とは対照的に、処置計画における遅延を増加させる。
【0014】
[0026]一例として、SIRTeX球体は、50~80Bq/球体の放射能を有し、BTG球体は、約2500Bq/球体である。ベクレル(Bq)は、1秒間に原子核が崩壊する放射性物質の放射能量として定義される放射能の単位である。球体毎のそのような事前設定された放射能によって、供給者は、医師が処方するよりも、発注線量を増加させる必要があり得る。これは、発注が古くなり、所望の線量に減衰することを許容するためであるが、これは、送込時間を延長し、無関係な材料の使用をもたらすという結果になる。また、球体毎に事前設定された放射能のために球体数を増やすと、単に合計線量が増えるため、医師には、球体数と、球体毎の投用量とを処方するオプションは提示されない。代わりに、医師は、球体数に対する要求に適合するために必要とされるよりも、はるかに高い線量を発注し、さらに放射能崩壊および送込時間を拡大する傾向がある。
【0015】
[0027]本明細書に記載されるような線量測定選択ソフトウェアアプリケーションツールは、医師およびユーザが、放射線塞栓術処置のために患者に送り込むように望まれる投用量と球体数との両方を、処方および選択することを可能にする集中型プラットフォームとして機能するように構成される。ユーザは、線量測定選択ソフトウェアアプリケーションツールを介して、複数の線量測定モデルと、1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムとを同時に評価して、放射線塞栓術処置のために、球体毎に選択された投用量で発注するための、適切な球体数を決定できる。線量測定選択ソフトウェアアプリケーションツールは、以前の治療および/または特定の処置戦略または処置場所に基づく1つまたは複数のアルゴリズムを利用し得る。さらに、病院のロジスティクスおよび処理を容易にすることを支援するために、選択された発注情報は、発注フォームや、他の臨床文書に直接変換され得る。線量測定選択ソフトウェアアプリケーションツールは、本明細書に記載されるシステムおよびポータルの、たとえば病院に関するような、内部および/または外部の担当者の使用を可能にする通知および/または追跡システムを含み得る。
【0016】
[0028]図1を参照すると、放射線塞栓術処置計画のためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)1326(図13)を含む線量測定選択ツール1312の線量測定ポータル100のホームページ画面103が示され、これは以下でさらに詳細に記載される。線量測定ポータルは、メニューナビゲーションオプションの選択を通じて、線量測定ポータル100の所望の画面にナビゲートするためのナビゲーションメニュー101を含む。線量測定ポータルは、それぞれの画面へのナビゲーションのために、ホームタブ102、発注実行タブ104、ユーザが1つまたは複数の発注の履歴をレビューできるような発注履歴タブ106、およびユーザが1つまたは複数の保存済みの発注をレビュー、更新、および/または承認できる発注レビュータブ108をさらに含む。ホームページ画面103は、線量測定ポータル100のユーザのために達成する項目のリストを含む、To Doサブ画面110を示す。限定としてではなく、例として、図1のTo Doサブ画面110は、(1)スチーブン医師からの発注をレビューし、(2)発注に処置日時を追加するユーザ固有の、サインインしたユーザのためのタスクのリストを含む。ホームページ画面103は、サインインしたユーザが閲覧するためのアクセス権を有する1つまたは複数の発注ステータスのリストを含む発注ステータスサブ画面114をさらに示す。
【0017】
[0029]実施形態では、線量測定ポータル100は、ユーザ指定のポータル使用、データセキュリティ、および/またはデータコラボレーションのための1人または複数のユーザのためのサインイン(たとえば、ログイン)を含み得る。したがって、線量測定部分100は、ユーザが割り当てたアクセス権に基づいて、1人または複数のユーザが、線量測定ポータル100の1つまたは複数の異なるレベルにアクセスすることを許可するセキュリティ機能を含み得る。第1のユーザは、基本セキュリティクリアランスレベルに基づいて、線量測定部分100の特定のセットのGUI画面にアクセスし得る一方、第2のユーザは、拡張セキュリティクリアランスレベルに基づいて、第1のユーザがアクセスを有するよりも、より多くの画面を含む線量測定部分100の別の特定のセットのGUI画面へのアクセスを有し得る。線量測定部分100に関して、GUI画面へ、異なるレベルのアクセス権および許可に対応する1人または複数のユーザを割り当てる、異なるレベルのセキュリティクリアランスが企図され、本開示の範囲内であることが理解されるべきである。
【0018】
[0030]さらに、第1のユーザは、線量測定部分100における発注を、レビューおよび承認するために、別のユーザを選択し得るか、または線量測定部分100は、第1のユーザが第1の発注ドラフトを生成した後に、別のユーザによるレビューおよび承認のために、発注を自動的に割り当てるように構成され得る。非限定的な例として、基本セキュリティクリアランスレベルを有する第1のユーザは、本明細書に記載されるように、発注を入力し、第1の発注ドラフトを生成することを許可され得る。第1のユーザは、レビューおよび承認のために、拡張セキュリティクリアランスレベルを有する第2のユーザに、第1の発注ドラフトを割り当て得るか、または線量測定部分100は、第1の発注ドラフトを、第2のユーザによる承認のために、1つまたは複数の発注をリストするレビュー発注承認GUIに配置し、および/または、第1の発注ドラフトが、第2のユーザによるレビューおよび承認の準備ができていることを、第2のユーザに通知するように構成され得る。
【0019】
[0031]実施形態では、線量測定部分100は、本明細書に記載されるように、1つまたは複数の発注が、1つまたは複数のセキュリティクリアランスのレベルと、1つまたは複数の発注に対するユーザ固有のアクセス権とを有する、複数のユーザによって作成、編集、閲覧、承認、および/または実行され得るように、データコラボレーションプラットフォームを提供するように構成される。したがって、複数のユーザは、たとえば、集中型プラットフォームにおいて、そのような発注を共有、レビュー、および発行する際の病院のロジスティクスを容易にすることを支援するために、発注ならびに、複数の発注の履歴データを、閲覧および/またはレビューすることが可能となり得る。
【0020】
[0032]図2を参照すると、発注ページ画面200Aが示される。発注ページ画面200Aは、たとえば、図1の発注タブ104の実行を介してアクセス可能である。発注ページ画面200Aは、線量測定入力サブ画面202、カスタマイズされた放射能アルゴリズムサブ画面206、および発注詳細サブ画面208を含む。放射能パラメータ情報は、本明細書に記載される実施形態において、線量測定ポータル100に入力され得、そのような放射能パラメータ情報は、本明細書に記載されるような1つまたは複数のモデルおよび/またはアルゴリズムを使用して、投用放射能を推定するために使用される情報を含み得る。非限定的な例として、線量測定入力サブ画面202は、以下の放射能パラメータ情報入力、すなわち、(1)パーセント値としての肺シャント率(LSF:lung shunt fraction)、(2)パーセント値として予想される残留廃棄物、物質1キログラムあたり1ジュールの放射線エネルギの吸収として定義された電離放射線の派生単位であるグレイ(Gy)単位での肺への以前の線量、(3)Gy単位での肝臓への所望の線量、および(4)立方センチメートル(cc)単位の組織体積としての目標肝臓体積(target liver volume)、のうちの1つまたは複数を入力するためのフィールドを含む。非限定的な例として、図2の線量測定入力サブ画面202は、2%である%LSF、1%である予想される残留廃棄物、0Gyである肺への以前の線量、200Gyである肝臓への所望の線量、および300ccである目標肝臓体積を含む。放射能パラメータ入力は、タイムゾーン、治療日、治療時刻、患者固有のパラメータ、以前の治療情報などをさらに含み得る。線量測定入力サブ画面202は、放射能パラメータ情報入力およびカスタマイズされた放射能アルゴリズムに基づいて、カスタマイズされた放射能を計算するための計算ボタン204をさらに含む。本明細書に記載されるように、カスタマイズされた放射能は、可変であり得る球体の放射能量であり、これによって、異なる球体量のオプションはおのおの、おのおのがカスタマイズされた合計放射能レベルを得るように、球体レベル毎にそれぞれの放射能を含むようになり得、本明細書に記載されるように、関連するカスタマイズされた放射能アルゴリズムに基づいて、異なる球体量のオプションが生成される。
【0021】
[0033]非限定的な例として、カスタマイズされた放射能アルゴリズムサブ画面206は、線量測定入力サブ画面202からの入力に基づいて、カスタマイズされた放射能を決定するためのMIRD線量測定計算アルゴリズムを含む。非限定的な例として、図2の線量測定入力サブ画面202における入力に基づいて、カスタマイズされた放射能アルゴリズムサブ画面206のMIRD線量測定計算は、0.31kgの目標肝臓質量、(たとえば、カスタマイズされた放射能としての)1.27GBqの投与時の放射能値、1.26Gyである肺への計算された線量、30Gyである肺への線量制限、1.26Gyである肺への累積線量、および、50Gyである肺への累積線量制限を含む。知られている、または未開発の任意の線量測定計算アルゴリズムが、線量測定ポータル100によって、本開示の範囲内で使用され得ることが理解されるべきである。本明細書に記載されるカスタマイズされた放射能アルゴリズムとしての線量測定計算アルゴリズムは、MIRD線量測定計算アルゴリズム、BSA線量測定計算アルゴリズム、または当業者に知られている分割線量測定計算アルゴリズムを含み得る。
【0022】
[0034]発注詳細サブ画面208は、カスタマイズされた放射能と、図2のMIRD線量測定計算アルゴリズムのように、利用された線量測定選択アルゴリズムとに基づく、1つまたは複数の球体量および投用推奨値を含む。異なるモデルからの異なる推奨値を表示することで、ユーザは、比較された異なる推奨値を直接比較でき、さらに同じフォーマットで結果を表示することで、1つまたは複数のモデルからどの推奨値を選択するのかを決定する場合、ユーザを支援する。実施形態では、1つまたは複数の球体量および投用推奨値を生成するための1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムは、球体毎の放射能アルゴリズム、放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズム(activity based on embolic load algorithm)、またはそれらの組合せを含み得る。球体毎の放射能アルゴリズムは、カスタマイズされた放射能の、300Bq/球体のような、放射能単位毎の所定の球体量での分割を含み得る。非限定的な例として、3ギガベクレル(GBq)を300Bq/球体で割ったカスタマイズされた放射能は、300Bq/球体で10,000,000球体になる。実施形態では、モデル結果を、Bq/球体の数での球体数のフォーマットで出力することは、モデル出力を、供給者球体の固定放射能と比較することにより、モデル結果が、ユーザによって手動で変換される現在の線量測定モデルとは対照的に、可能な発注オプションが何であるかを、ユーザに、直ちにリアルタイムで明らかにする。
【0023】
[0035]あるいは、放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズムは、球体および投用量の決定が、塞栓装荷の関数であるように、組織体積入力と、組織の立方センチメートル毎の所定の塞栓装荷決定との使用を含み得る。1立方センチメートルの組織が処理できる球体数の非限定的な塞栓装荷の例は、たとえば、20,000球体/ccであり得る。したがって、組織の体積が300ccである場合、6,000,000個の球体となる。ユーザは、各球体がより多くの量の放射性を含むように球体量を減少させ、カスタマイズされた合計放射能レベルを達成するか、または、各球体がより少ない量の放射性を含むように球体量を増加させ、カスタマイズされた合計放射能レベルを達成するように球体量を調整し、カスタマイズされた放射能を達成し得る。実施形態では、ユーザは、425Bq/球体で、発注詳細サブ画面208から、1.27のカスタマイズされた合計放射能レベルを達成するために、300万個の球体を選択し得るか、または、ユーザは、低減された255Bq/球体の球体毎の投用量で、発注詳細サブ画面208から、1.27のカスタマイズされた合計放射能レベルを達成するために、より多い500万個の球体量を選択し得る。ユーザは、100万個の球体から4000万個の球体までのドロップダウン球体選択量から選択して、(たとえば、図2の1.27の)カスタマイズされた合計放射能レベルを達成し得る。実施形態では、ユーザは、100万個の球体から4000万個の球体までの範囲で、最大13のオプションを提示され得る。
【0024】
[0036]非限定的な例として、線量測定選択アルゴリズムは、図2の値について、425Bq/球体の放射能の、300万個の球体の投用量の推奨値を、255Bq/球体の放射能の、500万個の球体の代替推奨値とともに提供することができ、これによって、代替推奨値では、低減された放射能量で、より多くの球体が使用されるようになる。微小球体とも呼ばれる球体の物理的サイズは、変化しないが、カスタマイズされた放射能値を満たし、球体毎の発注された球体全体の放射能量を変化させるために、異なる投用レベルにおいて、異なる球体量が発注され得ることが理解されるべきである。しかしながら、実施形態では、線量測定ポータル100は、サイズ決定アルゴリズムによって生成されたサイズおよび/またはサイズ分布情報を提供するGUIを提供することを含み得る。製造業者は、そのような情報を使用して、製造業者の球体製造プロセスに基づいて、変動するサイズ、分布、放射能、および/または量で発注された球体を製造し得る。
【0025】
[0037]ユーザはさらに、発注詳細サブ画面208を使用して、+10%増加する、または-10%減少するように、投用量を変更することができる。実施形態では、変更は、パーセンテージ量ではなく、割合量として入力され得る。追加的または代替的に、ユーザは、合計して100%となる投用量を達成するために、最大3つのバイアルなど、バイアルにわたって線量を分配し得る。したがって、投用量は、放射線塞栓術処置中に腫瘍を治療するためにカスタマイズされた合計放射能値を達成するために、放射性感受性の異なる最大3つの組織領域間で、または最大3つの異なる放射性線量レベルを必要とする腫瘍に供与する3つの血管間で、変化され得る。発注レビューボタン210によって、ユーザは、図3の発注レビューページ212で発注をレビューできる。
【0026】
[0038]図3を参照すると、発注レビューページ212は、発注詳細サブ画面214、線量測定入力サブ画面216、およびカスタマイズされた放射能アルゴリズムサブ画面218を含み、そこから、ユーザは、入力および生成された値をレビューして、実行される発注の正確さを確認することができる。実施形態では、発注レビューページ212におけるモデル出力は、目標肝臓質量、投与時の放射能、肺への計算された線量、肺への線量制限、肺への累積線量、肺への累積線量制限、および/または、Y90放射線塞栓術のために推奨される放射性化合物微小球体(たとえば、球体)の数を含み得る。ユーザは、戻るボタン220を利用して、図2の以前の発注ページ画面200Aに戻り、発注入力および/または選択を編集できる。あるいは、ユーザは、発注詳細確認ボタン222を選択して、線量測定ポータル100を通って、図4の発注確認ページ画面230に進み、発注を確認し、発注を実行する。
【0027】
[0039]図4の発注確認ページ画面230を参照すると、ユーザは、はい(Yes)ボタン232の選択によって、ユーザが、発注を実行する準備をするために処置日および出荷情報を入力する準備ができていることを決定できる。ユーザは、処置日、時刻、およびタイムゾーン、および/または、患者識別子などの他の関連する処置情報のような処置情報を、処置情報サブ画面234に入力できる。ユーザはさらに、出荷住所および出荷受領者情報のような出荷情報を、出荷情報サブ画面236に入力できる。実施形態では、出荷情報は、自動入力されるか、または事前に構成されたドロップダウンメニューから選択され得る。
【0028】
[0040]図5の発注確認ページ画面230を参照すると、ユーザは、いいえ(No)ボタン238の選択によって、ユーザが、ドロップダウンメニューから選択された出荷情報入力を、割り当てられた別のユーザに割り当てるべきであることを決定できる。追加または代替の実施形態では、いいえ(No)ボタン238の使用、または別の割当インターフェースを介して、ユーザは、ユーザが、発注を実行する準備のために処置日および出荷情報を入力する準備ができておらず、むしろレビューおよび承認のために適切なレビュー担当者に発注を割り当てたいことを示すことができる。実施形態では、適切なレビュー担当者は、発注を承認し、発注を実行するために発注をユーザに送り返すことができ、発注を実行することができ、発注を編集することができ、および/または、編集のために発注をユーザに送り返すことができる。上述したそのような実施形態のうちの1つまたは複数に関し、ユーザは、事前入力された個人名リストメニュー240から、適切なレビュー担当者を選択することができる。ユーザは、上述したように、戻るボタン242を選択して、前の発注画面に戻るか、または、保存して次へボタン244を選択して、レビューのために、選択された適切なレビュー担当者に、発注を送ることができる。
【0029】
[0041]図6を参照すると、線量測定ポータル100の代替発注ページ画面として、基本発注ページ画面200Bが示される。ユーザは、発注ページ画面200Bを使用して、1つまたは複数の線量測定入力を発行し、MIRD線量測定計算アルゴリズムのような1つのカスタマイズされた放射能アルゴリズムを含む基本画面として、発注ページ画面200Bにおいて、本明細書に記載されるような線量測定および球体推奨値に基づいて発注詳細を選択できる。基本発注ページ画面200Bは、単純な分析を伴う放射線塞栓術処置のために使用され得る。あるいは、ユーザは、拡張線量測定ボタン250を選択して、図7の拡張発注ページ画面200Cに進むことができる。拡張発注ページ画面200Cを使用して、1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムに対して、本明細書に記載されるように、線量測定モデルおよび球体アルゴリズムを評価して、線量測定選択アルゴリズムおよびそれぞれのカスタマイズされた放射能アルゴリズム毎の末端球体量および投用推奨値の相違を閲覧できる。基本発注ページ画面200Bおよび拡張発注ページ画面200Cは、それらの間のナビゲーションおよびデータ転送のために、および実行された発注に関してリンクされ得る。
【0030】
[0042]図7を参照すると、拡張発注ページ画面200Cの第1の部分が示される。第1の部分は、MIRD線量測定情報サブ画面252、BSA線量測定情報サブ画面254、および分割線量測定情報サブ画面256への入力を含む、それぞれ複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムのための1つまたは複数の線量測定入力を含む。MIRD線量測定情報サブ画面252、BSA線量測定情報サブ画面254、および分割線量測定情報サブ画面256の入力は、たとえば、MIRD計算サブ画面262、BSA計算サブ画面264、および分割計算サブ画面266のそれぞれカスタマイズされた放射能サブ画面において計算値を提供するために、それぞれカスタマイズされた放射能アルゴリズムに提供される。
【0031】
[0043]図8は、たとえば、スクロールダウンビューで、拡張発注ページ画面200Cの第2の部分を示し、MIRD計算サブ画面262、BSA計算サブ画面264、および分割計算サブ画面266を、非限定的な例として、放射性微小球体毎のBq数を選択するための選択治療タイプオプション270、および推奨球体数選択オプション272とともに含み、設定された推奨値の球体量か投用量かを選択できる。さらに含まれるものは、ユーザが、所望される数百万の球体量値を選択し、サブ画面262、264、および266のモデルから計算され得るドロップダウンリストから放射能選択を選択し、線量変更をパーセンテージで入力し、または、(たとえば、パーセンテージまたは分数の値で)変更された値に基づいて計算されたように、必要な放射能値を、1秒間に原子核が崩壊する放射性物質の放射能量として定義される放射能の単位であるギガベクレル(GBq)の単位で挿入することを可能にする変更サブ画面274である。拡張発注ページ画面200Cにおける拡張ボタンは、1つまたは複数の異なる球体選択アルゴリズムを表示するために使用され得る。
【0032】
[0044]図8の拡張発注ページ画面200Cの第2の部分はさらに、Gy単位での患者の目標線量、GBq単位での治療に必要な放射能、百万単位での球体数、基準値としての球体毎のGBq、および予想される配送日を含む最終発注詳細サブ画面276を示す。最終発注詳細サブ画面276の最終発注詳細が確認されると、ユーザは、発注ボタン278を選択して、発注の実行を続けることができる。
【0033】
[0045]ユーザは、たとえば、計算された値が事前に入力され、発注を生成する製造業者に発行するために、印刷および/またはさらなる編集の準備ができた図9の発注フォーム画面280に進むことができる。発注フォーム画面280は、ユーザが最大3つの異なるバイアルから選択された球体量および投用量の分配のパーセンテージを決定できるように、オプションのバイアル分配部282をさらに含むことができる。製造業者は、発注フォーム画面280から生成された発注フォームを受信して、発注フォームに基づいて印刷された発注請求書を生成することが可能となり得る。
【0034】
[0046]実施形態では、図10は、発注を生成するために製造業者に発注を発行する前に、入力された発注をレビューするために選択された、適切なレビュー担当者のための、発注承認画面300を示す。適切なレビューは、保存ボタン302を使用して、発注承認画面300上の情報を保存する。
【0035】
[0047]図11は、ユーザが、承認を必要とするか、履行されたか、または配送中であるかといった、すべての発注のステータスをレビューできる発注履歴画面400を示す。発注履歴画面400上のナビゲーションサブ画面402を利用して、画面間をナビゲートして、発注を作成、更新、および承認し、発注ステータスおよび履歴情報を確認し、または発注を履行することができる。実施形態では、線量測定ポータル100は、発注履歴画面400、または本明細書に記載されるように、1つまたは複数の発注の発注ステータスおよび履歴情報に基づいて、別の報告インターフェース情報などを介して、保存、格納、分析、および/または報告するように構成される。
【0036】
[0048]図12を参照すると、本明細書に記載されるような出荷および/またはレビューアプロセスの実施形態を含み得る、本明細書に記載されるような発注を生成するための線量測定ポータル100の図1から図11の線量測定ポータル画面を利用するプロセス1200のフローチャートが示される。図12のプロセス1200は、処置計画のための放射線塞栓術処置における使用のための放射性化合物の線量測定レベルおよび球体量を選択するための制御スキームブロックを含む。ユーザは、本明細書に記載されるように、ユーザに割り当てられたセキュリティクリアランスレベルで線量測定ポータル100にサインインできる。ブロック1202において、放射能パラメータ情報は、以下でさらに詳細に記載されるように、線量測定選択ツール1312(図13)の線量測定ポータル100に入力される。実施形態では、放射能パラメータ情報は、本明細書に記載される発注ページ画面200A、200B、および200Cに示されるように、肺シャント分数パーセンテージ値、予想される残留廃棄物パーセンテージ値、肺への以前の線量値、肝臓への所望の線量値、および目標肝臓体積を含み得る。
【0037】
[0049]ブロック1204において、カスタマイズされた放射能は、ブロック1202の放射能パラメータ情報、および本明細書に記載されるような1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムに基づいて決定される。1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムは、本明細書に記載される発注ページ画面200A、200B、および200Cに示されるように、MIRD線量測定計算アルゴリズム、BSA線量測定計算アルゴリズム、または分割線量測定計算アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含み得る。実施形態では、1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムは、目標肝臓質量、投与時の放射能、肺への計算された線量、肺への線量制限、肺への累積線量、および肺への累積線量制限を含むカスタマイズされた放射能情報を生成し得、カスタマイズされた放射能は、カスタマイズされた放射能情報に基づき得る。
【0038】
[0050]ブロック1206において、1つまたは複数の球体量および投用推奨値は、本明細書に記載されるように、カスタマイズされた放射能と、1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムとに基づいて生成される。実施形態では、1つまたは複数の球体量および投用推奨値を生成するための1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムは、球体毎の放射能アルゴリズム、または放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含み得る。球体毎の放射能アルゴリズムは、本明細書に記載されるように、カスタマイズされた放射能の、放射能単位毎の所定の球体量での分割を備える。放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズムは、本明細書に記載されるように、組織体積入力と、組織の立方センチメートル毎の所定の塞栓装荷決定との使用を含み得る。たとえば、所定の実施形態の装荷は、組織の立方センチメートルあたり20,000個の球体を含み得る。
【0039】
[0051]1つまたは複数の球体量および投用推奨値のうちの1つが、選択された球体量および投用推奨値として選択される。実施形態では、選択された球体量および投用推奨値を選択することは、球体毎に所望の放射能レベルを選択することを含み得るか、および/または、図2の発注詳細サブ画面208に示されるように、正または負のパーセンテージ値として線量変更を入力することを含み得る。さらに、図2の発注詳細サブ画面にも示されているように、選択された球体量および投用推奨値を選択することは、バイアル毎のパーセント差分に基づいて、選択された球体量および投用推奨値を複数のバイアルにわたって分配することを含み得、パーセント差分は、合計して100%となる、選択された球体量と、投用推奨値とからなる。実施形態では、複数のバイアルは、最大3つのバイアルを含み得る。
【0040】
[0052]ブロック1208において、放射線塞栓術処置のための放射性化合物発注は、カスタマイズされた放射能と、選択された球体量および投用推奨値とに基づいて生成され、発注が、履行のために製造業者に発行されるように、実行される。プロセス200は、放射性化合物発注を、処理および発注履行のために、放射性化合物製造業者に送信することをさらに含み得る。非限定的な例として、はい(Yes)ボタン232が選択され、ユーザが処置および出荷情報を入力および発行する場合、これは、図4の発注確認ページ画面230を通して生じ得る。あるいは、プロセス200は、放射性化合物発注が、割り当てられた担当者による承認後の処理および発注履行のために放射性化合物製造業者に送信されるように、割り当てられた担当者によるレビューのために放射性化合物発注を割り当てることを含み得る。実施形態では、いいえ(No)ボタン238が選択され、ユーザが、割り当てられた担当者として、同僚によるレビューのために発注を割り当てた場合、これは、図5の発注確認ページ画面230を通して生じ得る。
【0041】
[0053]図13を参照すると、コンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実施して、本明細書に記載の線量測定選択ソフトウェアアプリケーションツールの実施形態を利用して、処置において放射線塞栓術送込デバイスによって送り込むために、投与された流体とともに使用する放射性化合物の1つまたは複数の線量測定推奨値および球体選択推奨値を決定するためのシステム1300は、たとえば、コンピューティングデバイス1324に通信可能に結合されたグラフィカルユーザインターフェース(GUI)1326を使用するとともに実施されるものとして示される。システム1300は、通信経路1302、1つまたは複数のプロセッサ1304、メモリ構成要素1306、線量測定選択ツール1312、ストレージまたはデータベース1314、本明細書に記載されるように線量測定選択ツール1312に1つまたは複数の線量測定推奨値を提供するように構成された線量測定選択アルゴリズム1316、ネットワークインターフェースハードウェア1318、ネットワーク1322、クラウドベースのサーバを含み得るサーバ1320、およびコンピューティングデバイス1224を含む。システム1300の様々な構成要素およびそれらの相互作用について、以下に詳細に記載される。実施形態では、線量測定選択ツール1312は、フローソフトウェアアプリケーションツールを対象とし得、線量測定選択アルゴリズム1316は、以下にさらに詳細に記載されるように、処置計画のための放射線塞栓術処置のための流量決定のための最適化アルゴリズムを対象とし得る。
【0042】
[0054]いくつかの実施形態では、システム1300は、イントラネットまたはインターネットなどの広域ネットワーク(WAN)またはネットワーク1322を使用して実施される。コンピューティングデバイス1324は、ネットワークへの接続およびネットワークのナビゲーションを可能にするデジタルシステムおよび他のデバイスを含み得る。コンピューティングデバイス1324は、スマートフォン、タブレット、または同様の携帯型ハンドヘルドスマートデバイスなどのラップトップ、またはデスクコンピュータ、またはスマートモバイルデバイスであり得る。非限定的な例として、コンピューティングデバイス1324は、iPhone(登録商標)のようなスマートフォン、またはiPad(登録商標)のようなタブレットであり得、これらの両方とも、カリフォルニア州クパチーノのApple,Inc.から販売されている。図13に示される線は、様々な構成要素間の物理的な接続ではなく、通信を示している。
【0043】
[0055]上記のように、システム1300は、通信経路1302を含む。通信経路1302は、たとえば、導電性ワイヤ、導電性トレース、光導波路などのように、信号を送信できる任意の媒体から、または信号を送信できる媒体の組合せから形成され得る。通信経路1302は、システム1300の様々な構成要素を通信可能に結合する。本明細書で使用される場合、「通信可能に結合された」という用語は、結合された構成要素が、たとえば、導電性媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光信号などのように、データ信号を互いに交換できることを意味する。
【0044】
[0056]上記のように、システム1300は、プロセッサ1304を含む。プロセッサ1304は、機械可読命令を実行できる任意のデバイスとすることができる。本明細書に記載される1つまたは複数のアルゴリズムは、プロセッサ1304のようなハードウェアに直接統合され得る。実施形態におけるプロセッサ1304は、ローカルであり得るか、および/または、クラウドサーバに格納され得るデータベースから、アルゴリズムおよび/またはアルゴリズムパラメータを検索し得る。したがって、プロセッサ1304は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または他の任意のコンピューティングデバイスであり得る。プロセッサ1304は、通信経路1302によってシステム1300の他の構成要素に通信可能に結合される。したがって、通信経路1302は、任意の数のプロセッサを互いに通信可能に結合し得、通信経路1302に結合されたモジュールが、分散コンピューティング環境で動作することを可能にし得る。具体的には、モジュールのおのおのは、データを送信および/または受信するノードとして動作できる。
【0045】
[0057]上記のように、システム1300は、通信経路1302に結合され、プロセッサ1304に通信可能に結合されたメモリ構成要素1306を含む。メモリ構成要素1306は、非一時的なコンピュータ可読媒体または非一時的なコンピュータ可読メモリであり得、不揮発性コンピュータ可読媒体として構成され得る。メモリ構成要素1306は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または機械可読命令がプロセッサ1304によってアクセスおよび実行され得るように機械可読命令を格納できる任意のデバイスを含み得る。
【0046】
[0058]機械可読命令は、たとえば、プロセッサによって直接実行され得る機械言語、またはアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなどのように、機械可読命令にコンパイルまたはアセンブルされ、メモリ構成要素1306に格納され得る任意のプログラミング言語で記述されたロジックまたはアルゴリズムを備え得る。あるいは、機械可読命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成または特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそれらの等価物のいずれかによって実施されるロジックのような、ハードウェア記述言語(HDL)で記述され得る。したがって、本明細書に記載される方法は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で、事前にプログラムされたハードウェア要素として、またはハードウェアおよびソフトウェアの構成要素の組合せとして実施され得る。
【0047】
[0059]上記のように、依然として図13を参照すると、システム1300は、たとえば、情報、グラフィカルレポート、メッセージ、またはそれらの組合せのような視覚的出力を提供するためのコンピューティングデバイス1324の画面上のGUI1326のようなディスプレイを備える。コンピューティングデバイス1324の画面上のディスプレイは、通信経路1302に結合され、プロセッサ1304に通信可能に結合される。したがって、通信経路1302は、ディスプレイをシステム1300の他のモジュールに通信可能に結合する。ディスプレイは、たとえば、陰極線管、発光ダイオード、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどのように、光出力を伝送できる任意の媒体を含むことができる。それに加えて、ディスプレイまたはコンピューティングデバイス1324は、プロセッサ1304およびメモリ構成要素1306のうちの少なくとも1つを含むことができることに留意されたい。システム1300は、図13では単一の統合システムとして示されているが、他の実施形態では、システムは、独立したシステムとすることができる。
【0048】
[0060]システム1300は、本明細書に記載される実施形態の1つまたは複数にしたがって、1つまたは複数の線量測定推奨値および球体選択推奨値を計算し、線量測定選択ツール1312に提供するための線量測定選択アルゴリズム1316を備え得る。以下にさらに詳細に記載されるように、プロセッサ1304は、システムモジュールから受信した入力信号を処理し、および/またはそのような信号から情報を抽出し得る。たとえば、実施形態では、プロセッサ1304は、メモリ構成要素1306に格納された命令を実行して、本明細書に記載されるプロセスを実施し得る。
【0049】
[0061]システム1300は、システム1300を、ネットワーク1322のようなコンピュータネットワークと通信可能に結合するためのネットワークインターフェースハードウェア1318を含む。ネットワークインターフェースハードウェア1318は、通信経路1302が、ネットワークインターフェースハードウェア1318を、システム1300の他のモジュールに通信可能に結合するように、通信経路1302に結合される。ネットワークインターフェースハードウェア1318は、ワイヤレスネットワークを介してデータを送信および/または受信できる任意のデバイスとすることができる。したがって、ネットワークインターフェースハードウェア1318は、任意のワイヤレス通信規格にしたがって、データを送信および/または受信するための通信トランシーバを含むことができる。たとえば、ネットワークインターフェースハードウェア1318は、たとえば、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)、WiMax、Bluetooth(登録商標)、IrDA、ワイヤレスUSB、Z-Wave、ZigBeeなどのような、ワイヤードおよび/またはワイヤレスコンピュータネットワークを介して通信するためのチップセット(たとえば、アンテナ、プロセッサ、機械可読命令など)を含むことができる。
【0050】
[0062]依然として図13を参照すると、線量測定選択ツール1312上で実行される様々なアプリケーションからのデータは、ネットワークインターフェースハードウェア1318を介してコンピューティングデバイス1324からシステム1300に提供され得る。コンピューティングデバイス1324は、ネットワークインターフェースハードウェア1318およびネットワーク1322と通信可能に結合するためのハードウェア(たとえば、チップセット、プロセッサ、メモリなど)を有する任意のデバイスとすることができる。
【0051】
[0063]ネットワーク1322は、たとえば、広域ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、インターネット、イントラネット、衛星ネットワークなどのような任意のワイヤードおよび/またはワイヤレスネットワークを含むことができる。したがって、ネットワーク1322は、1つまたは複数のサーバ(たとえば、サーバ1320)にアクセスするためのワイヤレスアクセスポイントとして利用され得る。サーバ1320および任意の追加のサーバは、一般に、ネットワーク1322を介してリソースを分配するためのプロセッサ、メモリ、およびチップセットを含む。リソースは、たとえば、処理、ストレージ、ソフトウェア、および情報を、ネットワーク1322を介してサーバ1320からシステム1300に提供することを含むことができる。それに加えて、サーバ1320および任意の追加のサーバは、たとえば、ネットワークのワイヤード部分、ネットワークのワイヤレス部分、またはそれらの組合せを介するなど、ネットワーク1322を介して互いにリソースを共有できることに留意されたい。
【0052】
[0064]線量測定ポータル100を介して本明細書に記載される線量測定選択ツール1312の実施形態は、ユーザが、所望される球体量および球体毎の線量のみならず、計画された処置のために設定された特定の患者のY90放射線塞栓術処置のためにカスタマイズされた放射能として、カスタマイズされた必要な放射能を計算し、カスタマイズされた放射能を得ることを可能にする。さらに、所望の球体量の選択は、組織および/または血管への個別の送り込みのために別々のバイアルに分配され得る。
【0053】
[0065]本明細書に記載される線量測定プラットフォームは、医師およびユーザが、患者毎の投用量をカスタマイズするための媒体を提供する。腫瘍の血管分布、解剖学的構造、癌の種類、患者の年齢、患者のパフォーマンスステータスなどの特性は、球体毎に選択された放射能で、所望される球体量を選択する際の要因と見なされ、本明細書に記載されるように、線量測定入力と、1つまたは複数のアルゴリズムとに基づいて、カスタマイズされた合計放射能を達成し得る。ユーザは、適切な線量測定情報を入力して、いくつかのアルゴリズムを閲覧、評価、および比較して、適切な体球数を決定、または、球体値毎の所定の放射能を使用し得る。患者のための適切な投用量および球体数の選択後、拡張線量測定データが、レビューおよび/または承認のために、他の担当者へ、または、発注処理および履行のために製造業者へ送信されるべき発注フォームにインポートされ得る。
【0054】
[0066]線量測定選択ツール1312はさらに、他の放射性物質および分離物のために使用され得、刺激の少ない(bland)スカウト投薬(scout dosing)、化学療法(chemo)など(たとえば、化学塞栓療法)のような他の塞栓を含み、それらのために使用され得、他の球体物質および送込システムに合わせて調整され得、画像閲覧および/もしくは分析ソフトウェアと直接統合され得、ならびに/または、モバイルプラットフォームからウェブサイトのプラットフォームの全体で利用され得ることが企図され、本開示の範囲内である。
【0055】
[0067]さらに、非限定的な例として、放射線塞栓術処置中、球体(たとえば、粒子)を含む投与された流体の注入流量の決定は、分散液および球体自体に影響を与え得る。本明細書に記載のソフトウェアアプリケーションツールは、入力情報に基づいて、推奨流量と、逆流(reflux)の確率とを、処置前、および/または、リアルタイムで処置中に提供され得るユーザのための推奨流量を用いて決定することを対象としたアルゴリズムを、代替的または追加的に含み得る。ソフトウェアアプリケーションツールは、モバイルアプリケーション(「アプリ」)もしくはウェブベースのアプリなどの別個のアプリケーションベースのプラットフォームにおいて提供され得るか、ならびに/または放射線塞栓術処置のための送込デバイスおよび/もしくはシステムの統合された部分であり得、これによって、送込デバイスに通信可能に結合されたディスプレイは、ソフトウェアアプリケーションツールによって生成された出力情報を表示できる。
【0056】
[0068]実施形態では、計算流体力学分析(CFD:computational fluid dynamics)を使用して、放射線塞栓術処置中の分散および粒子に対する流量の影響を判定できる。さらに、注入された不適切な粒子の移動は、血流に対して逆流し、隣接する血管系および器官に移動する可能性があり、これは健康な組織に悪影響を与える可能性がある。ソフトウェアアプリケーションツールは、1つまたは複数の入力を受け取り、入力に基づく推奨流量、ならびに/または、入力および/もしくは推奨流量に基づく逆流の確率を含む出力を生成するように構成される。入力は、形状、サイズ、密度などのような粒子特性を含み得る。入力は、追加的または代替的に、流体種類、カテーテル先端角度、血流量などのような放射線塞栓術処置のための臨床処置計画入力を含み得る。フローソフトウェアアプリケーションツールは、ツール内の1つまたは複数の入力と、計算アルゴリズムとに基づいて、ミリリットル/分単位での注入流量、および/または、逆流の確率を出力し得る。
【0057】
[0069]実施形態では、放射線塞栓術処置の準備におけるスカウト線量処置中に、臨床医は、テクネチウム-99(99TcまたはTc-99)を血管系に注入して、粒子の流れおよび送り込みを評価し、フローソフトウェアアプリケーションツールにおける1つまたは複数の入力として使用するための臨床的に関連する情報を監視および記録し得る。そのような情報は、たとえば、カテーテルの先端角度、血流量などであり得る。臨床者は、1つまたは複数の入力を、フローソフトウェアアプリケーションツールに入力し得る。フローソフトウェアアプリケーションツールは、本明細書に記載されたような1つまたは複数のアルゴリズムを適用して、流量を最適化し、逆流を最小化し、1つまたは複数の入力に基づいて、1つまたは複数の推奨流量と、および/または、推奨流量に基づく逆流の確率とを、臨床医によって選択されたものとして出力するように構成される。
【0058】
[0070]放射線塞栓術処置の間、臨床医は、フローソフトウェアアプリケーションツールを介して、処置と、カテーテル先端角度、血流量などのような以前の臨床医入力との一致を確認し得る。あるいは、臨床医は、フローソフトウェアアプリケーションツールに新しい1つまたは複数の入力を行い、1つまたは複数の更新された流量推奨値および/または対応する逆流の確率を生成し得る。次に、送込デバイスは、選択された流量推奨値で、粒子を患者に自動的に、部分的に自動的に、または手動で注入するように構成され得る。
【0059】
[0071]したがって、フローソフトウェアアプリケーションツールは、放射線塞栓術ビーズ(たとえば、球体または粒子)の最適な注入流量のための1つまたは複数の流量推奨値を生成し、1つまたは複数の入力と、流量を最適化し、逆流を最小化する最適化アルゴリズムとに基づいて、関連する逆流の確率を評価するように構成され得る。最適化アルゴリズムは、情報や、データや、および/またはエンジニアリング流体力学計算、統合された臨床データ、および/または、患者の肝動脈を通過するY90放射線塞栓術球体の輸送を説明するための物理学ベースの偏微分方程式を活用する高機能計算流体力学シミュレーションを対象とする他の格納されたサブアルゴリズム、のようなパラメータおよび因子に基づき得る。そのようなパラメータおよび因子は、データルックアップテーブル、回帰モデル、伝達関数、ニューラルネットワークなどを介して最適化アルゴリズムに利用可能であり得る。1つまたは複数の入力は、治療前計画のために、または放射線塞栓術処置中に行われる調整のためのほぼリアルタイムの洞察を提供するために行われ得る。フローソフトウェアアプリケーションツールは、本明細書に記載されているように、Y90放射線塞栓術のための放射能および球体数が決定される技術的設定において使用され得る。
【0060】
[0072]本明細書に記載されるシステムは、本明細書に記載されるシステム以外の放射性物質および同位体のために使用され得、本明細書に記載されるような他の球体物質および送込システムのために使用され、入力および/または出力、または臨床用の文書のための他の臨床情報を印刷するように構成され、画像閲覧および/または分析ソフトウェアと直接統合され得、モバイルアプリやWebベースのアプリのようなアプリケーションプラットフォーム全体で利用され得、および/または、機械システムに変換され得る。
【0061】
[0073]項目リスト
[0074]項目1。処置計画のための放射線塞栓術処置における使用のための放射性化合物の線量測定レベルおよび球体量の選択のためにコンピュータで実施される方法は、線量測定選択ツールの線量測定ポータルに放射能パラメータ情報を入力することと、カスタマイズされた放射能を、プロセッサによって、放射能パラメータ情報と、1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムとに基づいて決定することと、カスタマイズされた放射能と、1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムとに基づいて、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とを生成することと、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とのうちの1つを、選択された球体量および投用推奨値として選択することと、放射線塞栓術処置のための放射性化合物発注を、プロセッサによって、カスタマイズされた放射能と、選択された球体量および投用推奨値とに基づいて生成することとを含み得る。
【0062】
[0075]項目2。処理および発注履行のため放射性化合物発注を、放射性化合物製造業者に送信することをさらに含む、項目1の方法。
[0076]項目3。放射性化合物発注を、割り当てられた担当者によるレビューのために割り当て、放射性化合物発注が、割り当てられた担当者による承認後に、処理および発注履行のために、放射性化合物製造業者に送信されるようにすることをさらに含む、項目1または項目2の方法。
【0063】
[0077]項目4。放射能パラメータ情報は、肺シャント分数パーセンテージ値、予想される残留廃棄物パーセンテージ値、肺への以前の線量値、肝臓への所望の線量値、および目標肝臓体積を含む、項目1から項目3のうちのいずれかの方法。
【0064】
[0078]項目5。1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムは、MIRD線量測定計算アルゴリズム、BSA線量測定計算アルゴリズム、または分割線量測定計算アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む、項目1から項目4のいずれかの方法。
【0065】
[0079]項目6。1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムは、目標肝臓質量、投与時の放射能、肺への計算された線量、肺への線量制限、肺への累積線量、および肺への累積線量制限を備えるカスタマイズされた放射能情報を生成し、カスタマイズされた放射能は、カスタマイズされた放射能情報に基づく、項目1から項目5のうちのいずれかの方法。
【0066】
[0080]項目7。1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とを生成するための1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムは、球体毎の放射能アルゴリズム、または放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む、項目1から項目6の方法。
【0067】
[0081]項目8。球体毎の放射能アルゴリズムは、カスタマイズされた放射能の、放射能単位毎の所定の球体量での分割を備える、項目7の方法。
[0082]項目9。放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズムは、組織体積入力と、組織の立方センチメートル毎の所定の塞栓装荷決定との使用を備える、項目7の方法。
【0068】
[0083]項目10。所定の実施形態の装荷は、組織の立方センチメートルあたり20,000個の球体を備える、項目9の方法。
[0084]項目11。選択された球体量および投用推奨値を選択することは、球体毎に所望の放射能レベルを選択することをさらに含む、項目1から項目10のうちのいずれかの方法。
【0069】
[0085]項目12。選択された球体量および投用推奨値を選択することは、正または負のパーセンテージ値として線量変更を入力することをさらに含む、項目1から項目11のうちのいずれかの方法。
【0070】
[0086]項目13。選択された球体量および投用推奨値を選択することは、選択された球体量および投用推奨値を、バイアル毎のパーセント差分に基づいて、複数のバイアルにわたって分配することをさらに含み、パーセント差分は、合計して100%となる、選択された球体量および投用推奨値から構成される、項目1から項目12のうちのいずれかの方法。
【0071】
[0087]項目14。複数のバイアルは、最大3つのバイアルを含む、項目13の方法。
[0088]項目15。複数のユーザが、第1のドラフト発注、または1つもしくは複数の放射性化合物発注のうちの少なくとも1つを閲覧するアクセス権を許可されるように、線量測定ポータルが、複数のユーザ間のデータコラボレーションを提供するように構成され、ユーザは、複数のセキュリティクリアランスレベルのうちの1つを割り当てられ、複数のセキュリティクリアランスレベルは、基本セキュリティクリアランスレベル、または、ユーザに、基本セキュリティクリアランスレベルよりも多くの量のアクセス権を提供する拡張セキュリティクリアランスレベル、のうちの少なくとも1つを含む、項目1から項目14のうちのいずれかの方法。
【0072】
[0089]項目16。基本セキュリティクリアランスレベルは、第1のユーザが第1のドラフト発注を作成できるように構成され、拡張セキュリティクリアランスレベルは、第2のユーザが第1のドラフト発注をレビューおよび承認することを許可するように構成される、項目15の方法。
【0073】
[0090]項目17。処置計画のための放射線塞栓術処置における使用のための放射性化合物の線量測定レベルおよび球体量を選択するためのシステムは、線量測定ポータルおよびグラフィカルユーザインターフェースを含む線量測定選択ツールと、線量測定選択ツールおよび非一時的なコンピュータ記憶媒体に通信可能に結合されたプロセッサとを含み得、非一時的なコンピュータ記憶媒体は、プロセッサによって実行された場合、プロセッサに対して、線量測定選択ツールの線量測定ポータルへの放射能パラメータ情報の入力を、グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、カスタマイズされた放射能を、プロセッサによって、放射能パラメータ情報と、1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムとに基づいて決定させ、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とを、プロセッサによって、カスタマイズされた放射能と、1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムとに基づいて生成させ、1つまたは複数の球体量と、投用推奨値とのうちの1つの選択を、選択された球体量および投用推奨値として、グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、放射線塞栓術処置のための放射性化合物発注を、プロセッサによって、カスタマイズされた放射能と、選択された球体量および投用推奨値とに基づいて生成させる、命令を格納する。
【0074】
[0091]項目18。プロセッサによって実行された場合、プロセッサに対して、処理および発注履行のために、放射性化合物発注を、放射性化合物製造業者へ送信させる命令をさらに含む、項目17のシステム。
【0075】
[0092]項目19。プロセッサによって実行された場合、プロセッサに対して、放射性化合物発注を、割り当てられた担当者によるレビューのために割り当てさせ、放射性化合物発注が、割り当てられた担当者による承認後に、処理および発注履行のために、放射性化合物製造業者に送信されるようにする命令をさらに含む、項目17または項目18のシステム。
【0076】
[0093]項目20。1つまたは複数のカスタマイズされた放射能アルゴリズムは、MIRD線量測定計算アルゴリズム、BSA線量測定計算アルゴリズム、または分割線量測定計算アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む、項目17から項目19のうちのいずれかのシステム。
【0077】
[0094]項目21。1つまたは複数の球体量推奨値を生成するための1つまたは複数の線量測定選択アルゴリズムは、球体毎の放射能アルゴリズム、または放射能ベースの塞栓装荷アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む、項目17から項目20のうちのいずれかのシステム。
【0078】
[0095]項目22。プロセッサによって実行された場合、プロセッサに対して、選択された球体量と、投用推奨値との、複数のバイアルにわたるパーセント分配を、グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせる命令をさらに含む、項目17から項目21のうちのいずれかのシステム。
【0079】
[0096]項目23。処置計画のための放射線塞栓術処置のための流量決定のためのシステムは、送込デバイスと、放射線塞栓術処置に関連する1つまたは複数の入力を受け取るためのグラフィカルユーザインターフェースを含むフローソフトウェアアプリケーションツールと、送込デバイス、フローソフトウェアアプリケーションツール、および非一時的なコンピュータ記憶媒体に通信可能に結合されたプロセッサとを含み得、非一時的なコンピュータ記憶媒体は、プロセッサによって実行された場合、プロセッサに対して、放射線塞栓術処置に関連する1つまたは複数の入力を、グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、1つまたは複数の流量推奨値を、プロセッサによって、1つまたは複数の入力と、1つまたは複数の最適化アルゴリズムとに基づいて決定させ、1つまたは複数の対応する逆流の確率を、プロセッサによって、1つまたは複数の流量推奨値に基づいて生成させ、1つまたは複数の流量推奨値のうちの1つの選択を、選択された流量推奨値として、グラフィカルユーザインターフェースを介して受け取らせ、送込デバイスを使用して、選択された流量推奨値に基づいて、放射線塞栓術処置のためのY90放射線塞栓術球体を送り込ませる、命令を格納する。
【0080】
[0097]「実質的に」および「約」および「ほぼ」という用語は、任意の定量的比較、値、測定値、または他の表現に起因し得る固有の不確実性の程度を表すために本明細書で利用され得ることに留意されたい。これらの用語はまた、問題となっている主題の基本的な機能を変えることなく、定量的表現が、記述された基準から変動し得る程度を表すために本明細書で利用される。
【0081】
[0098]本明細書では特定の実施形態が例示および記載されているが、特許請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、他の様々な変形および変更がなされ得ることを理解されたい。さらに、特許請求される主題の様々な態様が本明細書に記載されているが、そのような態様を組み合わせて利用する必要はない。したがって、添付する特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内にあるそのようなすべての変形および変更をカバーすることが意図されている。
図1
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