(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】予約システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20231122BHJP
G06Q 30/0207 20230101ALI20231122BHJP
G06Q 50/06 20120101ALI20231122BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q30/0207
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2021135993
(22)【出願日】2021-08-24
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100136423
【氏名又は名称】大井 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100130605
【氏名又は名称】天野 浩治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 礼
(72)【発明者】
【氏名】谷口 喜代太
(72)【発明者】
【氏名】最相 美穂
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 克史
(72)【発明者】
【氏名】巽 宏之
(72)【発明者】
【氏名】神足 昌人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 由紀
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-041324(JP,A)
【文献】特開2020-123202(JP,A)
【文献】特開2013-073398(JP,A)
【文献】国際公開第2012/160666(WO,A1)
【文献】特開2019-087142(JP,A)
【文献】特開2020-035258(JP,A)
【文献】特開2002-007590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両に対する充放電装置を利用可能なサービスの予約システムであって、
前記サービスと前記充放電装置との両方が予約可能な特定の日時毎に、前記充放電装置から前記電動車両に対する売電価格に応じたサービス価格に対する割引率を設定するように構成され
、
前記サービス価格を取得する第1取得部と、
前記サービスに対するサービス予約スケジュールを取得する第2取得部と、
前記電動車両に対して充放電を行う前記充放電装置に対する充放電予約スケジュールを取得する第3取得部と、
日時毎の前記売電価格を取得する第4取得部と、
前記サービス予約スケジュール、および、前記充放電予約スケジュールに基づいて、前記サービスと前記充放電装置との両方が予約可能な前記特定の日時毎に、前記第4取得部で取得された前記売電価格に応じた前記サービス価格に対する割引率を設定する割引率設定部と、
ユーザから送信された、前記サービスおよび前記充放電装置の両方を予約する予約信号を受信する通信部と、
前記予約信号を受信したとき、前記特定の日時を表示する画面表示部と、
前記特定の日時毎に、前記割引率設定部で設定された前記割引率に応じて表示手段を変更して、前記特定の日時を表示する割引表示部と、
を備えた、予約システム。
【請求項2】
前記割引表示部は、前記割引率が予め定められた基準割引率以上の前記特定の日時を第1の表示手段で表示し、かつ、前記割引率が前記基準割引率未満の前記特定の日時を前記第1の表示手段とは異なる第2の表示手段で表示する、請求項
1に記載された予約システム。
【請求項3】
前記画面表示部は、前記サービスおよび前記充放電装置を予約するユーザに対して第1予約画面を表示し、前記サービスを予約し、かつ、前記充放電装置を予約しないユーザに対して第2予約画面を表示する、請求項
1または
2に記載された予約システム。
【請求項4】
電動車両に対する充放電装置を利用可能なサービスの予約システムであって、
前記サービスと前記充放電装置との両方が予約可能な特定の日時毎に、前記充放電装置から前記電動車両に対する売電価格に応じたサービス価格に対する割引率を設定するように構成され、
前記サービス価格を取得する第1取得部と、
前記サービスに対するサービス予約スケジュールを取得する第2取得部と、
前記電動車両に対して充放電を行う前記充放電装置に対する充放電予約スケジュールを取得する第3取得部と、
日時毎の前記売電価格を取得する第4取得部と、
前記サービス予約スケジュール、および、前記充放電予約スケジュールに基づいて、前記サービスと前記充放電装置との両方が予約可能な前記特定の日時毎に、前記第4取得部で取得された前記売電価格に応じた前記サービス価格に対する割引率を設定する割引率設定部と、
を備え、
日時毎に、前記サービスに対するサービス予約枠と、前記充放電装置に対する充放電予約枠が設定されており、
前記第4取得部によって取得された前記売電価格が予め定められた基準価格よりも高い日時において、前記サービス予約枠の少なくとも一部と、前記充放電予約枠の少なくとも一部とを、前記サービスと前記充放電装置との両方を予約するユーザに対して優先的に予約できる優先予約枠として確保する予約確保部を備えた、予約システム。
【請求項5】
前記特定の日時毎に、前記割引率に基づいた前記サービス価格と充放電価格との合計価格を算出する算出部と、
前記特定の日時毎に前記合計価格を表示する価格表示部と、
を備えた、請求項
1から
4までの何れか1つに記載された予約システム。
【請求項6】
前記第4取得部は、アグリゲーターから前記売電価格を取得するように構成され、
前記割引率設定部は、前記アグリゲーターに対してユーザ登録していないユーザには、前記割引率を第1割引率に設定し、前記アグリゲーターに対してユーザ登録しているユーザには、前記割引率を、前記第1割引率よりも高い第2割引率に設定する、請求項
1から
5までの何れか1つに記載された予約システム。
【請求項7】
天気予報情報を取得する第5取得部を備え、
前記割引率設定部は、前記天気予報情報に基づいて前記割引率を設定する、請求項
1から
6までの何れか1つに記載された予約システム。
【請求項8】
前記サービスを提供するサービス施設に設置され、かつ、電力を蓄える蓄電装置の日時毎の蓄電量を推定する蓄電量推定部を備え、
前記割引率設定部は、前記蓄電量推定部によって推定された前記蓄電量が、予め定められた基準蓄電量以上である前記特定の日時に対して、前記割引率を第1推定割引率に設定し、前記蓄電量推定部によって推定された前記蓄電量が前記基準蓄電量未満である前記特定の日時に対して、前記割引率を、前記第1推定割引率よりも高い第2推定割引率に設定する、請求項
1から
7までの何れか1つに記載された予約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約システムに関する。詳しくは、電動車両に対する充放電の予約と、サービスの予約との両方を管理する予約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、電気自動車を充電する充電装置と、充電装置に通信可能に接続された充電管理装置とを備えた充電システムが開示されている。この充電システムでは、充電装置が設置された駐車場を有する施設に対する支払金額に応じて、電気自動車への充電可能電力量をユーザに付与する。ユーザは、付与された充電可能電力量分の電力を上限として、充電装置を利用して電気自動車を充電することができる。
【0003】
例えば特許文献2には、自動運転機能を有する電気自動車の充電状態を管理する充電システムが開示されている。この充電システムでは、充電ステーションにおいて電気自動車に対する充電が完了した後、自動運転機能を用いて、電気自動車を待機スペースに自動で移動させることを管理している。このことで、充電ステーションの利用効率を向上させることができる。特許文献3には、美容室を利用する際に、日時を指定して美容師をオンラインで予約する予約・管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-244785号公報
【文献】特開2018-85906号公報
【文献】特開2001-350998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された充電システムでは、施設を利用したユーザに対して、充電装置の利用を促すことができるが、本願発明者は、電気自動車を運転して施設に行く動機付けを更に高めることを考えている。特許文献2に開示された充電システムでは、充電ステーションの利用効率を高めることができるが、本願発明者は、ユーザが充電ステーションに向かう動機付けが低いと考えている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここで提案される予約システムは、電動車両に対する充放電装置を利用可能なサービスの予約システムである。予約システムは、サービスと充放電装置との両方が予約可能な特定の日時毎に、充放電装置から電動車両に対する売電価格に応じたサービス価格に対する割引率を設定するように構成されている。
【0007】
例えば売電価格は、日時に応じて変化するものである。ここで提案される予約システムによれば、日時毎の売電価格に応じてサービス価格に対する割引率を設定する。ユーザは、割引率が高い、サービスと充放電装置との両方が予約可能な特定の日時でサービスと充放電装置の両方を予約することで、充放電装置で電動車両を放電しつつ、割引率に応じて割引された後のサービス価格でサービスを受けることができる。よって、電動車両でサービスを受ける施設に行く動機付けを高めることができる。
【0008】
ここで提案される予約システムは、第1取得部と、第2取得部と、第3取得部と、第4取得部と、割引率設定部と、を備えていてもよい。第1取得部は、サービス価格を取得してもよい。第2取得部は、サービスに対するサービス予約スケジュールを取得してもよい。第3取得部は、電動車両に対して充放電を行う充放電装置に対する充放電予約スケジュールを取得してもよい。第4取得部は、日時毎の売電価格を取得してもよい。割引率設定部は、サービス予約スケジュール、および、充放電予約スケジュールに基づいて、サービスと充放電装置との両方が予約可能な特定の日時毎に、第4取得部で取得された売電価格に応じたサービス価格に対する割引率を設定してもよい。
【0009】
ここで提案される予約システムは、通信部と、画面表示部と、割引表示部とを備えていてもよい。通信部は、ユーザから送信された、サービスおよび充放電装置の両方を予約する予約信号を受信してもよい。画面表示部は、予約信号を受信したとき、特定の日時を表示してもよい。割引表示部は、特定の日時毎に、割引率設定部で設定された割引率に応じて表示手段を変更してもよい。
【0010】
ここで提案される予約システムによれば、割引表示部は、割引率が予め定められた基準割引率以上のときの特定の日時を第1の表示手段で表示し、かつ、割引率が基準割引率未満のときの特定の日時を第1の表示手段とは異なる第2の表示手段で表示してもよい。画面表示部は、サービスおよび充放電装置を予約するユーザに対して第1予約画面を表示し、サービスを予約し、かつ、充放電装置を予約しないユーザに対して第2予約画面を表示してもよい。
【0011】
ここで提案される予約システムは、算出部と、価格表示部とを備えていてもよい。算出部は、特定の日時毎に、割引率に基づいたサービス価格と充放電価格との合計価格を算出してもよい。価格表示部は、特定の日時毎に合計価格を表示してもよい。
【0012】
ここで提案される予約システムによれば、第4取得部は、アグリゲーターから売電価格を取得するように構成されてもよい。割引率設定部は、アグリゲーターに対してユーザ登録していないユーザには、割引率を第1割引率に設定し、アグリゲーターに対してユーザ登録しているユーザには、割引率を、第1割引率よりも高い第2割引率に設定してもよい。
【0013】
ここで提案される予約システムは、天気予報情報を取得する第5取得部を備えていてもよい。割引率設定部は、天気予報情報に基づいて割引率を設定してもよい。
【0014】
ここで提案される予約システムによれば、日時毎に、サービスに対するサービス予約枠と、充放電装置に対する充放電予約枠が設定されていてもよい。予約システムは、第4取得部によって取得された売電価格が予め定められた基準価格よりも高い日時において、サービス予約枠の少なくとも一部と、充放電予約枠の少なくとも一部とを、サービスと充放電装置との両方を予約するユーザに対して優先的に予約できる優先予約枠として確保する予約確保部を備えてもよい。
【0015】
ここで提案される予約システムは、サービスを提供するサービス施設に設置され、かつ、電力を蓄える蓄電装置の日時毎の蓄電量を推定する蓄電量推定部を備えてもよい。割引率設定部は、蓄電量推定部によって推定された蓄電量が、予め定められた基準蓄電量以上である特定の日時に対して、割引率を第1推定割引率に設定し、蓄電量推定部によって推定された蓄電量が基準蓄電量未満である特定の日時に対して、割引率を、第1推定割引率よりも高い第2推定割引率に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る予約システムを示す概念図である。
【
図2】実施形態に係る予約システムを示すブロック図である。
【
図3】サービスおよび充放電装置を予約する際の予約システムの制御手順を示したフローチャートである。
【
図4A】売電価格に応じた割引率の設定手順を示したフローチャートである。
【
図4B】アグリゲーターに対するユーザ登録の有無に応じた割引率の設定手順を示したフローチャートである。
【
図4C】天気予報に応じた割引率の設定手順を示したフローチャートである。
【
図4D】蓄電装置の蓄電量に応じた割引率の設定手順を示したフローチャートである。
【
図5】優先予約枠を確保する手順を示したフローチャートである。
【
図6】予約画面の表示手順を示したフローチャートである。
【
図7】サービス放電予約画面の一例を示す図である。
【
図8】サービス充電予約画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、ここで開示される予約システムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本発明は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略されるものとする。
【0018】
図1は、本実施形態に係る予約システム100を示す概念図である。本実施形態に係る予約システム100は、電動車両10に対する充放電を行う充放電装置22の予約、および、サービスの予約を一括で管理するシステムである。この予約システム100は、例えば充放電装置22が設置されたサービス施設20で使用されるシステムである。
【0019】
サービス施設20とは、ユーザにサービスを提供する施設のことである。ユーザは、所定のサービス価格に基づいた金額を支払うことでサービスを受けることができる。ここで、サービスとは、売買した後にモノが残らず、効用や満足などを提供することである。サービスとは、事前に日時を予約し、予約した日時にユーザがサービス施設20に来店して、所定の時間を要して受けることができるものである。サービス施設20の一例として、例えば美容院が挙げられる。美容院のサービスとして、カット、シャンプー、カラーリングなどが挙げられる。ただし、サービス施設20は、美容院に限定されるものではなく、例えば整体やマッサージを施術する店、ネイルサロンなどであってもよい。
【0020】
ここで、電動車両10には、電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの電力をエネルギー源とした車が含まれる。電動車両10は、四輪車であってもよいし、二輪車であってもよい。電動車両10は、例えばユーザが使用する(または所有する)ものであり得る。充放電装置22とは、電動車両10に接続して、電動車両10に対して充電または放電(以下、充放電ともいう。)を行う装置である。本実施形態では、充放電装置22は、例えばサービス施設20の駐車スペース24に設置される装置である。1つの駐車スペース24に対して、1台の車を駐車させることが可能である。例えばサービス施設20でサービスを受けるユーザが使用する電動車両10に対して、充放電装置22を利用して充放電することができる。なお、サービス施設20に設置される充放電装置22の数は特に限定されず、1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。
【0021】
ところで、充放電装置22を利用して電動車両10が放電されたとき、電動車両10から供給された電力は、例えばアグリゲーターを介して電力会社などの特定の業者に売られる。ここでアグリゲーターは、電力の需要と供給のバランスを保つように電力の需要量を制御する、例えばアグリゲーターは、電力会社などの特定の業者の要求に応じて電力を調達し、特定の業者に電力を供給する。アグリゲーターは、売電価格を提示し、提示した売電価格に応じて電力を買い取り、買い取った電力を特定の業者に提供する。そのため、アグリゲーターは、必要な電力量を確保するために、電動車両10のユーザや、充放電装置22を設置しているサービス施設20などと、より多く契約することが好ましい。
【0022】
例えば充放電装置22を設置しているサービス施設20の管理者は、サービスを受けるユーザに対して、充放電装置22を利用してもらうことで、充放電装置22の利用効率を高めたいと考えていると推察される。そこで、本実施形態では、サービスを受けるユーザが電動車両10でサービス施設20に行くことを促進するために、本実施形態に係る予約システム100を提供する。
【0023】
次に、本実施形態に係る予約システム100の構成について説明する。予約システム100は、電動車両10に対する充放電装置22を利用可能なサービスの予約システムであって、サービスと充放電装置22との両方が予約可能な特定の日時毎に、充放電装置22から電動車両10に対する売電価格に応じたサービス価格に対する割引率を設定するように構成されている。本実施形態では、予約システム100は、サービスと、充放電装置22を利用して放電することとの両方を利用するユーザに対して、アグリゲーターが提示した売電価格に応じた割引率でサービス価格を割り引いて、サービスおよび充放電装置22を予約するシステムである。
【0024】
予約システム100は、例えばクライアントサーバシステムによって実現される。ただし、予約システム100は、クラウドコンピューティングによって実現されてもよい。
図1に示すように、予約システム100は、ユーザ端末15と、アグリゲーター端末25と、天気予報端末35と、管理サーバ50とを備えている。
【0025】
ユーザ端末15は、電動車両10を使用するユーザが使用する端末である。ここで、ユーザ端末15は、例えばユーザが使用するスマートフォン、タブレット端末、デスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、電動車両10に搭載されたカーナビゲーションシステムであってもよい。
図2は、予約システム100のブロック図である。
図2に示すように、ユーザ端末15は、画面16と、タッチパネル、キーボードまたはマウスなどのユーザが操作して入力する入力手段17と、端末制御装置18とを備えている。端末制御装置18は、画面16および入力手段17と通信可能に接続されている。
【0026】
アグリゲーター端末25は、アグリゲーターが使用する端末であり、サービス施設20に提示する売電価格P2に関する情報を管理する端末である。アグリゲーター端末25は、例えばアグリゲーターが使用するデスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータやサーバによって実現される。もちろん、アグリゲーター端末25は、売電価格P2を管理することができれば、スマートフォンやタブレット端末で実現されることも可能である。アグリゲーター端末25は、画面26と、入力手段27と、端末制御装置28とを備えている。端末制御装置28は、画面26および入力手段27と通信可能に接続されている。
【0027】
天気予報端末35は、天気予報に関する情報が管理された端末である。天気予報端末35は、デスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータやサーバによって実現されてもよいし、スマートフォンやタブレット端末で実現されることも可能である。天気予報端末35は、画面36と、入力手段37と、端末制御装置38とを備えている。端末制御装置38は、画面36および入力手段37と通信可能に接続されている。
【0028】
管理サーバ50は、ユーザ端末15、アグリゲーター端末25および天気予報端末35と通信可能に接続されている。本実施形態では、管理サーバ50は、インターネットなどのネットワークを介して、ユーザ端末15、アグリゲーター端末25および天気予報端末35に接続されている。管理サーバ50は、単一のコンピュータによって実現されてもよいし、複数のコンピュータが協働して実現されるものであってもよい。管理サーバ50は、制御装置55を備えている。なお、図示は省略するが、管理サーバ50は、アグリゲーター端末25などと同様に、画面と、入力手段とを備えていてもよい。
【0029】
制御装置55の構成は、特に限定されない。ここでは、制御装置55は、例えばマイクロコンピュータである。制御装置55は、例えばI/Fと、CPUと、ROMと、RAMと、を備えている。
図2に示すように、制御装置55は、記憶部60と、第1通信部61と、第2通信部62と、第3通信部63とを備えている。更に、制御装置55は、第1取得部71と、第2取得部72と、第3取得部73と、第4取得部74と、第5取得部75と、蓄電量推定部81と、割引率設定部82と、算出部83と、予約確保部84と、画面表示部85と、割引表示部86と、価格表示部87と、を備えている。制御装置55を構成する各部60~87は、1つまたは複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路に組み込まれるものであってもよい。
【0030】
本実施形態では、第1通信部61は、通信部の一例である。第1通信部61は、電動車両10を使用するユーザのユーザ端末15と通信可能に構成されている。ここでは、第1通信部61は、ユーザ端末15の端末制御装置18と通信可能に接続されている。第2通信部62は、アグリゲーターが使用するアグリゲーター端末25と通信可能に構成されている。ここでは、第2通信部62は、アグリゲーター端末25の端末制御装置28と通信可能に接続されている。第3通信部63は、天気予報端末35と通信可能に構成されている。ここでは、第3通信部63は、天気予報端末35の端末制御装置38と通信可能に接続されている。
【0031】
図3は、サービスおよび充放電装置22を予約する際の予約システム100の制御手順を示したフローチャートである。次に、ユーザが予約システム100を使用して、サービス施設20が提供するサービス、および、充放電装置22の両方を予約するときの、予約システム100の制御手順について、
図3のフローチャートに沿って説明する。
【0032】
ここでは、例えばユーザが、サービス施設20に対して、サービスと充放電装置22の予約の両方を行いたい場合には、ユーザが管理サーバ50に対して予約信号S1を送信する。
図3のステップS101では、
図2の第1通信部61は、ユーザが送信した予約信号S1を受信する。予約信号S1とは、例えばサービスまたは充放電装置22を予約するための信号である。本実施形態では、予約信号S1は、サービスと充放電装置22の両方を一度に予約するための信号である。ここで、ユーザが予約信号S1を送信する具体的な手段は特に限定されない。例えばユーザ端末15の入力手段17をユーザが操作することで、ユーザ端末15から管理サーバ50へ予約信号S1が送信されるものであってもよい。ここでは、第1通信部61が予約信号S1を受信することで、管理サーバ50は、サービスまたは充放電装置22を予約したいユーザがいることを判断する。
【0033】
このように、予約信号S1を受信した後、サービスおよび充放電装置22の両方を予約することが可能な日時などを表示するために必要となり得る情報を取得する。ここでは、まず
図3のステップS103では、
図2の第1取得部71は、サービスに対するサービス価格P1を取得する。ここで、サービス価格P1とは、サービスを受けるユーザが、サービスを受ける対価としてサービス施設20側に支払う金額のことである。サービス価格P1は、1つであってもよいし、サービスの内容に応じて複数あってもよい。サービス価格P1は、例えば
図2の記憶部60に予め記憶されている。そのため、第1取得部71は、サービス価格P1を記憶部60から取得する。ただし、サービス価格P1は、例えば管理サーバ50に接続された外部機器(図示せず)に記憶されてもよい。この場合、第1取得部71は、上記外部機器からサービス価格P1を取得してもよい。
【0034】
次に、
図3のステップS105では、
図2の第2取得部72は、サービス予約スケジュールSD1を取得する。ここで、サービス予約スケジュールSD1とは、サービスに対する予約スケジュールのことであり、サービス施設20でサービスを受けることが可能な日時をまとめたスケジュールのことである。本実施形態では、サービス予約スケジュールSD1は、例えば記憶部60に予め記憶されている。そのため、第2取得部72は、サービス予約スケジュールSD1を記憶部60から取得する。
【0035】
次に、
図3のステップS107では、
図2の第3取得部73は、充放電予約スケジュールSD2を取得する。ここで、充放電予約スケジュールSD2とは、電動車両10に対して充放電を行う充放電装置22の利用の可否をまとめたスケジュールのことである。本実施形態では、充放電予約スケジュールSD2は、例えば記憶部60に予め記憶されている。第3取得部73は、充放電予約スケジュールSD2を記憶部60から取得する。なお、サービス予約スケジュールSD1および充放電予約スケジュールSD2は、例えば管理サーバ50に接続された外部機器(図示せず)に記憶されてもよい。この場合、第2取得部72は、上記外部機器からサービス予約スケジュールSD1を取得してもよいし、第3取得部73は、上記外部機器から充放電予約スケジュールSD2を取得してもよい。
【0036】
次に、
図3のステップS109では、第4取得部74は、日時毎の売電価格P2を取得する。ここで、売電価格P2とは、電力をアグリゲーターに売るときの価格のことである。売電価格P2は、日時毎に異なることがあり得る。売電価格P2は、例えばアグリゲーターによって決定されるものである。アグリゲーターは、例えば電力が不足しているときには、売電価格P2を高くして電力を売ることを促進し、電力を調達する。アグリゲーターは、例えば電力が過剰にあるときには、売電価格P2を低くする。本実施形態では、
図2に示すように、日時毎の売電価格P2は、アグリゲーター端末25の端末制御装置28に記憶されている。アグリゲーターは、アグリゲーター端末25を使用して、日時毎の売電価格P2を更新して管理する。第4取得部74は、日時毎の売電価格P2を、第2通信部62を介してアグリゲーター端末25から取得する。なお、取得した日時毎の売電価格P2は、記憶部60に記憶される。
【0037】
次に、
図3のステップS111では、
図2の第5取得部75は、天気予報情報W1を取得する。ここでは、
図2に示すように、天気予報情報W1は、天気予報端末35の端末制御装置38に記憶されており、所定の日時毎に更新されていく。第5取得部75は、第3通信部63を介して天気予報端末35から天気予報情報W1を取得する。ただし、天気予報情報W1は、所定の日時毎に、第3通信部63を介して管理サーバ50に送信されるものであってもよい。この場合、天気予報情報W1は、記憶部60に記憶されており、第5取得部75は、天気予報情報W1を記憶部60から取得してもよい。
【0038】
本実施形態では、
図1に示すように、充放電装置22が設置されているサービス施設20には、例えば電力を蓄える蓄電装置23が設置されている。蓄電装置23は、充放電装置22を介して電動車両10から放電された電力が蓄えられる。この蓄電装置23に蓄えられた電力は、サービス施設20で使用されたり、アグリゲーターに供給されたりする。蓄電装置23に蓄えられた電力の蓄電量V1(
図3参照)は、サービス施設20で使用される電力量に応じて、日時毎に変化するものである。例えばサービス施設20で使用される電力量が多い日時では、蓄電量V1は少なり、電力量が少ない日時では、当該蓄電量V1が多くなる傾向になり得る。
【0039】
図3のステップS113では、
図2の蓄電量推定部81は、蓄電装置23の日時毎の蓄電量V1を推定する。蓄電量V1を推定する具体的な処理は特に限定されない。例えば、記憶部60には、日時毎に使用される電力量と、蓄電量V1とが関連付けられた蓄電推定表が記憶されている。蓄電量推定部81は、過去の日時毎の実際の電力量に基づいて、今後の日時毎の推定電力量を推定する。そして、蓄電量推定部81は、上記蓄電推定表から推定電力量に対応した蓄電量V1を抽出し、日時毎の蓄電量V1を推定する。
【0040】
次に、
図3のステップS115では、サービス価格P1に対する割引率R1を設定する。ここでは、
図2の割引率設定部82は、第4取得部74で取得された日時毎の売電価格P2に応じた割引率R1を設定する。割引率設定部82は、サービス予約スケジュールSD1、および、充放電予約スケジュールSD2に基づいて、サービスと充放電装置22との両方が予約可能な特定の日時毎に、サービス価格P1に対する割引率R1を設定する。
【0041】
本実施形態では、例えば売電価格P2が高い場合には、割引率R1を高くし、売電価格P2が低い場合には、割引率R1を低くする。例えば
図4Aに示すように、ステップS201において、割引率設定部82は、売電価格P2が予め定められた基準割引価格SP1よりも低いか否かを判定する。売電価格P2が基準割引価格SP1よりも低い場合には、ステップS203に進む。ステップS203では、割引率設定部82は、割引率R1を第1売電割引率R21に設定する。一方、ステップS201において、売電価格P2が基準割引価格SP1以上の場合には、ステップS205に進み、割引率設定部82は、割引率R1を第2売電割引率R22に設定する。ここで、第2売電割引率R22は、第1売電割引率R21よりも高い。なお、基準割引価格SP1は、複数設定されてもよいし、割引率R1は、段階的に設定されるものであってもよい。
【0042】
例えばユーザは、アグリゲーターに対してユーザ登録をすることが可能である。ユーザは、ユーザ登録したアグリゲーターに対して売電することで、所定の特典(例えばポイントなどのインセンティブの付与)を受けることができる。本実施形態では、割引率設定部82は、
図4Bに示すように、ユーザが、サービス施設20が契約しているアグリゲーターに対してユーザ登録しているか否かに応じて、割引率R1を変更してもよい。例えばステップS301では、割引率設定部82は、予約信号S1(
図3のステップS101参照)を送信したユーザが、アグリゲーターに対してユーザ登録してるか否かを判定する。アグリゲーターに対してユーザ登録していないユーザの場合、ステップS303において、割引率設定部82は、所定の日時の割引率R1を第1割引率R31に設定する。ステップS301において、アグリゲーターに対してユーザ登録していると判定されたユーザの場合には、ステップS305において、割引率設定部82は、所定日時の割引率R1を第2割引率R32に設定する。ここで、第2割引率R32は第1割引率R31よりも高い。ここで、第1割引率R31と第2割引率R32との差を、差分割引率とする。割引率設定部82は、アグリゲーターに対してユーザ登録しているユーザには、割引率R1を差分割引率分、高くしてもよい。
【0043】
本実施形態では、割引率設定部82は、
図4Cに示すように、天気予報情報W1に基づいて、割引率R1を設定してもよい。例えばステップS401において、割引率設定部82は、日時毎に天気予報が晴れであるか否かを判定する。天気予報が晴れの日時のときには、アグリゲーターは、例えば太陽発電による電力供給が得られやすい。そのため、割引率設定部82は、天気予報が晴れの日時のときには、ステップS403において、割引率R1を低くする(例えば第1天気割引率R41に設定する)。一方、ステップS401において、天気予報が晴れではないと判定された場合、次に、ステップS405において、日時毎に天気予報が雨であるか否かを判定する。天気予報が雨の日時の時には、アグリゲーターは、例えば太陽発電による電量供給が得られ難い。そのため、割引率設定部82は、天気予報が雨の日時のときには、ステップS407において、割引率R1を高くする(例えば第2天気割引率R42にする)。ここでは、第2天気割引率R42は、第1天気割引率R41よりも高い。例えば第1天気割引率R41と第2天気割引率R42との差を、差分天気割引率とする。割引率設定部82は、天気予報が雨の日時のときには、割引率R1を、差分天気割引率分、高くしてもよい。なお、天気予報が晴れでもなく、雨でもない場合(例えば曇りの場合)、ステップS409において、割引率設定部82は、割引率R1を変更せず、維持してもよい。
【0044】
本実施形態では、割引率設定部82は、
図4Dに示すように、蓄電量推定部81によって推定された蓄電量V1に応じて、割引率R1を設定してもよい。ステップS501では、割引率設定部82は、蓄電量推定部81によって推定された蓄電量V1が、予め定められた基準蓄電量SV1以上であるか否かを判定する。蓄電量V1が基準蓄電量SV1以上と判定された特定の日時に対しては、ステップS503において、割引率設定部82は、割引率R1を低くする(例えば第1推定割引率R51に設定する)。一方、ステップS501において、蓄電量V1が基準蓄電量SV1未満であると判定された特定の日時に対しては、ステップS505において、割引率設定部82は、割引率R1を高くする(例えば第2推定割引率R52に設定する)。ここでは、第2推定割引率R52は、第1推定割引率R51よりも高い。例えば第1推定割引率R51と第2推定割引率R52との差を、差分推定割引率とする。割引率設定部82は、蓄電量推定部81によって推定された蓄電量V1が基準蓄電量SV1未満のとき、割引率R1を、差分推定割引率分、高くしてもよい。
【0045】
本実施形態では、売電価格P2が高く(例えば基準割引価格SP1(
図4A参照)以上であり)、アグリゲーターに対してユーザ登録しているユーザであり、天気予報が雨であり、かつ、蓄電量推定部81によって推定された蓄電量V1が少ない(例えば基準蓄電量SV1(
図4D参照)未満である)特定の日時に対して、最も高い割引率R1が設定される。一方、売電価格P2が低く(例えば基準割引価格SP1より低く)、アグリゲーターに対してユーザ登録していないユーザであり、天気予報が晴れであり、かつ、蓄電量推定部81によって推定された蓄電量V1が多い(例えば基準蓄電量SV1以上である)特定の日時に対して、最も低い割引率R1が設定される。
【0046】
以上のように、
図3のステップS115において、特定の日時毎に、サービス価格P1に対する割引率R1が設定された後、ステップS117では、
図2の算出部83は、特定の日時毎に、割引率R1に基づいたサービス価格P1と、充放電価格との合計価格P3を算出する。ここでは、割引率R1に基づいたサービス価格P1のことを、割引サービス価格という。算出部83は、サービス価格P1に割引率R1を乗算することで割引サービス価格を算出する。充放電価格は、例えば記憶部60に予め記憶されているものである。算出部83は、記憶部60から充放電価格を取得してもよい。ただし、充放電価格は、売電価格P2に応じて適宜決定されるものであってもよい。算出部83は、特定の日時毎に、割引サービス価格に充放電価格を加算することで、合計価格P3を算出する。
【0047】
本実施形態では、日時毎に、サービスに対するサービス予約枠と、充放電装置22に対する充放電予約枠とが設定されている。サービス予約枠とは、任意の日時にサービスを受けることが可能な数を示すものであり、サービス予約枠の数と同じ人数に対してサービスを提供することができる。充放電予約枠とは、任意の日時に充放電装置22を利用することが可能な数を示すものであり、充放電予約枠の数と同じ人数に対して、電動車両10に充放電を行うことができる。
図3のステップS119では、
図2の予約確保部84は、サービスと充放電装置22との両方を予約するユーザに対して、優先的に予約できる優先予約枠を確保する。本実施形態では、予約確保部84は、例えば
図5に示すように、ステップS601において、売電価格P2が予め定められた基準価格SP2よりも高いか否かを判定する。売電価格P2が基準価格SP2よりも高い日時に対して、ステップS603において、予約確保部84は、サービス予約枠の少なくとも一部、および、充放電予約枠の少なくとも一部を優先予約枠として確保する。ここでは、日時毎に設定されたサービス予約枠の数、および、充放電予約枠の数のうちの一部を優先予約枠として確保する。なお、ステップS601において、売電価格P2が基準価格SP2以下であると判定された日時に対しては、優先予約枠の確保は行われない。
【0048】
次に
図3のステップS121では、
図2の画面表示部85は、特定の日時を表示する。特定の日時は、例えばユーザ端末15の画面16(
図2参照)に表示される。本実施形態では、画面表示部85は、例えば
図6に示すように、ステップS701において、予約しようとするユーザがサービスおよび充放電装置22の両方を予約するか否かを判定する。ここで、サービスおよび充放電装置22の両方を予約する場合には、ステップS703において、充放電装置22で電動車両10に対して放電を行うか否かを判定する。放電を行う場合には、ステップS705において、画面表示部85は、
図7に示すようなサービス放電予約画面DP11を、ユーザ端末15の画面16(
図2参照)に表示する。一方、放電を行わずに、充電を行う場合には、ステップS707において、画面表示部85は、
図8に示すようなサービス充電予約画面DP12を表示する。
【0049】
なお、ステップS701において、サービスと充放電装置22の両方を予約しないと判定された場合、予約しようとするユーザは、サービスのみを予約するユーザ、すなわち、サービスを予約し、かつ、充放電装置22を予約しないユーザであると言える。この場合、ステップS709において、画面表示部85は、ユーザ端末15の画面16にサービス予約画面DP2を表示する。サービス予約画面DP2は、サービスのみを予約するための画面であり、充放電装置22の予約はできない画面である。なお、サービス予約画面DP2の詳細な図示は省略するが、サービス予約画面DP2には、例えばサービス予約スケジュールSD1(
図2参照)が配置されている。なお、サービス予約画面DP2は、第2予約画面の一例である。
【0050】
図7に示すように、サービス放電予約画面DP11は、サービスと共に、充放電装置22で電動車両10の放電を予約する際に、ユーザ端末15の画面16に表示されるものである。本実施形態では、サービス放電予約画面DP11は、第1予約画面の一例である。サービス放電予約画面DP11では、特定の日時のうち、割引率R1が高い日時や、割引率R1が低い日時が視覚的に分かり易くなっている。
【0051】
図2の画面表示部85がサービス放電予約画面DP11を表示する際、
図2の割引表示部86は、
図7に示すように、特定の日時毎に、割引率R1に応じた表示手段で特定の日時を、サービス放電予約画面DP11に表示する。割引表示部86は、割引率R1に応じて表示手段を変更して、特定の日時を表示する。ここでは、割引表示部86は、4つの表示手段D11、D12、D13、D14を有している。
図2に示すように、例えば記憶部60には、第1基準割引率SR1、第2基準割引率SR2が予め記憶されている。第1基準割引率SR1は、第2基準割引率SR2よりも高い。割引表示部86は、割引率R1が予め定められた第1基準割引率SR1以上の特定の日時を、第1の表示手段D11(
図7参照)で表示する。割引表示部86は、割引率R1が第1基準割引率SR1未満であり、かつ、第2基準割引率SR2以上の特定の日時を、第2の表示手段D12(
図7参照)で表示する。また、割引表示部86は、割引率R1が第2基準割引率SR2未満の特定の日時を、第3の表示手段D13(
図7参照)で表示する。一方、割引表示部86は、特定の日時以外の日時、すなわち、サービスと充放電装置22の両方を予約することができない日時を、第4の表示手段D14(
図7参照)で表示する。
【0052】
ここで、
図7に示すように、第1の表示手段D11~第4の表示手段D14は、異なる表示手段である。第1の表示手段D11~第4の表示手段D14の具体的な手段は特に限定されるものではない。本実施形態では、第1の表示手段D11~第4の表示手段D14は、記号で示されるものである。第1の表示手段D11は、例えば「◎」である。第2の表示手段D12は、例えば「○」である。第3の表示手段D13は、例えば「△」である。第4の表示手段D14は、例えば「×」である。
【0053】
なお、本実施形態では、
図7に示すように、画面表示部85がサービス放電予約画面DP11を表示する際、価格表示部87は、特定の日時毎に、合計価格(割引サービス価格と充放電価格との合計)P3を表示してもよい。
図7では、ユーザが選択した日時における合計価格P3が表示される。例えば
図7では、ユーザが入力手段17(
図2参照)を介して、4月7日の10時30分を選択しており、その予約時間における合計価格P3が表示されている。
【0054】
図8に示すように、サービス充電予約画面DP12は、サービスと共に、充放電装置22で電動車両10の充電を予約する際に、ユーザ端末15の画面16に表示されるものである。サービス充電予約画面DP12では、充放電装置22で放電されないため、割引率R1を考慮した表示は行われない。サービス充電予約画面DP12では、特定の日時であるか否かが視覚的に分かり易くなっている。
【0055】
本実施形態では、画面表示部85は、特定の日時を、他の第1の表示手段D21で表示し、特定の日時以外の日時、すなわち、サービスと充放電装置22の両方を予約できない日時を、他の第2の表示手段D22で表示する。ここで、他の第1の表示手段D21と、他の第2の表示手段D21とは異なる表示手段である。他の第1の表示手段D21および他の第2の表示手段D22の具体的な手段は、特に限定されるものではない。本実施形態では、他の第1の表示手段D21および他の第2の表示手段D22は、記号で示されるものである。他の第1の表示手段D21は、例えば「○」である。他の第2の表示手段D22は、例えば「×」である。
【0056】
本実施形態では、ユーザは、サービス放電予約画面DP11またはサービス充電予約画面DP12を見ながら、サービスおよび充放電装置22の両方を一度に予約することができる。
【0057】
以上、本実施形態では、予約システム100は、電動車両10に対する充放電装置22を利用可能なサービスの予約システムであって、サービスと充放電装置22との両方が予約可能な特定の日時毎に、充放電装置22から電動車両10に対する売電価格P2に応じたサービス価格P1に対する割引率R1を設定するように構成されている。
図2に示すように、予約システム100は、第1取得部71と、第2取得部72と、第3取得部73と、第4取得部74と、割引率設定部82と、を備えている。第1取得部71は、サービスに対するサービス価格P1を取得する。第2取得部72は、サービスに対するサービス予約スケジュールSD1を取得する。第3取得部73は、電動車両10に対して充放電を行う充放電装置22に対する充放電予約スケジュールSD2を取得する。第4取得部74は、日時毎の売電価格P2を取得する。割引率設定部82は、サービス予約スケジュールSD1、および、充放電予約スケジュールSD2に基づいて、サービスと充放電装置22とが予約可能な特定の日時毎に、第4取得部74で取得された売電価格P2に応じたサービス価格P1に対する割引率R1を設定する。売電価格P2は、日時に応じて変化するものである。本実施形態に係る予約システム100によれば、日時毎の売電価格P2に応じてサービス価格P1に対する割引率R1を設定する。ユーザは、割引率R1が高い特定の日時でサービスと充放電装置22の両方を予約することで、充放電装置22で電動車両10を放電しつつ、割引率R1に応じて割引された後のサービス価格P1でサービスを受けることができる。よって、電動車両10でサービスを受けるサービス施設20に行く動機付けを高めることができる。
【0058】
本実施形態では、予約システム100は、
図2に示すように、第1通信部61と、画面表示部85と、割引表示部86とを備えている。第1通信部61は、ユーザから送信された、サービスおよび充放電装置22の両方を予約する予約信号S1(
図3のステップS101参照)を受信する。画面表示部85は、予約信号S1を受信したとき、特定の日時を表示する。割引表示部86は、特定の日時毎に、割引率設定部82で設定された割引率R1に応じて表示手段を変更して、特定の日時を表示する。本実施形態では、割引表示部86は、
図7に示すように、割引率R1が予め定められた第1基準割引率SR1(
図2参照)以上の特定の日時を第1の表示手段D11で表示し、かつ、割引率R1が第1基準割引率SR1未満の特定の日時を第1の表示手段D11とは異なる第2の表示手段D12で表示する。このことによって、ユーザは、割引率R1が高い特定の日時を視覚的に分かり易い。そのため、ユーザは、割引率R1が高い特定の日時を選択して予約し易い。
【0059】
本実施形態では、画面表示部85は、サービスおよび充放電装置22を予約するユーザに対してサービス放電予約画面DP11(
図7参照)を表示し、サービスを予約し、かつ、充放電装置22を予約しないユーザに対してサービス予約画面DP2(
図6のステップS709参照)を表示する。このことによって、サービスと充放電装置22の両方を予約するユーザと、サービスのみを予約するユーザとで、予約画面を分けて表示することができるため、ユーザは、適切な予約画面を見て予約することができる。
【0060】
本実施形態では、
図2に示すように、予約システム100は、算出部83と、価格表示部87とを備えている。算出部83は、特定の日時毎に、割引率R1に基づいたサービス価格P1(ここでは割引サービス価格)と充放電価格との合計価格P3(
図3のステップS117参照)を算出する。価格表示部87は、
図7に示すように、特定の日時毎に合計価格P3を表示する。このことによって、ユーザは、合計価格P3を確認しながら、サービスおよび充放電装置22を予約することができる。
【0061】
本実施形態では、
図2に示す第4取得部74は、アグリゲーターから売電価格P2を取得するように構成されている。割引率設定部82は、
図4Bに示すように、アグリゲーターに対してユーザ登録していないユーザには、割引率R1を第1割引率R31に設定し、アグリゲーターに対してユーザ登録しているユーザには、割引率R1を、第1割引率R31よりも高い第2割引率R32に設定する。このことによって、アグリゲーターに対してユーザ登録しているユーザに対して、割引率R1を高くすることができるため、電動車両10でサービスを受けるサービス施設20に行く動機付けを高めることができる。
【0062】
本実施形態では、予約システム100は、
図2に示すように、天気予報情報W1を取得する第5取得部75を備えている。割引率設定部82は、天気予報情報W1に基づいて割引率R1を設定する。天気予報に応じて、例えば太陽電池で賄える電力量が異なると考えられる。例えば、天気予報が雨のときには、太陽電池で賄える電力量が少なくなる傾向があると考えられ、アグリゲーターにとって、サービス施設20などから電力を買い取る量が多くなる考えられる。よって、天気予報が雨の特定の日時の割引率R1を高くすることで、天気予報が雨の特定の日時に、サービス施設20に行く動機付けを高めることができる。
【0063】
本実施形態では、日時毎に、サービスに対するサービス予約枠と、充放電装置22に対する充放電予約枠が設定されている。予約システム100は、
図5に示すように、第4取得部74によって取得された売電価格P2が予め定められた基準価格SP2よりも高い日時において、サービス予約枠の少なくとも一部と、充放電予約枠の少なくとも一部とを、サービスと充放電装置22との両方を予約するユーザに対して優先的に予約できる優先予約枠として確保する予約確保部84(
図2参照)を備えている。このように、売電価格P2が高い日時に対して、サービスおよび充放電装置22の両方を予約するユーザのための優先予約枠を確保している。そのため、売電価格P2が高い日時に、サービスおよび充放電装置22の両方を予約するユーザが予約し易くなる。
【0064】
本実施形態では、予約システム100は、
図3のステップS113に示すように、サービスを提供するサービス施設20に設置され、かつ、電力を蓄える蓄電装置23(
図1参照)の日時毎の蓄電量V1を推定する蓄電量推定部81(
図2参照)を備えている。割引率設定部82は、
図4Dに示すように、蓄電量推定部81によって推定された蓄電量V1が、予め定められた基準蓄電量SV1以上である特定の日時に対して、割引率R1を第1推定割引率R51に設定する。割引率設定部82は、蓄電量推定部81によって推定された蓄電量V1が基準蓄電量SV1未満である特定の日時に対して、割引率R1を、第1推定割引率R51よりも高い第2推定割引率R52に設定する。このことによって、蓄電量V1が少ないと推定される日時に、サービス施設20に行く動機付けを高めることができる。
【符号の説明】
【0065】
10 電動車両
20 サービス施設
22 充放電装置
61 通信部(第1通信部)
71 第1取得部
72 第2取得部
73 第3取得部
74 第4取得部
75 第5取得部
81 蓄電量推定部
82 割引率設定部
83 算出部
84 予約確保部
85 画面表示部
86 割引表示部
87 価格表示部
100 予約システム
P1 サービス価格
P2 売電価格
R1 割引率
SD1 サービス予約スケジュール
SD2 充放電予約スケジュール