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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】表示装置、及び表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20231122BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20231122BHJP
   G09B 9/042 20060101ALI20231122BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G09B9/042
G09B19/00 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021174355
(22)【出願日】2021-10-26
(65)【公開番号】P2023064218
(43)【公開日】2023-05-11
【審査請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋平
(72)【発明者】
【氏名】奥本 雅規
(72)【発明者】
【氏名】森 壮二
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-124439(JP,A)
【文献】特開2021-071328(JP,A)
【文献】特開2021-000975(JP,A)
【文献】国際公開第2017/104794(WO,A1)
【文献】特開2008-293184(JP,A)
【文献】特開2001-186471(JP,A)
【文献】特開2021-000974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G09B 9/042
G09B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者が受講する運転講習に関する表示装置であって、
前記車両の走行データに基づいて前記運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する通信ユニットと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示し、
前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記車両の俯瞰画像と、前記走行動画において前記車両が進行する進行方向に対応した方向を指し示す進行方向動画とをさらに表示し、
前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングと前記進行方向動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画、前記模範動画、及び進行方向動画を再生する、
表示装置。
【請求項2】
車両の運転者が受講する運転講習に関する表示装置であって、
前記車両の走行データに基づいて前記運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する通信ユニットと、
プロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、
前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示し、
前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画及び前記模範動画を再生し、
前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記走行データに基づいて前記サーバ装置が抽出した、前記車両の運転で前記運転者が注意すべき注意事項を示す注意事項情報をさらに表示する、
表示装置。
【請求項3】
車両の走行データに基づいて前記車両の運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する、前記運転者が受講する運転講習に関する表示装置の制御方法であって、
前記表示装置のプロセッサが、前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示する表示ステップを含み、
前記表示ステップは、
前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記車両の俯瞰画像と、前記走行動画において前記車両が進行する進行方向に対応した方向を指し示す進行方向動画とをさらに表示し、
前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングと前記進行方向動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画、前記模範動画、及び進行方向動画を再生する、
表示装置の制御方法。
【請求項4】
車両の走行データに基づいて前記車両の運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する、前記運転者が受講する運転講習に関する表示装置の制御方法であって、
前記表示装置のプロセッサが、前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示する表示ステップを含み、
前記表示ステップは、
前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画及び前記模範動画を再生し、
前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記走行データに基づいて前記サーバ装置が抽出した、前記車両の運転で前記運転者が注意すべき注意事項を示す注意事項情報をさらに表示する、
表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、及び表示装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転講習に係わる技術が知られている。
例えば、特許文献1は、運転講習に係わる技術として、動的に変化する周囲の状況の中で危険シーンの予測を研修者が訓練できる技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-60164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1記載の研修のような運転講習には、動画を見る講習がある。この種の運転講習は、模範の動画が表示されることが一般的であるため、どのように改善すれば運転技量が向上するのかが分かりにくく、受講者にとって効果的な運転講習でない可能性がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、受講者に対して効果的な運転講習を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための一態様の表示装置は、車両の運転者が受講する運転講習に関する表示装置であって、前記車両の走行データに基づいて前記運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する通信ユニットと、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示し、前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記車両の俯瞰画像と、前記走行動画において前記車両が進行する進行方向に対応した方向を指し示す進行方向動画とをさらに表示し、前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングと前記進行方向動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画、前記模範動画、及び進行方向動画を再生する。
また、上記目的を達成するための一態様の表示装置は、車両の運転者が受講する運転講習に関する表示装置であって、前記車両の走行データに基づいて前記運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する通信ユニットと、プロセッサと、を備え、前記プロセッサは、前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示し、前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画及び前記模範動画を再生し、前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記走行データに基づいて前記サーバ装置が抽出した、前記車両の運転で前記運転者が注意すべき注意事項を示す注意事項情報をさらに表示する。
【0011】
上記目的を達成するための別の一態様の表示装置の制御方法は、車両の走行データに基づいて前記車両の運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する、前記運転者が受講する運転講習に関する表示装置の制御方法であって、前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示する表示ステップを含み、前記表示ステップは、前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記車両の俯瞰画像と、前記走行動画において前記車両が進行する進行方向に対応した方向を指し示す進行方向動画とをさらに表示し、前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングと前記進行方向動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画、前記模範動画、及び進行方向動画を再生する。
また、上記目的を達成するための別の一態様の表示装置の制御方法は、車両の走行データに基づいて前記車両の運転者の運転技量を評価するサーバ装置と通信する、前記運転者が受講する運転講習に関する表示装置の制御方法であって、前記運転者の運転技量の評価に基づいて前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記サーバ装置が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示する表示ステップを含み、前記表示ステップは、前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画及び前記模範動画を再生し、前記サーバ装置が選択した前記運転講習において、前記走行データに基づいて前記サーバ装置が抽出した、前記車両の運転で前記運転者が注意すべき注意事項を示す注意事項情報をさらに表示する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、受講者である車両の運転者に対して効果的な運転講習を提供できるとの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、運転講習システムの概要を示す図である。
図2図2は、車両の一例を示す図である。
図3図3は、車両の構成の一例を示す図である。
図4図4は、サーバ装置の構成の一例を示す図である。
図5図5は、第1端末装置及び第2端末装置の構成の一例を示す図である。
図6図6は、運転講習システムの動作を示すフローチャートである。
図7図7は、運転講習システムの動作を示すフローチャートである。
図8図8は、第1運転講習画面の一例を示す図である。
図9図9は、運転講習システムの動作を示すフローチャートである。
図10図10は、第2運転講習画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[1.運転講習システムの概要]
図1を参照して、本実施形態の運転講習システム1000の概要を説明する。
図1は、運転講習システム1000の概要を示す図である。
【0015】
本実施形態の運転講習システム1000は、会社CPに勤める従業員Pの運転技量を評価し、従業員Pに対して、評価が低い評価項目に対応する運転講習を選択する。運転講習とは、運転技量の向上を目的とした講習であり、受講者が動画を見る講習である。運転講習システム1000は、選択した運転講習の受講を促す通知を従業員Pに行う。運転講習システム1000は、選択した運転講習において、従業員Pが運転した車両1の走行動画SDと、模範の動画である模範動画MDとを表示可能である。模範動画MDは、車室内から車両前方が写る動画が例に挙げられる。
従業員Pは、本開示の「運転者」に相当する。
【0016】
従業員Pは、業務において車両1を運転する。図2を参照して、従業員Pが運転する車両1について説明する。
図2は、車両1の一例を示す図である。
【0017】
本実施形態の車両1は、乗車定員5名の四輪車両である。車両1は、運転席10A、助手席10B、リア右席10C、リア中央席10D、及びリア左席10Eを備える。図2の車両1では、従業員Pが運転席10Aに着座している状況を示している。
【0018】
車両1は、右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、左後ドア11D、及び、テールゲート11Eを備える。右前ドア11A、左前ドア11B、右後ドア11C、及び左後ドア11Dを開くことにより車両1の車室空間への出入りが可能となる。テールゲート11Eは、車両1のトランクを開閉する。
【0019】
車両1は、ダッシュボード12を備える。ダッシュボード12は、車載タッチパネル13、スピーカ14、及びマイク15が設置される。車載タッチパネル13は、タッチパネルであって、文字や画像を表示する液晶表示パネルと、液晶表示パネルへの接触を検出するタッチセンサーとが重畳された構成を有する。スピーカ14は、車両1の車室空間に音を出力する。マイク15は、音声を集音する。マイク15は、車両1に搭乗している人が発話する音声等、車両1の車室空間の音を集音する。スピーカ14及びマイク15の設置位置および数は任意に変更可能である。
【0020】
ダッシュボード12には、運転席10Aに着座した人と対向する位置に、車内カメラ16が設定される。車内カメラ16は、車両1の車室内を撮影する。車内カメラ16の撮影範囲は、運転席10Aに着座した人の頭部を含む範囲である。
【0021】
車両1の車室内には、ドライブレコーダ17が設置される。ドライブレコーダ17は、車両1の前方を撮影する。ドライブレコーダ17は、車載装置100と通信可能である。
【0022】
車両1の前部には、車両1の前方を撮影するフロントカメラ18Aが設けられている。車両1の後部には、車両1の後方を撮影するリアカメラ18Bが設けられている。また、車両1の右側部には、車両1の右側方を撮影する右サイドカメラ18Cが設けられている。また、車両1の左側部には、車両1の左側方を撮影する左サイドカメラ18Dが設けられている。フロントカメラ18A、リアカメラ18B、右サイドカメラ18C、及び左サイドカメラ18Dは、車両1の周囲を撮影する車外カメラである。
【0023】
車両1は、車載装置100を備える。車載装置100は、車両1に設けられる車載タッチパネル13を備える装置であり、例えば、ディスプレイオーディオ(DA)と呼ばれる装置、或いはカーナビゲーション装置である。車載装置100は、TCU(Telematics Control Unit)19と接続し、TCU19によってサーバ装置2と通信する。車載装置100には、ペダルセンサ21や、車両状態センサ22、ステアリングセンサ23などのデバイスが接続する。
【0024】
図1の説明に戻り、従業員Pが運転した車両1の車載装置100は、所定のタイミングで、アップロードデータADをサーバ装置2に送信する。所定のタイミングは、日付が変わったタイミングや、従業員Pが業務を終了したタイミング、従業員Pが業務において車両1の使用を終了したタイミングが例に挙げられる。アップロードデータADは、従業員Pが運転した車両1の走行データ、及び、従業員Pの識別情報である従業員ID(Identification)を含む。
【0025】
サーバ装置2は、通信ネットワークNWに接続する。通信ネットワークNWは、データ通信ネットワークであればよく、例えば公衆回線網を含む広域通信ネットワークである。サーバ装置2は、車載装置100からアップロードデータADを受信する。サーバ装置2は、受信したアップロードデータADに基づいて従業員Pの運転技量を評価する。サーバ装置2は、複数の評価項目ごとに評価値を求めることで、従業員Pの運転技量を評価する。サーバ装置2は、求めた評価値が所定値以下の評価項目を抽出し、複数の運転講習から抽出した評価項目に対応する運転講習を選択する。サーバ装置2は、従業員Pが使用する第1端末装置3に、選択した運転講習の受講を促す通知情報を送信する。これにより、サーバ装置2は、従業員Pに運転講習の受講を促す。
【0026】
本実施形態の第1端末装置3は、タブレット型のPC(Personal Computer)を例示する。なお、第1端末装置3は、タブレット型のPCに限定されず、ラップトップ型のPCでもデスクトップ型のPCでもスマートフォンでもよい。第1端末装置3は、通知情報をサーバ装置2から受信すると、受信した通知情報を表示する。例えば、第1端末装置3は、「次の運転講習の受講をお奨めします。講習名「合流動画講習」・講習内容「合流の動画を見る講習」」との情報を表示する。
第1端末装置3は、本開示の「第1表示装置」に相当する。
【0027】
従業員Pは、運転講習の受講についてサーバ装置2から通知があると、受講が勧められた運転講習を受講する。従業員Pは、第1端末装置3によって、又は受講会場AVにおいて、運転講習を受講する。
【0028】
従業員Pが第1端末装置3で運転講習を受講する場合、サーバ装置2は、走行動画SD及び模範動画MDを表示させる第1表示データD1を第1端末装置3に送信する。これにより、第1端末装置3は、走行動画SD及び模範動画MDを表示する。従業員Pは、第1端末装置3による受講において、第1端末装置3と共に、VR(Virtual Reality)ゴーグルなどのVRデバイス5を用いることができる。運転講習において、VRデバイス5は、運転席に着座したときに見える情景に対応した仮想空間を表示し、車両1の運転において従業員Pが確認すべき箇所(例えば、サイドミラー)を仮想空間で強調表示する。強調表示の表示態様は、どのような態様でもよい。
VRデバイス5は、本開示の「第3表示装置」に相当する。
【0029】
受講会場AVでは、会場内にいる1又は複数の受講者に対して運転講習が行われる。受講会場AVには、第2端末装置4が設けられている。第2端末装置4は、運転講習において動画を表示及び再生する。第2端末装置4が表示する動画は、受講会場AVで行われる運転講習の講習内容に対応した模範動画MDである。サーバ装置2は、模範動画MDを表示させる第2表示データD2を第2端末装置4に送信する。これにより、第2端末装置4は、模範動画MDを表示する。
第2端末装置4は、本開示の「第2表示装置」に相当する。
【0030】
[2.車両の構成]
次に、車両1の構成について説明する。
図3は、車両1の構成の一例を示す図である。
運転講習システム1000は、車両1を備える。
【0031】
車両1は、車載装置100、TCU(Telematics Control Unit)19、GNSS(Global Navigation Satellite System)20、車載タッチパネル13、スピーカ14、マイク15、車内カメラ16、ドライブレコーダ17、フロントカメラ18A、リアカメラ18B、右サイドカメラ18C、左サイドカメラ18D、ペダルセンサ21、車両状態センサ22、及びステアリングセンサ23を備える。
【0032】
車載装置100は、CPU(Central Processing Unit)やMPC(Micro-processing unit)等のプロセッサである車載プロセッサ110、及びプログラムやデータを記憶するメモリである車載メモリ120を備える。
【0033】
車載プロセッサ110は、車載メモリ120が記憶する制御プログラム121を読み出して実行することにより、車載通信制御部111、データ収集部112、及びアップロードデータ生成部113として機能する。
【0034】
車載メモリ120は、車載プロセッサ110が実行するプログラムや、車載プロセッサ110に処理されるデータを記憶する。車載メモリ120は、車載プロセッサ110が実行する制御プログラム121、地図データ122、その他の各種データを記憶する。車載メモリ120は、不揮発性の記憶領域を有する。また、車載メモリ120は、揮発性の記憶領域を備え、車載プロセッサ110のワークエリアを構成してもよい。
【0035】
地図データ122は、道路地図情報や、各種施設等の施設情報、マップマッチング用のデータ等を格納するデータである。道路地図情報は、地図上の道路を線で表現した道路ネットワークからなり、交差点や分岐点等をノードとして複数の部分に分割し、各ノード間の部分をリンクとして規定したリンクに関する情報を含む。施設情報は、施設の位置(緯度、経度)や、施設の名称等を示す。
【0036】
車載装置100には、TCU19、GNSS20、車載タッチパネル13、スピーカ14、マイク15、車内カメラ16、ドライブレコーダ17、フロントカメラ18A、リアカメラ18B、右サイドカメラ18C、左サイドカメラ18D、ペダルセンサ21、車両状態センサ22、及びステアリングセンサ23が接続する。なお、車載装置100に接続するデバイスは、これらデバイスに限定されず、他の種類のデバイスが接続してもよい。
【0037】
GNSS20は、車両1の現在位置を測位する。車両1が不図示のカーナビゲーションシステムを搭載している場合、GNSS20として、カーナビゲーション装置が備えるGPS(Global Positioning System)ユニット等を利用してもよい。
【0038】
ペダルセンサ21は、アクセルペダルセンサ及びブレーキペダルセンサを含む。ペダルセンサ21は、所定の周期で、踏み込み量を示す検出値を車載装置100に出力する。
【0039】
車両状態センサ22は、例えば3軸加速度センサ、ヨーレートセンサ、及び車速センサを含む。車両状態センサ22は、所定の周期で検出値を車載装置100に出力する。
【0040】
ステアリングセンサ23は、ステアリングホイールの操作トルク又は舵角を検出する。ステアリングセンサ23は、所定の周期で検出値を車載装置100に出力する。
【0041】
上述したように、車載プロセッサ110は、車載通信制御部111、データ収集部112、及びアップロードデータ生成部113として機能する。
【0042】
車載通信制御部111は、TCU19を介して、サーバ装置3と通信する。
【0043】
データ収集部112は、アップロードデータADに含まれる各種の走行データを収集する。データ収集部112は、従業員Pが業務を開始したと見做せるタイミングでデータの収集を開始する。従業員Pが業務を開始したと見做せるタイミングは、1日で最初にイグニッションがオンにされたタイミングや、業務の開始を示す情報を従業員Pが車載タッチパネル13に入力したタイミングなどである。
【0044】
データ収集部112は、車内カメラ16、ドライブレコーダ17、フロントカメラ18A、リアカメラ18B、右サイドカメラ18C、及び左サイドカメラ18Dの各々の撮影結果である動画データを、車両1の走行データとして収集する。収集された動画データには、例えばフレームごとに、撮影で得られた時間のデータが対応付いている。
また、データ収集部112は、ペダルセンサ21、車両状態センサ22、及びステアリングセンサ23の検出値を、車両1の走行データとして収集する。収集された検出値の各々には、検出された時間のデータが対応付いている。
また、データ収集部112は、GNSS20が測位する車両1の現在位置、及び地図データ122を参照し、車両1が走行したルートRTのデータを、車両1の走行データとして収集する。図1のルートRTの場合、データ収集部112は、会社CPの所在地点PTを起点とし会社CPの所在地点PTを終点としたルートRTのデータを、車両1の走行データとして収集する。
また、データ収集部112は、GNSS20が測位した車両1の現在位置を示す現在位置データを、車両1の走行データとして収集する。収集された現在位置データの各々には、測位された時間のデータが対応付いている。
【0045】
アップロードデータ生成部113は、所定のタイミングが到来すると、データ収集部112が収集した各種の走行データを含むアップロードデータADを生成し、生成したアップロードデータADを車載通信制御部111に出力する。アップロードデータADに含まれる車両1の走行データの各々には、上述した時間のデータが対応付いている。車載通信制御部111は、アップロードデータ生成部113から入力されたアップロードデータADをサーバ装置2に送信する。
【0046】
アップロードデータ生成部113は、アップロードデータADの生成に際して、従業員IDを取得する。アップロードデータ生成部113は、従業員IDが車載メモリ120に記録されている場合、車載メモリ120から従業員IDを読み出すことで取得する。第1端末装置3と車載装置100とが通信可能である場合、アップロードデータ生成部113は、第1端末装置3から従業員IDを取得してもよい。アップロードデータ生成部113は、取得した従業員IDをアップロードデータADに含める。
【0047】
[3.サーバ装置の構成]
次に、サーバ装置2の構成について説明する。
運転講習システム1000は、サーバ装置2を備える。
図4は、サーバ装置2の構成の一例を示す図である。
【0048】
サーバ装置2は、CPUやMPC等のプロセッサであるサーバプロセッサ200、プログラムやデータを記憶するメモリであるサーバメモリ210、及びサーバ通信ユニット220を備える。
【0049】
サーバプロセッサ200は、サーバメモリ210が記憶する制御プログラム211を読み出して実行することにより、サーバ受信部201、取得部202、評価部203、第1抽出部204、選択部205、第2抽出部206、データ処理部207、通知部208、及び表示データ送信部209として機能する。
【0050】
サーバメモリ210は、サーバプロセッサ200が実行するプログラムや、サーバプロセッサ200に処理されるデータを記憶する。サーバメモリ210は、サーバプロセッサ200が実行する制御プログラム211、従業員DB(database)212、評価結果DB213、運転講習DB214、地図データ215、その他の各種データを記憶する。サーバメモリ210は、不揮発性の記憶領域を有する。また、サーバメモリ210は、揮発性の記憶領域を備え、サーバプロセッサ200のワークエリアを構成してもよい。
【0051】
従業員DB212は、従業員Pごとに、従業員Pの情報を有するレコードが格納されている。従業員Pの情報は、従業員ID、第1端末装置3と通信するための通信情報、受講対象の運転講習の情報、走行動画SDを示す走行動画データ、模範動画MDを示す模範動画データ、進行方向動画HDを示す進行方向動画データ、及び注意事項情報J1などを含む。本実施形態において、運転講習の情報は、講習名の情報と、講習内容の情報とを含む。進行方向動画HD及び注意事項情報J1については、後述する。
【0052】
評価結果DB213は、従業員Pごとに、従業員IDと評価結果の情報とを有するレコードが格納されている。評価結果の情報は、評価項目ごとに、評価項目の項目名の情報と評価値とを含む。評価項目とは、評価部206が評価する項目である。本実施形態では、合流、駐車、及び狭路の3つ評価項目がある場合を例示する。そのため、本実施形態の評価結果DB213が格納する1件のレコードは、合流、駐車、及び狭路の3つの評価項目の各々について、評価結果の情報を含む。
【0053】
運転講習DB214は、評価項目ごとに、運転講習の情報を有するレコードが格納されている。運転講習DB214が格納するレコードは、評価項目ごとに、評価項目の項目名の情報と、運転講習の情報と、模範動画データとを含む。
運転講習DB214が格納するレコードのうち、合流の評価項目に対応するレコードは、項目名「合流」の情報と、講習名「合流動画講習」の情報と、講習内容「合流の動画を見る講習」の情報と、講習名「合流動画講習」の運転講習で表示される模範動画MDを示す模範動画データとを有する。
運転講習DB214が格納するレコードのうち、駐車の評価項目に対応するレコードは、項目名「駐車」の情報と、講習名「駐車動画講習」の情報と、講習内容「駐車の動画を見る講習」の情報と、講習名「駐車動画講習」の運転講習で表示される模範動画MDを示す模範動画データとを有する。
運転講習DB214が格納するレコードのうち、狭路の評価項目に対応するレコードは、項目名「狭路」の情報と、講習名「狭路動画講習」の情報と、講習内容「狭路の走行の仕方の動画を見る講習」の情報と、講習名「狭路動画講習」の運転講習で表示される模範動画MDを示す模範動画データとを有する。
【0054】
地図データ215は、道路地図情報や、各種施設等の施設情報、マップマッチング用のデータなどを格納するデータである。地図データ215の道路地図情報には、リンクごとに狭路か否かの情報が含まれる。
【0055】
サーバ通信ユニット220は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する通信装置を備える。サーバ通信ユニット220は、通信ネットワークNWを介して、車両1、第1端末装置3、及び第2端末装置4と通信する。
【0056】
上述した通り、サーバプロセッサ200は、サーバ受信部201、取得部202、評価部203、第1抽出部204、選択部205、第2抽出部206、データ処理部207、通知部208、及び表示データ送信部209として機能する。
【0057】
サーバ受信部201は、サーバ通信ユニット220を介して、車両1からアップロードデータADを受信する。すなわち、サーバ受信部201は、サーバ通信ユニット220を介して、車載装置100からアップロードデータADを受信する。
【0058】
取得部202は、サーバ受信部201によって受信されたアップロードデータADから車両1の走行データを取得する。
【0059】
評価部203は、取得部202が取得した車両1の走行データに基づいて、従業員Pの運転技量を評価項目ごとに評価する。評価部203は、車両1の走行データを解析して、評価を行う評価項目を特定する。評価部203は、特定した評価項目の情報をデータ処理部207に出力する。
【0060】
例えば、評価部203は、フロントカメラ18Aの動画データや、ルートRTのデータ、現在位置データなどを解析して、車両1が合流車線を走行したと認識する。この場合、評価部203は、評価を行う評価項目として合流の評価項目を特定する。
また、例えば、評価部203は、フロントカメラ18A、右サイドカメラ18C、左サイドカメラ18D、及びリアカメラ18Bの動画データや、ルートRTのデータ、現在位置データ、車両状態センサ22の検出値などを解析して、車両1が駐車場で駐車をしたことを認識する。この場合、評価部206は、評価を行う評価項目として駐車の評価項目を特定する。
また、例えば、評価部203は、フロントカメラ18Aの動画データや、ルートRTのデータ、現在位置データ、地図データ215などを解析することで、車両1が狭路を走行したと認識する。この場合、評価部203は、評価を行う評価項目として狭路の評価項目を特定する。
【0061】
評価部203は、評価項目の特定を行うと、特定した評価項目に対応する基準データを取得する。基準データは、評価の基準となるデータであり、例えば、動画データや所定の数値を含むデータである。基準データは、模範動画データとしてもよい。基準データは、サーバ装置2が記憶していてもよいし、通信ネットワークNWに接続する他の機器が記憶していてもよい。評価部203は、取得部202が取得した車両1の走行データと取得した基準データとを比較して、特定した評価項目について評価値を求める。評価値の算出方式は、どのような方式でもよいが、本実施形態では減算方式を例示する。本実施形態では、「100」の評価値が最も評価が高い評価値とする。
【0062】
例えば、評価部203は、基準データには運転者が右後ろを目視する映像がある一方で、車内カメラ16の動画データには従業員Pが右後ろを目視する映像がない場合、合流の評価項目について評価値を下げる。
また、例えば、評価部203は、基準データが示す切り返しの回数より、車両1の走行データが示す切り返しの回数が多い場合、駐車の評価項目について評価値を下げる。なお、評価部203は、ステアリングセンサ23の検出値に基づいて、車両1の走行データが示す切り返しの回数を認識する。
また、例えば、評価部203は、ルートRTのデータ、及び地図データ215などを解析して、車両1が走行したルートRTが所定距離以上の狭路を走行したルートRTである場合、ルート選択が不適切であったとして、狭路の評価項目について評価値を下げる。
【0063】
評価部203は、評価を行うと、評価結果DB213に評価結果を記録する。評価部203は、記録に際して、サーバ受信部201で受信されたアップロードデータADの従業員IDと一致する従業員IDを有するレコードを、評価結果DB213から特定する。次いで、評価部203は、特定したレコードについて、評価した評価項目の項目名の情報に対応付く評価値を、求めた評価値に更新する。
【0064】
評価部203は、評価結果DB213の更新を行うと、評価を終了した旨を第1抽出部204に出力する。
【0065】
第1抽出部204は、評価が終了した旨を評価部203から入力されると、評価部203が評価値を更新したレコードを対象に、所定値以下の評価値が対応付く評価項目を抽出する。この所定値は、評価項目ごとに異なってもよい。第1抽出部204は、所定値以下の評価値が対応付く評価項目を抽出できた場合、抽出した評価項目の項目名の情報を選択部205に出力する。なお、評価値との比較に用いられる所定値は、所定値以下である場合の評価項目を苦手な項目であると見做すことができる値に設定される。この所定値は、事前のテストやシミュレーションなどによって適切に定められる。
【0066】
選択部205は、第1抽出部204が抽出した評価項目に対応する運転講習を選択する。選択部205は、運転講習DB214を参照し、第1抽出部204が出力した項目名の情報に対応付く運転講習の情報を選択する。選択部205は、運転講習の情報を選択すると、選択した運転講習の情報を通知部208に出力する。選択部205は、運転講習を選択すると、選択した運転講習の情報をデータ処理部207に出力する。
【0067】
第2抽出部206は、取得部202が取得した車両1の走行データに基づいて、運転者が注意すべき注意事項を抽出する。第2抽出部206は、評価部203が評価した評価項目ごとに、注意事項を抽出する。
例えば、第2抽出部206は、合流車線において車両状態センサ22の検出値が示す車速が所定値以下である場合、合流の評価項目について車速を上げることを注意事項として抽出する。
例えば、第2抽出部206は、ステアリングセンサ23の検出値に基づいて、駐車におけるステアリングホールの舵角が所定値以上である場合、駐車の評価項目についてステアリングホールを回しすぎないことを注意事項として抽出する。
例えば、第2抽出部206は、狭路の走行における車両状態センサ22の検出値が示す車速が所定値以上である場合、狭路の評価項目について車速を下げることを注意事項として抽出する。
第2抽出部206は、抽出した注意事項を示す注意事項情報J1をデータ処理部207に出力する。
【0068】
データ処理部207は、評価部203が特定した評価項目ごとに、走行動画データの切出し、進行方向動画HDの生成、選択部205が選択した運転講習の模範動画データの取得、及び従業員DB212への格納を行う。
【0069】
データ処理部207は、車両1の走行データから、評価部203が特定した評価項目に対応する走行動画データの切出しを行う。
データ処理部207は、評価部203が特定した評価項目が合流である場合、車両1の走行データから、合流を行っているときの動画データを走行動画データとして切り出す。例えば、データ処理部207は、車両1の現在位置データ、ルートRTのデータ、及び地図データ215に基づいて、合流車線に入ったタイミングから当該合流車線を出たタイミングまでの動画データを、走行動画データとして、ドライブレコーダ17やフロントカメラ18Aの動画データから切り出す。
また、データ処理部207は、評価部203が特定した評価項目が駐車である場合、車両1の走行データから、駐車を行っているときの動画データを走行動画データとして切り出す。例えば、データ処理部207は、車両1の現在位置データ、車両状態センサ22の検出値、及び地図データ215に基づいて、車両1が後退を開始したタイミングから停車するタイミングまでの動画データを、走行動画データとして、ドライブレコーダ17やフロントカメラ18Aの動画データから切り出す。
また、データ処理部207は、評価部203が特定した評価項目が狭路である場合、車両1の走行データから、狭路を走行しているときの動画データを走行動画データとして切り出す。例えば、データ処理部207は、車両1の現在位置データ、及び地図データ215に基づいて、狭路に進入してから退出するまでの動画データを、走行動画データとして、ドライブレコーダ17やフロントカメラ18Aの動画データから切り出す。
【0070】
データ処理部207は、切り出した走行動画データや、取得部202が取得した車両1の走行データなどに基づいて、進行方向動画HDを生成する。進行方向動画HDは、車両1の俯瞰画像FKGと、進行方向画像YGとを含む。進行方向動画HD、進行方向動画HDの生成、車両1の俯瞰画像FKF、及び進行方向画像YGについては、後述する。
【0071】
データ処理部207は、選択部205が選択した運転講習の模範動画データを、運転講習DB214から取得する。データ処理部207は、運転講習DB214を参照して、選択部205が選択した運転講習の講習名の情報に対応付く模範動画データを取得する。
【0072】
データ処理部207は、切り出した走行動画データ、生成した進行方向動画HDを示す進行方向動画データ、取得した模範動画データ、及び第2抽出部206から入力された注意事項情報J1を対応付けて、従業員DB212に格納する。データ処理部207は、サーバ受信部201が受信したアップロードデータADの従業員IDに対して、3種の動画データと注意事項情報J1とを格納する。
【0073】
通知部208は、選択部205が運転講習を選択すると、選択部205が選択した運転講習の受講を促す通知情報を生成する。生成される通知情報には、選択部205が選択した運転講習の情報が含まれる。通知部208は、従業員DB212を参照して、サーバ受信部201が受信したアップロードデータADの従業員IDを含むレコードを特定し、特定したレコードに含まれる通信情報を読み出す。そして、通知部208は、読み出した通信情報に基づいて、生成した通知情報を第1端末装置3に送信する。
【0074】
表示データ送信部209は、サーバ通信ユニット220を介して、第1端末装置3と第2端末装置4と通信する。表示データ送信部209は、動作モードとして第1モードと第2モードとを有し、動作モードを第1モード又は第2モードに切り替える。表示データ送信部部209は、第1端末装置3にデータを送信する場合、動作モードが第2モードであれば、動作モードを第2モードから第1モードに切り替える。表示データ送信部209は、第1モードにおいて、第1端末装置3に第1表示データD1を送信する。第1表示データD1は、走行動画データ、模範動画データ、進行方向動画データ、これら3種の動画データを表示させる指示のデータ、及び、これら3種の動画データの再生開始タイミングを同期させて再生させる指示のデータを含む。表示データ送信部209は、第2端末装置4にデータを送信する場合、動作モードが第1モードであれば、動作モードを第1モードから動作モードを第2モードに切り替える。表示データ送信部209は、第2モードにおいて、第2端末装置4に第2表示データD2を送信する。第2表示データD2は、模範動画データ、及び、模範動画データを表示させる指示のデータを含む。
【0075】
[4.第1端末装置及び第2端末装置の構成]
次に、図5を参照して、第1端末装置3及び第2端末装置4の構成について説明する。
運転講習システム1000は、第1端末装置3及び第2端末装置4を備える。
【0076】
第1端末装置3は、CPUやMPC等のプロセッサである第1端末プロセッサ30、プログラムやデータを記憶するメモリである第1端末メモリ31、第1端末通信ユニット32、近距離無線通信部33、及び、タッチパネルである端末タッチパネル34を備える。
【0077】
第1端末プロセッサ30は、第1端末メモリ31が記憶する第1アプリ311を読み出して実行することにより、第1アプリ実行部300として機能する。
【0078】
第1端末メモリ31は、第1端末プロセッサ30が実行するプログラムや、第1端末プロセッサ30に処理されるデータを記憶する。第1端末メモリ31は、第1端末プロセッサ30が実行する第1アプリ311、その他の各種データを記憶する。第1端末メモリ31は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第1端末メモリ31は、揮発性の記憶領域を備え、第1端末プロセッサ30のワークエリアを構成してもよい。
【0079】
第1アプリ311は、第1端末プロセッサ30を第1アプリ実行部300として機能させるアプリケーションプログラムである。
【0080】
第1端末通信ユニット32は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する通信装置を備える。第1端末通信ユニット32は、通信ネットワークNWを介して、サーバ装置2と通信する。
【0081】
近距離無線通信部33は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する通信装置を備え、所定の近距離無線通信規格に従って、近距離無線通信を行う。本実施形態では、近距離無線通信部33は、VRデバイス5と通信する。
【0082】
上述した通り、第1端末プロセッサ30は、第1アプリ実行部300として機能する。
第1アプリ実行部300は、第1端末通信ユニット32を介して、サーバ装置2と通信する。
第1アプリ実行部300は、近距離無線通信部33を介して、VRデバイス5と通信する。
第1アプリ実行部300は、第1運転講習画面GM1を端末タッチパネル34に表示させる。
【0083】
第2端末装置4は、CPUやMPC等のプロセッサである第2端末プロセッサ40、プログラムやデータを記憶するメモリである第2端末メモリ41、第2端末通信ユニット42、及びディスプレイ43を備える。
【0084】
第2端末プロセッサ40は、第2端末メモリ41が記憶する第2アプリ411を読み出して実行することにより、第2アプリ実行部400として機能する。
【0085】
第2端末メモリ41は、第2端末プロセッサ40が実行するプログラムや、第2端末プロセッサ40に処理されるデータを記憶する。第2端末メモリ41は、第2端末プロセッサ40が実行する第2アプリ411、その他の各種データを記憶する。第2端末メモリ41は、不揮発性の記憶領域を有する。また、第2端末メモリ41は、揮発性の記憶領域を備え、第2端末プロセッサ40のワークエリアを構成してもよい。
【0086】
第2アプリ411は、第2端末プロセッサ40を第2アプリ実行部400として機能させるアプリケーションプログラムである。
【0087】
第2端末通信ユニット42は、アンテナ、RF回路、エンコーダ、デコーダ等を有する通信装置を備える。第1端末通信ユニット32は、通信ネットワークNWを介して、サーバ装置2と通信する。
【0088】
上述した通り、第2端末プロセッサ40は、第2アプリ実行部400として機能する。
第2アプリ実行部400は、第2端末通信ユニット42を介して、サーバ装置2と通信する。
第2アプリ実行部400は、第2運転講習画面GM2をディスプレイ43に表示させる。
【0089】
[6.運転講習システムの動作]
次に、運転講習システム1000の動作について説明する。
図6は、運転講習システム1000の動作を示すフローチャートである。図5において、フローチャートFAは車両1の動作を示し、フローチャートFBはサーバ装置2の動作を示し、フローチャートFCは第1端末装置3の動作を示す。
【0090】
フローチャートFAで示すように、車両1の車載装置100のアップロードデータ生成部113は、所定のタイミングが到来したか否かを判定する(ステップSA1)。
【0091】
アップロードデータ生成部113は、所定のタイミングが到来していないと判定した場合(ステップSA1:NO)、再度、ステップSA1の判定を行う。
【0092】
一方、アップロードデータ生成部113は、所定のタイミングが到来したと判定した場合(ステップSA1:YES)、アップロードデータADを生成する(ステップSA2)。
【0093】
次いで、車載通信制御部111は、ステップSA2で生成されたアップロードデータADをサーバ装置2に送信する(ステップSA3)。
【0094】
フローチャートFBで示すように、サーバ装置2のサーバ受信部201は、車両1からアップロードデータADを受信する(ステップSB1)。
【0095】
次いで、取得部202は、ステップSB1で受信されたアップロードデータADから車両1の走行データを取得する(ステップSB2)。
ステップSB2は、本開示の「取得ステップ」に相当する。
【0096】
次いで、評価部203は、ステップSB2で取得された車両1の走行データに基づいて、従業員Pの運転技量を評価する(ステップSB3)。
ステップSB3は、本開示の「評価ステップ」に相当する。
【0097】
次いで、第1抽出部204は、所定値以下の評価値が対応付く評価項目を抽出する(ステップSB4)。
【0098】
次いで、選択部205は、ステップSB4において、第1抽出部204が評価項目を抽出できたか否かを判定する(ステップSB5)。選択部205は、第1抽出部204から項目名の情報が入力された場合、ステップSB5で肯定判定し、第1抽出部204から項目名の情報が入力されなかった場合、ステップSB5で否定判定する。
【0099】
選択部205が、第1抽出部204が評価項目を抽出できなかったと判定した場合(ステップSB5:NO)、サーバプロセッサ200は、本処理を終了する。
【0100】
一方、選択部205は、第1抽出部204が評価項目を抽出できたと判定した場合(ステップSB5:YES)、第1抽出部204が抽出した評価項目に対応する運転講習を選択する(ステップSB6)。
ステップSB6は、本開示の「選択ステップ」に相当する。
【0101】
次いで、第2抽出部206は、注意事項の抽出を行う(ステップSB7)。
【0102】
次いで、データ処理部207は、3種の動画データとステップSB7で抽出された注意事項を示す注意事項情報J1とを、従業員DB212に格納する(ステップSB8)。
【0103】
次いで、通知部208は、通知情報を生成する(ステップSB9)。ステップSB9で生成される通知情報には、ステップSB6で選択された運転講習の情報が含まれる。
【0104】
次いで、通知部208は、ステップSB9で生成した通知情報を第1端末装置3に送信する(ステップSB10)。
【0105】
フローチャートFCで示すように、第1端末装置3の第1アプリ実行部300は、通知情報をサーバ装置2から受信し(ステップSC1)、受信した通知情報を端末タッチパネル34に表示させる(ステップSC2)。
【0106】
次に、通知情報を送信した後の運転講習システム1000の動作について説明する。
図7は、運転講習システム1000の動作を示すフローチャートである。
図7において、フローチャートFDはサーバ装置2の動作を示し、フローチャートFEは第1端末装置3の動作を示す。
【0107】
フローチャートFEで示すように、第1端末装置3の第1アプリ実行部300は、従業員ID及び講習名の入力を受講者である従業員Pから受け付ける(ステップSE1)。従業員Pは、サーバ装置2から送信された通知情報を参照して、受講対象の運転講習の講習名を入力する。
【0108】
次いで、第1アプリ実行部300は、第1動画要求情報をサーバ装置2に送信する(ステップSE2)。第1動画要求情報は、後述する第1運転講習画面GM1に表示する動画を要求する情報である。第1動画要求情報は、ステップSE1で受け付けた従業員ID、及び、ステップSE1で受け付けた講習名の情報を含む。
【0109】
フローチャートFDで示すように、サーバ装置2のサーバ受信部201は、第1動画要求情報を受信する(ステップSD1)。
【0110】
表示データ送信部209は、従業員DB212を参照し、ステップSD1で受信された第1動画要求情報に含まれる従業員ID及び講習名の情報の組み合わせに対応付く3種の動画データと注意事項情報J1を取得する(ステップSD2)。
【0111】
表示データ送信部209は、第1表示データD1を第1端末装置3に送信する(ステップSD3)。第1表示データD1は、ステップSD2で取得された3種の動画データと注意事項情報J1とを含む。
【0112】
フローチャートFEで示すように、第1端末装置3の第1アプリ実行部300は、サーバ装置2から第1表示データD1を受信する(ステップSE3)。
【0113】
次いで、第1アプリ実行部300は、ステップSE3で受信した第1表示データD1に基づいて第1運転講習画面GM1を端末タッチパネル34に表示させる(ステップSE4)。
ステップSE4は、本開示の「表示ステップ」に相当する。
【0114】
図8は、第1運転講習画面GM1の一例を示す図である。
第1運転講習画面GM1は、第1表示領域A1、第2表示領域A2、第3表示領域A3、及び第4表示領域A4を有する。第1表示領域A1、第2表示領域A2、及び第3表示領域A3は、図中上下方向に並んでいる。また、第1表示領域A1及び第2表示領域A2と、第4表示領域A4とは、図中左右方向に並んでいる。なお、第1表示領域A1、第2表示領域A2、第3表示領域A3、及び第4表示領域A4の配置は、図8の配置に限定されず、少なくとも第1表示領域A1及び第2表示領域A2が第1運転講習画面GM1において所定方向に並んでいればよい。
【0115】
第1表示領域A1は、走行動画SDを表示する。第1表示領域A1が表示する走行動画SDは、ステップSE3で受信された第1表示データD1が含む走行動画データの動画である。
【0116】
第2表示領域A2は、模範動画MDを表示する。第2表示領域A2が表示する模範動画MDは、ステップSE3で受信された第1表示データD1が含む模範動画データの動画である。
【0117】
第3表示領域A3は、進行方向動画HDを表示する。第3表示領域A3が表示する進行方向動画HDは、ステップSE3で受信された第1表示データD1が含む進行方向動画データの動画である。
【0118】
進行方向動画HDが示す車両1の俯瞰画像FKGは、車両画像VGと、領域A11、A12、A13、A14とを含む。車両画像VGは、車両を示す画像であり、従業員Pが使用する車種の画像でもよい。車両画像VGは、車両画像VGが示す車両の前方が、第1運転講習画面GM1において図中上方に向くように表示される。領域A11は、第1運転講習画面GM1において、車両画像VGの上隣に設けられる。領域A12は、第1運転講習画面GM1において、車両画像VGの右隣に設けられる。領域A13は、第1運転講習画面GM1において、車両画像VGの左隣に設けられる。領域A14は、第1運転講習画面GM1において、車両画像VGの下隣に設けられる。領域A11には、フロントカメラ18Aの撮影結果が表示され、領域A12には、右サイドカメラ18Cの撮影結果が表示され、領域A13には、左サイドカメラ18Dの撮影結果が表示され、領域A14には、リアカメラ18Bの撮影結果が表示される。領域A11、A12、A13、A14が表示する撮影結果は、第1表示領域A1が表示する走行動画SDが撮影された時間に対応した動画でもよいし、静止画像でもよい。データ処理部207は、進行方向動画HDの生成に際して、フロントカメラ18A、リアカメラ18B、右サイドカメラ18C、及び左サイドカメラ18Dの撮影結果を対応する領域にはめ込んで俯瞰画像FKGを生成する。
【0119】
進行方向動画HDが示す進行方向画像YGは、第1表示領域A1で表示される走行動画SDにおいて車両1が進行する進行方向に対応した方向を指し示す画像である。進行方向画像YGは、走行動画SDにおいて車両1が前方に前進している場合、第1運転講習画面GM1において図中上方を指し示す。進行方向画像YGは、走行動画SDにおいて車両1が右前方に前進している場合、第1運転講習画面GM1において図中右上方を指し示す。進行方向画像YGは、走行動画SDにおいて車両1が右後方に後退している場合、第1運転講習画面GM1において図中右下方を指し示す。進行方向画像YGは、走行動画SDにおいて車両1が後方に後退している場合、第1運転講習画面GM1において図中下方を指し示す。進行方向画像YGは、走行動画SDにおいて車両1が左後方に後退している場合、第1運転講習画面GM1において図中左下方を指し示す。進行方向画像YGは、走行動画SDにおいて車両1が左前方に前進している場合、第1運転講習画面GM1において図中左上方を指し示す。進行方向画像YGは、第1表示領域A1で表示される走行動画SDの再生に同期して、走行動画SDにおいて車両1の進行方向が変化した場合、指し示す方向が変化する。
【0120】
データ処理部207は、進行方向動画HDの生成に際して、走行動画SDが撮影された時間における車両状態センサ22の検出値や、ルートRTのデータ、車両1の現在位置データなどに基づいて、走行動画SDが撮影された時間における車両1の進行方向を認識する。そして、データ処理部207は、走行動画SDの再生時間に伴って、進行方向画像YGが、認識した車両1の進行方向に対応する方向を指し示す進行方向動画HDを生成する。
【0121】
第4表示領域A4は、注意事項情報J1を表示する。第4表示領域A4が表示する注意事項情報J1は、ステップSE3で受信された第1表示データD1が含む注意事項情報J1である。
【0122】
第1アプリ実行部300は、第1運転講習画面GM1を端末タッチパネル34に表示させると、再生開始タイミングを同期させて、且つ、再生時間0秒から走行動画SD、模範動画MD、及び進行方向動画HDを再生する。例えば、第1アプリ実行部300は、図示せぬ再生ボタンが操作された場合、走行動画SD、模範動画MD、及び進行方向動画HDの再生を同じタイミングで開始する。なお、この例の場合、ステップSE3で受信された第1表示データD1には、再生開始タイミングを同期させて再生させる指示のデータとして、図示せぬ再生ボタンが操作されたことを示すデータが含まれる。また、例えば、第1運転講習画面GM1が端末タッチパネル34に表示させた後、所定時間(例えば2秒)が経過した場合、第1アプリ実行部300は、再生を開始するトリガーが発生したとして、走行動画SD、模範動画MD、及び進行方向動画HDの再生を同じタイミングで開始する。なお、この例の場合、ステップSE3で受信された第1表示データD1には、再生開始タイミングを同期させて再生させる指示のデータとして、第1運転講習画面GM1が表示された後に所定時間が経過したことを示すデータが含まれる。進行方向動画HDでは、走行動画SDの時間経過に伴って、進行方向画像YGが指し示す方向が変化し得る。
【0123】
このように、第1端末装置3は、走行動画SDと模範動画MDとの再生開始タイミングを同期させる。これにより、受講者である従業員Pは、自身が行った車両1の走行と模範の走行とを見比べることができるため、どのように走行を改善すればよいのかを容易に把握できるようになる。よって、運転講習システム1000は、受講者である従業員Pに対して効果的な運転講習を提供できる。また、進行方向動画HDを表示及び再生するため、自身が運転した車両1がどのような進行方向であったのかを容易に把握でき、進行方向に関してどのように改善すればよいのかを容易に把握できる。よって、運転講習システム1000は、受講者である従業員Pに対してより効果的な運転講習を提供できる。
【0124】
図9は、運転講習システム1000の動作を示すフローチャートである。
図9において、フローチャートFFはサーバ装置2の動作を示し、フローチャートFGは第2端末装置4の動作を示す。
【0125】
フローチャートFGで示すように、第2端末装置4の第2アプリ実行部400は、講習名の入力を、例えば受講会場AVの教官から受け付ける(ステップSG1)。
【0126】
次いで、第2アプリ実行部400は、第2動画要求情報をサーバ装置2に送信する(ステップSG2)。第2動画要求情報は、後述する第2運転講習画面GM2に表示する動画を要求する情報である。第2動画要求情報は、ステップSF1で受け付けた講習名の情報を含む。
【0127】
フローチャートFFで示すように、サーバ装置2のサーバ受信部201は、第2動画要求情報を受信する(ステップSF1)。
【0128】
表示データ送信部209は、運転講習DB214を参照し、ステップSF1で受信された第2動画要求情報に含まれる講習名の情報に対応付く模範動画データを取得する(ステップSF2)。
【0129】
表示データ送信部209は、第2表示データD2を第2端末装置4に送信する(ステップSF3)。
【0130】
フローチャートFGで示すように、第2端末装置4の第2アプリ実行部400は、サーバ装置2から第2表示データD2を受信する(ステップSF3)。
【0131】
次いで、第2アプリ実行部400は、ステップSF3で受信した第2表示データD2に基づいて第2運転講習画面GM2をディスプレイ43に表示させる(ステップSF4)。
【0132】
図10は、第2運転講習画面GM2の一例を示す図である。
第2運転講習画面GM2は、走行動画SDを表示する。第2運転講習画面GM2が表示する模範動画MDは、ステップSG3で受信された第2表示データD2が含む模範動画データの動画である。
【0133】
上述したように、従業員Pは、第1端末装置3による受講において、第1端末装置3と共に、VRデバイス5を用いることができる。ここで、VRデバイス5の動作について説明する。
【0134】
VRデバイス5は、第1端末装置3から仮想空間の画像データを受信する。第1端末装置3の第1アプリ実行部300は、第1運転講習画面GM1を表示するタイミングで、仮想空間の画像データをVRデバイス5に送信する。仮想空間の画像データは、第1アプリ311の機能によって第1端末メモリ31に予め記憶されていてもよいし、サーバ装置2から第1表示データD1の受信と共に受信されたデータでもよい。
【0135】
VRデバイス5は、仮想空間の画像データを第1端末装置3から受信すると、仮想空間を表示する。VRデバイス5は、第1端末装置3から指示に従って、車両1の運転において従業員Pが確認すべき箇所を仮想空間で強調表示する。第1端末装置3の第1アプリ実行部300は、サーバ装置2から、強調表示する箇所のデータと、走行動画SDの再生時間に対して強調表示を行うタイミングのデータとを受信している。なお、サーバ装置2は、第1端末装置3が表示する走行動画SDを解析して、強調表示させる箇所と強調表示を行うタイミングとを適切に特定する。第1アプリ実行部300は、走行動画SDが再生された後、強調表示するタイミングが到来すると、強調表示する箇所のデータと、強調表示の態様を示すデータとをVRデバイス5に送信する。VRデバイス5は、これらデータに従って、従業員Pが確認すべき箇所を強調表示する。
【0136】
[7.他の実施形態]
上述した実施形態では、走行動画SDと模範動画MDとを並べて表示する場合を例示したが、走行動画SDと模範動画MDとを重畳させて表示する構成でもよい。重畳させて表示する構成の場合、走行動画SD及び模範動画MDは、車両1を俯瞰した俯瞰動画でもよい。走行動画SD及び模範動画MDが俯瞰動画である場合、データ処理部207は、取得部202が取得した車両1の走行データと、空中写真の画像データと、地図データ215とに基づいて、走行動画SDを生成する。なお、空中写真の画像データは、サーバ装置2が保持していてもよいし、通信ネットワークNWに接続する他の装置が保持していてもよい。
【0137】
上述した実施形態では、合流、駐車、及び狭路の3つの評価項目がある場合を例示した。しかしながら、評価項目はこの3つに限定されず、さらに多くてもよく少なくてもよい。また、1の評価項目に対応付く運転講習の種類は、1種類の動画講習に限定されず、さらに多くの種類の動画講習があってもよい。
【0138】
上述した実施形態では、第1抽出部204が、評価値が所定値以下の評価項目を抽出する構成である。しかしながら、第1抽出部204は、評価部204が求めた評価値のなかで最も評価値が低い評価項目を抽出する構成でもよい。
【0139】
上述した実施形態では、本開示の「運転者」として従業員Pを例示した。しかしながら、本開示の「運転者」は、従業員Pに限定されず、車両1の運転者であればよい。
【0140】
上述した実施形態では、車両1として四輪車両を例示したが、車両1が四輪以外の車両でもよい。
【0141】
車載プロセッサ110、サーバプロセッサ200、第1端末プロセッサ30、及び第2端末プロセッサ40は、複数のプロセッサにより構成されてもよいし、単一のプロセッサで構成されてもよい。車載プロセッサ110、サーバプロセッサ200、第1端末プロセッサ30、及び第2端末プロセッサ40は、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、車載プロセッサ110、サーバプロセッサ200、第1端末プロセッサ30、及び第2端末プロセッサ40は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成される。
【0142】
図3図4、及び図5に示した各部の構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施の形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、運転講習システム1000、車両1、車載装置100、サーバ装置2、第1端末装置3、及び第2端末装置4の他の各部の具体的な細部構成についても、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0143】
図6図7、及び図9に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、動作が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本開示の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0144】
[8.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成をサポートする。
【0145】
(構成1)サーバ装置、及び前記サーバ装置と通信する第1表示装置を備え、前記サーバ装置は、車両の走行データを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記走行データに基づいて、前記車両を運転した運転者の運転技量を評価する評価部と、前記評価部の評価に基づいて前記運転者が受講する運転講習を選択する選択部と、を備え、前記第1表示装置は、前記選択部が選択した前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と、前記評価部が評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示し、前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画及び前記模範動画を再生する、運転講習システム。
構成1の運転講習システムによれば、受講者である従業員は、自身の行った走行と模範の走行とを見比べることができるため、どのように走行を改善すればよいのかを容易に把握できるようになる。よって、運転講習システムは、受講者である従業員に対して効果的な運転講習を提供できる。
【0146】
(構成2)前記評価部は、評価項目ごとに評価値を求めることによって、前記運転者の運転技量を評価し、前記評価部が求めた前記評価値が所定値以下の前記評価項目、又は、前記評価部が求めた前記評価値のなかで最も値の小さい前記評価項目を抽出する第1抽出部を備え、前記選択部は、前記第1抽出部が抽出した前記評価項目に対応する前記運転講習を選択する、構成1に記載の運転講習システム。
構成2の運転講習システムによれば、運転者に対して、車両の運転で苦手な項目に対応する運転講習を選択できる。よって、運転講習システムは、受講者である従業員に対して効果的且つ適切な運転講習を提供できる。
【0147】
(構成3)前記サーバ装置は、前記取得部が取得した前記走行データに基づいて、前記車両の運転で前記運転者が注意すべき注意事項を抽出する第2抽出部を備え、前記第1表示装置は、前記選択部が選択した前記運転講習において、前記第2抽出部が抽出した前記注意事項を示す注意事項情報をさらに表示する、構成1又は構成2に記載の運転講習システム。
構成3の運転講習システムによれば、受講者である従業員は、車両の運転で注意すべき事項を容易に把握できるようになる。よって、運転講習システムは、受講者である従業員に対してより効果的な運転講習を提供できる。
【0148】
(構成4)前記第1表示装置は、前記選択部が選択した前記運転講習において、前記車両の俯瞰画像と、前記走行動画において前記車両が進行する進行方向に対応した方向を指し示す進行方向画像とをさらに表示する、構成1から構成3のいずれか一項に記載の運転講習システム。
構成4の運転講習システムによれば、自身の走行がどのような進行方向であったのかを把握でき、進行方向に関してどのように改善すればよいのかを容易に把握できる。よって、運転講習システムは、受講者である従業員に対してより効果的な運転講習を提供できる。
【0149】
(構成5)前記サーバ装置と通信する第2表示装置を備え、前記サーバ装置は、動作モードとして、前記走行動画と前記模範動画とを表示させる第1表示データを前記第1表示装置に送信する第1モードと、前記模範動画を表示させる第2表示データを前記第2表示装置に送信する第2モードと、を有し、動作モードを、前記第1モード又は前記第2モードに切り替える、構成1から構成4のいずれか一項に記載の運転講習システム。
構成5の運転講習システムによれば、複数の受講者での受講に適した運転講習も提供可能になるため、受講態様に応じた適切な運転講習を提供できる。
【0150】
(構成6)前記サーバ装置と通信する第3表示装置を備え、前記第3表示装置は、前記選択部が選択した前記運転講習において、運転席に着座したときに見える情景に対応した仮想空間を表示し、前記車両の運転において前記運転者が確認すべき箇所を前記仮想空間で強調表示する、構成1から構成5のいずれか一項に記載の運転講習システム。
構成6の運転講習システムによれば、車両の運転において確認すべき箇所を直感的に把握できるようになるため、受講者である従業員に対してより効果的な運転講習を提供できる。
【0151】
(構成7)車両の走行データを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得された前記走行データに基づいて、前記車両を運転した運転者の運転技量を評価する評価ステップと、前記評価ステップの評価に基づいて前記運転者が受講する運転講習を選択する選択ステップと、前記選択ステップで選択された前記運転講習において、前記運転者が運転した前記車両の走行動画と前記評価ステップで評価した評価項目に対応する模範の動画である模範動画とを重畳又は並べて表示する表示ステップと、を含み、前記表示ステップは、前記走行動画の再生開始タイミングと前記模範動画の再生開始タイミングとを同期させて、前記走行動画及び前記模範動画を再生する、運転講習システムの制御方法。
構成7の運転講習システムの制御方法によれば、構成1の運転講習システムの作用効果と同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0152】
1…車両、2…サーバ装置、3…第1端末装置(第1表示装置)、4…第2端末装置(第2表示装置)、5…VRデバイス(第3表示装置)、201…サーバ受信部、202…取得部、203…評価部、204…第1抽出部、205…選択部、206…第2抽出部、207…データ処理部、208…通知部、209…表示データ送信部、211…制御プログラム、212…従業員DB、213…評価結果DB、214…運転講習DB、215…地図データ、1000…運転講習システム、AD…アップロードデータ、D1…第1表示データ、D2…第2表示データ、FKG…俯瞰画像、J1…注意事項情報、MD…模範動画、NW…通信ネットワーク、P…従業員(運転者)、SD…走行動画、VG…車両画像、YG…進行方向画像。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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