(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】車両用エンブレムシステム、車両用エンブレムユニット、車両用エンブレム取付ユニット
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20231122BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20231122BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20231122BHJP
F21S 43/249 20180101ALI20231122BHJP
F21S 43/33 20180101ALI20231122BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231122BHJP
F21W 104/00 20180101ALN20231122BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231122BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231122BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
F21V19/00 170
F21S43/239
F21S43/249
F21S43/33
F21W103:00
F21W104:00
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2021504000
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2020007701
(87)【国際公開番号】W WO2020179577
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2019037636
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019037637
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019037638
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019037639
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019037640
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019037641
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 篤
(72)【発明者】
【氏名】伏見 美昭
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073632(WO,A1)
【文献】特開2011-093378(JP,A)
【文献】特開2018-169771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
F21V 19/00
F21S 43/239
F21S 43/249
F21S 43/33
F21W 103/00
F21W 104/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンブレムと、
前記エンブレムの背面に設けられ、車両周囲の情報を取得可能なセンサと、
前記エンブレムを光らせるランプと、
車両を制御する車両制御部から車両が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示す信号を取得したときに、前記ランプの点灯態様を変化させるランプ制御部と、を備え
、
前記センサは、ミリ波を出射するミリ波レーダであり、
前記エンブレムは、ミリ波を透過させつつ、前記ランプから入射した光を反射させる反射部を有し、
前記反射部は、ミリ波を透過可能に海島状に設けられたインジウム薄膜である、車両用エンブレムシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンブレムシステム、車両用エンブレムユニット、車両用エンブレム取付ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両の後部に設けられ、自車両が自動運転中であるときに点灯するランプを備えた報知システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2017-004471号公報
【文献】日本国特開2000-159033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自車両が自動運転中であることをランプを点灯させて周囲に知らせる場合、その視認性が高いことが望ましい。
【0005】
そこで本発明は、自車両が自動運転中であることをより知らせやすい車両用エンブレムシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の車両用エンブレムシステムは、
エンブレムと、
前記エンブレムの背面に設けられ、車両周囲の情報を取得可能なセンサと、
前記エンブレムを光らせるランプと、
車両を制御する車両制御部から車両が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示す信号を取得したときに、前記ランプの点灯態様を変化させるランプ制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一側面によれば、
車両の前部に設けられたグリルと、
エンブレムと、
前記グリルに設けられたグリルランプと、
前記エンブレムを光らせるエンブレムランプと、
前記グリルランプおよび前記エンブレムランプを制御するランプ制御部と、を有し、
前記ランプ制御部は、車両を制御する車両制御部から出力される信号に応じて、前記エンブレムランプの点灯態様と前記グリルランプの点灯態様をともに変化させる、車両用エンブレムシステムが提供される。
【0008】
本発明の一側面によれば、
車両の前部に設けられたグリルと、
エンブレムと、
前記グリルに設けられたグリルランプと、
前記エンブレムを光らせるエンブレムランプと、
前記グリルランプおよび前記エンブレムランプを制御するランプ制御部と、を有し、
前記ランプ制御部は、
前記グリルランプと前記エンブレムランプのいずれか一方を、車両が自動運転モードで走行しているときに、前記車両が手動運転モードで走行しているときとは異なる点灯態様で点灯させ、
前記グリルランプと前記エンブレムランプのいずれか他方の点灯態様を、前記車両を制御する車両制御部が前記自動運転モードで前記車両を走行させている際に前記車両制御部から取得した、周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るための信号に応じて変化させる、車両用エンブレムシステムが提供される。
【0009】
本発明の一側面によれば、
エンブレムと、
前記エンブレムの周囲に設けられ、互いに異なる色の光を出射可能な複数の光源を備えたランプを有し、
車両を制御する車両制御部が自動運転モードで車両を走行させる際に前記車両制御部から取得した信号に応じて、複数の前記光源の点消灯を制御するランプ制御部を備えた、車両用エンブレムシステムが提供される。
【0010】
本発明の一側面によれば、
エンブレムが取り付けられる取付部と、
前記エンブレムを光らせるエンブレムランプと
前記エンブレムランプを収容し、前記取付部に取り付けられたエンブレムを外部から視認可能な状態で支持するハウジングを備えた、車両用エンブレムユニットが提供される。
【0011】
本発明の一側面によれば、
エンブレムと、
前記エンブレムの正面視で前記エンブレムの外周部に線状に設けられた導光体と、
前記導光体に光を入射させる光源と、
前記光源を制御する光源制御部を有し、
前記光源制御部は、車両を制御する車両制御部から車両が自動運転モードで走行している状態を示す信号を取得したときに、前記光源を点灯させる、車両用エンブレムシステムが提供される。
【0012】
本発明の一側面によれば、
一つ以上の光源と、前記光源を作動させる光源制御部とが搭載された搭載基板と、
前記搭載基板に取り付けられ、前記光源から出射された光が入射される環状の導光体と、
エンブレムが取り付けられるエンブレム取付部と、を有する、車両用エンブレム取付ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自車両が自動運転中であることをより知らせやすいエンブレムシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るエンブレムシステムが搭載された車両の上面図である。
【
図2】エンブレムシステムおよび車両システムのブロック図である。
【
図3】エンブレムユニットとグリルの正面図である。
【
図6】第二実施形態に係るエンブレムシステムのエンブレムユニットの断面図である。
【
図7】第五実施形態に係るエンブレムシステムのエンブレムユニットの断面図である。
【
図8】第六実施形態に係るエンブレムシステムのエンブレムユニットの正面図である。
【
図9】第七実施形態に係るエンブレムシステムのエンブレムユニットの正面図である。
【
図10】第八実施形態に係るエンブレムシステムの正面図である。
【
図11】第九実施形態に係るエンブレムシステムのエンブレムユニットの断面図である。
【
図12】第十実施形態に係るエンブレムシステムのエンブレムユニットの断面図である。
【
図13】第十一実施形態に係るエンブレムシステムの正面図である。
【
図14】第十一実施形態に係るエンブレムシステムのエンブレムユニットの断面図である。
【
図15】第十二実施形態に係るエンブレム取付ユニットを含むエンブレムユニットの分解斜視図である。
【
図16】第十二実施形態に係るエンブレムユニットの正面図である。
【
図17】第十二実施形態に係るエンブレムユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0016】
また、実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「前後方向」、「上下方向」について適宜言及する。これらの方向は、
図1に示す車両1について設定された相対的な方向である。ここで、「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。
【0017】
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係るエンブレムシステム4が搭載された車両1の上面図である。車両1は、自動運転モードで走行可能な自動車である。
図1に示すように、車両1には、エンブレムシステム4が搭載されている。エンブレムシステム4は、一つ以上のエンブレム20を含んでいる。エンブレム20は、車両メーカーの名称やマーク、車両の名称など表わす部材である。エンブレム20は、例えば、車両1の前部、後部、側部などに取り付けられている。前部のエンブレム20は、グリル30(例えば、フロントグリル)と共にあるいはグリル30に近い位置に設けられている。エンブレム20は、エンブレムシステム4の一部を構成する。
【0018】
図2は、車両1に搭載された車両システム2およびエンブレムシステム4のブロック図である。
図2を参照して、先ず、車両システム2について説明する。
図2に示すように、車両システム2は、車両制御部3と、内部センサ5と、外部センサ6と、ランプ7と、HMI8(Human Machine Interface)と、GPS9(Global Positioning System)と、無線通信部10と、地図情報記憶部11とを備えている。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備えている。
【0019】
車両制御部3は、電子制御ユニット(ECU)により構成されている。車両制御部3は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、各種車両制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種車両制御データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)とにより構成されている。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。車両制御部3は、車両1の走行を制御するように構成されている。
【0020】
ランプ7は、車両1の前部に設けられるヘッドランプやポジションランプ、車両1の後部に設けられるリヤコンビネーションランプ、車両の前部または側部に設けられるターンシグナルランプ、歩行者や他車両のドライバーに自車両の状況を知らせる各種ランプなどの少なくとも一つである。
【0021】
HMI8は、ユーザからの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等をユーザに向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。
【0022】
内部センサ5は、自車両の情報を取得可能なセンサである。内部センサ5は、例えば、加速度センサ、車速センサ、車輪速センサ及びジャイロセンサ等の少なくとも一つである。内部センサ5は、車両1の走行状態を含む自車両の情報を取得し、該情報を車両制御部3に出力するように構成されている。内部センサ5は、HMI8の変位を検出するセンサ、ユーザが座席に座っているかどうかを検出する着座センサ、ユーザの顔の方向を検出する顔向きセンサ、車内に人がいるかどうかを検出する人感センサなどを備えていてもよい。
【0023】
外部センサ6は、自車両の外部の情報を取得可能なセンサである。外部センサ6は、例えば、カメラ、レーダ、LiDAR、GPS9、無線通信部10、等の少なくとも一つである。外部センサ6は、車両1の周辺環境(他車、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を含む自車両の外部の情報を取得し、該情報を車両制御部3に出力するように構成されている。あるいは、外部センサ6は、天候状態を検出する天候センサや車両1の周辺環境の照度を検出する照度センサなどを備えていてもよい。
【0024】
カメラは、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。カメラは、可視光を検出するカメラや、赤外線を検出する赤外線カメラである。
レーダは、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ又はレーザーレーダ等である。
LiDARとは、Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Rangingの略語である。LiDARは、一般にその前方に非可視光を出射し、出射光と戻り光とに基づいて、物体までの距離、物体の形状、物体の材質などの情報を取得するセンサである。
【0025】
外部センサ6の一種であるGPS9は、自車両1に対する複数の人工衛星の距離を測定することにより車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。外部センサ6の一種である無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車の走行情報を他車から受信すると共に、車両1の走行情報を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。地図情報記憶部11は、地図情報が記憶されたハードディスクドライブ等の外部記憶装置であって、地図情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
【0026】
車両制御部3は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルといったユーザにより操作される操作子の変位を検出する内部センサ5の出力と、車速センサや車輪速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサなどの車両の状態を検出する内部センサ5の出力と、車両1の外部の情報を取得する外部センサ6の出力とが入力されるように構成されている。車両制御部3は、これらの出力に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成し、必要に応じてこれらの信号を制御(加工)するように構成されている。
【0027】
ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。
【0028】
車両1は、自動運転モードと手動運転モードで走行可能である。車両制御部3は、自動運転モードと手動運転モードとを選択的に実行可能である。
【0029】
自動運転モードにおいて、車両制御部3は、車両1の外部の情報を取得する外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を自動的に生成する。車両制御部3は、ユーザが操作可能な操作子の変位を検出する内部センサ5の出力と無関係に、外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を自動的に生成する。
例えば自動運転モードにおいて車両制御部3は、車両1の前部に搭載されるカメラが取得した車両1の前方の周辺環境情報や、GPS9の現在位置情報と地図情報記憶部11に記憶された地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を自動的に生成する。自動運転モードにおいて、車両1はユーザによらずに運転される。
【0030】
手動運転モードにおいて、車両制御部3は通常時に、外部センサ6の出力と無関係にステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。すなわち、手動運転モードにおいて、車両制御部3は通常時に、外部センサ6の出力と無関係に、ユーザのステアリングホイールの操作に基づいてステアリング制御信号を生成する。車両制御部3は通常時に、外部センサ6の出力と無関係に、ユーザのアクセルペダルの操作に基づいてアクセル制御信号を生成する。車両制御部3は、外部センサ6の出力と無関係に、ユーザのブレーキペダルの操作に基づいてブレーキ制御信号を生成する。手動運転モードにおいて、車両1は通常時はユーザにより運転される。
【0031】
なお、手動運転モードにおいて車両制御部3は、例えば内部センサ5である車輪速センサの出力に応じてブレーキ制御信号を制御するアンチロックブレーキ制御を実行してもよい。また、手動運転モードにおいて車両制御部3は、内部センサ5である操舵角センサ、車輪速センサやヨーレートセンサの出力に応じてステアリング制御信号やアクセル制御信号、ブレーキ制御信号の少なくとも一つを制御する横滑り防止制御(Electric Stability Control)、トラクション制御などを実行してもよい。
あるいは手動運転モードにおいて車両制御部3は緊急時に、カメラなどの外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号とブレーキ制御信号を生成するプリクラッシュ制御や衝突回避制御を実行してもよい。このように手動運転モードにおいて車両制御部3は緊急時には、外部センサ6の出力に応じてステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号の少なくとも一つを生成してもよい。
【0032】
手動運転モードにおいて、通常時にステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が生成されるトリガーは、ユーザにより操作されるステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルといった操作子の変位である。手動運転モードにおいて車両制御部3は通常時に、操作子の変位により生成されたステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号といった信号を内部センサ5や外部センサ6の出力に応じて制御(加工)してもよい。第一実施形態において、ユーザの運転を内部センサ5や外部センサ6の出力に応じてアシストするいわゆるアシスト運転モードは、手動運転モードの一形態である。
【0033】
2018年現在で知られている自動運転モードのレベル0~5の定義に従えば、第一実施形態の自動運転モードはレベル3~5(緊急時等を除く)に該当し、第一実施形態の手動運転モードはレベル0~2に該当する。
【0034】
次に、
図2を参照して車両1のエンブレムシステム4について説明する。
図2に示すように、エンブレムシステム4は、エンブレム20とエンブレムランプ41を備えたエンブレムユニット60と、グリルランプ42と、エンブレムランプ41とグリルランプ42を制御するランプ制御部45と、を備えている。エンブレムユニット60は、エンブレム20と、エンブレムランプ41と、外部センサ6でもあるエンブレム取付センサ50と、を備えている。エンブレムランプ41とグリルランプ42とは、ランプ制御部45と通信可能に接続されている。エンブレム取付センサ50とは、エンブレム20とともに設けられており、車両1の外部の情報を取得可能なセンサである。エンブレム取付センサ50は、
図5を用いて後に詳細に説明する。
なお、ここまでの
図1および
図2を用いて説明したエンブレムシステムおよびエンブレムシステムが搭載される車両1に関する説明は、後述する第二実施形態から第十二実施形態まで共通である。
【0035】
エンブレムランプ41は、エンブレム20を光らせるランプである。エンブレムランプ41は、エンブレム20と共にまたはエンブレム20に近い位置に設けられている。
グリルランプ42は、グリル30を光らせるランプである。グリルランプ42は、グリル30と共にまたはグリル30に近い位置に設けられている。
【0036】
ランプ制御部45は、車両制御部3に接続されており、車両制御部3から送信されてくる信号に基づいて、エンブレムランプ41およびグリルランプ42の動作を制御するように構成されている。ランプ制御部45は、車両制御部3から送信されてくる信号に基づいて、エンブレムランプ41とグリルランプ42とを同時に点灯または消灯させることも可能であり、別々に点灯または消灯させることも可能である。なお、ランプ制御部45は、車両制御部3に接続されているランプ7(ヘッドランプ、ポジションランプ、リヤコンビネーションランプ、ターンシグナルランプ等)に接続されていてもよい。ランプ制御部45は、エンブレムランプ41とグリルランプ42とランプ7を制御するように構成されていてもよい。
【0037】
なお、図示したエンブレムシステム4は、車両システム2とは別の独立したシステムとして構成されているが、この構成に限定されない。例えば、エンブレムシステム4が車両システム2に組み込まれていてもよい。また、エンブレムシステム4のランプ制御部45は、車両制御部3とは別の独立した制御部として設けられているが、例えば、車両制御部3を構成するECUの一部として設けられていてもよい。
【0038】
図3は、グリル30とエンブレムユニット60の正面図である。グリル30はフロントグリルやラジエターグリルなどと呼ばれることもある。車両1のボンネット内には、グリル30の格子穴を介して車外の空気が送り込まれる。グリル30にはグリルランプ42が設けられている。本実施形態において、グリルランプ42は左右方向に延びる長尺の発光部材を有している。この発光部材は、グリル30の左右方向に延びる部材に取り付けられている。グリルランプ42は複数のグリル光源44を有している。これらのグリル光源44が左右方向に並んで発光部材を構成している。
本実施形態において、グリル光源44は、白色光を発する第一グリル光源44aと、ターコイズ色の光を発する第二グリル光源44bと、紫色の光を発する第三グリル光源44cの3種類の光源で構成されている。第一グリル光源44a、第二グリル光源44b、第三グリル光源44cは左右方向に一直線にこの順に配列されている。
【0039】
図3では、車両1に搭載される複数のエンブレム20のうちの、車両1の前部に設けられるエンブレム20を示している。エンブレム20はグリル30の正面視で、グリル30の上下方向および左右方向における略中央に取り付けられている。なお、図示したようにエンブレム20はグリル30に搭載されていてもよいし、図示の例とは異なりグリル30とは離れた位置に設けられていてもよい。エンブレム20は、例えば車両1のボンネットに設けられていてもよい。
【0040】
図4はエンブレムユニット60の正面図である。
図4に示すように、エンブレムユニットは、エンブレム20と、エンブレムランプ41を備えている。エンブレム20は、例えば正面視で楕円状に形成されている。図示の例において、エンブレム20には、車両メーカーのマーク28が設けられている。エンブレムランプ41を点灯することにより、エンブレム20を光らせることができる。エンブレム20の外縁はシェード23によって覆われている。
【0041】
図5は、エンブレムユニット60の縦断面図である。
図5に示すように、導光体21の背面に、エンブレム取付センサ50が配置されている。本実施形態において、エンブレム取付センサ50は、外部センサ6の一つであるミリ波レーダ50である。ミリ波レーダ50は、ミリ波を車両1の前方に出射する出射部51と、その反射波を受信する入射部52とを備えている(
図4参照)。ミリ波レーダ50は、ミリ波を車両1の前方に出射し、その反射波を受信することにより、車両1の前方の情報を取得するセンサである。ミリ波レーダ50は、エンブレム20を介して車両1の前方へミリ波を出射する。
なお、
図4において、出射部51と入射部52を破線で描いているが、正面視において出射部51と入射部52はエンブレムユニット60で覆われており、直接視認することはできないように構成されている。
【0042】
図5に示すように、エンブレムランプ41は、導光体21と、反射部22と、エンブレム光源24と、シェード23を備えている。車両1の前方から後方にかけて、エンブレム20、導光体21、反射部22がこの順で配置されている。エンブレム光源24は導光体21の周囲に設けられている。エンブレムユニット60は、ブラケット61を介してグリル30に取り付けられている。なお、エンブレムユニット60はグリル30に直接取り付けられるように構成してもよい。
【0043】
エンブレム20は、透明な樹脂で構成される板状の部材である。エンブレム20は、光透過性と電波透過性とを有する樹脂で構成されている。例えばエンブレム20は、共重合PC(ポリカーボネイト)などの樹脂で構成することができる。エンブレム20には、車両メーカーの名称やマーク28、車両の名称などが表示されている。マーク28は、エンブレム20の表面に印刷や刻印されていてもよいし、エンブレム20の内部にマーク28の形状の部材が埋め込まれていてもよい。
【0044】
エンブレムユニット60の正面視でエンブレム20の外周部には、複数のエンブレム光源24が設けられている。図示の例では、6つのエンブレム光源24が周方向に等間隔を隔てて設けられ、互いに径方向に向かい合っている。エンブレム光源24として、LED(Light Emitting Diode)や、OLED(Organic Light Emitting Diode)などを用いることができる。周状に配列されたエンブレム光源24は各々、その内周側に向かって光を出射するように設けられている。エンブレム光源24は、ランプ制御部45に接続されている。
【0045】
エンブレム光源24の前方には、正面視でエンブレム光源24を覆うようにシェード23が設けられている。シェード23によってエンブレム20の正面視でエンブレム光源24が見えないようにされている。シェード23は楕円状であり、エンブレム20の外縁を囲んでいる。
【0046】
エンブレム20の背部には、複数の導光体21が設けられている。複数の導光体21は、車両1の前後方向に積層されている。導光体21は、エンブレム20と同様の形状を有し、エンブレム20に密着するように設けられている。導光体21は、光透過性と電波透過性とを有する無色透明の樹脂で構成されている。導光体21も、例えば共重合PCなどの樹脂で構成することができる。
【0047】
各々の導光体21の外周面には、エンブレム光源24からの光が入射される入射部25が2つずつ設けられている。入射部25は、エンブレム光源24と向かい合う位置に設けられている。
【0048】
導光体21の前面には、それぞれ出射部26が設けられている。図示の例において、出射部26は導光体21の前面である。導光体21の背面には、反射部22が形成されている。反射部22は、金属インジウムの蒸着膜で形成されている。反射部22は、ミリ波を透過可能に海島状に設けられたインジウム薄膜である。なお、反射部22は、金属インジウムの蒸着膜に限定されない。例えば、導光体21の背面に複数のステップやシボによって反射面を形成してもよい。
【0049】
入射部25から導光体21に入射された光は、反射部22や導光体21の内部で反射を繰り返し、前面の出射部26からエンブレム20の前方に出射される。また、導光体21の背部に設けられているミリ波レーダ50から出力されたミリ波は、導光体21を透過して前方に出射される。
【0050】
本実施形態において、エンブレム光源24は導光体21の外周に6つ設けられている。エンブレム光源24から出射された光は、導光体21の内部で反射を繰り返し、出射部26からエンブレム20の前方に出射される。これにより、エンブレム20は、マーク28以外の領域が明るくなり、マーク28を目立つように表示させることができる。
【0051】
本実施形態において、3種類のエンブレム光源24a,24b,24cと、3つの導光体21a,21b,21cが設けられている。
2つの第一エンブレム光源24aは、白色光を出射させる光源である。第一エンブレム光源24aから出射された光は、第一導光体21aに入射し、第一導光体21aの出射面から車両1の前方に出射される。
【0052】
2つの第二エンブレム光源24bは、ターコイズ色の光を出射させる光源である。第二エンブレム光源24bから出射された光は、第二導光体21bに入射し、第二導光体21bの出射面から車両1の前方に出射される。
【0053】
2つの第三エンブレム光源24cは、紫色の光を出射させる光源である。第三エンブレム光源24cから出射された光は、第三導光体21cに入射し、第三導光体21cの出射面から車両1の前方に出射される。
【0054】
ランプ制御部45が、第一エンブレム光源24a~第三エンブレム光源24cの点消灯を適宜制御することにより、エンブレム20を異なる色で光らせることができる。
【0055】
このように本実施形態の車両用エンブレムシステム4は、
エンブレム20と、
エンブレム20の背面に設けられ、車両周囲の情報を取得可能なセンサ50と、
エンブレム20を光らせるエンブレム光源24(ランプ)と、
ランプ制御部45を備えている。
【0056】
また本実施形態の車両用エンブレムシステム4において、ランプ制御部45は、
車両1を制御する車両制御部3から車両1が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示す信号を取得したときに、ランプの点灯態様を変化させる。このランプ制御部45の詳細について、エンブレムシステム4の動作に基づいて説明する。
ランプ制御部45が、車両制御部3から、車両1が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示すモード変更信号を受信すると、ランプ制御部45は、エンブレムランプ41の点灯態様を変化させる。例えば、ユーザが運転モード切替スイッチを切り替えると、切替信号が車両制御部3に送信される。車両制御部3は、この切替信号を受信するとモード変更信号をランプ制御部45に送信する。あるいは、車両制御部3は外部センサ6から所定の出力が入力されると自動運転モードから手動運転モードに切り替え、モード変更信号が車両制御部3からランプ制御部45に出力される。
【0057】
ランプ制御部45は、車両制御部3から取得した運転モード信号に応じて、エンブレムランプ41の点灯態様を変化させる。
例えば、自動運転モードで走行しているときにエンブレムランプ41を点灯させ、手動運転モードで走行しているときにエンブレムランプ41を消灯させるようにしてもよい。あるいは、自動運転モードで走行しているときにエンブレムランプ41を点滅させ、手動運転モードで走行しているときにエンブレムランプ41を点灯し続けてもよい。あるいは、自動運転モードで走行しているときに3つのエンブレム光源24を点滅させ、手動運転モードで走行しているときに6つのエンブレム光源24を点灯し続けてもよい。
【0058】
また、自動運転モードで走行しているときのエンブレムランプ41の発光色と、手動運転モードで走行しているときのエンブレムランプ41の発光色とを異ならせてもよい。例えば、手動運転モードで走行しているときに白色光を出射させる第一エンブレム光源24aを点灯させ、自動運転モードで走行しているときにターコイズ色の光を出射させる第二エンブレム光源24bを点灯させてもよい。
【0059】
ところで、エンブレム20はもともと、周囲の歩行者などから見やすい位置、人目を引きやすい位置に設けられていることが多い。さらに第一実施形態のエンブレムシステム4によれば、エンブレム20を光らせるエンブレムランプ41が設けられており、運転モードが切り替わったときにエンブレムランプ41の点灯態様が変化するように構成されている。つまり、人目を引きやすい位置に、運転モードを表示するランプを設けることができるため、より歩行者などの注意を引きやすく、自車両1の運転モードを周囲に向けて伝えやすい。
【0060】
また、ミリ波レーダ50などの車両の周囲の情報を取得するセンサは、なるべく広範囲の情報を取得できるように、また、車両の他の部位によって遮られないように、車両の先端部分に設けることが望まれている。例えば、車両の後方の情報を取得するリアカメラは、車両後部のライセンスプレートの周辺や、ハイマウントストップランプの周辺に設けたい。同様に、車両の前方の情報を取得するミリ波レーダやLiDAR、カメラなどは、車両のボンネットの上やフロントグリルの中に設けたい。しかしながら、このような配置場所は、周囲の歩行者などから見やすいため、エンブレムが設けられていることが多い。そこで本実施形態によれば、センサがエンブレムの背面に設けられているため、エンブレムを見やすい位置に設けつつ、情報を取得しやすい位置にセンサを設けることができる。
このように本発明によれば、運転モードを周囲に向けて伝えやすく、見やすい位置にエンブレムを配置でき、さらに情報を取得しやすい位置にセンサを設けることができる。
【0061】
<第二実施形態>
上述した第一実施形態では、外部センサ6としてのミリ波レーダ50が導光体21の背後に設けられる例を説明したが、本発明はこれに限られない。
図6は、本発明の第二実施形態に係るエンブレムシステム104を示す断面図である。本実施形態のエンブレムシステム104は、エンブレム取付センサ50として上述した外部センサ6の一つであるカメラ50が設けられている点で、第一実施形態のエンブレムシステム4と相違している。なお、第二実施形態に係るエンブレムシステム104の部材のうち、第一実施形態と共通する部材については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
また、以降の第二実施形態から第十二実施形態においても、第一実施形態と共通する部材については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0062】
図6に示すように、少なくとも導光体21の反射部22に貫通孔132が設けられている。図示した例においては、エンブレム20と導光体21と反射部22に貫通孔132が設けられている。カメラ50の受光素子53は、この貫通孔132に臨む位置に設けられている。カメラ50の受光素子53には、この貫通孔132を介して車両前方からの光が入射する。
【0063】
なお、本実施形態において、反射部22は、ミリ波を透過させる必要がないため、アルミの蒸着膜で形成してもよい。なお、カメラ50のレンズの前方に位置するエンブレム20と導光体21の光透過性が十分に高ければ、貫通孔132を設けなくてもよい。あるいは、貫通孔132の領域に、周囲より光透過性の高い樹脂を設けてもよい。これにより、カメラ50の受光素子により多くの光を入射させることができる。
【0064】
第二実施形態のエンブレムシステム104によれば、上記第一実施形態のエンブレムシステム4と同様に、自車両が自動運転中であることを周囲に報知しやすい。また、エンブレムシステム104によれば、エンブレム20および反射部22を含む導光体21に光透過部(貫通孔132)が設けられている。このため、エンブレム取付センサ50としてカメラを用いた場合でも、カメラの存在を外部から認識させずにカメラによって外部情報を取得することができる。
【0065】
なお、エンブレム取付センサ50として、外部センサ6の一つであるLiDARを導光体21の背面に設けてもよい。この場合、正面視でLiDARの出射部と入射部と重なる位置に、LiDARから出射されるレーザ光(可視光、赤外光または紫外光)を通過させるための貫通孔、および、このレーザ光の反射光を通過させるための貫通孔が、少なくとも反射部22に設けられる。出射光を通過させる貫通孔と、反射光を通過させる貫通孔は、まとめて単一の開口として設けてもよいし、別々の開口として設けてもよい。
【0066】
上述したように、第一実施形態および第二実施形態の車両用エンブレムシステム4,104において、
センサ50は、ミリ波を出射するミリ波レーダであり、
エンブレム20は、ミリ波を透過させつつ、エンブレム光源24から入射した光を反射させる反射部22を有し、
反射部22は、ミリ波を透過可能に海島状に設けられたインジウム薄膜であってもよい。
【0067】
上述した第二実施形態の車両用エンブレムシステム104のように、
センサ50はカメラであり、
エンブレム20には、カメラ50のレンズへ光を入射させる光透過部132が設けられていてもよい。
【0068】
上述したように、第一実施形態の車両用エンブレムシステム4のように、
センサ50はLiDARであり、
エンブレム20には、LiDAR50から出射されるレーザ光および入射するレーザ光を透過させる光透過部が設けられていてもよい。
【0069】
<第三実施形態>
ところで、本発明者は、周囲の歩行者などの注意を引くエンブレムを光らせるランプによって、自動運転中であることを知らせることを考えた。しかしながら、エンブレムは一般的にそれほど大きくないので、視認性をさらに高めることを考えた。
そこで本発明の第三実施形態は、自車両が自動運転中であることをより知らせやすいエンブレムシステム4を提供する。
【0070】
本発明の第三実施形態に係るエンブレムシステム4は、
図1から
図5を用いて説明した第一実施形態と同じである。すなわち、本発明の第三実施形態に係るエンブレムシステム4は、
車両1の前部に設けられたグリル30と、
エンブレム20と、
グリル30に設けられたグリルランプ42と、
エンブレム20を光らせるエンブレムランプ41と、
グリルランプ42およびエンブレムランプ41を制御するランプ制御部45と、を有する。
【0071】
この第三実施形態に係るエンブレムシステム4において、
ランプ制御部45は、車両1を制御する車両制御部3から出力される信号に応じて、エンブレムランプ41の点灯態様とグリルランプ42の点灯態様をともに変化させる。以下、このランプ制御部45が実行する動作例について詳述する。
【0072】
本実施形態のランプ制御部45は、車両制御部3から出力される信号に応じて、エンブレムランプ41の点灯態様とグリルランプ42の点灯態様を制御する。ここでは、ランプ制御部45の動作例として、第一動作例、第二動作例、第三動作例を説明する。
【0073】
(第三実施形態の第一動作例)
第一動作例は、エンブレムランプ41とグリルランプ42を運転モードを表すように表示させる動作例である。例えば、ユーザが運転モード切替スイッチを切り替えると、切替信号が車両制御部3に送信される。車両制御部3は、この切替信号を受信するとモード変更信号をランプ制御部45に送信する。あるいは、車両制御部3は外部センサ6から所定の出力が入力されると自動運転モードから手動運転モードに切り替え、モード変更信号が車両制御部3からランプ制御部45に出力される。
【0074】
ランプ制御部45は、車両制御部3からモード変更信号を取得したときに、エンブレムランプ41の点灯態様とグリルランプ42の点灯態様の少なくとも一方を変化させる。より具体的には、ランプ制御部45は、例えば、手動運転モード時には、エンブレムランプ41を消灯し、グリルランプ42を点灯させる。手動運転モードから自動運転モードに切り替わり、ランプ制御部45がモード変更信号を取得すると、エンブレムランプ41を点灯し、グリルランプ42を点灯させ続ける。再び自動運転モードから手動運転モードに切り替わった場合は、エンブレムランプ41を消灯させ、グリルランプ42を点灯させ続ける。
【0075】
あるいは、手動運転モード時にエンブレムランプ41とグリルランプ42を消灯させておき、自動運転モード時にエンブレムランプ41とグリルランプ42を点灯させてもよい。
あるいは、手動運転モード時にエンブレムランプ41とグリルランプ42を点灯させ続けておき、自動運転モード時にエンブレムランプ41とグリルランプ42を点滅させてもよい。
【0076】
あるいは、例えば、車両制御部3から取得する信号に基づいて運転モード毎に異なる色で点灯するようにエンブレムランプ41とグリルランプ42の点灯態様を制御してもよい。例えば、手動運転モード時にエンブレムランプ41の第一エンブレム光源24aとグリルランプ42の第一グリル光源44aを点灯させて両者を白色で光らせ、自動運転モード時にエンブレムランプ41の第二エンブレム光源24bとグリルランプ42の第二グリル光源44bを点灯させて両者をターコイズ色に光らせてもよい。
【0077】
あるいは、手動運転モード時と自動運転モード時とで、エンブレムランプ41とグリルランプ42の点灯態様の動きが変わるように構成してもよい。例えば、手動運転モード時には全ての光源を点灯させ続ける。自動運転モード時には、明るい点が外縁を回るようにエンブレムランプ41を見せるように、正面視において点灯させるエンブレム光源を時計方向に順次ずらす。また、明るい点が左右方向に移動するようにグリルランプ42を見せるように、点灯させるグリル光源44を左右方向に順次ずらしていってもよい。
【0078】
手動運転モードを表す表示態様および自動運転モードを表す表示態様として特定の表示態様(どのランプを点灯させる、何色で点灯させる、どんな周期で点滅させるか、など)が社会に認知されるようになっていれば、エンブレムランプ41とグリルランプ42の少なくとも一方が該表示態様を表示することにより、もともと人目を引きやすい位置に設けられたエンブレムランプ41とグリルランプ42によって、運転モードを周囲に分かりやすく知らせることができる。
【0079】
(第三実施形態の第二動作例)
上記第一動作例では、エンブレムランプ41とグリルランプ42とを車両1の運転モードを表示するように用いた。第二動作例では、エンブレムランプ41とグリルランプ42を自車両1の周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るために点灯させる。例えば、エンブレムランプ41とグリルランプ42を、歩行者や他車両に対して特定の動きを促したり指示する、自車両の進行方向を表示する、自車両の停止予告を表示する、歩行者等の検知を表示する、自動運転のレベルを表示する、運転者および乗員の有無を表示する、などとして用いることができる。
【0080】
例えば、車両1が自動運転モードで走行しているとする。外部センサ6の一つであるカメラによって、横断歩道を渡ろうとして立ち止まっている歩行者が撮像され、その映像情報が車両制御部3に出力される。
【0081】
車両制御部3は、受信した映像情報を解析して横断歩道と歩行者とを認識し、例えば、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がおり、自車両が停止したまま待機して歩行者に横断歩道を渡ってもらう動作を行うと決定する。すると、車両制御部は、歩行者に横断歩道を渡ることを促す表示をエンブレムランプ41およびグリルランプ42にさせる信号をランプ制御部45に送信する。このように、歩行者や他車両などへコミュニケーションを取るためにエンブレムランプ41およびグリルランプ42に表示させるための信号を、以降の説明においてコミュニケーション信号と呼ぶ。
【0082】
ランプ制御部45は、車両制御部3から取得したコミュニケーション信号に基づいて、エンブレムランプ41の点灯態様とグリルランプ42の点灯態様とを共に変化させる。
例えば、コミュニケーション信号を取得しない状態では、ランプ制御部45は、エンブレムランプ41とグリルランプ42とを消灯状態とさせる。ランプ制御部45が車両制御部3から、コミュニケーション信号を取得すると、以下を実行する。ランプ制御部45は、歩行者に「自車両は停止していますので、横断歩道を渡ってください。」という意思を伝えるために、歩行者の注意を引くためにエンブレムランプ41を点滅させ、歩行者の横断方向に沿ってグリル光源44の点灯個所を移動させるようにグリルランプ42を制御する。
【0083】
(第三実施形態の第三動作例)
上記第一動作例ではエンブレムランプ41とグリルランプ42を運転モードを表示するランプ(以降、モード表示ランプと称する)として用いた。第二動作例ではエンブレムランプ41とグリルランプ42を外部の車両や歩行者とコミュニケーションを取るためのランプ(以降、コミュニケーションランプと称する)として用いた。
【0084】
次に説明する第三動作例では、エンブレムランプ41とグリルランプ42の一方をモード表示ランプとして用い、他方をコミュニケーションランプとして用いる。つまり、ランプ制御部45は、
グリルランプ42とエンブレムランプ41のいずれか一方を、車両1が自動運転モードで走行しているときに、車両1が手動運転モードで走行しているときとは異なる点灯態様で点灯させ、
グリルランプ42とエンブレムランプ41のいずれか他方の点灯態様を、車両制御部3が自動運転モードで車両1を走行させている際に車両制御部3から取得した、周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るための信号に応じて変化させる。
【0085】
例えば、エンブレムランプ41をモード表示ランプとして用い、グリルランプ42をコミュニケーションランプとして用いることができる。この場合、例えば、ランプ制御部45は、車両1が手動運転モードで走行中はエンブレムランプ41を消灯させ、車両1が自動運転モードで走行中はエンブレムランプ41を点灯させる。あるいは、ランプ制御部45は、車両1が手動運転モードで走行中はエンブレムランプ41を第一光度で点灯させ、車両1が自動運転モードで走行中はエンブレムランプ41を第一光度より明るい第二光度で点灯させる。
ランプ制御部45が車両制御部3からコミュニケーション信号を取得すると、グリルランプ42の複数の光源を左右方向に順に点灯させていく。なお、コミュニケーション信号を取得しない状態では、ランプ制御部45はグリルランプ42を消灯状態としておく、あるいは、常時点灯状態としておく。
【0086】
ところで、車両に取り付けられたエンブレムの視認性を高めるためにエンブレムを光らせることが従来から提案されている。本発明者は、周囲の歩行者などの注意を引くエンブレムを光らせることにより、自動運転可能な車両が周囲の車両や歩行者などに運転モードを知らせたり、コミュニケーションをとったりする方法を考えた。しかしながら、エンブレムは発光面積が小さいためエンブレムだけでは周囲の注意を高めるのに限界がある。そこで本発明者は、エンブレムがグリルに近い位置に設けられることが多いことに着目した。
【0087】
本実施形態のエンブレムシステム4の第一動作例および第二動作例によれば、エンブレム20を光らせるエンブレムランプ41とグリル30を光らせるグリルランプ42とが設けられており、ランプ制御部45が車両制御部3からモード変更信号やコミュニケーション信号を取得したときに、エンブレムランプ41の点灯態様とグリルランプ42の点灯態様をともに変更する。このため、エンブレムランプ41の点灯態様のみを変化させる場合と比べて、より周囲の車両や歩行者の注意をひきやすく、周囲の車両や歩行者へ自車両1の運転モードをより効果的に知らせることができ、また、より効果的にコミュニケーションをとることができる。
【0088】
また、本実施形態のエンブレムシステム4の第三動作例においては、他者により強く自車両の意図を示したいコミュニケーションを取る場合に、エンブレム20とグリル30とが明るく光るように構成されており、他者の注意をより引きやすい。つまり、車両制御部3が他車両などとコミュニケーションを取りたい場合とは、自動運転モードを実行中である。この自動運転モードを実行中は、エンブレムランプ41とグリルランプ42の少なくともが点灯している。さらにエンブレムランプ41とグリルランプ42の他方が光ることでコミュニケーションを取るため、コミュニケーションを取る際には、エンブレムランプ41とグリルランプ42の両方が光るので、他者の注意をひきやすい。
【0089】
なお、上述した第一動作例から第三動作例におけるエンブレムランプ41とグリルランプ42の具体的な点灯態様は単なる例示であり、本発明はこれらの具体例に限られない。
【0090】
上述したように、第三実施形態の車両用エンブレムシステム4において、
ランプ制御部45は、車両制御部3から車両1が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示す信号を取得したときに、エンブレムランプ41の点灯態様とグリルランプ42の点灯態様をともに変化させてもよい。
【0091】
上述したように、第三実施形態の車両用エンブレムシステム4において、
ランプ制御部45は、車両制御部3が自動運転モードで車両1を走行させている際に車両制御部3から取得した、周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るための信号に応じて、エンブレムランプ41とグリルランプ42の点灯態様をともに変化させてもよい。
【0092】
上述したように、第三実施形態において、車両用エンブレムシステム4は、
車両1の前部に設けられたグリル30と、
エンブレム20と、
グリル30に設けられたグリルランプ42と、
エンブレム20を光らせるエンブレムランプ41と、
グリルランプ42およびエンブレムランプ41を制御するランプ制御部45と、を有し、
ランプ制御部45は、
グリルランプ42とエンブレムランプ41のいずれか一方を、車両1が自動運転モードで走行しているときに、車両1が手動運転モードで走行しているときとは異なる点灯態様で点灯させ、
グリルランプ42とエンブレムランプ41のいずれか他方の点灯態様を、車両1を制御する車両制御部3が自動運転モードで車両を走行させている際に車両制御部3から取得した、周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るための信号に応じて変化させてもよい。
【0093】
<第四実施形態>
ところで本発明者は、自動運転モードで走行中の車両がランプを使って周囲の歩行者などとコミュニケーションをとることを検討した。このようなランプは、周囲の歩行者から見えやすく、また、コミュニケーションの種類に応じて様々な態様で点灯することが求められる。
そこで本発明の第四実施形態から第六実施形態は、歩行者にとって見えやすく様々な態様で点灯可能な、自動運転モードで走行可能な車両に適したランプを備えたエンブレムシステムを提供する。
【0094】
本発明の第四実施形態に係るエンブレムシステム4は、
図1から
図5を用いて説明した第一実施形態と同じである。すなわち、本発明の第四実施形態に係るエンブレムシステム4は、
エンブレム20と、
エンブレム20の周囲に設けられ、互いに異なる色の光を出射可能な複数のエンブレム光源24a,24b,24cを備えたエンブレムランプ41と、
ランプ制御部45を有する。
このランプ制御部45は、以下に詳述するように、車両1を制御する車両制御部3が自動運転モードで車両1を走行させる際に車両制御部3から取得した信号に応じて、複数の光源24a,24b,24cの点消灯を制御する。
【0095】
第四実施形態のエンブレムシステム4の動作例について説明する。
本実施形態のランプ制御部45は、車両制御部3から出力される信号に応じて、エンブレムランプ41の点灯態様を制御する。ここでは、ランプ制御部45の動作例として、第一動作例、第二動作例、第三動作例を説明する。
【0096】
(第四実施形態の第一動作例)
第一動作例は、エンブレムランプ41を運転モードを表すように表示させる動作例である。例えば、ユーザが運転モード切替スイッチを切り替えると、切替信号が車両制御部3に送信される。車両制御部3は、この切替信号を受信するとモード変更信号をランプ制御部45に送信する。あるいは、車両制御部3は外部センサ6から所定の出力が入力されると自動運転モードから手動運転モードに切り替え、モード変更信号が車両制御部3からランプ制御部45に出力される。
【0097】
ランプ制御部45は、車両制御部3からモード変更信号を取得したときに、複数のエンブレム光源24a~24cの点消灯を制御する。より具体的には、ランプ制御部45は、例えば、手動運転モード時には、ターコイズ色の第二エンブレム光源24bを消灯させ、白色の第一エンブレム光源24aを点灯させる。手動運転モードから自動運転モードに切り替わり、ランプ制御部45がモード変更信号を取得すると、第二エンブレム光源24bを点灯させ、第一エンブレム光源24aを消灯させる。再び自動運転モードから手動運転モードに切り替わった場合は、第二エンブレム光源24bを消灯させ、第一エンブレム光源24aを点灯させる。
【0098】
手動運転モードを表す表示態様および自動運転モードを表す表示態様として特定の色が社会に認知されるようになっていれば、エンブレムランプ41が該色の光で光ることにより、もともと人目を引きやすい位置に設けられたエンブレムランプ41によって、運転モードを周囲に分かりやすく知らせることができる。
【0099】
(第四実施形態の第二動作例)
上記第一動作例では、エンブレムランプ41を車両1の運転モードを表示するように用いた。第二動作例では、エンブレムランプ41を自車両1の周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るために点灯させる。例えば、エンブレムランプ41を、歩行者や他車両に対して特定の動きを促したり指示する、自車両の進行方向を表示する、自車両の停止予告を表示する、歩行者等の検知を表示する、自動運転のレベルを表示する、運転者および乗員の有無を表示する、などとして用いることができる。
【0100】
例えば、車両1が自動運転モードで走行しているとする。外部センサ6の一つであるカメラによって、横断歩道を渡ろうとして立ち止まっている歩行者が撮像され、その映像情報が車両制御部3に出力される。
【0101】
車両制御部3は、受信した映像情報を解析して横断歩道と歩行者とを認識し、例えば、横断歩道を渡ろうとしている歩行者がおり、自車両1が停止したまま待機して歩行者に横断歩道を渡ってもらう動作を行うと決定する。すると、車両制御部3は、歩行者に横断歩道を渡ることを促す表示をエンブレムランプ41にさせる信号をランプ制御部45に送信する。このように、歩行者や他車両などへコミュニケーションを取るためにエンブレムランプ41に表示させるための信号を、以降の説明においてコミュニケーション信号と呼ぶ。
【0102】
ランプ制御部45は、車両制御部3から取得したコミュニケーション信号に基づいて、エンブレムランプ41の複数のエンブレム光源24a~24cを制御する。
例えば、コミュニケーション信号を取得しない状態では、ランプ制御部45は、エンブレムランプ41の全てのエンブレム光源24a~24cを消灯状態とさせる。ランプ制御部45が車両制御部3から、コミュニケーション信号を取得すると、以下を実行する。ランプ制御部45は、歩行者に「自車両は停止していますので、横断歩道を渡ってください。」という意思を伝えるために、環状に配列された複数の光源を周方向に順次点灯させる。あるいは、歩行者に止まっていて欲しい場合には第三エンブレム光源24cを点灯させ、歩行者に進んで欲しい場合にはターコイズ色の第二エンブレム光源24bを点滅させる。
【0103】
(第四実施形態の第三動作例)
本実施形態のエンブレムランプ41は、上述した第一動作例と第二動作例とを組み合わせて制御してもよい。すなわち、ランプ制御部は、車両制御部3から車両1が自動運転モードで走行していることを示す信号を取得したときに、車両制御部からコミュニケーションを取るための信号を取得したときに光らせる複数のエンブレム光源24a~24cの態様と異ならせて、複数のエンブレム光源24a~24cを点灯させる。
具体的には、手動運転モード時には白色の第一エンブレム光源24aを点灯させ、自動運転モード時にはターコイズ色の第二エンブレム光源24bを点灯させる。自動運転モード時に、ランプ制御部45がコミュニケーション信号を取得した場合には、ランプ制御部45は紫色の第三エンブレム光源24cを点灯させる。例えばランプ制御部45がコミュニケーション信号を取得したときに、歩行者に道を譲ることを示すために紫色の第三エンブレム光源24cを点灯させる。
【0104】
ところで、エンブレム20はもともと、周囲の歩行者などから見やすい位置、人目を引きやすい位置に設けられていることが多い。さらに本実施形態のエンブレムシステム4によれば、エンブレム20を光らせるエンブレムランプ41が設けられており、車両制御部3から取得した信号に応じてランプ制御部45が互いに異なる色の複数のエンブレム光源24a~24cの点消灯を制御する。つまり、人目を引きやすい位置に、車両制御部3が出力する信号に応じて異なる色でエンブレム20を光らせることができ、より歩行者などの注意を引きやすく、自車両1から周囲に向けて情報を伝えやすい。また、多数のエンブレム光源24a~24cの点消灯を制御することによって、多くの種類の情報を周囲に向けて伝えやすい。
【0105】
また、本実施形態のエンブレムシステム4によれば、エンブレム20を囲むように複数のエンブレム光源24a~24cが設けられており、異なる色のエンブレム光源24~24cが交互に配列されている。このため、ランプ制御部45が車両制御部3から取得した信号に応じて異なる色のエンブレム光源24a~24cを点消灯すると、エンブレム20の色が変わるだけでなく、エンブレム20の光る個所が変わる。このため、どの色のエンブレム光源24a~24cを点灯したかによって、エンブレム20の見え方を大きく変えやすく、エンブレム20によって的確に周囲に情報を伝えやすい。
【0106】
本実施形態のエンブレムシステム4において、エンブレムランプ41は、
エンブレム光源24a~24cから出射される光が入射される導光体21a~21cを有し、
導光体21a~21cは、エンブレム光源24a~24cから出射される光が入射する入射部と、入射部から入射した光を出射させる出射部とを備えており、
複数の導光体21a~21cが車両1の前後方向に積層されており、複数のエンブレム光源24a~24cの点消灯を制御することにより、エンブレム20を異なる色で光らせるように構成されている。
【0107】
本実施形態のエンブレムシステム4によれば、前後方向に複数の導光体21a~21cが積層されているため、エンブレム20が前後方向に深さを持つように見せることができ、デザイン性を高めることができる。また、第一導光体21aと第二導光体21bに光を入射させて第三導光体21cに光を入射させない場合と、全ての導光体21a~21cに光を入射させる場合とで、エンブレム20を異なる色で光らせることができ、エンブレム20の表現の自由度が高まる。
なお、上述した実施形態では、無色透明の導光体21a~21cを説明したが、有色透明の導光体を用いてもよい。
【0108】
本実施形態のエンブレムシステム4において、上述した第一動作例のように、
ランプ制御部45は、車両制御部3から車両1が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示す信号を取得したときに、
エンブレム光源24a~24cの点消灯を切り替えてもよい。
【0109】
本実施形態のエンブレムシステム4において、上述した第二動作例のように、
ランプ制御部45は、車両制御部3が自動運転モードで車両1を走行させている際に車両制御部3から取得した、周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るための信号に応じて、エンブレム光源24a~24cの点消灯を切り替えてもよい。
【0110】
本実施形態のエンブレムシステム4において、上述した第三動作例のように、
ランプ制御部45は、車両制御部3から車両1が自動運転モードで走行していることを示す信号を取得したときに、車両制御部3からコミュニケーションを取るための信号を取得したときに光らせる複数のエンブレム光源24a~24cの点灯態様と異ならせて、複数のエンブレム光源24a~24cを点灯させてもよい。
【0111】
<第五実施形態>
上述した第四実施形態では、
図5に示したように、複数の導光体21a~21cを有するエンブレムランプ41を説明したが、本発明はこれに限定されない。
図7は、本発明の第五実施形態に係るエンブレムシステム204のエンブレムランプ241の断面図である。エンブレムランプ241は、単一の導光体221を備えている点で、第四実施形態のエンブレムランプ41と相違している。第五実施形態に係るエンブレムシステム204の部材のうち、第四実施形態と共通する部材については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0112】
図7に示すように、エンブレムランプ241は、単一の導光体221と、反射部22と、第四実施形態と同様に6つのエンブレム光源24と、シェード23を備えている。導光体221の外周面には6つの入射部25が設けられている。エンブレム光源24a~24cは、入射部25とそれぞれ対向するように配置されている。
このような構成によれば、単一の導光体221を用いて車両1の前後方向の厚みを小さくしつつ異なる色でエンブレム20を光らせることができる。
【0113】
<第六実施形態>
図8は、本発明の第六実施形態に係るエンブレムシステム304のエンブレムユニット360の正面図である。第六実施形態のエンブレムシステム304は、エンブレム光源324a~324fの構成が第一実施形態のエンブレムシステム4と異なる。
図8に示すように、複数のエンブレム光源324a~324fをエンブレム20を囲むように設け、異なる色のエンブレム光源324a~324fが互いに対向するように設けてもよい。
図8においては、6つのエンブレム光源324a~324fが互いに異なる色の光を出射させる。このようなエンブレムランプ341によれば、ランプ制御部45が車両制御部3から取得した信号に応じて異なる色のエンブレム光源324a~324fを点消灯すると、エンブレム20の色が変わるだけでなく、エンブレム20の光る個所が大きく変わる。このため、どの色のエンブレム光源324a~324fを点灯したかによって、エンブレム20の見え方を大きく変えやすく、エンブレム20によって的確に周囲に情報を伝えやすい。
【0114】
上述したように第六実施形態の車両用エンブレムシステム304において、
複数のエンブレム光源24(光源)はエンブレム20の正面視でエンブレム20を囲むように設けられており、
異なる色を出射するエンブレム光源24が交互に配列されていてもよい。
【0115】
上述したように第六実施形態の車両用エンブレムシステム304において、
複数のエンブレム光源24(光源)はエンブレム20の正面視でエンブレム20を囲むように設けられており、
異なる色を出射するエンブレム光源24が対向するように設けられていてもよい。
【0116】
上述したように第六実施形態の車両用エンブレムシステム304は、
エンブレム光源24(光源)から出射される光が入射される導光体21を有し、
導光体21は、エンブレム光源24から出射される光が入射する入射部25と、入射部25から入射した光を出射させる出射部26とを備えており、
複数の導光体21が車両1の前後方向に積層されており、複数のエンブレム光源24の点消灯を制御することにより、エンブレム20を異なる色で光らせるように構成されていてもよい。
【0117】
上述したように第四実施形態から第六実施形態の車両用エンブレムシステム4,204,304は、
エンブレム光源24(光源)から出射される光が入射される導光体21を有し、
導光体21は、エンブレム光源24から出射される光が入射する複数の入射部25と、入射部25から入射した光を出射させる単一の出射部26とを備えていてもよい。
【0118】
上述したように第四実施形態から第六実施形態の車両用エンブレムシステム4,204,304において、
ランプ制御部45は、車両制御部3から車両1が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示す信号を取得したときに、エンブレム光源24の点消灯を切り替えるように構成されていてもよい。
【0119】
上述したように第四実施形態から第六実施形態の車両用エンブレムシステム4,204,304において、
ランプ制御部45は、車両制御部3が自動運転モードで車両を走行させている際に車両制御部3から取得した、周囲の車両や歩行者などと光でコミュニケーションを取るための信号に応じて、エンブレム光源24の点消灯を切り替えるように構成されていてもよい。
【0120】
上述したように第四実施形態から第六実施形態の車両用エンブレムシステム4,204,304において、
ランプ制御部45は、車両制御部3から車両1が自動運転モードで走行していることを示す信号を取得したときに、車両制御部3から周囲の車両1や歩行者などと光でコミュニケーションを取るための信号を取得したときに光らせる複数のエンブレム光源24の点灯態様と異ならせて、複数のエンブレム光源24を点灯させるように構成されていてもよい。
【0121】
なお第一から第三実施形態および第七から第十二実施形態に係るエンブレムシステムにおいて、複数のエンブレム光源24が互いに異なる色の光を出射するように構成してもよい。この場合にランプ制御部45は、車両制御部3が自動運転モードで車両を走行する際に車両制御部3から取得した信号に応じて、これら複数のエンブレム光源24の点消灯を制御するように構成してもよい。このような構成によっても、第四実施形態と同様に、歩行者にとって見えやすく様々な態様で点灯可能な、自動運転モードで走行可能な車両に適したランプを備えたエンブレムシステムが提供される。
【0122】
なお上述した第一実施形態から第六実施形態に係る車両用エンブレムユニット60においては
図4および
図8に示したように、エンブレム20の正面視で、エンブレム20の外周に設けられた環状のシェード23の内側にエンブレム光源24が設けられていない。
第一から第六実施形態においては、エンブレム20の正面視で環状のシェード23と重なる位置にエンブレム光源24が設けられている。
図4および
図8に示した例の他に、エンブレム20の正面視で環状のシェード23よりも外側にエンブレム光源24が設けられている、あるいは、エンブレム20の正面視でエンブレム光源24が視認できない状態であってもよい。
【0123】
<第七実施形態>
図9は本発明の第七実施形態に係るエンブレムシステム404のエンブレムユニット460の正面視である。第七実施形態のエンブレムシステム404は補助光源448を有している点で、第六実施形態のエンブレムシステム304と異なっている。エンブレムユニット460は、エンブレム20とエンブレムランプ441を有している。
図9に示すように本実施形態のエンブレムユニット460は、エンブレム20の正面視で、エンブレム20の外周に設けられた環状のシェード23の内側に、エンブレム光源24とは異なる補助光源448が設けられている。
図9に示した例では、エンブレム20に開口が設けられており、補助光源448はこの開口から光を出射するように構成されている。補助光源448によってエンブレム光源24の明るさを補うことができる。あるいは、エンブレム光源24の色とは異なる色で光る補助光源448を採用することにより、エンブレム20の外観意匠性を更に高めることができる。
【0124】
<第八実施形態>
図10は、本発明の第八実施形態に係るエンブレムシステム504の正面図である。
図11は、本発明の第八実施形態に係るエンブレムシステム504のエンブレムユニット560の縦断面図である。第一実施形態と共通する部材には共通の参照符号を付してその説明は省略する。第八実施形態に係るエンブレムユニット560には、第一実施形態に係るエンブレムユニット60と異なり、シェード23が設けられていない。
【0125】
本実施形態に係るエンブレムシステム504も、上述した第一実施形態と同様に、エンブレム20と、エンブレムユニット560と、エンブレムランプ541を制御するランプ制御部45を有している。エンブレムユニット560は、エンブレム20の背面に設けられ車両1の周囲の情報を取得可能なミリ波レーダ50と、エンブレム20と、エンブレム20を光らせるエンブレムランプ541を有している。
【0126】
図11に示すように、本実施形態のエンブレムユニット560は、エンブレム20が取り付けられる取付部95と、エンブレム20を光らせるエンブレムランプ541と、ミリ波レーダ50と、ハウジング90を備えている。エンブレムランプ541およびミリ波レーダ50はハウジング90に収容されている。
【0127】
取付部95は、取付部95に取り付けられたエンブレム20が外部から視認可能な状態で、ハウジング90に支持されている。本実施形態においては、ハウジング90は開口部91を有し、この開口部91に取付部95が設けられている。取付部95は、ミリ波およびエンブレムランプ541から出射される光を透過可能な樹脂で形成されている。取付部95の前面にエンブレム20が接着剤などで取り付けられている。
【0128】
ハウジング90の開口部91には、シールリング92を介してエンブレム20がはめ込まれている。これにより、ハウジング90の内部を水密に保つことができる。ハウジング90には、車両へ固定される車両固定部93が設けられている。図示の例において、ハウジング90の車両固定部93はグリル30へボルト94によって取り付けられている。
【0129】
エンブレムランプ541は、ハウジング90の内部に取り付けられている。エンブレムランプ541は、光源台49と、光源台49に設けられた複数のエンブレム光源24と、複数の導光体21と、ランプ制御部45を有している。ランプ制御部45は、エンブレム光源24の動作を制御する。
【0130】
本実施形態においては、筒状の光源台49に、内周側に向かって光を出射するようにエンブレム光源24が設けられている。筒状の光源台49の内周側に複数の導光体21が設けられている。
【0131】
エンブレム20の背部には、複数の導光体21が設けられている。複数の導光体21は、車両1の前後方向に積層されている。導光体21は、光透過性と電波透過性とを有する無色透明の樹脂で構成されている。導光体21も、例えば共重合PCなどの樹脂で構成することができる。導光体21の前面が出射面21d、後面が反射面21eとされている。
【0132】
反射面21eは、金属インジウムの蒸着膜で形成されている。反射面21eは、ミリ波を透過可能に海島状に設けられたインジウム薄膜である。なお、反射面21eは、金属インジウムの蒸着膜に限定されない。例えば、導光体21の背面に複数のステップやシボによって反射面を形成してもよい。
【0133】
エンブレム光源24から出射された光は導光体21の外周面に設けられた入射部から導光体21の内部に入射する。導光体21の内部に進入した光は、内部および反射面21eで反射を繰り返して出射面21dから出射し、取付部95とエンブレム20を透過して車両の外方へ出射される。
【0134】
本実施形態において、エンブレム光源24は、上述した第一実施形態と同様に、導光体21の外周に6つ設けられている。エンブレム光源24から出射された光は、導光体21の内部で反射を繰り返し、出射面21dからエンブレム20の前方に出射される。これにより、エンブレム20は、マーク28以外の領域が明るくなり、マーク28を目立つように表示させることができる。
【0135】
ミリ波レーダ50は、ハウジング90の内部であって、導光体21の後方に設けられている。ミリ波レーダ50は、調整機構70を介してハウジング90の内部に取り付けられている。調整機構70は、ミリ波レーダ50が取り付けられる支持板71と、支持板71とハウジング90とを接続する複数の調整ボルト72とを有している。調整ボルト72は、支持板71の3つの角部に設けられている。調整ボルト72のナットの位置を調整することにより、支持板71の姿勢を傾けることができる。これにより、ミリ波レーダ50の向きを調整することができる。
【0136】
支持板71には、センサ制御部73が搭載されている。このセンサ制御部73は、ミリ波レーダ50と接続されている。センサ制御部73は、ミリ波レーダ50の動作を制御する。センサ制御部73からは、センサケーブルが延びている。ランプ制御部45からはランプケーブルが延びている。センサケーブルおよびランプケーブルは共通のワイヤハーネス75として束ねられ、ハウジング90に設けられた共通のブッシュ74からハウジング90の外部に延びている。これにより、ワイヤハーネス75を伝ってハウジング90の外部から内部へ水が進入することが防止されている。
ランプ制御部45は、車両制御部3から車両1が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示す信号を取得したときに、エンブレム光源24の点灯態様を変化させる。
【0137】
<第九実施形態>
特許文献1などにより車両に搭載されるエンブレムが知られている。特許文献1に記載のエンブレムは、エレクトロルミネセンスホイルにより光って見える。
【0138】
ところで特許文献1に記載のエンブレムは、車室の内側に設けられるので水や埃が電気接続部に悪影響を及ぼすことが考慮されておらず、車室の外側に設けることは考慮されていない。
本発明の第九実施形態および第十実施形態は、車室の外側にも設けることが可能な光るエンブレムを含む車両用エンブレムユニットを提供する。
【0139】
本発明の第九実施形態に係る車両用エンブレムユニット560は、
図10および
図11を用いて説明した本発明の第八実施形態に係る車両用エンブレムユニット560と同じである。
すなわち本発明の第九実施形態に係る車両用エンブレムユニットは、
エンブレム20が取り付けられる取付部95と、
エンブレム20を光らせるエンブレムランプ541と
エンブレムランプ541を収容し、取付部95に取り付けられたエンブレム20を外部から視認可能な状態で支持するハウジング90を備えている。
【0140】
本実施形態に係る車両用エンブレムユニット560によれば、エンブレム20とエンブレムランプ541とが一体となってハウジング90に納められている。電気部品であるエンブレムランプ541がハウジング90の内部に設けられているため、エンブレムランプ541に水が埃がかかりにくいため、本実施形態の車両用エンブレム20は、車室内のみならず、グリル30が設けられている位置、ヘッドランプやリヤコンビネーションランプなどのランプが設けられている位置、ドアミラーが設けられている位置など、車室外に設けることができる。
【0141】
なお本実施形態において、外部センサ6の一つであるLiDARを導光体21の後方に設けてもよい。この場合、正面視でLiDARの出射部と入射部と重なる位置に、LiDARから出射されるレーザ光(可視光、赤外光または紫外光)を通過させるための貫通孔、および、このレーザ光の反射光を通過させるための貫通孔が、少なくとも反射面21eに設けられる。出射光を通過させる貫通孔と、反射光を通過させる貫通孔は、まとめて単一の開口として設けてもよいし、別々の開口として設けてもよい。
【0142】
<第十実施形態>
上述した第九実施形態では、外部センサ6としてのミリ波レーダ50が導光体21の後方に設けられる例を説明したが、本発明はこれに限られない。
図12は、本発明の第十実施形態に係るエンブレムシステム604のエンブレムユニット660を示す断面図である。エンブレムユニット660は、エンブレム取付センサ50として、上述した外部センサ6の一つであるカメラ50が設けられている点で、第九実施形態のエンブレムユニット560と相違している。なお、第十実施形態に係るエンブレムユニット660の部材のうち、第九実施形態と共通する部材については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0143】
図12に示すように、エンブレム20と導光体21と取付部95に貫通孔632が設けられている。カメラ50の受光素子53は、この貫通孔632に臨む位置に設けられている。カメラ50の受光素子53には、この貫通孔632を介して車両前方からの光が入射する。
【0144】
本実施形態に係る車両用エンブレムユニット660によっても、エンブレム20とエンブレムランプ641とが一体となってハウジング90に納められている。電気部品であるエンブレムランプ641がハウジング90の内部に設けられているため、エンブレムランプ641に水が埃がかかりにくい。このため、本実施形態の車両用エンブレム20は、車室内のみならず、グリル30が設けられている位置、ヘッドランプやリヤコンビネーションランプなどのランプが設けられている位置、ドアミラーが設けられている位置など、車室外に設けることができる。
【0145】
なお、本実施形態において、導光体21の反射面21eは、ミリ波を透過させる必要がないため、アルミの蒸着膜で形成してもよい。なお、カメラ50のレンズの前方に位置するエンブレム20と取付部95と導光体21の光透過性が十分に高ければ、貫通孔132を設けなくてもよい。あるいは、貫通孔132の領域に、周囲より光透過性の高い樹脂を設けてもよい。これにより、カメラ50の受光素子により多くの光を入射させることができる。
【0146】
上述したように第八実施形態から第十実施形態の車両用エンブレムユニット560,660は、
エンブレム20の後方でハウジング90の内部に収容され、エンブレム20を介して車両1の周囲の情報を取得する外部センサ50を有し、
外部センサ50は、ハウジング90に対して外部センサ50の姿勢を調整可能な調整機構70を介してハウジング90に取り付けられていてもよい。
【0147】
上述したように第八実施形態から第十実施形態の車両用エンブレムユニット560,660は、
エンブレム20の後方でハウジング90の内部に収容され、エンブレム20を介して車両1の周囲の情報を取得する外部センサ50と、
外部センサ50の動作を制御するセンサ制御部73と、
エンブレムランプ41の動作を制御するランプ制御部45と、を有し、
センサ制御部73から延びるセンサケーブルおよびランプ制御部45から延びるランプケーブルが、ハウジング90に設けられた共通のブッシュ74からハウジング90の外部に延びていてもよい。
【0148】
上述したように第八実施形態から第十実施形態の車両用エンブレムユニット560,660において、
ハウジング90に、車両1へ取り付けられる車両取付部93が設けられていてもよい。
【0149】
<第十一実施形態>
ところで自車両が自動運転中であることをランプを点灯させて周囲に知らせる場合、その視認性が高いことが望ましい。
そこで本発明の第十一実施形態は、自車両が自動運転中であることをより知らせやすいエンブレムユニットを提供する。
【0150】
本発明の第十一実施形態に係るエンブレムシステム704は、
図11を用いて説明した第八実施形態の基本構成と同様である。すなわち、本発明の第十一実施形態に係るエンブレムシステム704は、
エンブレム20と、
導光体721と、
導光体21に光を入射させる光源24と、
光源24を制御する光源制御部45を有する。
本実施形態の車両用エンブレムユニット60において、光源制御部45は、車両1を制御する車両制御部3から車両1が自動運転モードで走行している状態を示す信号を取得したときに、光源24を点灯させる。
【0151】
本実施形態のエンブレムシステム704は、導光体721の形状が、第八実施形態のエンブレムシステム504の導光体21の形状と異なっている。
図13は、本実施形態のエンブレムシステム704の正面図である。
図14は、本実施形態のエンブレムシステム704のエンブレムユニット760の断面図である。エンブレム20の背部には、複数の導光体21が設けられている。
【0152】
エンブレムユニット760は、エンブレム20と、エンブレムランプ741と、ミリ波レーダ50を有している。エンブレムランプ741は、導光体21と、エンブレム光源24とを備えている。複数の導光体21は、車両1の前後方向に積層されている。導光体21は、光透過性と電波透過性とを有する無色透明の樹脂で構成されている。導光体21も、例えば共重合PCなどの樹脂で構成することができる。導光体21の前面が出射面21d、後面が反射面21eとされている。導光体21の背面である反射面21eには複数のステップやシボが形成されている。
図4に示したように、エンブレム20の正面視で、ミリ波レーダ50の出射部51と入射部52が導光体21の内周に位置している。
【0153】
導光体21は、
図13に示すようにエンブレム20の正面視で、エンブレム20の外周部に線状に設けられている。図示の例では、導光体21は楕円リング状でかつ平板状の部材である。導光体21の外縁はエンブレム20の外縁と一致されている。導光体21の内縁はエンブレム20の外縁よりも内周側に位置している。
【0154】
エンブレム光源24から出射された光は導光体21の外周面に設けられた入射部から導光体21の内部に入射する。導光体21の内部に進入した光は、内部および反射面21eで反射を繰り返して出射面21dから出射し、取付部95とエンブレム20を透過して車両の外方へ出射される。
【0155】
本実施形態において、エンブレム光源24は導光体21の外周に6つ設けられている。エンブレム光源24から出射された光は、導光体21の内部で反射を繰り返し、出射面21dからエンブレム20の前方に出射される。これにより、エンブレム20の外周が明るくなり、マーク28を目立つように表示させることができる。
【0156】
本実施形態において、3種類のエンブレム光源24と、3つの導光体21が設けられている。白色光を出射させる光源を第一エンブレム光源24、ターコイズ色の光を出射させる光源を第二エンブレム光源24、紫色の光を出射させる光源を第三エンブレム光源24と呼ぶ。第一エンブレム光源24から出射された光は、第一導光体21に入射し、第一導光体21の出射面から外部に出射される。第二エンブレム光源24から出射された光は、第二導光体21に入射し、第二導光体21の出射面から外部に出射される。第三エンブレム光源24から出射された光は、第三導光体21に入射し、第三導光体21の出射面から外部に出射される。ランプ制御部45が、第一~第三エンブレム光源24の点消灯を適宜制御することにより、エンブレム20を異なる色で光らせることができる。
【0157】
本実施形態に係る車両用エンブレムユニット760によれば、エンブレム20を光らせる線状の導光体21が正面視でエンブレム20の外周に設けられているので、エンブレム20自体が小型の場合であったとしても、光る部位を大きく見せることができる。また、導光体21が線状なので、同じ光源で幅広の導光体を光らせる場合に比べて、光る部位を明るく光らせやすい。このように導光体21を、より大きくより明るく見せることができ、歩行者や他の車両などにエンブレム20が光っていることを認識させやすくなり、自車両が自動運転中であることをより知らせやすい。
【0158】
また本実施形態に係る車両用エンブレムユニット760によれば、エンブレム20の正面視で、エンブレム20の外周に設けられた環状の導光体721の内側にエンブレム光源24が設けられていない。もっとも、
図9で示したように、エンブレム20の正面視で、環状の導光体21の内側に、エンブレム光源24とは異なる補助光源448が設けられていてもよい。
【0159】
また車両用エンブレムユニット760は、エンブレム20の後方に設けられ、エンブレム20を透過して車両周囲の情報を取得する外部センサ50を有し、
エンブレム20の正面視で、外部センサ50の検出部52の前方が、導光体21の光拡散要素で覆われていないように構成されている。
本実施形態において入射部52が検出部に該当する。検出部とは、外部センサ50の光や電磁波を受信する部位である。光拡散要素は、上述した導光体21の表面に設けた複数のシボやステップによって構成することもできるし、導光体21の内部に混入させた光拡散材によって構成することもできる。
このような構成によれば、外部センサ50の検出部52に入射する光や電磁波に影響を与えずに、光拡散要素を設けることができる。
【0160】
また、本実施形態に係る車両用エンブレムユニット760によれば、エンブレム20とエンブレムランプ41とが一体となってハウジング90に納められている。電気部品であるエンブレムランプ41がハウジング90の内部に設けられているため、エンブレムランプ41に水や埃がかかりにくい。このため、本実施形態の車両用エンブレムユニット760,860は、車室内のみならず、グリル30が設けられている位置、ヘッドランプやリヤコンビネーションランプなどのランプが設けられている位置、ドアミラーが設けられている位置など、車室外に設けることができる。
【0161】
なお、本実施形態では楕円リング状の導光体521を説明したが、導光体521の形状はこの例に限られない。導光体521は、内側が切り抜かれた矩形状の枠状であってもよい。あるいは導光体521は、エンブレム20の外縁を縁取る形状とされていてもよい。導光体521の幅寸法は、楕円または矩形状のエンブレム20の短軸の半分以下の寸法とされていることが好ましい。これにより、導光体521をより明るくくっきりと見せることができる。
【0162】
上述したように第十一実施形態において、
エンブレム光源24はターコイズ色の光を発する、または、導光体21がターコイズ色の光を発するように構成されていてもよい。
【0163】
第十一実施形態において、
図13に示したように、
エンブレム20の正面視で、エンブレム20の外周部に設けられた導光体21の内側にエンブレム光源24が設けられていないように構成してもよい。
【0164】
上述したように第十一実施形態において、
図9で示したように、
エンブレム20の正面視で、エンブレム20の外周部に設けられた導光体21の内側に、エンブレム光源24とは異なる補助光源448が設けられていてもよい。
【0165】
上述したように第十一実施形態において、
図14で示したように、
エンブレム20の後方に設けられ、エンブレム20を透過して車両周囲の情報を取得する外部センサ50を有し、
エンブレム20の正面視で、外部センサ50の検出部の前方が、導光体21の光拡散要素で覆われていないように構成してもよい。
【0166】
上述したように第十一実施形態において、
図13に示したように、
エンブレム20の正面視で、導光体21はエンブレム20の外周部の少なくとも一部を縁取るように設けられていてもよい。
【0167】
<第十二実施形態>
ところで特許文献1などにより車両に搭載されるエンブレムが知られている。特許文献2に記載のエンブレムは、エレクトロルミネセンスホイルにより光って見える。
ところでエンブレムそのものは、仕向け先の車両メーカーによって用意される。エンブレムは、車両メーカーによって異なるし、同じ車両メーカーであっても車種や販売時期によっても異なることがある。特許文献1のように、エンブレムが、エンブレムを光らせる機構とともに一体の部品として組み込まれている場合には、異なるエンブレム毎に異なるエンブレムユニットが必要になる。
そこで本発明の第十二実施形態は、どのようなエンブレムでも搭載可能な車両用エンブレム取付ユニットを提供する。
【0168】
第十二実施形態に係るエンブレム取付ユニット80を含むエンブレムシステム804の基本構成は、第十二実施形態に係るエンブレム取付ユニット80を含むエンブレムユニット860の構成を除いて、
図1から
図3に示した第一実施形態の基本構成と同様である。このため、エンブレムユニット860について
図15から
図17を用いて詳述する。
図15は、第十二実施形態に係るエンブレム取付ユニット80を含むエンブレムユニット860の分解斜視図である。
図16はエンブレムユニット860の正面図である。
図17はエンブレムユニット860の断面図である。
【0169】
第十二実施形態に係るエンブレム取付ユニット80は、
一つ以上の光源846と、光源846を作動させる光源制御部845とが搭載された搭載基板83と、
搭載基板83に取り付けられ、光源846から出射された光が入射される環状の導光体82と、
エンブレム20が取り付けられるエンブレム取付部81と、を有する。
【0170】
図15から
図17に示すように、エンブレムユニット860は、エンブレム20と、エンブレム取付ユニット80とを含んでいる。エンブレム20はエンブレム取付ユニット80に取り付けられる。エンブレム取付ユニット80は、エンブレム光源846と、ランプ制御部845(光源制御部)と、搭載基板83と、導光体82と、エンブレム取付部81と、前ハウジング84と、後ハウジング85を備えている。以降の説明において、エンブレム20の設けられている方向を前方、後ハウジング85が設けられている方向を後方と呼ぶ。
【0171】
エンブレム20は、透明な樹脂で構成される板状の部材である。エンブレム20は、光透過性と電波透過性とを有する樹脂で構成されている。例えばエンブレム20は、共重合PC(ポリカーボネイト)などの樹脂で構成することができる。エンブレム20には、車両メーカーの名称やマーク28、車両の名称などが表示されている。マーク28は、エンブレム20の表面に印刷や刻印されていてもよいし、エンブレム20の内部にマーク28の形状の部材が埋め込まれていてもよい。エンブレム20は、グリル30に設けられた開口から外部に露出するように設けられている。
【0172】
エンブレム20は、エンブレム取付部81に取り付けられている。エンブレム取付部81は透明な樹脂部材である。本実施形態においてエンブレム取付部81はエンブレム20と同様の形状を有する板状の部材である。エンブレム取付部81の前面に、エンブレム20が接着剤やねじ止めといった取付手段で取り付けられている。
【0173】
エンブレム光源846は、導光体82を介してエンブレム20を光らせる。エンブレム光源846として、LED(Light Emitting Diode)や、OLED(Organic Light Emitting Diode)などを用いることができる。
【0174】
ランプ制御部845は、エンブレム光源846の動作を制御する。ランプ制御部845は、電子回路で構成されている。エンブレム光源846およびランプ制御部845は、搭載基板83の表面に搭載されている。搭載基板83は板状の部材である。搭載基板83の形状はエンブレム取付部81と同様の形状である。
【0175】
導光体82はリング状かつ板状の部材である。導光体82は透明な樹脂部材である。導光体82は搭載基板83に位置決めされている。本実施形態では、搭載基板83に設けられた突起847が、導光体82に設けられた凹部(図示せず)に嵌り込むことにより、導光体82が搭載基板83に位置決めされている。導光体82はエンブレム20と搭載基板83の間に設けられている。
【0176】
図17に示したように、導光体82の後面には導光体82からの光が入射される入射部82aが設けられている。入射部82aから入射したエンブレム光源846の光は、導光体82の内部で反射を繰り返して導光体82の前面から出射される。導光体82から出射された光は、エンブレム取付部81を透過してエンブレム20の外周部を明るく光らせる。
【0177】
前ハウジング84は後ハウジング85とともに収容空間を形成する。この収容空間の内部に、エンブレム20、エンブレム取付部81、導光体82、エンブレム光源846、ランプ制御部845、搭載基板83が収容されている。前ハウジング84には開口84aが設けられており、エンブレム20はこの開口84aから外部に臨む位置に設けられている。
【0178】
前ハウジング84と後ハウジング85は互いにランス部86を有し、このランス部86を介して互いに係合可能である。前ハウジング84の開口の外周縁は抑え部87とされている。前ハウジング84と後ハウジング85とを係合する際に、抑え部87がエンブレム20を後方に押さえつけ、収容空間内部に配置されたエンブレム20などの部材が僅かに圧縮された状態とし、ガタつきが生じることが抑制されている。なお、
図16においては前ハウジング84および後ハウジング85を省略して描いている。
【0179】
次に、エンブレムシステム804の動作について説明する。
ランプ制御部845が、車両制御部3から、車両1が手動運転モードで走行している状態と自動運転モードで走行している状態とが切り替わったことを示すモード変更信号を受信すると、ランプ制御部845は、エンブレム光源846の点灯態様を変化させる。例えば、ユーザが運転モード切替スイッチを切り替えると、切替信号が車両制御部3に送信される。車両制御部3は、この切替信号を受信するとモード変更信号をランプ制御部845に送信する。あるいは、車両制御部3は外部センサ6から所定の出力が入力されると自動運転モードから手動運転モードに切り替え、モード変更信号が車両制御部3からランプ制御部845に出力される。
【0180】
ランプ制御部845は、車両制御部3から取得した運転モード信号に応じて、エンブレム光源846の点灯態様を変化させる。
例えば、自動運転モードで走行しているときにエンブレム光源846を点灯させ、手動運転モードで走行しているときにエンブレム光源846を消灯させるようにしてもよい。あるいは、自動運転モードで走行しているときにエンブレム光源846を点滅させ、手動運転モードで走行しているときにエンブレム光源846を点灯し続けてもよい。あるいは、自動運転モードで走行しているときに3つのエンブレム光源846を点滅させ、手動運転モードで走行しているときに6つのエンブレム光源846を点灯し続けてもよい。
【0181】
また、自動運転モードで走行しているときのエンブレム光源846の発光色と、手動運転モードで走行しているときのエンブレム光源846の発光色とを異ならせてもよい。例えば、手動運転モードで走行しているときに白色光を出射させる第一エンブレム光源846を点灯させ、自動運転モードで走行しているときにターコイズ色の光を出射させる第二エンブレム光源846を点灯させてもよい。
【0182】
本実施形態に係る車両用エンブレム取付ユニット80によれば、エンブレム20をエンブレム取付部81に取り付けることにより、エンブレムユニット860が完成する。このため、本実施形態のエンブレム取付ユニット80は、異なる車両メーカーの異なるエンブレム20、同じ車両メーカーで異なる車種のエンブレム20、など様々なエンブレム20に共通して用いることができる。
【0183】
また、導光体82は他の部材とは独立した部材である。導光体82はエンブレム20の外観意匠性に寄与する部材である。エンブレム20の意匠を変更するために導光体82の形状を変更する場合でも、他の部材に影響を与えずに導光体82のみ形状を変更することが容易である。
【0184】
また本実施形態のエンブレム取付ユニット80は、
搭載基板83、導光体82、エンブレム取付部81を覆うハウジング84,85を有し、
ハウジング84,85には、エンブレム取付部81に取り付けられるエンブレム20を外部に見せる開口84a(窓部)が設けられている。
このため、エンブレム光源846、ランプ制御部845、導光体82といった内部の部品を外部に見せることが無く、エンブレム20のデザインを向上させることができる。なお、開口84a(窓部)は、上述したように開口によって構成してもよいし、透明樹脂によって構成してもよい。
【0185】
また本実施形態のエンブレム取付ユニット80は、
搭載基板83に、導光体82が位置決めされる位置決め部547が設けられている。
このため、搭載基板83に搭載されているエンブレム光源846に対して、導光体82の入射部82aの位置を合わせやすい。また、搭載基板83と導光体82の位置が合った状態で組み立てることができるので、エンブレム取付ユニット80を作りやすい。
また電気部品であるエンブレム光源846やランプ制御部845がハウジング84,85の内部に設けられているため、水が埃がかかりにくいため、本実施形態の車両用エンブレムユニット860は、車室内のみならず、グリルが設けられている位置、ヘッドランプやリヤコンビネーションランプなどのランプが設けられている位置、ドアミラーが設けられている位置など、車室外に設けることができる。
【0186】
また、上述した実施形態では、エンブレム取付部81の外形寸法は環状の導光体82の外形寸法およびエンブレム20の外形寸法と同程度のものを図示したが、本発明はこれに限られない。エンブレム取付部81の外形寸法が環状の導光体82の内径寸法より僅かに小さく、エンブレム取付部81が環状の導光体82の内側に嵌り込むような構成としてもよい。このような構成によれば、導光体82から出射した光がエンブレム取付部81を介さずにエンブレム20に入射するため、より明るくエンブレム20を光らせることができる。また、エンブレム取付部81の外径寸法およびエンブレム20の外形寸法がともに導光体82の外形寸法より小さく、導光体82の外周部の前面が直接外部に露出するような構成としてもよい。
【0187】
なお、上述した実施形態では、グリル30に取り付けられたエンブレムユニット860を例に挙げて説明したが、グリル30に取り付けられていない、車両の後部、右部、左部に設けられるエンブレムユニット860について、上述した構成および制御を適用してもよい。また、本発明のエンブレムシステム804は、車両の前部、後部、右部、左部に設けられる全てのエンブレムユニット860を含んでもよいし、これらの少なくとも一つ以上を含むように構成してもよい。エンブレムシステム804は、グリルランプを含んで構成してもよいし、グリルランプを含まずに構成してもよい。
【0188】
上述したように第十二実施形態の車両用エンブレム取付ユニット80は、
搭載基板83、導光体21、エンブレム取付部81を覆うハウジング84,85を有し、
ハウジング84,85には、エンブレム取付部81に取り付けられるエンブレム20を外部に見せる窓部84aが設けられていてもよい。
【0189】
上述したように第十二実施形態の車両用エンブレム取付ユニット80は、
搭載基板83に、導光体21が位置決めされる位置決め部47が設けられていてもよい。
【0190】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0191】
本実施形態では、車両の運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードと、手動運転モードとを含むものとして説明したが、車両の運転モードは、これら4つのモードに限定されるべきではない。車両の運転モードの区分は、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って適宜変更されてもよい。同様に、本実施形態の説明で記載された「完全自動運転モード」、「高度運転支援モード」、「運転支援モード」のそれぞれの定義はあくまでも一例であって、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って、これらの定義は適宜変更されてもよい。
【0192】
なお、上記第一実施形態から第三実施形態においては、各エンブレムシステムにセンサとしてミリ波レーダ、カメラ、LiDARのいずれか一つが設けられる構成となっているが、これに限定されない。例えば、各エンブレムシステムは2種類以上のセンサが設けられるように構成してもよい。例えば、車両1の前部に搭載されるエンブレムユニットにはエンブレム取付センサ50としてミリ波レーダが設けられ、車両1の後部に搭載されるエンブレムユニットにはエンブレム搭載センサとしてカメラが設けられ、車両1の右部および左部に搭載されるエンブレムユニットにはエンブレム搭載センサとしてLiDARが設けられるように構成することができる。
【0193】
なお、上述した実施形態では、グリル30に取り付けられたエンブレムユニット60を例に挙げて説明したが、グリル30に取り付けられていない、車両の後部、右部、左部に設けられるエンブレムユニット60について、上述した構成および制御を適用してもよい。また、本発明のエンブレムシステム4は、車両の前部、後部、右部、左部に設けられる全てのエンブレムユニット60を含んでもよいし、これらの少なくとも一つ以上を含むように構成してもよい。エンブレムシステム4は、グリルランプ42を含んで構成してもよいし、グリルランプ42を含まずに構成してもよい。
【0194】
また上述した実施形態では、エンブレム光源24を点灯させると、マーク28の周囲が明るくなることでマーク28を目立たせる構成を説明したが、本発明はこれに限られない。エンブレム20の表面のうち、マーク28と出射部51と入射部52に該当する領域のみに光が透過し、その他の領域においては光が透過しないように構成してもよい。これにより、マーク28を目立たせることができる。この場合には、出射部51と入射部52に該当する領域は必要以上に大きくしないことが望ましい。あるいは、正面視で出射部51と入射部52がマーク28と重なるように構成してもよい。
【0195】
なお、第三実施形態で説明したランプ制御部45によるエンブレムランプ41およびグリルランプ42の制御方法は、他の実施形態で説明したエンブレムシステムで実行してもよい。同様に、第四実施形態で説明したランプ制御部45によるエンブレム光源24の制御方法は、他の実施形態で説明したエンブレムシステムで実行してもよい。同様に、第十実施形態で説明したランプ制御部45によるエンブレム光源の制御方法も、他の実施形態で説明したエンブレムシステムで実行してもよい。
【0196】
本出願は、2019年3月1日出願の日本特許出願(特願2019-037636)、2019年3月1日出願の日本特許出願(特願2019-037637)、2019年3月1日出願の日本特許出願(特願2019-037638)、2019年3月1日出願の日本特許出願(特願2019-037639)、2019年3月1日出願の日本特許出願(特願2019-037640)、2019年3月1日出願の日本特許出願(特願2019-037641)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明によれば、自車両が自動運転中であることをより知らせやすい車両用エンブレムシステムが提供される。