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特許7389798デュアル・ルーメン静脈内セットを有するデュアル・チャンバ・シリンジ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】デュアル・ルーメン静脈内セットを有するデュアル・チャンバ・シリンジ
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/19 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
A61M5/19
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021519795
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019055701
(87)【国際公開番号】W WO2020077134
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】62/744,500
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】メイソン、ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】キャラハン、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】オダ、トッド
(72)【発明者】
【氏名】アンダーウッド、ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】シャムズ、アデル
(72)【発明者】
【氏名】ベイル、ディラン
(72)【発明者】
【氏名】ボロジェルディ、セイエド サーレヒー
【審査官】川上 佳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0121647(US,A1)
【文献】特開2004-129695(JP,A)
【文献】特表2015-523867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端壁と、
一次ストッパ及び前記一次ストッパから延びるロッドを有する一次プランジャであって、前記一次ストッパが前記端壁とともに一次チャンバを形成する、一次プランジャと、
前記一次プランジャと機械的に関係する二次プランジャであって、前記二次プランジャは二次内部空洞を画成し、且つ二次ストッパを有し、前記二次ストッパは前記一次ストッパとともに二次チャンバを形成し、前記二次内部空洞は、前記一次プランジャの前記ロッドを受け入れるように構成されている、二次プランジャと、
前記端壁から延びる一次ノズルであって、前記一次チャンバと流体連通する一次ノズルと、
前記端壁から延びる二次ノズルであって、前記二次チャンバと流体連通する二次ノズルと
を有するデュアル・チャンバ・シリンジであって、
前記端壁がチャネルを有し、また
前記デュアル・チャンバ・シリンジがフラッシング前の状態からフラッシング後の状態に移行しているとき、前記二次チャンバが、Oリングをバイパスすることによって前記チャネルを介して前記一次ノズルと流体連通する、デュアル・チャンバ・シリンジ
【請求項2】
前記二次ノズルが前記端壁から、中央に延びている、請求項1に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【請求項3】
前記一次ノズルが前記二次ノズルから半径方向にオフセットされている、請求項2に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【請求項4】
前記一次ノズルと前記二次ノズルが非対称である、請求項1に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【請求項5】
前記端壁から延び、且つ前記一次ノズル及び前記二次ノズルを取り囲むノズル・ガイドをさらに有する、請求項1に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【請求項6】
前記一次プランジャが前記二次プランジャに係止可能である、請求項1に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【請求項7】
前記二次ノズルが、前記端壁から延びる内部チューブを介して前記二次チャンバと流体連通している、請求項1に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【請求項8】
前記内部チューブが、前記一次プランジャの一次内部空洞によって受け入れられている、請求項に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
流体が制限されている患者に医療用流体を送達することはしばしば、静脈内(IV:intravenous)セットによって低流量で流体源から医療用流体を静脈内に投与することを含む。伝統的な方法はしばしば、ラインを切断してIVプッシュを送達することを含み、これはこのような低流量では時間がかかることがある。従来の他の方法は、流体が制限されている患者に医療用流体を送達する前にポンプによってプライミング溶液を投与することを含むことがあり、これは、流体が制限されている患者に医療用流体をタイムリーに投与できないで遅れることがある。
【発明の概要】
【0002】
開示する主題はシリンジに関する。特定の実施例では、デュアル・チャンバ・シリンジは、端壁と、一次ストッパを有する一次プランジャであって、一次ストッパが端壁とともに一次チャンバを形成する、一次プランジャと、一次プランジャと機械的に関係する二次プランジャであって、一次ストッパとともに二次チャンバを形成する二次ストッパを有する二次プランジャと、端壁から延在する一次ノズルであって、一次チャンバと流体連通する一次ノズルと、端壁から延在する二次ノズルであって、二次チャンバと流体連通する二次ノズルとを含む。
【0003】
特定の実施例では、マルチ・ルーメン静脈内(IV)セットは、一次ダクト及び二次ダクトを有するアダプタと、ハウジング・ポート及びハウジング通路を有するバルブ・ハウジングと、一次ダクト及びハウジング・ポートと流体連通する一次ルーメンと、二次ダクト及びハウジング・ポートと流体連通する二次ルーメンと、バルブ・ハウジングに配置され、クラッキング圧力を有するバルブであって、バルブにかかる圧力がクラッキング圧力より低いとき、流体がハウジング・ポートからハウジング通路に流れることを防ぐように構成され、バルブにかかる圧力がクラッキング圧力より高いとき、流体がハウジング・ポートからハウジング通路に流れることができるように構成されたバルブとを含む。
【0004】
特定の実施例では、流体送達システムは、端壁と、一次ストッパを有する一次プランジャであって、一次ストッパが端壁とともに一次チャンバを形成する、一次プランジャと、一次プランジャと機械的に関係する二次プランジャであって、一次ストッパとともに二次チャンバを形成する二次ストッパを有する二次プランジャと、端壁から延在する一次ノズルであって、一次チャンバと流体連通する一次ノズルと、端壁から延在する二次ノズルであって、二次チャンバと流体連通する二次ノズルとを有するデュアル・チャンバ・シリンジ、並びに、一次ポート及び二次ポートを有するアダプタであって、一次ポートが一次ノズルに流体的に結合され、二次ポートが二次ノズルに流体的に結合された、アダプタと、ハウジング・ポート及びハウジング通路を有するバルブ・ハウジングと、アダプタに配置された一次ダクトと流体連通し、ハウジング・ポートと流体連通する一次ルーメンと、アダプタに配置された二次ダクトと流体連通し、ハウジング・ポートと流体連通する二次ルーメンと、バルブ・ハウジングに配置され、クラッキング圧力を有するバルブであって、バルブにかかる圧力がクラッキング圧力より低いとき、流体がハウジング・ポートからハウジング通路に流れることを防ぐように構成され、バルブにかかる圧力がクラッキング圧力より高いとき、流体がハウジング・ポートからハウジング通路に流れることができるように構成されたバルブとを有するマルチ・ルーメン静脈内セットを含む。
【0005】
添付図面は、主題技術をさらに理解することができるようにするために含まれ、本書に組み込まれ、本書の一部を構成し、主題技術の態様を例示し、本明細書と一緒になって主題技術の原理を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の態様による、詳細を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断したデュアル・チャンバ・シリンジの側面図である。
図2】本開示の態様による、図1に示したデュアル・チャンバ・シリンジの斜視図である。
図3】本開示の態様によるシリンジの端壁を示す、図1のデュアル・チャンバ・シリンジの線3-3に沿って切り取られた断面斜視図である。
図4】本開示の態様による、図1に示したデュアル・チャンバ・シリンジの一次プランジャの詳細断面図である。
図5】本開示の態様による、作動させられていない状態のアクティベータ(activator)を有する図1のデュアル・チャンバ・シリンジの詳細断面斜視図である。
図6】本開示の態様による、図5に示した一次プランジャのスナップ係止部の詳細平面図である。
図7】本開示の態様による、作動させられている状態の、図5に示したアクティベータの詳細斜視図である。
図8】本開示の態様によるデュアル・ルーメン静脈内(IV)セットの平面図である。
図9】本開示の態様によるデュアル・ルーメンIVセットの内部の詳細を示すために、いくつかの部分を断面にし、仮想線にした図8のデュアル・ルーメンIVセットの平面図である。
図10】本開示の態様による、図9のデュアル・ルーメンIVセットのデュアル・ルーメン・チューブ・アダプタの詳細斜視図である。
図11】本開示の態様によるデュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタの斜視図である。
図12】本開示の態様による図11の線12-12に沿って切り取られた断面平面図である。
図13】本開示の態様によるフラッシュ・シリンジ・アダプタの斜視図である。
図14】本開示の態様による図13の線14-14に沿って切り取られた断面平面図である。
図15】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、プライミング前の状態の、フラッシュ・シリンジとともに使用時のデュアル・ルーメンIVセットの平面図である。
図16】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、プライミング後の状態の、図15のフラッシュ・シリンジとともに使用時のデュアル・ルーメンIVセットの平面図である。
図17】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、充填前の状態でバイアルとともに使用時の図1のデュアル・チャンバ・シリンジの平面図である。
図18】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、バイアルとデュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタがデュアル・チャンバ・シリンジから取り外された充填後の状態の、図17のデュアル・チャンバ・シリンジの平面図である。
図19】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、図8のデュアル・ルーメンIVセットとともに使用時の図1のデュアル・チャンバ・シリンジを示す、薬物をプライミングする前の状態の流体送達システムの平面図である。
図20】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、薬物でプライミングされたデュアル・ルーメンIVセットを示す、薬物をプライミングした後の状態の図19の流体送達システムの平面図である。
図21】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、フラッシング前の状態の図19の流体送達システムの平面図である。
図22】本開示の態様による、内部流体通路を示すためにいくつかの部分を断面にし、破断した、フラッシング後の状態の図19の流体送達システムの平面図である。
図23図21に示したフラッシング前の状態から図22に示したフラッシング後の状態へ移行するデュアル・チャンバ・シリンジの詳細図である。
図24図21に示したフラッシング前の状態から図22に示したフラッシング後の状態へ移行するデュアル・チャンバ・シリンジの詳細図である。
図25図21に示したフラッシング前の状態から図22に示したフラッシング後の状態へ移行するデュアル・チャンバ・シリンジの詳細図である。
図26図21に示したフラッシング前の状態から図22に示したフラッシング後の状態へ移行するデュアル・チャンバ・シリンジの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、主題技術を理解することができるようにするために特定の詳細を述べる。しかしながら、これらの特定の詳細のうちのいくつかがなくても、主題技術を実施することができることは当業者には明らかであろう。他の例では、主題技術を不明瞭にしないようにするために、既知の構造及び技法は示されていない。
【0008】
「態様(aspect)」などの語句は、このような態様が主題技術に不可欠であること、又は、このような態様が主題技術の全ての構成に適用されることを意味しない。一態様に関して開示されることは、全ての構成、或いは1つ又は複数の構成に適用されてもよい。一態様は、本開示の1つ又は複数の実例を提供することがある。「一態様」などの語句は、1つ又は複数の態様を指すことがあり、その逆もあり得る。「一実施例」などの語句は、このような実施例が主題技術に不可欠であること、又はこのような実施例が主題技術の全ての構成に適用されることを意味しない。一実施例に関して開示されることは、全ての実施例、或いは1つ又は複数の実施例に適用されてもよい。一実施例は、本開示の1つ又は複数の実例を提供することがある。「一実施例」などの語句は、1つ又は複数の実施例を指すことがあり、その逆もあり得る。「一構成」などの語句は、このような構成が主題技術に不可欠であること、又は、このような構成が主題技術の全ての構成に適用されることを意味しない。一構成に関して開示されることは、全ての構成、或いは1つ又は複数の構成に適用されてもよい。一構成は、本開示の1つ又は複数の実例を提供することがある。「一構成」などの語句は、1つ又は複数の構成を指すことがあり、その逆もあり得る。
【0009】
図1図25は、シリンジとポンプの両立が可能で、デュアル・ルーメン静脈内(IV)セットに結合可能なデュアル・チャンバ・シリンジを含む流体送達システムを示す。流体送達システムは、デュアル・ルーメンIVセットからプライミング溶液を除去してデュアル・チャンバ・シリンジ内に蓄え、薬物を所与の流量で送達し、デュアル・チャンバ・シリンジ内に蓄えられたプライミング溶液をデュアル・ルーメンIVセットに戻すことによってデュアル・ルーメンIVセットにある残りの薬物を投与するように構成される。
【0010】
図1図6は、流体送達システム100(図19に示す)のデュアル・チャンバ・シリンジ110の実施例を示す。いくつかの実施例では、デュアル・チャンバ・シリンジ110は、円筒状のシリンジ・バレル112、端壁114、及びシリンジ・カラー116を含む。端壁114はシリンジ・バレル112の第1の端部118に配置され、一方、シリンジ・カラー116は、第1の端部118とは反対側のシリンジ・バレル112の第2の端部120に配置される。シリンジ・カラー116は、第2の端部120の直前でシリンジ・バレル112から半径方向外向きに延在する。シリンジ・バレル112は、端壁114とシリンジ・カラー116との間に延在する円筒状の内部チャンバ122を含む。
【0011】
特に図3を参照すると、溝状チャネル124は、端壁114の内面126で凹んでいる。内面126は、内部チャンバ122に面し、その中に配置される。チャネル124は、切欠き端部128、通路端部130、及び切欠き端部128と通路端部130との間に配置されたディボット(divot)132を含む。いくつかの態様では、チャネル124は、切欠き端部128とディボット132との間、及びディボット132と通路端部130との間に延在する、対向する傾斜壁134を含む。切欠き端部128は、第1の端部118の直前でシリンジ・バレル112と端壁114とが交差するところでシリンジ・バレル112に配置された切欠き136と流体連通している。切欠き136は、内部チャンバ122内を端壁114から軸方向内向きに延在する。通路端部130は、端壁114を貫通して配置された通路138と流体連通している。いくつかの態様では、チャネル124は、内面126の直径の一部分に沿って延在する。切欠き136、チャネル124、及び通路138は合わさって、下でより詳細に説明する特徴及び機能を有するフラッシング流体流路を形成する。
【0012】
デュアル・チャンバ・シリンジ110はまた、内部チューブ140を含む。内部チューブ140は、ディボット132及び端壁114の内面126を貫通して配置され、内部チャンバ122内を軸方向内向きに延在する。内部チューブ140は内部チャンバ122内で終端となり、シリンジ・カラー116に対して軸方向内側にずらされている。いくつかの態様では、内部チューブ140は、ディボット132及び端壁114の内面126を貫通して実質的に中央に延在し、内部チャンバ122内に中央に配置される。
【0013】
デュアル・チャンバ・シリンジ110はまた、一次ノズル142及び二次ノズル144を含む。一次ノズル142及び二次ノズル144は両方とも、端壁114から軸方向外向きに延在し、内部チャンバ122に対して外側に配置される。いくつかの態様では、二次ノズル144は端壁114に中央に配置される。二次ノズル144は、内部チューブ140と同軸になるように位置合わせされ、内部チューブ140と流体連通している。一次ノズル142は、端壁114において二次ノズル144から半径方向にずらされて(又はオフセットされて)いる。一次ノズル142は、通路138を介して内部チャンバ122の一次チャンバ145と流体連通している。ノズル・ガイド143もまた、端壁114から軸方向外向きに延在し、一次ノズル142及び二次ノズル144の両方を取り囲んで、デュアル・チャンバ・シリンジ110を他の医療用部品に接続しやすくしている。いくつかの態様では、一次ノズル142及び二次ノズル144は、デュアル・チャンバ・シリンジ110をデュアル・ルーメンIVセット(800)に反対向きに又は逆向きに結合することを防ぐために非対称になっている。いくつかの態様では、一次ノズル142及び二次ノズル144は雄ルアー・コネクタである。他の態様では、一次ノズル142は雄ルアー・コネクタで、二次ノズル144は針なしコネクタである。さらに他の態様では、一次ノズル142は針なしコネクタで、二次ノズル144は雄ルアー・コネクタである。
【0014】
さらに、デュアル・チャンバ・シリンジ110は、一次プランジャ146及び二次プランジャ148を含む。一次プランジャ146及び二次プランジャ148が両方とも内部チャンバ122によって受け入れられ、内部チャンバ122内で摺動可能に動くように構成されるように、一次プランジャ146は二次プランジャ148と機械的に関係している。一次プランジャ146は、一次ストッパ150、一次ヘッド152、及び一次ストッパ150と一次ヘッド152との間を延在するロッド154を含む。一次ストッパ150はロッド154の第1のロッド端部156に配置され、一次ヘッド152はロッド154の第2のロッド端部158に配置される。一次チャンバ159が、一次ストッパ150と端壁114の内面126との間に配置されるように、一次プランジャ146は内部チャンバ122内に配置される。一次プランジャ146は、一次ストッパ150を貫通して中央に配置された一次受入穴160を含む。一次内部空洞162が一次受入穴160と位置が合うように、ロッド154は一次ストッパ150から延在し、一次内部空洞162を含む。一次受入穴160及び一次内部空洞162は、デュアル・チャンバ・シリンジ110の内部チューブ140を摺動可能に受け入れるように構成される。いくつかの態様では、内部チューブ140が第1の一次Oリング164によって摺動可能で密封して受け入れられ、一次内部空洞162によって摺動可能に受け入れられるように、第1の一次Oリング164は一次受入穴160に配置される。チャンバ通路166は、ロッド154と一次ストッパ150とが交差するところの直前でロッド154を貫通して配置される。いくつかの態様では、第2の一次Oリング168は、シリンジ・バレル112と密封係合するために一次ストッパ150の周りに配置される。
【0015】
一次プランジャ146は、一次内部空洞162と一次ヘッド152との間でロッド154に配置された係止部材170を含む。特に図6を参照すると、係止部材170は対向するロッド・フランジ172を含む。対向するロッド・フランジ172の各ロッド・フランジはテーパ状タブ174を含み、テーパ状タブ174は半径方向外向きに突出し、一次ヘッド152の方へ軸方向にテーパ状になっている。対向するロッド・フランジ172は、互いの方に半径方向内向きに押し下げ可能である。係止部材170は、一次プランジャ146と解除可能に係止するように二次プランジャ148の構成部品と機械的に関係付けられる。これは、下でより詳細に説明する。
【0016】
二次プランジャ148は、二次ストッパ176、二次ヘッド178、及び二次ストッパ176と二次ヘッド178との間を延在する本体180を含む。二次ストッパ176は本体180の第1の本体端部182に配置され、二次ヘッド178は本体180の第2の本体端部184に配置される。本体180は主セクション186及び首部セクション188を含む。いくつかの態様では、本体180の主セクション186は、プラス記号(例えば+)断面を含む翼部を含む。主セクション186は、テーパ状セクション190で首部セクション188に移行する。いくつかの態様では、首部セクション188は、テーパ状セクション190と二次ヘッド178との間に配置された首部192を含む。首部192は、テーパ状セクション190から二次ヘッド178の方へ順番に、第1の対向するプランジャ・スロット194、第2の対向するプランジャ・スロット196、対向するアクティベータ係止スロット198、及び対向するアクティベータ休止スロット200を含む。さらに、二次プランジャ148は、二次ストッパ176を貫通して中央に配置された二次受入穴201、及び二次ヘッド178を貫通して中央に配置されたヘッド穴202を含む。二次プランジャ148は、二次ストッパ176の二次受入穴201から、二次ヘッド178のヘッド穴202まで延在する二次内部空洞203を含む。二次受入穴201及び二次内部空洞203は、一次プランジャ146のロッド154を摺動可能に受け入れるように構成される。内部チャンバ122内のこのような構成では、内部チャンバ122の二次チャンバ199は、二次ストッパ176と一次ストッパ150との間に配置される。いくつかの態様では、ロッド154が第1の二次Oリング204によって摺動可能で密封して受け入れられ、二次内部空洞203によって摺動可能に受け入れられるように、第1の二次Oリング204は二次受入穴201に配置される。いくつかの態様では、第2の二次Oリング205は、シリンジ・バレル112と密封係合するために二次ストッパ176の周りに配置される。
【0017】
対向する係止フランジ206は、首部192から外向きに突出し、首部192に沿って軸方向に延在する。こぶ208は、対向する係止フランジ206の各係止フランジから半径方向内向きに突出する。こぶ208は、第2の対向するプランジャ・スロット196と位置が合っている。対向する係止フランジ206は互いの方に半径方向内向きに押されるように構成され、その結果、こぶ208は第2の対向するプランジャ・スロット196によって受け入れられる。対向する係止フランジ206は変形可能であり、ピン209aと係合すると、互いから離れるように半径方向外向きに押されるように構成される。例えば、留め具209cが首部192の周りに取外し可能に留められ、対向する係止フランジ206と首部192との間に配置されて、対向する係止フランジ206を半径方向外向きに押すように、ピン209aはプルタブ209bを含んで留め具209cを形成する。対向する係止フランジ206が互いから離れるように半径方向外向きに押されると、こぶ208は、第2の対向するプランジャ・スロット196から半径方向外向きに離れて保持される。
【0018】
二次ヘッド178の中央を凹まされて設けられ、二次内部空洞203及びヘッド穴202と位置合わせされた座210を二次プランジャ148は含む。二次プランジャ148はまたアクティベータ212を含む。アクティベータ212は、アクティベータ本体214、及びアクティベータ本体214に付いているアクティベータ・ヘッド216を含む。アクティベータ本体214は実質的に円筒状であり、アクティベータ本体214に形成された対向するアクティベータ・フランジ218を含む。対向するアクティベータ・フランジ218の各アクティベータ・フランジは、半径方向外向きに突出し軸方向内向きにテーパ状になっているテーパ状タブ220を含む。対向するアクティベータ・フランジ218は、互いの方に半径方向内向きに押し下げ可能である。アクティベータ212が作動させられていない状態では、対向するアクティベータ・フランジ218のテーパ状タブ220が対向するアクティベータ休止スロット200によって受け入れられ、アクティベータ212が作動させられている状態では、テーパ状タブ220が対向するアクティベータ係止スロット198によって受け入れられ、そこに留まり、一方、アクティベータ・ヘッド216が座210によって受け入れられるように、アクティベータ本体214はヘッド穴202によって受け入れられる。さらに、デュアル・チャンバ・シリンジ110が組み立てられるとき、弾性部材222が、アクティベータ・ヘッド216と一次プランジャ146の一次ヘッド152との間の首部192内に配置される。弾性部材222は、アクティベータ212が作動させられていない状態のときは圧縮されていない状態にあり、アクティベータ212が作動させられている状態のときは圧縮された状態にある。
【0019】
図8図10を参照すると、流体送達システム100はまた、デュアル・チャンバ・シリンジ110に結合可能なデュアル・ルーメン静脈内(IV)セット800を含む。デュアル・ルーメンIVセット800は、破線で長さを短縮したことを示して描かれているが、デュアル・ルーメンIVセット800は、限定するものではないが、1メートル、2メートル、3メートルなどを含む任意の長さにすることができることを理解すべきである。デュアル・ルーメンIVセット800は、コネクタ810、バルブ・ハウジング812、バルブ814、一次ルーメン816、二次ルーメン818、及びアダプタ820を含む。コネクタ810は、出口ポート822、及び出口ポート822に流体的に接続されたチャネル824を含む。コネクタ810は、医療器具、例えばカテーテル(図示せず)などと結合するように構成される。流体送達システム100は1つのデュアル・ルーメンIVセット800とともに示されているが、流体送達システム100が、1つのIVセットにおいて複数のデュアル・チャンバ・シリンジによって複数の薬剤を送達するために複数のデュアル・ルーメンIVセットを含むことは本出願の範囲内である。チャネル824はまた、バルブ・ハウジング812に配置されたハウジング通路826に流体的に接続される。いくつかの態様では、チャネル824はハウジング通路826から出口ポート822に向かってテーパ状になっている。ハウジング・ポート828もバルブ・ハウジング812に配置され、ハウジング通路826と流体連通している。一次ルーメン816及び二次ルーメン818のそれぞれの端部はハウジング・ポート828によって受け入れられ、ハウジング・ポート828と流体連通している。一次ルーメン816の他端は、アダプタ820に配置された一次ダクト830と流体連通しており、一方、二次ルーメン818の他端は、一次ダクト830からずらされた、これもアダプタ820に配置された二次ダクト832と流体連通している。
【0020】
バルブ814はバルブ・ハウジング812に配置され、ハウジング・ポート828からバルブ814にかかる圧力が所定のクラッキング圧力(この圧力で、流体はハウジング・ポート828からバルブ814を通ってハウジング通路826に流れることができる)に達するまで、ハウジング通路826からハウジング・ポート828を密閉するように構成される。いくつかの態様では、バルブ814は、限定するものではないが、逆止弁又はサイフォン防止弁などの一方向弁である。所定のクラッキング圧力は、任意の所定の圧力、例えば6.9kPa(1psi(ポンド毎平方インチ))又は3.4kPa(0.5psi)などの圧力で開くように選ぶことができる。
【0021】
アダプタ820はまた、一次隔壁834及び二次隔壁836を含む。一次隔壁834は一次ダクト830に配置される。一次隔壁834は、一次ダクト830の端部に配置されたアダプタ820の一次ポート838を密閉するように構成されて、医療器具と係合していないとき、流体が一次ポート838から一次ダクト830に流れることを防ぐ。しかしながら、アダプタ820がデュアル・チャンバ・シリンジ110に結合されると、一次ノズル142は一次隔壁834と係合して、一次ノズル142からの流体が、一次ポート838を通って一次ダクト830を経て一次ルーメン816に流れることができる。二次隔壁836は二次ダクト832に配置されて、二次ダクト832の端部に配置されたアダプタ820の二次ポート840を密閉するように構成されて、医療器具と係合していないとき、流体が二次ダクト832から二次ポート840に流れることを防ぐ。しかしながら、アダプタ820がデュアル・チャンバ・シリンジ110に結合されると、二次ノズル144は二次隔壁836と係合して、二次ダクト832からの流体が、二次ポート840を通って二次ノズル144に流れることができる。さらに、二次バルブ842は、二次ダクト832に配置されて、流体が二次ルーメン818から二次ダクト832を経て二次ノズル144に流れることを可能にするが、流体が二次ノズル144から二次ルーメン818に反対方向に流れることを防ぐ。いくつかの態様では、二次バルブ842は、限定するものではないが、ダックビル弁又は逆止弁などの一方向弁である。いくつかの態様では、一次ノズル142と二次ノズル144は非対称であるので、一次ノズル142は、一次ポート838によってのみ受け入れられ、二次ポート840が受け入れることはできないように構成され、一方、二次ノズル144は、二次ポート840によってのみ受け入れられ、一次ポート838が受け入れることはできないように構成されて、デュアル・チャンバ・シリンジ110をデュアル・ルーメンIVセット800に反対向き又は逆向きに結合することを防ぐ。
【0022】
アダプタ820はまた、外側の周りに、一次ポート838及び二次ポート840から軸方向内向きにずらして配置された隆起部844を含む。デュアル・チャンバ・シリンジ110とデュアル・ルーメンIVセット800とが結合されて一緒になったとき、隆起部844は、ノズル・ガイド143の内部に配置された座846と取外し可能にスナップ・フィット又は連結するように構成される。いくつかの態様では、手で持つときに握りやすくするために、第1の複数のセレーション848がアダプタ820の外側に配置されている。
【0023】
図11図12を参照すると、流体送達システム100はまた、デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100を含む。デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100は、デュアル・チャンバ・シリンジ110、及びバイアル1112(図17に示す)に結合されるバイアル・アダプタ1110(これも図17に示す)に結合可能である。デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100は、バイアル1112の流体をデュアル・チャンバ・シリンジ110に移すように構成される。デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100は、雄コネクタ1114、一次ノズル受入部1116、二次ノズル受入部1118、及び導管1120を含む。いくつかの態様では、手で持つときに握りやすくするために、第2の複数のセレーション1121がデュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100の外側に配置されている。導管1120はデュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100を貫通して配置され、雄コネクタ1114を一次ノズル受入部1116に流体的に結合する。ノズル座1122は、二次ノズル144と密封係合して、いかなる流体も二次ノズル144を通って流れないように、二次ノズル受入部1118に配置される。デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100はまた、雄コネクタ1114に取外し可能に蓋をする、又は雄コネクタ1114を閉じるために、雄コネクタ1114にヒンジ式に結合された蓋1124を含む。いくつかの態様では、雄コネクタ1114は雄ルアー・コネクタである。雄コネクタ1114は、バイアル・アダプタ1110の雌コネクタと結合するように構成される。一次ノズル受入部1116は、デュアル・チャンバ・シリンジ110の一次ノズル142を嵌合して受け入れるように構成され、二次ノズル受入部1118は、デュアル・チャンバ・シリンジ110の二次ノズル144を嵌合して受け入れるように構成され、一方、デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100の外側に配置されたアダプタ隆起部1126は座846と取外し可能にスナップ・フィット又は連結する。デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100がデュアル・チャンバ・シリンジ110に結合されると、バイアル1112の流体は、バイアル・アダプタ1110、雄コネクタ1114、及び導管1120を経て一次ノズル142を通って一次チャンバ159に引き入れることができる。
【0024】
図13及び図14を参照すると、流体送達システム100はまた、フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300を含む。フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300は、フラッシュ・シリンジ1310(図15に示す)及びデュアル・ルーメンIVセット800のアダプタ820に結合可能である。フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300は、生理的食塩水でデュアル・ルーメンIVセット800をプライミングするために流体をフラッシュ・シリンジ1310から移すように構成される。フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300は、一次アダプタ・ノズル1312、二次アダプタ・ノズル1314、シリンジ・ガイド1316、雌コネクタ1318、一次通路1320、及び二次通路1322を含む。いくつかの態様では、手で持つときに握りやすくするために、第3の複数のセレーション1324が、フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300の外側に配置されている。シリンジ・ガイド1316は、一次アダプタ・ノズル1312及び二次アダプタ・ノズル1314を取り囲んで、一次アダプタ・ノズル1312がアダプタ820の一次ポート838によって受け入れられ、二次アダプタ・ノズル1314が二次ポート840によって受け入れられるようにフラッシュ・シリンジ・アダプタ1300をデュアル・ルーメンIVセット800に結合しやくしている。いくつかの態様では、一次アダプタ・ノズル1312及び二次アダプタ・ノズル1314は非対称であり、その結果、一次アダプタ・ノズル1312は、一次ポート838によってのみ受け入れられ、二次ポート840が受け入れることはできないように構成され、一方、二次アダプタ・ノズル1314は、二次ポート840によってのみ受け入れられ、一次ポート838が受け入れることはできないように構成されて、フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300をデュアル・ルーメンIVセット800に反対向き又は逆向きに結合することを防ぐ。いくつかの態様では、一次アダプタ・ノズル1312及び二次アダプタ・ノズル1314は雄ルアー・コネクタである。他の態様では、一次アダプタ・ノズル1312は雄ルアー・コネクタであり、二次アダプタ・ノズル1314は針なしコネクタである。さらに他の態様では、一次アダプタ・ノズル1312は針なしコネクタであり、二次アダプタ・ノズル1314は雄ルアー・コネクタである。
【0025】
一次通路1320は、一次アダプタ・ノズル1312と、雌コネクタ1318に配置されたアダプタ・ポート1328との間に配置され、それらを流体的に結合する。いくつかの態様では、雌コネクタ1318は雌ルアー・コネクタである。雌コネクタ1318は、フラッシュ・シリンジ1310の雄コネクタと結合するように構成される。いくつかの態様では、フラッシュ・シリンジ1310の雄コネクタは雄ルアー・コネクタである。二次通路1322は、二次アダプタ・ノズル1314と通気孔1330との間に配置され、それらを流体的に結合する。疎液性要素1332は二次通路1322に配置され、空気が二次アダプタ・ノズル1314から入って通気孔1330を通って逃げることができるように構成されているが、疎液性要素1332が液体流体(例えば、フラッシュ・シリンジ1310からの生理的食塩水)と接触したとき、液体流体が通気孔1330から流れ出ることを防ぐ。
【0026】
図15は、プライミング前の状態の、フラッシュ・シリンジ1310とともに使用時のデュアル・ルーメンIVセット800を示し、図16は、プライミング後の状態の、フラッシュ・シリンジ1310とともに使用時のデュアル・ルーメンIVセット800を示す。患者のベッドサイドで行われることがあるデュアル・ルーメンIVセット800のプライミングのために、一次アダプタ・ノズル1312及び二次アダプタ・ノズル1314が一次ポート838及び二次ポート840によってそれぞれ受け入れられ、アダプタ座1326がアダプタ820の隆起部844と取外し可能にスナップ・フィットするように、フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300はデュアル・ルーメンIVセット800に結合される。フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300がデュアル・ルーメンIVセット800に結合された状態で、生理的食塩水を予め充填したデュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100は雌コネクタ1318によってフラッシュ・シリンジ・アダプタ1300に結合される。フラッシュ・シリンジ1310は、アダプタ・ポート1328及び一次通路1320を通して一次ポート838及び一次ダクト830に生理的食塩水を送達する。生理的食塩水は、一次ダクト830から一次ルーメン816を通って、ハウジング・ポート828及びバルブ814に達するまで流れる。バルブ814にかかる圧力が所定のクラッキング圧力より低いと、生理的食塩水は二次ルーメン818及び二次バルブ842を通って流れる。流れ過程中、デュアル・ルーメンIVセット800内の空気は疎水性要素1332を通って通気孔1330から押し出されるが、生理的食塩水が疎水性要素1332に接触すると、疎水性要素1332は、生理的食塩水がさらに流れることを防ぐ。生理的食塩水が疎水性要素1332を通り過ぎて流れることが防がれるので、デュアル・ルーメンIVセット800の残りの部分が生理的食塩水でプライミングされる。デュアル・ルーメンIVセット800が完全にプライミングされた後、カテーテルなどの医療器具に結合することができる。デュアル・ルーメンIVセット800がカテーテルに結合された状態で、疎水性要素1332が、生理的食塩水が流れることを防ぐので、バルブ814にかかる圧力が所定のクラッキング圧力より高くなって、その結果、生理的食塩水がハウジング通路826を通って出口ポート822を出てカテーテルに流れることをバルブ814が許容することによって、フラッシュ・シリンジ1310内の生理的食塩水の残りはフラッシュされる。次いで、フラッシュ・シリンジ・アダプタ1300は、フラッシュ・シリンジ1310とともに、デュアル・ルーメンIVセット800から切り離される。
【0027】
図17は、充填前の状態の、バイアル1112とともに使用時のデュアル・チャンバ・シリンジ110を示し、図18は、バイアル1112を用いて充填した後の状態のデュアル・チャンバ・シリンジ110で、デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100が切り離された状態のデュアル・チャンバ・シリンジ110を示す。ピン209aが首部192の周りに挿入されて対向する係止フランジ206を半径方向外向きに押し、その結果、こぶ208が、第2の対向するプランジャ・スロット196から半径方向外向きに離れて保持される。こぶ208がこのように配置された状態で、係止部材170のテーパ状タブ174は第2の対向するプランジャ・スロット196に取外し可能に受け入れられ、一次プランジャ146を二次プランジャ148に係止する。アクティベータ212が作動させられていない状態では、対向するアクティベータ・フランジ218のテーパ状タブ220は対向するアクティベータ休止スロット200によって受け入れられ、そこに留まり、その結果、弾性部材222は、一次プランジャ146の一次ヘッド152とアクティベータ・ヘッド216との間で圧縮されていない状態にある。この構成によって、一次ストッパ150が、二次チャンバ199に予め充填したい特定の量に従って予め選ぶことができる所定の距離だけ二次ストッパ176からずれるように、一次プランジャ146は二次プランジャ148に係止される。デュアル・チャンバ・シリンジ110は、図17に示すように、二次チャンバ199内を生理的食塩水で予め充填されている。
【0028】
調剤環境などの使用時、デュアル・チャンバ・シリンジ110のアクティベータ212は、アクティベータ・ヘッド216を軸方向内向きに押すことによって作動し、その結果、対向するアクティベータ・フランジ218のテーパ状タブ220は互いに半径方向内向きに押し下げられ、対向するアクティベータ休止スロット200から外れ、対向するアクティベータ係止スロット198によって係止した態様で受け入れられ、一方、アクティベータ・ヘッド216は座210によって受け入れられる。この構成では、弾性部材222は、一次プランジャ146の一次ヘッド152と座210に位置するアクティベータ・ヘッド216との間で圧縮された状態にある。使用する前は弾性部材222を圧縮されていない状態にしておけば、デュアル・チャンバ・シリンジ110の有効期間を延ばすことができる。アクティベータ212を作動させた後、ノズル・ガイド143によって、容易に、一次ノズル142が一次ノズル受入部1116に嵌合して挿入され、二次ノズル144が二次ノズル受入部1118に嵌合して挿入され、アダプタ隆起部1126が座846と取外し可能にスナップ・フィット又は連結するように、デュアル・チャンバ・シリンジ110はデュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100に結合される。二次ノズル144が二次ノズル受入部1118によって受け入れられ、ノズル座1122に着座している状態で、流体をバイアル1112からデュアル・チャンバ・シリンジ110に移している間は、生理的食塩水が偶発的に二次チャンバ199から流れ出ることが防がれる。
【0029】
デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100がデュアル・チャンバ・シリンジ110に結合された状態では、雄コネクタ1114は、バイアル1112に結合されたバイアル・アダプタ1110に結合されている。一次プランジャ146が二次プランジャ148に係止されているとき、二次ヘッド178をシリンジ・カラー116から軸方向に離すように引っ張ると、二次チャンバ199、内部チューブ140、及び一次内部空洞162内の生理的食塩水を乱すことなく、バイアル1112内の流体(例えば薬)が、デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100及び一次ノズル142を通り通路138を経て一次チャンバ159に引き入れられる。所望の量の薬を一次チャンバ159に引き入れると、図18に示すように、デュアル・チャンバ・シリンジ・アダプタ1100をデュアル・チャンバ・シリンジ110から切り離すことができる。
【0030】
図19は、薬物をプライミングする前の状態で、デュアル・ルーメンIVセット800とともに使用時の流体送達システム100のデュアル・チャンバ・シリンジ110を示す。デュアル・ルーメンIVセット800は生理的食塩水でプライミングされ、カテーテル1910に流体的に結合されている。デュアル・ルーメンIVセット800はまた、シリンジ・ポンプ1920と機械的に係合しているデュアル・チャンバ・シリンジ110に流体的に結合されている。シリンジ・ポンプ1920は確実にシリンジ・バレル112を支持しながら、シリンジ・ポンプ1920はまた、二次ヘッド178と機械的に係合して、二次プランジャ148の軸方向の動きを選択的に制御する。
【0031】
デュアル・チャンバ・シリンジ110及びデュアル・ルーメンIVセット800は、薬物をプライミングする前の状態から、図20に示すように薬物をプライミングした後の状態に移行する。この移行は、首部192からピン209aを外すことを含み、その結果、対向する係止フランジ206は互いの方へ半径方向に向かい、こぶ208は、係止部材170のテーパ状タブ174と係合して、テーパ状タブ174を第2の対向するプランジャ・スロット196から外す。二次ヘッド178がシリンジ・ポンプ1920によって定位置に保持されている状態で、テーパ状タブ174が第2の対向するプランジャ・スロット196から外れる又は離座することによって、圧縮された状態の弾性部材222は一次ヘッド152を押すことができ、それによって一次プランジャ146は端壁114の方へ軸方向に押される。一次プランジャ146が端壁114の方へ軸方向に押されると、一次チャンバ159内の薬物は、通路138を通り、一次ノズル142を出て、一次ダクト830に入り、一次ルーメン816に押し込まれる。同時に、バルブ814にかかる圧力が所定のクラッキング圧力より低いので、薬物は、デュアル・ルーメンIVセット800内でプライミングされた生理的食塩水を移動させ、生理的食塩水は、二次ポート840を出て、二次ノズル144を通って、内部チューブ140、一次内部空洞162、及びチャンバ通路166を経て二次チャンバ199を満たす。一次プランジャ146は、テーパ状タブ174が第1の対向するプランジャ・スロット194によって受け入れられ、そこに留まり、それによって弾性部材222が一次プランジャ146をさらに押すことがなくなるまで、デュアル・ルーメンIVセット800を薬物でプライミングし続ける。
【0032】
デュアル・チャンバ・シリンジ110及びデュアル・ルーメンIVセット800は、薬物をプライミングした後の状態から、図21に示すように、フラッシング前の状態に移行する。この移行は、シリンジ・ポンプ1920が二次プランジャ148の二次ヘッド178を端壁114の方へ軸方向に動かして、一次チャンバ159に残っている薬物を、通路138及び一次ノズル142を通して一次ダクト830及び一次ルーメン816に送達することを含む。生理的食塩水が二次チャンバ199から二次ルーメン818に流れることを二次バルブ842が防ぐので、二次プランジャ148が軸方向に動かされると、バルブ814にかかる圧力が上昇し、所定のクラッキング圧力より高くなり、その結果、二次プランジャ148が軸方向に動くと、薬物は、バルブ814を通過して、チャネル824及び出口ポート822を経てハウジング通路826に入りカテーテル1910に押し込められる。二次プランジャ148が端壁114の方へ軸方向に動かされると、テーパ状タブ174は第1の対向するプランジャ・スロット194から離座し、第2の対向するプランジャ・スロット196の方へ動かされる。
【0033】
一次ストッパ150が端壁114の内面126に当接すると、デュアル・チャンバ・シリンジ110及びデュアル・ルーメンIVセット800は、フラッシング前の状態から、図22に示すように、フラッシング後の状態に移行する。この移行は図23図26に示される。図23はフラッシング前の状態を示し、一次ストッパ150が端壁114の内面126に当接し、薬物がチャネル124及び切欠き136にある。第2の一次Oリング168は切欠き136を密閉し、薬物が二次チャンバ199に流入することを防ぐ。移行時、二次プランジャ148が端壁114の方へ軸方向に動かし続けられると、第2の一次Oリング168にかかる圧力が上昇し、その結果、二次チャンバ199内の生理的食塩水が、第2の一次Oリング168を通過し、切欠き136を通ってチャネル124に押し込められ、それによって、薬物が、通路138を経て一次ノズル142に押し込められる。シリンジ・ポンプ1920は二次プランジャ148を軸方向に動かし続け、その結果、生理的食塩水は二次チャンバ199から押し出され、薬物をチャネル124から追い出す。このようにして、生理的食塩水は、薬物を一次ルーメン816の中を押し出し、その結果、薬物の全てが患者に送達され、デュアル・ルーメンIVセット800が生理的食塩水でプライミングされる。
【0034】
いくつかの態様では、デュアル・チャンバ・シリンジは、二次チャンバ199内に生理的食塩水が予め入れられている。いくつかの態様では、二次チャンバ199は、デュアル・ルーメンIVセット800からプライミング溶液を受け入れるように構成されるが、これは、予備フラッシングのために使用するものではない。いくつかの態様では、二次チャンバ199は、デュアル・ルーメンIVセット800からプライミング溶液を受け入れているとき、二次プランジャ148を止めるように構成され、デュアル・チャンバ・シリンジ110が薬物を注入する準備ができていることを示すように構成される。いくつかの態様では、流体送達システム100は、プライミング中に流体が患者に送達されることを防ぐためにバルブ係止部を含む。いくつかの態様では、プライミング量は0.1mLきざみで選ぶことができる。いくつかの態様では、二次プランジャ148は、シリンジ・ポンプ・パドルとの摩擦を保ちながら、プランジャ・ロッドが回転して係合を解除することを可能にするように回転するプランジャ・ハンドル・ベースを含む。いくつかの態様では、二次プランジャ148は、注入が中断されず、人との相互作用を必要としないように、ピン209aを用いる代わりに、特定のプランジャ深さで自動的に解除される。いくつかの態様では、流体送達システム100は、通気性フィルタを経て残留気泡を排出するために通気孔を含む。いくつかの態様では、流体送達システム100は、プランジャの移動を制限するピンによってプライミング量を予め設定し制限するように構成される。
【0035】
(条項としての主題技術の説明)
便宜的に、本開示の態様の様々な実例を番号付きの条項(1、2、3など)として説明する。これらは、例として提供され、主題技術を限定するものではない。図及び参照番号は、単なる例として、及び説明のために以下に識別され、これらの条項はこれらの識別によって限定されるものではない。
【0036】
条項1)端壁と、一次ストッパを有する一次プランジャであって、前記一次ストッパが前記端壁とともに一次チャンバを形成する、一次プランジャと、前記一次プランジャと機械的に関係する二次プランジャであって、前記一次ストッパとともに二次チャンバを形成する二次ストッパを有する二次プランジャと、前記端壁から延在する一次ノズルであって、前記一次チャンバと流体連通する一次ノズルと、前記端壁から延在する二次ノズルであって、前記二次チャンバと流体連通する二次ノズルとを有するデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0037】
条項2)前記二次ノズルが前記端壁から中央に延在する、条項1に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0038】
条項3)前記一次ノズルが前記二次ノズルから半径方向にずらされて(又はオフセットされて)いる、条項2に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0039】
条項4)前記一次ノズルと前記二次ノズルが非対称である、条項1から3までのいずれか一条項に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0040】
条項5)前記端壁から延在して、前記一次ノズル及び前記二次ノズルを取り囲むノズル・ガイドをさらに有する、条項1から4までのいずれか一条項に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0041】
条項6)前記一次プランジャが前記二次プランジャに係止(ロック)可能である、条項1から5までのいずれか一条項に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0042】
条項7)前記端壁がチャネルを有する、条項1から6までのいずれか一条項に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0043】
条項8)前記デュアル・チャンバ・シリンジがフラッシング前の状態からフラッシングの状態に移行しているとき、前記二次チャンバが、前記チャネルを介して前記一次ノズルと流体連通している、条項7に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0044】
条項9)前記二次ノズルが、前記端壁から延在している内部チューブを介して前記二次チャンバと流体連通している、条項1から8までのいずれか一条項に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0045】
条項10)前記内部チューブが、前記一次プランジャの一次内部空洞(一次内部キャビティ)によって受け入れられている、条項9に記載のデュアル・チャンバ・シリンジ。
【0046】
条項11)一次ダクト及び二次ダクトを有するアダプタと、ハウジング・ポート及びハウジング通路を有するバルブ・ハウジングと、前記一次ダクト及び前記ハウジング・ポートと流体連通する一次ルーメンと、前記二次ダクト及び前記ハウジング・ポートと流体連通する二次ルーメンと、前記バルブ・ハウジングに配置され、クラッキング圧力を有するバルブであって、前記バルブにかかる圧力が前記クラッキング圧力より低いとき、流体が前記ハウジング・ポートから前記ハウジング通路に流れることを防ぐように構成され、前記バルブにかかる圧力が前記クラッキング圧力より高いとき、流体が前記ハウジング・ポートから前記ハウジング通路に流れることができるように構成されたバルブとを有するマルチ・ルーメン静脈内(IV)セット。
【0047】
条項12)前記バルブにかかる圧力が前記クラッキング圧力より低いとき、前記一次ルーメンが前記二次ルーメンと流体連通している、条項11に記載のマルチ・ルーメンIVセット。
【0048】
条項13)前記一次ダクトに配置された一次隔壁(一次セプタム)と、前記二次ダクトに配置された二次隔壁(二次セプタム)とをさらに有する、条項11又は12に記載のマルチ・ルーメンIVセット。
【0049】
条項14)医療器具と係合していないとき、前記一次ダクトに配置された一次ポートを密閉して、流体が前記一次ポートから前記一次ダクトに流れることを防ぐように前記一次隔壁が構成され、前記医療器具と係合しているとき、流体が前記一次ポートから前記一次ダクトに流れることができるように前記一次隔壁が構成され、前記医療器具と係合していないとき、前記二次ダクトに配置された二次ポートを密閉して、流体が前記二次ポートから前記二次ダクトに流れることを防ぐように前記二次隔壁が構成され、前記医療器具と係合しているとき、流体が前記二次ポートから前記二次ダクトに流れることができるように前記二次隔壁が構成された、条項13に記載のマルチ・ルーメンIVセット。
【0050】
条項15)前記二次ダクトに配置された二次バルブであって、流体が前記二次ルーメンから前記二次ポートに流れることができ、流体が前記二次ポートから前記二次ルーメンに流れることを防ぐように構成された二次バルブをさらに有する、条項14に記載のマルチ・ルーメンIVセット。
【0051】
条項16)前記二次バルブが逆止弁である、条項15に記載のマルチ・ルーメンIVセット。
【0052】
条項17)前記一次ポートと前記二次ポートが非対称である、条項14から16に記載のマルチ・ルーメンIVセット。
【0053】
条項18)端壁と、一次ストッパを有する一次プランジャであって、前記一次ストッパが前記端壁とともに一次チャンバを形成する、一次プランジャと、前記一次プランジャと機械的に関係する二次プランジャであって、前記一次ストッパとともに二次チャンバを形成する二次ストッパを有する二次プランジャと、前記端壁から延在する一次ノズルであって、前記一次チャンバと流体連通する一次ノズルと、前記端壁から延在する二次ノズルであって、前記二次チャンバと流体連通する二次ノズルとを有するデュアル・チャンバ・シリンジ、並びに、一次ポート及び二次ポートを有するアダプタであって、前記一次ポートが前記一次ノズルに流体的に結合され、前記二次ポートが前記二次ノズルに流体的に結合された、アダプタと、ハウジング・ポート及びハウジング通路を有するバルブ・ハウジングと、前記アダプタに配置された一次ダクトと流体連通し、前記ハウジング・ポートと流体連通する一次ルーメンと、前記アダプタに配置された二次ダクトと流体連通し、前記ハウジング・ポートと流体連通する二次ルーメンと、前記バルブ・ハウジングに配置され、クラッキング圧力を有するバルブであって、前記バルブにかかる圧力が前記クラッキング圧力より低いとき、流体が前記ハウジング・ポートから前記ハウジング通路に流れることを防ぐように構成され、前記バルブにかかる圧力が前記クラッキング圧力より高いとき、流体が前記ハウジング・ポートから前記ハウジング通路に流れることができるように構成されたバルブとを有するマルチ・ルーメン静脈内セットを有する流体送達システム。
【0054】
条項19)前記一次プランジャが、前記一次プランジャを前記二次プランジャに取外し可能に係止するように構成された係止部材を有する、条項18に記載の流体送達システム。
【0055】
条項20)流体が前記二次ルーメンから前記二次ポートに流れることができ、流体が前記二次ポートから前記二次ルーメンに流れることを防ぐように構成された二次バルブが前記二次ダクトに配置された、条項18又は19に記載の流体送達システム。
【0056】
前述の説明は、当業者が本書に記載された様々な構成を実施することができるように提供されている。主題技術は、特に様々な図及び構成を参照して説明されてきたが、これらは単に例示する目的であり、主題技術の範囲を限定するものとして受け止めてはならないことを理解すべきである。
【0057】
本主題技術を実施するには他の多くの方法があり得る。本書で説明された様々な機能及び要素は、本主題技術の範囲から逸脱することなく示されたものとは異なるように区分されてもよい。これらの構成に対する様々な変更は当業者には容易に明らかとなり、本書で規定される一般的な原理は他の構成に適用してもよい。従って、当業者であれば、本主題技術の範囲から逸脱することなく、本主題技術に多くの変形及び変更を加えることができる。
【0058】
本書では、一連の項目に先行する語句「少なくとも1つ」は、これらの項目のいずれかを分離するための用語「及び」又は「又は」とともに、列挙した各要素(すなわち各項目)よりもむしろ、列挙したものを全体として修飾する。語句「少なくとも1つ」は、列挙された各項目の少なくとも1つを選択することを必要とせず、むしろ、この語句は、これらの項目のいずれか1つの少なくとも1つ、及び/又はこれらの項目の任意の組み合わせの少なくとも1つ、及び/又はこれらの項目のそれぞれの少なくとも1つを含むことを意味することができる。例として、語句「A、B、及びCの少なくとも1つ」又は「A、B、又はCの少なくとも1つ」はそれぞれ、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B、及びCの任意の組み合わせ、及び/又はA、B、及びCのそれぞれの少なくとも1つを指す。
【0059】
さらに、用語「含む(include)」、「有する(have)」などが発明を実施するための形態又は特許請求の範囲で使用される限り、そのような用語は、「有する(comprise)」が請求項内の移行語として使用されるときに解釈されるときの用語「有する(comprise)」と同様に包括的であることが意図されている。単語「例示的」は、本書では、「実例、事例、又は説明として役立つこと」を意味するように使用されている。本書で「例示的」と記載された実施例は、必ずしも他の実施例よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。
【0060】
単数形の要素への参照は、具体的に述べられていない限り「1つであり1つだけ」を意味するものではなく、むしろ「1つ又は複数」を意味することを意図する。用語「いくつか」は、1つ又は複数を指す。当業者に知られているか又は後に知られる本開示全体を通して記載された様々な構成の要素に対する全ての構造的及び機能的均等物は、参照により本書に明確に組み込まれ、本主題技術によって包含されるように意図される。さらに、本書に開示されたものは、そのような開示が上記の説明に明示的に列挙されているか否かに関わらず、公共に供されることを意図しているものではない。
【0061】
本主題技術の特定の態様及び実施例を説明してきたが、これらは単なる例として提示し、本主題技術の範囲を限定することを意図していない。実際、本書で説明した新奇の方法及びシステムは、本書の趣旨から逸脱することなく様々な他の形態で具現化することができる。添付の請求項及びそれらの等価物は、本主題技術の範囲及び趣旨内にあるそのような形態又は変更を包含するように意図されている。
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