(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】側部取出し熱ポンプ還流システムおよび方法を用いた単一塔窒素排除ユニット
(51)【国際特許分類】
F25J 3/02 20060101AFI20231122BHJP
F25J 3/06 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
F25J3/02 B
F25J3/06
(21)【出願番号】P 2021562837
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(86)【国際出願番号】 US2020028093
(87)【国際公開番号】W WO2020219299
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-10-19
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518414306
【氏名又は名称】チャート・エナジー・アンド・ケミカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ピーター・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】デュコート,ダグラス・エイ,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】グシャナス,ティモシー・ピー
【審査官】瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特表平06-503608(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00725256(EP,A1)
【文献】特表2012-514180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 3/00-3/08
C01L 3/00-3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガス流体供給流から窒素を除去するためのシステムであって、
a.主供給冷却通路と、引き出された蒸気加温通路と、主還流流冷却通路と、還流蒸気冷却通路と、窒素蒸気戻り通路とを含む主熱交換器であって、前記主供給冷却通路は、入口と、出口とを含み、前記主供給冷却通路の前記入口は、前記天然ガス流体供給流を受けるように構成される、主熱交換器と、
b.供給入口と、戻り蒸気出口と、側部蒸気出口ポートと、第1および第2の還流入口ポートと、下部液体出口とを含む蒸留塔であって、前記側部蒸気出口ポート、ならびに、前記第1および第2の還流入口ポートは、前記供給入口と、前記戻り蒸気出口との間に配置され、
c.前記蒸留塔の前記供給入口は、前記主熱交換器の前記主供給冷却通路の前記出口から流体流を受けるように構成され、前記蒸留塔の前記側部蒸気出口ポートは、前記主熱交換器の前記引き出された蒸気加温通路に蒸気を提供するように構成され、前記蒸留塔の前記戻り蒸気出口は、前記主熱交換器の前記窒素蒸気戻り通路に窒素蒸気を提供するように構成され、前記蒸留塔の前記第1の還流入口ポートは、前記主熱交換器の前記還流蒸気冷却通路と流体連通している、蒸留塔と、
d.前記主熱交換器の前記引き出された蒸気加温通路から流体を受け、圧縮するように構成される還流圧縮器と、
e.前記還流圧縮器から流体を受け、冷却し、前記主熱交換器の前記主還流流冷却通路に、冷却された流体を導くように構成される、還流後置冷却器と、
f.前記主熱交換器の前記主還流流冷却通路から流体を受けるように構成される還流分離デバイスであって、前記還流分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを有し、前記還流分離デバイスの前記蒸気出口は、前記主熱交換器の前記還流蒸気冷却通路に流体を導くように構成され、前記還流分離デバイスの前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第2の還流入口ポートに流体を導くように構成される、還流分離デバイスと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記主熱交換器は、蒸気一部分冷却通路をさらに含み、前記蒸留塔の前記供給入口は、第1の供給入口と、第2の供給入口とを含み、前記システムは、
g.前記主熱交換器の前記主供給冷却通路から、冷却された天然ガス流体供給流を受け、部分的に凝縮させるように構成される、膨張デバイスと、
h.前記膨張デバイスから混合相流を受けるように構成される主供給分離デバイスであって、前記主供給分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを含み、前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第1の供給入口に液体流を導くように構成され、
i.前記蒸気一部分冷却通路は、前記主供給分離デバイスの前記蒸気出口から蒸気流を受け、冷却し、前記蒸留塔の前記第2の供給入口に、結果的に生じる冷却された流を導くように構成される、主供給分離デバイスと
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記還流分離デバイスは、暖還流分離デバイスであり、前記主熱交換器の前記還流蒸気冷却通路は、暖還流蒸気冷却通路であり、前記主熱交換器は、冷還流蒸気冷却通路をさらに含み、前記蒸留塔は、第3の還流入口ポートをさらに含み、前記システムは、蒸気出口と、液体出口とを有する冷還流分離デバイスをさらに備え、
前記冷還流分離デバイスは、前記主熱交換器の前記暖還流蒸気冷却通路から混合相流体流を受けるように構成され、前記冷還流分離デバイスの前記蒸気出口は、前記冷還流蒸気冷却通路に蒸気流を導くように構成され、前記冷還流蒸気冷却通路は、前記主熱交換器内で冷却をもたらすために蒸気流を凝縮させ、前記蒸留塔の前記第3の還流入口ポートに液体流を導くように構成され、前記冷還流分離デバイスの前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第1の還流入口ポートに液体流を導くように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記蒸留塔は、再沸器入口ポートを含み、前記主熱交換器は、冷却が前記主熱交換器内でもたらされるように、前記蒸留塔の前記下部液体出口から液体流を受け、少なくとも部分的に気化させるように構成される再沸器通路を含み、前記再沸器通路は、さらには、前記蒸留塔の前記再沸器入口ポートに流体流を戻すように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記主熱交換器は、下部液体加温通路をさらに含み、前記システムは、前記蒸留塔の前記下部液体出口から液体流を受け、前記下部液体加温通路に前記液体流を送り込むように構成されるポンプであって、前記下部液体加温通路において、前記液体流は、前記主熱交換器内で冷却をもたらすように加温される、ポンプをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記主熱交換器は、蒸気一部分冷却通路と、ヘリウム冷却化回収通路とをさらに含み、前記蒸留塔の前記供給入口は、第1の供給入口と、第2の供給入口とを含み、前記システムは、
g.前記主熱交換器の前記主供給冷却通路から、冷却された天然ガス流体供給流を受け、部分的に凝縮させるように構成される、膨張デバイスと、
h.前記膨張デバイスから混合相流を受けるように構成される主供給分離デバイスであって、前記主供給分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを含み、前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第1の供給入口に液体流を導くように構成され、
i.前記蒸気一部分冷却通路は、前記主供給分離デバイスの前記蒸気出口から蒸気流を受け、冷却するように構成される、主供給分離デバイスと、
j.前記主熱交換器の前記蒸気一部分冷却通路から混合相流を受けるように構成されるヘリウム分離デバイスであって、前記ヘリウム分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを含み、前記液体出口は、前記蒸留塔と流体連通しており、前記蒸気出口は、前記ヘリウム冷却化回収通路にヘリウム蒸気を導くように構成され、前記ヘリウム冷却化回収通路において、前記ヘリウム蒸気は、冷却が前記主熱交換器内でもたらされるように加温される、ヘリウム分離デバイスと、
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記主熱交換器は、下部液体加温通路をさらに含み、前記システムは、
g.前記蒸留塔の前記下部液体出口から液体流を受け、前記下部液体加温通路に前記液体流を送り込むように構成されるポンプであって、前記下部液体加温通路において、前記液体流は、タイヤ主熱交換器内で冷却をもたらすように加温される、ポンプと、
h.前記主熱交換器の前記下部液体加温通路から流体流を受けるように構成される、メタン圧縮器と、
i.前記メタン圧縮器から、圧縮された流体流を受けるように構成される、メタン圧縮器後置冷却器と
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
天然ガス流体供給流から窒素を除去するためのシステムであって、
a.主供給冷却通路と、引き出された蒸気加温通路と、主還流流冷却通路と、還流蒸気冷却通路と、窒素蒸気戻り通路とを含む主熱交換器であって、前記主供給冷却通路は、入口と、出口とを含み、前記主供給冷却通路の前記入口は、前記天然ガス流体供給流を受けるように構成される、主熱交換器と、
b.供給入口と、戻り蒸気出口と、側部蒸気出口ポートと、第1および第2の還流入口ポートと、下部液体出口とを含む蒸留塔であって、前記側部蒸気出口ポート、ならびに、前記第1および第2の還流入口ポートは、前記供給入口と、前記戻り蒸気出口との間に配置され、
c.前記蒸留塔の前記供給入口は、前記主熱交換器の前記主供給冷却通路の前記出口から流体流を受けるように構成され、前記蒸留塔の前記側部蒸気出口ポートは、前記主熱交換器の前記引き出された蒸気加温通路に蒸気を提供するように構成され、前記蒸留塔の前記戻り蒸気出口は、前記主熱交換器の前記窒素蒸気戻り通路に窒素蒸気を提供するように構成され、前記蒸留塔の前記第1の還流入口ポートは、前記主熱交換器の前記還流蒸気冷却通路と流体連通している、蒸留塔と、
d.前記主熱交換器の前記引き出された蒸気加温通路から流体を受けるように構成される還流圧縮器と、
e.前記還流圧縮器から流体を受け、冷却し、前記主熱交換器の前記主還流流冷却通路に、冷却された流体を導くように構成される、還流後置冷却器と、
f.前記主熱交換器の前記主還流流冷却通路から流体を受けるように構成される還流分離デバイスであって、前記還流分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを有し、前記還流分離デバイスの前記蒸気出口は、前記主熱交換器の前記還流蒸気冷却通路に流体を導くように構成され、前記還流分離デバイスの前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第2の還流入口ポートに流体を導くように構成され、
前記主熱交換器の前記窒素蒸気戻り通路、および、前記引き出された蒸気加温通路は、前記主熱交換器の前記主供給冷却通路、前記主還流流冷却通路、および前記還流蒸気冷却通路を冷却するように構成される、還流分離デバイスと、
を備える、システム。
【請求項9】
前記主熱交換器は、蒸気一部分冷却通路をさらに含み、前記蒸留塔の前記供給入口は、第1の供給入口と、第2の供給入口とを含み、前記システムは、
g.前記主熱交換器の前記主供給冷却通路から、冷却された天然ガス流体供給流を受け、部分的に凝縮させるように構成される、膨張デバイスと、
h.前記膨張デバイスから混合相流を受けるように構成される主供給分離デバイスであって、前記主供給分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを含み、前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第1の供給入口に液体流を導くように構成され、
i.前記蒸気一部分冷却通路は、前記主供給分離デバイスの前記蒸気出口から蒸気流を受け、冷却し、前記蒸留塔の前記第2の供給入口に、結果的に生じる冷却された流を導くように構成される、主供給分離デバイスと
をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記還流分離デバイスは、暖還流分離デバイスであり、前記主熱交換器の前記還流蒸気冷却通路は、暖還流蒸気冷却通路であり、前記主熱交換器は、冷還流蒸気冷却通路をさらに含み、前記蒸留塔は、第3の還流入口ポートをさらに含み、前記システムは、蒸気出口と、液体出口とを有する冷還流分離デバイスをさらに備え、
前記冷還流分離デバイスは、前記主熱交換器の前記暖還流蒸気冷却通路から混合相流体流を受けるように構成され、前記冷還流分離デバイスの前記蒸気出口は、前記冷還流蒸気冷却通路に蒸気流を導くように構成され、前記冷還流蒸気冷却通路は、前記主熱交換器内で冷却をもたらすために蒸気流を凝縮させ、前記蒸留塔の前記第3の還流入口ポートに液体流を導くように構成され、前記冷還流分離デバイスの前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第1の還流入口ポートに液体流を導くように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記蒸留塔は、再沸器入口ポートを含み、前記主熱交換器は、冷却が前記主熱交換器内でもたらされるように、前記蒸留塔の前記下部液体出口から液体流を受け、少なくとも部分的に気化させるように構成される再沸器通路を含み、前記再沸器通路は、さらには、前記蒸留塔の前記再沸器入口ポートに流体流を戻すように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記主熱交換器は、下部液体加温通路をさらに含み、前記システムは、前記蒸留塔の前記下部液体出口から液体流を受け、前記下部液体加温通路に前記液体流を送り込むように構成されるポンプであって、前記下部液体加温通路において、前記液体流は、前記主熱交換器内で冷却をもたらすように加温される、ポンプをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記主熱交換器は、蒸気一部分冷却通路と、ヘリウム冷却化回収通路とをさらに含み、前記蒸留塔の前記供給入口は、第1の供給入口と、第2の供給入口とを含み、前記システムは、
g.前記主熱交換器の前記主供給冷却通路から、冷却された天然ガス流体供給流を受け、部分的に凝縮させるように構成される、膨張デバイスと、
h.前記膨張デバイスから混合相流を受けるように構成される主供給分離デバイスであって、前記主供給分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを含み、前記液体出口は、前記蒸留塔の前記第1の供給入口に液体流を導くように構成され、
i.前記蒸気一部分冷却通路は、前記主供給分離デバイスの前記蒸気出口から蒸気流を受け、冷却するように構成される、主供給分離デバイスと、
j.前記主熱交換器の前記蒸気一部分冷却通路から混合相流を受けるように構成されるヘリウム分離デバイスであって、前記ヘリウム分離デバイスは、蒸気出口と、液体出口とを含み、前記液体出口は、前記蒸留塔と流体連通しており、前記蒸気出口は、前記ヘリウム冷却化回収通路にヘリウム蒸気を導くように構成され、前記ヘリウム冷却化回収通路において、前記ヘリウム蒸気は、冷却が前記主熱交換器内でもたらされるように加温される、ヘリウム分離デバイスと、
をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記主熱交換器は、下部液体加温通路をさらに含み、前記システムは、
g.前記蒸留塔の前記下部液体出口から液体流を受け、前記下部液体加温通路に前記液体流を送り込むように構成されるポンプであって、前記下部液体加温通路において、前記液体流は、前記主熱交換器内で冷却をもたらすように加温される、ポンプと、
h.前記主熱交換器の前記下部液体加温通路から流体流を受けるように構成される、メタン圧縮器と、
i.前記メタン圧縮器から、圧縮された流体流を受けるように構成される、メタン圧縮器後置冷却器と、
をさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項15】
還流循環使用弁を含む還流循環使用管路をさらに備え、前記還流循環使用管路は、前記還流分離デバイスの前記液体出口と液体連通しており、追加的な冷却化が前記主熱交換器内でもたらされるように、前記還流循環使用弁が開いているときに、前記還流分離デバイスからの流体流が、前記主熱交換器の還流循環使用通路を通して導かれ、結果的に生じる加温された流体流が、前記還流圧縮器のサクション入口内へと導かれるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記還流循環使用通路は、前記主熱交換器の前記引き出された蒸気加温通路を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
天然ガス流体供給流から窒素を除去する方法であって、
a.主熱交換器内で前記天然ガス流体供給流を冷却するステップと、
b.蒸留塔に、前記冷却された天然ガス流体供給流を導くステップと、
c.前記蒸留塔の側部から蒸気を引き出すステップと、
d.冷却化が前記主熱交換器内でもたらされるように、前記主熱交換器を使用して、前記引き出された蒸気を加温するステップと、
e.前記加温された引き出された蒸気を圧縮するステップと、
f.第1の混合相還流流を形成するために、前記圧縮された引き出された蒸気を冷却し、部分的に凝縮させるステップと、
g.前記第1の混合相還流流を、第1の液体還流流、および、第1の蒸気還流流へと分離するステップと、
h.前記蒸留塔に前記第1の液体還流流を導くステップと、
i.第2の還流流が形成されるように、前記第1の蒸気還流流を冷却するステップと、
j.前記蒸留塔に前記第2の還流流を導くステップと、
k.前記蒸留塔から前記主熱交換器に窒素蒸気戻り流を導くステップと、
l.冷却化が前記主熱交換器内でもたらされるように、前記主熱交換器を使用して、前記窒素蒸気戻り流を加温するステップと、
m.前記蒸留塔の下部から液体を引き出すステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
ステップi.は、前記第2の還流流が第2の液体還流流であるように、前記第1の蒸気還流流を凝縮させるステップを含む、請求項17に記載のタイヤ方法。
【請求項19】
ステップb.は、
i)前記冷却された天然ガス流体供給流を、蒸気供給流および液体供給流へと分離するステップ
をさらに含み、
ii)前記蒸留塔に、前記蒸気供給流および前記液体供給流を導いた、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
ステップi.は、前記第2の還流流が第2の混合相還流流であるように、前記第1の蒸気還流流を部分的に凝縮させるステップを含み、ステップj.は、
i)第2の蒸気還流流、および、第2の液体還流流を形成するために、前記第2の混合相還流流を分離するステップと、
ii)前記主熱交換器に前記第2の蒸気還流流を導くステップと、
iii)第3の液体還流流が形成されるように、前記主熱交換器内で前記第2の蒸気還流流を凝縮させるステップと、
iv)前記蒸留塔に、前記第2および第3の液体還流流を導くステップと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
[0001]本出願は、2019年4月23日に出願された米国仮出願第62/837,439号の利益を主張するものであり、その米国仮出願の内容は、ここに参照によって組み込まれている。
【0002】
[0002]本発明は、一般的には、天然ガスまたは液体天然ガス流から窒素を除去するためのシステムおよび方法、ならびに、より詳しくは、熱ポンプシステムを使用して、追加的な冷却化(refrigeration)をもたらす、天然ガスまたは液体天然ガス流から窒素を除去するためのシステムおよび方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
[0003]天然ガス液化工程の間に、それらの工程より前に、またはそれらの工程の後に、天然ガスまたは液体天然ガスの供給流から窒素を除去することがしばしば必要である。このことは、精製または窒素回収要件に起因して行われ得る。供給流から除去される窒素は、燃料として、もしくは他の用途において使用され、または大気に放出され得る。天然ガスまたは液体天然ガス供給流のそのような処理のための窒素排除ユニット(NRU)の使用が、当技術分野において知られているが、効率における増大、および低減された電力所要量が望ましい。
【発明の概要】
【0004】
[0004]下記で説明され、請求されるデバイスおよびシステムにおいて、別個に、または一体で実施され得る、本主題のいくつかの態様が存在する。これらの態様は、単独で、または本明細書において説明される主題の他の態様との組合せで用いられ得るものであり、一体でのこれらの態様の説明は、別個でのこれらの態様の使用、または本明細書に添付される特許請求の範囲において論述されるような、別個での、もしくは異なる組合せでの、そのような態様の請求を除外することを意図されない。
【0005】
[0005]1つの態様において、天然ガス流体供給流から窒素を除去するためのシステムは、主供給冷却通路と、引き出された蒸気加温通路と、主還流流冷却通路と、還流蒸気冷却通路と、窒素蒸気戻り通路とを含む主熱交換器を含み、主供給冷却通路は、入口と、出口とを含み、主供給冷却通路の入口は、天然ガス流体供給流を受けるように構成される。蒸留塔が、供給入口と、戻り蒸気出口と、側部蒸気出口ポートと、第1および第2の還流入口ポートと、下部液体出口とを含み、側部蒸気出口ポート、ならびに第1および第2の還流入口ポートは、供給入口と、戻り蒸気出口との間に配置される。蒸留塔の供給入口は、主熱交換器の主供給冷却通路の出口から流体流を受けるように構成される。蒸留塔の側部蒸気出口ポートは、主熱交換器の引き出された蒸気加温(wanning)通路に蒸気を提供するように構成される。蒸留塔の戻り蒸気出口は、主熱交換器の上記窒素蒸気戻り通路に窒素蒸気を提供するように構成される。蒸留塔の第1の還流入口ポートは、主熱交換器の還流蒸気冷却通路と流体連通している。還流圧縮器は、主熱交換器の引き出された蒸気加温通路から流体を受け、圧縮するように構成される。還流後置冷却器が、還流圧縮器から流体を受け、冷却し、主熱交換器の主還流流冷却通路に、冷却された流体を導くように構成される。還流分離デバイスが、主熱交換器の主還流流冷却通路から流体を受けるように構成され、蒸気出口と、液体出口とを有し、還流分離デバイスの蒸気出口は、主熱交換器の還流蒸気冷却通路に流体を導くように構成され、還流分離デバイスの液体出口は、蒸留塔の第2の還流入口ポートに流体を導くように構成される。
【0006】
[0006]別の態様において、天然ガス流体供給流から窒素を除去するためのシステムは、主供給冷却通路と、引き出された蒸気加温通路と、主還流流冷却通路と、還流蒸気冷却通路と、蒸気戻り流通路とを含む主熱交換器を含み、主供給冷却通路は、入口と、出口とを含み、主供給冷却通路の入口は、天然ガス流体供給流を受けるように構成される。蒸留塔が、供給入口と、戻り蒸気出口と、側部蒸気出口ポートと、第1および第2の還流入口ポートと、下部液体出口とを含み、側部蒸気出口ポート、ならびに第1および第2の還流入口ポートは、供給入口と、戻り蒸気出口との間に配置される。蒸留塔の供給入口は、主熱交換器の主供給冷却通路の出口から流体流を受けるように構成される。蒸留塔の側部蒸気出口ポートは、主熱交換器の引き出された蒸気加温通路に蒸気を提供するように構成される。蒸留塔の戻り蒸気出口は、主熱交換器の上記窒素蒸気戻り通路に窒素蒸気を提供するように構成される。蒸留塔の第1の還流入口ポートは、主熱交換器の還流蒸気冷却通路と流体連通している。還流圧縮器は、主熱交換器の引き出された蒸気加温通路から流体を受け、圧縮するように構成される。還流後置冷却器が、還流圧縮器から流体を受け、冷却し、主熱交換器の主還流流冷却通路に、冷却された流体を導くように構成される。還流分離デバイスが、主熱交換器の主還流流冷却通路から流体を受けるように構成され、蒸気出口と、液体出口とを有し、還流分離デバイスの蒸気出口は、主熱交換器の還流蒸気冷却通路に流体を導くように構成され、還流分離デバイスの液体出口は、蒸留塔の第2の還流入口ポートに流体を導くように構成される。主熱交換器の窒素蒸気戻り通路、および引き出された蒸気加温通路は、主熱交換器の主供給冷却通路、主還流流冷却通路、および還流蒸気冷却通路を冷却するように構成される。
【0007】
[0007]さらに別の態様において、天然ガス流体供給流から窒素を除去する方法は、主熱交換器内で天然ガス流体供給流を冷却するステップと、蒸留塔に、冷却された天然ガス流体供給流を導くステップと、蒸留塔の側部から蒸気を引き出すステップと、冷却化が主熱交換器内でもたらされるように、主熱交換器を使用して、引き出された蒸気を加温するステップと、加温された引き出された蒸気を圧縮するステップと、第1の混合相還流流を形成するために、圧縮された引き出された蒸気を冷却し、部分的に凝縮させるステップと、第1の混合相還流流を、第1の液体還流流、および第1の蒸気還流流へと分離するステップと、蒸留塔に第1の液体還流流を導くステップと、第2の還流流が形成されるように、第1の蒸気還流流を冷却するステップと、蒸留塔に第2の還流流を導くステップと、蒸留塔から主熱交換器に窒素蒸気戻り流を導くステップと、冷却化が主熱交換器内でもたらされるように、主熱交換器を使用して、窒素蒸気戻り流を加温するステップと、蒸留塔の下部(botom)から液体を引き出すステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】[0008]本開示のシステムおよび方法の第1の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図2】[0009]本開示のシステムおよび方法の第2の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図3】[0010]本開示のシステムおよび方法の第3の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図4】[0011]本開示のシステムおよび方法の第4の実施形態を例示する、工程流れおよび概略の図である。
【
図5】[0012]本開示のシステムおよび方法の第5の実施形態を例示する、工程および流れ概略の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0013]本明細書において開示されるのは、追加的な冷却化をもたらすために熱ポンプシステムおよび方法を用いた、天然ガス流からの窒素の除去のための窒素排除ユニット(NRU)システムおよび方法である。本開示のシステムおよび方法の実施形態が、
図1~
図5において例示され、下記で説明される。
【0010】
[0014]通路および流は、時には両方が、図において見せられる、ダイ(die)、同じ要素番号によって指されるということが、本明細書において留意されるべきである。さらには、本明細書において使用される際、および当技術分野において知られているように、熱交換器は、間接熱交換が、異なる温度での2つ以上の流の間で、または流と環境との間で発生する、デバイス、または、デバイス内の区域である。本明細書において使用される際、用語「連通」、「連通する」、および類するものは、別段に指定されない限り、一般的には流体連通を指す。さらにまた、連通している2つの流体は、混合を基に熱を交換し得るが、そのような交換は、そのような交換が熱交換器内で起こり得るとはいえ、熱交換器内の熱交換と同じであるとは考えられないことになる。本明細書において使用される際、用語「の圧力を低減する」(または、その変形)は、相変化に関わるものではなく、一方で、用語「フラッシュする」(または、その変形)は、部分的な相変化さえも含む、相変化に関わる。本明細書において使用される際、用語「高」、「中間」、「中」、「暖」、および類するものは、当技術分野において通例であるように、比較可能な流に対して相対的なものである。
【0011】
[0015]
図1において例示される、本開示のシステムおよび方法の第1の実施形態は、液体天然ガス供給(LNG)供給を受け、主冷却化システムに対する冷却化回収、LNG膨張器、主供給事前分離(pre-separation)容器、3つのレベルの還流(2つの事前分離またはプリセップ(pre-sep)容器による)、および、サーモサイフォン(thennosiphon)型再沸器循環を特徴としてもつ。より具体的には、
図1を参照すると、液体天然ガス10の供給が、主熱交換器12内の主供給冷却通路11によって受けられ、その通路11内で冷却される。単に例として、熱交換器12(および下記で論考されるさらなる実施形態におけるすべての主熱交換器)は、アルミろう付け熱交換器(brazed aluminum heat exchanger:BAHX)、または他の熱交換器型であり得る。結果的に生じる冷流14が、次いで、液体膨張器16によって、圧力を下げられ、部分的に気化させられ、結果的に生じる流18が、分離容器22などの主供給分離デバイスに供給される。JT弁、または当技術分野において知られている何らかの他の膨張デバイスもしくは配置構成が、液体膨張器16に代わって使用され得るということが留意されるべきである。
【0012】
[0016]タイヤ(tire)分離容器22を抜け出すリラ(lire)蒸気流24が、熱交換器12内の供給蒸気一部分冷却通路25内で冷却され、結果的に生じる冷却された流26が、窒素排除ユニット(NRU)蒸留塔30の第1の供給入口に導かれる。分離容器22を抜け出す液体流32が、さらには、そのようにNRU塔30に進行し、そのNRU塔30において、その液体流32は、流26の第1の供給入口より下に配される第2の供給入口において進入する。
【0013】
[0017]代替的な実施形態において、冷却された供給流14供給は、単一の供給入口を通ってNRU塔30に進入し得、またはその冷却された供給流14供給は、NRU塔30内の追加的な複数個の供給入口への供給を提供し、(より低い沸点を伴う成分をさらにNRU塔の上方に導入することによって)システム効率を増大するために、(
図1において例示される単一の分離デバイスとは対照的に)2つ以上の分離デバイス内で事前分離され得る。
【0014】
[0018]
図1の実施形態は、すでに凝縮された供給流10(LNG)を受けるので、液化システムに追加的な冷却化をもたらすために回収および使用され得る、主熱交換器12の暖端部における余分の冷却化が存在する。より具体的には、
図1において例示されるように、熱交換器12は、液化器システムから冷媒入口流34を受ける。流34は、熱交換器12の中の冷媒冷却通路36内へと導かれ、流34からの冷媒は、冷却された冷媒戻り流38が生成されるように冷却される。冷却された冷媒流38は、液化器に戻るように導かれる。
【0015】
[0019]主供給(
図1における流26および流32)に対する塔入口より上の、NRU塔30内の何らかの箇所において、蒸気流れ44の一部分が、NRU塔30の側部蒸気出口ポートから引き出される。この流は、主として、窒素と、メタンと、任意の微量の低沸点成分(ヘリウム、アルゴン、水素など)とからなる、塔内の成分の混合物である。流44は、熱交換器12の引き出された蒸気加温通路46に導かれ、その通路46において、その流44は、熱交換器12の主供給冷却通路11および供給蒸気一部分冷却通路25、ならびに下記で提示される、流が冷却される、追加的な熱交換器通路に、冷却化をもたらしながら加温される。
【0016】
[0020]加温された流48が、熱交換器の通路46を抜け出し、還流圧縮器52の中で再圧縮される。結果的に生じる圧縮された流が、還流後置冷却器冷却デバイス54に進行し、そのデバイス54において、その流は、空気に対して、または、何らかの他の有用冷却システム(冷却水、プロパンなど)を使用することによって冷却される。冷却された流56が、熱交換器12の主還流流冷却通路58に送り出され、その通路58において、その流56は、冷却され、部分的に凝縮される。流62が、次いで、容器64などの暖還流分離デバイスに進行する。結果的に生じる蒸気流66が、熱交換器12内の還流蒸気冷却通路68に警告するために進行し、その通路68において、その蒸気流66は、冷却され、部分的に凝縮される。タイヤ、結果的に生じる流72が、次いで、容器74などの冷還流分離デバイスに進行する。冷還流分離デバイス74からの蒸気流73が、冷還流蒸気冷却通路75を通って進行し、その通路75において、その蒸気流73は、冷却され、凝縮される。リラ、結果的に生じる液体流77が、還流としてNRU塔30の還流入口ポートに進行する。それぞれ、暖および冷還流分離デバイス64および74からの、液体流76および78が、還流としてNRU塔30の還流入口ポートに導かれる。
図1において例示されるように、流76、77、および78は、複数個の入口箇所においてNRU塔30に進入する。結果として、要約すると、主還流流56は、複数個の温度で部分的に凝縮させられ、複数個の箇所においてNRU塔30内へと供給される。
【0017】
[0021]窒素戻り蒸気流82が、NRU塔30の上部一部分内の戻り蒸気出口を抜け出し、流が冷却される、上述で説明された熱交換器通路に冷却化をもたらすために、熱交換器12内の窒素蒸気戻り通路84に送り出される。結果的に生じる加温された窒素流86が、大気に放出され、または、(燃料などの)他の目的のために使用される。
【0018】
[0022]上述に鑑みて、NRU塔30の、流44に対する側部蒸気出口ポート、ならびに流76、77、および78に対する還流入口ポートは、流26および32に対する供給入口と、流82に対する戻り蒸気出口との間に配置される。
【0019】
[0023]任意選択の塔再沸器システムが、他の流に冷却化をもたらし、1つまたは複数の個々の再沸器サービスからなる。そのシステムは、(ポンプによってもたらされる循環による)強制再循環型、(再沸器サービスを内包するBAHX組立体の一部分より上に設置されるNRU塔によって、流体力学的にもたらされる循環による)サーモサイフォン型のものであり、または、何らかの他の方法によるものであり得る。
図1において例示される実施形態において、サーモサイフォン再沸器送り出し先(sendee)が提供され、液体管路92を含み、その液体管路92を通って、液体流がNRU塔30の下部を抜け出し、熱交換器12内の再沸器通路94に進行する。再沸器通路に進入する液体は、冷却化が熱交換器12の中でもたらされる際に、加温され、少なくとも部分的に気化される。結果的に生じる再沸器戻り流96が、熱交換器を抜け出し、再沸器入口ポートを経てNRU塔30に戻される。
【0020】
[0024]NRU塔からの下部液体流98が、他のシステムに、ポンプ99によって送り込まれ、もしくは他の形で導かれ、または、熱交換器12に戻るように送り込まれ、主LNG供給に対する凝縮負荷をもたらすために使用され得る。
【0021】
[0025]システムの代替的な実施形態において、プリセップ容器(
図1の22、64、および/または74など)のうちの任意のものからの液体が、さらに過冷却され得るものであり、そのことは、効率を増大することができる。プリセップ容器のうちの任意のものからの、または、最も冷たい還流送り出し先からの液体が、システム効率または運転性を改善するために、システムに追加的な冷却化をもたらすために、還流圧縮器サクションへと、完全または部分的に循環使用され(recycled)得る。
【0022】
[0026]
図2において例示される、本開示のシステムおよび方法の代替的な実施形態において、システムは、暖天然ガス供給を受け、LNG膨張器、主供給事前分離容器、3つのレベルの還流(2つの事前分離容器による)、および、サーモサイフォン型再沸器循環を特徴としてもつ。より具体的には、
図2を参照すると、暖天然ガス供給流108が、主熱交換器112の主供給冷却通路ill内で、冷却され、少なくとも部分的に凝縮される。結果的に生じる流114が、次いで、液体膨張器116によって、圧力を下げられ、部分的に気化される。
【0023】
[0027]
図2の実施形態の残りの構成要素は、NRU塔130からの下部液体流118の処理を例外として、
図1に対して上述で説明されたのと同じ様式で動作する。より具体的には(specifcally)、
図2の実施形態において、下部液体流118は、熱交換器112に、液体流134として、ポンプ132によって戻るように送り込まれ、その熱交換器112において、その液体流は、主(mam)天然ガス供給108に対する冷却化または凝縮負荷をもたらすことにおける使用のために、下部液体加温通路136に進入する。
【0024】
[0028]生成物LNGが、主供給に対する冷却化をもたらすために、ポンプで送り込まれ、再沸騰される実施形態において、高い排出圧力を伴う1組のポンプが、主熱交換器内のより高い圧力通路に一部分を送り出すことができ、弁が、主熱交換器内の低い3/4r圧力通路に、流れの別の一部分を送り出すために使用され得る。換言すれば、単一のポンプが、天然ガス再圧縮所要量を低減するために、2つの圧力レベルの冷却化を与えるために使用され得る。
【0025】
[0029]
図3において例示される、タイヤ開示のシステムおよび方法の代替的な実施形態において、システムは、暖天然ガス供給を受け、強制循環再沸器、および2つのレベルの還流(1つの事前分離容器による)を特徴としてもつ。より具体的には、
図3を参照すると、暖天然ガス供給流208が、主熱交換器212の主供給冷却通路211内で冷却され、少なくとも部分的に凝縮される。結果的に生じる流214が、次いで、JT弁216によって、圧力を下げられ、部分的に気化される。結果的に生じる流218が、NRU塔230に供給される。当技術分野において知られている代替的な膨張デバイスが、JT弁216に代わって使用され得る。
【0026】
[0030]主供給流218に対する塔入口より上の、塔内の何らかの箇所において、蒸気流れ244の一部分が、NRU塔230の側部出口ポートから引き出される。この流は、主として、窒素と、メタンと、任意の微量の低沸点成分(ヘリウム、アルゴン、水素など)とからなる、塔内の成分の混合物である。流244は、熱交換器212の引き出し蒸気加温通路246に導かれ、その通路246において、その流244は、熱交換器212の主供給冷却通路211に、および下記で提示される、流が冷却される、追加的な熱交換器通路に、冷却化をもたらしながら加温される。
【0027】
[0031]加温された流248が、熱交換器の通路246を抜け出し、還流圧縮器252の中で再圧縮される。結果的に生じる圧縮された流が、還流後置冷却器冷却デバイス254に進行し、そのデバイス254において、その流は、空気に対して、または新進の(rising)何らかの他の有用冷却システム(冷却水、プロパンなど)によって冷却される。冷却された流256が、熱交換器212の主還流流冷却通路258に送り出され、その通路258において、その流256は、冷却され、部分的に凝縮される。流262が、次いで、容器264などの還流分離デバイスに進行する。結果的に生じる蒸気流266が、熱交換器212内の還流蒸気冷却通路268に進行し、その通路268において、その蒸気流266は、冷却され、凝縮される。結果的に生じる液体流272が、還流としてNRU塔230に進行する。分離デバイス264からの液体流276が、熱交換器212の還流液体冷却通路278に導かれ、その通路278において、その液体流276は過冷却される。結果的に生じる流280が、還流としてNRU塔230に導かれる。
図3において例示されるように、流272および280は、複数個の還流入口ポートを経てNRU塔230に進入する。
【0028】
[0032]窒素蒸気流282が、NRU塔230の上部を抜け出し、流が冷却される、上述で説明された熱交換器通路に冷却化をもたらすために、熱交換器212内の窒素蒸気戻り通路284に送り出される。結果的に生じる加温された窒素流286が、大気に放出され、または、(燃料などの)他の目的のために使用される。
【0029】
[0033]塔230からの下部液体流292が、熱交換器212に、液体流295として、ポンプ293によって送り込まれ、その熱交換器212において、その液体流は、主(mam)天然ガス供給208に対する冷却化または凝縮負荷をもたらすことにおける使用のために、下部液体加温通路294に進入する。結果的に生じる天然ガス流296が、通路294を抜け出す。液体流295の一部分が、熱交換器の中で割増の冷却化をもたらすために、再沸器送り出し先として、主熱交換器212の再沸器通路299に、流297として導かれ得るものであり、結果的に生じる少なくとも部分的に気化された流は、塔230に戻される。
【0030】
[0034]
図4において例示される、本開示のシステムおよび方法の別の代替的な実施形態において、システムは、暖天然ガス供給を受け、サーモサイフォン再循環再沸器、2つのレベルの還流、および供給ガスに基づくヘリウム回収を特徴としてもつ。ヘリウム回収は、供給分離容器の使用によって実行され、液体が塔に送り出され、蒸気が交換器組立体に戻され、さらに冷却される。冷却の後、タイヤ供給分離容器塔頂留出物が、低圧分離器に送り出され、塔頂留出物はヘリウム生成物を形成し、液体が塔の上部の付近に送り出される。
【0031】
[0035]より具体的には、
図4を参照すると、天然ガス310の供給が、主熱交換器312内の主供給冷却通路311によって受けられ、その通路311内で少なくとも部分的に凝縮される。結果的に生じる冷流314が、次いで、IT弁316によって、圧力を下げられ、部分的に気化される。結果的に生じる流318が、分離容器322などの主供給分離デバイスに供給される。当技術分野において知られている何らかの他の膨張デバイスまたは配置構成が、JT弁316に代わって使用され得るということが留意されるべきである。
【0032】
[0036]分離容器322を抜け出す液体流332が、NRU塔330の主供給入口に進行する。
【0033】
[0037]分離容器322を抜け出す蒸気流324が、熱交換器312内の供給蒸気一部分冷却通路325内で冷却され、結果的に生じる冷却された流326が、ヘリウム分離容器327などのヘリウム分離デバイスに導かれる。ヘリウム分離容器327を抜け出すヘリウム蒸気流329が、ヘリウム冷却化回収通路330を通って進行し、そのことによって、冷却化が熱交換器312内でもたらされる。警告されたヘリウム蒸気送り出し流331が、熱交換器312の通路330を抜け出す。
【0034】
[0038]主供給流332に対するタイヤ塔入口より上の、塔内の何らかの箇所において、蒸気流れ344の一部分が、NRU塔330の側部出口ポートから引き出される。この流は、主として、窒素と、メタンと、任意の微量の低沸点成分(ヘリウム、アルゴン、水素など)とからなる、塔内の成分の混合物である。流344は、熱交換器312の引き出された蒸気加温通路346に導かれ、その通路346において、その流344は、熱交換器312の中で冷却化をもたらしながら加温される。
【0035】
[0039]警告された流348が、熱交換器の通路346を抜け出し、還流圧縮器352の中で再圧縮される。結果的に生じる圧縮された流が、還流後置冷却器冷却デバイス354に進行し、そのデバイス354において、その流は、空気に対して、または何らかの他の有用冷却システム(冷却水、プロパンなど)を使用することによって冷却される。冷却された流356が、熱交換器312の主還流流冷却通路358に送り出され、その通路358において、その流356は、冷却され、部分的に凝縮される。流362が、次いで、容器364などの還流分離デバイスに進行する。結果的に生じる蒸気流366が、熱交換器312内の還流蒸気冷却通路368に進行し、その通路368において、その蒸気流366は、冷却され、凝縮される。結果的に生じる流372が、還流としてNRU塔330に進行する。
【0036】
[0040]対応する弁を含む循環使用管路367が、還流圧縮器352に進入する流の組成を制御するために設けられ得る。
【0037】
[0041]運転性を増大するために、還流圧縮器サクションは、任意選択で、より安定した、またはより好適な還流圧縮器サクション組成を維持するために、対応する弁の調整によって、(
図4において幻影で例示される)管路369を経た供給ガスと混ぜ合わされ得る。
【0038】
[0042]温度制御バイパス管路357が、還流分離容器364の中の温度を制御するように、通路358を通過する流356の一部分を調整するために使用され得る弁359を特徴としてもつ。
【0039】
[0043]還流分離デバイス364からの液体流376が、塔の還流液体通路374に導かれ、その通路374において、その液体流376は、過冷却され、次いで、流375として、還流のためにNRU塔に導かれる。
【0040】
[0044]ヘリウム分離容器327の下部を抜け出す液体流380が、還流流375と合流し、塔330に導かれる。
【0041】
[0045]
図4において例示されるように、流372および流375は、複数個の還流入口ポートを経てNRU塔330に進入する。
【0042】
[0046]窒素蒸気流382が、NRU塔330の上部を抜け出し、流が冷却される、熱交換器内の熱交換器通路に冷却化をもたらすために、熱交換器312内の窒素蒸気戻り流通路384に送り出される。結果的に生じる加温された窒素流386が、大気に放出され、または(燃料などの)他の目的のために使用される。
【0043】
[0047]
図4において例示される実施形態において、サーモサイフォン再沸器サービスが提供され、液体管路392を含み、その液体管路392を通って、液体流がNRU塔330の下部を抜け出し、熱交換器312内の再沸器通路394に進行する。再沸器通路に進入する液体は、冷却化が熱交換器312の中でもたらされる際に、加温され、少なくとも部分的に気化される。結果的に生じる再沸器戻り流396が熱交換器を抜け出し、NRU塔330に戻る。
【0044】
[0048]塔330からの下部液体流391が、熱交換器312に、液体流395として、ポンプ393によって送り込まれ、その熱交換器312において、その液体流395は、主天然ガス供給310に対する冷却化または凝縮負荷をもたらすことにおける使用のために、下部液体加温通路397に進入する。結果的に生じるメタン蒸気流398が、送り出し圧縮器に導かれ得る。
【0045】
[0049]
図5において例示される、本開示のシステムおよび方法の別の代替的な実施形態において、システムは、暖天然ガス供給を受け、サーモサイフォン再循環再沸器、2つのレベルの還流、および還流事前分離容器からの液体の部分的循環使用による冷却化を特徴としてもつ。
【0046】
[0050]より具体的には、
図5を参照すると、天然ガス410の供給が、主熱交換器412内の主供給冷却通路411によって受けられ、その通路411内で少なくとも部分的に凝縮される。結果的に生じる冷流414が、次いで、JT弁416によって、圧力を下げられ、部分的に気化される。結果的に生じる流418が、NRU塔430の主供給入口内へと供給される。
【0047】
[0051]主供給流418に対する塔入口より上の、塔内の何らかの箇所において、蒸気流れ444の一部分が、NRU塔430の側部出口ポートから引き出される。この流は、主として、窒素と、メタンと、任意の微量の低沸点成分(ヘリウム、アルゴン、水素など)とからなる、塔内の成分の混合物である。流444は、熱交換器412の引き出された蒸気加温通路446に導かれ、その通路446において、その流444は、熱交換器412の中で冷却化をもたらしながら加温される。
【0048】
[0052]加温された流448が、熱交換器の通路446を抜け出し、還流圧縮器452の中で再圧縮される。結果的に生じる圧縮された流が、還流後置冷却器冷却デバイス454に進行し、そのデバイス454において、その流は、空気に対して、または何らかの他の有用冷却システム(冷却水、プロパンなど)を使用することによって冷却される。冷却された流456が、熱交換器412の主還流流冷却通路458に送り出され、その通路458において、その流456は、冷却され、部分的に凝縮される。流462が、次いで、容器464などの還流分離デバイスに進行する。結果的に生じる蒸気流466が、熱交換器412内の還流蒸気冷却通路468に進行し、その通路468において、その蒸気流466は、冷却され、凝縮される。結果的に生じる流472が、還流としてNRU塔430に進行する。
【0049】
[0053]還流分離デバイス464からの液体流476が、塔の還流液体通路474に導かれ、その通路474において、その液体流476は、過冷却され、次いで、流475として、還流のためにNRU塔に導かれる。流472および流475は、複数個の還流入口ポートを経てNRU塔430に進入する。
【0050】
[0054]
図5において例示されるように、還流プリセップ容器464などの任意のプリセップ容器からの、または最も冷たい還流サービスからの液体が、熱交換器412内で追加的な冷却化をもたらし、システム効率または運転性を改善するために、熱交換器通路446(通路446が、さらには、還流循環使用通路として役立つように)および還流圧縮器サクションへと、還流循環使用管路477、および対応する還流循環使用弁の調整によって、完全または部分的に循環使用され得る。代替的な実施形態において、管路477内の流は、還流圧縮器サクションと流体連通している出口を伴う、熱交換器通路446と並列に走る、主熱交換器内の別個の専用化された還流循環使用通路に導かれ得る。
【0051】
[0055]窒素蒸気流482が、NRU塔430の上部を抜け出し、流が冷却される、熱交換器内の熱交換器通路に冷却化をもたらすために、熱交換器412内の窒素蒸気戻り通路484に送り出される。結果的に生じる加温された窒素流486が、大気に放出され、または、(燃料などの)他の目的のために使用される。
【0052】
[0056]NRU塔430からの下部液体流432が、熱交換器412に、液体流434として、ポンプ433によって送り込まれ、その熱交換器412において、その液体流434は、主天然ガス供給410に対する冷却化または凝縮負荷をもたらすことにおける使用のために、下部液体加温通路435に進入する。結果的に生じるメタン蒸気流436が、メタン圧縮器437などの圧縮器に導かれる。結果的に生じる流が、後置冷却器冷却デバイス438に導かれ、そのデバイス438において、その流は、メタン送り出し流440を生成するように、amに対して、または何らかの他の有用冷却システム(冷却水、プロパンなど)を使用することによって冷却される。
【0053】
[0057]
図5において例示される実施形態において、サーモサイフォン再沸器サービスが、提供され、液体管路492を含み、その液体管路492を通って、液体流が、NRU塔430の下部を抜け出し、熱交換器412内の再沸器通路494に進行する。再沸器通路に進入する液体は、冷却化が熱交換器412の中でもたらされる際に、加温され、少なくとも部分的に気化される。結果的に生じる再沸器戻り流496が、熱交換器を抜け出し、NRU塔430に戻される。
【0054】
[0058]下記で説明され、請求される、方法、デバイス、およびシステムにおいて、別個に、または一体で実施され得る、本主題のいくつかの態様が存する。これらの態様は、単独で、または、本明細書において説明される主題(subject mater)の他の態様との組合せで用いられ得るものであり、一体でのこれらの態様の説明は、別個でのこれらの態様の使用、または、本明細書に添付される特許請求の範囲において論述されるような、別個での、もしくは異なる組合せでの、そのような態様の請求を除外することを意図されない。
【0055】
[0059]本発明の好ましい実施形態が示され説明されたが、変更および修正が、それらの実施形態において、本発明の趣旨から逸脱することなくなされ得るものであり、本発明の範囲は、添付される特許請求の範囲によって定義されるということが、当業者には明らかであることになる。