IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セメス カンパニー,リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-基板処理装置 図1
  • 特許-基板処理装置 図2
  • 特許-基板処理装置 図3
  • 特許-基板処理装置 図4
  • 特許-基板処理装置 図5
  • 特許-基板処理装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20231122BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20231122BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H05H1/46 M
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2022068292
(22)【出願日】2022-04-18
(65)【公開番号】P2023158445
(43)【公開日】2023-10-30
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】518162784
【氏名又は名称】セメス カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ジン ヒー
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユン サン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ミン ソン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,スン-チェオン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ソン ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン フン
【審査官】船越 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-100616(JP,A)
【文献】特開2013-041872(JP,A)
【文献】特開2015-159233(JP,A)
【文献】特開2023-003410(JP,A)
【文献】特開2023-001073(JP,A)
【文献】特開2022-134112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置であって
内部に処理空間を有するチャンバと、
前記処理空間内に配置され、基板を支持する支持ユニットと、
マイクロウェーブを印可させる加熱ユニットと、
前記処理空間に供給された工程ガスからプラズマを発生させるプラズマ生成ユニットを含むが、
前記プラズマ生成ユニットは下部電極部材と、及び
前記下部電極部材と対向されるように配置される上部電極部材と、を含み、
前記上部電極部材は、
電極を含む電極プレートと、
前記電極プレートと相異な材質の第1プレートと、及び第2プレートと、を含み、
前記第2プレート、前記電極プレートと前記第1プレートは積層され
前記電極プレート、前記第1プレート及び前記第2プレートは透明素材で提供されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記上部電極部材の厚さは、中心部とエッジ部が同一に提供されることを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1プレートはクオーツ素材で提供され、
前記第2プレートは耐蝕刻性素材で提供されることを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記電極プレートは透明度を維持する透明電極として、
前記透明電極は、ITO、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metalnanowire、CNTのうちで何れか一つであるか、またはそれらの混合物質、または多重重畳によってなされたことを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1プレートの中心部とエッジ部の厚さ、前記第2プレートの中心部とエッジ部の厚さ、前記電極プレートの中心部とエッジ部の厚さが同一に提供されることを特徴とする請求項2乃至請求項のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記電極プレートは前記第2プレートの上部に配置されることを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板処理装置であって
内部に処理空間を有するチャンバと、
前記処理空間内に配置され、基板を支持する支持ユニットと、
マイクロウェーブを印可させる加熱ユニットと、
前記処理空間に供給された工程ガスからプラズマを発生させるプラズマ生成ユニットを含むが、
前記プラズマ生成ユニットは下部電極部材と、及び
前記下部電極部材と対向されるように配置される上部電極部材と、を含み、
前記上部電極部材は、
電極を含む電極プレートと、
前記電極プレートと相異な材質の第1プレートと、及び第2プレートと、を含み、
前記第2プレート、前記電極プレートと前記第1プレートは積層されて提供され、
前記上部電極部材の中心部の厚さと前記上部電極部材のエッジ部の厚さは相異なことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
前記電極プレートの中心部の厚さと前記電極プレートのエッジ部の厚さは相異なことを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第1プレートの中心部の厚さと前記第1プレートのエッジ部の厚さは相異なことを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記電極プレートの中心部の厚さと前記電極プレートのエッジ部の厚さが相異であって、
前記第1プレートの中心部の厚さと前記第1プレートのエッジ部の厚さが相異なことを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第2プレートの中心部の厚さと前記第2プレートのエッジ部の厚さは相異なことを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記電極プレート、前記第1プレート及び前記第2プレートは透明素材で提供されることを特徴とする請求項乃至請求項11のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第1プレートはクオーツ素材で提供され、
前記第2プレートは耐蝕刻性素材で提供されることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記電極プレートは透明度を維持する透明電極として、
前記透明電極は、ITO、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metalnanowire、CNTのうちで何れか一つであるか、またはそれらの混合物質、または多重重畳によってなされたことを特徴とする請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
基板処理装置であって
内部に処理空間を有するチャンバと、
前記処理空間内に配置され、基板を支持する支持ユニットと、
マイクロウェーブを印可させる加熱ユニットと、
前記処理空間に供給された工程ガスからプラズマを発生させるプラズマ生成ユニットを含むが、
前記プラズマ生成ユニットは下部電極部材と、及び
前記下部電極部材と対向されるように配置される上部電極部材と、を含み、
前記上部電極部材は、
電極を含む電極プレートと、
前記電極プレートと相異な材質の第1プレートと、及び第2プレートと、を含み、
前記第2プレート、前記電極プレートと前記第1プレートは積層されて提供され、
前記上部電極部材の中心部の第1厚さと前記上部電極部材のエッジ部の第2厚さは相異に提供され、
前記第1厚さと前記第2厚さの差は前記第2厚さの基準で500%以内であるか、または第1厚さ基準で500%以内である基板処理装置。
【請求項16】
前記電極プレートの中心部の厚さと前記電極プレートのエッジ部の厚さは相異なことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第1プレートの中心部の厚さと前記第1プレートのエッジ部の厚さは相異なことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記電極プレートの中心部の厚さと前記電極プレートのエッジ部の厚さが相異であって、
前記第1プレートの中心部の厚さと前記第1プレートのエッジ部の厚さが相異なことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第2プレートの中心部の厚さと前記第2プレートのエッジ部の厚さは相異なことを特徴とする請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記電極プレート、前記第1プレート及び前記第2プレートは透明素材で提供されることを特徴とする請求項15乃至請求項19のうちで何れか一つに記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記第1プレートはクオーツ素材で提供され、
前記第2プレートは耐蝕刻性素材で提供されることを特徴とする請求項20に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記電極プレートは透明度を維持する透明電極として、
前記透明電極は、ITO、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metalnanowire、CNTのうちで何れか一つであるか、またはそれらの混合物質、または多重重畳によってなされたことを特徴とする請求項21に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及びプラズマを利用した基板処理方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を製造するため、基板をフォトリソグラフィー、蝕刻、アッシング、イオン注入、薄膜蒸着、そして、洗浄など多様な工程を遂行して基板上に所望のパターンを形成する。この中蝕刻工程は、基板上に形成された膜のうちで選択された加熱領域を除去する工程で湿式蝕刻と乾式蝕刻が使用される。
【0003】
この中乾式蝕刻のためにプラズマを利用した蝕刻装置が使用される。一般に、プラズマを形成するためにはチャンバの内部空間に電磁気場を形成し、電磁気場はチャンバ内に提供された工程ガスをプラズマ状態で励起させる。
【0004】
プラズマはイオンや電子、ラジカルなどでなされたイオン化されたガス状態を言う。プラズマは非常に高い温度や、強い電界、あるいは高周波電子系(RF Electromagnetic Fields)によって生成される。半導体素子製造工程は、プラズマを使って蝕刻工程を遂行する。
【0005】
このようなプラズマを利用した基板処理装置で基板の温度を昇温させる方法は、基板が置かれる基板支持部材の加熱手段(熱線)を利用して基板の温度を昇温させている。既存のヒーターを利用して基板を加熱する方式の場合、昇温及び感温に時間が長くかかって、基板全体を均一に加熱するのに困難がある。
【0006】
これを解決するために、チャンバの上部でマイクロウェーブを利用して基板をアニーリングする方法が提示される。このような方法を使用する場合、加熱に必要な時間は短縮されるが、基板に不均一的な熱伝達が起きるようになって、工程過程で基板のエッジ部と中心部の温度に相当な差が発生する問題があって、これはまさに半導体チップの生産性の減少の問題と連結される。
【0007】
したがって、基板の前面にマイクロウェーブによる均一な熱分布発生のためにチャンバ内の上部ウィンドウ及び電極の構造的特性を新しく設計する必要性が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許第10-2189323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、加熱及びプラズマの均一度を改善させるための上部ウィンドウ及び電極構造を提案しようとする。
【0010】
本発明が解決しようとする課題が上述した課題で限定されるものではなくて、言及されなかった課題らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一例示による基板処理装置が開示される。
【0012】
前記装置は内部に処理空間を有するチャンバと、前記処理空間内に配置され、基板を支持する支持ユニットと、前記処理空間に供給された工程ガスからプラズマを発生させるプラズマ生成ユニットを含むが、前記プラズマ生成ユニットは下部電極部材と、及び前記下部電極と対向されるように配置される上部電極部材と、を含み、前記上部電極部材は電極を含む電極プレートと、前記電極プレートと相異な材質の第1プレートと、及び第2プレートと、を含み、前記第2プレート、前記電極プレートと前記第1プレートは積層されて提供されることができる。
【0013】
一例示によれば、前記上部電極部材の厚さは中心部とエッジ部が同一に提供されることができる。
【0014】
一例示によれば、前記電極プレート、前記第1プレート及び前記第2プレートは透明素材で提供されることができる。
【0015】
一例示によれば、前記第1プレートはクオーツ素材で提供され、前記第2プレートは耐蝕刻性素材で提供されることができる。
【0016】
一例示によれば、前記電極プレートは透明度を維持する透明電極として、前記透明電極は、ITO、AZO、FTO、ATO、SnO、ZnO、IrO、RuO、グラフェン、metal nanowire、CNTのうちで何れか一つであるか、またはその以上の混合物質、または、多重重畳によってなされることができる。
【0017】
一例示によれば、前記第1プレートの中心部とエッジ部の厚さ、前記第2プレートの中心部とエッジ部の厚さ、前記電極プレートの中心部とエッジ部の厚さが同一に提供されることができる。
【0018】
一例示によれば、前記電極プレートは前記第2プレートの上部に配置されることができる。
【0019】
本発明の他の一実施例による基板処理装置が開示される。
【0020】
前記装置は内部に処理空間を有するチャンバと、前記処理空間内に配置され、基板を支持する支持ユニットと、前記処理空間に供給された工程ガスからプラズマを発生させるプラズマ生成ユニットを含むが、前記プラズマ生成ユニットは下部電極部材と、及び前記下部電極と対向されるように配置される上部電極部材と、を含み、前記上部電極部材は電極を含む電極プレートと、前記電極プレートと相異な材質の第1プレートと、及び第2プレートと、を含み、前記第2プレート、前記電極プレートと前記第1プレートは積層されて提供され、前記上部電極部材の中心部の厚さと前記上部電極部材のエッジ部の厚さは相異なことがある。
【0021】
一例示によれば、前記電極プレートの中心部の厚さと前記電極プレートのエッジ部の厚さは相異なことがある。
【0022】
一例示によれば、前記第1プレートの中心部の厚さと前記第1プレートのエッジ部の厚さは相異なことがある。
【0023】
一例示によれば、前記電極プレートの中心部の厚さと前記電極プレートのエッジ部の厚さが相異であって、前記第1プレートの中心部の厚さと前記第1プレートのエッジ部の厚さが相異なことがある。
【0024】
一例示によれば、前記第2プレートの中心部の厚さと前記第2プレートのエッジ部の厚さは相異なことがある。
【0025】
本発明のまた他の一実施例による基板処理装置が開示される。
【0026】
前記装置は、内部に処理空間を有するチャンバと、前記処理空間内に配置され、基板を支持する支持ユニットと、前記処理空間に供給された工程ガスからプラズマを発生させるプラズマ生成ユニットを含むが、前記プラズマ生成ユニットは下部電極部材と、及び前記下部電極と対向されるように配置される上部電極部材と、を含み、前記上部電極部材は電極を含む電極プレートと、前記電極プレートと相異な材質の第1プレートと、及び第2プレートと、を含み、前記第2プレート、前記電極プレートと前記第1プレートは積層されて提供され、前記上部電極部材の中心部の第1厚さと前記上部電極部材のエッジ部の第2厚さは相異に提供され、前記第1厚さと前記第2厚さの差は前記第2厚さの基準で500%以内であるか、または第1厚さ基準で500%以内であることがある。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、加熱及びプラズマの均一度が基板前面で向上されることができる。
本発明の効果が上述した効果らに限定されるものではなくて、言及されない効果らは本明細書及び添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
図2】本発明の一実施例による上部電極部材を示す図面である。
図3】本発明の他の一実施例による上部電極部材を示す図面である。
図4】同じく、本発明の他の一実施例による上部電極部材を示す図面である。
図5】同じく、本発明の他の一実施例による上部電極部材を示す図面である。
図6】同じく、本発明の他の一実施例による上部電極部材を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の他の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付される図面と共に詳細に後述される実施例を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、お互いに異なる多様な形態で具現されることができるし、単に、本実施例は本発明の開示が完全であるようにさせ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者に発明の範疇を完全に知らせてくれるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるだけである。
【0030】
仮に、定義されなくても、ここで使用されるすべての用語(技術、あるいは、科学用語らを含む)は、この発明が属した従来技術で普遍的技術によって一般に収容されることと等しい意味を有する。一般な辞書らによって定義された用語らは関連される技術、そして/あるいは、本出願の本文に意味するものと等しい意味を有することで解釈されることができるし、そして、ここで明確に定義された表現ではなくても概念化されるか、あるいは、過度に形式的に解釈されないであろう。
【0031】
第1、第2などの用語は多様な構成要素らを説明するのに使用されることができるが、前記構成要素らは前記用語によって限定されてはいけない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的で使用されることができる。例えば、本発明の権利範囲から離脱されないまま第1構成要素は第2構成要素で命名されることができるし、類似第2構成要素も第1構成要素に命名されることができる。
【0032】
単数の表現は文脈上明白に異なるように志さない限り、複数表現を含む。また、図面で要素らの形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0033】
本明細書で使用された用語は実施例らを説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は文句で特別に言及しない限り複数型も含む。
【0034】
明細書で使用される‘含む'及び/またはこの動詞の多様な活用型例えば、‘包含'、‘含む'、‘含み'、‘含んで'などは言及された組成、成分、構成要素、段階、動作及び/または素子は一つ以上の他の組成、成分、構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除しない。本明細書で‘及び/または'という用語は羅列された構成らそれぞれ、または、これらの多様な組合を示す。
【0035】
本発明の実施例ではプラズマを利用して基板を蝕刻する基板処理装置に対して説明する。しかし、本発明の技術的特徴はこれに限定されないし、プラズマを利用して基板(W)を処理する多様な種類の装置に適用されることができる。しかし、本発明はこれに限定されないで、上部に置かれた基板をプラズマ処理する多様な種類の装置に適用可能である。
【0036】
また、本発明の実施例では支持ユニットで静電チャックを例に挙げて説明する。しかし、本発明はこれに限定されないで、支持ユニットは機械的クランピングによって基板を支持するか、または、真空によって基板を支持することができる。
【0037】
図1は、本発明の一実施例による基板処理装置を見せてくれる図面である。
【0038】
図1を参照すれば、基板処理装置10は工程チャンバ100、支持ユニット200、ガス供給ユニット300、プラズマ生成ユニット400、そして、加熱ユニット500を含むことができる。基板処理装置はプラズマを利用して基板(W)を処理する。
【0039】
工程チャンバ100は内部に工程遂行のための空間を有する。工程チャンバ100の底面には排気ホール103が形成される。排気ホール103はポンプ122が装着された排気ライン121と連結される。工程過程で発生した反応副産物及び工程チャンバ100内部に留まるガスは排気ライン121を通じて排気ホール103に排気される。よって、工程チャンバ100の外部に排出されることができる。また、排気過程によって工程チャンバ100の内部空間は所定圧力で減圧される。一例で、排気ホール103は後述するライナーユニット130の貫通ホール158と直接通じる位置に提供されることができる。
【0040】
工程チャンバ100の側壁には開口104が形成される。開口104は工程チャンバ100内部に基板が出入りする通路で機能する。開口104はドアアセンブリー(図示せず)によって開閉される。一例によれば、ドアアセンブリー(図示せず)は外側ドア、内側ドア、そして、連結板を有する。外側ドアは工程チャンバの外壁に提供される。内側ドアは工程チャンバの内壁に提供される。外側ドアと内側ドアは連結板によってお互いに固定結合される。連結板は開口を通じて工程チャンバの内側から外側まで延長されるように提供される。ドア駆動機は外側ドアを上下方向に移動させる。ドア駆動機は油空圧シリンダーやモーターを含むことができる。
【0041】
工程チャンバ100の内部のうちでの下の領域には支持ユニット200が位置する。支持ユニット200は静電気力によって基板(W)を支持する。これと異なり、支持ユニット200は機械的クランピングなどのような多様な方式で基板(W)を支持することができる。
【0042】
支持ユニット200は支持板210、リングアセンブリー260、そして、ガス供給ライン部270を含むことができる。支持板210には基板(W)が置かれる。支持板210はベース220と静電チャック240を有する。静電チャック240は静電気力によって基板(W)をその上面に支持する。静電チャック240はベース220上に固定結合される。
【0043】
リングアセンブリー260はリング形状で提供される。リングアセンブリー260は支持板210の周りを囲むように提供される。一例で、リングアセンブリー260は静電チャック240の周りを囲むように提供される。リングアセンブリー260は基板(W)の縁領域を支持する。一例によれば、リングアセンブリー260はフォーカスリング262と絶縁リング264を有する。フォーカスリング262は静電チャック240を囲むように提供されてプラズマを基板(W)に集中させる。絶縁リング264はフォーカスリング262を囲むように提供される。選択的にリングアセンブリー260はプラズマによって静電チャック240の側面が損傷されることを防止するようにフォーカスリング262の周りに密着されるように提供されるエッジリング(図示せず)を含むことができる。前述したところと異なり、リングアセンブリー260の構造は多様に変更されることができる。
【0044】
ガス供給ライン部270はガス供給源272とガス供給ライン274を含む。ガス供給ライン274はリングアセンブリー260と支持板210との間に提供される。ガス供給ライン274はリングアセンブリー260の上面または支持板210の縁領域に残留する異物を除去するようにガスを供給する。一例で、ガスは窒素ガス(N2)であることがある。選択的に、他のガスまたは洗浄剤を供給することができる。ガス供給ライン274は支持板210内部でフォーカスリング262と静電チャック240との間に連結されるように形成されることができる。これと異なり、ガス供給ライン274はフォーカスリング262内部で提供され、フォーカスリング262と静電チャック240との間に連結されるように折曲される構造であることができる。
【0045】
一例によれば、静電チャック240はセラミックス材質で提供され、フォーカスリング262はシリコン材質で提供され、絶縁リング264はクオーツ材質で提供されることができる。静電チャック240またはベース220内には工程進行中に基板(W)を工程温度で維持できるようにする加熱部材282及び冷却部材284が提供されることができる。加熱部材282は熱線で提供されることができる。冷却部材284は冷媒が流れる冷却ラインで提供されることができる。一例によれば、加熱部材282は静電チャック240に提供され、冷却部材284はベース220に提供されることができる。
【0046】
ガス供給ユニット300は工程チャンバ100内部に工程ガスを供給する。ガス供給ユニット300はガス保存部310、ガス供給ライン320、そして、ガス流入ポート330を含む。ガス供給ライン320はガス保存部310とガス流入ポート330を連結する。ガス供給ライン320はガス保存部310に保存された工程ガスをガス流入ポート330に供給する。ガス供給ライン320にはその通路を開閉するか、または、その通路を流れる流体の流量を調節するバルブ322が設置されることができる。
【0047】
プラズマ生成ユニット400は放電空間に留まる工程ガスからプラズマを発生させる。放電空間は工程チャンバ100内で支持ユニット200の上部領域に該当する。プラズマ生成ユニット400は容量結合型プラズマ(capacitive coupled plasma)ソースを有することができる。
【0048】
プラズマ生成ユニット400は上部電極部材420、下部電極部材440、そして、高周波電源460を含むことができる。上部電極部材420と下部電極部材440はお互いに上下方向に対向されるように提供されることができる。
【0049】
本発明による上部電極部材420に対しては図2乃至図6で後述する。本発明によるプラズマ生成ユニット400は上部電極部材420と下部電極部材440との間に電界を発生させるために上部電極部材420と下部電極部材440のうちで少なくとも一つにRF電圧を印加することで、プラズマを発生させることができる。
【0050】
本発明による上部電極部材420は、後述する加熱ユニット500で印加されるマイクロウェーブが基板に損失なしに伝達されるように第1プレートと電極プレート、第2プレートを含む構造で提供されることができる。
【0051】
本発明による上部電極部材420の具体的な構造に対しては図2乃至図6を通じて後述する。
【0052】
本発明によるプラズマ生成ユニット400はシャワーヘッド及びリングアセンブリーを含むことができる。これは後述する上部電極部材の第2プレート構造に形成されることができる。シャワーヘッドは静電チャック240と対向されるように位置され、静電チャック240より大きい直径で提供されることができる。シャワーヘッドにはガスを噴射するホールらが形成されることができる。リングアセンブリーはシャワーヘッドを囲むように提供される。リングアセンブリーはシャワーヘッドに密着されるように提供されることができる。下部電極440は静電チャック240内に提供されることができる。
【0053】
一例によれば、上部電極部材420は接地429され、下部電極部材440には高周波電源460が連結されることができる。選択的に上部電極部材420に高周波電源460が連結されて下部電極部材440が接地されることができる。また、選択的に上部電極部材420及び下部電極部材440すべてに高周波電源460が連結されることができる。一例によれば、高周波電源460は上部電極部材420または下部電極部材440に連続的に電力を印加するか、またはパルスで電力を印加することができる。
【0054】
加熱ユニット500は支持ユニット200上の基板のアニーリング処理のためにマイクロウェーブを印加することができる。マイクロウェーブ波長は半導体チップの金属配線層厚さ及び間隔よりずっと長いために、マイクロウェーブが金属物質に侵透する深さは数μm未満である。一例示によれば、マイクロウェーブ熱処理によって基板または台の表面を発熱させ、表面温度を目標温度に急速に昇温させることができる効果がある。
【0055】
加熱ユニット500はチャンバ100内にマイクロウェーブを印加する導波管を含むことができる。加熱ユニット500は1乃至5GHz周波数のマイクロウェーブを印加することができる。本発明の一実施例によれば、マイクロウェーブによって基板の表面が選択的に加熱されるので、昇温速度及び冷却速度が早くて、短い時間内に基板の表面を目標温度で加熱することができて工程時間を縮めることができる。
【0056】
一例示によれば、本発明による加熱ユニット500はマイクロウェーブを利用する熱処理ユニットで提供されることができる。または、本発明による加熱ユニット500はレーザーを利用する熱処理ユニットで提供されることができる。本発明ではマイクロウェーブ及びレーザーのような熱源が上部電極部材420を通過して基板をヒーティングさせることができる。上部電極部材420は光が透過されることができるように透明な素材で提供されることができる。
【0057】
図2は、本発明の一実施例による上部電極部材420を示す図面である。
【0058】
本発明では、基板の熱及びプラズマ均一度を改善させるための、透明電極を含む上部電極部材420を提案する。本発明による上部電極部材420は、電極を含む電極プレート422、電極プレート422と相異な材質の第1プレート421及び第2プレート423を含むことができる。一例示によれば、上部電極部材420は第2プレート423、電極プレート422と第1プレート421が積層されて提供されることができる。
【0059】
図2乃至図6を参照すれば、上部電極部材420が第2プレート423、電極プレート422及び第1プレート421の手順に積層されて提供される一例示が図示される。しかし、積層される順序はこれに限定されなくて第2プレート423、第1プレート421及び電極プレート422の手順に積層されることもできて、他の手順に組合された上部電極部材420が提供されることもできる。
【0060】
以下では、第2プレート423、電極プレート422及び第1プレート421の手順で積層された上部電極部材420を基準にして説明する。
【0061】
本発明による上部電極部材420は上部電極の役割を遂行する電極プレート422を含むことができる。電極プレート422には接地、あるいは、高周波電源が連結されることができる。電極プレート422は透明電極を含むことができる。第2プレート423は耐蝕刻性素材で提供され、プラズマ処理過程で素材の蝕刻を防止することができる。一例示によれば、第2プレート423はシャワーヘッドを含む構造で提供されることもできる。しかし、これは例示に過ぎなくて第2プレート423はシャワーヘッドを含まない耐蝕刻性素材で提供されることもできる。第1プレート421は誘電体ウィンドウのような役割を遂行することができる。第1プレート421は透明性を有するナノワイヤであることができる。一例示によれば、上部電極部材420が含む電極プレート422と第1プレート421及び第2プレート423は、加熱ユニット500から提供されるエネルギーが通過するように透明な素材で提供されることができる。
【0062】
一例示によれば、電極プレート422は酸化インジウムと酸化スズでなされたITO(Indium Tin Oxide)物質で形成された透明電極であることができる。一例示によれば、電極プレート422はITO(Indium Tin Oxide)、MnO(Manganese Oxide)、CNT(Carbon Nano Tube)、ZnO(Zinc Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ATO(Antimony Tin Oxide)、SnO2、IrO2、RuO2、dielectric/metal/dielectric multilayer(SnO/Ag/SnO、グラフェン、carbon nano tube(CNT)のうちで何れか一つであることができる。または、これらの混合物質で提供されることができる。すなわち、電極プレート422は透明伝導性素材で提供されることができる。これを通じてマイクロウェーブの透過率を高めることができる。
【0063】
一例示によれば、第1プレート421はクオーツ素材で提供されることができる。一例示によれば、第1プレート421はSiOであることがある。一例示によれば、第2プレート423は耐蝕刻性素材で提供されることができる。一例示によれば、第2プレート423はYO、YSZ(Yttria-stabilized zirconia、ZrO/YO、YAG(yttrium aluminum garnet、YAlO12、AlO、CrO、NbO、SiNのうちで何れか一つであることができる。または、これらの混合物質で提供されることができる。第2プレート423は透明性を有しながら、耐プラスま性及び耐蝕刻性を有する素材で提供されることができる。これを通じて優秀な伝導性及び電極プレート422の保護を遂行することができる。
【0064】
図2の一実施例によれば、上部電極部材420の厚さは中心部とエッジ部が同一に提供されることができる。中心部の厚さをtb、エッジ部の厚さをtaで表示して説明する。図2によれば、中心部の厚さとエッジ部の厚さは等しいことがある。一例示によれば、第1プレート421の厚さt421と、第2プレート423の厚さt422と、電極プレート422の厚さt423は同一に提供されることができる。一例示によれば、第1プレート421の中心部とエッジ部の厚さ、第2プレート423の中心部とエッジ部の厚さ、電極プレート422の中心部とエッジ部の厚さが同一に提供されることができる。
【0065】
図2のように3重で配置された上部電極部材420を利用して、上部で印加される熱源をチャンバ内に容易に印加することができるし、一つの層だけで提供される電極部材に比べて外部環境から保護を受けることができる効果がある。
【0066】
一例示によれば、電極プレート422は第2プレート423の上部に配置され、プラズマから蝕刻されないように保護されることができる。
【0067】
図3乃至図6は、本発明の他の一実施例による上部電極部材420を示す図面である。
【0068】
図3乃至図6の実施例で、図2の実施例と重複される部分に対しては説明を略する。図3乃至図6の一実施例によれば、第1プレート421、第2プレート423及び電極プレート422の素材は図2で説明したところの同一である。図3乃至図6の実施例で相異な部分は、上部電極部材420の中心部とエッジ部の厚さ差であることがある。
【0069】
図3乃至図6によれば、上部電極部材420の中心部の厚さtbとエッジ部の厚さtaは相異に提供される。
【0070】
図3の実施例によれば、第1プレート421の中心部の厚さとエッジ部の厚さが相異に提供されることができる。
【0071】
図4の実施例によれば、電極プレート422の中心部の厚さとエッジ部の厚さは相異に提供されることができる。
【0072】
図5の実施例によれば、電極プレート422の中心部の厚さと電極プレート422のエッジ部の厚さが相異であって、第1プレート421の中心部の厚さと第1プレート421のエッジ部の厚さが相異に提供されることができる。
【0073】
図6の実施例によれば、第2プレート423の中心部の厚さと第2プレート423のエッジ部の厚さは相異に提供されることができる。
【0074】
一例示によれば、上部電極部材420の中心部の第1厚さと上部電極部材420のエッジ部の第2厚さは相異に提供され、第1厚さと第2厚さの差は前記第2厚さの基準で500%以内であるか、または第1厚さ基準で500%以内に提供されることができる。これを通じて構造を大きく変えないのに、熱伝達を均一に遂行することができる。
【0075】
すなわち、本発明によれば、上部電極部材420の中心部の厚さとエッジ部の厚さが相異に提供されるようにすることで、図2の実施例に比べて基板全体に均一な熱伝達が可能な効果がある。より詳細には、図3乃至図6の実施例の場合、中心部の厚さとエッジ部の厚さを相異にすることで、熱伝導度が中心部とエッジ部で相異になるようにすることで、基板全体に均一な熱伝逹がなされることができるようにできる。また、中心部の厚さとエッジ部の厚さを相異にすることで、誘電定数が中心部とエッジ部で相異になるようにして、基板全体に均一なプラズマが励起されることができるようにできる。
【0076】
本発明によれば、図2の実施例を使用することで、熱の損失なしに完全に基板にマイクロウェーブを伝達することができる。一例示によれば、図2の実施例の場合、マイクロウェーブ印加時の位置ごとに等しい熱伝達が不可能で、基板の位置別に熱伝逹効率が異なることもある。
【0077】
本発明によれば、図3乃至図6の実施例を通じて中心部とエッジ部の厚さを異なるようにすることで、熱伝達及びプラズマの均一度を確保することができる効果がある。これを通じて、上部電極部材420の下部に均一な伝達を誘導することで、均一な熱伝達が可能になるようにできて、これを通じて半導体チップの生産性を高めることができる。
【0078】
本発明による上部電極部材420の構造は、図2乃至図6の実施例に限定されない。図2乃至図6では厚さのみに対して変数で設定した例示が図示されたが、厚さ以外に電極プレート422の位置や素材も相異に設定することができる。また、図2乃至図6では、中心部がエッジ部に比べてさらに厚い一例示が図示されたが、熱伝逹状況によってエッジ部が中心部に比べてさらに厚く提供されることもできる。
【0079】
以上の実施例らは本発明の理解を助けるために提示されたものであり、本発明の範囲を制限しないし、これから多様な変形可能な実施例らも本発明の範囲に属するものであることを理解しなければならない。本発明で提供される図面は、本発明の最適の実施例を図示したものに過ぎない。本発明の技術的保護範囲は、特許請求範囲の技術的思想によって決まらなければならないはずであるし、本発明の技術的保護範囲は特許請求範囲の文言的記載その自体で限定されるものではなく、実質的には技術的価値が均等な範疇の発明まで及ぶものであることを理解しなければならない。
【符号の説明】
【0080】
420 上部電極部材
421 第1プレート
422 電極プレート
423 第2プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6