(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】廃棄物乾燥装置
(51)【国際特許分類】
F26B 17/20 20060101AFI20231122BHJP
F26B 21/00 20060101ALI20231122BHJP
C02F 11/13 20190101ALI20231122BHJP
C10B 53/00 20060101ALI20231122BHJP
B09B 3/30 20220101ALI20231122BHJP
B09B 3/40 20220101ALI20231122BHJP
B01F 27/00 20220101ALI20231122BHJP
B04C 5/10 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
F26B17/20 A
F26B17/20 B
F26B21/00 P
C02F11/13 ZAB
C10B53/00 A
B09B3/30
B09B3/40
B01F27/00
B04C5/10
(21)【出願番号】P 2022100225
(22)【出願日】2022-06-22
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0178469
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521493215
【氏名又は名称】トーヨー エンジニアリング コリア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ミョン-ジョン オム
(72)【発明者】
【氏名】ジン-ス パク
(72)【発明者】
【氏名】ジェ-ホ ユ
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2101132(KR,B1)
【文献】実開昭56-173414(JP,U)
【文献】特開2006-328101(JP,A)
【文献】特開2001-072979(JP,A)
【文献】特開2010-284632(JP,A)
【文献】特開平02-071900(JP,A)
【文献】実開昭56-014648(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 17/20
F26B 21/00
C02F 11/13
C10B 53/00
B09B 3/30
B09B 3/40
B01F 27/00
B04C 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物が流入、乾燥及び排出されるように多段構造で積層された複数個の乾燥室がジグザグで連通されながら構成される乾燥炉と、
それぞれの乾燥室内部に構成され、該当層の乾燥室一端に流入された廃棄物が他端に移送された後下層の乾燥室に排出されるようにする廃棄物移送部と、
それぞれの乾燥室外部に構成され、各層別に前記廃棄物移送部を独立駆動させる駆動部と、
最上端の乾燥室に過熱蒸気を供給し、過熱蒸気が最上端の乾燥室から最下端直前の乾燥室まで経由しながら廃棄物が乾燥されるようにする過熱蒸気供給部と、及び
最下端直前の乾燥室から排出される乾留ガスを収集して粉塵を除去した後粉塵が除去された乾留ガスを後処理工程で移送させる粉塵除去部と、を含み、
前記粉塵除去部は、
前記乾燥炉の外側から最下端直前の乾燥室まで連通される乾留ガス回収ダクトと、
前記乾留ガス回収ダクトの上側開口部をカバーしながら設置されて乾留ガスを遠心分離する上側遠心分離機と、
前記乾留ガス回収ダクトの下側開口部をカバーしながら設置されて乾留ガスを遠心分離する下側遠心分離機と、
前記上側遠心分離機内部に所定の体積を有する中が空いた半球形状を有しながら構成され、多数個の打孔を通じて前記上側遠心分離機内部に流入された乾留ガスの流れを強制で遅延させて乾留ガスのうちで粉塵の上昇速度を抑制して乾留ガスが渦流を有するようにして粉塵が前記下側遠心分離機に下降されるようにして、粉塵が除去された乾留ガスだけが前記上側遠心分離機の排気孔に誘導されるようにするラウンドドームと、及び
前記上側遠心分離機の排気孔に延長されるダクトに構成されてラウンドドームによって粉塵が除去された乾留ガスを後工程装置に移送させる排出ファンを具備することを特徴とする廃棄物乾燥装置。
【請求項2】
前記ラウンドドームに形成される多数個の打孔らの全体面積は、
前記乾留ガス回収ダクトの上側開口部断面積に比べて2倍以上を有することを特徴とする請求項
1に記載の廃棄物乾燥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物乾燥装置に関するものであり、より詳細には、生ごみやスラッジなど水分含有率が高い廃棄物を移送させながら熱風または過熱蒸気を利用して乾燥させることができる廃棄物乾燥装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
産業が発展して人口が増加しながら廃棄物の発生量が増加している。廃棄物は環境汚染を誘発し、そのうちで含有された有用資源が廃棄される場合もあって、これを効率的に処理して回収することが重要視されている。
【0003】
廃棄物は大きく生活環境で発生する生活廃棄物と産業現場で発生される産業廃棄物で分類され、大部分焼却方式や埋立方式で処理されている。ところが、焼却方式は莫大な燃料費用と焼却時発生される粉塵や焼却残在物が2次で環境汚染を惹起させて、埋立方式は埋立敷地確保が難しくて浸出水による土壌及び河川汚染問題がある。
【0004】
これに、堆肥化や餌化を通じて廃棄物を資源で再活用する方案が頭をもたげているが、水分含有率が高い廃棄物を堆肥や餌で再活用するためには廃棄物の水分を減量させる作業が先行されなければならないし、これに、大韓民国登録特許第10-2101132号に従来の廃棄物乾燥装置が開示されたことがある。
【0005】
従来の廃棄物乾燥装置は、
図1と
図2に示されたように、廃棄物が流入、乾燥及び排出されるように複数個の乾燥室10が連通されながら多段構造で構成される乾燥炉20と、それぞれの乾燥室に構成されて該当層の乾燥室最上端に流入された廃棄物が他端に移送された後下層の乾燥室に流入されるようにする廃棄物移送部30と、それぞれの乾燥室外部に構成されて各層の乾燥室に構成された廃棄物移送部を各層別に独立駆動させる複数個の駆動部40と、乾燥室のうちで最上端の乾燥室に熱風または過熱蒸気を供給して廃棄物が乾燥されるようにする熱風供給部50と、複数個の乾燥室のうちで乾燥炉下端部に位置された乾燥室から排出される乾留ガスを収集して外部に移送させる乾留ガス移送部60などを含んでいる。
【0006】
しかし、従来の廃棄物乾燥装置は、廃棄物が高粘度非ニュートン流体である下水スラッジである場合通常40゜乃至70゜程度の高い安息角を有することで、廃棄物移送部のパドルによって乾燥室の一端から他端に移送時乾燥室の側壁板11上側に固着されて乾燥室に供給及び移送される過熱蒸気の流路が細くなるようになる共にパドルによる撹拌及び解碎機能が邪魔になって乾燥効率が低下される問題点がある。
【0007】
また、従来の廃棄物乾燥装置は、乾燥室の下部板12を区画する区画板13が‘∧'形状の断面で構成されることで、パドルの回転時平たい下部板と区画板部分には廃棄物が集中されてパドルに大きい回転負荷が加えられるようになる問題点がある。
【0008】
また、従来の廃棄物乾燥装置は、過熱蒸気が乾燥室に沿って移送されながら廃棄物の乾燥によって発生される粉塵が過熱蒸気、すなわち、乾留ガスに含まれるにもかかわらず、単純に乾留ガス移送部にフィルター部材を構成した後乾留ガス中の粉塵が除去されるようにしているが、乾留ガスに多い量の粉塵が含まれることによってフィルター部材の寿命が短縮されて効果が低下されて乾留ガスの流れが抑制されて送風ファンなどの負荷が増加されて廃棄物処理システムの全般的な運営効率が低下される問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、乾燥室の側壁板上側に所定の角度で傾いたガイド板が延長設置されてパドルによって廃棄物が側壁板の上側に移送時ガイド板によって安息角が破壊されるようにして過熱蒸気流路が細くなることを防止して撹拌及び解碎機能が低下されることを防止して乾燥効率を向上させることができる廃棄物乾燥装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、乾燥室の下部板を区画する区画板がパドルの回転半径曲率に対応されたラウンド形状の湾曲板で構成されるようにしてパドルの回転時区画板部分に廃棄物が集中されてもパドルに大きい負荷が加えられないようにして廃棄物が大きい加速度を有しながら区画板で落下及び粉砕されるようにして乾燥効率を向上させることができる廃棄物乾燥装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、乾燥室の最終端に構成される粉塵除去部によって乾留ガスに含まれた粉塵が遠心分離方式で除去されて維持管理が容易で乾留ガスの温度が低くなるようにして冷却装置などの後工程装置の負荷を節減して廃棄物処理システムの全般的な運営効率を向上させることができる廃棄物乾燥装置を提供することにある。
【0012】
一方、本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されないし、言及されなかった他の目的らは下の記載から当業者に明確に理解されることができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するために、本発明による廃棄物乾燥装置は廃棄物が流入、乾燥及び排出されるように多段構造で積層された複数個の乾燥室がジグザグで連通されながら構成される乾燥炉と、それぞれの乾燥室内部に構成され、該当層の乾燥室一端に流入された廃棄物が他端に移送された後下層の乾燥室に排出されるようにする廃棄物移送部と、それぞれの乾燥室外部に構成され、各層別に前記廃棄物移送部を独立駆動させる駆動部と、最上端の乾燥室に過熱蒸気を供給し、過熱蒸気が最上端の乾燥室から最下端直前の乾燥室まで経由しながら廃棄物が乾燥されるようにする過熱蒸気供給部と、及び最下端直前の乾燥室から排出される乾留ガスを収集して粉塵を除去した後粉塵が除去された乾留ガスを後処理工程に移送させる粉塵除去部と、を含んで構成される。
【0014】
前記の廃棄物乾燥装置において、前記乾燥炉は、乾燥炉内部に上下方向に離隔設置される複数個の下部板によって多段で積層構成される複数個の乾燥室と、最上端の乾燥室に廃棄物が流入されるように設置される廃棄物流入口と、及び最下端の乾燥室に廃棄物が排出されるように設置される廃棄物排出口と、を具備する。
【0015】
前記廃棄物乾燥装置において、それぞれの乾燥室の下部板には一端または他端に排出口がジグザグで形成され、廃棄物が上層乾燥室から下層乾燥室に流入されるようにする構造を有する。
【0016】
前記の廃棄物乾燥装置において、それぞれの乾燥室の下部板には乾燥室を複数個で区画する区画板が一つ以上設置され、それぞれの区画板は、廃棄物移送部の回転半径曲率に対応される湾曲板が‘∧'形状の断面を有しながら乾燥室の長さ方向で構成される。
【0017】
前記廃棄物乾燥装置において、それぞれの乾燥室で前記下部板の長さ方向の両側には側壁板が設置されて前記乾燥室の両側壁体機能を提供し、前記側壁板の上側部には廃棄物移送部の回転半径曲率に対して平たいように側壁板に対して所定の角度を成すガイド板が前記側壁板の長さに沿って延長設置される。
【0018】
前記廃棄物乾燥装置において、前記ガイド板は前記側壁板に対して12゜の角度を有する。
【0019】
前記廃棄物乾燥装置において、前記粉塵除去部は、前記乾燥炉の外側から最下端直前の乾燥室まで連通される乾留ガス回収ダクトと、前記乾留ガス回収ダクトの上側開口部をカバーしながら設置されて乾留ガスを遠心分離する上側遠心分離機と、前記乾留ガス回収ダクトの下側開口部をカバーしながら設置されて乾留ガスを遠心分離する下側遠心分離機と、前記上側遠心分離機内部に所定の体積を有する中が空いた半球形状を有しながら構成され、多数個の打孔を通じて前記上側遠心分離機内部に流入された乾留ガスの流れを強制で遅延させて乾留ガスのうちで粉塵の上昇速度を抑制して乾留ガスが渦流を有するようにして粉塵が前記下側遠心分離機に下降されるようにして、粉塵が除去された乾留ガスだけが前記上側遠心分離機の排気孔に誘導されるようにするラウンドドームと、及び前記上側遠心分離機の排気孔に延長されるダクトに構成されてラウンドドームによって粉塵が除去された乾留ガスを後工程装置に移送させる排出ファンを具備する。
【0020】
前記の廃棄物乾燥装置において、前記ラウンドドームに形成される多数個の打孔らの全体面積は、前記乾留ガス回収ダクトの上側開口部断面積に比べて2倍以上を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、乾燥室の側壁板上側に所定の角度で傾いたガイド板が延長設置されてパドルによって廃棄物が側壁板の上側に移送時ガイド板によって安息角が破壊されるようにして過熱蒸気流路が細くなることを防止して撹拌及び解碎機能が低下されることを防止して乾燥効率を向上させることができる。
【0022】
また、本発明によれば、乾燥室の下部板を区画する区画板がパドルの回転半径曲率に対応されたラウンド形状の湾曲板で構成されるようにしてパドルの回転時区画板部分に廃棄物が集中されるか、または異物の搬入で挟まる時パドルに大きい負荷が加えられないようにして廃棄物が大きい加速度を有しながら区画板に落下及び粉砕されるようにして乾燥効率を向上させることができる。
【0023】
また、本発明によれば、乾燥室の最終端に構成される粉塵除去部によって乾留ガスに含まれた粉塵が遠心分離方式で除去されて維持管理が容易で乾留ガスの温度が低くなるようにして冷却装置などの後工程装置の負荷を節減して廃棄物処理システムの全般的な運営効率を向上させることができる。
【0024】
一方、本発明の効果は以上で言及した効果に制限されないし、言及されなかった他の効果らは請求範囲の記載から当業者に明確に理解されることができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】従来の廃棄物乾燥装置の構成を概略的に示した図面である。
【
図2】同じく、従来の廃棄物乾燥装置の構成を概略的に示した図面である。
【
図3】本発明の望ましい実施例による廃棄物乾燥装置の構成を概略的に示した正面図である。
【
図4】本発明の望ましい実施例による廃棄物乾燥装置の構成を概略的に示した側面図である。
【
図5】本発明の望ましい実施例による廃棄物乾燥装置の構成を概略的に示した平面図である。
【
図6】
図3の廃棄物乾燥装置において複数個の層のうちである一層の構成を概略的に示した正面図である。
【
図7】
図4の廃棄物乾燥装置において複数個の層のうちである一層の構成を概略的に示した側面図である。
【
図8】
図5の廃棄物乾燥装置において複数個の層のうちである一層の構成を概略的に示した平面図である。
【
図9】
図3の廃棄物乾燥装置において廃棄物移送部の構成を概略的に示した図面である。
【
図10】同じく、
図3の廃棄物乾燥装置において廃棄物移送部の構成を概略的に示した図面である。
【
図11】
図3の廃棄物乾燥装置において区画板とガイド板の構成を示した図面である。
【
図12】
図3の廃棄物乾燥装置においてガイド板によって廃棄物の安息角が変化される一例を示した図面である。
【
図13】
図3の廃棄物乾燥装置において粉塵除去部の構成を示した正断面図である。
【
図14】
図3の廃棄物乾燥装置において粉塵除去部の構成を示した側断面図である。
【
図15】
図3の廃棄物乾燥装置において粉塵除去部の構成を示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照しながら本発明の望ましい実施例に対して詳しく説明することにする。
【0027】
図3乃至
図15に示されたように、本発明の望ましい実施例による廃棄物乾燥装置は、廃棄物が流入、乾燥及び排出されるように多段構造で積層された複数個の乾燥室110がジグザグに連通されながら構成される乾燥炉120、それぞれの乾燥室110内部に構成され、該当層の乾燥室一端に流入された廃棄物が他端に移送された後下層の乾燥室に排出されるようにする廃棄物移送部130、それぞれの乾燥室110外部に構成され、各層別に廃棄物移送部130を独立駆動させる駆動部140、最上端の乾燥室110-1に過熱蒸気を供給し、過熱蒸気が最上端の乾燥室110-1から最下端直前の乾燥室110-N-1まで経由しながら廃棄物が乾燥されるようにする過熱蒸気供給部150、及び最下端直前の乾燥室110-N-1から排出される乾留ガスを収集して粉塵を除去した後粉塵が除去された乾留ガスを後処理工程で移送させる粉塵除去部160を含む。
【0028】
乾燥炉120は、内部に廃棄物が流入及び移送されながら過熱蒸気によって乾燥される空間を有する複数個の乾燥室110を多段構造で提供する手段として、乾燥炉120内部に上下方向に離隔設置される複数個の下部板121によって多段で構成される複数個の乾燥室110、複数個の乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1に廃棄物が流入されるように設置される廃棄物流入口122及び複数個の乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-N)に廃棄物が排出されるように設置される廃棄物排出コンベヤーと空気遮断装置123を含む。
【0029】
ここで、複数個の乾燥室110は、下部板121らがジグザグで一端または他端が開口されるように排出口124が形成されて廃棄物が上層から下層に流入されるようにする構造を有する。すなわち、ある一層の乾燥室に該当される下部板121が一端に排出口124が形成されれば、そのすぐ下層の乾燥室に該当される下部板121は他端に排出口124が形成される構造を有するようになる。
【0030】
また、各乾燥室110には下部板121に一定な間隔で形成されて乾燥室110を複数個で区画する区画板125が設置され、区画板125には乾燥室110内部で火事発生時にこれを消火させるための消火水が供給される空間を提供する消火レーン(図示せず)と、消火レーン(図示せず)に一定間隔で設置構成されて消火水を乾燥室110の空間に噴射させる複数個の噴射ノズル(図示せず)を含む消火手段が構成される。
【0031】
ここで、区画板125は、後述された廃棄物移送部130が駆動部140によって駆動されて廃棄物を移送させる作業時、区画板125らの間の空間が廃棄物移送路の機能を有するようにすることができて、廃棄物が何れか一つの移送路に移送中に隣接した他の移送路に超えないようにして廃棄物が局所的に固まることを抑制することができる。
【0032】
また、区画板125は、廃棄物移送部130の回転半径曲率に対応される湾曲板125aが‘∧'形状の断面を有しながら乾燥室110の長さ方向で構成されることで、後述された廃棄物移送部130の粉砕パドル132に加えられる負荷が小さくなるようにする。一例で、水分が50%程度のスラッジまたはスラッジ投入時搬入される異物などが粉砕パドル132の回転方向に沿って湾曲板125a部分を移送する場合粉砕パドル32と湾曲板125aとの間の空間が区画板125が平板である時に比べて細くなるようになって、粉砕パドル132に小さな回転負荷が作用され、水分が少ないスラッジ部分が粉砕パドル132の回転方向に沿って湾曲板125a部分に落下する場合区画板125が平板である時に比べてスラッジに加えられる落下速度及び落下角度が大きくなるようになって、スラッジ固まりの粉砕効果が向上されて速い粉砕ができるようにしてスラッジの乾燥表面積が相対的に大きくなるようになることで乾燥効率が大きく向上されることができる。
【0033】
また、下部板121の長さ方向両側には下部板121の長さ方向に沿って側壁板126が多段で設置される乾燥室110の両側壁体機能を提供する構造を有する。すなわち、乾燥室110は積層構造の下部板121ら両側に設置される側壁板126によって桶体構造で提供され、下部板121の幅方向に設置される区画板125によって一つの下部板121に複数個の廃棄物移送路が提供される構造を有するようになる。
【0034】
ここで、乾燥室110の側壁板126上側部には廃棄物移送部130の回転半径曲率に対して平たいように側壁板126に対して所定の角度、すなわち、12゜程度の角度を有するガイド板127が側壁板126の長さに沿って延長設置されることで、下部板121の廃棄物移送路に沿って移送される廃棄物らの安息角が40゜乃至70゜程度から5゜乃至15゜程度で破壊されるようにして、過熱蒸気が移送される流路が細くなることと撹拌及び解碎機能が低下されることを防止して乾燥効率を向上させることができる。
【0035】
この時、ガイド板127と側壁板126との間の角度は12゜であることが望ましいが、12゜を超過する場合には廃棄物を側壁板126に沿って上向き移送させる廃棄物移送部130の粉砕パドル132に大きい回転負荷が作用され、12゜未満である場合には廃棄物の安息角を破壊させる効果が著しく減少されるので、前記のような限定された角度を有することが望ましい。
【0036】
また、廃棄物流入口122は乾燥炉120の最上端乾燥室110-1外部に位置される廃棄物投入部(図示せず)から廃棄物が流入される構造を有して、廃棄物排出口123は乾燥炉120の最下端乾燥室110-Nまたは排出スーツ外部に位置される廃棄物排出部(図示せず)に廃棄物が排出される構造を有する。
【0037】
ここで、乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-Nは、乾燥炉120の下端部に残り乾燥室110-1~110-N-1に対して独立的で垂直に構成されて排出スーツの機能を有することが望ましい。
【0038】
すなわち、乾燥炉120のフレーム内部には複数個の乾燥室110が多段で構成され、フレーム外部に排出スーツが構成され、乾燥室110らを順次に移送した乾燥状態の廃棄物が排出スーツに収集される構造を有することができる。
【0039】
廃棄物移送部130は、乾燥室110の各層に複数個で構成されて上層に位置された乾燥室(例えば、110-1)の排出口124から該当層の乾燥室(例えば、110-2)に流入された廃棄物が該当層の乾燥室他端に移送された後排出口124を通じて下層の乾燥室(例えば、110-3)に排出されるようにする廃棄物移送手段である。また、廃棄物移送部130は複数個の乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-Nを除いたすべての乾燥室110-1~110-N-1に構成されて廃棄物を移送させる第1移送手段130-1と、複数個の乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-N、すなわち、排出スーツに構成されて廃棄物を移送させる第2移送手段130-2を含む。
【0040】
第1移送手段130-1は、多段で沿層構成される複数個の乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1から最下端直前の乾燥室110-N-1まで構成されて廃棄物流入口122を通じて最上端の乾燥室110-1に流入された廃棄物が最下端の乾燥室110-Nを向けて移送されるようにする手段である。第1移送手段130-1は各乾燥室110ごとに一定な間隔で複数個が設置構成され、後述された駆動部140によって回転される回転軸131と回転軸131に放射状で構成されて回転軸131の回転時廃棄物を粉碎しながら回転軸131の一端から他端、すなわち、排出口124に向けて移送させる多数個の粉砕パドル132を含む。
【0041】
ここで、粉砕パドル132は、廃棄物をたくし上げながら粉碎するが、下部板121に対して略5゜乃至30゜程度の傾斜を有しながら回転軸131に構成され、多くの量の廃棄物をたくし上げて粉砕がよくなされるようにして乾燥効率及び移送効率が向上されるようにすることができる。
【0042】
また、粉砕パドル132は、乾燥室110の一端や他端から眺める時に同心円を描きながら回転するが、この時、隣接した粉砕パドル132の同心円縁に重畳される長さで回転軸131に延長され、何れか一つの廃棄物移送路に多い量の廃棄物が移送されても隣接した他の廃棄物移送路で分散されるようにして、乾燥室110に均一に廃棄物が分布された状態を有するようにすることができて、これを通じて乾燥効率が向上されるようにすることができる。
【0043】
第2移送手段130-2は、多段で沿層構成される複数個の乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-N、すなわち、排出コンベヤーに構成されて最下端の乾燥室110-Nに流入された廃棄物が廃棄物排出口123に向けて移送されるようにする手段である。第2移送手段130-2は最下端の乾燥室110-Nに設置構成され、後述された駆動部140によって回転される回転軸133と、回転軸133に螺旋形で構成されて回転軸133の回転時廃棄物を押し出しながら回転軸133の一端から他端、すなわち、廃棄物排出口123に向けて移送させるスクリューブレード134を含む。
【0044】
ここで、第1移送手段130-1は、それぞれ該当乾燥室110に複数個が一定な間隔で配置されるが、より望ましくは、乾燥室110に区画板125が構成される場合区画板125らの間の廃棄物移送路に配置されることが良い。
【0045】
したがって、廃棄物移送部130によれば、多段の乾燥室110にそれぞれ粉砕パドルタイプやスクリューブレードタイプの移送手段が構成されることによって、従来のように粉砕パドルタイプとスクリューブレードタイプが半分ずつ構成される構造に比べて、廃棄物が固まる区間発生が最小化されて移送効率が向上されることがある。
【0046】
また、多段の乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-N、すなわち、排出コンベヤーだけにスクリューブレードタイプの移送手段が構成されることによって、乾燥室110を連続的に移送しながら乾燥が進行されて含水量が少ない廃棄物の移送及び排出時ほこり発生を抑制することができる。
【0047】
駆動部140は、乾燥室110各層外部に構成されて各層の乾燥室110に構成された複数個の廃棄物移送部130らを各層別に独立駆動させる駆動手段である。駆動部140は乾燥室110各層外部に構成される駆動モータ141、乾燥室110各層外部に延長される廃棄物移送部130の回転軸131にそれぞれ構成されて相互間噛み合いされる複数個の従動ギア142及び複数個の従動ギア142のうちで一側に位置された駆動ギア142aと駆動モータ141の駆動軸を連結するスプロケットとチェーンを含む。
【0048】
ここで、駆動モータ141は乾燥室110各層外部両側に一対で構成され、複数個の従動ギア142は一例で第1移送手段130-1が乾燥室110各層当たり8個で構成される場合4個ずつ噛み合いされる構造を有する状態で、駆動モータ141に近接した駆動ギア142aがスプロケットとチェーンを通じて駆動モータ141に連結される構造を有することが望ましい。
【0049】
また、前記のように、従動ギア142らが噛み合いされる場合第1移送手段130-1の回転方向が隣接したものどうし反対方向に回転されることによって、廃棄物が廃棄物移送路に沿って移送中にある一側に傾くか、またはかたよらないで均一に分散されるようにすることができる。
【0050】
したがって、駆動部140によれば、乾燥室110各層に構成された廃棄物移送部130らより望ましくは、乾燥室110各層に構成される第1移送手段130-1らが駆動モータ141と複数個の従動ギア142らによって各層別に独立駆動されることによって、従来のように、各乾燥室110に構成される第1移送手段130-1らが垂直するように一つの駆動モータとプーリーを通じて同時に駆動されるように連結されることに比べて、維持管理作業がずっと簡単で容易である。
【0051】
ここで、第2移送手段130-2の場合、第1移送手段130-1のように回転軸133が駆動モータにスプロケットとチェーンを通じて連結されるか、または直結されることができるので、詳細な説明は略することにする。
【0052】
過熱蒸気供給部150は、複数個の乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1に過熱蒸気を供給して過熱蒸気が最上端の乾燥室110-1から最下端直前の乾燥室110-N-1を経由しながら廃棄物が乾燥されるようにする過熱蒸気供給手段である。過熱蒸気供給部150は乾燥炉120の外側から最上端の乾燥室110-1まで連通される複数個のマニホールドダクトに過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給ダクト152、過熱蒸気供給ダクト152に供給される乾留ガスを加熱して過熱蒸気で生産する蒸気加熱器(図示せず)及び過熱蒸気供給ダクト152に蒸気加熱器によって加熱された過熱蒸気を送風させて過熱蒸気が複数個の乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1に供給された後廃棄物移送経路に沿って最下端直前の乾燥室110-N-1まで移送されながら廃棄物が乾燥されるようにする送風ファン(図示せず)などを含む。
【0053】
ここで、廃棄物を乾燥させる過熱蒸気は、単純に高温の蒸気以外に、酸素含有量が低くエンタルピーが高いものであることができるし、過熱蒸気を利用した廃棄物の乾燥を通じて火事を抑制して乾燥効率も向上するようにすることが良い。
【0054】
したがって、過熱蒸気供給部150によれば、乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1だけに過熱蒸気が供給されるようにすることで、各乾燥室110を過熱蒸気移送経路で活用されて含水量が最も多い廃棄物が移送される区間には最も高い温度の過熱蒸気による乾燥が進行されて相対的に含水量が少ない廃棄物が移送される区間には相対的に低い温度の過熱蒸気による乾燥が進行されることがある。よって、本発明による過熱蒸気供給部150によれば、従来のように乾燥室110にそれぞれ過熱蒸気が供給されることに比べて、設備費用の節減、火事発生抑制及びエネルギー節約などが可能にすることができる。
【0055】
粉塵除去部160は、複数個の乾燥室110のうちで最下端直前の乾燥室110-N-1に連通構成されて最下端直前の乾燥室110-N-1から排出される乾留ガスを収集してフィルタリング処理する粉塵除去手段である。粉塵除去部160は乾燥炉120の外側から最下端直前の乾燥室110-N-1まで連通される乾留ガス回収ダクト161、乾留ガス回収ダクト161の上側開口部をカバーしながら設置されて乾留ガスを遠心分離する上側遠心分離機162、乾留ガス回収ダクト161の下側開口部をカバーしながら設置されて乾留ガスを遠心分離する下側遠心分離機163、上側遠心分離機162内部に所定の体積を有する中が空いた半球形状を有しながら構成されて多数個の打孔164を通じて上側遠心分離機162内部に流入された乾留ガスの流れを強制で遅延させて乾留ガスのうちで粉塵の上昇速度を抑制して乾留ガスが渦流を有するようにして粉塵が下側遠心分離機163に下降されるようにして粉塵が除去された乾留ガスだけが上側遠心分離機162の排気孔162aに誘導されるようにするラウンドドーム165及び上側遠心分離機162の排気孔162aに延長されるダクトに構成されてラウンドドーム165によって粉塵が除去された乾留ガスを後工程装置に移送させる排出ファン(図示せず)を含む。
【0056】
ここで、ラウンドドーム165に形成される多数個の打孔164は、ハビナ方式でラウンドドーム165に穿孔されてラウンドドーム165内部から外部に乾留ガスに沿って粉塵が排出されることを抑制することが望ましい。
【0057】
また、ラウンドドーム165に形成される多数個の打孔164らの全体面積は、乾留ガス回収ダクト161の上側開口部断面積に比べて2倍以上を有することを通じて、乾留ガスの背圧を減少させることが望ましい。
【0058】
また、ラウンドドーム165には公知の冷却サイクルのうちで蒸発器に対応される構成が設置構成されて乾留ガスの温度を減少させてこの時、乾留ガスがラウンドドーム165と接触時に凝縮及び落下されることを通じて粉塵が除去されるようにすることが望ましい。
【0059】
したがって、粉塵除去部160によれば、乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-Nに流入された乾留ガスを回収して粉塵を除去した後内部に循環させるか、または外部に排出させることができるし、これに、従来のように各乾燥室110から乾留ガスが回収されることに比べて、設備費用の節減及びエネルギー節約などが可能にできる。
【0060】
ここで、粉塵除去部160から回収された乾留ガスは加熱された後過熱蒸気供給部150に供給され、再び乾燥室110に供給される循環構造を有することもできる。
【0061】
以下、本発明の望ましい実施例による廃棄物乾燥装置の作用に対して説明することにする。
【0062】
先ず、廃棄物流入装置(図示せず)から乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1に設置された廃棄物流入口122に廃棄物が投入される。すなわち、下部板121を通じて多段で形成された複数個の乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1の一端に廃棄物が投入される。
【0063】
以後、駆動部140によって乾燥室110の各層に一定な間隔で配列構成された複数個の廃棄物移送部130らが回転しながら乾燥室110の一端に投入された廃棄物を乾燥室110の他端に移送させる。
【0064】
この時、過熱蒸気供給部150によって乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1に過熱蒸気が供給される。
【0065】
また、廃棄物を乾燥させる過熱蒸気が乾燥室110のうちで最上端の乾燥室110-1だけに供給されて各乾燥室110が過熱蒸気移送経路で活用されることによって、含水量が最も多い廃棄物が移送される区間には最も高い温度の過熱蒸気による乾燥が進行されて相対的に含水量の少ない廃棄物が移送される区間には相対的に低い温度の過熱蒸気による乾燥が進行されるようにすることができる。
【0066】
また、複数個の廃棄物移送部130らのうちで最下端の乾燥室110-Nを除いた残りの乾燥室110-A~110-N-1には粉砕パドルタイプの廃棄物移送手段が構成され、最下端の乾燥室110-Nにはスクリューブレードタイプの廃棄物移送手段が構成されることによって、乾燥が完された後外部に排出される廃棄物からほこり発生を抑制することができる。
【0067】
以後、前記のように過熱蒸気によって乾燥されながら乾燥室110のうちで最下端の乾燥室110-Nに移送された廃棄物は廃棄物排出口123を通じて廃棄物排出装置(図示せず)に排出される。
【0068】
この時、複数個の廃棄物移送部130らは隣接したものなどどうし反対方向に重畳された同心円を描きながら回転されることによって、所定の面積を有する乾燥室110に廃棄物らが均一に分散されながら移送及び乾燥されるようにすることができる。
【0069】
また、廃棄物が移送される乾燥室110の下部板121を区画する区画板125には廃棄物移送部130の回転半径曲率に対応される湾曲板125aが‘∧'形状の断面を有しながら乾燥室110の長さ方向に構成されることで、廃棄物移送部130に加えられる負荷が小さくなるようにして廃棄物固まりが粉砕されるようにして乾燥効率が向上されるようにすることができる。
【0070】
また、廃棄物が移送される乾燥室110の下部板121両側に形成された側壁板126上側部には廃棄物移送部130の回転半径曲率に対して平たいように側壁板126に対して所定の角度を有するガイド板127が延長設置されることで、側壁板126部分の廃棄物らの安息角が40゜乃至70゜程度から5゜乃至15゜程度に破壊されるようにして過熱蒸気が移送される流路が細くなることと撹拌及び解碎機能が低下されることを防止して乾燥効率が向上されるようにすることができる。
【0071】
以後、乾燥室110のうちで最下端直前の乾燥室110-N-1に移送された過熱蒸気、すなわち、乾留ガスは粉塵除去部160によって回収されて粉塵が除去された後外部に排気されるか、再び加熱された後過熱蒸気供給部150に供給されて乾燥室110に供給される。
【0072】
したがって、本発明によれば、乾燥室110の側壁板126上側に所定の角度で傾いたガイド板127が延長設置されて粉砕パドル132によって廃棄物が側壁板126の上側に移送時ガイド板127によって安息角が破壊されるようにして過熱蒸気流路が細くなることを防止して撹拌及び解碎機能が低下されることを防止して乾燥効率を向上させることができる。
【0073】
また、乾燥室110の下部板121を区画する区画板125が粉砕パドル132の回転半径曲率に対応されたラウンド形状の湾曲板125aで構成されるようにしてパドルの回転時区画板125部分に廃棄物が集中されても粉砕パドル132に大きい負荷が加えられないようにして廃棄物が大きい加速度を有しながら区画板125に落下及び粉砕されるようにして乾燥効率を向上させることができる。
【0074】
また、乾燥室110の最終端に構成される粉塵除去部160によって乾留ガスに含まれた粉塵が遠心分離方式によって除去されて維持管理が容易で乾留ガスの温度が低くなるようにして冷却装置などの後工程装置の負荷を節減して廃棄物処理システムの全般的な運営効率を向上させることができる。
【0075】
前述した本発明では具体的な実施例に関して説明したが、さまざまな変形が本発明の範囲から脱しないで実施されることができる。したがって、発明の範囲は説明された実施例によって決定されるものではなく、請求範囲と請求範囲の均等なものによって決定されなければならない。
【符号の説明】
【0076】
110 乾燥室
120 乾燥炉
130 廃棄物移送部
140 駆動部
150 過熱蒸気供給部
160 粉塵除去部