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特許7389878土木機器に固設された地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】土木機器に固設された地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステム
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/28 20060101AFI20231122BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
E02F9/28 A
E02F9/00 A
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022164436
(22)【出願日】2022-10-13
(62)【分割の表示】P 2019517208の分割
【原出願日】2017-06-13
(65)【公開番号】P2022188257
(43)【公開日】2022-12-20
【審査請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】62/349,344
(32)【優先日】2016-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518269669
【氏名又は名称】エスコ・グループ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ポール,デヴィッド・エム
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,ロドニー・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,クリストファー・エム
(72)【発明者】
【氏名】カウギル,ノア・ディー
(72)【発明者】
【氏名】フィンレー,テイラー・エム
(72)【発明者】
【氏名】カーペンター,ライアン・ジェイ
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/061232(WO,A1)
【文献】特開2013-194424(JP,A)
【文献】特表2007-508475(JP,A)
【文献】特開平07-061797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0016663(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/28
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木機器に装着された地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステムであって
記地面係合摩耗部品を保持するための把持デバイスを含むハンドリング工具であって、前記摩耗部品は、前記土木機器のベースを受容するとともに、前記土木機器のベース上に装着されるための空洞を有する、ハンドリング工具と、
前記ハンドリング工具を支持及び移動させ、(i)前記地面係合摩耗部品に係合及び前記地面係合摩耗部品を把持し、(ii)前記地面係合摩耗部品を前記土木機器のベース上に設置及び/又は前記ベースから取り外すためのマニピュレータと、
前記ハンドリング工具及び前記マニピュレータに動力供給するための油圧駆動部と、
前記摩耗部品の前記土木機器のベース上への設置及び/又は前記ベースからの取り外し中、前記ベースに接触して前記摩耗部品と前記ベースとの結合を限定し、前記摩耗部品の前記空洞と前記ベースとを軸方向に配向するとき、前記摩耗部品の小さな移動を可能にする、前記マニピュレータの前記油圧駆動部に提供された浮動機構と、
前記ハンドリング工具及び前記マニピュレータの前記移動を制御するためのコントローラと、を備える、ハンドリングシステム。
【請求項2】
前記マニピュレータが、前記ハンドリング工具を支持する3軸ジョイントを含み、3軸が、互いに離間して順次構成されている、請求項1に記載のハンドリングシステム。
【請求項3】
前記ハンドリング工具が、前記摩耗部品を前記ベースに固設するロックに接触して解放するように可動であるロック解放デバイスを含む、請求項1又は請求項2に記載のハンドリングシステム。
【請求項4】
前記ロック解放デバイスが、前記ロック内のねじ山付き構成要素を旋回させるための回転駆動部を含む、請求項に記載のハンドリングシステム。
【請求項5】
前記ハンドリング工具が、前記摩耗部品のノーズに係合する、請求項1~のいずれか一項に記載のハンドリングシステム。
【請求項6】
前記地面係合摩耗部品の場所、配向及び/又は摩耗寿命を決定するために、前記地面係合摩耗部品に固設された識別子と通信する電子センサを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のハンドリングシステム。
【請求項7】
前記土木機器からの前記地面係合摩耗部品の解放を容易にするために、前記土木機器上の前記摩耗部品に衝撃を与えるためのハンマを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のハンドリングシステム。
【請求項8】
前記摩耗部品を把持及び解放するための把持アセンブリを各々が含む複数の個別のハンドリング工具を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のハンドリングシステム。
【請求項9】
前記マニピュレータが、前記ハンドリング工具の各々に二者択一的に係合するためのコネクタを含む、請求項に記載のハンドリングシステム。
【請求項10】
前記ハンドリング工具のうちの2つが、前記摩耗部品に係合するように、二者択一的に前記ハンドリング工具を適所に移動させることができる単一のシャーシに接合されている、請求項に記載のハンドリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01]
本開示は、土木機器に固設された地面係合工具(ground engaging tool、GET)などの地面係合摩耗部品をハンドリングするためのハンドリングシステム、並びにかかる摩耗部品を取り外すため及び設置するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
[02]
採鉱及び建築の際、地面係合摩耗部品(例えば、先端及びシュラウド)は、一般に、土木機器、例えば、ドラグライン機械のためのバケット、ケーブルショベル、フェースショベル、油圧掘削機、ローダ、バケットホイール掘削機などの採掘縁部に沿って提供される。これらの磨耗部品は、基礎をなす機器を過度な摩耗から保護し、場合によっては、採掘縁部の先の地面を破壊するなど、他の機能を遂行する。使用中、これらの摩耗部品は、重負荷及び高研磨条件に遭遇する場合がある。その結果、これらを周期的に交換しなければならない。
【0003】
[03]
これらの摩耗部品は一般に、(例えば、採掘縁部に沿って)土木機器に固設されたベース上に装着され、摩耗部品は、地面に係合するようにベースに固設される。摩耗部品は、より迅速に摩耗する傾向があり、典型的には、(同様に交換可能な摩耗部品であり得る)ベースも修理又は交換されなければならなくなる前に、複数回交換される。かかる摩耗部品の一例は、土木機器用のバケットのリップに取り付けられた掘削歯の先端である。歯は、典型的には、ベースとしてバケットのリップに固設されたアダプタと、地面との接触を開始するようにアダプタに取り付けられた先端又は先端部材を含む。ピン又は他の種類のロックを使用して、先端部材をアダプタに固設する。
【0004】
[04]
土木機器用の地面係合摩耗部品の取り外し及び設置に関連するいくつかの課題及び危険が存在する。磨耗部品は、大きく、重く、かつ/又は扱いにくいものであり、取り外し及び設置中に摩耗部品をリフティングし、保持し、かつ/又は操縦する際の困難さ及び/又は危険につながる場合がある。摩耗した部品はまた、互いに不均一であり得る。摩耗部品のメンテナンスは、特に、過酷な条件(例えば、極端な加熱又は冷却、雨、雪、みぞれ、暗闇など)で使用される場合に、損傷のリスクを引き起こし得る、重量工具の支持機器及び輸送を必要とする。これらのリスクは、例えば、リフティングアイが磨耗する、部品の複雑な幾何学的形状、空間制約、部品の向き、部品をホイストに固設するための複雑な若しくは不安定なリギング、作業者が着用する重い手袋、衝突した土の微粉(earthen fine)、取り外し及び設置のために必要なハンマなどのリフティング特徴により悪化する可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
[05]
本開示は、土木機器(例えば、掘削機器)と共に使用される地面係合摩耗部品をハンドリングするためにハンドリングシステムに関する。ハンドリングシステムは、地面係合摩耗部品の容易で、迅速で、かつ/若しくは安全な取り外し及び/若しくは設置、並びに/又は摩耗部品の他のハンドリングを容易にし得る。
【0006】
[06]
一実施形態では、土木機器用の地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステムは、摩耗部品の後部部分を把持及び解放するための一対の可動アームを有するハンドリング工具と、摩耗部品の前部部分に係合し、基礎となる支持部とを含む。マニピュレータは、ハンドリング工具を支持及び移動させて、摩耗部品に係合し、かつ摩耗部品を土木機器上に設置及び/又は土木機器から取り外す。コントローラは、ハンドリング工具及びマニピュレータの移動を制御する。
【0007】
[07]
別の実施形態では、土木機器用の地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステムは、複数の個別のハンドリング工具であって、それらの各々が摩耗部品を把持及び解放するための把持アセンブリを含む、複数の個別のハンドリング工具と、摩耗部品をベース上に設置及び/又はベースから取り外すために、ハンドリング工具の各々を別個に係合及び移動させて、摩耗部品に係合するためのコネクタを有するマニピュレータと、マニピュレータ及びハンドリング工具の移動を制御するためのコントローラとを備える。
【0008】
[08]
別の実施形態では、土木機器用の地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステムは、摩耗部品上のノーズに係合するための対向する支承面を含むハンドリング工具と、ノーズ内のロック開口部を係合及び解放するための支持部とを含む。マニピュレータは、ハンドリング工具を支持及び移動させて、摩耗部品に係合し、摩耗部品をベース上に設置及び/又はベースから取り外す。コントローラは、ハンドリング工具及びマニピュレータの移動を制御する。
【0009】
[09]
別の実施形態では、土木機器のベース上に装着された地面係合摩耗部品を取り外すための方法は、摩耗部品を把持及び解放するための把持アセンブリを各々が含む複数の個別のハンドリング工具のうちの1つをマニピュレータに接続することと、マニピュレータを操作して、接続されたハンドリング工具を摩耗部品の近位に配置することと、接続されたハンドリング工具を操作して、摩耗部品に係合することと、摩耗部品をベースに固設するロックを移動させて、ベースを解放することと、マニピュレータを操作して、ハンドリング工具によって係合された摩耗部品を土木機器から引っ張ることとを含む。
【0010】
[10]
別の実施形態では、土木機器に固設されたベース上に装着された地面係合摩耗部品を取り外すための方法は、ハンドリング工具を有するマニピュレータを操作して、ハンドリング工具が摩耗部品の近位になるようにすることと、アーム及び支持部を有するハンドリング工具を操作して、アームが摩耗部品の後部部分を把持し、支持部が摩耗部品の前部部分に係合し、基礎をなすようにすることと、ハンドリング工具が摩耗部品を把持した後に、摩耗部品をベースに固設するロックを移動させて、ベースを解放することと、マニピュレータを操作して、摩耗部品と共にハンドリング工具をベースから引っ張ることとを含む。
【0011】
[11]
別の実施形態では、土木機器に固設されたベース上に装着された地面係合摩耗部品を取り外すための方法は、ハンドリング工具を有するマニピュレータを操作して、ハンドリング工具が摩耗部品の近位になるようにすることと、摩耗部品上のノーズに係合するための支承面、及びノーズ内のロック開口部に係合するための支持部を有するハンドリング工具を操作することと、ハンドリング工具が摩耗部品を把持した後に、摩耗部品をベースに固設するロックを移動させて、ベースを解放することと、マニピュレータを操作して、摩耗部品と共にハンドリング工具をベースから引っ張ることとを含む。
【0012】
[12]
別の実施形態では、土木機器のベース上に装着された摩耗した地面係合摩耗部品を交換するための方法は、摩耗部品を保持及び解放するための把持アセンブリを各々が含む複数の個別のハンドリング工具のうちの1つを接続することと、マニピュレータを操作して、接続されたハンドリング工具を土木機器のベース上の摩耗した摩耗部品の近位に配置することと、接続されたハンドリング工具を操作して、摩耗した摩耗部品を係合及び保持することと、摩耗した摩耗部品をベースに固設するロックを移動させて、摩耗した摩耗部品を解放することと、マニピュレータを操作して、ハンドリング工具によって係合された摩耗した摩耗部品を土木機器から引っ張ることと、摩耗した摩耗部品をハンドリング工具から解放することと、マニピュレータを操作して、ハンドリング工具を新しい摩耗部品の近位に配置することと、ハンドリング工具を操作して、新しい摩耗部品を係合及び保持することと、ロックを移動させて、新しい摩耗部品をベースに固設することと、ハンドリング工具を操作して、土木機器のベース上の新しい摩耗部品を解放することとを含む。
【0013】
[13]
別の実施形態では、土木機器のベース上に装着された地面係合摩耗部品を取り外すための方法は、オペレータ力増強部及びハンドリング工具を有するマニピュレータを手動で操作して、ハンドリング工具を土木機器上の摩耗部品の近位に配置することと、ハンドリング工具を作動させて、確実に摩耗部品を保持することと、摩耗部品を土木機器に保持する少なくとも1つのロックを移動させて、土木機器を解放することと、ロックが移動された後に、マニピュレータを手動で操作して、ハンドリング工具によって保持された摩耗部品を土木機器から離して移動させることとを含む。
【0014】
[14]
別の実施形態では、土木機器のベース上に装着された地面係合摩耗部品を交換するための方法は、オペレータ力増強部及びハンドリング工具を有するマニピュレータを手動で操作して、ハンドリング工具を土木機器上の摩耗した摩耗部品の近位に配置することと、ハンドリング工具を作動させて、確実に摩耗した摩耗部品を保持することと、摩耗した摩耗部品を土木機器に保持する少なくとも1つのロックを移動させて、土木機器を解放することと、マニピュレータを手動で操作して、ハンドリング工具によって保持された摩耗した摩耗部品を土木機器から離して移動させることと、摩耗した摩耗部品をハンドリング工具から解放することと、マニピュレータを手動で操作して、ハンドリング工具を新しい摩耗部品の近位に配置することと、ハンドリング工具を作動させて、確実に新しい摩耗部品を保持することと、マニピュレータを手動で操作して、マニピュレータによって保持された新しい摩耗部品を土木機器上の適所に配置することと、少なくとも1つのロックを移動させて、新しい摩耗部品を土木機器に保持することと、新しい摩耗部品をハンドリング工具から解放することとを含む。
【0015】
[15]
別の実施形態では、土木機器用の地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステムは、オペレータ力増強部を組み込んだ手動操作マニピュレータと、マニピュレータに接続され、土木機器から摩耗部品を取り外すか、及び/又は土木機器上に設置するために摩耗部品を保持及び解放するための把持アセンブリを有するハンドリング工具とを備える。一実施形態では、マニピュレータは、高機能補助デバイスである。別の実施形態では、マニピュレータは、工具バランサを含む。
【0016】
[16]
別の実施形態では、土木機器用の地面係合摩耗部品のためのハンドリングシステムは、クレーンと、垂直オペレータ力増強部として工具バランサを有するリギングシステムと、摩耗部品を把持及び解放するためのアームを有するハンドリング工具とを含む。
【0017】
[17]
別の実施形態では、ハンドリングシステムは、磨耗部品の軸を横断する表面に係合する支承面を有するアームを含むベースから磨耗部品を取り外すためのハンドリングツールと、摩耗部品の前部部分に係合するための支持部とを含む。アクチュエータは、支承面及びスラスト面のうちの1つを変位させて、摩耗部品に軸圧縮力を及ぼす。別の実施形態では、ハンドリングシステムは、ハンドリング工具を軸方向に引っ張り、摩耗部品をベースから分離する。
【0018】
[18]
別の実施形態では、摩耗部品を位置決めするハンドリングシステムは、摩耗部品を位置決めするハンドリング工具を有する関節アームと、摩耗部品を支持するクレーンとを含む。ハンドリングシステムは、ハンドリング工具に係合するために、クレーンと摩耗部品との間にリギング工具を含み得る。
【0019】
[19]
別の実施形態では、ハンドリングシステムは、複数の工具に係合する関節アームを含み、各工具は、磨耗部分をベースから分離する際に別個の機能を遂行する。別の実施形態では、関節アーム及び工具は各々、アームを工具に係合する際に工具に動力を供給する対応する電力コネクタを含む。
【0020】
[20]
別の実施形態では、土木機器上の摩耗部品を交換するためのハンドリングシステムは、摩耗部品の画像を収集し、摩耗部品の基準点の座標を決定する画像処理システムを含む。別の実施形態では、画像処理システムは、既知の距離離れた2つの基準点の座標を決定する。別の実施形態では、基準は、オペレータによって摩耗部品上に位置決めされる。別の実施形態では、基準は、リトロフレクタである。
【0021】
[21]
別の実施形態では、磨耗した摩耗部品を隣接する部材から分離するハンドリングシステムは、関節アームと、アームに接続するハンドリング工具とを備え、ハンドリング工具は、てこ工具を備え、ハンドリング工具は、摩耗部品と隣接する部材との間の間隙内でてこ工具を回転させて、摩耗部品を隣接する部材から分離する。
【0022】
[22]
別の実施形態では、磨耗した摩耗部品を隣接する部材から分離するハンドリングシステムは、関節アームと、アームに接続するハンドリング工具とを備え、ハンドリング工具は、支承面を備えた後方に延在するアームと、摩耗部品及び隣接する部品を反対方向に支承して、摩耗部品を隣接する部品から分離する、アームに接続されたアクチュエータとを含む。別の実施形態では、ハンドリングシステムは、分離された摩耗部品を、部品をリサイクルするために傾けることができる支持車両のビンの中に置く。
【0023】
[23]
別の実施形態では、摩耗部品を支持するハンドリングシステムは、関節アームと、アームに接続するハンドリング工具とを含み、ハンドリング工具は、摩耗部品のノーズに係合する支承面と、摩耗部品に係合する後方に延在するアームと、ねじ山付きロック構成要素を係合及び旋回させるトルク工具とを備える。
【0024】
[24]
別の実施形態では、ハンドリングシステムは、摩耗部品を半径方向位置に保持する複数
の工具ヘッドを備えた回転カルーセルを含む、摩耗部品を分配するためのラックと、カルーセルを回転させるアクチュエータと、回収のために、カルーセルを回転させ、摩耗部品を割り出し位置に位置決めする、アクチュエータに接続されたコントローラとを含む。別の実施形態では、ハンドリングシステムは、割り出し位置に戻って、カルーセルの割り出し位置にアクセスする関節アームを含む。
【0025】
[25]
別の実施形態では、摩耗部品を土木機器から取り外すためのハンドリングシステムは、摩耗部品のねじ山付き構成要素を回転させるためのハンドリング工具と、摩耗部品を支持するためのハンドリング工具とを含む。別の実施形態では、ねじ山付き構成要素を回転させるためのハンドリング工具は、ねじ山付き構成要素の凹部内にトルク工具を挿入する。別の実施形態では、ハンドリング工具は、摩耗部品と隣接する部材との間の間隙内でてこ工具を旋回させる。別の実施形態では、関節アームは、ハンドリング工具に係合する。
【0026】
[26]
別の実施形態では、摩耗部品を土木機器から取り外すためのハンドリングシステムは、摩耗部品を支持するためのハンドリング工具を含み、摩耗部品は、工具が摩耗部品を把持した状態で、データを工具に転送する通信デバイスを含む。
【0027】
[27]
別の実施形態では、摩耗部品を取り外すための方法は、ハンドリングシステムのプロセッサに遠隔制御によりコマンドを送信することと、プロセッサでコマンドを受信することと、ハンドリング工具のアクチュエータでコマンドを実装することと、アクチュエータに接続されたアームで摩耗部品を把握することとを含む。
【0028】
[28]
別の実施形態では、摩耗部品のためのハンドリングシステムは、オペレータ力増強部としてのマニピュレータと、摩耗部品を把持するためのアームを備えた、マニピュレータに接続されたハンドリング工具とを備える。別の実施形態では、摩耗部品のためのハンドリングシステムは、クレーンと、垂直オペレータ力増強部として工具バランサを有するリギングシステムと、摩耗部品の後部部分を把持及び解放するためのアームを有するハンドリング工具とを備える。
【0029】
[29]
別の実施形態では、ハンドリング工具は、異なる地面係合摩耗部品をハンドリングするように動作可能な複数の個別の工具ヘッドを含み得る。一実施形態では、ハンドリング工具は、先端用の一方の工具ヘッドと、アダプタ用の第2の工具ヘッドとを含む。別の実施形態では、ハンドリング工具は、1つのサイズの摩耗部品をハンドリングするための一方の工具ヘッドと、異なるサイズの摩耗部品をハンドリングするための第2の工具ヘッドとを含む。別の実施形態では、一方の工具ヘッドは先端部材用のものであり、別の工具ヘッドはシュラウド用のものである。仮想的に任意の数の工具ヘッドを備えたハンドリング工具を含む他の構成が可能である。
【0030】
[30]
別の実施形態では、ハンドリング工具は、摩耗部品に係合するように、複数のハンドリング工具ヘッドの簡単な位置決めを容易にする旋回台を含む。
【0031】
[31]
別の実施形態では、ハンドリング工具は、シャーシと、シャーシに弾性的に連結された地面係合摩耗部品をハンドリングするための少なくとも1つの工具ヘッドとを含む。この
弾性連結は、摩耗部品との係合を容易にする運動の自由を提供し、及び/又は一次マニピュレータが工具を支持する際の不正確さを考慮に入れる。
【0032】
[32]
別の実施形態では、ハンドリング工具は、ノーズなどの顕著な特徴により地面係合摩耗部品を保持するための支持部、又は別の摩耗部品を支持するように設けられた先端の前部部分を含む。一実施形態では、支持部は、内部にノーズが受容される空洞と、支持部からのノーズの取り外しを阻止する保定部とを画定する。
【0033】
[33]
別の実施形態では、ハンドリング工具は、摩耗部品のハンドリングが、損傷のリスクを低減させるために、作業者が部品に接触することなく、かつ作業者を摩耗部品から好適な距離に離間したままで行われ得るように、作業者によって遠隔操作される。
【0034】
[34]
別の実施形態では、ハンドリング工具は、掘削機又は他のマニピュレータ(例えば、トラックに装着された油圧クレーン)のスティックへの一般的な取り付けに好適なコネクタを含み得る。かかるコネクタの使用により、鉱山及び建築現場において、容易かつほぼ汎用のハンドリング工具の使用が可能となる。
【0035】
[35]
別の実施形態では、ハンドリング工具は、確実に地面係合摩耗部品を保持するための少なくとも1つの用具ヘッドと、リギング又はリフティングアイによって地面係合摩耗部品を固設するための連結部とを含み得る。この特徴の組み合わせは、摩耗部品の係合、操縦、及び移動に対する万能性を提供する。一実施形態では、連結部をハンドリング工具の底部内に凹ませることにより、ハンドリング工具を地面の上に安定してセットする能力を損なうことなく、摩耗部品に簡単に接続することが可能になる。
【0036】
[36]
上記の態様、実施形態、及び例を、単独で、又はこれらのうちの2つ以上と一緒に集合的に使用することができる。本発明の態様の利点及び特徴を更に理解するために、本開示に関連する様々な構成及び概念を説明し、例示する以下の説明事項及び添付の図に対する参照がなされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】[37] 摩耗部品を有するバケットに隣接するトラックの上に装着されたハンドリングシステムの斜視図である。
図2】[38] ハンドリング工具の斜視図である。
図2A】[39] 図2のハンドリング工具の斜視図である。
図2B】[40] 図2のハンドリング工具の側面立体図である。
図3】[41] 地面係合工具の斜視図である。
図3A】[42] 取り付けられた地面係合工具を備えるバケットのリップの斜視図である。
図4】[43] バケットのリップ上の歯の分解斜視図である。
図5】[44] 掘削歯を支持するハンドリング工具の側面図である。
図6】[45] 掘削歯を支持するハンドリング工具の側面図である。
図7】[46] 掘削歯を支持するハンドリング工具の上面図である。
図7A】[47] 図7のハンドリング工具の側面図である。
図8】[48] 掘削歯を支持するハンドリング工具の側面図である。
図8A】[49] 図8のハンドリング工具のA-Aにおける断面図である。
図9】[50] 抽出工具及び掘削歯の側面立体図である。
図9A】[51] 図9の抽出工具のAにおける詳細図である。
図10】[52] 抽出工具の側面立体図である。
図10A】[53] 図10の抽出工具のA-Aにおける断面図である。
図10B】[54] 図10の抽出工具のB-Bにおける断面図である。
図11】[55] 掘削歯を支持するクレーンと共に使用されるリギングの側面図である。
図11A】[56] アダプタを支持するクレーンと共に使用されるリギングの斜視図である。
図11B】[57] アダプタを支持するための代替のリギング工具の斜視図である。
図12】[58] 基準点を有する摩耗アセンブリの斜視図である。
図13】[59] 基準点を有するカメラ及び摩耗アセンブリの側面立体図である。
図13A】[60] 図13の摩耗アセンブリ及び異なる観点からのカメラ画像の斜視図である。
図14】[61] 弾性支持部を有する工具本体の斜視図である。
図15】[62] ハンドリング工具の斜視図である。
図16】[63] 180°回転された図15のハンドリング工具の斜視図である。
図17】[64] 摩耗部品のためのカルーセルラックを有するトラックの上に装着されたハンドリングシステムの斜視図である。
図18】[65] 3軸ジョイントの側面立体図である。
図18A】[66] 図18の3軸ジョイントの斜視図である。
図19】[67] 掘削機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[68]
本開示は、土木機器で使用される地面係合摩耗部品をハンドリングするためのハンドリングシステム、並びにかかる摩耗部品を取り外すため及び/又は設置するためのプロセス及び/又は摩耗部品の他のハンドリングに関する。ハンドリングシステムは、摩耗部品のハンドリング時の速度、容易さ、及び/又は安全性の利点を提供する。このシステムを使用して、多種多様な地面係合摩耗部品を、例えば、ドーザ、ローダ、ドラグライン機械、ケーブルショベル、フェースショベル、油圧掘削機、浚渫カッタ、バケット、リップ、ブレード、リッパ、せん断ドラム、連続採鉱機などを含むいろいろな種類の土木機器の上に設置及び/又は当該土木機器から取り外すことができる。かかる地面係合製品の例としては、先端部材、アダプタ、中間アダプタ、シュラウド、ランナ、ピック、摩耗板などが挙げられる。本明細書で使用する場合、土木機器は、場合によって、様々な掘削又は他の土工機械、バケット、カッタヘッド、せん断器ドラムなどの機械の地面係合構成要素、又はこれらの機械及び構成要素の両方の組み合わせを指すことがある。
【0039】
[69]
ハンドリングシステム10は、関節アーム、又は、好ましくは、マニピュレータに接続する様々なハンドリング工具に対して支持及び動力供給するための、マニピュレータの端部の取り付け点又はソケット12などの汎用コネクタを有するマニピュレータ10Aを含み得る。図1に示されるように、マニピュレータをトラック1の上に装着して可動性を提供することができるが、マニピュレータを他の車両(例えば、掘削機)又は可動若しくは不動の他のベース(例えば、トレーラ又はステーション)に接続することができる。トラックは、摩耗した及び新しい摩耗部品7を保持するためのラック90を含み得るが、これらの摩耗した及び新しい摩耗部品のために、他のカルーセル、カートリッジ、ビン、又は他の支持構成を使用することができる。マニピュレータは、摩耗部品を支持すること、ロックを旋回すること、シュラウドを把持すること、微粉を取り出すこと、及び/又は摩耗部品をベースから取り出すことなどの特定の機能を遂行する工具25で工具ライブラリ1
4にアクセスし得る。トラックは、プロセッサ8とオペレータ入力2Aとの間でデータを転送するための通信2を含み得る。プロセッサ8は、データを処理すること、データを格納すること、及び機械の移動を制御することなどの機能を遂行し得る。トラックは、任意選択で、負荷を支持するためにベース周りで枢動し得るクレーン又はリフト200を含み得る。リフトは、任意選択で、ホイスト、テークル、チェーン、工具、及びリンクなどのリギング200Aを含み得る。
【0040】
[70]
ハンドリングシステムは、地面係合摩耗部品の取り外し及び/又は設置における利点を提供し得、また、摩耗部品を異なる場所へ移動させることなど、他のハンドリング活動において有用であり得る。ハンドリングシステムは、作業者が摩耗部品に接触することを回避させることができ、摩耗部品から遠隔であってもよい。即ち、作業者は、損傷のリスクを低減するように、取り外されるか又は設置される摩耗部品から好適な距離に物理的に離間され得る。ハンドリングシステムは、摩耗部品の異なるスタイルをハンドリングするためのマニピュレータに二者択一的に相互接続された複数のハンドリング工具を含み得、異なるスタイルは、異なるサイズの摩耗部品及び/又は異なる設計を有する摩耗部品を意味し得る。ハンドリングシステムは、摩耗部品が重く、大きく、かつ/若しくは扱いにくいものであり得、取り外し及び設置が常時及び/若しくは全ての気象条件で行われ得、並びに/又は機械が遠隔で、摩耗部品の交換を完了することを困難及び/若しくは危険にする変動する及び/若しくは予測不可能な環境にあり得る鉱山において有益である場合がある。ハンドリングシステムは、土木機器を維持するのに必要な労働時間数及び機械停止時間を著しく低減し得る。ハンドリングシステムは、建築現場だけでなく、他の土木操作においても利点を提供し得る。
【0041】
[71]
一例では、土木機器は、採掘中に土の材料を収集するために使用され得るバケット3を含む。バケット3を採掘機械に着脱することができる。3はバケット6の掘削縁のリップ5に沿ってバケットの幅を規定する。採掘縁部は、地面との接触を導く機器の部分である。歯及び/又はシュラウドの形態の地面係合摩耗部品は、一般に、採掘縁部に固設されて、早期摩耗、採掘縁部の先の地面を破壊すること、及び/又は土の材料をバケット内に収集することからバケットを保護する。例示される実施形態では、本明細書においてその全体が参照により組み込まれる米国特許第9,222,243号に開示されるような歯7及びシュラウド9がリップに取り付けられている。それにもかかわらず、ハンドリングシステムは、他の多様な歯及び他の種類の摩耗部品(例えば、シュラウド)をハンドリングすることができる。
【0042】
[72]
ハンドリング工具25は、図2に例示されるように、把持デバイス1000を含み得る。把持デバイス1000は、先端又は先端部材15に対して横方向に移動させて、先端を把持及び解放する一対の対向するアーム1061を含む。アーム1061は各々、アーム支持部1063に枢動可能に固設されて、この例では、油圧シリンダであるアクチュエータ1067に応答して枢動ピン1065の周りを移動する。各アーム1061は、対向する側面で先端15に接触して保持するための把持部1069を含む。各把持部1069は、好ましくは、枢動可能にそれぞれのアーム1061の自由端に取り付けられる。本実施形態では、ハンドリング工具25は、コネクタ12において相補コネクタ10B、10Cを通って提供される油圧パワーに接続されている。それにもかかわらず、他の種類のアクチュエータ、例えば、電動アクチュエータ(例えば、ラックアンドピニオン、ボールスクリューなど)を使用することができ、電力源は、掘削機、バッテリ、又は他の手段であり得る。工具は、手動で操作される機械式アクチュエータを含み得る。かかる一例では、マニピュレータは、高機能補助デバイス(intelligent assist device、IAD)であって
、それによって、オペレータが容易に工具ヘッド(複数可)及び摩耗部品を土木機器から取り外す、及び土木機器上に設置するために手動で操縦することができる、高機能補助デバイスを含むであろう。
【0043】
[73]
把持デバイス1000は、先端の前部部分19の形状を少なくとも部分的に相補する支持部又はスラスト板1087を含む。支持部1087は、シャーシ又は工具本体1092に対して前後に板を移動させ得る支持部アクチュエータ1089に接続されている。先端が後部でアーム1061によって保持された状態で、支持部を後方(又は前方)に移動させて、先端の前部部分19に係合する。これにより、先端の背後で把持部1069の間に先端の正の保定が提供され、支持部1087が先端19の前部を支持する。代替的に、アームが軸方向に調節可能であり、支持部がアーム又はシャーシに固定されることがある。摩耗部品15を保持する他の構成を使用することができる。代替的な実施形態では、支持部は使用されず、アームが完全に摩耗部品を支持する。
【0044】
[74]
摩耗した摩耗部品15(この例では、先端)を取り外すために、ハンドリング工具25がトラック1などの支持機器によって摩耗部品近傍に運ばれ、操作されるマニピュレータがハンドリング工具を摩耗した摩耗部品近位に位置決めする。摩耗部品がアーム1061の間に位置決めされた状態で、把持部1069が先端の両側に接触するまでアームを互いに向けて移動させて、落下又は滑脱することなく、確実に先端を保持する。必要に応じて支持部を移動させて、歯の前部部分に係合する。摩耗した先端15がハンドリング工具によって保持された後、ロックは、以下で詳細に記載される収縮位置に、工具の異なる部分、別の工具によって、又はオペレータによって別個に調節される。次いで、ハンドリング工具25を支持するマニピュレータ10Aを収縮させ、ベースから、その上に装着された摩耗部品を分離する。摩耗部品が取り外されると、マニピュレータ10Aは、先端15を有するハンドリング工具25を移動させて、処分現場、例えば、ビン、トラックベッド、パレット、地面、又は摩耗した摩耗部品を処分するための他の場所に摩耗した先端を配置する。摩耗した先端がラック90内にある状態で、アーム1061が分離して、摩耗部品を解放する。
【0045】
[75]
新しい摩耗部品又は先端15をベース又はアダプタ13上に設置するために、工具25は、アーム1061が新しい先端の周りに位置決めされるように、摩耗部品近くに位置決めされる。本実施形態では、新しい先端がラック90内の棚の上に格納されるが、他の構成が可能である。アーム1061を閉じて、先端の後部部分の両側を把持し、必要に応じて、支持部を調節して、先端の前部部分に係合する。マニピュレータ10Aは、先端をラックから引っ張って、先端が設置されるであろうベースの前部の位置へと移動させる。次いで、摩耗部品内の空洞がベースを受容するように、摩耗部品を後方に移動する。この例では、アダプタのノーズが先端内に受容される。次いで、ロックを移動させて、ハンドリング工具の構成要素、別の工具によって、又はオペレータによって別個に、摩耗部品をベースに固設することができる。
【0046】
[76]
ノーズの支承面上での空洞の支承面の結合又はくさび止めを限定するために、工具は、支持ノーズに対する摩耗部品の小さな移動を提供する弾性装着を含み得る。弾性装着は、アクチュエータが工具25の位置を制御すること、及び/又は保定デバイス1050が減衰モード又は浮動モードを有することによって提供される。アクチュエータの減衰により、結合状態が検出される場合に摩耗部品に加えられる力をアクチュエータが低減することが可能になる。アクチュエータの減衰又は浮動は、当業者によって理解されるため、本明
細書では詳細に記載しない。代替的に、ばねを提供して、ハンドリング工具の弾性装着を提供することができる。
【0047】
[77]
一実施形態では、摩耗アセンブリ又は歯7は、リップ5に溶接されたベースアダプタ11と、ベースアダプタ11に固設された中間アダプタ13と、中間アダプタ13に固設された先端又は先端部材15とを含む。ベースアダプタ11は、リップにまたがる一対の二股状の脚部16と、中間アダプタ13を支持するノーズ17とを含む。中間アダプタ13は、ベースアダプタ11のノーズ17を相補して受容するための後方に開口する空洞18と、先端15を支持するための前方に延在するノーズ20とを含む。先端15は、ノーズ20を相補して受容するための後方に開口する空洞22と、地面との接触を開始するための前部端部19とを含む。ロック21は、先端15を中間アダプタ13に固設し、中間アダプタ13をベースアダプタ11に固設する。一方のロック21は、先端15の上部壁26内の孔23の中に嵌合して選択的にアダプタ13に係合し、一方のロック21は、中間アダプタ13の各側壁27内の孔28の中に受容されて選択的にベースアダプタ11に係合する。摩耗アセンブリ7内のロックは全て同じであるが、これらは異なる場合もある。摩耗部品のこの構成は、例示目的のための一例である。他の建築物が可能である。例えば、先端をアダプタなしで、リップに一体的に鋳造されたリップのノーズに設置することができる。
【0048】
[78]
摩耗部品及びベースに対する参照は文脈に基づく。概して、摩耗部品は、ベースに固設されるか、又はベースから取り外される犠牲部品である。しかしながら、第1の摩耗部品のためのベースは、異なるベースに固設された摩耗部品でもあり得る。例えば、先端15は中間アダプタ13の形態でベースに固設された摩耗部品であり、中間アダプタ13はベースアダプタ11の形態でベースに固設された摩耗部品であり、ベースアダプタ11はリップ5の形態でベースに固設された摩耗部品である。バケットの寿命中、摩耗部品11、13、15は、通常、これらのそれぞれのベースが交換を必要とする前に、何度も交換される。他の種類の摩耗部品を、例えば、シュラウド9、他の種類の歯のランナを含む工具25によって、輸送し、操縦し、取り外し、及び/又は設置することができる。
【0049】
[79]
ハンドリングシステム10は、好ましくは、遠隔制御2Aを用いてオペレータによって遠隔制御される。これにより、取り外し及び設置などのハンドリング操作の間に、作業者が摩耗部品に接触するか、又は摩耗部品に近接することを回避することが可能になる。それにもかかわらず、ハンドリングシステム10は、ハンドリング操作の一部又は全ての間に、作業者が摩耗部品に時折接触するか、近位にある場合でも、利益を提供することがある。一例として、オペレータは、ロック及び/又は摩耗部品の周囲の埋め込まれた微粉を手動で一掃する際に、摩耗部品に接触するか、又は近接にある場合がある。別の例として、ハンドリングシステム10は、オペレータが手動で工具をロックとの適切な係合で位置決めすることを可能にするように構築され得る。他の実施形態では、ハンドリングシステム10を事務所内又は掘削機のキャブ内の人物によって遠隔制御することができる。
【0050】
[80]
単に考察の利便性のために、交換の必要性がある地面係合摩耗部品を有する土木機器は、「作業中機器」として参照され、ハンドリングシステム10の工具を支持及び位置決めするために使用される機器は、「支持機器」として参照されるであろう。これらは、一般的な用語であり、様々な異なる土木機器及び異なる支持構成を含むことを意図するものである。
【0051】
[81]
マニピュレータは、工具ライブラリ14内のハンドリング工具25にアクセスすることができる。マニピュレータは、工具に隣接して位置決めされ、コネクタ12で工具に接続し得る。マニピュレータは、工具を適切な位置に戻し、工具を切断し、別の機能を遂行するための別の工具を選択することができる。
【0052】
[82]
工具は、任意のいくつかの方法によって、機械的にコネクタに接続し得る。例えば、工具及びコネクタは、タブ及びスロットなどの螺旋状の特徴を含み得、螺旋状の特徴は、タブ及びスロットに係合するように工具及びコネクタの相対回転によって互いに係合する。コネクタは、バヨネット装着型の建築物を用いることができる。コネクタと工具との間にラッチを係合して、偶発的な回転、及び工具とコネクタとの分離を防止することができる。工具とコネクタとの分離としては、構成要素の相対回転に先立つラッチの係脱が挙げられ得る。他の構成も可能である。
【0053】
[83]
代替的に、ハンドリング工具は、様々な掘削機のうちのいずれかのブーム(例えば、掘削機39のスティック40)へのほぼ汎用的な取り付けを可能にするための一対の側方ロッド33を備えた装着ブラケットなどのコネクタ31を含み得る(図15)。即ち、コネクタ31は、バケット及び他の工具を掘削機のブームに接続するために一般に使用される種類のものである。回転なしで、ねじ山又は機械的ラッチなどの他のコネクタ又は特徴を代わりに使用して、確実に工具をコネクタに接合することができる。
【0054】
[84]
ハンドリング工具をコネクタに接続することは、油圧、電気、及び/又は空気圧の形態で工具に動力を供給することを含み得る。工具及びコネクタは、工具に電力を提供するように接続されたときに機械的接触を行う導電面を含み得る。代替的に、コネクタ及び工具は、コネクタに接続する工具上で係合して、工具に油圧式動力を提供する油圧接続部10B、10Cを含み得る。油圧式動力又は電力に加えて又は代わりに、他の形態の動力を工具に提供することができる。代替的に、工具は内部電源を含むことができる。工具をコネクタに接続することは、工具とトラック1上のプロセッサ8との間のデータ接続を行うことを含み得る。オペレータは、遠隔制御デバイスを使用して、プロセッサと通信することができる。代替的に、オペレータは、コネクタのインターフェースにまたがるデータなしで、コネクタに取り付けられた工具と直接通信することができる。
【0055】
[85]
ハンドリングシステム10は、比較的コンパクトで安定したものであり、様々な作業現場に容易に輸送され得る。一例として、図1のように、ハンドリング工具は、トラックによって支持され得る。ハンドリング工具は、作業中機器に駆動される掘削機39に連結され得る。ハンドリング工具を、必要なときに使用するために準備ができた状態で掘削機に固設したままにすることもできるし、又は必要に応じて着脱することもできる。別の例として、ハンドリング工具を、サービストラック1などの車両によって作業中機器まで搬送し、次いで、現場で掘削機に連結することができる。別の例として、ハンドリング工具を、作業中機器が作業場又は作業台などのサービスのために必要である固定支持部に連結することができる。ハンドリングシステムは固定された場所にあり得、土木機器は摩耗部品のメンテナンスを可能にするように、固定された場所に隣接する規定された場所に位置決めされ得る。他の構成もまた可能である。
【0056】
[86]
ハンドリングシステム10は、異なる設計を有するハンドリング工具25にアクセスし
得、及び/又は特定の機能を遂行するように構成され得る。図5は、一実施形態におけるハンドリング工具150を示す。先端15は、ベースの形態、又はロック孔23及び先端の後部縁部に係合することによって先端を保定するブラケット90A及び90Bによってラック90に吊るされている。工具150は、工具本体25Aに固設されたブラケット151を含む1つ(又は複数)のアーム152と、ハーネス153と、支持部154とを含む。ハーネスは、完全に摩耗したときに先端15の周囲に近似するループである。工具150は、先端にわたって摺動し、先端を上昇させてブラケットから係脱し、先端を壁から離して引っ張ることができる。ラックから取り外されると、ハンドリング工具は、中間アダプタのノーズ上に先端を設置することができる。工具は同様に、ラックに対して先端を位置決めし、ブラケット90Aが開口部に係合するように先端を下降させることによって、ラックに摩耗した先端を設置することができる。代替的に、リサイクルするために、摩耗した先端をビンの中に堆積することができる。工具150は、操作すべきいずれのアクチュエータ又は可動部品も必要としないものであるという利点を有する。新しい及び摩耗した摩耗部品は、最小限度のフロアスペースを使用してラック上に装着され得る。
【0057】
[87]
図6は、先端15を支持するハンドリング工具175を示す。工具は、上部アーム177及び底部アーム179を有する把持アセンブリ176を含む。各アームは、工具本体25Aからブラケット177B、179Bまで延在するベース177A、179Aと、拡張部であって、拡張部に対してある角度でブラケットから支承面177D、179Dまで後方に延在する、拡張部177C、179Cとを含む。支承面は、先端の横断面に係合する。上部支承面はロック孔23に係合し、底部支承面は先端15又は摩耗アセンブリ7の長手方向軸LAを横方向に延在する摩耗部品の後縁部15Aに係合する。しかしながら、両方のアームが先端の後縁部に係合し得る。これにより、アームが磨耗部品上で支承され、工具本体上及び/又はブラケット内の凹部25Rの形態で支持部の中に前方へ磨耗部品の前部端部を長手方向に保定することが可能になる。各アーム上のアクチュエータ181は、アームの横方向の移動を提供するようにラグ183上で支承して、摩耗部品に対して係合及び係脱する。アクチュエータは、摩耗部品の前部を工具の凹部25Rの中に前方へ引っ張るようにも構成され得る。摩耗部品に対して追加の支持部を提供することで、図7及び図7Aは、アーム177及び179を有する同様の工具175Aが、摩耗部品の上部及び底部を把持するのではなく、摩耗部品の側面の後部縁部15Aに係合することを示している。
【0058】
[88]
図8及び図8Aは、先端15を支持するための工具200を示す。工具は、工具本体25Aに取り付けられた後方に延在するロッド202を有する把持アセンブリ201を含む。前方アーム204A及び204Bと後部アーム206A及び206Bとは、ロッドから下方にパッド204及び206まで延在する。1つ以上のアクチュエータ208は、先端15に対して係合及び係脱するようにアームの横方向の移動を制御する。先端に係合することにより、把持アセンブリが輸送及び/又は設置用に先端を支持する。
【0059】
[89]
マニピュレータ10Aは、ハンドリング工具25が摩耗部品に固設されると、摩耗部品をベースから引っ張ることができる。それにもかかわらず、ハンドリング工具25は、図9及び図9Aに示されるように、摩耗部品抽出部を含み得る。ベースから、その上に装着された摩耗部品を分離するために、大きな軸力を必要とする場合がある。追加の工具構成要素275がハンドリング工具の一部として提供され得るか、又は個別の工具として使用され得る。一例では、工具構成要素275は、アダプタ13の上に装着された先端15に係合されている。工具構成要素は、ヘッド279内で終端する後方に延在するアーム277を含む。ヘッドは、アクチュエータ281と、カムアーム283と、カム285とを含
む。カムは、摩耗部品の後部縁部15A及びアダプタの前部縁部13Aによって画定される間隙内に挿入されている。カムは、多くの異なる形状をとることができるが、概して、長さとより狭い幅とを有する。幅は間隙寸法未満であり、長さは間隙寸法Dgよりも大きい。工具構成要素は、アクチュエータ281が延在してアーム283を前進させると、間隙内でカムを回転させる。アームは、カムを回転させる。カムが表面上で支承されると、摩耗部品をベースから付勢する軸力が生成される。アダプタに対する摩耗部品の初期移動が蓄積された微粉を破砕し、摩耗部品を抽出するのに必要な力が著しく低下する。カムは、いくつかの異なる方法のうちのいずれかで駆動され得る。油圧、電気、チェーン駆動、又はスクリュー駆動などのトルク駆動を使用することができる。同様の機能を遂行する他のてこ構成を使用することができる。工具25のものとは独立して、摩耗部品抽出部を二者択一的にオペレータによって操作することがでる。
【0060】
[90]
図10図10A、及び図10Bは、抽出デバイスの工具構成要素の別の実施形態を示す。工具300は、摩耗部品とアダプタとに軸力を加えて、これらを分離する。抽出デバイスが示されており、2つのアームが工具本体から後方に延在し、アームから内方に延在する支承部分302A及び304A内で終端している。支承面は、摩耗部品の13Aと15Aとの間の間隙に係合する。アーム302は、アームを収縮するように作用するアクチュエータ306に取り付けられている。アーム304は、アームを延在するように作用するアクチュエータ308に取り付けられている。アクチュエータを操作することにより、アーム302に先端15及び304を引っ張らせて、アダプタ13を前進させて、それらを分離させるように付勢する。摩耗部品がアダプタから分離された状態で、工具本体内の凹部25Rの形態の支持部とアーム302との間で摩耗部品を支持することができる。アーム302をブラケット308Aによってアクチュエータ310に接続して、アームを枢動部312及び314の周りに枢動させることができる。アームを枢動させることで、支承面を摩耗部品から分離し、それにより、摩耗部品を工具から分離することができる。代替的に、抽出部は摩耗部品を取り出すことができ、第2のハンドリング工具を使用して、摩耗部品をベースから取り外すことができる。
【0061】
[91]
代替的に、抽出デバイスは、示されるものではなく、異なる場所で摩耗部品を把持し得る。工具は、一方の側面上にアームを有し得るか、又は2つの側面上にアームの同様の構成を有し得る。工具アーム304は、リップ又は摩耗部品の後方の別の部分の上で支承して、リップと摩耗部品のてこ作用点との間に軸力を加えることができる。抽出部は、同時に摩耗部品の両側に力を加えることができ、及び/又は二者択一の側に力を加えることができる。抽出部を発振部と共に使用して、同時に軸力及び発振部を横断する力を加えることができる。発振力は、摩耗部品のベースからの分離を限定する破砕付着において効果的であり得る。
【0062】
[92]
クレーン200は、マニピュレータとして、任意選択で工具、特に抽出デバイスと共に使用されてもよい。クレーンは、ロック開口部内に設置されたリフト部材のアイに接続するチェーン、アイ、及び/又はフックなどのリギング200Aを含み得る。クレーンは、ベースから分離されるときに摩耗部品をハンドリングするように、オペレータによってアクセスされる同一の遠隔インターフェースにより制御され得る。摩耗部品をクレーンで支持することで、工具が、摩耗部品を支持することなく、分離及び取り付け機能を遂行するようにサイズ決め及び構成されることが可能になる。
【0063】
[93]
別の実施形態では、クレーン又はマニピュレータは、摩耗部品を支持するための高機能
補助デバイス(IAD)であり得、IADマニピュレータは、図17に示されるようなものであり得る。IADは、オペレータが最小限度の加えられた力でペイロードをリフトし、移動させ、位置決めすることを可能にするコンピュータ制御サーボ駆動工具である。IADは、最小限度の労力及び細かな制御で、オペレータによってハンドリングされる高負荷を可能にする力増強部として作用し得る。IADは、典型的には、3次元でオペレータが加えた力を増強するように負荷を制御する。IADは、関節アームに組み込まれ得る。工具バランサを使用して、負荷のリフティングを制御し、垂直方向にオペレータが加えた力を増強することができる。かかるハンドリングシステムは、IAD機能を組み込んだマニピュレータと、摩耗部品を把持及び解放するためのアームを備えたハンドリング工具とを含み得る。ハンドリング工具は、例示のハンドリング工具又は他の方法の中で上に論じられるように、摩耗部品を把持し得る。別の実施形態では、摩耗部品のためのハンドリングシステムは、クレーンと、垂直オペレータ力増強部として工具バランサを有するリギングシステムと、摩耗部品の後部部分を把持及び解放するためのアームを有するハンドリング工具とを含み得る。
【0064】
[94]
図11に示されるように、リギング工具は、摩耗した先端の回転を限定し得る。リギング200Aは、ホイスト226と、前部チェーン227と、後部チェーン228と、ロック孔23に係合するためのアイ229とを含む。リギング工具231は、後部チェーンとアイとの間でリギングに係合する。前部部分231Aは、前部チェーン227によって支持されている。後部部分231Bは、ベースから分離されたときに摩耗部品の回転を限定するように、後部縁部15Aに隣接する歯を下方に支承する。リギング工具は、後方拡張部(図示せず)と、追加の支持及びバランスを提供するための後部チェーンの後方の追加のチェーンとを含み得る。図11のリギング200Aは、工具バランサ又はIAD機能を組み込み得る。
【0065】
[95]
図11Aは、アダプタを支持するためのリギング工具235を示す。本実施形態では、リフティングアイがアダプタの各側のロック孔の中に設置されている。リギングは、アイに取り付けられた後部チェーン229A及び229Bを含む。ハンドリング工具235は、各側で後部チェーンに係合するクロス部材を備えた状態で示されている。リギング工具の前部部分235Aは前部チェーン227によって支持され、後部部分235Bは、アダプタの回転を限定するようにアダプタの後部を支承する。
【0066】
[96]
リギング工具を使用して、摩耗部品を操縦及びハンドリングすることができる。ハンドリングシステム10は、リギング工具の前部部分231A又は235Aに係合して、摩耗部品を移動及び配向するための工具242を含み得る。工具242は、摩耗部品を案内するために、摩耗部品を支持することなく、リギング工具に確実に係合し得る。リギング工具は、摩耗部品を設置するか、又は摩耗部品を支持部のノーズから取り外すときに、摩耗部品を支承する。摩耗部品をベースから取り出すためにハンドリング工具を引っ張りながら、摩耗部品に振動子を加えることができる。
【0067】
[97]
前部部分235A’及び後部部分235B’を有する工具235’と同様のリギング工具のための代替の構成を図11Bに示す。代替的に、リギング工具は、摩耗部品を収容するためのカートリッジであり得る。カートリッジは、上部、底部、及び側壁を有し得、摩耗部品が内部に保定される。リギングをカートリッジに接続して摩耗部品を支持することができる。
【0068】
[98]
ハンドリングシステムは、デジタルカメラ24又は他の画像捕捉デバイスなどの座標系を定義するためのデータ収集デバイスを含み得る。カメラは、工具、作業中機器、及び/又は支持機器の画像を取得し得る。カメラによって取得された画像を使用して、作業中機器と共に工具及び支持機器を配向することができる。作業中機器は、支持機器及びコネクタに対して摩耗部品の配向及び場所が交換される摩耗部品のための座標系を支持機器が確立することを可能にする1つ以上の基準点30を含み得る。基準点は、画像、例えば、摩耗部品の鋳造特徴又はロックなどの摩耗部品の構成要素の画像内で微分可能な特徴であり得る。画像処理システムを使用して、画像内の基準を捜し出し、画像内の基準のための座標を提供することができる。代替的に、送信機及び無線受信機、音響送信機及び音響受信機、又は他の機器を使用して基準点座標を決定することができる。代替的に、ハンドリングシステムは、土木機器に関連付けられたデータ収集システムからプロセッサにおいて、及び/又は土木機器上に装着された摩耗部品内に提供されたセンサによって、データを受信し得る。
【0069】
[99]
カメラ24は、画像処理ソフトにアクセスするプロセッサに接続され得る。ソフトウェアは、カメラからの画像を処理し、画像内の特徴を差別化し得る。例えば、ソフトウェアは、画像内の1つ以上の基準点を差別化し、それらの場所を画像内で決定するようにプログラムされ得る。ソフトウェアを座標系に登録することができ、工具、ビン、他の特徴の座標の場所をソフトウェアで登録することができる。基準は、摩耗部品の既知の特徴を捜し出すための参照点である。基準は、摩耗部品の配向及び座標を決定するために、画像処理ソフトウェア内の既知の特徴に対して登録され得る。
【0070】
[100]
基準点として作用するように、特徴を作業中機器に取り付けることができる。基準点は、オペレータによって摩耗部品に加えられる別個のパターンを備える1つ以上の粘着ステッカーであり得る。基準点は、既知の位置において摩耗部品又は作業中機器の上に位置決めされたリフレクタ又はキューブリフレクタ(リトロフレクタ)であり得る。
【0071】
[101]
一実施形態では、基準は、図13に示されるキューブリフレクタである。第1及び第2のリトロフレクタ30A及び30Bがリトロリフレクタベース30Cの各端部の上に装着されている。ベース30Cは、ベース30Cを摩耗部品15に固設するための磁石を含み得る。ベース30Cをロック開口部の後部に対して摩耗部品の上部上に配置することができる。キューブリフレクタ又はリトロフレクタは、画像を光源に戻す。いずれの光源も直接光源に反射し返される。キューブリフレクタは、当業者にはよく知られており、より詳細には説明しない。ベース上に装着されたリトロフレクタ間の距離Xは、既知の値である。
【0072】
[102]
図13Aに示されるように、LEDなどの光源24Aをカメラのレンズの前部に位置決めすることができる。カメラが摩耗部品上のリトロフレクタのほうに向けられている場合、カメラはリトロフレクタからの光を含む画像を捕捉し得る。カメラが2つのリトロフレクタと一直線にある場合、図13Aに示されるように、1つの光画像は他の光画像の直後にある。カメラをリトロフレクタの前部から左右に移動させると、光画像は水平に分離するであろう。カメラをリトロフレクタの前部からリトロフレクタより上の位置に移動させると、光画像は垂直に分離するであろう。リトロフレクタ間の距離が既知であり、画像間をカメラが移動した距離が既知である状態では、三角法を使用して、カメラ及びハンドリングシステムに対するリトロフレクタ及び作業中機器の座標及び配向を確立することがで
きる。アーム及び/又はカメラに対するビン及びラックなどのハンドリングシステムの特徴の座標及び配向を含む第1の座標系をプログラムすることができる。摩耗部品及び/又は作業中機器の座標及び配向のために、第2の座標系を決定することができる。
【0073】
[103]
これは、位置決定システムの一例である。他の位置決定システムを使用することができる。標的の座標系を確立するためのシステムは、当業者にはよく知られている。配向システムとしては、wi-fi位置決めシステム、無線周波数ID(radio frequency ID、RFID)、セル技術ZigBee、超広帯域(Ultra-Wide Band、UWB)、Bluet
ooth、慣性航法システム(Inertial Navigation System、INS)、慣性測定ユニット(Inertial Measurement Unit、IMU)、及びマルチセンサ系システムを使用するこ
とができる。多数の他の中から赤外線、超音波、地磁気、補助GPS、LIDAR、RADAR、及び/又は汎用ソフトウェア無線周辺機器(universal software radio peripheral、USRP)などを使用することができる。位置決めシステムのいずれかを使用して
、ハンドリングシステムの操作を(完全又は部分的に)自動化することができる。位置決めシステムは、摩耗部品の測定/監視システムと共に使用され得る。例えば、摩耗部品の画像を収集して部品の浸食の程度を決定するカメラはまた、摩耗部品の基準点識別することができる。代替的に、摩耗部品の操作上のパラメータを記録し、データを受信機に送信する摩耗部品内のシステムを使用して、部品に対してハンドリングシステムを配向し、座標系を定義することができる。
【0074】
[104]
代替的に、オペレータが手動で摩耗部品に対する設定位置に工具を位置決めすることができる。この開始位置は、工具の操作のための基準及び軸を提供し得る。例えば、オペレータは、ロックの凹部内に工具のトルクインターフェースを位置決めすることができる。この位置からシステムを初期化すると、工具は、この位置への全ての移動を参照して、自動又は半自動操作のために、摩耗部品に関するこれらの機能に対して、全ての工具を適切に位置決めし得る。
【0075】
[105]
ハンドリングシステム10を使用して、先端15及び中間アダプタ13を取り外す及び設置することができる。しかしながら、ハンドリングシステムは、例えば、他の種類、サイズ、及び磨耗部品の組み合わせを取り外し及び/又は設置するように構造化されることがある。単に例として、ハンドリングシステムは、先端15、中間アダプタ13、ベースアダプタ11、シュラウド9、他の種類の歯及び/若しくはシュラウドの構成要素、翼シュラウド、摩耗キャップ、ランナ、並びに/又はベースに固設された他の種類の地面係合摩耗部品の任意の組み合わせをハンドリングするように構築されることがある。一実施形態では、マニピュレータ10Aは、特定の摩耗部品の種類及びサイズ並びに遂行される操作に適合するように任意の数の工具25に係合し得る。様々な工具25は、必要に応じて使用するために、マニピュレータ10Aによる選択的な係合のためにトラック(又は他の支持部)によって支持され得る。
【0076】
[106]
別の実施形態では、ハンドリング工具25は、2つの摩耗部品の各々をハンドリングするための2つの個別の工具を有するのとは対照的に、異なる種類の地面係合摩耗部品をハンドリングするための2つの個別の操作工具ヘッドを含む。図15及び図16に示されるように、ハンドリング工具25は、先端15をハンドリングするための第1の工具ヘッド35と、中間アダプタ13をハンドリングするための第2の工具ヘッド37とを含む。しかし、他の製品又は差を考慮するために、工具ヘッドを提供することができる。単に例として、(i)同一の摩耗部品の異なるサイズ、(ii)異なる種類の歯、並びに/又は(
iii)シュラウド及び点などの異なる種類の摩耗部品をハンドリングするために、異なる工具ヘッドを提供することができる。これらの工具ヘッドはまた、マニピュレータ10Aのコネクタ12に固設された個別の工具として代替的に構造化されることがある。
【0077】
[107]
例示される実施形態では、工具ヘッド35、37は、ハウジング29内に含まれるシャーシの両側から延在する。好ましくは、必要な操作に応じて、工具25を容易に旋回させることができるように、旋回台43がコネクタ31とシャーシとの間に提供される。それにもかかわらず、ハンドリング工具25の旋回は、支持機器による操縦などの他の手段によって、又は支持機器から切り離され、可逆的に取り付けられることによって達成され得る。他の実施形態では、工具ヘッドを他の方法で構成することができる。例えば、工具ヘッドは、図面に示される180°ではなく、互いに対して(又は他の配向で)90°に延在し得る。ハンドリング工具は、3つ以上の工具ヘッドを、例えば、互いに小さな角度でこれらを配向することによって支持し得る。例えば、90°の離間は、4つの工具ヘッドを収容することができ、1つがハウジング29の各側から延在する。必要な場合、工具ヘッドの構成要素は、隣接する工具ヘッドとの干渉を回避するように垂直に離間されることがある。更に、例えば、異なる工具構成要素を調節するか、又は必要なときに所望の摩耗部品に係合するのに必要な構成要素を提示するように工具構成要素を交換することによって、複数の工具ヘッドを同一側面上に提供することができる。例えば、異なるサイズのノーズを受容及び保持するための(以下で更に論じられる)異なる支持部は、必要に応じて使用するためにある位置に配向されている異なる支持部と同じ工具ヘッドの一部であり得る。別の例として、かかる支持部は、異なるサイズ又は種類のノーズを保持するように調節可能であり得る。ロックの一掃及び取り外しのための六角ビットと共に、例えば、石造衝突ドリル、ニードルスケーラなどの他の構成要素を組み込み得る回転工具キャリッジも提供することができる。参照によってその全体が組み込まれる、米国特許出願第2015/0107075号に開示されるような他の微粉除去構成要素も使用することができる。他の操作のための他の構成要素も提供することができる。
【0078】
[108]
工具ヘッドは、ハンドリングされる特定の摩耗部品、摩耗部品を適所に保定するために使用されるロック、及び摩耗部品が使用される土木機器に応じて多種多様な建築物を有し得る。工具ヘッドは、保定デバイスとロック操作デバイスとを含み得る。代替的に、オペレータが独立してロックを作動させることができる。本実施形態では、工具ヘッド35は、確実に先端15を保持するための保定デバイス50と、ロック21をその保持位置と解放位置との間で移動させるためのロック操作デバイス52とを含む。同様に、工具ヘッド37は、確実にアダプタ13を保持するための保定デバイス54と、アダプタ13の側壁27であるロック21を調節するための一対のロック操作デバイス56とを含む。
【0079】
[109]
一実施形態では、保定デバイス50は、先端を把持及び解放するように先端15に向かって及び先端15から離れて移動する一対の対向するアーム61を含む。アーム61は各々、アーム支持部63に枢動可能に固設されて、この例では、油圧シリンダであるアクチュエータ67によって枢動ピン65の周りを移動する。本実施形態では、ハンドリング工具25は、掘削機39によって提供される油圧パワーに接続されている。それにもかかわらず、他の種類のアクチュエータ、例えば、電動アクチュエータ(例えば、ラックアンドピニオン、ボールスクリューなど)を使用することができる。この代替例では、電力源は、掘削機、バッテリ、又は他の手段であり得る。各アーム61は、対向する側面で先端15に接触して保持するための把持部69を含む。各把持部69は、好ましくは、枢動可能にそれぞれのアーム61の自由端に取り付けられる。把持部69はまた、好ましくは、先端15が摺動するのをより確実に保持するために、複数の摩擦部材71(例えば、粗い把
持工具スチールパッド、炭化物など)を含む。
【0080】
[110]
ロック操作デバイス52は、ねじ山付きピン75に係合するためのシャンク83を含む。本実施形態では、シャンク83は、ピン75のヘッド89内に形成された六角凹部87内に受容される六角構成を備えた自由端85を有する。シャンク83の反対側の端部は、シャンク83をいずれかの方向に回転させてロック21をその保持位置と解放位置との間で調節するようにトルクを提供するモータ76又は他のデバイスに連結される。モータは、油圧駆動されるが、別の建築物(例えば、電気モータ)を有することがある。シャンク83及びモータ76は、アームの調節中にシャンク83の配向を維持するように、平行リンクを有する中央アーム81によって支持される。リンクは、油圧シリンダ(又は他のアクチュエータ)によって、上方の解放位置と下方の係合位置との間で移動される。アーム81は、凹部87内での係合用にシャンク83の位置を微調整するために、アーム61によって保持された先端15の位置に対して、アーム81を左右及びインアウトに移動することができる調節可能な装着台82の上で支持される。装着台82は、所望の運動に方向付けるためのレール、ガイドなど、並びにラックアンドピニオン、チェーン、及びスプロケットなどの油圧駆動(又は他の)モータを含む。この種類のロック操作デバイス又は別のデバイスは、図2に示される工具25の中に含まれ得る。
【0081】
[111]
摩耗部品をベースに取り付けることは、ベースと軸方向に整合するように摩耗部品を配向することを含む。摩耗部品とベースとの小さな不整合は、摩耗部品が完全に据え付けられる前に、首相面の結合をもたらすことがある。摩耗部品をハンドリングするための工具は、摩耗部品を移動及び整合させるための把持部又は接触点を含むであろう。工具25は、ベースとの磨耗部品の接触に応答して、磨耗部品が偏向することを可能にする磨耗部品との弾性接続を維持し得る。磨耗部品がベース上に結合するまで、磨耗部品がベースに押し付けられると、支承面の通常の力が以前に増加するであろう場合、ここでは摩耗部品の弾性装着が順応性を提供し、通常の力が増加するにつれて摩耗部品が偏向することを可能にする。小さな偏向は、結合を克服し得、摩耗部品がベース上に据え付けられることを可能にする。弾性接続は、バネ装着又はエラストマ装着を使用して、少量の摩耗部品の偏向を可能にすることができる。例えば、マニピュレータ10Aの油圧駆動に浮動機構を提供することもできる。装着中の工具の振動も、摩耗部品の偏向を促進し、ベース上への装着を完成させることができる。
【0082】
[112]
アーム61、81は、工具ヘッドフレーム91の上に装着され、(ハウジング29内の)中央シャーシに弾性的に連結され得る。シャーシは、工具ヘッド35、37を支持し、工具ヘッドを旋回台43に、ひいてはコネクタ31に接続する。一実施形態では、工具ヘッド35は、ボールジョイントによってシャーシ92に取り付けられ、磨耗部品のハンドリングのためのある程度の運動の自由を提供する。工具ヘッドの底部に沿った複数のバネ94は、工具ヘッドのための弾性支持部を提供するが、他の弾性接続を使用することもできる。シャーシが好ましくはコネクタ31を介して掘削機39に固定されると、ボールジョイント及びバネ94を介した弾性接続は、ハンドリングプロセスを容易にするための、先端15を把持する際の可撓性を工具ヘッド35に与える。弾性接続はまた、作業中機器に対する掘削機39のブーム40の移動のための、ある程度の緩衝及び運動の自由を与える。しかしながら、工具ヘッド35のシャーシへの接続は、剛性であり得る。マニピュレータは、剛性接続を容易に使用することができるように(例えば、ロボットマニピュレータを用いて)十分に制御することができるか、又は弾性接続をアセンブリの他の場所に提供することができる。工具ヘッド35のシャーシ92への接続はまた、可撓性(例えば、操作用)のものか又は剛性接続(例えば、輸送用)としてロックされるものとの間で変遷
し得るように調節可能であり得る。一実施形態では、油圧シリンダは、工具ヘッド35に押し付けてボールジョイントアセンブリを締め付け、運動の自由を防止する。
【0083】
[113]
工具ヘッド37は、ボールジョイント93及び複数のバネ94によってシャーシに取り付けられた状態で図14に示されており、この実施形態では、工具ヘッド35と同じ構成である。弾性及び別様の他の接続を使用することができる。工具ヘッド35と同様に、弾性接続は、支持部93において摩耗部品13を受容するときに、工具ヘッド37に可撓性を与える。弾性接続はまた、ハンドリング工具25を操縦する際に、掘削機39のブーム40の移動に対して、ある程度の緩衝及び運動の自由を与える。工具ヘッド35の接続と同様に、工具ヘッド37は、剛性接続、又は弾性若しくは剛性であり得る調節可能な接続を有し得る。一実施形態では、シャーシ92に装着された油圧シリンダ98は、工具ヘッド37に押し付けてボールジョイント96を締め付けるように拡張し、ボールジョイント96及びバネ94によって提供される運動の自由を限定する。代替的に、歯がノーズに装着されると、アクチュエータは、支承面の間の通常の力を限定するように減衰され得る。
【0084】
[114]
アームに接続するためのハンドリング工具25は、ロック凹部及び隣接する部品間のインターフェースを含む収集された領域から微粉を排除するジェット水を含み得る。採鉱操作中の微粉粒子が集まって付着し、アクセスを限定する堅い圧密を形成し得る。ジェット水は、これらの圧密を破壊して、工具が重要な領域にアクセスすることを可能にする。
【0085】
[115]
摩耗した先端15を取り外すために、ハンドリング工具25が支持機器によって先端の近くにもたらされる。バケット3が採掘機械に取り付けられている場合、この機械は、ハンドリング工具25による容易なアクセスのためにバケットを配向することができる。先端がアーム61の間に位置決めされた状態で、把持部69が先端の両側に接触するまでアームを互いに向けて移動させて、落下又は滑脱することなく、確実に先端を保持する。必要に応じてアーム81を装着台82により前後及び/又は左右に調節して、シャンク83と凹部87とを位置合わせすることができる。次いで、ロック21のねじ山付きピン75の凹部87に挿入するために、シャンク83を下降させて、ピンがノーズ20内に凹部77を含まない解放位置にピンを外方に調節するように回転させる。先端15は、ブーム40の操作によりノーズ20から引っ張られる。状況によっては、作業者は、衝突した微粉を洗い流すことによって摩耗部品を容易に取り外すことができる。微粉は、作業者によって手動で取り外され得るか、又は全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第2015/010705号に開示されるような工具25に提供された手段によって取り除かれ得る。摩耗部品を適所に結合する微粉及び付着物は、以下に記載される発振部又は衝突部によって分離され得る。先端が取り外されると、掘削機39は、先端15を有するハンドリング工具25を移動させて、ビン91(図14)、又は他の処分現場、例えば、トラックベッド、パレット、地面、若しくは摩耗した摩耗部品を処分するための他の場所に摩耗した先端を配置する。摩耗した先端がビン91内にある状態で、シャンク83がロック21から引き出され、アーム61が分離されて摩耗部品を解放する。先端15は、ノーズ20から引っ張られる。
【0086】
[116]
新しい先端15をアダプタ13上に設置するために、工具25は、アーム61が新しい先端の周りに位置決めされるように、摩耗部品近くに位置決めされる。本実施形態では、新しい先端がラック90内の棚の上に格納される。しかしながら、他の構成を使用して、新しい先端を保持することができる。例えば、新しい先端は、いくつかの異なるカスタマイズされた支持部、又はパレット、サービス車両、地面などのような共通の支持部によっ
て支持され得る。アーム61は、先端の反対側を把持するように閉じられる。先端がアーム61によって保持されると、好ましくは、アーム81が調節され、シャンク83がねじ山付きピン75の凹部87に挿入される。新しい先端のロック21が通常は解放位置に提供されているが、アダプタ13上に設置する前にシャンク83をピン75に係合させることにより、まだ準備されていない場合にロックを解放位置に調節することを可能にする。掘削機は、作業中機器にハンドリング工具を揺動させ、アダプタ13のノーズ20に新しい先端を設置する。新しい先端がノーズの上に完全に据え付けられると、シャンク83が駆動されてピン75を内方に移動させて、ロック21が保持位置にセットされる。アーム81を上昇させることによってシャンク83を凹部87から引き出し、アーム61を広げて先端を解放する。必要な場合又は所望の場合、作業者は、新しい先端を設置する前に、露出したノーズ20から手動で又は工具25での手段によって微粉を排除することができる。
【0087】
[117]
中間アダプタ13が先端15と共に交換を必要とする場合、ハンドリング工具25は、新しい先端15を設置する前に、摩耗したアダプタ13を取り外すことができる。ハンドリング工具25は、工具ヘッド37をアダプタ13に対向して位置決めするように旋回台43で約180°揺動される。工具ヘッド37は、確実にアダプタ13を保持するための保定デバイス54と、アダプタ13を保持しているロック21をアダプタ11に解放するためのロック操作デバイス56とを含む。この工具ヘッドは、代替的に、マニピュレータ10Aによって係合される別個のハンドリング工具であり得る。
【0088】
[118]
一実施形態では、保定デバイス54は、ノーズ20の形状を相補するための空洞95を画定する支持部93を含むが、摩耗部品13を保持するための他の構成を使用することができる(例えば、ノーズの特定の部分に接触して保持するための先端又は他の手段のようなアーム)。支持部93は、実質的に若しくは完全にノーズ20を包囲する閉鎖空洞を画定するためのケーシング、又はノーズによって摩耗部品を安定して確実に保持及び支持するのに十分にノーズの選択された部分に係合する部分空洞を画定するためのよりオープンなフレームワークであり得る。別の代替として、支持部は、異なるサイズ又は種類のノーズを受容するように調節可能であり得る。使用時には、ノーズが空洞95内に受容された状態で、支持部93がノーズ20上に受容される。
【0089】
[119]
ノーズが完全に支持部93に据え付けられると、保定部97が作動して、ノーズ20が支持部93内に係合及び保持される。一例では、保定部97は、ノーズ20と接触するように支持部93上に装着された油圧シリンダ103によって駆動されるロッド99である。ロッド99は、ノーズ20の凹部77(即ち、ロック21のねじ山付ピン75を受容する同一の凹部)内に移動可能であり、ノーズを支持部93に確実に保持する。ロッド99は油圧シリンダ103によって上下に移動可能であるが、他のアクチュエータを使用することができる。ロッドが上昇位置又は収縮位置にあるとき、ノーズ20は空洞95から挿脱可能であり得る。ロッドを下降位置又は延在位置に移動させて、ノーズ20、したがってアダプタ13を支持部93に確実に保持する。凹部77を使用するもの及び使用しないものを含む他の種類の保定部を使用することができる。単に一例として、支持部93は、内方にシフトし、ノーズの少なくともある特定の表面を緊密に保持するように調節可能であり得る。
【0090】
[120]
磨耗部品のノーズを使用して(使用可能な場合)、磨耗部品をそれ自体によって又は他の手段と連携して保持することは、安定かつ容易に促進された接続を提供し得る。ノーズ
は、採掘などの土木操作中に摩耗部品を保持するときに重負荷に耐えるように設計されており、摩耗部品のための支持部を提供するのに十分な強度である。ノーズは、一般に、相対的に近い公差に維持され、支持部上の相補的な表面(即ち、ノーズを受容する空洞内)によって、より容易でより安定した係合をもたらし得る嵌合面を含む。また、ノーズは概して摩耗部品によって被覆されているので、アダプタの他の部分よりも少ない摩耗を経験する傾向にある。ノーズを使用することによって、ハンドリング工具は、事実上、ロック、ボルト、スプール及びくさび、溶接などによって固設されているか否かにかかわらず、中間アダプタ(アダプタ13など)及びベースアダプタ(アダプタ11など)を含む任意のアダプタをハンドリングすることができる。
【0091】
[121]
工具25のロック操作デバイス56を使用して、ロック21をこれらの保持位置と解放位置との間で調節する。一実施形態では、ロック操作デバイス56は、一対のアーム105と、各アーム105の端部のロック係合デバイス107とを含む。ロック係合デバイス107は、ロック21のピン75を係合して旋回させて、ピンをこれらの保持位置と解放位置との間で移動させる。各ロック係合デバイス107は、シャンク115と、ハウジング119によって支持されたモータ117とを含む。各シャンク115の自由端121は、ピン75の凹部87内に一致して嵌合する六角形状を有する。モータ117は、シャンク115を回転させて、保持位置と解放位置との間で出入りするようにピン75を調節する。モータ117は、好ましくは、油圧モータであるが、他の種類のモータ又はトルクを提供する方法を使用することもできる。
【0092】
[122]
各アーム105は、支持部93の側壁109に固設されるが、他の構成が可能である。各アーム105は、シャンク115を対応する凹部87内に受容される適切な位置に維持しながら、それぞれのシャンク115を互いに接近及び離間させて枢動可能に移動させるための平行リンクを有するが、他の構成を使用することもできる。アーム105は、油圧シリンダ113によって駆動され得るが、他のアクチュエータも可能である。一実施形態では、ノーズ20の前部端部と側壁27のロック21との間の距離は比較的変化しないままであるため、即ち、概してノーズの前部端部に生じる最小限度の磨耗のために、調節部(アーム105の前後枢動以外)は存在しない。したがって、シャンク115は通常、ノーズ20が完全に支持部93内に据え付けられたときに凹部87内に嵌合するであろう。それにもかかわらず、アーム105と支持部93との間(又はアーム105とロック係合デバイス107との間などの他の場所)に調節機構を提供して、必要に応じて又は所望どおりにシャンク115の調節を可能にすることができる。
【0093】
[123]
ロッド99がノーズ20内のロック受容凹部77内に堅固に据え付けられると、アーム105は、シャンク115がロック21の凹部87に挿入されように内方に移動し、ロック21をこれらの解放位置に調節するように駆動される。ロック21が解放されると、掘削機のブーム40が中間アダプタ13をベースアダプタ11から引っ張るように操作される。先端15の取り外しと同様に、取り外しを妨げるいずれの微粉も手動で又は工具25によって排除することができる。取り外されると、ブーム40は、アダプタ13と共にハンドリング工具25を移動させて、摩耗した摩耗部品を処分するためにアダプタをラック90内又は他の場所に配置する。磨耗したアダプタがラック90内にある状態で、シャンク115が分離アーム105によってロック21から引き出され、ロッド99を上昇させて摩耗部品を解放する。次いで、支持部93がノーズ20から引っ張られる。ロック21をこれらの解放位置に調節した後、シャンク115をいつでも引き出すことができる。
【0094】
[124]
次いで、ベースアダプタ11のノーズ17上に新しい中間アダプタ13を設置することができる。ハンドリング工具25は、新しいアダプタ13のノーズ20上の支持部93をラック90内又は他の場所に配置するように掘削機によって位置決めされる。保定ロッド99は、ノーズ20内のロック受容凹部77内に駆動されて、確実にアダプタ13を支持部93に保定する、即ち、ノーズ20が空洞95内にある状態。ロック係合デバイス107は、好ましくは、ロックを解放位置に移動させる必要がある場合、ベースアダプタ11上に設置される前にロック21に係合する。次いで、ハンドリング工具は、アダプタ13をアダプタ11のノーズ17上に設置するように再度位置決めされ、調節される。アダプタ13が完全にノーズ17上に据え付けられると、ロック係合デバイス107を駆動してロック21をこれらの保持位置に調節し、その後、シャンク115及び保定部97を引き出すことができる。
【0095】
[125]
一実施形態では、ハンドリング工具は、地面係合摩耗部品をリギング又はリフティングアイによって固設するための連結部123(図15)を更に含む。一実施形態では、連結部は、ハンドリング工具を地面の上に安定してセットする能力を損なうことなく、摩耗部品に簡単に接続することを可能にするための、凹部125内に受容される留め金である。これにより、単一の掘削機を使用して、ハンドリング工具を撤去する必要なしに、いずれかの方法で部品をハンドリングすることが可能になり得る。この特徴の組み合わせは、摩耗部品の係合、操縦、及び移動に対する万能性を提供する。1つの他の実施形態では、連結部は、ハンドリング工具の本体内の凹部125を横切るロッド127の形態である。他の連結構成もまた使用することができる。
【0096】
[126]
マニピュレータに接続するための工具は、摩耗部品を振動させるための発振部を含み得る。採掘操作中に、支持部と摩耗部品との間の空間に集まる微粉は、摩耗部品を支持部に結合するコンクリートの粘稠度まで付着する場合がある。摩耗部品を分離することは、例外的なレベルの力を必要とし得る摩耗部品の結合を解くための付着物を破壊することを含む。摩耗部品に発振力を加えることにより、摩耗部品の容易な取り外しのために付着物を分離することができる。発振部は、多くの異なる方法で操作することができる。一例では、質量が軸の中心から離れて回転する。発振部は、限定された移動を可能にするために、エラストマ装着又はバネなどによってシャーシ又はベースに弾性的に装着され得る。接触力及び摩耗部品との接触のタイプに応じて、異なる種類の力を摩耗部品に加えることができる。発振部を磨耗部品と接触させて、発振力を加えることができる。代替的に、発振器は、繰り返し摩耗部品に衝突するように、摩耗部品からわずかに離間され得る。発振部は、摩耗部品に衝突するようにノーズの周りを移動し、異なる方向に加えられた力を用いて異なる点で摩耗部品に衝撃を与えることができる。発振部の作用は、好ましくは、摩耗部品ソケットの支承面及びソケット内に受容された支持部材のノーズにてこ作用を加えるように摩耗部品の前方部分に加えられる。
【0097】
[127]
代替的に、ハンドリング工具25は、付着物を分離するために摩耗部品上の衝突部として機能し得る。工具は、摩耗部材を延在させて衝撃を与えるように急速に循環される延在するチゼル又はヘッドを備えたジャックハンマと同様の方法で機能し得る。衝突部工具を使用して、ハンマ打ちされたロックをセット及び解放することもできる。ねじ山付きロックを上記で説明してきたが、ベベル及びくさびなどの構成要素を含むロックを使用して、摩耗部品を支持部に固設することができる。くさびは、摩耗部品を支承し、部品を支持部に保持するように支持するための開口部内に駆動されるか又はハンマ打ちされる。同様に、摩耗部品の耐用年数の終わりに、くさびは、くさびの他方の端部に衝突させることによって開口部から駆動される。衝突部ハンドリング工具を使用して、摩耗部品内のハンマ打
ちされたロックをセット及び取り外すことができる。
【0098】
[128]
ハンドリング工具は、アーク溶接、酸素アセチレン溶接、及び土木機器上の摩耗部品を維持するための切断機能を含み得る。摩耗部品は、状態によっては、溶接トーチで切断することによって最も迅速に取り外され得るか、又は摩耗部品を支持部に溶接することによって支持部に固設され得る。
【0099】
[129]
ハンドリング工具は、化学的に活性化されたロックを設置及び取り外すことができる。摩耗部品は、化学反応により形成されたロックによって支持部に固設され得る。例えば、摩耗部品を支持部に装着することができ、摩耗部品及び支持部は位置合わせされた開口部を含む。ハンドリング工具は、位置合わせされた開口部に反応性物質を注入することができる。反応性物質は、位置合わせされた開口部を充填し、位置合わせされた開口部に適合し、摩耗部品を支持部に固設する剛性又は半剛性の構成要素を固めるようにセットされる。代替的に、工具は、剛性構成要素を位置合わせされた開口部内に挿入することができる。次いで、反応性物質を開口部内に注入して、剛性構成要素の周りの空間を充填する。続いて、構成要素の耐用年数の終わりに、ハンドリング工具は、反応性物質を溶解し、摩耗部品を支持部から解放する溶媒を注入することができる。この物質は、エポキシ、ポリマー、又はエラストマなどの材料であり得る。
【0100】
[130]
摩耗部品は、識別、場所、及び状態ステータスを含む情報共有のための電子システムを組み込むことができる。例えば、摩耗部品をベースに固設するための摩耗部品の孔の中に挿入されたロックは、RFIDタグを含み得る。RFIDトランスポンダは、バケットのリップ上の各歯のRFIDを周期的にポーリングするであろう土木機器上に位置し得る。歯のロックから信号が受信されないとき、歯がバケットから失われたことを示す警告がオペレータに送信される。摩耗部品のデータシステムは、米国特許出願公開第2016/0237640号及び同第2016/0237657号の中で教示されており、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。工具及び遠隔システムは、摩耗部品に組み込まれた電子システムの遠隔感知によって場所を決定し、特定の摩耗部品を識別することができる。例えば、磨耗部品のロック内のRFIDタグは、アームに接続された工具によってポーリングされ、その場所が工具に対して決定されてもよい。工具は、電子システムから識別番号又は状態ステータスを回収することができる。工具は、ロックの場所及び摩耗部品に対する工具の基準グリッドを三角測量又は決定することができる。工具は、RFIDタグなどのシステムを備えた複数のロックシステムなど、摩耗部品アセンブリ内の2つ以上の電子システムと通信することができる。他の識別子(例えば、blue tooth信号、受動エミッタ、又は能動エミッタ)をRFIDタグの代わりに代替的に使用することができる。
【0101】
[131]
図17に見られるように、新しい磨耗部品を、カルーセル90Cとしてラックによってトラック1の上に提供することができる。カルーセルは、設置される個々の摩耗部品を保持するいくつかのコンパートメントを含むことができる。カルーセルは、プロセッサ8によって制御され、インデックス付けされた位置まで回転し得る。工具25が設置用にカルーセルから磨耗部品を引っ張ると、カルーセルは、インデックス付けされた位置まで回転して、次の新しい磨耗部品を前の磨耗部品と同じ位置に提示することができる。これにより、アームが毎回同じ位置にアクセスして、別の部品を引っ張ることを可能にする。カルーセルは、1つの層を有し得るか、又は2つ以上のインデックス付けされた位置を備える複数のストレージ層を有し得る。代替的に、カルーセルはインデックス付けされた位置に
空のビンを提示することができ、アームは土木機器から取り外された使用済み部品を空のビンの中に配置することができる。次いで、カルーセルは、設置用に回転して、アームが引っ張ることができる新しい摩耗部品を提示することができる。代替的に、アームは、使用済み摩耗部品をトラック上のビン32の中に配置することができる。設置作業の終わりに、ビンを捨てて、使用済み部品をリサイクルすることができる。工具用のライブラリ14は、インデックス付けされた位置として工具を分配するためのカルーセル又はカセットと同様に構成され得る。代替的に、カルーセルは、摩耗部品及び工具を分配することができる。図17のマニピュレータ10Aは、高機能補助デバイスを組み込み得るか、又は高機能補助デバイスであり得る。マニピュレータは、オペレータ力増強部として機能し得る。意図された方向に実際に負荷を移動させるために必要な力よりも小さい、オペレータによって加えられた負荷制御力が、意図された方向に負荷を移動させるように適切な力でマニピュレータによって負荷に加えられる。図1のマニピュレータは、同様にIADを組み込むことができる。
【0102】
[132]
マニピュレータ10Aは、3軸ジョインアセンブリ400を含むことができる。一実施形態では、図18及び図18Aの関節アームの形態のマニピュレータは、ジョイントアセンブリ400のセグメント402を含む。セグメント402は、ピン408で第1のブラケット406に、セグメントに対するブラケットの枢動移動を制御するアクチュエータ404によって枢動可能に接続されている。第2のブラケット412は、ピン410で第1のブラケット406に枢動可能に接続されている。第2のブラケットの枢動移動は、1つ以上のアクチュエータ411によって制御される。第2のブラケットは、運動がアクチュエータ416によって制御される旋回台414によって第3のブラケット418に取り付けられている。第3のブラケットの遠位端部は、工具25に接続するためのソケット12として作用する特徴を含む。第1のブラケットは、408で第1のX軸を中心に回転する。第2のブラケットはピン410でY軸を中心に回転し、第3のブラケットは旋回台414を通るZ軸を中心に回転する。各軸は、示される配向で他の軸と直交している。ジョイントアセンブリの構成要素が移動するにつれて、軸は互いに対して鋭角を形成し得る。ジョイントアセンブリ400は、第3のブラケット418の遠位端部においてアセンブリコネクタ418Aに取り付けられた工具25の3軸移動を提供する。ジョイントは、油圧又は他の駆動によって制御され得る。ジョイントアセンブリは、一緒に接続された隣接するブラケットと軸を順次位置決めして、所望の運動をハンドリング工具に提供する。示されるジョイントアセンブリは、例示目的のための一例である。互いに対して異なる順序で構成要素を備える他の構成が可能であり、これらの構成は、同様の機能を遂行する。
【0103】
[133]
ハンドリング工具25は、ハンドリング工具へ無線通信を送信する遠隔デバイスによって制御され得る。受信機2及びプロセッサ8が提供され、様々な油圧シリンダ及びモータのためのバルブを制御することができる。特に、他のモータ及びアクチュエータが使用される場合、他の種類の構成を使用することができる。この種類の制御により、作業者が摩耗部品との接触を回避し、ハンドリング操作中に部品から安全な距離にとどまることを可能にする。オペレータがシャンク83、115をロック21内の凹部87に位置決めするのを助け得る視準線を提供するために、レーザ(図示せず)をステーションに提供することができる。工具25を摩耗部品に接続するのを助けるために、カメラを(レーザ又はそれら自体に加えて)ステーション35、37に提供することができる。
【0104】
[134]
ハンドリング工具25の作用の一部又は全てを完全に又は部分的に自動化することができる。カメラ24の使用はまた、オペレータを補助するか、又は工具25の操作を完全に自動化するために使用することができる。更に、いくつかのプロセスを手動で遂行するこ
とができる。例えば、他の建築物では、シャンクを作業者が手動でロックのねじ山付きピンの六角凹部内にガイドすることができ、リフティングアイをロック開口部内に手でねじ込むことができる。ある特定の例が上記に提供されているが、ハンドリング工具25を使用して、多種多様な異なる地面係合摩耗部品をハンドリングすることができる。ハンドリングされる様々なサイズ及び種類の摩耗部品に適応するために、保定デバイス及びロック操作デバイスにおける様々な変更を行うことができる。
【0105】
[135]
工具25はまた、設置及び/又は取り外されている摩耗部品に関するデータを収集して通信することができる。データは、例えば、摩耗部品の写真、重量、設置/取り外しに必要なトルク、設置/取り外しに必要な時間、摩耗部品の交換の担当者への通知などを含み得る。工具25は更に、摩耗部品に提供されたセンサとの間でデータを通信及び/又は受信することができる。工具は、例えば、摩耗部品の交換の変更日、時間、場所、持続時間など関連するデータを摩耗部品センサに提供することができる。工具はまた、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/043,482号に開示されるような摩耗寿命、衝突、性能などに関連する摩耗部品センサからのデータを受信することができる。
【0106】
[136]
土木機器は、採鉱、建築、及び他の土木活動において使用される様々な機械のいずれかを指す一般用語として意図されており、例えば、ドラグライン機械、ケーブルシャベル、フェースショベル、油圧掘削機、ローダ、ブルドーザ、浚渫カッタなどを含む。土木機器という用語はまた、これらの機械の地面接触構成要素、例えば、バケット、ブレード、又はカッタヘッドなどを指す。「前部」、「後部」、「上部」、「底部」などの相対的な用語は、説明を容易にするために使用する。例えば、GETの文脈において、前部又は前方は、概して、使用中(例えば、採掘中)の通常の移動方向を示すために使用され、上側又は上部は、概して、例えば、材料がバケットに収集されるときに上を材料が通過する表面に対する参照として使用される。しかしながら、様々な土木機械の操作において、摩耗部品は、使用中に様々な方法で方向付けられ、あらゆる方向に移動し得ることが認識される。
図1
図2
図2A
図2B
図3
図3A
図4
図5
図6
図7
図7A
図8
図8A
図9
図9A
図10
図10A
図10B
図11
図11A
図11B
図12
図13
図13A
図14
図15
図16
図17
図18
図18A
図19