(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】海上構造及び建設方法
(51)【国際特許分類】
B63B 35/34 20060101AFI20231122BHJP
B63B 35/44 20060101ALI20231122BHJP
E02B 3/06 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B63B35/34 Z
B63B35/44 Z
E02B3/06 301
(21)【出願番号】P 2022513234
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 IL2020050935
(87)【国際公開番号】W WO2021038567
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-03-25
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】522073342
【氏名又は名称】イスラエル ポーツ ディベロップメント アンド アセッツ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ISRAEL PORTS DEVELOPMENT & ASSETS COMPANY LTD.
【住所又は居所原語表記】Tel Aviv Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100142804
【氏名又は名称】大上 寛
(72)【発明者】
【氏名】オストロフスキー プレスラー,ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】ディ カストロ,ダン
(72)【発明者】
【氏名】オレン,ノア
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0217855(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0115715(US,A1)
【文献】特開平11-192996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 35/34
B63B 35/44
E02B 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部構造、内部領域構造、最外表面を含む海上構造であって、
前記外周部構造は少なくとも一つの固定エレメントによって構成され、
前記内部領域構造は、
互いに物理的に分離した複数の浮動エレメントを含み、
少なくとも一つの前記固定エレメントは永久的に海底に作られ、各方向から前記外周部構造に隣接し、前記複数の浮動エレメントの水平移動を前記外周部構造で食い止めることで防止し、
前記複数の浮動エレメントは部分的に水中に沈み、
前記複数の浮動エレメントはレベル制御モジュールを有し、
前記レベル制御モジュールは前記複数の浮動エレメントの浮力とバランスを制御することができる、海上構造。
【請求項2】
前記少なくとも一つの固定エレメントは、コンクリートケーソン、岩石、管杭管杭又はその如何なる組合せである、ことを特徴とする請求項1に記載の海上構造。
【請求項3】
前記複数の浮動エレメントは、ロックシステム装置によって互いに繋がっている、ことを特徴とする請求項1に記載の海上構造。
【請求項4】
前記複数の浮動エレメントは、コンクリート、鋼又はその如何なる組合せで構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の海上構造。
【請求項5】
前記少なくとも一つの固定エレメントは、防波堤、プラットフォーム、海岸線又は前記海上構造が建造される前に存在するその他の建築物を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の海上構造。
【請求項6】
前記海上構造は、さらに一つの係留システムを含み、前記係留システムは、チェーン又はロープ、錘又は錨を含み、
前記チェーン又はロープは、複数あるうちの少なくとも一つの前記浮動エレメント及び前記錘又は錨と繋がり、
前記錘又は錨は海底に位置するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の海上構造。
【請求項7】
外周部構造と、内部領域構造と、を定義し、外周部構造に設置された少なくとも一つの固定エレメントに隣接して
互いに物理的に分離した複数の浮動エレメントが内部領域構造に設置される、海上構造の建設方法であって、
前記少なくとも一つの固定エレメントは永久的に海底に作られ、
前記複数の浮動エレメントが前記外周部構造にて制限される各方向へ移動することを制限し、
前記複数の浮動エレメントは部分的に水中に沈められ、
前記複数の浮動エレメントはレベル制御モジュールを有し、
前記レベル制御モジュールは前記複数の浮動エレメントの浮力とバランスを制御することができる、海上構造の建設方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの固定エレメントは、コンクリートケーソン、岩石、管杭又はその如何なる組合せである、ことを特徴とする請求項7に記載の海上構造の建設方法。
【請求項9】
前記複数の浮動エレメントは、ロックシステム装置によって互いに繋がっている、ことを特徴とする請求項7に記載の海上構造の建設方法。
【請求項10】
前記複数の浮動エレメントは、コンクリート、鋼又はその如何なる組合せで構成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の海上構造の建設方法。
【請求項11】
前記少なくとも一つの固定エレメントは、防波堤、プラットフォーム、固定線路又は前記海上構造が建造される前に存在するその他の建築物を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の海上構造の建設方法。
【請求項12】
係留システムが前記複数の浮動エレメント中の少なく一つに接続され、
前記係留システムは、チェーン又はロープ、錘又は錨を含み、
前記チェーン又はロープは少なくとも一つの前記浮動エレメントと前記錘又は錨と繋がり、
前記錘又は錨は海底に位置するように設計されている、ことを特徴とする請求項7に記載の海上構造の建設方法。
【請求項13】
前記少なくとも一つの固定エレメントは事前に存在するもの、新しく設置されたもの又はその如何なる組合せである、
ことを特徴とする請求項7乃至請求項12のいずれか一項に記載の海上構造の建設方法。
【請求項14】
前記複数の浮動エレメントは、
前記少なくとも一つの固定部材又はその組み合わせを設置する前又は設置した後に設置される、
ことを特徴とする請求項7乃至請求項13のいずれか一項に記載の海上構造の建設方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人工表面の構造に関し、具体的には、本発明は海上の人工表面の構造に関し、さらに具体的に言えば、本発明は大規模な水中の人工表面の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
都市、国家と経済の成長に伴い、土地の需要が高まっている。数十年来、人類の文明は水上に陸地表面を拡張するための技術や方法を開発しており、特に海上に拡張することを行っている。
【0003】
これらの海上の建設には、人工島、半島、埠頭、埠頭、その他の港湾構造物の他、住宅、農地、交通とインフラ工場が含まれる。
【0004】
二つの基本概念が、このような拡張(半島、島等)に使用される。一つはフローティング表面による埋め立てであり、もう一つは充填材による海洋領域の埋め立てである。いずれの概念にも欠点があるが、以下に簡単に述べるように、それぞれの概念には欠点がある。
【0005】
海洋人工表面は、海水面より高いところに大型コンクリートプラットフォームを建造する方法で建造できるものであり、越波を制限することを目的とするものである。プラットフォームはビームとスラブで構成され、海底に打ち込まれる大口径のパイプパイルで支える必要がある。
【0006】
当技術分野ではいくつかの埋め立て方法が知られており、それらは、充填材料のタイプ、基礎土壌、海底の地形、機器の利用可能性、および埋め立てに適した材料によって多様である。
【0007】
波、海流、風により、海上の埋め立ては充填材の莫大なロスが招かれる。従って、埋め立て領域の周囲に境界を決め、保護された領域内で海の埋め立てを行う。こうすることで、波と海流によるロスを最低限に抑えることができる。しかしながら、この種の埋立てには、水や細かい物質を溢れさせるための出口が必要とされる。出口がないと、境界の隅やその付近に泥が溜まってしまう。
【0008】
様々な種類の海上防波堤によって保護される埋め立ては、海水を大量の砂充填材で置き換えることで行われることが一般的である。
砂は下記のようになっている:
A)プロジェクトサイトの近くで浚渫することによって利用可能であること:
B)エンジニアリングの観点から堅固な基礎に適していること;
C)環境にやさしいこと:
土取場付近の浚渫工事で取得可能な必要な砂土が不足な国と,又は砂土供給量によりひどい海岸浸食が発生したり、環境に重大な影響を及ぼすような国では、本分野において従来とは異なる許容できるソリューションが必要になる。
借用ピットの近くから浚渫される砂が不足している国、および,または、砂の供給量が重大な海岸侵食や環境に大きな悪影響を及ぼすような国については、別のより許容できる解決策が必要になる。
【0009】
埋立て概念のいくつかの欠点は、充填材が緩いという性質に由来するものであり、施工領域の舗装安定性を制限したり、許容される積載用途を制限してしまう可能性がある。
【0010】
当然ながら、主な欠点は(獲得可能な)充填材の不足であって、特に砂の不足であり、また、施工現場やその付近において充填剤が使用された箇所における生態系の影響である。
【0011】
これらの欠点を解決しようとする試みは多数あったが、いずれも重要な成果を収めていない。
【0012】
US4397587Aでは人工島が開示されており、この人工島は底部建築現場に砂、粘土などの材料を沈積させ、建築現場に位置する分支、相対間隔の部材を提供することで形成する抑制手段で建造することにより、砂及び海底に沿って分布する粘土又は類似物等の材料の影響の度合いを減らすものである。
【0013】
上述したように、浮島を通じて水の上に表面を建造する試みもある。
【0014】
US5421282Aでは人工浮島を開示している。この島は複数の中空島モジュールで形成するフローティング構造を含む。各モジュールにはプラットフォームと再度モールを有することができ、空気を収集し、フローティング構造に浮力を提供するのに用いられる。モジュールには複数の短めの補強リブが含まれ、追加的な強度と安全性を提供する。隣接する島モジュールはヒンジ機構で繋がれ、フローティング式人工島を形成する。空気供給機構は隣接島モジュールの側面に接続され、中空内部の空気を補給することができる。
【0015】
US4007598に開示される人工島は、
通常は海底に立設されるベースを有する少なくとも1つのモジュール式の直立支持コラムと、1つまたは複数の前記直立支持コラムによって支持されて水面上の作動位置にあるプラットフォームと、一つ又は複数のフロートであって空気充満時に十分な浮力を有するフロートと、ガイドケーブルと、を含む。ガイドケーブルは、フロートをプラットフォームにエンゲージする位置と海底の近くの間でガイドするものであり、プラットフォーム、フロート、コラムモジュールによって水面から所望の位置に組み立てられ、コラムの底部が海底と接合するまでコラムを水中に沈下させ、フロートが少なくとも部分的に浸水して水没している間に、固定された空間関係でフロートをプラットフォームに固定し、圧縮空気でフロート中の水を排出することで、プラットフォームを上昇させ、上昇したプラットフォームを操作位置のコラム上に固定し、フロートを解放する。プラットフォームを水面に浮かせている間に、コラムは、ベース部分から所定の位置において組み立てられ、モジュール部分は順次プラットフォームに固定される。
【0016】
フローティング式又は海面式のコンセプトにおいては、それぞれ、海水面水平方向と垂直方向の両方の力を受けることになり、これらの力は、主に、波、潮、風と海流等環境負荷により起きるものであり、また、貯蔵、交通、重機、バラスト水、熱源負荷、施工段階、影響、地震等で発生する負荷を受ける。
【0017】
上記の各方法の主な欠点は、安定且つバランスの取れた海洋(海中)表面を提供することができないことである。このため、大規模な表面及び大量で多用途の負荷が許容され、大量の充填材を必要としないこと、ができないということである。
【0018】
充填材の獲得問題がますます重要になっており、合理的な成果を出せるのに必要な量は莫大である。例えば、日本で海岸付近に関西空港島を建設することは中程度の複雑な工事であった。約1.8億立方メートルの埋立て充填材が1.9平方マイルの第一島の建造に用いられ、2.5億立方メートルの埋立て充填材が2.1平方マイルの第二島の建造に用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は海上施工方法を提供することである。前記の海上構造は外周部構造と内部領域構造によるものである。
【0020】
本発明のもう一つの目的は、海上施工方法を提供することで、この方法は海底上の部材と浮動エレメントを含むものである。
【0021】
本発明のもう一つの目的は、海上構造を提供することであり、この構造は海岸から異なる距離に、異なる性質の海底に配置することができ、異なる任務と目的地で実行可能であり、空港、住宅、陸軍基地、発電所、港湾、埠頭、その他のインフラなど及び任意の組合せを含むがこれに限られるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の海上構造は固定エレメントを含み、これらの固定エレメントは定義された外周部構造に設置される。上記固定エレメントは海底に位置する。
【0023】
本発明の海上構造は浮動エレメントも含む。前記浮動エレメントは前記海上構造の内部領域構造内に配置され、前記外周部構造によって制限される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本文では例示の形のみで、付図を参考しながら本発明の一部の実施例を記述する。現在具体的に付図を参考するが、強調すべきは、示される細部は例示であり、本発明の実施例の説明に用いられることである。この点において、本分野の技術者なら付図中の記述により如何に本発明の実施例を実施するかは明確である。
【0025】
【
図1】本発明にかかる、海洋水域(10)、陸地(22)、海岸線(20)、例示的な人工半島(32)、島(34)の俯瞰図である。人工半島と人工島は固定エレメントを含む外周部構造42,44を有し、内部領域構造62,64は浮動エレメントを含む。島の上には陸地(22)と繋がる通路(24)があり、これはどのようなものであってもよい(例えば:橋、堤防、浮物等)。
【
図2】本発明の一部の実施例に基づく海上構造の横断面を描いたものである。固定エレメント420は一つのケーソンで作られた防波堤であり、海底(26)に位置し、頂部には一つの保護塀延伸部424がある。固定エレメント422は海底に作られたケーソンである。浮動エレメント(62)はロックシステム装置によって互いに繋がり、ロックシステム装置は特殊継手(70)を含む。外周部の浮動エレメントはスプラッシャ(72)を有し、外周部の固定エレメント付近に結合又は放置されている。固定エレメントと浮動エレメントの上表面はさらにランプ(74)によって繋がれ、人又は運送車両がスムーズに移動できるようにする。海水面(12)よりも上に、浮動エレメントの一部が位置していることが示されている。係留システムは、吊り下げられて横たわる海底チェーン(80)、錘(82)又は錨を含むフォローティングエレメントを構成する。本実施例において、構造負荷は貨物90であるが、フォローティングエレメントの上面の用途は多様で、且つ制限されない。
【
図3】本発明の一部の実施例に基づく浮動エレメント(62)の縦断面図であり、
図3aはその横断面である。本発明の浮動エレメント(62)には内部セルが含まれ、選択的に内部空間をインフラに用いることができ、例えば管路、共用施設パイプ又は汎用施設に用いることができる。
【
図4】本発明の一部の実施例に基づく浮動エレメントの横断面図であり、この浮動エレメントは片側のもう一つの浮動エレメント上に結合且つ装着され、さらにスプラッシャを通じて他方の片側の固定杭につながれるプラットフォームに接続される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
通常次のように理解できる。
従来の排水領域で陸地表面を得るのに用いられる類似した技術では、海上施工方法は二種類に分けられる。
一つは充填で、もう一つはフローティング表面によるものである。
【0027】
充填による従来の技術は、通常一種類の外部固定限定エレメントに特徴があり、充填材領域に強度と安定性を提供するものである。一方で浮動エレメントによる方法は、通常この種のエレメントが存在しない。
【0028】
本発明の新規な点は、外周部構造となる固定的・安定的なエレメントと、内部領域構造浮動エレメントと、の組み合わせである。
【0029】
下記に説明するように、上記の組合せは全ての従来の技術方法と技術的欠点を克服している。
【0030】
本発明の海上構造の外周部構造は海底に位置する固定エレメントを含み、該固定エレメントは海上構造の定義された外周部に位置する。前記固定エレメントは防波堤、管杭構造、ケーソン、矢板壁又は如何なるその他の部材とすることができ、その特徴は海洋底部又はもう一つの水域上にあり、適切な手段で固定位置に固定される。
【0031】
当業者によれば、前記の固定のための手段は固定エレメントの性質に由来し、自重、駆動基礎又は固定手段のいずれの組合せを含むものであるが、これに限らない。
【0032】
矢板壁又は杭式構造において、部材を打ち込む必要がある。防波堤は自重部材で作られ、ケーソンは各種サイズの岩石又はその他の基底と組み合わせることができる。
【0033】
注意しなければいけないことは、前記固定エレメントの設計高さを少なくとも水面の最高高さと同じにすることである。
【0034】
前記固定エレメントは特別に建築の一部分として作るか、従来の固定エレメントを使用することができる。例えば既存の防波堤、埠頭、既存の海岸線、埠頭又はいくつかの異なる類型の部材の如何なる組合せである。
【0035】
前記固定エレメントはいくつかの異なるタイプのエレメント組み合わせることができる。例えば、半島は港湾内の拡張された貨物プラットフォームとして用いられるように設計され、既存の港湾表面の拡張に用いられるように建造される。施工においては、既存のプラットフォーム側壁を一辺の固定エレメントとして使い、既存の防波堤を他の一辺として使い、特製ケーソン式防波堤を他の一辺として使い、他の一辺には矢板壁を使う。
【0036】
好ましい実施例において、前記固定エレメントの外部領域は、速くて主要な水の移動から守られる密閉した内部領域構造を形成するが、その他の実施例においては、前記固定エレメント間の隙間は許容される。隙間は、順番に、あるいは、偶発的に幾つかの原因で拡大し、例えば、施工難度、潮、波、水流、サイズ、コスト計算又はその他の原因で拡大する。
【0037】
本発明の好ましい実施例において、防波堤は少なくとも一つのケーソンで作られる。少なくとも一つのケーソンは海底に置くことができ、砕石堆積層の頂部に置くのがもっとも好ましい。
【0038】
本発明の海上構造の内部領域構造は、その主要な表面のエリアとなるように設計されている。内部領域構造は少なくとも一つの浮動エレメントを含み、前記固定エレメントの間に位置するように設計する。前記少なくとも一つの浮動エレメントは、周知の設計によるものである。当業者であれば理解できるが、浮動エレメントは、例えば、大型バージーの建造中に使用される技術に基づくような、浮動エレメント如何なる大型パネルプラットフォームでもよい。
【0039】
本発明の好ましい実施例において、前記少なくとも一つの浮動エレメントは上表面を含み、前記上表面は土地の表面として使う。浮動エレメントは、さらに底面と側壁をも含み、前記上表面と底面の間に空間を形成する。前記側壁は、前記側壁と前記上表面と底面の間に少なくとも一つのセルのキャパシティーを形成するために、異なる形状や位置に構成されることができる。好ましくは複数のセルのキャパシティーが形成されるようにする。前記セルは前記少なくとも一つの浮動エレメントの浮力を獲得するために用いられる。
【0040】
前記少なくとも一つの浮動エレメントの建造は、前記海上構造の予期総面積、及び部材建造位置と前記位置から実際建造領域までの移行で発生する制限を考慮するものとする。
【0041】
前記少なくとも一つの浮動エレメントには、レベル制御モジュール(レベル及び浮力制御モジュール)を配備するものとする。前記モジュールは如何なる適切な既知な方法で設計できる。本発明の好ましい実施例において、レベル制御モジュール(レベル及び浮力制御モジュール)は、ポンプを浮動エレメントの前記上表面と底面の間に送り込み形成する全ての又は選定されたセルとして設計される。
【0042】
前記レベル制御モジュール(レベル及び浮力制御モジュール)は、各浮動エレメントに対し独立操作することが可能で、或いは全て又は選定された一組の浮動エレメントに対し集中操作が可能である。当業者であれば、下記が理解できる。如何なる適切な原理は何れもレベル制御モジュール(レベル及び浮力制御モジュール)に用いることができる。前記モジュールは機械検測と操作、デジタルセンサーとコンピューター制御又は如何なる組み合わせにより、フラットで安定した表面を保持することができる。前期モジュールは、負荷差や水、風、温度による力など、すべての力に耐えるように設計される。
【0043】
好ましくは、前記の少なくとも一つの浮動エレメント構造は、現場の複雑性や物理条件に隣接する手順を最小限にするために、できるだけ大きい方がよい。
【0044】
本発明の好ましい実施例において、前記少なくとも一つの浮動エレメントは鉄筋コンクリートで作られ、その他の実施例においては、鋼又は如何なるその他の適切な材料又は複合材料で作れられてもよいとする。必要な場合、浮動エレメントは防蝕保護を行うものとする。
【0045】
本分野の技術者なら理解できるが、浮動エレメントの施工は、波、潮、風と海流により生まれる環境負荷、保存、交通、重機、バラスト水と熱源負荷、施工段階、影響、地震等で生まれる垂直負荷に対応して行われる。
【0046】
前記少なくとも一つの浮動エレメントは互いに隣接し、且つ隣接する固定エレメントと位置合わせられるように設計される。
【0047】
前記少なくとも一つの浮動エレメントは、本分野の既知のフローティングプラットフォーム、埠頭バージー又はその他のフローティング表面を取り付ける如何なる受け入れられる技術を通じて互いに結合又は互いに取り付けることができる。このような取り付けは、剪断キーと継手を使用して完成できる。
【0048】
前記少なくとも一つの内部領域構造の浮動エレメントは、外部領域の連接固定エレメントに接続される。前記接続は、浮動エレメント間と同じ形で完成することもできれば、又は浮動エレメントと固定エレメント間にスプラッシャを放置することで完成することもできる。
【0049】
本発明の好ましい実施例において、外周部構造と内部領域構造は最外表面で覆われている。最外表面はアスファルト、コンクリート又はその他の材料でもよい。その他の実施例において、前記海上構造の上表面は前記フローティングと固定エレメントの組成部分であってもよい。建築の外周部構造と内部領域構造の間に連続する表面を保持し、ランプ(鋼製のランプがもっとも好ましい)を一つの部材の縁辺に取り付けることができ、結合部材の縁辺に舗装し、連続した上表面を形成する。
【0050】
本発明の好ましい実施例において、浮動エレメントの高さは8~15メートルであるべきで、理解すべきは、前記高さは特定の海上構造の全体的な要求により確定される。
【0051】
本発明の外周部構造の固定エレメントは、いずれかの周知のエレメント中から選択でき、例えば岩石、コンクリート保護面、ケーソン、矢板壁、杭又はその他の如何なる組合せが可能である。固定エレメントは自重、従動部材又は如何なるその他の形式で海底に確立し、それらは海洋環境、潮、波、風等からの如何なる力の影響を受けないことを確保するものとする。
【0052】
本発明の好ましい実施例において、少なくとも公海側(海岸線から離れる側)の縁辺は、完全な防波堤により構成され、これにより水の運動による前記浮動エレメントの下方の内部領域構造への影響を防ぐ。
【0053】
本発明の一部の実施例において、前記少なくとも一つの固定エレメントの外部領域は、すべて又は一部が既存の固定エレメントである。
【0054】
本発明の一部の実施例において、固定エレメントは海上構造の全境界に分布し、密閉した領域を形成し、その他の実施例において、周囲環境の要求と前記構造の応用に基づき、前記境界は一部のみを密閉する。
【0055】
本発明の一部の実施例において、前記少なくとも一つの浮動エレメントはそれぞれ係留部材に繋ぐロープ又はチェーンを通じてさらに海底に係留される。前記係留部材は錘、錨又は駆動エレメントでよい。
【0056】
本分野の技術者なら理解できるのは、本文で記述されている実施例は例示に過ぎず、バインディング制限を受けないことである。本発明の海上構造と建設方法は、異なる順序と方式で浮動エレメントと固定エレメントを据え置くこと、及び事前に存在又は新しく据え置いた異なる類型の部材を含む。