(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】印刷機および印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41F 15/26 20060101AFI20231122BHJP
B41F 15/08 20060101ALI20231122BHJP
H05K 3/12 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
B41F15/26 A
B41F15/08 303E
H05K3/12 610N
(21)【出願番号】P 2022516539
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 JP2020017290
(87)【国際公開番号】W WO2021214898
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-08-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横井 良宗
【審査官】亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-158129(JP,A)
【文献】特開2017-220633(JP,A)
【文献】特開2007-160692(JP,A)
【文献】特開2005-156283(JP,A)
【文献】国際公開第2016/199207(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0139875(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/26
B41F 15/08
H05K 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキージがマスクを摺動して前記マスクの開口部を介して基板にはんだを印刷する印刷機であって、
一対のクランプ部材を用いて前記基板の
搬送方向である第1方向に延びる縁部をクランプするクランプ装置と、
前記一対のクランプ部材の間に設けられ前記基板を下方から支持する支持装置と、
前記クランプ装置によって前記基板がクランプされ且つ前記支持装置によって前記基板が支持されている前記基板の保持状態において、
前記一対のクランプ部材のうちの一方の前記マスクに当接可能な当接面から、前記マスクに当接可能な前記基板の印刷面を経由して、前記一対のクランプ部材のうちの他方の前記当接面まで、水平面において前記第1方向に直交する方向である第2方向に沿って移動して、前記一対のクランプ部材の前記当接面の高さと、前記基板の前記印刷面の前記第2方向に沿って位置する複数の位置の高さを測定することにより、前記当接面の高さと
前記印刷面の高さとの差である段差を測定して前記段差の測定結果を含む基板保持情報を取得する取得装置と、
を具備
し、
前記基板の前記印刷面の前記第2方向に沿って位置する前記複数の位置は、前記基板の前記第2方向の中央部の位置と、前記基板の前記第2方向の両端部側の位置とを含む印刷機。
【請求項2】
前記取得装置によって取得された前記段差の測定結果に基づいて前記段差が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断し、前記段差が所定の許容範囲に含まれないと判断したときに、前記段差を減少させる方向に前記支持装置を移動させる支持装置制御部を備える請求項1に記載の印刷機。
【請求項3】
前記取得装置は、前記基板の前記保持状態において、前記基板の前記印刷面の高さを測定して前記基板の前記印刷面の高さの測定結果を取得し、
前記基板の前記印刷面の高さの測定結果は、前記基板保持情報に含まれる請求項1または請求項2に記載の印刷機。
【請求項4】
前記取得装置によって取得された前記基板の前記印刷面の高さの測定結果に基づいて前記基板の反り量が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断し、前記基板の前記反り量が所定の許容範囲に含まれないと判断したときに、前記基板の前記反り量を減少させる方向に前記一対のクランプ部材のうちの少なくとも一方を移動させるクランプ装置制御部を備える請求項3に記載の印刷機。
【請求項5】
前記支持装置は、前記基板を吸引する吸引部材、および、前記基板の前記印刷面の側から前記基板を押圧する押圧部材のうちの少なくとも一つである補助部材を備え、
前記取得装置によって取得された前記基板の前記印刷面の高さの測定結果に基づいて前記基板の反り量が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断し、前記基板の前記反り量が所定の許容範囲に含まれないと判断したときに、前記補助部材を用いて前記基板の前記反り量を減少させる補助部材制御部を備える請求項3または請求項4に記載の印刷機。
【請求項6】
スキージがマスクを摺動して前記マスクの開口部を介して基板にはんだを印刷する印刷機を備える印刷システムであって、
前記印刷機は、
一対のクランプ部材を用いて前記基板の
搬送方向である第1方向に延びる縁部をクランプするクランプ装置と、
前記一対のクランプ部材の間に設けられ前記基板を下方から支持する支持装置と、
前記クランプ装置によって前記基板がクランプされ且つ前記支持装置によって前記基板が支持されている前記基板の保持状態において、
前記一対のクランプ部材のうちの一方の前記マスクに当接可能な当接面から、前記マスクに当接可能な前記基板の印刷面を経由して、前記一対のクランプ部材のうちの他方の前記当接面まで、水平面において前記第1方向に直交する方向である第2方向に沿って移動して、前記基板の前記印刷面の前記第2方向に沿って位置する複数の位置の高さを測定することにより、前記印刷面の高さを測定して前記基板の前記印刷面の高さの測定結果を含む基板保持情報を取得する取得装置と、
を具備し、
前記基板の前記印刷面の前記第2方向に沿って位置する前記複数の位置は、前記基板の前記第2方向の中央部の位置と、前記基板の前記第2方向の両端部側の位置とを含み、
前記取得装置によって取得された前記基板保持情報、および、前記基板の前記保持状態において前記はんだが印刷された前記基板の印刷結果を含む印刷結果情報を関連付けて記憶する記憶装置を備える印刷システム。
【請求項7】
前記取得装置は、前記基板の前記保持状態において、前記マスクに当接可能な前記クランプ装置の当接面の高さと前記基板の前記印刷面の高さとの差である段差を測定して前記段差の測定結果を取得し、
前記段差の測定結果は、前記基板保持情報に含まれる請求項6に記載の印刷システム。
【請求項8】
前記印刷結果には、前記印刷機によって印刷された前記はんだの印刷状態を検査する印刷検査機による検査結果が含まれる請求項6または請求項7に記載の印刷システム。
【請求項9】
前記取得装置によって取得された前記基板保持情報に基づいて前記基板の前記保持状態の良否を判断し、前記基板の前記保持状態を不良と判断したときに、前記クランプ装置および前記支持装置のうちの少なくとも一つである対象装置を駆動制御して前記基板の前記保持状態を変更する対象装置制御部を備える請求項6~請求項8のいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項10】
前記取得装置は、前記対象装置制御部によって前記保持状態が変更された前記基板について、前記基板保持情報を取得し、
前記記憶装置は、前記対象装置制御部によって前記保持状態が変更された前記基板について、前記基板保持情報および前記印刷結果情報を関連付けて記憶する請求項9に記載の印刷システム。
【請求項11】
前記印刷機に着脱可能に設けられる交換部材を前記印刷機との間で交換する交換装置を備える請求項6~請求項10のいずれか一項に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、印刷機および印刷システムに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の搬送装置は、コンベア装置と、クランプ装置と、支持部材とを備えており、コンベア装置によって所定の位置まで搬送された基板を支持部材によってコンベア装置から持ち上げ、持ち上げられた基板をクランプ装置によってクランプする。また、搬送装置は、押圧部材と、第一クランプ部を有する制御装置とを備えている。押圧部材は、コンベア装置の上方に設けられ、基板を上方から押圧する。第一クランプ部は、基板の中央部が縁部より突出する状態である上反り状態の基板をクランプするために、搬送装置の作動を制御する。
【0003】
具体的には、第一クランプ部は、支持部材によって持ち上げられた基板の中央部を押圧部材によって下方に向かって押圧することで、基板を下反り状態に変形させる。なお、特許文献1に記載の搬送装置は、基板の縁部が中央部より突出する状態である下反り状態の基板を平坦にしてクランプすることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、マスクに当接可能なクランプ装置の当接面の高さと、マスクに当接可能な基板の印刷面の高さとの差である段差については、記載されていない。基板の保持状態において段差が生じると、マスクと基板の密着度が低下し、印刷品質が低下する可能性がある。そのため、上記段差を知得したいという要請がある。また、特許文献1には、基板の印刷面の高さと、基板の印刷結果の関係については、記載されていない。そのため、基板の印刷面の高さと、基板の印刷結果の関係を知得することは、困難である。
【0006】
このような事情に鑑みて、本明細書は、マスクに当接可能なクランプ装置の当接面の高さと、マスクに当接可能な基板の印刷面の高さとの差である段差の測定結果を少なくとも取得可能な印刷機を開示する。また、本明細書は、基板の印刷面の高さの測定結果と、基板の印刷結果の関係を少なくとも知得可能な印刷システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、スキージがマスクを摺動して前記マスクの開口部を介して基板にはんだを印刷する印刷機であって、クランプ装置と、支持装置と、取得装置とを具備する印刷機を開示する。前記クランプ装置は、一対のクランプ部材を用いて前記基板の縁部をクランプする。前記支持装置は、前記一対のクランプ部材の間に設けられ前記基板を下方から支持する。前記取得装置は、前記クランプ装置によって前記基板がクランプされ且つ前記支持装置によって前記基板が支持されている前記基板の保持状態において、前記マスクに当接可能な前記クランプ装置の当接面の高さと前記マスクに当接可能な前記基板の印刷面の高さとの差である段差を測定して前記段差の測定結果を含む基板保持情報を取得する。
【0008】
また、本明細書は、スキージがマスクを摺動して前記マスクの開口部を介して基板にはんだを印刷する印刷機を備える印刷システムであって、前記印刷機は、クランプ装置と、支持装置と、取得装置とを具備する。前記クランプ装置は、一対のクランプ部材を用いて前記基板の縁部をクランプする。前記支持装置は、前記一対のクランプ部材の間に設けられ前記基板を下方から支持する。前記取得装置は、前記クランプ装置によって前記基板がクランプされ且つ前記支持装置によって前記基板が支持されている前記基板の保持状態において、前記マスクに当接可能な前記基板の印刷面の高さを測定して前記基板の前記印刷面の高さの測定結果を含む基板保持情報を取得する。前記印刷システムは、前記取得装置によって取得された前記基板保持情報、および、前記基板の前記保持状態において前記はんだが印刷された前記基板の印刷結果を含む印刷結果情報を関連付けて記憶する記憶装置を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記の印刷機によれば、取得装置を具備する。よって、印刷機は、マスクに当接可能なクランプ装置の当接面の高さと、マスクに当接可能な基板の印刷面の高さとの差である段差の測定結果を少なくとも取得することができる。また、上記の印刷システムは、取得装置によって取得された基板の印刷面の高さの測定結果を含む基板保持情報、および、基板の印刷結果を含む印刷結果情報を関連付けて記憶する記憶装置を備えている。よって、印刷システムの利用者は、記憶装置から基板の印刷面の高さの測定結果と、基板の印刷結果の関係を少なくとも知得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】対基板作業ラインの構成例を示す構成図である。
【
図3】取得装置の移動方向の一例を示す保持状態の基板の平面図である。
【
図4】段差の一例を示す保持状態の基板の側面図である。
【
図5】基板の反りの一例を示す保持状態の基板の側面図である。
【
図6】印刷機の制御装置の制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図7】支持装置制御部による制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図4の段差が解消された保持状態の基板の側面図である。
【
図9】クランプ装置制御部および補助部材制御部による制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図5の基板の反りを解消する補助部材の一例を示す保持状態の基板の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態
1-1.対基板作業ラインWL0の構成例
対基板作業ラインWL0では、基板90に所定の対基板作業を行う。本実施形態の対基板作業ラインWL0は、印刷機WM1を備えていれば良く、対基板作業ラインWL0を構成する対基板作業機WM0の種類および数は、限定されない。
図1に示すように、本実施形態の対基板作業ラインWL0は、印刷機WM1、印刷検査機WM2、部品装着機WM3、リフロー炉WM4および外観検査機WM5の複数(5つ)の対基板作業機WM0を備えており、基板90は、基板搬送装置によって、この順に搬送される。
【0012】
印刷機WM1は、基板90の複数の部品の装着位置に、はんだ80を印刷する。印刷検査機WM2は、印刷機WM1によって印刷されたはんだ80の印刷状態を検査する。部品装着機WM3は、印刷機WM1によってはんだ80が印刷された基板90に複数の部品を装着する。部品装着機WM3は、一つであっても良く、複数であっても良い。部品装着機WM3が複数設けられる場合は、複数の部品装着機WM3が分担して、複数の部品を装着することができる。
【0013】
リフロー炉WM4は、部品装着機WM3によって複数の部品が装着された基板90を加熱し、はんだ80を溶融させて、はんだ付けを行う。外観検査機WM5は、部品装着機WM3によって装着された複数の部品の装着状態などを検査する。このように、対基板作業ラインWL0は、複数(5つ)の対基板作業機WM0を用いて、基板90を順に搬送し、検査処理を含む生産処理を実行して基板製品900を生産することができる。なお、対基板作業ラインWL0は、例えば、機能検査機、バッファ装置、基板供給装置、基板反転装置、シールド装着装置、接着剤塗布装置、紫外線照射装置などの対基板作業機WM0を必要に応じて備えることもできる。
【0014】
対基板作業ラインWL0を構成する複数(5つ)の対基板作業機WM0および管理装置HC0は、通信部によって電気的に接続されている。通信部は、有線または無線によって、これらを通信可能に接続する。また、通信方法は、種々の方法をとり得る。本実施形態では、複数(5つ)の対基板作業機WM0および管理装置HC0によって、構内情報通信網(LAN:Local Area Network)が構成されている。これにより、複数(5つ)の対基板作業機WM0は、通信部を介して、互いに通信することができる。また、複数(5つ)の対基板作業機WM0は、通信部を介して、管理装置HC0と通信することができる。
【0015】
管理装置HC0は、対基板作業ラインWL0を構成する複数(5つ)の対基板作業機WM0の制御を行い、対基板作業ラインWL0の動作状況を監視する。管理装置HC0には、複数(5つ)の対基板作業機WM0を制御する種々の制御データが記憶されている。管理装置HC0は、複数(5つ)の対基板作業機WM0の各々に制御データを送信する。また、複数(5つ)の対基板作業機WM0の各々は、管理装置HC0に動作状況および生産状況を送信する。
【0016】
管理装置HC0には、記憶装置DS0が設けられている。記憶装置DS0は、対基板作業機WM0が取得した種々の取得データを保存することができる。例えば、対基板作業機WM0によって撮像された種々の画像データは、取得データに含まれる。対基板作業機WM0によって取得された稼働状況の記録(ログデータ)などは、取得データに含まれる。また、記憶装置DS0は、基板製品900の生産に関する種々の生産情報を保存することができる。例えば、部品の形状に関する情報、部品を撮像した画像データの画像処理に関する情報、部品の取り扱いに関する情報、部品を撮像するときの撮像条件に関する情報、部品の電気的特性に関する情報などの形状関連情報は、生産情報に含まれる。
【0017】
さらに、部品の供給方法に関する情報であるパッケージ情報は、生産情報に含まれる。また、印刷検査機WM2、外観検査機WM5などの検査機が検査対象を検査する際に使用する検査基準情報は、生産情報に含まれる。さらに、検査機による検査結果は、生産情報に含まれる。また、基板製品900の品質情報(トレーサビリティ情報)は、生産情報に含まれる。
【0018】
1-2.印刷機WM1の構成例
本実施形態の印刷機WM1は、スキージ34がマスク70を摺動してマスク70の開口部71を介して基板90にはんだ80を印刷する印刷処理を実行する。
図2に示すように、印刷機WM1は、基板搬送装置10と、マスク支持装置20と、スキージ移動装置30と、表示装置40と、制御装置50とを備えている。本明細書では、基板90の搬送方向(
図2の紙面に垂直な方向)をX方向とし、X方向に直交する印刷機WM1の前後方向(
図2の紙面において左右方向)であり印刷方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する鉛直方向(
図2の紙面において上下方向)をZ方向とする。
【0019】
基板搬送装置10は、印刷対象の基板90を搬送する。基板90は、回路基板であり、電子回路、電気回路、磁気回路などが形成される。基板搬送装置10は、印刷機WM1の基台BS0に設けられる。基板搬送装置10は、例えば、基板90の搬送方向(X方向)に延びるベルトコンベアによって、基板90を搬送する。基板搬送装置10は、後記されているように、印刷機WM1に搬入された基板90を保持する。
【0020】
マスク支持装置20は、基板搬送装置10の上方に設けられている。マスク支持装置20は、一対の支持台によってマスク70を支持する。一対の支持台は、正面方向視の印刷機WM1の左側(
図2の紙面奥側であり、図示されている。)および右側(
図2の紙面手前側であり、同図において図示されていない。)に配置され、印刷方向(Y方向)に沿って延びるように形成されている。
【0021】
なお、
図2は、印刷機WM1を印刷方向(Y方向)に沿って切断した一部断面図であり、側面方向視の印刷機WM1の内部、マスク70、基板90および基板搬送装置10などの断面が模式的に示されている。マスク70には、基板90の配線パターン上の所定位置において貫通する開口部71が形成されている。マスク70は、例えば、外周縁に設けられる枠部材を介して、マスク支持装置20に支持される。
【0022】
スキージ移動装置30は、スキージ34をマスク70に垂直な鉛直方向(Z方向)に昇降させるとともに、スキージ34をマスク70の上面において印刷方向(Y方向)に移動させる。スキージ移動装置30は、ヘッド駆動装置31と、スキージヘッド32と、一対の昇降装置33,33と、一対のスキージ34,34とを備えている。ヘッド駆動装置31は、印刷機WM1の上部側に配置されている。ヘッド駆動装置31は、例えば、送りねじ機構などの直動機構によって、スキージヘッド32を印刷方向(Y方向)に移動させることができる。
【0023】
スキージヘッド32は、ヘッド駆動装置31の直動機構を構成する移動体にクランプして固定される。スキージヘッド32は、一対の昇降装置33,33を保持する。一対の昇降装置33,33の各々は、スキージ34を保持し、互いに独立して駆動することができる。一対の昇降装置33,33の各々は、例えば、エアーシリンダなどのアクチュエータを駆動させて、保持するスキージ34を昇降させる。
【0024】
スキージ34は、マスク70の上面を摺動して、マスク70の上面に供給されたはんだ80をマスク70に沿って移動させる。はんだ80は、クリームはんだ(はんだペースト)を用いることができる。はんだ80がマスク70の開口部71を介して基板90に刷り込まれて、マスク70の下面側に配置された基板90に、はんだ80が印刷される。本実施形態では、一対のスキージ34,34の各々は、印刷方向(Y方向)に直交する基板90の搬送方向(X方向)に沿って延びるように形成されている板状部材である。
【0025】
一対のスキージ34,34のうちの前側(
図2の紙面左側)のスキージ34は、前側から後側に向かってはんだ80を移動させる印刷処理に用いられ、印刷機WM1の前側から後側に向かう方向を進行方向とする。一対のスキージ34,34のうちの後側(
図2の紙面右側)のスキージ34は、後側から前側に向かってはんだ80を移動させる印刷処理に用いられ、印刷機WM1の後側から前側に向かう方向を進行方向とする。また、いずれのスキージ34においても、進行方向と反対の方向を後退方向とする。
【0026】
一対のスキージ34,34の各々は、進行側に位置する前面部が下方を向くように傾斜して昇降装置33に保持されている。換言すれば、一対のスキージ34,34の各々は、後退側に位置する背面部が上方を向くように傾斜して昇降装置33に保持されている。一対のスキージ34,34の各々の傾斜角度は、昇降装置33の下部に設けられる調整機構によって調整される。
【0027】
表示装置40は、印刷機WM1の作業状況を表示することができる。また、本実施形態の表示装置40は、タッチパネルにより構成されており、作業者による種々の操作を受け付ける入力装置としても機能する。
【0028】
制御装置50は、公知の演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている。制御装置50は、通信部を介して、
図1に示す管理装置HC0と通信可能に接続されており、各種データを送受信することができる。制御装置50は、生産プログラム、各種センサの検出結果などに基づいて、基板搬送装置10、マスク支持装置20、スキージ移動装置30および表示装置40を駆動制御することができる。
【0029】
制御装置50は、記憶装置に記憶されている各種情報および印刷機WM1に設けられている各種センサの検出結果を取得する。記憶装置には、印刷機WM1を駆動させる生産プログラムなどが記憶されている。制御装置50は、例えば、スキージ移動装置30を駆動制御する。制御装置50は、上記の各種情報および検出結果などに基づいて、スキージ移動装置30に制御信号を送出する。これにより、スキージヘッド32に保持されている一対のスキージ34,34の印刷方向(Y方向)の位置および鉛直方向(Z方向)の位置(高さ)、並びに、移動速度および傾斜角度が制御される。そして、既述したように一対のスキージ34,34が駆動制御されて、マスク70の下面側に配置されている基板90に、はんだ80が印刷される。
【0030】
1-3.基板搬送装置10の構成例
図2に示すように、基板搬送装置10は、台座部11と、昇降部12と、クランプ装置13と、支持装置14とを備えている。台座部11は、基台BS0に設けられ、昇降機構11aを備えている。昇降機構11aは、基板90の搬送時に下降しており、基板90が所定位置に搬送されると、昇降部12、クランプ装置13および支持装置14と共に基板90を上昇させる。昇降機構11aは、送りねじ機構などの公知の直動機構を用いることができる。
【0031】
昇降部12には、クランプ装置13および支持装置14が設けられる。クランプ装置13は、一対のクランプ部材13e,13eを用いて、基板90の縁部をクランプする。クランプ装置13は、支持台13aと、固定ガイドレール13bと、可動ガイドレール13cと、一対のコンベアベルト13d,13dと、一対のクランプ部材13e,13eと、クランプ用モータ13fとを備えている。支持台13aは、基板90の搬送方向(X方向)に沿って延伸する矩形の板状部材であり、昇降部12に固定されている。
【0032】
固定ガイドレール13bは、支持台13aにおいて、印刷方向(Y方向)の一端側の端部に設けられている。固定ガイドレール13bは、基板90の搬送方向(X方向)に沿って延伸すると共に、当該端部から鉛直方向(Z方向)の上方に向かって延伸する矩形の板状部材である。可動ガイドレール13cは、支持台13aにおいて、印刷方向(Y方向)の他端側の端部に設けられている。可動ガイドレール13cは、基板90の搬送方向(X方向)に沿って延伸すると共に、当該端部から鉛直方向(Z方向)の上方に向かって延伸する矩形の板状部材である。固定ガイドレール13bおよび可動ガイドレール13cのサイズは、略同一に形成されている。
【0033】
一対のコンベアベルト13d,13dのうちの一方は、固定ガイドレール13bの内壁面の上端側に設けられている。一対のコンベアベルト13d,13dのうちの他方は、可動ガイドレール13cの内壁面の上端側に設けられている。よって、
図2に示すように、一対のコンベアベルト13d,13dは、対向している。一対のコンベアベルト13d,13dは、基板90を載置した状態で輪転して、基板90を搬送する。
【0034】
具体的には、クランプ装置13は、ベルト駆動部を備えている。ベルト駆動部は、一対のコンベアベルト13d,13dを駆動する。ベルト駆動部は、例えば、ステッピングモータ、サーボモータなどの公知の駆動装置を用いることができる。ベルト駆動部が制御装置50によって駆動制御されて、一対のコンベアベルト13d,13dは、基板90の搬送、基板90の停止位置の調整などを行うことができる。
【0035】
一対のクランプ部材13e,13eの各々は、基板90の搬送方向(X方向)に沿って延伸する矩形の板状部材である。一対のクランプ部材13e,13eのうちの一方は、固定ガイドレール13bの頂部から外方に突出するように設けられている。基板90の縁部(基板90の搬送方向(X方向)に沿って延びる基板90の側面)と当接する当該クランプ部材13eの当接面は、固定ガイドレール13bの内壁面に揃えられている。
【0036】
一対のクランプ部材13e,13eのうちの他方は、可動ガイドレール13cの頂部から外方に突出するように設けられている。基板90の縁部(基板90の搬送方向(X方向)に沿って延びる基板90の側面)と当接する当該クランプ部材13eの当接面は、可動ガイドレール13cの内壁面に揃えられている。これらにより、本実施形態の一対のクランプ部材13e,13eは、基板90の縁部(基板90の搬送方向(X方向)に沿って延びる基板90の側面)に当接して、基板90をクランプすることができる。また、一対のクランプ部材13e,13eは、マスク70の下面を支持することができる。
【0037】
クランプ用モータ13fは、支持台13aに設けられている。クランプ用モータ13fは、送り機構などの直動機構13f1を介して、可動ガイドレール13cを印刷方向(Y方向)に移動させることができる。これにより、可動ガイドレール13cは、固定ガイドレール13bと平行な状態を維持しつつ、支持台13aの上面を移動することができ、固定ガイドレール13bと可動ガイドレール13cとの間の離間距離が変更可能になっている。
【0038】
支持装置14は、一対のクランプ部材13e,13eの間に設けられ、基板90を下方から支持する。支持装置14は、バックアップテーブル14aと、複数のバックアップピン14bと、昇降用モータ14cとを備えている。バックアップテーブル14aは、基板90のサイズと略同一の矩形の板状部材である。バックアップテーブル14aは、固定ガイドレール13bと可動ガイドレール13cとの間において、昇降可能に設けられる。
【0039】
複数のバックアップピン14bは、基板90の下面側から基板90を押し上げる棒状部材である。複数のバックアップピン14bは、バックアップテーブル14aから鉛直方向(Z方向)の上方に突出するように設けられている。複数のバックアップピン14bは、基板90の裏面に形成されているランド(電極)、基板90の裏面に装着されている部品などを回避するために、バックアップテーブル14aにおける位置および個数が変更可能になっている。
【0040】
昇降用モータ14cは、支持台13aの下方の昇降部12に設けられている。昇降用モータ14cは、送り機構などの公知の直動機構14c1を介して、バックアップテーブル14aを鉛直方向(Z方向)に昇降させることができる。これにより、複数のバックアップピン14bは、基板90の下面側から基板90を押し上げることができる。なお、直動機構14c1は、支持台13aを鉛直方向(Z方向)に貫通している。
【0041】
制御装置50は、昇降機構11a、クランプ用モータ13fおよび昇降用モータ14cを駆動制御する。具体的には、制御装置50は、基板90が所定位置に搬送されると、昇降機構11aを駆動制御して、昇降部12、クランプ装置13および支持装置14を所定高さまで上昇させる。そして、制御装置50は、昇降用モータ14cを駆動制御して、複数のバックアップピン14bを基板90の下面に当接させて、複数のバックアップピン14bは、基板90の下面側から基板90を押し上げる。これにより、基板90は、バックアップテーブル14aおよび複数のバックアップピン14bと共に上昇する。
【0042】
基板90が所定高さに到達すると、制御装置50は、クランプ用モータ13fを駆動制御して、可動ガイドレール13cを固定ガイドレール13bに向かって移動させる。これにより、一対のクランプ部材13e,13eの間の離間距離は、移動前と比べて減少し、一対のクランプ部材13e,13eは、基板90の縁部(基板90の搬送方向(X方向)に沿って延びる基板90の側面)と当接して、基板90がクランプされる。
【0043】
1-4.取得装置SS0の構成例
本明細書では、クランプ装置13によって基板90がクランプされ、且つ、支持装置14によって基板90が支持されている状態を基板90の保持状態という。
図2に示すように、基板90の保持状態において、マスク70に当接可能なクランプ装置13(本実施形態では、一対のクランプ部材13e,13e)の当接面AS0の高さAH0と、マスク70に当接可能な基板90の印刷面PS0の高さPH0との差である段差DL0が生じる可能性がある。基板90の保持状態において段差DL0が生じると、
図2の破線で示す基板90のようにマスク70と基板90を密着させることが困難になる。その結果、マスク70と基板90の密着度が低下し、印刷品質が低下する可能性がある。
【0044】
そこで、本実施形態の印刷機WM1は、取得装置SS0を備えている。取得装置SS0は、基板90の保持状態において、段差DL0を測定して段差DL0の測定結果を含む基板保持情報を取得する。取得装置SS0は、少なくとも段差DL0を含む基板90の保持状態を測定することができれば良く、種々の形態をとり得る。取得装置SS0は、例えば、レーザーセンサなどの公知の変位センサを用いることができる。
【0045】
図2に示すように、本実施形態の取得装置SS0は、カメラユニットFC0を備える移動体に設けられている。印刷機WM1は、移動体駆動装置を備えている。移動体駆動装置は、例えば、二軸の直動機構によって、基板の搬送方向(X方向)および印刷方向(Y方向)によって形成される水平面において、移動体を移動させることができる。カメラユニットFC0は、基板90の上面を撮像して画像データを取得する。制御装置50は、カメラユニットFC0によって取得された画像データを画像処理して、
図3に示す基板90に設けられる位置マークFM1,FM2を認識する。これにより、制御装置50は、印刷機WM1における基板90の位置を知得することができる。
【0046】
また、カメラユニットFC0は、マスク70の下面を撮像して画像データを取得する。制御装置50は、カメラユニットFC0によって取得された画像データを画像処理して、
図3に示すマスク70に設けられる位置マークFM1,FM2を認識する。これにより、制御装置50は、印刷機WM1におけるマスク70の位置を知得することができる。制御装置50は、基板90に設けられる位置マークFM1とマスク70に設けられる位置マークFM1とが一致し、且つ、基板90に設けられる位置マークFM2とマスク70に設けられる位置マークFM2とが一致するように、基板90およびマスク70のうちの少なくとも一方を移動させる。これにより、印刷機WM1は、基板90とマスク70の位置合わせ(版合わせ)を行うことができる。
【0047】
図2に示す基板90の保持状態において、例えば、
図3の破線の矢印で示すように、取得装置SS0は、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0と、基板90の印刷面PS0を移動することができる。具体的には、取得装置SS0は、基板90の搬送方向(X方向)の一端側において、一対のクランプ部材13e,13eのうちの一方のクランプ部材13eの当接面AS0から、基板90の印刷面PS0を経由して、他方のクランプ部材13eの当接面AS0まで印刷方向(Y方向)に沿って移動する。
【0048】
このとき、
図4に示すように、取得装置SS0は、一方のクランプ部材13eの当接面AS0の位置P11において、当接面AS0の高さAH0を測定する。また、取得装置SS0は、基板90の印刷面PS0の複数の位置(例えば、位置P12,位置P13,位置P14)において、印刷面PS0の高さPH0を測定する。さらに、取得装置SS0は、他方のクランプ部材13eの当接面AS0の位置P15において、当接面AS0の高さAH0を測定する。
【0049】
次に、取得装置SS0は、基板90の搬送方向(X方向)に沿って所定距離、移動し、一対のクランプ部材13e,13eのうちの他方のクランプ部材13eの当接面AS0から、基板90の印刷面PS0を経由して、一方のクランプ部材13eの当接面AS0まで印刷方向(Y方向)に沿って移動する。このとき、取得装置SS0は、上記の場合と同様にして、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0と、基板90の印刷面PS0の高さPH0を測定する。
【0050】
次に、取得装置SS0は、基板90の搬送方向(X方向)に沿って所定距離、移動し、一対のクランプ部材13e,13eのうちの一方のクランプ部材13eの当接面AS0から、基板90の印刷面PS0を経由して、他方のクランプ部材13eの当接面AS0まで印刷方向(Y方向)に沿って移動する。このとき、取得装置SS0は、上記の場合と同様にして、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0と、基板90の印刷面PS0の高さPH0を測定する。取得装置SS0は、基板90の搬送方向(X方向)の他端側まで、上記の移動および測定を繰り返すことによって、基板90の全体について、段差DL0を測定することができる。
【0051】
印刷方向(Y方向)の複数の位置(
図4では、位置P12,位置P13,位置P14)において、基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果が均等であり、これらの測定結果が一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0の測定結果と異なるときに、段差DL0が生じている。逆に、印刷方向(Y方向)の複数の位置(位置P12,位置P13,位置P14)において、基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果が均等であり、これらの測定結果が一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0の測定結果と同じときに、段差DL0は生じていない。
【0052】
また、取得装置SS0は、基板90の保持状態において、基板90の印刷面PS0の高さPH0を測定して基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果を取得することもできる。基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果は、基板保持情報に含まれる。段差DL0の測定において既述されているように、取得装置SS0は、基板90の印刷面PS0の高さPH0を測定することができる。
図5では、
図4に示す位置P11~位置P15に相当する位置が、位置P21~位置P25で示されている。
【0053】
図5の場合、基板90の印刷方向(Y方向)の中央部の位置P23における基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果は、基板90の印刷方向(Y方向)の両端部近傍の位置P22および位置P24における測定結果と比べて、高くなる。この場合、基板90の印刷面PS0の高さPH0が印刷方向(Y方向)の一端側から中央部にかけて次第に増加し、中央部から他端側にかけて次第に減少する凸状態の基板90の反りが生じている。
【0054】
逆に、基板90の印刷方向(Y方向)の両端部近傍の位置P22および位置P24における基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果が、基板90の印刷方向(Y方向)の中央部の位置P23における測定結果と比べて、高い場合を想定する。この場合、基板90の印刷面PS0の高さPH0が印刷方向(Y方向)の一端側から中央部にかけて次第に減少し、中央部から他端側にかけて次第に増加する凹状態の基板90の反りが生じる可能性がある。しかしながら、本実施形態では、基板90は、支持装置14によって下方から支持されている。そのため、凹状態の基板90の反りが生じる可能性は少ない。
【0055】
このように、段差DL0には、印刷方向(Y方向)における基板90の印刷面PS0の高さPH0の複数の測定結果が均等であり、且つ、これらの測定結果が一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0の測定結果と異なる状態が含まれる。また、基板90の反りには、印刷方向(Y方向)における基板90の印刷面PS0の高さPH0の複数の測定結果が不均等であり、且つ、これらの測定結果の少なくとも一つが一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0の測定結果と異なる状態が含まれる。
【0056】
なお、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0は、基板搬送装置10によって概ね目標の高さに位置決めすることができる。そのため、取得装置SS0は、一対のクランプ部材13e,13eのうちの少なくとも一方の当接面AS0の高さAH0の測定を省略することもできる。これに対して、基板90の印刷面PS0の高さPH0は、基板90の保持状態の影響を受け易い。
【0057】
例えば、基板90のサイズが大きくなるほど、基板90の印刷面PS0の高さPH0は、基板90の保持状態の影響を受け易い。また、基板90の剛性が低くなるほど、基板90の印刷面PS0の高さPH0は、基板90の保持状態の影響を受け易い。そのため、基板90のサイズが大きくなるほど、印刷方向(Y方向)の測定数を増加させることができる。また、基板90の剛性が低くなるほど、印刷方向(Y方向)の測定数を増加させることができる。
【0058】
本実施形態では、印刷方向(Y方向)において対向する一対のクランプ部材13e,13eが、基板90の縁部(基板90の搬送方向(X方向)に沿って延びる基板90の側面)と当接して、基板90がクランプされる。そのため、基板90は、搬送方向(X方向)と比べて、印刷方向(Y方向)において変形し易い。よって、基板90の搬送方向(X方向)の測定数は、印刷方向(Y方向)と比べて、少なくすることができる。
【0059】
また、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0の高さ基準と、基板90の印刷面PS0の高さPH0の高さ基準は、任意に設定することができる。
図4および
図5に示すように、例えば、これらの高さ基準は、台座部11の設置面(基台BS0の上面)に設定することができる。
【0060】
1-5.対象装置制御部51による制御例
対象装置制御部51は、取得装置SS0によって取得された基板保持情報に基づいて基板90の保持状態の良否を判断し、基板90の保持状態を不良と判断したときに、クランプ装置13および支持装置14のうちの少なくとも一つである対象装置TG0を駆動制御して基板90の保持状態を変更する。
【0061】
対象装置制御部51は、種々の制御装置、管理装置などに設けることができる。
図6に示すように、対象装置制御部51は、例えば、印刷機WM1の制御装置50に設けることができる。また、対象装置制御部51は、支持装置制御部52、クランプ装置制御部53および補助部材制御部54のうちの少なくとも一つを備えることができる。本実施形態の対象装置制御部51は、支持装置制御部52と、クランプ装置制御部53と、補助部材制御部54とを備えている。
【0062】
支持装置制御部52は、取得装置SS0によって取得された段差DL0の測定結果に基づいて段差DL0が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断する。そして、支持装置制御部52は、段差DL0が所定の許容範囲に含まれないと判断したときに、段差DL0を減少させる方向に支持装置14を移動させる。この場合、基板保持情報には、段差DL0の測定結果が含まれる。また、基板90の保持状態の良否は、段差DL0が所定の許容範囲に含まれるか否かによって判断される。さらに、対象装置TG0は、支持装置14である。
【0063】
例えば、支持装置制御部52は、
図7に示すフローチャートに従って、制御を実行する。具体的には、取得装置SS0は、段差DL0を測定する(ステップS11)。そして、支持装置制御部52は、取得装置SS0によって取得された段差DL0の測定結果に基づいて、段差DL0が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断する(ステップS12)。許容範囲は、マスク70と基板90の許容される密着度を考慮して、予め設定しておくことができる。許容範囲を狭くするほど支持装置制御部52による制御が実行され易くなり、マスク70と基板90の密着度が高まる。しかしながら、許容範囲を狭くするほど支持装置制御部52は、高度な制御が必要になり、制御が複雑化する可能性がある。
【0064】
段差DL0が所定の許容範囲に含まれない場合(ステップS12でNoの場合)、支持装置制御部52は、段差DL0を減少させる方向に支持装置14を移動させる(ステップS13)。
図4に示す例では、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0に対して、基板90の印刷面PS0の高さPH0が低くなっている。この場合、支持装置制御部52は、支持装置14を鉛直方向(Z方向)の上方に移動させる。
【0065】
具体的には、支持装置制御部52は、
図2に示す昇降用モータ14cを駆動制御して、バックアップテーブル14aおよび複数のバックアップピン14bを段差DL0に応じて上昇させる。これにより、基板90は、バックアップテーブル14aおよび複数のバックアップピン14bと共に上昇して、
図8に示すように、段差DL0が解消される。
【0066】
逆に、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0に対して、基板90の印刷面PS0の高さPH0が高い場合を想定する。この場合、支持装置制御部52は、支持装置14を鉛直方向(Z方向)の下方に移動させる。具体的には、支持装置制御部52は、
図2に示す昇降用モータ14cを駆動制御して、バックアップテーブル14aおよび複数のバックアップピン14bを段差DL0に応じて下降させる。これにより、基板90は、バックアップテーブル14aおよび複数のバックアップピン14bと共に下降して、段差DL0が解消される。
【0067】
なお、いずれの場合も、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0に対して、基板90の印刷面PS0の高さPH0が若干、高くなるように、支持装置14を鉛直方向(Z方向)に移動させることもできる。この場合、一対のクランプ部材13e,13eの当接面AS0の高さAH0と、基板90の印刷面PS0の高さPH0を一致させる場合と比べて、マスク70と基板90の密着度がさらに高まり、マスク70および基板90のうちの少なくとも一方の撓みを吸収し易くなる。
【0068】
ステップS13に示す処理が終了すると、支持装置制御部52による制御は、一旦、終了する。また、段差DL0が所定の許容範囲に含まれる場合(ステップS12でYesの場合)、支持装置制御部52による制御は、不要であるので、支持装置制御部52は、ステップS13に示す処理を実行しないで、制御を一旦、終了する。
【0069】
クランプ装置制御部53は、取得装置SS0によって取得された基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果に基づいて基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断する。そして、クランプ装置制御部53は、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれないと判断したときに、基板90の反り量WA0を減少させる方向に一対のクランプ部材13e,13eのうちの少なくとも一方を移動させる。この場合、基板保持情報には、基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果が含まれる。また、基板90の保持状態の良否は、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれるか否かによって判断される。さらに、対象装置TG0は、クランプ装置13(一対のクランプ部材13e,13eのうちの少なくとも一方)である。
【0070】
例えば、クランプ装置制御部53は、
図9に示すフローチャートに従って、制御を実行する。具体的には、取得装置SS0は、基板90の保持状態において、基板90の印刷面PS0の高さPH0を測定する(ステップS21)。また、クランプ装置制御部53は、取得装置SS0によって取得された基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果に基づいて基板90の反り量WA0を取得する。例えば、基板90の反り量WA0は、基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果の最大値から当該測定結果の最小値を減じて取得することができる。
【0071】
そして、クランプ装置制御部53は、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断する(ステップS22)。許容範囲は、段差DL0の場合と同様に、予め設定しておくことができる。基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれない場合(ステップS22でNoの場合)、クランプ装置制御部53は、基板90の反り量WA0を減少させる方向に一対のクランプ部材13e,13eのうちの少なくとも一方を移動させる(ステップS23)。
図5に示す例では、基板90の印刷面PS0の高さPH0が印刷方向(Y方向)の一端側から中央部にかけて次第に増加し、中央部から他端側にかけて次第に減少する凸状態の基板90の反りが生じている。
【0072】
この場合、クランプ装置制御部53は、一対のクランプ部材13e,13eの間の離間距離を増大させる。具体的には、クランプ装置制御部53は、
図2に示すクランプ用モータ13fを駆動制御して、可動ガイドレール13cを固定ガイドレール13bから離間する方向に移動させる。これにより、一対のクランプ部材13e,13eの間の離間距離は、移動前と比べて増大し、凸状態の基板90の反りが軽減される。
【0073】
なお、仮に、固定ガイドレール13bが移動可能な場合、クランプ装置制御部53は、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれないと判断したときに、基板90の反り量WA0を減少させる方向に一対のクランプ部材13e,13eを移動させることもできる。また、既述したように、基板90の印刷面PS0の高さPH0が印刷方向(Y方向)の一端側から中央部にかけて次第に減少し、中央部から他端側にかけて次第に増加する凹状態の基板90の反りは、生じ難い。仮に、凹状態の基板90の反りが生じる場合、支持装置制御部52は、基板90の反り量WA0を減少させる方向に支持装置14を移動させることができる。具体的には、支持装置制御部52は、
図2に示す昇降用モータ14cを駆動制御して、バックアップテーブル14aおよび複数のバックアップピン14bを基板90の反り量WA0に応じて上昇させる。
【0074】
ステップS23に示す処理が終了すると、クランプ装置制御部53による制御は、一旦、終了する。また、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれる場合(ステップS22でYesの場合)、クランプ装置制御部53による制御は、不要であるので、クランプ装置制御部53は、ステップS23に示す処理を実行しないで、制御を一旦、終了する。
【0075】
図10に示すように、支持装置14は、基板90を吸引する吸引部材VC0、および、基板90の印刷面PS0の側から基板90を押圧する押圧部材PU0のうちの少なくとも一つである補助部材AM0を備えることができる。例えば、吸引部材VC0は、複数のバックアップピン14bのうちの少なくとも一つに設けることができる。押圧部材PU0は、基板90の印刷面PS0に形成されているランド(電極)、基板90の印刷面PS0に装着されている部品などを回避するために、基板90における位置および個数が変更可能になっている。
【0076】
補助部材制御部54は、取得装置SS0によって取得された基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果に基づいて基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれるか否かを判断し、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれないと判断したときに、補助部材AM0を用いて基板90の反り量WA0を減少させる。この場合、基板保持情報には、基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果が含まれる。また、基板90の保持状態の良否は、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれるか否かによって判断される。さらに、対象装置TG0は、支持装置14(補助部材AM0)である。
【0077】
例えば、補助部材制御部54は、
図9に示すフローチャートに従って、制御を実行する。ステップS21に示す処理およびステップS22に示す判断は、クランプ装置制御部53による制御の場合と同様である。基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれない場合(ステップS22でNoの場合)、補助部材制御部54は、補助部材AM0を用いて基板90の反り量WA0を減少させる(ステップS23)。
図10に示す例では、基板90の印刷面PS0の高さPH0が印刷方向(Y方向)の一端側から中央部にかけて次第に増加し、中央部から他端側にかけて次第に減少する凸状態の基板90の反りが生じている。
【0078】
この場合、例えば、補助部材制御部54は、基板90の印刷方向(Y方向)の中央部において、押圧部材PU0を用いて、基板90の印刷面PS0の側から基板90を押圧する。また、補助部材制御部54は、吸引部材VC0を用いて、基板90の印刷方向(Y方向)の中央部を吸引することもできる。これにより、凸状態の基板90の反りが軽減される。なお、補助部材制御部54は、基板90のうちの少なくとも一部の領域において、補助部材AM0を用いて、基板90の反り量WA0を減少させることができる。
【0079】
ステップS23に示す処理が終了すると、補助部材制御部54による制御は、一旦、終了する。また、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれる場合(ステップS22でYesの場合)、補助部材制御部54による制御は、不要であるので、補助部材制御部54は、ステップS23に示す処理を実行しないで、制御を一旦、終了する。さらに、基板90の反り量WA0が所定の許容範囲に含まれないときに、クランプ装置制御部53が基板90の反り量WA0を減少させる方向に一対のクランプ部材13e,13eのうちの少なくとも一方を移動させ、且つ、補助部材制御部54が補助部材AM0を用いて基板90の反り量WA0を減少させても良い。
【0080】
取得装置SS0による測定および対象装置制御部51による必要に応じた制御が終了すると、カメラユニットFC0および取得装置SS0を備える移動体は、
図2に示す所定位置に退避する。その後、基板搬送装置10の昇降機構11aは、昇降部12、クランプ装置13および支持装置14と共に基板90をさらに上昇させる。これにより、破線の基板90に示すように、マスク70の下面に基板90の印刷面PS0が密着した状態で、基板90が保持される。そして、印刷機WM1による印刷処理が実行される。
【0081】
1-6.印刷システムWS0の構成例
図1および
図2に示すように、印刷システムWS0は、印刷機WM1を備える。印刷機WM1は、クランプ装置13と、支持装置14と、取得装置SS0とを具備する。既述したように、クランプ装置13は、一対のクランプ部材13e,13eを用いて基板90の縁部をクランプする。支持装置14は、一対のクランプ部材13e,13eの間に設けられ基板90を下方から支持する。
【0082】
取得装置SS0は、クランプ装置13によって基板90がクランプされ且つ支持装置14によって基板90が支持されている基板90の保持状態において、マスク70に当接可能な基板90の印刷面PS0の高さPH0を測定して基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果を含む基板保持情報を取得する。取得装置SS0は、基板90の保持状態において、マスク70に当接可能なクランプ装置13の当接面AS0の高さAH0と基板90の印刷面PS0の高さPH0との差である段差DL0を測定して段差DL0の測定結果を取得することもできる。段差DL0の測定結果は、基板保持情報に含まれる。
【0083】
また、印刷システムWS0は、取得装置SS0によって取得された基板保持情報、および、基板90の保持状態においてはんだ80が印刷された基板90の印刷結果を含む印刷結果情報を関連付けて記憶する記憶装置DS0を備える。記憶装置DS0は、基板保持情報および印刷結果情報を関連付けて記憶することができれば良く、限定されない。また、記憶装置DS0は、印刷機WM1、管理装置HC0、複数の対基板作業ラインWL0を管理する管理装置などに設けることができる。記憶装置DS0は、クラウド上に形成することもできる。
図1に示すように、本実施形態の記憶装置DS0は、管理装置HC0に設けられている。
【0084】
基板90の印刷結果は、印刷機WM1によって印刷されたはんだ80の印刷状態を検査する印刷検査機WM2による検査結果を含むことができる。例えば、印刷検査機WM2は、基板90に印刷されたはんだ80の体積、面積および高さの各々について、良品と判定する基準範囲を設定する。そして、印刷検査機WM2は、基板90の複数の印刷領域のすべてにおいて、はんだ80の体積、面積および高さのすべてが基準範囲に収まるときに、当該基板90を良品と判定する。逆に、印刷検査機WM2は、基板90の少なくとも一つの印刷領域において、はんだ80の体積、面積および高さの少なくとも一つが基準範囲から外れているときに、当該基板90を不良品と判定する。なお、基板90の印刷結果は、作業者の目視、計測などによって取得することもできる。
【0085】
印刷システムWS0の利用者は、記憶装置DS0から基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果と、基板90の印刷結果の関係を少なくとも知得することができる。そのため、印刷システムWS0の利用者は、基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果と、基板90の印刷結果の因果関係を分析することもできる。
【0086】
具体的には、はんだ80の体積、面積および高さのすべてが基準範囲に収まっていても、基板90の複数の印刷領域におけるばらつきが大きくなるほど、印刷品質は、劣化し易い。例えば、印刷されたはんだ80の面積が目標値に対して小さくなるほど、はんだ80の欠けが生じ易い。逆に、印刷されたはんだ80の面積が目標値に対して大きくなるほど、はんだ80の滲みが生じ易い。また、印刷されたはんだ80の高さが目標値に対して低くなるほど、はんだ80のかすれが生じ易い。逆に、印刷されたはんだ80の高さが目標値に対して高くなるほど、はんだ80の角立ちが生じ易い。上述したことは、複数枚の基板90の印刷処理において、ばらつきが大きくなる場合についても、同様に言える。
【0087】
また、基板90の印刷面PS0の高さPH0は、マスク70と基板90の密着度に関連し、印刷品質に影響を与え易い。そこで、例えば、印刷システムWS0の利用者は、記憶装置DS0から取得した上記関係に基づいて、はんだ80の体積、面積および高さのばらつきと、基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果との関係を分析することができる。例えば、印刷システムWS0の利用者は、はんだ80の体積、面積および高さのばらつきが最小になる基板90の印刷結果と関連付けて記憶されている基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果を知得することができる。この場合、基板90の印刷面PS0の高さPH0を当該測定結果と同じ設定にすることにより、はんだ80の体積、面積および高さのばらつきを抑制することができ、印刷品質を向上させることができる。
【0088】
印刷システムWS0は、対象装置制御部51を備えることもできる。対象装置制御部51は、取得装置SS0によって取得された基板保持情報に基づいて基板90の保持状態の良否を判断し、基板90の保持状態を不良と判断したときに、クランプ装置13および支持装置14のうちの少なくとも一つである対象装置TG0を駆動制御して基板90の保持状態を変更する。既述したように、対象装置制御部51は、支持装置制御部52、クランプ装置制御部53および補助部材制御部54のうちの少なくとも一つを備えることができる。
【0089】
この形態では、取得装置SS0は、対象装置制御部51によって保持状態が変更された基板90について、基板保持情報を取得することもできる。また、記憶装置DS0は、対象装置制御部51によって保持状態が変更された基板90について、基板保持情報および印刷結果情報を関連付けて記憶することもできる。これにより、例えば、印刷システムWS0の利用者は、基板90の保持状態の変更による効果を確認し易くなる。
【0090】
図11に示すように、印刷システムWS0は、印刷機WM1に着脱可能に設けられる交換部材CE0を印刷機WM1との間で交換する交換装置60を備えることができる。交換部材CE0は、印刷機WM1に着脱可能に設けられるものであれば良く、限定されない。例えば、マスク70、支持装置14のバックアップテーブル14aおよび複数のバックアップピン14bは、交換部材CE0に含まれる。
【0091】
交換装置60は、収容部61と、可動装置62とを備えており、対基板作業ラインWL0を含む生産設備内を移動することができる。収容部61は、印刷機WM1に供給する交換部材CE0を収容することができる。収容部61は、印刷機WM1から回収した交換部材CE0を収容することもできる。可動装置62は、交換装置60から印刷機WM1の機内に進退可能に設けられる。可動装置62は、交換部材CE0を保持する保持部材を備えており、交換部材CE0は、可動装置62の保持部材によって保持されて、収容部61から印刷機WM1の機内に搬入される。交換部材CE0は、可動装置62の保持部材によって保持されて、印刷機WM1の機内から収容部61に搬出される。
【0092】
本実施形態では、取得装置SS0は、基板保持情報を取得することができる。また、対象装置制御部51は、基板90の保持状態を不良と判断したときに、対象装置TG0を駆動制御して基板90の保持状態を変更することができる。さらに、印刷結果には、印刷機WM1によって印刷されたはんだ80の印刷状態を検査する印刷検査機WM2による検査結果が含まれる。また、交換装置60は、交換部材CE0を印刷機WM1との間で交換することができる。このように、本実施形態の印刷システムWS0は、印刷機WM1に関係する作業の自動化および省人化を図ることができる。
【0093】
2.実施形態の効果の一例
印刷機WM1によれば、取得装置SS0を具備する。よって、印刷機WM1は、マスク70に当接可能なクランプ装置13の当接面AS0の高さAH0と、マスク70に当接可能な基板90の印刷面PS0の高さPH0との差である段差DL0の測定結果を少なくとも取得することができる。また、印刷システムWS0は、取得装置SS0によって取得された基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果を含む基板保持情報、および、基板90の印刷結果を含む印刷結果情報を関連付けて記憶する記憶装置DS0を備えている。よって、印刷システムWS0の利用者は、記憶装置DS0から基板90の印刷面PS0の高さPH0の測定結果と、基板90の印刷結果の関係を少なくとも知得することができる。
【符号の説明】
【0094】
13:クランプ装置、13e,13e:一対のクランプ部材、
14:支持装置、34:スキージ、51:対象装置制御部、
52:支持装置制御部、53:クランプ装置制御部、
54:補助部材制御部、60:交換装置、70:マスク、71:開口部、
90:基板、AS0:当接面、AH0:高さ、PS0:印刷面、
PH0:高さ、DL0:段差、WA0:反り量、AM0:補助部材、
VC0:吸引部材、PU0:押圧部材、CE0:交換部材、
SS0:取得装置、DS0:記憶装置、TG0:対象装置、
WM1:印刷機、WM2:印刷検査機、WS0:印刷システム。