(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】差動対モジュール、コネクタ、通信装置、および遮蔽組立体
(51)【国際特許分類】
G06F 1/18 20060101AFI20231122BHJP
H01R 13/6471 20110101ALI20231122BHJP
【FI】
G06F1/18 E
H01R13/6471
(21)【出願番号】P 2022528013
(86)(22)【出願日】2020-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2020093573
(87)【国際公開番号】W WO2021093311
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】201921986199.4
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ゾーァウエン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジュイン
(72)【発明者】
【氏名】シオーン,ワーン
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第203645075(CN,U)
【文献】特表2013-524479(JP,A)
【文献】特開2012-204083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16 - 1/18
H01R 13/56 - 13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1信号端子および第2信号端子を含む差動対モジュールであって、
前記第1信号端子は、第1の信号尾部と、第1の信号伝導性接続部と、前記第1の信号尾部と前記第1の信号伝導性接続部との間に接続される第1の信号本体部とを有し、前記第1の信号伝導性接続部は、前記第1の信号本体部に曲がった仕方で接続され、前記第1の信号伝導性接続部の延在面および前記第1の信号本体部の延在面は、はさまれる角度を形成し、前記第1の信号伝導性接続部の延長方向および前記第1の信号尾部の延長方向は、はさまれる角度を形成し;
前記第2信号端子は、第2の信号尾部と、第2の信号伝導性接続部と、前記第2の信号尾部と前記第2の信号伝導性接続部との間に接続された第2の信号本体部とを有し、前記第2の信号伝導性接続部は、前記第2の信号本体部に曲がった仕方で接続され、前記第2の信号伝導性接続部の延在面および前記第2の信号本体部の延在面は、はさまれる角度を形成し、前記第2の信号伝導性接続部の延長方向および前記第2の信号尾部の延長方向は、はさまれる角度を形成し;
前記第2の信号本体部および前記第1の信号本体部は、特定の間隔で積層されて、ブロードサイド結合を形成し、前記第2の信号伝導性接続部および前記第1の信号伝導性接続部は、特定の間隔で積層されて、エッジ結合を形成
し、
前記第1の信号本体部は前記第1の信号尾部に接続された第1の領域を有し、前記第2の信号本体部は前記第2の信号尾部に接続された第2の領域を有し、前記第1の領域は前記第1の信号尾部および前記第2の信号尾部のエッジ方向に見て前記第2の領域と交差し、前記第1の領域は前記第2の信号本体部に向かって曲げられ、前記第2の領域は前記第1の信号本体部に向かって曲げられ、それにより、前記第1の信号尾部と前記第2の信号尾部はエッジ結合を形成する、
差動対モジュール。
【請求項2】
前記第1の信号伝導性接続部の延長方向は、前記第1の信号本体部の延在面に対して平行である、
請求項1に記載の差動対モジュール。
【請求項3】
前記第1の信号伝導性接続部の延在面と第1の信号本体部の延在面とによって形成されるはさまれる角度の角度値は、第2の信号伝導性接続部の延在面と第2の信号本体部の延在面とによって形成されるはさまれる角度の角度値と等しい、請求項1に記載の差動対モジュール。
【請求項4】
当該差動対モジュールは、第1接地端子と第2接地端子とを含み;
前記第1接地端子は、前記第1信号端子から離間され、前記第1接地端子は、互いに接続される第1の接地本体部および第1の接地部を含み、前記第1の接地本体部は、前記第1の信号本体部と同一平面上にあり、前記第1の接地部と前記第1の信号尾部は、前記第1の信号本体部の同じ側に位置し;
前記第2接地端子は、前記第2信号端子から離間され、前記第2接地端子は、互いに接続される第2の接地本体部および第2の接地部を含み、前記第2の接地本体部は、前記第2の信号本体部と同一平面上にあり、前記第2の接地部と前記第2の信号尾部は、前記第2の信号本体部の同じ側に位置する、
請求項1ないし
3のうちいずれか一項に記載の差動対モジュール。
【請求項5】
前記第1の接地部は前記第1の接地本体部と同一平面上にあり、前記第2の接地部は前記第2の接地本体部と同一平面上にある、請求項
4に記載の差動対モジュール。
【請求項6】
1つの第1信号端子が2つの第1接地端子の間に配置され、該2つの第1接地端子のうちの一方の第1の接地部が前記第2の接地本体部に向かって曲げられて、前記第2の信号尾部と同一平面上であってエッジ結合を形成し;1つの第2信号端子が2つの第2接地端子の間に配置され、該2つの第2接地端子のうちの一方の第2の接地部が前記第1の接地本体部に向かって曲げられて、前記第1の信号尾部と同一平面上であってエッジ結合を形成し;それらのエッジ結合を形成する前記第1の接地部および前記第2の接地部が対角方向に配置される、
請求項
4に記載の差動対モジュール。
【請求項7】
前記エッジ結合を形成する前記第1の接地部および前記第2の接地部の両方が、魚眼構造を形成する、請求項
6に記載の差動対モジュール。
【請求項8】
当該差動対モジュールは、積層方式で配置された第1の端子担持部材および第2の端子担持部材を含み;
前記第1の信号本体部および前記第1の接地本体部の両方が前記第1の端子担持部材上に配置され、前記第1の信号伝導性接続部、前記第1の信号尾部、および前記第1の接地部がすべて前記第1の端子担持部材の外部に延在し;
前記第2の信号本体部および前記第2の接地本体部の両方が前記第2の端子担持部材上に配置され、前記第2の信号伝導性接続部、前記第2の信号尾部、および前記第2の接地部がすべて前記第2の端子担持部材の外部に延在する、
請求項
4ないし
7のうちいずれか一項に記載の差動対モジュール。
【請求項9】
当該差動対モジュールは、第1の遮蔽ブラケットと、第1の遮蔽部材と、第2の遮蔽ブラケットと、第2の遮蔽部材とを含み;前記第1の遮蔽ブラケットは、前記第1の端子担持部材を覆い、前記第1の遮蔽部材は、前記第1の遮蔽ブラケットの、前記第1の端子担持部材に面する側に配置され;前記第2の遮蔽ブラケットは、前記第2の端子担持部材を覆い、前記第2の端子担持部材の、前記第1の端子担持部材とは反対方向を向く側に位置し、前記第2の遮蔽部材は、前記第2の遮蔽ブラケットの、前記第2の端子担持部材に面する側に配置される、
請求項
8に記載の差動対モジュール。
【請求項10】
前記第1の遮蔽ブラケットの表面、前記第1の遮蔽部材の表面、前記第2の遮蔽ブラケットの表面、および前記第2の遮蔽部材の表面はすべて、伝導層を備える、請求項
9に記載の差動対モジュール。
【請求項11】
前記第1の端子担持部材の、前記第1の遮蔽部材に面し、前記第1の信号本体部に対応する表面は、開口を設けられ、前記第1の信号本体部は該開口から露出させられ、前記第1の遮蔽部材に対向して離間される、請求項
9または
10に記載の差動対モジュール。
【請求項12】
第1の制限突起が、前記第1の遮蔽ブラケットの、前記第1の端子担持部材に面する表面に配置され、前記第1の遮蔽部材は、第1の中空領域を有し、第1の制限貫通孔が前記第1の端子担持部材に配置され、前記第1の制限突起は、前記第1の中空領域を通過し、前記第1の制限貫通孔に挿入される、請求項
9ないし
11のうちいずれか一項に記載の差動対モジュール。
【請求項13】
嵌合貫通孔が前記第1の接地本体部に配置され、前記嵌合貫通孔は前記第1の制限貫通孔に対応し、前記第1の制限突起は前記第1の制限貫通孔および前記嵌合貫通孔に挿入される、
請求項
12に記載の差動対モジュール。
【請求項14】
複数の第1の制限突起があり、前記複数の第1の制限突起は互いから離間され、複数の第1の制限貫通孔と複数の嵌合貫通孔があり、1つの制限突起が1つの制限貫通孔および1つの嵌合貫通孔に、対応して挿入される、請求項
13に記載の差動対モジュール。
【請求項15】
第2の制限突起が、前記第2の遮蔽ブラケットの、前記第2の端子担持部材に面する表面に配置され、前記第2の遮蔽部材は、第2の中空領域を有し、第2の制限貫通孔が前記第2の端子担持部材に配置され、前記第2の制限突起は、前記第2の中空領域を通って前記第2の制限貫通孔に挿入され、前記第2の制限突起は、前記第1の制限突起に接続される、請求項
12ないし
14のうちいずれか一項に記載の差動対モジュール。
【請求項16】
請求項1ないし
15のうちいずれか一項に記載の差動対モジュールをいくつか有するコネクタ。
【請求項17】
請求項
16に記載のコネクタであって、
当該コネクタは、組み立てブラケットを有しており、前記組み立てブラケットは、すべての差動対モジュールの同じ側に配置され、間隔を開けて配置されたいくつかの第1貫通孔が、前記組み立てブラケット上に配置され、1つの第1の信号尾部および1つの第2の信号尾部は、対応して、1つの第1貫通孔を貫通し、そのどちらも前記第1貫通孔の孔壁とは接触しない、
コネクタ。
【請求項18】
請求項
17に記載のコネクタであって、
間隔をあけて配置されたいくつかの第2貫通孔が前記組み立てブラケット上に配置され;
各差動対モジュールは、第1接地端子と第2接地端子とを含み、前記第1接地端子は、第1信号端子から離間され、前記第1接地端子は、互いに接続された第1の接地本体部および第1の接地部を含み、前記第1の接地本体部は、第1の信号本体部と同一平面上であり、前記第1の接地部と第1の信号尾部とは、前記第1の信号本体部の同じ側に位置し;
前記第2接地端子は、第2信号端子から離間され、前記第2接地端子は、互いに接続された第2の接地本体部および第2の接地部を含み、前記第2の接地本体部は第2の信号本体部と同一平面上であり、前記第2の接地部および第2の信号尾部は、前記第2の信号本体部の同じ側に位置し;
前記第1の接地部と前記第2の接地部とは、別個に、1つの第2貫通孔の孔壁と接触する、
コネクタ。
【請求項19】
第1 PCB基板と、第2 PCB基板と、第2 PCB基板コネクタと、請求項
16ないし
18のうちいずれか一項に記載のコネクタとを有する通信装置であって、前記第1 PCB基板は、前記第2 PCB基板に対して垂直であり、前記第1 PCB基板の側面は、前記第2 PCB基板の側面と対向しており、前記第2 PCB基板コネクタは、前記第2 PCB基板上に配置され、前記コネクタの第1の信号尾部は、前記第1 PCB基板に挿入され、第1の信号伝導性接続部は、前記第2 PCB基板コネクタに挿入される、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年11月14日に中国国家知識産権局に出願され、「差動対モジュール、コネクタ、通信装置、および遮蔽組立体」と題された中国特許出願第201921861999.4号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本願は、通信装置の分野に関し、特に、差動対モジュール〔ディファレンシャル・ペア・モジュール〕、コネクタ、通信装置、および遮蔽組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
スイッチ内のPCB基板は、サービス・ライン・カードおよびネットワーク・スイッチ・カードを含む。
図1に示されるように、従来のスイッチにおけるサービス・ライン・カード11およびネットワーク・スイッチ・カード13は、コネクタを通じてバックプレーン12の2つの反対側に挿入される。サービス・ライン・カード11が位置する平面は、ネットワーク・スイッチ・カード13が位置する平面に対して垂直である。バックプレーン12を使用することによって、サービス・ライン・カード11とネットワーク・スイッチ・カード13との間で信号相互接続が実現される。そのようなアーキテクチャーでは、バックプレーン12は、スイッチのシャーシの内部空間を分割し、その結果、シャーシの換気および放熱性能が比較的貧弱になる。さらに、サービス・ライン・カード11とネットワーク・スイッチ・カード13との間の信号は、バックプレーン12のPCBトレースを使用して伝送される必要がある。よって、信号リンクは比較的長く、高速データ伝送を実現することは困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願は、バックプレーンを使用せずにサービス・ライン・カードとネットワーク・スイッチ・カードとを直接接続するための、差動対モジュールと、該差動対モジュールを含むコネクタと、該コネクタを含む通信装置とを提供し、それにより、通信装置の換気および放熱性能が改善でき、信号リンクが短縮でき、通信装置は高速データ伝送を実現することができる。
【0005】
第1の側面によれば、本願は、第1信号端子および第2信号端子を含む差動対モジュールを提供する。第1信号端子は、第1の信号尾部と、第1の信号伝導性接続部と、第1の信号尾部と第1の信号伝導性接続部との間に接続される第1の信号本体部とを有し、第1の信号伝導性接続部は、第1の信号本体部に曲がった仕方で接続され、第1の信号伝導性接続部の延在面および第1の信号本体部の延在面は、はさまれる角度を形成し、第1の信号伝導性接続部の延長方向および第1の信号尾部の延長方向は、はさまれる角度を形成する。第2信号端子は、第2の信号尾部と、第2の信号伝導性接続部と、第2の信号尾部と第2の信号伝導性接続部との間に接続された第2の信号本体部とを有し、第2の信号伝導性接続部は、第2の信号本体部に曲がった仕方で接続され、第2の信号伝導性接続部の延在面および第2の信号本体部の延在面は、はさまれる角度を形成し、第2の信号伝導性接続部の延長方向および第2の信号尾部の延長方向は、はさまれる角度を形成する。第2の信号本体部および第1の信号本体部は、特定の間隔で積層されて、ブロードサイド結合を形成し、第2の信号伝導性接続部および第1の信号伝導性接続部は、特定の間隔で積層されて、エッジ結合を形成する。
【0006】
本願において、差動対モジュールは、第1 PCB基板上に配置され、一緒に組み立てられた2つのサブモジュールを含み、各サブモジュールは、信号端子(第1信号端子および第2信号端子の総称;この規則は、以下の説明にも適用される)を含む。信号端子は、第2 PCB基板上のコネクタ(これは、第2 PCB基板コネクタと呼ぶことができる)に挿入されるように構成される。信号本体部の延在面の法線と信号伝導性接続部の延在面の法線は、それぞれの厚さ方向に沿っている。信号本体部の延在面および信号伝導性接続部の延在面がはさまれる角度を形成することは、信号伝導性接続部が信号本体部に対して曲がっていることを意味する。はさまれる角度は、鋭角、直角、または鈍角でありうる。信号伝導性接続部の延長方向は、信号伝導性接続部が第2 PCB基板コネクタに挿入される方向である。信号尾部の延長方向は、信号尾部を第1 PCB基板に挿入される方向である。信号伝導性接続部の延長方向および信号尾部の延長方向がはさまれる角度を形成することは、信号伝導性接続部が信号尾部に対して曲がっていることを意味する。はさまれる角度は、直角でも非直角でもよい。
【0007】
本願では、ブロードサイド結合は、信号本体部どうしの間のより広い延在面どうしが互いに比較的近接して離間され、互いに反対方向を向いており、信号本体部どうしの間に信号結合が存在することを意味する。エッジ結合は、信号伝導性接続部どうしの間の、より狭い側面(側面は、信号伝導性接続部の延在面に垂直に接続されている)どうしが互いに比較的近接して、逆向きに離間され、信号伝導性接続部どうしの間に信号結合が存在することを意味する。
【0008】
本願では、信号伝導性接続部は、信号尾部に対して曲がっており、差動対モジュールが第1 PCB基板のエッジに取り付けられると、信号尾部はすべて第1 PCB基板に挿入され、信号伝導性接続部はすべて第1 PCB基板の側面エッジから突出してもよい。これにより、差動対モジュールは、第1 PCB基板および第2 PCB基板の直交配置態様に適合することができる。信号伝導性接続部は信号本体部に対して曲がっているため、バックプレーン・コネクタの中継を使用することなく、信号伝導性接続部と第2 PCB基板コネクタが互いに平行に直接接続できる。このように、差動対モジュールは、通信装置がバックプレーンを必要としないように、第1 PCB基板と第2 PCB基板との間の直接的な直交相互接続を実現するために使用できる。バックプレーンを配置する必要がないため、第1 PCB基板と第2 PCB基板との間の信号リンクを短縮することができ、通信装置は高速データ伝送を実現することができ、換気および放熱性能を向上させることができる。さらに、差動対モジュールは、信号本体部の間のブロードサイド結合から信号伝導性接続部の間のエッジ結合への移行を実現することができ、それにより製品要件を満たすことができる。
【0009】
ある実装では、第1の信号伝導性接続部の延長方向は、第1の信号本体部の延在面に対して平行である。そのような構造は、加工するのが容易であり、第2 PCB基板コネクタとの挿入嵌合を実施するのに便利である。
【0010】
ある実装では、第1の信号伝導性接続部の延在面と第1の信号本体部の延在面とによって形成されるはさまれる角度の角度値は、第2の信号伝導性接続部の延在面と第2の信号本体部の延在面とによって形成されるはさまれる角度の角度値と等しい。このようにして、2つの信号端子は、対応する構造を形成することができ、これは、加工および第2 PCB基板コネクタへの挿入に便利である。
【0011】
ある実装では、第1の信号尾部は、第1の信号本体部と同一平面上にあり、第2の信号尾部は、第2の信号本体部と同一平面上にある。そのような構造は、加工するのが容易であり、信号尾部と第1 PCB基板を接続するのに便利である。
【0012】
ある実装では、第1の信号本体部は第1の信号尾部に接続された第1の領域を有し、第2の信号本体部は第2の信号尾部に接続された第2の領域を有し、第1の領域は第2の領域と交差し、第1の領域は第2の信号本体部に向かって曲げられ、第2の領域は第1の信号本体部に向かって曲げられ、それにより、第1の信号尾部と第2の信号尾部はエッジ結合を形成する。信号尾部は、第1 PCB基板上の信号ケーブル配置およびコンポーネント配置の要件を満たすよう、交差ねじりを通してエッジ結合を形成することができる。
【0013】
ある実装では、差動対モジュールは、第1接地端子と第2接地端子とを含み;第1接地端子は、第1信号端子から離間され、第1接地端子は、互いに接続される第1の接地本体部および第1の接地部を含み、第1の接地本体部は、第1の信号本体部と同一平面上にあり、第1の接地部と第1の信号尾部は、第1の信号本体部の同じ側に位置し;第2接地端子は、第2信号端子から離間され、第2接地端子は、互いに接続される第2の接地本体部および第2の接地部を含み、第2の接地本体部は、第2の信号本体部と同一平面上にあり、第2の接地部と第2の信号尾部は、第2の信号本体部の同じ側に位置する。
【0014】
ある実装では、第1の接地部は第1の接地本体部と同一平面上にあり、第2の接地部は第2の接地本体部と同一平面上にある。そのような構造は、加工するのが容易であり、第1 PCB基板上の接地ケーブル配置およびコンポーネント配置の要件を満たすことができる。
【0015】
ある実装では、1つの第1信号端子が2つの第1接地端子の間に配置され、該2つの第1接地端子のうちの一方の第1の接地部が第2の接地本体部に向かって曲げられて、第2の信号尾部と同一平面上であってエッジ結合を形成し;1つの第2信号端子が2つの第2接地端子の間に配置され、該2つの第2接地端子のうちの一方の第2の接地部が第1の接地本体部に向かって曲げられて、第1の信号尾部と同一平面上であってエッジ結合を形成し;それらのエッジ結合を形成する第1の接地部および第2の接地部が対角方向に配置される。エッジ結合を形成する接地部は、四角形の一方の対角線を形成するように接続されてもよく、エッジ結合を形成しない接地部は、四角形の他方の対角線を形成するように接続されてもよい。そのような構造は、第1 PCB基板上の接地ケーブル配置およびコンポーネント配置の要件を満たすことができる。
【0016】
ある実装では、エッジ結合を形成する第1の接地部および第2の接地部の両方が、魚眼〔フィッシュアイ〕構造を形成する。魚眼構造を使用することにより、エッジ結合を形成する接地部は、便利なことに、第1 PCB基板に挿入される。
【0017】
ある実装では、差動対モジュールは、積層方式で配置された第1の端子担持部材および第2の端子担持部材を含み;第1の信号本体部および第1の接地本体部の両方が第1の端子担持部材上に配置され、第1の信号伝導性接続部、第1の信号尾部、および第1の接地部がすべて第1の端子担持部材の外部に延在し;第2の信号本体部および第2の接地本体部の両方が第2の端子担持部材上に配置され、第2の信号伝導性接続部、第2の信号尾部、および第2の接地部がすべて第2の端子担持部材の外部に延在する。端子担持部材は、端子間の電気信号の伝送を確実にするために、信頼できる仕方で端子(信号端子および接地端子の総称)を担持することができる。端子担持部材は、全体として接続されてもよいし、あるいは別々に設計されて一緒に組み立てられてもよい。
【0018】
ある実装では、差動対モジュールは、第1の遮蔽ブラケットと、第1の遮蔽部材と、第2の遮蔽ブラケットと、第2の遮蔽部材とを含み;第1の遮蔽ブラケットは、第1の端子担持部材を覆い、第1の遮蔽部材は、第1の遮蔽ブラケットの、第1の端子担持部材に面する側に配置され;第2の遮蔽ブラケットは、第2の端子担持部材を覆い、第2の端子担持部材の、第1の端子担持部材とは反対方向を向く側に位置し、第2の遮蔽部材は、第2の遮蔽ブラケットの、第2の端子担持部材に面する側に配置される。望ましい電磁防護を端子のために設けることができ、端子の電気的性能は、遮蔽ブラケットおよび遮蔽部材を配置することによって確保することができる。さらに、端子を担持する端子担持部材はパッケージ化でき、それにより、端子のための信頼できる機能環境を提供し、差動対モジュール全体の機械的強度を高めることができる。
【0019】
ある実装では、第1の遮蔽ブラケットの表面、第1の遮蔽部材の表面、第2の遮蔽ブラケットの表面、および第2の遮蔽部材の表面はすべて、伝導層を備える。電磁遮蔽効果は、伝導層を配置することによって改善できる。
【0020】
ある実装では、第1の端子担持部材の、第1の遮蔽部材に面し、第1の信号本体部に対応する表面は、開口部を設けられ、第1の信号本体部は該開口部から露出させられ、第1の遮蔽部材と対向して離間される。開口部は、第1の信号本体部の近傍、たとえば、第1の信号本体部の厚さ方向に位置してもよい。開口部は、第1の信号本体部の境界内にあってもよく、あるいは開口部は、第1の信号本体部の境界部分と重複していてもよく、あるいは第1の信号本体部は、開口部の境界内にあってもよい。開口部の形状、大きさ、数量は、要件に依存して設定されうる。たとえば、各第1の信号本体部の位置に対応する開口部が形成されてもよい。複数の開口部が存在する場合、開口部は互いから離間される。第1信号端子のインピーダンスおよび信号減衰は、開口部を配置することによって調整できる。
【0021】
ある実装では、第1の制限突起が、第1の遮蔽ブラケットの、第1の端子担持部材に面する表面に配置され、第1の遮蔽部材は、第1の中空領域を有し、第1の制限貫通孔〔スルーホール〕が第1の端子担持部材に配置され、第1の制限突起は、第1の中空領域を通過し、第1の制限貫通孔に挿入される。第1の制限突起と第1の制限貫通孔との間の嵌合が、第1の遮蔽ブラケットと第1の端子担持部材との間の接続を容易にし、差動対モジュールの挿入強度を高めることができる。
【0022】
ある実装では、嵌合貫通孔が第1の接地本体部に配置され、嵌合貫通孔は第1の制限貫通孔に対応し、第1の制限突起は第1の制限貫通孔および嵌合貫通孔に挿入される。このように、第1の制限突起は、第1の遮蔽ブラケットと第1の端子担持部材とを接続できるだけでなく、隣接する第1信号端子を分離することができ、それにより隣接する第1信号端子の間の信号クロストークを低減する。
【0023】
ある実装では、複数の第1の制限突起があり、複数の第1の制限突起は互いから離間され、複数の第1の制限貫通孔と複数の嵌合貫通孔があり、1つの制限突起が1つの制限貫通孔および1つの嵌合貫通孔に対応して挿入される。複数の第1の制限突起と、複数の第1の制限貫通孔と、複数の嵌合貫通孔との間の嵌合は、挿入強度を大幅に向上させ、クロストークを低減させる。
【0024】
ある実装では、第2の制限突起は、第2の遮蔽ブラケットの、第2の端子担持部材に面する表面に配置され、第2の遮蔽部材は、第2の中空領域を有し、第2の制限貫通孔は、第2の端子担持部材に配置され、第2の制限突起は、第2の中空領域を通って第2の制限貫通孔に挿入され、第2の制限突起は、第1の制限突起に接続される。第2の制限突起と第2の制限貫通孔との間の嵌合は、第2の遮蔽ブラケットと第2の端子担持部材との間の接続を容易にし、差動対モジュールの挿入強度を高めることができる。さらに、2つの端子担持部材は、第2の制限突起と第1の制限突起との間の嵌合を通じて接続され、パッケージングされて、信頼性のある挿入強度を有する差動対モジュールを形成することができる。
【0025】
第2の側面によれば、本願は、いくつかの差動対モジュールを含むコネクタを提供する。コネクタは、バックプレーンをもたないPCB基板相互接続アーキテクチャーを実装することができ、それにより、通信装置は、高速データ伝送を実装することができ、換気および熱放散性能がより良好である。さらに、コネクタは、信号本体部の間のブロードサイド結合から信号伝導性接続部の間のエッジ結合への移行を実現することができ、それにより製品要件を満たすことができる。
【0026】
ある実装では、コネクタは、組み立てブラケットを含み、該組み立てブラケットは、すべての差動対モジュールの同じ側に配置され、間隔を開けて配置されたいくつかの第1貫通孔は、組み立てブラケット上に配置され、1つの第1の信号尾部および1つの第2の信号尾部は、対応して、1つの第1貫通孔を貫通し、それらのいずれも、第1貫通孔の孔壁とは接触しない。組み立てブラケットを設計することにより、すべての差動対モジュールが、製品要件を満足するように接続されることができる。
【0027】
ある実装では、各差動対モジュールは、間隔をあけて配置されたいくつかの第2貫通孔が組み立てブラケット上に配置され;各差動対モジュールは、第1接地端子と第2接地端子とを含み、第1接地端子は、第1信号端子から離間され、第1接地端子は、互いに接続された第1の接地本体部および第1の接地部を含み、第1の接地本体部は、第1の信号本体部と同一平面上であり、第1の接地部と第1の信号尾部とは、第1の信号本体部の同じ側に位置し;第2接地端子は、第2信号端子から離間され、第2接地端子は、互いに接続された第2の接地本体部および第2の接地部を含み、第2の接地本体部は第2の信号本体部と同一平面上であり、第2の接地部および第2の信号尾部は、第2の信号本体部の同じ側に位置し;第1の接地部と第2の接地部とは、別個に、第2貫通孔の孔壁と接触する。それらの接地部は、組み立てブラケットの第2貫通孔の内壁と接触し、接地を実現する。組み立てブラケットは、すべての差動対モジュールのための共通の接地のはたらきをすることができる。
【0028】
第3の側面によれば、本願は、第1 PCB基板と、第2 PCB基板と、第2 PCB基板コネクタと、前記コネクタとを含む通信装置を提供し、第1 PCB基板は、第2 PCB基板に対して垂直であり、第1 PCB基板の側面は、第2 PCB基板の側面と対向しており、第2 PCB基板コネクタは、第2 PCB基板上に配置され、前記コネクタの第1の信号尾部は、第1 PCB基板に挿入され、第1の信号伝導性接続部は、第2 PCB基板コネクタに挿入される。本通信装置は、バックプレーンを持たないPCB基板相互接続アーキテクチャーを使用し、そのため、本通信装置は、高速データ伝送を実現でき、換気および熱放散性能がより良好である。
【0029】
第4の側面によれば、本願は、コネクタの遮蔽組立体を提供する。遮蔽組立体は、第1の遮蔽ブラケットおよび第1の遮蔽部材を含み、第1の遮蔽ブラケットおよび第1の遮蔽部材は全体として積層され、接続され、第1の遮蔽ブラケットの表面および第1の遮蔽部材の表面の両方が伝導層を形成する。遮蔽組立体は、前記コネクタの電磁遮蔽を実装し、前記コネクタの機械的強度を高めることができる。
【0030】
ある実装では、第1の制限突起が第1の遮蔽ブラケットの表面に形成され、第1の遮蔽部材は第1の中空領域を有し、第1の制限突起は第1の中空領域を通過する。そのような構造は、比較的単純で信頼性が高く、第1の遮蔽ブラケットと第1の遮蔽部材との間の接続を実現することができる。
【0031】
ある実装では、複数の第1の制限突起があり、複数の第1の制限突起は互いに離間され、複数の第1の中空領域があり、1つの第1の制限突起は、対応して1つの第1の中空領域を通過する。そのような構造は、第1の遮蔽ブラケットと第1の遮蔽部材との間の挿入強度を高めることができる。
【0032】
ある実装では、複数の第1の制限突起は、複数の離間した行に配置され、各行に複数の離間した第1の制限突起が含まれる。そのような構造は、第1の遮蔽ブラケットと第1の遮蔽部材との間の挿入強度を高めることができる。
【0033】
ある実装では、遮蔽組立体は、全体として接続される第2の遮蔽ブラケットおよび第2の遮蔽部材を含み、第2の遮蔽部材は、第1の遮蔽部材に隣接し、第1の遮蔽ブラケットと第2の遮蔽ブラケットは、互いに反対方向を向くように配置され;第2の制限突起が、第2の遮蔽ブラケットの表面に形成され、第2の遮蔽部材は、第2の中空領域を有し、第2の制限突起は、第2の中空領域を通過し、第1の制限突起に接続される。そのような構造は、遮蔽組立体の挿入強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本願の実施態様または背景における技術的解決策を説明するために、本願の実施態様または背景を説明するために必要な添付の図面を以下に記載する。
【0035】
【
図1】通常のスイッチにおけるPCB基板相互接続アーキテクチャーの概略図である。
【0036】
【
図2】本願の第1の実施による通信装置の全体構造の概略図である。
【0037】
【
図3】
図2の通信装置におけるPCB基板相互接続アーキテクチャーの概略図である。
【0038】
【
図4】
図2の通信装置におけるコネクタの組立体構造の概略図である。
【0039】
【
図5】
図4のコネクタの組み立てブラケットの全体構造の概略図である。
【0040】
【
図6】
図4のコネクタの差動対モジュールの組立体構造の概略図である。
【0041】
【
図7】
図6の差動対モジュールの分解構造の概略図である。
【0042】
【
図8】
図7の差動対モジュールの第1のサブモジュールの分解構造の概略図である。
【0043】
【
図9】第1信号端子および第1接地端子を担持し、
図8の第1のサブモジュール内にある第1の端子担持部材の構造の概略図である。
【0044】
【
図10】
図9における第1信号端子および第1接地端子の配置構造の概略図である。
【0045】
【0046】
【
図12】
図11における位置Fの部分的拡大構造の概略図である。
【0047】
【
図13】
図10における第1接地端子の構造および第1接地端子と第1信号端子との間の配置関係を示す概略図である。
【0048】
【
図14】
図8の第1のサブモジュールの第1の遮蔽ブラケットの構造の概略図である。
【0049】
【
図15】
図6におけるA-Aの断面構造の概略図である。
【0050】
【
図16】
図15における位置Bの部分的拡大構造の概略図である。
【0051】
【
図17】
図7における差動対モジュールの第2のサブモジュールの分解構造の概略図である。
【0052】
【
図18】
図17おける、第2信号端子および第2接地端子を担持する第2の端子担持部材の構造の概略図である。
【0053】
【
図19】
図18における第2信号端子および第2接地端子の配置構造の概略図である。
【0054】
【0055】
【
図21】
図20における位置Gの部分的拡大構造の概略図である。
【0056】
【
図22】
図19における第2接地端子の構造および第2接地端子と第2信号端子との配置関係を示す概略図である。
【0057】
【
図23】
図17における第2のサブモジュールの第2の遮蔽ブラケットの構造の概略図である。
【0058】
【
図24】第1のサブモジュールおよび第2のサブモジュールにおける端子の積層構造の概略図である。
【0059】
【
図25】
図24における位置Cの部分的拡大構造の概略図である。
【0060】
【
図26a】通常のPCB基板相互接続アーキテクチャーにおける、バックプレーンを使用してPCB基板が接続される側面図構造の概略図である。
【0061】
【
図26b】本願のある実施形態によるPCB基板相互接続アーキテクチャーにおける、PCB基板間の直接相互嵌合の側面図構造の概略図である。
【0062】
【
図27】
図24における位置D1の部分的拡大構造の概略図である。
【0063】
【
図28】本願の第2の実装による、第1のサブモジュールおよび第2のサブモジュールにおける端子の積層構造の部分的拡大構造の概略図であり、部分的拡大
図D2に含まれる部分は、
図24における位置D1の部分と整合する。
【0064】
【
図29】本願の第2の実装による、第1のサブモジュールおよび第2のサブモジュールにおける端子の積層構造のL方向図であり、L方向は、
図24におけるL方向である。
【0065】
【
図30】
図29における位置Eの部分的拡大構造の概略図である。
【0066】
【
図31】本願の第3の実装による、第1のサブモジュールおよび第2のサブモジュールにおける端子の部分積層構造の概略図である。
【0067】
【0068】
【
図33】本願の第3の実装による組み立てブラケットの構造の概略図である。
【0069】
【発明を実施するための形態】
【0070】
図2に示されるように、本願のある実施形態は、スイッチおよびサーバーを含むがそれに限定されない通信装置20を提供する。通信装置20は、いくつかのPCB基板を含み、PCB基板は、サービスPCB基板(これは、パケットの送受信を完了するためのサービス伝送のための外部物理インターフェースを提供することができ、また、いくつかのプロトコル処理およびスイッチング/ルーティング機能を実行することができる)およびスイッチPCB基板(これは、データ転送およびスイッチング、パケット交換、配送、スケジューリング、および制御、ならびにその他の機能を受け持つことができる)を含んでいてもよい。それらのPCB基板は、コネクタを通じて相互接続される。
【0071】
具体的には、
図3に示されるように、通信装置20は、第1 PCB基板22、第2 PCB基板21、第1 PCB基板コネクタ23、および第2 PCB基板コネクタ24を含むことができる。第1 PCB基板22はスイッチPCB基板(またはサービスPCB基板)であってもよく、第2 PCB基板21はサービスPCB基板(またはスイッチPCB基板)であってもよく、複数の第1 PCB基板22および複数の第2 PCB基板21が存在してもよい。第1 PCB基板22は、第2 PCB基板21に対して垂直であり、第1 PCB基板22の側面は、第2 PCB基板21の側面と対向する。側面は、PCB基板において比較的小さな面積をもち、PCB基板の厚さ方向に垂直な法線方向を有する表面である。第1 PCB基板コネクタ23は、第1 PCB基板22のエッジに配置され、第2 PCB基板コネクタ24は、第2 PCB基板21のエッジに配置され、第1 PCB基板コネクタ23は、第2 PCB基板コネクタ24に挿入され、第1 PCB基板22と第2 PCB基板21とを相互接続し、それにより、データ伝送を実現する。
【0072】
本願のこの実施形態では、第1 PCB基板コネクタ23の端子は、曲がったデザインを有し、第2 PCB基板コネクタ24は、通常のコネクタである。あるいはまた、第2 PCB基板コネクタ24の端子が曲がったデザインを有してもよく、第1 PCB基板コネクタ23は、通常のコネクタであってもよい。以下では、第1 PCB基板コネクタ23(以下、コネクタ23と略記する)が曲がったデザインを有する例を、詳細な説明のために使用する。
【0073】
図4ないし
図6に示されるように、第1の実装では、コネクタ23は、組み立てブラケット232と、いくつかの差動対モジュール231とを含むことができる。
【0074】
図5に示されるように、組み立てブラケット232は、平板形状であり、いくつかの第1貫通孔232aおよびいくつかの第2貫通孔232bを備えている。第1貫通孔232aおよび第2貫通孔232bはすべて、組み立てブラケット232の厚さ方向に沿って組み立てブラケット232を貫通する。第1貫通孔232aは、第2貫通孔232bよりも大きくてもよい。第1貫通孔232aおよび第2貫通孔232bは、互いから離間され、マトリクスを形成している。マトリクスの行(または列)方向では、第1貫通孔232aと第2貫通孔232bが交互に間隔をおいて配置される。マトリクスの列(または行)方向では、いくつかの第1貫通孔232aが、間隔をおいて逐次配列されており、行を形成しており、いくつかの第2貫通孔232bが、間隔をおいて逐次配列されており、行を形成する。
【0075】
組み立てブラケット232は、すべての差動対モジュール231を一緒に組み立てるように構成され、すべての差動対モジュール231のための共通接地のはたらきをする。具体的には、差動対モジュール231は連続して積層され、組み立てブラケット232は、すべての差動対モジュール231の同じ側面に配置される。各差動対モジュール231の1つの第1の信号尾部および1つの第2の信号尾部(後述)は、対応して1つの第1貫通孔232aを貫通し、第1貫通孔232aの孔壁から離間される。各差動対モジュール231の1つの第1の接地部および1つの第2の接地部(後述)は、別個に、対応して第2貫通孔232bを貫通し、第2貫通孔232bの孔壁と接触し、それにより差動対モジュール231が共通の接地に接続される。
【0076】
図7に示されるように、差動対モジュール231は、第1のサブモジュール233および第2のサブモジュール234を含んでいてもよく、第1のサブモジュール233および第2のサブモジュール234は、全体として積層され、組み立てられる。差動対モジュール231は、差動信号を送信するように構成される。第1のサブモジュール233は、差動信号の一方の信号を伝送するように構成され、第2のサブモジュール234は、差動信号の他方の信号を伝送するように構成される。
【0077】
図7~
図10に示されるように、第1のサブモジュール233は、第1の遮蔽ブラケット2331、第1の遮蔽部材2332、第1の端子担持部材2333、第1信号端子2335、および第1接地端子2334を含む。
【0078】
図9に示されるように、第1の端子担持部材2333は、第1信号端子2335および第1接地端子2334を担持し、保護するように構成される。第1の端子担持部材2333は、板状プラスチック部品であってもよく、互いから離間された第1制限貫通孔2333aの複数の行を備えていてもよい。互いから離間された複数の第1制限貫通孔2333aが、各行に含まれてもよい。それぞれの第1制限貫通孔2333aは、第1の端子担持部材2333の厚さ方向に沿って、第1の端子担持部材2333を貫通してもよい。第1制限貫通孔2333aは、第1の遮蔽ブラケット(後述)を嵌合されるように構成される。
【0079】
第1の端子担持部材2333、第1信号端子2335、および第1接地端子2334は、金型内射出成形プロセスを使用して、全体として接続されてもよい。金型内射出成形を通じて、第1信号端子2335および第1接地端子2334に取り付けられたプラスチックは、第1の端子担持部材2333を形成することができ、第1制限貫通孔2333aは、第1の端子担持部材2333において形成される。むろん、第1信号端子2335および第1接地端子2334は、代替的に、別のプロセスを使用して、第1の端子担持部材2333上に取り付けられてもよい。
【0080】
図9および
図10に示されるように、第1の端子担持部材2333上に、複数の第1信号端子2335および複数の第1接地端子2334が、交互に間隔をおいて配置される。具体的には、1つの第1接地端子2334が、2つの隣接する第1信号端子2335の間に配置され、1つの第1信号端子2335が、2つの隣接する第1接地端子2334の間に配置される。加えて、1つの第1信号端子2335が、第1制限貫通孔2333aの2つの隣接する行の間ごとに位置する。
【0081】
別の実装では、第1制限貫通孔2333aの数量および配置態様は、要件に依存して設定されてもよい。たとえば、少なくとも1つの第1制限貫通孔2333aがある。第1制限貫通孔2333aは、規則的に諸行において配置されるのではなく、必要な位置に配置されてもよい。代替的に、第1制限貫通孔2333aは、配置されなくてもよい。
【0082】
図11に示されるように、第1信号端子2335は、おおまかに狭幅シートの形状であってもよい。第1信号端子2335は、第1の信号伝導性接続部23351、第1の信号本体部23352、および第1の信号尾部23353を含んでいてもよい。第1の信号本体部23352は、第1の信号伝導性接続部23351と第1の信号尾部23353との間に接続される。第1の信号伝導性接続部23351は、第2 PCB基板コネクタ24に挿入されるように構成され、第1の信号尾部23353は、第1 PCB基板22に挿入されるように構成される。
【0083】
図11に示されるように、第1の信号本体部23352は、狭幅シートの形状であってもよく(第1の信号本体部23352の厚さT1は、第1の信号本体部23352の幅W1より小さい)、第1の信号本体部23352の厚さ方向は、第1の端子担持部材2333の厚さ方向と一致してもよい。第1の信号本体部23352は、延在面P1を有し、延在面P1の法線は、第1の信号本体部23352の厚さ方向に沿っている。第1の信号本体部23352の大部分は、第1の端子担持部材2333内に埋め込まれ、第1の信号本体部23352の小さな部分が、比較的短距離、第1の端子担持部材2333から突出してもよい。それにより、第1の信号伝導性接続部23351は第1の端子担持部材2333の外側に位置する。むろん、第1の信号本体部23352は、代替的に、完全に第1の端子担持部材2333の内部に配置されてもよく、それにより、第1の信号伝導性接続部23351は、第1の端子担持部材2333の外側に位置し、第1の端子担持部材2333に隣接する。
【0084】
図11に示されるように、第1の信号本体部23352は、曲がった形状を有していてもよく、それにより第1の信号伝導性接続部23351の延長方向S2と、第1の信号尾部23353の延長方向S1とが、はさまれる角度を形成する。はさまれる角度は、直角でも非直角でもよい。第1の信号伝導性接続部23351の延長方向S2は、第1の信号伝導性接続部23351が第2基板コネクタ24に挿入される方向であり、延長方向S1は延在面P1に対して平行となる。第1の信号尾部23353の延長方向S1は、第1の信号尾部23353が第1 PCB基板22に挿入される方向であり、延長方向S2は延在面P1に平行である。
図3を参照されたい。はさまれる角度を形成する設計を使用することによって、第1信号端子2335は、便利に、第2 PCB基板コネクタ24と、第1 PCB基板22との間に接続される。それらの側面は互いに対向する。
【0085】
図11に示されるように、第1の信号伝導性接続部23351は、狭幅シートの形状であってもよい(第1の信号伝導性接続部23351の厚さT2は、第1の信号伝導性接続部23351の幅W2より小さい)。第1の信号伝導性接続部23351は、延在面P2を有し、延在面P2の法線方向は、厚さT2の次元方向、すなわち第1の信号伝導性接続部23351の厚さ方向である。延在面P2と延在面P1は接続されており、直角をなす。このように、第1の信号伝導性接続部23351および第1の信号本体部23352は、垂直曲げ構造を形成する。
図11および
図12を参照すると、第1の信号伝導性接続部23351と第1の信号本体部23352との間の曲げ線R1は、第1の信号伝導性接続部23351の延長方向S2に沿っている。曲げ線R1は、第1の信号伝導性接続部23351と第1の信号本体部23352との間の弧状遷移領域を通過し、弧状遷移領域の対称軸のはたらきをする。
【0086】
垂直曲げ接続構造は、たとえば、板金加工技術を用いることによって実施することができる。打ち抜きまたは切断が実行されて、互いに同一平面上にある第1の信号伝導性接続部23351および第1の信号本体部23352が得られる。第1の信号伝導性接続部23351の延長方向S2に基づいて、第1の信号伝導性接続部23351と第1の信号本体部23352との間に曲げ線R1が決定され、次いで、第1の信号伝導性接続部23351は、曲げプロセスを用いて、曲げ線R1に沿って、第1の信号本体部23352に対して垂直に曲げられる。第1の信号伝導性接続部23351は、第1の信号本体部23352の一方の側に向かって曲げられてもよく、または反対側に向かって曲げられてもよい(一方の側と他方の側は、第1の信号本体部23352の厚さ方向における2つの側である)。
【0087】
別の実装では、第1の信号伝導性接続部23351と第1の信号本体部23352との間の曲げ角度は、鋭角または鈍角であってもよい。言い換えると、延在面P2および延在面P1によって形成されるはさまれる角度は、鋭角または鈍角であってもよく、および/または第1の信号伝導性接続部23351の延長方向S2は、第1の信号本体部23352の延在面P1に平行でなくてもよい。
【0088】
図11に示されるように、挿入強度および信号伝送品質を保証するために、第1の信号尾部23353は、魚眼構造を含んでいてもよい。むろん、魚眼構造は必須ではない。
図5を参照すると、第1の信号尾部23353は、組み立てブラケット232の第1貫通孔232aを貫通し、第1貫通孔232aの孔壁から離間される。
【0089】
図10および
図13に示されるように、第1接地端子2334は、第1信号端子2335に隣接して、離間して配置される。第1接地端子2334は、互いに接続されている第1の接地本体部23342および第1の接地部23341を含んでいてもよい。
図13および
図9を参照すると、第1の接地本体部23342は、第1の端子担持部材2333に埋め込まれ、第1の接地本体部23342は、第1の信号本体部23352に隣接して、離間される。第1の接地部23341は、第1の端子担持部材2333の外側に露出され、第1の接地部23341は、第1の信号尾部23353に隣接して、離間される。第1の接地部23341および第1の信号尾部23353は、第1の端子担持部材2333の同じ側に位置する、すなわち、第1の接地部23341および第1の信号尾部23353は、第1の信号本体部23352の同じ側に位置する。第1の接地本体部23342は、第2 PCB基板コネクタ24内の接地端子に電気的に接続されるように構成され、第1の接地部23341は、接地されるように構成される。
【0090】
図13に示されるように、第1の接地本体部23342は、狭幅シートの形状であってもよく、第1の接地本体部23342の厚さ方向は、基本的には、第1の端子担持部材2333の厚さ方向と一致する。互いから離間されたいくつかの第1嵌合貫通孔h1が、第1の接地本体部23342に配置されてもよく、第1嵌合貫通孔h1は、第1の接地本体部23342の厚さ方向に沿って、第1の接地本体部23342を貫通する。第1の接地本体部23342における第1嵌合貫通孔h1は、第1の端子担持部材2333における第1制限貫通孔2333aの行と1対1に対応する。単一の第1嵌合貫通孔h1は、第1嵌合貫通孔h1に対応する第1制限貫通孔2333aと少なくとも部分的にオーバーラップする。たとえば、孔の軸方向に沿った2つの貫通孔の正像投影は、互いに完全にオーバーラップする、または一方の投影が、他方の投影の境界内に入るか、または2つの投影が、互いに部分的にオーバーラップする。第1嵌合貫通孔h1は、第1の遮蔽ブラケット(後述)を嵌合されるようにも構成される。
【0091】
図5および
図13を参照すると、第1の接地部23341は、組み立てブラケット232の第2貫通孔232bを貫通してもよく、第2貫通孔232bの孔壁に接触して接地を実現してもよい。第1の接地部23341は、さらに、第1 PCB基板22に便利に挿入され、第1 PCB基板22の接地に接続されるよう、魚眼構造を形成してもよい。魚眼構造は、望ましくは、挿入強度および信号伝送品質を保証することができる。むろん、第1の接地部23341は、代替的に、魚眼構造を含む必要がなくてもよい。別の実装では、第1接地端子2334の構造および接続態様は、上述のものに限定されず、第1接地端子2334は、配置される必要さえなくてもよい。
【0092】
図8および
図14に示されるように、第1の遮蔽ブラケット2331は、ほぼ板状であり、第1の端子担持部材2333を覆い、それに接続される。第1の遮蔽ブラケット2331の厚さ方向は、基本的には第1の端子担持部材2333の厚さ方向と一致する。第1の遮蔽ブラケット2331は、さらに、第1の遮蔽部材2332を取り付け、担持するように構成される。第1の遮蔽ブラケット2331は、プラスチック部品であってもよく、射出成形プロセスを使用して成形されてもよい。
【0093】
図14に示されるように、第1の遮蔽ブラケット2331の表面は、互いから離間される複数行の制限突起2331aを形成してもよく、各行に、間隔をおいて配置される複数の制限突起2331aが含まれてもよい。制限突起2331aの2つの隣接する行の間にチャネルが形成される。
図14および
図9を参照すると、1つの制限突起2331aが、第1の接地本体部23342における第2嵌合貫通孔h1および第1の端子担持部材2333における1つの第1制限貫通孔2333aに、対応して挿入され、第1嵌合貫通孔h1および第1制限貫通孔2333aに嵌合する。第1の遮蔽ブラケット2331および第1の端子担持部材2333は、制限突起2331aを第1嵌合貫通孔h1および第1制限貫通孔2333aに嵌合することによって、互いに組み立てられることができる。さらに、1つの第1信号端子2335が、対応して、1つのチャネルに収容され、2つの隣接する第1信号端子2335が、制限突起2331aの行によって分離される。これは、隣接する第1信号端子2335どうしの間のクロストークを低減することができる。
【0094】
別の実装では、制限突起2331aの特定の量および配置態様は、要件に依存して設定されてもよく、制限突起2331aが、少なくともいくつかの第1嵌合貫通孔h1および少なくともいくつかの第1制限貫通孔2333aに嵌合されることができればよい。たとえば、いくつかの制限突起2331aが、複数の行を形成し、各行に、1つの制限突起2331aのみが存在してもよい。代替的に、いくつかの制限突起2331aが1つの行に配置されてもよく、制限突起2331aの単一の行に、互いに離間された複数の制限突起2331aが含まれる。代替的に、第1の遮蔽ブラケット2331には、制限突起2331aが設けられなくてもよい。第1の遮蔽ブラケット2331の前述の構造は、必須ではない。たとえば、第1の遮蔽ブラケット2331は、板状でなくてもよく、制限突起2331aを備えなくてもよく、またはさらには取り消されてもよい。
【0095】
図8に示されるように、第1の遮蔽部材2332は、シート形状の金属片であってもよく、第1の遮蔽部材2332は、第1の中空領域を形成するために部分的にくりぬかれてもよい。第1の遮蔽部材2332は、第1の遮蔽ブラケット2331の、第1の端子担持部材2333に面する側に配置される。制限突起2331aは、第1の遮蔽部材2332の第1の中空領域を通過し、制限突起2331aの突出高さは、第1の遮蔽部材2332の厚さよりも大きくてもよい。第1の遮蔽部材2332は、制限突起2331aの根部にネストされてもよい。第1の遮蔽部材2332は、第1の遮蔽ブラケット2331と第1の端子担持部材2333との間に位置する。第1の遮蔽部材2332は、第1信号端子2335が信号伝送を行う場合に基準接地のはたらきをし、電磁遮蔽機能を有する。この実装では、第1の遮蔽部材2332は、制限突起2331a間の間隔を満たす。間隔は、制限突起2331aの2つの隣接する行の間の間隔と、制限突起2331aの単一の行における2つの隣接する制限突起2331aの間の間隔とを含む。これは、2つの隣接する第1信号端子2335の間の隔離を強化し、2つの隣接する第1信号端子2335の間のクロストークをさらに低減することができる。
【0096】
第1の遮蔽部材2332および第1の遮蔽ブラケット2331は、統合された構造を形成してもよい。第1の遮蔽部材2332の表面は、第1の遮蔽ブラケット2331および第1の遮蔽部材2332を含む統合された構造を形成するために、金型内射出成形プロセスを使用することによってプラスチックで被覆されてもよい。この統合された構造は、高い加工精度を有し、第1のサブモジュール233において組み立てられる必要のあるコンポーネントの量を低減し、それにより、組み立て精度を改善し、電磁遮蔽安定性を確保する。さらに、第1の遮蔽部材2332と第1の遮蔽ブラケット2331は、まず射出成形によって第1の遮蔽ブラケット2331を得て次いで第1の遮蔽ブラケット2331と第1の遮蔽部材2332を一緒に組み立てる必要なしに、金型内射出成形によって一体的に形成され、それによりコストを低減できる。
【0097】
電磁遮蔽効果を確実にするために、第1の遮蔽部材2332および第1の遮蔽ブラケット2331によって形成される統合構造に対して電気めっき処理が実行されてもよく、第1の遮蔽部材2332の表面および第1の遮蔽ブラケット2331の表面の両方が、伝導層を形成する。あるいはまた、伝導層は、別のプロセスを使用することによって形成されてもよい。
【0098】
別の実装では、第1の遮蔽部材2332および第1の遮蔽ブラケット2331は、別々に設計されてもよく、次いで、第1の遮蔽部材2332および第1の遮蔽ブラケット2331が組み立てられてもよい。このように、いくつかの嵌合貫通孔が、第1の遮蔽部材2332上に配置されてもよく、第1の遮蔽ブラケット2331上の制限突起2331aは、嵌合貫通孔を通過する。嵌合貫通孔の量は、制限突起2331aの量、形状、および位置に適応する。この嵌合態様はまた、第1の遮蔽部材2332と第1の遮蔽ブラケット2331との間の接触面積を増加させ、それにより、電磁遮蔽効果を改善することができる。同様に、電磁遮蔽効果を改善するために、伝導層は、第1の遮蔽部材2332の表面および第1の遮蔽ブラケット2331の表面上に形成されてもよい。伝導層を形成するために使用されるプロセスは、電気メッキに限定されない。
【0099】
図6、
図15、
図16、および
図8に示されるように、第1の端子担持部材2333の、第1の遮蔽部材2332に面し、第1の信号本体部23352に対応する表面は、開口部2333bを備える。開口部2333bと第1の信号本体部23352との間の「対応」は、開口部2333bが、たとえば第1の信号本体部23352の厚さ方向において、第1の信号本体部23352の近傍に位置することを意味する。開口部2333bは、第1の信号本体部23352の境界内に相当してもよく、あるいは開口部2333bは、第1の信号本体部23352の境界部分と重なり合ってもよく、あるいは第1の信号本体部23352は、開口部2333bの境界内に相当してもよい。開口部2333bの形状、サイズ、および量は、要件に依存して設定されてもよい。たとえば、開口部2333bは、各第1の信号本体部23352の位置に対応して形成されてもよい。複数の開口部2333bが存在する場合、開口部2333bは、互いに離間される。
【0100】
開口部2333bは、第1の端子担持部材2333の、第1の信号本体部23352を覆う材料をくりぬくことによって得られてもよく、第1の信号本体部23352は、開口部2333bから露出され、第1の遮蔽部材2332に対向して離間される。
【0101】
第1信号端子2335のインピーダンスおよび信号減衰は、開口部2333bを配置することによって調整されることができる。製品の要件に依存して、インピーダンスを大きくする必要がある場合には、より大きなサイズの開口部2333bを配置することで、開口部2333bの開口面積をより大きくしてもよく;そうでない場合には、より小さなサイズの開口部2333bを配置することで、開口部2333bの開口面積をより小さくしてもよい。信号減衰を低減するために、より大きなサイズの開口部2333bを配置して、開口部2333bの開口面積をより大きくしてもよい。別の実装では、開口部2333bは配置されなくてもよい。
【0102】
この実装では、第2のサブモジュール234の構造は、第1のサブモジュール233の構造に類似しており、以下に詳述する。
【0103】
図16ないし
図18に示されるように、第2のサブモジュール234は、第2の端子担持部材2343、第2信号端子2345、第2接地端子2344、第2の遮蔽ブラケット2341、および第2の遮蔽部材2342を含む。
【0104】
図17および
図18に示されるように、第2の端子担持部材2343は、第2信号端子2345および第2接地端子2344を担持し、保護するように構成される。第2の端子担持部材2343は、板状プラスチック部品であってもよく、互いに離間された複数の行の第2の制限貫通孔2343aを備えてもよい。互いに離間された複数の第2の制限貫通孔2343aが、各行に含まれてもよい。各第2の制限貫通孔2343aは、厚さ方向に沿って第2の端子担持部材2343を貫通してもよい。第2の制限貫通孔2343aは、第2の遮蔽ブラケット(後述)を嵌合されるように構成される。
【0105】
第2の端子担持部材2343、第2信号端子2345、および第2接地端子2344は、金型内射出成形プロセスを使用することによって、全体として接続されてもよい。金型内射出成形によって、第2信号端子2345および第2接地端子2344に取り付けられたプラスチックは、第2の端子担持部材2343を形成でき、第2の制限貫通孔2343aは、第2の端子担持部材2343において形成される。むろん、第2信号端子2345および第2接地端子2344は、代替的に、別のプロセスを使用することによって、第2の端子担持部材2343上に取り付けられてもよい。
【0106】
図18および
図19に示されるように、第2の端子担持部材2343上には、複数の第2信号端子2345および複数の第2接地端子2344が存在してもよく、複数の第2信号端子2345および複数の第2接地端子2344は、交互に間隔をおいて配置される。具体的には、1つの第2接地端子2344は、2つの隣接する第2信号端子2345の間に配置され、1つの第2信号端子2345は、2つの隣接する第2接地端子2344の間に配置される。
【0107】
別の実装では、第2の制限貫通孔2343aの量および配置態様は、要件に依存して設定されてもよい。たとえば、少なくとも1つの第2の制限貫通孔2343aがある。第2の制限貫通孔2343aは、規則的に諸行に配置されることなく、必要とされる位置に配置されてもよい。代替的に、第2の制限貫通孔2343aは、配置されなくてもよい。
【0108】
図20に示されるように、第2信号端子2345は、おおまかに狭幅シートの形状であってもよい。第2信号端子2345は、第2の信号伝導性接続部23451、第2の信号本体部23452、および第2の信号尾部23453を含んでいてもよい。第2の信号本体部23452は、第2の信号伝導性接続部23451と第2の信号尾部23453との間に接続される。第2の信号伝導性接続部23451は、第2 PCB基板コネクタ24に挿入されるように構成され、第2の信号尾部23453は、第1 PCB基板22に挿入されるように構成される。
【0109】
図20に示されるように、第2の信号本体部23452は、狭幅シートの形状(第2の信号本体部23452の厚さT3は、第2の信号本体部23452の幅W3未満)であってもよく、第2の信号本体部23452の厚さ方向は、基本的には第2の端子担持部材2343の厚さ方向と一致していてもよい。第2の信号本体部23452は、延在面P3(第2の信号本体部23452の、
図20における観察角で下方に向いている表面)を有し、延在面P3の法線は、第2の信号本体部23452の厚さ方向に沿っている。第2の信号本体部23452の大部分は、第2の端子担持部材2343に埋め込まれており、第2の信号本体部23452の一部は、第2の端子担持部材2343から比較的短距離だけ突出してもよく、それにより、第2の信号伝導性接続部23451は、第2の端子担持部材2343の外側に位置する。むろん、第2の信号本体部23452は、完全に第2の端子担持部材2343の内側に配置されてもよく、それにより、第2の信号伝導性接続部23451は、第2の端子担持部材2343の外側に位置し、第2の端子担持部材2343に隣接する。
【0110】
図20に示されるように、第2の信号本体部23452は、曲がった形状を有していてもよく、それにより、第2の信号伝導性接続部23451の延長方向S4と、第2の信号尾部23453の延長方向S3とが、はさまれる角度を形成する。はさまれる角度は、直角でも非直角でもよい。第2の信号伝導性接続部23451の延長方向S4は、第2の信号伝導性接続部23451が第2 PCB基板コネクタ24に挿入される方向であり、延長方向S4は延在面P3と平行である。第2の信号尾部23453の延長方向S3は、第2の信号尾部23453が第1 PCB基板22に挿入される方向であり、延長方向S3は延在面P3と平行である。
図3を参照されたい。はさまれる角度を形成するデザインを使用することによって、第2信号端子2345は、第2 PCB基板コネクタ24と第1 PCB基板22との間に便利に接続される。それらの側面は互いに対向する。
【0111】
図20に示されるように、第2の信号伝導性接続部23451は、狭幅シートの形状であってもよい(第2の信号伝導性接続部23451の厚さT4は、第2の信号伝導性接続部23451の幅W4より小さい)。第2の信号伝導性接続部23451は、延在面P4を有し、延在面P4の法線方向は、厚さT4の次元方向、すなわち、第2の信号伝導性接続部23451の厚さ方向である。延在面P4と延在面P3は接続され、直角をなす。このように、第2の信号伝導性接続部23451および第2の信号本体部23452は、垂直曲げ構造を形成する。
図20および
図21を参照すると、第2の信号伝導性接続部23451と第2の信号本体部23452との間の曲げ線R2は、第2の信号伝導性接続部23451の延長方向S4に沿っている。曲げ線R2は、第2の信号伝導性接続部23451と第2の信号本体部23452との間の弧状遷移領域を通過し、弧状遷移領域の対称軸のはたらきをする。
【0112】
垂直曲げ接続構造は、たとえば、板金加工技術を用いることによって実現されうる。互いに同一平面上にある第2の信号伝導性接続部23451および第2の信号本体部23452を得るために、打ち抜きまたは切断が実行される。第2の信号伝導性接続部23451の延長方向S4に基づき、第2の信号伝導性接続部23451と第2の信号本体部23452との間で曲げ線R2が決定され、次いで、第2の信号伝導性接続部23451は、曲げプロセスを用いて、曲げ線R2に沿って、第2の信号本体部23452に対して垂直に曲げられる。第2の信号伝導性接続部23451は、第2の信号本体部23452の一方の側に向かって曲げられてもよく、または反対側に向かって曲げられてもよい(該一方の側および該他方の側は、第2の信号本体部23452の厚さ方向における2つの側である)。
【0113】
図20および
図11を参照すると、差動対モジュール231において、第2の信号伝導性接続部23451と第1の信号伝導性接続部23351は、互いに対向して離間され、その間隔が制限されていることを考慮して、第2の信号伝導性接続部23451と第1の信号伝導性接続部23351は後方に曲げられてもよい、つまり、両者は互いとは反対方向に曲げられる。
【0114】
別の実装では、第2の信号伝導性接続部23451と第2の信号本体部23452との間の曲げ角度は、鋭角または鈍角であってもよい。言い換えると、延在面P4および延在面P3によって形成されるはさまれる角度は、鋭角または鈍角であってもよく、および/または第2の信号伝導性接続部23451の延長方向S4は、第2の信号本体部23452の延在面P3に平行でなくてもよい。
【0115】
図20に示されるように、挿入強度および信号伝送品質を保証するために、第2の信号尾部23453は、魚眼構造を含んでいてもよい。むろん、魚眼構造は必須ではない。
図5を参照すると、第2の信号尾部23453は、組み立てブラケット232の第1貫通孔232aを貫通してもよく、第1貫通孔232aの孔壁から離間される。
【0116】
図19および
図22に示されるように、第2接地端子2344は、第2信号端子2345に隣接して離間される。第2接地端子2344は、互いに接続される第2の接地本体部23442および第2の接地部23441を含んでいてもよい。
図22および
図18を参照すると、第2の接地本体部23442は、第2の端子担持部材2343内に埋め込まれ、第2の接地本体部23442は、第2の信号本体部23452に隣接して離間される。第2の接地部23441は、第2の端子担持部材2343の外側に露出され、第2の信号尾部23453に隣接して離間される。第2の接地部23441および第2の信号尾部23453は、第2の端子担持部材2343の同じ側に位置しており、すなわち、第2の接地部23441および第2の信号尾部23453は、第2の信号本体部23452の同じ側に位置している。第2の接地本体部23442は、第2 PCB基板コネクタ24内の接地端子に電気的に接続されるように構成され、第2の接地部23441は、接地されるように構成される。
【0117】
図22に示されるように、第2の接地本体部23442は、狭幅シートの形状であってもよく、第2の接地本体部23442の厚さ方向は、基本的には第2の端子担持部材2343の厚さ方向と一致する。互いから離間されたいくつかの第2貫通孔h2が、第2の接地本体部23442に配置されてもよく、第2嵌合貫通孔h2は、第2の接地本体部23442の厚さ方向に沿って、第2の接地本体部23442を貫通する。第2の接地本体部23442における第2嵌合貫通孔h2は、第2の端子担持部材2343における第2の制限貫通孔2343aの行と1対1に対応する。単一の第2嵌合貫通孔h2は、少なくとも部分的に、第2嵌合貫通孔h2に対応する第2制限貫通孔2343aに重なる。たとえば、孔の軸方向に沿った2つの貫通孔の正像投影は、互いに完全にオーバーラップする、または一方の投影が他方の投影図の境界内に入るか、または2つの投影が互いに部分的にオーバーラップする。第2嵌合貫通孔h2はまた、第2の遮蔽ブラケット(後述)を嵌合されるように構成される。
【0118】
図5および
図22を参照すると、第2の接地部23441は、組み立てブラケット232の第2貫通孔232bを貫通し、第2貫通孔232bの孔壁と接触して接地を実施してもよい。第2の接地部23441は、さらに、第1 PCB基板22に便利に挿入され、第1 PCB基板22の接地に接続される魚眼構造を形成してもよい。魚眼構造は、望ましくは、挿入強度および信号伝達品質を保証することができる。むろん、第2の接地部23441は、代替的には、魚眼構造を含む必要がなくてもよい。別の実装において、第2接地端子2344の構造および接続態様は、上述のものに限定されず、第2接地端子2344は、配置されなくてもいいほどである。
【0119】
図17および
図23に示されるように、この実装では、第2の遮蔽ブラケット2341は、ほぼ板状であり、第2の端子担持部材2343をカバーし、それに接続される。第2の遮蔽ブラケット2341の厚さ方向は、第2の端子担持部材2343の厚さ方向と一致したままである。第2の遮蔽ブラケット2341は、さらに、第2の遮蔽部材2342を取り付け、担持するように構成される。第2の遮蔽ブラケット2341は、プラスチック部品であってもよく、射出成形プロセスを使用して成形されてもよい。
【0120】
図23に示されるように、第2の遮蔽ブラケット2341の表面は、互いに離間される複数行の制限突起2341aを形成してもよく、各行に、互いに離間される複数の制限突起2341aが含まれてもよい。制限突起2341aの2つの隣接する行の間にチャネルが形成される。
図23および
図18を参照すると、1つの制限突起2341aは、対応して、第2の接地本体部23442内の1つの第2の嵌合貫通孔h2および第2の端子担持部材2343内の1つの第2の制限貫通孔2343aを通過し、第2の嵌合貫通孔h2および第2の制限貫通孔2343aに嵌合する。第2の遮蔽ブラケット2341および第2の端子担持部材2343は、制限突起2341aを第2の嵌合貫通孔h2および第2の制限貫通孔2343aに嵌合することによって、一緒に組み立てられることができる。さらに、1つの第2信号端子2345は、対応して1つのチャネルに収容され、2つの隣接する第2信号端子2345は、制限突起2341aの行によって分離される。これは、隣接する第2信号端子2345間のクロストークを低減することができる。
【0121】
別の実装では、制限突起2341aが少なくともいくつかの第2の嵌合貫通孔h2および少なくともいくつかの第2の制限貫通孔2343aに嵌合可能であることを条件に、制限突起2341aの特定の量および配置態様は、要件に依存して設定されてもよい。たとえば、いくつかの制限突起2341aが複数の行を形成し、各行には、1つの制限突起2341aのみが存在してもよい。第2の遮蔽ブラケット2341の上述の構造は、必須ではない。たとえば、第2の遮蔽ブラケット2341は、板状でなくてもよく、制限突起2341aを備えなくてもよく、またはキャンセルされてもよい。
【0122】
図17に示されるように、第2の遮蔽部材2342は、シート状の金属片であってもよく、第2の遮蔽部材2342は、部分的にくりぬかれて、第2の中空領域を形成してもよい。第2の遮蔽部材2342は、第2の遮蔽ブラケット2341の、第2の端子担持部材2343に面する側に配置される。制限突起2341aは、第2の遮蔽部材2342の第2の中空領域を通過し、制限突起2341aの突出高さは、第2の遮蔽部材2342の厚さよりも大きくてもよい。第2の遮蔽部材2342は、制限突起2341aの根部にネストされてもよい。第2の遮蔽部材2342は、第2の遮蔽ブラケット2341と第2の端子担持部材2343との間に位置する。第2の遮蔽部材2342は、第2信号端子2345が信号伝送を行う際の基準接地のはたらきをし、電磁遮蔽機能を有する。この実装では、第2の遮蔽部材2342は、制限突起2341aの間の間隔を満たす。間隔は、制限突起2341aの2つの隣接する行の間の間隔と、制限突起2341aの単一の行における2つの隣接する制限突起2341a間の間隔とを含む。これは、2つの隣接する第2信号端子2345間の隔離を強化し、2つの隣接する第2信号端子2345の間のクロストークをさらに低減することができる。
【0123】
第2の遮蔽部材2342および第2の遮蔽ブラケット2341は、一体化された構造を形成してもよい。第2の遮蔽部材2342の表面は、第2の遮蔽ブラケット2341および第2の遮蔽部材2342を含む一体化された構造を形成するために、金型内射出成形プロセスを使用して、プラスチックで被覆されてもよい。この一体化された構造は、高い加工精度を有し、第2のサブモジュール234において組み立てられる必要のあるコンポーネントの量を低減し、それにより組み立て精度を改善し、電磁遮蔽の安定性を確保する。さらに、まず射出成形によって第2の遮蔽ブラケット2341を得て、次いで第2の遮蔽ブラケット2341および第2の遮蔽部材2342を一緒に組み立てる必要なく、第2の遮蔽部材2342および第2の遮蔽ブラケット2341は、金型内射出成形によって一体的に形成され、それにより、コストが低減される。
【0124】
電磁遮蔽効果を確実にするために、第2の遮蔽部材2342および第2の遮蔽ブラケット2341によって形成される一体化された構造に対して電気めっき処理が実行されてもよく、第2の遮蔽部材2342の表面および第2の遮蔽ブラケット2341の表面の両方が、伝導層を形成する。あるいはまた、伝導層は、別のプロセスを使用することによって形成されてもよい。
【0125】
別の実装では、第2の遮蔽部材2342および第2の遮蔽ブラケット2341は、別々に設計されてもよく、次いで、第2の遮蔽部材2342および第2の遮蔽ブラケット2341が組み立てられてもよい。この解決策においては、いくつかの嵌合貫通孔が、第2の遮蔽部材2342上に配置されてもよく、第2の遮蔽ブラケット2341上の制限突起2341aがそれらの嵌合貫通孔を通過してもよい。嵌合貫通孔の量は、制限突起2341aの量、形状、および位置に適応する。この嵌合態様はまた、第2の遮蔽部材2342と第2の遮蔽ブラケット2341との間の接触面積を増加させ、それにより、接地遮蔽効果を改善することができる。同様に、電磁遮蔽効果を改善するために、伝導層は、第2の遮蔽部材2342の表面および第2の遮蔽ブラケット2341の表面上に形成されてもよい。伝導層を形成するために使用されるプロセスは、電気めっきに限定されない。
【0126】
図6、
図15、
図16、および
図17に示されるように、第2の端子担持部材2343の、第2の遮蔽部材2342に面し、第2の信号本体部23452に対応する表面は、開口部2343bを備える。開口部2343bと第2の信号本体部23452との間の「対応」とは、開口部2343bが、基本的に、たとえば第2の信号本体部23452の厚さ方向において、第2の信号本体部23452の近傍に位置することを意味する。開口部2343bは、第2の信号本体部23452の境界内に相当してもよく、または、開口部2343bは、第2の信号本体部23452の境界部分と重なってもよく、または、第2の信号本体部23452は、開口部2343bの境界内に相当してもよい。開口部2343bの形状、サイズ、および量は、要件に依存して設定されてもよい。たとえば、開口部2343bは、各第2の信号本体部23452の位置に対応して形成されてもよい。複数の開口部2343bが存在する場合、それらの開口部2343bは、互いに離間される。
【0127】
開口部2343bは、第2の端子担持部材2343の、第2の信号本体部23452を覆う材料をくりぬくことによって得られてもよく、第2の信号本体部23452は、開口部2343bから露出され、第2の遮蔽部材2342に対向して離間される。
【0128】
第2信号端子2345のインピーダンスおよび信号減衰は、開口部2343bを配置することによって調節されることができる。製品の要件に依存して、インピーダンスを大きくする必要がある場合には、より大きなサイズの開口部2343bを配置してもよく、それにより開口部2343bの開口面積を大きくする;そうでない場合には、より小さなサイズの開口部2343bを配置してもよく、それにより開口部2343bの開口面積を小さくする。信号減衰を低減するために、より大きなサイズの開口部2343bを配置して、開口部2343bの開口部をより大きくしてもよい。別の実装では、第2の端子担持部材2343または第1の端子担持部材2333のいずれかに開口が設けられてもよく、第2の端子担持部材2343も第1の端子担持部材2333も、開口が設けられなくてもよい。
【0129】
図7に示されるように、差動対モジュール231、第2のサブモジュール234、および第1のサブモジュール233は積層され、第2の端子担持部材2343は、第1の端子担持部材2333に隣接し、第2の端子担持部材2343は、第2の遮蔽ブラケット2341と第1の遮蔽ブラケット2331との間に位置し、第1の端子担持部材2333は、第2の遮蔽ブラケット2341と第1の遮蔽ブラケット2331との間に位置する。第2の遮蔽ブラケット2341、第2の遮蔽部材2342、第1の遮蔽ブラケット2331、および第1の遮蔽部材2332は、まとめて遮蔽組立体と称されてもよい。
【0130】
第2の端子担持部材2343と第1の端子担持部材2333との間の挿入強度を高めるために、第2の端子担持部材2343の、第1の端子担持部材2333に面する表面に第1の接続部分が配置されてもよく、第1の端子担持部材2333の、第2の端子担持部2343に面する表面に第2の接続部分が配置されてもよく、第1の接続部分は、第2の接続部分と嵌合される。たとえば、第1の接続部分と第2の接続部分のうちの一方はポストであってもよく、他方の接続部分はスロットであってもよく、ポストとスロットは着脱可能なバックル接続を形成する。
【0131】
第2の遮蔽ブラケット2341と第1の遮蔽ブラケット2331との間の挿入強度を高めるために、第2の遮蔽ブラケット2341上の制限突起2341aは、第1の遮蔽ブラケット2331上の制限突起2331aに接続されてもよい。たとえば、第2の遮蔽ブラケット2341上の制限突起2341a上に第3の接続部分が配置されてもよく、第1の遮蔽ブラケット2331上の制限突起2331a上に第4の接続部分が配置されてもよく、第3の接続部分は、第4の接続部分と嵌合される。たとえば、第3の接続部分と第4の接続部分の一方はポストであってもよく、他方の接続部分はスロットであってもよく、ポストとスロットは着脱可能なバックル接続を形成する。
【0132】
この挿入強度向上設計は、第2のサブモジュール234と第1のサブモジュール233との間の挿入強度を高め、差動対モジュール231の構造強度を高めることができる。むろん、第2の端子担持部材2343および第1の端子担持部材2333は、互いに嵌合される必要はなく、互いに積層されてもよく、および/または第2の遮蔽ブラケット2341上の制限突起2341aも、第1の遮蔽ブラケット2331上の制限突起2331aに接続される必要はない。
【0133】
図24および
図25に示されるように、差動対モジュール231において、第1の信号伝導性接続部23351と第2の信号伝導性接続部23451の位置は、互いに対応し、互いに対向して離間され、エッジ結合を形成する。エッジ結合とは、第1の信号伝導性接続部23351の狭いほうの側面Y1(この側面Y1は延在面P2に垂直に接続されている)と、第2の信号伝導性接続部23451の狭いほうの側面Y2(この側面Y2は延在面P4に垂直に接続されている)とが、互いに対向し、比較的近接して離間されることを意味する。たとえば、側面Y1および側面Y2は、互いに平行またはほぼ平行であってもよい。また、第1の信号伝導性接続部23351と第2の信号伝導性接続部23451との間には、信号結合が存在する。
【0134】
図24および
図25に示されるように、第1の信号本体部23352および第2の信号本体部23452の位置は、互いに対応し、互いに対向して離間され、ブロードサイド結合を形成する。ブロードサイド結合とは、第1の信号本体部23352の延在面P1と第2の信号本体部23452の延在面P3が、互いに比較的近接して離間され、互いと反対方向を向いていることを意味する。たとえば、延在面P1および延在面P3は、互いに平行またはほぼ平行であってもよい。さらに、第1の信号本体部23352と第2の信号本体部23452との間に信号結合が存在する。第1の信号尾部23353および第2の信号尾部23453の位置は、互いに対応し、互いに対向して離間される。第1の実装では、第1の信号伝導性接続部23351の延長方向S2と第1の信号尾部23353の延長方向S1との間にははさまれる角度があり、第2の信号伝導性接続部23451の延長方向S4と第2の信号尾部23453の延長方向S3との間にははさまれる角度がある。コネクタ23が第1 PCB基板22のエッジに取り付けられると、第1の信号尾部23353と第2の信号尾部23453の両方が第1 PCB基板22に挿入され、第1の信号伝導性接続部23351と第2の信号伝導性接続部23451の両方が、第1 PCB基板22の横エッジから突き出てもよい。このようにして、コネクタ23は、第1 PCB基板22および第2 PCB基板21の直交配置態様に適合できる。これは、コネクタ23を第2 PCB基板21に挿入することを容易にする。
【0135】
図26(a)は、通常のPCB基板相互接続アーキテクチャーの側面図である。通常のPCB基板相互接続アーキテクチャーでは、第1 PCB基板11と第2 PCB基板13との間の信号交換は、バックプレーン12を使用して実行される。第1 PCB基板11のコネクタ内の信号伝導性接続部111とバックプレーン12のコネクタ内の信号伝導性接続部121は、互いに平行に接続される。第2 PCB基板13のコネクタ内の信号伝導性接続部131とバックプレーン12のコネクタ内の信号伝導性接続部122は、互いに平行に接続される。
図26(a)の視角では、信号伝導性接続部111の厚さ方向は縦方向であり、信号伝導性接続部131の厚さ方向は紙面に垂直な方向である。信号伝導性接続部111が位置する平面は、信号伝導性接続部131が位置する平面に対して垂直であり、そのため、バックプレーン12を配置する必要があることがわかる。
【0136】
図26(b)は、第1 PCB基板22と第2 PCB基板21との間の直接的な相互嵌合の側面図である。
図26(b)では、コネクタ23内の第1の信号伝導性接続部23351が、第2 PCB基板コネクタ24内の信号伝導性接続部241と相互に嵌合されていることが例として用いられている。第1の信号伝導性接続部23351は、第1の信号本体部23352に対して曲がっているため、第1の信号伝導性接続部23351と第2 PCB基板コネクタ24内の信号伝導性接続部241は、バックプレーン・コネクタの中継を使用することなく、直接的に、互いに平行に接続されうる。同様に、第2の信号伝導性接続部23451は、第2の信号本体部23452に対して曲がっているため、第2の信号伝導性接続部23451および第2 PCB基板コネクタ24内の対応するピンも、バックプレーン・コネクタの中継を使用することなく、互いに平行に接続されうる。このように、コネクタ23は、第1 PCB基板22と第2 PCB基板21との間の直接的な直交相互接続を実現するために使用することができ、それにより通信装置20がバックプレーンを必要としなくなる。
【0137】
バックプレーンを配置する必要がないため、第1 PCB基板22と第2 PCB基板21との間の信号リンクを短くすることができ、通信装置20は、高速データ伝送(たとえば、56Gbps~112Gbps)を実現することができ、換気および熱放散性能がよりよくなる。さらに、コネクタ23の差動対モジュール231は、2つのサブモジュールを組み立てることによって得られる。2つのサブモジュールが一体的に形成される解決策と比較して、差動対モジュール231における単一のサブモジュールには、より少数の端子(信号端子および接地端子を含む)がある。これは、サブモジュールの製造工程を単純化することができ、たとえば、端子の打ち抜きプロセスおよび端子の金型内射出成形プロセスを単純化することができる。具体的には、第1の信号伝導性接続部23351が第1の信号本体部23352に対して垂直に曲げられ、第2の信号伝導性接続部23451が第2の信号本体部23452に対して垂直に曲げられ、第1の信号伝導性接続部23351の延長方向S2が第1の信号尾部23353の延長方向S1に対して垂直であり、第2の信号伝導性接続部23451の延長方向S4が第2の信号尾部23453の延長方向S3に対して垂直である場合に、コネクタ23は望ましい性能を有する。たとえば、挿入損失は14GHzで-2.99dB、近端クロストークは14GHzで-61dB、遠端クロストークは14GHzで-58.9dBでありうる。
【0138】
図24および
図27に示されるように、第1の実装では、第1の信号尾部23353および第1の信号本体部23352は、互いに面一であり、同一平面上にあってもよく、第2の信号尾部23453および第2の信号本体部23452は、互いに面一であり、同一平面上にあってもよい(
図27では、第2の信号本体部23452は、第1の信号本体部23352の下に位置し、第2の信号本体部23452は、マークされていない)。第1の信号尾部23353および第2の信号尾部23453の両方は、曲げられることなく、直接突出することができる。
【0139】
図24および
図27に示されるように、第1の接地本体部23342および第2の接地本体部23442の位置は、互いに対応し、互いに対向して離間される。第1の接地部23341および第1の接地本体部23342は、互いに面一であり、同一平面上であってもよく、第2の接地部23441および第2の接地本体部23442は、互いに面一であり、同一平面上であってもよい。第1の接地部23341および第2の接地部23441は、いずれも、曲げられることなく直接突出することができる。
【0140】
第2の実装、第1の実装とは異なり、差動対モジュール231内の第1の信号尾部23353および第2の信号尾部23453は、曲げを通じて互いに同一平面上にあって、エッジ結合を形成することができる。
【0141】
具体的には、
図28、
図29、および
図30に示されるように、第1の信号本体部23352は、第1の信号尾部23353に接続された第1の領域aを有する。第2の信号本体部23452は、第2の信号尾部23453に接続された第2の領域bを有する。
図31において、第1の領域aおよび第2の領域bを強調するために、第1の領域aおよび第2の領域bの両方は、影を用いて概略的に示されている。
【0142】
第1の信号本体部23352の延在面P1上で、第1の領域aは、第1の信号本体部23352の残りの領域に対して曲げられている。第1の信号本体部23352の延在面P1に平行な、またはほぼ平行な平面上で、第2の領域bは、第2の信号本体部23452の残りの領域に対して曲げられ、第2の領域bの曲げ方向は、第1の領域aの曲げ方向とは反対である。このようにして、第1の領域aと第2の領域bは、互いに交差し、すなわち、第1の領域aと第2の領域bは、はさまれる角度を形成しうる。はさまれる角度は、要件に依存して設定されてもよい。はさまれる角度の値を使用することによって、第1の領域aと第1の接地部23341との間の干渉、および第2の領域bと第2の接地部23441との間の干渉を回避することができる。
【0143】
第1の領域aは、第2の信号本体部23452のほうにも曲げられ、第2の領域bは、第1の信号本体部23352のほうにも曲げられ、そのため、第1の信号尾部23353と第2の信号尾部23453は、積層方向において互いに面一であり、同一平面上にあり、エッジ結合を形成する。積層方向は、第1信号端子2335および第2信号端子2345が積層される方向である。本明細書におけるエッジ結合の意味は、上記で定義したものと同様である。具体的には、第1の信号尾部23353における狭いほうの側面Y3と、第2の信号尾部23453における狭いほうの側面Y4とが、互いに対向し、比較的近接して離間され、第1の信号尾部23353と第2の信号尾部23453との間に信号結合が存在する。第1の信号尾部23353および第2の信号尾部23453の端部は、第1 PCB基板22に便利に挿入されるように、互いに面一であり、同一線上であってもよく、それにより、挿入の信頼性を保証する。
【0144】
この第2の実装では、第1の信号尾部23353および第2の信号尾部23453は、第1 PCB基板22上の信号ケーブルの配置およびコンポーネント配置の要件を満たすために、エッジ結合を形成するように曲げられる。
【0145】
第2の実装に基づいて、第3の実装では、
図31および
図32に示されるように、第1の信号本体部23352の2つの側の2つの第1の接地部23341について、左側の第1の接地部23341は、第2の接地本体部23442に向かって曲げられ、積層方向において第2の信号尾部23453と面一で、同一平面上にあり、エッジ結合を形成する。積層方向は、第1接地端子2334および第2接地端子2344が積層される方向である。エッジ結合の意味は、上記で定義したものと同様である。具体的には、第1の接地部23341における狭いほうの側面Y5と、第2の信号尾部23453における狭いほうの側面Y6とは、互いに対向し、互いに比較的近接して離間しており、第1の接地部23341と第2の信号尾部23453との間に信号結合が存在する。
【0146】
図31および
図32に示されるように、第1の信号本体部23352の右側の第1の接地部23341は、曲げられることなく、第1の接地本体部23342と同一平面を維持してもよく、したがって、エッジ結合は形成されない。別の実装では、逆に、第1の信号本体部23352の右側の第1の接地部23341が、曲げられてエッジ結合を形成してもよく、第1の信号本体部23352の左側の第1の接地部23341は、曲げられることなく、第1の接地本体部23342と同一平面を維持しており、エッジ結合が形成されない。
【0147】
図31および
図32に示されるように、第2の信号本体部23452の2つの側の2つの第2の接地部23441について(第2の信号本体部23452がブロックされているため、
図32および
図33では、第2の信号本体部23452はマークされていない)、右側の第2の接地部23441は、第1の接地本体部23342に向かって曲げられ、積層方向において第1の信号尾部23353と面一で、同一平面上にあり、エッジ結合を形成する。積層方向は、第1接地端子2334および第2接地端子2344が積層される方向である。エッジ結合の意味は、上記で定義したものと同様である。具体的には、第2の接地部23441における狭いほうの側面Y8と、第1の信号尾部23353における狭いほうの側面Y7とは、互いに対向し、互いに比較的近接して離間され、第2の接地部23441と第1の信号尾部23353との間に信号結合が存在する。
【0148】
図31および
図32に示されるように、第2の信号本体部23452の左側の第2の接地部23441は、曲げられることなく、第2の接地本体部23442と同一平面を維持してもよく、したがって、エッジ結合は形成されない。別の実装では、逆に、第2の信号本体部23452の左側の第2の接地部23441が、エッジ結合を形成するように曲げられてもよく、第2の信号本体部23452の右側の第2の接地部23441は、曲げられることなく、第2の接地本体部23442と同一平面を維持してもよく、エッジ結合は形成されない。
【0149】
図32に示されるように、エッジ結合を形成する第1の接地部23341と、エッジ結合を形成する第2の接地部23441は、対角方向に配置される、すなわち、2つの第1の接地部23341および2つの第2の接地部23441は、四角形を形成すると考えられてもよい。左側の第1の接地部23341と右側の第2の接地部23441との間の接続線は、四角形の第1の対角線として使用されてもよく、右側の第1の接地部23341と左側の第2の接地部23441との間の接続線は、四角形の第2の対角線として使用されてもよい。第1の対角線上の第1の接地部23341および第2の接地部23441は、いずれもエッジ結合を形成し、第2の対角線上の第1の接地部23341も第2の接地部23441も、エッジ結合を形成しない。別の実装では、逆に、第1の対角線上の第1の接地部23341も第2の接地部23441も、エッジ結合を形成せず、第2の対角線上の第1の接地部23341および第2の接地部23441は、いずれもエッジ結合を形成する。
【0150】
図31、
図33、および
図34を参照すると、接地部が第1 PCB基板22内に便利に挿入されるようにするために、エッジ結合を形成する第1の接地部23341および第2の接地部23441の両方は、魚眼構造内にあってもよく、組み立てブラケット332の第2貫通孔332bを貫通して、第2貫通孔332bの孔壁と接触して、共通の接地に接続されてもよい。第3の実装では、第2貫通孔332bの位置は、前述の実装における第2貫通孔232bの位置と比較して、第2貫通孔332bが、第1の接地部23341および第2の接地部23441を嵌合されるように、調整されてもよい。
【0151】
図31および
図32に示されるように、エッジ結合を形成し、魚眼構造を有する第1の接地部23341は、第2の接地本体部23442に向かって曲げられ、第1の接地部23341から、第1の接地部23341に対応する第2の接地部2341(第2の接地部23441は、エッジ結合を形成しない)までの距離が短くなる。第2の接地部23441も魚眼構造を形成し、第2 PCB基板21に挿入される場合、比較的小さな間隔をもつ2つのビアが、第2 PCB基板21上に配置される必要がある。これは加工が難しい。このことに鑑み、第2の接地部23441は、魚眼構造を形成しなくてもよく、第1 PCB基板22に挿入される必要はない。
【0152】
同様に、
図31および
図32に示されるように、エッジ結合を形成し、魚眼構造を有する第2の接地部23441に対応する第1の接地部23341(第1の接地部23341は、エッジ結合を形成しない)は、代替的に、魚眼構造を形成しなくてもよい。
【0153】
図31および
図34を参照すると、エッジ結合を形成しない第1の接地部23341およびエッジ結合を形成しない第2の接地部23441は、組み立てブラケット332の第2貫通孔332bの孔壁と接触して、共通の接地に接続されてもよい。この実装で提供される差動対モジュール231では、第1の接地部23341および第2の接地部23441は、第1 PCB基板22上の接地ケーブル配置およびコンポーネント配置の要件を満たすために、エッジ結合を形成するように曲げられる。
【0154】
上記の説明は、単に本願の具体的な実装であり、本願の保護範囲を制限することを意図するものではない。本願に開示された技術的範囲内で、当業者が容易に理解することができる任意の変更または置換は、本願の保護範囲にはいる。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。