(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】太陽電池用整合メタライゼーション
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0745 20120101AFI20231122BHJP
H01L 31/18 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
H01L31/06 450
H01L31/04 440
(21)【出願番号】P 2022535840
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 US2020064204
(87)【国際公開番号】W WO2021119252
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-10
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522392106
【氏名又は名称】マキシオン ソーラー プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、テソク
(72)【発明者】
【氏名】スミス、デイヴィッド
【審査官】吉岡 一也
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-531550(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103904138(CN,A)
【文献】特開2009-021494(JP,A)
【文献】国際公開第2011/132744(WO,A1)
【文献】特許第6266176(JP,B1)
【文献】特表2014-504003(JP,A)
【文献】特開2015-095644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、
半導体基板の上の半導体層と、
前記半導体層内の第1の複数の個別の開口部であって、前記半導体基板の対応する個別の部分を露出させる、第1の複数の個別の開口部と、
前記第1の複数の個別の開口部に対応する前記半導体基板内の複数のドープ領域と、
前記半導体層の上、および前記第1の複数の個別の開口部内の絶縁層と、
前記複数のドープ領域の対応する部分を露出させる前記絶縁層内の第2の複数の個別の開口部であって、前記第2の複数の個別の開口部のうちの各1つが、前記第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある、第2の複数の個別の開口部と、
前記第2の複数の個別の開口部内および前記複数のドープ領域上の複数の導電性接点とを備え、
前記絶縁層がドーピングソース層であり、
前記太陽電池が、前記半導体層と前記ドーピングソース層との間の第2の絶縁層をさらに備え、
前記第1の複数の個別の開口部が、前記第2の絶縁層内にさらにある、太陽電池。
【請求項2】
前記第1の複数の個別の開口部の各々が略円形であり、前記第2の複数の個別の開口部の各々が略円形である、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第2の複数の個別の開口部の1つ以上が、前記第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内の中心にある、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第2の複数の個別の開口部の1つ以上が、前記第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内で中心から外れている、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記絶縁層内の第3の複数の個別の開口部であって、前記半導体層の対応する個別の部分を露出させる、第3の複数の個別の開口部と、
前記第3の複数の個別の開口部内および前記半導体層の前記対応する個別の部分上の第2の複数の導電性接点と、をさらに備える、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記複数の導電性接点が、第1の一方向性列の導電性接点であり、前記第2の複数の導電性接点が、前記第1の一方向性列の導電性接点と平行な第2の一方向性列の導電性接点である、請求項5に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記半導体層が、前記基板上の薄型誘電体層上にあり、前記第1の複数の個別の開口部が、前記薄型誘電体層内にさらにある、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記ドーピングソース層の上に反射防止コーティング層をさらに備え、前記第2の複数の個別の開口部が、前記反射防止コーティング層内にさらにある、請求項
1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記半導体層が、第1の導電型を有し、前記複数のドープ領域が、前記第1の導電型とは逆の第2の導電型を有する、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項10】
請求項1に記載された太陽電池を作製する方法であって、
半導体基板の上に半導体層を形成することと、
前記半導体層の上に
第2の絶縁層を形成することと、
前記
第2の絶縁層内および前記半導体層内に第1の複数の個別の開口部を形成することであって、前記第1の複数の個別の開口部が、前記半導体基板の対応する個別の部分を露出させる、形成することと、
前記
第2の絶縁層の上および前記第1の複数の個別の開口部内にドーピングソース層を形成することと、
前記第1の複数の個別の開口部に対応する複数のドープ領域を前記半導体基板に形成することであって、前記複数のドープ領域が前記ドーピングソース層から形成される、形成することと、
レーザアブレーションプロセスを使用して、前記ドーピングソース層内の第2の複数の個別の開口部を形成することであって、前記第2の複数の個別の開口部の各1つが、前記第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある、形成することと、
前記第2の複数の個別の開口部内および前記複数のドープ領域上の複数の導電性接点を形成すること、を含む、方法。
【請求項11】
前記第1の複数の個別の開口部を形成することが、レーザアブレーションプロセスを使用することを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の複数の個別の開口部を形成することが、スクリーン印刷エッチングプロセスを使用することを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記ドーピングソース内層および前記絶縁層内に第3の複数の個別の開口部を形成することであって、前記半導体層の対応する個別の部分を露出させる、形成することと、
前記第3の複数の個別の開口部内および前記半導体層の前記対応する個別の部分上で第2の複数の導電性接点を形成することと、をさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の複数の個別の開口部を形成することが、前記第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内の中心にある前記第2の複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の複数の個別の開口部を形成することが、前記第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内で中心から外れた前記第2の複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、再生可能エネルギーの分野に関するものであり、特に、太陽電池を作製するための整合メタライゼーションアプローチ、およびその結果として得られた太陽電池を含む。
【背景技術】
【0002】
光起電性電池、つまり太陽電池は、太陽光を電気エネルギーに直接変換するデバイスとして周知である。一般に、太陽電池は半導体ウェハまたは基板上に、半導体加工技術を用いて作製され、基板の表面付近にp-n接合を形成する。基板の表面に衝突し、基板に入る太陽光線は、基板の大部分に電子と正孔の対を作成する。電子と正孔の対は、基板内のpドープ領域とnドープ領域とに移動し、それによりドープ領域間に電圧差を発生させる。ドープ領域は、太陽電池上の導電性領域に接続され、電池からドープ領域に結合された外部回路に電流を向ける。電気変換効率は、太陽電池の発電能力に直接関係するため、太陽電池の重要な特性であり、効率が高いほど最終消費者に付加価値を提供し、他の全ての条件が同じであれば、効率が高いほどワット当たりの製造コストを削減することができる。同様に、簡略化された製造方法は、生産される単位当たりのコストを削減することにより、製造コストを低減する機会を提供する。
【発明の概要】
【0003】
したがって、太陽電池の効率を向上させる技術および太陽電池の製造を簡略化する技術は、一般に望ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池の断面図および対応する平面図である。
【
図2A】本開示の別の実施形態による、太陽電池のメタライゼーション構造体を形成するための開口部を示す平面図である。
【
図2B】本開示の別の実施形態による、太陽電池の複数のメタライゼーション構造体を形成するための複数の開口部を示す平面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を含むフローチャート図である。
【
図4】本開示の別の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する別の方法における様々な動作を含むフローチャート図である。
【
図5A】本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を表した断面図である。
【
図5B】本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を表した断面図である。
【
図5C】本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を表した断面図である。
【
図5D】本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を表した断面図である。
【
図5E】本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を表した断面図である。
【
図6】本開示の実施形態による、太陽電池のための様々な整合メタライゼーション構造体を表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、実施形態またはそのような実施形態の用途および使用を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「例示的(exemplary)」という単語は、「例、事例、または例証としての役割を果たす」ことを意味する。本明細書で例示として記載されている任意の実装は、必ずしも他の実装よりも好ましいか、または有利である必要はない。さらに、前述の技術分野、背景技術、簡単な要約、または以下の詳細な説明で提示されたいずれの明示的または黙示的な理論に拘束される意図はない。
【0006】
用語「一実施形態(one embodiment)」または「実施形態(an embodiment)」の参照は同一の実施形態を参照する必要はない。特定の特徴、構造体または特性は、本開示と一致する任意の好適な様式で組み合わせられ得る。
【0007】
用語について。以下のパラグラフは、本開示(添付の請求項を含む)で見出される用語に関する、定義および/または文脈を提供する。
【0008】
「備える(Comprising)」は、オープンエンド型であり、当該用語は、さらなる構造体またはステップを排除しない。
【0009】
「構成された」は、ユニットまたは構成要素などのデバイスが動作中に1つのタスクまたは多数のタスクを実行する構造体を含むことを示すことによって構造体を含意することであり、デバイスが現時点で動作可能ではない(例えば、オン/アクティブではない)場合であっても、当該構造体はタスクを実行するように構成されている。1つ以上のタスクを実行するように「構成された」デバイスとは、米国特許法第112条第6項におけるミーンズまたはステッププラスファンクションの解釈を実施しないことを明示的に意図するものである。
【0010】
「第1の」、「第2の」などの用語は、先行する名詞に関する指標として使用されるものであり、いずれの種類の(例えば、空間的、時間的、論理的などの)順序付けも暗示するものではない。例えば、「第1の」太陽電池に対する参照は、必ずしも正しい順序であるそのような太陽電池を意味するものではなく、それよりもむしろ、用語「第1の」は、この太陽電池を別の太陽電池(例えば、「第2の」太陽電池)から区別するために使用される。
【0011】
「結合した」とは、明示的に別段の定めがある場合を除き、ある要素、特徴、構造体またはノードが、別の要素/ノード/特徴に直接的または非直接的に連結または通信され得ることに言及したものであり、これらは必ずしも機械的に連結されるわけではない。
【0012】
「抑制する」とは、結果、成果、または将来の状態を完全に防ぐなど、何かを減らすか、少なくするか、最小限にするか、または効果的にもしくは実効的に排除することを表す。
【0013】
「ドープ領域」、「半導体領域」、および同様の用語は、基板内、基板上、基板上方、または基板の上に配置された半導体の領域を表す。このような領域は、N型導電率またはP型導電率を有することができ、ドーピング濃度を変化させ得る。このような領域は、第1のドープ領域、第2のドープ領域、第1の半導体領域、第2の半導体領域などの複数の領域について参照することができる。領域は、基板上の多結晶シリコンで形成することができ、または基板自体の部分として形成することができる。
【0014】
「薄型誘電体層」、「トンネル誘電体層」、「誘電体層」、「薄型誘電体材料」または介在層/材料は、半導体領域上、基板と別の半導体層との間、または基板上または基板内のドープ領域または半導体領域間にある材料を意味する。実施形態において、薄型誘電体層は、約2ナノメートル以下の厚さのトンネル酸化物または窒化物層であり得る。薄型誘電体層は、極薄型誘電体層と呼ぶことができ、これを通して電気伝導が実現され得る。伝導は、量子トンネリングおよび/または誘電体層中の薄型のスポットを介した直接的な物理接続の小領域の存在に起因し得る。例示的な材料には、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、および他の誘電体材料が含まれる。
【0015】
「介在層」または「絶縁層」は、電気絶縁、パッシベーション、および光反射の抑制を提供する層を表す。介在層は、例えば介在層のスタックのように、数層であり得る。文脈によっては、絶縁層はトンネル誘電体層と入れ替えられ得、他の文脈では、絶縁層はマスキング層または「反射防止コーティング層」(ARC層)である。例示的な材料は、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、非晶質シリコン、多結晶シリコン、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化インジウムスズ、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化チタン、炭化ケイ素および他の材料である。実施例において、介在層は、水分バリアとして機能することができる材料を含み得る。また、例えば、絶縁材料は、太陽電池のパッシベーション層であり得る。
【0016】
「基板」とは、シリコンなどの半導体基板のことを参照したものであるが、具体的には、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、ウェハ、シリコンウェハなど、太陽電池に使用される他の半導体基板などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。実施例において、このような基板は、マイクロエレクトロニクスデバイス、光起電性電池または太陽電池、ダイオード、フォトダイオード、プリント回路基板、およびその他のデバイスに使用することができる。これらの用語は、本明細書において互換的に使用される。
【0017】
「約(About)」または「約(approximately)」について。本明細書で使用される場合、例えば、整数、分数、および/または割合を含む、記された数値に関連する用語「約(About)」または「約(approximately)」は、一般に、当業者が記された数値(例えば、実質的に同じ機能を果たし、実質的に同じやり方で作用し、および/または実質的に同じ結果を有する)と同等とみなすであろう数値の範囲(例えば、記された数値の±5%~10%)を包含することを示す。
【0018】
加えて、特定の用語は、参照のためだけに以下の記載に用いることがあり、したがって、限定的であることを意図するものではない。例えば、「上側」、「下側」、「上方」、および「下方」などの用語は、参照している図における方向を言う。「前」、「後」、「後方」、「側方」、「外側」、および「内側」などの用語は、説明中の構成要素について記載する本文および関連図面の参照によって明らかにされる、一貫性はあるが任意の基準系内において、構成要素の部分の向きおよび/または位置を記述するものである。かかる用語は、具体的に上述された語、それらの派生語、および類似の意味の語を含み得る。
【0019】
太陽電池を作製するための整合メタライゼーションアプローチ、および結果として得られた太陽電池が、本明細書に記載されている。以下の記載では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、具体的なプロセスフロー動作などの、多数の具体的詳細が記載される。これらの具体的な詳細がなくても、本開示の実施形態を実施できることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知の技術は、詳細には記載されない。さらに、図に示された様々な実施形態は例示的な表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことを理解されたい。
【0020】
本明細書で開示されるのは、太陽電池である。一実施形態では、太陽電池は、半導体基板の上の半導体層を含む。第1の複数の個別の開口部は半導体層内にあり、半導体基板の対応する個別の部分を露出させる。複数のドープ領域が、半導体基板内にあり、第1の複数の個別の開口部に対応する。絶縁層は、半導体層の上にあり、かつ第1の複数の個別の開口部内にある。第2の複数の個別の開口部は、絶縁層内にあり、複数のドープ領域の対応する部分を露出させる。第2の複数の個別の開口部の各1つが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある。複数の導電性接点は、第2の複数の個別の開口部内および複数のドープ領域上にある。
【0021】
また、本明細書では、太陽電池を作製する方法も開示する。一実施形態では、太陽電池を作製する方法は、基板の上方の半導体層内に第1の複数の個別の開口部を形成することを含む。本方法はまた、第1の複数の個別の開口部内に絶縁層を形成することを含む。本方法はまた、レーザアブレーションプロセスを使用して絶縁層内に第2の複数の個別の開口部を形成することを含む。第2の複数の個別の開口部の各1つが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある。
【0022】
実施形態では、太陽電池を作製する方法は、半導体基板の上に半導体層を形成することを含む。本方法はまた、半導体層の上に絶縁層を形成することを含む。本方法はまた、絶縁層および半導体層内に第1の複数の個別の開口部を形成することを含み、第1の複数の個別の開口部は、半導体基板の対応する個別の部分を露出させる。本方法はまた、絶縁層の上および第1の複数の個別の開口部内にドーピングソース層を形成することを含む。本方法はまた、第1の複数の個別の開口部に対応する複数のドープ領域を半導体基板内に形成することを含み、複数のドープ領域はドーピングソース層から形成される。本方法はまた、レーザアブレーションプロセスを使用して、ドーピングソース層内の第2の複数の個別の開口部を形成することを含み、第2の複数の個別の開口部の各1つは、第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある。本方法はまた、第2の複数の個別の開口部内および複数のドープ領域上に複数の導電性接点を形成することを含む。
【0023】
したがって、本明細書に記載の1つ以上の実施形態は、空間的に閉じ込められたエミッタ領域上に導電性の孔を正確に整合させることによって、長寿命のパッシベーション領域を最大化した高効率で低コストの太陽電池のための方法およびアーキテクチャを提供するために実施され得る。実施形態によれば、整合メタライゼーション構造体は、インターデジタルバックコンタクト(interdigitated back contact、IBC)太陽電池アーキテクチャのための導電性接点を作製するために使用され得る。
【0024】
文脈を示すと、第1の態様における、プロセス動作の総数を削減しつつ、高いセル効率を維持するための最先端のアプローチは、スクリーン印刷または選択的レーザアブレーションマスクプロセスのいずれかを使用して、非常に狭い領域用のN型多結晶層(N-poly)の頂部に低寿命のP型多結晶シリコン層(P-poly)を配置することである。このようなアーキテクチャでは、P+エミッタ領域がシリコン(Si)基板に連続的に接触しなければならないという制約がない。P-poly(または短寿命の極性エミッタ)には、選択的レーザアブレーションマスクプロセスを使用し、P-polyの被覆を最小にすることができる。この接点形成にはレーザアブレーションを用い、電流を最大限に収集するために金属層をある程度大きな面積にする必要があるため、PフィンガーメタルとP-polyの下のN-polyとの間で電流漏れ(またはシャント)が発生する危険性が伴い得る。これは、特に、接点形成時にレーザが当たった部分の周辺に発生する可能性がある。
【0025】
第2の態様では、プロセス動作の総数を削減しつつ高いセル効率を維持するための最新のアプローチは、p+領域を可能な限り小さく、理想的にはウェハ被覆率の2%未満とすることで、低寿命p++c-Siエミッタ領域と、高寿命のN-polyエミッタとを組み合わせることである。このようなアプローチは、スクリーン印刷またはインクジェット印刷を用い得るが、ウェハ被覆率8%未満を実現することは困難であり、このようなアーキテクチャの実現可能なセル効率を制限する可能性がある。
【0026】
本開示の1つ以上の実施形態により、空間的に閉じ込められたエミッタ領域を有し、空間的に整合した導電性の孔を有する高効率太陽電池が記載されている。このような構造体は、優れた表面パッシベーションを有する第1のエミッタ領域(例えば、N+ poly Si)を蒸着または作製し、続いて絶縁層(例えば、SiNx、SiOx、およびSiONx)を蒸着させることによって作製することができる。空間的に閉じ込められた領域、例えば、ドット、正方形、または長方形の列から第1のエミッタを選択的に除去することで、ウェハの2%未満の被覆総面積で実行され得る。一実施例では、ドット、正方形、または長方形が開示されているが、長円形、三角形、台形、多角形、楕円形および/または使用され得る他の任意の種類の形状など、任意の形状を使用することが可能である。各特徴の個々のサイズ(直径または長さ)は、例えば、100μm未満であり得る。いくつかの実施例では、各特徴の個々のサイズ(直径または長さ)は、例えば、150μm未満であり得る。次に、第1のエミッタ領域が除去された場所にドーピング層を形成し、次にドーピング層から基板にドーパントを駆動することによって、第2のエミッタ領域(例えば、シリコン基板におけるP+領域)を作製することができる。第2の絶縁誘電体層(例えば、SiOx、SiNx、またはSiONx)は、ドーピング層の頂部に形成され得る。第2の絶縁層の部分の選択的除去は、第2のエミッタ極性フィンガーのために空間的に閉じ込められたドーピング層(およびその下のドープされた「第2のエミッタ」領域)の頂部で直接整合し、かつ第1のエミッタ極性フィンガーのために第1のエミッタの頂部で整合することによって実行される。一実施形態では、異なる極性間のシャントを避けるために、第2のエミッタ領域上の接点孔は、エミッタ領域のサイズ未満である。上述したような実施例において、第1のエミッタ領域は、n+ポリシリコンを含むことができ、この場合、第2のエミッタ領域は、シリコン基板中のp+領域を含み得る。別の実施例では、第1のエミッタ領域は、p+ポリシリコンを含むことができ、この場合、第2のエミッタ領域は、シリコン基板中のn+領域を含み得る。
【0027】
例示的な構造体として、
図1は、本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池の断面図および対応する平面図を示している。平面図は、構造体128および124の下の開口部を描写するために、構造体128および124が平面図から削除されていることに留意して、軸130を通って描写されている。
【0028】
図1を参照すると、太陽電池100は、単結晶シリコン基板のなどの基板102を含む。基板102は、後側104および前側106を有し、前側106は後側104に対向している。いくつかの実施形態では、前側106は前表面と呼ばれ得、後側104は後表面と呼ばれ得る。実施形態において、前側は、構造化された表面107を有することができる。構造化された表面は、入射光を散乱させ、太陽電池100の受光面および/または露出面からの反射光の量を減少させるための規則的または不規則的な形状の表面を有するものであり得る。反射防止コーティング層108は、描写されているように、構造化された表面107にコンフォーマルされ得る。
【0029】
再び
図1を参照すると、半導体層112が基板102の上にある。第1の複数の個別の開口部114は、半導体層112内にあり、半導体基板102の対応する個別の部分103を露出させる。複数のドープ領域(斜線103として示される)は、半導体基板102内にあり、第1の複数の個別の開口部114に対応する。絶縁層118は、半導体層112の上にあり、第1の複数の個別の開口部114内にある。第2の複数の個別の開口部122は、絶縁層118内にあり、複数のドープ領域103の対応する部分を露出させる。
【0030】
実施形態では、描かれているように、第2の複数の個別の開口部122の各1つが、第1の複数の個別の開口部114のうちの対応するものの周縁内にあり、かつ/または周縁内に完全にある。複数の導電性接点124は、第2の複数の個別の開口部122内にあり、複数のドープ領域103上にある。複数の個別の開口部が示されているが、別の実施形態では、個別ではない開口部を使用することもでき、そのような実施形態は、以下の
図6に記載されている。
【0031】
実施形態において、描かれているように、太陽電池100は、絶縁層118内の第3の複数の個別の開口部126をさらに含む。第3の複数の個別の開口部126は、半導体層112の対応する個別の部分を露出させる。第2の複数の導電性接点128は、第3の複数の個別の開口部126内で、半導体層112の対応する個別の部分上にある。一実施形態では、描かれているように、複数の導電性接点124(ひいては第2の複数の個別の開口部122)は、第1の一方向性の導電性接点の列である。第2の複数の導電性接点128(ひいては、第3の複数の個別の開口部126)は、第1の一方向性列の導電性接点124と平行な第2の一方向性列の導電性接点128である。
図1の平面図では、各々2つの列が交互に示されていることが理解されよう。
【0032】
実施形態では、描かれているように、半導体層112は、基板102上の薄型誘電体層110上にある。さらに薄型誘電体層110内には、第1の複数の個別の開口部114がある。実施例において、薄型誘電体層110は、トンネル誘電体層(例えば、トンネル酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン酸化物)などの薄型酸化物層であり得る。実施形態において、薄型誘電体層110は、約2ナノメートル以下の厚さを有することができる。
【0033】
実施形態において、半導体層112は、多結晶シリコン層であり得る。実施形態において、半導体層112は、第1の導電型を含み得る。実施例において、半導体層112は、第1の導電型の第1の多結晶シリコン層であり得る。
【0034】
具体的な実施形態では、第1の導電型は、N型(例えば、リンまたはヒ素の不純物原子を用いて形成される)である。別の具体的な実施形態では、第1の導電型は、P型(例えば、ホウ素不純物原子を用いて形成される)である。いくつかの実施形態では、第1の半導体層は、プレドープされた多結晶シリコン層である。そのような一実施形態では、第1の半導体層は、特定の導電型(例えば、n型またはp型)を有して形成されている。
【0035】
実施形態では、絶縁層118は、ドーピングソース層である。描かれているように、太陽電池100は、半導体層112とドーピングソース層(118)との間に第2の絶縁層116をさらに含む。さらに第2の絶縁層116内には、第1の複数の個別の開口部114がある。描かれているような一実施形態では、太陽電池100は、ドーピングソース層(118)の上の反射防止コーティング層120をさらに含む。さらに反射防止コーティング層120内には、第2の複数の個別の開口部114がある。実施例において、反射防止コーティング層120は、窒化シリコン層を含み得る。
【0036】
実施形態において、ドーピングソース層(118)は、第2の導電型を有し得る。実施形態において、ドーピングソース層(118)は、半導体層112と反対の導電型である。実施例において、ドーピングソース層(118)は、P型(例えば、ホウ素原子を用いて形成される)である。別の実施例では、ドーピングソース層(118)は、N型(例えば、リン原子またはヒ素不純物原子を使用して形成される)である。
【0037】
実施形態では、半導体層112は第1の導電型を有し、複数のドープ領域103は第1の導電型と反対の第2導電型を有する。そのような一実施形態では、半導体層112はN型であり、複数のドープ領域103はP型であり、
図1の平面図に描かれたPNPN配置を提供する。別の実施形態では、半導体層112はP型であり、複数のドープ領域103はN型であり、一例ではあるが、
図1に示すNPNP配置の代替物を提供する。
【0038】
いくつかの実施形態では、導電性接点124および128は、メッキされた金属を含み得る。実施例において、導電性接点124および128は、他の金属の中でもとりわけ、メッキされた銅、スズ、チタン、タングステン、および/またはニッケルを含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、導電性接点124および128は、蒸着金属を含み得る。実施形態において、蒸着金属は、アルミニウムベースであり得る。そのような一実施形態では、アルミニウムベースの蒸着金属は、約0.3~20ミクロンの範囲の厚さを有し、約97%を超える量のアルミニウムと、約0~2%の範囲の量のケイ素とを含み得る。実施例において、アルミニウムベースの蒸着金属は、他の金属の中でもとりわけ、銅、チタン、チタンタングステン、ニッケル、および/またはアルミニウムを含み得る。実施形態において、アルミニウムベースの蒸着金属は、ブランケット蒸着プロセスから形成される。実施形態において、アルミニウムベースの蒸着金属は、金属シード層であり得る。いくつかの実施例では、蒸着金属は、蒸着アルミニウムであり得る。一実施形態では、本明細書に記載される導電性接点は、他の金属の中でもとりわけ、銅、スズ、ニッケル、および/またはアルミニウムを含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、導電性接点124および128は、金属箔を含み得る。実施例において、導電性接点124および128は、アルミニウムまたはアルミニウム箔を含み得る。実施形態では、金属箔は、約5~100ミクロンの範囲の厚さを有するアルミニウム(Al)箔である。一実施形態では、Al箔は、アルミニウムと、銅、マンガン、シリコン、マグネシウム、亜鉛、スズ、リチウム、またはそれらの組み合わせなどの第2の元素と、を含むアルミニウム合金箔であるが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、Al箔は、Fグレード(製造したまま)、Oグレード(軟化させたもの)、Hグレード(加工硬化したもの)またはTグレード(熱処理をしたもの)などの調質グレード箔であるが、これらに限定されるものではない。一実施形態では、アルミニウム箔は、陽極酸化処理されたアルミニウム箔である。別の実施形態では、アルミニウム箔は、陽極酸化処理されていない。
【0041】
いくつかの実施形態では、導電性接点124および128は、導電性ワイヤを含み得る。実施形態において、導電性ワイヤは、導電性材料(例えば、スズ、銀、ニッケル、または有機はんだ付け性保護剤などのコーティングが施されているもしくは施されていない、アルミニウム、銅、または別の適切な導電性材料などの金属)を含み得る。実施例において、導電性ワイヤは、熱圧着、超音波接合、または熱音波接合プロセスによって半導体領域に接合され得る。一実施例では、導電性ワイヤは、半導体領域上の金属シードまたは金属ペースト材料に接合され得る。
【0042】
実施形態において、第1の複数の個別の開口部114の各々は、
図1の平面図と、本開示の別の実施形態による、太陽電池のメタライゼーション構造体を形成するための開口部を示す平面図である
図2Aとに描かれているように、略円形であり、第2の複数の個別の開口部122の各々は、略円形である。
【0043】
しかしながら、第1の複数の個別の開口部114および第2の複数の個別の開口部122のいずれか一方または両方の開口部の形状は、円形である必要はないことを理解されたい。第1の複数の個別の開口部114および第2の複数の個別の開口部122のいずれか一方または両方の開口部の形状は、総面積が小さく、かつ整合要件(例えば、第2の開口部が、第1の開口部内にあり、かつ/または第1の開口部の完全に内側にある)を満たす限り、任意の形状であってもよい。実施例において、第1の複数の個別の開口部114および第2の複数の個別の開口部122のいずれか一方または両方の開口部の形状は、正方形、長方形、または楕円形等であり得る。
【0044】
実施形態において、
図1の平面図および
図2Aに描かれているように、第2の複数の個別の開口部122のうちの1つ以上は、第1の複数の個別の開口部114のうちの対応する1つ以上のものの周縁内の中心にある。しかし、別の実施形態では、第2の複数の個別の開口部122の1つ以上が、第1の複数の個別の開口部114のうちの対応する1つ以上のものの周縁内で中心から外れている。実施例のように、
図2Bは、本開示の別の実施形態による、太陽電池の複数のメタライゼーション構造体を形成するための複数の開口部を示す平面図である。
図2Bを参照すると、252の開口部の左列および右列は中心から外れているが、第2の複数の個別の開口部122が第1の複数の個別の開口部114のうちの対応する1つ以上のものの周縁内に完全にあるので依然として受け入れ可能である。252の開口部の左列は、わずかに中心から外れており、252の開口部の右列は、より中心から外れている。一方、254の開口部の列の下にある個別の開口部262は、対応する個別の開口部114の周縁の完全に内側にないので、受け入れられない。
【0045】
図3は、本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を含むフローチャート図である。
【0046】
図3のフローチャート300を参照すると、動作302において、半導体層が基板の上方に形成される。実施形態において、半導体層は、多結晶シリコン層であり得る。実施例において、半導体層は、P型またはN型多結晶シリコン層であり得る。
【0047】
一実施形態では、動作304において、第1の複数のエミッタ領域が半導体層の部分に形成され、第2の複数のエミッタ領域が基板の部分に形成され、第2の複数のエミッタ領域は、半導体層における複数の個別の開口部に形成されている。実施形態において、第1の複数のエミッタ領域は、半導体層におけるドープ領域を含み得る。実施形態において、第2の複数のエミッタ領域は、基板内のドープ領域を含み得る。実施形態において、半導体層内の複数の個別の開口部は、レーザアブレーションプロセスを使用して形成され、これは、後続のエッチングプロセスを伴い得る。一実施形態では、第1の複数の個別の開口部は、スクリーン印刷エッチングプロセスを用いて形成される。
【0048】
一実施形態では、動作306において、基板の上方に配置された絶縁層に複数の個別の開口部が形成され、複数の個別の開口部は、第1および第2の複数のエミッタ領域の上方に形成される。実施形態において、第2の複数のエミッタ領域の上方に形成された絶縁層内の複数の個別の開口部は、(例えば、動作304から)半導体層内の複数の個別の開口部の完全に内側で形成されている。実施形態において、第2の複数のエミッタ領域の上方に形成された絶縁層内の複数の個別の開口部は、半導体層内の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁の完全な内側で形成される。一実施形態では、動作306において、絶縁層内に複数の個別の開口部を形成することは、半導体層内の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内に中心を合わせて複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む。一実施形態では、動作306において、絶縁層内に複数の個別の開口部を形成することは、半導体層内の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内で中心から外れて、絶縁層内に複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む。
図4は、本開示の別の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する別の方法における様々な動作を含むフローチャート図である。
図4のフローチャート400を参照すると、動作402において、半導体基板の上の半導体層。動作404において、半導体層の上に絶縁層が形成される。動作406において、絶縁層内および半導体層内に第1の複数の個別の開口部が形成される。第1の複数の個別の開口部は、半導体基板の対応する個別の部分を露出させる。動作408において、絶縁層の上および第1の複数の個別の開口部内にドーピングソース層が形成される。動作410において、第1の複数の個別の開口部に対応する複数のドープ領域が半導体基板内に形成される。複数のドープ領域は、ドーピングソース層から形成され得る。動作412において、第2の複数の個別の開口部が、レーザアブレーションプロセスを使用してドーピングソース層内に形成される。動作414において、第2の複数の個別の開口部内および複数のドープ領域の上に複数の導電性接点が形成される。
【0049】
実施形態において、動作414を実行する前、後、または同時に、本方法は、ドーピングソース層内および絶縁層内に第3の複数の個別の開口部を形成することをさらに含む。第3の複数の個別の開口部は、半導体層の対応する個別の部分を露出させる。第3の複数の個別の開口部内および半導体層の対応する個別の部分上で第2の複数の導電性接点が形成される。
【0050】
一実施形態では、動作406において、第1の複数の個別の開口部は、レーザアブレーションプロセスを使用して形成され、これは、後続のエッチングプロセスを伴うことができる。一実施形態では、動作406において、第1の複数の個別の開口部は、スクリーン印刷エッチングプロセスを用いて形成される。
【0051】
一実施形態では、動作414において、第2の複数の個別の開口部の各1つが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁の完全に内側で形成される。一実施形態では、動作414において、第2の複数の個別の開口部を形成することが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内の中心にある第2の複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む。一実施形態では、動作414において、第2の複数の個別の開口部を形成することが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内で中心から外れた第2の複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む。
【0052】
図3および/または
図4に関連して上述した動作の組み合わせを含む例示的なプロセス方式として、
図5A~
図5Eは、本開示の実施形態による、整合メタライゼーションを有する太陽電池を作製する方法における様々な動作を表した断面図である。
【0053】
図5Aを参照すると、太陽電池500は、単結晶シリコン基板のなどの半導体基板502を含む。基板502は、後側504および前側506を有し、前側506は後側504に対向している。いくつかの実施形態では、前側506は前表面と呼ばれ得、後側504は後表面と呼ばれ得る。実施形態において、前側は、構造化された表面507を有することができる。構造化された表面507は、入射光を散乱させ、結果として得られる太陽電池の受光面および/または露出面からの反射光の量を減少させるための規則的または不規則的な形状の表面を有するものであり得る。反射防止コーティング層508は、描写されているように、構造化された表面107にコンフォーマルされ得る。
【0054】
半導体層512は、半導体基板502の上に形成されている。絶縁層514は、半導体層512の上に形成されている。一実施形態では、描かれているように、薄型誘電体層510が半導体基板502上に形成され、半導体層512は薄型誘電体層510上に形成されている。
【0055】
実施形態において、構造化された表面507は、基板の前側で実行される構造化プロセスを使用して形成される。実施例において、水酸化物ベースの湿式エッチャントを使用して、基板の前側に構造化された表面を形成することができる。しかしながら、前側の構造化は、プロセスフローから省略され得ることを理解されたい。実施形態において、構造化プロセスの前または同時にまたは単一のプロセス動作で、基板を洗浄、研磨、平坦化および/または薄層化することができる。実施例において、構造化プロセスの前および/または後に、湿式化学洗浄プロセスを実行することができる。構造化プロセスは、作製プロセスの開始時に実行することができるが、別の実施形態では、構造化プロセスは、作製プロセスでの別の動作で実行することができる。実施例において、構造化プロセスは代替的にパターニングプロセスに続いて実行され得る。一実施例では、構造化プロセスは、熱プロセスの前に実行することができる。このような一実施例では、構造化プロセスは、パターニング(例えば、多結晶シリコン領域のパターニング)の後に、熱プロセスの前に実行することができる。実施形態において、薄型誘電体層510は、酸化プロセスで形成することができ、トンネル誘電体層(例えば、酸化シリコン)のなどの薄型酸化物層である。一実施形態では、薄型誘電体層510は、蒸着プロセスで形成することができる。実施形態において、薄型誘電体層510は、薄型酸化物層またはシリコン酸窒化物層である。実施形態において、薄型誘電体層510を形成することは、薄型誘電体層510を約2ナノメートル以下の厚さで形成することを含み得る。実施例において、熱プロセスまたはオーブンを使用して、薄型誘電体層510を成長させることができる。
【0056】
実施形態において、半導体層512を形成することは、多結晶シリコン層を形成することを含み得る。実施形態において、半導体層512を形成することは、薄型誘電体層510上にシリコン層を形成することを含み得る。実施例において、シリコン層を形成することは、薄型誘電体層510の上にN型シリコン層を成長させることを含み得る。他の実施形態において、シリコン層は、P型シリコン層であり得る。実施形態において、シリコン層はアモルファスシリコン層である。このような一実施形態では、アモルファスシリコン層は、低圧化学気相成長(LPCVD)またはプラズマエンハンスト化学気相成長(PECVD)を用いて形成される。実施形態において、シリコン層は、多結晶シリコンであり得る。実施形態において、熱プロセスおよび/またはオーブンで薄型誘電体層510上にシリコン層を成長させる。一実施形態では、薄型誘電体層510およびシリコン層は、同一のあるいは単一のオーブン内で、および/または同一のあるいは単一のプロセス動作で成長させることができる。別の実施形態では、シリコン層は、非ドープで形成することができる。このような一実施形態では、シリコン層上にドーパント層を形成することができ、熱プロセスを実行して、ドーパント層からシリコン層へドーパントを駆動し、第2の導電型(例えば、N型またはP型)を有するシリコン層を得ることができる。
【0057】
図5Bを参照すると、第1の個別の開口部516は、絶縁層514内に、半導体層512内に、および薄誘電体層510が含まれる場合には、薄誘電体層510内に形成される。第1の個別の開口部516は、半導体基板502の対応する個別の部分を露出させる。実施形態において、第1の個別の開口部516の直径は、例えば、70μm未満である。
【0058】
実施形態において、レーザアブレーションプロセス(例えば、直接書刻)を使用して、第1の個別の開口部516を形成することができる。実施例において、絶縁層514のパルス(fs-ps範囲)レーザアブレーションは、10~15秒から10~7秒の間のパルス持続時間で、レーザ波長は248~535nmのレーザを用いて行われ、その後、半導体層512の選択的エッチングが行われる。実施形態において、リソグラフィまたはスクリーン/インクジェット印刷マスキングおよび後続のエッチングプロセスを使用して、第1の個別の開口部516を形成することができる。実施例において、マスクを形成し、後続の湿式化学エッチングプロセスを実行して、接点開口部を形成することができる。いくつかの実施形態では、マスクを除去するために湿式化学洗浄プロセスを実行することができる。実施形態において、任意の他のリソグラフィプロセス、例えば、インクジェットプロセスなどを使用することができる。一実施形態では、レーザアブレーションプロセス、リソグラフィ(例えば、スクリーン印刷)およびエッチングプロセスの組み合わせを実行して、第1の個別の開口部516を形成することができる。実施例において、第1の個別の開口部516を形成することは、レーザアブレーションプロセスおよびエッチングプロセス(例えば、マスキングおよび湿式化学エッチングプロセス)を実行することを含み得る。
【0059】
図5Cを参照すると、ドーピングソース層524は、絶縁層514の上および第1の個別の開口部516内に形成されている。ドープ領域は、第1の個別の開口部516に対応する半導体基板502の領域に形成され得る。このような一実施形態では、ドープ領域は、ドーピングソース層524から形成される。実施形態において、描かれているように、反射防止コーティング層526がドーピングソース層524の上に形成されている。
【0060】
実施形態において、ドーピングソース層524から基板502にドーパントを駆動するための熱プロセスを実行することによって、半導体基板502の領域にドープ領域を形成することができる。実施形態において、ドーパントの導電型はP型であり、例えば、ドーパントはホウ素ドーパントである。実施例において、熱プロセスは、約900℃以上に温度を加熱して、ドーピングソース層524から基板502の部分へドーパントを駆動することを含み得る。
【0061】
図5Dを参照すると、第2の個別の開口部528は、ドーピングソース層524内に形成され、反射防止コーティング層526が含まれる場合には反射防止コーティング層526内に形成される。一実施形態では、第2の個別の開口部528は、レーザアブレーションプロセスを使用して形成される。いくつかの実施形態では、第2の個別の開口部528は、レーザアブレーションプロセスおよびエッチングプロセスを使用して形成される。実施形態において、第2の個別の開口部528を形成する前、後、または同時に、第3の個別の開口部530がドーピングソース層524内および絶縁層514内に、また反射防止コーティング層526が含まれる場合には反射防止コーティング層526内に形成される。第3の個別の開口部530は、半導体層512の対応する個別の部分を露出させる。
【0062】
実施例において、第2の個別の開口部528の直径は、30μm未満である。別の実施例では、第2の個別の開口部528の直径は、第1の個別の開口部516の直径の約半分である。実施形態において、第2の個別の開口部は、接点孔用のネガレジストの第1のスクリーン/インクジェット印刷によって形成され、その後、10~15秒から10~7秒の間のパルス持続時間で、248~535nmの間のレーザ波長のレーザを用いて実行されるパルス(fs-ps範囲)レーザアブレーションによって形成される。
【0063】
実施形態において、第2の個別の開口部528および第3の個別の開口部530を形成するためのパターニングプロセスは、同一または単一の動作で(例えば、同一または単一のレーザプロセスチャンバ内のレーザを使用して)実行することができ、あるいは、別々に(例えば、第1の絶縁層および第2の絶縁層内に接点開口部を形成するために別々のレーザパターニングプロセスが使用できる)実行することも可能である。
【0064】
実施形態において、ドーピングソース層524および反射防止コーティング層526は、特定のレーザ波長に対して、開口部516の上で高吸収性となるように、かつ開口部516(例えば、半導体層512の上)の外の領域の上で高反射性となるように構成され得る。実施例において、緑色レーザ(例えば、約532nmの波長)に対して、近似的な膜材料(例えば、ドーピングソース層524および/または反射防止コーティング層526)は、開口部516の上で約800オングストローム、半導体層512の上で約1300オングストロームであり得る。一実施例では、酸化窒化物スタックを含む膜材料に対して、次に、反射率最小値は、P型接点上(例えば、開口部516の上)で532nm付近であり得、反射率最大値は、N型接点上(例えば、半導体層512の上)である。同じ例では、これは、N型接点プロセス(例えば、半導体層512の上)に必要なレーザ出力はより高くなり、P型接点プロセス(例えば、開口部516の上)に必要なレーザ出力はより低くなるため、Nフィンガー領域(例えば、半導体層512の上)に着陸する浮遊P接点(例えば、開口部516の上)が、より高い反射率の膜上に接点を開けない可能性がある。
【0065】
図5Eを参照すると、第1の導電性接点538は、第2の個別の開口部528内に形成され、ドープ領域が含まれる場合には、個別の開口部528によって露出された基板502の対応するドープ領域上に形成される。このような一実施形態では、描かれているように、第1の導電性接点538は、第1の個別の開口部516内にさらに形成される。実施形態において、同じく描かれているように、第2の導電性接点540は、第3の個別の開口部530内で、半導体層512の対応する露出した個別の部分上に形成される。
【0066】
実施形態において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を形成することは、第1の半導体層および第2の半導体層にスパッタリングプロセス、局所的な金属蒸着、ブランケット蒸着プロセス、メッキプロセス、金属箔のボンディングおよび/またはワイヤボンディングを実行することを含み得る。実施例において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540は、局所的に蒸着されたアルミニウム、アルミニウム箔および/またはアルミニウムワイヤを含み得る。実施形態において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540は、1つ以上の金属および/または金属合金を含み得る。実施例において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540は、他の金属の中でもとりわけ、アルミニウム、チタンタングステンおよび/または銅を含み得る。実施形態において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540は、1層、2層またはそれ以上の金属を含み得る。実施例において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540は、金属シード層を含み得る。実施形態において、金属シード層は、銅を含む第1の層、タングステンを含む第2の層、およびアルミニウムを含む第3の層を含み得る。
【0067】
実施形態において、熱圧縮プロセスは、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を電気的に接続するために使用され得る。実施例において、熱圧縮プロセスは、ワイヤまたは複数のワイヤを接着させるために使用され得る。一実施形態では、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540は、ボンディングまたは溶接された金属箔を含む。実施形態において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を形成することは、ブランケット蒸着プロセスを実行することを含み得る。実施例において、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を形成することは、電気メッキプロセスを実行することを含み得る。いくつかの実施例では、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を形成することは、金属シード層を形成するためにブランケット蒸着プロセスを行い、その後、金属をメッキし、第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を形成するためにパターニングプロセスを実行することを含み得る。実施例において、メッキプロセスを用いて第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を形成することは、基板を浴中に配置して、基板に金属をメッキし、第1および第2の導電性接点を形成することを含み得る。別の実施形態では、局所金属蒸着プロセスを使用して、1つのプロセス動作で第1の導電性接点538および第2の導電性接点540を形成することができる。
【0068】
特定の材料が、上述した実施形態を参照して具体的に記載されているが、いくつかの材料は、そのような実施形態が本開示の実施形態の精神および範囲内にとどまる形で、他のものと容易に置換され得る。例えば、実施形態において、III-V族材料基板などの異なる材料基板を、シリコン基板の代わりに用いることができる。加えて、バックコンタクト型太陽電池の配置について詳しく言及されているが、本明細書に記載のアプローチは、フロントコンタクト型太陽電池にも適用可能であることを理解されたい。他の実施形態において、上述したアプローチは、太陽電池以外の製造に適用することができる。例えば、発光ダイオード(LED)の製造は、本明細書に記載されるアプローチから利益を得ることができる。さらに、N+およびP+型のドーピングが具体的に記載されている所では、企図されている他の実施形態は、反対の導電型、例えば、P+およびN+型のドーピングをそれぞれ含むことを理解されたい。
【0069】
このように、太陽電池を製造するための整合メタライゼーションアプローチ、および結果として得られた太陽電池が、本明細書に開示されている。上記の構造体および技術は、太陽電池ストリング、光起電力性(PV)積層体および光起電力性(PV)モジュールなどの太陽電池製品に容易に適用および使用することができる。
【0070】
具体的な実施形態が上述されてきたが、これらの実施形態は、特定の特徴に関して単一の実施形態のみが説明される場合であっても、本開示の範囲を限定することを意図されない。開示で提供される特徴の実施例は、別段の定めがある場合を除き、制約的であることよりも、むしろ例示的であることを意図するものである。上記の記載は、本開示の利益を有する当業者には明らかとなるような、変更、修正、およびなど価物を包含することを意図するものである。
【0071】
本開示の範囲は、本明細書で対処される問題のいずれかまたは全てを軽減するか否かにかかわらず、本明細書で(明示的または暗示的に)開示される、あらゆる特徴または特徴の組み合わせ、もしくはこれらのあらゆる一般化を含む。したがって、本出願(または、本出願に対する優先権を主張する出願)の実施の間に、任意のそのような特徴の組み合わせに対して、新たな請求項を形式化することができる。具体的には、添付の請求項を参照して、従属請求項からの特徴を、独立請求項の特徴と組み合わせることができ、それぞれの独立請求項からの特徴を、任意の適切な方式で、単に添付の請求項で列挙される具体的な組み合わせのみではなく、組み合わせることができる。
【0072】
以下の実施例は、さらなる実施形態に関連するものである。異なる実施形態の様々な特徴は、様々に異なる用途に適するように、いくつかの特徴を含み、他の特徴を除外して、様々に組み合わせられ得る。
例示的な実施形態1:太陽電池は、半導体基板の上の半導体層を含む。第1の複数の個別の開口部は半導体層内にあり、半導体基板の対応する個別の部分を露出させる。複数のドープ領域が、半導体基板内にあり、第1の複数の個別の開口部に対応する。絶縁層は、半導体層の上にあり、かつ第1の複数の個別の開口部内にある。
第2の複数の個別の開口部は、絶縁層内にあり、複数のドープ領域の対応する部分を露出させる。第2の複数の個別の開口部の各1つが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある。複数の導電性接点は、第2の複数の個別の開口部内および複数のドープ領域上にある。
例示的な実施形態2:第1の複数の個別の開口部の各々が略円形であり、第2の複数の個別の開口部の各々が略円形である、例示的な実施形態1に記載の太陽電池。
例示的な実施形態3:第2の複数の個別の開口部の1つ以上が、第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内の中心にある、例示的な実施形態1または2に記載の太陽電池。
例示的な実施形態4:第2の複数の個別の開口部の1つ以上が、第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内で中心から外れている、例示的な実施形態1、2または3に記載の太陽電池。
例示的な実施形態5:太陽電池が、絶縁層内の第3の複数の個別の開口部であって、半導体層の対応する個別の部分を露出させる、第3の複数の個別の開口部と、第3の複数の個別の開口部内および半導体層の対応する個別の部分上の第2の複数の導電性接点と、をさらに備える、例示的な実施形態1、2、3、または4に記載の太陽電池。
例示的な実施形態6:複数の導電性接点が、第1の一方向性列の導電性接点であり、第2の複数の導電性接点が、第1の一方向性列の導電性接点と平行な第2の一方向性列の導電性接点である、例示的な実施形態5に記載の太陽電池。
例示的な実施形態7:半導体層が、基板上の薄型誘電体層上にあり、第1の複数の個別の開口部が、薄型誘電体層内にさらにある、例示的な実施形態1、2、3、4、5または6に記載の太陽電池。
例示的な実施形態8:絶縁層がドーピングソース層であり、太陽電池が、半導体層とドーピングソース層との間の第2の絶縁層をさらに備え、第1の複数の個別の開口部が、第2の絶縁層内にさらにある、例示的な実施形態1、2、3、4、5、6または7に記載の太陽電池。
例示的な実施形態9:ドーピングソース層の上に反射防止コーティング層をさらに備え、第2の複数の個別の開口部が、反射防止コーティング層内にさらにある、例示的な実施形態8に記載の太陽電池。
例示的な実施形態10:半導体層が、第1の導電型を有し、複数のドープ領域が、第1の導電型とは逆の第2の導電型を有する、例示的な実施形態1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の太陽電池。
例示的な実施形態11:太陽電池を作製する本方法は、基板の上方の半導体層内に第1の複数の個別の開口部を形成することを含む。本方法はまた、第1の複数の個別の開口部内に絶縁層を形成することを含む。本方法はまた、レーザアブレーションプロセスを使用して絶縁層内に第2の複数の個別の開口部を形成することを含む。第2の複数の個別の開口部の各1つが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある。
例示的な実施形態12:第1の複数の個別の開口部を形成することが、レーザアブレーションプロセスを使用することを含む、例示的な実施形態11に記載の方法。
例示的な実施形態13:第1の複数の個別の開口部を形成することが、スクリーン印刷エッチングプロセスを使用することを含む、例示的な実施形態11に記載の方法。
例示的な実施形態14:第2の複数の個別の開口部を形成することが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内の中心にある第2の複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む、例示的な実施形態11、12、または13に記載の方法。
例示的な実施形態15:太陽電池を作製する本方法は、半導体基板の上に半導体層を形成することを含む。本方法はまた、半導体層の上に絶縁層を形成することを含む。本方法はまた、絶縁層および半導体層内に第1の複数の個別の開口部を形成することを含み、第1の複数の個別の開口部は、半導体基板の対応する個別の部分を露出させる。本方法はまた、絶縁層の上および第1の複数の個別の開口部内にドーピングソース層を形成することを含む。本方法はまた、第1の複数の個別の開口部に対応する複数のドープ領域を半導体基板内に形成することを含み、複数のドープ領域はドーピングソース層から形成される。本方法はまた、レーザアブレーションプロセスを使用して、ドーピングソース層内の第2の複数の個別の開口部を形成することを含み、第2の複数の個別の開口部の各1つは、第1の複数の個別の開口部のうちの対応するものの周縁内に完全にある。本方法はまた、第2の複数の個別の開口部内および複数のドープ領域上に複数の導電性接点を形成することを含む。
例示的な実施形態16:第1の複数の個別の開口部を形成することが、レーザアブレーションプロセスを使用することを含む、例示的な実施形態15に記載の方法。
例示的な実施形態17:第1の複数の個別の開口部を形成することが、スクリーン印刷エッチングプロセスを使用することを含む、例示的な実施形態15に記載の方法。
例示的な実施形態18:ドーピングソース層内および絶縁層内に第3の複数の個別の開口部を形成することであって、半導体層の対応する個別の部分を露出させる、形成することと、第3の複数の個別の開口部内および半導体層の対応する個別の部分上で第2の複数の導電性接点を形成することと、をさらに含む、例示的な実施形態15、16または17に記載の方法。
例示的な実施形態19:第2の複数の個別の開口部を形成することが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内の中心にある第2の複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む、例示的な実施形態15、16、17、または18に記載の方法。
例示的な実施形態20:第2の複数の個別の開口部を形成することが、第1の複数の個別の開口部のうちの対応する1つ以上のものの周縁内で中心から外れている第2の複数の個別の開口部の1つ以上を形成することを含む、例示的な実施形態15、16、17、18、または19に記載の方法。
【0073】
以上、例示的な実施形態を示したが、以下、本開示の別の例示的な実施形態を示す。
【0074】
実施形態では、太陽電池は、半導体基板の上の半導体層を含む。連続開口部は半導体層内にあり、対応する半導体基板の連続部分を露出させる。ドープ領域は、半導体基板に位置し、連続開口部に対応することができる。絶縁層は、半導体層の上にあり、連続した開口部内にあり得る。絶縁層内の他の開口部は、ドープ領域の対応する部分を露出させることができる。絶縁層内のこれらの開口部の各々が、対応する連続開口部の周縁の完全に内側にあり得る。複数の導電性接点は、連続開口部内およびドープ領域上にある。
【0075】
実施例において、連続開口部は、非個別の構造体および/または開口部を含み得る。いくつかの実施例では、連続開口部は、他の形状の中でもとりわけ、線状、長方形状、重なり合う円形または長円形状の開口部を含み得る。実施例において、連続開口部は、個別の開口部、例えば、上記の個別の開口部の少なくとも2倍の面積を有する開口部を含み得る。実施例において、連続開口部は、全体的に隙間および/または切れ目なく太陽電池ドープ領域の実質的な部分を覆うことができる。実施例において、連続開口部は、重なり部分を有する個別の開口部を含むことができ、例えば、重なり部分がありながらも、例えば、円形、長円形、三角形、台形、多角形、楕円形および/または任意の他の種類の形状を含む連続開口部を形成することになる。
【0076】
また、本明細書では、太陽電池を作製する方法も開示する。一実施形態では、太陽電池を作製する方法は、基板の上方の半導体層内に連続開口部を形成することを含む。本方法はまた、連続開口部内に絶縁層を形成することを含む。本方法はまた、レーザアブレーションプロセスを使用して絶縁層内に複数の個別の開口部を形成することを含む。複数の個別の開口部の各1つが、連続開口部に対応する周縁内に完全にある。
【0077】
図6を参照すると、平面図(a)~(d)は、太陽電池のための様々な整合メタライゼーション構造体を表す図である。参考までに、
図6(a)は、比較のためのものであり、
図1の平面図の複製である。
図6(b)~(d)は、例えば、後述するように、
図1および
図6(a)に示される個別の開口部とは対照的に、例示的な連続開口部を示している。
【0078】
図6(a)を参照すると、複数の個別の開口部650が示されている。実施形態において、
図6(a)は、
図1の平面図に示されるものと同様の構造体、例えば、同一の構造体を示し、同様の参照番号は、
図1に記載される同一または同様の要素を参照する(例えば、500を足して、100番台から600番台に増やした増分番号で、
図6に表す)。実施例において、第1の複数の個別の開口部614は、
図1の複数の個別の開口部114に対応し得る。別の実施例では、第1の複数の個別の開口部614内の個別の部分/ドープ領域603は、
図1の個別の部分/ドープ領域103に対応し得る。
【0079】
再び
図6(a)を参照すると、実施形態では、個別の開口部614の個々のサイズ、例えば長さ/直径660、662は、約150μm未満とすることができる。一実施例では、ある辺660の長さは、別の辺662の長さと等しくなり得る。別の実施例では、側方660の長さは、側方662の長さよりもやや大きくすることができる。さらに別の実施例では、側方662の長さは、側方660の長さよりもやや大きくすることができる。実施例において、側方660の長さは約150μm未満とすることができ、一方、側方662の長さは約100μm未満とすることができる。実施形態において、個別の開口部614を分離する縁から縁までの距離664は、約100μm未満とすることができる。いくつかの実施例では、個別の開口部614を分離する縁から縁までの距離664は、約100μm未満であり、かつ約50μmを超え得る。実施形態において、複数の個別の開口部622のうちの1つと別の開口部との間の距離665は、約200μm未満とすることができる。実施形態では、複数の個別の開口部622のうちの1つと別の開口部との間の距離665は、約200μm未満であり、かつ約150μmを超え得る。
【0080】
上述および後述のように、
図6(b)~(d)は、
図1および
図6(a)に示される構造体に対する代替の構造体を示し、同様の番号および記載は、同一または同様の構造体を参照することができ、
図6(b)~(d)に記載される構造体は、
図1および
図6(a)に見出されるような構造体または同様の構造体と交換可能に使用することが可能である。
【0081】
図6(b)を参照すると、第1の連続開口部652のための実施例が示されている。第1の連続開口部652は、半導体層内にあり、半導体基板(例えば、
図1の112、102を参照)の対応する個別の部分/ドープ領域603を露出させる。絶縁層618および/または反射防止層620は、半導体層の上にあり、第1の連続開口部654内にある。複数の個別の開口部622は、絶縁層618/反射防止層620内にあり、ドープ領域103の対応する部分を露出させる。実施形態において、複数の個別の開口部622のうちの1つと別の開口部との間の距離665は、約200μm未満とすることができる。実施形態において、複数の導電性接点は、第1の連続開口部652内にあり得、複数のドープ領域603上にある。実施形態において、第1の連続開口部は、長円形、三角形、台形、多角形、楕円形および/または任意の他の種類の形状などの他の形状のうち、とりわけ図示のような長方形の形状を含み得る。
【0082】
図6(c)を参照すると、第2の連続開口部654のための実施例が示されている。実施形態において、
図6(c)は、
図6(b)に示されたものと同様の構造体、例えば、同じ構造体を示し、ここで、同様の参照番号は、
図6(b)に記載された同一または同様の要素を参照する。実施形態において、第2の連続開口部654は、例えば、第2の連続開口部654を形成する、重なり部分670を有する第1の複数の個別の開口部614を含み得る。実施形態において、第2の連続開口部654の第1の複数の個別の開口部614は、重なり部分670を有する円形、長円形、正方形等の形状の開口部(例えば、円形、長円形、正方形等)を含み得る。実施形態において、重なり670は、開口部が個別の開口部であるとした場合の総面積の50%未満を含み得る。実施形態において、複数の導電性接点は、第2の連続開口部654内にあり得、複数のドープ領域603上にある。
【0083】
図6(d)を参照すると、第3の連続開口部656のための実施例が示されている。実施形態において、
図6(d)は、
図6(c)および
図6(b)に示されたものと同様の構造体を示し、ここで、同様の参照番号は、
図6(c)および
図6(b)に記載された同一または同様の要素を参照する。実施例において、第3の連続開口部656は、複数の開口部622がより遠くに離間していることを除いて、
図6(c)の第2の連続開口部654と実質的に同様である。実施例において、第3の連続開口部656は、例えば、第3の連続開口部656を形成する、重なり部分670を有する第1の複数の個別の開口部614を含み得る。実施形態において、複数の個別の開口部622のうちの1つと別の開口部との間の距離667は、約400μm未満とすることができる。実施形態において、複数の個別の開口部622のうちの1つと別の開口部との間の距離667は、約400μm未満であり、かつ約200μmを超え得る。図示のように、第3の連続開口部656は、開口部622のうちの1つがない部分672を含み得る。実施例において、
図6(c)の第2の連続開口部654と比較して、開口部622のない部分672は、
図6(d)に示すように、複数の個別の開口部614のうちの1つにおいて開口部622間の場所に配置され得る。
【0084】
図6(a)~(d)に記載されたこのような実施形態を使用する利点は、改善されたキャリア寿命および低減された太陽電池直列抵抗を含み得ることである。例えば、
図6(a)に示す構成を有する太陽電池は、一実施例として、
図6(b)および(d)と同様の構成を有する太陽電池と比較して、n+シリコン基板中のp+ドープ領域が少ないため、
図6(b)および(d)と比較してキャリア寿命を向上させることができる。一実施例では、
図6(a)に示す構成を有する太陽電池は、一実施例では、より小さいp+接触面積を有することにより、
図6(c)の構成を用いる太陽電池と比較して、直列抵抗を低減させることができる。
図6(a)~(d)のある構成は他の構成に対して優位性を持ち得るが、実施例において、高いセル効率を維持しながら太陽電池を作製するためのプロセス動作を減らすことができる各構成が可能となった。
【0085】
このような構成は、一実施例として、p+領域をできるだけ小さく、理想的にはウェハ被覆率2%未満に調整することによって、短寿命p++c-Siエミッタ領域と長寿命N-polyエミッタとを組み合わせることができる。