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特許7389915フレキシブルスクリーンカバー、フレキシブルディスプレイパネル、フレキシブルスクリーン及び折り畳み式電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】フレキシブルスクリーンカバー、フレキシブルディスプレイパネル、フレキシブルスクリーン及び折り畳み式電子装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20231122BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231122BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20231122BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20231122BHJP
【FI】
G09F9/00 302
G09F9/00 313
G09F9/30 308Z
B32B7/022
B32B27/00 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022548107
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2020135067
(87)【国際公開番号】W WO2021159837
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-08-08
(31)【優先権主張番号】202010093247.8
(32)【優先日】2020-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リヤーン,シヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ファーンチュヨン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,フゥグオ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン,ミヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ゴーン,チイチュン
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/013366(WO,A1)
【文献】特開2018-067709(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0273383(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110647213(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105517796(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107633775(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108351547(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107867030(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルスクリーンカバーであって、
順次積層された保護層、主要層及びバッファ層を含み、
前記主要層及び前記バッファ層の組み合わせは、
1)前記主要層が、30μm~100μmの厚さ及び60GPa~90GPaの弾性率を有する極薄ガラスで構成され、前記バッファ層が、500Kpa~1Gpaの弾性率を有するポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンで構成され、前記バッファ層に対する前記主要層の弾性率比が60~180000であり、前記主要層に対する前記バッファ層の破断伸び率は10以上である、第1の組み合わせ、又は
2)前記主要層が、20μm~80μmの厚さ及び5GPa~8GPaの弾性率を有する無色ポリイミドで構成され、前記バッファ層が、500Kpa~1Gpaの弾性率を有するポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンで構成され、前記バッファ層に対する前記主要層の弾性率比が8~16000であり、前記主要層に対する前記バッファ層の破断伸び率は2以上である、第2の組み合わせ
のいずれかである、フレキシブルスクリーンカバー。
【請求項2】
前記バッファ層は、前記主要層と直接接触している、請求項1に記載のフレキシブルスクリーンカバー。
【請求項3】
前記バッファ層と前記主要層とは接着層を用いることにより互いに接着されている、請求項1又は2に記載のフレキシブルスクリーンカバー。
【請求項4】
記フレキシブルスクリーンカバーは強化層をさらに含み、前記強化層及び前記主要層は、前記保護層と前記主要層との間で積層され、前記強化層の弾性率は1MPa以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフレキシブルスクリーンカバー。
【請求項5】
前記強化層は、弾性率が少なくとも1MPaのポリマー材料でできている、請求項4に記載のフレキシブルスクリーンカバー。
【請求項6】
前記接着層は、光学的に透明な接着剤又は感圧接着剤である、請求項3に記載のフレキシブルスクリーンカバー。
【請求項7】
前記保護層は、積層された第1の保護層及び第2の保護層を含み、前記第2の保護層は、前記第1の保護層と前記主要層との間に位置し、前記第1の保護層の弾性率はGPaレベルである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のフレキシブルスクリーンカバー。
【請求項8】
前記第1の保護層及び前記第2の保護層は有機ポリマー材料でできている、請求項7に記載のフレキシブルディスプレイパネル。
【請求項9】
折り畳み式電子装置であって、
ハウジングと、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフレキシブルスクリーンカバーと、フレキシブルスクリーンとを含み、前記フレキシブルスクリーンカバーは前記フレキシブルスクリーン上に配置され、前記フレキシブルスクリーンは前記ハウジング内に設置されている、折り畳み式電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年2月14日に中国特許庁に出願された、「フレキシブルスクリーンカバー、フレキシブルディスプレイパネル、フレキシブルスクリーン及び折り畳み式電子装置」と題する中国特許出願第202010093247.8号の優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願はディスプレイ技術の分野に関し、特に、フレキシブルスクリーンカバー、フレキシブルディスプレイパネル、フレキシブルスクリーン及び折り畳み型電子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
折り畳み式フレキシブルスクリーンは、従来の携帯電話スクリーンに対する人々の印象を覆す。フレキシブルスクリーンは、フレキシブル有機ポリマー材料を用い、フレキシブルスクリーンの強度は、従来の携帯電話スクリーンよりもはるかに劣る。その結果、フレキシブルスクリーンの耐衝撃性能は比較的劣る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願はフレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善するために、フレキシブルスクリーンカバー、フレキシブルディスプレイパネル、フレキシブルスクリーン及び折り畳み可能電子装置を提供する。
【0005】
第1の態様によれば、本願はフレキシブルスクリーンカバーを提供する。フレキシブルスクリーンカバーは、フレキシブルディスプレイパネルを覆って、フレキシブルディスプレイパネルを保護し、ユーザがタッチするためのインターフェイスを提供するように構成されている。フレキシブルスクリーンカバーは可撓で曲げ可能な性能を有し、順次積層された保護層、主要層及びバッファ層を含む。バッファ層に対する主要層の弾性率比は8~180000である。保護層は、主要層を保護して主要層の信頼性を改善するように構成されている。保護層は、可撓で耐曲げ性の有機ポリマー材料でできていてもよい。主要層は高弾性率材料でできていてもよく、主要層は、比較的高い耐変形能力を有する。バッファ層は低弾性率の半透明材料でできていてもよく、バッファ層はフレキシブルディスプレイパネルに近い。
【0006】
フレキシブルスクリーンカバーは過渡的衝撃を受け、フレキシブルスクリーンカバーの機械的シナリオは、動的力学における応力波理論を用いて解析され得る。応力波理論によれば、バッファ層に対する主要層の材料弾性率比は8~180000(終点値を含む)である。つまり、主要層の弾性率はバッファ層の弾性率よりもはるかに大きく、主要層とバッファ層との波動インピーダンス差はかなり大きい。加えて、バッファ層の変形は適切な範囲内にあり、過剰ではないため、バッファ層と主要層との間の比較的安定した界面を維持できる。したがって、過渡的衝撃によって生じる応力波を、主要層とバッファ層との間の界面で適切に反射することができるため、反射された応力波によって多くのエネルギーが奪われ、透過応力波は、より少ないエネルギーでバッファ層に入る。したがって、フレキシブルディスプレイパネルが受ける衝撃エネルギーも少なくなる。これにより、フレキシブルディスプレイパネルに対する衝撃を効果的に低減させ、フレキシブルディスプレイパネルの破損のリスクを効果的に低減させることができる。したがって、バッファ層を主要層の片側に配置し、バッファ層に対する主要層の弾性率比が8~180000の適切な範囲内にあることを確実にすることで、フレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善できる。
【0007】
一実施では、バッファ層は主要層と直接接触している。直接接触とは、それら2つが追加の接着剤を用いて接続されることなく直接積層されていることを意味する。例えば、バッファ層は、噴霧又はスクリーン印刷等のコーティングプロセスを通じて主要層の表面に形成され得るか又は主要層へのバッファ層の取り付けは、先ず積層して、次に硬化する方法で実施され得る。直接接触は、衝撃を受けた主要層の歪みを低減し、過度の変形によって生じる主要層の破損を回避し、フレキシブルスクリーンカバーの信頼性を改善し、フレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善させることができる。
【0008】
一実施では、主要層に対するバッファ層の破断伸び率は2以上である。主要層が衝撃を受けると、バッファ層は主要層に耐性を与えて主要層の変形に抗することができるため、主要層が破損するリスクを低減し、フレキシブルスクリーンカバー及びフレキシブルスクリーン全体の耐衝撃性能を改善する。
【0009】
一実施では、主要層は極薄ガラスできており、フレキシブルスクリーンカバーは強化層を含み、強化層及び主要層は、保護層と主要層との間で積層され、強化層の弾性率は1MPa以上である。強化層は、例えば、アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミド又はエポキシ樹脂等のポリマー材料でできていてもよい。強化層を配置することにより、超薄ガラスでできた主要層の強度を改善でき、主要層が破損するリスクを低減できるため、フレキシブルスクリーンカバー及びフレキシブルスクリーン全体の耐衝撃性能を改善できる。
【0010】
一実施では、強化層は主要層と直接接触している。つまり、強化層と主要層とは、追加で配置される接着剤を用いて接着されておらず、直接積層されている。例えば、強化層は、コーティングプロセスを通じて主要層の表面に形成され得るか又は強化層は、強化層と主要層とを直接接着するための接着フィルムである。直接接触法は、主要層を保護する最適な効果を有し、主要層が破損するリスクが最も低いことが耐衝撃試験を通じて立証されている。
【0011】
一実施では、主要層は無色ポリイミドでできており、バッファ層に対する主要層の弾性率比は8~16000である。無色ポリイミドは比較的良好な靭性を有しており、無色ポリイミドの破断点伸びは15%~40%に達し得るため、無色ポリイミドでできた主要層は、屈曲シナリオに良好に適合させることができる。加えて、バッファ層に対するこのような主要層の弾性率比を8~16000に設定することにより、そのような主要層を有するフレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善できる。
【0012】
一実施では、バッファ層は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンエラストマでできている。これらの材料は成熟しており、信頼性の高い性能を有するため、これらの材料と主要層との間にエネルギー反射界面を良好に形成できる。
【0013】
一実施では、保護層は、積層された第1の保護層及び第2の保護層を含み、第2の保護層は、第1の保護層と主要層との間に位置し、第1の保護層の弾性率はGPaレベルである。例えば、第1の保護層は、アラミド、無色ポリイミド又はポリエチレンテレフタレート等の有機ポリマー材料でできていてもよい。第2の保護層は無色ポリイミドを用いり得る。第1の保護層の弾性率は、第2の保護層の弾性率以上であり得る。2つの保護層を配置することにより、フレキシブルスクリーンカバーの保護厚さを増やすことができ、外側の第1の保護層を製造するためにより高い弾性率を有する材料を用いることで、フレキシブルスクリーンカバーの耐変形性を改善できる。一般に、この設計は、フレキシブルスクリーンカバー及びフレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善する。
【0014】
一実施では、硬化層は、硬化プロセスを介して、第2の保護層から離れた第1の保護層の表面に形成され得る。硬化層を配置することにより、第1の保護層の耐摩耗性及び硬度を改善でき、ユーザのタッチフィードバックを改善できる。
【0015】
第2の態様によれば、本願はフレキシブルディスプレイパネルを提供する。フレキシブルディスプレイパネルは、順次積層された第1のバッファ層、偏光子、第2のバッファ層及びディスプレイ層を含み、偏光子は、ディスプレイ層の発光側に位置し、第1のバッファ層に対する偏光子の弾性率比は4~10000であり、第2のバッファ層に対する偏光子の弾性率比は4~10000である。フレキシブルディスプレイパネルはフレキシブルスクリーンカバーと共に用いてもよく、フレキシブルディスプレイパネルはOLEDディスプレイパネルであり得る。第1のバッファ層及び第2のバッファ層のそれぞれの材料の種類及びパラメータ値は、前述のバッファ層の材料の種類及びパラメータ値と同じであってもよい。ディスプレイ層はOLEDコンポーネントを含み、ディスプレイ層は、電界の下で光を放射してディスプレイを実施できる。
【0016】
応力波理論によれば、偏光子と、偏光子の両側の第1のバッファ層及び第2のバッファ層との波動インピーダンス差は比較的大きく、適切な範囲内にあるため、主要層と第1のバッファ層との間の界面で減衰する応力波のエネルギーは、第1のバッファ層と偏光子との間の界面で減衰し、偏光子と第2のバッファ層との間の界面でさらに減衰するため、最終的にディスプレイ層に入るエネルギーが大幅に低減されるため、ディスプレイ層が破損するリスクを効果的が低減され、異常表示が回避される。つまり、フレキシブルディスプレイパネル及びフレキシブルスクリーンの耐衝撃性能が改善される。
【0017】
一実施では、偏光子は、第2のバッファ層と直接接触する。直接接触とは、それら2つが追加の接着剤を用いて接続されることなく直接積層されていることを意味する。例えば、バッファ層は、噴霧又はスクリーン印刷等のコーティングプロセスを通じて偏光子の表面に形成され得るか又は偏光子へのバッファ層の取り付けは、先ず積層して、次に硬化する方法で実施され得る。直接接触は、衝撃を受けた偏光子の歪みを低減し、過度の変形によって生じる偏光子の破損を回避できる。
【0018】
一実施では、前記第1のバッファ層は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンエラストマでできている及び/又は前記第2のバッファ層は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンエラストマでできている。第1のバッファ層及び第2のバッファ層の材料は同じであっても、異なっていてもよい。材料は成熟しており、信頼性の高い性能を有しているため、材料と偏光子との間にエネルギー反射界面を良好に形成できる。
【0019】
一実施では、フレキシブルディスプレイパネルは第3のバッファ層及びサポート層を含み、第3のバッファ層、サポート層及びディスプレイ層は積層され、全てディスプレイ層のバックライト側に位置し、第3のバッファ層に対するサポート層の弾性率比は2~500000である。第3のバッファ層は低弾性率材料でできていてもよく、第3のバッファ層は半透明又は非半透明であり得る。サポート層は、フレキシブルディスプレイパネル全体のバックサポート及び保護構造として用いられる。サポート層は、チタン合金、ステンレス鋼、銅箔又はマグネシウムアルミニウム合金等の金属材料又は無色ポリイミド、アラミド又はポリエチレンテレフタレート等の高弾性率の有機材料でできていていもよい。1つの第3のバッファ層及び1つのサポート層があってもよい。この場合、これら2つのうちの1つはディスプレイ層に近く、他方はディスプレイ層から離れている。
【0020】
応力波理論によれば、サポート層と第3のバッファ層との間の界面は、高弾性率材料と低弾性率材料との間に形成されるため、フレキシブルディスプレイパネルの背面からの応力波のエネルギーを減衰させることができるため、最終的にディスプレイ層に入るエネルギーが低減されることにより、ディスプレイ層への衝撃が低減され、フレキシブルディスプレイパネルの背面への衝撃が効果的に緩和される。
【0021】
一実施では、少なくとも1つのサポート層があり、少なくとも2つの第3のバッファ層があり、少なくとも1つのサポート層及び少なくとも2つの第3のバッファ層は交互に積層され、第3のバッファ層のうちの1つはディスプレイ層に隣接し、ディスプレイ層及び全てのサポート層はそれぞれ、ディスプレイ層に隣接する第3のバッファ層の両側にそれぞれ位置する。つまり、ディスプレイ層から始まって、フレキシブルディスプレイパネルは、ディスプレイ層、第3のバッファ層、サポート層、第3のバッファ層等の構造形態にある。第3のバッファ層の実際の数及びサポート層の実際の数に基づいて、ディスプレイ層から最も遠い層は第3のバッファ層又はサポート層であってもよく、ディスプレイ層のバックライト側に近い層は第3のバッファ層のうちの1つである。高弾性率材料と低弾性率材料との間に形成される界面は、応力波エネルギーの減衰を増加させることができるため、ディスプレイ層への衝撃がさらに低減され、フレキシブルディスプレイパネルの背面への衝撃が大幅に緩和される。
【0022】
一実施では、第3のバッファ層は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ、ポリシロキサンエラストマ、アクリレートフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリスチレン材料、ポリエチレン材料、エチレンプロピレンターポリマー材料又はエチレン酢酸ビニルコポリマー材料でできている。材料は成熟し、信頼性の高い性能を有し、エネルギー反射界面の形成に良好に関与できる。
【0023】
第3の態様によれば、本願はフレキシブルスクリーンを提供する。フレキシブルスクリーンは、順次積層された保護層、主要層、偏光子、ディスプレイ層及びサポート層を含み、偏光子は、ディスプレイ層の発光側に位置し、サポート層は、ディスプレイ層のバックライト側に位置する。フレキシブルスクリーンは、第1のバッファ層、第2のバッファ層及び第3のバッファ層のうちの少なくとも1つをさらに含み、具体的には、第1のバッファ層、第2のバッファ層又は第3のバッファ層のみを含むか又は第1のバッファ層及び第2のバッファ層を含むか又は第1のバッファ層及び第3のバッファ層を含むか又は第2のバッファ層及び第3のバッファ層を含むか又は第1のバッファ層、第2のバッファ層及び第3のバッファ層を含む。第1のバッファ層が含まれる解決策では、第1のバッファ層は、主要層と偏光子との間に位置し、第1のバッファ層に対する主要層の弾性率比及び第1のバッファ層に対する偏光子の弾性率比の双方は2~500000である。第2のバッファ層が含まれる解決策では、第2のバッファ層は、偏光子とディスプレイ層との間に位置し、第2のバッファ層に対する偏光子の弾性率比及び第2のバッファ層に対するディスプレイ層の弾性率比の双方は2~500000である。第3のバッファ層が含まれる解決策では、第3のバッファ層は、ディスプレイ層のバックライト側に位置し、第3のバッファ層及びサポート層は積層され、第3のバッファ層に対するサポート層の弾性率比は2~500000である。
【0024】
バッファ層をフレキシブルスクリーン内の任意の適切な位置に配置し、バッファ層に対する隣接層(ディスプレイ層を含み、接着層を除く、バッファ層に隣接する層)の弾性率比が2~500000の適切な範囲内に収まるようにすることにより、高弾性率材料と低弾性率材料との間の安定した界面を構築できるため、フレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善できる。
【0025】
一実施では、フレキシブルスクリーンが第1のバッファ層又は第2のバッファ層を含む場合、第1のバッファ層は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンエラストマでできており、第2のバッファ層は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンエラストマでできている。フレキシブルスクリーンが第3のバッファ層を含む場合、第3のバッファ層は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ、ポリシロキサンエラストマ、アクリレートフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリスチレン材料、ポリエチレン材料、エチレンプロピレンターポリマー材料又はエチレン酢酸ビニルコポリマー材料でできている。この実施では、フレキシブルスクリーンが第1のバッファ層を含むとは、第1のバッファ層が主要層と偏光子との間に配置されることを意味する。同様に、フレキシブルスクリーンが第2のバッファ層を含むとは、第2のバッファ層が偏光子とディスプレイ層との間に配置されることを意味し、フレキシブルスクリーンが第3のバッファ層を含むとは、第3のバッファ層がディスプレイ層のバックライト側に配置されることを意味する。対応する材料を用いて製造された第1のバッファ層、第2のバッファ層及び第3のバッファ層は、信頼性の高い性能を有しているため、エネルギー反射界面を良好に形成できる。
【0026】
第4の態様によれば、本願は、折り畳み式電子装置を提供する。折り畳み式電子装置はハウジング及びフレキシブルスクリーンとを含み、フレキシブルスクリーンはハウジング内に設置されている。ハウジングは、折り畳み式電子装置の外部部品又は非外部部品として用いられ得る。ハウジングは折り畳まれ、展開され得る。ハウジングが折り畳まれている場合、フレキシブルスクリーンはハウジング内に収容され得る。つまり、折り畳み式電子装置は、内側にスクリーンが折り畳まれた電子装置であり得るか又はハウジングが折り畳まれている場合、フレキシブルスクリーンは、ハウジングの外側に位置する。つまり、折り畳み式電子装置は、外側にスクリーンが折り畳まれた電子装置であり得る。折り畳み式電子装置のフレキシブルスクリーンはより良好な耐衝撃性能を有する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、実施形態1に係る、折り畳まれた状態にある折り畳み式電子装置の側面図構造の概略図である。
図2図2は、展開された状態にある図1の折り畳み式電子装置の分解構造の概略図である。
図3図3は、図2の折り畳み式電子装置のフレキシブルスクリーンの側面図層の概略構造図である。
図4図4は、図2の折り畳み式電子装置のフレキシブルスクリーンの別の側面図層の概略構造図である。
図5図5は、図2の折り畳み式電子装置のフレキシブルスクリーンの別の側面図層の概略構造図である。
図6図6は、図5のフレキシブルスクリーンの第1のバッファ層を生成するために用いられるバッファフィルムの側面図層の概略構造図である。
図7図7は、応力波理論の原理の概略図である。
図8図8は、図3のフレキシブルスクリーンのフレキシブルスクリーンカバーが応力波の影響を受ける機械的シナリオの概略図である。
図9図9は、図5のフレキシブルスクリーンのフレキシブルスクリーンカバーが応力波の影響を受ける機械的シナリオの概略図である。
図10図10は、図5のフレキシブルスクリーンのフレキシブルディスプレイパネルが応力波の影響を受ける機械的シナリオの概略図である。
図11図11は、実施形態2に係るフレキシブルディスプレイパネルの側面図層の概略構造図である。
図12図12は、実施形態3に係るフレキシブルディスプレイパネルの側面図層の概略構造図である。
図13図13は、実施形態4に係るフレキシブルディスプレイパネルの側面図層の概略構造図である。
図14図14は、実施形態5に係るフレキシブルディスプレイパネルの側面図層の概略構造図である。
図15図15は、別の実施形態に係るフレキシブルスクリーンの側面観察層の概略構造図である。
図16図16は、別の実施形態に係るフレキシブルスクリーンの別の側面図層の概略構造図である。
図17図17は、別の実施形態に係るフレキシブルスクリーンの別の側面観察層の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本願の以下の実施形態は、限定されないが、折り畳み式携帯電話、折り畳み式タブレットコンピュータ等を含む折り畳み式電子装置を提供する。図1及び図2に示すように、折り畳み式電子装置10は、第1のハウジング11、ヒンジ12、第2のハウジング13及びフレキシブルスクリーン14を含む。
【0029】
図1に示すように、ヒンジ12は、第1のハウジング11と第2のハウジング13との間に配置されている。ヒンジ12は、いくつかのコンポーネントを含む機構であってもよく、ヒンジ12は機構の動きを生成できる。ヒンジ12の両側は、第1のハウジング11及び第2のハウジング13にそれぞれ接続されているため、第1のハウジング11と第2のハウジング13とは互いに対して回転する。
【0030】
実施形態1では、第1のハウジング11及び第2のハウジング13の両方は、折り畳み式電子装置10の外部部品として用いられ得る。つまり、ユーザが直接観察可能な露出部品である。他の実施形態では、折り畳み式電子装置10は、外部部品として用いられるハウジングを含んでもよく、第1のハウジング11及び第2のハウジング13の両方は、非外部部品としてハウジング内に設置され得る。第1のハウジング11及び第2のハウジング13は、フレキシブルスクリーン14を取り付け且つ支えるように構成されている。
【0031】
フレキシブルスクリーン14は可撓性及び屈曲可能性を有する。実施形態1における折り畳み式電子装置10が折り畳まれた状態にある場合、フレキシブルスクリーン14は、第1のハウジング11と第2のハウジング13との間に収容され得る。つまり、折り畳み式電子装置10は、スクリーンが内側に折り畳まれた電子装置であり得る。別の実施形態では、折り畳み式電子装置10が折り畳まれた状態にある場合、フレキシブルスクリーン14は外側に位置し、第1のハウジング11及び第2のハウジング13は内g側に位置する。つまり、折り畳み式電子装置10はスクリーンが外側に折り畳まれた電子装置であり得る。
【0032】
図3に示すように、フレキシブルスクリーン14は、フレキシブルスクリーンカバー15及びフレキシブルディスプレイパネル16を含み、フレキシブルスクリーンカバー15はフレキシブルディスプレイパネル16を覆う。フレキシブルスクリーンカバー15は、ユーザによって触れられるように構成され、フレキシブルディスプレイパネル16を保護することができる。
【0033】
図3に示すように、実施形態1では、フレキシブルスクリーンカバー15は、第1の保護層151、第2の保護層152、主要層153及び第1のバッファ層155を含み得る。第1の保護層151、第2の保護層152、主要層153及び第1のバッファ層155は順次積層され、第1の保護層151はフレキシブルディスプレイパネル16から離れており、第1のバッファ層155はフレキシブルディスプレイパネル16の近くにある。
【0034】
主要層153は高弾性率材料でできていてもよく、したがって、比較的強い耐変形性を有する。例えば、主要層153は極薄ガラス(Ultra Glass、略称UTG)又は無色ポリイミド(colorless polyimide、略称CPI)でできていてもよい。UTGの弾性率は60GPa~90GPaであり、典型的な弾性率値は60GPa、70GPa又は90GPaであり、UTGは非常に強い耐変形性を有する。加えて、UTGはクリープ現象(固体材料の応力が一定である場合に、経時的に歪みが増大する現象)を有しておらず、屈曲された後に、再び展開された場合にアーチ状に曲がらないため、フレキシブルスクリーンカバー15の平坦度要件が保障される。CPIの弾性率は5GPa~8GPaであり、典型的な弾性率値は5GPa、6GPa又は8GPaであり、CPIも比較的強い耐変形性を有する。加えて、CPIは比較的良好な靭性を有し、CPIの破断伸び率(材料が伸ばされて引張力の下で破断する場合に、伸長前の長さに対する伸長長さの割合)は15%~40%に達することがあり、屈曲シナリオに良好に適合させることができる。主要層153の厚さは要件に基づいて設計され得る。例えば、UTGを用いる場合、厚さは30μm~100μmであってよく、典型的な厚さの値は30μm、70μm又は100μmであってよく、CPIを用いる場合、厚さは20μm~80μmであってよく、典型的な厚さの値は20μm、50μm、80μm又は100μmであり得る。
【0035】
第1の保護層151及び第2の保護層152の両方は、主要層153を保護するように構成されている。第1の保護層151及び第2の保護層152の両方は有機ポリマー材料でできていてもよく、可撓で耐屈曲性である。第2の保護層152は、限定されないが、CPIでできたフィルム層を含み、厚さは要件に基づいて設計されてもよく、例えば、20μm~80μmである。
【0036】
第1の保護層151はGPaレベルの弾性率を有する有機ポリマー材料、例えば弾性率が8GPa~12GPa(典型的な弾性率値は8GPa、10GPa又は12GPaであり得る)、厚さが15μm~40μm(典型的な厚さ値は15μm、25μm又は40μmであり得る)のアラミド(Aramid)、弾性率が5GPa~8GPa(典型的な弾性率値は5GPa、6GPa又は8GPaであり得る)、厚さが20μm~80μm(典型的な厚さ値は20μm、50μm、80μm又は100μmであり得る)のCPI又は弾性率が1GPa~5GPa(典型的な弾性率値は1GPa、3GPa又は5GPaであり得る)、厚さが30μm~100μm(典型的な厚さ値は30μm、50μm又は100μmであり得る)のポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、略称PET)が用いられ得る。実際の要件に基づいて、第1の保護層151は単一材料でできた1つのフィルム層又は少なくとも2つのラミネートフィルム層であり得るか又は異なる材料でできた少なくとも2つのラミネートフィルム層(各フィルム層は単一の材料でできている)であり得る。第1の保護層151は比較的高い弾性率を有し、比較的強い耐変形性を有する。第2の保護層152の上に第1の保護層151を加えることで、保護層の厚さを増すことができる。
【0037】
別の実施形態では、第1の保護層151の耐摩耗性及び硬度を改善し、ユーザのタッチフィードバックを改善するために(ユーザのタッチはソフトではなく比較的ハードになるように)、硬化処理によって、第2の保護層152から離れた第1の保護層151の面に硬化層が形成され得る及び/又はフレキシブルスクリーンカバー15は1つの保護層のみを有してもよく、単一の保護層の材料性能は要件に基づいて決定してもよく、前述の説明に限定されない。
【0038】
実際の適用シナリオ(例えば、ペン落下試験、ボール落下試験又は装置全体の落下試験等の耐衝撃性能試験の間)では、フレキシブルスクリーンカバー15への衝撃は過渡的衝撃であり、フレキシブルスクリーンカバー15が過渡的衝撃を受けると、フレキシブルスクリーンカバー15の内部に過渡的応力が生じる。第1の保護層151は、フレキシブルスクリーンカバー15上の保護層を厚くし、強化するために加えられているため、保護層は過渡的応力に耐えることができるため、保護層が貫通されるのが防止され、主要層153が破損するのが防止される。例えば、UTGでできた主要層153は、第1の保護層151が主要層153に加えられた後に壊れやすくないことが、耐衝撃試験を通じて証明されている。したがって、フレキシブルスクリーンカバー15の耐衝撃性能が改善される。フレキシブルスクリーンカバー15の耐衝撃性能が改善するため、フレキシブルスクリーン14全体の耐衝撃性能を改善できる。
【0039】
図4に示すように、とりわけ、主要層153がUTGフィルム層の場合、UTGは壊れやすいことを考慮して、強化層156で主要層153を覆ってもよく、強化層156は第2の保護層152と主要層153との間に挟まれる。強化層156は、例えば、アクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリイミド又はエポキシ樹脂等のポリマー材料でできていてもよく、強化層156の材料の弾性率は少なくとも1MPaである。強化層156を配置することにより、主要層153の強度を改善でき、主要層153の破損リスクを低減することができるため、フレキシブルスクリーンカバー15及びフレキシブルスクリーン14全体の耐衝撃性能を改善できる。加えて、強化層156が主要層153に直接接触している場合(つまり、追加的に配置される接着剤を用いて強化層156と主要層153とが接着されていない場合、例えば、強化層156がコーティングプロセスを介して主要層153の表面に直接形成されているか又は強化層156が、強化層156と主要層153とを直接貼り付けるための接着フィルムである場合)、主要層153を保護する効果は最適であり、主要層153の破損リスクが最も低くなることが耐衝撃試験を通じて証明されている。もちろん、強化層156及び主要層153は、代替的に、追加の接着剤を用いることにより接着されていてもよい。
【0040】
別の実施形態では、強化層156は、代替的に、主要層153がCPIフィルム層であるフレキシブルスクリーンカバー15に適用され得る。あるいは、強化層156の設計をキャンセルしてもよい。
【0041】
第1のバッファ層155は低弾性率の半透明材料(弾性率は500KPa~1GPaであってよく、典型的な弾性率値は500KPa、10MPa、100MPa又は1GPaであり得る)、例えば、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンエラストマでできていてもよい。図3又は図4に示すように、第1のバッファ層155及び主要層153は接着層154を用いることにより接着されてもよく、接着層154は、例えば、光学的に透明な接着剤(optically clear adhesive、略称OCA)又は感圧接着剤(Pressure Sensitive Adhesive、略称PSA)であり得る。
【0042】
あるいは、図5に示すように、第1のバッファ層155は、主要層153と直接接触し得る。例えば、第1のバッファ層155は、噴霧又はスクリーン印刷等のコーティングプロセスを介して主要層153の表面上に形成され得るか又は主要層153への第1のバッファ層155の取り付けは、先ず積層し、次に硬化する方法で実施され得る。具体的には、図6に示すように、バッファフィルム(硬化速度は70%未満であり得る)が最初にバッファ材料から作られ、バッファフィルムは、順次積層された重剥離フィルムA、硬化が非完全なバッファ接着剤155’及び軽剥離フィルムBを含む。積層の前に、バッファフィルムのうちの軽剥離フィルムBを剥離し、積層プロセス(例えば、ロール積層又は真空積層)を介して硬化が非完全なバッファ接着剤155’を主要層153の表面に積層する。次いで、加熱又は紫外線硬化プロセスによって硬化が非完全なバッファ接着剤155’の化学基を完全に反応させることにより、第1のバッファ層155が主要層153の表面に形成される。第1のバッファ層155及びフレキシブルディスプレイパネル16がその後に積層されると、第1のバッファ層155の表面上の重剥離フィルムAが剥離される。
【0043】
上述したように、フレキシブルスクリーンカバー15は過渡的衝撃を受け、フレキシブルスクリーンカバー15の機械的シナリオは、動的力学における応力波理論を用いることにより分析され得る。
【0044】
媒体に外部衝撃荷重が加えられると、衝撃荷重を直接受けた媒体粒子は先ず初期の平衡位置を離れる。これらの媒体粒子と隣接する媒体粒子との間で相対運動(変形)が生じるため、これらの媒体粒子は隣接する媒体粒子によってもたらされる作用力(すなわち、応力)を受けるが、隣接する媒体粒子にも反力を与える。したがって、隣接する媒質粒子も初期の平衡位置を離れ、移動する。したがって、外部衝撃荷重による媒体の外乱は媒体内で近くから遠くに徐々に伝搬し、応力波を形成する。
【0045】
図7に示すように、応力波理論によれば、応力波は、波動インピーダンスが異なる2つの媒体間の界面で反射及び透過され、反射された応力波のエネルギーは次の媒体に入らず、透過応力波のエネルギーは、界面を通って次の媒体への透過が続けられる。反射された応力波のエネルギーは経時的に蓄積される。応力波の全エネルギーが固定されていると仮定した場合に、反射された応力波のエネルギーが増加すると、透過波のエネルギーは減少する。界面の両側の媒体間の波動インピーダンス差が大きいほど、界面における反射された応力波のエネルギーが大きくなり、界面における透過応力波のエネルギーが小さくなることを示す。応力波が、波動インピーダンスの大きい媒体1から波動インピーダンスの小さい媒体2に入ると、媒体1内の界面に隣接する粒子の速度に比べて、界面内の粒子の速度が増加するため、界面内の粒子の歪みの生成が加速される。また、それに従って、媒体1及び媒体2内の、界面に隣接する粒子の歪みの発生も加速される。つまり、媒体1及び媒体2の歪みの生成も加速される。加えて、2つの媒体間の波動インピーダンス差が比較的大きい場合、媒体1によって生成される歪みは比較的大きい。反対に、2つの媒体間の波動インピーダンス差が比較的小さい場合、媒体1によって生成される歪みは比較的小さい。加えて、媒体の波動インピーダンスはZ=√Eρであり、Eは材料の弾性率で、ρは材料の密度である。具体的には、材料の弾性率が高いほど(弾性率がより高い材料は、通常、密度がより高い)、波動インピーダンスが大きくなることを示す。
【0046】
応力波理論を参照して、以下では、主要層153と第1のバッファ層155とが接着剤を用いることにより接着された解決策と、主要層153が第1のバッファ層155と直接接触する解決策について別々に実施形態1の詳細な説明を続ける。
【0047】
(1)接着剤を用いることにより、主要層153と第1のバッファ層155とが接着される解決策
【0048】
主要層153と比較して、接着剤は弾性率が非常に低い(通常は100KPa未満であり、例えば、OCAの弾性率は30KPaであり得る)高度に変形可能な材料であり、接着層に対する主要層153の弾性率比(ratio of moduli)は非常に高く(例えば、180000000以上)である。つまり、これら2つの間の波動インピーダンス差は非常に大きい。製品の厚さ要件のため、接着層の厚さは非常に小さい(例えば、25μm又は50μm)。図8に示すように、応力波は保護層からフレキシブルスクリーンカバー15に入り、主要層153と接着層154との間の界面aに伝搬する。応力波理論によれば、応力波は界面aで反射及び透過され、主要層153及び接着層154での歪みの生成が加速される。接着層154は高度に変形可能であり、厚さが非常に小さいため、接着層154は主要層153により非常に短時間で大体「押し出され」るため(この場合、主要層153は第1のバッファ層155とほぼ直接接触している)、非常に短時間で界面aが「破損」する。その結果、主要層153と接着層154との間の界面によって応力波を適切に反射できず、透過応力波はエネルギーを多く運び、下方への伝導が続けられる。つまり、接着層154は、前述の厚さ制限の下では反射された応力波のエネルギーにほとんど影響を与えない。
【0049】
応力波が続けて第1のバッファ層155に伝導されると、主要層153は第1のバッファ層155とほぼ直接接触しているため、主要層153と第1のバッファ層155との間に界面が形成されると考えられ得る。第1のバッファ層155に対する主要層153の弾性率比は8~180000であってもよく、典型的な弾性率比は8、600又は180000であり得る。例えば、第1のバッファ層155に対するUTG材料の主要層153の弾性率比は60~180000であってもよく、典型的な弾性率比は60、700、7000又は180000であり、第1のバッファ層155に対するCPI材料の主要層153の弾性率比は8~16000であってもよく、典型的な弾性率比は8、60、600又は16000であり得る。第1のバッファ層155に対する主要層153の弾性率比及び2つの間の波動インピーダンス差は比較的大きいが、接着層154に対する主要層153の弾性率比及び2つの間の波動インピーダンス差よりも小さいことがわかる。
【0050】
応力波理論によれば、応力波は、主要層153と第1のバッファ層155との間の界面で反射及び透過され、主要層153及び第1のバッファ層155で歪みが生じる。第1のバッファ層155の弾性率(500KPa~1GPa)は接着層154の弾性率(100KPa未満)よりもはるかに大きいため、第1のバッファ層155は接着層154よりも変形しにくいたね、主要層153と第1のバッファ層155との間の界面はより安定して存在し得る。このように、応力波は、主要層153と第1のバッファ層155との間の界面によって比較的適切に反射され得るため、透過応力波のエネルギーは比較的小さく、第1のバッファ層の下でフレキシブルディスプレイパネル16が受けるエネルギーも比較的小さい。
【0051】
第1のバッファ層155が配置されるフレキシブルスクリーンカバー15は、応力波エネルギを減衰させ、フレキシブルディスプレイパネル16への衝撃を低減し、フレキシブルディスプレイパネル16が破損するリスクを効果的に低減できることが分かる。これにより、フレキシブルスクリーンカバー15及びフレキシブルスクリーン14全体の耐衝撃性能が改善される。
【0052】
(2)主要層153が第1のバッファ層155と直接接触している解決策
【0053】
図9に示すように、解決策(2)では、接着層は配置されず、主要層153と第1のバッファ層155との間に界面bが直接形成される。解決策(2)の原理解析は、解決策(1)において第1のバッファ層155に応力波が伝導される場合のものと合致する。したがって、解決策(2)もフレキシブルスクリーンカバー15及びフレキシブルスクリーン14全体の耐衝撃性能を改善できる。
【0054】
加えて、解決策(1)では、接着層154に対する主要層153の弾性率比(180000000以上)が極めて大きいため、主要層153の変形が比較的大きい。解決策(2)では、第1のバッファ層155に対する主要層153の弾性率比(8~180000)は比較的小さいため、主要層153の変形は比較的小さい。主要層153の歪み低減は、過度の変形によって生じる主要層153の破損を防止できる。とりわけ、壊れやすいUTGでできた主要層153の場合、UTGが第1のバッファ層155と直接接触する解決策を用いることにより、UTGの過度の変形を回避でき、UTGの破損リスクを低減できる。もちろん、壊れにくいCPIでできた主要層153の場合も、CPIが第1のバッファ層155と直接接触する解決策を用いることによって、CPIの過度の変形を回避できる。これも、フレキシブルスクリーンカバー15及びフレキシブルスクリーン14全体の耐衝撃性能の改善である。
【0055】
結論として、実施形態1では、主要層153の下に第1のバッファ層155を配置し、第1のバッファ層155に対する主要層153の弾性率比が適切な範囲内にあることを確実にすることで、フレキシブルスクリーンカバー15の変形を低減し、フレキシブルスクリーンカバー15の自己保護性能及び信頼性を改善し、フレキシブルスクリーン14の耐衝撃性能を改善できる。
【0056】
実施形態1では、主要層153に対する第1のバッファ層155の材料の破断伸び率(an elongation rate at break)は2以上であってもよく、典型的な値は25であり得る。例えば、UTG材料の主要層153に対する第1のバッファ層155の破断伸び率は10以上であってもよく、典型的な値は10、40又は100であり、CPI材料の主要層153に対する第1のバッファ層155の破断伸び率は2以上であってもよく、典型的な値は2、16又は25であり得る。これは、第1のバッファ層155は主要層153よりも頑丈であり、壊れやすくないことを示す。主要層153が衝撃を受けると、第1のバッファ層155は、主要層153が変形するのを耐えるために主要層153に抵抗を与えることにより、主要層153が破損するリスクを低減し、フレキシブルスクリーンカバー15及びフレキシブルスクリーン14全体の耐衝撃性能を改善できる。とりわけ、壊れやすいUTGでできた主要層153の場合、より丈夫な第1のバッファ層155を配置することにより、UTGの破損リスクを大幅に低減できる。
【0057】
破断伸び率の設計は、第1のバッファ層155に対する主要層153の弾性率比の前述の設計に依存せず、いずれかの設計が用いられるか又は両方の設計が用いられるかにかかわらず、フレキシブルスクリーン14の耐衝撃性能を改善できることが理解されよう。
【0058】
図10に示すように、実施形態1では、フレキシブルディスプレイパネル16は、フレキシブル有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、略称OLED)ディスプレイパネルであり得る。フレキシブルディスプレイパネル16は、順次積層された偏光子161、第2のバッファ層162及びディスプレイ層163を含み得る。
【0059】
ディスプレイ層163はOLEDコンポーネントを含んでもよく、電界の下で光を放射してディスプレイを実施する。ディスプレイ層163が発光できる側は発光側(例えば、図10の上側)と呼ばれ、発光側と反対の側は発光せず、バックライト側(例えば、図10の下側)と呼ばれる。偏光子161は、ディスプレイ層163の発光側に位置し、第1のバッファ層155とディスプレイ層163との間に位置する。偏光子161の弾性率は2GPa~5GPaであってもよく、典型的な値は2GPa、3.5GPa又は5GPaであり得る。第1のバッファ層155に対する偏光子161の弾性率比は4~10000、例えば、4、350又は10000であり得る。これは、偏光子161と第1のバッファ層155との弾性率差が比較的大きく、それ故に波動インピーダンス差も比較的大きいことを示す。
【0060】
第2のバッファ層162の材料の種類及び材料パラメータは、第1のバッファ層155のものと同じであってもよい。例えば、第2のバッファ層162は、変形しやすい低弾性率材料(弾性率は500KPa~1GPAであり得る)、例えば、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ又はポリシロキサンエラストマでできていてもよい。第2のバッファ層162に対する偏光子161の弾性率比は4~10000、例えば、4、350又は10000であり得る。これは、偏光子161と第2のバッファ層162との弾性率差が比較的大きく、これら2つの波動インピーダンス差も比較的大きいことを示す。第2のバッファ層162は偏光子161と直接接触し得る。例えば、第2のバッファ層162は噴霧又はスクリーン印刷等のコーティングプロセスを介して偏光子161の表面上に形成され得るか又は主要層153への第2のバッファ層162の取り付けは、最初に積層し、次いで硬化する(これは、前述の説明と同様であり、詳細についてはここでは繰り返されない)の方法で実施され得る。第2のバッファ層162及び偏光子161は、接着剤を用いることにより接着されてもよく、接着剤は、例えば、OCA又はPSAであり得る。
【0061】
偏光子161と、偏光子161の両側の第1のバッファ層155及び第2のバッファ層162との波動インピーダンス差は比較的大きく、適切な範囲内にあるため、主要層153と第1のバッファ層155との間の界面bで減衰される応力波のエネルギーは、第1のバッファ層155と偏光子161との間の界面cで減衰され、偏光子161と第2のバッファ層162との間の界面dでもさらに減衰されるため、ディスプレイ層163に最終的に入るエネルギーが大幅に低減され、それによりディスプレイ層163が破損するリスクが効果的に低減され、異常表示が回避されることが前述の応力波理論を用いた分析を通じて得られる。加えて、偏光子161が第2のバッファ層162に直接接触する解決策では、偏光子161の過度の変形を回避でき、偏光子161が破損するリスクを低減できることが分析を通じて得られる。
【0062】
したがって、偏光子161の上側及び下側に1つのバッファ層を配置し、バッファ層に対する偏光子161の弾性率比が適切な範囲に収まるようにすることにより、フレキシブルディスプレイパネル16及びフレキシブルスクリーン14の耐衝撃性能を改善できる。例えば、ペン落下衝撃試験により、実施形態1の解決策を用いた後に、フレキシブルディスプレイパネル16上に着色スポット(ディスプレイ領域で生じる微細な輝点)が発生した場合の対応するペン落下高さが大幅に改善されることが実証されており、これはフレキシブルディスプレイパネル16の耐衝撃性能が大幅に改善されていることを意味する。
【0063】
前述の説明では、第1のバッファ層155は、フレキシブルスクリーンカバー15のコンポーネントとして用いられている。もちろん、第1のバッファ層155は、代替的に、フレキシブルディスプレイパネル16に属してもよい。フレキシブルスクリーンカバー15及びフレキシブルディスプレイパネル16は、最終的にフレキシブルスクリーン14に組み立てられるため、実施形態1の解決策は、いずれの場合でもフレキシブルスクリーン14の耐衝撃性能を効果的に改善できる。
【0064】
フレキシブルディスプレイパネル16の裏面は、ハウジング及びヒンジに対応するため、フレキシブルディスプレイパネル16の裏面はこれらの構造の衝撃を受け、そのため、バッファ層はディスプレイ層163のバックライト側にさらに配置され得る。以下で詳細に説明する。。
【0065】
図11に示すように、実施形態2では、実施形態1の前述の解決策に基づいて、バックフィルム164、第3のバッファ層165及びサポート層166が、ディスプレイ層163のバックライト側で順次積層されている。
【0066】
バックフィルム164は、ディスプレイ層163をサポート及び保護する機能を有する。バックフィルム164の厚さは20μm~100μmであり、弾性率は1GPa~10GPaであり得る。
【0067】
第3のバッファ層165は、ポリウレタンエラストマ、アクリレートエラストマ、ポリシロキサンエラストマ、アクリレートフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリスチレン、ポリエチレン材料、エチレンプロピレンターポリマー又はエチレン酢酸ビニルコポリマー等の材料でできていてもよい。ディスプレイ層163のバックライト側に配置され、それ故に半透明又は非半透明材料でできていてもよい。第3のバッファ層165の厚さは10μm~300μmであり得る。第3のバッファ層165は500KPa~1GPa等低弾性率を有し、変形しやすい。第3のバッファ層165に対するバックフィルム164の弾性率比は2~20000であってもよく、典型的な弾性率比は2、500又は20000であり得る。これは、バックフィルム164と第3のバッファ層165との弾性率差及び波動インピーダンス差が比較的大きいことを示す。
【0068】
サポート層166は、フレキシブルディスプレイパネル16全体のバックサポート及び保護構造として用いられる。サポート層166の厚さは20μm~200μmであり得る。サポート層166は、チタン合金(弾性率は50GPa~150GPaであり得る)、ステンレス鋼(弾性率は150GPa~250GPaであり得る)、銅箔又はマグネシウムアルミニウム合金(弾性率は30GPa~100GPa範囲であり得る)等の金属材料でできていてもよい。あるいは、サポート層166は、CPI、アラミド又はPET等の高弾性率の有機材料でできていてもよい。第3のバッファ層165に対するサポート層166の弾性率比は2~500000であってよく、典型的な値は2、2000又は500000であり得る。サポート層166と第3のバッファ層165との弾性率差及び波動インピーダンス差は比較的大きいことがわかる。
【0069】
弾性率が比較的低い第3のバッファ層165がバックフィルム164とサポート層166との間に配置され、第3のバッファ層165に対するバックフィルム164及び第3のバッファ層165に対するサポート層166の弾性率比が適切な範囲内に収まるようにされているため、高弾性率材料と低弾性材料との間の2つの界面を構築でき、フレキシブルディスプレイパネル16の背面からの応力波のエネルギーが2度減衰され、ディスプレイ層163に最終的に入るエネルギーが大幅に低減されるため、ハウジング及びヒンジによってもたらされるフレキシブルディスプレイパネル16への影響を大幅に低減し、フレキシブルディスプレイパネル16への影響が効果的に緩和されることが、前述の応力波理論を用いることによる分析を通じて得られる。
【0070】
さらなる実施形態では、高弾性率材料と低弾性率材料との間に界面を追加するために、ディスプレイ層163のバックライト側にバッファ層をさらに追加してもよく、応力波エネルギーの減衰が高められ、ディスプレイ層163への影響がさらに低減される。
【0071】
図12に示すように、実施形態3では、1つの第3のバッファ層165がサポート層166の上側及び下側に配置されている。つまり、2つの第3のバッファ層165及びサポート層166が交互に積層され、外側の第3のバッファ層165は、ディスプレイ層163から最も遠い層として用いられている。
【0072】
あるいは、図13に示すように、実施形態4では、2つの第3のバッファ層165及び2つのサポート層166が、ディスプレイ層163のバックライト側に配置され、2つの第3のバッファ層165及び2つのサポート層166が交互に積層され、外側のサポート層166は、ディスプレイ層163から最も遠い層として用いられている。
【0073】
あるいは、図14に示すように、実施形態5では、3つの第3のバッファ層165及び2つのサポート層166がディスプレイ層163のバックライト側に配置され、3つの第3のバッファ層165及び2つのサポート層166が交互に積層され、外側の第3のバッファ層165は、ディスプレイ層163から最も遠い層として用いられている。
【0074】
他の実施形態では、別の数の第3のバッファ層165と別の数のサポート層166とが交互に積層された構造が要件に基づいて設計されてもよく、前述の説明に限定されないことが理解されよう。
【0075】
他の実施形態では、フレキシブルスクリーン14内の任意の適切な位置にバッファ層を配置し、バッファ層に対する隣接層(ディスプレイ層を含み、接着層を除く、バッファ層に隣接する層)の弾性率比を適切な範囲(例えば、2~500000)内に収まるようにすることで、高弾性率材料と低弾性率材料との間の界面が構築されるならば、フレキシブルスクリーン14全体の耐衝撃性能を改善できることが理解されよう。
【0076】
例えば、図15に示すように、、バッファ層155に対する主要層153の弾性率比が8~180000となるように、フレキシブルスクリーンカバー15の主要層153とフレキシブルディスプレイパネル16の偏光子161との間に1つのバッファ層155(すなわち、第1のバッファ層155)のみが配置され得る。あるいは、図16に示すように、バッファ層162に対する偏光子161の弾性率比が4~10000になり、バッファ層162に対するディスプレイ層163の弾性率比が2~500000になるように、1つのバッファ層162(すなわち、第2のバッファ層162)のみが偏光子161とフレキシブルディスプレイパネル16のディスプレイ層163との間に配置され得る。あるいは、図17に示すように、バッファ層に対するバックフィルム164の弾性率比が2~20000になり、第3のバッファ層165に対するサポート層166の弾性率比が2~500000になるように、バックフィルム164とフレキシブルディスプレイパネル16のサポート層166との間に1つのバッファ層165(すなわち、第3のバッファ層165)のみが配置され得る。
【0077】
前述の説明から、フレキシブルスクリーンカバーがバッファ層を有するか又はフレキシブルディスプレイパネルがバッファ層を有するかにかかわらず、フレキシブルスクリーンカバー及びフレキシブルディスプレイパネルが組み立てられるフレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善できることが分かる。つまり、バッファ層を有するフレキシブルスクリーンカバー及び従来のフレキシブルディスプレイパネルのコロケーションと、従来のフレキシブルスクリーンカバー及びバッファ層を有するフレキシブルディスプレイパネルのコロケーションの双方は、フレキシブルスクリーンの耐衝撃性能を改善できる。
【0078】
本願の前述の実施形態では、フレキシブルスクリーン14の任意の2つの隣接する層は、製品の要件に基づいて、接着剤を用いることにより接着され得るか又は直接接触され得る。これは、具体的に記載されたもの以外の他の箇所では強調されていない。
【0079】
前述の説明は本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を制限することを意図したものではない。本願で開示した技術的範囲内で、当業者が容易に理解することができる変更又は置き換えは、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
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