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特許7389919ネットワーク分析構成要素とネットワーク分析情報の提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】ネットワーク分析構成要素とネットワーク分析情報の提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/08 20090101AFI20231122BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20231122BHJP
   H04W 28/084 20230101ALI20231122BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20231122BHJP
【FI】
H04W24/08
H04W64/00
H04W28/084
H04W88/18
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022554879
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2022053114
(87)【国際公開番号】W WO2022238018
(87)【国際公開日】2022-11-17
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】21173081.7
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】サマ,マラ レディ
(72)【発明者】
【氏名】タコルスリ,スリサクル
(72)【発明者】
【氏名】巳之口 淳
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】CATT,KI#4, New Sol: UAV and UAVC tracking and flight route analysis based on NWDAF,3GPP TSG SA WG2#139e S2-2004080,フランス,3GPP,2020年05月22日
【文献】Qualcomm Incorporated,Solution for Key issue 13: UE location information exposure,3GPP TSG SA WG2#128BIS S2-188064,フランス,3GPP,2018年08月14日
【文献】Sandvine,KI #7, Sol 61: Update to improves the Observed Service Experience Analytics ID,3GPP TSG SA WG2#141e S2-2007772,フランス,3GPP,2020年10月02日
【文献】Ericsson, Huawei,OAM and AF as consumer of analytics,3GPP TSG SA WG2#133 S2-1906793,フランス,3GPP,2019年05月24日
【文献】Apple,KI #16, New Sol: UP optimization for Edge Computing,3GPP TSG SA WG2#139e S2-2003826,フランス,3GPP,2020年05月23日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークのネットワーク分析構成要素であって、
分析要求構成要素からネットワーク分析情報についての要求を受信するように構成された分析インターフェースと、
前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するかかを判定するように構成された判定器と、
前記判定器が、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定した場合、ロケーションサービス構成要素を選択し、前記選択されたロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集するように構成された位置インターフェースであり、
前記位置インターフェースはさらに、前記判定器が、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定した場合、前記ロケーションサービス構成要素と異なる位置情報プロバイダから前記1つ以上の移動端末の追加位置情報を収集するように構成され、前記位置情報プロバイダは、ユーザープレーンを介して前記1つ以上の移動端末から位置情報を取得するアプリケーション機能または位置管理サーバである、位置インターフェースと、
前記判定器が、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定した場合、前記位置情報プロバイダからの前記追加位置情報、または前記選択されたロケーションサービス構成要素からの前記収集された位置情報および前記位置情報プロバイダからの前記追加位置情報を使用して前記要求されたネットワーク分析情報を生成し、前記生成されたネットワーク分析情報を前記分析インターフェースを介して前記要求構成要素に提供するように構成されたネットワーク分析器と、を含む通信ネットワークのネットワーク分析構成要素。
【請求項2】
前記要求が、前記ネットワーク分析情報がロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を使用して生成されるべきであるという表示を含む場合、前記判定器は、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定するように構成される、請求項1に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項3】
前記要求が、前記ネットワーク分析情報がトラッキングエリアのレベルおよび無線セルのレベルより細かい粒度で生成されるべきであるという表示を含む場合、前記判定器は、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定するように構成される、請求項1または2に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項4】
前記表示は、分析ID、および/または分析要求情報中の表示、および/またはアプリケーションの表示、特にアプリケーションの種類またはアプリケーションの識別子である、請求項2または3に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項5】
前記表示は、粒度の表示である、請求項2または3に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項6】
ロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を用いずに生成された前記ネットワーク分析情報が予め設定した品質基準を満たさず、ロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の前記位置情報を用いて生成された前記ネットワーク分析情報が前記予め設定した品質基準を満たすと前記判定器が判定する場合、前記判定器は、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定するように構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項7】
前記判定器は、ロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の前記位置情報を用いて前記ネットワーク分析情報を生成することによって前記ネットワーク分析情報の精度が予め設定した余地だけ改善されるかどうか判定するように構成され、前記判定器が、ロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の前記位置情報を用いて前記ネットワーク分析情報を生成することによって前記ネットワーク分析情報の精度が予め設定した余地だけ改善されると判定した場合、前記判定器は、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定するように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項8】
前記判定器は、オペレータの方針に従って前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集するかどうかを判定するように構成される、請求項1~7のいずれか1項に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項9】
前記判定器は、たとえ前記要求が前記ネットワーク分析情報はロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を用いて生成されるべきという表示を含んでいなくても、オペレータの方針が前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集するように指定する場合には、前記ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から前記1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定するように構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項10】
前記ネットワーク分析情報は、領域についての移動端末の移動度、体験通信性能、または通信挙動の少なくとも1つの予測および/または統計を指定し、前記ネットワーク分析器は、前記1つ以上の移動端末が位置する前記領域についての前記予測および/または統計を生成するように構成される、請求項1~9のいずれか1項に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項11】
前記領域は、前記1つ以上の移動端末が位置するトラッキングエリアおよび無線セルよりも小さい、請求項10に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項12】
前記ロケーションサービス構成要素は、ゲートウェイモバイルロケーションセンター、ロケーション管理機能、ロケーション検索機能、またはAMFである、請求項1~11のいずれか1項に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項13】
前記位置情報は、1つ以上の予め設定したネットワーク・スライスによってサービスを受けるすべての移動端末を含む移動端末のグループの位置情報、1つ以上の予め設定したアプリケーションを使用するすべての移動端末を含む移動端末のグループの位置情報、またはそれらの組み合わせである、請求項1~12のいずれか1項に記載のネットワーク分析構成要素。
【請求項14】
プロセッサにより実行される、ネットワーク分析情報を提供する方法であって、
ネットワーク分析情報についての要求を要求構成要素から受信するステップと、
前記ネットワーク分析情報を生成するために1つ以上の移動端末の位置情報をロケーションサービス構成要素から収集するかかを判定するステップと、
判定器が、前記ネットワーク分析情報を生成するために前記1つ以上の移動端末の位置情報をロケーションサービス構成要素から収集するを決定した場合、
ロケーションサービス構成要素を選択するステップと、
前記1つ以上の移動端末の位置情報を前記選択されたロケーションサービス構成要素から収集するステップと、
前記ロケーションサービス構成要素と異なる位置情報プロバイダから前記1つ以上の移動端末の追加位置情報を収集するステップであり、前記位置情報プロバイダは、ユーザープレーンを介して1つ以上の移動端末から位置情報を取得するアプリケーション機能または位置管理サーバである、ステップと、
前記収集された追加位置情報、または前記収集された位置情報および前記収集された追加位置情報を使用して前記要求されたネットワーク分析情報を生成するステップと、
前記生成されたネットワーク分析情報を分析インターフェースを介して前記要求構成要素に提供するステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ネットワーク分析構成要素およびネットワーク分析情報を提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
5G移動通信ネットワークのような通信ネットワークにおいては、一定のサービス品質を維持することが重要である。このためには、負荷、リソースの使用、利用可能な構成要素、構成要素の状態などの情報から生成され得るネットワーク統計分析および予測情報を監視して、例えば、過負荷が切迫している場合には、サービス品質等の低下を回避するための措置を講じることができる。5G移動通信システムのような、ネットワーク・スライス・アーキテクチャを有する通信ネットワークにおいては、これは、例えば、個々のネットワーク・スライス・インスタンスが過負荷になる可能性があるため、個々のネットワーク・スライス・インスタンスに対するネットワーク分析および予測情報(ネットワーク分析情報とも呼ばれる)の監視に特に関連する。また、ネットワーク分析は、単一の移動端末または移動端末のグループに関係する場合があり、ネットワーク分析(例えば、予測)を、位置に依存する方法(例えば、移動体が特定の場所、例えば、モールにいるときに移動体が使用するサービスの予測)で提供することが可能であり得る。従って、例えば、ネットワーク分析情報が一般に(例えば、通信ネットワークの全ての移動端末に対して)提供される場合よりも、予測のより高い精度が達成され得る。
【0003】
従って、ネットワーク分析情報を高精度で提供するための効率的なアプローチ、特に移動端末の位置を考慮したアプローチが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態によると、通信ネットワークのネットワーク分析構成要素であって、分析要求構成要素からネットワーク分析情報についての要求を受信するように構成された分析インターフェースと、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するかどうかを判定するように構成された判定器と、判定器が、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集すると判定した場合、ロケーションサービス構成要素を選択し、選択されたロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するように構成された位置インターフェースと、判定器が、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集すると判定した場合、収集された位置情報を使用して要求されたネットワーク分析情報を生成し、生成されたネットワーク分析情報を分析インターフェースを介して要求構成要素に提供するように構成されたネットワーク分析器と、を含む通信ネットワークのネットワーク分析構成要素が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面において、文献のように、同様の参照符号は概して異なる図面を通じて同一の部分を指す。図面は必ずしも正確な縮尺ではなく、代わりに本発明の原理を例示することに一般的に重点が置かれる。以下の説明において、以下の図面を参照して種々の態様を説明する。
【0006】
図1】例えば3GPP(登録商標)(第3世代パートナーシッププロジェクト)で規定されている5G(第5世代)に従って構成された無線通信システムを示す。
図2】NWDAF(ネットワークデータ分析機能)が提供するネットワーク分析サービスのサービスコンシューマを務めるネットワーク機能(NF)を示す。
図3】LCS(ロケーションサービス)アーキテクチャを示す。
図4】ネットワーク分析情報を提供するためのメッセージフローを示すフロー図を示す。
図5】UE(ユーザー機器)位置情報を収集することによる分析強化を示す。
図6】LCS構成要素から位置情報を収集し、さらに、位置プロバイダから追加の位置情報を収集するNWDAFを示す。
図7】一実施形態による通信ネットワークのネットワーク分析構成要素を示す。
図8】通信ネットワーク分析を実行するための方法を表すフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明は、本発明を実施することができる本開示の特定の詳細および態様を例示として示す添付の図面を参照する。他の態様を使用してもよく、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的、論理的、および電気的変更を行ってもよい。本開示の様々な態様は、必ずしも相互に排他的ではない。なぜなら、本開示のいくつかの態様は、新しい態様を形成するために本開示の1つ以上の他の態様と組み合わせることができるからである。
【0008】
本開示の態様に対応する種々の実施例を以下に記載する。
【0009】
実施例1は、上記のようなネットワーク分析構成要素である。
【0010】
実施例2は、要求が、ネットワーク分析情報がロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を使用して生成されるべきであるという表示を含む場合、判定器は、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集すると判定するように構成される、実施例1のネットワーク分析構成要素である。
【0011】
実施例3は、要求が、ネットワーク分析情報がトラッキングエリアのレベルおよび無線セルのレベルより小さい粒度で生成されるべきであるという表示を含む場合、判定器は、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集すると判定するように構成される、実施例1または2のネットワーク分析構成要素である。
【0012】
実施例4は、表示は、分析ID、および/または分析要求情報中の表示、および/またはアプリケーションの表示、特にアプリケーションの種類またはアプリケーションの識別子である、実施例2または3のネットワーク分析構成要素である。
【0013】
実施例5は、表示は、粒度の表示である、実施例2または3のネットワーク分析構成要素である。
【0014】
実施例6は、ロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を用いずに生成されたネットワーク分析情報が予め設定した品質基準を満たさず、ロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を用いて生成されたネットワーク分析情報が予め設定した品質基準を満たすと判定器が判定する場合、判定器は、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを判定するように構成される、実施例1~5のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0015】
実施例7は、判定器は、ロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を用いてネットワーク分析情報を生成することによってネットワーク分析情報の精度が予め設定した余地だけ改善されるかどうか判定するように構成され、判定器が、ロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を用いてネットワーク分析情報を生成することによってネットワーク分析情報の精度が予め設定した余地だけ改善されると判定した場合、判定器は、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するように構成される、実施例1~6のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0016】
実施例8は、判定器は、オペレータの方針に従ってネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するかどうかを判定するように構成される、実施例1~7のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0017】
実施例9は、判定器は、たとえ要求がネットワーク分析情報はロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を用いて生成されるべきという表示を含んでいなくても、オペレータの方針がネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するように指定する場合には、ネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集すると判定するように構成される、実施例1~8のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0018】
実施例10は、ネットワーク分析情報は、1つ以上の移動端末の移動度、体験通信性能、または通信挙動の少なくとも1つの予測および/または統計を指定する、実施例1~9のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0019】
実施例11は、予測および/または統計は、1つ以上の移動端末が位置する領域について特有である、実施例10のネットワーク分析構成要素である。
【0020】
実施例12は、ネットワーク分析情報は、領域についての移動端末の移動度、熟練した通信性能、または通信挙動の少なくとも1つの予測および/または統計を指定し、ネットワーク分析器は、1つ以上の移動端末が位置する領域についての予測および/または統計を生成するように構成される、実施例11のネットワーク分析構成要素である。
【0021】
実施例13は、領域は、1つ以上の移動端末が位置するトラッキングエリアおよび無線セルよりも小さい、実施例11または12のネットワーク分析構成要素である。
【0022】
実施例14は、ネットワーク分析器は、判定器がネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集しないと判定した場合、ロケーションサービス構成要素からの位置情報を使用することなく要求されたネットワーク分析情報を生成するように構成される、実施例1~13のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0023】
実施例15は、ネットワーク分析器は、判定器がネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集しないと判定し、ネットワーク分析情報が1つ以上の移動端末が位置するトラッキングエリアまたは無線セルについて生成されるべきである場合、1つ以上の移動端末が位置するトラッキングエリアまたは無線セルについての情報をアクセス・アンド・モビリティ管理機能から収集するように構成される、実施例1~14のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0024】
実施例16は、ロケーションサービス構成要素は、ゲートウェイモバイルロケーションセンター、ロケーション管理機能、またはロケーション検索機能である、実施例1~15のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0025】
実施例17は、位置情報は、1つ以上の予め設定したネットワーク・スライスによってサービスを受けるすべての移動端末を含む移動端末のグループ、1つ以上の予め設定したアプリケーションを使用するすべての移動端末を含む移動端末のグループ、またはそれらの組み合わせの位置情報である、実施例1~16のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0026】
実施例18は、位置インターフェースは、1つ以上の移動端末の追加の位置情報を位置情報プロバイダから収集するように構成され、ネットワーク分析器は、収集された位置情報および/または収集された追加の位置情報を使用して要求されたネットワーク分析情報を生成するように構成される、実施例1~17のいずれか1つのネットワーク分析構成要素である。
【0027】
実施例19は、ネットワーク分析情報を提供する方法であって、ネットワーク分析情報に対する要求を要求構成要素から受信するステップと、ネットワーク分析情報を生成するために1つ以上の移動端末の位置情報をロケーションサービス構成要素から収集するかどうかを判定するステップと、判定器が、ネットワーク分析情報を生成するために1つ以上の移動端末の位置情報をロケーションサービス構成要素から収集すると判定した場合、ロケーションサービス構成要素を選択するステップと、1つ以上の移動端末の位置情報を選択されたロケーションサービス構成要素から収集するステップと、収集された位置情報を使用して要求されたネットワーク分析情報を生成するステップと、生成されたネットワーク分析情報を分析インターフェースを介して要求構成要素に提供するステップと、を含む方法である。
【0028】
上記の実施例のいずれかの特徴の1つ以上は、他の実施例のいずれか1つと組み合わせることができることに留意されたい。特に、装置のコンテキストで説明された実施例は、方法に対しても同様に有効である。
【0029】
さらなる実施形態によれば、コンピュータによって実行されると、コンピュータに上記実施例のいずれか1つの方法を実行させる命令を含む、コンピュータプログラムおよびコンピュータ可読媒体とが提供される。
【0030】
以下では、様々な実施例について、より詳細に説明する。
【0031】
図1は、例えば、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)によって指定された5G(第5世代)に従って構成された移動無線通信システム100を示す。
【0032】
移動無線通信システム100は、UE(ユーザー機器)、ナノ機器(NE)等の移動無線端末装置102を含む。移動無線端末装置102――それは、加入者端末とも呼ばれるが――は、端末側を形成し、一方、以下に説明する移動無線通信システム100の他の構成要素は、移動通信ネットワーク側の一部、すなわち移動通信ネットワーク(例えば、公衆陸上移動ネットワーク;PLMN)の一部である。
【0033】
さらに、移動無線通信システム100は、無線アクセスネットワーク(RAN)103を含み、それは、複数の無線アクセスネットワークノード、すなわち、5G(第5世代)無線アクセス技術(5G新無線)に従って無線アクセスを提供するように構成された基地局を含んでもよい。移動無線通信システム100は、LTE(Long Term Evolution)または別の移動無線通信規格(例えば、WiFiのような3GPP以外のアクセス)に従って構成してもよいことに留意されたいが、ここでは例として5Gを使用する。各無線アクセスネットワークノードは、無線インターフェースを介して移動無線端末装置102に無線通信を提供することができる。無線アクセスネットワーク103は任意の数の無線アクセスネットワークノードを含んでもよいことに留意されたい。
【0034】
移動無線通信システム100は、さらに、RAN103に接続されたアクセス・モビリティ管理機能(AMF)101と、統一データ管理(UDM)104と、ネットワーク・スライス選択機能(NSSF)105とを含むコア・ネットワーク(5GC)118を含む。ここで、そして以下の実施例では、UDMは、さらに、実際のUEのサブスクリプション・データベース――それは、例えばUDR(統一データリポジトリ)として知られている――から構成されてもよい。コア・ネットワーク118は、さらに、AUSF(認証サーバ機能)114およびPCF(ポリシー制御機能)115を含む。
【0035】
コア・ネットワーク118は、複数のコア・ネットワーク・スライス106、107を有してもよく、各コア・ネットワーク・スライス106、107に対して、オペレータは、複数のコア・ネットワーク・スライス・インスタンス108、109を作成してもよい。例えば、コア・ネットワーク118は、拡張されたモバイル・ブロードバンド(eMBB)を提供するための3つのコア・ネットワーク・スライス・インスタンス(CNI)108を有する第1のコア・ネットワーク・スライス106と、車車間・路車間(V2X)を提供するための3つのコア・ネットワーク・スライス・インスタンス(CNI)109を有する第2のコア・ネットワーク・スライス107とを含む。
【0036】
典型的には、コア・ネットワーク・スライスが配置される(すなわち、作成される)場合、ネットワーク機能(NF)は、コア・ネットワーク・スライス・インスタンスを形成するためにインスタンス化されるか、または(すでにインスタンス化されている場合)参照され、コア・ネットワーク・スライス・インスタンスに属するネットワーク機能は、コア・ネットワーク・スライス・インスタンス識別を有するように構成される。
【0037】
具体的には、示された例では、第1のコア・ネットワーク・スライス106の各インスタンス108は、第1のセッション管理機能(SMF)110および第1のユーザープレーン機能(UPF)111を含み、第2のコア・ネットワーク・スライス107の各インスタンス109は、第2のセッション管理機能(SMF)112および第2のユーザープレーン機能(UPF)113を含む。SMF110、112は、PDU(プロトコルデータ単位)セッションを処理するため、すなわち、PDUセッションを作成、更新、および削除し、ユーザープレーン機能(UPF)を用いてセッションコンテキストを管理するためのものである。
【0038】
RAN103及びコア・ネットワーク118は、移動無線通信システムのネットワーク側を形成するか、または、換言すれば、移動無線通信ネットワークを形成する。移動無線通信ネットワークと、移動無線通信ネットワークにアクセスする移動端末とは、合わせて移動無線通信システムを形成する。
【0039】
コア・ネットワーク118と同様に、RAN103もスライスされてもよく、すなわち、複数のRANスライスを含んでもよい。
【0040】
移動無線通信システム100は、さらに、例えば、RAN103およびコア・ネットワーク118に接続される(接続は、簡略化のために示されていないが)1つ以上のOAM(運用、管理および保守)サーバによって実装されるOAM機能(またはエンティティ)116を含むことができる。OAM116はMDAS(管理データ分析サービス)を含むことができる。MDASは、例えば、ネットワーク・スライス・インスタンスの負荷に関する分析レポートを提供することができる。様々な要因がネットワーク・スライス・インスタンスの負荷に影響を与える可能性がある。例えば、ネットワークにアクセスするUEの数、QoSフローの数、ネットワーク・スライス・インスタンスに関連する異なるNFのリソース利用といった要因である。
【0041】
コア・ネットワークは、さらに、ネットワーク暴露機能(NEF)119およびアプリケーション機能(AF)120を備える。
【0042】
コア・ネットワーク118は、さらに、ネットワーク・データ分析機能(NWDAF)117を含む。NWDAFは、ネットワーク機能からの要求に応じて、ネットワーク分析および/または予測情報を提供する責任を負う。例えば、ネットワーク機能は、特定のネットワーク・スライス・インスタンスの負荷レベルについての特定の分析情報を要求することができる。あるいは、ネットワーク・スライス・インスタンスの負荷レベルが変化したり、特定のしきい値に達した場合に、NWDAFがネットワーク機能に通知することを保証するために、ネットワーク機能は、加入者サービスを使用することができる。NWDAF117は、移動通信ネットワーク側の種々のネットワーク機能、例えば、AMF101、SMF110、112およびPCF115へのインターフェースを有することができる。簡単のために、NWDAF117とAMF101との間のインターフェースのみが示される。
【0043】
例えば、NWDAF分析は、ネットワーク・スライス・インスタンスに登録されているUEの数と、それらの観測サービス経験をモニターすることを可能にすべきである。SLA(サービスレベル合意)保証を実行するOAMに加えて、5GC NFは、ネットワーク・スライス・インスタンスにおけるさらなるサービス体験の劣化を防止するために、NWDAFスライスQoE分析に基づくアクションを取ることができる。
【0044】
NSSF105またはAMF101は、例えば、NWDAF117によって提供される分析結果(すなわち、ネットワーク分析および/または予測情報)を処理することによって識別される問題に対処するために、いつ負荷分散決定が必要とされるかを決定することができる。例えば、ネットワーク・スライス・インスタンスがサービス体験の劣化を体験することが検出されるか、または予測される場合、新しいUE登録またはPDUセッションは、ネットワーク・スライス負荷分散メカニズムをトリガすることによって、そのネットワーク・スライス・インスタンスにもう割り当てられなくなり得る。例えば、NSSF105、AMF101および/またはOAM116は、NWDAF117からのスライス・サービス体験およびスライス負荷分析の両方に同時に加入することもできる。一つまたは複数のS-NSSAIおよびNSIへの一つまたは複数の加入が可能である。
【0045】
NWDAF117は、ネットワーク・スライス・インスタンス・レベルについてのスライス負荷レベル情報をNFに提供することができる。NWDAFは、スライス固有のネットワークステータス分析情報(ネットワーク分析および/または予測情報とも呼ばれる)を、加入しているNFに通知する。例えば、ネットワーク分析および/または予測情報として、NWDAF117は、S-NSSAIおよび分析フィルタの関連NSI(適用可能な場合)によって示されるネットワーク・スライス・インスタンスの負荷レベルが、分析サブスクリプションで提供されたしきい値を超えた場合に報告する。しきい値がサブスクリプションで提供されていない場合、レポート(通知操作)は定期的であると仮定される。
【0046】
ネットワーク分析および/または予測情報を生成するために、NWDAF117は、(例えば、スライス・サービス体験分析を導出するために)必要とされる入力データ、すなわち、ネットワーク・スライス・インスタンスの状態の分析のための情報を収集する。NWDAF117は、それに応じて通知されるネットワーク機能に加入することによって、そのような種類の情報を得ることができる。
【0047】
図2は、NWDAF202によって提供されるネットワーク分析サービスのサービスコンシューマ201として作用するネットワーク機能(NF)を示す。
【0048】
サービスコンシューマ201は、ネットワーク分析情報の要求をNWDAF202に送信することができる。要求の中に、サービスコンシューマ201は、特に、分析IDを含めて、ネットワーク分析情報の種類を特定することができる。分析IDの例としては、UE通信、UE移動度、UE挙動、ユーザデータ輻輳、ネットワーク性能などが挙げられる。
【0049】
サービスコンシューマ201がネットワーク分析情報の要求をNWDAF202に送信すると、NWDAF202は、ネットワーク分析情報を提供するために、AMF203などのネットワーク機能からデータを収集することができる。次いで、NWDAF202は、ネットワーク分析を実行し、すなわち、要求されたネットワーク分析情報を決定し、その結果をNFコンシューマ201に報告する。
【0050】
NWDAF202は、例えば、UEが位置するトラッキングエリアまたはセルに関する情報をAMF203から収集することができる。例えば、NFコンシューマ201は、UEに関連する分析情報を要求し、分析情報がTA(トラッキングエリア)レベルまたはセルレベル(UEの移動度は、例えば、UEが存在する特定の無線セルに対して、すなわち、例えば、その特定のセルに対する典型的な挙動に基づいて、推定されるべきである)で決定されるべきであることを含む。
【0051】
この要求に応答するために、NWDAF202は、AMF203からUEの現在位置情報(すなわち、TAレベルまたはセルレベル)を収集する。
【0052】
AMF203は、TAレベルまたはセルレベルの粒度を有するUE位置報告を提供することができるだけである。すなわち、セルレベルまでのUE位置に関する知識のみを有する。
【0053】
しかしながら、例えば数メートルの粒度を必要とする、より細かいレベル(例えば、建物のフロア間)での移動度、位置依存のコンテンツ送信、訪問した場所(レストランなど)に基づく挙動の推論、ある屋外広告を見る視聴者の数の測定、または例えば数メートルの細分性を必要とするある場所の訪問者数の測定などの、より細かい粒度でのネットワーク分析が望ましいユースケースがある。
【0054】
従って、様々な実施形態によれば、例えば、特定の地理的位置(例えば、経度、緯度および高さ(例えば、メートル単位))、または特定の市民の位置(例えば、特定のアドレス、すなわち、ある通りの建物)、すなわち、一般に、地域についてのより細かい粒度でのネットワーク分析の導出を可能にするために、NWDAF202は、LCS(ロケーションサービス)構成要素からUE情報を収集する。
【0055】
図3は、LCSアーキテクチャ300を示す。
【0056】
LCSアーキテクチャ300では、図1を参照して説明したように、UE301、RAN302、AMF303、UDM304、NEF305およびAF306が示されている。
【0057】
LCS構成要素として、LCSアーキテクチャ300は、LMF(位置管理機能)307、GMLC(ゲートウェイ・モバイル・ロケーション・センター)308およびLRF(位置検索機能)309を含む。加えて、LCSクライアント(または複数のそのようなクライアント)310は、LCSアーキテクチャ300の一部である。
【0058】
3GPPは、正確なUE位置情報を提供するためのロケーションサービス(LCS)アーキテクチャを定義した。
【0059】
位置情報は、地理的位置、速度(標的UEの速さと方向の組み合わせ)、市民の位置(市民の形式の標的UEの実行可能な位置づけは、救急サービスに適用可能)、およびサービス品質情報のうちの1つまたは複数を含み、サービス品質情報は、水平精度(位置精度は25m~200mまで提供可能)および垂直精度(絶対的な高さ/深さ、または局所的な地面に対する相対的な高さ/深さのいずれかによるUEの垂直位置)を含む。
【0060】
LCS(すなわち、LMF307、GMLC308およびLRF309によって提供されるサービス)はUE位置情報を提供するが、分析情報(統計および予測)は提供しないことに留意されたい。
【0061】
表1にLMFサービスの一覧を、表2にGMLCサービスの一覧を示す。
【表1】
【表2】
【0062】
様々な実施形態によれば、NWDAF202は、UE位置情報を得るために、(例えば、GMLC310に対して)LCSクライアント310として作用する。これを図4に示す。
【0063】
図4は、ネットワーク分析情報を提供するためのメッセージ・フローを示すフロー図400を示す。
【0064】
NFコンシューマ401、NWDAF402、およびLCS構成要素403(GMLC、LRF、またはLMF)が、フローに含まれる。
【0065】
404において、NFコンシューマ401は、ネットワーク分析情報についての要求をNWDAF402に送信する。NFコンシューマは、例えば、5GC NFまたはAF120またはOAM116である。一実施形態によれば、それは、分析IDとして「UE位置分析」を含む。
【0066】
NFコンシューマ401は、例えば、入力パラメータとして、UE位置分析ID、UE ID、UE位置粒度、およびコンシューマ情報を要求に含める。
【0067】
位置粒度は、ネットワーク分析情報が決定されるべき粒度を定義する。例えば、建物のフロアレベル、建物のレベル(市民の位置のレベル)などである。
【0068】
UE位置分析IDによる要求の受信に応答して、NWDAF402は、その構成に基づいて、またはNRF(ネットワークリポジトリ機能)を使用して、LCS構成要素403を選択する。
【0069】
406において、NWDAF402は、次いで、選択されたLCS構成要素403から、必要とされるUE位置情報(例えば、要求で指定された粒度のレベルでのUE位置)を収集する。NWDAF402は、これを、要求を介して、あるいは(UE位置について通知される)位置サービスへの加入を介して行うことができる。なお、位置情報の収集は様々である。例えば、位置情報は、UEごと、UEグループごと、またはS-NSSAI(スライス)(例えば、特定の層のすべてのUE)ごと、またはDNNごと、またはそれらの組み合わせの1つ以上で収集することができる。
【0070】
407において、収集された位置情報に基づいて、NWDAF402は、要求された分析情報(例えば、UE位置統計および/または予測)を決定し、408においてそれをコンシューマに提供する。
【0071】
図4の例において、NWDAF402は、UE位置分析IDおよび対応する粒度の仕様を指定する要求を受信したことに応答して、LCS構成要素403を参照する。あるいは、NWDAF402は、単独で(すなわち、要求が位置情報および対応する粒度の仕様を含まない場合でも)LCS構成要素403を参照することを決定して、要求されたネットワーク分析情報を導出し、例えば、UE位置に関する(より)正確な情報に基づく分析の強化を達成してもよい。
【0072】
図5は、UE位置情報を収集することによる分析的強化を示している。
【0073】
この例では、NFコンシューマ401(5GC NFまたはAFまたはOAM)は、504においてNWDAFから(例えば、UE通信、UE移動度、UE挙動、ユーザデータ輻輳、UE位置およびネットワーク性能などの任意の種類の分析IDを使用して)分析情報を要求する。
【0074】
例えば、NFコンシューマ401は、入力パラメータとして、分析ID、UE ID、およびコンシューマ情報を含む要求を送信する。
【0075】
次いで、NWDAF502は、分析の性質に基づいて、UE位置情報を有することが分析の品質を改善し得ると判断してもよく、従って、UE位置情報を収集することを決定する。また、NWDAF502は、例えば、アプリケーションの種類(例えば、ネットワーク分析を実行すべきアプリケーション)、オペレータの方針、ローカル構成などのような他の要因に基づいて決定してもよい。
【0076】
従って、NWDAF502は、その構成に基づいて、またはNRF(ネットワークリポジトリ機能)を使用してLCS構成要素503を選択し、505において、選択されたLCS構成要素503から(NWDAF502が品質を改善すると判断した)UE位置情報を収集する。NWDAF502は、要求を介して、あるいは(UE位置について通知される)位置サービスへの加入を介してこれを行うことができる。なお、位置情報の収集は様々である。例えば、位置情報は、UEごと、UEグループごと、またはS-NSSAI(スライス)(例えば、特定の層のすべてのUE)ごと、またはDNNごと、またはそれらの組み合わせの1つ以上で収集することができる。
【0077】
NWDAF502は、さらに、ネットワーク分析を実行するための他のデータ、例えば、図2を参照して説明されるようなAMFからのデータを収集することができる。
【0078】
収集されたデータ、特に収集されたUE位置情報に基づいて、NWDAF502は分析情報を決定し、それを506においてNFコンシューマ501に提供する。
【0079】
また、NWDAF502は、位置情報の別のソース、すなわち、LCS構成要素以外の一般の位置プロバイダから追加の位置情報を収集することもできる。これを図6に示す。
【0080】
図6は、NFコンシューマ602からのネットワーク分析情報についての要求にサービスするために、LCS構成要素603から位置情報を、そして、さらに、(LCS構成要素以外の)位置プロバイダ604から追加位置情報を収集するNWDAF601を示す。NWDAF601は、(例えば、局所的な方針および/または分析の性質に基づいて)LCS構成要素603または位置プロバイダ604のいずれか、またはそれら両方から位置情報を収集するかを決定する。
【0081】
NWDAF601は、収集を行うべきであると指定する要求に応答して、または(例えば、図5を参照して説明したように)独自の決定によって、位置情報および/または追加位置情報を収集することができる。
【0082】
位置プロバイダ604は、例えば、ユーザープレーンを介して1つ以上のUE(装置)からUE(装置)位置情報を取得するアプリケーション機能(例えば、サーバ)または位置管理サーバである。この位置プロバイダ604は、1つ以上のUE(装置)の位置情報を提供するために、インターフェース(アプリケーションプログラミングインターフェース、API)を露出する。NWDAFは、位置プロバイダから直接的に、あるいはネットワーク露出機能(NEF)119を介して、位置情報を受信する。位置プロバイダ情報は、(ローカル設定として)NWDAFに設定されるか、またはNRF(例えば、OAMによってNRF内に設定された情報)を介して選択する。
【0083】
要約すると、様々な実施形態によれば、図7に示されるように、ネットワーク分析構成要素が提供される。
【0084】
図7は、一実施形態による、通信ネットワークのネットワーク分析構成要素700を示す。
【0085】
ネットワーク分析構成要素700は、ネットワーク分析情報についての要求を分析要求構成要素705から受信するように構成された分析インターフェース701を含む。
【0086】
ネットワーク分析構成要素700は、さらに、ネットワーク分析情報を生成するために、ロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するかどうかを判定するように構成された判定器702を含む。判定器702は、独立した機能又はサービスであり得る。その場合、ネットワーク分析器704は、判定器702と通信して、1つ以上の移動端末の位置情報を決定する。特に、ネットワーク分析構成要素700は、分散されてもよく、例えば、NWDAFおよび(NWDAFとは別のサーバまたは装置に実装され得る)判定器を含んでもよい。従って、ネットワーク分析構成要素700は、判定器および(例えば、NWDAF機能に対応し得る)ネットワーク分析器を含んでもよく、それらはインターフェースによって接続される(そして、同一位置にあってもなくてもよい)。また、判定器は、さらなる構成要素からの指示に基づいて判定を実行してもよい。
【0087】
さらに、ネットワーク分析構成要素700は、判定器702がネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定した場合に、ロケーションサービス構成要素706を選択し、選択されたロケーションサービス構成要素706から1つ以上の移動端末の位置情報を収集するように構成された位置インターフェース703を含む。
【0088】
ネットワーク分析構成要素700は、判定器702がネットワーク分析情報を生成するためにロケーションサービス構成要素から1つ以上の移動端末の位置情報を収集することを決定した場合に、収集された位置情報を使用して要求されたネットワーク分析情報を生成し、生成されたネットワーク分析情報を分析インターフェース701を介して要求構成要素に提供するように構成されたネットワーク分析器704をさらに含む。
【0089】
種々の実施形態によれば、言い換えると、ネットワーク分析構成要素は、それが(例えば、ネットワーク分析情報の所望の品質を指定し得る品質基準に従って)1つ以上の移動端末のセットについてネットワーク分析情報を生成するために位置情報が必要であるか又は望ましいと判定した場合に、LCS構成要素から(例えば、1つ以上の移動端末のセットについての)位置情報を検索する。ネットワーク分析構成要素は、これに適したLCS構成要素を選択することができる。さらに、位置情報の収集は、UEごと、UEグループごと、またはS-NSSAI(スライス)(例えば、特定の領域、すなわち、例えば、地理的領域または市民のすべてのUE)ごと、またはDNNごと、またはそれらの組み合わせの1つ以上ごととすることができる。
【0090】
なお、選択は、位置インターフェースの構成に従ってもよいことに留意されたい。選択されるLCS構成要素は固定されてもよいが、位置インターフェースは、必要とされる位置情報(従って、および位置サービス)に応じてLCS構成要素を選択するように構成されてもよい。
【0091】
特に、図5のアプローチは、トラッキングエリアレベルまたはセルレベルよりも細かい粒度でのネットワーク分析情報を生成することを可能にする。すなわち、生成されるネットワーク分析情報は、無線セルまたはトラッキングエリアよりも小さい地理的領域(例えば、地理的位置または市民の位置)について固有であるか、または、1つ以上の移動端末の特定の速度に対しても固有である(すなわち、位置情報は、移動速度も含み得る)。
【0092】
ネットワーク分析情報の生成に位置情報が使用されるべきであることという(要求中での)表示を可能にするために、分析IDを導入してもよい。
【0093】
また、ネットワーク分析構成要素は、LCS位置情報(すなわち、LCS構成要素から収集された位置情報)を使用すべきかどうかに応じて、ネットワーク分析情報を生成するためにネットワーク分析構成要素が使用する機械学習(ML)モデルを選択してもよい。これは、例えば、UE位置に基づいて推論プロセスを実行するMLモデルであってもよい。
【0094】
図8は、通信ネットワーク分析を実行するための方法を示すフロー図800を表す。
【0095】
801において、ネットワーク分析情報についての要求が要求構成要素から受信される。
【0096】
802において、ネットワーク分析情報を生成するために、1つ以上の移動端末の位置情報をロケーションサービス構成要素から収集するかどうかが判定される。
【0097】
決定器が、ネットワーク分析情報を生成するために、1つ以上の移動端末の位置情報をロケーションサービス構成要素から収集すると判定した場合、803においてロケーションサービス構成要素が選択され、804において1つ以上の移動端末の位置情報が選択されたロケーションサービス構成要素から収集され、805において収集された位置情報を使用して要求されたネットワーク分析情報が生成され、806において生成されたネットワーク分析情報が分析インターフェースを介して要求構成要素に提供される。
【0098】
1つ以上の回路が、本方法を実行し、例えば、ネットワーク分析構成要素の構成要素を実装してもよい。「回路」は、任意の種類の論理実装エンティティとして理解されてもよく、それは特定用途回路またはメモリに記憶されたソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。したがって、「回路」は、ハードワイヤード論理回路またはプログラム可能プロセッサ、例えばマイクロプロセッサのようなプログラム可能論理回路であってもよい。「回路」はまた、ソフトウェア、例えば任意の種類のコンピュータプログラムを実行するプロセッサであってもよい。上述の各機能の任意の他の種類の実装も、「回路」として理解され得る。
【0099】
特定の態様について説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の態様の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細における種々の変更をその中で行うことができることは、当業者によって理解されるべきである。従って、範囲は添付の特許請求の範囲によって示され、したがって、特許請求の範囲の同等性の意味および範囲内に入る全ての変更は、包含されることが意図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8