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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】部品装着機及び基板生産システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20231122BHJP
【FI】
H05K13/04 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022558780
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(86)【国際出願番号】 JP2020040933
(87)【国際公開番号】W WO2022091378
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 尚宏
【審査官】松江川 宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-021697(JP,A)
【文献】特開昭62-295482(JP,A)
【文献】特開平02-084000(JP,A)
【文献】特開2013-143419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30,13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に装着される部品が有するリード電極部の平坦度を測定する測定部と、
前記測定部により測定される前記平坦度が第一許容範囲内にある前記部品を、前記基板への装着を許可する許可部品と判定する許可部品判定部と、
前記測定部により測定される前記平坦度が前記第一許容範囲よりも外側にある第二許容範囲外にある前記部品を、前記基板への装着を禁止する廃棄部品と判定する廃棄部品判定部と、
前記測定部により測定される前記平坦度が前記第一許容範囲外にありかつ前記第二許容範囲内にある前記部品を、前記基板に装着可能な装着可能部品としてリカバリさせるリカバリ処理部と、
を備え
前記部品は、複数のリード電極部を有し、
前記リカバリ処理部は、
前記平坦度が前記第一許容範囲外にありかつ前記第二許容範囲内にある前記部品の前記リード電極部のうちから要リカバリ電極部を特定する電極特定部と、
前記電極特定部により前記要リカバリ電極部が特定された場合に、前記要リカバリ電極部に対して前記基板への接触を確保するハンダ塗布が行われるように制御するハンダ塗布制御部と、
を有する、部品装着機。
【請求項2】
前記ハンダ塗布制御部は、前記電極特定部により前記要リカバリ電極部が特定されない場合に、すべての前記リード電極部に対して前記ハンダ塗布が行われるように制御する、請求項に記載された部品装着機。
【請求項3】
前記ハンダ塗布制御部は、ディスペンスヘッドに対して前記ハンダ塗布を行うように指令する、請求項又はに記載された部品装着機。
【請求項4】
前記部品装着機は、部品移載機に保持されている前記部品を撮像するパーツカメラを備え、
前記電極特定部は、前記パーツカメラの撮像画像に基づいて前記要リカバリ電極部の特定を行う、請求項乃至の何れか一項に記載された部品装着機。
【請求項5】
前記部品装着機は、前記基板を上方から撮像するカメラ装置を備え、
前記電極特定部は、
前記パーツカメラの撮像画像に基づいて前記要リカバリ電極部の特定を行う第一特定部と、
前記基板への前記部品の装着処理が行われた後、前記カメラ装置の撮像画像に基づいて前記要リカバリ電極部の特定を行う第二特定部と、
を有する、請求項に記載された部品装着機。
【請求項6】
前記部品装着機は、前記基板を上方から撮像するカメラ装置を備え、
前記電極特定部は、前記カメラ装置が前記部品の装着処理が行われた前記基板を撮像した撮像画像に基づいて、前記要リカバリ電極部の特定を行う、請求項乃至の何れか一項に記載された部品装着機。
【請求項7】
前記部品装着機は、前記電極特定部により特定される前記要リカバリ電極部の情報をホストコンピュータに伝達する情報伝達部を備える、請求項乃至の何れか一項に記載された部品装着機。
【請求項8】
請求項に記載された部品装着機と、
前記情報伝達部により伝達された前記要リカバリ電極部の情報を格納するデータベースを有する生産管理ホストと、
前記基板にハンダを塗布するハンダ塗布装置と、
を備える基板生産システムであって、
前記ハンダ塗布装置は、前記データベースに格納されている前記要リカバリ電極部の情報に基づいて、前記基板にハンダを塗布する、基板生産システム。
【請求項9】
請求項に記載された部品装着機と、
前記ハンダ塗布制御部による前記ハンダ塗布の実行結果を格納するデータベースを有する生産管理ホストと、
前記基板にハンダを塗布するハンダ塗布装置と、
を備える基板生産システムであって、
前記データベースに格納されている前記実行結果に基づいて、前記ハンダ塗布装置により前記基板に塗布するハンダの量を増減するハンダ量制御部を備える、基板生産システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、部品装着機及び基板生産システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、部品の有するリード電極部の平坦度を検査する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このリード電極部の平坦度とは、端子の直進性を示す指標であって、端子最下面の均一性のことである。この装置による平坦度の検査は、予め定められた一つの許容範囲を用いて行われる。そして、リード電極部の平坦度が許容範囲内にある場合は、その部品が端子曲がりが生じていない適正部品であるとして基板への装着に用いられる。一方、リード電極部の平坦度が許容範囲外にある場合は、その部品が端子曲がりが生じている不適部品であるとして回復処理される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/141405号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の装置では、リード電極部の平坦度の検査が上記の如く一つの許容範囲を用いて行われる。このため、この装置では、装置側が不適部品となった部品のうち修復可能な部品と廃棄の必要な部品とを区別するものではなく、作業者がその区別を行うことが必要であるので、部品の回復処理を行ううえで作業者の作業負担が増大してしまう。
【0005】
本明細書は、作業者の作業負担を増やすことなく修復可能な部品と廃棄の必要な部品とを区別することが可能な部品装着機及び基板生産システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、基板に装着される部品が有するリード電極部の平坦度を測定する測定部と、前記測定部により測定される前記平坦度が第一許容範囲内にある前記部品を、前記基板への装着を許可する許可部品と判定する許可部品判定部と、前記測定部により測定される前記平坦度が前記第一許容範囲よりも外側にある第二許容範囲外にある前記部品を、前記基板への装着を禁止する廃棄部品と判定する廃棄部品判定部と、前記測定部により測定される前記平坦度が前記第一許容範囲外にありかつ前記第二許容範囲内にある前記部品を、前記基板に装着可能な装着可能部品としてリカバリさせるリカバリ処理部と、を備える、部品装着機を開示する。
【0007】
本開示によれば、許可部品でない部品のうちから修復可能部品と廃棄部品とを区別する作業を作業者に強いることは不要であり、修復可能部品を基板に装着可能な装着可能部品としてリカバリさせるための作業負担が軽減される。従って、作業者の作業負担を増やすことなく、許可部品でない部品を修復可能部品と廃棄部品とに区別することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る部品装着機を備える基板生産システムの構成図である。
図2】リード電極部の変形が生じていない部品が基板に装着された状態を表した図である。
図3】実施形態の部品装着機の構成図である。
図4】実施形態の基板生産システムの制御ブロック図である。
図5】リード電極部の変形が生じている部品が基板に装着された状態を表した図である。
図6】部品の適否判定に用いるリード電極部の平坦度を説明するためのリード電極部を側方から見た図である。
図7】リード電極部が適正であるときの基板とリード電極部との関係を表した図である。
図8】リード電極部が曲がっているときの基板とリード電極部との関係を表した図である。
図9】実施形態の部品装着機において実行される制御ルーチンの一例のフローチャートである。
図10】一変形形態において部品の適否判定に用いるリード電極部の平坦度を説明するためのリード電極部を側方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.基板生産システムの構成
本実施形態の基板生産システム1は、部品2(図2参照)が装着された基板3を生産するシステムである。基板生産システム1は、図1に示す如く、対基板作業機としての、印刷機10と、部品装着機30と、ハンダ塗布装置70と、リフロー炉80と、外観検査機90と、を備えている。
【0010】
印刷機10、部品装着機30、及びハンダ塗布装置70は、対基板作業ラインが形成されるように所定順に配置されている。基板3は、基板搬送装置によってその対基板作業ラインに沿って搬送される。尚、対基板作業機としては、例えば、印刷検査機、機能検査機などが含まれてよい。
【0011】
基板3は、回路が形成された回路基板である。基板3は、平板状に形成されている。部品2は、基板3に装着される電子部品である。部品2は、ハンダを用いて基板3に接合されることにより基板3に装着される。
【0012】
部品2は、図2に示す如く、部品本体2aと、リード電極部2bと、を有している。部品本体2aは、例えば直方体の箱状に形成されている。リード電極部2bは、突起状の端子部材である。リード電極部2bは、部品本体2aの一辺以上に取り付けられている。リード電極部2bは、部品本体2aの一辺当たりに複数設けられており、部品本体2aに水平方向に並んで配置されている。各リード電極部2bは、互いに同じ形状を有している。リード電極部2bは、部品本体2aから水平方向に延出し、下方に屈曲し、更に水平方向に屈曲するように形成されている。リード電極部2bの先端部は、水平方向に延伸しており、基板3の上面に接触可能に形成されている。
【0013】
印刷機10は、基板3の表面における部品2が装着される位置にハンダを印刷する装置である。印刷機10で用いられるハンダは、例えば有底筒状又はチューブ状の密閉可能な容器に収容されている。以下、印刷機10で基板3に印刷されるハンダを基本ハンダ4aと称す(図7及び図8参照)。
【0014】
部品装着機30は、基板3に複数の部品2を装着する装置である。尚、部品装着機30は、基板生産システム1において一つだけ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。部品装着機30が複数設けられる場合は、複数の部品装着機30が分担してそれぞれ基板3に複数の部品2を装着することができる。また、部品装着機30の詳細な構成は、後に詳述する。
【0015】
ハンダ塗布装置70は、基板3の表面にハンダを塗布する装置である。ハンダ塗布装置70は、印刷機10よりも後の工程に設けられていると共に、部品装着機30よりも後の工程に設けられている。ハンダ塗布装置70は、基板3の表面における主に印刷機10によるハンダ印刷では十分でない箇所にハンダを塗布する。以下、ハンダ塗布装置70で基板3に塗布されるハンダを追加ハンダ4bと称す(図8参照)。
【0016】
リフロー炉80は、部品装着機30によって複数の部品が装着された基板3を加熱することにより、ハンダを溶融させて基板3への部品2の固定を行う装置である。外観検査機90は、部品装着機30によって基板3に装着された複数の部品2の装着状態などを検査する装置である。
【0017】
このように、基板生産システム1は、基板3を対基板作業ラインに沿って順に搬送しながら、複数種類の対基板作業機を用いてその基板3に対して生産処理を実行して、部品2が装着された基板3を生産する。
【0018】
基板生産システム1の各対基板作業機(主に、印刷機10、部品装着機30、ハンダ塗布装置70、リフロー炉80、及び外観検査機90)は、管理装置100により動作制御される。各対基板作業機と管理装置100とは、有線又は無線の通信部によって互いに通信することが可能である。管理装置100は、各対基板作業機の制御を行い、対基板作業ライン上の動作状況を監視するホストコンピュータ/生産管理ホストである。管理装置100には、各対基板作業機を制御する種々の制御データが記憶されている。管理装置100は、対基板作業機それぞれに制御データを送信する。また、各対基板作業機はそれぞれ、管理装置100に動作状況及び生産状況を送信する。
【0019】
2.部品装着機の構成
部品装着機30は、図3に示す如く、基板搬送装置40と、部品供給装置50と、部品移載装置60と、を備えている。基板搬送装置40、部品供給装置50、及び部品移載装置60はそれぞれ、部品装着機30の本体部である基台31に取り付けられている。
【0020】
基板搬送装置40は、基板3を搬送する装置である。基板搬送装置40は、一対のガイドレール41と、コンベアベルト42と、クランプ装置(図示せず)と、を有している。一対のガイドレール41は、間隔を空けて互いに平行になるように配置されており、基板3を水平なX方向に向けて案内する。コンベアベルト42は、基板3を載置可能なベルト部材であって、電動モータなどによって輪転可能である。基板3は、一対のガイドレール41により案内された状態で、コンベアベルト42により部品装着機30の機内に搬入されてX方向に搬送される。クランプ装置は、基板3がX方向の部品装着位置まで搬送された際に、その基板3を位置決めする。基板3は、部品装着位置で部品2の装着が完了した後、部品装着機30の機外に搬出される。
【0021】
部品供給装置50は、基板3に装着される部品2を部品移載位置に供給する装置である。部品供給装置50は、フィーダ51を有している。フィーダ51は、例えばリールに巻回されたキャリアテープを、X方向に直交する水平なY方向に送り移動させて、そのキャリアテープに収容されている部品2を部品移載位置まで搬送する。フィーダ51は、基台31にX方向に並んで複数配置されたスロットに着脱可能に装着される。部品供給装置50は、複数のフィーダ51を用いて複数種類の部品2を部品移載位置に供給することができる。
【0022】
部品供給装置50は、また、比較的大型の部品2をトレイ52上に並べた状態で供給することができる。部品供給装置50は、基台31に上下方向であるZ方向に区画された収納棚53に複数のトレイ52を収納し、装着処理に応じてトレイ52を引き出して部品2を供給する。
【0023】
部品移載装置60は、部品移載位置まで供給された部品2を、部品装着位置に位置決めされている基板3に移載する装置である。部品移載装置60は、Y軸移動台61と、X軸移動台62と、装着ヘッド63と、を有している。
【0024】
Y軸移動台61は、Y軸モータの駆動により、基台31に対してY方向に延びるガイドレールに沿って移動する。X軸移動台62は、Y軸移動台61にX方向に移動可能に取り付けられている。X軸移動台62は、Y軸移動台61のY方向への移動に伴ってそのY軸移動台61と一体で基台31に対してY方向へ移動すると共に、X軸モータの駆動により基台31に対してX方向へ移動する。
【0025】
装着ヘッド63は、部品移載位置に供給された部品2を保持し、その後、その部品2を部品装着位置に位置決めされている基板3まで位置移動させて、その部品2の保持を解除してその部品2を基板3に装着するヘッド部材である。装着ヘッド63は、X軸移動台62に着脱可能に取り付けられている。装着ヘッド63は、X方向及びY方向に(すなわち、水平方向に)移動可能であると共に、X方向及びY方向の双方に直交するZ方向に昇降可能である。装着ヘッド63は、対象とする部品2の種類やサイズ,形状等に応じて適宜変更可能である。装着ヘッド63には、吸着ノズル(図示せず)に対応したタイプと、チャック装置(図示せず)に対応したタイプと、がある。
【0026】
吸着ノズルに対応した装着ヘッド63は、部品2を吸着する吸着ノズルを着脱可能に支持する。この装着ヘッド63は、Z方向に平行な軸回りに公転可能であると共に、Z方向に平行で吸着ノズルの中心を通る軸回りに回転可能にかつ軸に沿って昇降可能に吸着ノズルを支持する。吸着ノズルは、負圧供給されることにより、フィーダ51により部品移載位置まで供給された部品2を吸着して保持する。吸着ノズルは、装着ヘッド63の本体に対する昇降位置や角度位置,負圧供給などを制御される。
【0027】
チャック装置に対応した装着ヘッド63は、比較的大型の部品2を把持するチャック装置を支持する。この装着ヘッド63は、Z方向に平行な軸回りに回転可能にかつ軸に沿って昇降可能にチャック装置を支持する。チャック装置は、例えば水平方向に対向する一対の把持爪を有する。チャック装置は、駆動力により一対の把持爪の離間距離を所定間隔に狭めて部品2を把持して保持する。チャック装置は、装着ヘッド63の本体に対する昇降位置などを制御される。
【0028】
部品装着機30は、また、パーツカメラ32と、基板カメラ33と、厚み測定部34と、を備えている。パーツカメラ32及び基板カメラ33はそれぞれ、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するカメラである。パーツカメラ32及び基板カメラ33はそれぞれ、図4に示す如く、制御装置35に通信可能に接続されている。パーツカメラ32及び基板カメラ33はそれぞれ、制御装置35からの制御信号に従ってカメラ視野範囲内の撮像を行い、その撮像により取得された画像データを制御装置35へ送出する。
【0029】
パーツカメラ32は、装着ヘッド63に保持されている部品2を下方から撮像するカメラである。パーツカメラ32は、部品装着機30の基台31に光軸が上方に向くように固定されている。パーツカメラ32は、吸着ノズル又はチャック装置に保持されている部品2の下面を撮像する。基板カメラ33は、基板3を上方から撮像するカメラである。基板カメラ33は、部品移載装置60のX軸移動台62に光軸が下方に向くように固定されている。基板カメラ33は、基板3の上面を撮像する。
【0030】
厚み測定部34は、装着ヘッド63に保持された部品2を被測定体として主にその部品2のリード電極部2bの先端部の位置などを測定する装置である。厚み測定部34は、部品装着機30の基台31に固定されている。厚み測定部34は、装着ヘッド63の移動により厚み測定部34に対して側方に位置決めされた部品2のリード電極部2bの先端部が占める厚み(以下、電極厚みTと称す。図8参照)を測定する。
【0031】
厚み測定部34は、例えば、レーザ照射器から水平方向へ複数のリード電極部2bが並ぶ方向に沿ってレーザ光を照射し、部品2のリード電極部2bで反射した光を受光器で集光することにより、受光器で集光した光に基づいて、水平方向に重なり合った複数のリード電極部2bの全体の電極厚みTを測定する。この電極厚みTは、部品本体2aの一辺に取り付けられた複数のリード電極部2bが水平方向に正確に並んでいる場合はリード電極部2b一本分の高さとなるが、一以上のリード電極部2bが他のリード電極部2bに比べて上方に浮いている場合はその浮き度合いに応じてリード電極部2b一本分の高さを超えたものとなる。
【0032】
尚、厚み測定部34は、上記のようなレーザ式のもの以外で部品2の電極厚さTを測定可能であってもよい。例えば、厚み測定部34は、カメラなどを用いて部品2の側面の形状(立体的な形状)を測定することにより、電極厚さTを測定するものとしてもよい。厚み測定部34は、制御装置35からの制御信号に従って測定処理を行い、その測定結果を制御装置35へ送出する。
【0033】
制御装置35は、CPUやROM,RAMなどが設けられたコンピュータを主体に構成されている。制御装置35には、パーツカメラ32による画像データ及び基板カメラ33による画像データが供給されると共に、厚み測定部34による測定結果が入力される。制御装置35は、所定の制御プログラムに従って、それらの画像データ及び測定結果に基づいて基板3に部品2を装着する装着処理を実行する。
【0034】
制御装置35は、図4に示す如く、部品適否判定部35aを有している。部品適否判定部35aは、厚み測定部34による電極厚みTの測定結果に基づいて、装着ヘッド63に保持された部品2が基板3に装着する部品に適しているか否かの判定(適否判定)を行う部位である。部品適否判定部35aによる部品2の適否判定は、部品2のリード電極部2bの平坦度に基づいて行われる。
【0035】
例えば図2に示す如く、部品2の各リード電極部2bの端子最下面が略均一であるときは、その部品2は、リード電極部2bの平坦度が高く、基板3に装着する部品として適した部品となる。一方、図5及び図6に示す如く、部品2の一以上のリード電極部2bの端子最下面が他のリード電極部2bの端子最下面に比べて高い位置にあるときは、その部品2は、リード電極部2bの平坦度が低く、そのままでは基板3に装着する部品として適さないが、リカバリ処理により基板3に装着する部品とすることができることがある。
【0036】
上記の適否判定は、装着ヘッド63に保持された部品2が、(A)基板3への装着を許可する許可部品、(B)基板3への装着を禁止する廃棄部品、及び(C)基板3への装着が可能となるようにリカバリさせる修復可能部品、の何れであるかの判定を行うものである。また、リード電極部2bの平坦度は、部品2の端子の直進性を示す指標であって、複数のリード電極部2bの端子最下面の均一性のことである。この平坦度は、リード電極部2bの曲がり度合いを示す変形量で評価される。
【0037】
部品適否判定部35aは、まず、厚み測定部34が測定した電極厚さTに基づいて、リード電極部2bの平坦度を測定する。リード電極部2bの平坦度は、電極厚さTが一本分のリード電極部2bの高さに近い値であるほど高く、電極厚さTが一本分のリード電極部2bの高さを基準にして大きい値であるほど低くなる。
【0038】
部品適否判定部35aは、部品2の適否判定を行うための許容値を二つ有している。これら二つの許容値T1,T2(図6参照)は、リード電極部2bの平坦度(具体的には、電極厚さT)についての互いに異なる閾値である。尚、これらの許容値T1,T2は、一本分のリード電極部2bの高さよりも大きい側のみに設定されていればよい。
【0039】
許容値T1は、基板3への装着を許可する許可部品としてリード電極部2bの平坦度が満たすべき上限値に設定されている。また、許容値T2は、許容値T1を超える範囲に設定されており、基板3への装着が可能となるようにリカバリさせる修復可能部品と基板3への装着を禁止する廃棄部品とを区別するためのリード電極部2bの平坦度の境界値であって、その修復可能部品としてリード電極部2bの平坦度が満たすべき上限値に設定されている。以下適宜、許容値T1を第一許容値T1とし、許容値T2を第二許容値T2とする。
【0040】
部品適否判定部35aは、二つの許容値T1,T2を用いて部品2の適否判定を行う。具体的には、部品適否判定部35aは、厚み測定部34で測定された電極厚みTが第一許容値T1を上限値とする第一許容範囲内にあるか否かを判定する。電極厚みTが第一許容範囲内にあれば、すべてのリード電極部2bの先端部が占める高さ範囲が第一許容範囲内に収まっていると判断できる。また、部品適否判定部35aは、上記の電極厚みTが上記の第一許容範囲よりも外側にあって第二許容値T2を上限値とする第二許容範囲の外側にあるか否かを判定する。電極厚みTが第二許容範囲外にあれば、一以上のリード電極部2bの先端部が他のリード電極部2bの先端部よりも上方に飛び出して変形していると判断できる。
【0041】
部品適否判定部35aは、許可部品判定部35a-1と、廃棄部品判定部35a-2と、を有している。許可部品判定部35a-1は、リード電極部2bの平坦度が第一許容範囲内にある部品2を許可部品と判定する部位である。廃棄部品判定部35a-2は、リード電極部2bの平坦度が第二許容範囲外にある部品2を廃棄部品と判定する部位である。
【0042】
制御装置35は、リカバリ処理部35bを有している。リカバリ処理部35bは、リード電極部2bの平坦度が第一許容範囲外にありかつ第二許容範囲内にある部品(修復可能部品)2を、基板3に装着可能な装着可能部品としてリカバリさせる部位である。具体的には、リカバリ処理部35bは、そのリカバリ対象の修復可能部品と基板3とのハンダを介した接触を確保するために、図8に示す如く、基板3に予め印刷されている基本ハンダ4aとは別に追加ハンダ4bをその基板3に塗布する処理を行う。リカバリ処理部35bは、電極特定部35b-1と、ハンダ塗布制御部35b-2と、を有している。
【0043】
電極特定部35b-1は、リード電極部2bの平坦度が第一許容範囲外にありかつ第二許容範囲内にある部品2のリード電極部2bのうちから一以上の要リカバリ電極部を特定する部位である。電極特定部35b-1は、例えば、パーツカメラ32の撮像画像に基づいて要リカバリ電極部を特定することができると共に、基板3への部品2の装着処理後、基板カメラ33の撮像画像に基づいて要リカバリ電極部を特定することができる。
【0044】
ハンダ塗布制御部35b-2は、電極特定部35b-1により要リカバリ電極部が特定された場合に、ハンダ塗布装置70を用いて要リカバリ電極部に対して基板3への接触を確保する追加ハンダ4bの塗布が行われるように制御する部位である。
【0045】
制御装置35は、また、情報伝達部35cを有している。情報伝達部35cは、パーツカメラ32の撮像画像及び基板カメラ33の撮像画像のデータ並びに部品本体2aに対する要リカバリ電極部の位置情報などを管理装置100へ伝達する部位である。
【0046】
3.部品装着機での制御処理
部品装着機30の制御装置35は、基板3の生産工程で、装着ヘッド63を用いて、部品移載位置に供給された部品2を保持させ、その後、その部品2を部品装着位置に位置決めされている基板3まで位置移動させる。制御装置35は、この位置移動の過程で、装着ヘッド63に部品2を保持させた状態でその部品2を厚み測定部34に対して側方に位置決めさせ、厚み測定部34に電極厚みTを測定させる指令を行う。厚み測定部34は、制御装置35からの指令に従って電極厚みTを測定すると、その測定結果を制御装置35に送出する。
【0047】
制御装置35は、上記した厚み測定部34への測定指令後、その電極厚みTの測定結果を受信すると、まず、部品適否判定部35aにてその電極厚みTに基づいてリード電極部2bの平坦度を測定する(図9に示すルーチン中のステップS100)。次に、部品適否判定部35aは、その測定したリード電極部2bの平坦度(具体的には、電極厚みT)が第一許容範囲内にあるか否かを判定する(ステップS110)。そして、リード電極部2bの平坦度が第一許容範囲内にある場合すなわち電極厚さTが第一許容値T1以下である場合は、許可部品判定部35a-1がその部品2を許可部品と判定する。この場合は、制御装置35は、その部品2を基板3に装着させる処理を実行する(ステップS120)。
【0048】
基板3は、上記の如く部品2が装着された後、搬送方向下流側へ搬送され、その後、リフロー炉80で加熱される。この加熱が行われると、基本ハンダ4aが溶融してその基板3に部品2が固定される。
【0049】
リード電極部2bの平坦度が第一許容範囲外にある場合は、次に、部品適否判定部35aは、その測定したリード電極部2bの平坦度が第二許容範囲外にあるか否かを判定する(ステップS130)。そして、リード電極部2bの平坦度が第二許容範囲外にある場合すなわち電極厚さTが第二許容値T2を超える場合は、廃棄部品判定部35a-2がその部品2を廃棄部品と判定する。この場合は、制御装置35は、その部品2を廃棄してNGコンベアにて返却させる処理を実行する(ステップS140)。
【0050】
リード電極部2bの平坦度が第一許容範囲外にありかつ第二許容範囲内にある場合すなわち電極厚さTが第一許容値T1を超えかつ第二許容値T2以下である場合は、制御装置35は、まず、装着ヘッド63を用いて部品2をパーツカメラ32の上方に位置移動させて、パーツカメラ32にその部品2の下面を撮像させる指令を行う。パーツカメラ32は、制御装置35からの指令に従ってその部品2の下面を撮像すると、その撮像画像のデータを制御装置35に送出する。
【0051】
制御装置35は、パーツカメラ32への撮像指令後、その撮像画像データを受信すると、リカバリ処理部35bの電極特定部35b-1にその撮像画像を処理させて要リカバリ電極部を特定させる(ステップS150)。部品2の一以上のリード電極部2bが他のリード電極部2bに比べて上方へ浮いた状態にある場合、その部品2が下方からカメラ撮像されると、各リード電極部2bのパーツカメラ32からの遠近の違いに起因して、その撮像画像内に占める浮いたリード電極部2bの領域(面積)が他のリード電極部2bの領域(面積)に比べて小さくなり、或いは、その浮いたリード電極部2bと他のリード電極部2bとの輝度に違いが生じる。
【0052】
そこで、電極特定部35b-1は、パーツカメラ32の撮像画像の処理により領域が他の領域よりも小さいと判定されるリード電極部2b或いは輝度の暗いと判定されるリード電極部2bを要リカバリ電極部として特定する。
【0053】
制御装置35は、上記ステップS150での要リカバリ電極部の特定後、その部品2を基板3に装着させる処理を実行する(ステップS160)。具体的には、装着ヘッド63を位置移動させて部品2を基板3上の予め定められた箇所に載置させる装着処理を実行する。そして、制御装置35は、基板3への部品2の装着処理後、基板カメラ33にその基板3の上面を撮像させる指令を行う。基板カメラ33は、制御装置35からの指令に従ってその基板3の上面を撮像すると、その撮像画像のデータを制御装置35に送出する。
【0054】
制御装置35は、基板カメラ33への撮像指令後、その撮像画像データを受信すると、更に、リカバリ処理部35bの電極特定部35b-1にその撮像画像を処理させて要リカバリ電極部を特定させる(ステップS170)。基板3への部品2の装着処理後、その部品2のリード電極部2bのうち基板3上の基本ハンダ4aに接合していないリード電極部2bが存在すれば、そのリード電極部2bを要リカバリ電極部とするのが好適である。
【0055】
リード電極部2bが基本ハンダ4aに接合すれば、基本ハンダ4aの形状がそのリード電極部2bの接合前後で変化するので、その接合が行われた状態で基板カメラ33が撮像した撮像画像上では、その基本ハンダ4aに接合するリード電極部2bの輪郭が不鮮明になる。一方、リード電極部2bが基本ハンダ4aに接合していなければ、基本ハンダ4aの形状が時間変化しないので、その接合が行われていない状態で基板カメラ33が撮像した撮像画像上では、その基本ハンダ4aに接合していないリード電極部2bの輪郭が鮮明のままである。
【0056】
そこで、電極特定部35b-1は、基板カメラ33の撮像画像の処理により基本ハンダ4aの形状が時間変化しない輪郭が鮮明であると判定されるリード電極部2bを要リカバリ電極部として特定する。
【0057】
制御装置35は、上記ステップS170での要リカバリ電極部の特定後、リカバリ処理部35bのハンダ塗布制御部35b-2にて、基板3における上記ステップS150で特定された要リカバリ電極部及び上記ステップS170で特定された要リカバリ電極部に対して追加ハンダ4bを塗布するための指令を行う(ステップS180)。この指令は、情報伝達部35cから管理装置100へ向けて行われる。この場合、管理装置100は、データベース101にその要リカバリ電極部の位置情報を格納し、基板3におけるその要リカバリ電極部の先端部が接する接触箇所に追加ハンダ4bが塗布されるようにハンダ塗布装置70に対して指令を行う。
【0058】
かかる指令が行われると、ハンダ塗布装置70から、基板3の上面のうち要リカバリ電極部の先端部が存在する箇所に追加ハンダ4bが塗布される。この際、追加ハンダ4bの塗布量は、基板3とリード電極部2bとを接触させるうえで必要な量であればよく、予め定められた一定量であってよい。
【0059】
基板3は、上記の如く部品2が装着されかつ追加ハンダ4bが要リカバリ電極部の先端部に塗布されると、搬送方向下流側へ搬送された後、リフロー炉80で加熱される。この加熱が行われると、基本ハンダ4a及び追加ハンダ4bが溶融して基板3に部品2が固定される。
【0060】
このように、部品装着機30においては、部品2のリード電極部2bの平坦度が測定され、その平坦度に基づいて部品2が許可部品と廃棄部品と修復可能部品とに自動的に分けられ、修復可能部品に対してリカバリ処理(具体的には、基板3への追加ハンダ4bの塗布)が実行される。このため、部品2の有用性を高めて部品2の返却率を下げることができ、コスト削減を図ることができる。
【0061】
また、上記の構成によれば、許可部品でない部品2のうちから修復可能部品と廃棄部品とを区別する作業を作業者に強いることは不要であり、修復可能部品を基板3に装着可能な装着可能部品としてリカバリさせるための作業負担が軽減される。従って、作業者の作業負担を増やすことなく、許可部品でない部品2を修復可能部品と廃棄部品とに区別することが可能である。
【0062】
また、上記のリカバリ処理は、修復可能部品のすべてのリード電極部2bのうち要リカバリ電極部に対してのみリカバリ処理が実行され、基板3におけるその要リカバリ電極部の先端部の接触箇所に追加ハンダ4bが塗布される。この構成によれば、修復可能部品のすべてのリード電極部2bに追加ハンダ4bが塗布される構成に比べて、ハンダ塗布量を削減することができるので、使用するハンダの総量を減らすことができると共に、スループットの低下を回避することができる。
【0063】
尚、上記の実施形態においては、厚み測定部34が特許請求の範囲に記載した「測定部」に、基板カメラ33が特許請求の範囲に記載した「カメラ装置」に、電極特定部35b-1がパーツカメラ32の撮像画像に基づいて要リカバリ電極部を特定することが「第一特定部」に、電極特定部35b-1が基板3への部品2の装着語に基板カメラ33の撮像画像に基づいて要リカバリ電極部を特定することが「第二特定部」に、それぞれ相当している。
【0064】
4.変形形態
ところで、上記の実施形態においては、厚み測定部34が部品装着機30の基台31に固定される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、厚み測定部34が、装着ヘッド63に固定されて、装着ヘッド63の移動中にも電極厚みTを測定可能であるものとしてもよい。
【0065】
また、上記の実施形態においては、厚み測定部34によりレーザ光が複数のリード電極部2bが並ぶ方向に沿って照射され、部品2のリード電極部2bが占める電極厚みTが測定され、その電極厚みTに基づいてリード電極部2bの平坦度が測定される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、レーザ光が複数のリード電極部2bが並ぶ方向に直交する水平方向又は鉛直方向に沿って照射され、各リード電極部2bの先端部の位置座標が測定され、すべてのリード電極部2bの先端部の位置座標に基づいてリード電極部2bの平坦度が測定されることとしてもよい。
【0066】
この変形形態においては、例えば図10に示す如く、部品2におけるその部品2が基板3に載置された際にその基板3の上面の位置を示す水平な仮想平面(以下、部品2の基準平面2cと称す。)が算出される。尚、この基準平面2cは、部品本体2aの四辺すべてのリード電極部2bを対象として算出されたものでもよいし、一辺ごとのリード電極部2bを対象として算出されたものでもよい。そして、部品適否判定部35aが、その部品2の基準平面2cと各リード電極部2bの先端部との距離をリード電極部2bの平坦度として測定すればよい。この場合、部品適否判定部35aは、部品2の適否判定を行うための二つの許容値T1,T2を有し、それら二つの許容値T1,T2を用いて部品2の適否判定を行う。
【0067】
また、上記の実施形態においては、電極特定部35b-1でパーツカメラ32や基板カメラ33の撮像画像の処理により一以上の要リカバリ電極部が特定された場合に、ハンダ塗布制御部35b-2がその要リカバリ電極部のみに対してハンダ塗布が行われるように制御する。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、電極特定部35b-1でパーツカメラ32又は基板カメラ33の撮像画像の処理により一以上の要リカバリ電極部が特定されない場合は、ハンダ塗布制御部35b-2が、その部品2のすべてのリード電極部2bに対してハンダ塗布が行われるように制御することとしてもよい。
【0068】
この変形形態によれば、画像処理により特定することができなかった要リカバリ電極部が存在する場合に、確実にその要リカバリ電極部をハンダを介して基板3に接合することができる。
【0069】
また、上記の実施形態においては、追加ハンダ4bの塗布後、情報伝達部35cから管理装置100へ補修情報が伝達される処理が行われていない。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、制御装置35が、追加ハンダ4bの塗布後、情報伝達部35cから、その追加ハンダ4bの塗布後の結果(例えば、要リカバリ電極の特定情報や基板3表面を撮像した基板カメラ33の撮像画像のデータを含んでよい。)を補修情報として管理装置100へ伝達(アップロード)することとしてもよい。
【0070】
この変形形態において、管理装置100は、制御装置35からの補修情報を受信すると、その補修情報をデータベース化してデータベース101の更新処理を行う。そして、管理装置100は、データベース101に格納されている補修情報に基づいて所定の処理を行うこととしてもよい。例えば、制御装置35に送られてくる補修情報で要リカバリ電極部として特定されているリード電極部2bが部品2の中で偏っていることが検知されるときは、予め前工程に設けられたハンダ塗布装置や部品装着機30に設けられたディスペンスヘッドで基板3(特に、その要リカバリ電極部或いはその周囲)にハンダが塗布されることとしてもよいし、又は、印刷機10での印刷に用いられるハンダの総量が増量されることとしてもよい。
【0071】
また、上記の実施形態においては、ハンダ塗布装置70が部品装着機30よりも後の工程に設けられて次モジュールでハンダ塗布が実行されるものとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンダ塗布装置70が部品装着機30に組み込まれて同一モジュールでハンダ塗布が実行されるものであってもよい。
【0072】
例えば、部品装着機30の部品移載装置60の装着ヘッド63が吸着ノズルなどのツールを切り替え可能なヘッドであって、そのヘッドに装着されるツールがハンダ塗布可能なグルーツールへ交換可能な構成においては、そのグルーツールがハンダ塗布装置70として適用されるものであってよい。この変形形態においては、要リカバリ電極部が特定された場合に、基板3への部品2の装着処理後、装着ヘッド63のツールがグルーツールへ交換され、そのグルーツールから追加ハンダ4bが塗布される。これにより、上記の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0073】
また例えば、部品装着機30の部品移載装置60がハンダ塗布可能なグルーツールが装着されたヘッドを含んで一対の装着ヘッド(すなわち、対向型ヘッド)を有する構成においては、そのグルーツールがハンダ塗布装置70として適用されるものであってよい。この変形形態においては、要リカバリ電極部が特定された場合に、基板3への部品2の装着処理後、グルーツールから追加ハンダ4bが塗布される。これにより、上記の実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0074】
尚、本発明は、上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0075】
1:基板生産システム、2:部品、3:基板、4a:基本ハンダ、4b:追加ハンダ、10:印刷機、30:部品装着機、31:基台、32:パーツカメラ、33:基板カメラ、34:厚み測定部、35:制御装置、35a:部品適否判定部、35a-1:許可部品判定部、35a-2:廃棄部品判定部、35b:リカバリ処理部、35b-1:電極特定部、35b-2:ハンダ塗布制御部、35c:情報伝達部、63:装着ヘッド、70:ハンダ塗布装置、100:管理装置、101:データベース。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10