(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】図面更新システム、図面更新方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20231122BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20231122BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/10 310
(21)【出願番号】P 2023550327
(86)(22)【出願日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 JP2023012259
【審査請求日】2023-08-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514311678
【氏名又は名称】スパイダープラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】工藤 雷太
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠治
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-140593(JP,A)
【文献】特開2019-160122(JP,A)
【文献】特開2002-197126(JP,A)
【文献】特開平10-240793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0343107(US,A1)
【文献】特開2009-301308(JP,A)
【文献】特許第7167386(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 30/00-30/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する図面更新システムであって、
建設に関する第1図面を取得する第1図面取得部と、
前記第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得部と、
前記第1図面と、前記第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出部と、
前記第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成部と、
生成した前記第2図面用レイヤデータを、前記第2図面に重ねて配置する第2図面用配置部と、
配置した前記第2図面用レイヤデータにおける前記更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更部と、
注目度の変更を反映した前記第2図面用レイヤデータが配置された前記第2図面を提供する第2図面提供部と、
提供した前記第2図面に対する所定の入力を受け付ける第2図面入力受付部と、
受け付けた前記所定の入力に基づいて、前記第1図面を提供する第1図面提供部と、
提供した前記第1図面に対する前記所定の入力を受け付ける第1図面入力受付部と、
前記第1図面又は前記第2図面に対する前記所定の入力に基づいて、前記第1図面と前記第2図面とを切り換える切換部と、
を備える図面更新システム。
【請求項2】
建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する図面更新システムであって、
建設に関する第1図面を取得する第1図面取得部と、
前記第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得部と、
前記第1図面と、前記第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出部と、
前記第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成部と、
生成した前記第2図面用レイヤデータを、前記第2図面に重ねて配置する第2図面用配置部と、
配置した前記第2図面用レイヤデータにおける前記更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更部と、
注目度の変更を反映した前記第2図面用レイヤデータが配置された前記第2図面を提供する第2図面提供部と、
前記第1図面に重ねて配置する第1図面用レイヤデータを生成する第1図面用生成部と、
生成した第1図面用レイヤデータを、前記第1図面に重ねて配置する第1図面用配置部と、
前記第1図面用レイヤデータを複製する複製部、
を更に備え、
前記第2図面用配置部は、複製した前記第1図面用レイヤデータを、前記第2図面に配置する、
図面更新システム。
【請求項3】
建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する図面更新システムであって、
建設に関する第1図面を取得する第1図面取得部と、
前記第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得部と、
前記第1図面と、前記第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出部と、
前記第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成部と、
生成した前記第2図面用レイヤデータを、前記第2図面に重ねて配置する第2図面用配置部と、
配置した前記第2図面用レイヤデータにおける前記更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更部と、
注目度の変更を反映した前記第2図面用レイヤデータが配置された前記第2図面を提供する第2図面提供部と、
前記第1図面に重ねて配置する第1図面用レイヤデータを生成する第1図面用生成部と、
生成した第1図面用レイヤデータを、前記第1図面に重ねて配置する第1図面用配置部と、
前記第1図面用レイヤデータに所定のオブジェクトを配置するオブジェクト配置部と、
配置した前記オブジェクトの配置状況を、前記第1図面用レイヤデータに保存するオブジェクト保存部と、
保存した前記オブジェクトの配置状況を、前記第2図面用レイヤデータに引き継ぐオブジェクト引継部と、
を備える図面更新システム。
【請求項4】
建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する図面更新システムであって、
建設に関する第1図面を取得する第1図面取得部と、
前記第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得部と、
前記第1図面と、前記第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出部と、
前記第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成部と、
生成した前記第2図面用レイヤデータを、前記第2図面に重ねて配置する第2図面用配置部と、
配置した前記第2図面用レイヤデータにおける前記更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更部と、
注目度の変更を反映した前記第2図面用レイヤデータが配置された前記第2図面を提供する第2図面提供部と、
前記第1図面に重ねて配置する第1図面用レイヤデータを生成する第1図面用生成部と、
生成した第1図面用レイヤデータを、前記第1図面に重ねて配置する第1図面用配置部と、
前記第1図面用レイヤデータに、前記建設進捗の入力を受け付ける第1図面用建設進捗受付部と、
受け付けた前記建設進捗を、前記第1図面用レイヤデータに保存する第1図面用建設進捗保存部と、
を更に備える図面更新システム。
【請求項5】
保存した前記建設進捗を、前記第2図面用レイヤデータに引き継ぐ建設進捗引継部、
を更に備える請求項4に記載の図面更新システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設進捗に応じた図面の更新に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建設の図面に関する技術が注目されている。
例えば、特許文献1では、建設工事用の同一の図面種が更新され、新旧が複数有る場合、必要な工事業者や工事種(職種)にのみ最新の図面を配布(差替配布)し、工程表データベース(時間軸)に対応して、又は、連動して、その工程に間に合うタイミングで工事内容に応じた図面を配布する技術が提供されている。
また、他には、特許文献2では、建設機械の運転席に設けられる透過型の表示部と、運転者の目の位置を検出するアイトラッキング部と、建設機械の位置を検出する位置取得部と、目の位置と建設機械の位置とに基づいて、運転者の視点から見たときに原寸且つ建設現場の適正な位置に重畳して表示されるよう調整された図面データを表示する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-301308号公報
【文献】特開2021-157217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建設現場では、建設の施工の進捗に応じて、建設物と建設の図面との間に差異が発生する。この差異を吸収するために、この図面を書き換えたり、作り直したり等の図面の更新が行われている。
建設現場では、作業者や管理者等が、更新が行われた図面を、目視で確認し、更新箇所や更新内容を確認している。そのため、作業者や管理者等が、その更新箇所や更新内容を把握するためには、更新前後の各図面を比較し、その更新箇所や更新内容を把握する必要があり、作業効率が悪いという問題があった。
そこで、建設進捗に応じた更新箇所の把握を容易にする技術が求められている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術では、建設進捗に応じた更新箇所の把握を容易にすることが出来なかった。
そこで、本発明者らは、建設進捗に応じた更新箇所の注目度を変更する仕組みに着目した。
【0005】
本発明は、建設進捗に応じた更新箇所の注目度を変更した図面を提供することにより、作業者や管理者等に、その更新箇所や更新内容を容易に把握させることになり、作業効率の向上を図ることを可能とする図面更新システム、図面更新方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する図面更新システムであって、
建設に関する第1図面を取得する第1図面取得部と、
前記第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得部と、
前記第1図面と、前記第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出部と、
前記第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成部と、
生成した前記第2図面用レイヤデータを、前記第2図面に重ねて配置する第2図面用配置部と、
配置した前記第2図面用レイヤデータにおける前記更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更部と、
注目度の変更を反映した前記第2図面用レイヤデータが配置された前記第2図面を提供する第2図面提供部と、
を備える図面更新システムを提供する。
【0007】
本発明によれば、図面に重ねて配置したレイヤデータにおける更新箇所の注目度を変更し、注目度の変更を反映したレイヤデータが配置された図面を提供する。
この結果、作業者や管理者等に、注目度が変更された箇所が更新箇所であると容易に把握させることになり、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0008】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】図面更新システム1の概要を説明する図である。
【
図2】図面更新システム1の機能構成を示す図である。
【
図3】コンピュータ10が実行する第1図面取得処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】コンピュータ10が実行する第2図面取得処理のフローチャートを示す図である。
【
図5】第2図面において更新箇所を検出した際の例を模式的に示す図である。
【
図6】コンピュータ10が実行する提供処理のフローチャートを示す図である。
【
図7】第2図面用レイヤデータの注目度を変更した状態の例を模式的に示す図である。
【
図8】コンピュータ10が実行する切換処理のフローチャートを示す図である。
【
図9】コンピュータ10が実行する建設進捗保存処理のフローチャートを示す図である。
【
図10】コンピュータ10が実行する一覧出力処理のフローチャートを示す図である。
【
図11】一覧における最新版の図面の注目度を変更した状態の例を模式的に示す図である。
【
図12】コンピュータ10が実行する履歴出力処理のフローチャートを示す図である。
【
図14】コンピュータ10が実行する複製処理のフローチャートを示す図である。
【
図15】コンピュータ10が実行するオブジェクト引継処理のフローチャートを示す図である。
【
図16】第1図面用レイヤデータに所定のオブジェクトを配置した状態の例を模式的に示す図である。
【
図17】第2図面用レイヤデータが所定のオブジェクトを引き継いだ状態の例を模式的に示した図である。
【
図18】コンピュータ10が実行する建設進捗引継処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
【0012】
[図面更新システム1の概要]
図1は、図面更新システム1の概要を説明するための模式図である。
図1に基づいて、図面更新システム1の構成物について説明する。
図面更新システム1は、少なくともサーバ機能を有するコンピュータ10からなる建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新するシステムである。本実施形態において、図面更新システム1は、コンピュータ10に加え、作業者や管理者等のユーザが管理するユーザ端末20を備える。
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
本明細書におけるクラウドコンピュータとは、ある特定の機能を果たす際に、任意のコンピュータをスケーラブルに用いるものや、あるシステムを実現するために複数の機能モジュールを含み、その機能を自由に組み合わせて用いるものの何れであっても良い。
ユーザ端末20は、作業者や管理者等のユーザが管理する端末装置であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ等の情報端末である。ユーザ端末20の数は、ユーザの数に応じた数であれば良く、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
なお、図面更新システム1は、上述したコンピュータ10及びユーザ端末20に加え、その他の端末や装置類等が含まれていても良く、その数、種類及び機能については、特に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0013】
図面更新システム1が、建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する際の処理ステップの概要について説明する。
【0014】
コンピュータ10は、建設に関する第1図面を取得する(ステップS1)。
コンピュータ10は、ユーザ端末20から、第1図面を取得する。
ユーザ端末20は、所定のアプリケーション、ブラウザ等の所定のソフトウェアを介して、コンピュータ10に送信する第1図面の入力を受け付け、受け付けた第1図面を第1図面データとしてコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、この第1図面データを受信することにより、建設に関する第1図面を取得する。
【0015】
コンピュータ10は、第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する(ステップS2)。
コンピュータ10は、ユーザ端末20から、第1図面を、建設進捗に応じて更新(書き換え、作り直し等)した第2図面を取得する。
ユーザ端末20は、所定のアプリケーション、ブラウザ等の所定のソフトウェアを介して、コンピュータ10に送信する第2図面の入力を受け付け、受け付けた第2図面を第2図面データとしてコンピュータ10に送信する。
コンピュータ10は、この第2図面データを受信することにより、建設に関する第2図面を取得する。
【0016】
コンピュータ10は、第1図面と、第2図面とを比較し、更新箇所を検出する(ステップS3)。
コンピュータ10は、第1図面及び第2図面の、其々の特徴点や特徴量を抽出する。コンピュータ10は、抽出結果を比較し、第1図面と第2図面との間の差異を、更新箇所として検出する。
【0017】
コンピュータ10は、第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成し(ステップS4)、生成した第2図面用レイヤデータを、第2図面に重ねて配置する(ステップS5)。
コンピュータ10は、第2図面を透過表示可能なレイヤデータを、第2図面用レイヤデータとして生成し、生成した第2図面用レイヤデータを、第2図面に重ねて配置する。
【0018】
コンピュータ10は、配置した第2図面用レイヤデータにおける更新箇所の注目度を変更する(ステップS6)。
コンピュータ10は、配置した第2図面用レイヤデータにおける検出した更新箇所の注目度を変更(色変更、枠線の追加、アイコンの配置、強調表示等)する。
【0019】
コンピュータ10は、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータが配置された第2図面を提供する(ステップS7)。
コンピュータ10は、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータが配置された第2図面を第2図面データとして、ユーザ端末20に送信する。
ユーザ端末20は、この第2図面データを受信する。ユーザ端末20は、この第2図面データに基づいた第2図面を、自身の表示部に表示する。
コンピュータ10は、この第2図面を、ユーザ端末20に表示させることにより、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータが配置された第2図面を提供する。
【0020】
以上が、図面更新システム1の概要である。
本図面更新システム1によれば、作業効率の向上を図ることが可能となる。
【0021】
[装置構成]
図2は、図面更新システム1の構成を示すブロック図である。
図2に基づいて、図面更新システム1の装置構成について説明する。
図面更新システム1は、建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新するシステムであり、少なくともコンピュータ10により構成される。本実施形態において、図面更新システム1は、コンピュータ10に加え、作業者や管理者等のユーザが管理するユーザ端末20により構成される。
図面更新システム1は、コンピュータ10が、公衆回線網等のネットワーク7を介して、ユーザ端末20とデータ通信可能に接続されたシステムである。
なお、図面更新システム1において、ユーザ端末20の数は、ユーザの数に応じて、適宜設計可能であり、特に限定されるものではない。また、図面更新システム1は、コンピュータ10及びユーザ端末20に加えて、その他の端末や装置類等を含んでいても良く、その他の端末や装置類等の数、種類及び機能については、適宜設計可能である。
【0022】
コンピュータ10は、サーバ機能を有し、例えば、1台のコンピュータで実現されても良いし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されても良い。
コンピュータ10は、制御部として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、建設に関する第1図面を取得する第1図面取得部11、第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得部12、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータが配置された第2図面を提供する第2図面提供部13等を備える。
コンピュータ10は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部等を備える。
コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス、第1図面と、第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出部14、第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成部15、生成した第2図面用レイヤデータを、第2図面に重ねて配置する第2図面用配置部16、配置した第2図面用レイヤデータにおける更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更部17等を備える。
【0023】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、第1図面取得モジュール、第2図面取得モジュール、第2図面提供モジュール、第2図面入力受付モジュール、第1図面提供モジュール、第1図面入力受付モジュール、切換モジュール、第2図面用建設進捗受付モジュール、一覧出力モジュール、履歴出力モジュール、オブジェクト取得モジュール、第1図面用建設進捗受付モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部と協働して、第1図面記憶モジュール、第2図面記憶モジュールを実現する。
また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、第1図面用生成モジュール、第1図面用配置モジュール、付与モジュール、検出モジュール、第2図面用生成モジュール、第2図面用配置モジュール、更新箇所注目度変更モジュール、第2図面用建設進捗保存モジュール、一覧作成モジュール、一覧注目度変更モジュール、履歴作成モジュール、複製モジュール、オブジェクト配置モジュール、オブジェクト保存モジュール、オブジェクト引継モジュール、第1図面用建設進捗保存モジュール、建設進捗引継モジュールを実現する。
【0024】
ユーザ端末20は、ユーザが管理する端末装置であり、例えば、上述した情報端末である。
ユーザ端末20は、端末制御部として、CPU、GPU、RAM、ROM等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス等を備え、入出力部として、所定の入力等の受付、各種データや図面の入出力等を実行する各種デバイス等を備える。
【0025】
以下、図面更新システム1が実行する各処理について、上述した各モジュールが実行する処理と併せて説明する。
本明細書において、各モジュールは、その処理内容を、自身が有する機能として実行するものであっても良いし、所定のアプリケーションを介して実行するものであっても良い。
【0026】
[コンピュータ10が実行する第1図面取得処理]
図3に基づいて、コンピュータ10が実行する第1図面取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第1図面取得処理のフローチャートを示す図である。本第1図面取得処理は、建設に関する第1図面を取得する第1図面取得処理(ステップS1)の詳細である。
【0027】
第1図面取得モジュールは、建設に関する第1図面を取得する(ステップS10)。
第1図面取得モジュールは、ユーザ端末20から、建設に関する第1図面を取得する。
ユーザ端末20は、ユーザから、所定のアプリケーション、ブラウザ等の所定のソフトウェアの起動の入力を受け付ける。ユーザ端末20は、ユーザから、起動した所定のソフトウェアを介して、コンピュータ10に送信する第1図面の入力を受け付ける。ユーザ端末20は、受け付けた第1図面を第1図面データとして、コンピュータ10に送信する。
第1図面取得モジュールは、ユーザ端末20が送信した第1図面データを受信し、建設に関する第1図面を取得する。
第1図面取得モジュールが取得する第1図面データには、この第1図面の版番号、作成者、作成日時等の第1図面の管理等に関する第1図面用管理データが含まれる。すなわち、第1図面取得モジュールは、第1図面を取得するとともに、この第1図面用管理データを併せて取得する。
なお、第1図面取得モジュールは、ユーザ端末20以外(例えば、外部システム、所定のデータベース、その他の端末や装置類)から、第1図面を取得しても良い。また、第1図面取得モジュールが、ユーザ端末20から、第1図面及び第1図面用管理データを取得する方法は、適宜設計可能である。
【0028】
第1図面用生成モジュールは、第1図面に重ねて配置する第1図面用レイヤデータを生成する(ステップS11)。
第1図面用レイヤデータは、第1図面上に重ねて配置する仮想シートであり、所定のオブジェクト(メモ、画像、アイコン、引出線、図形等)を出力可能なものである。また、第1図面用レイヤデータは、第1図面の全体に重ねて配置するものであっても良いし、第1図面の一部に重ねて配置するものであっても良い。また、第1図面用レイヤデータは、一枚の仮想シートであっても良いし、複数枚の仮想シートであっても良い。
第1図面用生成モジュールは、第1図面を透過表示可能なレイヤデータを、第1図面用レイヤデータとして生成する。
なお、第1図面用レイヤデータのサイズ、枚数、色等の構造や性質は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0029】
第1図面用配置モジュールは、生成した第1図面用レイヤデータを、第1図面に重ねて配置する(ステップS12)。
第1図面用配置モジュールは、生成した第1図面用レイヤデータを、取得した第1図面に重ねて配置する。例えば、第1図面用配置モジュールは、取得した第1図面のサイズと同じサイズ、且つ、一枚の第1図面用レイヤデータを、取得した第1図面に重ねて配置する。
【0030】
第1図面記憶モジュールは、第1図面用レイヤデータを配置した第1図面を記憶する(ステップS13)。
第1図面記憶モジュールは、第1図面用レイヤデータを配置した第1図面と、第1図面用管理データとを紐付けて記憶する。
なお、第1図面記憶モジュールは、所定の識別子(名称(現場名、施工場所名等)、管理番号等)を更に紐付けて記憶しても良い。
また、第1図面記憶モジュールは、第1図面用レイヤデータを配置する前の第1図面を更に紐付けて記憶しても良い。
【0031】
以上が、第1図面取得処理である。
【0032】
[コンピュータ10が実行する第2図面取得処理]
図4に基づいて、コンピュータ10が実行する第2図面取得処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する第2図面取得処理のフローチャートを示す図である。本第2図面取得処理は、第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得処理(ステップS2)、第1図面と、第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出処理(ステップS3)、第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成処理(ステップS4)、生成した第2図面用レイヤデータを、第2図面に重ねて配置する第2図面用配置処理(ステップS5)の詳細である。本第2図面取得処理は、第1図面取得処理の後に行われる処理である。
【0033】
第2図面取得モジュールは、第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する(ステップS20)。
第2図面は、第1図面を、建設進捗に応じて、その一部又は全部を、書き換えたり、作り直したり等した図面である。この書き換えや作り直し等のことを、本明細書において、「更新」と称している。
第2図面取得モジュールは、ユーザ端末20から、この第2図面を取得する。
ユーザ端末20は、ユーザから、所定のソフトウェアの起動の入力を受け付ける。ユーザ端末20は、ユーザから、起動した所定のソフトウェアを介して、コンピュータ10に送信する第2図面の入力を受け付ける。この第2図面が、第1図面を、建設進捗に応じて更新した図面である。ユーザ端末20は、受け付けた第2図面を第2図面データとして、コンピュータ10に送信する。
第2図面取得モジュールは、ユーザ端末20が送信した第2図面データを受信し、第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する。
第2図面取得モジュールが取得する第2図面データには、この第2図面の変更者、変更日時等の第2図面の管理等に関する第2図面用管理データが含まれる。すなわち、第2図面取得モジュールは、第2図面を取得するとともに、この第2図面用管理データを併せて取得する。
なお、第2図面取得モジュールは、ユーザ端末20以外(例えば、外部システム、所定のデータベース、その他の端末や装置類)から、第2図面を取得しても良い。また、第2図面取得モジュールが、ユーザ端末20から、第2図面及び第2図面用管理データを取得する方法は、適宜設計可能である。
【0034】
付与モジュールは、取得した第2図面に、取得した第1図面よりも高い数字の版番号を付与する(ステップS21)。
付与モジュールは、取得した第1図面用管理データに基づいて、第1図面の版番号を特定する。付与モジュールは、取得した第2図面に、この特定した第1図面の版番号よりも高い数字の版番号を生成する。例えば、付与モジュールは、第1図面の版番号が、「0001」である場合、それよりも高い数字、例えば、「0002」を、版番号として生成する。なお、付与モジュールは、第2図面用管理データに、版番号が既に存在し、存在する版番号が、第1図面よりも低い数字又は同じ数字である場合、それよりも高い数字を版番号として生成すれば良い。また、付与モジュールは、第2図面用管理データに、版番号が既に存在し、存在する版番号が、第1図面よりも高い数字である場合、存在する版番号をそのまま用いても良いし、新たな版番号を生成しても良い。
付与モジュールは、取得した第2図面用管理データに、生成した版番号を追加する。
付与モジュールは、取得した第2図面用管理データに、生成した版番号を追加することにより、取得した第2図面に、取得した第1図面よりも高い数字の版番号を付与する。
【0035】
検出モジュールは、第1図面と、第2図面とを比較し、更新箇所を検出する(ステップS22)。
検出モジュールは、第1図面における特徴量や特徴点を抽出するとともに、第2図面における特徴量や特徴点を抽出する。このとき、検出モジュールは、各図面における室毎、設備毎、部材毎等の特定の箇所毎の特徴量や特徴点を抽出するものであっても良いし、各図面における全体の特徴量や特徴点を抽出するものであっても良い。
検出モジュールは、図面毎に抽出した特徴量や特徴点を、其々、比較する。検出モジュールは、比較結果に基づいて、第1図面と第2図面との間に存在する差異を、第2図面から検出する。この差異は、例えば、室の寸法、部材の変更、設備の変更である。検出した第2図面における差異が、第1図面を書き換えたり、作り直したりした箇所であり、この箇所を第2図面における更新箇所として検出する(
図5参照)。
検出モジュールは、抽出した特徴量や特徴点の比較結果に基づいた差異を検出することにより、第1図面と、第2図面とを比較し、更新箇所を検出する。
【0036】
図5に基づいて、検出モジュールが検出する更新箇所について説明する。同図は、検出モジュールが第2図面において更新箇所を検出した際の例を模式的に示す図である。同図において、第2図面30が示されている。
第2図面30は、第1図面(不図示)を、建設進捗に応じて更新した図面である。第2図面30において、検出した更新箇所31が示されている。更新箇所31は、検出した更新箇所の場所を示すために、該当箇所を矩形の枠線で囲い、着色している。
なお、更新箇所31は、あくまでも説明のための例であるため、該当箇所を枠線で囲う及び着色等を実際に行う必要はなく、単に、更新箇所31を検出するだけで良い。
【0037】
図4に戻り、第2図面取得処理の続きを説明する。
第2図面用生成モジュールは、第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する(ステップS23)。
第2図面用レイヤデータは、第2図面上に重ねて配置する仮想シートであり、所定のオブジェクト(メモ、画像、アイコン、引出線、図形等)を出力可能なものである。また、第2図面用レイヤデータは、第2図面の全体に重ねて配置するものであっても良いし、第2図面の一部に重ねて配置するものであっても良い。また、第2図面用レイヤデータは、一枚の仮想シートであっても良いし、複数枚の仮想シートであっても良い。
第2図面用生成モジュールは、第2図面を透過表示可能なレイヤデータを、第2図面用レイヤデータとして生成する。
なお、第2図面用レイヤデータのサイズ、枚数、色等の構造や性質は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0038】
第2図面用配置モジュールは、生成した第2図面用レイヤデータを、第2図面に重ねて配置する(ステップS24)。
第2図面用配置モジュールは、生成した第2図面用レイヤデータを、取得した第2図面に重ねて配置する。例えば、第2図面用配置モジュールは、取得した第2図面のサイズと同じサイズ、且つ、一枚の第2図面用レイヤデータを、取得した第2図面に重ねて配置する。
【0039】
第2図面記憶モジュールは、第2図面用レイヤデータを配置した第2図面及び更新箇所を記憶する(ステップS24)。
第2図面記憶モジュールは、第2図面用レイヤデータを配置した第2図面と、第2図面用管理データと、検出した第2図面の更新箇所とを紐付けて記憶する。
なお、第2図面記憶モジュールは、所定の識別子(名称(現場名、施工場所名等)、管理番号等)を更に紐付けて記憶しても良い。
また、第2図面記憶モジュールは、第2図面用レイヤデータを配置する前の第2図面を更に紐付けて記憶しても良い。
また、第2図面記憶モジュールは、第2図面の更新前の図面である第1図面及び第1図面用管理データを更に紐付けて記憶しても良い。
【0040】
以上が、第2図面取得処理である。
コンピュータ10は、第2図面取得処理の実行後、第2図面を、建設進捗に応じて更新した第3図面を取得した場合、新たに取得した第3図面に対して、第2図面取得処理と同様の処理を実行すれば良い。コンピュータ10は、以降、この第3図面を、建設進捗に応じて更新した第4図面、第4図面を、建設進捗に応じた第5図面、・・・、第n-1(nは、3以上の整数)図面を、建設進捗に応じて更新した第n図面を取得した場合、其々について、第2図面取得処理と同様の処理を実行すれば良い。この結果、第n図面の版番号は、常に、最も高い数字の版番号となる。また、第n図面は、後述する複製処理、オブジェクト引継処理、建設進捗引継処理の結果、第n-1図面までの更新箇所が、レイヤデータに反映される。
【0041】
[コンピュータ10が実行する提供処理]
図6に基づいて、コンピュータ10が実行する提供処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する提供処理のフローチャートを示す図である。本提供処理は、配置した第2図面用レイヤデータにおける更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更処理(ステップS6)、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータが配置された第2図面を提供する第2図面提供処理(ステップS7)の詳細である。本提供処理は、第2図面取得処理により取得した第2図面及び検出した更新箇所を用いる処理である。
【0042】
更新箇所注目度変更モジュールは、配置した第2図面用レイヤデータにおける更新箇所の注目度を変更する(ステップS30)。
更新箇所の注目度の変更は、例えば、色変更、枠線の追加、アイコンの配置、強調表示である。
更新箇所注目度変更モジュールは、配置した第2図面用レイヤデータにおける更新箇所(
図5で示した更新箇所31)の注目度を変更する(
図7参照)。ここで、更新箇所注目度変更モジュールは、第2図面そのものにおける更新箇所の注目度を変更するのではなく、この第2図面に配置した第2図面用レイヤデータにおける更新箇所に該当する箇所の注目度を変更する。
【0043】
図7に基づいて、更新箇所注目度変更モジュールが変更する注目度について説明する。同図は、第2図面用レイヤデータの注目度を変更した状態の例を模式的に示す図である。同図において、第2図面30が示されている。
第2図面30は、透明な一枚の仮想シートである第2図面用レイヤデータ32が重ねて配置されている。第2図面30は、更新箇所31に該当する第2図面用レイヤデータ32において、その注目度を変更した状態として、更新箇所31を、枠線33で囲っている。
更新箇所注目度変更モジュールは、第2図面用レイヤデータ32の、更新箇所31に該当する箇所に、枠線33を追加することにより、その注目度を変更している。
なお、更新箇所31の注目度の変更方法は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0044】
図6に戻り、提供処理について説明する。
第2図面記憶モジュールは、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を記憶する(ステップS31)。
第2図面記憶モジュールは、ステップS25の処理により記憶した第2図面に、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤを配置した第2図面を、更に紐付けて記憶する。
【0045】
第2図面提供モジュールは、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を提供する(ステップS32)。
第2図面提供モジュールは、注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を注目度変更後第2図面データとして、ユーザ端末20の要求等に基づいて、ユーザ端末20に送信する。この注目度変更後第2図面データは、第2図面用管理データ等の図面以外のデータが含まれていても良い。
ユーザ端末20は、この注目度変更後第2図面データを受信し、自身の表示部に表示する。このとき、ユーザ端末20は、所定のソフトウェアを介して、注目度変更後第2図面データに基づいた第2図面を、自身の表示部に表示する。ユーザ端末20は、所定のソフトウェアを介して、
図7で示した第2図面30を、自身の表示部に表示する。ユーザ端末20は、第2図面用管理データ等の図面以外のデータを併せて受信した場合、このデータを併せて表示しても良いし、所定の入力(タップ、スワイプ等)を受け付けることにより、このデータの表示/非表示を切り換えても良い。
【0046】
以上が、提供処理である。
コンピュータ10は、提供処理の実行後、上述した第n図面を取得した場合、第n図面に対して、第2図面取得処理及び提供処理と同様の処理を実行すれば良い。この結果、第n図面に、後述する複製処理、オブジェクト引継処理、建設進捗引継処理の結果、第n-1図面までの更新箇所が、レイヤデータに反映される。コンピュータ10は、この更新箇所を反映したレイヤデータを配置した第n図面を提供する。
なお、コンピュータ10は、提供処理において、第2図面とともに、第1図面を併せて提供しても良い。この場合、コンピュータ10は、第n図面を提供する際、第n図面とともに、第n-1図面を提供しても良いし、第n図面以前の複数の図面を提供しても良い。
【0047】
[コンピュータ10が実行する切換処理]
図8に基づいて、コンピュータ10が実行する切換処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する切換処理のフローチャートを示す図である。本切換処理は、提供処理により提供した第2図面を用いる処理である。
【0048】
第2図面入力受付モジュールは、提供した第2図面に対する所定の入力を受け付ける(ステップS40)。
ユーザ端末20は、自身が表示する提供された注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータを配置した第2図面に対する所定の入力(スワイプ操作等)を受け付ける。例えば、ユーザは、ユーザ端末20が表示する第2図面に対して、スワイプ操作等を入力する。
ユーザ端末20は、受け付けた入力内容を、コンピュータ10に送信する。
第2図面入力受付モジュールは、この入力内容を受信することにより、提供した第2図面に対する所定の入力を受け付ける。
【0049】
第1図面提供モジュールは、受け付けた所定の入力に基づいて、第1図面を提供する(ステップS41)。
第1図面提供モジュールは、提供処理により提供した第2図面の更新前の図面である第1図面を第1図面データとして、受け付けた入力内容に基づいて、ユーザ端末20に送信する。この第1図面データは、第1図面用管理データ等の図面以外のデータが含まれていても良い。ここで、第1図面提供モジュールは、第1図面用レイヤデータを配置した第1図面を送信しても良いし、第1図面用レイヤデータを配置していない第1図面を送信しても良い。
ユーザ端末20は、この第1図面データを受信し、自身の表示部に表示する。このとき、ユーザ端末20は、所定のソフトウェアを介して、第1図面データに基づいた第1図面を、自身の表示部に表示する。ユーザ端末20は、第1図面用管理データ等の図面以外のデータを併せて受信した場合、このデータを併せて表示しても良いし、所定の入力を受け付けることにより、このデータの表示/非表示を切り換えても良い。
【0050】
第1図面入力受付モジュールは、提供した第1図面に対する所定の入力を受け付ける(ステップS42)。
ユーザ端末20は、自身が表示する提供された第1図面に対する所定の入力(スワイプ操作等)を受け付ける。例えば、ユーザは、ユーザ端末20が表示する第1図面に対して、スワイプ操作等を入力する。
ユーザ端末20は、受け付けた入力内容を、コンピュータ10に送信する。
第1図面入力受付モジュールは、この入力内容を受信することにより、提供した第1図面に対する所定の入力を受け付ける。
【0051】
切換モジュールは、第1図面又は第2図面に対する所定の入力に基づいて、第1図面と第2図面とを切り換える(ステップS43)。
ユーザ端末20は、自身が表示する提供された第1図面又は第2図面に対する所定の入力(スワイプ操作等)を受け付ける。例えば、ユーザは、ユーザ端末20が表示する第1図面又は第2図面に対して、スワイプ操作等を入力する。
ユーザ端末20は、受け付けた入力内容を、コンピュータ10に送信する。
切換モジュールは、この入力内容を受信する。切換モジュールは、受信した入力内容に基づいて、現在、ユーザ端末20が表示中の図面が、第1図面であると判断した場合、ユーザ端末20が表示する図面を第2図面に切り換えるコマンドを、ユーザ端末20に送信する。一方、切換モジュールは、受信した入力内容に基づいて、現在、ユーザ端末20が表示中の図面が、第2図面であると判断した場合、ユーザ端末20が表示する図面を第1図面に切り換えるコマンドを、ユーザ端末20に送信する。
ユーザ端末20は、このコマンドを受信し、自身が表示中の図面を切り換える。すなわち、ユーザ端末20は、自身が表示中の図面が、第2図面であった場合、第1図面を表示し、自身が表示中の図面が、第1図面であった場合、第2図面を表示する。
この結果、切換モジュールは、第1図面又は第2図面に対する所定の入力に基づいて、第1図面と第2図面とを切り換える。
なお、第1図面と、第2図面との切換は、コンピュータ10が送信するコマンドによらず、ユーザ端末20自身が第1図面と、第2図面との切換のコマンドを生成し、その表示内容を切り換えるものであっても良い。
【0052】
以上が、切換処理である。
コンピュータ10は、切換処理の実行後、上述した第n図面を提供した場合、第n図面に対して、切換処理と同様の処理を実行すれば良い。この結果、コンピュータ10は、第n図面と、第n-1図面とを切り換える。
なお、コンピュータ10は、第n図面を提供した場合、第n図面と第n-1とを切り換えるだけでなく、第n図面と、第n図面以前の複数の図面とを切り換えても良い。この場合、コンピュータ10は、第n図面と、第n-1図面とを切り換え、第n-1図面と、第n-2図面とを切り換えるといったように、前後の図面を切り換える。
【0053】
[コンピュータ10が実行する建設進捗保存処理]
図9に基づいて、コンピュータ10が実行する建設進捗保存処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する建設進捗保存処理のフローチャートを示す図である。本建設進捗保存処理は、提供処理により提供した第2図面を用いる処理である。
【0054】
第2図面用建設進捗受付モジュールは、第2図面用レイヤデータに、建設進捗の入力を受け付ける(ステップS50)。
ユーザ端末20は、自身が表示する提供された注目度の変更を反映した第2図面用レイヤデータを配置した第2図面に対して、建設進捗の入力を受け付ける。例えば、ユーザは、ユーザ端末20が表示する仮想キーボード等を用いて、建設進捗を入力する。
ユーザ端末20は、受け付けた入力内容を、コンピュータ10に送信する。
第2図面用建設進捗受付モジュールは、この入力内容を受信することにより、第2図面用レイヤデータに、建設進捗の入力を受け付ける。
【0055】
第2図面用建設進捗保存モジュールは、受け付けた建設進捗を、第2図面用レイヤデータに保存する(ステップS51)。
第2図面用建設進捗保存モジュールは、受け付けた建設進捗を、第2図面用レイヤデータの所定の位置に入力する。所定の位置は、例えば、ユーザ端末20が建設進捗を受け付けた位置、予め設定された第2図面用レイヤデータの位置である。
第2図面用建設進捗保存モジュールは、受け付けた建設進捗を、第2図面用レイヤデータの所定の位置に入力することにより、受け付けた建設進捗を、第2図面用レイヤデータに保存する。
【0056】
第2図面記憶モジュールは、建設進捗を保存した第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を記憶する(ステップS52)。
第2図面記憶モジュールは、ステップS25又はステップS31の処理により記憶した第2図面に、建設進捗を保存した第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を、更に紐付けて記憶する。
【0057】
以上が、建設進捗保存処理である。
コンピュータ10は、建設進捗保存処理の実行後、上述した第n図面を提供した場合、第n図面に対して、建設進捗保存処理と同様の処理を実行すれば良い。この結果、第n図面は、後述する複製処理、オブジェクト引継処理、建設進捗引継処理の結果、第n-1図面までの建設進捗が、レイヤデータに保存される。
【0058】
[コンピュータ10が実行する一覧出力処理]
図10に基づいて、コンピュータ10が実行する一覧出力処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する一覧出力処理のフローチャートを示す図である。本一覧出力処理は、第1図面取得処理及び第2図面取得処理により取得した各図面を用いる処理である。
【0059】
一覧作成モジュールは、取得した図面の一覧を作成する(ステップS60)。
一覧作成モジュールが、一覧を作成にする際に用いる図面は、第1図面取得処理及び第2図面取得処理により取得した第1図面及び第2図面であっても良いし、第2図面取得処理の実行後に、更に取得した第n図面を含むものであっても良い。この一覧は、例えば、各図面のサムネイルを並べたもの、各図面の版番号を並べたものである。並べ方は、順不同であっても良いし、取得した順番に降順又は昇順であっても良い。一覧作成モジュールは、作成した一覧に、取得した各図面を紐付ける。
なお、一覧作成モジュールが作成する一覧の内容は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0060】
一覧注目度変更モジュールは、作成した一覧における最新版の図面の注目度を変更する(ステップS61)。
図面の注目度の変更は、例えば、色変更、枠線の追加、アイコンの付与、強調表示である。
一覧注目度変更モジュールは、作成した一覧における各図面の版番号に基づいて、最新版の図面を判断する。一覧注目度変更モジュールは、各図面に付与した版番号の最も高い数字を有する図面を、最新版の図面と判断する。一覧注目度変更モジュールは、判断した図面の注目度を変更する(
図11参照)。
なお、一覧注目度変更モジュールは、一覧作成時に、図面を降順に並べていた場合、最初に位置する図面を最新版と判断しても良いし、図面を昇順に並べていた場合、最後に位置する図面を最新版と判断しても良い。
【0061】
図11に基づいて、一覧注目度変更モジュールが変更する注目度について説明する。同図は、作成した一覧における最新版の図面の注目度を変更した状態の例を模式的に示す図である。同図において、一覧40が示されている。
一覧40は、取得した各図面の版番号及41(41a~41i)及び各図面のサムネイル42(42a~42i)が、並べられたものである。同図において、一覧40は、版番号41「0001」~「0009」の各図面のサムネイル42を、各図面を取得した順に、昇順に並べたものである。すなわち、版番号41a及び図面のサムネイル42aが最初の図面であり、アルファベットが大きくなるほど、新しい図面であり、版番号41i及び図面のサムネイル42iが最新版の図面である。
一覧注目度変更モジュールは、各図面に付与した版番号41の内、最も数字が大きい版番号41を有する図面のサムネイル42を、最新版の図面のサムネイル42として判断する。同図において、一覧注目度変更モジュールは、版番号41の内、最も数字が大きい版番号41が、「0009」であるため、この「0009」の版番号41iを有する図面のサムネイル42iを、最新版の図面と判断する。
一覧注目度変更モジュールは、この「0009」の版番号41iを有する図面のサムネイル42iの注目度を変更する。同図において、一覧注目度変更モジュールは、この図面のサムネイル42iの近傍に、アイコン43を付与し、その注目度を変更している。
なお、一覧注目度変更モジュールは、上述した通り、アイコン43以外の方法により、その注目度を変更しても良い。また、アイコン43の付与場所は、図示した場所に限定されるものではなく、最新版の図面のサムネイル42iの近傍、最新版の図面のサムネイル42iと引出線で接続する等その他の場所や方法を用いても良く、これは、アイコン43以外の方法で注目度を変更する場合も同様である。
【0062】
図10に戻り、一覧出力処理の続きを説明する。
一覧出力モジュールは、注目度の変更を反映した一覧を出力する(ステップS62)。
一覧出力モジュールは、注目度の変更を反映した一覧を注目度変更後一覧データとして、ユーザ端末20の要求等に基づいて、ユーザ端末20に送信する。
ユーザ端末20は、この注目度変更後一覧データを受信し、自身の表示部に表示する。このとき、ユーザ端末20は、所定のソフトウェアを介して、この注目度変更後一覧データに基づいた一覧を、自身の表示部に表示する。ユーザ端末20は、所定のソフトウェアを介して、
図10で示した一覧40を、自身の表示部に表示する。
ユーザ端末20は、所定の入力を受け付けることにより、一覧40に紐付けられた実際の図面を自身の表示部に表示する。例えば、ユーザは、ユーザ端末20が表示した一覧40に対して、自身が所望する図面のサムネイル42をタップする。ユーザ端末20は、このタップに基づいて、ユーザが入力した図面のサムネイル42に対応する図面を、自身の表示部に表示する。
【0063】
以上が、一覧出力処理である。
【0064】
[コンピュータ10が実行する履歴出力処理]
図12に基づいて、コンピュータ10が実行する履歴出力処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する履歴出力処理のフローチャートを示す図である。本履歴出力処理は、第1図面取得処理及び第2図面取得処理により取得した各図面に関する処理である。
【0065】
履歴作成モジュールは、取得した図面の履歴を作成する(ステップS70)。
図面の履歴は、第1図面の版番号、作成日時、作成者等の第1図面用管理データと、第2図面以降の各図面の版番号、変更日時、変更者等の第2図面以降の各図面用管理データとである。
履歴作成モジュールは、第1図面とともに取得した第1図面用管理データと、第2図面以降の各図面とともに取得した各図面用管理データとに基づいて、各図面用管理データを時系列に沿って昇順又は降順に並べた一覧を履歴として作成する(
図13参照)。
なお、履歴の内容及び作成方法は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0066】
図13に基づいて、履歴作成モジュールが作成する図面の履歴について説明する。同図は、作成した図面の履歴の例を模式的に示す図である。同図において、履歴50が示されている。
履歴50は、第1図面における版番号、作成日時、作成者の各項目に、この第1図面とともに取得した第1図面用管理データに基づいた内容が入力されている。また、履歴50は、第2図面以降の各図面における版番号、変更日時、変更者の各項目に、第2図面以降の各図面に付与した版番号及び各図面とともに取得した各図面用管理データに基づいた内容が入力されている。
履歴作成モジュールは、各図面用管理データを、時系列に沿って昇順に並べ、履歴50を作成する。
なお、履歴50の内容及び作成方法は、上述した通り、適宜設計可能である。
【0067】
図12に戻り、履歴出力処理について説明する。
履歴出力モジュールは、取得した図面の履歴を出力する(ステップS71)。
履歴出力モジュールは、作成した図面の履歴を履歴データとして、ユーザ端末20の要求等に基づいて、ユーザ端末20に送信する。
ユーザ端末20は、この履歴データを受信し、自身の表示部に表示する。このとき、ユーザ端末20は、所定のソフトウェアを介して、この履歴データに基づいた図面の履歴を、自身の表示部に表示する。ユーザ端末20は、所定のソフトウェアを介して、
図13で示した履歴50を、自身の表示部に表示する。
【0068】
以上が、履歴出力処理である。
【0069】
[コンピュータ10が実行する複製処理]
図14に基づいて、コンピュータ10が実行する複製処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する複製処理のフローチャートを示す図である。本複製処理は、第1図面取得処理により生成した第1図面用レイヤデータを用いる処理である。
【0070】
複製モジュールは、第1図面用レイヤデータを複製する(ステップS80)。
複製モジュールは、第1図面取得処理において生成した第1図面用レイヤデータを複製する。ここで、複製モジュールは、第1図面用レイヤデータのみを複製するのではなく、後述するオブジェクト引継処理により配置したオブジェクトや、建設進捗引継処理により入力を受け付けた建設進捗等の第1図面用レイヤデータに配置されたデータや保存したデータ等も併せて複製し、これら全体を含んだ状態の第1図面用レイヤデータを複製する。
【0071】
第2図面用配置モジュールは、複製した第1図面用レイヤデータを、第2図面に配置する(ステップS81)。
第2図面用配置モジュールは、複製した第1図面用レイヤデータを、第2図面取得処理により、第2図面に配置した第2図面用レイヤデータに重ねて配置する。
なお、第2図面用配置モジュールは、複製した第1図面用レイヤデータを、第2図面用レイヤデータの上に配置しても良いし、第2図面と第2図面用レイヤデータとの間に配置しても良い。
【0072】
第2図面記憶モジュールは、複製した第1図面用レイヤデータを配置した第2図面を記憶する(ステップS82)。
第2図面記憶モジュールは、ステップS25又はステップS31の処理により記憶した第2図面に、複製した第1図面用レイヤデータを配置した第2図面を、更に紐付けて記憶する。
【0073】
以上が、複製処理である。
複製処理の結果、第2図面は、複製した第1図面用レイヤデータ及び第2図面用レイヤデータとの2つのレイヤデータとが配置される。
コンピュータ10は、第2図面取得処理の実行後、上述した第n図面を取得した場合、第n-1図面に対して、複製処理と同様の処理を実行すれば良い。この結果、第n図面は、第n-1図面までの各レイヤデータが複製され、複製された各レイヤデータの其々が、第n図面に配置される。
【0074】
[コンピュータ10が実行するオブジェクト引継処理]
図15に基づいて、コンピュータ10が実行するオブジェクト引継処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行するオブジェクト引継処理のフローチャートを示す図である。本オブジェクト引継処理は、第1図面取得処理及び第2図面取得処理により取得した各図面を用いる処理である。
【0075】
オブジェクト取得モジュールは、所定のオブジェクトの配置状況を取得する(ステップS90)。
オブジェクトは、例えば、アイコン(カメラアイコン、スタンプアイコン、コメントアイコン等)、引出線、図形、マークである。オブジェクトには、対応する機能(カメラアイコンであれば、撮影アプリケーションの起動等)等が紐付いている。
オブジェクトの配置状況は、例えば、オブジェクトの種類、配置場所である。
ユーザ端末20は、切換処理等により自身の表示部に表示した第1図面に対して、所定のオブジェクトの配置状況の入力を受け付ける。ユーザ端末20は、配置するオブジェクトの種類及びこのオブジェクトの配置場所の入力(タップ等)を受け付ける。例えば、ユーザは、ユーザ端末20が表示するオブジェクトの種類の内、自身が所望するアイコンの種類をタップし、第1図面に対して、このオブジェクトを配置する場所をタップする。
ユーザ端末20は、受け付けたオブジェクトの種類及び配置場所をオブジェクトデータとして、コンピュータ10に送信する。
オブジェクト取得モジュールは、このオブジェクトデータを受信することにより、所定のオブジェクトの配置状況を取得する。
なお、オブジェクトの配置状況は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0076】
オブジェクト配置モジュールは、第1図面用レイヤデータに、所定のオブジェクトを配置する(ステップS91)。
オブジェクト配置モジュールは、取得した所定のオブジェクトの配置状況に基づいて、オブジェクトを、第1図面用レイヤデータに配置する。
オブジェクト配置モジュールは、オブジェクトの配置場所に対応する第1図面用レイヤデータの場所に、オブジェクトの種類に対応するオブジェクトを配置する(
図16参照)。
【0077】
図16に基づいて、オブジェクト配置モジュールが配置するオブジェクトについて説明する。同図は、第1図面用レイヤデータに所定のオブジェクトを配置した状態の例を模式的に示す図である。同図において、第1図面60が示されている。
第1図面60は、生成した第1図面用レイヤデータ61が重ねて配置されている。
オブジェクト配置モジュールは、この第1図面用レイヤデータ61に、取得したオブジェクトの配置状況に基づいて、オブジェクト62~64を配置する。同図において、オブジェクト62は、メモアイコンを示し、オブジェクト63は、星型の図形を示し、オブジェクト64は、カメラアイコンを示している。オブジェクト62は、所定のテキスト、画像等が紐付いたものである。オブジェクト63は、この場所が重要であること、連絡事項が有る等が紐付いたものである。オブジェクト64は、撮影アプリケーションの起動等が紐付いたものである。
【0078】
図15に戻り、オブジェクト引継処理の続きを説明する。
オブジェクト保存モジュールは、配置したオブジェクトの配置状況を、第1図面用レイヤデータに保存する(ステップS92)。
オブジェクト保存モジュールは、オブジェクトの配置状況を、第1図面用レイヤデータに追加することにより、配置したオブジェクトの配置状況を、第1図面用レイヤデータに保存する。
【0079】
オブジェクト引継モジュールは、保存したオブジェクトの配置状況を、第2図面用レイヤデータに引き継ぐ(ステップS93)。
オブジェクト引継モジュールは、第1図面用レイヤデータに保存したオブジェクトの配置状況を、第2図面に配置された第2図面用レイヤデータに入力することにより、第2図面用レイヤデータに、第1図面用レイヤデータに保存したオブジェクトを配置し、保存したオブジェクトの配置状況を、第2図面用レイヤデータに引き継ぐ(
図17参照)。
なお、オブジェクト引継モジュールが、保存したオブジェクトの配置状況を、第2図面用レイヤデータに引き継ぐ方法は、上述した例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0080】
図17に基づいて、オブジェクト引継モジュールが、引き継ぐオブジェクトについて説明する。同図は、第2図面用レイヤデータが、所定のオブジェクトを引き継いだ状態の例を模式的に示した図である。同図において、第2図面70が示されている。この第2図面70は、第1図面60の更新後の図面である。
第2図面70は、生成した第2図面用レイヤデータ71が重ねて配置されている。また、第2図面用レイヤデータ71は、提供処理による注目度の変更が行われた結果として、更新箇所72の該当箇所に追加された枠線73が存在する。更新箇所72は、
図7における更新箇所31と同様のものであり、枠線73は、
図7における枠線33と同様のものである。
オブジェクト引継モジュールは、第1図面用レイヤデータ61に保存したオブジェクト62~64の配置状況を、第2図面70に配置された第2図面用レイヤデータ71に入力することにより、第2図面用レイヤデータ71に、第1図面用レイヤデータ61に保存したオブジェクト62~64を配置する。オブジェクト74~76が、第2図面用レイヤデータ71に配置されたオブジェクトである。オブジェクト74が、オブジェクト62の引継結果であり、オブジェクト75が、オブジェクト63の引継結果であり、オブジェクト76が、オブジェクト64の引継結果である。オブジェクト74~76の其々に紐付いた機能等は、対応するオブジェクト62~64と同様のものである。オブジェクト74~76の種類及び配置場所は、第1図面用レイヤデータ61から引き継いだオブジェクト62~64の種類及び配置場所によるものである。
【0081】
図15に戻り、オブジェクト引継処理の続きを説明する。
第2図面記憶モジュールは、オブジェクトの配置状況を引き継いだ第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を記憶する(ステップS94)。
第2図面記憶モジュールは、ステップS25又はステップS31の処理により記憶した第2図面に、オブジェクトの配置状況を引き継いだ第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を、更に紐付けて記憶する。
【0082】
以上が、オブジェクト引継処理である。
オブジェクト引継処理の結果、第2図面は、第2図面用レイヤデータに、注目度を変更した更新箇所及び所定のオブジェクトが存在する。
コンピュータ10は、第2図面取得処理の実行後、上述した第n図面を取得した場合、第n-1図面に対して、オブジェクト引継処理と同様の処理を実行すれば良い。この結果、第n図面は、第n-1図面のレイヤデータに配置されたオブジェクトが、第n図面に引き継がれる。
【0083】
上述した複製処理と、オブジェクト引継処理との相違点は、複製処理が、第2図面に、第1図面用レイヤデータ及び第2図面用レイヤデータの2つのレイヤデータを配置するのに対して、オブジェクト引継処理が、第2図面に第2図面用レイヤデータのみを配置するという点である。
【0084】
[コンピュータ10が実行する建設進捗引継処理]
図18に基づいて、コンピュータ10が実行する建設進捗引継処理について説明する。同図は、コンピュータ10が実行する建設進捗引継処理のフローチャートを示す図である。本建設進捗引継処理は、切換処理等により提供した第1図面を用いる処理である。
【0085】
第1図面用建設進捗受付モジュールは、第1図面用レイヤデータに、建設進捗の入力を受け付ける(ステップS100)。
ユーザ端末20は、切換処理等により自身の表示部に表示した第1図面に対して、建設進捗の入力を受け付ける。例えば、ユーザは、ユーザ端末20が表示する仮想キーボード等を用いて、建設進捗を入力する。
ユーザ端末20は、受け付けた入力内容を、コンピュータ10に送信する。
第1図面用建設進捗受付モジュールは、この入力内容を受信することにより、第1図面用レイヤデータに、建設進捗の入力を受け付ける。
【0086】
第1図面用建設進捗保存モジュールは、受け付けた建設進捗を、第1図面用レイヤデータに保存する(ステップS101)。
第1図面用建設進捗保存モジュールは、受け付けた建設進捗を、第1図面用レイヤデータの所定の位置に入力する。所定の位置は、例えば、ユーザ端末20が建設進捗を受け付けた位置、予め設定された第1図面用レイヤデータの位置である。
第1図面用建設進捗保存モジュールは、受け付けた建設進捗を、第1図面用レイヤデータの所定の位置に入力することにより、受け付けた建設進捗を、第1図面用レイヤデータに保存する。
【0087】
第1図面記憶モジュールは、建設進捗を保存した第1図面用レイヤデータを配置した第1図面を記憶する(ステップS102)。
第1図面記憶モジュールは、ステップS13の処理により記憶した第1図面に、建設進捗を保存した第1図面用レイヤデータを配置した第1図面を、更に紐付けて記憶する。
【0088】
建設進捗引継モジュールは、保存した建設進捗を、第2図面用レイヤデータに引き継ぐ(ステップS103)。
建設進捗引継モジュールは、第1図面用レイヤデータに保存した建設進捗を、第2図面に配置された第2図面用レイヤデータに入力することにより、保存した建設進捗を、第2図面用レイヤデータに引き継ぐ。
なお、建設進捗引継モジュールが、保存した建設進捗を、第2図面用レイヤデータに引き継ぐ方法は、例に限定されるものではなく、適宜設計可能である。
【0089】
第2図面記憶モジュールは、建設進捗を引き継いだ第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を記憶する(ステップS104)。
第2図面記憶モジュールは、ステップS25又はステップS31の処理により記憶した第2図面に、建設進捗を引き継いだ第2図面用レイヤデータを配置した第2図面を、更に紐付けて記憶する。
【0090】
以上が、建設進捗引継処理である。
建設進捗引継処理の結果、第2図面は、第2図面用レイヤデータに、第1図面レイヤデータに入力を受け付けた建設進捗が存在する。
コンピュータ10は、第2図面取得処理の実行後、上述した第n図面を取得した場合、第n-1図面に対して、建設進捗引継処理と同様の処理を実行すれば良い。この結果、第n-1図面は、レイヤデータに建設進捗が保存されるとともに、第n図面は、第n-1図面のレイヤデータに保存された建設進捗が引き継がれる。
【0091】
上述した複製処理と、建設進捗引継処理との相違点は、複製処理が、第2図面に、第1図面用レイヤデータ及び第2図面用レイヤデータの2つのレイヤデータを配置するのに対して、建設進捗引継処理が、第2図面に第2図面用レイヤデータのみを配置するという点である。
【0092】
上述した各処理は、別個の処理として記載しているが、コンピュータ10は、上述した各処理の一部又は全部を組み合わせて実行する構成も可能である。また、コンピュータ10は、各処理において、説明したタイミング以外のタイミングであっても、その処理を実行する構成も可能である。
【0093】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態やクラウドサービスで提供されて良い。また、プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供されて良い。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしても良い。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0095】
本実施形態に開示される第1の態様は、建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する図面更新システムであって、
建設に関する第1図面を取得する第1図面取得部11と、
前記第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得する第2図面取得部12と、
前記第1図面と、前記第2図面とを比較し、更新箇所を検出する検出部14と、
前記第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成する第2図面用生成部15と、
生成した前記第2図面用レイヤデータを、前記第2図面に重ねて配置する第2図面用配置部16と、
配置した前記第2図面用レイヤデータにおける前記更新箇所の注目度を変更する更新箇所注目度変更部17と、
注目度の変更を反映した前記第2図面用レイヤデータが配置された前記第2図面を提供する第2図面提供部13と、
を備える図面更新システムを提供する。
【0096】
本実施形態に開示される第2の態様は、取得した前記第2図面に、取得した前記第1図面よりも高い数字の版番号を付与する付与部、
を更に備える第1の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0097】
本実施形態に開示される第3の態様は、提供した前記第2図面に対する所定の入力を受け付ける第2図面入力受付部と、
受け付けた前記所定の入力に基づいて、前記第1図面を提供する第1図面提供部と、
提供した前記第1図面に対する前記所定の入力を受け付ける第1図面入力受付部と、
前記第1図面又は前記第2図面に対する前記所定の入力に基づいて、前記第1図面と前記第2図面とを切り換える切換部と、
を更に備える第1の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0098】
本実施形態に開示される第4の態様は、前記第2図面用レイヤデータに、前記建設進捗の入力を受け付ける第2図面用建設進捗受付部と、
受け付けた前記建設進捗を、前記第2図面用レイヤデータに保存する第2図面用建設進捗保存部と、
を更に備える第1の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0099】
本実施形態に開示される第5の態様は、取得した前記図面の一覧を作成する作成部と、
作成した前記一覧における最新版の図面の注目度を変更する一覧注目度変更部と、
注目度の変更を反映した前記一覧を出力する一覧出力部と、
を更に備える第1の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0100】
本実施形態に開示される第6の態様は、取得した前記図面の履歴を出力する履歴出力部、
を更に備える第1の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0101】
本実施形態に開示される第7の態様は、前記第1図面に重ねて配置する第1図面用レイヤデータを生成する第1図面用生成部と、
生成した第1図面用レイヤデータを、前記第1図面に重ねて配置する第1図面用配置部と、
を更に備える第1の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0102】
本実施形態に開示される第8の態様は、前記第1図面用レイヤデータを複製する複製部、
を更に備え、
前記第2図面用配置部16が、複製した前記第1図面用レイヤデータを、前記第2図面に配置する、
第7の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0103】
本実施形態に開示される第9の態様は、前記第1図面用レイヤデータに所定のオブジェクトを配置するオブジェクト配置部と、
配置した前記オブジェクトの配置状況を、前記第1図面用レイヤデータに保存するオブジェクト保存部と、
保存した前記オブジェクトの配置状況を、前記第2図面用レイヤデータに引き継ぐオブジェクト引継部と、
を更に備える第7の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0104】
本実施形態に開示される第10の態様は、前記第1図面用レイヤデータに、前記建設進捗の入力を受け付ける第1図面用建設進捗受付部と、
受け付けた前記建設進捗を、前記第1図面用レイヤデータに保存する第1図面用建設進捗保存部と、
を更に備える第7の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【0105】
本実施形態に開示される第11の態様は、保存した前記建設進捗を、前記第2図面用レイヤデータに引き継ぐ建設進捗引継部、
を更に備える第7の態様に記載の図面更新システムを提供する。
【符号の説明】
【0106】
1 図面更新システム
7 ネットワーク
10 コンピュータ
11 第1図面取得部
12 第2図面取得部
13 第2図面提供部
14 検出部
15 第2図面用生成部
16 第2図面用配置部
17 更新箇所注目度変更部
20 ユーザ端末
30 第2図面
31 更新箇所
32 第2図面用レイヤデータ
33 枠線
40 一覧
41(41a~41i) 版番号
42(42a~42i) 図面のサムネイル
43 アイコン
50 履歴
60 第1図面
61 第1図面用レイヤデータ
62 オブジェクト
63 オブジェクト
64 オブジェクト
70 第2図面
71 第2図面用レイヤデータ
72 更新箇所
73 枠線
74 オブジェクト
75 オブジェクト
76 オブジェクト
【要約】
【課題】作業効率の向上を図る。
【解決手段】建設進捗に応じて、建設に関する図面を更新する図面更新システムは、建設に関する第1図面を取得し、前記第1図面を、建設進捗に応じて更新した第2図面を取得し、前記第1図面と、前記第2図面とを比較し、更新箇所を検出し、前記第2図面に重ねて配置する第2図面用レイヤデータを生成し、生成した前記第2図面用レイヤデータを、前記第2図面に重ねて配置し、配置した前記第2図面用レイヤデータにおける前記更新箇所の注目度を変更し、注目度の変更を反映した前記第2図面用レイヤデータが配置された前記第2図面を提供する。
【選択図】
図1