(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】生産管理装置、生産管理システムおよび生産管理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20231124BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20231124BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2017050994
(22)【出願日】2017-03-16
【審査請求日】2020-02-14
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】517012534
【氏名又は名称】i Smart Technologies株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲也
【合議体】
【審判長】刈間 宏信
【審判官】田々井 正吾
【審判官】大山 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-122319(JP,A)
【文献】特開2006-302096(JP,A)
【文献】特開2003-143594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/00 - 19/46
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造ラインの生産状況を管理するための生産管理装置であって、
前記製造ラインにおける生産状況を撮影するための撮影装置と、
前記製造ラインに配置されている生産設備から製品が繰り出される度に検出信号を出力する検出装置であって、前記生産設備に対して後付けにて装着または前記生産設備の近傍に後付けにて配置されている検出装置と、
前記検出装置から
入力された前記検出信号が、生産設備毎に予め定められ
、生産設備
から製品が繰り出されるべき
基準間隔で入力されない場合に、
製造ラインの停止にまで至らない事象と判断し、当該事象を特定するために前記撮影装置によって撮影された映像を遡って記憶装置に保存する映像保存実行部と、を備える、生産管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の生産管理装置において、
前記映像保存実行部は、最後に前記検出信号が入力された時間まで遡って前記映像を前記記憶装置に保存する、生産管理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の生産管理装置において、
前記映像保存実行部は、予め定められた期間にわたり遡って前記映像を前記記憶装置に保存する、生産管理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の生産管理装置において、
前記撮影装置は、前記製造ラインにおいて作業が行われる場所および前記製造ラインに配置されている生産設備の少なくともいずれか一方に対応して配置されている、生産管理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の生産管理装置において、
前記記憶装置は、記録容量を超えると前記映像が上書き記録される撮影映像記録部と、前記撮影映像記録部とは異なる記録部である保存映像記録部とを含み、
前記映像保存実行部は、前記遡って保存される前記映像を前記保存映像記録部に保存する、生産管理装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の生産管理装置において、
前記映像保存実行部は、記録容量を超えると前記映像を上書き記録し、遡って保存される前記映像は前記記憶装置に上書き不能に保存される、生産管理装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の生産管理装置において、
前記映像保存実行部は、遡って保存される前記映像と前記検出信号が前記予め定められた基準間隔で入力されないと判定した時間とを対応付けて保存する、生産管理装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の生産管理装置はさらに、
前記検出信号が予め定められた基準間隔で入力されないと判定したタイミングにて、前記保存された映像を外部装置に対して出力する出力装置を備える、生産管理装置。
【請求項9】
製造ラインの生産状況を管理するための生産管理システムであって、
請求項1から8のいずれか一項に記載の生産管理装置と、
前記生産管理装置から出力された前記保存された映像を受信する端末装置と、を備える、生産管理システム。
【請求項10】
製造ラインの生産状況を管理するための生産管理方法であって、
前記製造ラインにおける生産状況を撮影し、
前記製造ラインに配置されている生産設備に対して後付けにて装着または前記生産設備の近傍に後付けにて配置されている検出装置から製品が繰り出される度に出力される検出信号を受信し、
前記検出信号が、生産設備毎に予め定められ
、生産設備において製品が繰り出されるべき
基準間隔で受信できない場合に、
製造ラインの停止にまでに至らない事象と判断し、当該事象を特定するために前記撮影された映像を遡って保存すること、を備える、生産管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製造ラインにおける生産状況を管理するための生産管理装置、生産管理システムおよび生産管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを用いて製造ラインの稼働状態を撮影し、設備や作業の停止を記録する技術が知られている。また、生産設備や作業の停止から設定時間以上過去に遡った映像データを上書き不可の映像データとして保存する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、従来の生産管理技術では、生産設備や作業の停止をトリガとして映像データが保存されており、生産設備の不調または不具合といった製造停止にまで至らない事象の検出、並びに製造停止にまで至らない事象をトリガとする映像の保存は想定されていなかった。この結果、例えば、生産設備の不調または不具合に起因する遅延や、製造ラインの生産効率低下の要因について映像を用いて特定し、検証するためには全映像を検証しなければならず容易な作業ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであり、製造ラインの停止にまで至らない事象を容易に映像によって特定し、製造ラインの生産効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本開示は以下の種々の態様を採る。
【0007】
第1の態様は、製造ラインの生産状況を管理するための生産管理装置を提供する。第1の態様に係る生産管理装置は、前記製造ラインにおける生産状況を撮影するための撮影装置と、前記製造ラインから製品が繰り出される度に検出信号を出力する検出装置と、前記検出装置から出力される前記検出信号が予め定められた間隔で入力されない場合に、前記撮影装置によって撮影された映像を遡って記憶装置に保存する映像保存実行部と、を備える。
【0008】
第1の態様に係る生産管理装置によれば、検出装置から出力される検出信号が予め定められた間隔で入力されない場合に、撮影装置によって撮影された映像を遡って保存するので、製造ラインの停止にまで至らない事象を映像によって容易に特定し、製造ラインの生産効率の向上を図ることができる。
【0009】
第1の態様に係る生産管理装置において、前記映像保存実行部は、最後に前記検出信号が入力された時間まで遡って前記映像を前記記憶装置に保存しても良い。この場合には、判定時から最後に検出信号が入力された時間までの間の映像を保存することができる。
【0010】
第1の態様に係る生産管理装置において、前記映像保存実行部は、予め定められた期間にわたり遡って前記映像を前記記憶装置に保存しても良い。この場合には、判定時から予め定められた期間の間の映像を保存することができる。
【0011】
第1の態様に係る生産管理装置において、前記撮影装置は、前記製造ラインにおいて作業が行われる場所および前記製造ラインに配置されている生産設備の少なくともいずれか一方に対応して配置されていても良い。この場合には、作業が行われる場所および生産設備の少なくともいずれか一方における製造ラインの停止にまで至らない事象を映像によって特定することができる。
【0012】
第1の態様に係る生産管理装置において、前記記憶装置は、記録容量を超えると前記映像が上書き記録される撮影映像記録部と、前記撮影映像記録部とは異なる記録部である保存映像記録部とを含み、前記映像保存実行部は、前記遡って保存される前記映像を前記保存映像記録部に保存しても良い。この場合には、撮影映像記録部の記録容量を超えても、遡って保存された映像は保存される。
【0013】
第1の態様に係る生産管理装置において、前記映像保存実行部は、記録容量を超えると前記映像を上書き記録し、遡って保存される前記映像は前記記憶装置上書き不能に保存される。この場合には、記録容量を超えても、遡って保存された映像が上書きされることなく保存される。
【0014】
第1の態様に係る生産管理装置において、前記映像保存実行部は、遡って保存される前記映像と前記検出信号が前記予め定められた間隔で入力されないと判定した時間とを対応付けて保存しても良い。この場合には、検出信号が予め定められた間隔で入力されない事象を示す保存映像を容易に検索することができる。
【0015】
第1の態様に係る生産管理装置において、前記検出装置は、前記製造ラインに配置されている生産設備に対して後付けにて装着または前記生産設備の近傍に後付けにて配置されていても良い。この場合には、生産設備によらず、検出装置を装着することができる。
【0016】
第1の態様に係る生産管理装置はさらに、前記検出信号が予め定められた間隔で入力されないと判定したタイミングにて、前記保存された映像を外部装置に対して出力する出力装置を備えても良い。この場合には、製造ラインの停止にまで至らない事象を映像を直ちに外部装置に出力することができる。
【0017】
第2の態様は、製造ラインの生産状況を管理するための生産管理システムを提供する。第2の態様に係る生産管理システムは、第1の態様に係る記載の生産管理装置と、前記生産管理装置から出力された前記保存された映像を受信する端末装置と、を備える。第2の態様に係る生産管理システムによれば、第1の態様に係る生産管理装置と同様の利点を得ることができる。
【0018】
第3の態様は、製造ラインの生産状況を管理するための生産管理方法を提供する。第3の態様に係る生産管理方法は、前記製造ラインにおける生産状況を撮影し、前記製造ラインから製品が繰り出される度に出力される検出信号を受信し、前記検出信号が予め定められた間隔で受信できない場合に、前記撮影された映像を遡って保存することを備える。
【0019】
第3の態様に係る生産管理方法によれば、第1の態様に係る生産管理装置と同様の利点を得ることができる。また、第3の態様に係る生産管理方法は、この他に、生産管理プログラムとして実現され得ると共に、生産管理プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な媒体として実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1の実施形態に係る生産管理装置を備える生産管理システムおよび製造ラインを示す概略構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る生産管理装置の内部機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態における映像保存の態様を示す説明図である。
【
図4】第1の実施形態における稼働状態取得装置の配置例を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係る生産管理装置によって実行される映像保存プログラム処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の実施形態:
以下、本開示に係る生産管理システムおよび生産管理方法について、図面を参照しつつ、実施形態に基づいて説明する。
図1は第1の実施形態に係る生産管理装置を備える生産管理システムおよび製造ラインを示す概略構成図である。なお、
図1に示す生産管理システムおよび製造ラインは他の実施形態においても共通して用いられる。
【0022】
生産管理システム100は、生産管理装置10および稼働状態取得装置20a~20cを備えている。生産管理装置10は、稼働状態取得装置20a~20cと協働して、第1の製造ラインL1、第2の製造ラインL2の生産状況を管理する。なお、製造ラインLは1つであっても良く、あるいは、3つ以上であっても良い。
【0023】
各製造ラインL1およびL2には、加工対象品、すなわち、加工部品、ワーク、を搬送するための搬送機構30、たとえば、ベルトコンベア、軌道上を移動する搬送機が備えられている。搬送機構30には種々の生産設備31~33が配置され、搬送機構30の近傍には部品保管部34が配置されている。各生産設備31~34は、たとえば、金属加工機、溶接機、樹脂成形機、塗装機、熱間鍛造機、完成品回収機、加工部品供給機といった設備である。各生産設備31~33には、生産設備における加工対象品に対する生産処理、加工処理を実行するためのプログラマブルロジックコントローラ(PLC)およびPLCに接続されている各種センサが備えられている。例えば、生産設備あるいは搬送機構に組み込まれている加工部品の到着あるいは通過を検出するための光電センサ、加工部品の寸法を測る寸法センサ、加工部品を切削加工する切削金属加工機に組み込まれている加工部品を加工するための刃具の使用回数をカウントするカウンタ、完成品回収機に組み込まれている完成品の排出個数をカウントするためのエリアセンサ、あるいは、完成品を搬送するハンド機構に組み込まれている開閉回数をカウントするカウンタ、開動作間隔を計測するサイクル計測器が備えられている。これらの各センサは、製造ラインおよび生産設備を作動させるために、製造ラインおよび生産設備の設置・配置時に従来より配置され、PLCに接続されているセンサである。
【0024】
部品保管部34は、作業員が搬送機構30によって搬送されてきた加工対象品に対して取り付けるべき部品を保管するための棚、スペースである。作業員は、部品保管部34の近傍において取付作業等を行う。
【0025】
図1の例において、第1の製造ラインL1には、第1の生産設備31、部品保管部34が配置されている。第2の製造ラインL2には、第2の生産設備32および第3の生産設備33が配置されている。
【0026】
部品保管部34および第2の生産設備32の少なくともいずれか一方には、カメラ41、42が配置されている。カメラ41、42は、映像データを出力する撮影装置であり、映像データは、信号線を介して生産管理装置10に対して出力される。カメラ41、42によって撮影された映像データは後述する撮影映像記録部122に順次記録される。部品保管部34におけるカメラ41は、作業員を撮影するように配置されている。カメラ41によって、作業員の作業状態を取得することができる。第2の生産設備32におけるカメラ42は、第2の生産設備32における加工対象品の繰り出し側、下流側に配置されている。カメラ42によって、第2の生産設備32の稼働状態を取得することができる。
【0027】
生産設備または生産設備の近傍には、後付けの第1~第3の稼働状態取得装置20a~20cが装着または配置されている。本明細書において後付けとは、生産設備を稼働させるために生産設備の設置時から組み込まれている、あるいは、予め装着されておらず、また、各生産設備31~33の動作を制御する装置であるPLCに接続されておらず、生産設備の稼働、制御とは無関係に装着、配置されることを意味する。
図1の例では、第1、第2および第3の生産設備31、32、33に対してそれぞれ第1、第2および第3の稼働状態取得装置20a、20b、20cがそれぞれ装着されている。
【0028】
生産管理装置10と、後付けの第1~第3の稼働状態取得装置20a~20cは、
図1に示すように無線にて相互にデータを送受信することが可能である。生産管理装置10は、端末装置PD1、PD2からの要求に応じて、生成した生産状況情報を無線にて送信する。
【0029】
図2は第1の実施形態に係る生産管理装置の内部機能構成を示すブロック図である。
図3は第1の実施形態における映像保存の態様を示す説明図である。生産管理装置10は、各生産設備31~33の動作を制御する装置、すなわち、PLCとは異なる装置であり、生産管理装置10が用いられなくても各生産設備31~33はPLCによって動作制御される。生産管理装置10は、バス16を介して相互に通信可能に接続されている、中央演算処理装置(CPU)11、記憶装置12、送信・受信部13、表示装置14および入力装置15を備えている。CPU11、記憶装置12および送信・受信部13は互いに双方向に通信可能である。記憶装置12は、たとえば、RAM、ROM、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)である。HDD、(または、SSD、ROM)には本実施形態において提供される機能を実現するための映像保存プログラムP1が格納されており、HDDから読み出された各種プログラムはRAM上に展開されて、CPU11によって実行される。映像保存プログラムP1を実行するCPU11は、映像保存実行部として機能する。
【0030】
記憶装置12はさらに、生産管理装置10が映像を保存する際に用いられる基準パルス間隔121を格納する記憶領域、カメラ41、42によって撮影された映像データを記録する読み書き可能な領域である撮影映像記録部122、検出装置からの検出信号が予め定められた間隔で入力されない場合に、カメラ41、42によって撮影され撮影映像記録部122に記録されている映像データを遡って保存映像データとして記憶する保存映像記録部123を備えている。撮影映像記録部122および保存映像記録部123は、HDDまたはSSDに備えられている。なお、撮影映像記録部122は、予め割り当てられた記憶容量を有しており、当該記憶容量を超える場合には、時間的に古い映像データに新たに撮影された映像データが上書き保存されていく。
図3に示すように、映像保存実行部としてのCPU11は、保存映像データを保存映像記録部123に記録する(R1)。なお、保存映像データは、撮影された映像が順次記録される撮影映像記録部122とは異なる記録部である映像保存実行部123に記録されるので保存映像記録部123に書き換え可能に保存されていても良い。
【0031】
記憶装置12は撮影映像記録部122のみを備えていても良い。この場合、
図3に示すように、映像保存実行部としてのCPU11は、撮影映像記録部122に対して保存映像データを書き換え不能に記録することにより(R2)、保存映像データの上書きを防止し、保存することができる。また、撮影映像記録部122は保存映像データを上書き不能に記録する領域が予め用意されている。
【0032】
送信・受信部13は、無線通信を介して、各製造ラインL1~L2上における各生産設備に備えられている、あるいは、各生産設備に近傍に配置されている第1~第3の稼働状態取得装置20a~20cから稼働状態に関わる検出信号を受信する。送信・受信部13は、第1~第3の稼働状態取得装置20a~20cに対して各種の実行命令を送信する。送信・受信部13はさらに、外部装置である端末装置PD1、PD2に対して生産状況情報を出力として送信し、あるいは、端末装置PD1、PD2からの各種処理の実行を要求する入力を受信する。送信・受信部13が無線通信機能を有する入出力I/Fである場合には、送信・受信部13は工場内に設置されている図示しない無線中継器(アクセスポイント)を介して、第1~第3の稼働状態取得装置20a~20cからの無線電波を受信しても良く、あるいは、送信・受信部13自身が第1~第3の稼働状態取得装置20a~20cから無線電波を受信可能な場所に配置されていても良い。また、送信・受信部13は、無線中継器に対して有線接続されていても良い。いずれにしても、各稼働状態取得装置20a~20cに対して有線接続することなく稼働状態に関わる情報を取得できれば良い。このようにすることによって、各生産設備に対して第1~第3の稼働状態取得装置20a~20cを装着または配置するという比較的簡単な変更だけで、本実施形態に係る生産管理システム100を既存の工場に導入することができる。無線通信は、たとえば、IEEE802.11規格に準拠した無線ローカルネットワーク(LAN)を通じた無線接続によって実現され得る。
【0033】
表示装置14は、生産管理システム100を操作する際に処理内容の表示に用いられ、あるいは、生産状況情報を表示するためのディスプレイである。表示装置14は、生産管理装置10とは別体で備えられていても良い。入力装置15は、生産管理システム100に対して入力を行うために用いられる装置であり、たとえば、キーボード、マウスであり、更には、表示装置14の画面上に備えられる感圧式のタッチパネルであっても良い。
【0034】
図4は第1の実施形態における稼働状態取得装置の配置例を示すブロック図である。なお、
図4においては、第1の稼働状態取得装置20aを例示的に説明するが、他の第2、第3の稼働状態取得装置20b、20cも同様の構成を有している。第1の稼働状態取得装置20aは、第1の生産設備31の近傍、より具体的には、第1の生産設備31が配置されている搬送機構30の終端、すなわち、当該ラインの加工終了品WPが排出される位置に配置されている。なお、加工終了品WPは最終的に完成した製品または中間の製品であっても良い。第1の稼働状態取得装置20aは、信号線によって接続され、送受信部を含むコントローラ21bが格納される本体とは別に備えられている第1の検出部としての検出部21aを有している。検出部21aは、搬送機構30を支持する支持部の上端に配置され、本体は支持部の中間側面に配置されている。検出部21aとしては、例えば、光電式の光センサが用いられ得る。光電式の光センサによれば、搬送機構30によって搬送される加工終了品WPの通過を光の遮断によって検出することができる。遮断時に出力される検出信号は、1または0のパルス信号である。光電式センサは、可視光、赤外光、紫外光といった光を出力する光源と、光源からの光を受光する受光部とによって構成される。第1の稼働状態取得装置20aを第1の生産設備31の近傍に配置することによって、第1の生産設備31の稼働状態を加工終了品WPの搬送(排出)の有無を検出することができる。具体的には、後付けの第1の稼働状態取得装置20aを配置することにより、第1の生産設備31の稼働状態の1つである稼働サイクルを示す情報としての検出信号を取得し、生産管理装置10に対して提供することができる。
【0035】
検出部21aは、後付けにて第1の生産設備31に対して装着あるいは第1の生産設備31の近傍に配置される各種センサであり、生産設備によって加工部品に対して加工および処理を施すために備えられ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)に接続されている既存のセンサとは異なる。なお、検出部21aは、第1の稼働状態取得装置20aと一体に備えられていても良い。検出部21aは、生産設備における加工対象品に対する加工、処理に関わる動作、操作開始、実行中または完了のタイミング、回数を計数することができる検出部である。検出部21aは、検出用の素子のみを備えアナログ信号を出力する検出部であっても良く、あるいは、検出用の素子に加え、検出用の素子によって出力される信号をディジタル信号に変換して出力する回路を備える検出部であっても良い。コントローラ21bは、図示しない中央演算処理装置(CPU)と記憶装置とを備えている。コントローラ21bは、送受信部を介して、検出部21aから受信した検出信号を任意の通信プロトコルに従い無線によって生産管理装置10に対してパルス状の検出信号を送信し、あるいは、生産管理装置10からの実行命令を受信する。コントローラ21bは、検出部21aから入力される信号がアナログ信号である場合には、信号値が既定値以上、規定値未満、または任意の範囲にある場合に、アクティブHighロジックにおいてはHigh(1)、アクティブLowロジックにおいてはLow(1)を採るディジタル信号に変換して送受信部を介して検出信号を生産管理装置10に対して送信する。したがって、本実施形態においては、検出部21aのみが検出部として機能し得ると共に、検出部21aとコントローラ21bとによって検出部が実現され得る。コントローラ21bは、検出部21aから受信した検出信号を記憶装置に格納しておき、生産管理装置10から受信した実行命令に応じて、検出信号を生産管理装置10に対して送信しても良い。
【0036】
検出部21aとして用いられるセンサとしては、光電式センサの他、他の光センサ、音センサ、熱センサ、電流センサ、距離センサ、気圧センサ、加速度センサ、回転速度センサ、湿度センサおよび圧力センサが用いられ得る。各センサはいずれも生産設備の稼働状態を検出するためのセンサであり、その用いられ方については以下で説明する。なお、本実施形態において、稼働状態とは、製造ラインおよび生産設備における、加工対象品に対する加工、処理に関わる動作、操作を意味し、例えば、当該動作、操作の開始、実行中、停止、完了といった状態が含まれ得る。以下では、生産設備として第3の生産設備33を例にとって説明する。
【0037】
照度センサを含む光センサは、第3の生産設備33に1回の加工サイクル毎に点灯・消灯を繰り返す表示灯が備えられている場合には、当該表示灯の点灯または消灯回数を検出するために用いられる。表示灯の点灯または消灯回数に応じた検出信号によって、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。なお、光センサとしてカラーセンサが用いられる場合には、複数色を有する表示灯の点灯色を判別することができるので、点灯色に応じた生産設備の稼働サイクルを取得することができる。音センサは、第3の生産設備33におけるモータ音、エアー排出音および扉の開閉音といった動作音、切削音および打音といった加工に伴う音を検出するために用いられる。音センサによって検出される音量が規定の音量を超える場合に稼働状態取得装置20cから検出信号が出力されることにより、上記動作または加工のサイクルを稼働状態として取得することができる。
【0038】
熱センサは、第3の生産設備33からの高温の加工部品の排出を検出するために用いられる。具体的には、加工部品の温度を検出可能な赤外線センサ、加工部品の温度が規定温度以上、規定温度未満、あるいは任意の温度範囲にあることを検出可能なサーモスタットが用いられ得る。赤外線センサが用いられる場合には、検出温度が規定温度以上である場合に検出信号が出力されることにより、サーモスタットが用いられる場合には、作動信号を検出信号として用いることによって、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。
【0039】
電流チェッカを含む電流センサは、第3の生産設備33に備えられているアクチュエータの作動、あるいは、溶接機のように加工に電力を要する加工機の作動、すなわち、第3の生産設備33における加工完了部品の排出に関連する動作を検出するために用いられる。具体的には、アクチュエータおよび加工機の動作時における電流値が規定電流値以上、規定電流値未満、あるいは任意の電流値範囲にあることを示す検出信号が第3の稼働状態取得装置20cから生産管理装置10に対して送信され、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。この他にも、雷センサのように高電圧を測定、検出可能なセンサを用いて、アーク溶接機や高周波焼入機において瞬間的に発生する高電圧(高エネルギ)を検出することによって、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。
【0040】
距離センサは、第3の生産設備33が備える、治具、刃具、ロボットハンド、加工部品といった対象物との距離を検知することによって、第3の生産設備33の処理動作、加工動作を通じて、あるいは、加工部品自身の動きによって、加工部品の排出を検出するために用いられる。具体的には、対象物までの距離が規定距離以上、規定距離未満、あるいは任意の距離範囲にあることを示す検出信号が第3の稼働状態取得装置20cから生産管理装置10に対して送信され、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。距離センサとしては、例えば、赤外光、レーザ光、超音波、音波等を発射し、対象物によって反射された反射波が返ってくるまでの時間に基づいて対象物までの距離を測定するセンサが用いられる。
【0041】
気圧センサおよび水位センサは、それぞれ、第3の生産設備33において実行される、水や油といった液体を用いる切削、洗浄、焼入れ、焼き戻し工程において使用される液体の圧力変化並びに、切削および洗浄工程において使用される液体の水位変化を検出することによって、第3の生産設備33の加工動作を通じて加工部品の排出を検出するために用いられる。具体的には、圧力または水位(液位)が規定値以上、規定値未満、あるいは任意の範囲にあることを示す検出信号が第3の稼働状態取得装置20cから生産管理装置10に対して送信され、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。
【0042】
加速度センサ、近接スイッチおよびドップラーセンサは、第3の生産設備33が備える扉やシリンダの先端に配置され、扉の開閉やシリンダの往復動を通じて加工部品の排出を検出するために用いられる。
【0043】
回転速度センサは、第3の生産設備33が備える、治具、刃具、ロータリーテーブル、加工部品等の回転速度を検出することによって、第3の生産設備33の加工動作を通じて、あるいは、加工部品自身の動きによって、加工部品の排出を検出するために用いられる。具体的には、検出された回転速度が規定値以上、規定値未満、あるいは任意の範囲にあることを示す検出信号が第3の稼働状態取得装置20cから生産管理装置10に対して送信され、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。
【0044】
圧力センサおよび感圧センサは、第3の生産設備33が備える扉、操作パネル、あるいは押し当てや挟み込みなどの圧力が掛かる部位に配置され、扉の開閉、操作パネルの操作、押し当てや挟み込みの検出を通じて加工部品の排出を検出するために用いられる。
【0045】
ジャイロセンサは、第3の生産設備33が備える、治具、刃具、ロボットハンド、加工部品等の傾きや速度を検出することによって、第3の生産設備33の加工動作を通じて、あるいは、加工部品自身の動きによって、加工部品の排出を検出するために用いられる。具体的には、検出された傾きや速度が規定値以上、規定値未満、あるいは任意の範囲にあることを示す検出信号が第3の稼働状態取得装置20cから生産管理装置10に対して送信され、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。傾斜センサは、第3の生産設備33が備える、治具、刃具、ロボットハンド、加工部品等の傾き、加工装置台やシーソー型搬送部の傾きを検出することによって、第3の生産設備33の加工動作を通じて、加工部品の排出を検出するために用いられる。具体的には、検出された傾きが規定値以上、規定値未満、あるいは任意の範囲にあることを示す検出信号が第3の稼働状態取得装置20cから生産管理装置10に対して送信され、第3の生産設備33の加工サイクルを稼働状態として取得することができる。
【0046】
この他にも、人感センサや静電容量式センサを用いて人の操作を検出することによって加工部品の排出を検出することや、湿度センサを用いて、水や油といった液体を用いる切削、洗浄、焼入れ、焼き戻し工程において使用される液体に起因する湿度の変化を検出することによって加工部品の排出を検出することができる。
【0047】
生産管理装置10の動作について説明する。
図5は第1の実施形態に係る生産管理装置によって実行される映像保存処理ルーチンを示すフローチャートである。本処理ルーチンは、CPU11が映像保存プログラムP1を実行することにより実行され、CPU11は、生産管理装置10の起動後、生産管理装置10が稼働終了されるまでの間、映像保存プログラムP1を繰り返し実行する。
【0048】
生産管理装置10、すなわち、CPU11は、検出部21aからの検出信号を受信する(ステップS100)。検出部21aは、内部に備える回路により検出素子から出力される電流等のアナログ信号をデジタル信号に変換した検出信号を出力しても良く、あるいは、検出素子から出力される電流等のアナログ信号を検出信号として出力しても良い。
【0049】
CPU11は、検出部21aから受信する検出信号の入力の間隔が正常か、すなわち、検出信号が予め定められた間隔で入力されているか否かを判定する(ステップS110)。具体的には、最後に検出信号が入力されてから、基準パルス間隔121だけ経過するタイミングで新たな検出信号が入力されたか否かが判定される。基準パルス間隔121は、生産設備毎に予め定められているパルス間隔、すなわち、生産設備から加工部品が排出されるべきサイクル時間、あるいは、生産設備において加工処理が完了すべきサイクル時間を意味する。例えば、20秒、30秒といった時間間隔が1サイクルとされる。既述の通り、検出信号は、加工対象品の通過、または、加工対象品の通過に関わる生産設備の動作に応じた波形間隔を有するパルス波形信号であり、作業者による作業または生産設備の動作が予定通りであれば、基準パルス間隔で検出信号は入力される。なお、検出部21aから受信する検出信号の入力の間隔が正常か否かの判定は、最後に検出信号が入力されてから新たな検出信号の入力を待ち、最後の検出信号から新たな検出信号とのパルス間隔と基準パルス間隔121とが一致するか否かによって判定されても良い。
【0050】
CPU11は、検出部21aから受信する検出信号の入力の間隔が正常であると判定した場合には(ステップS110:Yes)、本処理ルーチンを終了する。検出信号の入力の間隔が正常である場合には、映像を書き換え不能に保存して、製造ラインの停止を伴わない製造の遅延等を検討しなくて良いからである。
【0051】
CPU11は、検出部21aから受信する検出信号の入力の間隔が正常でないと判定した場合には(ステップS110:No)、映像を遡って保存して(ステップS120)、本処理ルーチンを終了する。映像の保存は、
図3に示すように、例えば、最後に検出信号が入力されてから検出信号の入力の間隔が正常でないと判定された時までの期間にわたる映像を保存映像記録部123に記録または撮影映像記録部122に上書き不可能に記憶することによって実行される。あるいは、最後に検出信号が入力されてから基準パルス間隔または基準パルス間隔+αだけ遡った期間にわたる映像を保存映像記録部123に記録または撮影映像記録部122に上書き不可能に記録することによって実行される。映像には撮影時間情報が記録されているので、撮影映像記録部122に記録されている映像データから、最後に検出信号が入力された時間から検出信号の入力の間隔が正常でないと判定が行われた時間までの映像データを切り出すまたは抽出することによって、あるいは、最後に検出信号が入力されてから基準パルス間隔または基準パルス間隔+αだけ遡った期間にわたる映像を切り出すまたは抽出することによって保存映像データを得ることができる。なお、保存映像データと受信間隔が正常でないと判定した時間とが対応付けられて保存されても良い。この場合には、受信間隔が正常でないと判定した時間から容易に対応する保存映像データを検索することができる。
【0052】
以上説明した第1の実施形態に係る生産管理装置10によれば、検出部21aから受信する検出信号の入力の間隔が正常でない場合に、カメラ41、42によって撮影された映像データを遡って保存することができる。したがって、製造ラインの停止にまで至らない事象、例えば、生産設備の不調や不具合による製造の遅延や、作業者の作業遅れによる製造の遅延を容易に映像にて検証することが可能となり、製造ラインの生産効率の向上を図ることができる。具体的には、最後の検出信号の入力から基準パルス間隔が経過すると、最後に検出信号が入力されてから基準パルス間隔が経過した時から最後に検出信号が入力された時までの期間にわたる映像、あるいは、最後に検出信号が入力されてから基準パルス間隔が経過した時から、基準パルス間隔または基準パルス間隔+αだけ遡った期間にわたる映像が保存映像記録部123に記憶される。したがって、製造ラインの停止にまで至らない事象を示す映像を容易に判別することが可能となり、製造ラインの停止にまで至らない事象の検証を効率よく行うことができる。これに対して、従来は、製造ラインが停止したタイミングにて映像データの保存を行っていたため、製造遅れの事象を映像によって特定することができず、映像を用いた製造ラインの生産効率の検証そのものを行うことができなかった。
【0053】
第2の実施形態:
第2の実施形態においては、基準パルス間隔に代えて、基準パルス数が用いられても良い。第2の実施形態に係る生産管理装置のその他の構成は第1の実施形態に係る生産管理装置10と同様であるから同一の符号を付して説明を省略する。基準パルス数は、生産設備毎に予め定められている単位時間当たりのパルス数、すなわち、単位時間当たりに生産設備から加工部品が排出されるべき数、あるいは、単位時間当たりに生産設備において加工処理が完了すべき数を意味する。基準パルス数が用られる場合には、CPU11は検出信号から単位時間あたりの検出パルス数を求め、求められた単位時間当たりの検出パルス数と基準パルス数とを対比し、検出パルス数が少ない場合に、単位時間ウィンドウに撮影された映像データを保存する。
【0054】
第3の実施形態:
第3の実施形態に係る生産管理装置の構成は第1の実施形態に係る生産管理装置10と同様であるから同一の符号を付して説明を省略する。第3の実施形態に係る生産管理装置10は、受信間隔が正常でないと判定した際に、端末装置PD1、PD2に対して保存映像を送信しても良い。この生産管理装置10を含む生産管理システム100によれば、端末装置PD1、PD2を通じて保存された映像データをタイミング良く閲覧することができる。したがって、遠隔地であっても、迅速に、製造ラインや生産設備の生産状況を把握し、遅延が生じている場合には遅延の原因を分析し、対応を検討することができる。
【0055】
第4の実施形態:
第4の実施形態に係る生産管理装置の構成は第1の実施形態に係る生産管理装置10と同様であるから同一の符号を付して説明を省略する。第1の実施形態に係る生産管理装置10によれば、検出信号の受信間隔が正常であるか否かの判定は、検出信号を受信する度、すなわち、リアルタイムにて実行され、検出信号の受信間隔が正常でない場合に映像データの保存が実行されている。これに対して、第4の実施形態に係る生産管理装置10では、検出信号の受信間隔が正常であるか否かの判定を、例えば、生産カレンダーに応じて、製造ラインが停止されるタイミングにてまとめて実行しても良い。この場合には、検出信号の時間フレームと映像データの時間フレームとを対応付けて撮影映像記録部122に記録しておき、検出信号の間隔に遅れがある時間タイミングから遡って映像データを切り出して保存映像記録部123に記録または撮影映像記録部122に上書き不可能に記録すれば良い。製造ラインの稼働ウィンドウが撮影映像記録部122の記録容量よりも小さい場合には、この手法によっても製造遅れの事象に関する映像データを上書き不可能に保存することができる。また、カメラ41、42からの映像データの記録と検出信号の受信間隔が正常であるか否かの判定処理とを生産管理装置10にて並行処理しなくて良く、判定処理の実行頻度を抑制することができるので、生産管理装置10における処理負荷を低減することができる。
【0056】
・変形例:
(1)第1の実施形態においては、各製造ラインL1、L2にそれぞれ3つの生産設備が配置されているが、1つまたは2つであっても良く、また、4つ以上備えられていても良い。また、製造ラインの数についても、1および2ラインでも良く、あるいは、3ライン以上であっても良い。
【0057】
(2)第1の実施形態においては、生産管理装置10および各稼働状態取得装置20a~20cは無線通信にて通信を行っているが、有線通信によって行われても良い。例えば、各生産設備31~33の近傍に有線ローカルエリアネットワーク(LAN)接続ポートが用意されている場合には、当該接続ポートを利用することによって新たな配線の手間が省け、無線通信と同様にして簡易に第1の実施形態に係る生産管理システム100を導入することができる。
【0058】
(3)第1の実施形態においては、各稼働状態取得装置20a~20cにおいて検出信号のパルス信号化、すなわち、デジタル信号化が実行されているが、生産管理装置10において実行されても良い。すなわち、各稼働状態取得装置20a~20cから生産管理装置10に対してアナログ信号が送信され、生産管理装置10において上述のパルス信号化が実行されても良い。
【0059】
以上、実施形態、変形例に基づき本開示について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本開示にはその等価物が含まれる。たとえば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0060】
10…生産管理装置、11…CPU、12…記憶装置、13…送信・受信部、14…表示装置、15…入力装置、16…バス、20a…第1の稼働状態取得装置、20b…第2の稼働状態取得装置、20c…第3の稼働状態取得装置、21a…検出部、21b…コントローラ、30…搬送機構、31…第1の生産設備、32…第2の生産設備、33…第3の生産設備、34…部品保管部、41、42…カメラ、100…生産管理システム、121…基準パルス間隔、122…撮影映像記録部、123…保存映像記録部、I/F…入出力、L1…第1の製造ライン、L2…第2の製造ライン、PD1、PD2…端末装置、WP…加工終了品、P1…映像保存プログラム