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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】粉粒体材料の捕集装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/60 20060101AFI20231124BHJP
   B01D 46/72 20220101ALI20231124BHJP
   B01D 46/71 20220101ALI20231124BHJP
【FI】
B65G53/60
B01D46/72
B01D46/71
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019162825
(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公開番号】P2021041305
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000146054
【氏名又は名称】株式会社松井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】木下 淳也
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-118212(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0071669(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0011042(US,A1)
【文献】米国特許第03771638(US,A)
【文献】特開2004-131189(JP,A)
【文献】特開2018-034995(JP,A)
【文献】特開2012-016651(JP,A)
【文献】特開2010-260020(JP,A)
【文献】特開2009-095721(JP,A)
【文献】特開昭63-111915(JP,A)
【文献】実開昭62-087724(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 41/00-04
B01D 46/00-90
B08B 5/00-04
B65G 53/60-64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、前記輸送空気の通過方向逆側から前記フィルターに向けて空気を吹き出す吹出口と、該吹出口の吹出方向下流側に設けられ該吹出口から吹き出される空気を径方向外側に向けて拡散させる拡散体と、を備えており、
前記拡散体の外径は、前記吹出口の内径よりも小とされており、
前記フィルターは、前記吹出口の吹出方向に見て、前記拡散体の径方向外側を囲むように形成された周壁部を備え、該周壁部における吹出口側部位に、前記拡散体によって径方向外側に向けて拡散された空気を反射させる空気の流通不能な封止部が環状に設けられていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記拡散体は、前記吹出口に対向する部位が前記吹出口に向かうに従い先細状とされていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記吹出口の開口周縁部には、吹出方向下流側に向かうに従い拡開状の傾斜面が設けられていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【請求項4】
空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、前記輸送空気の通過方向逆側から前記フィルターに向けて空気を吹き出す吹出口と、該吹出口の吹出方向下流側に設けられ該吹出口から吹き出される空気を径方向外側に向けて拡散させる拡散体と、を備えており、
前記フィルターは、前記吹出口の吹出方向に見て、前記拡散体の径方向外側を囲むように形成された周壁部を備え、該周壁部における吹出口側部位に、前記拡散体によって径方向外側に向けて拡散された空気を反射させる空気の流通不能な封止部が環状に設けられていることを特徴とする粉粒体材料の捕集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気輸送される粉粒体材料を捕集する粉粒体材料の捕集装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気輸送される粉粒体材料を捕集器本体内のフィルターによって輸送空気から分離し、捕集する捕集器が知られている。このような捕集器においては、フィルターが目詰まりすれば、輸送効率が低下するため、フィルターを定期的に清掃する必要があった。
例えば、下記特許文献1には、フィルタの開口部と対向する位置に設けたインジェクタチューブのノズル穴から噴出される圧力気体を、ベンチュリ管を介してフィルタ内に導入することによってフィルタに付着したダストを払い落とす構成としたバグ式集塵機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-75902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたバグ式集塵機では、ベンチュリ管の導出側端部からベンチュリ管の長手方向に沿って圧力気体がフィルタに向けて導出される。そのため、フィルタの局所的な部位(底部)が優先的に除塵され、他の部位が除塵され難くなることが考えられ、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、フィルターのメンテナンス性を向上し得る粉粒体材料の捕集装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、前記輸送空気の通過方向逆側から前記フィルターに向けて空気を吹き出す吹出口と、該吹出口の吹出方向下流側に設けられ該吹出口から吹き出される空気を径方向外側に向けて拡散させる拡散体と、を備えており、前記拡散体の外径は、前記吹出口の内径よりも小とされており、前記フィルターは、前記吹出口の吹出方向に見て、前記拡散体の径方向外側を囲むように形成された周壁部を備え、該周壁部における吹出口側部位に、前記拡散体によって径方向外側に向けて拡散された空気を反射させる空気の流通不能な封止部が環状に設けられていることを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルターと、前記輸送空気の通過方向逆側から前記フィルターに向けて空気を吹き出す吹出口と、該吹出口の吹出方向下流側に設けられ該吹出口から吹き出される空気を径方向外側に向けて拡散させる拡散体と、を備えており、前記フィルターは、前記吹出口の吹出方向に見て、前記拡散体の径方向外側を囲むように形成された周壁部を備え、該周壁部における吹出口側部位に、前記拡散体によって径方向外側に向けて拡散された空気を反射させる空気の流通不能な封止部が環状に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る粉粒体材料の捕集装置は、上述のような構成としたことで、フィルターのメンテナンス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
図2図3(a)におけるY1-Y1線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
図3】(a)は、図2におけるX1-X1線矢視に対応させた一部破断概略平面図、(b)は、図2におけるX2-X2線矢視に対応させた一部破断概略底面図、(c)は、図3(a)におけるY2-Y2線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
図4】(a)、(b)は、本発明の他の実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例をそれぞれ模式的に示し、図2に対応させた一部を省略した一部破断概略縦断面図である。
図5】(a)、(b)は、本発明の更に他の実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例をそれぞれ模式的に示し、図2に対応させた一部を省略した一部破断概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、以下の各実施形態では、各実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1図3は、第1実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置の一例を模式的に示す図である。
【0010】
本実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1は、図1に示すように、空気輸送される粉粒体材料を捕集する捕集器本体10と、この捕集器本体10内に設けられ、輸送空気から粉粒体材料を分離させるフィルター30と、を備えている。
ここに、上記粉粒体材料は、粉体・粒体状の材料を指すが、微小薄片状や短繊維片状、スライバー状の材料等を含む。
また、上記材料としては、樹脂ペレットや樹脂繊維片等の合成樹脂材料、金属材料、半導体材料、木質材料、薬品材料、食品材料等どのようなものでもよい。
また、粉粒体材料としては、例えば、合成樹脂成形品を成形する場合には、ナチュラル材(バージン材)や粉砕材、マスターバッチ材、各種添加材等が挙げられる。また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだ構成としてもよい。
【0011】
本実施形態では、捕集装置1は、吸引源2及び粉粒体材料の輸送元(材料元)4に接続され、吸引によって空気輸送される輸送元4からの粉粒体材料を輸送空気から分離させて捕集する構成とされている。
吸引源2としては、空気吸引管3を介して接続される吸引ブロワー等の空気吸引源であってもよい。このような吸引源2としては、当該捕集装置1専用のものに限られず、例えば、当該捕集装置1への輸送と他の装置への輸送とが切替弁等によって切り替えられる態様とされたものとしてもよい。また、このような吸引源2の上流側には、バグフィルターやサイクロンフィルター等の適宜のフィルターを備えた集塵装置が設けられている。
【0012】
輸送元4としては、材料輸送管5を介して接続される材料タンクや、乾燥ホッパー、粉粒体材料を計量する計量ホッパー、複数種の粉粒体材料を所定割合で配合する配合ホッパー等であってもよい。また、これら各種ホッパーの下流側に設けられる一時貯留部を輸送元4としてもよい。また、当該捕集装置1に接続される材料輸送管5を、単一の輸送元4に接続して一種の粉粒体材料を当該捕集装置1において捕集する態様に限られない。例えば、相異なる粉粒体材料をそれぞれに貯留する複数の輸送元4に当該捕集装置1に接続される材料輸送管5を接続し、これら複数の輸送元4からの複数種の粉粒体材料を当該捕集装置1において捕集する態様としてもよい。
【0013】
また、当該捕集装置1の供給先としては、当該捕集装置1において捕集した粉粒体材料を一時的に貯留する貯留タンクや貯留ホッパー等の貯留部を供給先としてもよく、また、粉粒体材料を乾燥する乾燥ホッパーを供給先としてもよい。また、例えば、射出成形機等の成形機を当該捕集装置1の供給先としてもよい。この場合は、当該捕集装置1を、成形機上に直接的に設置する態様としてもよい。なお、供給先としての成形機は、合成樹脂成形品を成形する射出成形機に限られず、他の材料用の射出成形機としてもよく、または種々の材料用の押出成形機や圧縮成形機等の他の成形機を供給先とする態様としてもよい。また、当該捕集装置1において捕集された粉粒体材料の供給先としては、単一の供給先に限られず、複数の供給先としてもよい。
【0014】
捕集器本体10は、上側部位が略筒形状とされ、下側部位が略逆錐形状とされたホッパー部11と、このホッパー部11の上端開口を開閉自在に覆う蓋体20と、を備えている。この捕集器本体10は、略角筒状とされたものでもよいが、本実施形態では、略円筒状とされたものとしている。なお、捕集器本体10としては、ホッパー状とされたものに限られず、タンク状やドラム状とされたものでもよい。また、図例では、ホッパー部11の周壁部に、捕集器本体10内を視認可能な窓部12を設けた例を示している。
また、ホッパー部11の下端部には、排出部を構成する排出管13と、この排出管13の下端の排出口14を開閉する弁体17と、が設けられている。本実施形態では、この排出管13に、上記した材料輸送管5が接続される材料導入管15を接続した構成としている。材料導入管15は、排出管13の側周部に接続されており、排出管13の内周側において導入口16を開口させた構成とされている。図例では、材料導入管15の排出管13側部位を、排出管13に向けて下り勾配状に設けた例を示しているが、このような態様に代えて、略水平状や上り勾配状に設けた態様等としてもよい。また、材料導入管15を排出管13に接続した態様に代えて、ホッパー部11の略逆錐形状とされた部位や略筒形状とされた部位等に接続した態様としてもよく、また、材料導入管15をホッパー部11内に導入させて導入口16をホッパー部11の下端側部位等において開口させた構成等としてもよい。
【0015】
また、排出管13の下端面を、軸方向に対して傾斜する傾斜面としている。
この排出管13の下端の排出口14を開閉する弁体17は、揺動自在に支持されている。この弁体17は、本実施形態では、吸引源2による吸引力の作用によって排出口14を閉鎖する一方、落下(流下)する粉粒体材料の荷重によって開放される構成とされている。また、図例では、吸引源2による吸引力及び粉粒体材料の荷重が弁体17に作用していない待機位置において、排出管13の傾斜面とされた下端面との間に隙間が形成される構成としている。また、図例では、弁体17の傾斜方向に直交する方向の両側縁部に設けられた支持片部に、捕集器本体10側に設けられた支軸18を受け入れる長孔17aを設けて弁体17を揺動自在に支持させた例を示している。なお、弁体17を揺動自在に支持させる構造としては、図例のような構造とされたものに限られず、一端部が弁体17に接続され、他端部が捕集器本体10に対して回転自在に保持されたアーム状とされたものや、紐状(ワイヤー状)、チェーン状とされたものや、リンク状とされたものでもよい。
【0016】
また、本実施形態では、弁体17の被検出部を検出する非接触式検出器19を設けた構成としている。図例では、弁体17の上端部に設けられた被検出部を検出するように非接触式検出器19を設けた例を示している。また、排出管13及び弁体17の周囲を囲むように形成されたカバー部の外側に、このカバー部の開口を介して弁体17の被検出部を検出可能なように非接触式検出器19を設けた例を示している。
この非接触式検出器19は、検出面に対して接離(接近・離反)する被検出部が所定の検出領域内に存在すれば、被検出部を検出(ON)する一方、被検出部が同検出領域外であれば、非検出(OFF)状態となる構成とされている。なお、この非接触式検出器19は、待機位置の弁体17の被検出部を検出する構成とされたものでもよい。また、このような非接触式検出器19を設けていない構成としてもよい。
【0017】
また、排出口14を開閉する弁体17としては、上記のように吸引源2による吸引力によって閉鎖され、粉粒体材料の荷重によって開放される構成とされたものに限られない。閉鎖側及び開放側への移動の両方または一方が適宜の弁体駆動部によってなされるものでもよい。また、排出管13の下端面を、軸方向に対して傾斜する傾斜面とした態様に代えて、略直交する面としてもよい。この場合は、弁体17や弁体17を支持する構造を適宜、変形するようにしてもよい。また、弁体17としては、排出管13に対して揺動(回動)して開閉する態様とされたものに限られず、排出管13の下端面に対して略直交方向や排出管13の軸方向に対して略直交方向にスライドされて開閉する態様とされたものでもよく、その他、種々の態様とされたものの採用が可能である。
【0018】
蓋体20は、図1及び図2に示すように、ホッパー部11側に向けて開口し、上端が底部とされた有底筒状とされている。この蓋体20は、ホッパー部11の略筒形状とされた部位と概ね同径状とされた筒状部21と、上記した空気吸引管3が接続される吸引接続管22と、上端側の底部を区画する天板部23と、を備えている。図例では、蓋体20の筒状部21を、上端側に向かうに従い僅かに縮径状とした例を示している。
また、本実施形態では、この蓋体20の側周部を構成する筒状部21に、吸引接続管22を接続した構成としている。この吸引接続管22は、蓋体20の内周側において吸引口22aを開口させた構成とされている。この吸引接続管22は、筒状部21に対して略直交状に接続されたものに限られず、筒状部21の内周面に対して概ね接線方向に吸引口22aが開口するように接続されたものでもよい。また、図例では、略水平状に吸引接続管22を設けた例を示しているが、上り勾配状または下り勾配状に設けた態様等としてもよい。また、吸引接続管22を、筒状部21に接続した態様に代えて、天板部23に接続した態様としてもよい。
【0019】
また、筒状部21の下端の開口側周縁部には、ホッパー部11の上端部に載置されるフランジ状部が径方向外側に向けて突出するように全周に亘って設けられている。図例では、筒状部21の下端部のフランジ状部を、図示省略のホッパー部11側に設けられたファスナー金具が引っ掛けられる係合凹部を構成する上方開口の環状溝が形成されるように屈曲状に形成した例を示している。なお、ホッパー部11の上端開口に対して蓋体20を開閉自在とする態様としては、図例のように着脱自在とした態様に限られず、蝶番等の回転連結部材によって開閉自在に連結した態様等としてもよく、その他、種々の変形が可能である。
【0020】
フィルター30は、捕集器本体10内において、導入口16と吸引口22aとの間に位置するように配される構成とされている。
このフィルター30は、輸送空気の通過方向(上下方向)に見て、つまり平面視して、捕集器本体10の内周形状に応じた形状とされている。つまり、本実施形態では、フィルター30は、平面視して、略円形状とされている。
このフィルター30には、捕集器本体10の保持部に保持される被保持部31が設けられている。図例では、被保持部31を、フィルター30の外周縁部に全周に亘って設けられ、輸送空気の通過方向(上下方向)に厚さ方向を沿わせて配される略円環板状とした例を示している。捕集器本体10の保持部は、ホッパー部11の上端部に取り付けられ、ホッパー部11と蓋体20との間をシールするパッキンに設けられた受入溝とされている。この受入溝に載置された被保持部31を、パッキンと蓋体20のフランジ状部との間で挟むように保持する構成とされている。
【0021】
また、フィルター30は、本実施形態では、この被保持部31の内周側から上下方向一方側となる第1方向に向けて延びるように設けられた第1筒状部32と、この第1筒状部32の延出方向先端部の内周側から第1方向とは逆側に向けて延びるように設けられ、周壁部を構成する第2筒状部34と、を備えている。つまり、フィルター30は、被保持部31の内周側から上下方向一方側に向けて延びる第1筒状部32と、この第1筒状部32の先端部の内周側から上下方向他方側に向けて延びる第2筒状部34と、を備えている。これら第1筒状部32及び第2筒状部34は、延出方向先端側に向かうに従い縮径状とされている。つまり、これら第1筒状部32及び第2筒状部34は、略円錐台状の筒状部とされている。また、これら第1筒状部32及び第2筒状部34は、被保持部31と略同心円状に設けられている。これら第1筒状部32及び第2筒状部34の傾斜角度は、ろ過面積を大きくする観点や粉粒体材料の接触効率を向上させる観点、清掃性の観点等から適宜の角度としてもよい。
【0022】
また、第1筒状部32の先端部と第2筒状部34の基端部とは、輸送空気の通過方向(上下方向)に厚さ方向を沿わせて配される円環板状部33を介して連結されている。この円環板状部33及び上記した被保持部31は、空気の流通不能な封止部であってもよい。
また、第2筒状部34の先端部には、輸送空気の通過方向(上下方向)に厚さ方向を沿わせて配される円板状部36が設けられている。図例では、この円板状部36から被保持部31までの上下方向に沿う寸法と円環板状部33から被保持部31までの上下方向に沿う寸法とを概ね同寸法とした例を示しているが、このような態様に限られない。
【0023】
また、この円板状部36、上記した第1筒状部32及び第2筒状部34(またはこれらに加えて、円環板状部33及び被保持部31の両方若しくは一方)は、フィルター部を構成し、輸送空気に加えて粉塵を通過させる一方、原料となる粉粒体材料の通過を阻止する構成とされている。このフィルター部は、多数の貫通孔(通気孔)が設けられたパンチングメタル状(多孔板状)とされたものや、メッシュ状(網状)とされたものでもよく、空気の流通が可能な多孔質状とされたものであれば、どのようなものでもよい。また、このフィルター部の貫通孔の孔径や、フィルター部の開口率(フィルター部と同寸同形状で貫通孔が設けられていないものに対するフィルター部の貫通孔の占める面積割合)は、捕集する粉粒体材料や用途等によって適宜のものとすればよく、例えば、10%~50%程度の開口率とされたものでもよく、15%~40%程度の開口率とされたものでもよい。
【0024】
なお、このフィルター30は、被保持部31が捕集器本体10の保持部に対して上下反転可能に保持されるものでもよい。図例では、円板状部36を円環板状部33よりも下方側に位置させるように、フィルター30を配置した例を示している。また、被保持部31よりも上方側部位となる第1筒状部32、円環板状部33及び第2筒状部34の上方側略半部を、蓋体20内に位置させるように配置し、被保持部31よりも下方側部位となる第2筒状部34の下方側略半部を、ホッパー部11内に位置させるように配置した例を示している。この状態では、第2筒状部34は、蓋体20の天板部23に向かうに従い拡開する略円錐台状とされている。また、円環板状部33と蓋体20の天板部23との間に、適宜の隙間を設けた構成としている。また、図例とは上下反転させた場合、つまり、円板状部36を円環板状部33よりも上方側に位置させるように配置した場合には、円板状部36と蓋体20の天板部23との間に適宜の隙間が形成される。
【0025】
また、捕集装置1は、図2に示すように、輸送空気の通過方向逆側からフィルター30に向けて空気を吹き出す吹出口27と、この吹出口27の吹出方向下流側に設けられ吹出口27から吹き出される空気を径方向外側に向けて拡散させる拡散体29と、を備えている。このような構成とすれば、吹出口27から空気を吹き出させることで、フィルター30に付着や目詰まりした微粉や粉体等をフィルター30から除去(除塵)することができる。また、吹出口27から吹き出される空気が拡散体29によって径方向外側に向けて拡散されるので、フィルター30の広範囲に亘って空気を吹き付けることができ、除塵面積を効果的に大きくすることができる。これにより、フィルター30を定期的に取り外して清掃する必要性を低減させることができ、フィルター30のメンテナンス性を向上させることができる。つまりは、吹出口27から空気を吹き出させることで、フィルター30の機能を回復させることができる。
【0026】
また、本実施形態では、フィルター30に、吹出口27の吹出方向(上下方向)に見て、拡散体29の径方向外側を囲むように形成された周壁部を構成する第2筒状部34を設けた構成としている。このような構成とすれば、拡散体29によって径方向外側に向けて拡散された空気を第2筒状部34に対して効果的に吹き付けることができ、また、吹き付けられた空気が第2筒状部34において反射されてフィルター30の他の部位に吹き付けられ易くなり、フィルター30の除塵面積をより効果的に大きくすることができる。また、周壁部を構成する第2筒状部34を、上記のような開口率とされた多孔板状のフィルター部とすれば、ろ布等としたものと比べて、吹き付けられた空気を効果的に他の部位に向けて反射させることができ、フィルター30をより効果的に除塵することができる。
【0027】
また、本実施形態では、第2筒状部34における吹出口27側部位に、拡散体29によって径方向外側に向けて拡散された空気を反射させる空気の流通不能な封止部35を環状に設けた構成としている。このような構成とすれば、拡散体29によって径方向外側に向けて拡散された空気を封止部35によって反射させてフィルター30の他の部位に吹き付け易くすることができ、フィルター30の除塵面積をより効果的に大きくすることができる。つまり、第2筒状部34の上端側となる封止部35に吹き付けられて下方側に向けて反射された空気は、第2筒状部34の下方側部位に吹き付けられて一部が貫通孔を通過したり、目詰まりを除去して貫通孔を通過したり、反射したりする。つまり、吹出口27から吹き出された空気は、第2筒状部34の上端側部位から反射を繰り返しながら下方側に向かうとともに、目詰まりを除去して貫通孔を通過する。これにより、フィルター30をより効果的に除塵することができる。
【0028】
この封止部35は、第2筒状部34の軸方向途中部位となる吹出口27側部位に全周に亘って環状に設けられている。また、この封止部35は、吹出口27から吹き出されて拡散体29によって径方向外側に向けて拡散される空気が直接的に吹き付けられる位置となるように設けられている。この封止部35は、吹出口27から吹き出されて拡散体29によって径方向外側に向けて拡散される空気の概ね全量が直接的に吹き付けられて他の方向に反射可能なように設けられていてもよい。また、この封止部35の第2筒状部34軸方向に沿う寸法は、第2筒状部34における輸送空気の流通性等の観点から適宜の寸法としてもよく、第2筒状部34の軸方向に沿う寸法の1/2~1/10程度としてもよく、図例では、1/5程度とした例を示している。また、図例では、この封止部35を、フィルター30の第2筒状部34に対して別体的に設けられた薄板状とされたものとし、第2筒状部34の内周面に沿わせて固定されたものとした例を示している。なお、このような態様に代えて、封止部35は、第2筒状部34の外周面に沿わせて固定されたものや、第2筒状部34の貫通孔を適宜の充填物によって塞ぐことで構成されたものでもよく、更には、第2筒状部34に環状に設けられた非パンチング部によって構成されたものでもよい。
【0029】
吹出口27及び拡散体29は、吹出口27の吹出方向に見て、フィルター30の略中心に位置するように設けられている。また、吹出口27を、下方側から上方側に向かうフィルター30の輸送空気の通過方向とは逆側となる、上方側から下方側に向けて空気を吹き出すように、フィルター30の上方側に設けた構成としている。
本実施形態では、図2に示すように、吹出口27及び拡散体29を、蓋体20の天板部23に厚さ方向(上下方向)に貫通して設けられた取付孔23aに取り付けられた吹出ユニット24に設けた構成としている。
吹出ユニット24は、下流側端に吹出口27が設けられ、上流側端に空気供給管8が接続される吹出管25と、この吹出管25の軸方向途中部位に設けられ、蓋体20の天板部23に取り付けられる被取付部26と、を備えている。
【0030】
吹出管25は、下流側端の吹出口27を、下端において下方側に向けて開口させた構成とされている。この吹出管25は、本実施形態では、略円筒状とされており、上下方向に見て、吹出口27がフィルター30と略同心状となるように設けられている。この吹出管25の上流側端は、図例では、上方側に向けて開口されている。この上流側端に接続される空気供給管8には、図1に示すように、空気源7に接続され下流側に向けて空気を供給する空気供給部6が設けられている。本実施形態では、この空気源7を、高圧の空気を吐出するコンプレッサ(圧縮機)としている。空気供給部6には、この空気源7から下流側に向けてフィルター付きレギュレータ6aや、アキュムレータ6b、空気供給管8の下流側に向けて空気を供給または遮断する供給弁6c等が設けられている。
【0031】
当該捕集装置1は、空気供給管8を経て吹出管25を通過する空気の流速が音速以上となるように構成されていてもよい。このような構成とすれば、吹出口27から高圧の空気が瞬時に吹き出されて衝撃波を生じさせることができ、フィルター30の輸送空気の通過方向下流側の空間が瞬時に高圧となり、フィルター30の概ね全面の孔から空気を輸送空気の通過方向逆側に向けて通過させることができ、微粉や粉体等をフィルター30からより効果的に除去することができる。また、上記のような封止部35を設けた構成とすれば、拡散体29によって径方向外側に向けて拡散された空気が叩き付けられるように封止部35に吹き付けられてフィルター30を振動させることができ、微粉や粉体等をフィルター30からより効果的に除去することができる。
【0032】
なお、空気供給部6を構成する各機器は、捕集器本体10の側方に適宜のブラケット等を介して固定されたものでもよい。また、空気源7としては、当該捕集装置1専用のものに限られず、工場設備として設けられたものであってもよい。また、空気供給部6としては、高圧の大気を供給するものに限られず、窒素ガス等の不活性ガスを供給するものでもよい。また、供給弁6cは、CPU等の制御回路や各種メモリ等を含む記憶部を有した制御部9によって開閉制御される電磁弁とされている。この制御部9は、当該捕集装置1専用のものに限られず、粉粒体材料を輸送する輸送システムや、当該捕集装置1の供給先側の装置が備えたものであってもよい。
【0033】
また、本実施形態では、図2及び図3(c)に示すように、吹出口27の開口周縁部に、吹出方向下流側に向かうに従い拡開状の傾斜面27aを設けた構成としている。このような構成とすれば、吹出口27から吹き出される空気を傾斜面27aに沿わせて広範囲に吹き出させることができ、フィルター30の除塵面積をより効果的に大きくすることができる。この吹出口27の径は、後記する拡散体29の外径や、効果的に拡散させる観点等から適宜の径としてもよく、例えば、10mm~30mm程度としてもよい。また、傾斜面27aの傾斜角度は、傾斜面27aに沿う仮想線とフィルター30の第2筒状部34の内周面(仮想線との交点の上側の内周面)とのなす角が鋭角となるように適宜の角度とされていてもよい。このような構成とすれば、第2筒状部34の内周面に吹き付けられた空気を下方側に向けて効果的に反射させることができる。また、この傾斜面27aに沿って径方向外側に向けて拡散された空気が第2筒状部34の上端部に吹き付けられる構成としている。
【0034】
被取付部26は、図3(a)、(c)に示すように、吹出管25の軸方向途中の側周部から径方向外側に向けて突出する鍔状とされている。この被取付部26には、蓋体20の天板部23に固定されるねじ等の固着具の挿通孔が設けられている。
この被取付部26は、本実施形態では、被取付部26よりも下方側の吹出管25が捕集器本体10の内天面を構成する天板部23の下面から大きく突出しないように吹出管25の途中部位に設けられている。図例では、吹出管25の下端部が天板部23の下面から僅かに突出するように被取付部26を設けた例を示しているが、このような態様に限られない。また、この被取付部26に対して吹出管25を上下動可能に設けた構成としてもよい。このような構成とすれば、吹出口27及び拡散体29の高さ位置を調整することができる。また、図例では、この被取付部26と天板部23との間に円環状のシール部材を設けた例を示している。なお、吹出ユニット24を蓋体20に取り付けるための被取付部26としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものであってもよい。
【0035】
拡散体29は、吹出口27から下方側に離間して設けられている。本実施形態では、この拡散体29を、吹出口27とフィルター30との間に位置するように設けた構成としている。図例では、この拡散体29を、吹出口27よりも僅かにフィルター30寄りに設けた例を示している。なお、後記する各実施形態のように、これら吹出口27及び拡散体29または拡散体29を、周壁部を構成する第2筒状部34によって囲まれた空間内に配した構成としてもよい。
また、この拡散体29は、本実施形態では、吹出口27に対向する部位が吹出口27に向かうに従い先細状とされている。このような構成とすれば、例えば、拡散体29の吹出口27対向面が平坦面状とされたものと比べて、吹出口27から吹き出される空気を円滑に径方向外側に向けてガイドすることができ、圧力損失を軽減することができる。本実施形態では、この拡散体29は、吹出口27の吹出方向に見て、吹出口27と略同心状の略円形状とされている。また、この拡散体29の吹出口27に対向する部位としての上側部位を、扁平な略円錐状としている。つまり、上側部位の外周面は、中心部(軸心部)から径方向外側に向かうに従い下るように傾斜する傾斜面29aとされている。この傾斜面29aの傾斜角度は、吹出口27の傾斜面27aと同様、傾斜面29aに沿う仮想線とフィルター30の第2筒状部34の内周面(仮想線との交点の上側の内周面)とのなす角が鋭角となるように適宜の角度とされていてもよい。
【0036】
また、拡散体29の下側部位は、略円錐状とされた上側部位の下方側に連なるように設けられ略円板状とされている。この拡散体29の外径、つまり、下側部位の外径は、図3(a)、(b)に示すように、吹出口27の内径よりも小とされている。この拡散体29は、吹出口27の吹出方向に見た状態で、この拡散体29の下側部位の外周面29bと吹出管25の内周面との間に周方向の略全周に亘って一様な隙間が形成されるように設けられている。この拡散体29の外径は、吹出口27から吹き出された空気が広範囲に亘ってフィルター30に吹き付けられるように、吹出口27の径(吹出管25の内径)や、吹出口27からの離間寸法、フィルター30との位置関係等に応じて適宜の径としてもよい。この拡散体29の外径は、例えば、上記のように吹出口27の吹出方向に見た状態で形成される吹出管25の内周面との隙間が、1mm~5mm程度となるように適宜の径としてもよく、また、吹出口27の径の1/2~9/10程度としてもよい。なお、拡散体29の下側部位に略円板状の部位を設けた態様に代えて、上下の全体に亘って略円錐状とされたものとしたり、略逆円錘状部や略逆円錘台状部等を設けたりした態様としてもよい。また、拡散体29の外径を、吹出口27の内径よりも小とした態様に代えて、吹出口27の内径と略同径状としたり、吹出口27の内径よりも大としたりしてもよい。
【0037】
この拡散体29は、保持部28によって適宜の位置に保持されている。本実施形態では、この保持部28を、吹出ユニット24に設けている。また、この保持部28を、吹出管25の下端に固定的に設けた構成としている。この保持部28は、図2及び図3に示すように、略水平方向に厚さ方向を沿わせた薄板状とされ、吹出管25の内周面に架け渡されるように設けられている。また、保持部28は、吹出管25及び拡散体29の軸心部(中心部)を通るように設けられている。この保持部28は、吹出口27に対して拡散体29が適宜の高さ位置となるように、吹出管25の下端から下方側に向けて突出するように設けられている。また、この保持部28の上端部の板厚方向両側面は、上端部が上端に向かうに従い先細状となるように傾斜面28a,28aとされている。このような構成とすれば、吹出管25内に設けられた保持部28による圧力損失を軽減することができる。なお、保持部28は、吹出口27に対して拡散体29を上下動可能に保持する構成とされたものでもよい。このような構成とすれば、吹出口27に対する拡散体29の高さ位置を調整することができる。また、保持部28を吹出管25に設けた態様に代えて、蓋体20に設けたり、更には、フィルター30に設けたりしてもよい。つまりは、蓋体20側に拡散体29を保持させた態様に代えて、フィルター30側に拡散体29を保持させた態様としてもよい。拡散体29を吹出口27の下流側において保持する態様としては、その他、種々の構成とされたものであってもよい。
【0038】
上記構成とされた捕集装置1においては、例えば、以下のようにして粉粒体材料の捕集及び排出がなされる。なお、以下のような基本動作は、吸引源2や非接触式検出器19、供給弁6c等に信号線等を介して接続された上記した制御部9によって各部が制御されて実行される。
吸引源2(図1参照)が停止され、捕集器本体10内に粉粒体材料が捕集されていない状態では、弁体17が待機位置とされ、非接触式検出器19から材料要求信号が出力される。このように材料要求状態と判断されれば、吸引源2を駆動して輸送モードを実行する。つまり、吸引源2が駆動されれば、捕集器本体10内が負圧となり、弁体17が吸引されて待機位置から閉鎖位置とされ、輸送元4から粉粒体材料が当該捕集装置1に向けて空気輸送される。
【0039】
上記のように空気輸送された粉粒体材料は、下端側の導入口16から捕集器本体10内に導入され、上方側に向かう気流によって捕集器本体10内において流動・拡散され、粉粒体材料に含まれる粉塵等がフィルター30を介して輸送空気とともに吸引接続管22を介して捕集器本体10外に排出される。また、複数種の粉粒体材料を当該捕集装置1において捕集する場合には、捕集器本体10内において流動・拡散され、混合がなされる。
そして、例えば、所定の輸送時間が経過すれば、吸引源2を停止させる。これにより、閉鎖位置とされた弁体17には、その自重に加え、落下する粉粒体材料の荷重が作用し、落下する粉粒体材料によって弁体17が押し退けられるようにして支軸18回りに回転して開放位置とされ、排出口14が開放される。これにより、当該捕集装置1において捕集した粉粒体材料が排出され、弁体17の被検出部が非接触式検出器19の検出領域外となり、材料有状態となる。なお、当該捕集装置1における材料有無の検出態様としては、上記のような構成とされたものに限られず、その他、種々の構成とされたものの採用が可能である。例えば、上記のような非接触式検出器19を設けた態様に代えて、捕集器本体10や排出管13の下方側等の適所に適宜のレベル計等を設けた構成としてもよい。
【0040】
また、本実施形態では、粉粒体材料を排出させる際に、供給弁6cを開放させて吹出口27から圧縮空気を吹き出させてフィルター30を除塵する除塵モードを実行する構成としている。
このような構成とすれば、輸送モードの実行により、フィルター30に微粉等が付着して目詰まりしているような場合にも、除塵モードの実行によってフィルター30に付着した微粉等を除去することができる。また、輸送モードがなされる毎に除塵モードを実行する構成とすれば、輸送不良が生じ難く、また、フィルター30を取り外してメンテナンスする必要性を軽減することができる。
なお、除塵モード実行時における供給弁6cを開放させる時間は、フィルター30の構成や、除塵モードを実行するタイミング等に応じて適宜の時間としてもよく、例えば、数秒程度でもよく、また、間欠的に開放させる構成としてもよい。例えば、除塵モードを実行する際には、供給弁6cを、0.1秒~1秒程度、開放させた後に、0.1秒~2秒程度、閉鎖させる開閉動作を複数回(例えば、2回~10回程度)、繰り返すような構成等としてもよい。また、輸送モードがなされる毎に除塵モードを実行する態様に限られず、輸送モードが複数回なされる毎に除塵モードを実行したり、目詰まり検知部による検知に基づいて制御部9において除塵モード実行時期と判断し、除塵モードを実行したりしてもよい。
【0041】
上記のような目詰まり検知部としては、輸送モードの実行により捕集器本体10において捕集される一バッチ輸送量が所定レベルに低下したことを検出するレベル計としてもよい。つまり、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりし、一バッチ輸送における粉粒体材料の輸送量が低下する。このような一バッチ輸送によって輸送された粉粒体材料の貯留レベルが予め定められた所定レベルに低下すれば、除塵モードを実行するようにしてもよい。また、目詰まり検知部としては、所定時間当たりにおける輸送回数を計数し、この輸送回数が所定以上となったこと検出する制御部9としてもよい。つまり、フィルター30が目詰まりすれば、上記のように一バッチ輸送における粉粒体材料の輸送量が低下し、所定時間当たりにおける輸送回数が増加する。このような輸送回数が予め定められた回数を超えれば、除塵モードを実行するようにしてもよい。また、目詰まり検知部としては、輸送元4から吸引源2までの管路5,3や捕集器本体10内の圧力を検出する圧力計としてもよい。つまり、上記と概ね同様、輸送が繰り返されれば、フィルター30が徐々に目詰まりするため、一バッチ輸送毎の系内の圧力が変動する。この圧力が予め定められた閾値を超えれば、除塵モードを実行するようにしてもよい。また、目詰まり検知部としては、フィルター30の上流側及び下流側の圧力をそれぞれに検出する圧力計であってもよい。この場合は、上流側の圧力計による検出値と下流側の圧力計による検出値との差が所定値以上となれば、除塵モードを実行するようにしてもよい。目詰まり検知部としては、上記のような構成とされたものに限られず、例えば、フィルター30を撮像する撮像部等とし、画像認識等によって目詰まりを検知する態様とされたものでもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。
【0042】
また、本実施形態では、吸引源2による吸引作用によって空気輸送された粉粒体材料を捕集する態様とした例を示しているが、このような態様に代えて、輸送元4側に高圧の輸送空気を導入する圧縮空気源を設け、圧送された粉粒体材料を捕集する態様としてもよい。この場合は、捕集器本体10のフィルター30の下流側に、排気管や、塵埃等を捕捉する集塵部等を設けた構成等としてもよい。また、この場合は、弁体17や弁体17を開閉する開閉機構等を適宜、必要に応じて変形するようにしてもよい。
【0043】
次に、本発明に係る粉粒体材料の捕集装置の他の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施形態では、先に説明した実施形態との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、先に説明した実施形態と同様の動作や作用効果等についても説明を省略または簡略に説明する。
【0044】
図4(a)は、第2実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Aの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Aは、吹出ユニット24A及びフィルター30Aの構成が上記第1実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、フィルター30Aを、輸送空気の通過方向上流側となる下方側に向かうに従い先細状の略円錐状としている。つまり、このフィルター30Aの周壁部34Aの下端部に上記のような円板状部36を設けていない構成としている。なお、この周壁部34Aの下端部に、上記のような円板状部36や円板状部36よりも小径状の円板状部を設けた構成等としてもよい。また、図例では、この周壁部34Aに上記のような封止部35を設けていない構成とした例を示しているが、封止部35を設けた構成としてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、吹出口27及び拡散体29Aをフィルター30Aの周壁部34Aによって囲まれた空間内に配した例を示している。また、吹出管25Aの天板部23からの下方側への突出寸法を上記第1実施形態よりも大とした例を示している。なお、このような態様に代えて、吹出口27及び拡散体29Aまたは吹出口27を、周壁部34A(フィルター30A)よりも上方側に位置するように配した構成等としてもよい。
また、本実施形態では、拡散体29Aを、上下方向に厚さ方向を沿わせて配される薄板状とした例を示している。この拡散体29Aは、吹出口27の吹出方向に見て、吹出口27と略同心状の略円板状とされたものでもよい。
【0046】
図4(b)は、第3実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Bの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Bは、吹出ユニット24B及びフィルター30Bの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、フィルター30Bを、上方側に開口するボウル状としている。また、フィルター30Bの下端部36Bに向かうに従い周壁部34Bの水平面に対する傾斜角度が小さくなるように、周壁部34Bを湾曲状とした例を示している。
また、本実施形態では、上記第2実施形態と同様、吹出管25Bを、天板部23から下方側に向けて突出させ、吹出口27及び拡散体29Bをフィルター30Bの周壁部34Bによって囲まれた空間内に配した例を示しているが、吹出口27及び拡散体29Bまたは吹出口27を、周壁部34B(フィルター30B)よりも上方側に配してもよい。
また、本実施形態では、拡散体29Bを、上下方向に軸方向を沿わせて配される略柱状とした例を示している。この拡散体29Bは、吹出口27の吹出方向に見て、吹出口27と略同心状の略円柱状とされたものでもよい。
【0047】
図5(a)は、第4実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Cの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Cは、吹出ユニット24C及びフィルター30Cの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、フィルター30Cを、上方側に開口する略有底筒状としている。また、フィルター30Cの周壁部34Cを傾斜状とせずに、筒状(円筒状)とし、その下端部に、円板状部36Cを設けた構成としている。
また、本実施形態では、上記第2実施形態及び第3実施形態と同様、吹出管25Cを、天板部23から下方側に向けて突出させ、吹出口27及び拡散体29Cをフィルター30Cの周壁部34Cによって囲まれた空間内に配した例を示しているが、吹出口27及び拡散体29Cまたは吹出口27を、周壁部34C(フィルター30C)よりも上方側に配してもよい。
また、本実施形態では、拡散体29Cを、吹出口27に対向する部位が吹出口27に向かうに従い先細状となるように、略半球状とした例を示している。つまり、本実施形態では、吹出口27に対向する側の外周面29Caが略半球面状とされている。なお、拡散体29Cを、略半球状とした態様に代えて、略半楕円体状等としてもよい。
【0048】
図5(b)は、第5実施形態に係る粉粒体材料の捕集装置1Dの一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る捕集装置1Dは、吹出ユニット24D及びフィルター30Dの構成が上記各実施形態とは主に異なる。
本実施形態では、フィルター30Dを、大半に亘って略平板状とされたものとしている。このフィルター30Dは、上下方向に厚さ方向を沿わせて配される、略全体に亘って平板状とされたものでもよい。つまり、本実施形態では、拡散体29Dの外周側を囲むような周壁部をフィルター30Dに設けていない構成としている。
【0049】
また、本実施形態では、吹出管25Dの天板部23からの下方側への突出寸法を上記第2実施形態~第4実施形態よりも小とした例を示している。
また、本実施形態では、拡散体29Dを、上下に長尺状の楕円体(卵型)状としている。つまり、本実施形態では、上側部位29Da及び下側部位29Dbを、それぞれ上下方向外側に向かうに従い先細状としている。また、拡散体29Dの上側部位29Daよりも下側部位29Dbを扁平状としている。換言すれば、上側部位29Daは、下側部位29Dbよりも上下に長尺で先細状とされている。なお、このような態様に代えて、拡散体29Dを、略球状とされたものとしてもよい。
【0050】
なお、上記各実施形態において説明した互いに異なる構成を、適宜、必要に応じて変形し、組み替えて適用したり、組み合わせて適用したりするようにしてもよい。
また、上記各実施形態では、捕集器本体10やフィルター30,30A~30D、吹出口27、拡散体29,29A~29Dを、上下方向に見て略円形状とした例を示しているが、略多角形状等としてもよく、その他、種々の形状とされたものとしてもよい。
また、上記各実施形態に係る捕集装置1,1A~1Dが備える各部材の具体的構成としては、上記した構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1,1A~1D 粉粒体材料の捕集装置
10 捕集器本体
27 吹出口
27a 傾斜面
29,29A~29D 拡散体
29Da 上側部位(吹出口に対向する部位)
30,30A~30D フィルター
34 第2筒状部(周壁部)
34A~34C 周壁部
35 封止部
図1
図2
図3
図4
図5