(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】対象物支持装置
(51)【国際特許分類】
F16F 15/04 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
F16F15/04 F
(21)【出願番号】P 2022087324
(22)【出願日】2022-05-30
(62)【分割の表示】P 2018156046の分割
【原出願日】2018-08-23
【審査請求日】2022-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】391039494
【氏名又は名称】株式会社エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108497
【氏名又は名称】小塚 敏紀
(72)【発明者】
【氏名】早川 政光
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-157288(JP,A)
【文献】実開平03-090753(JP,U)
【文献】特開2015-190502(JP,A)
【文献】実開昭59-077640(JP,U)
【文献】特開2013-057392(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104358822(CN,A)
【文献】特開平06-129486(JP,A)
【文献】特開2001-279950(JP,A)
【文献】特開平06-193676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0334809(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/00- 15/36
F16F 1/00- 6/00
E04H 9/00- 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を支持する対象物支持装置であって、
対象物を乗せられるテーブルと、
基礎に支持される基台と、
基台を基礎として前記テーブルを支持するN個のテーブル支持機構と、
を備え、
前記テーブル支持機構が、
前記テーブルまたは前記基台の他方に対して特定の水平方向に延びる水平軸である特定水平軸に沿って離れて配される左右一対の案内ブロックと左右一対の該案内ブロックを該特定水平軸に沿って延びる左右一対の軌道に沿って各々に移動自在に案内する左右一対の案内レールとを持つ水平移動案内機構と、
前記基台を基礎として前記テーブルに上向きのばね力を発生させる上下方向ばね部材と、
上方の端部または下方の端部のうちの一方の端部を前記テーブルまたは前記基台の一方に回転中心である一方回転中心の回りに回転自在に固定され上方の端部または下方の端部のうちの他方の端部を前記案内ブロックに回転中心である他方回転中心の回りに回転自在に固定される左右一対のリンクを持つリンク機構と、
左右一対のリンクに前記特定水平軸に沿って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させる水平方向ばね部材と、
を有し、
上から見てN個のテーブル支持機構が前記テーブルを囲う様に配されて前記テーブルを各々に支持し、
前記上下方向ばね部材が上部を基台に連結され下部をテーブルに連結される引張ばねであり、
前記テーブル支持機構が前記基台を基礎として前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する上下移動案内機構とを有し、
前記上下移動案内機構が、上から見て前記テーブルの外周に設けられ上から見て外周に沿って凸凹する部分が上から見て前記基台の前記テーブルの外周を囲う位置に配される箇所に設けられ上から見て内周に沿って凸凹する部分に嵌合し、前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する機構である、
ことを特徴とする対象物支持装置。
【請求項2】
前記案内レールが前記基台の上から見て基台を囲う側面を形成する板材に設けられ軌道に沿って形成され軌道に沿った両端に一対のストロークエンドを持つスリットをもち、
前記案内ブロックが前記案内レールの前記スリットに軌道に沿って移動自在に案内される、
ことを特徴とする請求項1に記載の対象物支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を支持する対象物支持装置に係る。特に、上下方向の振動に対する免
震機能に注目した対象物支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水平方向の対象物支持装置(例えば、免震テーブル)として、従来より、いくつかの構
成のものが考案されている。水平方向の免震テーブルは比較的容易に実現できる。免震テ
ーブルに支えられる対象物の重量が、X-Yテーブルやベアリング等により支えられてい
るため水平方向のばね定数を比較的小さく設定して地震時に水平加速度振動に応答できる
。例えば、ベアリング等の機構で垂直方向の荷重を支え、水平方向の振動に対する抵抗力
を抑制し、免震作用を効果的に発揮できる。
【0003】
一方、上下方向の振動に対する対象物支持装置は、簡易な構成、かつ、低コストで実現
できるものが要請されている。
【0004】
地震の波には様々な周期を持った波が重なっており、その中でも周期が0.5~1.0
秒程度の波の成分が卓越している。対象物支持装置の上下方向の固有周期を1秒より大き
くすることで、対象物支持装置の地震波に対する共振を避けて、免震効果を大きくするこ
とができる。対象物支持装置の上下方向の固有周期を1秒、2秒、3秒、5秒と大きくす
るほど免震効果が大きくなる。少なくとも2秒程度にすることが好ましい。
【0005】
対象物支持装置の上下方向の固有周期を2秒程度にするためには、上下方向のばねを柔
らかくすることが必要である。ここで、対象物支持装置の上下方向の固有周期を2秒程度
にするためには、ばね定数が一定である場合、対象物の質量に関わらず、約1mの静的た
わみが必要となることが分かっている。これは、無負荷の状態の免震装置に対象物を静か
に乗せると約1m程度沈んでつりあい、この静的つりあい位置を中心に上下振動して免震
効果を発揮する。対象物支持装置は、高さが1m~数十cm程度になる。免震装置の上下
方向の固有周期を3秒、5秒にすると、さらに静的たわみが大きくなる。
【0006】
特に、上下方向の振動に対する対象物支持装置は、一定の荷重に対しては静的たわみが
極めて小さく、一定の荷重以上になると軟らかいばね定数をもつ非線形ばね特性をもつ免
震装置が好ましい。
例えば、対象物をテーブルに置くと、一つの位置まで静的にたわみ、その静的吊りあい
位置で静的に吊りあう。地震が発生すると、静的吊りあい位置を中心に上下に振動する。
【0007】
本願出願人、他は、「 対象物が載置され基台に対して上下動するテーブルと、このテ
ーブルと前記基台との間に設置され、前記テーブルの上下動に応じて上下方向のバネ力を
生じる上下方向バネ部材と、前記テーブルと前記基台とを連結し、前記テーブルの上下動
に伴って水平方向に沿って可動する水平可動部を有する連結部材と、この連結部材の前記
水平可動部に係合され、当該水平可動部の可動に応じて水平方向にバネ力を生じる水平方
向バネ部材と、を備え、前記連結部材は、前記テーブルの上下動に伴って相互間の距離が
変化する前記水平可動部をそれぞれ備えた一対のリンク部材を備えると共に、当該一対の
リンク部材は、それぞれの一端部が前記テーブルに回動自在に係合され、前記水平方向バ
ネ部材は、その両端が前記各水平可動部にそれぞれ連結されている、ことを特徴とする免
震装置。」を考案した。
市場は、本願出願人が考案した対象物支持装置の免震機能をさらに向上させることを望
んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡単な構造でさらに免震機能を
向上させた対象物を支持する対象物支持装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を支持する対象物支持装置を、対象物を
乗せられるテーブルと、基礎に支持される基台と、前記基台を基礎として前記テーブルを
支持するテーブル支持機構と、を備え、前記テーブル支持機構が、前記テーブルまたは前
記基台の他方に対して特定の水平方向に延びる水平軸である特定水平軸に沿って離れて配
される左右一対の案内ブロックと左右一対の該案内ブロックを該特定水平軸に沿って延び
る左右一対の軌道に沿って各々に移動自在に案内する左右一対の案内レールとを持つ水平
移動案内機構と、前記基台を基礎として前記テーブルに上向きのばね力を発生させる上下
方向ばね部材と、上方の端部または下方の端部のうちの一方の端部を前記テーブルまたは
前記基台の一方に回転中心である一方回転中心の回りに回転自在に固定され上方の端部ま
たは下方の端部のうちの他方の端部を前記案内ブロックに回転中心である他方回転中心の
回りに回転自在に固定される左右一対のリンクと、左右一対のリンクに前記特定水平軸に
沿って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させる水平方向ばね部材と、前記基台を
基礎として前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する上下
移動案内機構と、を有し、左右一対の前記軌道が前記特定水平軸に沿って互いに離間する
向きに沿って遷移すると遷移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる、ものとした
。
【0010】
上記本発明の構成により、テーブルが、対象物を乗せられる。基台が、基礎に支持され
る。テーブル支持機構が、前記基台を基礎として前記テーブルを支持する。前記テーブル
支持機構の水平移動案内機構が、前記テーブルまたは前記基台の他方に対して特定の水平
方向に延びる水平軸である特定水平軸に沿って離れて配される左右一対の案内ブロックと
左右一対の該案内ブロックを該特定水平軸に沿って延びる左右一対の軌道に沿って各々に
移動自在に案内する左右一対の案内レールとを持つ。前記テーブル支持機構の上下方向ば
ね部材が、前記基台を基礎として前記テーブルに上向きのばね力を発生させる。前記テー
ブル支持機構の左右一対のリンクが、上方の端部または下方の端部のうちの一方の端部を
前記テーブルまたは前記基台の一方に回転中心である一方回転中心の回りに回転自在に固
定され上方の端部または下方の端部のうちの他方の端部を前記案内ブロックに回転中心で
ある他方回転中心の回りに回転自在に固定される。前記テーブル支持機構の水平方向ばね
部材が、左右一対のリンクに前記特定水平軸に沿って互いに接近する向きにばね力を各々
に作用させる。前記テーブル支持機構の上下移動案内機構が、前記基台を基礎として前記
テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する。左右一対の前記軌
道が前記特定水平軸に沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷移するに従って上
下方向の一方に偏る様に延びる。
その結果、左右一対の軌道の上下方向の一方に偏る程度を選択することでテーブル支持
機構の支持特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
【0011】
以下に、本発明の実施形態に係る対象物支持装置を説明する。本発明は、以下に記載し
た実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0012】
また、左右一対の前記軌道が特定水平軸に沿って互いに離間する向きに沿って遷移する
と、遷移するに従って前記リンクの上方の端部または下方の端部のうちの一方の端部のあ
る側に偏る様に延びる。
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記軌道が前記特定水平軸に沿っ
て互いに離間する向きに沿って遷移すると、遷移するに従って前記リンクの上方の端部ま
たは下方の端部のうちの一方の端部のある側に偏る様に延びる。
その結果、左右一対の軌道の上下方向の一方に偏る程度を選択することでテーブル支持
機構の支持特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
【0013】
また、左右一対の前記軌道が凹んだ曲線に沿って延びる。
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記軌道が凹んだ曲線に沿って延
びる。
その結果、左右一対の軌道の曲線の曲る程度を選択することでテーブル支持機構の支持
特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
【0014】
また、左右一対の前記軌道が凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々に延
びる。
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記軌道が凹んだ所定の曲率をも
つ左右一対の曲線に沿って各々に延びる。
その結果、左右一対の軌道の曲線の曲率を選択することでテーブル支持機構の支持特性
を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
【0015】
左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクの前記一方
回転中心と前記他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差する点を仮想交差点と呼称
するとき、一方の端部が上方の端部である場合、左右一対の前記軌道のうちの右側の軌道
である右軌道の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心と左右一対の前記軌道の
うちの左側の軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心とが前
記仮想交差点を上下の境として上方に位置し、一方の端部が下方の端部である場合、左右
一対の前記軌道のうちの右側の軌道である右軌道の所定の曲率である右曲率の中心である
右曲率中心と左右一対の前記軌道のうちの左側の軌道である左軌道の所定の曲率である左
曲率の中心である左曲率中心とが前記仮想交差点を上下の境として下方に位置する、
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水
平に見て左右一対の前記リンクの前記一方回転中心と前記他方回転中心とを結ぶ左右一対
の仮想線の交差する点を仮想交差点と呼称する。一方の端部が上方の端部である場合、左
右一対の前記軌道のうちの右側の軌道である右軌道の所定の曲率である右曲率の中心であ
る右曲率中心と左右一対の前記軌道のうちの左側の軌道である左軌道の所定の曲率である
左曲率の中心である左曲率中心とが前記仮想交差点を上下の境として上方に位置する。一
方の端部が下方の端部である場合、左右一対の前記軌道のうちの右側の軌道である右軌道
の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心と左右一対の前記軌道のうちの左側の
軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心とが前記仮想交差点
を上下の境として下方に位置する。
その結果、前記軌道の曲率半径を長くでき、長周期化を目的とする設計の自由度が増え
る。
【0016】
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクの前
記一方回転中心と前記他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差する点を仮想交差点
と呼称するとき、左右一対の前記軌道のうちの右側の軌道である右軌道の所定の曲率であ
る右曲率の中心である右曲率中心が前記仮想交差点を左右の境として左側に位置し、左側
の軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心が前記仮想交差点
を左右の境として右側に位置する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水
平に見て左右一対の前記リンクの各々の前記一方回転中心と前記他方回転中心とを結ぶ左
右一対の仮想線の交差する点を仮想交差点と呼称する。左右一対の前記軌道のうちの右側
の軌道である右軌道の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心が前記仮想交差点
を左右の境として左側に位置し、左側の軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中
心である左曲率中心が前記仮想交差点を左右の境として右側に位置する。
その結果、軌道の傾斜する程度を大きくすることができ、設計の自由度が増える。
【0017】
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクの各
々の前記一方回転中心が所定の離間距離だけ離れる。
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水
平に見て左右一対の前記リンクの各々の前記一方回転中心が所定の離間距離だけ離れる。
その結果、設計の自由度が増える。
【0018】
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクの各
々の前記一方回転中心が一致する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、
左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクの各々の前記
一方回転中心が一致する。
その結果、設計の自由度が増える。
【0019】
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクが各
々の前記一方回転中心と前記他方回転中心との間で交差する。
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水
平に見て左右一対の前記リンクが各々の前記一方回転中心と前記他方回転中心との間で交
差する。
その結果、設計の自由度が増える。
【0020】
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクが各
々の前記一方回転中心と前記他方回転中心との間で交差し、左右一対の前記リンクが各々
の前記一方回転中心と前記他方回転中心とに挟まれて交差する箇所で回転自在に連結され
る。
上記本発明に係る実施形態の構成により、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水
平に見て左右一対の前記リンクが各々の前記一方回転中心と前記他方回転中心との間で交
差する。左右一対の前記リンクが各々の前記一方回転中心と前記他方回転中心とに挟まれ
て交差する箇所で回転自在に連結される。
その結果、設計の自由度が増える。
【0021】
また、前記テーブル支持機構が、前記基台を基礎として前記テーブルの相対的な左右移
動を抑制し上下方向に移動自在に案内する上下移動案内機構と、を有し、前記上下移動案
内機構が、前記テーブルと前記基台との一方が前記テーブルと前記基台との他方に嵌合し
、前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する機構である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記上下移動案内機構が、前記テーブルと前
記基台との一方が前記テーブルと前記基台との他方に嵌合し、前記テーブルの相対的な左
右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する。
その結果、簡易な構造で前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在
に案内できる。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明に係る対象物を支持する対象物支持装置を、対象物を
乗せられるテーブルと、基礎に支持される基台と、基台を基礎として前記テーブルを支持
するN個のテーブル支持機構と、を備え、前記テーブル支持機構が、前記テーブルまたは
前記基台の他方に対して特定の水平方向に延びる水平軸である特定水平軸に沿って離れて
配される左右一対の案内ブロックと左右一対の該案内ブロックを該特定水平軸に沿って延
びる左右一対の軌道に沿って各々に移動自在に案内する左右一対の案内レールとを持つ水
平移動案内機構と、前記基台を基礎として前記テーブルに上向きのばね力を発生させる上
下方向ばね部材と、上方の端部または下方の端部のうちの一方の端部を前記テーブルまた
は前記基台の一方に回転中心である一方回転中心の回りに回転自在に固定され上方の端部
または下方の端部のうちの他方の端部を前記案内ブロックに回転中心である他方回転中心
の回りに回転自在に固定される左右一対のリンクと、左右一対のリンクに前記特定水平軸
に沿って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させる水平方向ばね部材と、を有し、
上から見てN個のテーブル支持機構が前記テーブルを囲う様に配されて前記テーブルを各
々に支持し、前記上下方向ばね部材が上部を基台に連結され下部をテーブルに連結される
引張ばねである、ものとした。
【0023】
上記本発明の構成により、テーブルが、対象物を乗せられる。基台が、基礎に支持され
る。N個のテーブル支持機構が、基台を基礎として前記テーブルを支持する。上から見て
N個のテーブル支持機構が前記テーブルを囲う様に配されて前記テーブルを各々に支持す
る。前記テーブル支持機構の水平移動案内機構が、前記テーブルまたは前記基台の他方に
対して特定の水平方向に延びる水平軸である特定水平軸に沿って離れて配される左右一対
の案内ブロックと左右一対の該案内ブロックを該特定水平軸に沿って延びる左右一対の軌
道に沿って各々に移動自在に案内する左右一対の案内レールとを持つ。前記テーブル支持
機構の上下方向ばね部材が、前記基台を基礎として前記テーブルに上向きのばね力を発生
させる。前記テーブル支持機構の左右一対のリンクが、上方の端部または下方の端部のう
ち一方の端部を前記テーブルまたは前記基台の一方に回転中心である一方回転中心の回り
に回転自在に固定され上方の端部または下方の端部のうちの他方の端部を前記案内ブロッ
クに回転中心である他方回転中心の回りに回転自在に固定される。前記テーブル支持機構
の水平方向ばね部材が、左右一対のリンクに前記特定水平軸に沿って互いに接近する向き
にばね力を各々に作用させる。前記上下方向ばね部材が上部を基台に連結され下部をテー
ブルに連結される引張ばねである。
その結果、N個のテーブル支持機構の免震特性を調整して大規模な対象物支持装置をつ
くることができ、設計の自由度が増える。
【0024】
また、前記テーブル支持機構が前記基台を基礎として前記テーブルの相対的な左右移動
を抑制し上下方向に移動自在に案内する上下移動案内機構とを有し、前記上下移動案内機
構が、前記テーブルと前記基台との一方に形成された凹凸が前記テーブルと前記基台との
他方に形成される凹凸に嵌合し、前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移
動自在に案内する機構である。
上記本発明に係る実施形態の構成により、前記上下移動案内機構が、前記テーブルと前
記基台との一方に形成された凹凸が前記テーブルと前記基台との他方に形成される凹凸に
嵌合し、前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する機構で
ある。
その結果、簡易な構造で前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在
に案内できる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明に係る 対象物支持装置は、その手順と構成により、以下の
効果を有する。
前記基台を基礎として前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に
案内し、前記基台を基礎として前記テーブルに上向きのばね力を発生させ、左右一対のリ
ンクの一方の端部が前記テーブルまたは前記基台の一方に回転自在に固定され、他方の端
部が特定水平軸に添って離れた左右一対の案内ブロックに回転自在に固定され、左右一対
の案内ブロックが左右一対の軌跡に沿って案内され、左右一対のリンクに互いに接近する
向きにばね力を作用させ、左右一対の前記軌道が前記特定水平軸に沿って互いに離間する
向きに沿って遷移すると遷移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる様にしたので
、左右一対の軌道の上下方向の一方に偏る程度を選択することでテーブル支持機構の支持
特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対の前記軌道が前記特定水平軸に沿って互いに離間する向きに沿って遷移
すると遷移するに従って前記リンクの一方の端部のある側に偏る様に延びる様にしたので
、左右一対の軌道の上下方向の一方に偏る程度を選択することでテーブル支持機構の支持
特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対の前記軌道が凹んだ曲線に沿って延びる様にしたので、左右一対の軌道
の曲線の曲る程度を選択することでテーブル支持機構の支持特性を目的に合わせて選択す
ることができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対の前記軌道が凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々に延
びる様にしての、左右一対の軌道の曲線の曲率を選択することでテーブル支持機構の支持
特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
また、一方の端部が上方の端部である場合に右軌道の右曲率中心と左軌道の左曲率中心
とが前記仮想交差点を上下の境として上方に位置し、または一方の端部が下方の端部であ
る場合に右軌道の右曲率中心と左軌道の左曲率中心とが前記仮想交差点を上下の境として
下方に位置する様にしたので、前記軌道の曲率半径を長くでき、長周期化を目的とする設
計の自由度が増える。
また、右軌道の右曲率中心が前記仮想交差点を左右の境として左側に位置し、左軌道の
左曲率中心が前記仮想交差点を境として右側に位置する様にしたので、軌道の傾斜する程
度を大きくすることができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクの各
々の前記一方回転中心が所定の離間距離だけ離れる様にしたので、設計の自由度が増える
。
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクの各
々の前記一方回転中心が一致する様にしたので、設計の自由度が増える。
また、左右一対の前記リンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対の前記リンクが各
々の前記一方回転中心と前記他方回転中心との間で交差する様にしたので、設計の自由度
が増える。
また、左右一対の前記リンクが各々の前記一方回転中心と前記他方回転中心とに挟まれ
て交差する箇所で回転自在に連結される様にしたので、設計の自由度が増える。
また、前記テーブルと前記基台との一方が前記テーブルと前記基台との他方に嵌合し、
前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する様にしたので、
簡易な構造で前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内できる
。
また、前記基台を基礎として前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動
自在に案内し、前記基台を基礎として前記テーブルに上向きのばね力を発生させ、左右一
対のリンクの一方の端部が前記テーブルまたは前記基台の一方に回転自在に固定され、他
方の端部が特定水平軸に添って離れた左右一対の案内ブロックに回転自在に固定され、左
右一対の案内ブロックが左右一対の軌跡に沿って案内され、左右一対のリンクに互いに接
近する向きにばね力を作用させるN個のテーブル支持機構が前記テーブルを囲う様に配さ
れて前記テーブルを各々に支持し、前記上下方向ばね部材が上部を基台に連結され下部を
テーブルに連結される引張ばねである様にしたので、N個のテーブル支持機構の免震特性
を調整して大規模な対象物支持装置をつくることができ、設計の自由度が増える。
また、前記テーブルと前記基台との一方が前記テーブルと前記基台との他方に嵌合し、
前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する様にしたので、
簡易な構造で前記テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内できる
。
従って、簡単な構造でさらに免震機能を適合させた対象物を支持する免震装置を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第一の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図2】本発明の第二の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図3】本発明の第三の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図4】本発明の第四の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図5】本発明の第五の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図6】本発明の第六の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図7】本発明の第七の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図8】本発明の第八の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図9】本発明の第九の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【
図10】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の合成ばね反力グラフである。
【
図11】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の合成ばね反力の比較グラフである。
【
図12】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その1である。
【
図13】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その1の側面図である。
【
図14】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その1の平面図である。
【
図15】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の側面断面図である。
【
図16】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の部分詳細図である。
【
図17】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の部分詳細図である。
【
図18】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の部分詳細図である。
【
図19】本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
【0028】
最初に、本発明の第一の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0029】
対象物支持装置は、対象物を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持して、上下方向の振動を免震する装置に用いられ
る。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0030】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100は、対象物10を乗せるものである。
基台200は、基礎に支持されるものである。
テーブル支持機構300は、基台200を基礎としてテーブル100を支持する機構で
ある。
以下に、テーブル支持機構300の構造を説明する。
【0031】
テーブル支持機構300は、水平移動案内機構310と上下方向ばね部材320と左右
一対のリンク機構330と水平方向ばね部材340とで構成される。
テーブル支持機構300は、水平移動案内機構310と上下方向ばね部材320と左右
一対のリンク機構330と水平方向ばね部材340と上下移動案内機構350とで構成さ
れてもよい。
【0032】
水平移動案内機構310は、テーブルまたは基台の他方に対して特定の水平方向に延び
る水平軸である特定水平軸xに沿って離れて配される左右一対の案内ブロック311と左
右一対の案内ブロック311を特定水平軸xに沿って延びる左右一対の軌道gに沿って各
々に移動自在に案内する左右一対の案内レール312とで構成される。
例えば、水平移動案内機構310は、基台200に設けられ、基台200に対して特定
の水平方向に延びる水平軸である特定水平軸xに沿って離れて配される左右一対の案内ブ
ロック311と左右一対の案内ブロック311を特定水平軸xに沿って延びる左右一対の
軌道gに沿って各々に移動自在に案内する左右一対の案内レール312とで構成される。
例えば、水平移動案内機構310は、テーブル100に設けられ、テーブル100に対
して特定の水平方向に延びる水平軸である特定水平軸xに沿って離れて配される左右一対
の案内ブロック311と左右一対の案内ブロック311を特定水平軸xに沿って延びる左
右一対の軌道gに沿って各々に移動自在に案内する左右一対の案内レール312とで構成
される。
軌道gの形状については、後述する。
図1は、水平移動案内機構310が基台200に設けられる様子を示す。
【0033】
上下方向ばね部材320は、基台200を基礎としてテーブル100に上向きのばね力
を発生させる部材である。
上下方向ばね部材320は、設計上選択されたばね定数をもつ。
上下方向ばね部材320は、圧縮ばねでもよい。
例えば、圧縮ばねは、下端を基台200に連結され、上端をテーブル100に連結され
、上向きの圧縮力をテーブ100に作用させる。
上下方向ばね部材320は、引張ばねでもよい。
例えば、引張ばねは、下端をテーブル100に連結され、上端を基台に連結され、上向
きの引張力をテーブル100に作用させる。
図1は、圧縮ばねがテーブル100と基台200との間に設けられる様子を、模式的に
示す。
【0034】
リンク機構330は、左右一対のリンク331で構成される。
リンク機構330は、左右一対のリンク331と一方連結軸332uと他方連結軸33
2dとで構成されてもよい。
例えば、左右一対のリンク331は、右リンク331rと左リンク331lとで構成さ
れる。
左右一対のリンク331は、上方の端部または下方の端部のうちの一方の端部をテーブ
ルまたは基台の一方に回転中心である一方回転中心の回りに回転自在に固定され、上方の
端部または下方の端部のうちの他方の端部を案内ブロック311に回転中心である他方回
転中心の回りに回転自在に固定される。
例えば、水平移動案内機構310が基台200に設けられるとき、左右一対のリンク3
31は、上方の端部である一方の端部をテーブル100に回転中心である一方回転中心の
回りに回転自在に固定され、下方の端部である他方の端部を案内ブロック311に回転中
心である他方回転中心の回りに回転自在に固定される。
一方連結軸332uが、リンクの一方の端部を回転自在にテーブル100に連結し、他
方連結軸332dがリンクの他方の端部を案内ブロック311に回転自在に連結する。
例えば、水平移動案内機構310がテーブル100に設けられるとき、左右一対のリン
ク331は、下方の端部である一方の端部を基台200に回転中心である一方回転中心の
回りに回転自在に固定され、上方の端部である他方の端部を案内ブロック311に回転中
心である他方回転中心の回りに回転自在に固定される。
一方連結軸332uが、リンクの一方の端部を回転自在に基台200に連結し、他方連
結軸332dがリンクの他方の端部を案内ブロック311に回転自在に連結する。
図1は、左右一対のリンク331が、一方の端部をテーブル100に一方連結軸332
uにより回転自在に連結され、他方の端部を他方連結軸322dにより基台200に設け
られた水平移動案内機構310の案内ブロック311に他方連結軸332dにより回転自
在に各々に連結される様子を示す。
【0035】
左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク331の各
々の一方回転中心が一致してもよい。
図1は、左右一対のリンク331が、一方の端部をテーブル100に一方連結軸332
uにより回転自在に連結され、他方の端部を左右一対の他方連結軸322dにより基台2
00に設けられた水平移動案内機構310の案内ブロック311に他方連結軸332dに
より回転自在に各々に連結される様子を示す。
【0036】
水平方向ばね部材340は、左右一対のリンク331に特定水平軸xに沿って互いに接
近する向きにばね力を各々に作用させる部材である。
水平方向ばね部材340は、左右一対のリンク331の他方の端部に特定水平軸xに沿
って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させる部材であってもよい。
水平方向ばね部材340は、設計上選択されたばね定数をもつ。
水平方向ばね部材340は、圧縮ばねであってもよい。
例えば、一対の圧縮ばねが、左右一対のリンク331の他方の端部に特定水平軸xに沿
って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させてもよい。
水平方向ばね部材340は、引張ばねであってもよい。
例えば、引張ばねが、左右一対のリンク331の他方の端部に特定水平軸xに沿って互
いに接近する向きにばね力を各々に作用させてもよい。
例えば、一対の引張ばねが、左右一対のリンク331の他方の端部に特定水平軸xに沿
って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させてもよい。
例えば、引張ばねが、一方の端部を右リンク331rの他方の端部に連結され、他方の
端部を左リンク331lの他方の端部に連結され、左右一対のリンク331の他方の端部
に特定水平軸xに沿って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させる。
水平方向ばね部材340は左右一対のリンク331に特定水平軸xに沿って互いに接近
する向きにばね力を各々に直接に作用させてもよい。
水平方向ばね部材340は左右一対のリンク331に特定水平軸xに沿って互いに接近
する向きにばね力を各々に案内ブロック311を介して作用させてもよい。
図1に、引張ばねが、一方の端部を右リンク331rの他方の端部に連結され、他方の
端部を左リンク331lの他方の端部に連結され、左右一対のリンク331の他方の端部
に特定水平軸xに沿って互いに接近する向きにばね力を各々に作用させる様子を示す。
【0037】
上下移動案内機構(図示せず)は、基台200を基礎としてテーブル100の相対的な
左右移動を抑制し、上下方向に移動自在に案内する機構である。
上下移動案内機構(図示せず)は、基台200を基礎としてテーブル100の相対的な
左右移動と揺動運動とを抑制し、上下方向に移動自在に案内する機構であってもよい。
上下移動案内機構(図示せず)は、基台200を基礎としてテーブル100の相対的な
左右移動とピッチングとローリングとを抑制し、上下方向に移動自在に案内する機構であ
ってもよい。
上下移動案内機構(図示せず)は、ロッキングを防止する機能を加えられたものをロッ
キング防止機構とも呼称される。
【0038】
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上方向に一定の比率で偏る様に延びてもよい。
図1は、軌道gが、直線状であり、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って
遷移すると遷移するに従って上方向の一方に一定の比率で偏る様に延びる様子を示す。
【0039】
次に、本発明の第二の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図2は、本発明の第二の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0040】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0041】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
【0042】
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って下方向に一定の比率で偏る様に延びてもよい。
図2は、軌道gが、直線状であり、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って
遷移すると遷移するに従って下方向方に一定の比率で偏る様に延びる様子を示す。
【0043】
次に、本発明の第三の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図3は、本発明の第三の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0044】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0045】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
【0046】
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上方向に偏る様に延びる。
左右一対の軌道が凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道が下方に凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道が下方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々に延びて
もよい。
図3に、左右一対の軌道が下方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々
に延び、曲率半径Rがリンクの長さより長い様子が示される。
【0047】
ここで、説明の便宜上、左右一対のリンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対のリ
ンクの一方回転中心と他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差する点を仮想交差点
Cと呼称する。
一方の端部が上方の端部である場合、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右軌道
の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左側の
軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが仮想交差点
Cを上下の境として上方に位置してもよい。
一方の端部が下方の端部である場合、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右軌道
の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左側の
軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが仮想交差点
Cを上下の境として下方に位置してもよい。
図3に、左右一対の軌道のうちの右軌道の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率
中心Rcと左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが仮想交差点
Cを上下の境にして上方に位置する様子を示される。
【0048】
次に、本発明の第四の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図4は、本発明の第四の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0049】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0050】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
【0051】
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って下方向に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道gが上方に凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道gが上方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々に延び
てもよい。
図4に、左右一対の軌道gが上方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各
々に延び、曲率半径Rがリンクの長さより長い様子が示される。
【0052】
ここで、説明の便宜上、左右一対のリンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対のリ
ンクの一方回転中心と他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差する点を仮想交差点
Cと呼称する。
一方の端部が上方の端部である場合、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右軌道
の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左側の
軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが軌道gを上
下の境として下方に位置してもよい。
一方の端部が下方の端部である場合、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右軌道
の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左側の
軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが軌道gを上
下の境として上方に位置してもよい。
図4に、一方の端部が上方の端部であり、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右
軌道の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左
側の軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが軌道g
を上下の境として下方に位置する様子が示される。
【0053】
次に、本発明の第五の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図5は、本発明の第五の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0054】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0055】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
【0056】
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って下方向に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道gが下方に凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道gが下方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々に延び
てもよい。
図5に、左右一対の軌道gが下方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各
々に延び、曲率半径Rがリンクの長さより長い様子が示される。
【0057】
ここで、説明の便宜上、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て左右一
対のリンクの一方回転中心と他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差する点を仮想
交差点Cと呼称する、
左右一対の軌道gのうちの右側の軌道である右軌道の所定の曲率である右曲率の中心で
ある右曲率中心Rcが仮想交差点Cを左右の境として左側に位置し、左軌道の所定の曲率
である左曲率の中心である左曲率中心Lcが仮想交差点Cを左右の境として右側に位置す
る。
図5に、左右一対の軌道gのうちの右軌道の所定の曲率である右曲率の中心である右曲
率中心Rcと左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが仮想交差
点Cを上下の境として上方に位置し、左右一対の軌道gのうちの右軌道の所定の曲率であ
る右曲率の中心である右曲率中心Rcが仮想交差点Cを左右の境として左側に位置し、左
軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcが仮想交差点Cを左右の境と
して右側に位置する様子が示される。
【0058】
次に、本発明の第六の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図6は、本発明の第六の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0059】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0060】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
【0061】
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上下方向の一方に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが、特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷
移するに従って上方向に偏る様に延びる。
左右一対の軌道gが凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道gが上方に凹んだ曲線に沿って延びてもよい。
左右一対の軌道gが上方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々に延び
てもよい。
図6に、左右一対の軌道gが上方に凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各
々に延び、曲率半径Rがリンクの長さより長い様子が示される。
【0062】
ここで、説明の便宜上、左右一対のリンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対のリ
ンクの一方回転中心と他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差する点を仮想交差点
Cと呼称する。
一方の端部が上方の端部である場合、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右軌道
の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左側の
軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが軌道gを上
下の境として下方に位置してもよい。
一方の端部が下方の端部である場合、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右軌道
の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左側の
軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが軌道gを上
下の境として上方に位置してもよい。
図6に、一方の端部が上方の端部であり、左右一対の軌道のうちの右側の軌道である右
軌道の所定の曲率である右曲率の中心である右曲率中心Rcと左右一対の軌道のうちの左
側の軌道である左軌道の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcとが軌道g
を上下の境として下方に位置し、左右一対の軌道gのうちの右軌道の所定の曲率である右
曲率の中心である右曲率中心Rcが仮想交差点Cを左右の境として左側に位置し、左軌道
の所定の曲率である左曲率の中心である左曲率中心Lcが仮想交差点Cを左右の境として
右側に位置する様子が示される。
【0063】
次に、本発明の第七の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図7は、本発明の第七の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0064】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0065】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
軌跡gは、第一乃至第六の実施形態にかかる対象物支持装置の軌跡gのうちのどの軌跡
gであってもよい。
【0066】
左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク331の各
々の一方回転中心が所定の離間距離だけ離れる。
図7に、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク3
31の各々の一方回転中心が所定の離間距離Hだけ離れる様子を示す。
【0067】
次に、本発明の第八の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図8は、本発明の第八の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0068】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0069】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
軌跡gは、第一乃至第六の実施形態にかかる対象物支持装置の軌跡gのうちのどの軌跡
gであってもよい。
【0070】
ここで、説明の便宜上、左右一対のリンクを左右に分ける様に水平に見て左右一対のリ
ンクの各々の一方回転中心と他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差する点を仮想
交差点Cと呼称する。
左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク331が各
々の一方回転中心と他方回転中心との間で交差する。
図8に、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク3
31が各々の一方回転中心と他方回転中心との間で交差する様子が示される。
【0071】
次に、本発明の第九の実施形態に係る対象物支持装置を説明する
図9は、本発明の第九の実施形態にかかる対象物支持装置の概念図である。
【0072】
対象物支持装置は、対象物10を支持する装置である。
対象物支持装置は、対象物10を支持し、上下方向の振動を免震する装置に用いられる
。
対象物支持装置は、水平方向の振動を免震する装置と組み合わせて、用いられてもよい
。
【0073】
対象物支持装置は、テーブル100と基台200とテーブル支持機構300とで構成さ
れる。
テーブル100と基台200とテーブル支持機構300の主要構造は、本発明の第一の
実施形態に係る対象物支持装置のものと同じなので、説明を省略し、異なる点のみを説明
する。
軌跡gは、第一乃至第六の実施形態にかかる対象物支持装置の軌跡gのうちのどの軌跡
gであってもよい。
【0074】
ここで、説明の便宜上、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て左右一
対のリンク331の各々の一方回転中心と他方回転中心とを結ぶ左右一対の仮想線の交差
する点を仮想交差点Cと呼称する。
左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンクが一方回転
中心と他方回転中心との間で交差し、左右一対のリンク331が各々の一方回転中心と他
方回転中心とに挟まれて交差する箇所で回転自在に連結する。
リンク331の一方の端部がテーブル100または基台の一方に設けられる一方水平移
動案内機構360の一方案内ブロック361に回転自在に連結される。
一方水平移動案内機構360は、テーブルまたは基台の一方に対して特定の水平方向に
延びる水平軸である特定水平軸xに沿って離れて配される左右一対の一方案内ブロック3
61と左右一対の一方案内ブロック361を特定水平軸xに沿って延びる左右一対の軌道
に沿って各々に移動自在に案内する左右一対の一方案内レール362とで構成される。
図9に、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク3
31が各々の一方回転中心と他方回転中心との間で交差し、左右一対のリンク331が各
々の一方回転中心と他方回転中心とに挟まれて交差する箇所で回転自在に連結され、リン
ク331の一方の端部がテーブル100に設けられる一方水平移動案内機構360の一方
案内ブロック361に回転自在に連結される様子が示される。
リンク連結軸333が、一対のリンク331を交差する箇所で回転自在に連結する。
案内レール312の軌跡gを選択するのと同様に、一方案内レール362の軌跡gを選
択することにより、免震性能を選択できる。
【0075】
以下に、本発明の実施形態に係る対象物支持機構の合成ばね反力を、図を基に、説明す
る。
図10は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の合成ばね反力グラフである。
図10中の実線は、テーブル100の上下変位(m)と水平方向ばね部材340のばね
力によりテーブル100に作用する上下方向の反力(N)の関係を示すカーブである、
図10中の実破線は、テーブル100の上下変位(m)と上下方向ばね部材320のば
ね力によりテーブル100に作用する上下方向の反力(N)の関係を示すカーブである、
図10中の細破線は、テーブル100の上下変位(m)と合成ばね反力の関係を示すカ
ーブである。
軌跡gとリンクの一方の端部の位置を選択することにより合成ばね反力の特性を選択で
きる。
【0076】
図11は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の合成ばね反力の比較グラフであ
る。
図11の(A)~(D)は、案内レールの軌跡の形状を除くの形状、諸元を一致させ、
案内レールの軌跡を以下の様にして、合成ばね反力の特性を比較したものである。
(A)軌跡が下に凹の曲線である第三の実施形態のもの。
(B)軌跡が上に凹の曲線である第四の実施形態のもの。
(C)軌跡が外側に遷移するに従って上がる直線である第一の実施形態ものの。
(D)軌跡が外側に遷移するに従って下がる直線である第二の実施形態ものの。
図中で、破線で表す合成ばね反力は、軌跡が水平直線である軌跡をもつ
図20に示すテ
ーブル支持構造のものであり、比較のために示した。
図11の(A)~(D)を比較すると以下のことが分かる。
【0077】
リンクの一方の端部が上方の端部であり、リンクの案内レールに案内される他方の端部
が下方の端部である場合に、案内レールの曲率中心Rc、Lcを仮想交差点Cより上方に
位置する様に設定する、または軌跡の傾斜が左右に遷移するにしたがって上向きになる様
に設定すると、水平の軌跡gを持つ従来のテーブル支持構造に比較して負ばねのばね定数
を大きくしてばねがいわゆる剛になりマイナス傾斜が傾きを鋭くなり、上下ばねと合成し
た全体のばね特性を平坦にし、対象物を支持する対象物支持装置の応答特性を長周期にす
ることができる。
【0078】
リンクの一方の端部が上方の端部であり、リンクの案内レールに案内される他方の端部
が下方の端部である場合に、案内レールの曲率中心が軌跡より下方に位置する様に設定し
、または軌跡の傾斜が左右に遷移するにしたがって下向きになる様に設定すると、水平の
軌跡gを持つ従来のテーブル支持構造に比較して負ばねのばね定数を小さくしてばねがい
わゆる軟らかくなりマイナス傾斜の傾きが鈍くなり、、上下ばねと合成した全体のばね特
性が傾き、対象物を支持する対象物支持装置の応答特性を短周期にすることができる。
【0079】
以下に、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例のその1乃至その2を、図
を基に、説明する。
本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その1は、小型の対象物を支持する
台に採用する。
図12は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その1である。
図13は
、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その1の側面図である。
図14は、
本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その1の平面図である。
例えば、小型の対象物は、美術品である。
例えば、美術品を支持する台は、上下免震台20と水平免震台30とガラスケース40
とで構成される。
上下免震台20は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置を内蔵する。
水平免震台30は、垂直方向の移動を拘束し、水平移動を許容して水平移動に応じて減
衰力を発生させる台である。
ガラスケース40は、美術品を覆う透明体である。
【0080】
上下免震台20に採用される対象物支持装置は、テーブル100と基台200とN個の
テーブル支持機構300とで構成される。
図13に、テーブル100と基台200と4個のテーブル支持機構300とで構成され
る対象物支持装置が示される。
テーブル支持機構300は、水平移動案内機構310と上下方向ばね部材320と左右
一対のリンク機構330と水平方向ばね部材340と上下移動案内機構350とで構成さ
れる。
先に説明した水平移動案内機構310と上下方向ばね部材320と左右一対のリンク機
構330と水平方向ばね部材340と同じ構成の説明を省略し、上下免震台20に採用さ
れる対象物支持装置に特徴のある構成を説明する。
【0081】
上から見て、N個のテーブル支持機構がテーブル100を囲う様に配されてテーブル1
00を各々に支持する。
【0082】
水平移動案内機構310が、基台200に設けられる。
案内レール312が、基台200の側面を形成する板材に設けられ、軌跡gに沿って形
成されるスリットである。
案内ブロック311が、案内レール312のスリットに案内される車輪を持つ。
車輪が軌跡gに沿って転動する。
図中の(A)は、直線水平の軌跡をもる案内ガイドを設けられるものを示す。
図中の(B)は、直線傾斜した軌跡gをもつ案内ガイドが設けられるものを示す。
図中の(C)は、下に凹んだ曲線の軌跡gをもつ案内ガイドが設けられるものを示す。
【0083】
上下方向ばね部材320が、上部を基台に連結され下部をテーブルに連結される引張ば
ねである。
【0084】
上下移動案内機構350が、テーブル100と基台200との一方に形成された凹凸が
テーブルと基台との他方に形成される凹凸に嵌合し、テーブル100の相対的な左右移動
を抑制し上下方向に移動自在に案内する機構である。
【0085】
本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2は、大型の対象物10を支持
する大規模な台に採用する。
図15は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の側面断面図であ
る。
図19は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の平面図である
。
【0086】
例えば、大型の対象物10は、リアクターである。
例えば、リアクターを支持する台は、複数の上下免震台20と複数の上下免震台20x
と複数の水平免震台30とで構成される。
上下免震台20と上下免震台20xの一方は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装
置を内蔵し、上下免震台20と上下免震台20xの他方は、他の形式の対象物支持装置を
内蔵してもよい。
例えば、上下免震台20は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置を内蔵し、上下
免震台20xは、他の形式の対象物支持装置を内蔵する。
水平免震台30は、垂直方向の移動を拘束し、水平移動を許容して水平移動に応じて減
衰力を発生させる台である。
例えば、水平免震台30は、金属板とゴム板とを積層した免震台である。
【0087】
テーブル支持機構300は、水平移動案内機構310と上下方向ばね部材320と左右
一対のリンク機構330と水平方向ばね部材340とで構成される。
上下免震台20xが、対象物10の相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案
内する機能を有する。
上下免震台20xが、対象物10の相対的な左右移動、ローリング、ピッチングを抑制
し上下方向に移動自在に案内する機能を有する。
【0088】
以下に、上下免震台20と上下免震台20Xとの実例を、図を基に、説明する。
図16は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の部分詳細図であ
る。
図17は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の部分詳細図で
ある。
図18は、本発明の実施形態にかかる対象物支持装置の採用例その2の部分詳細図
である。
【0089】
図16は、上下免震台20の構造の一例を示す。
図16に示す上下免震台20は、本願発明のテーブル支持機構300の構造のうち、テ
ーブル100と基台200と上下方向ばね部材320と上下移動案内機構350とロッキ
ング防止機構400とで構成され、水平移動案内機構310とリンク機構330と水平方
向ばね部材340省いたものである。
上下移動案内機構350とロッキング防止機構400とは、一対のパンタグラフ機構と
と一対のパンタグラフを連結するリンク機構とで構成される。
上下方向ばね部材320は、圧縮ばねで構成されてもよい。
【0090】
図17、
図18は、上下免震台20xの構造の一例を示す。
図17に示す上下免震台20xは、本願発明のテーブル支持機構300の構造のうち、
テーブル100と基台200と水平移動案内機構310と上下方向ばね部材320とリン
ク機構330と水平方向ばね部材340とで構成されたものである。
図18に示す上下免震台20xは、本願発明のテーブル支持機構300の構造のうち、
テーブル100と基台200と水平移動案内機構310とリンク機構330と水平方向ば
ね部材340とで構成され、上下方向ばね部材320を省いたものである。
上下方向ばね部材320は、圧縮ばねで構成されてもよい。
【0091】
図17に示す様に、上から見て、本願発明の構造をもつ上下免震台20xを中心部に配
置し、上下方向ばね部材320で構成される上下免震台20をその回りに配置してもよい
。
上下免震台20xの合成ばね反力のばね定数は上下免震台20の合成ばね反力のばね定
数より小さい。
この様に配置すると、対象物の上下移動を効率よく支え、対象物のロッキングを効率よ
く支えることができる。
【0092】
上述の実施形態に係る対象物支持装置を用いれば、以下の効果を発揮する。
基台200を基礎としてテーブル100の相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自
在に案内し、基台200を基礎としてテーブル100に上向きのばね力を発生させ、左右
一対のリンク331の一方の端部がテーブル100または基台200の一方に回転自在に
固定され、他方の端部が特定水平軸xに添って離れた左右一対の案内ブロック311に回
転自在に固定され、左右一対の案内ブロック311が左右一対の軌跡gに沿って案内され
、左右一対のリンク331の他方の端部に互いに接近する向きにばね力を作用させ、左右
一対の軌道gが特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移すると遷移するに
従って上下方向の一方に偏る様に延びる様にしたので、左右一対の軌道gの上下方向の一
方に偏る程度を選択することでテーブル支持機構300の支持特性を目的に合わせて選択
することができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対の軌道gが特定水平軸xに沿って互いに離間する向きに沿って遷移する
と遷移するに従ってリンク331の一方の端部のある側に偏る様に延びる様にしたので、
左右一対の軌道gの上下方向の一方に偏る程度を選択することでテーブル支持機構300
の支持特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対の軌道gが凹んだ曲線に沿って延びる様にしたので、左右一対の軌道の
曲線の曲る程度を選択することでテーブル支持機構300の支持特性を目的に合わせて選
択することができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対の軌道gが凹んだ所定の曲率をもつ左右一対の曲線に沿って各々に延び
る様にしたての、左右一対の軌道gの曲線の曲率を選択することでテーブル支持機構30
0の支持特性を目的に合わせて選択することができ、設計の自由度が増える。
また、一方の端部が上方の端部である場合に、右軌道の右曲率中心Rcと左軌道の左曲
率中心Lcとが仮想交差点Cを上下の境として上方に位置する様にしたので、軌道の曲率
半径Rを長くでき、長周期化を目的とする設計の自由度が増える。
また、右軌道の右曲率中心Rcが仮想交差点Cを境として左側に位置し、左軌道の左曲
率中心Lcが仮想交差点Cを左右の境として右側に位置する様にしたので、軌道の傾斜す
る程度を大きくすることができ、設計の自由度が増える。
また、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク33
1の各々の一方回転中心が所定の離間距離だけ離れる様にしたので、設計の自由度が増え
る。
また、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク33
1の各々の一方回転中心が一致する様にしたので、設計の自由度が増える。
また、左右一対のリンク331を左右に分ける様に水平に見て、左右一対のリンク33
1が各々の一方回転中心と他方回転中心との間で交差する様にしたので、設計の自由度が
増える。
また、左右一対のリンク331が各々の一方回転中心と他方回転中心とに挟まれて交差
する箇所で回転自在に連結される様にしたので、設計の自由度が増える。
また、テーブル100と基台200との一方がテーブル100と基台200との他方に
嵌合し、テーブルの相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する様にしたの
で、簡易な構造でテーブル100の相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内
できる。
また、基台200を基礎としてテーブル100の相対的な左右移動を抑制し上下方向に
移動自在に案内し、基台200を基礎としてテーブル100に上向きのばね力を発生させ
、左右一対のリンク331の一方の端部がテーブル100または基台200の一方に回転
自在に固定され、他方の端部が特定水平軸xに添って離れた左右一対の案内ブロック31
1に回転自在に固定され、左右一対の案内ブロック311が左右一対の軌跡gに沿って案
内され、左右一対のリンクの他方の端部に互いに接近する向きにばね力を作用させるN個
のテーブル支持機構300がテーブル100を囲う様に配されてテーブル100を各々に
支持し、上下方向ばね部材320が上部を基台200に連結され下部をテーブル100に
連結される引張ばねである様にしたので、N個のテーブル支持機構300の免震特性を調
整して大規模な対象物支持装置をつくることができ、設計の自由度が増える。
また、テーブル100と基台200との一方がテーブルと基台との他方に嵌合し、テー
ブル100の相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内する様にしたので、簡
易な構造でテーブル100の相対的な左右移動を抑制し上下方向に移動自在に案内できる
。
【0093】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲
で各種の変更が可能である。
水平移動案内機構310が基台200に設けられ場合を例にして説明したが、これに限
定されない。例えば、水平移動案内機構310がテーブル100に設けられてもよい。
左右一対のリンクの各々の一方回転中心が所定の離間距離Hだけ離れる構造を第一の実
施形態に適用した例で説明したが、これに限定されない。例えば、左右一対のリンクの各
々の一方回転中心が所定の離間距離Hだけ離れる構造を第二乃至第六の実施形態に適用し
てもよい。
左右一対のリンクが交差する構造を第一の実施形態に適用した例で説明したが、これに
限定されない。例えば、左右一対のリンクが交差する構造を第二乃至第六の実施形態に適
用してもよい。
左右一対のリンクが交差する箇所を回転自在に連結する構造を第一の実施形態に適用し
た例で説明したが、これに限定されない。例えば、左右一対のリンクが交差する箇所を回
転自在に連結する構造を第二乃至第六の実施形態に適用してもよい。
【符号の説明】
【0094】
x 特定水平軸
g 軌跡
C 仮想交差点
Rc 右曲率中心
Lc 左曲率中心
R 曲率半径
H 離間距離
10 対象物
20 上下免震台
20x 上下免震台
30 水平免震台
40 ガラスケース
100 テーブル
200 基台
300 テーブル支持機構
310 水平移動案内機構
311 案内ブロック
312 案内レール
320 上下方向ばね部材
330 リンク機構
331 リンク
331r 右リンク
331l 左リンク
332u 一方連結軸
332d 他方連結軸
333 リンク連結軸
340 水平方向ばね部材
350 上下移動案内機構
360 一方水平移動案内機構
361 一方案内ブロック
362 一方案内レール
400 ロッキング防止機構
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【文献】特開平11-37214号
【文献】特開2009-168157号
【文献】特開2008-157288号
【文献】特開2004-308845号
【文献】特開平06-193676号