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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ゴルフショット練習機
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/36 20060101AFI20231124BHJP
   A63B 47/04 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
A63B69/36 541B
A63B69/36 513H
A63B47/04
A63B69/36 504Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022187053
(22)【出願日】2022-11-24
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】322012066
【氏名又は名称】有限会社ライフショップ小すげ
(74)【代理人】
【識別番号】100074251
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 寛
(74)【代理人】
【識別番号】100066223
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 政美
(72)【発明者】
【氏名】小菅 弘
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-285184(JP,A)
【文献】実開平5-18559(JP,U)
【文献】特開2014-18515(JP,A)
【文献】特開平10-137380(JP,A)
【文献】特開平5-317480(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0324171(US,A1)
【文献】米国特許第10463923(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0040631(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0120307(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
A63B 47/04
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のボールを収容するハウジングと、ハウジング内から個別に送り出したボールを順次洗浄する洗浄機と、洗浄機で洗浄されたボールをティーポイント上に送り出す転送装置とを備え、ボールに転写可能なインクを付着する付着具を構成し、洗浄されたボールの移動経路内に付着具を設置し、転送装置は、立設状態の下端部側が揺動自在に支持された樋状の揺動腕を備え、揺動腕の下端部側近傍にボールを受けるボール保持部を設け、ボール保持部内のボールに転写可能なインクを付着する付着具をボール保持部に設けたことを特徴とするゴルフショット練習機。
【請求項2】
前記転送装置は、前記揺動腕の下端部に連結された揺動錘を備え、前記ボール保持部内の前記ボールの重量で前記揺動腕が揺動して前記揺動腕の上端部がティーポイント上に停止し、前記ボールが前記揺動腕に沿ってティーポイント上まで転がるように構成した請求項1記載のゴルフショット練習機。
【請求項3】
前記転送装置は、前記揺動腕の前記上端部にリング形状のストッパーを備え、前記揺動腕の前記上端部が揺動するとストッパーが前記ティーポイント上で停止するように構成し、前記ボール保持部内の前記ボールが前記揺動腕に沿って転がりストッパー内の前記ティーポイント上に停止すると共に、前記揺動腕の前記上端部が揺動して立設状態の位置まで戻るように構成した請求項記載のゴルフショット練習機。
【請求項4】
前記洗浄機は、回転する円板状を成し、前記ハウジングからの前記ボールを個別に収納する収納孔部を円周に沿って連設した回転収納盤と、回転収納盤の両面側に配置され、回転収納盤の回転と共に収納孔部内の前記ボールが摺接する一対のブラシ体と、回転収納盤の回転に伴って収納孔部内の前記ボールを洗浄水に浸す水槽と、回転収納盤を一方向に回転させて収納孔部内の前記ボールを前記転送装置に個別に送り出すラチェット機構と、を備えた請求項1記載のゴルフショット練習機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフのショット練習時においてクラブフェースの打撃位置を確認することが可能なゴルフショット練習機に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフの練習方法として、円周に沿ってマークを付けたボールを使用する場合がある(特許文献1)。このボールは特にパターの練習に使用されるもので、パターのフェースをこのボールのマークに直角に合わせて構え、ボールが目標方向に直線状に転がっているかどうかを確認することで、フェースの打撃位置を確認する練習ができるというものである。
【0003】
また、ゴルフの練習装置として、ボールを1球ずつ転送するボール転送装置が特許文献2に記載されている。この装置は、ボール自動供給装置から排出されるボールをティーポイントに転送させる揺動自在なボール転送アームを設けた装置である。
【0004】
このボール転送アームは、ボール自動供給装置から排出されるボールを一端部に受け止め、この一端部を上方に回して揺動させることでティーポイントの上にボールを置くように構成している。
【0005】
更に、使用後のゴルフボールを洗浄する洗浄機が特許文献3に記載されている。この洗浄機は、上下一対の円盤ブラシの間にボールを配置し、下部の円盤ブラシを高速で回転させることで、ボールのディンプルにこびりついた汚れを洗浄し、除去するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平2013-106840号公報
【文献】実開平5-18559号公報
【文献】特開平6-285184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のようなマーク付きゴルフボールの練習方法は、パッティング練習に効果があるとしても、ショットの練習、例えばインパクト時のフェースの打撃位置を確認する練習をすることは困難である。
【0008】
すなわち、この種のショット練習は、パッティング練習とは異なり、打撃位置をフェースのスイートスポットに合わせることでボールを遠くへ飛ばす練習になる。そのため、マーク付きのゴルフボールを使用しても打撃後の目印にはなり難く、フェースの打撃位置を確認することは困難である。
【0009】
また、ゴルフのショット練習は、クラブの種類に応じてフェースのスイートスポットに合わせる必要がある。したがって、ショット練習時にフェースの打撃位置を確認することは初心者にとっても効果的な練習につながる。
【0010】
そこで、本発明は上述の課題を解消すべく案出されたもので、ショット練習時において、フェースの打撃位置を確認することで、各種のクラブに応じた有効なショット練習をすることが可能なゴルフショット練習機の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成すべく本発明における第1の手段は、複数のボールBを収容するハウジング10と、ハウジング10内から個別に送り出したボールBを順次洗浄する洗浄機20と、洗浄機20で洗浄されたボールBをティーポイント上に送り出す転送装置30とを備え、ボールに転写可能なインクを付着する付着具を構成し、洗浄されたボールの移動経路内に付着具を設置し、転送装置30は、立設状態の下端部側が揺動自在に支持された樋状の揺動腕31を備え、揺動腕31の下端部側近傍にボールBを受けるボール保持部32を設け、ボール保持部32内のボールBにインクQを付着する付着具40をボール保持部32に設けたものである。
【0012】
第2の手段の前記転送装置30は、前記揺動腕31の下端部に連結された揺動錘34を備え、前記ボール保持部32内の前記ボールBの重量で前記揺動腕31が揺動して前記揺動腕31の上端部がティーポイント上に停止し、前記ボールBが前記揺動腕31に沿ってティーポイント上まで転がるように構成した。
【0013】
第3の手段の前記転送装置30は、前記揺動腕31の前記上端部にリング形状のストッパー33を備え、前記揺動腕31の前記上端部が揺動するとストッパー33が前記ティーポイント上で停止するように構成し、前記ボール保持部32内の前記ボールBが前記揺動腕31に沿って転がりストッパー33内の前記ティーポイント上に停止すると共に、前記揺動腕31の前記上端部が揺動して立設状態の位置まで戻るように構成した。
【0015】
の手段の前記洗浄機20は、回転する円板状を成し、前記ハウジング10からの前記ボールBを個別に収納する収納孔部22を円周に沿って連設した回転収納盤21と、回転収納盤21の両面側に配置され、回転収納盤21の回転と共に収納孔部22内の前記ボールBが摺接する一対のブラシ体23と、回転収納盤21の回転に伴って収納孔部22内の前記ボールBを洗浄水に浸す水槽24と、回転収納盤21を一方向に回転させて収納孔部22内の前記ボールBを前記転送装置30に個別に送り出すラチェット機構25と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ゴルフボールの表面に付着したインクがショット時のフェース面に転写することで、打撃位置の確認が可能になり、初心者でもショット時のクラブのフェース面を正確な位置に当てる練習ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
図2】本発明のハウジングを示す平面図である。
図3】本発明の一実施例を示す斜視図である。
図4】本発明の洗浄機のブラシ体を示す分解斜視図である。
図5】本発明の洗浄機のブラシ体を上から見た斜視図である。
図6】本発明の洗浄機の収納回転盤を示す斜視図である。
図7】本発明の洗浄機の収納回転盤の動きを示す斜視図である。
図8】本発明の補助具と回転ピンの動きを示す斜視図である。
図9】本発明の転送装置の動きを示す斜視図である。
図10】本発明の転送装置の動きを示す斜視図である。
図11】本発明の転送装置の動きを示す斜視図である。
図12】本発明の転送装置のストッパーを示す斜視図である。
図13】本発明の転送装置の動きを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、クラブフェースの打撃位置を確認することが可能なゴルフショット練習機である。
【0019】
本発明の主要構成は、ハウジング10、洗浄機20、転送装置30、付着具40にて構成される(図1参照)。
【0020】
ハウジング10は、複数のボールBを収容する受け皿状の部材で、図示例では装置の最上部に配置し、このハウジング10から移動筒体16を介して洗浄機20にボールBを個別に送るように構成している(図3参照)。図示のハウジング10は、底部に傾斜面11を形成してハウジング10内のボールBが順に排出口12から洗浄機20に落下するように構成している(図2参照)。
【0021】
このとき、底部の傾斜面11から排出口12にボールBが確実に落下するように、傾斜面11と排出口12との境界部分に傾斜板13を設置している(図2参照)。この傾斜板13は、片側が持ち上がることで排出口12付近のボールBを排出口12に誘導するもので、後述する回転収納盤21の動きにリンクする補助具14の押し上げピン14Bで作動する(図8参照)。
【0022】
洗浄機20は、回転収納盤21、収納孔部22、ブラシ体23、水槽24、ラチェット機構25を備えている(図4参照)。
【0023】
回転収納盤21は一方向に回転する円板状を成し、収納孔部22は回転収納盤21を貫通する円形の孔状を成している(図4参照)。この収納孔部22は、回転収納盤21の円周に沿って連設され、ハウジング10から送り出される各ボールBを個別に収納する(図6参照)。図示例では、ハウジング10から移動筒体16を介して落下したボールBは、回転収納盤21の下部の片側から収納孔部22内に収納される(図4参照)。そして、回転収納盤21の回転に伴い上部の反対側から排出口26を介して転送装置30にボールBが排出される(図9参照)。
【0024】
回転収納盤21の収納孔部22のボールBの入出を確実にするため、回転収納盤21は予め傾斜した状態で設置されている(図1参照)。すなわち、回転収納盤21の下部側の面はボールBが入る方向に向き、上部側の面はボールBが出る方向に向いた状態に傾斜している。
【0025】
ブラシ体23は、回転収納盤21の両面側に配置される一対の部材で、収納孔部22内のボールBを両側から挟んだ状態でボールB表面に接触する(図5参照)。そして、回転収納盤21を一方向に回転すると、収納孔部22内のボールBは、ブラシ体23に摺接しながら回転移動するので、使用済みボールBの表面に付着したインクQや汚れがブラシ体23で洗浄される。
【0026】
図示例では、回転収納盤21の下部が浸かるように水槽24を配置し、収納孔部22内のボールBを水槽24内の洗浄水に浸した後にブラシ体23に接触する構成である(図4参照)。この結果、ボールB表面のインクQや汚れは落ちやすくなる。
【0027】
また、図示例では、ラチェット機構25の回転に連動して前記ハウジング10の傾斜板13を持ち上げる補助具14を設けている(図8参照)。この補助具14は、ラチェット機構25の回転腕25Cに連動する揺動体14Aと、揺動体14Aに持ち上げられる押し上げピン14Bと、押し上げピン14Bを押し下げ付勢するコイルバネ14Cとを備えている。そして、ラチェット機構25の回転に伴って揺動体14Aが押し上げピン14Bの下端部に接触して押し上げピン14Bを押し上げて傾斜板13を傾斜させる構成である(図2参照)。その後、補助具14は、コイルバネ14Cの付勢力で押し上げピン14Bが元の位置まで下がる(図6参照)。
【0028】
更に、回転収納盤21に連動する回転ピン15も備えている(図8参照)。この回転ピン15は、回転収納盤21と共に回転することで、ハウジング10の底面から突出してボールBをかき回すことで、ハウジング10内のボールBの移動を促進させるものである(図2参照)。
【0029】
ラチェット機構25は、回転収納盤21を一方向に回転して収納孔部22内のボールBを個別に転送装置30に送り出す機構である(図6参照)。図示例では、歯車25Aを回転させる回転腕25Cを歯車25Aと同軸に設け、この回転腕25Cの一端部側に連結したライン25Dを牽くと歯車25Aが回転し(図7参照)、歯止め25Bが歯車25Aに係止する(図8参照)。そして、回転腕25Cに連結した引き戻し用のバネ25E(コイルバネ)の作用で回転腕25Cが基の位置に戻る(図6参照)。尚、ライン25Dの操作は、練習者が踏むペダル27で行うようにしている(図3参照)。
【0030】
転送装置30は、洗浄機20で洗浄されたボールBをティーポイントに送り出す装置で、揺動腕31、ボール保持部32、ストッパー33を備えている(図9参照)。
【0031】
揺動腕31は、揺動自在な樋状を成し、立設状態の下端部側が揺動自在に支持されている(図1参照)。そして、洗浄機20から送り出されたボールBを受けるボール保持部32を揺動腕31の下部側に設けている(図9参照)。そして、このボール保持部32にボールBが収納されると、ボールBの重量で揺動腕31の他端部が揺動し、この他端部に設けたリング状のストッパー33がティーポイント上に停止するように構成している(図10参照)。
【0032】
図示例では、ボール保持部32の下に揺動錘34を配置している(図1参照)。そして、ボール保持部32にボールBが入ると、ボールBの荷重で揺動腕31が揺動し(図9参照)、上端部のストッパー33が下がってティーポイントの上に停止するバランスにしている(図10参照)。このとき、ボールBは揺動腕31を伝って転がり、ティーポイントのストッパー33内まで移動する。
【0033】
更に、ストッパー33内に移動したボールBはストッパー33内で停止する(図12参照)。そうすると、揺動腕31が軽くなり転送装置30のストッパー33がボールBの上に移動する(図13参照)。その後、揺動錘34の重量で揺動腕31が揺動し、元の位置に戻るように構成している(図11参照)。
【0034】
付着具40は、ボール保持部32に配置したボールBの側面に転写可能な染料を付着するものである(図3参照)。この付着具40は、洗浄されたボールBの移動経路内に設置される。図示の付着具40は、ボール保持部32の外側に配置する付着体41を備え、この付着体41がボールBの側面に前記染料を付着する(図13参照)。図示例の付着体41は、水性ペンを利用したもので、ボール保持部32の外側に保持した水性ペンの先端がボール保持部32内のボールBの側面に接触するように構成している(図11参照)。
【0035】
付着具40を設置する洗浄されたボールBの移動経路とは、このボール保持部32の他、洗浄機20の出口や転送装置30の先端部など任意の場所から選択できる。また、付着体41は、図示例に限られるものではなく、ボールBにインクQを付着可能な構成であればよい。例えば、ボールBへの接触面積を拡大してインクQの付着を容易にする構成や、ボールBの側面に染料を吹付ける構成するなど、自由に変更することが可能である。また、ボールBの全面にインクQを付着する構成にしても良い。
【0036】
尚、本発明の形状やサイズ、成分等は実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において自由に変更できるものである。
【符号の説明】
【0037】
B ボール
Q インク
10 ハウジング
11 傾斜面
12 排出口
13 傾斜板
14 補助具
15 回転ピン
16 移動筒体
20 洗浄機
21 回転収納盤
22 収納孔部
23 ブラシ体
24 水槽
25 ラチェット機構
25A 歯車
25B 歯止め
25C 回転腕
25D ライン
25E バネ
26 排出口
27 ペダル
30 転送装置
31 揺動腕
32 ボール保持部
33 ストッパー
34 揺動錘
40 付着具
41 付着体
【要約】
【課題】ショット練習時において、フェース面の打撃位置を確認することで、フェース面を正確な位置に当てる練習をすることが可能なゴルフショット練習機を提供する。
【解決手段】複数のボールBを収容するハウジング10を設ける。ハウジング10内から個別に送り出したボールBを順次洗浄する洗浄機20を設ける。洗浄機20で洗浄されたボールBをティーポイントに送り出す転送装置30を設ける。
ボールBに転写可能なインクQを付着する付着具40を構成する。付着具40を洗浄されたボールBの移動範囲内に設置する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13