IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ハーマンソン,テリーの特許一覧

<>
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図1
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図2
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図3
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図4
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図5
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図6
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図7
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図8
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図9
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図10
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図11
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図12
  • 特許-カムアセンブリを有する傘 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】カムアセンブリを有する傘
(51)【国際特許分類】
   A45B 25/16 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
A45B25/16 A
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023518066
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2021041280
(87)【国際公開番号】W WO2022015648
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】63/050,812
(32)【優先日】2020-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523011543
【氏名又は名称】ハーマンソン,テリー
【氏名又は名称原語表記】HERMANSON, Terry
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ハーマンソン,テリー
(72)【発明者】
【氏名】モン-スエン,ホアン
【審査官】村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-104154(JP,U)
【文献】国際公開第2020/074380(WO,A1)
【文献】特表2007-534426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘であって、
上部、下部、及び縦軸を含む、支持シャフト、
複数のリブであって、前記複数のリブの各リブは、近位端部分及び遠位端部分を有し、前記近位端部分は、前記支持シャフトの前記上部に枢動可能に取り付けられて、開位置と閉位置との間で前記リブを枢動させ、前記遠位端部分が前記閉位置から前記開位置に上向きに、および前記開位置から前記閉位置に下向きに枢動するようにする、前記複数のリブ、
ムを含む回転可能なカムアセンブリであって、前記カムは前記縦軸を中心に、第1の回転方向に、および前記第1の回転方向と逆の第2の回転方向に回転可能であり、
前記カムは、前記複数のリブの各リブと係合し、(i)前記カムが前記第1の回転方向に回転するときに、各リブが前記閉位置から前記開位置の方向へ移動し、(ii)前記カムが前記第2の回転方向に回転するときに、各リブが前記開位置から前記閉位置の方向に移動する、前記カムアセンブリ、及び
前記リブの各々の前記遠位端部分に取り付けられた内縁及び外縁を有する天蓋、
を備える、傘。
【請求項2】
前記複数のリブのそれぞれの前記近位端部分は、前記カムと係合するように構成されたアームを含み、各リブの前記アームは、前記アームの中に形成されたスロットを含み、
前記カムは複数の突起を含み、前記複数の突起の各突起は、前記カムが前記縦軸の周りを回転するときに前記スロット内でスライドするように前記スロットの対応する1つと係合する、請求項1に記載の傘。
【請求項3】
各スロットは、前記スロットが形成される前記リブの前記近位端部分から前記遠位端部分に向かう方向に細長く延びている、請求項2に記載の傘。
【請求項4】
前記スロットは、前記スロットの縦軸を画定する近位端及び遠位端を含み、および
前記スロットは中央部分を含み、前記中央部分は、前記リブが前記開位置にあるとき、前記スロットの前記縦軸よりも低い、請求項3に記載の傘。
【請求項5】
前記スロットは、前記スロットの縦軸を画定する近位端及び遠位端を含み、
前記カムが前記第1の回転方向に回転すると、前記突起が前記スロット内で前記近位端から前記遠位端までスライドして、前記対応するリブを前記閉位置から前記開位置に移動させ、
前記カムが前記第2の回転方向に回転すると、前記突起が前記スロット内で前記遠位端から前記近位端までスライドして、前記対応するリブを前記開位置から前記閉位置に移動させる、請求項3に記載の傘。
【請求項6】
前記複数の突起の各突起は、ロッドであり、前記ロッドは、前記カムが前記第1の回転方向に回転し、前記リブが前記閉位置から前記開位置に移動するときに、前記対応するスロットと係合したままになるような長さを有する、請求項2に記載の傘。
【請求項7】
前記回転可能なカムアセンブリが可動ハンドルをさらに含み、前記可動ハンドルが前記カムに接続され、前記可動ハンドルが移動するときに、前記第1の回転方向及び前記第2の回転方向のうちの少なくとも1つにおいて、前記縦軸の周りで前記カムを回転させるように構成される、請求項1に記載の傘。
【請求項8】
前記可動ハンドルは、前記縦軸を中心に回転するように構成される、請求項7に記載の傘。
【請求項9】
前記回転可能なカムアセンブリは、回転可能なシャフトをさらに含み、前記可動ハンドルは、前記回転可能なシャフトによって前記カムに接続され、前記可動ハンドルが前記縦軸を中心に回転するとき、前記可動ハンドルが前記回転可能なシャフトを前記縦軸を中心に回転させ、前記回転可能なシャフトは前記縦軸を中心に前記カムを回転させる、請求項8に記載の傘。
【請求項10】
前記可動ハンドルは、前記回転可能なシャフトによって前記カムに直接接続される、請求項9に記載の傘。
【請求項11】
前記可動ハンドルは、前記可動ハンドルから駆動力を伝達するように構成された駆動ギアを含み、前記回転シャフトは、前記駆動ギアから前記駆動力を受けるように構成された従動ギアを含む、請求項9に記載の傘。
【請求項12】
複数の中間ギアをさらに備え、前記複数の中間ギアは、前記駆動ギアがサンギアであり、前記従動ギアがリングギアである遊星ギア構成に配置され、
前記中間ギアのそれぞれの歯は、前記駆動ギアの歯及び前記従動ギアの歯と噛み合うように構成され、前記駆動ギアから前記従動ギアに前記駆動力を伝達する、請求項11に記載の傘。
【請求項13】
前記支持シャフトの前記下部に接続されている固定ハンドル、及び
ハブであって、前記複数のリブの各リブは前記ハブに枢動可能に接続され、前記ハブは前記支持シャフトに接続される、前記ハブ、
をさらに備える、請求項7に記載の傘。
【請求項14】
前記複数のリブのそれぞれが、前記縦軸を含まない平面で前記開位置と前記閉位置との間で移動する、請求項1に記載の傘。
【請求項15】
傘であって、
上部、下部、及び縦軸を含む、支持シャフト、
複数のリブであって、前記複数のリブの各リブは、近位端部分、遠位端部分、及び前記近位端部分に形成されたスロットを有し、前記スロットは、近位端及び遠位端を含み、各リブの前記近位端部分は、前記支持シャフトの前記上部に枢動可能に取り付けられ、開位置と閉位置との間で前記リブを枢動させる、前記複数のリブ、
回転可能なカムアセンブリであって、
前記縦軸を中心に回転するように構成されたカムであって、半径方向に突出する複数のロッドを含み、各ロッドが前記リブの対応する1つにおいて前記スロットと係合して前記スロット内をスライドする、前記カム、
前記縦軸を中心に回転するように構成される、可動ハンドル、
前記可動ハンドルを前記カムに接続する回転可能なシャフトであって、前記可動ハンドルが前記縦軸を中心に回転するとき、前記可動ハンドルが前記回転可能なシャフトを前記縦軸を中心に回転させ、前記回転可能なシャフトは前記縦軸を中心に前記カムアセンブリを回転させる、前記回転可能なシャフト、
を含む、前記回転可能なカムアセンブリ、
前記支持シャフトの前記下部に接続される固定ハンドル、及び
前記支持シャフトの前記上部の中央に取り付けられた内縁と、前記リブの各々の前記遠位端部分に取り付けられた外縁とを有する天蓋、を含み、
前記可動ハンドルが第1の方向に回転するとき、各ロッドは、前記対応するスロットにおいて前記近位端から前記遠位端までスライドして、前記対応するリブを前記閉位置から前記開位置に移動させ、
前記可動ハンドルが第2の方向に回転するとき、各ロッドは、前記対応するスロットにおいて前記遠位端から前記近位端までスライドして、前記対応するリブを前記開位置から前記閉位置に移動させる、前記傘。
【請求項16】
前記可動ハンドルは、駆動力を前記ハンドルから従動ギアに伝達するように構成された駆動ギアを有するギアアセンブリを含む、請求項15に記載の傘。
【請求項17】
前記内縁が、前記支持シャフトの前記上部に着脱可能に取り付けられる、請求項15に記載の傘。
【請求項18】
前記支持シャフトの前記上部および前記天蓋の中央穴と着脱可能に係合するように構成されたキャップアセンブリをさらに含み、前記天蓋の前記内縁が前記中央穴を画定する、請求項17に記載の傘。
【請求項19】
前記複数のリブのそれぞれが、前記縦軸を含まない平面内で前記開位置と前記閉位置との間で動き、前記天蓋が複数のパネルを含み、前記パネルはシームで互いに接続され、各シームは対応するリブと整列する、請求項15に記載の傘。
【請求項20】
前記天蓋が複数のパネルを含み、前記パネルはシームで互いに接続され、各シームは対応するリブと実質的に整列する、請求項14に記載の傘。
【請求項21】
前記天蓋の前記内縁が、前記支持シャフトの前記上部と着脱可能に接続するように構成された中央穴を画定する、請求項1に記載の傘。
【請求項22】
前記支持シャフトの前記上部および前記天蓋の中央穴と着脱可能に係合するように構成されたキャップアセンブリをさらに含む、請求項21に記載の傘。
【請求項23】
傘であって、
上部、下部、及び縦軸を含む、支持シャフト、
複数のリブであって、前記複数のリブの各リブは、近位端部分及び遠位端部分を有し、前記近位端部分は、前記支持シャフトの前記上部に枢動可能に取り付けられて、開位置と閉位置との間で前記リブを枢動させ、前記遠位端部分が前記閉位置から前記開位置に上向きに、および前記開位置から前記閉位置に下向きに枢動するようにし、前記複数のリブのそれぞれが、前記縦軸を含まない平面内で前記開位置と前記閉位置との間で動く、前記複数のリブ、
前記縦軸を中心に回転するように構成されたカムを含む回転可能なカムアセンブリであって、前記カムは、前記複数のリブの各リブと係合し、(i)前記カムが第1の方向に回転するときに、各リブが前記閉位置から前記開位置の方向へ移動し、(ii)前記カムが第2の方向に回転するときに、各リブが前記開位置から前記閉位置の方向に移動し、前記第2の方向は前記第1の方向の反対である、前記カムアセンブリ、及び
前記リブの各々の前記遠位端部分に取り付けられた内縁及び外縁を有する天蓋、を備え、前記天蓋は、複数のパネルを含み、前記パネルはシームで互いに接続され、各シームは対応するリブと実質的に整列する、傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年7月12日に出願され、「SPIRAL-SPOKED UMBRELLA」と題する米国仮特許出願第63/050,812号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は傘に関する。
【背景技術】
【0003】
傘は、日光や、雨や雪などの降水といった、自然の要素から、使用者を保護するように設計されている。従来式の傘が開いているとき、強風が天蓋(canopy)の下側に当たり、ストレッチャが上方向に曲がり、天蓋のドーム状の形状が反転する可能性がある。このことで、傘が自然の要素から使用者を保護する効果が薄くなる。さらに、そのような反転はストレッチャを破損させ、したがって傘が使用できなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、本発明は、支持シャフト、複数のリブ、回転可能なカムアセンブリ、及び天蓋を含む傘に関する。支持シャフトは、上部、下部、及び縦軸を含む。複数のリブの各リブは、近位端部分及び遠位端部分を有する。近位端部分は、支持シャフトの上部に枢動可能に取り付けられ、開位置と閉位置との間でリブを枢動させる。回転可能なカムアセンブリは、縦軸を中心に回転するように構成されたカムを含む。カムは、複数のリブの各リブと係合し、(i)カムが第1の方向に回転するときに、各リブが閉位置から開位置の方向へ移動し、(ii)カムが第2の方向に回転するときに、各リブが開位置から閉位置の方向に移動し、第2の方向は第1の方向の反対である。天蓋は、各リブの遠位端部分に取り付けられた内縁及び外縁を有する。
【0005】
別の態様では、本発明は、支持シャフト、複数のリブ、回転可能なカムアセンブリ、固定ハンドル、及び天蓋を含む傘に関する。支持シャフトは、上部、下部、及び縦軸を含む。複数のリブの各リブは、近位端部分、遠位端部分、及び近位端部分に形成されたスロットを有する。スロットは、近位端及び遠位端を含む。各リブの近位端部分は、支持シャフトの上部に枢動可能に取り付けられ、開位置と閉位置との間でリブを枢動させる。回転可能なカムアセンブリは、カム、可動ハンドル、回転可能なシャフト、及び固定ハンドルを含む。カムは、縦軸を中心に回転するように構成されている。カムは、半径方向に突出する複数のロッドを含む。各ロッドは、リブの対応する1つのスロットと係合して、スロット内をスライドする。可動ハンドルは、縦軸を中心に回転するように構成される。回転可能なシャフトは、可動ハンドルが縦軸を中心に回転すると、可動ハンドルが縦軸を中心に回転可能なシャフトを回転させ、回転可能なシャフトが縦軸を中心にカムアセンブリを回転させるように、可動ハンドルをカムに接続する。固定ハンドルは、支持シャフトの下部に接続されている。天蓋は、支持シャフトの上部の中央に取り付けられた内縁と、各リブの遠位端部分に取り付けられた外縁とを有する。可動ハンドルが第1の方向に回転するとき、各ロッドは、対応するスロットにおいて近位端から遠位端までスライドして、対応するリブを閉位置から開位置に移動させる。可動ハンドルが第2の方向に回転するとき、各ロッドは、対応するスロットにおいて遠位端から近位端までスライドして、対応するリブを開位置から閉位置に移動させる。
【0006】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下の開示から当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の好ましい実施形態による傘の側面正投影図である。
図2】傘の天蓋の特徴をいかにして交換し得るかを示す、図1に示す傘の側面正投影図である。
図3】A及びBは、図1に示される傘の天蓋を示す。Aは、傘100の特定の特徴を有する天蓋の上面正投影図であり、Bは、天蓋の側面正投影図である。
図4図1に示された傘の底面正投影図である。
図5】天蓋の下側を示す、図1に示された傘の斜視図である。
図6図1に示す傘のハブの詳細な図である。
図7図1に示す傘のハンドルの斜視図である。
図8図1に示される傘のハブ及びリブの上面正投影図である。
図9図8に示されるハブ及びリブの側面正投影図である。図9はまたハンドルを示し、ハンドルの近くに位置する開閉特徴の断面を含む。
図10図1に示されているハブとリブの詳細な側面正投影図である。
図11】可動ハンドルの回転可能なカムアセンブリへの別の接続を示す、図9に示す図である。
図12図11の線12-12に沿って得られた可動ハンドルのギア構成の断面図である。
図13図11に示されるハンドルアセンブリの部分的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の好ましい実施形態の説明において、「内部(inner)」及び「外部(outer)」という用語は、それぞれ傘の天蓋の内側及び外側に関して使用され、それぞれ「内側(interior)」及び「外側(exterior)」という用語と交換可能である。「上」及び「下」という用語は、図1に示すように、傘を直立させたときの支持シャフトの上端及び下端に対してそれぞれ使用される。さらに、「遠位」及び「近位」という用語は、支持シャフトに関して使用される。より具体的には、「近位」とは支持シャフトに比較的近い位置を指し、「遠位」とはこのシャフトから比較的遠い位置を指す。
【0009】
図1は、本発明の好ましい実施形態による傘100を示す。図1は傘100の側面図であり、図4図1に示す傘の底面図である。傘100は、支持シャフト110(図9参照)と、複数のリブ130によって支持された天蓋120とを含む。支持シャフト110は、上部112及び下部114を含む。各リブ130は、閉位置と開位置との間で移動可能である。図1の破線は、閉位置にあるリブ130を示している。リブ130のそれぞれは、近位端部分132及び遠位端部分134を含む。近位端部分132は、支持シャフト110の上部112に枢動可能に取り付けられ、遠位端部分134は、図1に示されるように、閉位置から開位置まで上方に枢動する。
【0010】
図2は、天蓋120の特徴及び天蓋120をいかにして交換し得るかを示す、傘100の側面正投影図である。図3A及び3Bはまた、天蓋120を示している。図3Aは、傘100の特定の特徴を有する天蓋120の上面正投影図であり、図3Bは、天蓋120の側面正投影図である。天蓋120は、日光、雨や雪などの降水などの自然の要素から使用者を保護するために、防水(または耐水性)布またはプラスチックなどの任意の適切な材料で形成することができる。天蓋120は典型的には不透明な材料であるが、傘100の様々な特徴を明確に示すために、天蓋120は図1及び4では透明な材料として示されている。天蓋120は、上部112で支持シャフト110に接続される。天蓋120は、内縁122及び外縁124を含む。内縁122は、例えば、天蓋120に形成された中央穴125の縁であってもよい。この実施形態では、内部122は、外縁124と同じ幾何学的形状を有する。内縁122は、キャップアセンブリ140によって支持シャフト110の上部に中央に取り付けられる。キャップアセンブリ140は、支持シャフト110の上部112、より具体的には上部先端を挿入することができる中心穴(ボア)を有するアダプタ142を含んでもよい。アダプタ142は、例えば止めねじ144を含む任意の適切な手段によって支持シャフト110に固定され得る。この実施形態のアダプタ142、ひいては天蓋120は、支持シャフト110に取り外し可能に取り付けられ、天蓋120が損傷した場合に天蓋120の交換を容易にする。この実施形態のアダプタ142は、天蓋120の内縁122が、スロット内での圧縮及び/または接着剤などの適切な手段によって取り付けられる円形の外縁を有する。この実施形態では、キャップアセンブリ140は、アダプタ142の上に適合する上部キャップ146を含む。上部キャップ146は、アダプタ142と止めねじ144の装飾カバーを備える。上部キャップ146は、アダプタ142とのスナップ係合などの任意の適切な手段によって、アダプタ142に取り外し可能に取り付けられる。
【0011】
天蓋120の外縁124は、当技術分野で知られている任意の適切な接続によって、リブ130のそれぞれの遠位端部分134に取り付けられる。この実施形態では、天蓋120の下側に複数のレシーバ126が形成されている。各レシーバ126は、各リブ130の遠位端部分134、より具体的には遠位先端の上をスライドするように構成されている。天蓋120を取り外すには、スナップ係合特徴を外し、上部キャップ146をアダプタ142から持ち上げることによって、最初に上部キャップ146を取り外す。次に、止めねじ144を緩めて、アダプタ142を支持シャフト110から取り外す。次に、アダプタ142を移動して、天蓋120にたるみを与え、各レシーバ126が各リブ130の遠位端部分134からスライドすることを可能にし得る。プロセスを逆にして、天蓋120を取り付ける。
【0012】
図1に示されるように、各リブ130は、閉位置において支持シャフト110と平行に配向され、遠位端部分134は、開位置まで上向きかつ外向きに枢動する。支持シャフト110は縦軸102を含み、これはこの実施形態では全体として傘100の縦軸でもあり、各リブ130も閉位置で縦軸102に平行に向けられる。天蓋120が上記のように取り付けられた状態では、リブ130は、図4及び図5に見られるように、リブ130が開位置にあるとき、天蓋120を引き伸ばして、張った状態にしている。図5は、天蓋の下側を示す図1に示す傘の斜視図である。特に、天蓋120は、各リブ130の間にパネル128を含み、開位置ではリブ130はパネル128を伸ばすが、閉位置ではパネル128は弛んでいる。傘100を閉じた状態で固定するために、ストラップ(図示せず)を使用することができる。ストラップは、マジックテープ(登録商標)(Velcro(登録商標))などのフックとループ式のファスナを使用して固定できる。あるいは、天蓋120の外側に2つのストラップ(図示せず)を設けて、ストラップを結び付けることによって天蓋120を閉じた状態に固定することができる。
【0013】
図4及び5に示されるように、リブ130はらせん状の配置を有し、各リブ130は、縦軸102を含まない平面で、開位置と閉位置との間で移動する。以下でさらに論じる場合には、リブ130は、支持シャフトではなく、固定ハブ160に枢動可能に取り付けられる。リブ130は、支持シャフト110の縦軸102から延びる半径方向(図3Aの半径r)と一致する平面または方向に旋回又は枢動せず、むしろリブ130はらせんのパターンを有する。したがって、リブ130のピボット点からのリブ130の長さに基づく半径Rは、半径rと一致しない。天蓋120の生地が開位置でぴんと張られるように、パネル128は、ステッチ(キルトリブ)が、例えば半径方向rではなく、リブ130と一列に並ぶように切断される。
【0014】
傘100の構造、より具体的には回転可能なカムアセンブリ200及び本明細書で説明するリブ130への接続により、従来式の傘と比較して使用するリブの数を減らすことができる。傘100は、少なくとも3つのリブ130を含むことが好ましい。本明細書に示され論じられる実施形態では、傘100は5つのリブ130を含むが、任意の適切な数のリブ130を使用することができる。いくつかの実施形態では、パネル128のそれぞれは、リブ130の間で共に略三角形である。天蓋120は、リブ130の数と同じ数の側面を有する形状(例えば、天蓋の外縁124)を有し得る。例えば、図4及び5に示される実施形態では、傘は5つのリブ130を含み、天蓋120は五角形の形状を有する。他の実施形態では、例えば、傘100が3つのリブ130を含むことができて、天蓋120は三角形の形状を有し、4つのリブ130を含むことができて、天蓋120は長方形などの四角形、またはより具体的には正方形の形状を有し、6つのリブ130を含むことができて、天蓋120は六角形の形状を有し、7つのリブ130を含むことができて、天蓋120は七角形の形状を有し、または、8つのリブ130を含むことができて、天蓋120は八角形の形状を有する。上記のように、リブ130は、支持シャフト110の上部112に枢動可能に取り付けられる。この実施形態では、傘100は固定ハブ160を含み、各リブ130、より具体的には各リブ130の近位端部分132は、固定ハブ160に枢動可能に取り付けられる。図6は、図5の斜視図から示された固定ハブ160の詳細な図である。この実施形態の固定ハブ160は、支持シャフト110の上部112に固定(接続)されている。
【0015】
図1に示され、図7により詳細に示されるように、傘100は固定ハンドル150も含む。固定ハンドル150は、支持シャフト110の下部114に接続されている。図7は、固定ハンドル150の斜視図である。固定ハンドル150は、好ましくは、使用者が傘100を頭上に保持できるように、使用者が快適に保持できる形状である。略円筒形またはフックの形状を含む任意の適切な形状を使用することができる。固定ハンドル150の上に位置するのは、可動ハンドル210である。図1の矢印によって示されるように、可動ハンドル210は、縦軸102を中心に第1の方向に回転して傘100を開き、第1の方向と反対の第2の方向に回転して傘100を閉じることができる。
【0016】
可動ハンドル210は、閉位置と開位置との間で複数のリブ130を移動させるために使用される回転可能なカムアセンブリ200の一部である。回転可能なカムアセンブリ200は、図8及び9を参照してより詳細に説明される。図8は、固定ハブ160及びリブ130のうちの1つの上面正投影図であり、図9は、図8に示される特徴に対応する固定ハブ160及びリブ130のうちの1つの側面正投影図である。図9では、可動ハンドル210が断面で示されている。アーム136は、各リブ130の近位端部分132に配置される。アーム136、より具体的には、アームの近位端(したがってリブ130)は、ピボット162によって固定ハブ160に枢動可能に取り付けられる。アーム136に形成された穴を通って延び、固定ハブ160に固定されてアーム136がファスナの周りを回転できるようにするファスナを含む、任意の適切なピボット162を使用することができる。
【0017】
アーム136は、その中に形成されたスロット170を含む。スロット170は、スロットが形成されたリブ130の近位端部分132から遠位端部分134に向かう方向に細長くなっている。スロット170は、近位端172と、スロット170の縦軸176を画定する遠位端174とを含む。いくつかの実施形態では、スロット170は、縦軸176に沿って近位端172から遠位端174まで直線状であってもよいが、他の実施形態では、スロット170は、曲線の形状またはV字形などの形状を有してもよい。図9に示される実施形態では、スロット170はV字形を有し、近位端172と遠位端174との間の部分を含み、この実施形態では、それは中央部分178である。それは、リブ130が開位置にあるとき、スロット170の縦軸176よりも低い。スロット170は、ピボット162から遠位端部分134に向かう方向に配置される。
【0018】
回転可能なカムアセンブリ200はまた、回転可能なシャフト220及びカム230を含む。可動ハンドル210は、カム230に接続され、可動ハンドル210が動かされると、縦軸102を中心にカム230を回転させるように構成される。この実施形態では、回転可能なシャフト220は、可動ハンドル210とカム230とを接続する。間接的な接続を使用することもできるが、可動ハンドル210をカム230に直接接続して、可動ハンドル210が縦軸102を中心に回転するときに、可動ハンドル210が縦軸を中心に回転シャフト220を回転させ、回転可能なシャフト220が、カム230を可動ハンドル210を中心に回転させるようにする。
【0019】
この実施形態では、支持シャフト110は内側シャフトであり、可動ハンドル210、回転シャフト220、及びカム230のそれぞれを通って延在する。より具体的には、可動ハンドル210、回転シャフト220、及びカム230のそれぞれは、環状でその中に形成された通路を有し、支持シャフト110は通路を通って延びる。しかし、他の適切な構成が使用されてもよく、例えば、支持シャフト110は、その中に形成された通路を有する外側シャフトであってもよく、回転可能なシャフト220が、支持シャフト110を通って延びる内側シャフトであってもよい。
【0020】
カム230は、複数のリブ130の各リブ130と係合し、カム230が第1の方向に回転したときに、各リブ130が閉位置から開位置の方向へ移動し、カム230が第2の方向に回転するときに、各リブ130が開位置から閉位置の方向に移動するようにする。この実施形態では、カム230は、複数の半径方向に突出するロッド234を有する回転可能なハブ232を含む。各ロッド234は、リブ130の対応する1つのスロット170と係合する。ロッド234は、回転可能なハブ232が縦軸102の周りを回転すると、スロット170内でスライドする。回転可能なハブ232が第1の方向に回転すると、各ロッド234は、対応するスロット170において近位端172から遠位端174までスライドして、対応するリブ130を閉位置から開位置に移動させる。回転可能なハブ232とロッド234との組み合わせは、回転可能なハブ232の回転運動をロッド234の並進運動に変える。ロッド234がスロット170内で横行する(sidle)(平行移動する)とき、ロッド234は、スロット170の上面を圧迫し(接触し)、リブ130を閉位置から開位置に持ち上げる。ロッド234は、カム230が回転するとき、ロッド234が移動の長さ全体にわたってスロット170と係合したままになるような長さを有する。傘100を閉じるには、プロセスを逆にする。各ロッド234は、回転可能なハブ232が第2の方向に回転するとき、対応するスロット170において、遠位端174から近位端172までスライドして、対応するリブ130を開位置から閉位置に移動させる。
【0021】
本明細書に記載の傘100及び回転可能なカムアセンブリ200の利点は、傘100が非常に良好な風への耐性を有することである。従来式の傘では、リブは、リブの中間点をシャフトに接続する複数のストレッチャによって支持される。従来式の傘は、フレームとシャフトを最適化して軽量にし、使用者が片手で従来式の傘を持って支えられるようにしていた。その結果、フレームのストレッチャは比較的薄くなる傾向がある。従来式の傘が開いているとき、強風が天蓋の低い側に当たり、ストレッチャが上方向に曲がり、天蓋のドーム状の形状が反転する可能性がある。これにより、傘は降水から保護する効果がなくなる。さらに、そのような反転はストレッチャを破損させ、したがって傘が使用できなくなる可能性がある。
【0022】
図10は、リブ130、固定ハブ160、及びカム230を示す詳細な図である。風と標識付けされた矢印によって示されるように、下側から天蓋120(図10には示されていない)及びリブ130に風が吹くと、矢印Fにより示されているように、結果として生じる力がスロット170の下側によってロッド234に伝達される。この力はロッド234に完全に作用するため、ロッド234の強度と断面積は、傘100の形状を保持し、反転を防止する強度を備える。ロッド234の直径が比較的大きいため、傘100は大量の風に耐えることができる。リブ130のアーム136とカム230との間の接続の強度を考慮して、リブ130は、好ましくは、破壊に抵抗し、軽量でもある強い材料から作られる。この実施形態では、リブ130を形成するために炭素繊維ロッドが使用される。炭素繊維は強いが、強い突風の間、リブ130の弾性的な変形も可能にする。好ましくは、リブ130は、リブ130のアーム136とカム230との間の接続の組み合わせよりも柔軟である。例えば、傘100が開位置にあるとき、リブ130は支持シャフト110に対して曲がることができるが、リブ130のアーム136とカム230との間の接続は十分に強くして、そのような状態で不具合がないようにする。リブ130のアーム136とカム230との間の接続は、風が天蓋120の外面に作用するときと同じくらい強力である。カム230が第2の方向に回転するのを防止するために、図11~13を参照して以下に示され説明されるようなラッチが使用され得る。
【0023】
図11~13は、傘100の別の実施形態を示す。この実施形態は、上述の実施形態と同様であり、同様の参照符号は、この実施形態における同一または類似の構成要素を指すために使用される。そのような構成要素の詳細な説明はここでは省略される。上記の実施形態では、可動ハンドル210は、回転可能なシャフト220によってカム230に直接接続された。可動ハンドル210が回転する容易さを改善するために、可動ハンドル210は、ギアアセンブリ240を介してカム230に接続される。図11は、図9に示す図であって、ギアアセンブリ240によるカム230への可動ハンドル210の接続を示す図である。図12は、図11の線12-12に沿って得られた可動ハンドルのギアアセンブリ240の断面図であり、図13は、図11に示される固定ハンドル150及び可動ハンドル210の部分的な断面図である。
【0024】
可動ハンドル210は駆動ギア242を含み、回転可能なシャフト220は従動ギア244を含む。可動ハンドル210の駆動ギア242は、駆動力を可動ハンドル210から回転シャフト220の従動ギア244に伝達するように構成される。この実施形態では、駆動ギア242及び従動ギア244は、それぞれ可動ハンドル210及び回転シャフト220と一体成形(形成)されている。
【0025】
この実施形態のギアアセンブリ240は、駆動ギア242がサンギアであり、従動ギア244がリングギアである遊星ギア装置である。ギアアセンブリ240はまた、その外面に形成された歯を有する複数の中間ギア246を含む。駆動ギア242の外側には歯が形成されており、各中間ギア246の歯は駆動ギア242の歯と噛み合い、駆動力が駆動ギア242から中間ギア246に伝達される。上述のように、従動ギア244は、その内面に歯が形成されたリングギアである。中間ギア246の歯はまた、従動ギア244の歯と噛み合い、駆動力を中間ギア246から従動ギア244、したがって回転シャフト220に伝達する。駆動ギア242及び従動ギア244は、互いに同軸上に配置され、軸は縦軸102である。駆動ギア242及び従動ギア244のそれぞれは、縦軸102の周りを回転するように構成される。
【0026】
図10に示されるこの実施形態では、駆動ギア242は、可動ハンドル210に取り付けられ、より具体的にはそれと一体的に形成され、従動ギア244は、回転可能なシャフト220に取り付けられ、より具体的にはそれと一体的に形成される。他の実施形態では、異なる構成を使用することができる。例えば、駆動ギア242は、回転可能なシャフト220に取り付けられ、より具体的にはそれと一体的に形成されてもよく、従動ギア244は、カム230の回転可能なハブ232に取り付けられ、より具体的にはそれと一体的に形成されてもよい。このような構成により、ハンドルを回転させるのに必要な駆動力は、適切なギアの比によって低減することができる。駆動ギア242と従動ギア244のギア比が(中間ギア246の遊星ギア配置を考慮して)1:2の場合、駆動力は、直結構成と比べて半減できる。ただし、このような構成でも、可動ハンドル210が直接接続構成に比べて2倍回転することになることは理解されるであろう。
【0027】
上述のように、ロック機構180を使用して、可動ハンドル210、ひいては回転カムアセンブリ200が回転するのを防止することができる。そのようなロック機構180の例は、図11及び13に示されている。この実施形態のロック機構180は、固定ハンドル150から突出し、使用者がばね184の付勢力に抗して押すことができるボタン182を含む。ロック機構180は、可動ハンドル210と係合する係合部分186も含む。ボタン182が押されると、係合部分186が可動ハンドル210から外れ、可動ハンドル210が回転できるようになる。ロック機構180は、係合部分186が係合する可動ハンドル210の内面に形成されたスロットを有することによって、可動ハンドル210を開位置及び閉位置などの別個の位置にロックするように構成され得る。
【0028】
本発明は、ある特定の例示的な実施形態に関して説明されてきたが、多くの追加の修正及び変形は、この開示に照らして当業者には明らかであろう。したがって、添付の特許請求の範囲内で、本発明は、具体的に説明されたとおり以外にも実施できることが理解される。したがって、本発明の例示的な実施形態は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、本発明の範囲は、前述の説明ではなく、本願及びその均等物によってサポートされ得る任意の請求項によって決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13