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特許7390143情報配信装置、情報配信システム及び情報配信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】情報配信装置、情報配信システム及び情報配信方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231124BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20231124BHJP
   G06Q 30/0241 20230101ALI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/30
G06Q30/0241
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019171537
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021047805
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】512200217
【氏名又は名称】GO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(72)【発明者】
【氏名】米山 輝一
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-210713(JP,A)
【文献】特開2017-168047(JP,A)
【文献】国際公開第2017/098803(WO,A1)
【文献】特開2016-164696(JP,A)
【文献】特開2020-094882(JP,A)
【文献】特開2017-146808(JP,A)
【文献】特開2005-242558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客を運送するための車両により実車中に提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報と、前記実車中に乗車していた乗客を識別するための乗客識別情報と、前記車両における前記実車ごとに割り当てられる運行管理情報と、を関連付けて取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記乗客識別情報を特定し、特定した前記乗客識別情報に対応する情報端末に対して、前記情報取得部が取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報を配信する情報配信部と、
を有する情報配信装置。
【請求項2】
乗客を運送するための車両により実車中に提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報であって、前記車両の前記実車中に前記乗客に提示したコンテンツを特定する情報を含む運行サービス情報と、前記実車中に乗車していた乗客を識別するための乗客識別情報と、を関連付けて取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記乗客識別情報に対応する情報端末に対して、前記情報取得部が取得した前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報であって、前記コンテンツに関連するアンケート情報を含む提供情報を配信する情報配信部と、
前記情報配信部が配信した前記アンケート情報に対する回答を取得する回答取得部と、
前記回答取得部が取得した前記回答を、前記アンケート情報に対応する前記運行サービス情報の種類ごとに集計する集計部と、
を有する情報配信装置。
【請求項3】
乗客を運送するための車両により実車中に提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報であって、前記車両の前記実車における走行情報を含む運行サービス情報と、前記実車中に乗車していた乗客を識別するための乗客識別情報と、を関連付けて取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記乗客識別情報に対応する情報端末に対して、前記情報取得部が取得した前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報であって、前記情報取得部が取得した前記走行情報に関連するアンケート情報を含む提供情報を配信する情報配信部と、
前記情報配信部が配信した前記アンケート情報に対する回答を取得する回答取得部と、
前記回答取得部が取得した前記回答を、前記アンケート情報に対応する前記運行サービス情報の種類ごとに集計する集計部と、
を有する情報配信装置。
【請求項4】
乗客を運送するための車両により実車中に提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報と、前記実車中に乗車していた乗客を識別するための乗客識別情報と、を関連付けて取得する情報取得部と、
前記乗客識別情報と、前記乗客に関係している関係者を識別するための関係者識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記情報取得部が前記運行サービス情報及び前記乗客識別情報を関連付けて取得した場合に、前記記憶部において当該乗客識別情報に関連付けられた前記関係者識別情報に対応する情報端末に対して、前記情報取得部が取得した前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報を配信する情報配信部と、
を有する情報配信装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、前記車両における前記実車ごとに割り当てられる運行管理情報と、前記運行サービス情報と、前記乗客識別情報と、を関連付けて取得し、
前記情報配信部は、前記情報取得部が取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記乗客識別情報を特定し、特定した前記乗客識別情報に対応する前記情報端末に対して、前記情報取得部が取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記運行サービス情報に基づいて作成された前記提供情報を配信する、
請求項2から4のいずれか一項に記載の情報配信装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車中に前記乗客に提示したコンテンツを特定する情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記情報配信部は、前記コンテンツに関連するアンケート情報を前記提供情報として配信する、
請求項に記載の情報配信装置。
【請求項7】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における走行情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記情報配信部は、前記情報取得部が取得した前記走行情報に関連するアンケート情報を前記提供情報として配信する、
請求項に記載の情報配信装置。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点、走行ルート、走行距離及び走行時間のうちの少なくともいずれかを示す前記走行情報を前記運行サービス情報として取得する、
請求項3又は7に記載の情報配信装置。
【請求項9】
前記情報配信部が配信した前記アンケート情報に対する回答を取得する回答取得部と、
前記回答取得部が取得した前記回答を、前記アンケート情報に対応する前記運行サービス情報の種類ごとに集計する集計部と、
をさらに有する、
請求項6又は7に記載の情報配信装置。
【請求項10】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点及び走行ルートのうちの少なくともいずれかを示す走行情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記情報配信部は、前記乗車地点、前記降車地点及び前記走行ルートのうち少なくともいずれかに関連付けられた店舗の広告情報を前記提供情報として配信する、
請求項1、2及び4のいずれか一項に記載の情報配信装置。
【請求項11】
前記乗客識別情報と、前記乗客に関係している関係者を識別するための関係者識別情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記情報配信部は、前記情報取得部が前記運行サービス情報及び前記乗客識別情報を関連付けて取得した場合に、前記記憶部において当該乗客識別情報に関連付けられた前記関係者識別情報に対応する情報端末に対して前記提供情報を配信する、
請求項2又は3に記載の情報配信装置。
【請求項12】
乗客を運送するための車両に乗車する乗客が使用する乗客端末と、前記車両に搭載された車両端末と、前記乗客端末に情報を配信する情報配信装置と、を備え、
前記乗客端末は、
前記乗客を識別するための乗客識別情報を前記情報配信装置に送信する乗客端末送信部と、
前記情報配信装置が配信した前記情報を表示部に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記車両端末は、
前記車両により実車中に提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報を前記情報配信装置に送信する車両端末送信部を有し、
前記情報配信装置は、
前記乗客端末が送信した前記乗客識別情報と、前記車両端末が送信した前記運行サービス情報と、を関連付けて取得する情報取得部と、
前記情報取得部が取得した前記乗客識別情報に対応する前記乗客端末に対して、前記情報取得部が取得した前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報を配信する情報配信部と、
を有する情報配信システム。
【請求項13】
前記乗客端末送信部は、前記車両における前記実車ごとに割り当てられる運行管理情報と、前記乗客識別情報と、を関連付けて前記情報配信装置に送信し、
前記車両端末送信部は、前記運行管理情報と、前記運行サービス情報と、を関連付けて送信し、
前記情報取得部は、前記乗客端末及び前記車両端末が送信した前記運行管理情報と、前記車両端末が送信した前記運行サービス情報と、前記乗客端末が送信した前記乗客識別情報と、を関連付けて取得し、
前記情報配信部は、前記情報取得部が取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記乗客識別情報を特定し、特定した前記乗客識別情報に対応する前記乗客端末に対して、前記情報取得部が取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記運行サービス情報に基づいて作成された前記提供情報を配信する、
請求項12に記載の情報配信システム。
【請求項14】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車中に前記乗客に提示したコンテンツを特定する情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記情報配信部は、前記コンテンツに関連するアンケート情報を前記提供情報として配信する、
請求項12又は13に記載の情報配信システム。
【請求項15】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における走行情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記情報配信部は、前記情報取得部が取得した前記走行情報に関連するアンケート情報を前記提供情報として配信する、
請求項12又は13に記載の情報配信システム。
【請求項16】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点、走行ルート、走行距離及び走行時間のうちの少なくともいずれかを示す前記走行情報を前記運行サービス情報として取得する、
請求項15に記載の情報配信システム。
【請求項17】
前記情報配信部が配信した前記アンケート情報に対する回答を取得する回答取得部と、
前記回答取得部が取得した前記回答を、前記アンケート情報に対応する前記運行サービス情報の種類ごとに集計する集計部と、
をさらに有する、
請求項14から16のいずれか一項に記載の情報配信システム。
【請求項18】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点及び走行ルートのうちの少なくともいずれかを示す走行情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記情報配信部は、前記乗車地点、前記降車地点及び前記走行ルートのうち少なくともいずれかに関連付けられた店舗の広告情報を前記提供情報として配信する、
請求項12から14のいずれか一項に記載の情報配信システム。
【請求項19】
前記乗客識別情報と、前記乗客に関係している関係者を識別するための関係者識別情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、
前記情報配信部は、前記情報取得部が前記運行サービス情報及び前記乗客識別情報を関連付けて取得した場合に、前記記憶部において当該乗客識別情報に関連付けられた前記関係者識別情報に対応する情報端末に対して前記提供情報を配信する、
請求項12から18のいずれか一項に記載の情報配信システム。
【請求項20】
プロセッサが実行する、
乗客を運送するための車両により実車中に提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報と、前記実車中に乗車していた乗客を識別するための乗客識別情報と、前記車両における前記実車ごとに割り当てられる運行管理情報と、を関連付けて取得するステップと、
前記取得するステップが取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記乗客識別情報を特定するステップと、
前記特定するステップが特定した前記乗客識別情報に対応する情報端末に対して、前記取得するステップが取得した前記運行管理情報に関連付けられた前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報を配信するステップと、
前記情報端末上で前記提供情報を表示するステップと、
を有する情報配信方法。
【請求項21】
前記取得するステップは、前記車両の前記実車中に前記乗客に提示したコンテンツを特定する情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記配信するステップは、前記コンテンツに関連するアンケート情報を前記提供情報として配信する、
請求項20に記載の情報配信方法。
【請求項22】
前記取得するステップは、前記車両の前記実車における走行情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記配信するステップは、前記取得するステップが取得した前記走行情報に関連するアンケート情報を前記提供情報として配信する、
請求項20に記載の情報配信方法。
【請求項23】
前記取得するステップは、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点、走行ルート、走行距離及び走行時間のうちの少なくともいずれかを示す前記走行情報を前記運行サービス情報として取得する、
請求項22に記載の情報配信方法。
【請求項24】
前記配信するステップが配信した前記アンケート情報に対する回答を取得するステップと、
前記回答を取得するステップが取得した前記回答を、前記アンケート情報に対応する前記運行サービス情報の種類ごとに集計するステップと、
をさらに有する、
請求項21から23のいずれか一項に記載の情報配信方法。
【請求項25】
前記取得するステップは、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点及び走行ルートのうちの少なくともいずれかを示す走行情報を前記運行サービス情報として取得し、
前記配信するステップは、前記乗車地点、前記降車地点及び前記走行ルートのうち少なくともいずれかに関連付けられた店舗の広告情報を前記提供情報として配信する、
請求項20又は21に記載の情報配信方法。
【請求項26】
前記配信するステップは、前記取得するステップが前記運行サービス情報及び前記乗客識別情報を関連付けて取得した場合に、前記乗客識別情報と前記乗客に関係している関係者を識別するための関係者識別情報とを関連付けて記憶する記憶部において当該乗客識別情報に関連付けられた前記関係者識別情報に対応する情報端末に対して前記提供情報を配信する、
請求項20から25のいずれか一項に記載の情報配信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を配信するための情報配信装置、情報配信システム及び情報配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タクシーの乗客にタクシーの運転手を評価するためのアンケートに回答してもらうシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。従来のシステムにおいては、タクシーの走行中に、乗客がハンディターミナルにアンケート結果を入力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-158741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムでは、タクシーの走行中に乗客がアンケート内容を視認し、乗客がアンケート結果を入力する必要があった。しかしながら、タクシーの走行中は揺れるので、アンケート結果を端末に入力することは困難であった。そこで、タクシーやバス等のように乗客を運送するための車両から乗客が降りた後に、乗客に対して、乗車時の状況に関連する情報を提供することが求められていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、一例として、乗客が車両から降りた後に、乗車時の状況に関連する情報を提供できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報配信装置は、乗客を運送するための車両における実車ごとに割り当てられる運行管理情報と、当該運行管理情報に関連付けられており、前記実車中に前記車両により提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報と、前記実車中に乗車していた乗客を識別するための乗客識別情報と、を関連付けて取得する情報取得部と、前記運行サービス情報に対応する前記運行管理情報に関連付けられた前記乗客識別情報を特定し、特定した前記乗客識別情報に対応する情報端末に対して、前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報を配信する情報配信部と、を有する。
【0007】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車中に前記乗客に提示したコンテンツを特定する情報を前記運行サービス情報として取得し、前記情報配信部は、前記コンテンツに関連するアンケート情報を前記提供情報として配信してもよい。
【0008】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点、走行ルート、走行距離及び走行時間のうちの少なくともいずれかを示す走行情報を前記運行サービス情報として取得し、前記情報配信部は、前記情報取得部が取得した前記走行情報に関連するアンケート情報を前記提供情報として配信してもよい。
【0009】
前記情報配信装置は、前記情報配信部が配信した前記アンケート情報に対する回答を取得する回答取得部と、前記回答取得部が取得した前記回答を、前記アンケート情報に対応する前記運行サービス情報の種類ごとに集計する集計部と、をさらに有してもよい。
【0010】
前記情報取得部は、前記車両の前記実車における乗車地点、降車地点及び走行ルートのうちの少なくともいずれかを示す走行情報を前記運行サービス情報として取得し、前記情報配信部は、前記乗車地点、前記降車地点及び前記走行ルートのうち少なくともいずれかに関連付けられた店舗の広告情報を前記提供情報として配信してもよい。
【0011】
前記情報配信装置は、前記乗客識別情報と、前記乗客に関係している関係者を識別するための関係者識別情報とを関連付けて記憶する記憶部をさらに有し、前記情報配信部は、前記運行管理情報及び前記運行サービス情報に関連付けて前記情報取得部が前記乗客識別情報を取得した場合に、前記記憶部において当該乗客識別情報に関連付けられた前記関係者識別情報に対応する情報端末に対して前記提供情報を配信してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の情報配信システムは、乗客を運送するための車両に乗車する乗客が使用する乗客端末と、前記車両に搭載された車両端末と、前記乗客端末に情報を配信する情報配信装置と、を備え、前記乗客端末は、前記車両における実車ごとに割り当てられる運行管理情報と、前記乗客を識別するための乗客識別情報とを前記情報配信装置に送信する乗客端末送信部と、前記情報配信装置が配信した前記情報を表示部に表示させる表示制御部と、を有し、前記車両端末は、前記運行管理情報と、前記実車中に前記車両により提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報と、を関連付けて前記情報配信装置に送信する車両端末送信部を有し、前記情報配信装置は、前記運行管理情報と前記乗客識別情報とを関連付けて前記乗客端末から取得し、前記運行管理情報と前記運行サービス情報とを関連付けて前記車両端末から取得する情報取得部と、前記運行サービス情報に対応する前記運行管理情報に関連付けられた前記乗客識別情報を特定し、特定した前記乗客識別情報に対応する前記乗客端末に対して、前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報を配信する情報配信部と、を有する。
【0013】
本発明の第3の態様の情報配信方法は、プロセッサが実行する、乗客を運送するための車両における実車ごとに割り当てられる運行管理情報と、当該運行管理情報に関連付けられており、前記実車中に前記車両により提供されたサービスの内容を示す運行サービス情報と、前記実車中に乗車していた乗客を識別するための乗客識別情報と、を関連付けて取得するステップと、前記運行サービス情報に対応する前記運行管理情報に関連付けられた前記乗客識別情報を特定し、特定した前記乗客識別情報に対応する情報端末に対して、前記運行サービス情報に基づいて作成された提供情報を配信するステップと、前記情報端末上で前記提供情報を表示するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、一例として、乗客が車両から降りた後に、乗車時の状況に関連する情報を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る情報配信システムの概要を説明するための図である。
図2】実施形態に係る情報配信システムのブロック図である。
図3】実施形態に係る情報配信システムのブロック図である。
図4】運行サービス情報を説明するための模式図である。
図5】情報取得部が運行管理情報、運行サービス情報及び乗客識別情報を取得する方法を説明するための模式図である。
図6】提供情報を表示している乗客端末の正面図である。
図7】関係者端末に提供情報を配信する方法を説明するための模式図である。
図8】実施形態に係る情報配信システムが実行する情報配信方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[情報配信システムの概要]
図1は、本実施形態に係る情報配信システムSの概要を説明するための図である。情報配信システムSは、乗客を運送するための車両に関連する情報を配信するシステムであり、情報配信装置1と、乗客端末2と、車両端末3とを備える。情報配信システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0017】
情報配信装置1は、アンケート情報や広告情報等の提供情報を乗客端末2へ配信する、サーバ等のコンピュータである。情報配信装置1は、乗客端末2との間で情報を送受信するとともに、車両端末3との間で情報を送受信する。情報配信装置1は、インターネット等の通信ネットワークを介して、乗客端末2及び車両端末3と接続されている。
【0018】
乗客端末2は、車両に乗車する乗客が使用するスマートフォン、タブレット端末等の情報端末である。車両端末3は、車両に搭載されている車載端末である。車両端末3は、例えば乗客が視認可能な位置に設けられており、乗客に対して情報を提示できる。本実施形態において、車両はタクシーであるが、バス等、乗客を運送するその他の車両であってもよい。
【0019】
本実施形態に係る情報配信システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。乗客が乗客を運送するための車両に乗車した後に、乗客が有する乗客端末2は、実車ごとに割り当てられる運行管理情報を取得する。実車は、乗客が車両に乗車してから降車するまでの期間である。例えば乗客端末2は、車両端末3に表示されたコードを読み取ること、車両端末3から出力された音を取得すること、又は車両端末3と近距離無線通信を行うことによって、運行管理情報を取得する。乗客端末2は、取得した運行管理情報を、乗客を識別するための乗客識別情報と関連付けて情報配信装置1へ送信する。
【0020】
車両端末3は、実車中に車両が乗客に提供したサービスの内容を示す運行サービス情報を取得する。運行サービス情報は、1回の実車における、乗客に提示されたコンテンツを特定するコンテンツ情報と、車両の走行に関する走行情報との少なくとも一方を含む。車両端末3は、取得した運行サービス情報を、運行管理情報と関連付けて情報配信装置1へ送信する。
【0021】
情報配信装置1は、乗客端末2及び車両端末3が送信した情報に基づいて、運行管理情報と、運行サービス情報と、乗客識別情報とを関連付けて取得する。情報配信装置1は、取得した運行サービス情報に基づいて、提供情報を作成する。例えば提供情報は、乗客に対するアンケート情報、又は乗客に提示する広告情報である。情報配信装置1は、運行サービス情報に対応する運行管理情報に関連付けられた乗客識別情報を特定する。そして情報配信装置1は、運行サービス情報に基づいて作成した提供情報を、特定した乗客識別情報に対応する乗客端末2に対して配信する。
【0022】
このように、情報配信装置1は、運行管理情報と、運行サービス情報と、乗客識別情報とを関連付けることによって、運行サービス情報に基づいて作成されたアンケート情報や広告情報を乗客端末2へ送信する。これにより、情報配信装置1は、乗客が車両から降りた後であっても、乗車時の状況に関連する情報を乗客に提供できる。
【0023】
[情報配信システムSの構成]
図2図3は、本実施形態に係る情報配信システムSのブロック図である。図2図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2図3に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0024】
情報配信装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、情報取得部131と、提供情報作成部132と、情報配信部133と、回答取得部134と、集計部135とを有する。
【0025】
通信部11は、インターネット等の通信ネットワークを介して乗客端末2及び車両端末3と通信を行うための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部12は、情報配信装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0026】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、情報取得部131、提供情報作成部132、情報配信部133、回答取得部134及び集計部135として機能する。制御部13の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部13の機能の少なくとも一部は、制御部13がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0027】
乗客端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、操作部25とを有する。制御部23は、乗客端末取得部231と、乗客端末送信部232と、表示制御部233とを有する。
【0028】
通信部21は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報配信装置1と通信を行うための通信インターフェースである。記憶部22は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部22は、乗客端末2の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部23との間でデータの授受を行ってもよい。
【0029】
制御部23は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行することにより、乗客端末取得部231、乗客端末送信部232及び表示制御部233として機能する。制御部23の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部23の機能の少なくとも一部は、制御部23がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0030】
表示部24は、情報を表示可能な液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含む。操作部25は、人間による操作を受け付け可能なタッチパネル等を含む。
【0031】
車両端末3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、表示部34と、操作部35とを有する。制御部33は、車両端末取得部331と、車両端末送信部332と、表示制御部333とを有する。
【0032】
通信部31は、インターネット等の通信ネットワークを介して情報配信装置1と通信を行うための通信インターフェースである。記憶部32は、ROM、RAM、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを予め記憶している。記憶部32は、車両端末3の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部33との間でデータの授受を行ってもよい。
【0033】
制御部33は、例えばCPU等のプロセッサであり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、車両端末取得部331、車両端末送信部332及び表示制御部333として機能する。制御部33の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部33の機能の少なくとも一部は、制御部33がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0034】
表示部34は、情報を表示可能な液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等を含む。操作部35は、人間による操作を受け付け可能なタッチパネル等を含む。
【0035】
本実施形態に係る情報配信システムSは、図2図3に示す具体的な構成に限定されない。情報配信装置1、乗客端末2及び車両端末3は、それぞれ2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。例えば情報配信装置1は、単一のコンピュータによって構成されてもよく、互いに連携する複数のコンピュータによって構成されてもよく、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0036】
[情報配信方法の説明]
以下、本実施形態に係る情報配信システムSが実行する情報配信方法を詳細に説明する。乗客が車両に乗車した後に、車両端末3において、車両端末取得部331は、実車ごとに割り当てられる運行管理情報を生成する。実車は、乗客が車両に乗車してから降車するまでの期間である。例えば車両がタクシーである場合に、実車は、車両が乗客の目的地に向かって発車してから目的地に到着するまでの期間であってもよい。例えば車両がバスである場合に、実車は、バスが始点から終点まで走行する期間の中で1人の乗客が乗車してから降車するまでの期間であってもよい。
【0037】
運行管理情報は、実車を識別するための識別情報であり、例えばセッションIDや決済IDである。車両端末取得部331は、無作為に又は所定の規則に従って運行管理情報を生成し、実車に割り当てる。記憶部32は、車両端末取得部331が生成した運行管理情報を記憶する。
【0038】
乗客が車両に乗車している間に、車両端末3において、表示制御部333は、乗客に提示するコンテンツを、表示部34に表示させる。表示制御部333は、予め記憶部32に記憶されたコンテンツを表示部34に表示させ、又は情報配信装置1若しくはその他の装置から受信したコンテンツを表示部34に表示させる。
【0039】
乗客端末2において、乗客端末取得部231は、乗客が車両に乗車している間のいずれかのタイミング(例えば、乗客が車両に乗車した直後や、乗客が決済を行ったタイミング)で、運行管理情報を取得する。
【0040】
例えば乗客端末取得部231は、車両端末3の表示部34に表示されたコードを読み取ることによって、運行管理情報を取得する。この場合に、車両端末3の表示制御部333は、車両端末取得部331が生成した運行管理情報を所定の規則に従って符号化することによって、運行管理情報を示すコード(バーコード、2次元コード等)を生成し、生成したコードを表示部34に表示させる。乗客端末取得部231は、乗客端末2が有する撮像部を用いてコードを撮像し、撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードが示す運行管理情報を取得する。
【0041】
また、例えば乗客端末取得部231は、車両端末3から出力された音を取得することによって、運行管理情報を取得してもよい。この場合に、車両端末3は、車両端末取得部331が生成した運行管理情報を所定の規則に従って符号化することによって、運行管理情報を示す音(可聴音、超音波等)を生成し、生成した音を車両に設けられたスピーカを用いて出力する。乗客端末取得部231は、乗客端末2が有するマイクロフォンを用いて音を取得し、取得した音を所定の規則に従って復号することによって、音が示す運行管理情報を取得する。
【0042】
また、例えば乗客端末取得部231は、車両端末3と近距離無線通信を行うことによって、運行管理情報を取得してもよい。この場合に、乗客端末2の通信部21と、車両端末3の通信部31とは、Bluetooth(登録商標)、無線LAN等の近距離無線通信で接続される。乗客端末取得部231は、車両端末3が近距離無線通信によって送信した運行管理情報を取得する。
【0043】
乗客端末送信部232は、乗客端末取得部231が取得した運行管理情報を、乗客を識別するための乗客識別情報と関連付けて情報配信装置1へ送信する。乗客識別情報は、乗客を識別するための識別情報であり、例えばユーザIDやメールアドレスである。乗客識別情報は、予め乗客端末2に記憶されている。乗客端末送信部232は、運行管理情報及び乗客識別情報を、乗客端末取得部231が運行管理情報を取得した際に送信してもよく、乗客が車両から降車する際(例えば車両が目的地に到着した際や、乗客が決済を行った際)に送信してもよい。
【0044】
別の方法として、車両端末3において、車両端末取得部331は、乗客端末2に表示されたコードを読み取ること、乗客端末2から出力された音を取得すること、又は乗客端末2と近距離無線通信を行うことによって、乗客識別情報を取得してもよい。この場合に、車両端末送信部332は、車両端末取得部331が取得した乗客識別情報を、運行管理情報と関連付けて情報配信装置1へ送信する。
【0045】
車両端末3において、車両端末取得部331は、乗客が車両から降車する際(例えば車両が目的地に到着した際や、乗客が決済を行った際)に、実車中に車両が乗客に提供したサービスの内容を示す運行サービス情報を運行管理情報と対応付けて記憶する。運行サービス情報は、コンテンツ情報及び走行情報のうち少なくとも一方を含む。
【0046】
図4(a)、図4(b)は、運行サービス情報を説明するための模式図である。図4(a)は、運行サービス情報が含むコンテンツ情報に対応するコンテンツを表している。上述のように、コンテンツは、実車中に乗客に提示された情報であり、例えば店舗等の広告情報である。コンテンツ情報は、コンテンツを特定するための情報であり、例えばコンテンツごとに割り当てられている識別情報である。車両端末取得部331は、記憶部32から、コンテンツ情報を取得する。
【0047】
図4(b)は、運行サービス情報が含む走行情報を表している。走行情報は、車両の走行に関する情報であり、例えば乗車地点、降車地点、走行ルート、走行距離、走行時間のうち少なくともいずれかを含む。車両端末取得部331は、車両に搭載されたコンピュータから、走行情報を取得する。
【0048】
車両端末送信部332は、車両端末取得部331が取得した1回の実車における運行サービス情報を、該実車に割り当てられている運行管理情報と関連付けて情報配信装置1へ送信する。すなわち、運行サービス情報は、1回の実車中に表示制御部333が乗客に提示した1つ又は複数のコンテンツを特定するコンテンツ情報と、1回の実車における車両の走行情報との少なくとも一方を含む。
【0049】
情報配信装置1において、情報取得部131は、1回の実車に係る、運行管理情報と、運行サービス情報と、乗客識別情報とを関連付けて取得する。図5(a)、図5(b)は、情報取得部131が運行管理情報、運行サービス情報及び乗客識別情報を取得する方法を説明するための模式図である。
【0050】
情報取得部131は、乗客端末2が送信した運行管理情報及び乗客識別情報を取得する。すなわち、情報取得部131は、図5(a)のように、乗客端末2が、車両端末3に表示されたコードを読み取ること、車両端末3から出力された音を取得すること、又は車両端末3と近距離無線通信を行うことによって取得した運行管理情報を、乗客識別情報とともに乗客端末2から受信する。これにより、情報取得部131は、運行管理情報と乗客識別情報とを関連付けて取得できる。また、情報取得部131は、運行管理情報及び乗客識別情報を、車両端末3から受信してもよい。
【0051】
別の方法として、情報取得部131は、乗客が車両の配車予約を行った際の予約情報に基づいて、運行管理情報及び乗客識別情報を取得してもよい。例えば、図5(b)のように、乗客は、乗客端末2にインストールされた車両配車アプリケーションに乗客識別情報を入力し、乗客識別情報を配車管理装置へ送信することで、予め車両の配車の予約をする。あるいは、乗客は、車両配車サービスを提供する会社のコールセンターに電話し、オペレーターに乗客識別情報を伝え、オペレーターが当該乗客識別情報を配車管理装置に入力することで、予め車両の配車の予約をする。配車管理装置は、車両の配車を管理する装置であり、情報配信装置1と一体化されていてもよく、情報配信装置1とは別の装置であってもよい。
【0052】
情報配信装置1において、情報取得部131は、配車管理装置から、乗客端末2が行った予約に係る予約情報を取得する。予約情報は、予約を行った乗客の乗客識別情報と、配車された車両における実車に割り当てられている運行管理情報とを含む。これにより、情報取得部131は、乗客端末2が車両において運行管理情報を取得しなくとも、予約情報に基づいて運行管理情報と乗客識別情報とを関連付けて取得できる。
【0053】
次に情報取得部131は、車両端末3が送信した運行管理情報及び運行サービス情報を受信する。そして情報取得部131は、同一の運行管理情報に関連付けられた(すなわち1回の実車に係る)運行サービス情報と乗客識別情報とを関連付けることによって、運行管理情報と、運行サービス情報と、乗客識別情報とを関連付けて取得する。
【0054】
提供情報作成部132は、情報取得部131が取得した運行サービス情報に基づいて、提供情報を作成する。提供情報は、乗客に対するアンケート情報と、乗客に提示する広告情報とのうち少なくとも一方を含む。アンケート情報は、例えば、運行サービス情報が含むコンテンツ情報に対応するコンテンツに関連するアンケートを含む。コンテンツに関連するアンケートは、例えばコンテンツを見た覚えがあるかや、コンテンツの感想、コンテンツが示す商品に対する印象等の質問を含む。また、例えばアンケート情報は、運行サービス情報が含む走行情報に関連するアンケートを含む。走行情報に関連するアンケートは、例えば車両の乗り心地、車両の走行に対する不満等の質問を含む。
【0055】
広告情報は、例えば、運行サービス情報が含む走行情報が示す乗車地点、降車地点及び走行ルートのうち少なくともいずれかに関連付けられた店舗の広告を含む。広告は、店舗の場所や連絡先の情報、乗客に提供する特典(例えばクーポン)等を含む。また、広告は、運行サービス情報が示す、実車中に乗客に提示されたコンテンツに関する広告であってもよい。
【0056】
情報配信部133は、提供情報作成部132が作成した提供情報を乗客端末2に対して配信する。例えば、提供情報作成部132が運行サービス情報に基づいて提供情報を作成した後に、情報配信部133は、該運行サービス情報に対応する実車に割り当てられた運行管理情報に関連付けられた乗客識別情報を特定する。そして情報配信部133は、特定した乗客識別情報に対応する乗客端末2に対して、提供情報作成部132が作成した提供情報を配信する。
【0057】
これにより、情報配信装置1は、実際に車両に乗車した乗客に対してアンケートを提供できるため、コンテンツの内容及び提供したサービスの内容を高い精度で分析できる。また、情報配信装置1は、乗客が車両から降りた後であっても、乗客端末2を特定し、実車中に車両が乗客に提供したサービスの内容に関するアンケート情報や広告情報を乗客端末2に配信できる。また、情報配信装置1は、運行サービス情報に基づいて広告情報を作成することによって、乗客端末2の位置情報を取得しなくとも、実際に乗客が車両で移動したルート上の地点に関連する広告を、乗客に提供することができる。
【0058】
乗客端末2において、乗客端末取得部231は、情報配信装置1が送信した提供情報を取得する。表示制御部233は、乗客端末取得部231が取得した提供情報を、表示部24に表示させる。
【0059】
図6(a)、図6(b)は、提供情報を表示している乗客端末2の正面図である。図6(a)は、提供情報が含むアンケート情報を表示している乗客端末2を表している。図6(b)は、提供情報が含む広告情報を表示している乗客端末2を表している。
【0060】
提供情報がアンケート情報を含む場合に、乗客は、乗客端末2の操作部25を用いて、アンケート情報への回答を入力する操作を行う。乗客端末送信部232は、乗客端末2において入力された回答を示す情報を、情報配信装置1へ送信する。
【0061】
情報配信装置1において、回答取得部134は、乗客端末2が送信した情報に基づいて、情報配信部133が配信したアンケート情報に対する回答を取得する。集計部135は、複数の実車について回答取得部134が取得した回答を、アンケート情報に対応する運行サービス情報の種類ごとに集計する。運行サービス情報の種類は、例えば回答がコンテンツ情報及び走行情報のうちどちらに関連する質問に対してなされたかを示す情報である。これにより、集計部135は、コンテンツ情報に対応するアンケート情報に対する回答と、走行情報に対応するアンケート情報に対する回答とを別々に集計し、分析しやすくできる。集計部135は、回答の集計結果を記憶部12に記憶させ、又は情報配信装置1の外部へ送信する。
【0062】
情報配信装置1は、乗客に関係している関係者に対して、提供情報を配信してもよい。関係者は、例えば乗客の代わりに車両の配車予約を行った人間(秘書等)である。乗客は、実際に車両に乗車した人間である。乗客は図3に示した乗客端末2と同様の構成の乗客端末2Aを有しており、関係者は図3に示した乗客端末2と同様の構成の関係者端末2Bを有している。
【0063】
図5(b)のように、関係者は、関係者端末2Bを用いて、関係者を識別するための関係者識別情報(ユーザID、メールアドレス)を配車管理装置へ送信し、予め車両の配車の予約をする。
【0064】
情報配信装置1において、情報取得部131は、運行管理情報、運行サービス情報及び乗客識別情報を関連付けて取得した場合、すなわち乗客端末2Aが車両において取得した運行管理情報及び乗客識別情報を情報配信装置1へ送信した場合に、配車管理装置から、関係者端末2Bが行った予約に係る予約情報を取得する。予約情報は、予約を行った関係者の関係者識別情報と、配車された車両における実車に割り当てられている運行管理情報とを含む。情報取得部131は、予約情報が含む関係者識別情報と、予約情報が含む運行管理情報に関連付けられた乗客識別情報とを関連付けて記憶部12に記憶させる。記憶部12は、乗客識別情報と関係者識別情報とを、このタイミングに限られず、予め関連付けて記憶してもよい。
【0065】
図7は、関係者端末2Bに提供情報を配信する方法を説明するための模式図である。情報取得部131が運行管理情報、運行サービス情報及び乗客識別情報を関連付けて取得した場合、すなわち乗客端末2Aが車両において取得した運行管理情報及び乗客識別情報を情報配信装置1へ送信した場合に、情報配信部133は、記憶部12において乗客識別情報に関連付けられた関係者識別情報を特定する。そして情報配信部133は、特定した関係者識別情報に対応する関係者端末2Bに対して、提供情報作成部132が作成した提供情報を配信する。情報配信部133が関係者端末2Bに対して配信する提供情報は、上述のアンケート情報及び広告情報に限られず、単に乗客が車両に乗車したことを示す情報であってもよい。情報配信部133は、提供情報を、関係者端末2Bのみに配信してもよく、乗客端末2A及び関係者端末2Bの両方に配信してもよい。
【0066】
このような構成により、情報配信装置1は、乗客が車両から降りた後に、乗客の関係者に対して提供情報を配信できる。関係者は、配車の予約を行った後に、乗客が実際に車両に乗車したことを把握することができる。
【0067】
[情報配信方法のシーケンス]
図8は、本実施形態に係る情報配信システムSが実行する情報配信方法のシーケンス図である。乗客が車両に乗車した後に、車両端末3において、車両端末取得部331は、実車ごとに割り当てられる運行管理情報を生成する(S11)。乗客が車両に乗車している間に、表示制御部333は、乗客に提示するコンテンツを、表示部34に表示させる(S12)。
【0068】
乗客端末2において、乗客端末取得部231は、乗客が車両に乗車している間のいずれかのタイミング(例えば乗客が決済を行うタイミング)で、運行管理情報を取得する(S13)。乗客端末送信部232は、乗客端末取得部231が取得した運行管理情報を、乗客を識別するための乗客識別情報と関連付けて情報配信装置1へ送信する。
【0069】
車両端末3において、車両端末取得部331は、乗客が車両から降車する際(例えば車両が目的地に到着した際や、乗客が決済を行った際)に、実車中に車両が乗客に提供したサービスの内容を示す運行サービス情報を取得する(S14)。車両端末送信部332は、車両端末取得部331が取得した1回の実車における運行サービス情報を、該実車に割り当てられている運行管理情報と関連付けて情報配信装置1へ送信する。
【0070】
情報配信装置1において、情報取得部131は、1回の実車に係る、運行管理情報と、運行サービス情報と、乗客識別情報とを関連付けて取得する(S15)。提供情報作成部132は、情報取得部131が取得した運行サービス情報に基づいて、提供情報を作成する(S16)。
【0071】
提供情報作成部132が運行サービス情報に基づいて提供情報を作成した後に、情報配信部133は、該運行サービス情報に対応する運行管理情報に関連付けられた乗客識別情報を特定する。そして情報配信部133は、特定した乗客識別情報に対応する乗客端末2に対して、提供情報作成部132が作成した提供情報を配信する(S17)。
【0072】
乗客端末2において、乗客端末取得部231は、情報配信装置1が送信した提供情報を取得する。表示制御部233は、乗客端末取得部231が取得した提供情報を、表示部24に表示させる(S18)。提供情報がアンケート情報を含む場合に、乗客は、乗客端末2の操作部25を用いて、アンケート情報への回答を入力する操作を行う。乗客端末送信部232は、乗客端末2において入力された回答を示す情報を、情報配信装置1へ送信する(S19)。
【0073】
情報配信装置1において、回答取得部134は、乗客端末2が送信した情報に基づいて、情報配信部133が配信したアンケート情報に対する回答を取得する。集計部135は、複数の実車について回答取得部134が取得した回答を、アンケート情報に対応する運行サービス情報の種類ごとに集計する(S20)。集計部135は、回答の集計結果を記憶部12に記憶させ、又は情報配信装置1の外部へ送信する。
【0074】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報配信システムSにおいて、情報配信装置1は、運行管理情報と、運行サービス情報と、乗客識別情報とを関連付けることによって、運行サービス情報に基づいて作成されたアンケート情報や広告情報を乗客端末2へ送信する。これにより、情報配信装置1は、乗客が車両から降りた後であっても、乗車時の状況に関連する情報を乗客に提供できる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0076】
情報配信装置1、乗客端末2及び車両端末3のプロセッサは、図8に示す情報配信方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報配信装置1、乗客端末2及び車両端末3のプロセッサは、図8に示す情報配信方法を実行するためのプログラムを記憶部から読み出し、該プログラムを実行して情報配信システムSの各部を制御することによって、図8に示す情報配信方法を実行する。図8に示す情報配信方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0077】
S 情報配信システム
1 情報配信装置
13 制御部
131 情報取得部
132 提供情報作成部
133 情報配信部
134 回答取得部
135 集計部
2 乗客端末
23 制御部
231 乗客端末取得部
232 乗客端末送信部
233 表示制御部
3 車両端末
33 制御部
331 車両端末取得部
332 車両端末送信部
333 表示制御部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8