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特許7390184センサ及び、このセンサを備える運動案内装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】センサ及び、このセンサを備える運動案内装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 11/24 20060101AFI20231124BHJP
   F16C 29/06 20060101ALI20231124BHJP
   F16C 41/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G01D11/24 W
F16C29/06
F16C41/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019235847
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021105530
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】390029805
【氏名又は名称】THK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120237
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 良規
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 雅史
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-538652(JP,A)
【文献】特開平10-138065(JP,A)
【文献】特開2007-292678(JP,A)
【文献】特開2014-32806(JP,A)
【文献】中国実用新案第209673907(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/24
F16C 17/24
F16C 19/52
F16C 29/00 - 29/06
F16C 41/00 - 41/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に伸びる軌道部材と、前記軌道部材に対して前記長手方向に沿って移動可能に取り付けられた移動部材とを有する運動案内装置に取り付けられるセンサであって、
センサ基板を収容する筐体と、前記センサ基板に接続されるシールドケーブルと、前記筐体に前記シールドケーブルを保持固定するケーブルブッシュを備え、
前記ケーブルブッシュは、前記筐体と前記シールドケーブルが導通可能な導通孔を有し、
前記筐体は、前記導通孔に挿通可能な導通部を有することを特徴とするセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサにおいて、
前記導通孔は、少なくとも2以上形成されていることを特徴とするセンサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセンサにおいて、
前記ケーブルブッシュの前記センサ基板と対向する端面には、前記シールドケーブル内の配線が挿通可能な挿通孔を有する壁部を備えることを特徴とするセンサ。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載のセンサにおいて、
前記筐体は、少なくとも2以上に分割された分割体からなることを特徴とするセンサ。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のセンサにおいて、
前記筐体は、前記センサ基板が収容されるセンサ基板収容部に合成樹脂を充填可能な充填孔が形成されることを特徴とするセンサ。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載のセンサにおいて、
前記筐体は、金属で形成されると共に、少なくとも前記導通部以外の部分に絶縁処理が施されることを特徴とするセンサ。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載のセンサにおいて、
前記シールドケーブルと前記センサ基板との結線部分は、前記センサ基板の前記ケーブルブッシュと対向する端面と反対端に形成されることを特徴とするセンサ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のセンサを備えたことを特徴とする運動案内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道部材と該軌道部材に対して移動可能な移動部材を備えた運動案内装置に取り付けられるセンサ及びこのセンサを備える運動案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直動案内装置などの運動案内装置の状態を監視等することなどを目的として、直動案内装置の軌道部材や移動部材に振動センサや磁気センサなどの種々のセンサを取り付けることが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたセンサは、防水性及び防塵性の確保と小型化の両立を図ることを目的として、内外に延出し且つ複数の芯線と該芯線を包囲する外皮とを含むケーブルを備えたセンサにおいて、金属製の筐体と、一対の装着穴部の間に位置し、筐体に形成され且つ前記ケーブルが配置されるケーブル配置通路と、ケーブル配置通路に装着され且つケーブルの延び方向に貫通した絶縁性成形部材とを有し、ケーブルが、センサに隣接する領域に外皮無しの非被覆領域を有し、該非被覆領域の複数の芯線が絶縁性成形部材の中に配置されているという構成を有している。
【0004】
このようなセンサによれば、例えばケーブルの外皮を取り除いて露出させた非被覆領域の複数の芯線をケーブル配置通路に配置するようにしたことから、このケーブル配置通路の幅はケーブルの幅(太さ)よりも小さく設定することができる。したがって、現場に設置するために一対の装着穴部の間隔がケーブルの幅(太さ)によって規制されることなく、それもより幅狭に設計することができる。このことは光学センサの大きさの設定に関して、その小型化に関する自由度を向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-32806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、運動案内装置にセンサを取り付ける場合、軌道部材に取り付けられる。この場合、移動部材は、軌道部材に沿って移動するため、移動部材のストローク量を確保するためにセンサは軌道部材の長手方向の一端に取り付けられている。
【0007】
このようなセンサを運動案内装置に取り付けると、該センサの設置によってストローク量が少なくなってしまうため、できるだけセンサを小型化して移動部材のストローク量を確保したいという要望があった。
【0008】
しかしながら、従来のセンサの構造によると、図9に示すように、筐体150に収納したセンサ基板160にシールドケーブル161を接続する場合、ケーブルブッシュ170をシールドケーブル161の一端に取り付け、シールドケーブル内のシールド部分200を筐体150に接触させるシールド処理領域及びシールド部分200とセンサ基板160との絶縁を図る絶縁領域201が必要となり、筐体150の小型化を図ることが難しいという問題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであって、軌道部材にセンサを設置した場合であっても、移動部材のストローク量の確保を目的としてセンサ自体の小型化を図ることができるセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明に係るセンサは、長手方向に伸びる軌道部材と、前記軌道部材に対して前記長手方向に沿って移動可能に取り付けられた移動部材とを有する運動案内装置に取り付けられるセンサであって、センサ基板を収容する筐体と、前記センサ基板に接続されるシールドケーブルと、前記筐体に前記シールドケーブルを保持固定するケーブルブッシュを備え、前記ケーブルブッシュは、前記筐体と前記シールドケーブルが導通可能な導通孔を有し、前記筐体は、前記導通孔に挿通可能な導通部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るセンサによれば、筐体とシールドケーブルとの導通をケーブルブッシュに形成された導通孔によって行うことが出来るので、筐体の長手方向の長さを短縮することができ、センサの小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係るセンサを取り付けた運動案内装置の斜視図。
図2】本発明の実施形態に係るセンサを取り付ける運動案内装置の一部断面図。
図3】本発明の実施形態に係るセンサの構造を説明するための分解図。
図4】本発明の実施形態に係るセンサを構成する上側ケースの斜視図。
図5】本発明の実施形態に係るセンサを構成する下側ケースの斜視図。
図6】本発明の実施形態に係るセンサを構成するケーブルブッシュのケーブル孔側を示す斜視図。
図7】本発明の実施形態に係るセンサを構成するケーブルブッシュのシールドケーブル挿入部側を示す斜視図。
図8】本発明の実施形態に係るセンサを構成するケーブルブッシュの取り付け構造を説明するための概略図。
図9】従来のセンサの構造を説明するための概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るセンサの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るセンサを取り付けた運動案内装置の斜視図であり、図2は、本発明の実施形態に係るセンサを取り付ける運動案内装置の一部断面図であり、図3は、本発明の実施形態に係るセンサの構造を説明するための分解図であり、図4は、本発明の実施形態に係るセンサを構成する上側ケースの斜視図であり、図5は、本発明の実施形態に係るセンサを構成する下側ケースの斜視図であり、図6は、本発明の実施形態に係るセンサを構成するケーブルブッシュのケーブル孔側を示す斜視図であり、図7は、本発明の実施形態に係るセンサを構成するケーブルブッシュのシールドケーブル挿入部側を示す斜視図であり、図8は、本発明の実施形態に係るセンサを構成するケーブルブッシュの取り付け構造を説明するための概略図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係るセンサ40は、運動案内装置1の軌道部材10の上面に取り付けられている。なお、本実施形態に係るセンサ40は、移動部材20のストローク量を確保するために、軌道部材10の長手方向の一端に取り付けられると好適である。なお、本実施形態に係るセンサ40は、軌道部材10の上面に直接螺合や接着などで取り付けても構わないし、例えば、取付部材を介して取り付けることも可能である。
【0016】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る運動案内装置1について説明を行う。本実施形態に係る運動案内装置1は、長手方向に沿って複数の転動体転走面11がその外表面に形成された軌道部材10と、転動体転走面11に対向する負荷転動体転走面23が形成され、複数の転動体30を介して軌道部材10に対して往復運動可能に組み付けられた移動部材20とを備えている。
【0017】
軌道部材10には、複数のボルト孔12が上面13から底面14に向かって穿孔されている。本実施形態に係る運動案内装置1は、軌道部材10に形成されたこれら複数のボルト孔12にボルトを挿通し基台等の相手部品に締結されている。この軌道部材10は、断面略矩形状に形成された長尺部材であり、左右両側に2条ずつの転動体転走面11が対称的に合計4条形成されている。
【0018】
移動部材20は、軌道部材10の上面13及び左右両側面に跨るように、断面略コ字状をしており、移動部材本体21と、この移動部材本体21の往復運動方向である両端面に取り付けられた一対の側蓋22とを備えている。
【0019】
移動部材本体21及び側蓋22は、軌道部材10の上面13に対向する中央部と、軌道部材10の左右両側面に対向する一対の脚部とを有している。移動部材本体21には、軌道部材10の転動体転走面11と対向するように軌道部材10の長手方向に延びる例えば合計4条の負荷転動体転走面23が形成されている。
【0020】
また、移動部材本体21には、負荷転動体転走面23と平行に延びる転動体戻し通路24が合計4条形成されている。
【0021】
また、側蓋22には、負荷転動体転走面23の一端と転動体戻し通路24の一端とを繋ぐU字形状の方向転換路25が形成されている。転動体転走面11と負荷転動体転走面23からなる負荷転動体転走路,一対の方向転換路25及び転動体戻し通路24とからなる無限循環路を形成している。
【0022】
運動案内装置1は、転動体転走面11と負荷転動体転走面23との間に転動体30が介在されているので、移動部材20を軌道部材10の長手方向に沿って移動させると、転がり運動を行わせることができる。負荷転動体転走路の一端まで転走した転動体30は、側蓋22に形成された掬上部で掬い上げられ、一方の方向転換路25に導かれる。方向転換路25で進行方向を転換させた転動体30は、転動体戻し通路24を転走して、他方の方向転換路25を経由した後、再び負荷転動体転走路に戻される。このように転動体30が転走することで無限循環を実現している。
【0023】
また、複数の転動体30は、球状に形成されたボールが好適に用いられる。さらに、複数の転動体30は、隣り合う転動体30間に配置された間座部と、その長手方向に沿って配列された間座部を繋ぐ帯状の連結帯とからなる帯状リテーナ31により保持されている。このように、転動体30間に配置された間座部により転動体30同士の衝突を防止することができる。また、転動体30は、帯状リテーナ31によって一連に連結保持されているので、転動体30を整列させたまま転走させることができる。
【0024】
なお、運動案内装置1の幅方向断面において、転動体転走面11及び負荷転動体転走面23は転動体30の曲率半径よりも大きな単一の曲率で形成されたサーキュラアーク形状に形成されている。また、転動体転走面11及び負荷転動体転走面23の形状は、サーキュラアーク形状に限らず、例えば、二つの円弧を組み合わせたゴシックアーチ形状に形成しても構わないし、その他の曲線形状に形成しても構わない。
【0025】
図3に示すように、本実施形態に係るセンサ40は、センサ基板60を収容する筐体50と、センサ基板60に接続されるシールドケーブル61と、該シールドケーブル61の一端に取り付けられて筐体50にシールドケーブル61を保持固定するケーブルブッシュ70とを備えている。
【0026】
筐体50は、上側ケース51及び下側ケース52とからなる分割体によって分割して構成されている。上側ケース51及び下側ケース52は、アルミニウム合金などの金属で形成されると好適であり、後述する導通部53以外の部分に絶縁処理が施されている。
【0027】
図4に示すように、上側ケース51は、長手方向Lに沿った一端にシールドケーブル61に取り付けたケーブルブッシュ70が保持固定されるケーブルブッシュ保持部54がケーブルブッシュ70の外周形状に対応するように断面略半円形状に形成されている。ケーブルブッシュ保持部54の内周面には、後述するケーブルブッシュ70に形成された導通孔71に挿通可能な導通部53が形成されている。また、ケーブルブッシュ保持部54は、長手方向Lの端部にケーブルブッシュ70のフランジ部75と係合するフランジ係合部76が形成されている。
【0028】
上側ケース51は、ケーブルブッシュ保持部54と連続するセンサ基板収容部55が形成されており、さらにセンサ基板収容部55と連続する充填孔56が形成されている。また、上側ケース51は、下側ケース52と組み合わせた際に、下側ケース52と係合する係合爪57が上側ケース51と下側ケース52の当接面58から突設されている。
【0029】
図5に示すように、下側ケース52は、上側ケース51と対応するように、導通部53,ケーブルブッシュ保持部54,フランジ係合部76及びセンサ基板収容部55が形成されている。また、上側ケース51の係合爪57に対応して該係合爪57と係合する係合溝59が形成されている。これらの係合爪57及び係合溝59の係合によって上側ケース51と下側ケース52を合成樹脂などで接着する際に、互いの位置決めを行うことができる。
【0030】
また、センサ基板収容部55と連続するように、ケーブルブッシュ保持部54が形成された端面と対向する反対端の位置にセンサ基板60の結線部64が収容される結線部収容部80が形成されている。このように、ケーブルブッシュ保持部54が形成された端面と反対端に結線部収容部80を設けることで、図3に示すように、シールド処理を行うケーブルブッシュ保持部54とセンサ基板60との結線を行う結線部分とを隔離することができ、これらの絶縁を構造上考慮する必要がなくなり、筐体50の全長を小型化することができる。さらに、筐体50には、軌道部材10や取付部材などに締結固定するための固定孔81が下側ケース52の四隅に形成されている。
【0031】
図6及び図7に示すように、ケーブルブッシュ70は、ゴムなどの弾性体からなる円筒状の部材である。ケーブルブッシュ70は、長手方向端部にそれぞれブッシュ端部77とフランジ部75が形成されており、ブッシュ端部77とフランジ部75間には、ブッシュ端部77及びフランジ部75よりも縮径した導通処理部78が形成されている。
【0032】
導通処理部78は、上側ケース51及び下側ケース52の導通部53が挿通されてシールドケーブル61の外皮側に折り返されたシールド部62と導通可能な導通孔71が形成されている。導通孔71は、上側ケース51及び下側ケース52の導通部53と対応するように2カ所形成されている。
【0033】
フランジ部75の端面には、壁部72が形成され、該壁部72の略中央部には、シールドケーブル61のケーブル63が挿通可能なケーブル孔73が形成されている。このように壁部72を形成することで、シールドケーブル61にケーブルブッシュ70を取り付けた場合に、壁部72によってシールドケーブル61と筐体50やセンサ基板60との絶縁を図ることができる。
【0034】
また、ブッシュ端部77には、シールドケーブル挿入部74が形成されており、シールドケーブル61が挿入される。このとき、シールドケーブル61のシールド部62は、シールドケーブル61の外皮側に折り返してシールドケーブル挿入部74に挿入することで、導通孔71内にシールド部62を露出させて導通部53との導通を図ることができる。
【0035】
このように形成された、本実施形態に係るセンサ40は、図3に示すように、下側ケース52にセンサ基板60を配置し、ケーブルブッシュ70を取り付けたシールドケーブル61のケーブル63を結線部64に結線した後、図8に示すように、上側ケース51と下側ケース52とを係合し、充填孔56から合成樹脂を流し込んで上側ケース51及び下側ケース52を接着している。
【0036】
このとき、導通孔71内にはシールド部62が露出し、筐体50を上側ケース51と下側ケース52とからなる分割体で構成しているので、導通孔71に導通部53を挿入することで、シールド部62と上側ケース51及び下側ケース52を導通させることができ、センサ40の上側から及び下側から、すなわち、センサ40の周囲からの外乱によるノイズの影響を抑制することができる。また、筐体50を上側ケース51と下側ケース52からなる分割体で構成していることで、上側ケース51と下側ケース52によってケーブルブッシュ70を挟み込むように組み付けるだけで、導通部53を導通孔71に挿入するように配置することで、容易に組付けを行うことができる。
【0037】
また、センサ基板60とシールドケーブル61の間に壁部72が配置され、壁部72のケーブル孔73からケーブル63のみを挿通してセンサ基板60と結線されているので、センサ基板60とシールドケーブル61の絶縁を図ることができる。
【0038】
さらに、ケーブルブッシュ70のフランジ部75が上側ケース51及び下側ケース52のフランジ係合部76に係合すると共に、導通部53が導通孔71に挿通しているので、シールドケーブル61及びケーブルブッシュ70の抜け止めを図っている。
【0039】
また、本実施形態に係るセンサ40は、このように組み立てることで、筐体50の接着と共に、センサ基板60や結線部64の防水処理を同時に行うことができる。さらに、筐体50とシールド部62の導通を導通処理部78で行うと共に、壁部72及び結線部分をケーブルブッシュ70と対向する反対端に配置していることによってシールドケーブル61とセンサ基板60の絶縁を行い、筐体50の長手方向の長さを短く構成することができ、センサ40の小型化を図ることができる。
【0040】
なお、上述した実施形態においては、運動案内装置として、直動案内装置を用いた場合について説明を行ったが、運動案内装置は、直動案内装置に限らず、例えば、ボールねじ装置やボールスプライン装置を適用しても構わない。また、ケーブルブッシュ70は、シールドケーブル61の一端に取り付けられる場合について説明を行ったが、ケーブルブッシュ70をシールドケーブル61と一体に形成しても構わない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0041】
1 運動案内装置, 10 軌道部材, 20 移動部材, 40 センサ, 50 筐体, 53 導通部, 56 充填孔, 60 センサ基板, 61 シールドケーブル, 70 ケーブルブッシュ, 71 導通孔, 72 壁部, L 長手方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9