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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】缶蓋用多層仕上げ
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/20 20060101AFI20231124BHJP
   B65D 17/32 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B32B27/20 A
B65D17/32
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019566731
(86)(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 US2018034348
(87)【国際公開番号】W WO2018226421
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2019-12-03
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-30
(31)【優先権主張番号】62/516,281
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100088801
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 宗雄
(74)【代理人】
【識別番号】100187584
【弁理士】
【氏名又は名称】村石 桂一
(72)【発明者】
【氏名】イェルク・ヘーネ
(72)【発明者】
【氏名】ツェツィーリア・シュヴァガー
(72)【発明者】
【氏名】イアン・ムッセン・キャンベル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ヴットケ
(72)【発明者】
【氏名】マヌエラ・ヴットケ
【合議体】
【審判長】井上 茂夫
【審判官】金丸 治之
【審判官】藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-210943(JP,A)
【文献】特開昭61-138676(JP,A)
【文献】特開平4-13877(JP,A)
【文献】特開平9-267458(JP,A)
【文献】特開2000-95973(JP,A)
【文献】特開平8-225756(JP,A)
【文献】特開2000-107680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層仕上げコーティングされた製品であって、
3xxx系アルミニウム合金または5xxx系アルミニウム合金を含んで成り、飲料缶蓋を含むアルミニウム基材と、
前記アルミニウム基材に付着したベースコーティング層と、
前記ベースコーティング層に付着し、エフェクト粒子を含むクリアコーティング層と、を含み、
前記ベースコーティング層の厚さは、0.1μmから15μmであり、
前記クリアコーティング層の厚さは、1μmから20μmであり、
前記エフェクト粒子の濃度は、前記クリアコーティング層の重量に基づいて0.5重量%~10重量%であり、
前記クリアコーティング層は、しわのある表面を有している、
多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項2】
前記エフェクト粒子が真珠光沢粒子を含む、請求項1に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項3】
前記真珠光沢粒子がマイカのフレークを含む、請求項2に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項4】
前記飲料缶蓋が200缶蓋、202缶蓋、206缶蓋、または209缶蓋である、請求項1~3のいずれか一項に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項5】
前記ベースコーティング層が顔料または染料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項6】
前記ベースコーティング層が印刷パターンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項7】
多層仕上げコーティングされた製品であって、
3xxx系アルミニウム合金または5xxx系アルミニウム合金を含んで成り、飲料缶蓋を含むアルミニウム基材と、
前記アルミニウム基材に付着したベースコーティング層と、
前記ベースコーティング層に付着し、エフェクト粒子を含むクリアコーティング層と、を含み、
前記ベースコーティング層の厚さは、0.1μmから15μmであり、
前記クリアコーティング層の厚さは、1μmから20μmであり、
前記エフェクト粒子の濃度は、前記クリアコーティング層の重量に基づいて0.5重量%~10重量%であり、
前記クリアコーティング層は、しわのある表面を有しており、
コーティング重量が約4.0g/m~約10.0g/mであるクリアコーティング層と、を含む、多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項8】
前記コーティング重量が約5.0g/m~約8.0g/mである、請求項7に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項9】
前記ベースコーティング層が顔料または染料を含む、請求項7または8に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【請求項10】
第3のコーティング層をさらに含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の多層仕上げコーティングされた製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年6月7日に出願された米国仮特許出願第62/516,281号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、コーティング、材料科学、材料化学、冶金、アルミニウム合金の分野、ならびに関連分野に関する。より具体的には、本開示は、他の用途の中でも特に缶用途で使用され得る金属基材用の新規な多層仕上げを提供する。
【背景技術】
【0003】
着色された金属製品は、消費者にとって商品の供給元を一意に識別することを可能にする。例えば、アルミニウム容器の色は、消費者に対してブランド名を示すことができる。さらに、消費者は、容器の美的品質に基づいて特定のブランドに惹かれる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の網羅された実施形態は、この発明の概要ではなく、特許請求の範囲によって定義される。この概要は、本発明の様々な態様の高レベルの概説であり、以下の発明を実施するための形態の項でさらに説明される概念のいくつかを紹介している。この概要は、特許請求された主題の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図していない。主題は、明細書全体、任意のまたは全ての図面、および各請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0005】
本明細書には、多層仕上げコーティングされた基材、多層仕上げを調製するためのコーティングシステム、および多層仕上げを基材に適用する方法が記載されている。場合によっては、多層仕上げは、仕上げの最外層にエフェクト粒子を含む。多層仕上げコーティングされた基材は、基材、基材に付着したベースコーティング層、およびエフェクト粒子を含むクリアコーティング層を含み得る。クリアコーティング層は、ベースコーティング層に付着し得る。いくつかの例では、エフェクト粒子は、真珠光沢のある粒子(例えば、マイカのフレーク)を含む。任意に、基材は、アルミニウム基材などの金属基材を含む。アルミニウム基材は、任意に飲料缶蓋であり得る。ベースコーティング層は、顔料または染料を含み得る。任意に、ベースコーティング層は、印刷パターンを含み得る。
【0006】
本明細書には、ベースコーティング成分、およびエフェクト粒子を含むクリアコーティング成分を含むコーティングシステムも記載されている。エフェクト粒子の濃度は、クリアコーティング成分の重量に基づいて少なくとも約0.1%(例えば、クリアコーティング成分の重量に基づいて約0.1%~約20%)であり得る。
【0007】
本明細書には、多層仕上げコーティングされた製品、および仕上げを調製するために使用されるコーティングシステムがさらに記載され、仕上げは、プリントまたはパターンを表示する。いくつかの例では、多層仕上げコーティングされた製品は、基材、ベースコーティング層、印刷コーティング層、およびクリアコーティング層を含む。ベースコーティング層は、基材に付着している。印刷コーティング層は、ベースコーティング層およびクリアコーティング層に付着している。任意に、基材は、金属基材(例えば、アルミニウム基材)を含む。アルミニウム基材は、飲料缶蓋または別のアルミニウム基材であり得る。任意に、印刷コーティング層は、木目調効果、緑青効果、またはアニマルプリント効果を示す。クリアコーティング層は、しわのある表面を含み得る。
【0008】
本明細書には、ベースコーティング成分、印刷コーティング成分、およびクリアコーティング成分を含むコーティングシステムが記載されている。印刷コーティング成分は、コーティングシステムに起因する仕上げに木目調効果、緑青効果、またはアニマルプリント効果を付与する。
【0009】
また、本明細書には、多層仕上げコーティングされた基材が記載され、仕上げがしわ効果を示す。いくつかの例では、多層仕上げコーティングされた製品は、基材、基材に付着したベースコーティング層、およびしわのある表面を含むクリアコーティング層を含む。クリアコーティング層は、ベースコーティング層に付着している。任意に、基材は、金属基材(例えば、アルミニウム基材)を含む。アルミニウム基材は、飲料缶蓋または別のアルミニウム基材であり得る。
【0010】
基材表面に多層仕上げを適用する方法も、本明細書に記載されている。基材表面に多層仕上げを適用する非限定的な方法は、基材表面にベースコーティング成分を適用すること、ベースコーティング成分を乾燥させてベースコーティング層を形成すること、エフェクト粒子を含むクリアコーティング成分を適用してクリアコーティング層を形成すること、およびクリアコーティング成分を乾燥させてクリアコーティング層を形成することを含む。任意に、ベースコーティング層の厚さは、約0.1μm~約15μmであり得る。任意に、クリアコーティング層の厚さは、約1μm~約20μmであり得る。この方法は、第3のコーティング成分を適用および乾燥させて第3のコーティング層を形成するステップをさらに含み得る。第3のコーティング成分を適用および乾燥させるステップは、ベースコーティングを乾燥させるステップの後、およびクリアコーティングを適用するステップの前に実行され得る。任意に、第3のコーティング成分は、印刷コーティング成分を含む。任意に、仕上げは、アルミニウム製品に適用され得る。例えば、仕上げは、缶蓋(例えば、飲料缶蓋)または他のアルミニウム製品に適用され得る。
【0011】
本明細書には、基材にしわのある表面を付与する方法であり、基材表面にベースコーティング成分を適用すること、ベースコーティング成分を乾燥させてベースコーティング層を形成すること、クリアコーティング成分を適用すること、クリアコーティング成分を乾燥させてクリアコーティング層を形成すること、アミン中和酸触媒でクリアコーティング層を処理すること、およびクリアコーティング層を硬化させてしわのある表面を生成することを含む方法がさらに記載されている。場合によっては、アミン中和酸触媒は、アミン中和p-トルエンスルホン酸触媒を含む。任意に、ベースコーティング層の厚さは、約0.1μm~約15μmであり得る。任意に、クリアコーティング層の厚さは、約1μm~約20μmであり得る。基材にしわのある表面を付与する方法は、第3のコーティング成分(例えば、印刷コーティング成分)を適用および乾燥させて第3のコーティング層を形成することをさらに含み得る。第3のコーティング成分を適用および乾燥させるステップは、ベースコーティングを乾燥させるステップの後、およびクリアコーティングを適用するステップの前に実行され得る。
【0012】
本明細書には、基材、基材に付着したベースコーティング層、およびクリアコーティング層を含む多層仕上げコーティングされた製品も記載され、クリアコーティング層のコーティング重量は、約4.0g/m~約10.0g/m(例えば、約5.0g/m~約8.0g/m)である。任意に、基材は、金属基材(例えば、アルミニウム基材)を含む。アルミニウム基材は、飲料缶蓋(例えば、200缶蓋、202缶蓋、206缶蓋、または209缶蓋)または飲料缶タブであり得る。任意に、ベースコーティング層は、顔料または染料を含む。多層仕上げコーティングされた製品は、第3のコーティング層をさらに含み得る。
【0013】
基材表面に多層仕上げを適用する方法も本明細書に記載されている。この方法は、基材表面にベースコーティング成分を適用すること、ベースコーティング成分を乾燥させてベースコーティング層を形成すること、クリアコーティング成分を適用すること、およびクリアコーティング成分を乾燥させてクリアコーティング層を形成することを含み、クリアコーティング層のコーティング重量は、約4.0g/m~約10.0g/m(例えば、約5.0g/m~約8.0g/m)である。この方法は、第3のコーティング成分を適用および乾燥させて第3のコーティング層を形成することをさらに含み得る。第3のコーティング成分を適用および乾燥させるステップは、ベースコーティング成分を乾燥させるステップの後、およびクリアコーティング成分を適用するステップの前に実行され得る。
【0014】
他の目的、態様、および利点は、以下の非限定的な例および図面の詳細な説明を考慮すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】アルミ飲料缶蓋製品のエフェクト顔料の写真である。
図2】印刷コーティングされた層を有する缶蓋の写真を示す。
図3】印刷コーティングされた層およびしわのある表面を有する缶蓋の写真(上の画像)および顕微鏡写真(下の画像)を示す。
図4】しわのある表面を有する缶蓋の写真(上の画像)および顕微鏡写真(下の画像)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書には、多層仕上げコーティングされた基材、多層仕上げを調製するためのコーティングシステム、および多層仕上げを基材に適用する方法が提供されている。本明細書に記載される仕上げでコーティングするのに適切な基材には、金属基材(例えば、アルミニウムまたはスチール基材)が含まれる。本明細書で使用される場合、仕上げ成分が基材の表面の少なくとも一部と接触しているとき、基材は、コーティングされているとみなされる。任意に、本明細書に記載されるように、基材の表面全体を仕上げ成分でコーティングすることができる。任意に、本明細書に記載されるように、基材の2つ以上の表面を仕上げ成分でコーティングすることができる。適切な基材には、とりわけ缶産業の基材(例えば、缶蓋ストック)が含まれる。
【0017】
定義および説明
本明細書で使用される場合、用語「発明」、「本発明(the invention)」、「この発明」、および「本発明(the present invention)」は、本特許出願および以下の特許請求の範囲の主題の全てを広く参照することが意図されている。これらの用語を含有する記述は、本明細書に記載の主題を限定するものではなく、または以下の「特許請求の範囲」の意味もしくは範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0018】
この説明では、例えば「系」または「3xxx」などのアルミニウム工業記号によって識別された合金を参照する。アルミニウムおよびその合金の命名および識別に最も一般的に使用されている番号記号システムを理解するために、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」を参照されたい(いずれもAluminum Associationによって発行されている)。
【0019】
本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、または「その(the)」の意味は、文脈上他に明確に指示されない限り、単数および複数の言及を含む。
【0020】
本明細書で開示される全ての範囲は、その中に包括される任意および全ての部分範囲を包含すると理解される。例えば、「1~10」と記載された範囲は、最小値1と最大値10との間の(およびそれらを含む)任意および全ての部分範囲、すなわち、1の最小値またはそれ以上、例えば、1~6.1で始まり、10の最大値またはそれ以下、例えば、5.5~10で終わる全ての部分範囲を含むと考慮されるべきである。
【0021】
コーティングシステムおよびコーティングされた基材
本明細書には、基材上に多層仕上げを調製するために使用され得るコーティングシステムが記載されている。いくつかの例では、コーティングシステムは、最外層としてクリアコーティングと接触する印刷コーティングを含み得、それにより印刷コーティング仕上げを生成する。場合によっては、コーティングシステムは、最外層にエフェクト粒子を含み得るため、仕上げが適用される基材にスパークリング、シマーリング、または真珠光沢のある視覚効果を生成し得る。印刷コーティング仕上げおよびスパークリング、シマーリング、または真珠光沢仕上げ、ならびにそのような仕上げでコーティングされた基材について、以下でさらに説明する。
【0022】
コーティングされた基材
多層仕上げは、ベースコーティングおよびクリアコーティングを含むコーティングシステムから調製され得る。ベースコーティング層は、ベースコーティング成分から調製される。ベースコーティング成分は、アクリルポリマーまたはポリエステルなどのポリマーを含む、ベースコーティング組成物で従来使用される任意の成分を含み得る。任意に、ベースコーティング成分は、1つ以上の架橋剤を含み得る。ベースコーティング成分はまた、顔料または染料を含み得る。例えば、ベースコーティング成分は、金属酸化物(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化鉄)、カーボンブラック、有機顔料および染料、金属フレーク顔料、フィラー顔料、およびシリカを含み得る。ベースコーティング成分は、水性または溶媒ベースの担体などの担体をさらに含み得る。
【0023】
クリアコーティング層は、クリアコーティング層が仕上げの最外層(すなわち、環境にさらされる仕上げの層)となるように、ベースコーティング層に付着し得る。クリアコーティング層は、クリアコーティング成分から調製される。クリアコーティング成分は、これらに限定されないが、エポキシまたはポリエステル樹脂などのポリマーを含み得る。クリアコーティング成分は、これらに限定されないが、水性または溶媒ベースの担体などの担体をさらに含み得る。
【0024】
クリアコーティング層のコーティング重量は、約4.0g/m~約10.0g/mであり得る。例えば、クリアコーティング層のコーティング重量は、約4.0g/m、約4.5g/m、約5.0g/m、約5.5g/m、約6.0g/m、約6.5g/m、約7.0g/m、約7.5g/m、約8.0g/m、約8.5g/m、約9.0g/m、約9.5g/m、または約10.0g/mであり得る。クリアコーティング成分に使用されるコーティング重量は、ベースコーティング層または介在層(例えば、第3のコーティング層)とアルミニウム製品内に保存される物質(例えば、飲料または食品)との接触を排除し得る。クリアコーティング成分に使用されるコーティング重量は、ベースコーティング層または介在層を過度の摩耗から保護することもでき、またアルミニウム製品をその最終使用形態へと作製および形成する際に使用される工具を保護する。
【0025】
仕上げは、金属基材に適用され得、アルミニウムまたはスチール基材などの金属基材のコーティングに使用され得る。場合によっては、アルミニウム基材は、3xxx系アルミニウム合金または5xxx系アルミニウム合金であるが、アルミニウム基材は、任意の適切な系のアルミニウム合金であってもよい。適切な3xxx系アルミニウム合金としては、例えば、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3105、AA3105A、AA3105B、AA3007、AA3107、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3110、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130、およびAA3065が挙げられる。
【0026】
適切な5xxx系アルミニウム合金としては、例えば、AA5005、AA5005A、AA5205、AA5305、AA5505、AA5605、AA5006、AA5106、AA5010、AA5110、AA5110A、AA5210、AA5310、AA5016、AA5017、AA5018、AA5018A、AA5019、AA5019A、AA5119、AA5119A、AA5021、AA5022、AA5023、AA5024、AA5026、AA5027、AA5028、AA5040、AA5140、AA5041、AA5042、AA5043、AA5049、AA5149、AA5249、AA5349、AA5449、AA5449A、AA5050、AA5050A、AA5050C、AA5150、AA5051、AA5051A、AA5151、AA5251、AA5251A、AA5351、AA5451、AA5052、AA5252、AA5352、AA5154、AA5154A、AA5154B、AA5154C、AA5254、AA5354、AA5454、AA5554、AA5654、AA5654A、AA5754、AA5854、AA5954、AA5056、AA5356、AA5356A、AA5456、AA5456A、AA5456B、AA5556、AA5556A、AA5556B、AA5556C、AA5257、AA5457、AA5557、AA5657、AA5058、AA5059、AA5070、AA5180、AA5180A、AA5082、AA5182、AA5083、AA5183、AA5183A、AA5283、AA5283A、AA5283B、AA5383、AA5483、AA5086、AA5186、AA5087、AA5187、およびAA5088が挙げられる。
【0027】
いくつかの例では、仕上げは、缶蓋(例えば、飲料缶蓋)、缶タブ、または他の所望の製品に適用され得る。あらゆるサイズの缶蓋が、基材としての使用に適切である。例えば、缶蓋は、200缶蓋、202缶蓋、206缶蓋、または209缶蓋であり得る。
【0028】
コーティングシステムを基材に適用して、多層仕上げコーティングされた基材を形成することができる。多層仕上げコーティングされた基材は、基材、ベースコーティング層、およびクリアコーティング層を含む。ベースコーティング層は、基材に付着している。任意に、多層仕上げコーティングされた基材は、第3のコーティング層を含む。場合によっては、多層仕上げコーティングされた基材は、基材、第1の表面および第2の表面を有するベースコーティング層、第1の表面および第2の表面を有するクリアコーティング層、ならびに第1の表面および第2の表面を有する第3のコーティング層を含む。任意に、ベースコーティング層の第1の表面は、基材に付着し得、ベースコーティング層の第2の表面は、第3のコーティング層の第1の表面に付着し得る。第3のコーティング層の第2の表面は、クリアコーティング層の第1の表面に付着し得る。任意に、ベースコーティング層の第1の表面は、基材に付着し得、ベースコーティング層の第2の表面は、クリアコーティング層の第1の表面に付着し得る。クリアコーティング層の第2の表面は、第3のコーティング層の第1の表面に付着し得る。
【0029】
真珠光沢仕上げとコーティングされた基材
スパークリング、シマーリング、または真珠光沢仕上げは、ベースコーティングおよびクリアコーティングを含むコーティングシステムから調製され得る。クリアコーティングは、エフェクト粒子を含み得る。任意に、ベースコーティングは、エフェクト粒子を含み得る。任意に、エフェクト粒子は、マイカのフレークなどの真珠光沢粒子を含む。
【0030】
エフェクト粒子の濃度は、クリアコーティング成分の重量に基づいて少なくとも約0.1%である(例えば、約0.1重量%~約20重量%または約0.5重量%~約10重量%)。例えば、エフェクト粒子の濃度は、クリアコーティング成分の重量に基づいて約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約7.5重量%、約8.0重量%、約8.5重量%、約9.0重量%、約9.5重量%、約10.0重量%、約10.5重量%、約11.0重量%、約11.5重量%、約12.0重量%、約12.5重量%、約13.0重量%、約13.5重量%、約14.0重量%、約14.5重量%、約15.0重量%、約15.5重量%、約16.0重量%、約16.5重量%、約17.0重量%、約17.5重量%、約18.0重量%、約18.5重量%、約19.0重量%、約19.5重量%、または約20.0重量%であり得る。任意に、エフェクト粒子の濃度は、クリアコーティング成分の重量に基づいて約0.5%~約3.0%であり得る。
【0031】
コーティングシステムを基材に適用して、多層仕上げコーティングされた基材を形成することができる。多層仕上げコーティングされた基材は、基材、ベースコーティング層、およびクリアコーティング層を含む。
【0032】
ベースコーティング層は、ベースコーティング成分から調製される。ベースコーティング成分は、アクリルポリマーまたはポリエステルなどのポリマーを含む、ベースコーティング組成物で従来使用される任意の成分を含み得る。任意に、ベースコーティング成分は、1つ以上の架橋剤を含み得る。ベースコーティング成分はまた、顔料または染料を含み得る。例えば、ベースコーティング成分は、金属酸化物(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、および酸化鉄)、カーボンブラック、有機顔料および染料、金属フレーク顔料、フィラー顔料、およびシリカを含み得る。任意に、ベースコーティング成分は、印刷パターンを含み得る。ベースコーティング成分は、水性または溶媒ベースの担体などの担体をさらに含み得る。
【0033】
クリアコーティング層は、クリアコーティング層が仕上げの最外層(すなわち、環境にさらされる仕上げの層)となるように、ベースコーティング層に付着し得る。クリアコーティング層は、クリアコーティング成分から調製され、エフェクト粒子を含む。クリアコーティング成分は、これらに限定されないが、エポキシまたはポリエステル樹脂などのポリマーも含み得る。クリアコーティング成分は、これらに限定されないが、水性または溶媒ベースの担体などの担体をさらに含み得る。
【0034】
理論に拘束されるつもりはないが、エフェクト粒子は、光を反射せず、光がそれらを通過できるようにし、次いで、それは基材の表面全体にわたって均等に屈折される。金属粒子とは異なり、本明細書に記載されるエフェクト粒子は、白色光を異なる色合いに屈折させる非常に小さなプリズムのように作用する。真珠光沢仕上げの効果は、観察者の視点に基づく色の反転である。
【0035】
クリアコーティング層中のエフェクト粒子の量を調整して、製品に所望の効果を得ることができる。例えば、仕上げは、ある観察角度で輝くように見え、別の観察角度では輝くように見えないことがある。乾燥クリアコーティング層中のエフェクト粒子の濃度は、少なくとも約0.1重量%(例えば、約0.1重量%~約20重量%、約0.5重量%~約10重量%、または約1重量%~約5重量%)である。例えば、乾燥クリアコーティング層の重量に基づくエフェクト粒子の濃度は、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約7.5重量%、約8.0重量%、約8.5重量%、約9.0重量%、約9.5重量%、約10.0重量%、約10.5重量%、約11.0重量%、約11.5重量%、約12.0重量%、約12.5重量%、約13.0重量%、約13.5重量%、約14.0重量%、約14.5重量%、約15.0重量%、約15.5重量%、約16.0重量%、約16.5重量%、約17.0重量%、約17.5重量%、約18.0重量%、約18.5重量%、約19.0重量%、約19.5重量%、または約20.0重量%であり得る。
【0036】
仕上げは、金属基材に適用され得、アルミニウムまたはスチール基材などの金属基材をコーティングするために使用され得る。場合によっては、アルミニウム基材は、3xxx系アルミニウム合金であるが、任意の適切な系のアルミニウム合金であってもよい。適切な3xxx系アルミニウム合金としては、例えば、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3105、AA3105A、AA3105B、AA3007、AA3107、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3110、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130、およびAA3065が挙げられる。
【0037】
いくつかの例では、仕上げは、缶蓋(例えば、飲料缶蓋)または他の所望の製品に適用され得る。例えば、仕上げは、図1に示すように、アルミニウム飲料缶蓋に適用され得る。缶蓋は、単色であり得るか、または観察者の視点に基づいて色を反転し得る。あらゆるサイズの缶蓋が、基材としての使用に適切である。例えば、缶蓋は、200缶蓋、202缶蓋、206缶蓋、または209缶蓋であり得る。
【0038】
印刷コーティング仕上げおよびコーティングされた基材
印刷仕上げは、上記のベースコーティング成分、印刷コーティング成分、およびクリアコーティング成分を含むコーティングシステムから調製され得る。場合によっては、印刷コーティング成分は、木目調効果、緑青斑点効果、またはアニマルプリント効果を含み得る。図2に示すように、印刷コーティング成分は、着色され得、自然に発生するプリントを模倣し得る。例えば、印刷コーティング成分は、木目調プリントコーティングを含み得る。場合によっては、木目調プリントコーティングは、真の木材製品を模倣し、色は、黄褐色になり得る。他の例では、木目調プリントコーティングは、ロイヤルブルーの木目などの自然なプリントの外側になり得る。
【0039】
いくつかの例では、印刷コーティング成分は、基材と接触する層であり得る。他の例において、印刷コーティング成分は、ベースコーティング成分とクリアコーティング成分との間に挟まれ得る。クリアコーティング成分は、任意にエフェクト粒子を含み得る。例えば、印刷コーティング成分は、多層仕上げの一部として着色されたベース層に適用され得、次いで、エフェクト粒子を含むクリアコーティング成分で覆われる。
【0040】
コーティングシステムを基材に適用して、多層仕上げコーティングされた基材を形成することができる。多層仕上げコーティングされた基材は、基材、ベースコーティング層、印刷コーティング層、およびクリアコーティング層を含む。ベースコーティング層は、基材に付着している。印刷コーティング層は、ベースコーティング層およびクリアコーティング層に付着している。場合によっては、多層仕上げコーティングされた基材は、基材、第1の表面および第2の表面を有するベースコーティング層、第1の表面および第2の表面を有する印刷コーティング層、ならびにクリアコーティング層を含む。これらの例において、ベースコーティング層の第1の表面は、基材に付着し、ベースコーティング層の第2の表面は印刷コーティング層の第1の表面に付着している。印刷コーティング層の第2の表面は、クリアコーティング層に付着している。
【0041】
いくつかの例では、仕上げは、金属基材に適用され得、金属基材をコーティングするために使用され得る。金属基材は、アルミニウムまたはスチール基材であり得る。場合によっては、アルミニウム基材は、3xxx系アルミニウム合金であるが、適切な系のアルミニウム合金であってもよい。適切は3xxx系アルミニウム合金としては、例えば、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3105、AA3105A、AA3105B、AA3007、AA3107、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3110、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130、およびAA3065が挙げられる。
【0042】
いくつかの例では、仕上げは、缶蓋に適用され得る(例えば、飲料缶蓋)。あらゆるサイズの缶蓋が、基材としての使用に適切である。例えば、缶蓋は、200缶蓋、202缶蓋、206缶蓋、または209缶蓋であり得る。他の例では、仕上げは、他の製品に適用される。
【0043】
コーティング仕上げを適用する方法
本明細書には、アルミニウム製品に仕上げを適用する方法も記載されている。いくつかの例では、方法は、基材の表面にベースコーティング成分を適用することを含む。ベースコーティング成分は、浸漬および/または噴霧を含む任意の技術を使用して適用され得る。ベースコーティング成分を乾燥させて、ベースコーティング層を形成することができる。ベースコーティング層は、約0.1μm~約15μm(例えば、約0.5μm~約15μmまたは約1μm~約10μm)の範囲の厚さを有する。いくつかの例では、ベースコーティング層は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、または約15μmの厚さを有し得る。
【0044】
次いで、クリアコーティング成分をベースコーティング成分に、または介在層に適用することができる。クリアコーティング成分は、不均一または均一混合物のエフェクト粒子を含み得る。任意に、クリアコーティング成分は、エフェクト粒子を含まない。次いで、クリアコーティング成分を乾燥させて、クリアコーティング層を形成することができる。
【0045】
場合によっては、クリアコーティング成分を適用して、約4.0g/m~約10.0g/mのコーティング重量でクリアコーティング層を形成することができる。例えば、クリアコーティング成分を適用して、約4.0g/m、約4.5g/m、約5.0g/m、約5.5g/m、約6.0g/m、約6.5g/m、約7.0g/m、約7.5g/m、約8.0g/m、約8.5g/m、約9.0g/m、約9.5g/m、または約10.0g/mのコーティング重量でクリアコーティング層を形成することができる。
【0046】
場合によっては、クリアコーティング層は、約1μm~約20μm(例えば、約5μm~約15μmまたは約7μm~約12μm)の範囲の厚さを有し得る。いくつかの例では、クリアコーティング層は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、または約20μmの厚さを有し得る。
【0047】
いくつかの例では、方法は、第3のコーティング成分を適用すること、および第3のコーティング成分を乾燥させて第3のコーティング層を形成することを含み得る。第3のコーティング成分を適用し、第3のコーティング成分を乾燥させるステップは、ベースコーティングを乾燥させるステップの後、およびクリアコーティングを適用するステップの前に実行される。場合によっては、第3のコーティング成分は、印刷コーティング成分を含み、これは、コーティング層を形成するために乾燥させることができる。印刷コーティング層は、約0.1μm~約20μm(例えば、約0.5μm~約15μmまたは約1μm~約10μm)の範囲の厚さを有し得る。いくつかの例では、印刷コーティング層は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、または約20μmの厚さを有し得る。
【0048】
しわのある表面基材および調製する方法
本明細書には、しわ効果を示す多層仕上げコーティングされた製品も記載されている。多層仕上げコーティングされた製品は、基材、ベースコーティング層、しわのある表面を含むクリアコーティング層、および任意に、ベースコーティング層とクリアコーティング層との間に挟まれた1つ以上の追加のコーティング層を含む。ベースコーティング層は、基材に付着している。クリアコーティング層は、ベースコーティング層に、または本明細書に記載される印刷コーティング層などの介在する追加のコーティング層のいずれかに付着し得る。
【0049】
いくつかの例では、仕上げは、金属基材に適用され得、金属基材をコーティングするために使用され得る。金属基材は、アルミニウムまたはスチール基材であり得る。場合によっては、アルミニウム基材は、3xxx系アルミニウム合金であるが、適切な系のアルミニウム合金であってもよい。適切な3xxx系アルミニウム合金としては、例えば、AA3002、AA3102、AA3003、AA3103、AA3103A、AA3103B、AA3203、AA3403、AA3004、AA3004A、AA3104、AA3204、AA3304、AA3005、AA3005A、AA3105、AA3105A、AA3105B、AA3007、AA3107、AA3207、AA3207A、AA3307、AA3009、AA3010、AA3110、AA3011、AA3012、AA3012A、AA3013、AA3014、AA3015、AA3016、AA3017、AA3019、AA3020、AA3021、AA3025、AA3026、AA3030、AA3130、およびAA3065が挙げられる。
【0050】
いくつかの例では、仕上げは、缶蓋に適用され得る(例えば、飲料缶蓋)。あらゆるサイズの缶蓋が、基材としての使用に適切である。たとえば、缶エンドは200缶エンド、202缶エンド、206缶エンド、または209缶エンドです。他の例では、仕上げは、他の製品に適用される。
【0051】
しわのある表面は、仕上げ成分の反応と硬化により、クリアコーティング層に付与され得る。しわのある表面は、基材上に層状の仕上げを形成することにより付与され得る。場合によっては、層状の仕上げは、上記のように、基材表面にベースコーティング成分を適用し、ベースコーティング成分を乾燥させてベースコーティング層を形成し、クリアコーティング成分を適用し、クリアコーティング成分を乾燥させてクリアコーティング層を形成することにより形成され得る。ベースコーティング層およびクリアコーティング層は、上記のような厚さを有し得る。具体的には、ベースコーティング層は、約0.1μm~約15μm(例えば、約0.5μm~約15μmまたは約1μm~約10μm)の範囲の厚さを有し得る。いくつかの例では、ベースコーティング層は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、または約15μmの厚さを有し得る。
【0052】
場合によっては、クリアコーティング層は、約1μm~約20μm(例えば、約5μm~約15μmまたは約7μm~約12μm)の範囲の厚さを有し得る。いくつかの例では、クリアコーティング層は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、または約20μmの厚さを有し得る。
【0053】
任意に、第3のコーティング成分(例えば、印刷コーティング成分)を適用し、乾燥させて第3のコーティング層を形成することができる。第3のコーティング層は、ベースコーティングを乾燥させるステップの後、およびクリアコーティングを適用するステップの前に適用して乾燥させることができ、その結果、例えば、印刷コーティング成分がベースコーティング層とクリアコーティング層との間に挟まれる構造をもたらす。第3のコーティング層は、約0.1μm~約20μm(例えば、約0.5μm~約15μmまたは約1μm~約10μm)の範囲の厚さを有し得る。いくつかの例では、第3のコーティング層は、約0.1μm、約0.2μm、約0.3μm、約0.4μm、約0.5μm、約0.6μm、約0.7μm、約0.8μm、約0.9μm、1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約11μm、約12μm、約13μm、約14μm、約15μm、約16μm、約17μm、約18μm、約19μm、または約20μmの厚さを有し得る。
【0054】
次いで、クリアコーティング層をアミン中和酸触媒と接触させることができる。適切なアミン中和酸触媒には、これらに限定されないが、アミン中和p-トルエンスルホン酸触媒などのアミン中和スルホン酸触媒が含まれる。いくつかの例では、クリアコーティング層との接触に使用されるアミン中和酸触媒の量は、約0.1重量%~約10重量%(例えば、約0.5重量%~約5重量%または約1重量%~約3重量%)の範囲であり得る。例えば、アミン中和酸触媒の量は、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%であり得る。次いで、クリアコーティング層を高温で一定期間硬化させて、しわのある表面を生成することができる。任意に、高温は、約180℃~約270℃(例えば、約190℃~約260℃または約200℃~約250℃)の範囲であり得る。例えば、高温は、約180℃、約190℃、約200℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約250℃、約260℃、または約270℃であり得る。硬化時間は、約5秒~約100秒(例えば、約5秒、約10秒、約20秒、約30秒、約40秒、約50秒、約60秒、約70秒、約80秒、約90秒、または約100秒)であり得る。
【0055】
以下の図および実施例は、本発明をさらに説明するのに役立つが、同時にそのいかなる限定も構成しない。それどころか、本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨から逸脱することなくそれら自体を当業者に示唆し得る様々な実施形態、変更、および均等物に頼ることができることを明確に理解されたい。以下の実施例に記載されている研究の間、特に明記しない限り、従来の手順に従った。例示の目的ために、手順のいくつかを以下に説明する。
【0056】
図1は、基材、基材に付着したベースコーティング層、およびエフェクト粒子を含むクリアコーティング層を含む多層仕上げコーティングされた製品であり、クリアコーティング層は、ベースコーティング層に付着している。
【0057】
図2は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、エフェクト粒子は、真珠光沢粒子を含む。
【0058】
図3は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、真珠光沢粒子は、マイカのフレークを含む。
【0059】
図4は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、基材は、金属基材を含む。
【0060】
図5は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、金属基材は、アルミニウム基材を含む。
【0061】
図6は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、アルミニウム基材は、飲料缶蓋を含む。
【0062】
図7は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、飲料缶蓋は、200缶蓋、202缶蓋、206缶蓋、または209缶蓋である。
【0063】
図8は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、ベースコーティング層は、顔料または染料を含む。
【0064】
図9は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、ベースコーティング層は、印刷パターンを含む。
【0065】
図10は、ベースコーティング成分、およびエフェクト粒子を含むクリアコーティング成分を含むコーティングシステムである。
【0066】
図11は、先行または後続の図のいずれかのコーティングシステムであり、エフェクト粒子の濃度は、クリアコーティング成分の少なくとも約0.1重量%である。
【0067】
図12は、先行または後続の図のいずれかのコーティングシステムであり、エフェクト粒子の濃度は、クリアコーティング成分の少なくとも約0.1重量%~約20重量%である。
【0068】
図13は、基材、基材に付着したベースコーティング層、印刷コーティング層、およびクリアコーティング層を含む多層仕上げコーティングされた製品であり、印刷コーティング層は、ベースコーティング層およびクリアコーティング層に付着している。
【0069】
図14は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、基材は、金属基材を含む。
【0070】
図15は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、金属基材は、アルミニウム基材を含む。
【0071】
図16は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、アルミニウム基材は、飲料缶蓋を含む。
【0072】
図17は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、印刷コーティング層は、木目調効果、緑青効果、またはアニマルプリント効果を含む。
【0073】
図18は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、クリアコーティング層は、しわのある表面を含む。
【0074】
図19は、ベースコーティング成分、印刷コーティング成分、およびクリアコーティング成分を含むコーティングシステムでありある。
【0075】
図20は、先行または後続の図のコーティングシステムであり、印刷コーティング成分は、木目調効果、緑青効果、またはアニマルプリント効果を付与する。
【0076】
図21は、基材、基材に付着したベースコーティング層、およびしわのある表面を含むクリアコーティング層を含む、多層仕上げコーティングされた製品である。
【0077】
図22は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、クリアコーティング層は、ベースコーティング層に付着している。
【0078】
図23は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、基材は、金属基材を含む。
【0079】
図24は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、金属基材は、アルミニウム基材を含む。
【0080】
図25は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、アルミニウム基材は、飲料缶蓋を含む。
【0081】
図26は、基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、基材表面にベースコーティング成分を適用すること、ベースコーティング成分を乾燥させてベースコーティング層を形成すること、クリアコーティング成分を適用すること、クリアコーティング成分を乾燥させてクリアコーティング層を形成することを含む。
【0082】
図27は、先行または後続の図のいずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、クリアコーティング成分は、エフェクト粒子を含む。
【0083】
図28は、先行または後続の図のいずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、ベースコーティング層の厚さは、約0.1μm~約15μmである。
【0084】
図29は、先行または後続の図のいずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、クリアコーティング層の厚さは、約1μm~約20μmである。
【0085】
図30は、先行または後続の図の基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、第3のコーティング成分を適用および乾燥させて第3のコーティング層を形成することをさらに含む。
【0086】
図31は、先行または後続の図のいずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、第3のコーティング成分を適用および乾燥させるステップは、ベースコーティング成分を乾燥させるステップの後、およびクリアコーティング成分を適用するステップの前に実行される。
【0087】
図32は、先行または後続の図のいずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、第3のコーティング成分は、印刷コーティング成分を含む。
【0088】
図33は、基材にしわのある表面を付与する方法であり、基材表面にベースコーティング成分を適用すること、ベースコーティング成分を乾燥させてベースコーティング層を形成すること、クリアコーティング成分を適用すること、クリアコーティング成分を乾燥させてクリアコーティング層を形成すること、アミン中和酸触媒でクリアコーティング層を処理すること、およびクリアコーティング層を硬化させてしわのある表面を生成することを含む。
【0089】
図34は、先行または後続の図のいずれかの基材にしわ表面を付与する方法であり、アミン中和酸触媒は、アミン中和p-トルエンスルホン酸触媒を含む。
【0090】
図35は、先行または後続の図のいずれかの基材にしわのある表面を付与する方法であり、ベースコーティング層の厚さは、約0.1μm~約15μmである。
【0091】
図36は、先行または後続の図のいずれかの基材にしわ表面を付与する方法であり、クリアコーティング層の厚さは、約1μm~約20μmである。
【0092】
図37は、先行または後続の図のいずれかの基材にしわ表面を付与する方法であり、第3のコーティング成分を適用および乾燥させて第3のコーティング層を形成することをさらに含む。
【0093】
図38は、先行または後続の図のいずれかの基材にしわ表面を付与する方法であり、第3のコーティング成分を適用および乾燥させるステップは、ベースコーティング成分を乾燥させるステップの後、およびクリアコーティング成分を適用するステップの前に実行される。
【0094】
図39は、先行または後続の図のいずれかの基材にしわのある表面を付与する方法であり、第3のコーティング成分は、印刷コーティング成分を含む。
【0095】
図40は、基材、基材に付着したベースコーティング層、およびクリアコーティング層を含む多層仕上げコーティングされた製品であり、クリアコーティング層のコーティング重量は、約4.0g/m~約10.0g/mである。
【0096】
図41は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、コーティング重量は、約5.0g/m~約8.0g/mである。
【0097】
図42は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、基材は、金属基材を含む。
【0098】
図43は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、金属基材は、アルミニウム基材を含む。
【0099】
図44は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、アルミニウム基材は、飲料缶蓋または飲料缶タブを含む。
【0100】
図45は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、飲料缶蓋は、200缶蓋、202缶蓋、206缶蓋、または209缶蓋である。
【0101】
図46は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、ベースコーティング層は、顔料または染料を含む。
【0102】
図47は、先行または後続の図のいずれかの多層仕上げコーティングされた製品であり、第3のコーティング層をさらに含む。
【0103】
図48は、基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、基材表面にベースコーティング成分を適用すること、ベースコーティング成分を乾燥させてベースコーティング層を形成すること、クリアコーティング成分を適用すること、およびクリアコーティング成分を乾燥させてクリアコーティング層を形成することを含み、クリアコーティング層のコーティング重量は、約4.0g/m~約10.0g/mである。
【0104】
図49は、先行または後続の図のいずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、クリアコーティング層のコーティング重量は、約5.0g/m~約8.0g/mである。
【0105】
図50は、先行または後続の図のいずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、第3のコーティング成分を適用および乾燥させて第3のコーティング層を形成することをさらに含む。
【0106】
図51は、先行または後続の図いずれかの基材表面に多層仕上げを適用する方法であり、第3のコーティング成分を適用および乾燥させるステップは、ベースコーティング成分を乾燥させるステップの後、およびクリアコーティング成分を適用するステップの前に実行される。
【実施例
【0107】
実施例1:代表的な顔料
例示的な試験された効果顔料を以下の表に列挙する。効果顔料を、エポキシ溶剤ベースのクリアコートで試験した。
【表1】
【0108】
実施例2:しわ効果製品
アミンでブロックされたp-トルエンスルホン酸(p-TSA)触媒で完成基材を処理することにより、完成基材にしわ効果を付与した。次いで、基材を約249℃で12秒間硬化させてしわのある表面を形成した。
【0109】
図3に示すように、3層設計により、木目調効果をシミュレートする効果が得られた。3層システムの場合、ベースコートを適用し、乾燥させ、次いで透明な印刷コーティング成分を適用し、乾燥させた。印刷コーティング成分を乾燥させて印刷コーティング層を形成した後、クリアコーティング成分を印刷コーティング層に適用した。次いで、アミン(3重量%)でブロックされたp-TSA触媒を適用し、基材を上記のように硬化させて、しわ効果を有する基材を形成した。次いで、基材をプレスして缶蓋を形成した。
【0110】
図4に示すように、2層設計により、しわ効果が得られた。2層システムでは、ベースコートを適用し、乾燥させ、次いでクリアコーティング成分を適用した。次いで、アミンでブロックされたp-TSA触媒を適用し、基材を上記のように硬化させて、しわ効果を有する基材を形成した。次いで、基材をプレスして缶蓋を形成した。
【0111】
上に引用された全ての特許、刊行物、および要約は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明の様々な実施形態は、本発明の様々な目的を達成するために記載されている。これらの実施形態は、本発明の原理の単なる例示であることが認識されるべきである。以下の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これらの多くの変更およびその適合は、当業者には容易に明らかであろう。
図1
図2
図3
図4