(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】保持金具及び建具
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
E06B5/16
(21)【出願番号】P 2020073732
(22)【出願日】2020-04-16
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】細川 孝敏
(72)【発明者】
【氏名】網谷 志郎
(72)【発明者】
【氏名】平下 幸孝
(72)【発明者】
【氏名】小笹 太寛
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-139395(JP,A)
【文献】特開2017-48662(JP,A)
【文献】特開2019-190088(JP,A)
【文献】特開2017-20279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00 - 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体もしくは障子に加熱膨張材を保持する保持金具であって、
保持金具は、略直角に連続する2つの平板部を有し、
一方の平板部
に設けた長孔状のビス挿通部と他方の平板部に
設けた長孔状のビス挿通部を連続して有している保持金具。
【請求項2】
枠体もしくは障子に加熱膨張材を保持する保持金具であって、
保持金具は、略直角に連続する2つの平板部を有し、
一方の平板部に設けた長孔状のビス挿通部と他方の平板部の先端部に設けた加熱膨張材押さえ部を有している保持金具。
【請求項3】
請求項1もしくは請求項2に記載の保持金具によって、枠体もしくは障子に加熱膨張材が保持されている建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱膨張材を保持する保持金具、及び、枠体もしくは障子に加熱膨張材を備える建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、枠体もしくは障子に加熱膨張材が配置された建具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記文献1の建具は、加熱膨張材を両面テープ等によって枠体等に取り付けることから、両面テープ等が経年劣化によって剥がれることがあった。
【0005】
本発明は、枠体もしくは障子に加熱膨張材を備える建具において、加熱膨張材を確実に枠体もしくは障子に保持させて長期間防火性能を維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、枠体もしくは障子に加熱膨張材を保持する保持金具であって、保持金具は、略直角に連続する2つの平板部を有し、一方の平板部に設けた長孔状のビス挿通部と他方の平板部に設けた長孔状のビス挿通部を連続して有している保持金具である。
また、他の実施形態は、枠体もしくは障子に加熱膨張材を保持する保持金具であって、保持金具は、略直角に連続する2つの平板部を有し、一方の平板部に設けた長孔状のビス挿通部と他方の平板部の先端部に設けた加熱膨張材押さえ部を有している保持金具である。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、加熱膨張材を比較的長期間枠体等に保持することができ、防火性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る建具の竪断面図であり、(a)は全体の竪断面図であり、(b)は上枠の一部竪断面図である。
【
図2】一実施形態に係る建具の横断面図であり、(a)は全体の横断面図であり、(b)は左竪枠の一部横断面図である。
【
図3】一実施形態に係る建具の下方部分の竪断面図である。
【
図4】一実施形態に係る建具の下方部分の竪断面図である。
【
図5】一実施形態に係る建具の竪断面図であり、(a)は下方部分の竪断面図であり、(b)は下枠の一部竪断面図である。
【
図6】一実施形態に係る建具の保持金具の図であり、(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図であり、(d)は平面図である。
【
図8】他の実施形態に係る建具の保持金具の図であり、(a)は斜視図であり、(b)は正面図であり、(c)は平面図であり、(d)は側面図である。
【
図9】他の実施形態に係る建具の竪断面図であり、(a)は上枠の一部竪断面図であり、(b)は下枠の一部竪断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明について、図面を参考に説明する。
本発明の一実施形態の建具として、躯体開口部に固定された枠体の内周に障子2を開閉可能に保持してなる竪すべり出し窓を用いて、図面を参考に説明する。
【0010】
-第1の実施形態-
本実施形態の建具は、アルミ等の金属材料からなる上枠11、下枠12及び左、右竪枠13,14を四周に組んでなり、躯体に固定されたアンカー部材によって建物開口部に固定される枠体と、枠体の内周に開閉自在に支持される障子2を備えている。
【0011】
(枠体)
上枠11は、
図1に示すように、見込壁111と、見込壁111の室内側内周から下方(内周方向)に向けて突設される戸当壁112と、見込壁111の室外側内周の下方に設けられる室外側壁113を有している。
上枠11は、見込壁111の室内側外周に固定溝111aが形成されており、固定溝111aを躯体に固定されたアンカー部材51に係合することで建物開口部に固定されている。
【0012】
上枠11の戸当壁112は、
図1(b)に示すように、室内側壁112aと、見込壁111の下面から下方に垂下する室外側壁112bと、室外側壁112bの下端が室内側に屈曲して連続する段部見込壁112cと、段部見込壁112cの室内側が下方に緩やかに屈曲して連続する段部見付壁112dと、室内側壁112aと段部見付壁112dを連絡しビスホールを有する底部112eを有し、断面略逆L字状の中空部112Aを備えている。
【0013】
上枠11は、中空部112Aの下端に室外側に開口する気密材取付部112Bを有しており、気密材取付部112Bに障子2の上框21に当接する気密材sが取付けられている。
上枠11の戸当壁112の室外側面には、加熱膨張材f11が長手方向に沿って配置され、長手方向の適宜位置において保持金具71によって保持されている。
【0014】
下枠12は、
図1に示すように、見込壁121と、見込壁121の室内側内周から上方(内周方向)に向けて突設される戸当壁122と、見込壁121の室外側内周の上方に設けられる室外側壁123を有している。
下枠12は、見込壁121の室内側外周に固定溝121aが形成されており、固定溝121aを躯体に固定されたアンカー部材52に係合することで建物開口部に固定されている。
【0015】
下枠12の戸当壁122は、
図3に示すように、室内側壁122aと、見込壁121の上面から上方に延びる室外側壁122bと、室外側壁122bの上端が室内側に屈曲して連続する段部見込壁122cと、段部見込壁122cの室内側が上方に屈曲して連続する段部見付壁122dと、室内側壁122aと段部見付壁122dを連絡しビスホールを有する上壁122eを有し、上下に二つの中空部122A,122Bを備えている。
【0016】
下枠12は、中空部122Aの上端に室外側に開口する気密材取付部122Cを有しており、気密材取付部122Cに障子2の下框22に当接する気密材sが取付けられている。
図1,
図4,
図5に示すように、下枠12の戸当壁122の室外側面には、加熱膨張材f12が長手方向に沿って配置され、長手方向の適宜位置において保持金具71によって保持されている。
【0017】
左、右竪枠13,14は、
図2に示すように、左右で同様の構成を有しているので、ここでは、主に左竪枠13を用いて説明する。
左竪枠13は、見込壁131と、見込壁131の室内側内周から内周方向に向けて突設される戸当壁132を有している。
【0018】
左竪枠13は、見込壁131の室内側外周に固定溝131aが形成されており、固定溝131aを躯体に固定されたアンカー部材53に係合することで建物開口部に固定されている。
見込壁131の内周面に障子2の左竪框23の強風時の外力や火災時の反り等変形に対抗するための反り防止ブロック131bが固定されている。
【0019】
なお、右竪枠14は、見込壁141の内周面に障子2の閉鎖状態を維持するためのロック受け141aが固定されている点で、左竪枠13と異なっている。
【0020】
左竪枠13の戸当壁132は、
図2(b)に示すように、室内側壁132aと、見込壁131の内周面から内周方向に延びる室外側壁132bと、室内側壁132aと室外側壁132bを連絡する内周壁132cを有し、断面略矩形の中空部132Aを備えている。
左竪枠13は、中空部132Aの内周端に室外側に開口する気密材取付部132Bを有しており、気密材取付部132Bに障子2の左竪框23に当接する気密材sが取付けられている。
左竪枠13の見込壁131の内周面には、加熱膨張材f13が長手方向に沿って配置され、長手方向の適宜位置において保持金具71によって保持されている。
【0021】
-障子-
障子2は、上框21、下框22および左、右竪框23,24を四周に組んでなり、各框材の内周に形成されたガラス間口内にバックアップ材及び気密材を介して複層ガラス等のパネル体25を支持して形成されている。
【0022】
上框21は、
図1に示すように、見込壁211と、見込壁211の室内側内周に設けられる室内側中空壁212と、見込壁211の室外側内周に設けられる室外側壁213を有している。
上框21は、見込壁211の内周に室内側中空壁212に隣接して中空部211aを有しており、室外側壁213の外周が見込壁211よりも外周に延びて気密材取付部213aが形成されている。
上框21は、室内側中空壁212と室外側壁213によって、ガラス間口が形成されている。
【0023】
上枠11の内周面と障子2の上框21の外周面との間には、開閉機構81が配置されている。
開閉機構81は、枠側部材(レール部材)811が上枠11の見込壁111の内周面にビス等の固定手段によって固定され、障子側部材812が上框21の見込壁211にビス等の固定手段によって固定されており、障子2を見付方向に移動自在かつ回動自在に支持している。
【0024】
障子2の下框22は、
図1,
図3,
図4,
図5に示すように、矩形中空形状の見込壁(本体部)221と、見込壁221の室内側内周に設けられる室内側中空壁222と、見込壁221の室外側に取付けられる押縁223を有している。
下框22の押縁223は、見込壁221の室外側全面を覆うとともに見込壁221よりも内周に延び、室内側中空壁222と押縁223によって、ガラス間口が形成されている。
【0025】
枠体の下枠12の内周面と障子2の下框22の外周面との間には、開閉機構82が配置されている。
開閉機構82は、枠側部材(レール部材)821が下枠12の見込壁121の内周面にビス等の固定手段によって固定され、障子側部材822が下框22の見込壁221にビス等の固定手段によって固定されており、障子2を見付方向に移動自在かつ回動自在に支持している。
【0026】
図3に示すように、障子2の下框22は、見込壁221の比較的戸先側の下面に下がり止めローラ61が固定されている。
下枠12は、戸当壁122と室外側壁123に亘って蓋部材124が取付けられ、下框22に固定された下がり止めローラ61の位置に合わせて蓋部材124の上面にローラ載置部材62が取り付けられている。
【0027】
図4に示すように、障子2の下框22の室内側の所定位置に調整器63が配置されている。
下枠12の戸当壁122の室内側壁122aに支持台64が固定されており、支持台64の上面に調整器63が載置、固定されている。調整器63から延びる腕部63aは、下框22の見込壁221の室内側面に裏板を介して固定されており、障子2の開閉を補助している。
【0028】
図5に示すように、障子2の下框22は、適宜位置に、障子2を室外側から開閉するための外部ハンドル65が設けられている。外部ハンドル65は、下框22の押縁223の下端が切り欠かれた部分から室外側に突出するように設けられており、室内側の端部には開閉手段を操作するリンク等が連結されている。
【0029】
障子2の左、右竪框23,24は、
図2に示すように、左右で同様の構成を有しているので、ここでは、主に左竪框23を用いて説明する。
障子2の左竪框23は、見込壁231と、見込壁231の室内側内周に設けられる室内側中空壁232と、見込壁231の室外側内周に取付けられる押縁233を有している。
室内側中空壁232と押縁233によって、ガラス間口が形成されている。
【0030】
左竪框23は、見込壁231の室内側の外周に強風時の外力や火災時の反り等変形に対抗するための反り防止ブロック231aが固定されており、左竪枠13の内周に固定された反り防止ブロック131bと協働して障子2の脱落や破損を防止している。
また、見込壁231の室外側の外周に気密片231bが取付けられており、左竪枠13の内周面と左竪框23の外周面との間を保護している。
【0031】
右竪枠14は、ハンドル66を操作することで見込壁241の外周面から突出するロックピン241aを備えており、ロックピン241aが右竪枠4に固定されたロック受け141aに当接して、障子2の閉鎖状態を維持することができる。
【0032】
-加熱膨張材の保持金具-
本実施形態の窓においては、加熱膨張材は、枠体の室内側に配置されており、保持金具71によって各枠材に保持されている。
本実施形態の竪すべり出し窓において使用される保持金具71を、
図6に示す。
保持金具71は、略直角に連続する2つの平板部711,712を有しており、一方の平板部711から他方の平板部712にかけて連続するビス孔(ビス挿通部)71aを有している。
【0033】
そして、
図1(b),
図5に示すように、上枠11及び下枠12においては、加熱膨張材f11,f12は、戸当壁112,122の段部見付壁112d、122dに沿って配置されており、段部見込壁112c,122cにビスbによって他方の平板部712が固定された保持金具71の一方の平板部711によって保持されている。
【0034】
また、
図2(b)に示すように、左竪枠13においては、加熱膨張材f13は、見込壁131の室内側内周面に配置されており、戸当壁132の室外側壁132bにビスbによって一方の平板部711が固定された保持金具71の他方の平板部712によって保持されている。
【0035】
そして、保持金具71は、ビス孔71aが2つの平板部711,712で連続していることによって、例えば
図5(b)に示すように、下枠12の段部見付壁122dに加熱膨張材f12を保持する際に、下枠12の段部見込壁122cに対して他方の平板部712部分のビス孔71aを介して保持金具71を固定することで加熱膨張材f12を保持しているが、一方の平板部711に連続するビス孔71a部分がビスbのビス頭b1の逃げ部71bとなるので、ビスbをより一方の平板部711に近づけた状態でビス止め固定することができ、施工の自由度を向上させることができる。
【0036】
以上、本実施形態の保持金具71によれば、保持金具71のビス孔71aは、一方の平板部711から他方の平板部712にかけて連続するように形成されているので、保持金具71の位置調節が容易であり、また、上、下枠11,12に対する加熱膨張材f11,f12の保持と、左、右竪枠13,14に対する加熱膨張材f13,f14の保持を同一の保持金具71で行うことができ、施工性や材料管理性に優れている。
【0037】
また、下枠12に固定された保持金具71の例に示すように、他方(もしくは一方)の平板部712(711)をビス止めするビスbが一方(もしくは他方)の平板部711(712)に近接する位置で固定する場合に、一方(もしくは他方)の平板部711(712)に連続するビス孔71aがビスbの頭部に対する逃げ部となり、ビスbを一方(もしくは他方)の平板部711(712)により近づけて固定することができ、枠体等の形状の自由度を向上させることができる。
【0038】
-第2の実施形態-
本実施形態の建具は、アルミ等の金属材料からなる上枠11、下枠及び左、右竪枠を四周に組み、左、右竪枠間に無目15を配置してなる段窓において、上枠11と無目15との間に障子2が開閉自在に支持されている窓である。
【0039】
(枠体)
上枠11は、
図7に示すように、第1の実施形態の上枠11とほぼ同様の構成であり、見込壁111と、見込壁111の室内側内周から下方(内周方向)に向けて突設される戸当壁112と、見込壁111の室外側内周の下方に設けられる室外側壁113を有している。
上枠11の見込壁111の内周面には、加熱膨張材f11が長手方向に沿って配置され、長手方向の適宜位置において保持金具72によって保持されている。
【0040】
無目15は、下方位置に配置される複層ガラスを保持する無目本体部151と、無目本体部151の室内側に連続する断面中空矩形の戸当壁152を有しており、上方位置に配置される障子2の下枠として機能している。
無目15の戸当壁152は、室外側面の上端部に気密材取付部152aが形成されており、障子2の下框22に当接する気密材sが取付けられている。
無目15の戸当壁152の室外側面には、加熱膨張材f15が長手方向に沿って配置され、長手方向の適宜位置において保持金具72によって保持されている。
【0041】
(障子)
障子2は、上框21、下框22および左、右竪框を四周に組んでなり、各框材の内周に形成されたガラス間口内にバックアップ材及び気密材を介して複層ガラス等のパネル体25を支持して形成されている。
【0042】
上框21は、
図7に示すように、見込壁211と、見込壁211の室内側内周に設けられる室内側中空壁212と、見込壁211の室外側内周に設けられる室外側壁213を有しており、室内側中空壁212と室外側壁213によって、ガラス間口が形成されている。
【0043】
下框22は、見込壁221と、見込壁221の室内側内周に設けられる室内側中空壁222と、見込壁221の室外側内周に取付けられる押縁223を有しており、室内側中空壁222と押縁223によって、ガラス間口が形成されている。
【0044】
-加熱膨張材の保持金具-
本実施形態の窓においては、加熱膨張材は、枠体の室内側に配置されており、保持金具72によって各枠材に保持されている。
本実施形態の窓において使用される保持金具72を、
図8に示す。
保持金具72は、固定部721と、固定部721の一端から略直角に連続する一方側当接部722と、固定部721の他端から一方側当接部722の逆方向に略直角に連続し一方側当接部722よりも長手寸法の大きい他方側当接部723を有しており、固定部721の一端から他端に延びるビス孔721aが形成されている。
【0045】
保持金具72の一方側当接部722は、固定部721の一端辺の両端から突出する二つの当接片722a,722bを有し、二つの当接片722a,722bの間に逃げ部722cを形成している。
【0046】
そして、上枠11においては、
図9(a)に示すように、加熱膨張材f11は、見込壁111の室内側内周面に配置されており、保持金具72によって、保持されている。
保持金具72は、上枠11の見込壁111に一方側当接部722を当接させた状態で固定部721のビス孔721aを介してビスbによって固定されており、加熱膨張材f11を見込壁111と固定部721によって挟持し、保持している。
【0047】
このとき、一方側当接部722によって上枠11の見込壁111と固定部721との間に加熱膨張材f11を挟み込む空間を形成することができ、固定部721を見込壁111と平行な状態で固定することができるので、加熱膨張材f11に対して無理な外力が加わることなく、安定して保持することができる。
【0048】
また、下枠(無目15)においては、
図9(b)に示すように、加熱膨張材f15は、戸当壁152の室外側面に配置されており、保持金具72によって、保持されている。
保持金具72は、他方側当接部723を加熱膨張材f15の室外側面に当接させた状態で、戸当壁152の室外側壁に固定部721のビス孔721aを介してビスbによって固定されており、他方側当接部723によって加熱膨張材f15を保持している。
【0049】
このとき、一方側当接部722に逃げ部722cが形成されているので、固定部721に形成されたビス孔721aに対して一方側当接部722が屈曲する側からビス止めする場合に、ビスbのビス頭b1を逃げ部722cによって逃がすことができるので、ビスbを一方側当接部722に近づけた状態で固定することができ、施工の自由度を向上させることができる。
【0050】
以上のように、上記実施形態における保持金具によれば、複数の枠材に対して共通の保持金具を用いて加熱膨張材を保持することができるので、経年劣化による加熱膨張材の脱落を防ぐことができ、また、商品管理が容易となる。
また、保持金具の固定は、長孔等のビス挿通部を介して行うことができるので、保持金具の位置調節が容易であり、ビスの頭部を逃がす逃げ部を設けることによって、保持金具の長さ方向で広い領域でビスによる固定を行うことができ、施工性がよく、固定の自由度を向上させることができる。
【0051】
なお、上記の各実施形態の保持金具においては、ビス孔は、長孔等の孔によって形成しているが、長孔の一端部が保持金具の端辺において開放している溝等によって形成してもよい。
また、ビスの頭部を逃がす逃げ部は、上記実施形態に限定されるものではなく、ビス長孔の延長線上に形成され、ビスの頭部を逃がすことができる孔や溝であればどのような形状のものであってもよい。
【0052】
その他、以上の実施形態は,請求項に記載された発明を限定するものではなく,例示として取り扱われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
71 :保持金具
71a :ビス孔
71b :逃げ部
711 :平板部
712 :平板部
72 :保持金具
721 :固定部
721a :ビス孔
722 :一方側当接部
722a :当接片
722b :当接片
722c :逃げ部
723 :他方側当接部
f11-f15:加熱膨張材