(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】混合混練機用の非対称3ブレードスクリュー型シャフト
(51)【国際特許分類】
B01F 27/1144 20220101AFI20231124BHJP
B29B 7/42 20060101ALI20231124BHJP
B29B 7/48 20060101ALI20231124BHJP
B29C 48/40 20190101ALI20231124BHJP
B29C 48/395 20190101ALI20231124BHJP
B01F 27/724 20220101ALI20231124BHJP
【FI】
B01F27/1144
B29B7/42
B29B7/48
B29C48/40
B29C48/395
B01F27/724
(21)【出願番号】P 2020521604
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(86)【国際出願番号】 EP2018076883
(87)【国際公開番号】W WO2019076632
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-09-30
(32)【優先日】2017-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507040264
【氏名又は名称】ブス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】シェッツァウ, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター, ヴォルフガング
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-289614(JP,A)
【文献】米国特許第03938783(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第00140846(EP,A1)
【文献】特開2009-029131(JP,A)
【文献】特公昭39-017119(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第103192514(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01F 27/00 - 27/96
B29B 7/00 - 7/94
B29C 48/00 - 48/96
B65G 33/00 - 33/38
B01J 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の断面を有するシャフトロッド(20)を有し、その周面上に互いに離間し、かつ前記シャフトロッド(20)の前記周面から外向きに延在するブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)が配置されている混合混練機(100)用のウォームシャフト(12)であって、ここで、前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)は、前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在する3つの列(40)で、前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在する少なくとも1つのセクションで前記シャフトロッド(20)の周面上に配置され、ここで、前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在するこのセクションは、前記3つの列(40)に配置された前記ブレード要素以外にいかなるブレード要素も含まず、ここで、i)前記列(40)のうち少なくとも
1つの列における
少なくとも1つの前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)の
長さおよび/もしくは幅は、前記列(40)の
別の列における
1つの前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)の
長さおよび/もしくは幅より短いおよび/もしくは狭く、および/またはii)前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)の前記列(40)は、前記シャフトロッド(20)の断面で見て、前記シャフトロッド(20)の外周面によって画定された円周上に分布し、前記3つの列(40)のうち少なくとも2つの隣接する列のシャフトロッド(20)の周面上の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)の外周面の中点M間の角距離が、
前記2つの隣接する列のうちの1つと前記2つの隣接する列以外の3つ目の列との間の少なくとも2つの角距離と異なるようにし、
ブレード要素の各々が、上面図において平行四辺形、長円形、楕円形、または両凸である外周面を有し、前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)が前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在する3つの列(40)で配置されている、軸方向に延在する前記ウォームシャフト(12)の前記セクションの長さが、前記ウォームシャフト(12)の長さの少なくとも0.2Dであり、
Dは前記ウォームシャフト(12)の直径である、ウォームシャフト(12)。
【請求項2】
前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在する前記少なくとも1つのセクションの前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)の各々が、前記ウォームシャフト(12)の軸方向に45°~135°の角度で延在する長手方向の伸長を有することを特徴とする、請求項1に記載のウォームシャフト(12)。
【請求項3】
前記ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける前記3つの列(40)のうちの2つの列の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)は互いに同一であり、
前記2つの列以外の3つ目の列の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)は、
前記2つの列の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)と同じかまたは異なる形状であり、ここで、前記
3つ目の列の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)
の長さおよび/もしくは幅は、
前記2つの列の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)
の長さおよび/もしくは幅よりも1~25%長い、短い、狭い、または広いことを特徴とする、請求項1に記載のウォームシャフト(12)。
【請求項4】
前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける前記3つの列(40)のうちの2つの列の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)が互いに同一であり、前記シャフトロッド(20)の周面上の2つの列(40)における前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)の外周面にある中点M間の角距離αが、前記シャフトロッド(20)の周面上の他方の列の外周面にある中点Mと前記2つの列(40)の外周面にある中点Mの各々との間の角距離とは異なることを特徴とする、請求項1に記載のウォームシャフト(12)。
【請求項5】
円形の断面を有するシャフトロッド(20)を備えたウォームシャフト(12)のセクションであって、ここで、前記シャフトロッド(20)の周面から外向きに延在する離間したブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)は、前記シャフトロッド(20)の周面上に配置され、ここで、前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)は、前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在する3つの列(40)で前記シャフトロッド(20)の周面上に配置され、ここで、前記ウォームシャフト(12)の軸方向に延在するこのセクションは、前記3つの列(40)に配置された前記ブレード要素以外にいかなるブレード要素も含まず、ここで、i)前記列(40)のうち1つ
の列における
少なくとも1つの前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)の
長さおよび/もしくは幅は、前記列(40)の
別の列における
少なくとも1つの前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)の
長さおよび/もしくは幅より短いおよび/もしくは狭く、および/またはii)前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)の前記列は、前記シャフトロッド(20)の断面で見て、前記シャフトロッド(20)の外周面によって画定された円周上に分布し、前記3つの列(40)のうち少なくとも2つの隣接する列のシャフトロッド(20)の周面上の前記ブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22iv、22v)の外周面の中点M間の角距離が、
前記2つの隣接する列のうちの1つと前記2つの隣接する列以外の3つ目の列との間の少なくとも2つの角距離と異なるようにし、
ブレード要素の各々が、上面図において平行四辺形、長円形、楕円形、または両凸である外周面を有し、またここで、各列(40)は、互いから軸方向に分離された1つ、2つ、3つ、または4つのブレード要素(22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v)を含む、セクション。
【請求項6】
連続調製プロセス用の混合混練機(100)のハウジング(10)であって、内部に中空の内部空間(18)が形成されている前記ハウジング(10)内には、少なくとも軸方向のセクションにおいて、請求項1~
4の少なくとも一項によるウォームシャフト(12)、または請求項
5によるウォームシャフト(12)のための1つ以上のセクションが延在し、前記ハウジング(10)の内周面には、前記ハウジング(10)内に少なくともセクションにおいて延在する混練要素(24)用のレセプタクル(28)が配置され、前記ハウジング(10)の内周面上の前記レセプタクル(28)は、前記ハウジング(10)の内周面の少なくとも1つのセクションにわたって軸方向に延在する少なくとも3つの列(29、29’、29’’)に配置されている、ハウジング(10)。
【請求項7】
請求項
6に記載のハウジングを含む、ポリマー顆粒、ポリマー押出形材、またはポリマー成形部品の製造の連続調製プロセス用の混合混練機(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に連続調製プロセスのための混合混練機用ウォームシャフト、対応するウォームシャフトセクション、そのようなウォームシャフトまたはそのようなウォームシャフトセクションを含むハウジング、ならびにそのようなハウジングを含む連続調製プロセスのための混合混練機に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなウォームシャフトを備えたそのような混合混練機は、特に可鍛性および/またはペースト状物質を調製するために使用される。たとえば、それらは粘塑性物質の処理、プラスチック、ゴムなどの均質化および可塑化、フィラーおよび強化材の組み込み、ならびに食品産業の基礎材料の製造に使用される。ここで、ウォームシャフトは、処理される材料を軸方向で前方に輸送または搬送し、それによって材料の成分を互いに混合する作動要素を構成する。
【0003】
そのような混合混練機は、ポリマー顆粒、ポリマー押出プロファイル、ポリマー成形部品などの製造に特に適している。それにより、混合混練機で均質なポリマー溶融物が生成され、それが次にたとえば排出装置に搬送され、そこからたとえば造粒装置、シャフト、コンベヤベルトなどに搬送される。そのような混合混練機は、たとえば、スイス特許第278575号明細書およびスイス特許第464656号明細書から知られている。
【0004】
これらの混合混練機において、ウォームシャフトは、回転運動を行うだけでなく、同時に軸方向、すなわちウォームシャフトの長手方向にも前後に並進して移動することが好ましい。したがって、動作シーケンスは好ましくは、ウォームシャフトが、軸方向に見て、回転と重なる振動運動を実行することを特徴とする。この動作シーケンスにより、コンポーネント、すなわち混練ボルトや混練コグなどの混練要素を、混合混練機のハウジングに組み込むことが可能になる。混練要素の存在により、メインシャフトに配置されたウォームコンベヤ、いわゆるシャフトロッドは、断面で見て連続して動作しないが、複数の個別のブレード要素に細分化されており、各々がシャフトロッドの断面円周の特定の角度セクション上に延在する。隣接するブレード要素は、シャフトバーの軸方向および外周方向の両方で互いに離間し、すなわち、軸方向およびシャフトロッドの外周方向の両方で隣接するブレード要素間に隙間が設けられている。たとえば、ウォームシャフトのシャフトロッド全体またはウォームシャフトのシャフトロッドの軸セクションが、シャフトロッドの断面で見て、3つのブレード要素を備え、各々がシャフトロッドの断面円周のたとえば100°の角度セクション上に延在する場合、このブレード要素の配置がシャフトロッドの軸方向長さ全体にわたるのではなくそのセクションのみに延在する場合には、これは3ブレードのウォームシャフトまたは3ブレードのウォームシャフトセクションとして記述される。ウォームシャフトの軸方向の回転および並進運動は、回転および並進運動中に個々のブレード要素が移動して、混合および混錬される材料を圧縮するように、また後者に剪断作用を及ぼすように、その側面が対応する混練要素に近接するように制御され、このようにして、混練要素がブレード要素と衝突することなく、混合および/または混練を促進する。さらに、混練要素は、ウォームシャフトの回転および並進運動中にブレード要素の側面に近づくため、ブレード要素の側面に混合成分が堆積するのを防ぎ、その結果、混練要素はブレード要素の清掃の効果ももたらす。当然のことながら、ブレード要素の数量と幾何形状は、混練要素の数量に合わせて調整する必要がある。通常、個々の混練要素は、混合混練機のハウジングの内周面に、軸方向で、軸方向に離間した混練要素のいくつかの列で配置され、これらの列はブレード要素の幾何形状および数量に整合し、ハウジングの内周面の少なくとも1つの軸方向セクション上に延在する。これにより、個々の混練要素は、ハウジング内壁に見られるように、ハウジングの内壁に設けられた穴またはレセプタクルにねじ込まれる。さらに、既知のウォームシャフトのブレード要素は対称的に構成されており、すなわち、3ブレードのウォームシャフトの3つのブレード要素は各々同じ形状と同じ寸法を有し、3つのブレード要素の中点がシャフトロッドの周面上で各々120°ずれるようにシャフトロッドの周面に均等に分布している。これに適合するために、混合混練機のハウジングの内周面には、120°ずれた3つの列のレセプタクルが混練要素用に配置されている。4ブレードのウォームシャフトの場合、4ブレード要素の要素の中点は、シャフトロッドの周面の周面上で各々90°ずれ、それに応じて各々90°ずれた混練要素用の4つの列のレセプタクルが混合混練機のハウジングの内周面に配置される。
【0005】
しばしば、記載した混合混練機は、異なるプロセスセクションに軸方向で細分化され、各プロセスセクションには、動作中の割り当てられたタスクに従って、対応する数量または幾何形状のブレード要素および混練要素が設けられる。たとえば、混合混練機は、軸方向で、混合される材料に応じて、混合または混練される成分がマシンに搭載される、上流端部に配設されたフィードインセクションと、このすぐ下流の、成分が溶融される溶融セクションと、材料成分の可能な凝集体が粉砕され、互いにできるだけ均一に混合される混合および分散セクションと、混合物が脱気される脱気セクションとを含む。個々のセクションの条件を異なるプロセスセクションの要件に適合させるために、混合混練機の個々のセクションに他のセクションとは異なる数の混練要素を設けることがすでに提案されている。したがって、軸方向で見たときにいくつかの相互に分離したハウジングシェルセクションを備えたハウジングシェルを設けることが可能であり、これにより、ハウジングの個々の軸方向セクションに異なる数の混練要素を装備することが可能になる。たとえば、混合混練機のウォームシャフトをあるセクションでは3ブレードとして、他のセクションでは4ブレードとして構成し、混合混練機の内部ハウジング壁の対応するセクションのハウジングシェルに、混練要素用の3つの列または4つの列のレセプタクルを装備することは既知である。このように混合する出発材料に最適化されている混合混練機を、異なる出発材料を使用する異なる用途に使用する必要がある場合には、混合混練機をプロセスゾーンに関して新たに最適化し、それに応じて変形しなければならない。以前に4ブレードのウォームシャフトセクションと4つの混練ボルトが取り付けられたハウジングシェルを使用していたあるプロセスセクションで、3ブレードのウォームシャフトセクションを使用する必要がある場合には、90°ずれた4つの列の混錬ボルトレセプタクルが装備されているハウジングシェルを、120°ずれた混錬ボルト用の3つの列のレセプタクルを装備したハウジングシェルと交換しなければならない。一般に、特に混練要素の列の数およびウォームシャフト上の対応するブレード要素の数量に関して、混合する異なる基礎材料に従って混合混練機を適合させることは、先行技術において面倒である。特に、既知の3ブレードおよび4ブレードのウォームシャフトまたはウォームシャフトセクションでは、対応するハウジングセクションに混練要素用のレセプタクルを備えた特別な機器が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】スイス特許第278575号明細書
【文献】スイス特許第464656号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記欠陥を克服し、特にハウジングまたはハウジングセクションで使用することもできる、3ブレードのウォームシャフトまたは3ブレードのウォームシャフトセクションを提供することであり、これは少なくともまた、特に4ブレードのウォームシャフトセクションなどの他のウォームシャフトセクションと互換性があるため、混合混練機で4ブレードのウォームシャフトまたは4ブレードのウォームシャフトセクションを3ブレードのウォームシャフトまたは3ブレードのウォームシャフトセクションと交換することができ、ハウジングまたはハウジングシェルを変更する必要がなく、むしろ多くの場合に混練ボルトの一部をレセプタクルの1つの列から別の列に再配置する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、特に連続調製プロセスのための混合混練機用のウォームシャフトによって達成され、ウォームシャフトはシャフトロッドを含み、その周面上にはブレード要素が配置されており、ブレード要素は互いに離間し、シャフトロッドの周面から外向きに延出し、ここでブレード要素は、ウォームシャフトの軸方向に延在する3つの列で、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションでシャフトロッド上に配置され、ここで、列のうちの1つにおけるブレード要素の少なくとも1つは、他方の列のうちの1つにおけるブレード要素の1つとは異なり、および/またはブレード要素の列は、シャフトロッドの断面で見て、シャフトロッドの外周面によって画定される円周上に不規則に分布している。したがって、本発明は、少なくともセクションにおいて非対称である3ブレードのウォームシャフトに関する。
【0009】
本発明によるウォームシャフトは、少なくともセクションにおいて3ブレードとして非対称に構成されているため、特に4ブレードのウォームシャフトセクションなど、他のウォームシャフトセクションと互換性のある混合混練機のハウジングで使用することもできる。したがって、3ブレードとして非対称に構成された本発明によるウォームシャフトのセクションは、ハウジングまたはハウジングシェルの交換を必要とせずに、4ブレードとして構成されたウォームシャフトセクションと交換することができる。この理由は、少なくともセクションにおいて3ブレードとして非対称に構成された本発明によるウォームシャフトが、ハウジングの断面で見てハウジングの軸方向に延出する少なくとも1つのセクションにおいて混練要素用のレセプタクルがハウジングの内周面またはハウジングシェルによって画定される円周上のセクションに不規則に分布するハウジングに使用できるためである。これにより、ハウジングの内周面によって画定される円周上の混練要素用のレセプタクルの不規則な分布は、ハウジングの断面で考えると、ハウジングの内周面上の隣接する列の混練要素用の任意の2つのレセプタクル間のすべての距離のうち、少なくとも2つの距離が互いに異なると理解される。混練要素用のレセプタクルのこの不規則な配置により、混練要素の数と配置に関するレセプタクルの占有におけるいくつかの変形を簡単に、すなわち単位時間あたりの材料スループットに関する混合混練機の最適な効果を維持しつつ、実現することができる。たとえば、ハウジング内周面に、混練要素用に設けられたレセプタクルが6つの列あり、混合混練機の軸方向に延在している場合、断面で見てハウジングの内周面上の混練要素用のレセプタクルの列が不規則に分布しているために、混練要素を有する全列または4つの列の占有の代替として、混練要素を有する3つの列のみの占有を提供することができ、3つのレセプタクル列を空にしておくことができ、それでもなお、占有された列は、単位時間あたりの材料スループットに関して混合混練機の最適な効果が達成されるように互いに距離を置いて配置される。本発明の意味において、混練要素用のレセプタクルは、ハウジングの内周面上の中空空間であり、ハウジングは混練要素、したがって混練ボルト、混練コグなどがその中に配置され、それによって固定され、その結果、混練要素がハウジングの内周面から中空の内部空間に半径方向内向きに延在するように構成される。レセプタクルは、ハウジングの内周面からハウジング内に多かれ少なかれ深く延在する凹部、開口部、ドリル穴などであり得る。好ましくは、レセプタクルの少なくとも1つが凹部、開口部またはドリル穴であり、好ましくは、各レセプタクルが凹部、開口部またはドリル穴である。外側ハウジングおよびその半径方向内側に配置されたハウジングシェルによるハウジングの典型的な2コンポーネント設計の場合、レセプタクルは、ハウジングシェルの内周面からハウジングシェルへ、および任意選択で外側ハウジングにも延在し、任意選択で外側ハウジングを通して延在する。したがって、ハウジングの単一コンポーネント設計の場合、レセプタクルは、ハウジングの内周面からハウジングへ、および任意選択でハウジングを通って延在する。
【0010】
本発明によれば、シャフトロッドの周面上のウォームシャフトは、外向きに延出するブレード要素を有し、ブレード要素は、ウォームシャフトの軸方向に延在する3つの列で、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションでシャフトロッドの周面上に配置される。この3ブレードのセクションは、3つの列に配置されたブレード要素を除いて、それ以上のブレード要素を含まないため、これらの列の間に配置された個々のブレード要素もない。ここで、本発明の意味において、シャフトロッドの(外)周面の少なくとも1つのセクション上にウォームシャフトの軸方向に延在するブレード要素の列は、列のブレード要素(このブレード要素は軸方向に互いに離間している)の中央点上に位置している接続線が少なくとも実質的に直線であることを意味すると理解され、直線からの接続線の最大偏差は10°未満、好ましくは5°未満、より好ましくは2°未満である。ここで、ブレード要素の中点は、ブレード要素の外周面の長さの中間にある点であると理解され、この長さは、ブレード要素の外周面の最も長い伸長または長手方向の伸長であり、したがって、ブレード要素の外周面上の異なる2点間の可能な最も長い直線である。
【0011】
図示のように、ブレード要素は、3つの列で、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションでシャフトロッドの周面上に配置される。ウォームシャフトの他方の軸方向セクションは、異なる構成、すなわち、たとえば2ブレード、4ブレード、あるいは2ブレードおよび4ブレードの交互の構成であり得る。本発明によるウォームシャフトは、2つ、3つ、またはいくつかの3ブレードセクションを含むこともでき、これらは各々1つまたはいくつかの他のセクションによって他から分離されており、これらの1つ以上の他のセクションはまた、2ブレード、4ブレード、あるいは2ブレードおよび4ブレードの交互の設計であり得る。
【0012】
本発明によれば、ブレード要素の1つにおける列のうちの1つの列のブレード要素の少なくとも1つは、他方の列のうちの1つの列のブレード要素の1つとは異なり、および/またはブレード要素の列は、シャフトロッドの断面で見たときに、シャフトロッドの外周面によって画定される円周上に不規則に分布している。
【0013】
本発明の第1の特に好ましい実施形態によれば、これは、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける列のうちの1つの列のブレード要素の少なくとも1つが、他方の2つの列のうちの1つの列の少なくとも1つの他方のブレード要素よりも短いおよび/または狭いことによって達成される。その結果、本発明のこの実施形態を用いると、異なる列のブレード要素の寸法は、互いに異なる、すなわち、ブレード要素の長さおよび/または幅に関して、互いに異なる。それにより、この文脈でのブレード要素の外周面の長さは、上で提示したように、ブレード要素の外周面の最も長い直線伸長である。さらに、この点に関して、ブレード要素の外周面の幅Bは、ブレード要素の長さに対して垂直に延在するブレード要素の外周面の最も長い直線伸長である。これにより、個々のブレードは、同じ形態または異なる形態を有することができる。たとえば、すべてのブレード要素は、両凸の外周面を有することができ、ある列のブレード要素の長さは、別の列の長さよりも長い。しかしながら、また、ブレード要素は形状が異なり得るため、ある列のブレード要素は両凸の外周面を有し得、別の列のブレード要素は平行四辺形の外周面を有し得、ある列のブレード要素の幅は別の列の幅よりも広い。
【0014】
本発明の第2の特に好ましい実施形態によれば、3つの列のうちの少なくとも2つの列間の隣接する列におけるシャフトロッドの周面上のブレード要素の外周面の中点M間の角距離は、少なくとも2つの他方の列間の角距離とは異なる。ブレード要素の列が、シャフトロッドの断面で見て、シャフトロッドの外周面で画定された円周上に不規則に分布している場合、全3つの列のブレード要素は結果として同じ形状および同じ寸法を有することができる。それに代わって、全3つの列のブレード要素は異なる形状を有することができる。
【0015】
本発明の第3の特に好ましい実施形態によれば、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける列のうちの1つの列のブレード要素の少なくとも1つは、他方の2つの列のうちの1つの列の少なくとも1つの他方のブレード要素よりも短いおよび/または狭く、3つの列のうちの少なくとも2つの列の間の隣接する列におけるシャフトロッドの周面上のブレード要素の外周面の中点M間の角距離は、少なくとも2つの他方の列間の角距離とは異なる。この実施形態においても、全3つの列のブレード要素は、同じ形状または異なる形状を有することができる。
【0016】
問題の混合混練機において通常そうであるように、本発明によるウォームシャフトのシャフトロッドは、好ましくは円形の断面を有し、個々のブレード要素は、シャフトロッドの周面から半径方向外向きに延在する。
【0017】
したがって、本発明は、ウォームシャフトの製造のタイプに関して限定されない。たとえば、ウォームシャフトは、金属シリンダをフライス加工してブレード要素を形成することによって、またはブレード要素をシャフトロッドに溶接することによって作成することができる。しかしながら、実際的な目的のために、ウォームシャフトは、個々のウォームシャフトセクションをベースロッドに取り付けることによって製造され、各ウォームシャフトセクションは、たとえば、各々が1~4個の隣接するブレード要素の2つの列を含む。
【0018】
本発明の概念のさらなる実施形態では、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションの各列のブレード要素の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%、非常に特に好ましくは少なくとも99%、最も好ましくはすべてが互いに等しいことが提案される。その結果、第1の列のすべてのブレード要素は、各々同じ形状および寸法、ならびに同じ長さおよび幅を有する。同様に、第2の列のすべてのブレード要素は各々同じ形状および寸法を有し、第3の列のすべてのブレード要素は各々同じ形状および寸法を有し、3つの列のうちの少なくとも2つの列間のブレードは互いに異なり、および/またはブレード要素の列は、シャフトロッドの断面で見て、シャフトロッドの外周面によって画定された円周全体に不規則に分布している。
【0019】
ブレード要素がウォームシャフトの軸方向に延在する3つの列に配置されている、軸方向に延在するウォームシャフトセクションの長さは、ウォームシャフトの長さの少なくとも0.2D(すなわち、少なくとも直径の20%に相当する距離にわたる)、好ましくは少なくとも5D(すなわち、直径の少なくとも5倍に相当する距離にわたる)、特に好ましくは少なくとも10D(すなわち、少なくとも直径の10倍に相当する距離にわたる)、および非常に特に好ましくは少なくとも25D(すなわち、直径の25倍に相当する距離にわたる)である。
【0020】
本発明のさらに特に好ましい実施形態によれば、個々の列のブレード要素は、シャフトロッドの周面上のそれらの長手方向の伸長がウォームシャフトの長手方向に対して垂直に延在するか、またはウォームシャフトの長手方向の垂線に対して比較的小さい角度で傾斜して延在するように配向される。したがって、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションのブレード要素の各々が、ウォームシャフトの軸方向で45°~135°、好ましくは60°~120°、特に好ましくは70°~110°、非常に特に好ましくはi)75°~85°またはii)95°~105°またはiii)85°超~95°未満、たとえば90°の角度で延在する長手方向の伸長を有することが特に好ましい。それに代わって、本発明によればあまり好ましくない場合でも、ブレード要素の少なくとも50%、あるいは80%、あるいは少なくとも90%がこのように配向されることも可能である。
【0021】
本発明の概念のさらなる実施形態では、上面図でウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションのブレード要素の各々が、平行四辺形、長円形、楕円形、両凸、変形長円形、変形楕円形、変形両凸、変形長方形で構成される群から選択される形態の外周面を有することが提案される。ここで、変形長円形、変形楕円形、および変形両凸は、長円形、楕円形、または両凸を意味し、外周面の2つの端部は、ブレード要素の長手方向の伸長で見て、端部に向かって先細になる台形、好ましくは等辺台形、または端部に向かって先細になる三角形、好ましくは正三角形の縁部の形態で構成される。ここで、2つの横方向側面の各々に直線セクションがあるか、2つの横方向側面のいずれかに直線セクションがあるか、2つの横方向側面のいずれにも直線セクションがない場合がある。さらに、変形長方形とは、上面図でブレード要素の外周面に中間の長方形セクションがあり、その2つの端部には、ブレード要素の長手方向の伸長で見て、いずれの場合も端部に向かって先細になる台形または三角形、好ましくは等辺台形または三角形の形態で端部セクションがそれぞれ設けられていることを意味する。ここで、異なる列のブレード要素は同じ形状である必要はないため、たとえば、第1の列のブレード要素と第3の列のブレード要素は両凸の外周面を有することができ、その一方で第2の列のブレード要素は平行四辺形の外周面を有することができる。
【0022】
上記実施形態の代わりに、本発明によればあまり好ましくない場合でも、ブレード要素の少なくとも50%、あるいは少なくとも80%、あるいは少なくとも90%が上記外周面形状を有すること、または1つの列のブレード要素のみ、または2つの列のブレード要素のみがこのような外周面形状を有することも可能である。
【0023】
好ましくは、列のすべてのブレード要素が同じ形状を有し、3つの列のうちの2つの列におけるブレード要素の形状が同じであり、第3の列のブレード要素の形状とは異なる。
【0024】
全3つの列のすべてのブレード要素が同じ形状を有すること、ただし、少なくとも1つの列のブレード要素がその長さおよび/または幅において別の列のものとは異なることが等しく好ましい。
【0025】
特に、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションのブレード要素の各々が、上面図で両凸、変形両凸、または平行四辺形の外周面を有する場合に良好な結果が得られ、ここで異なる列のブレード要素の形状は互いに異なる場合がある。たとえば、第1の列および第3の列のブレード要素は、平行四辺形の外周面を有することができ、その一方で第2の列のブレード要素は、横方向側面が各々直線のセクションを有する変形両凸の外周面を有することができる。同様に、好ましくは、全3つの列のブレード要素が変形両凸の外周面を有することができ、いずれの場合も、2つの横方向側面の一方または2つの横方向側面の両方が直線のセクションを有し、第1および第3の列のブレード要素は、第2の列のブレード要素よりも幅が広い。
【0026】
本発明の概念のさらなる実施形態では、全3つの列のブレード要素の各々の長さ対幅の比が1対30、好ましくは2対20、特に好ましくは5対15、および非常に特に好ましくは6対9または10対12であることが提案され、ここで、長手方向の伸長Lはブレード要素の外周面の最も長い直線伸長であり、幅Bは、ブレード要素の外周面の最も長い直線伸長であり、これはブレード要素の長手方向の伸長Lに対して垂直に延在する。それにより、異なる列のブレード要素の長さ対幅の比は、互いに異なり得る。
【0027】
たとえば、3つの列のうちの2つの列における各ブレード要素の長さL対幅Bの比は等しく、第3の列のブレード要素の長さL対幅Bの比とは異なり得る。
【0028】
さらに、好ましくは、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける3つの列のうちの2つの列のブレード要素が互いに等しく、第3の列のブレード要素は、他方の列のブレード要素と同じ形状を有するが、他方の列のブレード要素よりも1~25%、好ましくは2~20%、特に好ましくは5~15%長いかまたは短い。
【0029】
上記実施形態の代わりに、好ましくは、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける3つの列のうちの2つの列のブレード要素が互いに等しく、第3の列のブレード要素は、他方の列のブレード要素に比べて異なる形状を有し、ここで他方の列のブレード要素は、他方の2つの列のブレード要素よりも1~25%、好ましくは2~20%、特に好ましくは5~15%長いかまたは短い。
【0030】
特に、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションの3つ列のうち2つの列のブレード要素は、互いに等しくすることができ、第3の列のブレード要素は、他方の列のブレード要素と同じ形状を有することができるが、他方の列のブレード要素よりも1~25%、好ましくは2~20%、特に好ましくは5~15%広くまたは狭くすることができる。
【0031】
同様に、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける3つの列のうちの2つの列のブレード要素が互いに等しく、第3の列のブレード要素が他方の列のブレードとは異なる形状を有することも同じく可能であり、ここで他方の列のブレード要素は、他方の2つの列のブレード要素よりも1~25%、好ましくは2~20%、特に好ましくは5~15%幅が広いかまたは狭い。
【0032】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける3つの列のうちの2つの列のブレード要素が互いに等しいかまたは異なること、およびシャフトロッドの周面上の2つの列のブレード要素の外周面の中点M間の角距離が、シャフトロッドの周面上の他方の列の外周面の中点Mと2つの列の外周面の各中点Mとの間の角距離とは異なることが提供される。したがって、3つの列のブレード要素の長さおよび/または幅、ならびに/もしくは長さ対幅の比は、同じでも異なっていてもよい。それにより、第3の列のブレード要素は、他方の列のブレード要素と同じまたは異なる形状を有することができる。
【0033】
上記実施形態において、シャフトロッドの周面上でウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける3つの列のうちの2つの列のブレード要素の外周面の中点M間の角距離が124°~146°、好ましくは130°~140°、特に好ましくは132°~138°、特に好ましくは133°~137°、非常に特に好ましくは134°~136°、および最も好ましくは約135°であり、シャフトロッドの周面上の他方の列の外周面の中点Mと2つの列の外周面の各中点Mとの間の角距離が102°~123°、好ましくは107°~118°、特に好ましくは110°~115°、特に好ましくは111°~114°、非常に特に好ましくは112°~113°、および最も好ましくは約112.5°であることが特に好ましい。
【0034】
本発明の概念のさらなる発展において、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションの3つの列のうちの各列における2つの隣接するブレード要素の軸方向距離が同じであることが提案される。
【0035】
好ましくは、ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける3つの列のうちの2つの列の各ブレード要素は、シャフトロッドの断面で見て、シャフトロッドの周面の同じ角距離上に延在し、他方の列の各ブレード要素は、より短いかより長い角度セクション上に延在し、ここで角距離間の差は好ましくは1~20%、特に好ましくは5~15%である。
【0036】
ウォームシャフトの軸方向に延在する少なくとも1つのセクションにおける3つの列のうちの2つの列の各ブレード要素が、シャフトロッドの断面で見て、シャフトロッドの周面の20°~175°、好ましくは45°~175°、特に好ましくは60°~175°の角距離上に延在し、3つの列のうちの他方の列の各ブレード要素が20°~120°、好ましくは20°~90°の角距離上に延在する場合に、特に良好な結果が得られる。より短いブレード要素は、より長い、より長いブレード要素、特にシャフトロッドの周方向でほぼ重なっているかまたは重なっているブレード要素よりも優れた混合効果を実現するが、ウォームシャフトの直径および時間単位あたりのコンベヤの数量は多くなる。
【0037】
原則として、本発明は、ウォームシャフトの少なくとも1つの2ブレードセクションのブレード要素の側面の形成に関して限定されない。したがって、ブレード要素の横方向側面は、シャフトロッドの周方向からブレード要素の外周面まで垂直に上方に延在することができる。もちろん、ブレード要素の横方向側面は、シャフトロッドの周方向から上方に垂直に延在せず、むしろ角度が付いていることが好ましい。したがって、本発明の特に好ましい実施形態によれば、ウォームシャフトの少なくとも1つの3ブレードセクションにおける各ブレード要素の横方向側面が、シャフトロッドの断面に対して1°~60°、好ましくは2°~40°、特に好ましくは3°~20°、非常に特に好ましくは4°~10°の角度αでブレード要素の外周面まで上方に延在することが提供される。あるいは、あまり好ましくない場合でも、すべてのブレード要素におけるすべてではないが少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%が、シャフトロッドの周面から外向きに上記角度で延在する側面を有する。
【0038】
本発明のさらなる目的は、円形断面を備えたシャフトロッドを有するウォームシャフトのセクションであり、ブレード要素は、互いに距離を置いて配置され、シャフトロッドの周面から外向きに延在し、ブレード要素は、ウォームシャフトの軸方向に延在する3つの列のシャフトロッドの周面に配置されており、ここで列のうちの1つの列ブレード要素の少なくとも1つは、他方の列のうちの1つの列ブレード要素の1つとは異なり、および/またはブレード要素の列は、シャフトロッドの 断面で見て、シャフトロッドの外周面によって画定される円周上に不規則に分布し、各列は、互いに距離を置いて軸方向に配置された1つ、2つ、3つ、または4つのブレード要素を含む。
【0039】
さらに、本発明は、連続調製プロセス用の混合混練機のハウジングに関し、ハウジング内には中空の内部空間が構成され、その中の少なくとも一部のセクションにおいて、上記ウォームシャフトまたは1つ以上の説明したウォームシャフトのセクションが軸方向に延在し、ハウジングの内周面には、少なくとも一部のセクションでハウジング内に延出する混練要素のレセプタクルが配置され、レセプタクルは、ハウジングの内周面の少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在する少なくとも3つの列でハウジングの内周面に配置されている。
【0040】
好ましくは、ハウジングの内周面のレセプタクルは、ハウジングの内周面の少なくとも1つのセクション上に軸方向に延在する2つの列、3つの列、4つの列または6つの列、好ましくは3つの列、4つの列または6つの列、特に好ましくは4つの列または6つの列、最も好ましくは6つの列で配置される。
【0041】
さらに、混練要素用のレセプタクルの列は、ハウジングの断面で見て、ハウジングの内周面上に不規則に分布していることが好ましい。
【0042】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、ハウジングの内周面は断面が円形であり、ハウジングの断面で見たときに、ハウジングの内周面上の隣接する列の2つのレセプタクル間の角距離の少なくとも1つは、360°/nの値に関して、少なくとも1°、好ましくは少なくとも2.5°、特に好ましくは少なくとも5°、非常に特に好ましくは少なくとも10°偏向し、好ましくは、隣接する列の2つのレセプタクル間のすべての角距離は、360°/nの値に関して、少なくとも1°、好ましくは少なくとも2.5°、特に好ましくは少なくとも5°、非常に特に好ましくは少なくとも10°偏向することが提供され、nはレセプタクルの列の数である。
【0043】
本発明の概念のさらなる実施形態では、混練要素用のレセプタクルの列のうちの3つの列に混練要素を取り付けることが提案される。
【0044】
本発明のさらなる目的は、前述のハウジングを含む、連続調製プロセス用の混合混練機である。連続調製プロセスは、ポリマー顆粒(例:軟質PVC、硬質PVC、PVC混合物、塩素化PVCまたは木材プラスチック複合材(WPC))、ポリマー押出形材またはポリマー成形部品、ケーブルコンパウンドの調製、コーティングの製造(粉体コーティング、トナー、デュオプラスチックなど)、カレンダ供給(PVC、PP、PET、TPEなど)、粘性食品の製造(チューインガムコンポジットなど)、アノードペーストの製造、およびその他の用途であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
以下で図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【
図1b】
図1aに示す混合混練機のハウジングの斜視図である。
【
図2a】本発明の実施形態によるウォームシャフトの軸方向断面の斜視図である。
【
図2b】
図2aに示すウォームシャフトの軸方向断面の上面図である。
【
図2c】
図2aに示すウォームシャフトの軸方向断面の側面図である。
【
図3a】本発明のさらなる実施形態によるウォームシャフトの軸方向断面の斜視図である。
【
図3b】
図3aに示すウォームシャフトの軸方向断面の上面図である。
【
図4a】本発明のさらなる実施形態によるウォームシャフトの軸方向断面の斜視図である。
【
図4b】
図4aに示すウォームシャフトの軸方向断面の上面図である。
【
図5】本発明のさらなる実施形態による、ブレード要素が配設されたウォームシャフトの軸方向断面のシャフトロッドのシェル表面の処理、およびブレード要素間の隙間に突出する混練要素を示す図である。
【
図6】本発明の別の実施形態による、ブレード要素が配設されたウォームシャフトの軸方向断面のシャフトロッドのシェル表面の処理、およびブレード要素間の隙間に突出する混練要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1aおよび
図1bに示し、全体として100と称する混合混練機は、ハウジング10と、ハウジング10内に配置されたウォームシャフト12とを備える。ハウジング10は、いわゆるハウジングシェル16で内側が裏打ちされている2つのハウジング半体14、14’を含む。ここで、本特許出願におけるハウジングシェル16は、ハウジング10の構成要素と見なされる。ハウジング10の内周面は、2つのハウジング半体14、14’が閉じているとき、円筒形の中空の内部空間18、したがって円形の断面を有する内部空間18の境界を定める。ウォームシャフト12は、シャフトロッド20を備え、その周面にはブレード要素22が配置され、ブレード要素22は、シャフトロッド20の周面上で半径方向外向きに延出し、個々のブレード要素22は互いに距離を置いて配置される。2つのハウジング半体14、14’において、レセプタクル28は、混練要素24用、すなわち混練ボルト、混練コグなどのために設けられている。ここで、各レセプタクル28はドリル穴28であり、ハウジングシェル16の内周面からハウジング壁を通って延在する。各レセプタクル28の下側の半径方向内側の端部は、たとえば、断面が正方形になるように構成することができる。各混練ボルト24は、たとえば、その下端部に、レセプタクル28の正方形に構成された半径方向内端部に正確に嵌合する端部を有することができ、それにより、使用状態において回転ロック位置でレセプタクル28に固定される。混練ボルト24は、レセプタクル28に位置しているその端部で、レセプタクル28の上にある端部でねじ込みによって使用される固定要素(図示せず)を用いて接続される。あるいは、混練ボルト24は、スクリュー用の雌ねじを有することもでき、固定要素およびナットの代わりにスクリューで固定することができる。
【0047】
特に
図1bからわかるように、混練ボルト24用の等間隔のレセプタクル28は、軸方向で見て、2つのハウジング半体14、14’の各々に3つの列29、29’、29’’の形態で延出する。したがって、ハウジングのレセプタクルの列29、29’、および29‘’の総数は6である。本発明の意味の範囲内の列は、列29、29’、29’’の軸方向に分離されたレセプタクル28の上に引かれた接続線が直線であることを意味すると理解される。
図1aおよび
図1bに示すように、混合混練機100は、軸方向にいくつかのプロセスセクション34、34’、34’’に細分化され、各プロセスセクション34、34’、34’’は、混練ボルト24の数、ならびに個々のプロセスセクション34、34’、34’’の機能に対するシャフトロッド20上のブレード要素22の数および程度に関して適合される。
図1bに示すように、上部ハウジング半体14のセクション34および右側のセクション34’’には、混練ボルト24用のレセプタクル28の3つの列29、29’、29’’のうちの2つの列、すなわち、混練ボルト24に嵌合する上列29および下列29’’があり、一方で、中央列29’は混練ボルト24に嵌合しない。これとは対照的に、上部ハウジング半体14の中央セクション34’では、混練ボルト24用のレセプタクル28の3つの列29、29’、29’’のうち、1つの列、すなわち中央列29’に混練ボルト24が装備され、一方で、上列29および下列29’’は混練ボルト24が装備されない。下部ハウジング半体14’の中間セクション34’には、2つの列、すなわち上列および下列があり、混練ボルトに嵌合し、その結果、ハウジング10の中間セクション34’は、全体で3つの列の対向する混練ボルト24を有する。混合される原材料は、充填漏斗36を介して混合混練機100に加えられ、次にプロセスセクション34、34’、34’’を通って導かれ、最終的に出口開口部38を介して排出される。図示のプロセスセクション34、34’、34’’の代わりに、本発明による混合混練機100は、より多くのプロセスセクション、特に4つのプロセスセクション、または2つまたは1つのプロセスセクションなどのより少ないプロセスセクションを有することもできる。
【0048】
本発明によれば、本発明による混合混練機用のウォームシャフト12は、シャフトバー20の周面上のブレード要素22が、ウォームシャフト12の軸方向に延在する3つの列で、
図1bに示す中間プロセスセクション34’のように、ウォームシャフト12の軸方向に延在する少なくとも1つのセクションで配置されるように設計され、すなわち、ウォームシャフト12は、いくつかのセクションで2ブレードであるように設計され、列のうちの1つにおけるブレード要素の少なくとも1つは、他方の列のうちの1つにおけるブレード要素の1つとは異なり、および/またはブレード要素の列は、シャフト要素の断面で見て、シャフトロッドの外周面によって画定される円周上に不均等に分布している。
【0049】
本発明の好ましい実施形態によるウォームシャフト12のそのような3ブレードセクションが、
図2a、
図2bおよび
図2cに示されている。ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
ivおよび22
vは、ウォームシャフト12の円筒形シャフトロッド20上に配置され、シャフトロッド20の外周面から半径方向外向きに延在する。ここで、個々のブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
ivおよび22
vは、上面図において、変形両凸の外周面を有するように構成され、外周面の2つの端部は、ブレード要素の長手方向の伸長を上から見て、縁部の形態で構成され、2つの対向する端部セクションの各々の1つの側面は、直線セクション39、39’を有する。ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
ivおよび22
vの長手方向の伸長Lは、ウォームシャフト12の長手方向に対してほぼ垂直に延在する。長手方向の伸長Lによって、ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面の2つの異なるポイント間の可能な最も長い直線、すなわちこの場合の長さLが理解される。すべてのブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vは、同じ形態および同じ寸法を有する。個々のブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vの幅Bに対する長さLの比は約8.5であり、幅Bは、ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面における最も長い直線伸長であり、これはブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vの長さLに対して垂直に延在する。
【0050】
ここで、軸方向に離間したブレード要素22、22’の両方は、軸方向に延在する列40に配置され、軸方向に離間したブレード要素22’’、22’’’および22
iv、22
vも軸方向に延在する列に配置される。ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vの軸方向に延在する列40は、
図2a、
図2bおよび
図2cに示す実施形態で示すように、軸方向に離間しているブレード要素22、22’の外周面の中点M上に引かれた接続線が直線である場合に、本発明に従って存在する。ここで、ブレード要素22、22’の中点Mは、ブレード要素22、22’の長さLの中間にある点である。いずれの場合も、列40の隣接するブレード要素22、22’の軸方向距離Aの比は、約5.5である。ここで、ブレード要素の幅Bは上記で定義したとおりであり、2つの軸方向に隣接するブレード要素22、22’の軸方向距離Aは、軸方向に隣接するブレード要素22、22’の外周面の中点M間の距離である。シャフトロッド20の断面で見て、シャフトロッド20の円周方向に隣接するブレード要素22の3つのうちの1つは、他方の2つのブレード要素22’’’、22
ivに対して軸方向にわずかにずれている。ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vのすべては、シャフトロッド20の(外)周面またはシェル表面上に、115°の同じ角度セクション上にそれぞれ延在する。
【0051】
しかしながら、ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22iv、22vの列40は、シャフトロッド20の断面で見て、シャフトロッド20の外周面によって画定される円周上に不規則に分布している。シャフトロッド20の周面上のブレード要素22’’’、22iv間の中点Mの角距離αが135°であるのに対し、シャフトロッド20の周面上のブレード要素22、22’’’および22、22iv間の中点Mの角距離βは、各々の場合において112.5°である。
【0052】
図3aおよび
図3bは、本発明のさらに好ましい実施形態によるウォームシャフト12の3ブレードセクションを示す。ブレード要素22、22’の外周面は、
図2a、
図2bおよび
図2cの実施形態の場合のように、変形両凸であるように構成され、他方の2つの列のブレード要素22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面は、同様に変形しているが異なる両凸形状を有し、ここでブレード要素22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面は、ブレード要素22、22’の外周面よりも広く、22’’、22’’’、22
iv、22
vには、横方向側面の2つの等しい端部に直線セクション39、39’がある。
【0053】
図4aおよび
図4bは、本発明のさらに好ましい実施形態によるウォームシャフト12の3ブレードセクションを示す。ブレード要素22、22’の外周面は、
図2a、
図2bおよび
図2cの実施形態の場合のように、変形両凸形状に構成され、他方の2つの列のブレード要素22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面は、同様に変形しているが異なる両凸形状を有し、ここでブレード要素22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面は、ブレード要素22、22’よりも広く、ブレード要素22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面の端部セクションは、端部に向かって先細になる台形の形状に構成され、ブレード要素22’’、22’’’、22
iv、22
vにおいて、横方向側面の2つの対向する端部には直線セクション39、39’がある。
【0054】
図5は、ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vが配置されたウォームシャフト12の軸セクションのシャフトロッド20のシェル表面の設計、および本発明の例示的な実施形態によるブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
v間の空間に延在する混練要素24を示す。混合混練機の動作中、ウォームシャフト12は回転すると同時に、1回転につき1往復で軸方向に並進移動する。これにより、混練要素24は、ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vの横方向側面に沿って往復移動し、また、シャフトロッド20の周方向に隣接しているブレード要素22、22’’または22’’、22
iv間の空間内を往復移動する。ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vの外周面はいずれの場合も平行四辺形であるが、4つのブレード要素22、22’、22
iv、22
vは2つのブレード要素22’’、22’’’よりも長く、幅が広い。
【0055】
図6は、
図5の実施形態の代替の実施形態を示す。
図6に示す実施形態では、ブレード要素22、22’、22’’、22’’’、22
iv、22
vは同様に平行四辺形であるが、4つのブレード要素22、22’、22
iv、22
vは2つのブレード要素22’’、22’’’よりも短く、幅が広い。
【符号の説明】
【0056】
10 ハウジング
12 ウォームシャフト
14,14’ ハウジング半体
16 ハウジングシェル
18 中空の内部空間
20 シャフトロッド
22,22’,22’’,22’’’,22iv,22v ブレード要素
24 混錬要素/混錬ボルト
28 混練要素用のレセプタクル/ドリル穴
29,29’,29’’(軸方向に延在する)混練要素用のレセプタクルの列
34,34’,34’’ プロセスセクション
36 充填漏斗
38 出口開口部
39,39’ 変形両凸ブレード要素の直線セクション
40(軸方向に延在する)ブレード要素の列
42 ブレード要素の横方向側面
100 混合混練機
α シャフトロッドの周面上の2つのブレード要素の中点間の角距離
β シャフトロッドの周面上の2つのブレード要素の中点間の角距離
A 列の隣接する2つのブレード要素の軸方向距離A
B 幅(ブレード要素の長さに対して垂直に延在する、ブレード要素の外周面の最も長い直線伸長)
L 長さ(ブレード要素の外周面の最も長い直線伸長)
M ブレード要素の外周面の中点