(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/392 20190101AFI20231124BHJP
G01R 31/367 20190101ALI20231124BHJP
G01R 31/396 20190101ALI20231124BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231124BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G01R31/392
G01R31/367
G01R31/396
H01M10/48 P
H02J7/00 Y
(21)【出願番号】P 2020563218
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2019050183
(87)【国際公開番号】W WO2020137914
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2018248108
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】栗澤 勇
(72)【発明者】
【氏名】内堀 富勝
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 佳代
(72)【発明者】
【氏名】松島 均
(72)【発明者】
【氏名】切通 恵介
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 浩二
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-243716(JP,A)
【文献】特開2016-090346(JP,A)
【文献】特開2003-249271(JP,A)
【文献】国際公開第2015/198631(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/165629(WO,A1)
【文献】特表2010-519691(JP,A)
【文献】特開2017-004955(JP,A)
【文献】特開2019-158666(JP,A)
【文献】Lei Ren et al.,Remainining Useful LIfe Prediction for Lithium-Ion Battery: A Deep Learning Approach,IEEE Access,米国,2018年07月23日,VOLUME 6 2018,50587 - 50598
【文献】Yu Ding et al.,Li-ion Battery Health Estimation Based on Multi-layer Characteristic Fusion and Deep Learning,IEEE VEHICLE POWER AND PROPULSION CONFERENCE(VPPC),米国,2017年12月11日,1 - 5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/36-31/44、
H01M 10/48、
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子の測定データを処理するデータ処理装置であって、
前記蓄電素子毎、又は、複数の前記蓄電素子をグループ分けした蓄電素子群毎に測定された測定データを入力した場合に、前記測定データを再現するように学習されたオートエンコーダを用いた判定モデルを記憶した記憶部と、
蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データを前記判定モデルに入力した場合に出力される再現データと、前記測定データとの誤差に基づいて、前記蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データにおける
前記蓄電素子の想定モデルから外れた異質な蓄電素子
から得た測定データを特定する特定部と
を備えるデータ処理装置。
【請求項2】
前記判定モデルは、季節別、又は前記蓄電素子の周辺環境の分類別に測定された異質でない蓄電素子
の測定データによって分別して学習されており、
前記特定部は、測定データが測定された季節又は前記分類別に判定モデルを選択して前記測定データを入力する
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記蓄電素子の使用開始からの経過時間に基づくタイミングで前記判定モデルが再学習される
請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記蓄電素子に含まれる複数の蓄電素子又は蓄電素子群の測定データの内、所定の割合が、異質な蓄電素子の測定データであると特定された場合、前記判定モデルは、全測定データを用いて再学習される
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記判定モデルに測定データを入力する前に、前記測定データに対してスムージング処理を施し、
スムージング処理後の測定データを入力する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
蓄電素子の測定データを処理するデータ処理方法であって、
前記蓄電素子毎、又は、複数の前記蓄電素子をグループ分けした蓄電素子群毎に測定された測定データを入力した場合に、前記測定データを再現するように学習されたオートエンコーダを用いた判定モデルを記憶しておき、
蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データを前記判定モデルに入力した場合に出力される再現データと前記測定データとの誤差に基づいて、前記蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データにおける
前記蓄電素子の想定モデルから外れた異質な蓄電素子
から得た測定データを特定する
データ処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
蓄電素子毎、又は、複数の前記蓄電素子をグループ分けした蓄電素子群毎に測定された測定データを入力した場合に、前記測定データを再現するように学習されたオートエンコーダを用いた判定モデルを記憶しておき、
蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データを前記判定モデルに入力した場合に出力される再現データと前記測定データとの誤差に基づいて、前記蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データにおける
前記蓄電素子の想定モデルから外れた異質な蓄電素子
から得た測定データを特定する
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子群に関する測定データを用いた演算を行なうデータ処理装置、データ処理方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電素子は、無停電電源装置、安定化電源に含まれる直流又は交流電源装置等に広く使用されている。また、再生可能エネルギー又は既存の発電システムにて発電された電力を蓄電しておく大規模なシステムでの蓄電素子の利用が拡大している。
【0003】
蓄電素子を使用したシステムでは、蓄電素子の状態診断、充電状態(SOC:State Of Charge)の推定、又は寿命予測等の実施を含む保守活動が重要になる。蓄電素子の状態診断、推定又は寿命予測の方法については、蓄電素子の充放電時に測定される電圧、電流、温度等の測定データを用いる方法を始めとして種々提案され、精度向上が図られている(特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したような蓄電素子の状態診断、推定又は寿命予測の方法は、製造時に想定されている蓄電素子モデルに基づいて確立されている。しかしながら個々の蓄電素子は、素材の性質、製造バラつき等を持っており、時間の経過又は使用環境によって蓄電素子モデルの性質から外れた異質性を出現させる。例えば、製造時には他の蓄電素子と同様の特性を有している蓄電素子であっても、想定されているモデルよりも格段に高寿命な蓄電素子、又は低寿命な蓄電素子である可能性がある。そして、蓄電素子は、充放電の繰り返しによって満充電容量が低下していくという性質を有している。同一の期間に同様の充放電の履歴を有する蓄電素子群に対し、新しい蓄電素子又は異なる履歴を有する蓄電素子を加えた場合、この新しい又は異なる履歴の蓄電素子は、蓄電素子群にとっては異質である。この異質さの程度を判定モデルによって定量的な尺度で示したものを異質度と称する。
【0006】
膨大な量の蓄電素子を接続して用いるシステム全体としての状態診断、推定又は寿命予測を実施する場合、蓄電素子群の測定データに、異質な蓄電素子の測定データが含まれている場合、診断、推定又は予測の誤差は拡大する。
【0007】
本発明は、蓄電素子に関する測定データに基づく前記蓄電素子に関する診断、推定、予測の精度を向上させるデータ処理装置、データ処理方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
データ処理装置は、蓄電素子の測定データを処理するデータ処理装置であって、前記蓄電素子毎、又は、複数の前記蓄電素子をグループ分けした蓄電素子群毎に測定された測定データを入力した場合に、前記測定データを再現するように学習されたオートエンコーダを用いた判定モデルを記憶した記憶部と、蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データを前記判定モデルに入力した場合に出力される再現データと、前記測定データとの誤差に基づいて、前記蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データにおける異質な蓄電素子の測定データを特定する特定部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】蓄電モジュール群の階層構造及び通信デバイスの接続形態の一例を示す図である。
【
図3】遠隔監視システムに含まれる装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】遠隔監視システムに含まれる装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】異質な蓄電セルを特定する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】判定モデルの学習方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
データ処理装置は、蓄電素子の測定データを処理するデータ処理装置であって、前記蓄電素子毎、又は、複数の前記蓄電素子をグループ分けした蓄電素子群毎に測定された測定データを入力した場合に、前記測定データを再現するように学習されたオートエンコーダを用いた判定モデルを記憶した記憶部と、蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データを前記判定モデルに入力した場合に出力される再現データと、前記測定データとの誤差に基づいて、前記蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データにおける異質な蓄電素子の測定データを特定する特定部とを備える。
【0011】
上記構成により、異質でない蓄電素子の測定データで学習済みのオートエンコーダに、異質な蓄電素子の測定データを入力した場合、入力した測定データとオートエンコーダで再現された出力との誤差が大きくなることから、その差を異質度として用いることで、異質な蓄電素子を含むか否かが判定される。
【0012】
判定モデルは、季節別、周辺環境別に学習されていてもよい。周辺環境は例えば、気温、湿度、日照時間等の地理的条件でもよいし、電力供給元の発電システムの種類であってもよい。判定モデルは、蓄電素子の使用開始からの時間に基づいて再学習されてもよい。
【0013】
判定モデルにより、蓄電素子の測定データの内、所定の割合のデータが異質な蓄電素子を含む測定データであると特定されることが急増した場合、周辺環境の変化に応じて蓄電素子の測定データが全体として変異したことが推測される。蓄電素子の測定データが全体として変異することに合わせて、判定モデルを再学習してもよい。
【0014】
判定モデルに入力される測定データは、時系列の平均移動を取る等のスムージング処理を施した後で使用されることが好ましい。測定データが欠落していても誤った判定を回避することができる。
【0015】
データ処理方法は、蓄電素子の測定データを処理するデータ処理方法であって、前記蓄電素子毎、又は、複数の前記蓄電素子をグループ分けした蓄電素子群毎に測定された測定データを入力した場合に、前記測定データを再現するように学習されたオートエンコーダを用いた判定モデルを記憶しておき、蓄電素子、又は蓄電素子群毎の測定データを前記判定モデルに入力した場合に出力される再現データと前記測定データとの誤差に基づいて、前記蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データにおける異質な蓄電素子の測定データを特定する。
【0016】
コンピュータプログラムは、コンピュータに、蓄電素子毎、又は、複数の前記蓄電素子をグループ分けした蓄電素子群毎に測定された測定データを入力した場合に、前記測定データを再現するように学習されたオートエンコーダを用いた判定モデルを記憶しておき、蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データを前記判定モデルに入力した場合に出力される再現データと前記測定データとの誤差に基づいて、前記蓄電素子毎、又は蓄電素子群毎の測定データにおける異質な蓄電素子の測定データを特定する処理を実行させる。
【0017】
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は、遠隔監視システム100の概要を示す図である。遠隔監視システム100は、メガソーラー発電システムS、火力発電システムF、風力発電システムWに含まれる蓄電素子群における蓄電素子に関する情報への遠隔からのアクセスを可能とする。
【0019】
メガソーラー発電システムS、火力発電システムF及び風力発電システムWには、パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System)P及び蓄電システム101が並設されている。蓄電システム101は、蓄電モジュール群Lを収容したコンテナCを複数並設して構成されている。蓄電モジュール群Lは、複数の蓄電素子を含む。蓄電素子は、鉛蓄電池及びリチウムイオン電池のような二次電池や、キャパシタのような、再充電可能なものであることが好ましい。蓄電素子の一部が、再充電不可能な一次電池であってもよい。
【0020】
遠隔監視システム100では、監視対象となる発電システムS,F,Wにおける蓄電システム101、又は装置(Pおよび後述の管理装置M)夫々に、通信デバイス1(
図2,3参照)が搭載/接続される。遠隔監視システム100は、通信デバイス1と、通信デバイス1から情報を収集するサーバ装置2(データ処理装置)と、収集された情報を閲覧するためのクライアント装置3と、装置間の通信媒体であるネットワークNとを含む。
【0021】
通信デバイス1は、蓄電素子に備えられる電池管理装置(BMU:Battery Management Unit)と通信して蓄電素子の情報を受信する端末装置(計測モニタ)であってもよいし、ECHONET/ECHONETLite(登録商標)対応のコントローラであってもよい。通信デバイス1は、独立したデバイスであってもよいし、パワーコンディショナPや蓄電モジュール群Lに搭載可能なネットワークカード型のデバイスであってもよい。通信デバイス1は、蓄電システム101における蓄電モジュール群Lの情報を取得すべく、複数の蓄電モジュールからなるグループ毎に1つずつ設けられている。パワーコンディショナPは複数台でシリアル通信が可能に接続されており、通信デバイス1は、いずれか代表となるパワーコンディショナPの制御ユニットに接続されている。
【0022】
サーバ装置2はWebサーバ機能を含み、監視対象の各装置に搭載/接続された通信デバイス1から得られる情報を、クライアント装置3からのアクセスに応じて提示する。
【0023】
ネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網N1と、所定の移動通信規格による無線通信を実現するキャリアネットワークN2とを含む。公衆通信網N1は、一般光回線を含み、ネットワークNは、サーバ装置2が接続する専用線を含む。ネットワークNは、ECHONET/ECHONETLite対応のネットワークを含んでもよい。キャリアネットワークN2には基地局BSが含まれ、クライアント装置3は基地局BSからネットワークNを介したサーバ装置2との通信が可能である。公衆通信網N1にはアクセスポイントAPが接続されており、クライアント装置3はアクセスポイントAPからネットワークNを介してサーバ装置2との間で情報を送受信することができる。
【0024】
蓄電システム101の蓄電モジュール群Lは階層構造を有している。
図2は、蓄電モジュール群Lの階層構造及び通信デバイス1の接続形態の一例を示す図である。蓄電素子の情報をサーバ装置2へ送信する通信デバイス1は、蓄電モジュール群Lに設けられた管理装置Mから蓄電モジュール群の情報を取得する。蓄電モジュール群Lは、例えば蓄電素子(蓄電セル、セルとも称する。蓄電素子内に複数の電極体(エレメント)が存在してもよい。)を複数直列に接続した蓄電モジュール(モジュールとも称する)と、蓄電モジュールを複数直列に接続したバンクと、バンクを複数並列に接続したドメインとの階層構造にて構成されている。
図2の例では、番号(#)1-Nのバンク夫々と、バンクを並列に接続したドメインとに1つずつ、管理装置Mが設けられている。バンク毎に設けられている管理装置Mは、蓄電モジュールの内部に夫々内蔵されている通信機能付きの制御基板(CMU:Cell Monitoring Unit)とシリアル通信によって通信し、蓄電モジュール内部の蓄電セルに対する測定データ(電圧、電流、温度等)を取得する。バンクの管理装置Mは、取得した蓄電セル毎の測定データに基づくバンク毎のバランス調整を行ない、通信状態の異常の検知等の管理処理を実行する。バンクの管理装置Mは夫々、ドメイン単位で設けられている管理装置Mへ各々のバンクの蓄電モジュールから得られた測定データを送信する。バンクの管理装置Mは、蓄電モジュールのバランス調整の状態をドメインの管理装置Mへ送信し、異常が検知された場合はドメインの管理装置Mへ通知する。ドメインの管理装置Mは、そのドメインに所属するバンクの管理装置Mから得られる測定データ、検知された異常等の情報を集約する。
図2の例では通信デバイス1は、ドメイン単位の管理装置Mに接続されている。
【0025】
図3及び
図4は、遠隔監視システム100に含まれる装置の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、通信デバイス1は、制御部10、記憶部11、第1通信部12及び第2通信部13を備える。制御部10はCPU(Central Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0026】
記憶部11は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11には、制御部10が読み出して実行するデバイスプログラムが記憶されている。デバイスプログラム1Pには、SSH(Secure Shell)、SNMP(Simple Network Management Protocol)等に準じた通信用プログラムが含まれる。記憶部11には、制御部10の処理によって収集された情報、イベントログ等の情報が記憶される。記憶部11に記憶された情報は、通信デバイス1の筐体に端子が露出するUSB等の通信インタフェースを介して読み出すことも可能である。
【0027】
第1通信部12は、通信デバイス1が接続されている監視対象装置との通信を実現する通信インタフェースである。第1通信部12は例えば、RS-232C又はRS-485等のシリアル通信インタフェースを用いる。例えばパワーコンディショナPはRS-485に準拠したシリアル通信機能を有する制御ユニットを備えており、第1通信部12はその制御ユニットと通信する。蓄電モジュール群Lに備えられている制御基板がCAN(Controller Area Network)バスにより接続されて制御基板間の通信をCAN通信で実現する場合、第1通信部12はCANプロトコルに基づく通信インタフェースである。第1通信部12は、ECHONET/ECHONETLiteの規格に対応する通信インタフェースであってもよい。
【0028】
第2通信部13は、ネットワークNを介した通信を実現するインタフェースであり、例えばEthernet(登録商標)、又は無線通信用アンテナ等の通信インタフェースを用いる。制御部10は、第2通信部13を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。第2通信部13が、ECHONET/ECHONETLiteの規格に対応する通信インタフェースであってもよい。
【0029】
このように構成される通信デバイス1では、制御部10が第1通信部12を介して、通信デバイス1が接続されている装置にて得られる蓄電素子に対する測定データを取得する。制御部10は、SNMP用プログラムを読み出して実行することにより、SNMPエージェントとして機能し、サーバ装置2からの情報要求に対して応答することも可能である。
【0030】
クライアント装置3は、発電システムS,F,Wの蓄電システム101の管理者又は保守担当者等のオペレータが使用するコンピュータである。クライアント装置3は、デスクトップ型若しくはラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、所謂スマートフォン又はタブレット型の通信端末であってもよい。クライアント装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33、及び操作部34を備える。
【0031】
制御部30は、CPUを用いたプロセッサである。制御部30は、記憶部31に記憶されているWebブラウザを含むクライアントプログラム3Pに基づき、サーバ装置2又は通信デバイス1により提供されるWebページを表示部33に表示させる。
【0032】
記憶部31は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部31には、クライアントプログラム3Pを含む各種プログラムが記憶されている。クライアントプログラム3Pは、記録媒体6に記憶してあるクライアントプログラム6Pを読み出して記憶部31に複製したものであってもよい。
【0033】
通信部32は、有線通信用のネットワークカード等の通信デバイス、基地局BS(
図1参照)に接続する移動通信用の無線通信デバイス、又はアクセスポイントAPへの接続に対応する無線通信デバイスを用いる。制御部30は通信部32により、ネットワークNを介してサーバ装置2又は通信デバイス1との間で通信接続又は情報の送受信が可能である。
【0034】
表示部33は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを用いる。表示部33は制御部30のクライアントプログラム3Pに基づく処理により、サーバ装置2で提供されるWebページのイメージを表示する。表示部33は、好ましくはタッチパネル内蔵型ディスプレイであるが、タッチパネル非内蔵型ディスプレイであってもよい。
【0035】
操作部34は、制御部30との間で入出力が可能なキーボード及びポインティングデバイス、若しくは音声入力部等のユーザインタフェースである。操作部34は、表示部33のタッチパネル、又は筐体に設けられた物理ボタンを用いてもよい。操作部34は、ユーザによる操作情報を制御部20へ通知する。
【0036】
図4に示すように、サーバ装置2はサーバコンピュータを用い、制御部20、記憶部21、及び通信部22を備える。本実施の形態においてサーバ装置2は、1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理を分散させてもよい。
【0037】
制御部20は、CPU又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部20は、記憶部21に記憶されているサーバプログラム21Pに基づく通信及び情報処理を実行する。サーバプログラム21PにはWebサーバプログラムが含まれ、制御部20は、クライアント装置3へのWebページの提供を実行するWebサーバとして機能する。制御部20は、サーバプログラム21Pに基づき、SNMP用サーバとして通信デバイス1から情報を収集する。制御部20は、記憶部21に記憶されているデータ処理プログラム22Pに基づいて収集された測定データに対するデータ処理を実行する。
【0038】
記憶部21は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21には、上述したサーバプログラム21P及びデータ処理プログラム22Pが記憶されている。記憶部21には、データ処理プログラム22Pに基づく処理で使用される判定モデル2Mが記憶されている。記憶部21には、制御部20の処理によって収集される監視対象となる蓄電システム101のパワーコンディショナP及び蓄電モジュール群Lの測定データが記憶される。
【0039】
記憶部21に記憶されるサーバプログラム21P、データ処理プログラム22P及び判定モデル2Mは、記録媒体5に記憶してあるサーバプログラム51P、データ処理プログラム52P、及び判定モデル5Mを読み出して記憶部21に複製したものであってもよい。
【0040】
通信部22は、ネットワークNを介した通信接続及び情報の送受信を実現する通信デバイスである。具体的には通信部22はネットワークNに対応したネットワークカードである。
【0041】
このように構成される遠隔監視システム100では、通信デバイス1が所定タイミング(例えば一定周期、又はデータ量が所定条件を満たした場合等)の都度、前回のタイミング以後に管理装置Mから取得して記憶しておいた蓄電セル毎の測定データ、及び他の情報をサーバ装置2へ送信する。通信デバイス1は、測定データに蓄電セルの識別情報(番号)を対応付けて送信する。通信デバイス1は、管理装置Mを介して得られる全てのサンプリングデータを送信してもよいし、所定の割合で間引きした測定データを送信してもよいし、平均値を送信してもよい。サーバ装置2は、測定データを含む情報を通信デバイス1から取得し、取得した測定データを、取得時間情報及び情報の取得先の装置(M,P)を識別する情報を対応付けて記憶部21に記憶する。
【0042】
サーバ装置2は、蓄電システム101の個々の蓄電セル毎に、クライアント装置3からのアクセスに応じて、記憶してある測定データの内の最新のデータを提示することができる。サーバ装置2は、蓄電セルの測定データを用い、蓄電モジュール毎、バンク又はドメイン毎の状態を提示することもできる。サーバ装置2はデータ処理プログラム22Pに基づいて、測定データを使用して蓄電システム101の異常診断、健康診断、蓄電モジュールのSOC、SOH(State Of Health)等の推定、又は寿命予測を実施し、実施結果を提示することが可能である。
【0043】
本開示におけるサーバ装置2は、上述の診断、推定又は予測の処理を行なう際に、データ処理プログラム22P及び判定モデル2Mに基づいて、蓄電セルの測定データから異質な蓄電セルの測定データを特定する。サーバ装置2は、特定された測定データを除いた他の測定データを用いて蓄電モジュール、バンク、又はドメイン毎に、製造時に想定されている蓄電素子モデルに基づく診断、推定又は予測を精度よく処理することができる。
【0044】
サーバ装置2の制御部20による異質な蓄電セルの測定データの特定方法について詳細に説明する。
【0045】
図5は、異質な蓄電セルを特定する処理の一例を示すフローチャートである。制御部20は、
図5のフローチャートを用いた異質な蓄電セルの測定データの特定を、測定データの取得タイミングの都度、又は取得周期よりも長い周期で繰り返し実行する。
【0046】
制御部20は、蓄電セルのグループを1つ選択する(ステップS101)。ステップS101において制御部20は一例として、蓄電セルをモジュール単位で選択し、つまりモジュールの識別情報を選択する。制御部20は、蓄電セルをバンク単位で選択してもよい。制御部20は他の例では、蓄電セル1つずつを選択してもよい。
【0047】
制御部20は、ステップS101で選択した蓄電セルのグループに含まれている蓄電セルに対する測定データを取得する(ステップS102)。ステップS102にて取得する測定データは、後述の判定モデル2Mの学習方法によって異なる。
【0048】
制御部20は、ステップS102にて取得した測定データに応じてスムージング、正規化等の所定の処理を施し(ステップS103)、処理後の測定データを判定モデル2Mに与え(ステップS104)、判定モデル2Mから出力される異質度を特定する(ステップS105)。
【0049】
制御部20は、ステップS105で特定した異質度を、ステップS101で選択した蓄電セルのグループを識別する情報及び取得した測定データの時間情報に対応付けて記憶部21に記憶する(ステップS106)。
【0050】
制御部20は、ステップS101で選択した蓄電セル群について、記憶部21に記憶してある過去所定期間の異質度を読み出す(ステップS107)。制御部20は、読み出した過去所定期間の異質度に基づいてステップS101で選択した蓄電セルのグループが異質な蓄電セルを含んでいるか否かを判定する(ステップS108)。ステップS108で制御部20は、例えば異質度の絶対値、異質度の時間変化量等を所定の比較値と比較した結果に基づいて判定する。
【0051】
ステップS108にて、異質な蓄電セルを含んでいると判定された場合(S108:YES)、制御部20は、ステップS101で選択した蓄電セルのグループの測定データは、異質な蓄電セルの測定データであると特定する(ステップS109)。制御部20は、特定結果を蓄電セルのグループの識別情報及び時間情報に対応付けて記憶部21に記憶し(ステップS110)、全ての蓄電セル群をステップS101で選択したか否かを判断する(ステップS111)。
【0052】
ステップS111にて全て選択したと判断された場合(S111:YES)、制御部20は、異質な蓄電セルの測定データの特定処理を終了する。
【0053】
ステップS8において異質な蓄電セルを含んでいないと判断された場合(S108:NO)、制御部20は、異質な蓄電セルの測定データでないと特定し(ステップS112)、処理をステップS110へ進める。
【0054】
ステップS111で全ての蓄電セル群を選択していないと判断された場合(S111:NO)、制御部20は処理をステップS101へ戻し、次のグループを選択する(S101)。
【0055】
図5のフローチャートで制御部20は、蓄電セルを直列に接続させたモジュール単位で異質な蓄電セルを含むか否かを判定した。しかしながらこれに限らず、判定モデル2Mの学習方法に応じて、判定対象の蓄電セル群の単位を定めればよい。例えば、バンク単位で判定してもよいし、蓄電セル個別で判定してもよい。
【0056】
判定モデル2Mを用いた異質度の特定方法について説明する。
図6は、判定モデル2Mの一例の概要図である。本実施の形態における判定モデル2Mは、蓄電セルの測定データを入力して抽象化し、抽象化された情報から再度測定データを再現するオートエンコーダを用い、制御部20は、判定モデル2Mに入力させた測定データと再現された測定データとの比較に基づき異質度を特定する。
図6の例では、判定モデル2Mは、モジュール単位の測定データを入力する。測定データは、モジュールに含まれる複数の蓄電セル夫々の電圧値である。判定モデル2Mはオートエンコーダにより、入力された電圧値群を抽象化(Encode)し、抽象化されたデータから入力電圧値群を再現(Decode)できるように、学習されている。教師データは、異質でないことが既知である蓄電セルの電圧値群を入力に用い、再現された電圧値群との差分が最小になるように学習される。教師データは例えば、試験環境における標準モデルの蓄電セルの測定データ、又は、シミュレーション演算により得られるデータである。
【0057】
図7は、判定モデル2Mの学習方法の一例を示すフローチャートである。制御部20は、記憶部21に記憶してあるデータ処理プログラム22Pに基づいて、蓄電システム101について初期的に、又は、後述するように周期的に、以下の学習処理を実行する。制御部20は、記憶部21に記憶してあるオートエンコーダの定義データに基づいてニューラルネットワークをオートエンコーダとして定義する(ステップS201)。
【0058】
制御部20は、定義されたネットワークの入力層に、教師データである既知である蓄電セルの測定データ(電圧値群)を入力し(ステップS202)、出力層から出力される再現データ(再現値群)を取得する(ステップS203)。制御部20は、入力した測定データと再現データとの間の誤差(損失)を算出し(ステップS204)、算出された誤差に基づいて、ネットワークにおける重み等のパラメータを更新する(ステップS205)。
【0059】
制御部20は、所定の学習条件を満たすか否かを判断する(ステップS206)。ステップS206で所定の学習条件を満たさないと判断された場合(S206:NO)、制御部20は処理をステップS202へ戻して他の電圧値群を用いて学習する。「所定の学習基準」は例えば、ステップS204にて算出された誤差が小さくなったか、学習データ数が所定数以上となったか、又は学習回数が所定回数以上となったか等である。
【0060】
ステップS206で所定の学習条件を満たすと判断された場合(S206:YES)、制御部20は学習処理を終了する。これにより、ニューラルネットワークが、予め用意されている異質でないことが既知である電圧値群をできるだけ精度よく再現するオートエンコーダとして学習される。
【0061】
制御部20は、
図7のフローチャートに示す処理手順を、蓄電システム101が構築されたタイミングで実行して判定モデル2Mを作成するとよい。制御部20は、システムS,F,Wが建設されると運用開始前に、ドメイン毎又はバンク毎に、新たに組み込まれた蓄電セル群から実際に得られる測定データを教師データとして
図7のフローチャートの処理手順を実行する。これにより、システムS,F,W夫々の固有の特性を持つ測定データに適合した判定モデル2Mを得ることができる。制御部20は、運用開始からの経過時間に基づくタイミングで判定モデル2Mの再学習をしてもよい。タイミングは例えば、所定周期、又は予め設定されているスケジュールである。制御部20は、運用開始からの充放電回数が所定回数を超える都度、判定モデル2Mの再学習をしてもよい。
【0062】
制御部20は、
図7のフローチャートに示す処理手順を、季節毎に行ない、季節毎に異なる判定モデル2Ma,2Mb,2Mc,…を作成してもよい。
図1に示したように大規模な発電システムS,F,Wでは蓄電セル群は屋外に設置されたコンテナC内に収容されて使用される。蓄電セルの状態は季節によって異なる気温の影響を受けたコンテナC内の温度に影響される
ため、季節毎に異なる判定モデル2Ma,2Mb,2Mc,…により判定を行なうことによって精度が高まる。蓄電セルの状態は季節によって異なる電力需要に影響される。電力需要が大きい時期(月)は測定データによって判定モデル2M再学習を繰り返し行ない、再学習後の判定モデル2M、又は月毎に異なる判定モデル2Ma,2Mb,2Mc,…を作成して使用してもよい。
【0063】
このように、判定モデル2Mがシステム毎、季節毎に学習される場合、制御部20は、
図5のフローチャートに示した処理手順を実行する前に、予めシステム毎、及び季節毎に学習されている判定モデル2Mからいずれか適切なモデルを選択して使用する。
【0064】
制御部20は、システムの運用の進行と共に判定モデル2Mを再学習するとよい。制御部20は、
図5のフローチャートに示した処理手順にて特定された異質な測定データの全蓄電セル群の測定データに対する割合が、所定の割合(例えば2割)を超えた場合に、全測定データを異質でない蓄電セルの測定データであるとして判定モデル2Mを再学習してもよい。これにより、蓄電セル群を含む蓄電システム101全体の経時変化と共に判定モデル2Mも経時変化し、誤った判定を回避し、経時的に現れる異なる異質な蓄電セルの出現に適切な判断を行なうことが期待される。判定モデル2Mが経時変化する場合、1年、2年と経過年数に応じて判定モデル2Mを別の不揮発性の記憶媒体に記憶しておき、他の蓄電システム101の経時変化に適用させてもよい。
【0065】
図6の例に示した判定モデル2Mに複数の蓄電セルの電圧値を夫々入力する場合、制御部20は、電圧値の所定期間分における平均値を算出する方法によってスムージング処理を施す。
図8は、スムージング処理の一例を示す図である。
図8では、蓄電セル毎に1分毎に測定される電圧値が、時系列に示されている。制御部20は、電圧値を判定モデル2Mに入力する際に、過去所定期間、例えば過去10分間における電圧値を平均化した値を入力する。制御部20は、データ取得時間10分(00:10)の時点では、
図8中破線で示す取得時間1分から10分までの期間の電圧値の平均(移動平均)を求めるスムージング処理を行ない、処理後の数値を判定モデル2Mに入力する。同様にして制御部20は、データ取得時間11分(00:11)の時点では、
図8中太実線で示す取得時間2分から11分までの期間の電圧値の平均(移動平均)を求めるスムージング処理を行ない、処理後の数値を判定モデル2Mに入力する。
【0066】
図8のスムージング処理により、各時点で取得できる測定データに欠落があったとしても、精度よく判定が可能である。例えば1番目の蓄電セルの電圧値はデータ取得時間6分の電圧値が欠落している。3番目の蓄電セルの電圧値は、データ取得時間6分から9分の4つの電圧値が欠落している。各時点で取得できる測定データを入力する場合、欠落しているデータは例えばゼロ値が入力される
ため、判定モデル2Mから異質であると判定されるような異質度がスパイクとして出力される。各時点の過去の測定データを用いたスムージング処理を行なうことで、データが一時的に欠落していたとしても誤った判定を回避することができる。
【0067】
判定モデル2Mは、
図6に示した例に限らない。以下の
図9又は
図10に示したような測定データを入力するモデルとして学習されてあってもよい。
図9は、判定モデル2Mの他の一例の概要図である。
図9に示す例で判定モデル2Mは、バンク単位の測定データを入力する。測定データは、バンクに含まれる蓄電セルの平均電圧値、最高電圧値、最低電圧値、電流値、平均モジュール温度、最高モジュール温度、最低モジュール温度、並びに電圧値及び電流値から算出されるSOCである。この場合も、過去数分から数百分等の時系列データの平均を取ることを含むスムージング処理を行なってよい。
図10は、判定モデル2Mの他の一例の概要図である。
図10に示す例で判定モデル2Mは、蓄電セルを1つずつの測定データを入力する。判定モデル2Mは、過去の異なる時点に対して
図8のスムージング処理を行なって得られる時系列データを入力する。
図9又は
図10の判定モデル2Mでは、測定データと再現データとの誤差を特定の損失関数を用いて求めるようしてもよい。
【0068】
上述した実施の形態では、蓄電素子群の測定データを収集するサーバ装置2にて異質な蓄電セルの測定データを特定する処理について説明した。ドメイン、バンク、及びモジュールの階層構造を持つ蓄電システム101の管理装置Mで異質な蓄電セルの測定データを特定する処理を実施してもよい。
【0069】
上述した実施の形態では、ドメイン及びバンクの階層構造を持つ蓄電素子を含む蓄電システム101における状態診断、劣化推定、又は寿命予測の処理について説明した。無停電電源装置、整流器に含まれる蓄電素子を複数接続させた蓄電モジュール群Lを並列に接続する場合も、同様の処理が適用できる。
【0070】
上述のように開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0071】
1 通信デバイス
2 サーバ装置
20 制御部
21 記憶部
21P サーバプログラム
22P データ処理プログラム
2M 判定モデル