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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両
(51)【国際特許分類】
   B62L 3/04 20060101AFI20231124BHJP
   B62K 19/38 20060101ALI20231124BHJP
   B60T 11/26 20060101ALI20231124BHJP
   B62L 3/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B62L3/04 Z
B62K19/38
B60T11/26 Z
B62L3/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021061801
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022157522
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平丸 真之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 友裕
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-056895(JP,A)
【文献】特開2010-173337(JP,A)
【文献】特開2014-118031(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62L 3/04
B62K 19/38
B60T 11/26
B62L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(11)と、後輪(15)を制動する液圧式の制動装置(50)と、前記制動装置(50)のブレーキ液を貯留するリザーブタンク(55)とを備える鞍乗り型車両において、
前記リザーブタンク(55)は、ブラケット(60)を介して前記車体フレーム(11)に支持され、
前記リザーブタンク(55)は、前記車体フレーム(11)によって車幅方向外側から覆われ、
前記ブラケット(60)は、前記リザーブタンク(55)が前記車体フレーム(11)によって車幅方向外側から覆われる通常固定位置、及び、前記リザーブタンク(55)が前記車体フレーム(11)によって車幅方向外側から覆われず車幅方向外側に露出するメンテナンス用固定位置のいずれか一方の位置に、前記リザーブタンク(55)を固定可能であることを特徴とする記載の鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記リザーブタンク(55)は、前記ブレーキ液の液面(55a)を外側から視認可能な確認窓(83b)を備え、
前記確認窓(83b)は、前記リザーブタンク(55)の後面部において車幅方向外側の角部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
後面視において、前記後輪(15)は、前記リザーブタンク(55)の一部に後方から重なり、
後面視において、前記確認窓(83b)は、前記後輪(15)の外側面(15b)よりも車幅方向外側に位置することを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記ブラケット(60)は、前記車体フレーム(11)に固定される第1ブラケット(61)と、前記リザーブタンク(55)が固定される第2ブラケット(62)とを備え、
前記第1ブラケット(61)は、前記第2ブラケット(62)が固定される第2ブラケット固定部(61b)を備え、
前記第2ブラケット(62)は、前記第2ブラケット固定部(61b)に固定されて前記リザーブタンク(55)を前記通常固定位置にする第1固定部(70)と、前記第2ブラケット固定部(61b)に固定されて前記リザーブタンク(55)を前記メンテナンス用固定位置にする第2固定部(72)とを備えることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記リザーブタンク(55)が前記第1固定部(70)によって前記通常固定位置に固定される状態では、前記第2固定部(72)は、前記第1ブラケット(61)または前記車体フレーム(11)に当接して前記第2ブラケット(62)を位置決めすることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記通常固定位置では、前記第1固定部(70)は、締結具(64)によって前記第2ブラケット固定部(61b)に締結され、
前記メンテナンス用固定位置では、前記第2固定部(72)は、同じ前記締結具(64)によって前記第2ブラケット固定部(61b)に締結されることを特徴とする請求項4または5記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記締結具(64)は、前記第2ブラケット固定部(61b)に後方から挿通されて締結され、
前記第1ブラケット(61)は、前記車体フレーム(11)において前記ブラケット(60)が固定される部分の後部寄りに配置されることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
【請求項8】
前記第1固定部(70)及び前記第2固定部(72)は、前記第2ブラケット固定部(61b)に対し前後方向に当接して固定される縦壁部であり、平面視において、前記第2固定部(72)は、前記第1固定部(70)に対し略90°ずれて配置されることを特徴とする請求項4から7のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
【請求項9】
前記後輪(15)は、前記車体フレーム(11)に揺動自在に支持されるスイングアーム(16)によって支持され、
前記リザーブタンク(55)は、前記通常固定位置では少なくとも一部が前記スイングアーム(16)に対し車幅方向内側に位置し、前記メンテナンス用固定位置では、前記通常固定位置に対し後方且つ車幅方向外側に位置することを特徴とする請求項4から8のいずれかに記載の鞍乗り型車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、後輪の制動装置のブレーキ液を貯留するリザーバタンクが、ブラケットを介して車体フレームに支持される鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、上記ブラケットは、同乗者用のステップを支持するステップステーである。特許文献1では、リザーバタンクの一部がステップステーによって車幅方向外側から覆われるため、リザーバタンクが目立ち難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-000616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、比較的細いステップステーによってリザーバタンクを覆うため、リザーバタンクは車幅方向外側に露出する。また、リザーバタンクが露出していると、乗員の足がリザーバタンクに当たることが考えられる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、鞍乗り型車両において、リザーバタンクを目立ち難くし、リザーバタンクに対する乗員の足当たりを抑制しながら外観性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
鞍乗り型車両は、車体フレームと、後輪を制動する液圧式の制動装置と、前記制動装置のブレーキ液を貯留するリザーブタンクとを備える鞍乗り型車両において、前記リザーブタンクは、ブラケットを介して前記車体フレームに支持され、前記リザーブタンクは、前記車体フレームによって車幅方向外側から覆われることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
鞍乗り型車両において、リザーバタンクを目立ち難くし、リザーバタンクに対する乗員の足当たりを抑制しながら外観性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
図2】鞍乗り型車両の後部の右側面図である。
図3図2のIII-III断面図である。
図4】リザーブタンクの取付状態を後方側から見た斜視図である。
図5】第2ブラケットを後方側から見た斜視図である。
図6】第2ブラケットに取り付けられたリザーブタンクを前方側から見た斜視図である。
図7】通常固定位置の状態でリザーブタンクを後方側から見た図である。
図8】リザーブタンクをメンテナンス用固定位置の状態に固定した場合において、図2のIII-III断面図に対応する断面図である。
図9】リザーブタンクをメンテナンス用固定位置の状態に固定した場合の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
【0010】
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
【0011】
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
【0012】
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
【0013】
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
【0014】
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
【0015】
鞍乗り型車両10は、自動二輪車であり、前輪13及び後輪15は、車幅方向の中央に位置する。
フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18の上部から後下方に延びる左右一対のメインフレーム31と、ヘッドパイプ18の下部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム32と、メインフレーム31の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム33と、ヘッドパイプ18の後方でダウンフレーム32とを接続するガセット34とを備える。
リアフレーム20は、メインフレーム31の後端部から後上方に延びる左右一対のシートフレーム35と、ピボットフレーム33の上端部から後上方に延びてシートフレーム35の後端部に接続される左右一対のサブフレーム36とを備える。
パワーユニット12は、メインフレーム31の下方で、ダウンフレーム32とピボットフレーム33との間に配置される。
シリンダー部24は、クランクケース23の前部の上面から上方に延出する。
【0016】
燃料タンク29は、メインフレーム31の上方において、車両前後方向でシート17とヘッドパイプ18との間に配置される。燃料タンク29は、メインフレーム31に支持される。
パワーユニット12の冷却水が通るラジエーター37は、シリンダー部24及びダウンフレーム32の前方に配置され、ダウンフレーム32に取り付けられる。
【0017】
鞍乗り型車両10は、車体カバーとして、ヘッドパイプ18を前方側から覆うフロントカバー38と、燃料タンク29を前方側から覆うタンクカバー39と、ラジエーター37を車幅方向外側から覆う左右一対のラジエーターシュラウド40と、シート17の下方の車体を車幅方向外側から覆う左右一対のサイドカバー41とを備える。
【0018】
鞍乗り型車両10は、スイングアーム16の上下の揺動を減衰させるリアサスペンション42を備える。リアサスペンション42の上端部は、車体フレーム11の後部に接続され、リアサスペンション42の下端部は、リンク機構43を介してスイングアーム16に接続される。
リアサスペンション42は、左右のピボットフレーム33の間に配置される。
【0019】
図2は、鞍乗り型車両10の後部の右側面図である。
図1及び図2を参照し、スイングアーム16は、車両前後方向に延びる左右一対のアーム部45L,45Rと、左右のアーム部45L,45Rを車幅方向に接続するクロスメンバー46とを備える。
ピボット軸22は、アーム部45L,45Rの前端部に接続される。アーム部45L,45Rの前端部は、左右のピボットフレーム33の間に配置される。
クロスメンバー46は、ピボット軸22の後方且つ後輪15の前方に位置する。後輪15は、クロスメンバー46の後方で左右のアーム部45L,45Rの間に配置される。
排気装置25のマフラー25aは、左右の一方側(右側)のアーム部45Rの後部の外側方に配置される。
左右の他方側(左側)のアーム部45Lには、上記駆動力伝達部材を側方及び上方から覆うカバー部材47が取り付けられる。上記駆動力伝達部材はチェーン48である。
【0020】
図2を参照し、右側のピボットフレーム33には、右側のステップ28を支持するステップホルダー49が取り付けられる。ステップホルダー49は、ピボットフレーム33から後方に延びる。ステップホルダー49は、アーム部45Rの前部を車幅方向外側から覆う。以下の説明では、右側のピボットフレームは、ピボットフレーム33Rと記載する。
【0021】
鞍乗り型車両10は、後輪15を制動する液圧式の制動装置50を備える。
制動装置50は、後輪15に設けられるブレーキディスク(不図示)と、このブレーキディスクを挟圧して後輪15を制動するブレーキキャリパー51(図1)と、乗員が操作するブレーキペダル52と、ブレーキペダル52の操作によって液圧を発生させるマスターシリンダー53と、マスターシリンダー53とブレーキキャリパー51とを接続するブレーキ配管(不図示)とを備える。制動装置50は、ブレーキペダル52の操作に連動して発生するブレーキ液の液圧によってブレーキキャリパー51を作動させ、後輪15を制動する。
【0022】
また、鞍乗り型車両10は、マスターシリンダー53用のブレーキ液を貯留するリザーブタンク55と、リザーブタンク55とマスターシリンダー53とを接続するホース56とを備える。
リザーブタンク55は、マスターシリンダー53の上方に配置される。ホース56は、リザーブタンク55の下部から下方に延びてマスターシリンダー53に接続される。
【0023】
リザーブタンク55は、ピボットフレーム33Rに取り付けられるブラケット60を介し、ピボットフレーム33Rに支持される。リザーブタンク55及びブラケット60は、ピボットフレーム33Rに対し車幅方向内側に配置される。
【0024】
図3は、図2のIII-III断面図である。図4は、リザーブタンク55の取付状態を後方側から見た斜視図である。
ブラケット60は、ピボットフレーム33Rの車幅方向の内側面33aに取り付けられる。
ピボットフレーム33Rは、ピボット軸22を介してスイングアーム16からの負荷を受けるため、この負荷を受けられるように、ピボットフレーム33Rは比較的大きなサイズに形成される。図1の車両側面視では、ピボットフレーム33Rは、メインフレーム31、ダウンフレーム32、シートフレーム35、及びサブフレーム36よりも幅が大きい。ここで、各フレームの幅は、車両側面視で各フレームの長手方向に直交する方向の幅である。
【0025】
ブラケット60は、図2図4に示される通常固定位置と、後述する図8及び図9に示されるメンテナンス用固定位置とのいずれか一方の状態で取り付けられる。以下の説明では、ブラケット60及びリザーブタンク55についての方向は、通常固定位置の状態を基準にして説明する。
ブラケット60は、ピボットフレーム33Rの車幅方向の内側面33aに固定される第1ブラケット61と、リザーブタンク55が固定される第2ブラケット62とを備える。
第2ブラケット62は、第1ブラケット61に固定される。
【0026】
第1ブラケット61は、内側面33aに固定される取付部61aと、取付部61aから車幅方向内側に延出する第2ブラケット固定部61bとを備える。
取付部61aは、内側面33aに沿う板状部である。取付部61aは、内側面33aに設けられた位置決め孔33bに係合する突起部61cを備える。
第1ブラケット61は、取付部61aに車幅方向内側から挿通されるブラケット固定具63によって、内側面33aに締結される。また、第1ブラケット61は、突起部61cが位置決め孔33bに係合することで、回り止めされる。
【0027】
第2ブラケット固定部61bは、取付部61aの後端から車幅方向内側に延出する板状部である。第2ブラケット固定部61bは、板厚方向を車両前後方向に向けて配置される。
第2ブラケット固定部61bは、第2ブラケット固定部61bを前後に貫通する孔(不図示)と、この孔と同軸に設けられるナット61dとを備える。ナット61dは、第2ブラケット固定部61bの前面に溶接される。
ナット61dには、第2ブラケット62を第1ブラケット61に締結する締結具64が後方から締結される。締結具64は、例えばボルトである。
【0028】
図5は、第2ブラケット62を後方側から見た斜視図である。図6は、第2ブラケット62に取り付けられたリザーブタンク55を前方側から見た斜視図である。
図3図6を参照し、第2ブラケット62は、第1ブラケット61の第2ブラケット固定部61bに固定されてリザーブタンク55を通常固定位置にする第1固定部70を備える。
第1固定部70は、第2ブラケット固定部61bに対し前後方向に当接して固定される縦壁部である。第1固定部70は、板厚方向を車両前後方向に指向させて配置される板状部である。第1固定部70は、第2ブラケット固定部61bの後面に後方から当接する。
第1固定部70は、締結具64が挿通される孔70aを備える。
【0029】
また、第2ブラケット62は、第1固定部70の下縁から前方に延出する板状の延出部71と、延出部71の車幅方向外側の縁から上方に延出する第2固定部72と、延出部71の前縁から上方に延出する上方延出部73と、上方延出部73から車幅方向内側に延出するリザーブタンク支持部74とを備える。
【0030】
延出部71は、略水平の板状部である。
第2固定部72は、板厚方向を車幅方向に向けて配置される縦壁部である。
図3のように上方から見た平面視では、第2固定部72は、第1固定部70に対し前方且つ車幅方向外側に位置するとともに、第1固定部70に対し略90°ずれて配置される。
第2固定部72は、第2固定部72を板厚方向に貫通する孔72aを備える。
【0031】
上方延出部73及びリザーブタンク支持部74は、互いに面一に形成された板状部である。上方延出部73及びリザーブタンク支持部74は、板厚方向を車両前後方向に指向させて配置される板状部であり、第1固定部70と略平行である。
【0032】
リザーブタンク支持部74は、リザーブタンク55が締結される締結部75と、リザーブタンク55が係合する係合部76とを備える。
締結部75は、リザーブタンク支持部74を板厚方向に貫通する孔75aと、孔75aと同軸に配置されるナット75bとを備える。ナット75bは、リザーブタンク支持部74の前面に溶接される。締結部75には、リザーブタンク55をリザーブタンク支持部74に締結するリザーブタンク締結具77が後方から締結される。
係合部76は、リザーブタンク支持部74の車幅方向内側の縁の一部を車幅方向外側に向けて切り欠いた切り欠き部である。
【0033】
図3図6を参照し、リザーブタンク55は、上面が開口した箱状のタンク本体80と、タンク本体80の上面の開口を塞ぐ蓋81とを備える。
タンク本体80は、平面視で車幅方向に長い直方体状である。蓋81は、ビス81aによってタンク本体80に締結される。蓋81が取り外された状態で、タンク本体80の上面の開口からブレーキ液が補充される。
【0034】
リザーブタンク55は、タンク本体80の前部の車幅方向外側の側部から車幅方向外側に延出するステー部82を備える。
ステー部82は、リザーブタンク締結具77が後方から挿通される孔(不図示)と、ステー部82の前面から前方に突出する突起82aとを備える。
【0035】
リザーブタンク55は、ステー部82を介して第2ブラケット62のリザーブタンク支持部74に固定される。
ステー部82は、後方からステー部82及び締結部75に挿通されるリザーブタンク締結具77によって、リザーブタンク支持部74の後面に締結される。
また、リザーブタンク55は、突起82aがリザーブタンク支持部74の係合部76に係合することで回り止めされる。
【0036】
リザーブタンク55は、ブレーキ液の液面55aを外側から視認可能な確認窓83a,83bをタンク本体80の後面部に左右一対備える。確認窓83a,83bは透光性を有する窓である。
左側の確認窓83aは、タンク本体80の後面部において車幅方向内側の角部に設けられる。右側の確認窓83bは、タンク本体80の後面部において車幅方向外側の角部に設けられる。
【0037】
図2図4には、リザーブタンク55が通常固定位置に固定された状態が示される。
通常固定位置は、鞍乗り型車両10の走行時や、鞍乗り型車両10の駐車時等の通常時に用いられる固定位置である。
第2ブラケット62が第1固定部70によって第1ブラケット61の第2ブラケット固定部61bに固定されると、リザーブタンク55は通常固定位置に固定される。
【0038】
通常固定位置の状態では、リザーブタンク55及びブラケット60は、ピボットフレーム33Rによって車幅方向外側から覆われる。すなわち、車両側面視では、ピボットフレーム33Rは、リザーブタンク55及びブラケット60に車幅方向外側から重なる。
これにより、リザーブタンク55及びブラケット60は、車両側面視においてピボットフレーム33Rによって隠される。このため、リザーブタンク55及びブラケット60が目立ち難くなり、鞍乗り型車両10の外観性が良い。
【0039】
詳細には、ピボットフレーム33Rは、リザーブタンク55の全体及びブラケット60の全体を車幅方向外側から覆う。このため、リザーブタンク55及びブラケット60が目立ち難くなり、鞍乗り型車両10の外観性が良い。
【0040】
通常固定位置の状態では、ブラケット60は、アーム部45Rの上方に位置し、図3の平面視では、アーム部45Rの前部に上方から重なる。
通常固定位置の状態では、リザーブタンク55は、車幅方向においてアーム部45Rとリアサスペンション42との間に位置する。詳細には、タンク本体80及び蓋81は、アーム部45Rに対し車幅方向内側に配置される。このため、リザーブタンク55を車幅方向の中央側に寄せることができ、鞍乗り型車両10のマスの集中化を図ることができる。
リザーブタンク55のステー部82は、アーム部45Rに上方から重なる。
【0041】
ピボットフレーム33Rは、車体フレーム11においてブラケット60が固定される部分である。そして、ブラケット60は、車両側面視で、ピボットフレーム33Rの後部側に寄せて配置される。このため、ブラケット60及びリザーブタンク55に後方からアクセスし易い。
【0042】
通常固定位置の状態では、第2ブラケット62の第2固定部72は、第1ブラケット61の取付部61aに車幅方向内側から当接する。このため、第2固定部72によって第2ブラケット62を回り止めできる。この回り止めによって、締結具64を回転中心とする第2ブラケット62の回転が規制される。これにより、締結具64で第2ブラケット62を固定する際に、第2ブラケット62の回転が規制されるため、第2ブラケット62を容易に固定できる。
通常固定位置の状態では、リザーブタンク支持部74は、第2ブラケット固定部61bの前方に位置する。
【0043】
図7は、通常固定位置の状態でリザーブタンク55を後方側から見た図である。
図7に示すように、後面視では、後輪15は、リザーブタンク55のタンク本体80及び蓋81に後方から重なり、タンク本体80及び蓋81の大部分を後方から覆う。
このため、後面視においてリザーブタンク55が目立ち難く、鞍乗り型車両10の外観性が良い。また、リザーブタンク55が、車幅方向において後輪15に重なるまで車幅方向内側に寄せられているため、鞍乗り型車両10のマスの集中化を図ることができる。
後面視では、リザーブタンク55の確認窓83bは、後輪15の車幅方向の外側面15bよりも車幅方向外側に位置する。このため、後面視において、確認窓83bを介してブレーキ液の液面55aを確認できる。
【0044】
図8は、リザーブタンク55をメンテナンス用固定位置の状態に固定した場合において、図2のIII-III断面図に対応する断面図である。図9は、リザーブタンク55をメンテナンス用固定位置の状態に固定した場合の右側面図である。
メンテナンス用固定位置は、鞍乗り型車両10のメンテナンス時に用いられる固定位置である。
第2ブラケット62が第2固定部72によって第1ブラケット61の第2ブラケット固定部61bに固定されると、リザーブタンク55はメンテナンス用固定位置に固定される。
【0045】
通常固定位置からメンテナンス用固定位置に変更する場合、図3を参照し、作業者は、締結具64の締結を解除する。次に、作業者は、第2ブラケット62を、図3において反時計回りに略90°回転させ、図8のように、同じ締結具64によって第2固定部72を第2ブラケット固定部61bに締結する。これにより、リザーブタンク55は、メンテナンス用固定位置の状態となる。
【0046】
メンテナンス用固定位置の状態において、第2固定部72は、第2ブラケット固定部61bに対し前後方向に当接して固定される縦壁部である。メンテナンス用固定位置の状態では、第2固定部72は、第2ブラケット固定部61bの後面に後方から当接する。
【0047】
メンテナンス用固定位置の状態では、リザーブタンク55は、通常固定位置に対し後方且つ車幅方向外側に位置するようになるとともに、通常固定位置に対し略90°向きが変わる。
メンテナンス用固定位置の状態では、リザーブタンク55は、アーム部45Rの上方においてピボットフレーム33Rの後縁33cよりも後方に位置する。メンテナンス用固定位置の状態では、リザーブタンク55は、サブフレーム36の下方且つステップホルダー49の上方で、後輪15の前方に位置する。
すなわち、メンテナンス用固定位置の状態では、リザーブタンク55は、ピボットフレーム33Rによって車幅方向外側から覆われず、車幅方向外側に露出する。メンテナンス用固定位置の状態では、リザーブタンク55は、略全体が車幅方向外側に露出する。
詳細には、メンテナンス用固定位置の状態では、タンク本体80、蓋81、ステー部82、及びリザーブタンク締結具77が、ピボットフレーム33Rの後方で車幅方向外側に露出する。
このため、外側からリザーブタンク55に容易にアクセスでき、リザーブタンク55のメンテナンス性が良い。例えば、蓋81を外してタンク本体80にブレーキ液を補充できる。
【0048】
メンテナンス用固定位置の状態では、第1ブラケット61は、ピボットフレーム33Rによって車幅方向外側から覆われる。
メンテナンス用固定位置の状態において、第2ブラケット62の第1固定部70は、ピボットフレーム33Rの後方に位置し、車幅方向外側に露出する。
メンテナンス用固定位置の状態では、リザーブタンク55は、アーム部45Rの前部に上方から重なる。
【0049】
メンテナンス用固定位置の状態では、確認窓83a,83bは、車幅方向の外側面に位置する。このため、確認窓83a,83bを介し車幅方向外側から液面55aを確認し易い。
ホース56は、通常固定位置からメンテナンス用固定位置への変更に対応した長さを有する。このため、通常固定位置からメンテナンス用固定位置への変更に際し、ホース56の接続状態を変更する必要はない。
【0050】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、後輪15を制動する液圧式の制動装置50と、制動装置50のブレーキ液を貯留するリザーブタンク55とを備え、リザーブタンク55は、ブラケット60を介して車体フレーム11に支持され、リザーブタンク55は、車体フレーム11によって車幅方向外側から覆われる。
この構成によれば、リザーブタンク55は、車体フレーム11によって車幅方向外側から覆われて隠れる。このため、リザーバタンク55が目立ち難くなり、鞍乗り型車両10の外観性が向上する。また、リザーバタンク55が目立ち難いため、リザーバタンク55がいたずらされ難いとともに、乗員の足がリザーバタンク55に当たることを抑制できる。
【0051】
また、車体フレーム11は、ヘッドパイプ18から後方に延出するメインフレーム31と、メインフレーム31から下方に延出するピボットフレーム33Rとを備え、ピボットフレーム33Rは、後輪15を揺動自在に支持するスイングアーム16を、ピボット軸22を介して支持し、リザーブタンク55は、スイングアーム16よりも上方において、ピボットフレーム33Rによって車幅方向外側から覆われる。
この構成によれば、ピボットフレーム33Rは、スイングアーム16からの負荷を受けることが可能なように比較的大きなサイズに形成される。サイズの大きいピボットフレーム33Rによってリザーブタンク55を車幅方向外側から覆うため、リザーブタンク55を効果的に隠すことができる。
【0052】
また、車両側面視で、リザーブタンク55の全体がピボットフレーム33Rによって車幅方向外側から覆われる。
この構成によれば、リザーブタンク55の全体をピボットフレーム33Rによって車幅方向外側から隠すことができ、外観性が良い。
【0053】
さらに、リザーブタンク55は、ブレーキ液の液面55aを外側から視認可能な確認窓83bを備え、確認窓83bは、リザーブタンク55の後面部において車幅方向外側の角部に設けられても良い。
この構成によれば、リザーブタンク55が車体フレーム11によって車幅方向外側から覆われる構成であっても、確認窓83bを外側から視認し易い。
【0054】
また、後面視において、後輪15は、リザーブタンク55の一部に後方から重なり、後面視において、確認窓83bは、後輪15の外側面15bよりも車幅方向外側に位置する。
この構成によれば、リザーブタンク55を車幅方向において後輪15側に寄せることができ、車幅方向にマスの集中化を図ることができる。また、確認窓83bが後輪15の外側面15bよりも車幅方向外側に位置するため、確認窓83bを確認し易い。
【0055】
また、ブラケット60は、リザーブタンク55が車体フレーム11によって車幅方向外側から覆われる通常固定位置、及び、リザーブタンク55が車体フレーム11によって車幅方向外側から覆われず車幅方向外側に露出するメンテナンス用固定位置のいずれか一方の位置に、リザーブタンク55を固定可能である。
この構成によれば、通常固定位置では、リザーブタンク55を車体フレーム11によって隠して外観性を向上できる。リザーブタンク55をメンテナンス用固定位置に変更することで、リザーブタンク55が車幅方向外側に露出するため、リザーブタンク55のメンテナンス性が良い。
【0056】
また、ブラケット60は、車体フレーム11に固定される第1ブラケット61と、リザーブタンク55が固定される第2ブラケット62とを備え、第1ブラケット61は、第2ブラケット62が固定される第2ブラケット固定部61bを備え、第2ブラケット62は、第2ブラケット固定部61bに固定されてリザーブタンク55を通常固定位置にする第1固定部70と、第2ブラケット固定部61bに固定されてリザーブタンク55をメンテナンス用固定位置にする第2固定部72とを備える。
この構成によれば、第1ブラケット61の第2ブラケット固定部61bに対し第1固定部70及び第2固定部72を付け替えることで、通常固定位置及びメンテナンス用固定位置の変更を容易に行うことができる。
【0057】
また、リザーブタンク55が第1固定部70によって通常固定位置に固定される状態では、第2固定部72は、第1ブラケット61に当接して第2ブラケット62を位置決めする。
この構成によれば、通常固定位置では、第2固定部72を利用して第2ブラケット62を簡単な構造で位置決めできる。
【0058】
また、通常固定位置では、第1固定部70は、締結具64によって第2ブラケット固定部61bに締結され、メンテナンス用固定位置では、第2固定部72は、同じ締結具64によって第2ブラケット固定部61bに締結される。
この構成によれば、メンテナンス用固定位置では、第1固定部70から取り外した締結具64を使用して第2固定部72を固定できるため、部品点数を削減できる。
【0059】
また、締結具64は、第2ブラケット固定部61bに後方から挿通されて締結され、第1ブラケット61は、車体フレーム11においてブラケット60が固定される部分であるピボットフレーム33Rの後部寄りに配置される。
この構成によれば、ピボットフレーム33Rの後方から締結具64及び第2ブラケット固定部61bにアクセスし易く、通常固定位置及びメンテナンス用固定位置の変更を容易に行うことができる。
【0060】
さらに、第1固定部70及び第2固定部72は、第2ブラケット固定部61bに対し前後方向に当接して固定される縦壁部であり、平面視において、第2固定部72は、第1固定部70に対し略90°ずれて配置される。
この構成によれば、第2ブラケット固定部61bに対する第1固定部70及び第2固定部72の付け替えによって、リザーブタンク55の位置を良好に変更できる。
【0061】
また、後輪15は、車体フレーム11に揺動自在に支持されるスイングアーム16によって支持され、リザーブタンク55は、通常固定位置では少なくとも一部がスイングアーム16に対し車幅方向内側に位置し、メンテナンス用固定位置では、通常固定位置に対し後方且つ車幅方向外側に位置する。
この構成によれば、通常固定位置では、リザーブタンク55を車幅方向内側に寄せて鞍乗り型車両10のマスの集中化を図ることができる。また、メンテナンス用固定位置では、リザーブタンク55が通常固定位置に対し後方且つ車幅方向外側に位置するため、リザーブタンク55にアクセスし易くなる。このため、リザーブタンク55のメンテナンス性が良い。
【0062】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、通常固定位置の状態において、第2固定部72は第1ブラケット61に当接して第2ブラケット62を位置決めすると説明したが本発明はこれに限定されない。例えば、第2固定部72は、車体フレーム11のピボットフレーム33Rの内側面33aに当接して第2ブラケット62を位置決めしても良い。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両10として自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備える3輪の鞍乗り型車両及び4輪以上を備える鞍乗り型車両に適用可能である。
【0063】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0064】
(構成1)車体フレームと、後輪を制動する液圧式の制動装置と、前記制動装置のブレーキ液を貯留するリザーブタンクとを備える鞍乗り型車両において、前記リザーブタンクは、ブラケットを介して前記車体フレームに支持され、前記リザーブタンクは、前記車体フレームによって車幅方向外側から覆われることを特徴とする鞍乗り型車両。
この構成によれば、リザーブタンクは、車体フレームによって車幅方向外側から覆われて隠れる。このため、リザーバタンクが目立ち難くなり、鞍乗り型車両の外観性が向上する。また、リザーバタンクが目立ち難いため、リザーバタンクがいたずらされ難いとともに、乗員の足がリザーバタンクに当たることを抑制できる。
【0065】
(構成2)前記車体フレームは、ヘッドパイプから後方に延出するメインフレームと、前記メインフレームから下方に延出するピボットフレームとを備え、前記ピボットフレームは、前記後輪を揺動自在に支持するスイングアームを、ピボット軸を介して支持し、前記リザーブタンクは、前記スイングアームよりも上方において、前記ピボットフレームによって車幅方向外側から覆われることを特徴とする構成1記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、ピボットフレームは、スイングアームからの負荷を受けることが可能なように比較的大きなサイズに形成される。サイズの大きいピボットフレームによってリザーブタンクを車幅方向外側から覆うため、リザーブタンクを効果的に隠すことができる。
【0066】
(構成3)車両側面視で、前記リザーブタンクの全体が前記ピボットフレームによって車幅方向外側から覆われることを特徴とする構成2記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、リザーブタンクの全体をピボットフレームによって車幅方向外側から隠すことができ、外観性が良い。
【0067】
(構成4)前記リザーブタンクは、前記ブレーキ液の液面を外側から視認可能な確認窓を備え、前記確認窓は、前記リザーブタンクの後面部において車幅方向外側の角部に設けられることを特徴とする構成2または3記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、リザーブタンクが車体フレームによって車幅方向外側から覆われる構成であっても、確認窓を外側から視認し易い。
【0068】
(構成5)後面視において、前記後輪は、前記リザーブタンクの一部に後方から重なり、後面視において、前記確認窓は、前記後輪の外側面よりも車幅方向外側に位置することを特徴とする構成4記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、リザーブタンクを車幅方向において後輪側に寄せることができ、車幅方向にマスの集中化を図ることができる。また、確認窓が後輪の外側面よりも車幅方向外側に位置するため、確認窓を確認し易い。
【0069】
(構成6)前記ブラケットは、前記リザーブタンクが前記車体フレームによって車幅方向外側から覆われる通常固定位置、及び、前記リザーブタンクが前記車体フレームによって車幅方向外側から覆われず車幅方向外側に露出するメンテナンス用固定位置のいずれか一方の位置に、前記リザーブタンクを固定可能であることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、通常固定位置では、リザーブタンクを車体フレームによって隠して外観性を向上できる。リザーブタンクをメンテナンス用固定位置に変更することで、リザーブタンクが車幅方向外側に露出するため、リザーブタンクのメンテナンス性が良い。
【0070】
(構成7)前記ブラケットは、前記車体フレームに固定される第1ブラケットと、前記リザーブタンクが固定される第2ブラケットとを備え、前記第1ブラケットは、前記第2ブラケットが固定される第2ブラケット固定部を備え、前記第2ブラケットは、前記第2ブラケット固定部に固定されて前記リザーブタンクを前記通常固定位置にする第1固定部と、前記第2ブラケット固定部に固定されて前記リザーブタンクを前記メンテナンス用固定位置にする第2固定部とを備えることを特徴とする構成6記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、第1ブラケットの第2ブラケット固定部に対し第1固定部及び第2固定部を付け替えることで、通常固定位置及びメンテナンス用固定位置の変更を容易に行うことができる。
【0071】
(構成8)前記リザーブタンクが前記第1固定部によって前記通常固定位置に固定される状態では、前記第2固定部は、前記第1ブラケットまたは前記車体フレームに当接して前記第2ブラケットを位置決めすることを特徴とする構成7記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、通常固定位置では、第2固定部を利用して第2ブラケットを簡単な構造で位置決めできる。
【0072】
(構成9)前記通常固定位置では、前記第1固定部は、締結具によって前記第2ブラケット固定部に締結され、前記メンテナンス用固定位置では、前記第2固定部は、同じ前記締結具によって前記第2ブラケット固定部に締結されることを特徴とする構成7または8記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、メンテナンス用固定位置では、第1固定部から取り外した締結具を使用して第2固定部を固定できるため、部品点数を削減できる。
【0073】
(構成10)前記締結具は、前記第2ブラケット固定部に後方から挿通されて締結され、前記第1ブラケットは、前記車体フレームにおいて前記ブラケットが固定される部分の後部寄りに配置されることを特徴とする構成9記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、車体フレームの後方から締結具及び第2ブラケット固定部にアクセスし易く、通常固定位置及びメンテナンス用固定位置の変更を容易に行うことができる。
【0074】
(構成11)前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記第2ブラケット固定部に対し前後方向に当接して固定される縦壁部であり、平面視において、前記第2固定部は、前記第1固定部に対し略90°ずれて配置されることを特徴とする構成7から10のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、第2ブラケット固定部に対する第1固定部及び第2固定部の付け替えによって、リザーブタンクの位置を良好に変更できる。
【0075】
(構成12)前記後輪は、前記車体フレームに揺動自在に支持されるスイングアームによって支持され、前記リザーブタンクは、前記通常固定位置では少なくとも一部が前記スイングアームに対し車幅方向内側に位置し、前記メンテナンス用固定位置では、前記通常固定位置に対し後方且つ車幅方向外側に位置することを特徴とする構成7から11のいずれかに記載の鞍乗り型車両。
この構成によれば、通常固定位置では、リザーブタンクを車幅方向内側に寄せて鞍乗り型車両のマスの集中化を図ることができる。また、メンテナンス用固定位置では、リザーブタンクが通常固定位置に対し後方且つ車幅方向外側に位置するため、リザーブタンクにアクセスし易くなる。このため、リザーブタンクのメンテナンス性が良い。
【符号の説明】
【0076】
10 鞍乗り型車両
11 車体フレーム
15 後輪
15b 外側面
16 スイングアーム
18 ヘッドパイプ
22 ピボット軸
31 メインフレーム
33R ピボットフレーム
50 制動装置
55 リザーブタンク
55a 液面
60 ブラケット
61 第1ブラケット
61b 第2ブラケット固定部
62 第2ブラケット
64 締結具
70 第1固定部(縦壁部)
72 第2固定部(縦壁部)
83b 確認窓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9