(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】バッテリユニット
(51)【国際特許分類】
H01M 10/658 20140101AFI20231124BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231124BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20231124BHJP
H01M 10/6556 20140101ALI20231124BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20231124BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20231124BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01M10/658
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6556
H01M10/6563
B60K1/04 Z
H05K7/20 H
(21)【出願番号】P 2021121045
(22)【出願日】2021-07-21
【審査請求日】2022-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 康智
(72)【発明者】
【氏名】ソン ゼウォン
(72)【発明者】
【氏名】坂本 紘基
(72)【発明者】
【氏名】鹿野 浩史
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-179595(JP,A)
【文献】国際公開第2017/051521(WO,A1)
【文献】特開2016-219260(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143214(WO,A1)
【文献】特開2019-123366(JP,A)
【文献】特開2004-345447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
B60K1/00-6/12
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのバッテリモジュールと、
前記バッテリモジュールを冷却する冷却気体を前記バッテリモジュールに送出する冷却装置と、
前記バッテリモジュールと外部機器とを電気的に接続し、前記バッテリモジュールの充電電力及び/又は放電電力が流れる配線部品が実装されたジャンクションボードと、を備えるバッテリユニットであって、
前記ジャンクションボードは、
上下方向から見て少なくとも一部が前記冷却装置と重なる位置で、前記冷却装置の上方に配置されて
おり、
前記冷却装置は、
前記冷却気体を吹出するファンと、
前記ファンの吸込口に連結される導入ダクトと、を有し、
前記導入ダクトは、前記上下方向において前記ジャンクションボードと前記ファンとの間に配置されている、バッテリユニット。
【請求項2】
請求項
1に記載のバッテリユニットであって、
前記バッテリユニットは、前記バッテリモジュールと、前記冷却装置と、前記ジャンクションボードと、を上方から覆うバッテリユニットカバーをさらに備え、
前記冷却装置及び前記ジャンクションボードは、
前記上下方向と直交する第1方向における前記バッテリモジュールの一方側に配置されており、
前記冷却気体は、前記バッテリモジュールの下面から前記バッテリモジュールに導入され、下方から上方に向かって前記バッテリモジュールの内部を流れて前記バッテリモジュールの上面から排出され、
前記バッテリモジュールの上方には、前記バッテリユニットカバーに囲まれた排気空間が形成されており、
前記バッテリモジュールの前記上面と、前記ジャンクションボードの上部とは、前記排気空間に面している、バッテリユニット。
【請求項3】
請求項
2に記載のバッテリユニットであって、
前記バッテリユニットは、前記排気空間に排出された前記冷却気体を前記バッテリユニットの外部に排出する排気口をさらに備え、
前記排気口は、前記上下方向及び前記第1方向の双方と直交する第2方向における前記バッテリモジュールの一方側に設けられており、
前記排気空間の最上部は、前記第1方向において前記排気口と重なる位置に形成されている、バッテリユニット。
【請求項4】
請求項
3に記載のバッテリユニットであって、
前記排気空間は、前記最上部に近づく方向に向かって上方に傾斜する傾斜部を有し、
前記傾斜部は、下端部が前記上下方向から見て前記ジャンクションボードと重なる位置となるように形成されている、バッテリユニット。
【請求項5】
請求項
3又は
4に記載のバッテリユニットであって、
前記排気口は、前記第1方向において、前記バッテリモジュールの前記第1方向における中央よりも、前記ジャンクションボードに近い位置に設けられている、バッテリユニット。
【請求項6】
請求項
2から
5のいずれか一項に記載のバッテリユニットであって、
前記バッテリユニットは、前記第1方向が車幅方向に延在するように車両の座席の下に搭載される、バッテリユニット。
【請求項7】
請求項1から
6のいずれか一項に記載のバッテリユニットであって、
前記冷却装置及び前記ジャンクションボードは、
前記上下方向と直交する第1方向における前記バッテリモジュールの一方側に配置されており、
前記第1方向から見て、それぞれ少なくとも一部が前記バッテリモジュールと重なる位置に配置されている、バッテリユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリユニットに関する。特に、車両に搭載されるバッテリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球の気候変動に対する具体的な対策として、低炭素社会又は脱炭素社会の実現に向けた取り組みが活発化している。車両においても、CO2排出量の削減が強く要求され、駆動源の電動化が急速に進んでいる。具体的には、電気自動車(Electrical Vehicle)あるいはハイブリッド電気自動車(Hybrid Electrical Vehicle)といった、車両の駆動源としての電動機と、この電動機に電力を供給可能な二次電池としてのバッテリと、を備える車両の開発が進められている。
【0003】
車両の駆動源の電動化に伴って、車両には大容量のバッテリユニットが搭載される。大容量のバッテリユニットは、発熱量も大きいため、より高い冷却性能が求められる。
【0004】
特許文献1には、ハイブリッド自動車の例えば座席下の設置空間に設けられるバッテリユニットが開示されている。特許文献1のバッテリユニットは、バッテリモジュールの縦方向に隣接して第1ファン及び第2ファンと、制御ユニットと、が設けられている。制御ユニットは、第1ファンと第2ファンとの間に配置され、第1ファン及び第2ファンは、バッテリモジュールを冷却した冷却気体を縦方向外側に向かって排出する排気ファンとして機能する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のバッテリユニットは、座席下の設置空間に設けられるため、制御ユニットで発生する熱を受熱した空気が座席とバッテリモジュールの上面との間に滞留し、第1ファン及び第2ファンによって、制御ユニットで発生する熱を受熱した空気が、バッテリモジュールを冷却する冷却気体の一部としてバッテリモジュールに供給されるため、冷却性能が低下してしまう、という課題があった。一方、特許文献1のバッテリユニットにおいて、より確実にバッテリモジュールに冷却気体を供給するために、第1ファン及び第2ファンを吸気ファンとして用いて、第1ファン及び第2ファンから排出された冷却気体をバッテリモジュールに供給する場合でも、制御ユニットで発生する熱が、第1ファン及び第2ファンに伝達してしまい、バッテリモジュールに供給する冷却気体が昇温してしまう、という課題がある。
【0007】
本発明は、より低温の冷却気体をバッテリモジュールに供給でき、冷却性能が向上したバッテリユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
少なくとも1つのバッテリモジュールと、
前記バッテリモジュールを冷却する冷却気体を前記バッテリモジュールに送出する冷却装置と、
前記バッテリモジュールと外部機器とを電気的に接続し、前記バッテリモジュールの充電電力及び/又は放電電力が流れる配線部品が実装されたジャンクションボードと、を備えるバッテリユニットであって、
前記ジャンクションボードは、
上下方向から見て少なくとも一部が前記冷却装置と重なる位置で、前記冷却装置の上方に配置されており、
前記冷却装置は、
前記冷却気体を吹出するファンと、
前記ファンの吸込口に連結される導入ダクトと、を有し、
前記導入ダクトは、前記上下方向において前記ジャンクションボードと前記ファンとの間に配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ジャンクションボードで発生した熱が冷却装置に伝達することを抑制できるので、冷却装置からバッテリモジュールに供給される冷却気体がジャンクションボードで発生した熱によって昇温することを抑制できる。これにより、より低温の冷却気体をバッテリモジュールに供給でき、バッテリユニットの冷却性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態のバッテリユニットを搭載した車両の後部座席周辺を前方斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】
図1のバッテリユニットを搭載した車両のバッテリユニット近傍を左側から見た断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態のバッテリユニットの分解斜視図である。
【
図4】
図3のバッテリユニットにおける冷却装置、ジャンクションボードブラケット、ジャンクションボード、及び、ベースプレートの要部の分解斜視図である。
【
図5】
図3のベースプレートの右端部近傍の斜視図である。
【
図6】(a)は、
図3の送出ダクトを左前上方から見た斜視図であり、(b)は、
図3の送出ダクトを左前下方から見た斜視図である。
【
図7】
図3のバッテリユニットを後方から見た要部断面図である。
【
図8】
図7の冷却装置、ジャンクションボードブラケット、ジャンクションボード、及び、ベースプレート近傍を拡大して示した要部拡大図である。
【
図9】
図3のバッテリユニットを、バッテリユニットカバー、バッテリ制御装置、バッテリ制御装置ブラケット、ジャンクションボード、及び、サービスプラグを外した状態で上方から見た図である。
【
図10】
図3のバッテリユニットを、バッテリユニットカバー、バッテリ制御装置、バッテリ制御装置ブラケットを外した状態で上方から見たジャンクションボード近傍の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のバッテリユニットの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。本実施形態では、バッテリユニットは車両に搭載されている。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、車両の運転者から見た方向に従って記載し、図面には、車両の前方をFr、後方をRr、左方をL、右方をR、上方をU、下方をD、として示す。
【0012】
<車両>
図1及び
図2に示すように、本実施形態のバッテリユニット20は、車両Vに搭載されている。車両Vは、例えば、バッテリユニット20に蓄電された電力によって車両Vを駆動可能な不図示の駆動用電動機が搭載された、ハイブリッド車やバッテリ駆動車等の電動車両である。バッテリユニット20は、フロアパネル10に載置され、フロアパネル10に固定される。バッテリユニット20の上方には、車両Vの後部座席RSが配置される。
【0013】
フロアパネル10は、車室CBの床部を構成するフロントフロアパネル11と、車室CBの後方に設けられる荷室LGの床部等を構成するリヤフロアパネル12と、を有する。フロントフロアパネル11とリヤフロアパネル12とは、後部座席RSの下方で接続されている。フロアパネル10の車幅方向の両端部は、前後方向に沿って延びる左右一対の骨格フレーム部材(不図示)に連結されており、これにより、フロアパネル10は骨格フレーム部材に固定されている。
【0014】
フロントフロアパネル11の後端部には、上方に立ち上がるキックアップ部11aが形成されている。また、フロントフロアパネル11の車幅方向中央部には、前後方向に沿ってセンタートンネル11bが形成されている。センタートンネル11bは、フロントフロアパネル11が上方に凸となるように屈曲しており、下方に台形状のトンネル空間13が形成される。
【0015】
リヤフロアパネル12の前端部には、収容凹部121が凹設されている。収容凹部121は、車幅方向に長い四角形状の底壁部121aを有し、バッテリユニット20は、底壁部121aに載置されている。
【0016】
<電源装置>
図1から
図5に示すように、バッテリユニット20は、2つのバッテリモジュール30と、バッテリモジュール30を冷却する冷却気体が通流する冷却装置40と、バッテリモジュール30の充電及び放電を制御するバッテリ制御装置51と、バッテリモジュール30と外部機器(不図示)とを電気的に接続し、バッテリモジュール30の充電電力及び放電電力が流れる配線部品が実装されたジャンクションボード52と、ジャンクションボード52を流れる電力を遮断可能なサービスプラグ53と、を備える。
【0017】
バッテリユニット20は、2つのバッテリモジュール30が載置されるベースプレート60と、ベースプレート60の下方を覆ってベースプレート60に固定された前側フレーム81及び後側フレーム82を備える。ベースプレート60は、リヤフロアパネル12の前端部に凹設された収容凹部121の底壁部121aに載置されている。
【0018】
バッテリモジュール30は、車幅方向に長い略直方体形状を有する。そして、2つのバッテリモジュール30は、前後方向に対向して配置されている。各バッテリモジュール30は、車幅方向に積層された複数のバッテリセル31を有する。バッテリセル31は、車幅方向が最も短い略直方体形状を有する。
【0019】
冷却装置40、ジャンクションボード52、及び、サービスプラグ53は、バッテリモジュール30の右側に配置されている。冷却装置40及びジャンクションボード52は、車幅方向から見て、少なくとも一部がバッテリモジュール30と重なる位置に設けられている。
【0020】
これにより、バッテリユニット20の前後方向寸法及び高さ寸法を抑制しつつ、バッテリユニット20に冷却装置40及びジャンクションボード52を配置することができる。
【0021】
冷却装置40は、バッテリモジュール30を冷却する冷却気体を吹出するファン41と、ファン41に冷却気体を導入する導入ダクト42と、ファン41から吹出された冷却気体を所望の方向に送出する送出ダクト43と、を有する。
【0022】
ファン41は、ベースプレート60に載置されている。ファン41は、車幅方向から見て、少なくとも一部がバッテリモジュール30と重なる位置に設けられている。ファン41は、冷却気体を回転軸心方向から冷却気体を吸い込んで、遠心方向に冷却気体を吹き出す羽根車41aと、羽根車41aを軸支且つ収容するファンケース41bと、を有する。ファンケース41bは、羽根車41aに供給される冷却気体を吸い込む吸込口41cと、羽根車41aから吹き出された冷却気体を排出する吹出口41dと、を有する。本実施形態では、羽根車41aの回転軸心は、上下方向に延在している。ファンケース41bは、上下方向に延びる略円柱形状を有する。吸込口41cは、上方に向かって開口している。吹出口41dは、略円柱形状のファンケース41bから左方に突出しており、左方に向かって開口している。したがって、ファン41は、吸込口41cから上方の冷却気体を吸い込んで、吹出口41dから左方に向かって冷却気体を送出する。
【0023】
導入ダクト42は、ファン41の上方に配置されている。導入ダクト42は、ファン41の上部に隣接して設けられており、ファン41の上部を覆っている。導入ダクト42は、車幅方向から見て、少なくとも一部がバッテリモジュール30と重なる位置に設けられている。導入ダクト42には、冷却気体が通流する流路42aが形成されている。流路42aの一端側には、前方斜め上方向に開口する導入口42bが設けられている。流路42aの他端側には、下方向に開口し、ファンケース41bの吸込口41cに連結する排出口42cが設けられている。導入ダクト42において、バッテリモジュール30を冷却する冷却気体は、導入口42bから流路42aに導入され、流路42aを流れて排出口42cからファン41の吸込口41cに吸い込まれる。
【0024】
導入ダクト42の左端部には、略円柱状に下方に突出する位置決めピン42dが前後一対設けられている。位置決めピン42dは、先端が先細のテーパ形状となった略円柱形状を有する。
【0025】
送出ダクト43は、ファン41の左側に隣接して設けられており、ファンケース41bの吹出口41dと連結している。送出ダクト43は、ファンケース41bの吹出口41dから吹き出された冷却気体をバッテリモジュール30の下面に沿うように左方に向かって送出する。送出ダクト43の詳細については、後述する。
【0026】
バッテリ制御装置51は、上下方向が最も短い略直方体形状を有し、前後方向に並んだ2つのバッテリモジュール30を前後方向に跨ぐようにして、バッテリモジュール30の上面と対向する位置に配置される。
【0027】
ジャンクションボード52は、上下方向が最も短い略直方体形状を有し、上下方向から見て少なくとも一部が冷却装置40と重なる位置で、冷却装置40の上方に配置されている。したがって、冷却装置40の導入ダクト42は、上下方向においてジャンクションボード52とファン41との間に配置されている。また、ジャンクションボード52は、車幅方向から見て、少なくとも一部がバッテリモジュール30と重なる位置に設けられている。
【0028】
サービスプラグ53は、外部機器(不図示)とジャンクションボード52とを電気的に接続する配線部材に設けられており、手動で挿脱可能なプラグである。サービスプラグ53が挿入されている状態のとき、外部機器(不図示)とジャンクションボード52とは電気的に接続され、サービスプラグ53が抜脱されている状態のとき、外部機器(不図示)とジャンクションボード52とは電気的に遮断される。サービスプラグ53は、ジャンクションボード52の前方に配置されている。サービスプラグ53は、前後方向から見て、少なくとも一部がジャンクションボード52と重なる位置に設けられている。
【0029】
図3から
図5に示すように、ベースプレート60は、2つのバッテリモジュール30と、バッテリモジュール30の右側に配置された冷却装置40と、の下方を覆う底壁部61と、底壁部61の前後左右の外縁部から上方に屈曲して、底壁部61の前後左右の外縁部を取り囲んで上下方向に延在する側壁部62と、を有する。側壁部62は、底壁部61の前縁部から上方に屈曲した前壁部62aと、底壁部61の後縁部から上方に屈曲した後壁部62bと、底壁部61の左縁部から上方に屈曲した左壁部62cと、底壁部61の右縁部から上方に屈曲した右壁部62dと、を有する。
【0030】
ベースプレート60は、底壁部61の上面に固定されて車幅方向に延在するシール部材63をさらに有する。シール部材63は、気体が不透過な材料で形成されている。本実施形態では、シール部材63は、上面及び下面に粘着剤層が形成されたゴム発泡体によって形成されている。そして、シール部材63の下面に形成された粘着剤層がベースプレート60の底壁部61の上面に粘着することによって、シール部材63は、底壁部61の上面との間に隙間が形成されないようにして、底壁部61の上面に固定されている。シール部材63は、前後方向に延在する左右一対の側部シール部材63aと、左右一対の側部シール部材63aの前端部を連結して車幅方向に延在する前部シール部材63bと、左右一対の側部シール部材63aの前端部を連結して車幅方向に延在する後部シール部材63cと、左右一対の側部シール部材63aの前後方向略中央部を連結して車幅方向に延在する中央部シール部材63dと、を有する。左右一対の側部シール部材63aは、それぞれ左右方向においてバッテリモジュール30の左端部及び右端部と略同位置で、前方に配置されたバッテリモジュール30の前端部と略同位置から、後方に配置されたバッテリモジュール30の後端部と略同位置まで前後方向に延在する。前部シール部材63b、後部シール部材63c、及び、中央部シール部材63dは、それぞれ左右方向において、バッテリモジュール30の左端部と略同位置からバッテリモジュール30の右端部と略同位置まで車幅方向に延在する。
【0031】
2つのバッテリモジュール30は、シール部材63に載置される。2つのバッテリモジュール30のうち、前方に配置されるバッテリモジュール30は、前端部がシール部材63の前部シール部材63bに支持され、後端部がシール部材63の中央部シール部材63dに支持されるように載置される。そして、前方に配置されるバッテリモジュール30の重量によって前部シール部材63b及び中央部シール部材63dが圧縮し、前部シール部材63b及び中央部シール部材63dの上面に形成された粘着剤層が、前方に配置されるバッテリモジュール30の下面に粘着することによって、前方に配置されるバッテリモジュール30は、前部シール部材63b及び中央部シール部材63dの上面との間に隙間が形成されないようにして、前部シール部材63b及び中央部シール部材63dの上面に固定されている。2つのバッテリモジュール30のうち、後方に配置されるバッテリモジュール30は、前端部がシール部材63の中央部シール部材63dに支持され、後端部がシール部材63の後部シール部材63cに支持されるように載置される。そして、後方に配置されるバッテリモジュール30の重量によって中央部シール部材63d及び後部シール部材63cが圧縮し、中央部シール部材63d及び後部シール部材63cの上面に形成された粘着剤層が、後方に配置されるバッテリモジュール30の下面に粘着することによって、後方に配置されるバッテリモジュール30は、中央部シール部材63d及び後部シール部材63cの上面との間に隙間が形成されないようにして、中央部シール部材63d及び後部シール部材63cの上面に固定されている。これにより、シール部材63を挟んで、バッテリモジュール30の下面とベースプレート60の底壁部61との間には、バッテリモジュール30を冷却する冷却気体が流れる流路60aが形成される。本実施形態では、前方に配置されるバッテリモジュール30の下面と、ベースプレート60の底壁部61と、左右一対の側部シール部材63aと、前部シール部材63bと、中央部シール部材63dと、によって囲まれた流路60a、及び、後方に配置されるバッテリモジュール30の下面と、ベースプレート60の底壁部61と、左右一対の側部シール部材63aと、中央部シール部材63dと、後部シール部材63cと、によって囲まれた流路60a、が形成される。そして、前方に配置されるバッテリモジュール30の下面と、ベースプレート60の底壁部61とは、気体が不透過なシール部材63に隙間なく固定されており、且つ、後方に配置されるバッテリモジュール30の下面と、ベースプレート60の底壁部61とは、気体が不透過なシール部材63に隙間なく固定されているので、2つの流路60aを流れる気体は、バッテリモジュール30の下面とベースプレート60の底壁部61との間から流路60aの外部に漏出しないようになっている。
【0032】
ベースプレート60は、底壁部61の上面に固定されて前後方向に延在する板状の支持部材64をさらに有する。支持部材64は、前後方向及び車幅方向に延在する主面64aと、主面64aの前縁部、後縁部、及び左縁部から下方に屈曲し、主面64aの前縁部、後縁部、及び左縁部を取り囲んで上下方向に延在する側壁部64bと、側壁部64bの下端部からフランジ状に延出するフランジ部64cと、を有する。したがって、側壁部64b及びフランジ部64cは、上下方向から見て、右方向に開口したU字形状を有する。フランジ部64cの下面は、ベースプレート60の底壁部61に当接して底壁部61に固定されている。支持部材64は、主面64aの左縁部よりも左方に延出した部分のフランジ部64cの上面にシール部材63の右側の側部シール部材63aが配置されるように設けられる。すなわち、支持部材64は、主面64aの左縁部よりも左方に延出した部分のフランジ部64cにおいて、底壁部61とシール部材63の右側の側部シール部材63aとによって上下方向に挟まれる。そして、右側の側部シール部材63aの下面に形成された粘着剤層が主面64aの左縁部よりも左方に延出した部分のフランジ部64cの上面に粘着している。
【0033】
支持部材64の下面と底壁部61との間には、支持部材64の下面と底壁部61とによって囲まれた流路接続空間60bが形成される。流路接続空間60bは、支持部材64のフランジ部64cから主面64aに向かって上方に膨出した形状となっている。前述したように、支持部材64は、主面64aの左縁部よりも左方に延出した部分のフランジ部64cの上面にシール部材63の右側の側部シール部材63aが配置されるように設けられているので、流路接続空間60bは、バッテリモジュール30の下面とベースプレート60の底壁部61との間に形成された流路60aに連続する。このように、支持部材64は、支持部材64の下面と底壁部61とによって囲まれた流路接続空間60bが、バッテリモジュール30の下面とベースプレート60の底壁部61との間に形成された流路60aに連続するように設けられている。そして、右側の側部シール部材63aの下面に形成された粘着剤層が主面64aの左縁部よりも左方に延出した部分のフランジ部64cの上面に粘着しているので、流路接続空間60bを流れる気体は、漏出せずに流路60aへと流れる。
【0034】
前側フレーム81は、ベースプレート60に連結され、車幅方向に延在して、ベースプレート60の前壁部62aを覆っている。後側フレーム82は、ベースプレート60に連結され、車幅方向に延在して、ベースプレート60の後壁部62bを覆っている。そして、前側フレーム81は、ボルト等の締結部材により、車両Vのフロアパネル10、詳細には、フロントフロアパネル11のキックアップ部11aに固定される。後側フレーム82は、ボルト等の締結部材により、車両Vのフロアパネル10、詳細には、リヤフロアパネル12の前端部に固定される(
図2参照)。
【0035】
後側フレーム82の右端部には、前方に突出する突出部82aが形成されている。突出部82aは、後側フレーム82の右後端部から前方に向かって略水平方向に延在する平板状を有する。突出部82aには、突出部82aを上下方向に挿通して上方に突出する略円柱状の雄ネジピン82bが設けられている。雄ネジピン82bの外周面は、雄ネジ加工されている。
【0036】
(バッテリモジュールの固定)
図3から
図5、
図7及び
図9に示すように、ベースプレート60は、左壁部62cから右側に向かって突出した左側バッテリモジュール取付部65を有する。左側バッテリモジュール取付部65には、上下方向に挿通して上方に突出する略円柱状の雄ネジピン65aが前後一対設けられている。各雄ネジピン65aの外周面は、雄ネジ加工されている。左側バッテリモジュール取付部65には、左側バッテリモジュールブラケット71が固定されている。
【0037】
左側バッテリモジュールブラケット71は、車幅方向から見て、前後に並んだ2つのバッテリモジュール30の左側面と重なる位置で、前後方向及び上下方向に延在するメインプレート71aと、メインプレート71aの上端から右方向に屈曲して、前後方向及びメインプレート71aの上端から右方向に延在し、前後に並んだ2つのバッテリモジュール30の上面の左端部と対向する上端部71bと、メインプレート71aの下端から左方向に屈曲して、前後方向及びメインプレート71aの下端から左方向に延在し、左側バッテリモジュール取付部65と対向する下端部71cと、を有する。
【0038】
左側バッテリモジュールブラケット71の下端部71cには、左側バッテリモジュール取付部65に設けられた前後一対の雄ネジピン65aと重なる位置に、各雄ネジピン65aが挿通する挿通孔が前後一対形成されている。左側バッテリモジュールブラケット71は、下端部71cに形成された前後一対の挿通孔に左側バッテリモジュール取付部65の前後一対の雄ネジピン65aがそれぞれ挿通し、各雄ネジピン65aにナット等の締結部材が上方から締結されることによって、下端部71cが左側バッテリモジュール取付部65に固定される。このようにして、左側バッテリモジュールブラケット71は、下端部71cが左側バッテリモジュール取付部65に固定され、上下方向に延在する。
【0039】
前後に並んだ2つのバッテリモジュール30のそれぞれの左側面には、左方に突出する略円柱状の雄ネジピン30aが上下に2つ設けられている。左側バッテリモジュールブラケット71のメインプレート71aには、2つのバッテリモジュール30のそれぞれの左側面から左方に突出する各雄ネジピン30aと重なる位置に、各雄ネジピン30aが挿通する挿通孔が形成されている。左側バッテリモジュールブラケット71のメインプレート71aに形成された挿通孔に、2つのバッテリモジュール30のそれぞれの左側面に設けられた雄ネジピン30aがそれぞれ挿通し、各雄ネジピン30aにナット等の締結部材が左方から締結されることによって、左側バッテリモジュールブラケット71は、前後に並んだ2つのバッテリモジュール30のそれぞれの左側面を左方から支持する。
【0040】
支持部材64の主面64aには、主面64aを上下方向に挿通して上方に突出する略円柱状の雄ネジピン64dが前後一対設けられている。各雄ネジピン64dの外周面は、雄ネジ加工されている。
【0041】
支持部材64には、右側バッテリモジュールブラケット72が固定されている。右側バッテリモジュールブラケット72は、車幅方向から見て、前後に並んだ2つのバッテリモジュール30の右側面と重なる位置で、前後方向及び上下方向に延在するメインプレート72aと、メインプレート72aの上端から左方向に屈曲して、前後方向及びメインプレート72aの上端から左方向に延在し、前後に並んだ2つのバッテリモジュール30の上面の右端部と対向する上端部72bと、メインプレート72aの下端から左方向に屈曲して、前後方向及びメインプレート72aの下端から左方向に延在し、支持部材64の主面64aと対向する下端部72cと、を有する。
【0042】
右側バッテリモジュールブラケット72の下端部72cには、支持部材64の主面64aに設けられた前後一対の雄ネジピン64dと重なる位置に、雄ネジピン64dが挿通する挿通孔が前後一対形成されている。右側バッテリモジュールブラケット72は、下端部72cに形成された前後一対の挿通孔に支持部材64の主面64aに設けられた前後一対の雄ネジピン64dがそれぞれ挿通し、各雄ネジピン64dにナット等の締結部材64eが上方から締結されることによって、下端部72cが支持部材64の主面64aに固定される。このようにして、右側バッテリモジュールブラケット72は、下端部72cが支持部材64に固定され、上下方向に延在する。本実施形態では、締結部材64eは、雄ネジピン64dに螺合可能なナットである。
【0043】
前後に並んだ2つのバッテリモジュール30のそれぞれの右側面には、右方に突出する略円柱状の雄ネジピン30bが上下に2つ設けられている。右側バッテリモジュールブラケット72のメインプレート72aには、2つのバッテリモジュール30のそれぞれの右側面から右方に突出する各雄ネジピン30bと重なる位置に、各雄ネジピン30bが挿通する挿通孔が形成されている。右側バッテリモジュールブラケット72のメインプレート72aに形成された挿通孔に、2つのバッテリモジュール30のそれぞれの右側面に設けられた雄ネジピン30bがそれぞれ挿通し、各雄ネジピン30bにナット等の締結部材が右方から締結されることによって、右側バッテリモジュールブラケット72は、前後に並んだ2つのバッテリモジュール30のそれぞれの右側面を右方から支持する。
【0044】
(冷却装置の固定)
図4及び
図5に示すように、ベースプレート60は、右壁部62dから左側に向かって突出した第1ファン取付部66を有する。第1ファン取付部66には、上下方向に挿通して上方に突出する略円柱状の雄ネジピン66aが前後一対設けられている。各雄ネジピン66aの外周面は、雄ネジ加工されている。
【0045】
ベースプレート60は、車幅方向において第1ファン取付部66と支持部材64との間で、後壁部62bから前側に向かって突出した第2ファン取付部67を有する。第2ファン取付部67は、上下方向に挿通して上方に突出する略円柱状の雄ネジピン67aが本実施形態では1つ設けられている。雄ネジピン67aの外周面は、雄ネジ加工されている。
【0046】
上下方向に延びる略円柱形状を有するファンケース41bには、径方向外側に突出した耳部41eが設けられている。本実施形態では、耳部41eは、ファンケース41bの右前領域と、ファンケース41bの右後領域と、ファンケース41bの左後領域と、に設けられている。したがって、本実施形態では、ファンケース41bには、計3つの耳部41eが設けられている。各耳部41eには、上下方向に貫通する挿通孔が形成されている。そして、ファンケース41bの右前領域と、ファンケース41bの右後領域と、に設けられた耳部41eに形成された挿通孔に、第1ファン取付部66に設けられた前後一対の雄ネジピン66aがそれぞれ挿通し、ファンケース41bの左後領域に設けられた耳部41eに形成された挿通孔に、第2ファン取付部67に設けられた雄ネジピン67aが挿通し、雄ネジピン66a及び雄ネジピン67aそれぞれにナット等の締結部材が上方から締結されることによって、ファンケース41bは、ベースプレート60の第1ファン取付部66及び第2ファン取付部67に固定されている。このようにして、ファン41は、ベースプレート60に固定されている。
【0047】
図6に示すように、送出ダクト43は、上面431、前面432、後面433、左面434、及び、右面435を備える。送出ダクト43の下部は開口している。
【0048】
送出ダクト43は、アッパー部材43aとロア部材43bと、を有する。アッパー部材43aは、送出ダクト43の上面431と、前面432の上部領域と、後面433の上部領域と、左面434の上部領域と、右面435の上部領域と、を形成する。ロア部材43bは、送出ダクト43の前面432の下部領域と、後面433の下部領域と、左面434の下部領域と、右面435の下部領域と、を形成する。送出ダクト43は、アッパー部材43aとロア部材43bとが連結されて形成されている。本実施形態では、ロア部材43bの上端に上方に突出する係止爪が複数設けられており、当該係止爪がアッパー部材43aに係止することによって、アッパー部材43aとロア部材43bとが連結されている。
【0049】
送出ダクト43には、アッパー部材43aとロア部材43bとによって囲まれたダクト部43cが形成される。
【0050】
送出ダクト43の左面434には、角筒状に左斜め前方に突出してダクト部43cと連通し、突出端部が開口し、ファン41のファンケース41bに形成された吹出口41dと連結する導入口43dが形成されている。これにより、ファン41の吹出口41dから吹き出された冷却気体は、導入口43dを通ってダクト部43cに導入される。
【0051】
送出ダクト43の前面432の下縁部432a、後面の433の下縁部433a、及び右面435の下縁部435aは、ベースプレート60の底壁部61の形状に沿った形状となっている。送出ダクト43の左面434の下縁部435aは、底壁部61よりも上方に湾曲した湾曲部43eを有する。湾曲部43eは、支持部材64の上面に沿った形状となっている。
【0052】
送出ダクト43は、前面432の下縁部432a、後面の433の下縁部433a、湾曲部43eを含む左面434の下縁部434a、及び右面435の下縁部435aを外縁とする開口部43fを有する。したがって、開口部43fは下方及び左方に向かって開口する。
【0053】
開口部43fの外縁、すなわち、前面432の下縁部432a、後面の433の下縁部433a、湾曲部43eを含む左面434の下縁部434a、及び右面435の下縁部435aには、前後左右の全周に亘ってシール部材43gが設けられている。シール部材43gは、例えばゴム等の弾性材料によって形成される。
【0054】
送出ダクト43の上面431には、導入ダクト42の下面が当接する台座部43hが設けられている。台座部43hは、前後方向に延在するようにアッパー部材43aの左端部に設けられている。アッパー部材43aには、台座部43hから左方に突出する突出部43iが前後一対設けられている。
【0055】
各突出部43iの先端部には、支持部材64の主面64aに設けられた雄ネジピン64d、及び、雄ネジピン64dに締結された締結部材64eと係合する第1係合部43jが設けられている。第1係合部43jは、突出部43iの先端部の下面から中空筒状に突出し、下端が開口した大径部43kを有する。大径部43kは、支持部材64の主面64aに設けられた雄ネジピン64d、及び、雄ネジピン64dに締結された締結部材64eが係合可能な中空筒形状となっている。
【0056】
第1係合部43jは、大径部43kと同一中心で、突出部43iの先端部を上下方向に貫通する小径部43mをさらに有する。小径部43mは、支持部材64の主面64aに設けられた雄ネジピン64dが挿通可能、且つ、雄ネジピン64dに締結された締結部材64eが挿通不可能な孔形状となっている。
【0057】
さらに、各突出部43iには、導入ダクト42の左端部に設けられた位置決めピン42dが係合する第2係合部43nが設けられている。本実施形態では、第2係合部43nは、突出部43iにおいて、第1係合部43jの右方に設けられている。第2係合部43nは、突出部43iを上下方向に貫通し、導入ダクト42の位置決めピン42dが挿通可能な貫通孔である。
【0058】
送出ダクト43には、ファンケース41bの吹出口41dに係止する係止爪43pが設けられている。本実施形態では、係止爪43pは、アッパー部材43aに設けられている。
【0059】
図4から
図9に示すように、送出ダクト43の係止爪43pが、ファンケース41bの吹出口41dに係止することによって、送出ダクト43はファン41に連結され、また、送出ダクト43の導入口43dは、ファンケース41bに形成された吹出口41dと連結する。
【0060】
また、送出ダクト43の前面432の下縁部432a、後面の433の下縁部433a、及び右面435の下縁部435aは、シール部材43gを介してベースプレート60の底壁部61と当接している。送出ダクト43の湾曲部43eを含む左面434の下縁部434aは、シール部材43gを介して支持部材64の上面と当接している。したがって、開口部43fは、下方と、支持部材64の下面と底壁部61とによって囲まれた流路接続空間60bとに向かって開口する。また、送出ダクト43の開口部43fは、シール部材43gを介して、ベースプレート60の底壁部61と、ベースプレート60の支持部材64の上面とによってシールされる。
【0061】
このとき、送出ダクト43の第1係合部43jは、支持部材64の上面に設けられた雄ネジピン64d、及び、雄ネジピン64dに締結された締結部材64eと係合する。このように、支持部材64の上面に設けられた雄ネジピン64d、及び、雄ネジピン64dに締結された締結部材64eは、送出ダクト43の第1係合部43jが係合する被係合部としても機能する。
【0062】
これにより、送出ダクト43をベースプレート60に取り付ける際、ベースプレート60に送出ダクト43の第1係合部を係合することによって、送出ダクト43をベースプレート60に対して容易に位置決めができ、バッテリユニット20の組立性が向上する。
【0063】
さらに、送出ダクト43の第1係合部43jが係合する被係合部として機能する、雄ネジピン64dと、雄ネジピン64dに締結された締結部材64eとは、支持部材64の上面に設けられている。これにより、送出ダクト43を上方からベースプレート60に取り付けることができ、また、送出ダクト43を上方からベースプレート60に取り付ける際に、送出ダクト43の第1係合部43jと係合する被係合部の位置を確認しやすいので、バッテリユニット20の組立性がより向上する。
【0064】
ベースプレート60に取り付けられたファン41及び送出ダクト43において、ファン41の吹出口41dから吹き出され、導入口43dを通ってダクト部43cに導入された冷却気体は、送出ダクト43の開口部43fから、支持部材64の下面と底壁部61とによって囲まれた流路接続空間60bに送出される。このように、送出ダクト43は、ファン41の吹出口41dから吹き出され、導入口43dを通ってダクト部43cに導入された冷却気体を、支持部材64の下面と底壁部61とによって囲まれた流路接続空間60bに送出する。そして、送出ダクト43から送出された冷却気体は、流路接続空間60bを通って、流路接続空間60bと連続する流路60aに送出される。このようにして、冷却装置40は、冷却気体を流路60aに送出する。
【0065】
このとき、ファン41は、バッテリモジュール30が載置されたベースプレート60に固定されているので、ファン41をバッテリモジュール30に対して位置決めしてベースプレート60に固定できる。これにより、ファン41を固定するためのブラケット等を用いずに、ファン41をバッテリモジュール30に対して位置決めして固定でき、バッテリユニット20の組立性が向上する。また、ファン41は、ベースプレート60に固定されているので、バッテリモジュール30の下面とベースプレート60との間に形成された流路60aの近傍にファン41を配置することができる。これにより、ファン41から流路60aまでの距離を短くすることができるので、バッテリユニット20を小型化できる。
【0066】
また、送出ダクト43の開口部43fは、シール部材43gを介して、ベースプレート60の底壁部61と、ベースプレート60の支持部材64の上面とによってシールされるので、送出ダクト43を、ベースプレート60の支持部材64の上面、及び、ベースプレート60の底壁部61に当接するように、上方から載置するだけで、送出ダクト43の開口部43fをシールでき、バッテリユニット20の組み立てが容易となる。
【0067】
導入ダクト42は、送出ダクト43の前後一対の突出部43iに設けられた第2係合部43nに、導入ダクト42の左端部に設けられた前後一対の位置決めピン42dがそれぞれ挿通して、ファン41の上面及び送出ダクト43の台座部43hに載置されている。さらに、導入ダクト42は、排出口42cがファンケース41bの吸込口41cに嵌合して、ファン41の上面及び送出ダクト43の台座部43hに載置されている。
【0068】
このとき、ファン41の吸込口41cは、上方に向かって開口しており、導入ダクト42は、ファン41の上方に配置されているので、導入ダクト42の排出口42cとファンケース41bの吸込口41cとが嵌合するように導入ダクト42をバッテリユニット20に組み付けることが容易となる。
【0069】
また、導入ダクト42をファン41の上面及び送出ダクト43の台座部43hに取り付ける際、送出ダクト43の前後一対の突出部43iに設けられた第2係合部43nに、導入ダクト42の左端部に設けられた前後一対の位置決めピン42dをそれぞれ挿通することによって、導入ダクト42を送出ダクト43に対して容易に位置決めができるので、バッテリユニット20の組立性が向上する。
【0070】
さらに、送出ダクト43の第2係合部43nが送出ダクト43の上面431に設けられているので、導入ダクト42を上方からファン41の上面及び送出ダクト43の台座部43hに取り付けることができ、また、導入ダクト42を上方からファン41の上面及び送出ダクト43の台座部43hに取り付ける際に、送出ダクト43の第2係合部43nの位置を確認しやすいので、バッテリユニット20の組立性がより向上する。
【0071】
バッテリユニット20は、導入ダクト42の上方に延在し、ジャンクションボード52を支持するジャンクションボードブラケット73をさらに備える。したがって、導入ダクト42は、ファン41とジャンクションボードブラケット73との間に配置される。ジャンクションボードブラケット73は、上下方向から見て導入ダクト42と重なる位置で前後方向及び車幅方向に延在するメインプレート730を有する。
【0072】
メインプレート730の左端部には、前後方向略中央の位置に、左中央固定部730aが設けられている。左中央固定部730aには、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。
【0073】
ジャンクションボードブラケット73は、メインプレート730の右前端部から下方に屈曲して、メインプレート730から下方に延在する第1延在部731をさらに有する。第1延在部731の下端部731aは、右前方向に屈曲して略水平方向に延在する。第1延在部731の下端部731aには、右前固定部731bが設けられている。右前固定部731bには、上下方向に貫通し、前述したベースプレート60の第1ファン取付部66に設けられた前後一対の雄ネジピン66aのうちの前側の雄ネジピン66aが挿通可能な貫通孔が形成されている。
【0074】
ジャンクションボードブラケット73は、メインプレート730の右後端部から右方に突出して略水平方向に延在する第2延在部732をさらに有する。第2延在部732の右端部732aには、右後固定部732bが設けられている。右後固定部732bには、上下方向に貫通し、前述した後側フレーム82の右端部に形成された突出部82aに設けられた雄ネジピン82bが挿通可能な貫通孔が形成されている。
【0075】
右側バッテリモジュールブラケット72のメインプレート72aには、メインプレート72aから右方向に延出し、前後方向及び車幅方向に延在する平板状の延出部72dが設けられている。延出部72dには、上下方向に貫通する挿通孔72eが設けられており、延出部72dの下面には、上下方向から見て挿通孔と重なる位置に、ナット部材72fが固定されている。
【0076】
左中央固定部730aに形成された上下方向に貫通する貫通孔には、ボルト73aが上方から挿通する。ボルト73aは、右側バッテリモジュールブラケット72の延出部72dに設けられた挿通孔72eを挿通して、ナット部材72fに締結されている。これにより、左中央固定部730aは、右側バッテリモジュールブラケット72に固定される。
【0077】
ベースプレート60の第1ファン取付部66に設けられた前後一対の雄ネジピン66aのうちの前側の雄ネジピン66aは、ファンケース41bの耳部41eに形成された挿通孔を挿通して、耳部41eの上方に突出している。そして、右前固定部731bに形成された上下方向に貫通する貫通孔には、ベースプレート60の第1ファン取付部66に設けられた前後一対の雄ネジピン66aのうちの前側の雄ネジピン66aが下方から挿通する。そして、ベースプレート60の第1ファン取付部66に設けられた前後一対の雄ネジピン66aのうちの前側の雄ネジピン66aに、ナット等の締結部材が上方から締結されることによって、右前固定部731bは、ファンケース41bの耳部41eと共締めされて、ファン41と共に、ベースプレート60の第1ファン取付部66に固定される。
【0078】
右後固定部732bに形成された上下方向に貫通する貫通孔には、後側フレーム82の右端部に形成された突出部82aに設けられた雄ネジピン82bが下方から挿通する。そして、後側フレーム82の右端部に形成された突出部82aに設けられた雄ネジピン82bに、ナット等の締結部材が上方から締結されることによって、右後固定部732bは、後側フレーム82の右端部に形成された突出部82aに固定される。
【0079】
このように、ジャンクションボードブラケット73は、右側バッテリモジュールブラケット72に固定される左中央固定部730aと、ベースプレート60に固定される右前固定部731bと、後側フレーム82に固定される右後固定部732bと、を有する。したがって、ジャンクションボードブラケット73は、右側バッテリモジュールブラケット72と、ベースプレート60と、後側フレーム82と、に固定される。
【0080】
そのため、右側バッテリモジュールブラケット72は、下端部72cにおいてベースプレート60の支持部材64に固定されるとともに、延出部72dにおいてジャンクションボードブラケット73を介してベースプレート60の第1ファン取付部66と、後側フレーム82の突出部82aと、に固定される。したがって、右側バッテリモジュールブラケット72は、少なくとも下端部72cと延出部72dとを含む複数個所でベースプレート60に固定される。これにより、右側バッテリモジュールブラケット72は、ベースプレート60により強固に固定されるので、右側バッテリモジュールブラケット72に支持されたバッテリモジュール30が、バッテリユニット20内で振動することを抑制できる。
【0081】
ジャンクションボードブラケット73は、メインプレート730が導入ダクト42に当接し、メインプレート730が導入ダクト42を下方に向かって押し下げるようにして、右側バッテリモジュールブラケット72と、ベースプレート60と、後側フレーム82と、に固定される。このようにして、ジャンクションボードブラケット73は、導入ダクト42をファン41の吸込口41cに向かって付勢する。
【0082】
これにより、締結部材等の追加部品を用いなくても、導入ダクト42の排出口42cとファン41の吸込口41cとのシール性を高く維持して、導入ダクト42をファン41に取り付けることができる。これにより、バッテリユニット20の組立性がより向上する。
【0083】
(ジャンクションボードの固定)
図4、
図8、及び
図10に示すように、ジャンクションボード52は、ジャンクションボードブラケット73の上方に配置され、ジャンクションボードブラケット73の上面に載置されて、ジャンクションボードブラケット73に支持される。
【0084】
ジャンクションボード52には、左前端部、左後端部、右前端部、及び、右後端部の4か所に、上下方向に貫通する挿通孔52bが形成されている。
【0085】
ジャンクションボードブラケット73のメインプレート730には、上下方向から見て、ジャンクションボード52に形成された各挿通孔52bと重なる位置に、それぞれ上下方向に貫通する挿通孔73bが形成されている。メインプレート730の下面には、上下方向から見て各挿通孔73bと重なる位置に、ナットが固定されている。
【0086】
ジャンクションボード52の左前端部、左後端部、右前端部、及び、右後端部の各挿通孔52bには、ボルトが上方から挿通される。ジャンクションボード52の各挿通孔52bに上方から挿通されるボルトは、ジャンクションボード52の挿通孔52bと、当該挿通孔52bと重なる位置に形成されたジャンクションボードブラケット73の挿通孔73bとを挿通して、挿通孔73bと重なる位置に固定されたナットに締結される。これにより、ジャンクションボード52は、ジャンクションボードブラケット73の上方に配置され、ジャンクションボードブラケット73の上面に支持される。
【0087】
このようにして、ジャンクションボード52は、上下方向から見て少なくとも一部が冷却装置40と重なる位置で、冷却装置40の上方に配置されている。そして、冷却装置40の導入ダクト42は、上下方向においてジャンクションボード52とファン41との間に配置されている。
【0088】
(冷却装置及びジャンクションボードのバッテリユニットへの組み付け)
図4から
図10に示すように、バッテリユニット20の組み立ての際、まず、送出ダクト43の係止爪43pをファンケース41bの吹出口41dに係止して、送出ダクト43とファン41とを連結し、ファンケース41bの右前領域と、ファンケース41bの右後領域と、に設けられた耳部41eに形成された挿通孔に、第1ファン取付部66に設けられた前後一対の雄ネジピン66aをそれぞれ挿通させ、ファンケース41bの左後領域に設けられた耳部41eに形成された挿通孔に、第2ファン取付部67に設けられた雄ネジピン67aを挿通させ、送出ダクトの第1係合部43jが支持部材64の上面に設けられた雄ネジピン64d、及び、雄ネジピン64dに締結された締結部材64eと係合するようにして、ファン41及び送出ダクト43をベースプレート60に載置する。そして、第1ファン取付部66に設けられた後側の雄ネジピン66aと雄ネジピン67aとにナット等の締結部材を上方から締結する。
【0089】
次に、導入ダクト42の排出口42cがファン41の吸込口41cに嵌合し、導入ダクト42の前後一対の位置決めピン42dが、送出ダクト43の第2係合部43nに係合するようにして、導入ダクト42をファン41の上面及び送出ダクト43の台座部43hに載置する。
【0090】
次に、ベースプレート60の第1ファン取付部66に設けられた前側の雄ネジピン66aが、右前固定部731bに形成された貫通孔を挿通し、後側フレーム82の突出部82aに設けられた雄ネジピン82bが、右後固定部732bに形成された貫通孔を挿通するようにして、ジャンクションボードブラケット73を導入ダクト42の上面に載置する。そして、ベースプレート60の第1ファン取付部66に設けられた前側の雄ネジピン66aと、後側フレーム82の突出部82aに設けられた雄ネジピン82bとに、ナット等の締結部材を上方から締結し、ボルト73aを、上方から左中央固定部730aに形成された貫通孔に挿通させて、右側バッテリモジュールブラケット72の延出部72dに設けられたナット部材72fに締結する。
【0091】
次に、ジャンクションボード52をジャンクションボードブラケット73の上面に載置する。そして、ボルトを、ジャンクションボード52の挿通孔52bと、当該挿通孔52bと重なる位置に形成されたジャンクションボードブラケット73の挿通孔73bとに上方から挿通させて、挿通孔73bと重なる位置に固定されたナットに締結する。
【0092】
このようにして、ファン41及び送出ダクト43と、導入ダクト42と、ジャンクションボードブラケット73と、ジャンクションボード52とを、バッテリユニット20に組み付けることができる。したがって、ファン41及び送出ダクト43と、導入ダクト42と、ジャンクションボードブラケット73と、ジャンクションボード52とを、この順で載置して、上方からバッテリユニット20に組み付けることができるので、バッテリユニット20の組立性がより向上する。
【0093】
(サービスプラグの固定)
図4、
図9及び
図10に示すように、ジャンクションボードブラケット73は、サービスプラグ53を支持するステー73cを備える。ステー73cは、メインプレート730の右前端部で、第1延在部731が右側に隣接し、且つ、導入ダクト42の導入口42bが左側に隣接する位置に設けられている。ステー73cは、メインプレート730の上面と対向するように延在する固定部73c1と、固定部73c1の前端部から屈曲して、固定部73c1の前端から後方に傾斜して上方に延在するサービスプラグ支持部73c2と、を有する。サービスプラグ支持部73c2の前面は、前方斜め上方向を向いている。ステー73cは、前後方向において、固定部73c1の前端部が、メインプレート730の前端部と略同一の位置、又は、メインプレート730の前端部よりも前方に位置するように、メインプレート730に固定されている。ステー73cは、固定部73c1の下面がメインプレート730の上面に固定されている。ステー73cは、例えば溶接等によって固定部73c1の下面とメインプレート730の上面とが接合されることによって、メインプレート730に固定されている。
【0094】
サービスプラグ53は、前方斜め上方向を向くサービスプラグ支持部73c2の前面に支持されている。本実施形態では、サービスプラグ53は、導入ダクト42の導入口42bの右側に隣接して設けられている。したがって、ジャンクションボード52及びサービスプラグ53は、いずれもジャンクションボードブラケット73に支持されているので、外部機器(不図示)とジャンクションボード52とを電気的に接続する配線部材が、ジャンクションボードブラケット73の振動によって、ジャンクションボード52とサービスプラグ53との間で屈曲することを抑制できる。また、ジャンクションボード52及びサービスプラグ53は、いずれもジャンクションボードブラケット73に支持されているので、サービスプラグ53のバッテリユニット20への組み付けが容易となる。
【0095】
(バッテリ制御装置の固定)
図2、
図3及び
図7に示すように、バッテリユニット20は、バッテリ制御装置51を支持するバッテリ制御装置ブラケット74をさらに備える。バッテリ制御装置ブラケット74は、上下方向及び車幅方向に延在するメインプレート74aを有する。
【0096】
右側バッテリモジュールブラケット72の上端部72bには、上端部72bを上下方向に挿通して上方に突出する略円柱状の雄ネジピン72gが前後一対設けられている。各雄ネジピン72gの外周面は、雄ネジ加工されている。
【0097】
メインプレート74aの右端部には、上下方向に貫通し、雄ネジピン72gが挿通可能な挿通孔が前後一対形成されている。そして、メインプレート74aの右端部に形成された前後一対の挿通孔に、右側バッテリモジュールブラケット72の上端部72bに設けられた前後一対の雄ネジピン72gがそれぞれ挿通し、各雄ネジピン72gにナット等の締結部材が上方から締結されることによって、バッテリ制御装置ブラケット74は、右側バッテリモジュールブラケット72の上端部72bに固定されている。したがって、バッテリ制御装置ブラケット74のメインプレート74aは、右側バッテリモジュールブラケット72の上端部72bから左方に向かって前後方向及び車幅方向に延在する。さらに、バッテリ制御装置ブラケット74のメインプレート74aは、上下方向から見て、前後に並んだ2つバッテリモジュール30の双方と重なる位置で、2つバッテリモジュール30の上面と対向して前後方向及び車幅方向に延在する。
【0098】
バッテリ制御装置51は、上下方向が最も短い略直方体形状を有し、バッテリ制御装置51の外側に向かって延出した耳部51aが設けられている。耳部51aは、バッテリ制御装置51の右側面の前端部と、バッテリ制御装置51の左側面の後端部とに、車幅方向外側に向かって延出するように設けられている。各耳部51aには、上下方向に貫通する挿通孔が形成されている。
【0099】
バッテリ制御装置ブラケット74のメインプレート74aには、上下方向から見て、バッテリ制御装置51の右前端部と左後端部とに設けられた耳部51aに形成された各挿通孔と重なる位置に、メインプレート74aを上下方向に挿通して上方に突出する略円柱状の雄ネジピン74bが設けられている。そして、バッテリ制御装置51の右前端部と左後端部とに設けられた耳部51aに形成された各挿通孔に、バッテリ制御装置ブラケット74のメインプレート74aに設けられた雄ネジピン74bがそれぞれ挿通し、各雄ネジピン74bにナット等の締結部材が上方から締結されることによって、バッテリ制御装置51は、バッテリ制御装置ブラケット74のメインプレート74aに固定されている。
【0100】
(バッテリユニットカバー)
【0101】
図1から
図3及び
図7に示すように、バッテリユニット20は、フロアパネル10のセンタートンネル11bを車幅方向に跨いで収容凹部121の上方を覆うバッテリユニットカバー91をさらに備える。バッテリユニットカバー91は、2つのバッテリモジュール30と、冷却装置40と、バッテリ制御装置51と、ジャンクションボード52と、サービスプラグ53と、ベースプレート60と、前側フレーム81及び後側フレーム82と、を上方から覆っている。バッテリユニットカバー91は、フロアパネル10に固定される。バッテリユニットカバー91は、金属材料によって形成されており、車両Vのボディ骨格の一部として機能する。したがって、フロアパネル10に固定されるバッテリユニットカバー91によって、車両Vはボディ骨格の剛性が向上する。
【0102】
バッテリユニットカバー91は、前後方向及び車幅方向に延在して上方を向く上壁部911と、上壁部911の前後左右の外縁部を取り囲んで上壁部911の前後左右の外縁部から下方に延在する側壁部912と、を有する。側壁部912は、上壁部911の前縁部から屈曲し、前方斜め下方向に傾斜して車幅方向に延在する前壁部912aと、上壁部911の後縁部から屈曲し、後方斜め下方向に傾斜して車幅方向に延在する後壁部912bと、上壁部911の左縁部から屈曲し、左斜め下方向に傾斜して車幅方向に延在する左壁部912cと、上壁部911の右縁部から屈曲し、右斜め下方向に傾斜して車幅方向に延在する右壁部912dと、を有する。
【0103】
バッテリユニット20は、バッテリセル31の積層方向が車幅方向となるようにするようにバッテリモジュール30が配置され、冷却装置40及びジャンクションボード52がバッテリモジュール30の車幅方向右側に配置されるようにして、車両Vに搭載される。したがって、バッテリユニット20は、長手方向が把幅方向に延在するように車両Vに搭載される。そして、車両Vには、バッテリユニットカバー91の上壁部911を覆うようにして、後部座席RSが設けられている。すなわち、バッテリユニット20は、車両Vの後部座席RSの下に搭載される。
【0104】
バッテリユニット20には、バッテリユニットカバー91とベースプレート60とによって囲まれた収容空間21が形成される。収容空間21には、2つのバッテリモジュール30と、冷却装置40と、バッテリ制御装置51と、ジャンクションボード52と、サービスプラグ53と、が収容される。
【0105】
バッテリユニットカバー91の前壁部912aには、導入ダクト42の導入口42bの形状に沿ってくり抜かれた第1開口部91aが形成されている。そして、バッテリユニットカバー91の第1開口部91aから、バッテリユニット20の収容空間21に冷却気体が導入される。このとき、バッテリユニットカバー91の第1開口部91aは、導入ダクト42の導入口42bの形状に沿ってくり抜かれた形状を有しているので、バッテリユニットカバー91の第1開口部91aから、バッテリユニット20の収容空間21に導入される冷却気体は、導入ダクト42の導入口42bに導入される。
【0106】
バッテリユニットカバー91の前壁部912aには、第1開口部91aの右側に、第2開口部91bが設けられている。そして、バッテリユニット20は、バッテリユニットカバー91の第2開口部91bから、バッテリユニット20の収容空間21に指又は器具を挿入して、サービスプラグ53を挿脱可能になっている。
【0107】
バッテリユニットカバー91の前壁部912aには、車室CB内の空気をバッテリユニット20の冷却気体として吸気する吸気ダクト92が取り付けられている。吸気ダクト92は、車室CBに向かって開口する吸気口92aと、バッテリユニットカバー91の第1開口部91aを取り囲むように開口する排出口92bと、吸気口92aと排出口92bとを連通し、吸気ダクト92の壁面によって囲まれたダクト部92cと、を有する。吸気ダクト92の吸気口92aは、車幅方向において、センタートンネル11bを跨ぐように車幅方向略中央に配置されている。吸気ダクト92のダクト部92cは、車幅方向略中央に設けられた吸気口92aから、バッテリユニットカバー91の第1開口部91aと重なる位置に設けられた排出口92bへと、車幅方向に延在している。吸気ダクト92は、吸気口92a上端部が、上下方向においてバッテリユニットカバー91の上壁部911と略同位置となるように取り付けられている。
【0108】
吸気ダクト92には、メッシュ状、格子状、ハニカム状等の吸気グリル93が、吸気口92aを覆うように取り付けられている。車室CBの床部を構成するフロントフロアパネル11の上面には、カーペット14が敷設されている。カーペット14は、吸気ダクト92の吸気口92aと重なる位置がくり抜かれており、吸気グリル93は、吸気グリル93と吸気ダクト92とでカーペット14を挟んで、吸気ダクト92に取り付けられている。
【0109】
バッテリユニットカバー91の前壁部912aには、バッテリユニット20の収容空間を流れた冷却気体をバッテリユニットの外部に排出する排気口91cが形成されている。排気口91cは、吸気ダクト92の吸気口92aの下方で、センタートンネル11bとカーペット14との間をバッテリユニットカバー91の前壁部912aから前方に突出して前後方向に延在し、センタートンネル11bの上面と対向して車幅方向略中央に形成されている。このように、排気口91cはバッテリユニット20の前側に設けられている。また、バッテリユニット20の収容空間において、バッテリモジュール30は車幅方向略中央から左方向にオフセットして配置され、バッテリモジュール30の右側に冷却装置40及びジャンクションボード52が配置されているのに対して、排気口91cは、車幅方向略中央に形成されている。したがって、排気口91cは、車幅方向においてバッテリモジュール30の車幅方向中央よりも右側、すなわち、車幅方向においてバッテリモジュール30の車幅方向中央よりもジャンクションボード52に近い位置に設けられている。
【0110】
排気口91cは、バッテリユニット20の収容空間21と連通しており、バッテリユニットカバー91の前壁部912aから、前後方向から見て下方向に開口したU字形状に前後方向に延在する壁部91dを有する。壁部91dの左面及び右面は、センタートンネル11bの左面及び右面とそれぞれ当接する。排気口91cは、センタートンネル11bの上面と、壁部91dと、によって囲まれており、前方に向かって開口している。壁部91dの上面の左前端部及び右前端部には、下方に窪んでセンタートンネルの上面と当接する固定部91eが形成されている。固定部91eには上下方向に貫通する貫通孔が設けられており、上方から貫通孔を挿通するボルトがセンタートンネル11bの上面に締結されることによって、排気口91cは、センタートンネル11bの上面に固定されている。
【0111】
(冷却気体の流れ)
バッテリユニット20は、車室CB内の空気をバッテリユニット20の冷却気体として吸気ダクト92から吸気して、バッテリユニットカバー91の第1開口部91aから収容空間21に取り込む。バッテリユニットカバー91の第1開口部91aから収容空間21に取り込まれた冷却気体は、導入ダクト42の導入口42bから流路42aを流れて排出口42cからファン41の吸込口41cに吸い込まれる。ファン41の吸込口41cに吸い込まれた冷却気体は、ファン41の吹出口41dから吹き出され、送出ダクト43から流路接続空間60bを通って、流路接続空間60bと連続する流路60aに送出される。流路60aに送出された冷却気体は、バッテリモジュール30の下面からバッテリモジュール30に導入され、下方から上方に向かってバッテリモジュール30の内部を流れてバッテリモジュール30を冷却し、バッテリモジュール30の上面から排出される。
【0112】
バッテリユニット20の収容空間21において、バッテリモジュール30の上方には、バッテリユニットカバー91に囲まれた排気空間22が形成されている。バッテリモジュール30の上面は、排気空間22に面している。したがって、バッテリモジュール30を冷却してバッテリモジュール30の上面から排出された冷却気体は、排気空間22に排出される。
【0113】
排気空間22は、ジャンクションボード52の上方まで車幅方向に延在している。そして、ジャンクションボード52の上部は、排気空間22に面している。したがって、高温の空気は上方へと流れるので、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気は、ジャンクションボード52の上部から排気空間22に排出される。
【0114】
排気空間22に排出された冷却気体は、バッテリユニットカバー91の前壁部912aに設けられた排気口91cから、バッテリユニット20の外部、より詳細には、車室CBのセンタートンネル11bとカーペット14との間の空間に排出される。したがって、バッテリユニットカバー91の前壁部912aに設けられた排気口91cは、排気空間22に排出された冷却気体をバッテリユニット20の外部に排出する。
【0115】
このように、ジャンクションボード52の上部が排気空間22に面していることによって、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気は、排気空間22に排出され、バッテリモジュール30を冷却した冷却気体とともに、排気口91cからバッテリユニット20の外部に排出される。これにより、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気がバッテリユニット20の内部、すなわち、バッテリユニット20の収容空間21に滞留することを抑制でき、バッテリユニット20の冷却性能が向上する。
【0116】
そして、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気がバッテリユニット20の内部、すなわち、バッテリユニット20の収容空間21に滞留することを抑制することによって、バッテリユニット20を後部座席RSの下に搭載しても、バッテリユニット20で発生した熱が後部座席RSに伝達することを抑制できる。これにより、後部座席RSの商品性を損なうことなく、バッテリユニット20を後部座席RSの下に搭載でき、バッテリユニット20を車両Vの空間に効率よく配置できる。
【0117】
さらに、排気口91cは、車幅方向においてバッテリモジュール30の車幅方向中央よりもジャンクションボード52に近い位置に設けられているので、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気は、バッテリモジュール30を冷却した冷却気体ともに、よりスムーズに排気口91cからバッテリユニット20の外部に排出される。これにより、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気がバッテリユニット20の内部、すなわち、バッテリユニット20の収容空間21に滞留することをより抑制でき、バッテリユニット20の冷却性能がより向上する。
【0118】
また、ジャンクションボード52は、上下方向から見て少なくとも一部が冷却装置40と重なる位置で冷却装置40の上方に配置されており、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気は上方へと流れるので、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気が冷却装置40に接触することを抑制できる。したがって、ジャンクションボード52で発生した熱が冷却装置40に伝達することを抑制できるので、冷却装置40からバッテリモジュール30に供給される冷却気体がジャンクションボード52で発生した熱によって昇温することを抑制できる。これにより、より低温の冷却気体をバッテリモジュール30に供給でき、バッテリユニット20の冷却性能が向上する。
【0119】
また、導入ダクト42は、上下方向においてジャンクションボード52とファン41との間に配置されているので、ジャンクションボード52は導入ダクト42の上方に配置され、ファン41は導入ダクト42の下方に配置される。したがって、ジャンクションボード52で発生した熱が冷却装置40に伝達した場合でも、上下方向においてジャンクションボード52とファン41との間に導入ダクト42が配置されているので、ジャンクションボード52で発生した熱がファン41に伝達することをより抑制できる。さらに、ファン41は導入ダクト42の下方に配置されているので、導入ダクト42内の下部を流れる冷却気体がファン41に吸い込まれる。したがって、ジャンクションボード52で発生した熱が導入ダクト42に伝達した場合でも、導入ダクト42を流れる冷却気体のうち、ジャンクションボード52で発生した熱がより伝達されにくい導入ダクト42内の下部を流れる冷却気体がファン41に吸い込まれる。これにより、バッテリモジュール30により低温の冷却気体を供給でき、バッテリユニット20の冷却性能がより向上する。
【0120】
バッテリユニットカバー91の上壁部911は、上方に膨出した膨出部911aを有する。膨出部911aは、車幅方向において排気口91c及びセンタートンネル11bと重なる位置で、バッテリユニット20の車幅方向略中央部分に形成されている。膨出部911aの最上部が、バッテリユニットカバー91の上壁部911の最上部911bとなっている。したがって、排気空間22の最上部22aは、車幅方向において排気口91c及びセンタートンネル11bと重なる位置で、バッテリユニット20の車幅方向略中央部分に形成されている。
【0121】
温度が高い気体ほど、より上方へと流れるので、バッテリモジュール30を冷却して昇温した冷却気体、及び、ジャンクションボード52の発熱によって昇温した空気は、温度が高い気体ほど、排気空間22の最上部22aの近傍に向かって流れる。そして、排気空間22の最上部22aは、車幅方向において排気口91cと重なる位置に形成されているので、排気空間22の最上部22aの近傍に流れ込んだ冷却気体及び空気は、前方に流れることによってスムーズに排気口91cからバッテリユニット20の外部に排出される。これにより、バッテリモジュール30を冷却して昇温したより高温の冷却気体、及び、ジャンクションボード52の発熱によって昇温したより高温の空気が、排気空間22から排気口91cへとスムーズに流れることができるので、バッテリモジュール30を冷却して昇温したより高温の冷却気体、及び、ジャンクションボード52の発熱によって昇温したより高温の空気をスムーズにバッテリユニット20の外部に排出することができ、バッテリユニット20の冷却性能が向上する。
【0122】
バッテリユニットカバー91の上壁部911は、膨出部911aにおいて、最上部911bに近づく方向に向かって上方に傾斜する傾斜部911cを有する。傾斜部911cは、車幅方向に延在しており、下端部911dが上下方向から見てジャンクションボード52と重なる位置となるように形成されている。したがって、排気空間22は、最上部22aに近づく方向に向かって上方に傾斜する傾斜部22bを有する。そして、傾斜部22bは、車幅方向に延在しており、下端部22cが上下方向から見てジャンクションボード52と重なる位置となるように形成されている。
【0123】
したがって、ジャンクションボード52の発熱によって昇温したより高温の空気は、より上方へと流れるので、傾斜部22bに沿って最上部911bに近づく方向に向かって流れる。これにより、ジャンクションボード52の発熱によって昇温したより高温の空気を最上部911bの近傍に導くことができるので、ジャンクションボード52の発熱によって昇温したより高温の空気をよりスムーズに排気口91cからバッテリユニット20の外部に排出することができる。
【0124】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0125】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0126】
(1) 少なくとも1つのバッテリモジュール(バッテリモジュール30)と、
前記バッテリモジュールを冷却する冷却気体を前記バッテリモジュールに送出する冷却装置(冷却装置40)と、
前記バッテリモジュールと外部機器とを電気的に接続し、前記バッテリモジュールの充電電力及び/又は放電電力が流れる配線部品が実装されたジャンクションボード(ジャンクションボード52)と、を備えるバッテリユニット(バッテリユニット20)であって、
前記ジャンクションボードは、
上下方向から見て少なくとも一部が前記冷却装置と重なる位置で、前記冷却装置の上方に配置されている、バッテリユニット。
【0127】
(1)によれば、ジャンクションボードは、上下方向から見て少なくとも一部が冷却装置と重なる位置で、冷却装置の上方に配置されており、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気は上方へと流れるので、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気が冷却装置に接触することを抑制できる。したがって、ジャンクションボードで発生した熱が冷却装置に伝達することを抑制できるので、冷却装置からバッテリモジュールに供給される冷却気体がジャンクションボードで発生した熱によって昇温することを抑制できる。これにより、より低温の冷却気体をバッテリモジュールに供給でき、バッテリユニットの冷却性能が向上する。
【0128】
(2) (1)に記載のバッテリユニットであって、
前記冷却装置は、
前記冷却気体を吹出するファン(ファン41)と、
前記ファンの吸込口(吸込口41c)に連結される導入ダクト(導入ダクト42)と、を有し、
前記導入ダクトは、前記上下方向において前記ジャンクションボードと前記ファンとの間に配置されている、バッテリユニット。
【0129】
(2)によれば、導入ダクトは、上下方向においてジャンクションボードとファンとの間に配置されているので、ジャンクションボードは導入ダクトの上方に配置され、ファンは導入ダクトの下方に配置される。したがって、ジャンクションボードで発生した熱が冷却装置に伝達した場合でも、上下方向においてジャンクションボードとファンとの間に導入ダクトが配置されているので、ジャンクションボードで発生した熱がファンに伝達することをより抑制できる。さらに、ファンは導入ダクトの下方に配置されているので、導入ダクト内の下部を流れる冷却気体がファンに吸い込まれる。したがって、ジャンクションボードで発生した熱が導入ダクトに伝達した場合でも、導入ダクトを流れる冷却気体のうち、ジャンクションボードで発生した熱がより伝達されにくい導入ダクト内の下部を流れる冷却気体がファンに吸い込まれる。これにより、バッテリモジュールにより低温の冷却気体を供給でき、バッテリユニットの冷却性能がより向上する。
【0130】
(3) (1)又は(2)に記載のバッテリユニットであって、
前記バッテリユニットは、前記バッテリモジュールと、前記冷却装置と、前記ジャンクションボードと、を上方から覆うバッテリユニットカバー(バッテリユニットカバー91)をさらに備え、
前記冷却装置及び前記ジャンクションボードは、
前記上下方向と直交する第1方向(車幅方向)における前記バッテリモジュールの一方側(右側)に配置されており、
前記冷却気体は、前記バッテリモジュールの下面から前記バッテリモジュールに導入され、下方から上方に向かって前記バッテリモジュールの内部を流れて前記バッテリモジュールの上面から排出され、
前記バッテリモジュールの上方には、前記バッテリユニットカバーに囲まれた排気空間(排気空間22)が形成されており、
前記バッテリモジュールの前記上面と、前記ジャンクションボードの上部とは、前記排気空間に面している、バッテリユニット。
【0131】
(3)によれば、ジャンクションボードの上部が排気空間に面していることによって、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気は、排気空間に排出される。したがって、バッテリモジュールを冷却した冷却気体とともに、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気をバッテリユニットの外部に排出できる。これにより、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気がバッテリユニットの内部に滞留することを抑制でき、バッテリユニットの冷却性能がより向上する。
【0132】
(4) (3)に記載のバッテリユニットであって、
前記バッテリユニットは、前記排気空間に排出された前記冷却気体を前記バッテリユニットの外部に排出する排気口(排気口91c)をさらに備え、
前記排気口は、前記上下方向及び前記第1方向の双方と直交する第2方向(前後方向)における前記バッテリモジュールの一方側(前側)に設けられており、
前記排気空間の最上部(最上部22a)は、前記第1方向において前記排気口と重なる位置に形成されている、バッテリユニット。
【0133】
温度が高い気体ほど、より上方へと流れるので、バッテリモジュールを冷却して昇温した冷却気体、及び、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気は、温度が高い気体ほど、排気空間の最上部の近傍に向かって流れる。
(4)によれば、排気空間の最上部は、車幅方向において排気口と重なる位置に形成されているので、排気空間の最上部の近傍に流れ込んだ冷却気体及び空気は、第2方向に流れることによってスムーズに排気口からバッテリユニットの外部に排出される。これにより、バッテリモジュールを冷却して昇温したより高温の冷却気体、及び、ジャンクションボードの発熱によって昇温したより高温の空気が、排気空間から排気口へとスムーズに流れることができるので、バッテリモジュールを冷却して昇温したより高温の冷却気体、及び、ジャンクションボードの発熱によって昇温したより高温の空気をスムーズにバッテリユニットの外部に排出することができ、バッテリユニットの冷却性能がより向上する。
【0134】
(5) (4)に記載のバッテリユニットであって、
前記排気空間は、前記最上部に近づく方向に向かって上方に傾斜する傾斜部(傾斜部22b)を有し、
前記傾斜部は、下端部(下端部22c)が前記上下方向から見て前記ジャンクションボードと重なる位置となるように形成されている、バッテリユニット。
【0135】
(5)によれば、ジャンクションボードの発熱によって昇温したより高温の空気は、より上方へと流れるので、傾斜部に沿って最上部に近づく方向に向かって流れる。これにより、ジャンクションボードの発熱によって昇温したより高温の空気を最上部の近傍に導くことができるので、ジャンクションボードの発熱によって昇温したより高温の空気をよりスムーズに排気口からバッテリユニットの外部に排出することができる。
【0136】
(6) (4)又は(5)に記載のバッテリユニットであって、
前記排気口は、前記第1方向において、前記バッテリモジュールの前記第1方向における中央よりも、前記ジャンクションボードに近い位置に設けられている、バッテリユニット。
【0137】
(6)によれば、排気口は、第1方向において、バッテリモジュールの第1方向における中央よりもジャンクションボードに近い位置に設けられているので、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気は、バッテリモジュールを冷却した冷却気体ともに、よりスムーズに排気口からバッテリユニットの外部に排出される。これにより、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気がバッテリユニットの内部に滞留することをより抑制でき、バッテリユニットの冷却性能がより向上する。
【0138】
(7) (3)から(6)のいずれかに記載のバッテリユニットであって、
前記バッテリユニットは、前記第1方向が車幅方向に延在するように車両(車両V)の座席(後部座席RS)の下に搭載される、バッテリユニット。
【0139】
(7)によれば、ジャンクションボードの発熱によって昇温した空気がバッテリユニットの内部に滞留することを抑制することによって、バッテリユニットを車両の座席の下に搭載しても、バッテリユニットで発生した熱が車両の座席に伝達することを抑制できる。これにより、座席の商品性を損なうことなく、バッテリユニットを車両の座席の下に搭載でき、バッテリユニットを車両の空間に効率よく配置できる。
【0140】
(8) (1)から(7)のいずれかに記載のバッテリユニットであって、
前記冷却装置及び前記ジャンクションボードは、
前記上下方向と直交する第1方向(車幅方向)における前記バッテリモジュールの一方側(右側)に配置されており、
前記第1方向から見て、それぞれ少なくとも一部が前記バッテリモジュールと重なる位置に配置されている、バッテリユニット。
【0141】
(8)によれば、冷却装置及びジャンクションボードは、第1方向から見て、それぞれ少なくとも一部がバッテリモジュールと重なる位置に配置されているので、バッテリユニットの高さ寸法を抑制しつつ、バッテリユニットに冷却装置及びジャンクションボードを配置することができる。
【符号の説明】
【0142】
20 バッテリユニット
22 排気空間
22a 最上部
22b 傾斜部
22c 下端部
30 バッテリモジュール
40 冷却装置
41 ファン
41c 吸込口
42 導入ダクト
52 ジャンクションボード
91 バッテリユニットカバー
91c 排気口
RS 後部座席(座席)
V 車両