IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 友達光電股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-表示装置 図1
  • 特許-表示装置 図2
  • 特許-表示装置 図3
  • 特許-表示装置 図4
  • 特許-表示装置 図5
  • 特許-表示装置 図6
  • 特許-表示装置 図7
  • 特許-表示装置 図8
  • 特許-表示装置 図9
  • 特許-表示装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20231124BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231124BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231124BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20231124BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 670Q
G09F9/30 338
G09F9/30 380
G09F9/33
H04N5/66 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021141595
(22)【出願日】2021-08-31
(65)【公開番号】P2022104868
(43)【公開日】2022-07-12
【審査請求日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】109146954
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501358079
【氏名又は名称】友達光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】AUO Corporation
【住所又は居所原語表記】No.1,Li-Hsin Rd.2,Science-Based Industrial Park,Hsinchu,Taiwan.
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 書豪
(72)【発明者】
【氏名】王 賢軍
(72)【発明者】
【氏名】蘇 松宇
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/166245(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/114348(WO,A1)
【文献】特開2004-133240(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106952617(CN,A)
【文献】特開2007-316462(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0348464(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G09F 9/30
G09F 9/33
H10K 50/10
H10K 59/10
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に連結されている複数の画素駆動回路を含む表示装置であって、
これらの該複数の画素駆動回路における画素駆動回路は、
データ信号を第1ノードに書き込むための、その第1端が該第1ノードに連結され、第2端が第2ノードに連結されている第1コンデンサと、その第1端が該第1ノードに連結されている第2コンデンサと、を含むデータ書き込みユニットと、
該データ信号に基づいて電流を生成するための、該電流を受信し、その制御端が該第2ノードに連結され、第1端が該第2コンデンサの第2端に連結されている第1スイッチと、該電流に基づいて発光する発光素子と、を含む発光ユニットと、
該第2ノードの電圧レベルを調整するための、その第1端が該第2ノードに連結され、第2端が該第1スイッチの第2端に連結されている第2スイッチを含む補償ユニットと、
第1期間中に導通し、その第1端が該第1ノードに連結され、第2端が第1基準信号を受信し、該第1基準信号を該第1ノードに提供する第3スイッチと、
該第1期間中に導通し、その第1端が該第2ノードに直接連結され、第2端が該第1基準信号を受信し、該第1基準信号を該第2ノードに提供する第4スイッチと、
該第1スイッチの閾値電圧レベルを該第2ノードに書き込むために、該第1ノード及び該第2ノードが第1電圧レベルを有した後、且つ該第2スイッチが導通された時、第2基準信号を該第2コンデンサの該第2端に提供する第5スイッチと、を含み、
該第2基準信号の電圧レベルは該第1電圧レベルより大きい、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
該第3スイッチは、さらに、該第1期間の後の第2期間中に導通し、
該第4スイッチは、さらに、該第2期間中に切れる、ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【請求項3】
該画素駆動回路は、
該第2スイッチが導通する時に導通し、その第1端が該第1ノードに連結され、第2端が該第3スイッチの該第2端に連結される第5スイッチをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示技術に関し、特に、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造プロセスにおいて、表示装置の基板における画素駆動回路は、金属の残留及び過剰エッチング等の要因によって基板が異常になる可能性がある。発光素子、例えば、微小発光ダイオードは製造プロセスが複雑であるため、コストが高くなる。また、従来の画素駆動回路における電流はスイッチ特性及び/又は電流経路における抵抗値の影響を受けてディスプレイの輝度を不均一にする可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、上記問題を解決できる関連技術を如何に発展させるかが当該分野の重要な課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は直列に連結されている複数の画素駆動回路を含む表示装置を備えている。複数の画素駆動回路における画素駆動回路は、データ信号を第1ノードに書き込むための、その第1端が第1ノードに連結され、第2端が第2ノードに連結されている第1コンデンサとその第1端が第1ノードに連結されている第2コンデンサを含むデータ書き込みユニットと、データ信号に基づいて電流を生成するための、電流を受信し、その制御端が第2ノードに連結され、第1端が第2コンデンサの第2端に連結されている第1スイッチと電流に基づいて発光する発光素子を含む発光ユニットと、第2ノードの電圧レベルを調整するための、その第1端が第2ノードに連結され、第2端が第1スイッチの第2端に連結されている第2スイッチを含む補償ユニットと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本願の一実施形態によるディスプレイを示す図である。
図2】本願の一実施形態による表示装置における画素駆動回路の回路図である。
図3】本発明の一実施形態における画素駆動回路による駆動操作を示すタイミングチャートである。
図4】本発明の一実施形態における画素駆動回路による駆動操作を示すタイミングチャートである。
図5】本願の一実施形態による表示装置における画素駆動回路の回路図である。
図6】本願の一実施形態による表示装置における画素駆動回路の回路図である。
図7】本発明の一実施形態における画素駆動回路による検出操作を示すタイミングチャートである。
図8】本願の一実施形態による表示装置における画素駆動回路の回路図である。
図9】本発明の一実施形態における画素駆動回路による検出操作を示すタイミングチャートである。
図10】本発明の一実施形態における画素駆動回路による検出操作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書において、1つの素子が「接続」又は「連結」と称される場合、「電気的に接続」又は「電気的に連結」を意味する。「接続」又は「連結」は2つ以上の素子が互いに組み合わせられて操作又は連動することを示すこともある。また、本明細書では「第1」、「第2」、…などの用語を用いて異なる素子を説明したが、該用語は同じ技術用語で説明される素子又は操作を区別するためのものに過ぎない。前後の文章で明確に示されていない限り、該用語は順序又は順位を特に指し又は暗示するものではなく、本発明を限定するものでもない。
【0007】
特に規定されていない限り、本明細書に使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は当業者の一般的に理解しているものと同じ意味を有する。なお、例えば、一般的に使用されている辞書に定義されているそれらの用語は、関連技術及び本発明の前後の文章におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書に明記されていない限り、理想的又は過剰の正式的な意味に解釈されない。
【0008】
ここで使用される用語は特定の実施形態の目的を説明するためのものに過ぎず、限定するためのものではない。内容が明確に示されていない限り、本明細書に使用される、単数形の「1」、「1つ」と「該」は「少なくとも1つ」を含む複数形を含むことを意味する。「又は」は「及び/又は」を示す。本明細書に使用される、用語「及び/又は」は1つ以上の例示された項目の何れかと全ての組み合わせを含む。さらに、本明細書に使用される場合、用語「含む」及び/又は「備える」はその特徴、領域、全体、ステップ、操作、素子の存在及び/又は部品を指定するが、1つ以上のその他の特徴、全領域、ステップ、操作、素子、部品及び/又はその組み合わせの存在又は追加を排除しないことを理解すべきである。
【0009】
以下、図面によって本願の複数の実施形態を開示し、明確に説明するために、多くの実務的な詳細は以下の記述で合わせて説明する。しかしながら、これらの実務的な詳細は本願を限定するためのものではないことを理解すべきである。即ち、本開示内容の一部の実施形態において、これらの実務的な詳細は必須のものではない。また、図面を簡略化するために、いくつかの公知の構造と素子については、図面において簡単な方法で示す。
【0010】
図1は本願の一実施形態によるディスプレイを示す図である。図1に示すように、ディスプレイ100は、表示装置110、走査装置120、データ入力装置130と発光制御装置140を含む。走査装置120は走査線SL(0)~SL(n)によって複数の走査信号、例えば、図2に示す走査信号S(n-2)、S(n-1)及びS(n)を、表示装置110に提供する。データ入力装置130は、データ線DL(1)~DL(m)によって複数のデータ信号、例えば、図2に示すデータ信号DTを、表示装置110に提供する。発光制御装置140は、発光ラインEL(1)~EL(n)によって複数の発光信号、例えば、図2に示す発光信号EMを、表示装置110に提供する。ここで、nとmはいずれも正の整数である。いくつかの実施形態において、ディスプレイ100はガラス基板又はプラスチック基板により製造されてもよいが、これに限定されない。
【0011】
図1に示すように、表示装置110は、画素駆動回路112を含む多段の互いに直列接続される画素駆動回路DV(1)~DV(n)を含む。いくつかの実施形態において、表示装置110における画素駆動回路112は、走査装置120、データ入力装置130と発光制御装置140により提供される信号に基づいて発光操作を実行する。
【0012】
例を挙げると、図2に示す画素駆動回路200は、画素駆動回路112の一実施形態である。図2に示すように、画素駆動回路200は走査装置120により提供される走査信号S(n-2)、S(n-1)及びS(n)によって画素駆動回路200をリセットし、データ入力装置130により提供されるデータ信号DTに書き込む。ここで、データ信号DTの電圧レベルは発光素子L2の発光輝度を決定し、最後に発光制御装置140により提供される発光信号EMによって発光素子L2の発光時間の長さを制御する。
【0013】
いくつかの実施形態において、走査信号S(n-1)と走査信号S(n)はそれぞれ走査線SL(n-1)と走査線SL(n)を通じて画素駆動回路112に伝送し、データ信号DTはデータ線DL(m)を通じて画素駆動回路112に伝送し、発光信号EMは発光ラインEL(n)を通じて画素駆動回路112に伝送されるが、本発明の実施形態はこれに限定されず、その他の様々な導線を介して走査信号S(n-1)、走査信号S(n)、データ信号DTと発光信号EMを画素駆動回路112に伝送する方法も本発明にて想到される範囲内である。
【0014】
図2は本願の一実施形態による表示装置110における画素駆動回路200の回路図である。画素駆動回路200は表示装置110における画素駆動回路112の一実施形態である。
【0015】
図2に示すように、画素駆動回路200は、リセットユニット210、データ書き込みユニット220、補償ユニット230、発光ユニット240及び電圧安定化ユニット250を含む。
【0016】
図2に示すように、ノードN21及びノードN22の電圧レベルをリセットするために、リセットユニット210は走査信号S(n-2)に基づいてリセット操作を実行する。いくつかのその他の実施形態(例えば、図4に示す実施形態のように)において、リセットユニット210はさらに電圧信号SLTに基づいてリセット操作を実行する。
【0017】
図2に示すように、データ信号DTをノードN21に書き込むために、データ書き込みユニット220は走査信号S(n)に基づいてデータ書き込み操作を実行する。
【0018】
図2に示すように、補償ユニット230は走査信号S(n-1)に基づいてノードN22の電圧レベルを調整する。例を挙げると、補償ユニット230は閾値電圧レベルVTHをノードN22に書き込むことにより、補償操作を行う。
【0019】
図2に示すように、発光ユニット240は発光信号EMに基づいて発光操作を実行し、ノードN22の電圧レベルに基づいて電流I2を生成し、電流I2の電流レベルに基づいて発光する。
【0020】
図2に示すように、ノードN23の電圧レベルをリセットしノードN21の電圧レベルを安定化するために、電圧安定化ユニット250は制御信号VCに基づいて基準信号VRF2をノード23に伝送する。
【0021】
いくつかの実施形態において、画素駆動回路200はディスプレイ100における複数の画素駆動回路の第n段の画素駆動回路DV(n)である。従って、走査信号S(n)は第n段の走査信号であり、走査信号S(n-1)は第(n-1)段の走査信号であり、走査信号S(n-2)は第(n-2)段の走査信号である。ディスプレイ100における複数の画素駆動回路の第(n-1)段の画素駆動回路DV(n-1)は走査信号S(n-1)に基づいてデータ書き込み操作を実行し、ディスプレイ100における第(n-2)段の画素駆動回路は走査信号S(n-2)に基づいてデータ書き込み操作を実行する。
【0022】
図2に示すように、リセットユニット210はスイッチT25及びT26を含む。スイッチT26の制御端は走査信号S(n-2)を受信し、スイッチT26の一端はノードN22に連結され、スイッチT26の他端は基準信号VRF1を受信する。スイッチT25の一端はノードN21に連結され、スイッチT25の他端は基準信号VRF1を受信する。異なる実施形態において、スイッチT25の制御端は走査信号S(n-2)(図3に示す実施形態に該当する)又は電圧信号SLT(図4に示す実施形態に該当する)を受信する。
【0023】
図2に示すように、データ書き込みユニット220はスイッチT21、コンデンサC21及びC22を含む。スイッチT21の制御端は走査信号S(n)を受信し、スイッチT21の一端はデータ信号DTを受信し、スイッチT21の他端はノードN21に連結されている。コンデンサC21の一端はノードN21に連結され、コンデンサC21の他端はノードN22に連結されている。コンデンサC22の一端はノードN21に連結され、コンデンサC22の他端はノードN23に連結されている。
【0024】
図2に示すように、補償ユニット230はスイッチT24を含む。スイッチT24の制御端は走査信号S(n-1)を受信し、スイッチT24の一端はノードN22に連結され、スイッチT24の他端はノードN24で発光ユニット240に連結されている。
【0025】
図2に示すように、発光ユニット240は発光素子L2、スイッチT22、T23及びT27を含む。スイッチT22の制御端はノードN22に連結され、スイッチT22の一端はノードN24に連結され、スイッチT22の他端はノードN23に連結されている。スイッチT23の制御端は発光信号EMを受信し、スイッチT23の一端はノードN24に連結され、スイッチT23の他端は電圧信号VSSを受信する。スイッチT27の制御端は発光信号EMを受信し、スイッチT27の一端はノードN25で発光素子L2に連結され、スイッチT27の他端はノードN23に連結されている。発光素子L2の一端はノードN25に連結され、発光素子L2の他端は電圧信号VDDを受信する。いくつかの実施形態において、発光素子L2はスイッチT22を流れる電流I2を受信し、電流I2に基づいて発光する。
【0026】
図2に示すように、電圧安定化ユニット250はスイッチT28を含む。スイッチT28の制御端は制御信号VCを受信し、スイッチT28の一端はノードN23に連結され、スイッチT26の他端は基準信号VRF2を受信する。
【0027】
異なる実施形態において、発光素子L2は微小発光ダイオード(mLED)又はその他の異なる種類の発光素子であってもよい。異なる実施形態において、スイッチT21~T28はP型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(PMOS)、N型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(NMOS)、薄膜トランジスタ(TFT)又はその他の異なる種類のスイッチ素子であってもよい。
【0028】
図3は本発明の一実施形態における画素駆動回路200による駆動操作を示すタイミングチャートである。図3に示すタイミングチャートは、順に期間P31~P34を含む。いくつかの実施形態において、図3に示すタイミングチャートは、図2に示す異なる信号、例えば、走査信号S(n)、S(n-1)、S(n-2)、発光信号EM、データ信号DT及び制御信号VCの操作に対応する。図3に示す実施形態において、スイッチT25の制御端は走査信号S(n-2)を受信する。
【0029】
図3に示すように、期間P31において、スイッチT25、T26及びT28が導通するように、走査信号S(n-2)及び制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有する。この時、ノードN21及びN22が電圧レベルRF1を有するように、スイッチT25及びT26はそれぞれ電圧レベルRF1を有する基準信号VRF1をノードN21及びN22に提供する。ノードN23が電圧レベルRF2を有するように、スイッチT28は電圧レベルRF2を有する基準信号VRF2をノードN23に提供する。
【0030】
いくつかの実施形態において、スイッチT22がノードN21の電圧レベルRF1に基づいて導通されるように、電圧レベルRF1は有効化電圧レベルである。いくつかの実施形態において、スイッチT26が切れた後にノードN21の電圧レベルを維持するように、コンデンサC21はノードN21の電荷を格納し、スイッチT26が切れた後(例えば、期間P32中)にスイッチT22を導通し続けるようにさせる。
【0031】
いくつかの実施形態において、期間P31中に、画素駆動回路200がデータ信号DTを受信するように準備できるように、ノードN21、N22及びN23の電圧レベルは基準信号VRF1及びVRF2によりリセットされるため、期間P31はリセット期間と称される。
【0032】
期間P32において、スイッチT24及びスイッチT28が導通するように、走査信号S(n-1)及び制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT25及びT26が切れるように、走査信号S(n-2)は無効化電圧レベルVGHを有する。ノードN23が電圧レベルRF2を有するように、スイッチT28は基準信号VRF2をノードN23に提供する。コンデンサC21の期間P31に格納した電荷はノードN22を期間P32中に依然として有効化電圧レベルを有するようにするため、スイッチT22は期間P31中に導通される。いくつかの実施形態において、電流がノードN23から順にスイッチT22及びT24を通じてノードN22に流れるように、基準信号VRF2の電圧レベルRF2はノードN22の電圧レベルRF1より高い。この時、ノードN22の電圧レベルが(RF2-|VTH|)に引っ張られるように、基準信号VRF2は順にスイッチT28、T22及びT24を通じてノードN22に書き込まれ、ここで、閾値電圧レベルVTHはスイッチT22の閾値電圧レベルである。この時、ノードN21の電圧レベルは、ノードN23の電圧レベルRF2、ノードN22の電圧レベル(RF2-|VTH|)及びノードN21の期間P31中の電圧レベルRF1による。
【0033】
図2に示すように、コンデンサC21及びC22は互いに直列接続されている。期間P32において、コンデンサの直列接続公式によりノードN21が電圧レベル(RF1+((RF2-|VTH|-RF1)×(CV21/(CV21+CV22)))を有することを算出することができる。ここで、容量値CV21及びCV22はそれぞれコンデンサC21及びC22の容量値である。いくつかの実施形態において、容量値CV22は容量値CV21より遥かに大きく、例えば、容量値CV22は容量値CV21の十倍以上である。このように、上記式における(CV21/(CV21+CV22))はゼロに近づく。従って、ノードN21の電圧レベルは電圧レベルRF1と見なされることができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、期間P32中に、発光期間(例えば、期間P34)中のスイッチT22の閾値電圧レベルVTHを補償するように準備するために、基準信号VRF2及びスイッチT22の閾値電圧レベルVTHによって、ノードN22の電圧レベルは(RF2-|VTH|)に調整される。そのため、期間P32は補償期間と称される。
【0035】
いくつかの従来の手法において、補償するための電圧信号は画素駆動回路の回路素子の内部抵抗の影響を受けて電圧降下(IR drop)し、画素駆動回路におけるノードの電圧レベルを不安定にする。
【0036】
上記手法に比較して、本発明の実施形態において、スイッチT28は電圧降下の影響を受けない基準信号VRF2をノードN23に伝送し、コンデンサC22を介してノードN21の電圧レベルをさらに安定化する。
【0037】
期間P33において、スイッチT21及びスイッチT28が導通するように、走査信号S(n)及び制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT24が切れるように、走査信号S(n-1)は無効化電圧レベルVGHを有する。ノードN23が電圧レベルRF2を有するように、スイッチT28は基準信号VRF2をノードN23に提供する。この時、ノードN21の電圧レベルが電圧レベルRF1から電圧レベルVDTに引っ張られるように、スイッチT21は電圧レベルVDTを有するデータ信号DTをノードN21に書き込む。コンデンサC21はノードN21の電圧レベルVDTをノードN22に書き込み、ノードN22の電圧レベルを(RF2-|VTH|+(VDT-RF1))に引っ張る。この時、ノードN22及びN23の電圧レベル差VGSは(VDT-RF1-|VTH|)である。
【0038】
いくつかの実施形態において、期間P33中に、スイッチT21及びコンデンサC21はデータ信号DTをノードN22に書き込む。そのため、期間P33はデータ書き込み期間と称される。
【0039】
期間P34において、スイッチT23及びスイッチT27が導通するように、発光信号EMは有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT21及びT28が切れるように、走査信号S(n)及び制御信号VCは無効化電圧レベルVGHを有する。この時、電圧レベルDDを有する電圧信号VDDは発光素子L2及びスイッチT27を通じてノードN23の電圧レベルを(DD-VLED-VT27)に引っ張り、ここで、電圧レベル差VLED及びVT27はそれぞれ電圧信号VDDが発光素子L2及びスイッチT27を通じる時に生成された電圧レベル差に対応する。従って、コンデンサC21及びC22によって、ノードN22の電圧レベルは(VDT-RF1-|VTH|+(DD-VLED-VT27))に引っ張られる。この時、ノードN22及びN23の電圧レベル差VGSは(VDT-RF1-|VTH|)である。
【0040】
期間P34において、発光素子L2が電流I2の電流レベルに基づいて発光するように、電流I2は順に発光素子L2、スイッチT27、T22及びT23を流れる。いくつかの実施形態において、電流I2の電流レベルが発光素子L2の発光輝度を決定する。
【0041】
いくつかの実施形態において、電流I2の電流レベルはスイッチT22のゲート電極とソース電極との間の電圧レベル差、即ち、ノードN22及びN23との間の電圧レベル差VGSによって決定される。電子学における式から分かるように、スイッチT22を流れる電流I2の電流レベルはK×(VGS+|VTH|)^2である。期間P34において、(VDT-RF1-|VTH|)を電圧レベル差VGSに代入すると、電流I2の電流レベルがK×(VDT-RF1)^2であることを得ることができ、ここで、Kは定数である。そのため、電流I2の電流レベルは閾値電圧レベルVTHと関係なく、データ信号DTの電圧レベルVDT及び基準信号VRF1の電圧レベルRF1と関係ある。
【0042】
いくつかの実施形態において、期間P34中に、画素駆動回路200における発光素子L2が発光するため、期間P34は発光期間と称される。
【0043】
いくつかの従来の手法において、電流がディスプレイにおける異なる経路を流れる時、異なる経路における異なる抵抗値は異なる電圧降下を引き起こし、また、スイッチの閾値電圧レベルも電圧降下を引き起こすため、発光素子を流れる電流を制御し難くし、ディスプレイの輝度が不均一である結果に繋がる。
【0044】
上記手法に比較して、本発明の実施形態において、電圧レベルVDTと電圧レベルRF1はユーザによって決定される。このように、発光素子L2を流れる電流I2はユーザによって調整されることができるが、電流経路又は画素駆動回路200の素子特性、例えば、スイッチT22の閾値電圧レベルVTHに影響されない。
【0045】
いくつかのその他の実施形態において、画素駆動回路200はスイッチT22の閾値電圧レベルVTHを補償しなくてもよい。期間P32の操作に記載のように、基準信号VRF2の電圧レベルRF2がノードN22の電圧レベルRF1より高いため、スイッチT22及びスイッチT24は基準信号VRF2によって閾値電圧レベルVTHをノードN22に書き込むことにより補償操作を行う。逆に、ユーザが基準信号VRF2の電圧レベルを電圧レベルRF1以下に調整する場合、スイッチT22の閾値電圧レベルVTHが補償されないように、閾値電圧レベルVTHはノードN22に書き込まれない。このように、その後の期間P34中に、電圧レベル差VGSは(VDT-RF1)であり、電流I2の電流値はK×(VDT-RF1+|VTH|)^2である。異なる実施形態において、基準信号VRF2の異なる電圧レベルにより、画素駆動回路200の補償機能をオン又はオフすることができる。
【0046】
図4は本発明の一実施形態における画素駆動回路200による駆動操作を示すタイミングチャートである。図4に示すタイミングチャートは順に期間P41~P44を含む。いくつかの実施形態において、図4に示すタイミングチャートは、図2に示す異なる信号、例えば、走査信号S(n)、S(n-1)、S(n-2)、発光信号EM、電圧信号SLT、データ信号DT及び制御信号VCの操作に対応する。図4に示す実施形態において、スイッチT25の制御端は電圧信号SLTを受信する。
【0047】
図3及び図4に示すように、画素駆動回路200の期間P41~P44における操作は期間P31~P34における操作に類似するため、ここで繰り返した説明を省略する。
【0048】
図4に示すように、期間P41中に、スイッチT25が導通するように、電圧信号SLTは有効化電圧レベルVGLを有する。この時、ノードN21が電圧レベルRF1を有するように、スイッチT25は電圧レベルRF1を有する基準信号VRF1をノードN21に提供する。
【0049】
期間P42中に、スイッチT25、T24及びスイッチT28が導通するように、電圧信号SLT、走査信号S(n-1)と制御信号VCは、有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT26が切れるように、走査信号S(n-2)は、無効化電圧レベルVGHを有する。ノードN23が電圧レベルRF2を有し、ノードN22が電圧レベル(RF2-|VTH|)を有するように、スイッチT28は基準信号VRF2をノードN23に提供する。ノードN21が電圧レベルRF1を有するように、スイッチT25は電圧レベルRF1を有する基準信号VRF1をノードN21に提供する。
【0050】
期間P43において、スイッチT21がデータ信号DTをノードN21に書き込む時、コンデンサC21は電圧レベルRF1及びVDTの電圧レベル差をノードN22に書き込むことによりデータ書き込み操作を行う。この時、ノードN22の電圧レベルは(RF2-|VTH|+(VDT-RF1))である。
【0051】
図3及び図4に示すように、スイッチT25の期間P43及びP44に電圧信号SLTを受信する操作はスイッチT25の期間P33及びP34に走査信号S(n-2)を受信する操作に類似するため、ここで繰り返した説明を省略する。異なる実施形態において、スイッチT25は電圧信号SLT又は走査信号S(n-2)を受信することにより操作を行うことができる。
【0052】
図5は本願の一実施形態による表示装置110における画素駆動回路500の回路図である。画素駆動回路500は表示装置110における画素駆動回路112の一実施形態である。画素駆動回路500は図2に示す画素駆動回路200の一代替実施形態である。
【0053】
図5に示すように、画素駆動回路500はスイッチT51~T59、コンデンサC52とC51及び発光素子L5を含む。図2及び図5に示すように、画素駆動回路500は画素駆動回路200に類似する素子接続関係を有するため、ここで繰り返した説明を省略する。スイッチT51~T54、T56~T58、コンデンサC52とC51及び発光素子L5はそれぞれスイッチT21~T24、T26~T28、コンデンサC22とC21及び発光素子L2に対応する。
【0054】
図5に示すように、スイッチT55とT56の制御端はノードN55に連結され、ノードN55で走査信号S(n-2)を受信する。スイッチT59の制御端は走査信号S(n-1)を受信し、ノードN51でスイッチT59の一端はスイッチT55の一端に連結され、ノードN56でスイッチT59の他端はスイッチT55の他端に連結される。
【0055】
図3及び図5に示すように、いくつかの実施形態において、画素駆動回路500は図3に示すタイミングチャートに基づいて操作する。上記実施形態において、画素駆動回路500の操作は画素駆動回路200の図3に示すタイミングチャートに基づいて実行される操作に類似するため、ここで繰り返した説明を省略する。
【0056】
図3及び図5に示すように、期間P32中に、スイッチT59が導通するように、走査信号S(n-1)は有効化電圧レベルVGLを有する。この時、ノードN51が電圧レベルRF1を有するように、スイッチT59は、基準信号VRF1をノードN51に提供する。
【0057】
期間P33において、スイッチT51がデータ信号DTをノードN51に書き込む時、コンデンサC51は電圧レベルRF1及びVDTの電圧レベル差をノードN52に書き込むことによりデータ書き込み操作を行う。
【0058】
図2図3及び図5に示すように、画素駆動回路500の期間P31、P33及びP34における操作は画素駆動回路200の期間P31、P33及びP34における操作に類似するため、ここで繰り返した説明を省略する。
【0059】
図6は本願の一実施形態による表示装置110における画素駆動回路600の回路図である。画素駆動回路600は表示装置110における画素駆動回路112の一実施形態である。画素駆動回路600は図2に示す画素駆動回路200の一代替実施形態である。
【0060】
図6に示すように、画素駆動回路600はスイッチT61~T68、コンデンサC62とC61を含む。図2及び図6に示すように、画素駆動回路600は画素駆動回路200に類似する素子接続関係を有するため、ここで繰り返した説明を省略する。スイッチT61~T68、コンデンサC62とC61はそれぞれスイッチT21~T28、コンデンサC22とC21に対応する。画素駆動回路600と画素駆動回路200との相違点は、画素駆動回路600が発光素子L2を含まず、画素駆動回路600がN65及びN66との間に連結されている収容空間SP6を含むことである。発光素子L6が画素駆動回路600に連結されるように、収容空間SP6は検出(例えば、図7に記載の検出操作)した後に発光素子L6を収容することができる。
【0061】
図7は本発明の一実施形態における画素駆動回路600による検出操作を示すタイミングチャートである。図7に示すタイミングチャートは期間P71~P74を含む。期間P71~P74の信号操作は図3に示す期間P31~P34の信号操作に類似するため、一部の詳細についてはここで繰り返した説明を省略する。
【0062】
図6図7に示すように、期間P71において、基準信号VRF1及びVRF2によってノードN61、N62及びN63の電圧レベルをリセットするように、走査信号S(n-2)及び制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有し、スイッチT65、T66及びT68を導通させる。
【0063】
期間P72において、スイッチT64及びスイッチT68が導通するように、走査信号S(n-1)と制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT65及びT66が切れるように、走査信号S(n-2)は無効化電圧レベルVGHを有する。この時、基準信号VRF2は順にスイッチT68、T62及びT64を通じてノードN62に書き込まれる。
【0064】
期間P73において、スイッチT61及びスイッチT68が導通するように、走査信号S(n)と制御信号VCは、有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT64が切れるように、走査信号S(n-1)は、無効化電圧レベルVGHを有する。スイッチT68は基準信号VRF2をノードN63に提供し、スイッチT61及びコンデンサC61はデータ信号DTをノードN62に書き込む。
【0065】
期間P74において、スイッチT63及びスイッチT68が導通するように、発光信号EMと制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有する。この時、電流I61は順にスイッチT68、T62及びT63を通じてノードN67に流れる。いくつかの実施形態において、ユーザはスイッチT61~T68の少なくとも1つが正常に稼働しているか否かを検出するために、ノードN67で電流I61を測定する。
【0066】
例を挙げると、スイッチT61~T68のそれぞれが正常に稼働している時、電流I61の電流レベルはデータ信号DTの電圧レベルVDTに正比例する。逆に、スイッチT61が正常に導通されない場合、電流I61の電流レベルが電圧レベルVDTに対応することないように、データ信号DTは画素駆動回路600に書き込まれない。別の例を挙げると、スイッチT68、T62及びT63の少なくとも1つが正常に導通されない場合、ユーザがノードN67にて電流I61を測定できないように、電流I61はノードN61に残さない。要するに、ユーザは電流I61が異常である場合、画素駆動回路600に異常が発生することを知ることができるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。異なる実施形態において、スイッチT61~T68が正常に稼働しているか否かを検出するために、ユーザは期間P71~P74の異なる期間中にスイッチT61~T68を流れる異なる電流を測定することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、ユーザが電流I61を測定して画素駆動回路600が正常に稼働していることを確認した後、ユーザは発光素子L6を収容空間SP6に連結させる。いくつかの実施形態において、発光素子L6が収容空間SP6において画素駆動回路600に連結された後、ユーザはさらに発光素子L6が正常に稼働できるか否かを検出することができる。
【0068】
例を挙げると、発光素子L6が収容空間SP6に連結された後、スイッチT68及びT67が導通するように、制御信号VC及び発光信号EMは有効化電圧レベルVGLを有する。発光素子L6はノードN66にて電圧信号VDDを受信し、スイッチT68はノードN68にて基準信号VRF2を受信する。この時、電流I62は順に発光素子L6、スイッチT67及びT68を流れる。発光素子L6、スイッチT67及びT68が正常に稼働している場合、発光素子L6の発光輝度は電圧信号VDD及び基準信号VRF2の電圧レベル差に正比例する。逆に、発光素子L6、スイッチT67及びT68の少なくとも1つが異常である場合、発光素子L6は正常に発光できない。
【0069】
いくつかの従来の手法において、画素駆動回路に異常が発生したか否かを測定する時、発光素子は既に画素駆動回路に連結されている。この時、画素駆動回路の製造コストは発光素子の製造コストを含む。
【0070】
上記手法に比較して、図6及び図7に示すように、本発明の実施形態は発光素子L6が画素駆動回路600に連結される前にスイッチT61~T68を検出できる方法を提供する。画素駆動回路600が発光素子L6に連結される前に検出することにより、画素駆動回路600の検出する時の製造コストを低くする。
【0071】
図8は本願の一実施形態による表示装置110における画素駆動回路800の回路図である。画素駆動回路800は表示装置110における画素駆動回路112の一実施形態である。画素駆動回路800は図2に示された画素駆動回路200の一代替実施形態である。
【0072】
図8に示すように、画素駆動回路800はスイッチT81~T89、コンデンサC82とC81及び収容空間SP8を含む。図2及び図8に示すように、画素駆動回路800は画素駆動回路200に類似する素子接続関係を有するため、ここで繰り返した説明を省略する。スイッチT81~T88、コンデンサC82とC81はそれぞれスイッチT21~T28、コンデンサC22とC21に対応する。
【0073】
図8に示すように、スイッチT87の制御端は発光信号EMを受信し、スイッチT87の一端は電圧信号VDDを受信し、スイッチT87の他端はノードN83にてスイッチT82に連結される。収容空間の一端はノードN84にてスイッチT83及びT89に連結される。スイッチT89の制御端は電圧信号ATを受信し、スイッチT89の一端はノードN84に連結され、スイッチT89の他端はスイッチT81に連結される。異なる実施形態において、スイッチT89はノードN81又はノードN89にてスイッチT81に連結される。
【0074】
図9は本発明の一実施形態における画素駆動回路800による検出操作を示すタイミングチャートである。図9に示すタイミングチャートは期間P91~P94を含む。期間P91~P94の信号操作は図3に示す期間P31~P34の信号操作に類似するため、一部の詳細に対する繰り返した説明を省略する。
【0075】
図8図9に示すように、期間P91において、基準信号VRF1及びVRF2によってノードN81、N82及びN83の電圧レベルをリセットするように、、走査信号S(n-2)及び制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有し、スイッチT85、T86及びT88を導通させる。
【0076】
期間P92において、スイッチT81及びスイッチT88が導通するように、走査信号S(n-1)と制御信号VCは、有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT85及びT86が切れるように、走査信号S(n-2)は無効化電圧レベルVGHを有する。この時、基準信号VRF2は順にスイッチT88、T82及びT84を通じてノードN82に書き込まれる。
【0077】
期間P93において、スイッチT81及びスイッチT88が導通するように、走査信号S(n)と制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有する。スイッチT84が切れるように、走査信号S(n-1)は、無効化電圧レベルVGHを有する。この時、スイッチT88はノードN83に基準信号VRF2を提供する。
【0078】
期間P94において、スイッチT87、T83及びT89が導通するように、発光信号EMと電圧信号ATは、有効化電圧レベルVGLを有する。この時、電流I81は順にスイッチT87、T82、T83及びT89を流れる。図9に対応する実施形態において、スイッチT89はノードN89に連結される。
【0079】
いくつかの実施形態において、ノードN89はデータ信号DTを伝送するデータ線(未図示)に連結されている。いくつかの実施形態において、ユーザはデータ線から電流I81の電流レベルILVを測定し、電流レベルILVに基づいて画素駆動回路800に異常が発生しているか否かを判断することができる。例を挙げると、スイッチT87、T82、T83及びT89のうち少なくとも1つが正常に導通されない場合、電流I81はノードN89に伝送されず、データ線から測定された電流レベルILVを異常にさせる。
【0080】
図10は本発明の一実施形態における画素駆動回路800による検出操作を示すタイミングチャートである。図10に示すタイミングチャートは期間P101~P103を含む。ここで、期間P101~P102の信号操作は図9に示す期間P91~P92の信号操作に類似するため、一部の詳細に対し、ここで繰り返した説明を省略する。
【0081】
図8図10に示すように、期間P103において、スイッチT81、T89、T87、T83及びT88が導通するように、走査信号S(n)、電圧信号AT、発光信号EM及び制御信号VCは有効化電圧レベルVGLを有する。この時、順にスイッチT87、T82、T83及びT89を流れる電流I82は電流レベルILVを有する。図10に対応する実施形態において、スイッチT89はノードN81に連結される。電流I82はスイッチT89を通じてノードN81に流れた後、さらに、スイッチT81を通じてノードN89に流れる。
【0082】
いくつかの実施形態において、ユーザはノードN89のデータ線から電流I82の電流レベルILVを測定し、電流レベルILVに基づいて画素駆動回路800に異常が発生しているか否かを判断することができる。例を挙げると、スイッチT87、T82、T83、T89及びT81のうち少なくとも1つが正常に導通されない場合、電流I82はノードN89に伝送されず、データ線から測定された電流レベルILVを異常にさせる。
【0083】
いくつかの実施形態において、期間P103において、電流I82はさらに、順にスイッチT87及びT88を通じてノードN88に流れる。ユーザはノードN88から電流I82の電流レベルILVを測定し、電流レベルILVに基づいて画素駆動回路800に異常が発生しているか否かを判断することができる。例を挙げると、スイッチT87及びT88のうち少なくとも1つが正常に導通されない場合、電流I82はノードN88に伝送されず、ノードN88から測定された電流レベルILVを異常にさせる。
【0084】
いくつかの実施形態において、ユーザは電流I81及び/又はI82を測定して画素駆動回路800が正常に稼働していることを確認した後、ユーザは発光素子L8を収容空間SP8に連結させることにより、発光素子L8の一端をノードN84に連結し、発光素子L8の他端に電圧信号VSSを受信させる。いくつかの実施形態において、発光素子L8が画素駆動回路800に連結された後、画素駆動回路800は図3に示されたタイミングチャートに基づいて発光操作を実行する。
【0085】
本願の前記各種の検出方法及び発光操作の方法は説明するためのものであり、その他の各種の検出方法及び発光操作の方法はいずれも本願に想到された範囲内である。
【0086】
要するに、本発明の実施形態において、発光素子L2又はL5が発光する時、スイッチT22又はスイッチT52の閾値電圧レベルVTHが補償され、閾値電圧レベルVTHの数値の大きさが発光素子L2又はL5の発光輝度に影響を与えないようにする。閾値電圧レベルVTHを補償する操作は、基準信号VRF2の電圧レベルを調整することによってオン又はオフにすることができる。また、電圧降下の影響を受けない基準信号VRF1及びVRF2は、発光素子L2及びL5の発光輝度が画素駆動回路の内部抵抗に影響されないようにする。また、画素駆動回路600及び800が発光素子L6及びL8に連結される前に内部素子を検出することによって、製造コストを低減することができる。
【0087】
本発明は実施形態によって以上のように開示されたが、上記実施形態は本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、いくつかの変更や修飾を行うことができるため、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定められたものに準じるべきである。
【符号の説明】
【0088】
100 ディスプレイ
110 表示装置
120 走査装置
130 データ入力装置
140 発光制御装置
SL(0)~SL(n) 走査線
S(n-2)、S(n-1)、S(n) 走査信号
DL(1)~DL(m) データ線
DT データ信号
EL(1)~EL(n) 発光ライン
EM 発光信号
DV(1)~DV(n)、112、200、500、600、800 画素駆動回路
L2、L5、L6、L8 発光素子
210 リセットユニット
220 データ書き込みユニット
230 補償ユニット
240 発光ユニット
250 電圧安定化ユニット
VSS、VDD、SLT、AT 電圧信号
VC 制御信号
N21~N25、N51~N53、N55、N56、N61~N63、N65~N68、N81~N84、N88、N89 ノード
TH 閾値電圧レベル
VRF1、VRF2 基準信号
P31~P34、P41~P44、P71~P74、P91~P94、P101~P103 期間
VGH 無効化電圧レベル
VGL 有効化電圧レベル
DD、SS、RF1、RF2、VDT 電圧レベル
VGS、VLED、VT27 電圧レベル差
I2、I61、I62、I81、I82 電流
T21~T28、T51~T59、T61~T68、T81~T89 スイッチ
SP6、SP8 収容空間
C21、C22、C51、C52、C61、C62、C81、C82 コンデンサ
CV21、CV22 容量値
K 定数
ILV 電流レベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10