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特許7390344蒸着マスク用金属板、蒸着マスク及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】蒸着マスク用金属板、蒸着マスク及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/04 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
C23C14/04 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021152029
(22)【出願日】2021-09-17
(62)【分割の表示】P 2019514011の分割
【原出願日】2017-08-22
(65)【公開番号】P2022000542
(43)【公開日】2022-01-04
【審査請求日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】10-2016-0118389
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0014643
(32)【優先日】2017-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ドンムグ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】チョ,スヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヘシク
(72)【発明者】
【氏名】ハン,テヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヒョウオン
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンユ
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンボム
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105803389(CN,A)
【文献】特開2014-133934(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄(Fe)及びニッケル(Ni)を含み、長さ方向に一端から他端まで延長される金属板を含み、
前記金属板は、第1面と、前記第1面と反対となる第2面を含み、
前記金属板は、蒸着パターン領域と非蒸着領域を含み、
前記蒸着パターン領域は、複数の有効領域と複数の非有効領域を含み、
それぞれの有効領域は、複数の貫通孔を含み、
複数の有効領域は、第1有効領域、第2有効領域及び第3有効領域を含み、
前記金属板の非蒸着領域は、第1溝、第2溝、第3溝及び第4溝を含み、
前記第1溝、前記第2溝、前記第3溝及び前記第4溝は、金属板の深さ方向に対応する溝が形成される別途の領域であり、
前記第1溝は、前記金属板の一端と前記蒸着パターン領域間に配置され、
前記第2溝は、前記金属板の他端と前記蒸着パターン領域間に配置され、
前記第3溝は、前記第1溝と前記第1有効領域の間に配置され、
前記第4溝は、前記第2溝と前記第3有効領域の間に配置され、
前記金属板の非蒸着領域は、前記金属板の一端と他端にそれぞれ配置された半円形の第1オープン部と半円形の第2オープン部を含み、
前記第1溝及び前記第2溝は、それぞれ曲面と平面を含み、
前記第1溝の曲面は、前記一端に配置された第1オープン部の曲面に向かい、
前記第2溝の曲面は、前記他端に配置された第2オープン部の曲面に向かい、
前記貫通孔は、前記金属板の第1面に形成される第1面孔と、前記第2面に形成される第2面孔を含み、
前記第2面孔の幅は、前記第1面孔の幅より大きく、
前記第1溝、前記第2溝、前記第3溝及び前記第4溝は、前記第1面のみに配置され
前記第1溝、前記第2溝、前記第3溝及び前記第4溝の形状は、前記金属板の長さ方向の中心を基準として相互対称となるように配置される、蒸着用マスク。
【請求項2】
記第1溝の曲面は、前記一端方向に膨らみ、
前記第2溝の曲面は、前記他端方向に膨らむ、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項3】
前記第3溝及び前記第4溝の形状は、前記第1溝及び前記第2溝のうちいずれか一つの溝の形状と異なる、請求項1または2に記載の蒸着用マスク。
【請求項4】
前記非蒸着領域は、第1フレーム固定領域及び第2フレーム固定領域を含み、
前記第1フレーム固定領域は、前記第1溝と前記第3溝の間に配置され、
前記第2フレーム固定領域は、前記第2溝と前記第4溝の間に配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載の蒸着用マスク。
【請求項5】
前記蒸着パターン領域は、複数の分離領域を含み、
前記分離領域は、前記第1有効領域と前記第2有効領域の間の第1分離領域と、前記第2有効領域と前記第3有効領域の間の第2分離領域とを含み、
前記第1分離領域及び前記第2分離領域の幅は、前記第1フレーム固定領域と前記第1溝の間の距離より小さい、請求項4に記載の蒸着用マスク。
【請求項6】
前記第1溝は、前記金属板の長さ方向への第1幅を有し、
前記第3溝は、前記金属板の長さ方向への第2幅を有し、
前記第1幅は、前記第2幅より大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載の蒸着用マスク。
【請求項7】
前記第1溝及び前記第3溝は、前記金属板の長さ方向に前記第2溝及び前記第4溝と対称する、請求項1から6のいずれか一項に記載の蒸着用マスク。
【請求項8】
前記貫通孔は、前記第1面孔と前記第2面孔の間の変曲点を含み、
前記変曲点と前記第1面孔の終端の任意の地点を連結する直線と前記金属板の第1面の間の傾斜角の内角の大きさは、前記変曲点と前記第2面孔の終端の任意の地点を連結する直線と前記金属板の第2面の間の傾斜角の内角の大きさと異なる、請求項1に記載の蒸着用マスク。
【請求項9】
前記変曲点と前記第1面孔の終端の任意の地点を連結する直線と前記金属板の第1面の間の傾斜角の内角の大きさは、90度を超過し、
前記変曲点と前記第2面孔の終端の任意の地点を連結する直線と前記金属板の第2面の間の傾斜角の内角の大きさは、20度~70度である、請求項に記載の蒸着用マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は金属板に関する。詳細には、実施例は蒸着マスクに用いられる金属板及びその
製造方法に関する。より詳細には、実施例による蒸着マスクを用いてOLEDパネルを製
作することができる。
【背景技術】
【0002】
高解像度及び低消費電力を有する表示装置が要求されることにより、液晶表示装置や電
界発光表示装置のような多様な表示装置が開発されている。
【0003】
電界発光表示装置は、液晶表示装置に比べ、低発光、消費電力、高解像度などの優れた
特性により、次世代表示装置としで脚光を浴びている。
【0004】
電界表示装置は、有機発光表示装置と無機発光表示装置がある。すなわち、発光層の物
質によって有機発光表示装置と無機発光表示装置とに区別され得る。
【0005】
この中でも、有機発光表示装置は、広い視野角を有し、速い応答速度を有するという点
、低消費電力が要求されるという点で注目されている。
【0006】
このような発光層を構成する有機物質は、ファインメタルマスク(fine meta
l mask)方式によって基板上に画素を形成するためのパターンが形成され得る。
【0007】
このとき、ファインメタルマスク、すなわち蒸着用マスクは、基板上に形成されるパタ
ーンと対応する貫通孔を有し得、基板上にファインメタルマスクをアライメントした後、
有機物質を蒸着することにより、画素を形成する赤色(Red)、緑色(Green)、
青色(Blue)のパターンを形成することができる。
【0008】
最近、仮想現実(VR、virtual reality)器機など多様な電子機器で超
高解像度(UHD、Ultra High Definition)の表示装置が要求さ
れる。これに伴って、超高解像度(UHD級)のパターンを形成することができる微細な
サイズの貫通孔を有するファインメタルマスクが要求される。
【0009】
蒸着マスクとして用いられる金属板は、エッチング工程によって複数の貫通孔が形成さ
れ得る。
【0010】
このとき、複数の貫通孔が均一でない場合、蒸着の均一性が低下することがあり、これ
によって形成されるパターンの蒸着効率が低下することにより工程効率が低下するという
問題点があった。
【0011】
一方、高解像度または超高解像度(UHD級)のパターンを形成することができる微細
なサイズの貫通孔は均一に形成しにくいという問題点を有する。
【0012】
または、微細なサイズの貫通孔を形成しても隣接した貫通孔が互いに連結されることに
よって、蒸着不良を発生させることがあるという問題点を有する。
【0013】
したがって、新しい構造の蒸着マスク用基板、蒸着マスク及びその製造方法が要求され
る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
実施例は、均一な貫通孔を有する蒸着マスクを提供するためのものである。
【0015】
実施例は、均一で微細な貫通孔を有する蒸着マスクを提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
蒸着マスクの製作に用いられる金属板は、ベース金属板;前記ベース金属板の第1面上
に配置される第1表面層;及び前記ベース金属板の前記第1面と対向する第2面上に配置
される第2表面層を含み、前記第1表面層及び前記第2表面層は、前記ベース金属板と互
いに異なる元素を含むか、または異なる組成比を有し、前記ベース金属板のエッチング速
度は、前記第1表面層及び前記第2表面層のエッチング速度より大きいものを含む。
【0017】
実施例による蒸着マスクの製造方法は、ベース金属板の準備ステップ;前記ベース金属
板の第1面上に第1表面層を配置するステップ;前記ベース金属板の第2面上に第2表面
層を配置するステップ;前記第1表面層上に第1フォトレジスト層を配置し、前記第2表
面層上に第2フォトレジスト層を配置するフォトレジスト層形成ステップ;及び前記第1
面の第1面孔と前記第2面の第2面孔とが連通する貫通孔を形成するエッチングステップ
;を含み、前記エッチングステップは、前記第1面孔及び前記第2面孔のうち少なくとも
一つの面孔の下記式1によって計算されたエッチングファクターが2.5以上であり、
<式1>
Etching Factor=B/A
上記式で、前記Bは、エッチングされた前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面
孔の深さであり、上記式で、前記Aは、前記一つの面孔上のブリッジ領域から延びて前記
一つの面孔の中心方向に突出したフォトレジスト層の幅を意味する。
【0018】
実施例の蒸着マスクは、互いに対向する第1面及び第2面を含むベース金属板;前記第
1面上の第1表面層;及び前記第2面上の第2表面層;を含む蒸着マスク用金属板を含み
、前記蒸着マスク用金属板は蒸着パターン領域と非蒸着領域を含み、前記蒸着パターン領
域は複数の貫通孔を含み、前記蒸着パターン領域は有効領域と外郭領域、非有効領域に分
けられ、前記有効領域と前記外郭領域に貫通孔が形成され得る。
【発明の効果】
【0019】
実施例による金属板は、ベース金属板及び前記ベース金属板上に配置される表面層を含
むことができる。
【0020】
前記表面層は、前記ベース金属板の第1面及び前記第1面と対向される第2面上にそれ
ぞれ配置されることによって、前記ベース金属板の第1面及び第2面におけるエッチング
速度を遅くすることができる。これに伴って、前記表面層を含む金属板は、均一な貫通孔
を形成することができる。すなわち、蒸着マスクの製作に用いられる前記金属板は、均一
性が向上した貫通孔を含むことにより、これを通じて形成されるパターンの均一性が向上
し得、パターンの蒸着効率が増加することによって工程効率が向上し得る。
【0021】
したがって、実施例による蒸着マスクで製作したOLEDパネルは、パターンの蒸着効
率に優れ、蒸着均一性が向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】基板上に有機物質を蒸着する工程を説明するための概念図である。
図2】基板上に有機物質を蒸着する工程を説明するための概念図である。
図3】基板上に有機物質を蒸着する工程を説明するための概念図である。
図4】実施例による蒸着マスク用金属板及び蒸着マスクの平面図を示した図である。
図5】実施例による蒸着マスク用金属板及び蒸着マスクの平面図を示した図である。
図6】実施例による蒸着マスク用金属板及び蒸着マスクの平面図を示した図である。
図7】実施例による蒸着マスク用金属板及び蒸着マスクの平面図を示した図である。
図8】蒸着マスクの有効領域の平面図を示した図である。
図9】蒸着マスクの有効領域の平面図を示した図である。
図10図9のA-A’の断面図を示した第1実施例の図である。
図11】第1実施例による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図12】第1実施例による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図13】第1実施例による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図14】第1実施例による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図15】第1実施例による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図16】実施例による金属板の面孔を撮影した写真である。
図17】比較例による金属板の面孔を撮影した写真である。
図18】実施例のエッチング工程における断面図を示した図である。
図19】比較例のエッチング工程における断面図を示した図である。
図20図9のA-A’の断面図を示した第2実施例の図である。
図21図9のA-A’の断面図を示した第2実施例の図である。
図22】第2実施例による蒸着マスクを示した図である。
図23】蒸着マスク用金属板の厚さ減少による貫通孔形成の容易性を説明するための図である。
図24】エッチングファクターの増加による貫通孔形成の容易性を説明するための図である。
図25図22による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図26図22による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図27図22による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図28図22による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図29図22による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図30図22による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
図31】第2実施例による蒸着マスクの貫通孔を示した他の図である。
図32】第2実施例による蒸着マスクの貫通孔を示したまた他の図である。
【発明の実施のための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して実施例を具体的に説明する。
【0024】
添付図面を参照して説明することにおいて、同じ構成要素は同じ図面符号を付与し、こ
れに対する重複説明は省略する。
【0025】
第1、第2などの用語は、構成要素を説明することに使用され得るが、前記構成要素は
、前記用語に限定されず、一つの構成要素を他の構成要素と区別する目的にのみ用いられ
る。
【0026】
また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に反対になる記載がな
い限り、他の構成要素を除くことでなく他の構成要素をさらに備え得ることができるとい
うことを意味する。
【0027】
図1ないし図3を参照して基板上に有機物質を蒸着する工程を説明する。
【0028】
図1は、実施例による蒸着マスク100が含まれた有機物蒸着装置を示した図である。
【0029】
有機物蒸着装置は、蒸着マスク100、マスクフレーム200、基板300、有機物蒸
着容器400及び真空チャンバ500を含むことができる。
【0030】
前記蒸着マスク100は、複数の貫通孔THを含むことができる。前記蒸着マスク10
0は、複数の貫通孔THを含む蒸着マスク用基板であり得る。このとき、前記貫通孔は、
基板上に形成されるパターンと対応するように形成され得る。
【0031】
前記マスクフレーム200は、開口部を含むことができる。前記蒸着マスク100の複
数の貫通孔は、前記開口部と対応する領域上に配置され得る。これに伴って、前記有機物
蒸着容器400に供給される有機物質が前記基板300上に蒸着され得る。前記蒸着マス
クは、前記マスクフレーム200上に配置されて固定され得る。例えば、前記蒸着マスク
は引っ張られ、前記マスクフレーム200上に溶接によって固定され得る。
【0032】
図1及び図2を参照すると、前記蒸着マスク100は、前記蒸着マスク100の最外郭
に配置された端部で、互いに反対方向に引っ張られ得る。前記蒸着マスク100は、前記
蒸着マスク100の長さ方向で、前記蒸着マスク100の一端及び前記一端と反対の他端
が互いに反対方向に引っ張られ得る。前記蒸着マスク100の一端と前記他端は、互いに
向かい合って平行に配置され得る。前記蒸着マスク100の一端は、前記蒸着マスク10
0の最外郭に配置された4個の側面を成す端部のいずれか一つであり得る。例えば、前記
蒸着マスク100は、0.4ないし1.5kgfの力で引張され得る。これに伴って、引
張された前記蒸着マスク100は、前記マスクフレーム200上に取付けられ得る。
【0033】
次いで、前記蒸着マスク100は、前記蒸着マスク100の側面領域、すなわち端部を
熔接することによって、前記マスクフレーム200に前記蒸着マスク100を固定するこ
とができる。その次いで、前記マスクフレーム200の外部に配置される前記蒸着マスク
100の一部分は切断などの方法で除去され得る。例えば、前記溶接過程で前記蒸着マス
ク100が変形されることによって、前記蒸着マスク100が前記蒸着マスク100及び
前記マスクフレーム200の固定領域を除いた領域に配置される場合には、前記蒸着マス
クの一部分を除去することができる。
【0034】
図1及び図3を参照すると、前記基板300は、表示装置の製造に用いられる基板であ
り得る。前記基板300上には光の3原色の画素を形成するために、赤色(Red)、緑
色(Green)、青色(Blue)のパターンが形成され得る。
【0035】
前記有機物蒸着容器400は、るつぼであり得る。前記るつぼの内部には有機物質が配
置され得る。
【0036】
前記真空チャンバ500内で前記るつぼに熱源及び/または電流が供給されることによ
り、前記有機物質は前記基板100上に蒸着され得る。
【0037】
図3は、前記蒸着マスク100の一つの貫通孔を拡大した図である。
【0038】
前記蒸着マスク100は、第1面101及び前記第1面と対向する第2面102を含む
ことができる。
【0039】
前記蒸着マスク100の前記第1面101は、製1面孔V1を含み、前記蒸着マスク1
00の前記第2面102は、第2面孔V2を含むことができる。
【0040】
前記貫通孔は、前記第1面孔V1及び前記第2面孔V2が連通する連結部CAによって
形成され得る。
【0041】
前記第2面孔V2の幅は、前記第1面孔V1の幅より大きいことがある。このとき、前
記第1面孔V1の幅は、前記第1面101で測定され、前記第2面孔V2の幅は、前記第
2面102で測定され得る。
【0042】
前記第1面孔V1は、前記基板300に向かって配置され得る。これにより、前記第1
面孔V1は、蒸着物D、すなわちパターンと対応する形状を有し得る。
【0043】
前記第2面孔V2は、前記有機物蒸着容器400に向かって配置され得る。これにより
、前記第2面孔V2は、前記有機物蒸着容器400から供給される有機物質を広い幅で収
容でき、前記第2面孔V2より幅が小さい前記第1面孔V1を通じて前記基板300上に
微細なパターンを速く形成することができる。
【0044】
図4ないし図7は、実施例による蒸着マスク用基板及び蒸着マスクの平面図を示した図
である。
【0045】
図4ないし図7を参照すると、実施例による蒸着マスク用基板及び蒸着マスクは、蒸着
パターン領域DA及び非蒸着領域NDAを含むことができる。
【0046】
前記蒸着パターン領域DAは,蒸着パターン部を通じて有機物質を蒸着するための領域
であり得る。
【0047】
前記蒸着パターン領域DAは,一つの蒸着マスクに含まれた複数の蒸着パターン部AA
1、AA2、AA3を含むことができる。
【0048】
複数の蒸着パターン部は、第1有効領域AA1、第2有効領域AA2及び第3有効領域
AA3を含むことができる。一つの蒸着パターン部は、第1有効領域AA1、第2有効領
域AA2及び第3有効領域AA3のいずれか一つであり得る。
【0049】
スマートフォンのような小型表示装置の場合、一つの蒸着マスクに含まれた一つの蒸着
パターン部は、一つの表示装置を形成するためのものであり得る。これに伴って、一つの
蒸着マスクは、複数の蒸着パターン部を含むことができ、複数の表示装置を同時に形成す
ることができる。したがって、実施例による蒸着マスクは、工程効率を向上させることが
できる。
【0050】
または、テレビのような大型表示装置の場合、一つの蒸着マスクに含まれた複数の蒸着
パターン部が一つの表示装置を形成するための一部であり得る。このとき、前記複数の蒸
着パターン部は、マスクの荷重による変形を防止するためのものであり得る。
【0051】
前記蒸着パターン領域DAは、一つの蒸着マスクに含まれた複数の分離領域IA1、I
A2を含むことができる。
【0052】
隣接した蒸着パターン部の間には分離領域IA1、IA2が配置され得る。前記分離領
域は、複数の蒸着パターン部の間の離隔領域であり得る。例えば、前記第1有効領域AA
1及び前記第2有効領域AA2の間には第1分離領域IA1が配置され得る。例えば、前
記第2有効領域AA2及び前記第3有効領域AA3の間には第2分離領域IA2が配置さ
れ得る。前記分離領域は、隣接した蒸着パターン部を区別できるようにし、複数の蒸着パ
ターン部を一つの蒸着マスクが支持できるようにする。
【0053】
蒸着マスクは、前記蒸着パターン領域DAの長さ方向の両側部に非蒸着領域NDAを含
むことができる。実施例による蒸着マスクは、前記蒸着パターン領域DAの水平方向の両
側に前記非蒸着領域NDAを含むことができる。
【0054】
前記蒸着マスクの前記非蒸着領域NDAは、蒸着に関与しない領域であり得る。
【0055】
前記非蒸着領域NDAは、マスクフレームに固定するためのフレーム固定領域FA1、
FA2を含むことができる。例えば、前記蒸着マスクの前記非蒸着領域NDAは、前記蒸
着パターン領域DAの一側に第1フレーム固定領域FA1を含むことができ、前記蒸着パ
ターン領域DAの前記一側と反対の他側に第2フレーム固定領域FA2を含むことができ
る。前記第1フレーム固定領域FA1及び前記第2フレーム固定領域FA2は、溶接によ
ってマスクフレームと固定される領域であり得る。
【0056】
前記非蒸着領域NDAは、ハーフエッチング部HF1、HF2を含むことができる。例
えば、前記蒸着マスクの前記非蒸着領域NDAは、前記蒸着パターン領域DAの一側に第
1ハーフエッチング部HF1を含むことができ、前記蒸着パターン領域DAの前記一側と
反対の他側に第2ハーフエッチング部HF2を含むことができる。前記第1ハーフエッチ
ング部HF1及び前記第2ハーフエッチング部HF2は、蒸着マスクの深さ方向に溝が形
成される領域であり得る。前記第1ハーフエッチング部HF1及び前記第2ハーフエッチ
ング部HF2は、蒸着マスクの約1/2厚さの溝部を有し得、蒸着マスクの引張時の応力
を分散させることができる。
【0057】
また、前記ハーフエッチング部は、第1面孔または第2面孔を形成するとき、同時に形
成することができる。これを通じて工程効率を向上させることができる。
【0058】
また、前記蒸着パターン領域DA領域には表面層を形成し、前記非蒸着領域NDAには
表面層を形成しないか、または、基板の1面または2面のうち一部のみ表面層を形成する
か、または1面の一部のみ表面層を形成することによって1面孔または2面孔とハーフエ
ッチング部のエッチングファクターを異なるように形成して応力分散を調整することがで
きる。
【0059】
ハーフエッチング部は、蒸着パターン領域DAの非有効領域UAに形成され得る。ハー
フエッチング部は、蒸着マスクの引張時に応力を分散させるために非有効領域UAの全体
または一部に分散して複数配置され得る。
【0060】
また、ハーフエッチング部は、フレーム固定領域及び/またはフレーム固定領域の周辺
領域にも形成され得る。これに伴って、蒸着マスクをフレームに固定するとき、及び/ま
たは蒸着マスクをフレームに固定した後に蒸着物を蒸着するときに発生する蒸着マスクの
応力を均一に分散させることができる。これに伴って、蒸着マスクが均一な貫通孔を有す
るように維持できる。
【0061】
前記非蒸着領域NDAのマスクフレームに固定するためのフレーム固定領域FA1、F
A2は、前記非蒸着領域NDAのハーフエッチング部HF1、HF2及び前記ハーフエッ
チング部HF1、HF2と隣接した前記蒸着パターン領域DAの有効領域の間に配置され
得る。例えば、前記第1フレーム固定領域FA1は、前記非蒸着領域NDAの第1ハーフ
エッチング部HF1及び前記第1ハーフエッチング部HF1と隣接した前記蒸着パターン
領域DAの第1有効領域AA1の間に配置され得る。例えば、前記第2フレーム固定領域
FA2は、前記非蒸着領域NDAの第2ハーフエッチング部HF2及び前記第2ハーフエ
ッチング部HF2と隣接した前記蒸着パターン領域DAの第3有効領域AA3の間に配置
され得る。これに伴って、複数の蒸着パターン部を同時に固定することができる。
【0062】
蒸着マスクは、水平方向Xの両終端に半円形状のオープン部を含むことができる。蒸着
マスクの前記非蒸着領域NDAは、水平方向の両終端にそれぞれ一つの半円形状のオープ
ン部を含むことができる。例えば、蒸着マスクの前記非蒸着領域NDAは、水平方向の一
側には垂直方向Yの中心がオープンされたオープン部を含むことができる。例えば、蒸着
マスクの前記非蒸着領域NDAは、水平方向の前記一側と反対の他側には垂直方向の中心
がオープンされたオープン部を含むことができる。すなわち、蒸着マスクの両終端は、垂
直方向長さの1/2地点にオープン部を含むことができる。例えば、蒸着マスクの両終端
は、馬蹄のような形状であり得る。
【0063】
ハーフエッチング部は、多様な形状に形成され得る。
【0064】
図4ないし図6を参照すると、前記ハーフエッチング部は、半円形状の溝部を含むこと
ができる。前記溝は、前記蒸着マスクの第1面101または第2面102のうち少なくと
も一つの面上に形成され得る。望ましくは、前記ハーフエッチング部は、第1面孔(蒸着
される面側)と対応する面上に形成され得る。これに伴って、前記ハーフエッチング部は
、第1面孔と第2面孔の間のサイズの差によって発生し得る応力を分散させることができ
る。
【0065】
または、前記ハーフエッチング部は、第1面及び第2面の応力を分散させるために、第
1面及び第2面の両面に形成され得る。このとき、前記ハーフエッチング部のハーフエッ
チング領域は、第1面孔(蒸着される面側)と対応する面でさらに広いことがある。すな
わち、実施例による蒸着マスクは、蒸着マスクの第1面及び第2面にそれぞれ溝が形成さ
れることによって、前記ハーフエッチング部を含むことができる。詳しくは、前記第1面
に形成されるハーフエッチング部の溝の深さは、前記第2面に形成されるハーフエッチン
グ部の溝の深さより大きいことがある。これに伴って、前記ハーフエッチング部は、第1
面孔と第2面孔のサイズの差によって発生し得る応力を分散させることができる。第1面
孔、第2面孔及びハーフエッチング部の形成は、蒸着マスクの第1面と第2面における表
面積を同様にすることができて、貫通孔のずれを防止することができる。
【0066】
また、第1面及び第2面に形成される溝は、互いにずれるように形成することができる
。これを通じてハーフエッチング部が貫通孔を形成しないようにすることができる。
【0067】
前記ハーフエッチング部は、曲面及び平面を含むことができる。
【0068】
前記第1ハーフエッチング部HF1の平面は、前記第1有効領域AA1と隣接するよう
に配置され、前記平面は、蒸着マスクの長さ方向の終端と水平に配置され得る。前記第1
ハーフエッチング部HF1の曲面は、蒸着マスクの長さ方向の一端に向かって凸の形状で
あり得る。例えば、前記第1ハーフエッチング部HF1の曲面は、蒸着マスクの垂直方向
の長さの1/2地点が半円形状の半径と対応するように形成され得る。
【0069】
前記第2ハーフエッチング部HF2の平面は、前記第3有効領域AA3と隣接するよう
に配置され、前記平面は、蒸着マスクの長さ方向の終端と水平に配置され得る。前記第2
ハーフエッチング部HF2の曲面は、蒸着マスクの長さ方向の他端に向かって凸の形状で
あり得る。例えば、前記第2ハーフエッチング部HF2の曲面は、蒸着マスクの垂直方向
の長さの1/2地点が半円形状の半径と対応するように形成され得る。
【0070】
一方、蒸着マスクの両終端に位置したオープン部の曲面は、ハーフエッチング部に向か
うことができる。これに伴って、蒸着マスクの両終端に位置したオープン部は、前記第1
または第2ハーフエッチング部と蒸着マスクの垂直方向の長さの1/2地点で隔離距離が
最も短いことがある。
【0071】
図7を参照すると、前記ハーフエッチング部は、四角形状であり得る。前記第1ハーフ
エッチング部HF1及び前記第2ハーフエッチング部HF2は、長方形状または正方形状
であり得る。
【0072】
実施例による蒸着マスクは、複数のハーフエッチング部を含むことができる。実施例に
よる蒸着マスクは、前記蒸着パターン領域DA及び前記非蒸着領域NDAのうち少なくと
も一つの領域に複数のハーフエッチング部を含むことができる。実施例による蒸着マスク
は、非有効領域UAにのみハーフエッチング部を含むことができる。前記非有効領域UA
は、有効領域AA以外の領域であり得る。
【0073】
図4及び図7を参照すると、実施例による蒸着マスクは、2個のハーフエッチング部を
含むことができる。例えば、前記ハーフエッチング部は、偶数のハーフエッチング部を含
むことができる。実施例による蒸着マスクは、前記非蒸着領域NDAにのみ配置され得る
【0074】
前記ハーフエッチング部は、マスクの中心を基準にX軸方向に対称となるか、またはY
軸方向に対称となるように形成した方が良い。これを通じて両方向への引張力が同一にす
ることができる。
【0075】
図5を参照すると、実施例による蒸着マスクは、4個のハーフエッチング部を含むこと
ができる。例えば、前記ハーフエッチング部は、偶数のハーフエッチング部を含むことが
できる。実施例による蒸着マスクは、前記非蒸着領域NDAにのみ複数のハーフエッチン
グ部を含むことができる。
【0076】
前記第1ハーフエッチング部HF1及び前記第1有効領域AA1の間には、第3ハーフ
エッチング部HF3をさらに含むことができる。例えば、前記第3ハーフエッチング部H
F3は、前記第1フレーム固定領域FA1及び前記第1有効領域AA1の間に配置され得
る。
【0077】
前記第2ハーフエッチング部HF2及び前記第3有効領域AA3の間には、第4ハーフ
エッチング部HF4をさらに含むことができる。例えば、前記第4ハーフエッチング部H
F4は、前記第2フレーム固定領域FA2及び前記第3有効領域AA3の間に配置され得
る。
【0078】
互いに対応する水平方向の位置に配置される前記第1ハーフエッチング部HF1は、前
記第2ハーフエッチング部HF2と対応する形状であり得る。互いに対応する水平方向の
位置に配置される前記第3ハーフエッチング部HF3は、前記第4ハーフエッチング部H
F4と対応する形状であり得る。
【0079】
互いに異なる位置に配置される前記第1ハーフエッチング部HF1は、前記第3ハーフ
エッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチング部HF4のいずれか一つと異なる形状
であり得る。但し、実施例はこれに制限されず、前記第1ハーフエッチング部HF1、前
記第2ハーフエッチング部HF2、前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハー
フエッチング部HF4がすべて同じ形状であり得ることは勿論である。実施例においては
4個のハーフエッチング部を説明したが、前記ハーフエッチング部は、前記非有効領域U
Aに形成される範囲内で多様な形状、多様な個数に形成され得ることは勿論である。すな
わち、ハーフエッチング部の形状は、蒸着マスクの水平方向Xの中心を基準に相互対称と
なるように形成されればどんな形状でもよい。また、前記ハーフエッチング部は、6個以
上であり得ることは勿論である。
【0080】
前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチング部HF4は、形状で
あり得る。例えば、前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチング部
HF4は、長方形状であり得る。前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハーフ
エッチング部HF4は,蒸着マスクの垂直方向に延長される長方形状であり得る。詳しく
は、前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチング部HF4は、垂直
方向Yの長さが水平方向Xの長さより長くてもよい。これに伴って、前記ハーフエッチン
グ部は、蒸着マスクをフレームに固定するとき発生する応力を効果的に制御することがで
きる。
【0081】
図6を参照すると、実施例による蒸着マスクは、4個のハーフエッチング部を含むこと
ができる。例えば、前記ハーフエッチング部は、偶数のハーフエッチング部を含むことが
できる。実施例による蒸着マスクは、前記非蒸着領域NDA及び前記蒸着パターン領域D
Aにそれぞれ複数のハーフエッチング部を含むことができる。
【0082】
前記非蒸着領域NDAは、前記第1ハーフエッチング部HF1及び前記第2ハーフエッ
チング部HF2を含むことができる。
【0083】
前記蒸着パターン領域DAは、第3 ハーフエッチング部HF3及び第4ハーフエッチ
ング部HF4を含むことができる。
【0084】
前記第3ハーフエッチング部HF3は、前記第1有効領域AA1及び前記第2有効領域
AA2の間に配置され得る。例えば、前記第3ハーフエッチング部HF3は、前記第1分
離領域IA1に配置され得る。
【0085】
前記第4ハーフエッチング部HF3は、前記第2有効領域AA2及び前記第3有効領域
AA3の間に配置され得る。例えば、前記第4ハーフエッチング部HF4は、前記第2分
離領域IA2に配置され得る。
【0086】
互いに対応する水平方向の位置に配置される前記第1ハーフエッチング部HF1は、前
記第2ハーフエッチング部HF2と対応する形状であり得る。互いに対応する水平方向の
位置に配置される前記第3ハーフエッチング部HF3は、前記第4ハーフエッチング部H
F4と対応する形状であり得る。
【0087】
互いに異なる位置に配置される前記第1ハーフエッチング部HF1は、前記第3ハーフ
エッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチング部HF4のいずれか一つと異なる形状
であり得る。但し、実施例はこれに制限されず、前記第1ハーフエッチング部HF1、前
記第2ハーフエッチング部HF2、前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハー
フエッチング部HF4がすべて同じ形状であり得ることは勿論である。
【0088】
前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチング部HF4は、四角形
状であり得る。例えば、前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチン
グ部HF4は、長方形状であり得る。前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハ
ーフエッチング部HF4は、蒸着マスクの垂直方向に延長される長方形状であり得る。詳
しくは、前記第3ハーフエッチング部HF3及び前記第4ハーフエッチング部HF4は、
垂直方向Yの長さが水平方向Xの長さより長くてもよい。
【0089】
蒸着マスクの両終端に位置した前記オープン部の垂直方向Yの長さは、前記ハーフエッ
チング部の垂直方向の長さと互いに対応するか、または互いに異なってもよい。
【0090】
例えば、図4ないし図6を参照すると、前記第1ハーフエッチング部HF1または前記
第2ハーフエッチング部HF2の平面部分の垂直方向の長さd1は、前記オープン部の垂
直方向の長さd2より大きくてもよい。
【0091】
例えば、図5及び図6を参照すると、前記第3ハーフエッチング部HF1または前記第
4ハーフエッチング部HF2の垂直方向の長さd3は、前記オープン部の垂直方向の長さ
d2より大きくてもよい。前記第3ハーフエッチング部HF1または前記第4ハーフエッ
チング部HF2の垂直方向の長さd3は、前記第1ハーフエッチング部HF1または前記
第2ハーフエッチング部HF2の平面部分の垂直方向の長さd1と対応し得る。
【0092】
例えば、図7を参照すると、前記第1ハーフエッチング部HF1または前記第2ハーフ
エッチング部HF2の垂直方向の長さd1は、前記オープン部の垂直方向の長さd2と対
応し得る。これに伴って、蒸着マスクを引張する場合に、応力が均一に分散することがで
きるので、蒸着マスクの変形(wave deformation)を減少させることが
できる。したがって、実施例による蒸着マスクは、均一な貫通孔を有し得るので、パター
ンの蒸着効率が向上し得る。
【0093】
望ましくは、前記第1ハーフエッチング部HF1または前記第2ハーフエッチング部H
F2の垂直方向の長さd1は、前記オープン部の垂直方向の長さd2の80ないし200
%であり得る(d1:d2=0.8~2:1)。前記第1ハーフエッチング部HF1また
は前記第2ハーフエッチング部HF2の垂直方向の長さd1は、前記オープン部の垂直方
向の長さd2の90ないし150%であり得る(d1:d2=0.9~1.5:1)。前
記第1ハーフエッチング部HF1または前記第2ハーフエッチング部HF2の垂直方向の
長さd1は、前記オープン部の垂直方向の長さd2の95ないし110%であり得る(d
1:d2=0.95~1.1:1)。
【0094】
また、前記第2ハーフエッチング部HF2の平面部分の垂直方向の長さd1、前記第4
ハーフエッチング部HF2の垂直方向の長さd3は、第1有効領域AA1の垂直方向の長
さに対応し得る。これを通じて、有効領域に形成された貫通孔に均一に引張力を付与する
ことができる。
【0095】
望ましくは、前記第1ハーフエッチング部HF1または前記第2ハーフエッチング部H
F2の垂直方向の長さd1は、前記有効領域の垂直方向の長さの80ないし120%であ
り得る。
【0096】
望ましくは、前記第3ハーフエッチング部HF3または前記第4ハーフエッチング部H
F4の垂直方向の長さd3は、前記有効領域の垂直方向の長さの80ないし120%であ
り得る。
【0097】
図4の拡大図を参照して、有効領域及び非有効領域に含まれた貫通孔を説明する。図5
ないし図7には拡大図を示していないが、有効領域及び非有効領域に貫通孔を含むことは
勿論である。
【0098】
蒸着マスクは、有効領域AA及び非有効領域UAを含むことができる。前記蒸着マスク
100は、複数の貫通孔THとブリッジ領域BRを含む有効領域AA及び前記有効領域の
外郭に配置される非有効領域UAを含むことができる。
【0099】
前記有効領域AAは、複数の貫通孔の中で有機物質を蒸着するための最外郭に位置した
貫通孔の外郭を連結したときの内側領域であり得る。前記非有効領域UAは、複数の貫通
孔の中で有機物質を蒸着するための最外郭に位置した貫通孔の外郭を連結したときの外側
領域であり得る。
【0100】
前記非有効領域UAは、前記蒸着パターン領域DAの有効領域を除いた領域及び前記非
蒸着領域NDAである。前記非有効領域UAは、有効領域AA1、AA2、AA3の外郭
を囲む外郭領域OA1、OA2、OA3を含むことができる。
【0101】
実施例による蒸着マスクは、複数の蒸着パターン部の外郭に位置した複数の外郭領域O
A1、OA2、OA3を含むことができる。前記蒸着パターン部の個数は、前記外郭領域
の個数と対応し得る。すなわち、一つの蒸着パターン部は、一つの蒸着パターン部の終端
から水平方向及び垂直方向からそれぞれ一定の距離で離れた一つの外郭領域を含むことが
できる。
【0102】
前記第1有効領域AA1は、第1外郭領域OA1内に含まれ得る。前記第1有効領域A
A1は、蒸着物質を形成するための複数の貫通孔を含むことができる。前記第1有効領域
AA1の外郭を囲む前記第1外郭領域OA1は、複数の貫通孔を含むことができる。前記
第1有効領域AA1は四角形状であり得、前記第1外郭領域OA1は四角形状であり得る
。例えば、前記第1有効領域AA1は長方形状であり得、前記第1外郭領域OA1は長方
形状であり得る。例えば、前記第1有効領域AA1は正方形状であり得、前記第1外郭領
域OA1は正方形状であり得る。
【0103】
前記第1外郭領域OA1は、前記第1有効領域AA1の最外郭に位置した貫通孔から水
平方向及び垂直方向にそれぞれ二つの貫通孔をさらに含むことができる。例えば、前記第
1外郭領域OA1は、前記第1有効領域AA1の最外郭に位置した貫通孔の上部及び下部
の位置にそれぞれ二つの貫通孔が水平方向に一列に配置され得る。例えば、前記第1外郭
領域OA1は、前記第1有効領域AA1の最外郭に位置した貫通孔の左側及び右側にそれ
ぞれ二つの貫通孔が垂直方向に一列に配置され得る。前記第1外郭領域OA1に含まれる
複数の貫通孔は、有効領域の最外郭に位置した貫通孔のエッチング不良を減少させるため
のものである。これに伴って、実施例による蒸着マスクは、有効領域に位置した複数の貫
通孔の均一性を向上させることができ、これを通じて製造される蒸着パターンの品質を向
上させることができる。
【0104】
前記第1有効領域AA1の最外郭の上部及び下部にそれぞれ位置した一つの貫通孔が水
平方向に一列に配置された前記第1外郭領域OA1の貫通孔セットは、前記第1有効領域
AA1の貫通孔と対応する形状であり得る。また、前記第1有効領域AA1の最外郭の左
側及び右側にそれぞれ位置した一つの貫通孔が垂直方向に一列に配置された前記第1外郭
領域OA1の貫通孔セットは、前記第1有効領域AA1の貫通孔と対応する形状であり得
る。これに伴って、前記第1有効領域AA1に含まれた貫通孔の均一性を向上させること
ができる。
【0105】
前記有効領域に含まれた貫通孔は、前記非有効領域に含まれた貫通孔と部分的に対応す
る形状を有し得る。前記有効領域に含まれた貫通孔は、前記非有効領域のエッジ部に位置
した貫通孔と互いに異なる形状を有し得る。
【0106】
前記第1外郭領域OA1の最外郭の角に位置した4個の貫通孔EHは、前記第1有効領
域AA1に含まれた貫通孔と異なる形状を有し得る。
【0107】
例えば、前記第1外郭領域OA1の最外郭の角に位置した4個のエッジホールEHは、
円形状であり得る。ここで、円形状は、全体的に曲面を含む形状を意味することができる
【0108】
例えば、前記第1有効領域AA1に含まれた貫通孔は、四角形状であり得る。ここで、
四角形状は長方形状であり得、角がラウンドした長方形状を意味することができる。すな
わち、有効領域AA1に含まれた貫通孔は、水平方向の直径と垂直方向の直径が互いに異
なり得る。
【0109】
前記エッジホールEHの直径は、前記有効領域AA1に含まれた貫通孔の水平方向の直
径及び垂直方向の直径のいずれか一つと互いに異なり得る。例えば、図4のように、前記
エッジホールEHの直径は、前記有効領域AA1に含まれた貫通孔の水平方向の直径と互
いに異なり得る。前記エッジホールEHの直径は、前記有効領域AA1に含まれた貫通孔
の垂直方向の直径と互いに同じであり得る。
【0110】
前記エッジホールEHを除いた残りの前記非有効領域に含まれた貫通孔は、前記有効領
域に含まれた貫通孔と対応する形状を有し得る。
【0111】
また、非有効領域に含まれた貫通孔は、前記有効領域に含まれた貫通孔と異なる形状を
有し得る。これを通じて蒸着マスクの位置による応力の差を調節することができる。
【0112】
前記非有効領域UAには、貫通孔エッジ部が形成され、前記エッジ部によって有効領域
のエッジ部における蒸着不良を除去することができる。すなわち、実施例は蒸着マスクの
エッジホールEHを非有効領域に形成することによって、有効領域のエッジ部に位置した
貫通孔は、前記エッジホールEHより内部に位置することができる。これに伴って、有効
領域のエッジ部に位置した貫通孔と有効領域の内部に位置した貫通孔のうち一つは同じ蒸
着効果を有し得る。詳しくは、前記非有効領域UAに貫通孔が含まれることによって、有
効領域のエッジ部に位置した貫通孔と有効領域の内部に位置した貫通孔は均一性が向上し
得る。
【0113】
前記第2有効領域AA2は、第2外郭領域OA2内に含まれ得る。前記第2有効領域A
A2は、蒸着物質を形成するための複数の貫通孔を含むことができる。前記第2有効領域
AA2の外郭を囲む前記第2外郭領域OA2は、複数の貫通孔を含むことができる。
【0114】
前記第2有効領域AA2は、前記第1有効領域AA1と互いに対応する形状であり得る
。前記第2外郭領域OA2は、前記第1外郭領域OA1と互いに対応する形状であり得る
【0115】
前記第2外郭領域OA2は、前記第2有効領域AA2の最外郭に位置した貫通孔から水
平方向及び垂直方向にそれぞれ二つの貫通孔をさらに含むことができる。例えば、前記第
2外郭領域OA2は、前記第2有効領域AA2の最外郭に位置した貫通孔の上部及び下部
の位置にそれぞれ二つの貫通孔が水平方向に一列に配置され得る。例えば、前記第2外郭
領域OA2は、前記第2有効領域AA2の最外郭に位置した貫通孔の左側及び右側にそれ
ぞれ二つの貫通孔が垂直方向に一列に配置され得る。前記第2外郭領域OA2に含まれる
複数の貫通孔は、有効領域の最外郭に位置した貫通孔のエッチング不良を減少させるため
のものである。これに伴って、実施例による蒸着マスクは、有効領域に位置した複数の貫
通孔の均一性を向上させることができ、これを通じて製造される蒸着パターンの品質を向
上させることができる。
【0116】
前記第2有効領域AA2の最外郭の上部及び下部にそれぞれ位置した一つの貫通孔が水
平方向に一列に配置された前記第2外郭領域OA2の貫通孔セットは、前記第2有効領域
AA2の貫通孔と対応する形状であり得る。また、前記第2有効領域AA2の最外郭の左
側及び右側にそれぞれ位置した一つの貫通孔が垂直方向に一列に配置された前記第2外郭
領域OA2の貫通孔セットは、前記第2有効領域AA2の貫通孔と対応する形状であり得
る。これに伴って、前記第2有効領域AA2に含まれた貫通孔の均一性を向上させること
ができる。
【0117】
前記第2外郭領域OA2の最外郭の角に位置した4個の貫通孔は、前記第2有効領域A
A2に含まれた貫通孔と異なる形状を有し得る。
【0118】
例えば、前記第2外郭領域OA2の最外郭の角に位置した4個のエッジホールEHは、
円形状であり得る。ここで、円形状は全体的に曲面を含む形状を意味することができる。
前記第2外郭領域OA2に含まれたエッジホールEHは、前記第1外郭領域OA1に含ま
れたエッジホールEHと対応する形状を含むことができる。
【0119】
例えば、前記第2有効領域AA2に含まれた貫通孔は、四角形状であり得る。前記第2
有効領域AA2に含まれた貫通孔は、前記第1有効領域AA1に含まれた貫通孔と対応す
る形状を含むことができる。
【0120】
前記第3有効領域AA3は、第3外郭領域OA3内に含まれ得る。前記第3有効領域A
A3は、蒸着物質を形成するための複数の貫通孔を含むことができる。前記第3有効領域
AA3の外郭を囲む前記第3外郭領域OA3は、複数の貫通孔を含むことができる。
【0121】
前記第3有効領域AA3は、前記第1有効領域AA1と互いに対応する形状であり得る
。前記第3外郭領域OA3は、前記第1外郭領域OA1と互いに対応する形状であり得る
【0122】
前記第3外郭領域OA3は、前記第3有効領域AA3の最外郭に位置した貫通孔から水
平方向及び垂直方向にそれぞれ二つの貫通孔をさらに含むことができる。例えば、前記第
3外郭領域OA3は、前記第3有効領域AA3の最外郭に位置した貫通孔の上部及び下部
の位置にそれぞれ二つの貫通孔が水平方向に一列に配置され得る。例えば、前記第3外郭
領域OA3は、前記第3有効領域AA3の最外郭に位置した貫通孔の左側及び右側にそれ
ぞれ二つの貫通孔が垂直方向に一列に配置され得る。前記第3外郭領域OA3に含まれる
複数の貫通孔は、有効領域の最外郭に位置した貫通孔のエッチング不良を減少させるため
のものである。これに伴って、実施例による蒸着マスクは、有効領域に位置した複数の貫
通孔の均一性を向上させることができ、これを通じて製造される蒸着パターンの品質を向
上させることができる。
【0123】
前記第3有効領域AA3の最外郭の上部及び下部にそれぞれ位置した一つの貫通孔が水
平方向に一列に配置された前記第3外郭領域OA3の貫通孔セットは、前記第3有効領域
AA3の貫通孔と対応する形状であり得る。また、前記第3有効領域AA3の最外郭の左
側及び右側にそれぞれ位置した一つの貫通孔が垂直方向に一列に配置された前記第3外郭
領域OA3の貫通孔セットは、前記第3有効領域AA3の貫通孔と対応する形状であり得
る。これに伴って、前記第3有効領域AA3に含まれた貫通孔の均一性を向上させること
ができる。
【0124】
前記第3外郭領域OA3の最外郭の角に位置した4個の貫通孔は、前記第3有効領域A
A3に含まれた貫通孔と異なる形状を有し得る。
【0125】
例えば、前記第3外郭領域OA3の最外郭の角に位置した4個のエッジホールEHは、
円形状であり得る。ここで、円形状は全体的に曲面を含む形状を意味することができる。
前記第3外郭領域OA3に含まれたエッジホールEHは、前記第1外郭領域OA1に含ま
れたエッジホールEHと対応する形状を含むことができる。
【0126】
例えば、前記第3有効領域AA3に含まれた貫通孔は、四角形状であり得る。前記第3
有効領域AA3に含まれた貫通孔は、前記第1有効領域AA1に含まれた貫通孔と対応す
る形状を含むことができる。
【0127】
図8及び図9は、蒸着マスクの有効領域の平面図を示した図である。図8及び図9は、
前記第1有効領域AA1、前記第2有効領域AA2及び前記第3有効領域AA3のいずれ
か一つの有効領域の平面図である。図8及び図9は、貫通孔の配列を説明するためのもの
であって、実施例による蒸着マスクは、図面の貫通孔の個数に限定されないことは勿論で
ある。
【0128】
前記蒸着マスク100は、複数の貫通孔を含むことができる。前記図8及び図9に示さ
れた複数の貫通孔は、前記第2面孔V2を示したものであり得る。任意のいずれか一つの
貫通孔である基準孔の水平方向の直径Cxと垂直方向の直径Cyを測定する場合、前記基
準孔に接する孔(示された図では総6個)間のそれぞれの水平方向の直径Cx間の偏差と
、垂直方向の直径Cy間の偏差は、2%ないし10%で具現され得る。すなわち、一つの
基準孔の隣接孔の間のサイズの偏差が2%ないし10%で具現される場合には蒸着の均一
度を確保することができる。
【0129】
例えば、前記基準孔と前記隣接孔間のサイズ偏差は、4%ないし9%であり得る。例え
ば、前記基準孔と前記隣接孔間のサイズ偏差は、5%ないし7%であり得る。例えば、前
記基準孔と前記隣接孔間のサイズ偏差は、2%ないし5%であり得る。
【0130】
前記基準孔と前記隣接孔間のサイズの偏差が2%未満の場合には、蒸着後にOLEDパ
ネルでモアレの発生率が高くなり得る。前記基準孔と前記隣接孔間のサイズの偏差が10
%超過の場合には、蒸着後のOLEDパネルで色むらの発生率が高くなり得る。
【0131】
前記貫通孔直径の平均偏差は、±5μmであり得る。例えば、前記貫通孔直径の平均偏
差は、±3μmであり得る。実施例は、前記基準孔と前記隣接孔間のサイズ偏差を±3μ
m以内に具現することにより、蒸着効率が向上し得る。
【0132】
前記貫通孔は方向により、一列に配置されるか、または互いに交差して配置され得る。
【0133】
例えば、図8を参照すると、前記貫通孔は、縦軸で一列に配置され、横軸で一列に配置
され得る。
【0134】
例えば、図9を参照すると、前記貫通孔は、縦軸で一列に配置され、横軸で互いに 交
差して配置され得る。
【0135】
または、前記貫通孔は、縦軸で互いに交差して配置され、横軸で一列に配置され得るこ
とは勿論である。
【0136】
前記貫通孔は、水平方向で測定された第1直径Cxと、垂直方向で測定された第2直径
Cyが互いに対応するか、または互いに異なり得る。前記貫通孔は、A-A’の断面方向
と対応する第1対角線方向で測定された第3直径と、前記第1対角線方向と交差する第2
対角線方向で測定された第4直径が互いに対応するか、または互いに異なり得る。前記貫
通孔はラウンドすることがある。
【0137】
以下、図10ないし図15で第1実施例による蒸着マスクを説明する。
【0138】
図10は、第1実施例による蒸着マスクの複数の貫通孔の断面を拡大した図である。
【0139】
実施例による蒸着マスクに含まれる金属板は、互いに対向する第1面及び第2面を含む
ベース金属板;前記第1面上に配置される第1表面層;及び前記第2面上に配置される第
2表面層を含み、前記第1表面層及び前記第2表面層は、前記ベース金属板と互いに異な
る元素を含むか、または元素含有量が異なり得る。これを通じて前記ベース金属板のエッ
チング速度は、前記第1表面層及び前記第2表面層のエッチング速度と互いに異なり得る
。前記第1表面層及び前記第2表面層は、それぞれ金属表面層であり得る。
【0140】
実施例による蒸着マスクは、ベース金属板;前記ベース金属板の第1面上に配置される
第1表面層;及び前記金属層の前記第1面と対向する第2面上に配置される第2表面層を
含み、前記第1表面層及び前記第2表面層は、前記ベース金属板と互いに異なる元素を含
むか、または元素含有量が異なり得る。これを通じて前記ベース金属板のエッチング速度
は、前記第1表面層及び前記第2表面層のエッチング速度と互いに異なり得る。実施例に
よる蒸着マスクは、前記ベース金属板、第1表面層及び前記第2表面層を貫通し、相互に
連通する第1面孔及び第2面孔を含む複数の貫通孔を含むことができる。実施例による蒸
着マスクは、各貫通孔の間のブリッジ領域を含み、前記第1表面層または前記第2表面層
は、前記ブリッジ領域上に配置され得る。
【0141】
前記金属板は、複数の貫通孔を含む中央領域及び前記中央領域の外郭に位置した外郭領
域を含むことができる。前記中央領域はパターン形成に関与する領域であり、前記外郭領
域はパターン形成に関与しない領域であり得る。例えば、前記中央領域は有効領域であり
、前記外郭領域は有効領域以外の領域であり得る。前記中央領域に配置される前記第1表
面層の厚さは、前記外郭領域に配置される第1表面層の厚さと対応し、前記中央領域に配
置される前記第2表面層の厚さは、前記外郭領域に配置される第2表面層の厚さと対応し
得る。
【0142】
図10を参照すると、蒸着マスク100は、ベース金属板100a及び表面層を含むこ
とができる。例えば、前記蒸着マスク100は、前記ベース金属板100a、前記ベース
金属板100aの第1面101上に配置される第1表面層110及び前記第1面101と
対向する第2面102上に配置される第2表面層120を含むことができる。
【0143】
前記ベース金属板100aは、金属物質を含むことができる。前記ベース金属板100
aは、ニッケル合金を含むことができる。例えば、前記ベース金属板100aは、ニッケ
ルと鉄の合金であり得る。このとき、ニッケルは、約35重量%ないし約37重量%であ
り得、前記鉄は、約63重量%ないし約65重量%であり得る。一例として、前記ベース
金属板100aは、ニッケルは約35重量%ないし約37重量%、鉄は約63重量%ない
し約65重量%、微量のC、Si、S、P、Cr、Mo、Mn、Ti、Co、Cu、Fe
、Ag、Nb、V、In、Sbのうち少なくとも一つ以上が含まれたインバー(Inva
r)を含むことができる。ここで、微量は1重量%以下であることを意味することができ
る。詳しくは、ここで、微量は0.5重量%以下であることを意味することができる。但
し、前記ベース基板100aがこれに制限されるず、多様な金属物質を含むことができる
ことは勿論である。
【0144】
前記インバーのようなニッケル合金は、熱膨脹係数が小さいので、蒸着マスクの寿命が
増加できるという長所を有する。但し、インバーのようなニッケル合金は、均一なエッチ
ングが困難であるという問題点を有する。
【0145】
すなわち、インバーのようなニッケル合金は、エッチング初期にエッチング速度が速い
ことにより、貫通孔が側面に大きくなることがあり、これに伴って、フォトレジスト層の
脱膜が発生し得る。また、インバーをエッチングする場合、貫通孔のサイズが大きくなる
ことにより、微細なサイズの貫通孔を形成が困難となり得る。また、貫通孔が不均一に形
成されて、蒸着マスクの製造収率が低下することがある。
【0146】
したがって、実施例は、ベース金属板表面上に成分、含有量、結晶構造及び腐食速度を
異にする表面改質のための表面層を配置することができる。ここで、表面改質とは、エッ
チングファクターを向上させるために表面に配置される多様な物質からなった層を意味す
ることができる。
【0147】
実施例の蒸着マスク用の金属板は、ベース金属板の表面上に速いエッチングを阻止する
ための表面層を含むことができる。前記表面層は、ベース金属板よりエッチング速度が遅
いエッチングバリアー層であり得る。前記表面層は、前記ベース金属層と結晶面及び結晶
構造が異なり得る。例えば、前記表面層は、前記ベース金属層と互いに異なる元素を含む
ことにより、結晶面及び結晶構造が互いに異なり得る。
【0148】
同じ腐食環境において、前記表面層は、前記ベース金属板と腐食電位が異なり得る。例
えば、同じ温度の同じエッチング液で同一時間処理したとき、前記表面層は、前記ベース
金属板と腐食電流ないし腐食電位が互いに異なり得る。
【0149】
前記ベース金属板100aは、前記第1表面層110と互いに異なる元素を含むことが
できる。また、前記ベース金属板100aは、前記第2表面層120と互いに異なる元素
を含むことができる。すなわち、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、前
記ベース金属板110aに含まれない他の元素を含むことができる。
【0150】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、クロム(Cr)を含み、
前記ベース金属板100aは、クロム以外の元素を含むことができる。前記第1表面層1
10及び前記第2表面層120は、クロム(Cr)を含むことにより、金属板表面におけ
る腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0151】
また、表面層のCrの含有量をベース金属板のCr含有量より高く形成して金属板表面
における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0152】
一例として、前記ベース金属板100aがニッケルは36重量%、鉄は64重量%が含
まれたインバー(Invar)である場合に、前記第1表面層110及び前記第2表面層
120は、それぞれクロム(Cr)を0.01ないし24重量%含む合金層であり得る。
このとき、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、それぞれクロム(Cr)
を1ないし24重量%含み、ニッケル(Ni)を76ないし99重量%含むか、またはニ
ッケル(Ni)及び鉄(Fe)を76ないし99重量%含むことができる。
【0153】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120はチタン(Ti)を含み、前
記ベース金属板100aはチタン(Ti)以外の元素を含むことができる。前記第1表面
層110及び前記第2表面層120はチタン(Ti)を含むことにより、金属板表面にお
ける腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0154】
また、表面層のTiの含有量をベース金属板のTi含有量より高く形成して金属板表面
における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0155】
一例として、前記ベース金属板100aがニッケルは36重量%、鉄は64重量%が含
まれたインバー(Invar)である場合に、前記第1表面層110及び前記第2表面層
120は、それぞれチタン(Ti)を0.5ないし10重量%含む合金層であり得る。こ
のとき、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、それぞれチタン(Ti)を
0.5ないし10重量%含み、ニッケル(Ni)を90ないし99.5重量%含むか、ま
たはニッケル(Ni)及び鉄(Fe)を90ないし99.5重量%含むことができる。
【0156】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、マンガン(Mn)を含み
、前記ベース金属板100aは、マンガン(Mn)以外の元素を含むことができる。前記
第1表面層110及び前記第2表面層120は、マンガン(Mn)系合金を含むことによ
り、金属板表面における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることが
できる。
【0157】
また、表面層のMnの含有量をベース金属板のMn含有量より高く形成して金属板表面
における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0158】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、モリブデン(Mo)を含
み、前記ベース金属板100aは、モリブデン(Mo)以外の元素を含むことができる。
前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、モリブデン(Mo)系合金を含むこ
とにより、金属板表面における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くする
ことができる。
【0159】
また、表面層のMoの含有量をベース金属板のMo含有量より高く形成して金属板表面
における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0160】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、銀(Ag)を含み、前記
ベース金属板100aは、銀(Ag)以外の元素を含むことができる。前記第1表面層1
10及び前記第2表面層120は、銀(Ag)系合金を含むことにより、金属板表面にお
ける腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0161】
また、表面層のAgの含有量をベース金属板のAg含有量より高く形成して金属板表面
における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0162】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、亜鉛(Zn)を含み、前
記ベース金属板100aは、亜鉛(Zn)以外の元素を含むことができる。前記第1表面
層110及び前記第2表面層120は、亜鉛(Zn)系合金を含むことにより、金属板表
面における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0163】
また、表面層のZnの含有量をベース金属板のZn含有量より高く形成して金属板表面
における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0164】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、窒素(N)を含み、前記
ベース金属板100aは、窒素(N)以外の元素を含むことができる。前記第1表面層1
10及び前記第2表面層120は、窒素(N)系合金を含むことにより、金属板表面にお
ける腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0165】
また、表面層のNの含有量をベース金属板のN含有量より高く形成して金属板表面にお
ける腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0166】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、アルミニウム(Al)を
含み、前記ベース金属板100aは、アルミニウム(Al)以外の元素を含むことができ
る。前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、アルミニウム(Al)系合金を
含むことにより、金属板表面における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅
くすることができる。
【0167】
また、表面層のAlの含有量をベース金属板のAl含有量より高く形成して金属板表面
における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0168】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、酸素元素を含むことがで
きる。すなわち、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、金属酸化物層であ
り得る。詳しくは、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、金属酸化物とし
て鉄酸化物、ニッケル酸化物のうち少なくとも一つを含むことができる。前記第1表面層
110の酸素の含有量は、前記ベース金属板100aの酸素の含有量より高いことがある
。前記第2表面層120の酸素の含有量は、前記ベース金属板100aの酸素の含有量よ
り高いことがある。前記第1表面層110及び前記第2表面層120が金属酸化物を含む
ことにより、金属板表面における腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くす
ることができる。
【0169】
また、表面層のOの含有量をベース金属板のO含有量より高く形成して金属板表面にお
ける腐食速度を前記ベース金属板100aの表面より遅くすることができる。
【0170】
実施例は、前記第1表面層110及び前記第2表面層120が前記ベース金属板110
aと互いに異なる元素を含むことにより、前記第1及び第2表面層の腐食速度を前記ベー
ス金属板より遅くすることができる。これに伴って、実施例による蒸着マスクのエッチン
グファクターを増加させることができる。また、実施例による蒸着マスクは、複数の貫通
孔を均一に形成することができることにより、R、G、Bパターンの蒸着効率を向上させ
ることができる。ここで、互いに異なる元素を含むということは、前記ベース金属板11
0aと前記表面層が少なくとも一つの他の元素を含むか、または、すべての元素が同一で
あっても含有量が異なる合金を含むことを意味することができる。
【0171】
前記ベース金属板100aは、前記第1表面層110と含まれる元素の組成が互いに異
なり得る。また、前記ベース金属板100aは、前記第2表面層120と含まれる元素の
組成が互いに異なり得る。すなわち、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は
、前記ベース金属板110aの構成元素と同じ元素を含む場合にも、同一元素の含有量が
互いに異なり得る。
【0172】
一例として、前記ベース金属板100aがニッケルは36重量%、鉄は64重量%が含
まれたインバー(Invar)である場合に、前記第1表面層110及び前記第2表面層
120がニッケルまたは鉄のうち少なくともど一つの元素を含んでも、前記第1表面層1
10及び前記第2表面層120は、前記ベース金属板100aとのニッケルまたは鉄の含
有量が互いに異なり得る。
【0173】
前記第1表面層110の窒素の含有量は、前記ベース金属板100aの窒素の含有量よ
り大きいか、または小さいことがある。また、前記第2表面層120の窒素の含有量は、
前記ベース金属板100aの窒素の含有量より大きいか、または小さいことがある。例え
ば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、窒素(N)元素を含むことがで
きる。詳しくは、前記第1表面層110及び前記第2表面層120の各層は、窒素(N)
元素を20重量%ないし70重量%含む窒素系合金であり得る。
【0174】
前記第1表面層110の鉄の含有量は、前記ベース金属板100aの鉄の含有量より大
きいか、または小さいことがある。また、前記第2表面層120の鉄の含有量は、前記ベ
ース金属板100aの鉄の含有量より大きいか、または小さいことがある。例えば、前記
第1表面層110及び前記第2表面層120は、鉄(Fe)元素を含むことができる。詳
しくは、前記第1表面層110及び前記第2表面層120の各層は、鉄(Fe)元素を2
0重量%ないし70重量%含む鉄系合金であり得る。
【0175】
前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、互いに対応する元素を含むことが
できる。ここで、互いに対応するということは、構成元素の含有量%が同じであることを
意味し、公差による誤差範囲を含むことができることは勿論である。
【0176】
前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、ニッケル(Ni)、クロム(Cr
)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、酸素(O)、モリブデン(Mo)
、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、窒素(N)、アルミニウム(Al)及びこれらの合金のう
ち少なくとも一つの金属を含むことができる。
【0177】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、ニッケル(Ni)、クロ
ム(Cr)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、酸素(O)、モリブデン
(Mo)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、窒素(N)、アルミニウム(Al)のいずれか一
つの単一元素を含むことができる。
【0178】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、ニッケル(Ni)、クロ
ム(Cr)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、酸素(O)、モリブデン
(Mo)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、窒素(N)、アルミニウム(Al)のうち二つの
元素を含む二元系合金であり得る。
【0179】
例えば、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、ニッケル(Ni)、クロ
ム(Cr)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、マンガン(Mn)、酸素(O)、モリブデン
(Mo)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、窒素(N)、アルミニウム(Al)のうち三つの
元素を含む三元系合金であり得る。
【0180】
前記ベース金属板100aの厚さは、前記表面層より厚さが大きいことがある。例えば
、前記ベース金属板100aの厚さT1は、前記第1表面層110の厚さT2及び前記第
2表面層120の厚さT3より大きいことがある。
【0181】
前記金属板100の厚さは5μmないし50μmであり得る。例えば、前記金属板10
0の厚さは、5μmないし30μmであり得る。または、10μmないし25μmであり
得る。前記金属板100の厚さが5μm未満の場合には製造効率が低いことがある。
【0182】
前記金属板100の厚さが50μm超過の場合には、貫通孔を形成するための工程効率
が低下することがある。
【0183】
前記ベース金属板100aの厚さT1は、50μm以下であり得る。例えば、前記ベー
ス金属板100aの厚さT1は、30μm以下であり得る。また、前記ベース金属板10
0aの厚さT1は、25μm以下であり得る。また、前記ベース金属板100aの厚さT
1は、20μm以下であり得る。
【0184】
前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、互いに対応する厚さを有し得る。
ここで、対応するということは公差による誤差を含むことであり得る。前記第1表面層1
10の厚さT2は、0.5nmないし1000nmであり得る。例えば、前記第1表面層
110の厚さT2は、5nmないし850nmであり得る。
【0185】
前記第1表面層110の厚さT2が0.5nm未満の場合には、前記第1面101にお
けるエッチング速度の低下効果が減少することにより、貫通孔の均一性が低下することが
ある。また、5nm以下の自然酸化膜が生じることもある。
【0186】
例えば、前記第1表面層110の厚さT2が0.5nm未満の場合には、厚さ及び/ま
たは幅の偏差が大きい貫通孔が形成されることにより、前記貫通孔を有する金属板によっ
て形成されたパターンが均一でないこともあって、表示装置の製造効率が低下することが
ある。
【0187】
また、前記第1表面層110の厚さT2が0.5nm未満の場合には、前記第1面10
1におけるエッチング速度の低下効果が減少することにより、微細なサイズの貫通孔の形
成が困難となり得る。
【0188】
また、前記第1表面層110の厚さT2が0.5nm未満の場合には、第1面孔V1の
内周面の表面粗さが増加することにより、前記第1面孔V1を通じて形成される蒸着パタ
ーンの品質が低下することがあり、これによって工程効率が低下することがある。
【0189】
一方、前記第1表面層110の厚さT2が1000nm超過の場合には、製造効率が低
下することがある。
【0190】
前記第2表面層120の厚さT3は、0.5nmないし1000nmであり得る。例え
ば、前記第2表面層120の厚さT3は、30nmないし500nmであり得る。
【0191】
前記第2表面層120の厚さT3が0.5nm未満の場合には、前記第2面102での
エッチング速度の低下効果が減少することにより、貫通孔の均一性が低下することがある
。例えば、前記第2表面層120の厚さT3が0.5nm未満の場合には、厚さ及び/ま
たは幅の偏差が大きい貫通孔が形成されることにより、前記貫通孔を有する金属板によっ
て形成されたパターンが均一でないこともあって、表示装置の製造効率が低下することが
ある。
【0192】
また、前記第2表面層120の厚さT3が0.5nm未満の場合には、前記第2面10
2でのエッチング速度の低下効果が減少することにより、微細なサイズの貫通孔の形成が
困難となり得る。
【0193】
また、前記第2表面層120の厚さT3が0.5nm未満の場合には、第2面孔V2の
内周面の表面粗さが増加することがある。
【0194】
一方、前記第2表面層120の厚さT3が1000nm超過の場合には、製造効率が低
下することがある。
【0195】
前記金属板100は、貫通孔の厚さ方向により、互いに異なる貫通孔の幅を有し得る。
例えば、前記第1面孔V1の幅W1は、前記連結部CAの幅W3より大きいことがある。
詳しくは、前記第1面孔V1は、前記第1面101から前記連結部CAに向かって行くほ
ど前記貫通孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第1面孔V1は、前記第1面10
1から前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。
【0196】
例えば、前記第2面孔V2の幅W2は、前記連結部CAの幅W3より大きいことがある
。詳しくは、前記第2面孔V2は、前記第2面102から前記連結部CAに向かって行く
ほど前記貫通孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第2面孔V2は、前記第2面1
02から前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。
【0197】
実施例による蒸着マスクは、複数の貫通孔を含むことができる。詳しくは、前記金属板
は、複数の貫通孔を含む中央領域及び前記中央領域に位置した外郭領域を含むことができ
る。このとき、一つの貫通孔の幅は、20μm以上であり得る。例えば、前記貫通孔の幅
は、20μmないし40μmであり得る。例えば、前記第1面孔の幅W1及び前記第2面
孔の幅W2のうち少なくとも一つは、20μm以上の幅を有し得る。例えば、前記第1面
孔の幅W1及び前記第2面孔の幅W2のうち少なくとも一つは、20μmないし40μm
の幅を有し得る。
【0198】
前記貫通孔の幅が40μm超過の場合には、微細な蒸着パターンの形成が困難となり得
る。
【0199】
前記複数の貫通孔は、第1貫通孔及び前記第1貫通孔と隣接した第2貫通孔を含むこと
ができる。前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔の間に位置する金属板は、ブリッジ領域B
Rと定義することができる。前記ブリッジ領域BRは、前記中央領域に配置され得る。
【0200】
前記中央領域に配置される前記第1表面層の厚さは、前記外郭領域に配置される第1表
面層の厚さと対応し得る。
【0201】
前記中央領域に配置される前記第2表面層の厚さは、前記外郭領域に配置される第2表
面層の厚さと対応し得る。
【0202】
前記金属板の第1面は第1ブリッジ領域BR1を含み、前記第1面と反対となる第2面
は、第2ブリッジ領域BR2を含むことができる。
【0203】
前記ブリッジ領域には、金属板、金属板の第1面上に配置される第1表面層、及び金属
板の第2面上に配置される第2表面層が配置され得る。
【0204】
前記金属板の外郭領域には、金属板、金属板の第1面上に配置される第1表面層、及び
金属板の第2面上に配置される第2表面層が配置され得る。
【0205】
前記貫通孔は、前記ベース金属板、前記第1表面層、及び前記第2表面層を貫通して形
成され得る。これに伴って、前記貫通孔の内側面で前記ベース金属板、前記第1表面層及
び前記第2表面層が露出することができる。
【0206】
前記貫通孔の内側面は曲面を含むことができる。前記貫通孔の内側面は全体的にまたは
部分的に曲面を含むことができる。前記貫通孔の内側面は曲率が変化する曲面を含むこと
ができる。前記貫通孔の内側面で、前記ベース金属板、前記第1表面層及び前記第2表面
層それぞれの曲率は互いに異なり得る。このとき、前記ベース金属板、前記第1表面層及
び前記第2表面層それぞれの曲率は、前記ベース金属板厚さの1/2地点、前記第1表面
層厚さの1/2地点及び前記第2表面層厚さの1/2地点で測定したことを意味すること
ができる。
【0207】
前記第2面孔V2の高さH2は、前記第1面孔V1の高さH1より大きいことがある。
【0208】
一方、前記第1面孔V1と隣接して、前記第1面101上に形成される第3面孔V3は
、前記第2面孔V1と隣接して、前記第2面102上に形成される第4面孔V4と前記連
結部CAを通じて連通することにより、貫通孔を形成することができる。
【0209】
前記第4貫通孔V4の幅W5は、前記第3貫通孔V3の幅W4より大きいことがある。
例えば、前記第3貫通孔V3の幅W4は、前記連結部CAの幅W6より大きいことがある
。詳しくは、前記第3面孔V3は、前記第1面101から前記連結部CAに向かって行く
ほど前記貫通孔の幅が減少し得る。詳しくは、前記第3面孔V3は、前記第1面101か
ら前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。
【0210】
例えば、前記第4面孔V4の幅W5は、前記連結部CAの幅W6より大きいことがある
。詳しくは、前記第4面孔V4は、前記第2面102から前記連結部CAに向かって行く
ほど前記貫通孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第4面孔V4は、前記第2面1
02から前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。
【0211】
前記第4面孔V4の高さH4は、前記第3面孔V3の高さH3より大きいことがある。
【0212】
前記ベース金属板100aのエッチング速度は、前記第1表面層110及び前記第2表
面層120のエッチング速度と互いに異なり得る。例えば、前記金属板の厚さ方向の内部
に位置した前記ベース金属板100aのエッチング速度は、前記金属板の厚さ方向の外部
に位置した前記第1及び第2表面層110、120のエッチング速度より速いことがある
。言い換えれば、前記第1表面層110のエッチング速度は、前記ベース金属板100a
のエッチング速度より遅いことがある。前記第2表面層120のエッチング速度は、前記
ベース金属板100aのエッチング速度より遅いことがある。詳しくは、前記第1表面層
110及び前記第2表面層120は、前記ベース金属板110aの構成元素より耐食性が
大きい元素を含むことができるので、表面層でのエッチング速度をベース金属板でのエッ
チング速度より遅くすることができる。すなわち、前記表面層は、前記ベース金属板の構
成元素より耐食性が大きい金属元素を含む金属表面層であり得る。
【0213】
一般的な金属板は、エッチング液の接触面積が大きい金属板外部のエッチング速度が金
属板内部のエッチング速度より速いことにより、隣接した貫通孔が重畳され得るという問
題点がある。すなわち、ベース金属板100aだけで製造された蒸着マスクは、エッチン
グ液と接触するベース金属板100aの第1面101及び第2面102のエッチング速度
が速いことにより、前記第1面101及び前記第2面102で形成される貫通孔の幅が大
きくなり得る。これに伴って、微細なパターンを有する貫通孔の形成が困難であり、製造
収率が低下することがある。また、複数の貫通孔の均一性が低下することがある。したが
って、これを通じて製造されるOLEDパネルは、パターンの蒸着効率が低く、パターン
の蒸着均一性が低下することがある。
【0214】
一方、実施例は、ベース金属板100aの両面上に前記第1表面層110及び前記第2
表面層120を含み、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、前記ベース金
属板100aと異なる元素を含むことができる。これに伴って、前記第1表面層110及
び前記第2表面層120のエッチング速度は、前記ベース金属板100aのエッチング速
度より遅いことがある。
【0215】
すなわち、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、前記ベース金属板10
0aより耐食性が大きい金属元素または金属酸化物を含むことができ、前記第1表面層1
10及び前記第2表面層120がそれぞれ0.5nmないし1000nmの厚さで配置さ
れることにより、微細な貫通孔を形成することができる。
【0216】
例えば、実施例による金属板は、前記第1表面層110及び前記第2表面層120がそ
れぞれ5nm超過800nm以下、10nmないし600nm、30nmないし500n
mの厚さで配置されるとき、前記第1面孔V1の幅W1と前記第3貫通孔V3の幅W4が
対応し、前記第2面孔V2の幅W2と前記第4貫通孔V4の幅W5が対応し得る。例えば
、実施例による金属板は、前記第1表面層110及び前記第2表面層120がそれぞれ5
nm超過800nm以下、10nmないし600nm、30nmないし500nmの厚さ
で配置されるとき、前記第1面孔V1の高さH1と前記第3面孔V3の高さH3が対応し
、前記第2面孔V2の高さH2と前記第4面孔V4の高さH4が対応し得る。すなわち、
複数の貫通孔の幅と高さの均一性が向上し得る。
【0217】
すなわち、実施例による金属板は、前記第1表面層110及び前記第2表面層120が
配置される領域でエッチング速度が遅いことがあり、貫通孔の幅が小さくかつ深い厚さを
有するように形成することができる。これに伴って、金属表面で速いエッチングによって
発生し得るフォトレジスト層の脱膜現象を防止することができる。
【0218】
また、実施例による蒸着マスク製作に用いられる金属板は、表面におけるエッチング速
度を制御でき、微細なパターンを有する貫通孔の製造収率が向上し、複数の貫通孔の均一
性が向上し得る。これに伴って、このような蒸着マスクで製作したOLEDパネルは、パ
ターンの蒸着効率に優れ、蒸着均一性が向上し得る。また、実施例による表面層は、耐食
性が大きい金属または金属酸化物のうち少なくとも一つを含むことにより、フォトレジス
ト層の密着力を向上させることができ、エッチング工程でフォトレジスト層の脱膜または
分離を防止することができる。これに伴って、実施例による金属板は、複数の貫通孔の製
造収率及び工程効率が向上し得る。
【0219】
図11ないし図15を参照して、第1実施例による蒸着マスクの製造工程を説明する。
【0220】
実施例による蒸着マスクは、ベース金属板の準備ステップ;前記ベース金属板の第1面
上に第1表面層を配置するステップ;前記ベース金属板の第2面上に第2表面層を配置す
るステップ;前記第1表面層上に第1フォトレジスト層配置し、前記第2表面層上に第2
フォトレジスト層を配置するフォトレジスト層形成ステップ;前記第1面の第1面孔と前
記第2面の第2面孔とが連通する貫通孔を形成するエッチングステップを含むことができ
る。また、実施例による蒸着マスクに用いられる金属板は、前記エッチングステップ以後
に、前記第1フォトレジスト層及び前記第2フォトレジスト層の除去ステップをさらに含
むことができる。
【0221】
また、前記第1表面層及び前記第2表面層は、同時に形成することができる。これに伴
って、工程効率を向上させることができる。また、前記第1フォトレジスト層及び前記第
2フォトレジスト層は、ステップごとに形成することもできることは勿論である。
【0222】
また、前記第1面孔、第2面孔をステップごとに形成して貫通孔を形成することもでき
る。
【0223】
また、第1面孔を形成のための第1フォトレジストを形成して第2面にエッチング防止
保護層を形成した後に第1面孔を形成し、第2面孔を形成するためのフォトレジストを形
成して第1面にエッチング防止保護層を形成した後に第2面孔を形成することもできる。
【0224】
また、前記フォトレジスト層の除去ステップ以後に第1、第2表面層を除去するステッ
プをさらに含むことができる。これを通じてOLED蒸着時に表面層によって発生する異
物を防止することができる。このような場合、表面層が除去された第1面のNi含有量と
ベース金属板の厚さの1/2となる中央のNi含有量は異なり得る。望ましくは、第1面
のNi含有量がベース金属板の厚さの1/2となる中央のNi含有量より大きいことがあ
る。
【0225】
先ず、第1ステップは、ベース金属板100aの準備ステップである。前記ベース金属
板100aは、ニッケル合金を準備することができる。例えば、前記ベース金属板100
aは、ニッケル及び鉄の合金であり得る。
【0226】
また、強度向上のために不純物を含むことができる。前記不純物は、C、Si、Mn、
P、S、Al、Crのうち少なくとも一つを含むことができ、全体のベース金属板の2w
%以下、1.7w%以下、1.5w%以下であり得る。2w%を越える場合、インバーの
基本特性である熱膨脹特性が悪くなり得る。
【0227】
前記ベース金属板の準備ステップは、多様な厚さ減少ステップを含むことができる。例
えば、前記ベース金属板は、圧延ステップによる厚さ減少ステップをさらに含むことがで
きる。
【0228】
すなわち、第2ステップは、前記ベース金属板100aの圧延ステップであり得る。図
11を参照すると、前記ベース金属板100aは、5μmないし50μmの厚さT1を有
し得る。例えば、前記ベース金属板100aは、30μm以下の厚さT1を有し得る。こ
こで、前記ベース金属板100aの厚さは、圧延工程後に測定された厚さであり得る。こ
のとき、前記圧延工程は冷間圧延工程であり得る。すなわち、初期の金属基板は30μm
超過の厚さを有し、圧延ステップによる厚さ減少ステップによって加工されたベース金属
板は、30μm以下の厚さ(例えば25μm、20μm)を有し得る。
【0229】
第3ステップは、前記ベース金属板の第1面上に第1表面層を配置するステップである
【0230】
第4ステップは、前記ベース金属板の第2面上に第2表面層を配置するステップである
【0231】
図12を参照すると、前記ベース金属板100a上に第1及び第2表面層110、12
0を形成することができる。例えば、前記ベース金属板 100aは、蒸着工程により、
前記ベース金属板100aの一面上に第1表面層110を形成することができる。次いで
、前記ベース金属板100aの前記一面と反対となる他面上に第2表面層120が蒸着工
程によって形成され得る。
【0232】
また、第1表面層及び第2表面層は、共に蒸着され得る。
【0233】
また、前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、互いに対応する厚さで前記
ベース金属板100a上に配置されることができ、前記ベース金属板100aの第1面1
01及び第2面102のエッチング速度をすべて低下させることがある。
【0234】
第5ステップは、前記第1表面層110上に第1フォトレジスト層P1配置し、前記第
2表面層120上に第2フォトレジスト層P2を配置するフォトレジスト層形成ステップ
である。図13を参照すると、前記第1表面層110上にオープン領域を有する第1フォ
トレジスト層P1を配置し、前記第2表面層120上にオープン領域を有する第2フォト
レジスト層P2を配置することができる。詳しくは、前記第1表面層110及び前記第2
表面層120上にそれぞれフォトレジスト物質を塗布し、露光及び現像工程によって前記
第1フォトレジスト層P1、及び前記第2フォトレジスト層P2をそれぞれ配置すること
ができる。
【0235】
前記第1フォトレジスト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2のオープン領域の幅
が異なるように配置されることにより、前記第1面101上に形成される前記第1面孔V
1と前記第2面102上に形成される前記第2面孔V2の幅が異なり得る。
【0236】
前記第1フォトレジスト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2は、金属板に貫通孔
を形成するために複数のオープン領域を含むことができる。
【0237】
第6ステップは、金属板に貫通孔を形成するステップである。
【0238】
前記第1表面層110上には、部分的に前記第1フォトレジスト層P1が配置され得る
。前記第1表面層110の上に前記第1フォトレジスト層P1が配置される領域には、貫
通孔が形成されないこともある。すなわち、前記第1フォトレジスト層P1は、エッチン
グ工程で物理的/化学的安全性を維持できる物質を含むことができる。これに伴って、前
記第1フォトレジスト層P1は、前記第1フォトレジスト層P1の下部に配置された前記
第1表面層110及び前記ベース金属板100aのエッチングを阻止することができる。
【0239】
前記第2表面層120上には、部分的に前記第2フォトレジスト層P2が配置され得る
。前記第2表面層120の上に前記第2フォトレジスト層P2が配置される領域には、貫
通孔が形成されないこともある。すなわち、前記第2フォトレジスト層P2は、エッチン
グ工程で物理的/化学的安全性を維持できる物質を含むことができる。これに伴って、前
記第2フォトレジスト層P2は、前記第2フォトレジスト層P2の下部に配置された前記
第2表面層120及び前記ベース金属板100aのエッチングを阻止することができる。
【0240】
一方、前記第1フォトレジスト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2のオープン領
域には、エッチング工程でエッチングが行われ得る。これに伴って、前記第1フォトレジ
スト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2のオープン領域に金属板の貫通孔が形成さ
れ得る。
【0241】
また、第1面孔を形成のための第1フォトレジストを形成して第2面にエッチング防止
保護層を形成した後に第1面孔を形成し、第2面孔を形成するためのフォトレジストを形
成して第1面にエッチング防止保護層を形成した後に第2面孔を形成することもできる。
【0242】
図14を参照すると、エッチング工程によって金属板の第1面に前記第1面孔V1が形
成され、前記第1面と反対となる第2面に前記第2面孔V2が形成され、前記連結部CA
によって前記第1面孔V1及び前記第2面孔V2が連通されることによって貫通孔が形成
され得る。
【0243】
例えば、前記エッチング工程は、湿式エッチング工程によって行われ得る。これに伴っ
て、前記第1面101及び前記第2面102が同時にエッチングされることができ、工程
効率性が向上し得る。一例として、前記湿式エッチング工程は、塩化鉄を含むエッチング
液を用いて、約45℃で行われ得る。このとき、前記エッチング液はFeClを35な
いし45重量%含むことができる。詳しくは、前記エッチング液はFeClを36重量
%含むことができる。例えば、FeClを43重量%含んだ前記エッチング液の比重は
20℃で1.47であり得る。FeClを41重量%含んだ前記エッチング液の比重は
20℃で1.44であり得る。FeClを38重量%含んだ前記エッチング液の比重は
20℃で1.39であり得る。但し、実施例はこれに制限されず、金属表面層のエッチン
グ速度がベース金属板のエッチング速度より遅くすることができる範囲内の多様なエッチ
ング液を使用できることは勿論である。
【0244】
第7ステップは、前記第1フォトレジスト層及び前記第2フォトレジスト層の除去ステ
ップである。図15を参照すると、前記第1フォトレジスト層P1、及び前記第2フォト
レジスト層P2を除去するにより、前記ベース金属板100a上に第1表面層110及び
第2表面層120が配置され、複数の貫通孔を有する金属板を形成することができる。
【0245】
前記工程で下記式1によって計算された前記第1面孔及び前記第2面孔のうち少なくと
も一つの面孔のエッチングファクターは、2.5以上であり得る。これに伴って、実施例
の貫通孔はエッチング特性に優れ、フォトレジスト層の剥離または分離による製造収率低
下を防止することができる。
【0246】
<式1>
Etching Factor=B/A
【0247】
上記式で、前記Bは、エッチングされた前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面
孔の深さであり、前記Aは、前記一つの面孔上のブリッジ領域から延びて前記一つの面孔
の中心方向に突出したフォトレジスト層の幅を意味する。詳しくは、前記Aは、前記一つ
の面孔上に突出したフォトレジスト層一側の幅及び前記一側と反対となる他側の幅の平均
値を意味する。
【0248】
図18を参照して、前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面孔を形成するエッチ
ングステップについて説明する。
【0249】
前記エッチングステップで、フォトレジスト層Pがオープンされた領域に前記第1面孔
及び前記第2面孔のうち一つの面孔が形成され得る。このとき、エッチング液は、オープ
ン領域に位置したフォトレジスト層側面の下部にも接触できることにより、アンダーカッ
トが発生し得る。これに伴って、前記一つの面孔上にフォトレジスト層の突出部が位置す
ることができる。
【0250】
前記突出部は、前記面孔と離隔して、前記面孔上に配置され得る。前記突出部は、前記
面孔の端VEを囲むことができる。前記突出部は、前記面孔を部分的に覆うことができる
。前記突出部の端PEは、前記面孔の端VEから一定の間隔で離隔し得る。前記突出部の
端PEは、前記面孔上に配置され得る。前記突出部は、前記面孔と接触しないこともある
。前記突出部は、前記ブリッジ領域または前記外郭領域に接触したフォトレジスト層が延
びて前記面孔上に配置され得る。
【0251】
前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面孔の形状は、前記フォトレジスト層のオ
ープン領域の形状と対応し得る。例えば、前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面
孔の形状が円形状の場合には、前記フォトレジスト層のオープン領域の形状も円形状であ
り得る。
【0252】
前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面孔の平均直径は、前記一つの面孔上のフ
ォトレジスト層のオープン領域の平均直径より大きいことがある。例えば、前記第1面孔
及び前記第2面孔のうち一つの面孔の平均直径は、25μmないし35μm であり得る
。例えば、前記一つの面孔上のフォトレジスト層のオープン領域の平均直径は、20μm
ないし30μmであり得る。
【0253】
すなわち、フォトレジスト層のオープン領域と貫通孔の幅は、互いに異なり得る。詳し
くは、フォトレジスト層のオープン領域の幅より前記フォトレジスト層のオープン領域の
下部に形成された前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面孔の幅は、さらに大きい
ことがある。ここで、一つの面孔の幅は、金属板の一面で測定した最大の直径を意味する
ことができる。また、フォトレジスト層のオープン領域の幅と比較される一つの面孔の幅
は、上、下に対応する位置に配置される幅を意味することができる。
【0254】
前記フォトレジスト層のオープン領域の幅と前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つ
の面孔の幅の値差が小さいほどエッチング特性に優れる。詳しくは、前記フォトレジスト
層のオープン領域の幅と前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面孔の幅の値差の小
さいほどアンダーカットの発生する領域が縮小され得る。これに伴って、貫通孔の設計の
便宜性が向上することができ、微細な貫通孔を工程で効率的に形成することができる。
【0255】
前記フォトレジスト層のオープン領域の平均直径及び前記面孔の平均直径の割合は、1
:1.5以下の値を有し得る。例えば、前記フォトレジスト層のオープン領域の平均直径
及び前記面孔の平均直径の割合は、1:1.1ないし1:1.4の値を有し得る。例えば
、前記フォトレジスト層のオープン領域の平均直径及び前記面孔の平均直径の割合は、1
:1.3ないし1:1.4の値を有し得る。前記フォトレジスト層のオープン領域の平均
直径及び前記面孔の平均直径の割合が1:1.5超過の場合には、エッチング特性が低下
することがある。
【0256】
上記式1のA値は、下記式2のように表現され得る。
【0257】
<式2>
A=(A1+A2)/2
【0258】
図18を参照すると、上記式2のA1は、前記一つの面孔上のフォトレジスト層突出部
の一側の幅を意味し、上記式2のA2は前記一つの面孔上のフォトレジスト層突出部の前
記一側と反対となる他側の幅を意味することができる。
【0259】
すなわち、前記第1面孔及び前記第2面孔のうち一つの面孔のエッチングファクターは
、下記の式3でさらに整理され得る。
<式3>

【0260】
実施例による蒸着マスクは、貫通孔を形成するエッチングステップで、エッチングファ
クターが2.5以上に測定され得る。前記エッチングファクターが大きいほど、金属板の
厚さ方向、すなわち、貫通孔の深さ方向にエッチング特性に優れることを意味することが
できる。
【0261】
前記エッチングファクターが小さいほど、貫通孔の幅が大きくなることを意味すること
ができる。すなわち、前記エッチングファクターが小さいほど貫通孔の幅が大きくなるこ
とにより、フォトレジスト層が浮いたり、分離される現象が発生し得る。
【0262】
前記金属板の少なくとも一面は面孔を含み、このとき、上記式1のA値は8以下であり
得る。例えば、上記式1のA値は5以下であり得る。例えば、上記式1のA値は4ないし
5であり得る。
【0263】
上記式1のA値が8超過の場合には、エッチングファクターが低下することがある。上
記式1のA値が8超過の場合には、前記フォトレジスト層のオープン領域の平均直径と前
記一つの貫通孔の平均直径の差が大きいので、微細な貫通孔の設計が困難であり得る。
【0264】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。このような実施例は
、本発明をさらに詳細に説明するために例として提示したものに過ぎない。したがって本
発明がこのような実施例に限定されるものではない。
【0265】
<実験例1:フォトレジスト層オープン領域の平均直径とオープン領域下部に形成され
た面孔の平均直径のサイズ評価>
【実施例1】
【0266】
冷間圧延されたインバーベース金属板上にNi-Cr合金材の第1表面層及び第2表面
層を蒸着して形成した。
【0267】
このとき、Ni-Cr合金は、ニッケルが76ないし99重量%、クロムが1ないし2
4重量%の合金であった。
【0268】
以後、第1表面層及び第2表面層のうち一つの金属表面層上に複数のオープン領域を含
むフォトレジスト層を形成した。以後、エッチング工程は、複数のオープン領域を含むフ
ォトレジスト層が形成された面でのみ行われた。
【0269】
これを通じて、フォトレジスト層のオープン領域の下部に第1面孔及び第2面孔のうち
一つの面孔を形成した。
【実施例2】
【0270】
冷間圧延されたインバーベース金属板上にNi-Cr-Fe合金材の第1表面層及び第
2表面層を蒸着して形成した。
【0271】
このとき、Ni-Cr-Fe合金は、ニッケル及び鉄が76ないし99重量%、クロム
が1ないし24重量%の合金であった。
【0272】
以後、第1表面層及び第2表面層のうち一つの金属表面層上に複数のオープン領域を含
むフォトレジスト層を形成した。以後、エッチング工程は、複数のオープン領域を含むフ
ォトレジスト層が形成された面でのみ行われた。
【0273】
これを通じて、フォトレジスト層のオープン領域の下部に第1面孔及び第2面孔のうち
一つの面孔を形成した。実施例2は、実施例1と表面層の合金組成が異なること以外に各
層の厚さ、エッチング工程の条件は同一であった。
【比較例1】
【0274】
冷間圧延されたインバーベース金属板を準備した。
【0275】
以後、前記インバーベース金属板の一面上に複数のオープン領域を含むフォトレジスト
層を形成した。以後、エッチング工程は、複数のオープン領域を含むフォトレジスト層が
形成された面でのみ行われた。
【0276】
これを通じて、フォトレジスト層のオープン領域の下部に第1面孔及び第2面孔のうち
一つの面孔を形成した。
【0277】
前記比較例1は、実施例1及び2とベース金属板の厚さが同一であって、エッチング工
程の条件も同一であった。
【0278】
実施例1及び実施例2によるフォトレジスト層オープン領域の平均直径と前記オープン
領域下部に形成された面孔の平均直径との差は、比較例1によるフォトレジスト層オープ
ン領域の平均直径と前記オープン領域下部に形成された面孔の平均直径との差より小さい
ものと測定された。
【0279】
実施例1及び実施例2によるフォトレジスト層のオープン領域の平均直径及び面孔の平
均直径は、1:1.5以下と測定された。詳しくは、実施例1及び実施例2によるフォト
レジスト層のオープン領域の平均直径及び面孔の平均直径は、1:1.1ないし1:1.
4と測定された。
【0280】
比較例1によるフォトレジスト層のオープン領域の平均直径及び面孔の平均直径の割合
は、1:1.7以上と測定された。詳しくは、比較例1によるフォトレジスト層のオープ
ン領域の平均直径及び面孔の平均直径の割合は、1:1.7ないし1:1.8と測定され
た。
【0281】
図16及び図17は、実施例1及び比較例1によって形成された面孔の写真である。
【0282】
図16を参照すると、実施例1によって形成された任意のフォトレジスト層オープン領
域の直径は23.8μmであり、前記フォトレジスト層のオープン領域の下部に配置され
た任意の面孔の直径は32.85μmである。
【0283】
一方、図17を参照すると、比較例1によって形成された任意のフォトレジスト層オー
プン領域の直径は22.43μmであり、前記フォトレジスト層のオープン領域の下部に
配置された任意の面孔の直径は39.15μmである。
【0284】
実施例1及び実施例2によるフォトレジスト層のオープン領域の平均直径及び面孔の平
均直径は1:1.4以下の割合を満足することにより、貫通孔のエッチング特性に優れる
ことを確認した。また、実施例による蒸着マスクは、均一性が向上した貫通孔を含むこと
ができ、これを通じて蒸着されるパターン形状の均一性が向上することを確認した。
<実験例2: エッチングファクター評価>
【0285】
【表1】
【0286】
前記表1は、実施例1、実施例2及び比較例1によるエッチングファクターを示す。
【0287】
実施例1及び実施例2による蒸着マスクのエッチングファクターは、2.5以上である
ことが分かる。例えば、実施例1及び実施例2による蒸着マスクのエッチングファクター
は、2.5ないし2.7であることが分かる。これに伴って、実施例による蒸着マスクは
、エッチング工程でフォトレジスト層の脱膜を防止することができ、面孔または貫通孔の
エッチング特性に優れることが分かる。
【0288】
一方、比較例1による蒸着マスクのエッチングファクターは、2.0未満であることが
分かる。詳しくは、比較例1による蒸着マスクのエッチングファクターは、1.7である
ことが分かる。これに伴って、比較例1による蒸着マスクは、エッチング工程でフォトレ
ジスト層の脱膜が発生することができ、面孔または貫通孔のエッチング特性が低下するこ
とが分かる。
【0289】
エッチング速度は、単位時間当りエッチングされる量を意味するものであって、
【0290】
比較例1による冷間圧延されたインバーベース金属板は、外部表面のエッチング速度が
内部のエッチングと類似する。冷間圧延の工程を経る場合でも、外部表面と内部は同じ成
分であり、外部表面と内部の結晶構造は同じか、または類似するので、インバー材料自体
だけではエッチング特性を向上させにくいことが分かる。
【0291】
一方、実施例1及び2は、エッチングファクターを2.5以上に向上させることができ
る第1及び第2表面層を含むことができる。実施例1の金属表面層は、ベース金属板より
エッチング速度を遅くすることができるクロムを含む二元系合金である。実施例2の金属
表面層は、ベース金属板よりエッチング速度を遅くすることができるクロムを含む三元系
合金である。
【0292】
実施例1及び2による金属表面層は、ベース金属板と異なる元素、例えば、Crのよう
に耐食性に優れる金属元素を含むことができる。これに伴って、実施例1、2による金属
表面層のエッチング速度は、ベース金属板のエッチング速度より遅いことが分かる。これ
に伴って、実施例による金属板は、微細な貫通孔を形成することができる。
【0293】
表面層のエッチング速度は、ベース金属板のエッチング速度より遅いことがある。すな
わち、ベース金属板のエッチング速度は、表面層のエッチング速度より相対的に速いこと
がある。すなわち、金属板のベース層をエッチングするとき、表面層の側面方向(図18
のA1、A2方向)は、エッチング速度が相対的に遅いことがあり、ベース金属板の深さ
方向(図18のB方向)のエッチング速度は、相対的に速いことがある。したがって、実
施例のエッチングファクターを高めることができ、これを通じて微細な貫通孔を形成でき
るようになる。表面層のエッチング速度とベース金属板のエッチング速度は、金属板をエ
ッチングしながら時間当りエッチングされた量を測定して確認することができる。このよ
うな方式で測定して見ると、表面層がエッチングされる時間には、エッチングされた量が
相対的に少なく、ベース金属板がエッチングされる時間には、エッチングされた量が相対
的に多いことを確認することができる。
【0294】
図18は、実施例1による面孔の断面図である。
【0295】
図18を参照すると、エッチングファクターが2.5以上のとき、面孔の幅が少なく、
深さ方向にエッチング特性に優れる。また、エッチングファクターが2.5以上のとき、
フォトレジスト層及び隣接した貫通孔の間に位置するブリッジ領域BRの接触面積が広い
ことがあって、フォトレジスト層の脱膜を安定的に防止することができる。これに伴って
、実施例による蒸着マスクを通じて微細な蒸着パターンを形成することができる。
【0296】
図19は、比較例1による面孔の断面図である。
【0297】
図20を参照すると、比較例1による面孔は、エッチングファクターが1.7であるの
で、隣接した貫通孔が重畳され得る。または、フォトレジスト層の脱膜現象が発生し得る
。これに伴って、比較例1は、貫通孔の製造収率及び工程効率が低下することが分かる。
【0298】
実施例による蒸着マスクは、金属板、互いに対向する第1面及び第2面を含むベース金
属板、前記第1面上に配置される第1表面層、及び前記第2面上に配置される第2表面層
を含み、前記金属板は複数の貫通孔を含み、前記金属板のエッチングファクターは2.5
以上であり得る。
【0299】
実施例による蒸着マスクは、貫通孔を形成する前に、前記ベース金属板上に金属表面層
を配置することができる。これに伴って、前記表面層は、前記貫通孔が配置される領域上
に配置されず、オープンされ得る。
【0300】
前記貫通孔の内部領域は、前記表面層と異なる元素を含むことができる。また、前記貫
通孔の内部領域は、前記表面層と同一元素を含んでも、含まれる元素の組成が異なり得る
。これに伴って、金属表面層のエッチング速度を遅くすることができる。
【0301】
すなわち、実施例による蒸着マスクは、貫通孔を形成するためのエッチング工程で、金
属表面層よりベース金属板のエッチング速度が速いことがあって、エッチング効率が向上
し、貫通孔の均一性が向上し得る。
【0302】
また、実施例による蒸着マスクで製作したOLEDパネルは、パターンの蒸着効率に優
れ、蒸着均一性が向上し得る。
【0303】
図20及び図21を参照して、第2実施例による蒸着マスクを説明する。
【0304】
第1実施例の特徴と矛盾する場合を除き、第1及び第2実施例の特徴を結合して適用で
きることは勿論である。前に説明した第1実施例と重複する説明は省略することができる
。同じ構成要素には同じ図面符号を付与することができる。
【0305】
図20及び図21を参照すると、第2実施例による蒸着マスクに含まれる金属板は、ベ
ース金属板100a及び金属表面層を含むことができる。
【0306】
前記ベース金属板100aの一面または両面には、金属表面層が配置され得る。
【0307】
前記ベース金属板100aの一面には、第1表面層110が配置され、前記一面と反対
となる他面には第2表面層120が配置され得る。
【0308】
蒸着マスク用金属板は、前記ベース金属板100aの両面に前記第1表面層110及び
前記第2表面層120を含むことができる。前記ベース金属板100aは、前記第1表面
層110及び前記第2表面層120の間にサンドイッチ構造に配置され得る。
【0309】
前記ベース金属板100aは、前記表面層と互いに異なる物質を含むことができる。前
記ベース金属板100aは、前記第1表面層110と互いに異なる元素を含むことができ
る。また、前記ベース金属板100aは、前記第2表面層120と互いに異なる元素を含
むことができる。
【0310】
また、前記ベース金属板100aは、前記第1、2金属表面層110、120と互いに
異なる組成比を有し得る。
【0311】
実施例は、前記第1表面層110及び前記第2表面層120が前記ベース金属板100
aと互いに異なる元素を含むことにより、前記第1及び第2表面層の腐食速度を前記ベー
ス金属板より遅くすることができる。すなわち、バルク金属板であるベース金属板100
aの腐食速度が金属表面層の腐食速度より速いことがある。これに伴って、実施例による
蒸着マスクのエッチングファクターを増加させることができる。また、実施例による蒸着
マスクは、複数の貫通孔を均一に形成できることにより、R、G、Bパターンの蒸着効率
を向上させることができる。
【0312】
前記表面層は、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、Co、Cu、Fe、Agなどの金属原
素の以外にNb、V、In、Sbなどの1次イオン化エネルギーが450ないし850k
j/Molに該当する多様な元素を含むことができる。
【0313】
前記表面層は、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、Co、Cu、Fe、Au、Al、Mg
、O、Ca、Cr、Si、Ti、Ag、Nb、V、In、Sbのうち少なくとも一つ以上
の元素を含むことができる。例えば、前記表面層は、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、C
o、Cu、Fe、Au、Al、Mg、O、Ca、Cr、Si、Ti、Ag、Nb、V、In
及びSbの中で互いに異なる二つの元素が含まれた二元系層であり得る。例えば、前記表
面層100b、100cは、Ni、Cr、Mo、Mn、Ti、Co、Cu、Fe、Au、
Al、Mg、O、Ca、Cr、Si、Ti、Ag、Nb、V、In及びSbの中で互いに
異なる三つの元素が含まれた三元系層であり得る。例えば、前記表面層は、Ni、Cr、
Mo、Mn、Ti、Co、Cu、Fe、Au、Al、Mg、O、Ca、Cr、Si、Ti
、Ag、Nb、V、In及びSbの中で互いに異なる元素を四つ以上含まれた層であり得
ることは勿論である。
【0314】
前記表面層は、Al、Mg、O、Ca、Cr、Si、Mnのうち少なくとも一つの元素
を含むことができる。一例として、前記表面層は、金属酸化物層であり得る。このとき、
前記表面層は、ベース金属板の圧延工程後の移送過程で5nm以下に形成され得る自然酸
化膜ではない、別のスパッタリングなど工程によって形成された表面層であり得る。一例
として、前記表面層は、クロム層またはクロム合金層であり得る。このとき、前記表面層
のクロム含有量(重量%)は、ベース金属層のクロム含有量(重量%)より大きいことが
ある。前記表面層は、蒸着マスクに用いられる金属板表面における腐食速度を遅くするこ
とができる。これに伴って、実施例による蒸着マスクは、エッチングファクターが向上し
得る。
【0315】
前記ベース金属板100aの厚さは、前記表面層の厚さより大きいことがある。前記ベ
ース金属板100aの厚さは、前記第1表面層110及び前記第2表面層120のうち少
なくとも一つの厚さより大きいことがある。
【0316】
前記ベース金属板100aの厚さは30μm以下であり得る。例えば、前記ベース金属
板100aの厚さは1μmないし30μmであり得る。例えば、前記ベース金属板100
aの厚さは5μmないし19.9μmであり得る。例えば、前記ベース金属板100aの
厚さは15μmないし19.5μmであり得る。例えば、前記ベース金属板100aの厚
さは10μmないし19.8μmであり得る。前記ベース金属板100aの厚さが30μ
m超過の場合には、隣接した貫通孔の間の距離(pitch)が増加することがある。こ
れに伴って、高解像度または超高解像度の表示装置を形成する効率が低下することがある
。実施例のベース金属板は、20μm以下の厚さであり得、隣接した貫通孔の間の距離(
pitch)が減少し得る。したがって、高解像度及び/または超高解像度の表示装置を
提供することに適し得る。すなわち、実施例による蒸着マスクは、インチ当たりピクセル
(PPI、pixels per inch)が増加できる。
【0317】
前記第1表面層110及び前記第2表面層120は、互いに対応する厚さを有し得る。
ここで、対応するということは公差による誤差を含むことであり得る。
【0318】
前記表面層は、ベース金属板の一面または両面で0.5nmないし1000nm以下で
あり得る。前記表面層は、ベース金属板の一面または両面で5nmないし850nm以下
の厚さで配置され得る。前記表面層は、ベース金属板の一面または両面で10nmないし
600nm以下の厚さで配置され得る。
【0319】
前記第表面層110の厚さは、20nmないし500nmであり得る。例えば、前記第
1表面層110の厚さは、20nmないし50nmであり得る。例えば、前記第1表面層
110の厚さは、25nmないし35nmであり得る。
【0320】
前記第2表面層120の厚さは、20nmないし500nmであり得る。例えば、前記
第2表面層120の厚さは、20nmないし50nmであり得る。例えば、前記第2表面
層120の厚さは、25nmないし35nmであり得る。
【0321】
前記表面層の厚さが1nm未満の場合には、金属表面層によるエッチングファクターの
向上効果が減少し得る。これに伴って、貫通孔の均一性が低下することがある。すなわち
、前記表面層の厚さが1nm未満の場合には、厚さ及び/または幅の偏差が大きい貫通孔
が形成されることにより、前記貫通孔を有する金属板によって形成されたパターンの均一
でないことがあって、表示装置の製造効率が低下することがある。
【0322】
また、前記表面層の厚さが1nm未満の場合には、微細なサイズの貫通孔の形成が困難
となり得る。
【0323】
前記表面層の厚さが1μm超過の場合には、製造効率が低下することがある。前記ベー
ス金属板100aと前記表面層との間の界面は、陽イオンまたは陰イオン性物質を含むこ
とができる。前記ベース金属板100aは、酸性エッチング溶液によって20μm以下の
薄い厚さを有し得る。これに伴って、前記ベース金属板100aの表面には、酸性溶液の
プロトン(H+)のような陽イオンまたは酸性溶液の解離による共役塩基の陰イオンを含
むことができる。一例として、前記ベース金属板100aと前記表面層との間の界面は、
塩酸、硫酸、リン酸、酢酸のような酸性溶液の解離によるCl、HSO 、HPO
、CHCO のいずれか一つのイオンを0.1重量%以下に含むことができる。
但し、酸性溶液は、水洗によって除去され得るので、実質的にプロトン(H+)のような
陽イオンまたは酸性溶液の解離による共役塩基の陰イオンは、ほとんど残っていないこと
もある。ここで、実質的にほとんど残っていないということは、プロトン(H+)のよう
な陽イオンまたは酸性溶液の解離による共役塩基の陰イオンが0.01重量%以下に検出
されることを意味することができる。
【0324】
前記ベース金属板100aは、酸性溶液によってエッチング処理された表面を含むこと
ができる。前記ベース金属板100aは、圧延された表面を含む金属板より、大きい粗さ
を有し得る。詳しくは、前記ベース金属板100aは、圧延されたインバー金属板より算
術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)の値が大きいことがある。
【0325】
前記ベース金属板と前記表面層との間の界面で測定された前記ベース金属板100aの
算術平均粗さ(Ra)は、50nm超過であり得る。例えば、前記ベース金属板と前記表
面層との間の界面で測定された前記ベース金属板100aの算術平均粗さ(Ra)は、5
0nm<Ra<300nmであり得る。例えば、前記ベース金属板と前記表面層との間の
界面で測定された前記ベース金属板100aの算術平均粗さ(Ra)は、50nm<Ra
<200nmであり得る。例えば、前記ベース金属板と前記表面層との間の界面で測定さ
れた前記ベース金属板100aの算術平均粗さ(Ra)は、70nm<Ra<150nm
であり得る。
【0326】
前記ベース金属板と前記表面層との間の界面で測定された前記ベース金属板100aの
十点平均粗さ(Rz)は、800nm超過であり得る。例えば、前記ベース金属板と前記
表面層との間の界面で測定された前記ベース金属板100aの十点平均粗さ(Rz)は、
800nm<Rz<2500nmであり得る。例えば、前記ベース金属板と前記表面層と
の間の界面で測定された前記ベース金属板100aの十点平均粗さ(Rz)は、800n
m<Rz<2000nmであり得る。例えば、前記ベース金属板と前記表面層との間の界
面で測定された前記ベース金属板100aの十点平均粗さ(Rz)は、800nm<Rz
<1500nmであり得る。
【0327】
前記ベース金属板100aと直接接触される前記第1表面層110の一面の粗さは、蒸
着マスク用金属板の表面を形成する前記第1表面層110の前記一面と反対となる他面よ
り大きいことがある。これに伴って、前記ベース金属板100aと前記第1表面層110
との間の界面は、密着特性に優れる。また、蒸着マスク用金属板の表面を形成する前記第
1表面層110の他面は、一面より粗さが小さいことがあって、エッチング品質を向上さ
せることができる。
【0328】
前記ベース金属板100aと直接接触される前記第2表面層120の一面の粗さは、蒸
着マスク用金属板の表面を形成する前記第2表面層120の前記一面と反対となる他面よ
り大きいことがある。これに伴って、前記ベース金属板100aと前記第2表面層120
との間の界面は、密着特性に優れる。また、蒸着マスク用金属板の表面を形成する前記第
2表面層120の他面は、一面より粗さが小さいことがあって、エッチング品質を向上さ
せることができる。
【0329】
また、前記ベース金属板は、前記貫通孔を形成して表面層を除去することもできる。こ
の場合、前記表面層が除去されたベース金属板の表面で測定された算術平均粗さ(Ra)
は50nm超過であり得る。
【0330】
前記蒸着マスク100は、貫通孔の厚さ方向によって、互いに異なる貫通孔の幅を有し
得る。
【0331】
図20を参照すると、前記第1面孔V1の幅W1は、前記連結部CAの幅W3より大き
いことがある。詳しくは、前記第1面孔V1は、前記第1面101から前記連結部CAに
向かって行くほど前記貫通孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第1面孔V1は、
前記第1面101から前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少
し得る。
【0332】
前記第2面孔V2の幅W2は、前記連結部CAの幅W3より大きいことがある。詳しく
は、前記第2面孔V2は、前記第2面102から前記連結部CAに向かって行くほど前記
貫通孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第2面孔V2は、前記第2面102から
前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。
【0333】
前記第1面孔V1と隣接して、前記第1面101上に形成される第3面孔V3は、前記
第2面孔V1と隣接して、前記第2面102上に形成される第4面孔V4と前記連結部C
Aを通じて連通することにより、貫通孔を形成することができる。
【0334】
前記第4貫通孔V4の幅W5は、前記第3貫通孔V3の幅W4より大きいことがある。
例えば、前記第3貫通孔V3の幅W4は、前記連結部CAの幅W6より大きいことがある
。詳しくは、前記第3面孔V3は、前記第1面101から前記連結部CAに向かって行く
ほど前記貫通孔の幅が減少し得る。詳しくは、前記第3面孔V3は、前記第1面101か
ら前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。例えば、前
記第4面孔V4の幅W5は、前記連結部CAの幅W6より大きいことがある。詳しくは、
前記第4面孔V4は、前記第2面102から前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通
孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第4面孔V4は、前記第2面102から前記
連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。
【0335】
図21を参照すると、前記第1面孔V1の幅W1は、前記連結部CAの幅W3より小さ
いことがある。詳しくは、前記第1面孔V1は、前記第1面101から前記連結部CAに
向かって行くほど前記貫通孔の幅が増加できる。さらに詳しくは、前記第1面孔V1は、
前記第1面101から前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に増加
できる。
【0336】
前記第2面孔V2の幅W2は、前記連結部CAの幅W3より大きいことがある。詳しく
は、前記第2面孔V2は、前記第2面102から前記連結部CAに向かって行くほど前記
貫通孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第2面孔V2は、前記第2面102から
前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。
【0337】
前記第1面孔V1と隣接して、前記第1面101上に形成される第3面孔V3は、前記
第2面孔V1と隣接して、前記第2面102上に形成される第4面孔V4と前記連結部C
Aを通じて連通することにより、貫通孔を形成することができる。
【0338】
前記第4貫通孔V4の幅W5は、前記第3貫通孔V3の幅W4より大きいことがある。
例えば、前記第3貫通孔V3の幅W4は、前記連結部CAの幅W6より小さいことがある
。詳しくは、前記第3面孔V3は、前記第1面101から前記連結部CAに向かって行く
ほど前記貫通孔の幅が大きいことがある。詳しくは、前記第3面孔V3は、前記第1面1
01から前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に増加できる。例え
ば、前記第4面孔V4の幅W5は、前記連結部CAの幅W6より大きいことがある。詳し
くは、前記第4面孔V4は、前記第2面102から前記連結部CAに向かって行くほど前
記貫通孔の幅が減少し得る。さらに詳しくは、前記第4面孔V4は、前記第2面102か
ら前記連結部CAに向かって行くほど前記貫通孔の幅が漸次的に減少し得る。これに伴っ
て、微細なサイズの蒸着パターンを効率的に形成することができる。
【0339】
図20及び図21を参照すると、実施例による蒸着マスクは、複数の貫通孔を含むこと
ができる。このとき、一つの貫通孔の幅は40μm以下であり得る。例えば、前記貫通孔
の幅は5μmないし40μmであり得る。例えば、前記貫通孔の幅は10μmないし35
μmであり得る。例えば、前記第1面孔の幅W1及び前記第2面孔の幅W2のうち少なく
とも一つは、40μm以下の幅を有し得る。前記貫通孔の幅が40μm超過の場合には、
微細な蒸着パターンの形成が困難となり得る。
【0340】
前記第1面孔とV1隣接して、前記第1面101上に形成される第3面孔V3は、前記
第2面孔V1と隣接して、前記第2面102上に形成される第4面孔V4とそれぞれ前記
連結部CAを通じて連通することにより、複数の貫通孔を形成することができる。
【0341】
実施例による蒸着マスクは、任意の第1貫通孔及び前記第1貫通孔と隣接した第2貫通
孔との間にブリッジ領域BRを含むことができる。例えば、前記第1面孔V1及び前記第
3面孔V3の間の前記第1面101には、第1ブリッジ領域BR1を含むことができ、前
記第2面孔V1及び前記第4面孔V4の間の前記第2面102には、第2ブリッジ領域B
R2を含むことができる。前記第1ブリッジ領域BR1は、前記第2ブリッジ領域BR2
の平面積より大きいことがある。前記ブリッジ領域は、複数の貫通孔が一定の間隔で離隔
できるように支持することができる。
【0342】
図22ないし図24を参照して、実施例による多様な断面構造の蒸着マスクを説明する
【0343】
蒸着マスクは、互いに対向する第1面及び第2面を含み、前記第1面上の第1面孔V1
と前記第2面上の第2面孔V2との間には変曲点P2を含むことができる。
【0344】
前記変曲点P2を基準として、前記第1面孔V1までの角度と前記第2面孔V2までの
角度は互いに異なり得る。このとき、変曲点は、連結部CAの終端の任意の地点であり得
る。
【0345】
図22を参照すると、前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3とを
連結する蒸着マスクの傾斜角度θ1は、90度以下であり得る。前記変曲点P2と前記第
2面孔V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜角度が90度を超過すると、蒸着物
質を収容することが困難であって、蒸着効率が低下することがある。
【0346】
前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜角度θ1
は、20度ないし70度の範囲であり得る。前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の
任意の地点P3とを連結する傾斜角度が20度ないし70度の範囲であるとき、蒸着の均
一性が向上し得る。
【0347】
例えば、前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜
角度は、30度ないし60度の範囲であり得る。例えば、前記変曲点P2と前記第2面孔
V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜角度は、32度ないし38度または52度
ないし58度の範囲であり得る。
【0348】
前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3
との間の傾斜角度は、70度以下であり得る。例えば、前記第1面孔V1の終端の任意の
地点P1と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3との間の傾斜角度は、60度以下で
あり得る。例えば、前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1と前記第2面孔V2の終端
の任意の地点P3との間の傾斜角度は、50度以下であり得る。これに伴って、蒸着物質
をよく収容できる傾斜角度を有し得る。
【0349】
前記変曲点P2と前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1とを連結する蒸着マスクの
傾斜角度θ2は、90度超過であり得る。
【0350】
前記変曲点P2と前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1とを連結する蒸着マスクの
傾斜角度θ2は、90度超過110度以下であり得る。
【0351】
また、前記変曲点P2と前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1とを連結する蒸着マ
スクの傾斜角度θ2は、95度以上100度以下であり得る。
【0352】
すなわち、蒸着マスクの傾斜角度θ2が110度超過の場合には、前記連結部より大幅
の第1面孔はシャドウ領域SAを含むことができる。これに伴って、第1面孔を通じて放
出される蒸着パターンの広がる現象が発生し得る。蒸着マスクの傾斜角度θ2が90度未
満の場合、マスクを通じて蒸着をさせた後にマスクを除去するとき、蒸着用基板から蒸着
物質が離れることができる。
【0353】
実施例による蒸着マスクは、連結領域の幅より蒸着パターンが大きく形成されることに
より、高解像度及び/または超高解像度の表示装置の提供が困難であるという問題を解決
するため、蒸着マスク用金属板の全体厚さを20μm以下に形成することができる。また
、第1面孔の高さH1が大きいほど蒸着パターンが広がるので、第1面孔の高さH1を5
μm以下に形成することができる。例えば、第1面孔の高さH1は3μm以下であり得る
。一方、前記第2面孔V2の高さH2は前記第1面孔V1の高さH1より大きいことがあ
る。また、実施例は、蒸着マスク用金属板に金属表面層を形成してエッチングファクター
を高めることにより、微細な蒸着パターンを形成することができる。
【0354】
図23を参照して、蒸着マスク用金属板が20μm以下に形成されることによる貫通孔
形成の容易性を説明する。
【0355】
図23(a)、(b)、(c)は、蒸着マスク用金属板の厚さTを変化させた場合に、
エッチングによる貫通孔の形成可否を説明した図である。
【0356】
フォトレジスト層のオープン領域の幅を一定にし、同じ材質の金属板を用いて、同じ時
間の間エッチングさせた場合に、蒸着マスク用金属板の厚さが大きい図23(a)、図2
3(b)では貫通孔が形成されないことが分かる。一方、蒸着マスク用金属板の厚さが小
さい図23(c)では貫通孔が形成されることが分かる。すなわち、実施例による蒸着マ
スク用金属板は、20μm以下の薄い厚さを有し得、微細なサイズの貫通孔を速く形成す
ることができるので、製造工程が向上し得る。
【0357】
図24を参照して、エッチングファクターの増加による微細貫通孔形成の容易性を説明
する。
【0358】
図24(a)、(b)、(c)は、エッチングされた面孔の中心方向の深さ(b)を変
化させた場合に、エッチングによる貫通孔の形成可否を説明した図である。図24(a)
、(b)、(c)は、フォトレジスト層のオープン領域の幅を一定にし、同じ材質の金属
板を用いて、エッチングファクターの変化を示した図である。
【0359】
図24(a)は、オープンされたフォトレジスト層のブリッジ領域から延びて前記面孔
の中心方向に突出した一端の幅(a)とエッチングされた面孔の中心方向の深さ(b)が
1:0.5の割合であることにより、エッチングファクターが0.5であることを示した
図である。
【0360】
<式1>
Etching Factor=B/A
【0361】
上記式1で、前記Bは、エッチングされた面孔の中心方向の深さであり、前記Aは、オ
ープンされたフォトレジスト層のブリッジ領域から延びて前記面孔の中心方向に突出した
一端の幅である。
【0362】
図24(b)は、オープンされたフォトレジスト層のブリッジ領域から延びて前記面孔
の中心方向に突出した一端の幅(a)とエッチングされた面孔の中心方向の深さ(b)が
1:1の割合であることにより、エッチングファクターが1.0であることを示した図で
ある。
【0363】
図24(c)は、オープンされたフォトレジスト層のブリッジ領域から延びて前記面孔
の中心方向に突出した一端の幅(a)とエッチングされた面孔の中心方向の深さ(b)が
1:2の割合であることにより、エッチングファクターが2.0であることを示した図で
ある。
【0364】
図24(a)、図24(b)、図24(c)を参照すると、同じ金属板の深さで、エッ
チングファクターが増加するほど微細なサイズの貫通孔が形成されることが分かる。すな
わち、高解像度及び/または超高解像度の表示装置を製造するための蒸着マスクは、エッ
チングされた面孔の中心方向の深さ(b)が増加するべきである。このために、実施例に
よる蒸着マスク用金属板は、ベース金属板上に金属表面層を含むことができる。
【0365】
実施例による蒸着マスクのエッチングファクターは1.2以上であり得る。実施例によ
る蒸着マスクのエッチングファクターは1.5以上であり得る。実施例による蒸着マスク
のエッチングファクターは1.6以上であり得る。実施例による蒸着マスクのエッチング
ファクターは2.0以上であり得る。これに伴って、実施例による蒸着マスクは、解像度
が600PPI以上であり得る。例えば、実施例による蒸着マスクは解像度が700PP
I以上であり得る。例えば、実施例による蒸着マスクは解像度が800PPI以上であり
得る。
【0366】
図25ないし図30は、図22による蒸着マスクの製造工程を示した図である。
【0367】
実施例による蒸着マスクは、ベース金属板の準備ステップ;前記ベース金属板上に金属
表面層を配置する表面層形成ステップ;前記表面層上にオープンされたフォトレジスト層
を配置するフォトレジスト層形成ステップ;及び前記オープンされたフォトレジスト層と
対応する位置に面孔を形成するエッチングステップ;を含んで製造され得る。
【0368】
先ず、図25を参照して、金属基板の準備ステップを説明する。金属基板MSは金属物
質を含むことができる。金属基板MSはニッケル合金を含むことができる。例えば、金属
基板MSはニッケルと鉄の合金であり得る。このとき、ニッケルは約35重量%ないし約
37重量%であり得、前記鉄は約63重量%ないし約65重量%であり得る。一例として
、金属基板MSは、ニッケルは約35重量%ないし約37重量%、鉄は約63重量%ない
し約65重量%、微量のC、Si、S、P、Cr、Mo、Mn、Ti、Co、Cu、Fe
、Ag、Nb、V、In、Sbのうち少なくとも一つ以上が含まれたインバー(Inva
r)を含むことができる。
【0369】
前記金属基板MSの厚さToは20μm超過であり得る。例えば、前記金属基板MSの
厚さToは30μm以下であり得る。詳しくは、前記金属基板MSの厚さToは25μm
以下であり得る。これに伴って、前記ベース金属板100aの厚さを20μm以下に製造
することができる。
【0370】
または、前記金属基板MSの厚さToは20μm以下であり得る。これに伴って、前記
ベース金属板100aの厚さを15μm以下に製造することができる。
【0371】
前記ベース金属板の準備ステップは、多様な厚さ減少ステップを含むことができる。例
えば、前記ベース金属板は、化学的または電気的処理による厚さ減少ステップをさらに含
むことができる。すなわち、前記ベース金属板の準備ステップは、厚さが20μm超過の
前記金属基板MSを、厚さが20μm以下のベース金属板に処理するステップを含むこと
ができる。
【0372】
図26を参照して、ベース金属板の形成ステップを説明する。
【0373】
前記金属基板MSは、化学的または電気的方法で処理されることによって、前記金属基
板MSより約15%ないし約25%範囲程度に厚さが減少し得る。
【0374】
前記金属基板MSは、化学的薬品を通じてエッチングされることにより、前記金属基板
MSより厚さが約20%減少されたベース金属板100aを形成することができる。この
とき、前記化学的薬品は酸性溶液であって、多様な有機酸溶液または多様な無機酸溶液で
あり得る。または、前記金属基板MSは、電気的に電解されることにより、前記金属基板
MSより厚さが約20%減少されたベース金属板100aを形成することができる。
【0375】
すなわち、実施例によるベース金属板100aは、圧延方式を使用せずに製造され得る
。超高解像度の表示装置を製造するためには、20μm以下の厚さを有するインバーを提
供するべきである。厚い原材料を反復的な圧延工程を通じて、薄いインバーで加工するこ
とができるが、工程の難易度が高く、工程費用が高くなるという問題点がある。このよう
な問題を解決するため、前記化学的または電気的方法でインバーを薄い厚さに加工するこ
とができる。これに伴って、非圧延ベース金属板100aの厚さT1は20μm以下であ
り得る。例えば、前記非圧延ベース金属板100aの厚さT1は15μm以下であり得る
【0376】
図27を参照して、金属表面層形成ステップを説明する。
【0377】
前記ベース金属板100aの表面は、前記化学的または電気的処理によって、エッチン
グファクターが低下することがある。すなわち、前記ベース金属板100aの表面は、化
学または電気処理で粗さが大きいように変形されることにより、エッチングファクターの
低下を発生させることができる。
【0378】
したがって、前記ベース金属板100aの一面または両面に金属表面層を形成すること
ができる。例えば、金属板の両面エッチングを通じて、第1面孔及び第2面孔を形成する
場合には、前記ベース金属板100aの両面に第1表面層110及び第2表面層120を
形成することができる。
【0379】
または、図32のように、金属板の一面のエッチングを通じて第2面孔のみを形成する
場合には、前記ベース金属板100aの一面に金属表面層を形成することができる。
【0380】
前記表面層は、エッチングファクターを向上させることができる多様な材料であり得る
。前記表面層は、エッチングファクターを1.2以上に提供するための多様な材料であり
得る。前記表面層は、エッチングファクターを1.5以上に提供するための多様な材料で
あり得る。前記表面層は、エッチングファクターを1.6以上に提供するための多様な材
料であり得る。前記表面層は、エッチングファクターを2.0以上に提供するための多様
な材料であり得る。
【0381】
前記表面層は1μm以下に形成され得る。前記表面層は100nm以下に形成され得る
。前記表面層は50nm以下に形成され得る。前記表面層は、Al、Mg、O、Ca、C
r、Si、Mnのうち少なくとも一つの元素を含むことができる。
【0382】
前記第1表面層110の厚さT2は、1nmないし100nmであり得る。前記第1表
面層110の厚さT2は、1nmないし50nmであり得る。
【0383】
前記第2表面層120の厚さT3は、1nmないし100nmであり得る。前記第2表
面層120の厚さT3は、1nmないし50nmであり得る。
【0384】
すなわち、前記表面層は、含まれる元素によってフォトレジスト層との密着力が異なる
ことがあり、エッチングファクターが異なり得る。したがって、金属表面層に含まれる元
素によって、1nmないし100nmの範囲で多様な最適の厚さを有し得る。
【0385】
前記表面層は、蒸着、電気メッキ、溶液工程など多様な方法で形成され得る。例えば、
前記表面層は、薄膜形状に形成するために蒸着工程で形成され得る。または、前記表面層
は、蒸着工程より厚く製造するためにメッキによって形成することができる。または、前
記表面層は、ナノまたはマイクロ粒子を含む溶液で処理して形成することができる。また
、前記表面層は、前記ベース金属板を酸化処理して、エッチングファクターを高めること
ができる。
【0386】
図28を参照して、フォトレジスト層形成ステップを説明する。
【0387】
前記第1表面層110上に第1フォトレジスト層P1配置し、前記第2表面層120上
に第2フォトレジスト層P2を配置することができる。
【0388】
前記第1表面層110上にオープン領域を有する第1フォトレジスト層P1を配置し、
前記第2表面層120上にオープン領域を有する第2フォトレジスト層P2を配置するこ
とができる。詳しくは、前記第1表面層100a及び前記第2表面層120上にそれぞれ
フォトレジスト物質を塗布し、露光及び現像工程によって前記第1フォトレジスト層P1
、及び前記第2フォトレジスト層P2をそれぞれ配置することができる。
【0389】
前記第1フォトレジスト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2のオープン領域の幅
が異なるように配置されることにより、前記第1面101上に形成される前記第1面孔V
1と前記第2面102上に形成される前記第2面孔V2の幅が異なり得る。
【0390】
前記第1フォトレジスト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2は、蒸着マスク用金
属板に貫通孔を同時に形成するために複数のオープン領域を含むことができる。
【0391】
図29を参照して、面孔形成のためのエッチングステップを説明する。
【0392】
前記第1表面層110上には、部分的に前記第1フォトレジスト層P1が配置され得る
。前記第1表面層110の上に前記第1フォトレジスト層P1が配置される領域は、貫通
孔が形成されないこともある。すなわち、前記第1フォトレジスト層P1は、エッチング
工程で物理的/化学的安全性を維持できる物質を含むことができる。これに伴って、前記
第1フォトレジスト層P1は、前記第1フォトレジスト層P1の下部に配置された前記第
1表面層110及び前記ベース金属板100aのエッチングを阻止することができる。
【0393】
前記第2表面層120上には、部分的に前記第2フォトレジスト層P2が配置され得る
。前記第2表面層120上に前記第2フォトレジスト層P2が配置される領域は、貫通孔
が形成されないこともある。すなわち、前記第2フォトレジスト層P2は、エッチング工
程で物理的/化学的安全性を維持できる物質を含むことができる。これに伴って、前記第
2フォトレジスト層P2は、前記第2フォトレジスト層P2の下部に配置された前記第2
表面層120及び前記ベース金属板100aのエッチングを阻止することができる。
【0394】
一方、前記第1フォトレジスト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2のオープン領
域は、エッチング工程でエッチングが行われ得る。これに伴って、前記第1フォトレジス
ト層P1及び前記第2フォトレジスト層P2のオープン領域に金属板の貫通孔が形成され
得る。
【0395】
エッチング工程によって金属板の第1面に前記第1面孔V1が形成され、前記第1面と
反対となる第2面に前記第2面孔V2が形成され、前記連結部CAによって前記第1面孔
V1及び前記第2面孔V2が連通されることによって貫通孔が形成され得る。
【0396】
例えば、前記エッチング工程は、湿式エッチング工程によって行われ得る。これに伴っ
て、前記第1面101及び前記第2面102が同時にエッチングされることができ、工程
効率性が向上し得る。一例として、前記湿式エッチング工程は、塩化鉄を含むエッチング
液を用いて約45℃で行われ得る。このとき、前記エッチング液はFeClを35ない
し45重量%含むことができる。詳しくは、前記エッチング液はFeClを36重量%
含むことができる。例えば、FeClを43重量%含んだ前記エッチング液の比重は2
0℃で1.47であり得る。FeClを41重量%含んだ前記エッチング液の比重は2
0℃で1.44であり得る。但し、実施例はこれに制限されず、多様なエッチング液を使
用できることは勿論である。
【0397】
蒸着マスク用金属板は、前記第1表面層110、前記ベース金属板100a及び前記第
2表面層120を貫通する貫通孔を形成するため、前記第1表面層110の下面及び前記
第2表面層120の上面にエッチング液が接触され得る。このとき、前記第1表面層11
0及び前記第2表面層120は、前記ベース金属板100aよりエッチング液に強い物質
を含むことができ、エッチングファクターを向上させることができる。
【0398】
図30を参照して、フォトレジスト層の除去による蒸着マスクの形成ステップを説明す
る。前記第1フォトレジスト層P1、及び前記第2フォトレジスト層P2を除去すること
により、前記ベース金属板100a上に第1表面層110及び第2表面層120が配置さ
れ、複数の貫通孔を有する金属板を形成することができる。
【0399】
前記エッチングステップ以後に、下記式1によって計算された前記第1面孔及び前記第
2面孔のうち少なくとも一つの面孔のエッチングファクターは、1.2以上であり得る。
下記式1によって計算された前記第1面孔及び前記第2面孔のうち少なくとも一つの面孔
のエッチングファクターは、1.5以上であり得る。下記式1によって計算された前記第
1面孔及び前記第2面孔のうち少なくとも一つの面孔のエッチングファクターは、1.6
以上であり得る。下記式1によって計算された前記第1面孔及び前記第2面孔のうち少な
くとも一つの面孔のエッチングファクターは、2.0以上であり得る。
【0400】
蒸着マスクの第1面孔及び第2面孔のエッチングファクターは、1.2以上であり得る
。蒸着マスクの第1面孔及び第2面孔のエッチングファクターは、1.5以上であり得る
。蒸着マスクの第1面孔及び第2面孔のエッチングファクターは、1.6以上であり得る
。蒸着マスクの第1面孔及び第2面孔のエッチングファクターは、2.0以上であり得る
【0401】
望ましくは、前記第1面孔より大きい前記第2面孔のエッチングファクターは、1.2
以上であり得る。前記第1面孔より大きい前記第2面孔のエッチングファクターは、1.
5以上であり得る。前記第2面孔のエッチングファクターは、1.6以上であり得る。前
記第2面孔のエッチングファクターは、2.0以上であり得る。
【0402】
<式1>
Etching Factor=B/A
【0403】
上記式1で、前記Bは、エッチングされた面孔の中心方向の深さである。
【0404】
前記Aは、オープンされたフォトレジスト層のブリッジ領域から延びて前記面孔の中心
方向に突出した一端の幅である。
【0405】
また、実施例による蒸着マスクは、20μm以下の厚さを有し得る。これに伴って、実
施例による蒸着マスクは、高解像度及び超高解像度の表示装置を提供することができる。
【0406】
実施例による蒸着マスクは、多様な構造を有し得る。
【0407】
実施例による第1面孔の傾斜角度は、多様であり得る。
【0408】
図31を参照すると、前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3とを
連結する蒸着マスクの傾斜角度θ1は、90度以下であり得る。前記変曲点P2と前記第
2面孔V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜角度が90度を超過すると、蒸着物
質を収容することが困難であって、蒸着効率が低下することがある。
【0409】
前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜角度θ1
は、20度ないし70度の範囲であり得る。前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の
任意の地点P3とを連結する傾斜角度が20度ないし70度の範囲であるとき、蒸着の均
一性が向上し得る。
【0410】
例えば、前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜
角度は、30度ないし60度の範囲であり得る。例えば、前記変曲点P2と前記第2面孔
V2の終端の任意の地点P3とを連結する傾斜角度は、32度ないし38度または52度
ないし58度の範囲であり得る。
【0411】
前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3
との間の傾斜角度は、70度以下であり得る。例えば、前記第1面孔V1の終端の任意の
地点P1と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3との間の傾斜角度は、60度以下で
あり得る。例えば、前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1と前記第2面孔V2の終端
の任意の地点P3との間の傾斜角度は、50度以下であり得る。これに伴って、蒸着物質
をよく収容できる傾斜角度を有し得る。
【0412】
前記変曲点P2と前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1とを連結する蒸着マスクの
傾斜角度θ2は、90度以下であり得る。すなわち、前記連結部の幅は、第1面孔の幅よ
り大きいことがあるので、前記シャドー領域SAを含まないこともある。
【0413】
これは、蒸着方式に従って異なり得る。図22の場合、蒸着時の蒸着のための蒸発源(
SOURCE)物質とこのP1地点までの蒸着角度が大きいので、P1地点に蒸着物が附
着する可能性がある場合に容易であり、図31の実施例の場合、蒸発源(SOURCE)
物質は、金属基板との接着力が低いので、P1地点で蒸着物質と金属基板が附着しない場
合に容易である。
【0414】
前記第2面を基準に前記変曲点までの角度と前記変曲点を基準に前記第1面孔までの角
度は、それぞれ90度以下であり得る。このとき、前記第2面を基準に前記変曲点までの
角度は、前記変曲点を基準に前記第1面孔までの角度よりさらに小さいことがある。すな
わち、前記変曲点P2と前記第1面孔V1の終端の任意の地点P1とを連結する蒸着マス
クの傾斜角度θ2は、前記変曲点P2と前記第2面孔V2の終端の任意の地点P3とを連
結する傾斜角度θ1よりさらに大きいことがある。
【0415】
一例として、金属表面層は、Ni、Cr、Fe、Au、Mo、O、Tiのうち少なくと
も一つの元素を含むことができる。例えば、実施例による蒸着マスクの金属板は、インバ
ー金属板上にCr含有の表面層を形成するか、またはO含有の表面層を形成することによ
り、表面におけるエッチング速度を遅くすることができ、変曲点と第1面孔との間の傾斜
角度を90度以下に形成することができる。
【0416】
前記第2面孔の幅は、前記変曲点の幅より大きく、前記変曲点の幅は、前記第1面孔の
幅より大きいことがある。または、前記第2面孔の幅は、前記変曲点の幅より大きく、前
記変曲点の幅は、前記第1面孔の幅と対応し得る。例えば、前記第1面孔の幅及び前記変
曲点の幅は、0.5:1ないし1:1の割合であり得る。
【0417】
これに伴って、第1面孔を通じて放出される蒸着パターンが広がる現象を防止すること
ができる。
【0418】
実施例による蒸着マスクは、連結部の幅が蒸着パターンの幅と対応するか、または連結
部の幅が蒸着パターンより大きく形成されることにより、高解像度及び/または超高解像
度の表示装置を提供することができる。実施例による蒸着マスクは、解像度が800PP
I以上であり得る。
【0419】
実施例は、第1面孔を含まないことがある。
【0420】
図32を参照すると、蒸着マスク用金属板の一面でのみエッチングが行われる場合には
、前記ベース金属板100aの一面でのみ第2表面層120を含むことができる。これに
伴って、実施例は、第2面孔のみを含む貫通孔を形成することができる。第2面孔は、蒸
着物質を収容できる形態であり、第2面孔の終端と対応する幅に有機物質を蒸着すること
ができるので、蒸着物質が第1面孔の厚さによって、拡散する現象を防止することができ
る。これに伴って、実施例による蒸着マスクは、蒸着効率を向上させることができる。
【0421】
したがって、実施例による蒸着マスクは、高解像度の表示装置を製造することができる
【0422】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。このような実施例は
、本発明をさらに詳細に説明するために例として提示したものに過ぎない。したがって、
本発明がこのような実施例に限定されるものではない。
【0423】
比較例1は、ベース蒸着マスク用30μm金属板上にフォトレジスト層を配置し、湿式
エッチングして貫通孔を形成した。
【0424】
比較例2は、比較例1のベース蒸着マスク用30μm金属板を酸性溶液でエッチングし
て20μm以下の厚さに薄く処理されたベース金属板上にフォトレジスト層を配置し、湿
式エッチングして貫通孔を形成した。
【0425】
実施例1は、比較例2のベース金属板上にNi金属表面層を形成した。Ni含有の金属
表面層上にフォトレジスト層を配置し、湿式エッチングして貫通孔を形成した。
【0426】
実施例2は、比較例2のベース金属板上にCr及びNi金属表面層を形成した。Cr及
びNiの二元系合金を含む金属表面層上にフォトレジスト層を配置し、湿式エッチングし
て貫通孔を形成した。
【0427】
実施例3は、比較例2のベース金属板上にFe及びNi金属表面層を形成した。Fe及
びNiの二元系合金を含む金属表面層上にフォトレジスト層を配置し、湿式エッチングし
て貫通孔を形成した。
【0428】
前述したように、湿式エッチングを通じる貫通孔形成の後に表面層は除去され得る。
【0429】
比較例及び実施例のフォトレジスト層のオープン領域の幅、エッチング液の温図及びエ
ッチング液の種類は同じ条件で、エッチングファクターを測定した。
<実験例1:フォトレジスト層の密着力、エッチングファクター及び貫通孔品質評価>
【0430】
【表2】
【0431】
前記表2は、実施例及び比較例のフォトレジスト層の密着力、エッチングファクター及
び貫通孔品質の評価結果を示したものである。
【0432】
フォトレジスト層の脱膜が発生しない場合、○で表示した。
【0433】
貫通孔の直径の最大値と最小値のサイズ偏差が±3μm以内であるとき、○で表示した
。詳しくは、基準孔と隣接したホールのサイズ偏差が±3μm以内であるとき、○で表示
した。
【0434】
前記表2を参照すると、実施例1ないし実施例3の金属表面層は、Ni、Cr、Feの
うち少なくとも一つの元素を含むことによってエッチングファクターが1.2以上に向上
することを確認することができる。実施例1ないし実施例3の金属表面層のエッチングフ
ァクターは、1.5以上に向上することを確認することができる。実施例1ないし実施例
3の金属表面層のエッチングファクターは、1.6以上に向上することを確認することが
できる。実施例1ないし実施例3の金属表面層のエッチングファクターは、2.0以上に
向上することを確認することができる。実施例1ないし実施例3の金属表面層は、ニッケ
ル層またはニッケル含有二元系合金を含むことにより、エッチングファクターが2.8以
上に向上することを確認することができる。これに伴って、実施例による蒸着マスクは、
貫通孔の間隔(pitch)を縮小させることができる。また、実施例による蒸着マスク
は、微細なサイズの貫通孔を優れた品質で形成することができ、これを通じて超高解像度
のOLEDパネルを製造することができる。
【0435】
上述した実施例に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施
例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例に
おいて例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野における通常の知識を有
する者によって他の実施例に対しても組合せまたは変形されて実施可能である。したがっ
て、このような組合せと変形に関係した内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈され
るべきである。
【0436】
また、以上で実施例を中心に説明したが、これは単なる例示にすぎず、本発明を限定す
るものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有した者であれば、本実施例の本質
的な特性を逸脱しない範囲で、以上で例示されていない様々な変形と応用が可能であるこ
とが分かるだろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は、変形して実施する
ことができるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は、添付した
特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
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